JP2012019504A - ノイズフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】電力変換のためのスイッチングのキャリア成分で発生する大きな伝導性ノイズだけでなく高域成分のノイズ抑制も可能な幅広く広帯域に効果のあるノイズフィルタを提供する。
【解決手段】電力変換装置へ接続され交流電力を伝播する主回路配線7a,7bに、複数のコモンモードコイル1,4と、各相の主回路配線毎の対地間コンデンサ5とを備え、少なくとも1つの前記コモンモードコイルが、主回路配線7a,7bと同相に共振用配線2を巻き共振用配線2の両端間に共振コンデンサ3を接続した共振回路付コモンモードコイル1からなる。
【選択図】図1
【解決手段】電力変換装置へ接続され交流電力を伝播する主回路配線7a,7bに、複数のコモンモードコイル1,4と、各相の主回路配線毎の対地間コンデンサ5とを備え、少なくとも1つの前記コモンモードコイルが、主回路配線7a,7bと同相に共振用配線2を巻き共振用配線2の両端間に共振コンデンサ3を接続した共振回路付コモンモードコイル1からなる。
【選択図】図1
Description
この発明は電力変換器により発生する伝導性ノイズをノイズフィルタによって抑制する技術に関するものである。
従来のノイズフィルタにおいては、コモンモードコイルに共振用配線を取り付け、その両端に共振用コンデンサを取り付けた1つのコイルと、対地間コンデンサで構成されている。共振用配線のインダクタンス値と共振用コンデンサの容量値で共振する周波数においてのみ、大きな減衰量を持つフィルタとなっている(下記特許文献1参照)。
電力変換装置から発生する伝導性ノイズは電力変換素子のスイッチングキャリア周波数の高調波に起因する低域成分から、負荷装置のインピーダンスに起因して発生する高域成分まで、広帯域に発生する。しかし、従来より提案されているノイズフィルタでは、ノイズフィルタの減衰量として、共振回路の共振周波数だけで効果があり、幅広く広帯域に効果のあるノイズフィルタを確保するのが、困難であった。
この発明は、電力変換素子のスイッチングのキャリア成分で発生する大きな伝導性ノイズだけでなく、高域成分のノイズ抑制も可能である、幅広く広帯域に効果のあるノイズフィルタを提供することを目的とする。
この発明は、電力変換装置へ接続され交流電力を伝播する主回路配線に、複数のコモンモードコイルと、各相の主回路配線毎の対地間コンデンサとを備え、少なくとも1つの前記コモンモードコイルが、主回路配線と同相に共振用配線を巻き前記共振用配線の両端間に共振コンデンサを接続した共振回路付コモンモードコイルからなることを特徴とするノイズフィルタにある。
この発明では、電力変換素子のスイッチングのキャリア成分で発生する大きな伝導性ノイズだけでなく、高域成分のノイズ抑制も可能である、幅広く広帯域に効果のあるノイズフィルタを提供できる。
以下、この発明によるノイズフィルタを各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるノイズフィルタの一例を示す回路構成図である。図1において、例えば一端Aに交流電源、他端Bに電力変換素子が接続され、交流電源から電力変換素子へ交流電力を伝播する単相の往復の主回路配線7a,7bにはコモンモードコイル4と共振回路付コモンモードコイル1が設けられている。また各主回路配線7a,7bにはそれぞれ対地間コンデンサ5が接続され、主回路配線7a,7b間には線間コンデンサ6が接続されている。コモンモードコイル4は主回路配線7a,7bが同相に巻かれてなり、共振回路付コモンモードコイル1は、主回路配線7a,7bに、さらに同相に巻かれた共振用配線2と共振用配線2の両端間に接続された共振コンデンサ3からなる共振回路ユニットが設けられてなる。
図1はこの発明の実施の形態1によるノイズフィルタの一例を示す回路構成図である。図1において、例えば一端Aに交流電源、他端Bに電力変換素子が接続され、交流電源から電力変換素子へ交流電力を伝播する単相の往復の主回路配線7a,7bにはコモンモードコイル4と共振回路付コモンモードコイル1が設けられている。また各主回路配線7a,7bにはそれぞれ対地間コンデンサ5が接続され、主回路配線7a,7b間には線間コンデンサ6が接続されている。コモンモードコイル4は主回路配線7a,7bが同相に巻かれてなり、共振回路付コモンモードコイル1は、主回路配線7a,7bに、さらに同相に巻かれた共振用配線2と共振用配線2の両端間に接続された共振コンデンサ3からなる共振回路ユニットが設けられてなる。
