JP2012015228A - 窒化物半導体の微細構造の製造方法、二次元フォトニック結晶による面発光レーザとその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体の微細構造の製造方法、二次元フォトニック結晶による面発光レーザとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体のエッチング工程で精密に制御して形成した孔のサイズを、熱処理工程を施した後に大きく変動させることなく、半導体の内部に空孔を含む微細構造の形成が可能な窒化物半導体の微細構造の製造方法を提供する。
【解決手段】窒化物半導体の微細構造の製造方法であって、Alを除くIII族窒化物半導体からなる第1の半導体層102の主面の上にAlを含むIII族窒化物半導体からなる第2の半導体層104を形成し、第2の半導体層を貫通してなる第1の半導体層に形成された細孔107を有する半導体構造を用意する第1の工程と、第1の工程後、半導体構造を窒素元素を含む雰囲気下で熱処理し、第1の半導体層に形成された細孔の側壁の少なくとも一部に、第1の半導体層の結晶面を形成する第2の工程と、第2の工程後、第2の半導体層の上にIII族窒化物半導体からなる第3の半導体層111を形成し、細孔の上部を塞ぐ第3の工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体の微細構造の製造方法、二次元フォトニック結晶による面発光レーザとその製造方法に関する。
特に、窒化物半導体内部に微細な構造を形成する製造方法に関するものであって、フォトニック結晶を用いた発光素子などの製造方法に利用される技術に関する。
面発光レーザにおいて、反射鏡に二次元フォトニック結晶を利用した面発光レーザが知られている。
特に、近紫外から緑領域で発光可能な窒化物半導体を利用した面発光レーザでは、一般的に用いられる分布ブラッグ反射鏡の作製が困難なことから、二次元フォトニック結晶を利用した面発光レーザが盛んに研究されている。
フォトニック結晶は、光の波長以下の周期で屈折率が変調した微細構造である。中でも、可視域で機能するフォトニック結晶は、大きさが数十〜百数十nmオーダーの複数の微細空孔で構成される。
そのフォトニック結晶が、半導体内部に埋め込まれた構造である場合、高度な製造技術が必要となる。
その一方で、埋め込まれたフォトニック結晶を挟持している半導体層に、他の半導体層や電極を積層することが可能となるため、積層方向に電流注入が可能なフォトニック結晶光デバイスが実現できるという利点がある。
特許文献1には、マストランスポート現象を利用し、窒化物半導体内部に微細空孔を形成する技術が開示されており、また窒化物半導体のフォトニック結晶による面発光レーザの作製法が開示されている。
その具体的な手法は以下のとおりである。
まず、EBリソグラフィとドライエッチングにより、窒化物半導体の表面に孔を形成する。
ドライエッチングの際には、SiO2ハードマスクを使用している。
次に、前記孔を形成した後、前記ハードマスクを除去し、窒素を含む雰囲気下において1000℃で熱処理する。
その結果、表面原子のマストランスポートが生じ、最終的に、前記孔の上部が塞がり空孔が形成される。
そして、フォトニック結晶の上に、活性層を含むレーザ構造をエピタキシャル成長させ、窒化物半導体の面発光レーザを作製している。
また、窒化ガリウム(GaN)と、GaNに比べてマストランスポート現象が生じ難い窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)との多層膜を用いる。
特許文献1では、これらにより孔の形成される深さ方向の位置精度を向上させる手法が採られている。
特開2004−111766号公報
フォトニック結晶の光学特性は、孔のサイズと形状に依存する。
設計通りの特性をもつフォトニック結晶デバイスを得るには、精度良く孔のサイズと形状を制御する必要がある。
すなわち、製造工程のなかで、孔のサイズが大きく変動するようでは、良好な光学特性をもつフォトニック結晶を得ることは難しい。
半導体表面に孔を形成するエッチング工程での半導体エッチング技術は確立されたものであり、この製造工程においては孔のサイズや面内のばらつきは精度良く制御することができる。
しかしながら、特許文献1に開示されている手法では、半導体表面に孔を形成するエッチング工程に続く熱処理工程後において、孔のサイズが熱処理工程前の孔のサイズよりも大きくなるという課題を有している。
本発明は、上記課題に鑑み、半導体のエッチング工程で精密に制御して形成した孔のサイズを、熱処理工程を施した後においても大きく変動させることなく、 半導体の内部に空孔を含む微細構造の形成が可能となる窒化物半導体の微細構造の製造方法、二次元フォトニック結晶による面発光レーザとその製造方法の提供を目的としている。
本発明の窒化物半導体の微細構造の製造方法は、窒化物半導体の微細構造の製造方法であって、
Alを除くIII族窒化物半導体からなる第1の半導体層の主面の上に、少なくともAlを含むIII族窒化物半導体からなる第2の半導体層が形成され、
該第2の半導体層を貫通してなる、該第1の半導体層に形成された細孔を有する半導体構造を用意する第1の工程と、
前記第1の工程の後に、前記半導体構造を窒素元素を含む雰囲気下で熱処理し、前記第1の半導体層に形成された細孔の側壁の少なくとも一部に、該第1の半導体層における前記Alを除くIII族窒化物半導体の結晶面を形成する第2の工程と、
前記第2の工程の後に、前記第2の半導体層の上にIII族窒化物半導体からなる第3の半導体層を形成し、前記細孔の上部を塞ぐ第3の工程と、
を有することを特徴とする。
また、本発明の二次元フォトニック結晶による面発光レーザの製造方法は、上記した窒化物半導体の微細構造の製造方法によるフォトニック結晶を用いて製造されたことを特徴とする。
