JP2012012754A - シルセスキオキサン骨格を含む重合体から得られる繊維、繊維集合体及びそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シルセスキオキサン骨格を含む特定の重合体を用いて得られる繊維または繊維集合体;シルセスキオキサン骨格を含む特定の重合体を用いて調製した重合体溶液を乾式または湿式紡糸に供し、その後、紡糸された繊維を加熱処理することを含む、繊維または繊維集合体の製造方法;上記の繊維または繊維集合体を用いて得られたフィルター。
【選択図】図1
Description
また、アクリル樹脂を用いず、主鎖にシルセスキオキサン骨格を含む重合体を用いて作製したフィルム基板が知られている(特許文献3及び4)。このフィルム基板は透明性に加えて、紫外線に対しての劣化がなく耐候性に優れるほか、レーザー光線照射により基板上に直接電気回路を形成し得る優れた耐熱性を有していることが知られている。しかしながら自由に折り曲げることができる柔軟性を有したフィルムでは、ガラス転移点以上の温度ではフィルムの弾性率の低下が大きく、また弾性率変化の少ないフィルムでは折り曲げることができないといった、柔軟性と耐熱性の双方を満足し得る材料ではなかった。
また、特許文献5は、シルセスキオキサン骨格を含む特定の重合体を提案し、フラットパネルディスプレイ基板などの表示素子用基板用途に用いることを開示している。
従って、本発明は、下記式(1−1)で表される化合物、下記式(2−2)で表される化合物及び下記式(3−2)で表される化合物を反応させることによって得られる、シルセスキオキサン骨格を含む重合体であって、反応に用いる、式(1−1)で表される化合物が有するアルケニルのモル数を(A)、式(3−2)で表される化合物が有するSi−Hのモル数を(C)とした場合、式(3−2)におけるmと前記(A)に対する(C)の割合が、(m+2)×(C)/(A)=1〜3となるように前記化合物を反応させることによって得られる重合体を用いて得られる繊維または繊維集合体である。
本明細書中において、繊維集合体とは、繊維から加工して得られる繊維集合体、例えば繊維束(トウ)、ウェブ、不織布、繊維塊、紡績糸などを包含する。また、本明細書中において、繊維には、エレクトロスピニング法によって得られるような不織布状の繊維も包含される。
従って本発明はまた、上述の重合体を乾式または湿式紡糸に供し、その後、紡糸して得られた繊維を加熱処理することを含む、繊維または繊維集合体の製造方法である。該重合体溶液には、架橋剤とヒドロシリル化触媒を添加してもよく、こうすることで、後の加熱処理によって、内部架橋による硬化を一層促進させることができる。
本発明の繊維または繊維集合体の製造方法の別の実施態様として、乾式または湿式紡糸において、複合ノズルを用い、芯側に上述の重合体を用い、鞘側に後で除去可能な重合体を用いて芯鞘構造とし、紡糸された複合繊維を加熱処理して芯側の重合体を内部硬化させた後に、鞘側の重合体を除去することを含む方法がある。この方法は、上述の架橋剤を要することなく実施することができる。この方法において、鞘側の重合体の具体例としてナイロンが挙げられる。
多孔質繊維または多孔質繊維集合体の製造にあたって、紡糸の際の湿度条件(相対湿度)が多孔質の程度に影響することが知見された。より具体的には、紡糸雰囲気の相対湿度を20〜90%の範囲で変動させることによって、多孔質の程度を調節することができる。よって、本発明の多孔質繊維または多孔質繊維集合体の製造方法の実施態様として、紡糸時の相対湿度を20〜90%の範囲として、多孔質繊維または多孔質繊維集合体を製造することができる。
本発明の繊維又は繊維集合体の製造方法の別の実施態様として、上述の乾式または湿式紡糸をエレクトロスピニング法により行うことによって、超極細繊維を得ることができる。
従って、本発明の好ましい実施態様として、エレクトロスピニング法を採用して超極細繊維を得ることを含む、上記の繊維または繊維集合体の製造方法がある。
本発明の上記の方法によって製造された繊維または繊維集合体はまた、不活性ガス中、熱分析(TG−DTA)による質量減少開始温度以上で加熱処理することによって、不燃性繊維または不燃性繊維集合体とすることができる。
本発明の繊維または繊維集合体は、常法に従って種々の製品に加工することができ、例えば光ファイバーなどの光学用途の物品やフィルターなどに加工することができる。
以下の説明においては、式(1−1)で示される化合物を単に化合物(1−1)と表記することがある。式(2−2)で示される化合物を単に化合物(2−2)と表記することがある。他の式で示される化合物についても、同様の方法で簡略化して表記することがある。なお、化合物を示す式において同じ記号で表される基が複数あるときは、定義された基から選ばれる限り、それらは同じ基であってもよいし、異なる基であってもよい。例えば、式(1−1)において、Rは、独立して、フェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、炭素数が1〜10のパーフルオロアルキル、t−ブチルから選ばれる基であり、同一の基でも異なる基でもよい。その他の式においても同様である。
式(1−1)で示される化合物は、例えば国際公開第2003/024870号パンフレットに記載されている方法を参照することにより製造することができる。
化合物(2−2)は、例えば国際公開第2004/024741号パンフレットに記載されている方法を参照することにより、製造することができる。
化合物(3−2)は、市販されている化合物を入手することができ、市販されていない化合物でも、例えば特開2003−252995号公報に記載されている方法を参照することにより製造することができる。
このような範囲で反応させて得られる重合体を用いることにより、耐熱性や柔軟性に優れた繊維および繊維集合体を得ることができる。
なお、(A)は反応に用いる化合物(1−1)のモル数×2、(B)は反応に用いる化合物(2−2)のモル数×4、(C)は反応に用いる化合物(3−2)のモル数×2として計算することができる。