インバータなどの電力変換装置においては、電力変換素子のスイッチングにより高周波ノイズが発生する。高周波ノイズは、モータなどの負荷装置を経由して、コモンモードノイズとなり、伝導性ノイズとして大地(GND)や入力電源側へ流れ込む。このような伝導性ノイズを抑制するために電力変換装置の入力電源側にはノイズフィルタが取り付けられる。伝導性ノイズは電力変換素子のスイッチングに起因するため、スイッチングのキャリア周波数の高調波成分の周波数で発生する。このため、伝導性ノイズはキャリア周波数毎に発生し、かつ一般的には低周波帯域で大きく、高周波帯域では小さくなるような周波数特性を示す。また、高周波帯域においては、電力変換装置と変換された電力を受ける負荷装置(図示省略)間のインピーダンスに起因して伝導性ノイズが発生する。電力変換装置の入力電源側に取り付けられるノイズフィルタとしては、低周波側で発生するインバータキャリア周波数のノイズと、高周波側で発生する負荷装置のインピーダンスに起因するノイズの双方を抑制する必要がある。
図1に示した構成にすることにより、コモンモードノイズに対するノイズフィルタの減衰量は図2に示すようなものとなる。このように共振回路付コモンモードコイル1の共振回路ユニットの共振周波数にて大きな減衰量を持つフィルタとなり、電力変換素子のスイッチングのキャリア周波数の高調波成分の周波数で発生する伝導性ノイズを抑制することが可能となる。また、このようなノイズフィルタにすることにより、共振回路ユニットの共振周波数から外れた帯域においてもコモンモードコイル4と対地間コンデンサ5が働くことにより高周波帯域にて減衰量を確保することができる。よって、共振回路の共振周波数だけでなく、幅広く広帯域に効果のあるノイズフィルタを得ることが可能となる。
またこのような構成にすることにより、共振コンデンサ3の容量値C3と対地間コンデンサ5の容量値C5を独立に決めることが可能となる。共振コンデンサ3の容量値C3は共振回路の共振周波数を決めるため、共振用配線2のインダクタンス値L2から決めれば良い。また、対地間コンデンサ5の容量値C5は、共振回路の共振周波数から外れた帯域の減衰量を確保するため、共振コンデンサ3が取り付けられていない通常のコモンモードコイル4のインダクタンス値L4から決めることが可能である。このため、所望するインダクタンス値やコンデンサ容量値からフィルタ回路定数を決めることができるという利点を持っている。一般的に対地間コンデンサ5の容量値C5は漏洩電流の観点より小さく設定し、共振コンデンサ3の容量値C3はコイルコアの飽和の観点より大きく設定する。このように、この発明の実施の形態1のようなノイズフィルタは、共振コンデンサ3と対地間コンデンサ5の容量値を別々に独立に決めることが可能であるので、大きなメリットを持っている。
なお、対地間コンデンサ5の容量値C5を共振回路付コモンモードコイル1の共振コンデンサ3の容量値C3よりも小さくすることで、漏洩電流を小さくすることができる。
また、共振回路付コモンモードコイル1のインダクタンス値L1を共振回路を持たないコモンモードコイル4のインダクタンス値L4よりも小さくすることで、コモンモード電流や共振電流からの磁気飽和を抑制することができる。
また、共振回路付コモンモードコイル1の共振用配線2の巻き線インダクタンス値L2と共振コンデンサ3の容量値C3を、電力変換装置におけるスイッチングのキャリア周波数に応じた共振周波数となる値とすることで、電力変換装置におけるスイッチングのキャリア周波数で発生する伝導性ノイズを効率的にノイズフィルタで抑制することができる。
また、共振回路付コモンモードコイル1のインダクタンス値L1を共振回路を持たないコモンモードコイル4のインダクタンス値L4よりも小さくすることで、コモンモード電流や共振電流からの磁気飽和を抑制することができる。
また、共振回路付コモンモードコイル1の共振用配線2の巻き線インダクタンス値L2と共振コンデンサ3の容量値C3を、電力変換装置におけるスイッチングのキャリア周波数に応じた共振周波数となる値とすることで、電力変換装置におけるスイッチングのキャリア周波数で発生する伝導性ノイズを効率的にノイズフィルタで抑制することができる。
実施の形態2.