また、本発明の二次元フォトニック結晶による面発光レーザは、活性層と、半導体層と空孔とによる屈折率の異なる媒質を二次元周期で配列して構成されたフォトニック結晶と、を備えた二次元フォトニック結晶による面発光レーザであって、
前記半導体層は、Alを除くIII族窒化物半導体からなる高屈折率の半導体層と、少なくともAlを含むIII族窒化物半導体からなる低屈折率の半導体層で構成され、該高屈折率の半導体層が前記活性層に近い側に配されており、
前記空孔の側壁の少なくとも一部に、前記高屈折率の半導体層の結晶面が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、半導体のエッチング工程で精密に制御して形成した孔のサイズを、熱処理工程を施した後においても大きく変動させることなく、
半導体の内部に空孔を含む微細構造の形成が可能となる窒化物半導体の微細構造の製造方法、二次元フォトニック結晶による面発光レーザとその製造方法を実現することができる。
実施形態1の窒化物半導体の微細構造の製造方法を説明する図である。 実施形態1における製造方法により形成された空孔の透視図である。 実施形態2における製造工程の例を説明する断面図である。 実施形態2において、第2の半導体層の膜厚をパラメータとして、p電極の光吸収αおよび活性層の光閉じ込め係数Γを計算した結果である。図4(a)は、計算に用いた構造の模式図である。図4(b)は、αを計算した結果である。図4(c)は、Γを計算した結果である。 実施形態3における製造工程の変形例を説明する断面図である。 実施形態4における第1の工程の製造工程の例を説明する断面図である。 実施例1における製造方法の一例を説明する断面図である。
つぎに、本発明の実施形態における窒化物半導体の微細構造の製造方法について説明する。
[実施形態1]
図1を用いて、本発明を適用した実施形態1における窒化物半導体の微細構造の製造方法を説明する。
(第1の工程)
まず、細孔を有する半導体構造を用意する工程である第1の工程について説明する。
図1(a)に示すように、基板101上に、Alを除くIII族窒化物半導体からなる第1の半導体層102を積層する。
続いて、第1の半導体層102の主面103に、少なくともAlを含むIII族窒化物半導体からなる第2の半導体層104を積層する。
基板101は、例えば、六方晶であり、より具体的には、GaN、サファイア、SiCのいずれかであることが好ましい。
また、第1の半導体層102は、例えば、GaN、GaInN、InNのいずれかの窒化物半導体である。
また、第2の半導体層104は、例えば、AlN、AlInN、AlGaInN、AlGaNのいずれかの窒化物半導体である。
なお、本実施形態においては、基板101はGaN基板、第1の半導体層102はGaN、第2の半導体層104はAlGaNで形成される。
第1の半導体層102および第2の半導体層104は、例えば有機金属気層成長(MOVPE)法によって成長される。なお、本実施形態においては、第1の半導体層102の主面103は(0001)面である。
つぎに、細孔を形成するためのエッチングマスクの形成工程について説明する。
図1(b)は、図1(a)の工程に続いて、第2の半導体層104の主面105に細孔107を形成するためのエッチングマスク106を形成する工程を説明する図である。
以下、図1(b)の工程を順に説明する。
第2の半導体層104の主面105に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)によってエッチングマスク106の材料を成膜する。
エッチングマスク106の材料は、例えば、加工が容易な、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンのいずれかであることが好ましい。
なお、本実施形態において、エッチングマスク106の材料としては、酸化シリコンが用いられる。
また、エッチングマスクの成膜手法は、スパッタや電子ビーム蒸着であっても良い。
続いて、エッチングマスク106に、開口部108を形成する。開口部108の形成は、フォトリソグラフィとエッチングを用いる。
なお、リソグラフィは、電子ビームリソグラフィ、または、ナノインプリントリソグラフィであっても良い。
開口部108のエッチングは、ウェットエッチング、またはドライエッチングのどちらでも良いが、開口部108のサイズ制御性を良くするためには、ICP(Inductively Coupled Plasma)によるドライエッチングが好ましい。
なお、本実施形態における開口部108は、直径1μmの円形である。
つぎに、細孔の形成工程について説明する。
図1(c)は、図1(b)の工程に続いて、第2の半導体層104を貫通して、第1の半導体層102をエッチングし、細孔107を形成する工程を説明する図である。
細孔107を形成する工程は、ウェットエッチング、または、ドライエッチングのどちらでも良いが、細孔107のサイズの制御性を良くするためには、ICPによるドライエッチングであることが好ましい。
細孔107を形成するためのドライエッチング工程に使用するプラズマ組成は、例えば、Cl、Br、Iのいずれかの元素を含む。
より具体的には、Cl2、BCl3、HBr、HI、HClのいずれかのガスと、He、Ar、Xe、N2のいずれかのガスとの混合ガスプラズマであることが好ましい。
細孔107を形成する工程の後、エッチングマスク106を除去する。
図1(a)から図1(c)までの工程により、第1の半導体層102の主面103の上に、第2の半導体層104が設けられ、第2の半導体層104を貫通してなる、第1の半導体層102に形成された細孔107を有する半導体構造100が用意できる。