図3にはこの発明の実施の形態2によるノイズフィルタの共振回路付コモンモードコイルの構成の一例を示す図である。共振回路付コモンモードコイル1は、単相の主回路配線7a,7bが同相で磁性体コア8に巻かれているものとなっている。加えて、主回路配線7a,7bと同相に共振用配線2が巻かれており、共振用配線2の両端には共振コンデンサ3が取り付けられている。
図3にはこの発明の実施の形態2によるノイズフィルタの共振回路付コモンモードコイルの構成の一例を示す図である。共振回路付コモンモードコイル1は、単相の主回路配線7a,7bが同相で磁性体コア8に巻かれているものとなっている。加えて、主回路配線7a,7bと同相に共振用配線2が巻かれており、共振用配線2の両端には共振コンデンサ3が取り付けられている。
このような共振回路付コモンモードコイル1においては、単相の主回路配線7a,7bを同相で流れるコモンモード電流に対して、共振用配線2のインダクタンス値L2と共振コンデンサ3の容量値C3で共振する周波数にて大きなインピーダンスを持つことができる。しかし、単相の主回路配線7a,7bを逆相を流れるノーマルモード電流(例えば商用周波数電流)に対しては磁性体コア8に磁束が発生しないため、コア飽和が抑制できる。
このようにこの発明によれば、共振回路付コモンモードコイル1を、主回路配線7a,7bだけでなく、共振用配線2も磁性体コア8に合わせて巻き、共振コンデンサ3を取り付ける(共振回路ユニットを構成)ことで、コモンモード電流に対して共振インピーダンスを持つようにコモンモードコイルが構成され、このような共振回路付コモンモードコイルを取り付けることでノイズフィルタが構成されている。
実施の形態3.
図4はこの発明の実施の形態3によるノイズフィルタのコモンモードコイルおよび共振回路付コモンモードコイルの構成の一例を示す図である。単相の主回路配線7a,7bは同心円状(同軸の)の2つの磁性体コア、すなわち外側環状磁性体コア8aと内側環状磁性体コア8bをまとめて軸として巻き線されている。これに対して共振用配線2は、外側環状磁性体コア8aと内側環状磁性体コア8bのうちのいずれか一方、ここでは外側環状磁性体コア8aのみに巻き線され、両端に共振コンデンサ3が接続されて共振回路ユニットを構成している。
図4はこの発明の実施の形態3によるノイズフィルタのコモンモードコイルおよび共振回路付コモンモードコイルの構成の一例を示す図である。単相の主回路配線7a,7bは同心円状(同軸の)の2つの磁性体コア、すなわち外側環状磁性体コア8aと内側環状磁性体コア8bをまとめて軸として巻き線されている。これに対して共振用配線2は、外側環状磁性体コア8aと内側環状磁性体コア8bのうちのいずれか一方、ここでは外側環状磁性体コア8aのみに巻き線され、両端に共振コンデンサ3が接続されて共振回路ユニットを構成している。
このように構成することで、外側環状磁性体コア8aは共振回路を形成するが、内側環状磁性体コア8bは共振回路を形成しないため、実施の形態1におけるコモンモードコイル4および共振回路付コモンモードコイル1を一つに集約した、共振周波数での大きな減衰量と幅広い帯域で減衰効果のあるノイズフィルタを得ることができる。
なお2つの磁性体コアは同軸の環状のものである必要はなく、平行に延びる2つの磁性体コアであればよい。
実施の形態4.
図5はこの発明の実施の形態4によるノイズフィルタの共振回路付コモンモードコイルの構成の一例を示す図である。図6はこの発明の実施の形態4によるノイズフィルタのコモンモードコイルおよび共振回路付コモンモードコイルの構成の一例を示す図である。図5は図3に示す実施の形態2の構成において、共振用配線2と共振コンデンサ3からなる共振回路ユニットを複数設けたものである。また図6は図4に示す実施の形態3の構成において、共振用配線2と共振コンデンサ3からなる共振回路ユニットを複数設けたものである。共振回路ユニットは共振用配線2が外側環状磁性体コア8aと内側環状磁性体コア8bのうちのいずれに巻かれていてもよい。共振回路ユニット(2,3)が複数取り付けられることにより複数の共振回路が形成され、共振回路付コモンモードコイルは共振インピーダンスを複数の周波数で持つことができる。
図5はこの発明の実施の形態4によるノイズフィルタの共振回路付コモンモードコイルの構成の一例を示す図である。図6はこの発明の実施の形態4によるノイズフィルタのコモンモードコイルおよび共振回路付コモンモードコイルの構成の一例を示す図である。図5は図3に示す実施の形態2の構成において、共振用配線2と共振コンデンサ3からなる共振回路ユニットを複数設けたものである。また図6は図4に示す実施の形態3の構成において、共振用配線2と共振コンデンサ3からなる共振回路ユニットを複数設けたものである。共振回路ユニットは共振用配線2が外側環状磁性体コア8aと内側環状磁性体コア8bのうちのいずれに巻かれていてもよい。共振回路ユニット(2,3)が複数取り付けられることにより複数の共振回路が形成され、共振回路付コモンモードコイルは共振インピーダンスを複数の周波数で持つことができる。
このような構成によれば、ノイズフィルタに搭載されている共振回路付コモンモードコイルが複数の共振回路を持っているため、複数の共振周波数において大きなインピーダンスを得ることができる。このため、ノイズフィルタの減衰特性が複数の周波数にて大きな減衰量を持つことができ、電力変換装置からの伝導性ノイズに対して、複数のピークを持つ周波数に対応したノイズフィルタを得ることができる。
実施の形態5.
図7はこの発明の実施の形態5によるノイズフィルタの特性を説明するために使用するコモンモードコイルの共振回路部分の構成を示す図である。具体的には、共振用配線2からコンデンサ3を取り外した、磁性体コア8cに共振用配線2を巻いたコイルの構成となっている。図7の共振回路のインピーダンスの周波数および位相(Phase)の特性を測定すると、図8のようなものが得られる。実線で示すインピーダンス|Z|(図8の左縦軸)は0.1MHz周辺の低い周波数帯では、破線で示す位相(図8の右縦軸)が90度であり、ほぼ100%誘導性を示す。しかし、周波数が数百kHzと高くなると、抵抗性が加わってきて、インピーダンスの位相は90度より徐々に小さくなっていく。さらに周波数が高くなると、位相が0度からわずかに下回り、インピーダンスはほとんど抵抗性を示す。
図7はこの発明の実施の形態5によるノイズフィルタの特性を説明するために使用するコモンモードコイルの共振回路部分の構成を示す図である。具体的には、共振用配線2からコンデンサ3を取り外した、磁性体コア8cに共振用配線2を巻いたコイルの構成となっている。図7の共振回路のインピーダンスの周波数および位相(Phase)の特性を測定すると、図8のようなものが得られる。実線で示すインピーダンス|Z|(図8の左縦軸)は0.1MHz周辺の低い周波数帯では、破線で示す位相(図8の右縦軸)が90度であり、ほぼ100%誘導性を示す。しかし、周波数が数百kHzと高くなると、抵抗性が加わってきて、インピーダンスの位相は90度より徐々に小さくなっていく。さらに周波数が高くなると、位相が0度からわずかに下回り、インピーダンスはほとんど抵抗性を示す。
インピーダンスZを誘導性と抵抗性に分解すると図9のようになる。実線がインピーダンス|Z|、一点鎖線が抵抗性R(レジスタンス成分)、破線が誘導性|jωL|(誘導性リアクタンス成分)を示す。図9を見ると明らかなように、インピーダンスは0.1MHz周辺の低い周波数帯では、ほぼ100%リアクタンス成分である。周波数が数百kHzと高くなると、レジスタンス成分が上昇してくる。数百kHzの帯域でリアクタンス成分は極大値を取り、さらに周波数が高くなると、インダクタンスに起因するリアクタンス成分は0となる。この0となる周波数の付近でレジスタンス成分が極大値をとり、これより上の周波数帯域では、インピーダンスはほぼレジスタンス成分となる。このような特性は磁性体コア8cの材料の磁性特性に起因するものであるが、周波数に応じてリアクタンスやレジスタンスが入れ替わるというのが特徴である。
一方、共振回路付コモンモードコイル1の共振回路部分の等価回路は図10のようにコンデンサCCとインダクタンスLLと抵抗RRの並列回路で表すことができる。共振のQ値は、共振周波数をf、コンデンサ容量をC、抵抗値をRとすると、Q=2πfCRと書くことができる。Q値が大きいほど共振帯域が狭く、大きなインピーダンスを得ることができる。すなわち、ノイズフィルタの共振回路付コモンモードコイル1においては、大きなQ値を持つものが有利であるといえる。抵抗値Rはコイルが持つレジスタンス成分に相当するので、大きな減衰量を持つフィルタを得るには、コイルが持つレジスタンス成分が大きくなる部分を使うと飛躍的に減衰量を稼ぐことができる。しかし、図9に示すように、レジスタンス成分が極大値を持つ付近では、(誘導性)リアクタンスも小さくなるので、コイルL値(インダクタンスL)が小さくなり、共振しにくくなるので、注意が必要である。すなわち、フィルタ減衰量を飛躍的に稼ぐ上限の周波数は、レジスタンス成分が極大値をとる周波数、または(誘導性)リアクタンス成分が0になる周波数(コイルインピーダンスの位相が0)で決められるということである。
このように、共振用配線2と共振コンデンサ3からなる共振回路の共振周波数を、ノイズ規制がかかる一番低い周波数(一般的には150kHz)以上、共振回路付コモンモードコイル1のインピーダンスのレジスタンス成分が極大値をとる周波数以下、または該インピーダンスのリアクタンス成分が0(共振回路付コモンモードコイル1のインピーダンスの位相が0度)になる周波数以下、の間に設定することで、フィルタ減衰量を飛躍的に稼ぐことが可能になる。
なお、上記各実施の形態では単相の交流のものについて説明したがこの発明はこれに限定されず、多相交流のものにも適用可能である。
さらにこの発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの可能な組み合わせを全て含むことは云うまでもない。