なお、本実施形態における細孔107は、上部が直径1μmの円形であり、深さは2.5μmに形成される。
(第2の工程)
つぎに、図1(d)に示した熱処理工程である第2の工程について説明する。図1(d)は、図1(c)の工程に続いて、半導体構造100を、V族である窒素元素を含む雰囲気下で熱処理する第2の工程を説明する図である。
図1(d)の工程では、細孔107の第1の半導体層102の領域の側壁109にマストランスポートを生じさせ、側壁109の少なくとも一部に、第1の半導体層102を構成する窒化物半導体の結晶面110を形成する。
なお、マストランスポートとは、熱エネルギーによって原子が表面から脱離し、輸送された後、表面エネルギーが小さくなる位置で再吸着する現象である。半導体の組成を保ちつつ、表面形状を変化させることや、結晶面を形成させることが可能である。
つぎに、熱処理工程である第2の工程の雰囲気について説明する。
第2の工程は、V族である窒素元素を雰囲気下で行われ、例えば、N2、またはNH3を含む雰囲気下で行われる。
V族雰囲気下で熱処理を行う理由は、III族元素よりもV族元素の方が脱離しやすいためであり、V族元素を供給した雰囲気下で熱処理することで、第1の半導体層102からのV族元素の減少を防いでいる。
つぎに、第2の工程による結晶面形成について説明する。
本実施形態では、第1の半導体層102の主面103が(0001)面であるため、第2の工程後の側壁109には、つぎの(1−10n(但し、nは0から4までの整数))面のいずれかの面が形成される。
すなわち、第2の工程後の側壁109には、主面103に対して垂直な(1−100)面、と等価な結晶面110が形成される。
または、約62度傾斜した(1−101)面、約43度傾斜した(1−102)面、約32度傾斜した(1−103)面、約25度傾斜した(1−104)面、と等価ないずれかの結晶面110が形成される。
なお、第1の半導体層102の主面103が(1−100)面であるとき、側壁109には(0001)面、と等価な結晶面110が形成される。
または、つぎの(1−10n(但し、nは1から4までの整数))面のいずれかの面が形成される。
すなわち、(1−101)面、(1−102)面、(1−103)面、(1−104)面、と等価ないずれかの結晶面110が形成される。
また、第2の工程において、結晶面110が形成されることは、細孔107表面の結晶性を改善する働きがあるということである。
例えば、ドライエッチングによって細孔107を形成した際、プラズマ中のイオン衝撃により細孔107の表面には、原子レベルの欠陥が多数生成される。
しかし、マストランスポートによって結晶面110が形成される際、それら欠陥が修復されるように原子が再配列され、その結果、熱処理を行う前よりも、結晶性の良い表面が得られる。
また、第2の工程のマストランスポートによって、主面103に対して垂直な結晶面110が形成されるのであれば、ドライエッチングによって形成した細孔107の整形にも利用できる。
すなわち、ドライエッチングの際は、プラズマのイオン引き込み電圧を下げて、側壁109の垂直性を犠牲にし、イオン衝撃による欠陥生成を抑制させる。
その次に、第2の工程により、側壁109の垂直性をだし、同時に、表面の欠陥修復を行うことで、細孔107の垂直性と側壁109の結晶性を、ドライエッチング直後の状態よりも良い状態にできる。
つぎに、第2の工程における少なくともAlを含むIII族窒化物半導体からなる第2の半導体層の機能について説明する。
図1(d)に示した第2の工程においては、細孔107以外の第1の半導体層102の主面103が、第2の半導体層104で覆われている。
ここで、特許文献1に開示されているように、AlGaNはGaNに比べマストランスポート現象が生じ難い。
このため、第2の半導体層104は、第1の半導体層102の過剰なマストランスポートによって生じる細孔107の大きなサイズ変動を抑制する。
すなわち、細孔107以外の第1の半導体層102の主面103を第2の半導体層104で覆わなければ、第1の半導体層102表面で脱離した原子が、細孔107の内部に入り込んだ後、側壁109に吸着する。その結果、細孔107の孔径または深さが小さくなる。
本実施形態においては、開口部108の直径1μmに対して、第2の工程後の細孔107の孔径(対向する側壁面の間隔)は、ほぼ変わらず約1μmであった。
(第3の工程)
つぎに、細孔の上部を塞ぐ第3の工程について説明する。
図1(e)は、図1(d)の工程に続いて、細孔107の上部を塞ぐ第3の工程を説明する図である。
第2の工程に続いて、細孔107の上部を塞ぐように、第2の半導体層104上に、III族窒化物半導体からなる第3の半導体層111を結晶成長により形成する。
第3の半導体層111は、例えば、GaN、GaInN、InN、AlN、AlGaN、AlInN、AlGaInNのいずれかの窒化物半導体で形成される。なお、本実施形態においては、第3の半導体層111はGaNで形成される。
つぎに、第3の工程における第2の工程で形成した結晶面の効果について説明する。
この第3の工程では、第2の工程において、側壁109に形成した結晶面110が効果的に機能する。
すなわち、側壁109には、結晶面110が形成されているため、結晶成長速度を制御することが可能である。
例えば、側壁109に形成された結晶面110が(1−100)面である状態で、第3の工程において(0001)面や(1−101)面よりも(1−100)面の成長速度が遅い条件で結晶成長した場合、つぎのように細孔を塞ぐことができる。
すなわち、細孔107の孔径(対向する側壁面の間隔)を大きく変動させることなく、細孔107の上部を第3の半導体層111で塞ぐことが可能である。
また、例えば、側壁109に形成された結晶面110が(1−101)面である状態で、第3の工程において(0001)面や(1−100)面よりも(1−101)面の成長が遅い条件で結晶成長した場合においても、つぎのように細孔を塞ぐことができる。
すなわち、細孔107の深さを大きく変動させることなく、細孔107の上部を第3の半導体層111で塞ぐことが可能である。
なお、本実施形態においては、細孔107上部の直径は1μmであるが、細孔107の上部を塞ぐには、細孔107の深さがアスペクト比2以上となるような深さであることが好ましい。
また、細孔107上部の直径が1μm以下の場合、たとえば、300nm以下であれば、細孔107の深さはアスペクト比が2以下でも、細孔107の上部を塞ぐことが可能である。
また、第3の工程前後で細孔107の孔径(対向する側壁面の間隔)の変動量を小さくするには、第3の工程前の細孔107上部の直径が150nm以下であることが好ましい。
成長速度の制御は、主に雰囲気の温度パラメータを最適化することで行い、特に、本実施形態では、第1の半導体層102と第3の半導体層111が同じ組成であるため、温度最適化は任意にできる。
図1(a)から(e)の工程を順に経ることにより、サイズを精密に制御した空孔120を窒化物半導体内部に形成することが可能である。
ここで、特許文献1と比較して、細孔の上部を塞いで空孔を形成するプロセスが異なる。
特許文献1では、1回の熱処理工程のみで、AlGaN層の下部に形成されたGaN層のマストランスポートを大きく促進させ、該GaN層から該AlGaN層へ物質移動を生じさせることで、細孔の上部を塞いで空孔を形成する。
すなわち、前記GaN層の前記細孔の側壁を形成するGaNが、前記AlGaN層へ大量に物質移動するため、空孔のサイズが大きくなる。
これに対して、本実施の形態では、マストランスポートは、第2の工程において、細孔の側壁の少なくとも一部に結晶面を形成するために利用され、細孔の上部を塞いで空孔を形成する工程は、第3の工程における第3の半導体層の結晶成長によって行われる。
これにより、特許文献1では、多大なマストランスポートによって空孔のサイズが大幅に大きくなるのに対して、本実施の形態では、細孔の側壁面の少なくとも一部に結晶面を形成するためだけにマストランスポートを利用するため、サイズの大幅な変化は生じない。
すなわち、特許文献1と比較して、本実施の形態では、エッチングによって形成した細孔のサイズをほぼ維持したまま、半導体層の内部に空孔を形成することが可能となる。
つぎに、第2の工程後の細孔の概形について説明する。
第1の半導体層102の主面103が(0001)面であるとき、第2の工程後に形成される細孔107は、つぎの面と等価ないずれかの結晶面110を含む多面体である。
すなわち、(1−100)面、(1−101)面、(1−102)面、(1−103)面、(1−104)面と等価ないずれかの結晶面110を含む多面体である。
例えば、図2は第2の工程後に形成された細孔107の一例を説明する図である。
図2(a)では、細孔107は、(1−100)面と等価な6つの結晶面110で構成される六角柱201の下端部を、(1−101)面と等価な6つの結晶面110を含む六角錘202が接続された構造を有する。
なお、細孔107の深さが浅い場合は、六角柱201が存在せず、六角錘202が直接接続する構造を有する。
また、細孔107を構成する各頂点は、必ずしも鋭角的ではなく、角がとれて丸まっていることもある。
また、第2の工程の温度や雰囲気を調整することで、六角錘202が、(1−102)面、(1−103)面、(1−104)面と等価ないずれかの結晶面110を含むような多面体にすることも可能である。
例えば、第2の工程後の条件によっては、図2(b)に示した形の細孔107が形成される。図2(b)では、六角柱201の下側(基板側)には、(1−103)面と等価な6つの結晶面を含む六角錘202が形成される。
[実施形態2]
実施形態2では、実施形態1の工程を利用して、上記した細孔が複数配列されて構成されるフォトニック結晶の製造工程の例を説明する。
本実施形態では、第1の半導体層102はGaNであり、第2の半導体層104はAlGaNであり、細孔107の上部を塞ぐ第3の半導体層111はGaNである。
また、第1の半導体層102の主面103は、(0001)面である。
なお、第1の半導体層102は、GaInN、InNのいずれかであっても良く、第3の半導体層111は、AlN、AlGaN、GaInN、InN、AlInN、AlGaInNのいずれかであっても良い。
つぎに、エッチングマスクの形成工程について説明する。
フォトニック結晶の形成には、図3(a)に示すように、エッチングマスク106の開口部108をパターニングする工程において、複数個の開口部108を周期的に形成する。
本実施形態では、直径120nmの円形の開口部108が、エッチングマスク106面内に、周期300nmで正方格子状にパターニングされている。
次に、細孔の形成工程を行う。
ここでは、図3(a)の工程に続いて、図3(b)に示すように、フォトニック結晶の格子点となる複数個の細孔107を、ドライエッチングにより、第2の半導体層104を貫通して、第1の半導体層102に形成する。
続いて、エッチングマスク106を除去する。
次に、第2の工程を行う。
すなわち、図3(c)に示すように、第2の半導体層104をマストランスポート抑制用のマスクとして、熱処理の第2の工程を施す。
その結果、細孔107の孔径(対向する側壁面の間隔)または孔深さを熱処理前後で大きく変化させることなく、
マストランスポートによって、フォトニック結晶を形成する細孔107の側壁109に、第1の半導体層102の主面103(0001)面に対して垂直な(1−100)面が形成される。
次に、図3(d)に示すように、第3の工程を行う。
すなわち、細孔107の上部を塞ぐように、第2の半導体層104上に、第3の半導体層111を結晶成長により形成する。