さらにこの発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの可能な組み合わせを全て含むことは云うまでもない。
この発明では、コモンモードコイルに共振用配線と共振コンデンサを取り付けたことで、コモンモードコイルは伝導性ノイズが発生する周波数帯にて大きなインピーダンスを持つ。この共振回路付コモンモードコイルと共振用配線を巻いていないコモンモードコイルと対地間コンデンサにより、この発明のノイズフィルタでは減衰量の周波数特性が単調減少とはならず、コイルが共振する周波数にて大きな減衰量を得ることができ、かつ共振回路の共振周波数だけでなく、幅広く広帯域に効果のあるノイズフィルタを得ることができる。このため、電力変換装置から発生する伝導性ノイズに対して、小さなコモンモードコイルや小容量の対地間コンデンサによって必要な減衰量を確保することができる。
1 共振回路付コモンモードコイル、2 共振用配線、3 共振コンデンサ、4 コモンモードコイル、5 対地間コンデンサ、6 線間コンデンサ、7a,7b 主回路配線、8,8c 磁性体コア、8a 外側環状磁性体コア、8b 内側環状磁性体コア。
Claims (9)
- 電力変換装置へ接続され交流電力を伝播する主回路配線に、複数のコモンモードコイルと、各相の主回路配線毎の対地間コンデンサとを備え、少なくとも1つの前記コモンモードコイルが、主回路配線と同相に共振用配線を巻き前記共振用配線の両端間に共振コンデンサを接続した共振回路付コモンモードコイルからなることを特徴とするノイズフィルタ。
- 対地間コンデンサの容量が共振回路付コモンモードコイルの共振コンデンサの容量よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
- 共振回路付コモンモードコイルのインダクタンスが共振回路を持たないコモンモードコイルのインダクタンスよりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のノイズフィルタ。
- 主回路配線が交流電源と前記電力変換装置との間を接続し、共振回路付コモンモードコイルの共振用配線の巻き線インダクタンスと共振コンデンサの容量が、前記電力変換装置におけるスイッチングのキャリア周波数に応じた共振周波数となる値を有することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
- 共振回路付コモンモードコイルが、磁性体コアに主回路配線および共振用配線が共に同相に巻かれ、前記共振用配線の両端に共振コンデンサが接続されてなることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
- 1つのコモンモードコイルと1つの共振回路付コモンモードコイルが、平行に延びる第1の磁性体コアと第2の磁性体コアに、主回路配線が前記第1および第2の磁性体コアをまとめて軸として同相に巻かれ、共振用配線が前記第1および第2の磁性体コアのいずれか一方を軸として同相に巻かれ、前記共振用配線の両端に共振コンデンサが接続されてなることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
- 磁性体コアまたは第1および第2の磁性体コアのいずれか一方を軸として同相に巻かれる共振用配線と前記共振用配線の両端に接続された共振コンデンサからなる共振回路ユニットを少なくとも1つ追加したことを特徴とする請求項5または6に記載のノイズフィルタ。
- 主回路配線が交流電源と前記電力変換装置との間を接続し、共振回路付コモンモードコイルの共振用配線の巻き線インダクタンスと共振コンデンサの容量からなる共振回路における共振周波数を、ノイズ規制がかかる一番低い周波数以上、共振回路付コモンモードコイルのインピーダンスの位相が0度になる周波数以下の間に設定したことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
- 主回路配線が交流電源と前記電力変換装置との間を接続し、共振回路付コモンモードコイルの共振用配線の巻き線インダクタンスと共振コンデンサの容量からなる共振回路における共振周波数を、ノイズ規制がかかる一番低い周波数以上、共振回路付コモンモードコイルのインピーダンスのレジスタンス成分が極大値となる周波数以下の間に設定したことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のノイズフィルタ。
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