その結果、エッチングで形成した細孔107の孔径(対向する側壁面の間隔)または孔深さを大きく変化させることなく、第1の半導体層102と第2の半導体層104の内部に、空孔120を形成することが可能である。
本実施形態では、第3の工程後の孔径(対向する側壁面の間隔)は、約105nmであった。孔のサイズの変動が15nmに抑えられているのは、第2の工程にて結晶面110を形成している効果である。
特に、フォトニック結晶の場合、細孔107(空孔120)のサイズは、回折効率の大きさを決定する重要なパラメータであり、細孔107のサイズを製造工程中に大きく変動させないことは、設計通りのフォトニック結晶を精度良く製造することの必要条件である。
ここで、本実施形態の工程を利用して二次元フォトニック結晶による面発光レーザの製造方法により面発光レーザを作製した場合について、本実施形態が該面発光レーザの光学特性に及ぼす影響について説明する。
本実施形態の工程を利用して、二次元フォトニック結晶による面発光レーザを作製した場合、該二次元フォトニック結晶は、半導体層と空孔とによる屈折率の異なる媒質を二次元周期で配列して構成される。
ここで、前記半導体層は、Alを除くIII族窒化物半導体からなる高屈折率の半導体と、少なくともAlを含むIII族窒化物半導体からなる低屈折率の半導体との積層構造からなる。
また、活性層の上に、前記二次元フォトニック結晶を形成する場合は、該活性層から遠い側に、マストランスポート抑制用のマスクとして機能するAlを含むIII族窒化物半導体からなる低屈折率の半導体が形成される。
図4(a)に、本実施形態を適用した二次元フォトニック結晶による面発光レーザにおける、p電極の光吸収係数αと活性層の光閉じ込め係数Γについての計算に用いた構造の模式図を示す。
図4(a)に示す構造をもとにし、本実施形態が該面発光レーザの光学特性に及ぼす影響を確認するため、面発光レーザ400における電極407の光吸収係数αおよび活性層403への光閉じ込め係数Γについて計算を行った。
この計算では、下部光ガイド層402の厚さを100nm、活性層403の厚さを22.5nmとした。
また、実施形態1の第1の半導体層に対応する二次元フォトニック結晶408の一部を含む上部光ガイド層404および第2の半導体層に対応するマストランスポート抑制用のマスクとして機能する半導体層405の合計した厚さを300nmとした。
また、空孔409の上部に位置する第3の半導体層に対応する上部光ガイド層406の厚さを100nm、p型電極407の厚さを50nm、下部クラッド層401の厚さを無限大とした。
なお、活性層403から二次元フォトニック結晶408を形成する空孔409の底までの距離を100nmとした。
また、下部クラッド層401およびマストランスポート抑制用のマスクとして機能する第2の半導体層405の屈折率をAl組成が10%のAlGaNの屈折率に対応する2.48として計算を行った。
また、下部光ガイド層402と二次元フォトニック結晶408の一部を含む上部光ガイド層404と二次元フォトニック結晶408を形成する空孔の上部に位置する上部光ガイド層406の屈折率をGaNの屈折率に対応する2.55として計算を行った。
また、活性層403の屈折率を2.62とし、厚さ50nmのp型電極407は、下部10nmの屈折率を1.61、上部40nmの屈折率を1.66として計算を行った。
また、正方格子で構成される二次元フォトニック結晶408の格子定数を160nm、該次元フォトニック結晶408を形成する円柱空孔の直径を64nm、該円柱空孔の深さを200nmとして計算を行った。
また、発光波長は400nmとして計算を行った。
図4(b)に、第2の半導体層に対応するマストランスポート抑制用のマスクとして機能する半導体層405の厚さdに対する、p型電極407での光吸収係数αを計算した結果を示す。
dの増加に伴い、αは減少する。
これは、屈折率の低い第2の半導体層405の厚さdが増加することで、二次元フォトニック結晶408の平均屈折率が低下し、電極407への光の導入が抑制されることに起因している。
また、図4(c)は、第2の半導体層に対応するマストランスポート抑制用のマスクとして機能する半導体層405の厚さdに対する、活性層403への光閉じ込め係数Γを計算した結果である。
dが160nmまでは、Γはdの増加に伴い、単調増加となる。
しかし、dが160nmを超えると、Γは単調増加から単調減少に転ずる。
dが160nmまで単調増加となるのは、上記のαのときと同様に、二次元フォトニック結晶408の平均屈折率の低下による二次元フォトニック結晶408より上部への光の拡がりの抑制に起因しており、その分、活性層403への光閉じ込めがより増加する。
一方、dが160nmを越えると、二次元フォトニック結晶408の平均屈折率が下がり過ぎ、光分布のピークが活性層403よりも下側にシフトしてしまい、活性層403への光閉じ込めが減少する。
したがって、第2の半導体層の膜厚は160nm以下であることが好ましい。
以上のように、本実施形態の工程を利用して二次元フォトニック結晶による面発光レーザを作製した場合、p型電極での光吸収の抑制および活性層への光閉じ込めの増加が可能となり、該面発光レーザの光学特性を改善することが可能となる。
[実施形態3]
実施形態3では、エッチングマスク106の開口部の上面形状のうち少なくとも1辺が、第1の半導体層102の結晶面110と平行となる1辺を有するエッチングマスクを用いて形成する場合について説明する。
本発明における第2の工程は、マストランスポートによって、細孔107の側壁109に第1の半導体層102の結晶面110を形成する。
本実施形態では、第1の半導体層102の主面103が(0001)面であるので、第2の工程において、側壁109には、主面103に対して垂直な(1−100)面が形成される。
すなわち、図5(a)に示すように、第2の工程前は、細孔107の上面形状が円形501であったとしても、第一熱処理工程後は、図5(b)に示すように、その上面形状は六角形502に変形する。
細孔107の孔径(対向する側壁面の間隔)は、円形501から六角形502に変形する際、少なからず変動する。
図5(b)において、点線がもともとの円形501のサイズを示している。
そこで、本実施形態では、熱処理前後の変動量を極力少なくするために、第2の工程前の段階で、細孔107の上面形状が予め六角形であるものを用意する。
以下、その工程を説明する。
その第2の工程前の細孔107の上面形状は、エッチングマスク106の開口部108の形状が転写される。
そこで、開口部108をパターニングする工程において、その開口部108の上面形状が、第1の半導体層102の結晶面110と平行となる辺で構成されるようパターニングすればよい。
本実施形態では、主面103が(0001)面であるので、(1−100)面と等価な面と平行な辺で構成される正六角形503をパターニングする。
なお、(1−100)面と等価な面と平行な辺とは、[1−100]方向と、[10−10]方向と、[01−10]方向と、[−1100]方向と、[−1010]方向と、[0−110]方向のいずれかと平行な辺である。
なお、正六角形503を構成する辺が、第1の半導体層102の結晶面110と完全に平行でなくてもよく、±10°のずれは許容される。
また、なお、パターニングする正六角形503の頂点は、第1の半導体層102の結晶軸(a軸)上にあるように形成することが好ましい。
また、正六角形503の各頂点は、必ずしも鋭角的ではない。
このように形成した細孔107は、第2の工程前において、図5(c)に示すように、第1の半導体層102の結晶面110と平行な面で形成された正六角形503である。
第2の工程後においても、図5(d)に示すように、細孔107の上面形状は六角形504となり、形状とサイズがほとんど変化しない。
本実施形態の製造工程は、エッチング工程後の細孔107の孔径(対向する側壁面の間隔)を極力変化させずに、半導体内部へ空孔120を形成できる有効な工程である。
本実施形態では、第1の半導体層102の主面103が(0001)面の場合を示したが、主面103が(1−100)面である場合には、開口部108は、四角形にすればよい。
すなわち、(0001)面と、(10−10)面と等価な面に平行な辺で構成される四角形である。
なお、(0001)面と、(10−10)面と等価な面に平行な辺とは、<0001>方向と<10−10>方向のいずれかと平行な辺である。
[実施形態4]
本実施形態では、第1の工程において、細孔107をエッチングではなく、結晶成長によって形成する場合について説明する。
以下、その工程を説明する。
先ず、第1の半導体層102を、細孔107の底面の高さに相当する膜厚で形成する。
次に、図6(a)に示すように、たとえば酸化シリコンなどよりなる結晶成長抑制用マスク601を、例えば電子ビーム蒸着装置やスパッタリング装置などを用い、上記した第1の半導体層102上に、空孔120の高さを超える膜厚で成膜する。
そして、図6(b)に示すように、成膜後において電子ビーム露光によって結晶成長抑制用マスク601上の細孔107を形成する場所にレジスト602を形成する。
続いて、レジスト602をマスクとして結晶成長抑制用マスク601をドライエッチングする。
その後、レジスト602を除去することで、図6(c)に示すように、細孔107の形状の、柱状の結晶成長抑制用マスク610が形成される。
なお、結晶成長抑制用マスク601のエッチングは、ウェットエッチング、またはドライエッチングのどちらでも良いが、柱状の結晶成長抑制用マスク610のサイズ制御性を良くするためには、ICPによるドライエッチングが好ましい。次に、図6(d)に示すように、柱状の結晶成長抑制用マスク610が形成された第1の半導体層102上に、
柱状の結晶成長抑制用マスク610が設けられていない個所から、空孔120の高さに対応する所定の膜厚で、第1の半導体層102と第2の半導体層104とをこの順番で形成する。
続いて、柱状の結晶成長抑制用マスク610を除去する。
これにより、図6(e)に示すように、第1の半導体層102の主面103の上に、第2の半導体層104が設けられ、第2の半導体層104を貫通してなる、第1の半導体層102に形成された細孔107を有する半導体構造100が用意できる。
ここで、酸化シリコンは、GaNと比べ、低パワーでドライエッチングすることができる。
このため、ドライエッチングする層の下に配置されている層へのダメージは、GaNのエッチングに比べ、酸化シリコンのエッチングの方が小さくなる。
したがって、例えば、活性層の上にフォトニック結晶層が形成された面発光レーザにおいて、GaNよりなるエピタキシャル層をドライエッチングして該フォトニック結晶層を形成する場合と比べ、
本実施形態では、低パワーでドライエッチングすることができ、活性層へのダメージが低減可能となる。
このように、本実施形態によれば、GaNと比べ、低パワーでドライエッチングすることができる結晶成長抑制用マスクを用いて結晶成長により空孔を形成することで、空孔を形成する層の下部層に対するドライエッチングによるダメージを低減することが可能となる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。
本実施例においては、本発明を適用して構成した二次元フォトニック結晶を備えた面発光レーザについて、図7を用いて説明する。
(第1の工程)
本実施例における第1の工程について、図7(a)〜図7(c)を用いて説明する。
まず、図7(a)を用いて、本実施例における第1の工程に含まれる窒化物半導体層の結晶成長工程について説明する。
図7(a)に示すように、GaN基板701上に、MOVPE法によって、つぎの各層を以下の順番で成長させる。
すなわち、n型クラッド層702であるn型Al0.09Ga0.91N、n型ガイド層703であるn型GaN、活性層704、p型ガイド層705であるp型GaN、マストランスポート抑制層706であるp型Al0.1Ga0.9Nをこの順番で成長させる。
ここで、p型ガイド層705が、実施形態1に示した第1の半導体層102に相当し、その主面707は(0001)面である。また、マストランスポート抑制層706が、実施形態1に示した第2の半導体層104に相当する。
また、p型Al0.1Ga0.9Nの膜厚は、100nmである。
また、p型GaNの成長温度T1は1100℃、p型Al0.1Ga0.9Nの成長温度T2は1150℃である。
活性層704は、3周期の多重量子井戸構造を形成しており、材料は、井戸層がIn0.09Ga0.91Nで、障壁層がGaNである。
なお、本実施例における第2の半導体層は、上記の膜厚100nmのp型Al0.1Ga0.9Nに特に限定されるものではなく、マストランスポートを抑制するマスクとして機能すれば、他のAl組成や膜厚であってもよい。
ここで、GaNの上にAlGaNを結晶成長した場合、Al組成が高くなると、格子歪みの影響により、結晶の割れ(クラック)が発生し、素子の特性に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。
同様に、AlGaNの膜厚を厚くしていった場合にも、格子歪みの影響により、結晶の割れ(クラック)が発生し、素子の特性に悪影響を及ぼす可能性が高くなる。
また、本実施例におけるp型AlGaNは、p型伝導層としても機能するが、Al組成が高くなると電気伝導特性が悪化する可能性がある。
一方、上述したように、AlGaNはGaNと比較して低屈折率であるため、本実施例において、p型電極での光吸収の抑制および活性層への光閉じ込めの増加が可能となる。
したがって、本実施例におけるp型Al0.1Ga0.9Nの場合には、膜厚は160nm以下であることが好ましい。
つぎに、本実施例における第1の工程に含まれるエッチングマスクの形成工程について説明する。
図7(b)は、マストランスポート抑制層706のp型Al0.1Ga0.9Nを貫通した形で、
該p型Al0.1Ga0.9およびガイド層705のp型GaNに、二次元フォトニック結晶を形成するための、エッチングマスク708を形成する工程を説明する図である。
以下、図7(b)の工程を順に説明する。
まず、マストランスポート抑制層706の上に、プラズマCVDによってSiOx膜を150nm成膜する。
続いて、SiOx膜に、電子ビームリソグラフィとICPエッチングにより、複数の開口部709で構成される二次元フォトニック結晶パターンを形成する。
その開口部709の孔直径は60nmであり、面内方向に周期160nmで正方格子状に配列されている。
つぎに、本実施例における第1の工程に含まれる二次元フォトニック結晶の形成工程について説明する。
図7(c)は、図7(b)の工程に続いて、エッチングマスク708(SiOx膜)を用いて、
マストランスポート抑制層706を貫通して、p型ガイド層705をエッチングし、複数の細孔710からなる二次元フォトニック結晶を形成した後、該エッチングマスク708を除去する工程を説明する図である。
二次元フォトニック結晶の形成は、ICPによるドライエッチングを用いる。
ICPのガス組成は、Cl2とArの混合ガスプラズマである。エッチング後の、二次元フォトニック結晶の細孔710の深さは100nmである。
(第2の工程)
つぎに、本実施例における第2の工程について説明する。
図7(d)は、図7(c)の工程に続く、第2の工程を説明する図である。
すなわち、この第2の工程では、V族である窒素元素を含む雰囲気下で熱処理し、マストランスポート抑制層706をマスクとして、p型ガイド層705であるp型GaNにマストランスポートを生じさせる。
そして、二次元フォトニック結晶を構成する細孔710の側壁711に、p型ガイド層705の材料であるp型GaNの結晶面712を形成する。
第2の工程の雰囲気は、N2流量が10slm(standard litter per minitus)、NH3流量が5slmであり、熱処理温度T3は、1025℃である。
なお、N2流量10slmは、0.45mol/minであり、NH3流量5slmは、0.22mol/minに相当する。
また、本実施例の第2の工程では、p型ドーパント原料であるCP2Mgは流していないが、熱処理工程の最適化を行ううえでは、CP2Mgを流してもよい。p型ガイド層705であるp型GaNの主面707が(0001)面であるので、マストランスポートによって、側壁711には、主面707に対して垂直な(1−100)面と、傾斜した(1−103)面が形成される。
ここで、第2の工程の目的は、上述したように、p型ガイド層705であるp型GaNに形成された細孔710の側壁711に、p型ガイド層705の材料であるp型GaNの結晶面712を形成することである。
このため、特許文献1にあるような多大なマストランスポートが生じないように、第1の半導体層の成長温度T1と、第2の半導体層の成長温度T2と、熱処理温度T3の関係が、
T3≦T1,T2の関係を満たすように、T3=1025℃とし、保持時間は4分にしてある。
(第3の工程)
つぎに、本実施例における第3の工程について説明する。
図7(e)は、図7(d)の工程に続く、第3の工程を説明する図である。
すなわち、この第3の工程では、結晶成長により、二次元フォトニック結晶の細孔710の上部を、p型GaNのキャップ層713で塞ぎ、p型GaN層およびp型Al0.1Ga0.9Nの内部に二次元フォトニック結晶を埋め込む。
なお、本実施例では、キャップ層713が実施形態1に示した第3の半導体層111に相当する。
第3の工程の結果、二次元フォトニック結晶の細孔710の孔径(対向する側壁面の間隔)をほとんど変動させること無く、二次元フォトニック結晶の上部をキャップ層713で塞ぎ空孔714を形成することができた。
つぎに、図7(f)に示すように、キャップ層713(p型GaN)の上に、p型クラッド層715であるp型Al0.1Ga0.9N、p型コンタクト層716であるp型GaNを順にMOVPE法によって順に成長させる。
次に、GaN基板701の裏面にTi/Alのn側電極を、p型コンタクト層表面にTi/Auのp側電極717をフォトリソグラフィと電子ビーム蒸着法とリフトオフ法により形成する。
以上の工程により、波長400nm帯で駆動する二次元フォトニック結晶面発光レーザの作製が可能である。
100:半導体構造
101:基板
102:第1の半導体層
103:第1の半導体層の主面
104:第2の半導体層
105:第2の半導体層の主面
106:エッチングマスク
107:細孔
108:開口部
109:側壁
110:結晶面
111:第3の半導体層
120:空孔

Claims (11)

  1. 窒化物半導体の微細構造の製造方法であって、
    Alを除くIII族窒化物半導体からなる第1の半導体層の主面の上に、少なくともAlを含むIII族窒化物半導体からなる第2の半導体層が形成され、
    該第2の半導体層を貫通してなる、該第1の半導体層に形成された細孔を有する半導体構造を用意する第1の工程と、
    前記第1の工程の後に、前記半導体構造を窒素元素を含む雰囲気下で熱処理し、前記第1の半導体層に形成された細孔の側壁の少なくとも一部に、該第1の半導体層における前記Alを除くIII族窒化物半導体の結晶面を形成する第2の工程と、
    前記第2の工程の後に、前記第2の半導体層の上にIII族窒化物半導体からなる第3の半導体層を形成し、前記細孔の上部を塞ぐ第3の工程と、
    を有することを特徴とする窒化物半導体の微細構造の製造方法。
  2. 前記第1の半導体層を形成する際の温度をT1、前記第2の半導体層を形成する際の温度をT2、前記第2の工程における前記熱処理の温度をT3とするとき、これらの各温度の関係が、
    T3≦T1,T2の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体の微細構造の製造方法。
  3. 前記第1の工程は、
    前記第1の半導体層の主面の上に、前記第2の半導体層を形成した後に、
    該第2の半導体層を貫通して該第1の半導体層に形成される細孔を、エッチングによって形成する工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化物半導体の微細構造の製造方法。
  4. 前記エッチングによって前記細孔を形成する際に、開口部の上面形状のうち少なくとも1辺が、前記第1の半導体層の結晶面と平行となる1辺を有するエッチングマスクが用いられることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体の微細構造の製造方法。
  5. 前記第1の工程は、
    前記第1の半導体層の主面の上に、前記第1の半導体層および前記第2の半導体層の結晶成長を抑制するためのマスクである、前記細孔の形状をした結晶成長抑制用マスクを形成する工程と、
    前記結晶成長抑制用マスクを形成する工程の後に、前記結晶成長抑制用マスクが形成されていない前記第1の半導体層の主面の上の領域に、
    前記第1の半導体層と同じ半導体層を積層し、更にその上に前記第2の半導体層を積層する工程と、
    前記第1の半導体層と同じ半導体層を積層し、更にその上に前記第2の半導体層を積層する工程の後に、前記結晶成長抑制用マスクを除去する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化物半導体の微細構造の製造方法。
  6. 前記細孔は、該細孔の対向する側壁面の間隔が1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の窒化物半導体の微細構造の製造方法。
  7. 前記細孔を複数配列させて構成されるフォトニック結晶を形成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の窒化物半導体の微細構造の製造方法。
  8. 請求項7に記載の窒化物半導体の微細構造の製造方法によるフォトニック結晶を用いて製造されたことを特徴とする二次元フォトニック結晶による面発光レーザの製造方法。
  9. 活性層と、半導体層と空孔とによる屈折率の異なる媒質を二次元周期で配列して構成されたフォトニック結晶と、を備えた二次元フォトニック結晶による面発光レーザであって、
    前記半導体層は、Alを除くIII族窒化物半導体からなる高屈折率の半導体層と、少なくともAlを含むIII族窒化物半導体からなる低屈折率の半導体層で構成され、該高屈折率の半導体層が前記活性層に近い側に配されており、
    前記空孔の側壁の少なくとも一部に、前記高屈折率の半導体層の結晶面が形成されていることを特徴とする二次元フォトニック結晶による面発光レーザ。
  10. 前記低屈折率の半導体層がAlGaNによって構成され、前記高屈折率の半導体層がGaNによって構成されていることを特徴とする請求項9に記載の二次元フォトニック結晶による面発光レーザ。
  11. 前記AlGaNのAl組成が10%であり、該AlGaNの膜厚が160nm以下で構成されていることを特徴とする請求項10に記載の二次元フォトニック結晶による面発光レーザ。
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