ヒドロシリル化反応に用いる有機溶剤は、反応の進行を阻害しないものであれば特に制限されない。好ましい溶剤は、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、アニソールなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエステル系溶剤などである。これらの溶剤は単独で使用しても、その複数を組み合わせて使用してもよい。これらの溶剤の中でも、芳香族炭化水素系溶剤、その中でもトルエンが最も好ましい。
溶剤に対する本発明の化合物の好ましい割合は、溶剤の質量に基づいて0.05〜80質量%である。より好ましい割合は20〜50質量%である。
ヒドロシリル化反応は、ヒドロシリル化触媒を用いることで反応をより容易に進行させることができる。好ましいヒドロシリル化触媒の例は、カルステッド(Karstedt)触媒、スパイヤー(Spier)触媒などであり、これらは一般的によく知られた触媒である。これらのヒドロシリル化触媒は、活性が高いので少量添加すれば十分反応を進めることができる。そのため使用量は、触媒に含まれる白金族金属がSi-Hに対する割合で10-9〜1モル%である。好ましい添加割合は10-7〜10-3モル%である。
繊維形状のものが乾式紡糸または湿式紡糸により得られる。まず上述した重合体を適当な溶剤に溶解して重合体溶液を調製する。この重合体溶液(紡糸用溶液)を乾式紡糸または湿式紡糸により繊維形状とし、更に加熱処理により内部架橋を促進させることにより、目的とする繊維、及び更には繊維集合体を得ることができる。
重合体溶液の調製に使用される溶剤としては、重合体を溶解可能であればよく、特に制限はない。好ましい溶剤は、ヘキサンやヘプタンなどの炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、アニソールなどの芳香族炭化水素系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジオキサンなどのエーテル系溶剤、塩化メチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶剤、酢酸エチルなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのグリコールエステル系溶剤、ジメチルホルムアミド(以下,DMF)、ピリジンなどの含窒素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤などである。特に好ましくは、トルエン、メシチレン、アニソール、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、酢酸2−(2−エトキシエトキシ)エチルである。これらの溶剤は、単独で用いても複数混合して使用してもよい。
重合体溶液における該シルセスキオキサン重合体の濃度は、特に限定されないが1〜95質量%が一般的で、好ましくは、20〜80質量%の範囲である。
本発明で採用する乾式紡糸または湿式紡糸の操作手順、条件、湿式紡糸における凝固液などは、常法に従って適宜選択することができる。
本発明で使用するシルセスキオキサン重合体は、紡糸後、そのままでも繊維として使用可能であるが、耐熱性、耐薬品性を更に向上させるため、加熱処理をして内部架橋による硬化を促進させる。紡糸して、繊維形状になった後、加熱処理することによって、該重合体に残っている反応部位が反応し、硬化が促進することになる。
好ましい実施態様として、紡糸に供する重合体溶液に、架橋剤及びヒドロシリル化触媒を添加しておくことで、紡糸後の加熱処理によって、内部架橋による硬化を一層促進させることができる。架橋剤とヒドロシリル化触媒を紡糸液に添加すると、添加しない場合に比べ、より低い温度で、より短い時間で硬化を促進できる。
該架橋剤はヒドロシリル化反応をするものであれば、基本的に種類は問わないが、耐熱性、耐薬品性向上のためには、これもシルセスキオキサン骨格を持つものが好ましい。架橋剤の具体例として、下記式(4−1)または(4−2)で示される化合物が挙げられる。これらの化合物は1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
式(4−1)及び(4−2)において、それぞれのRは独立してフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、炭素数が1〜10のパーフルオロアルキルまたはt−ブチルであり、それぞれのX41は独立して炭素数2〜8のアルケニルまたは水素であり、それぞれのR1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルであるものが好ましい。また、全てのRがフェニルであるもの、また、全てのX41が炭素数2〜8のアルケニルであるものが好ましい。更に好ましくは全てのR1がメチル、全てのRがフェニル、全てのX41が炭素数2のビニルの化合物と、全てのR1がメチル、全てのRがフェニル、全てのX41が水素の化合物との組合せ、または単独使用が好ましい。
化合物(4−1)は、例えば特開2008−150478号公報に記載されている方法を参照することにより製造することができる。化合物(4−2)は、例えば国際公開第2004/024741号パンフレットに記載されている方法を参照することにより、製造することができる。
架橋剤の添加量は、重合体溶液の全質量に基づいて0.1〜10質量%が適当であり、好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは0.5〜2質量%である。架橋剤の添加量が0.1質量%以上であれば十分な添加効果を得ることができ、10質量%以下であれば架橋剤は十分消費され余剰となることはない。
加熱処理時間は、温度にもよるが、30分〜24時間が一般的であり、好ましくは1時間〜8時間である。
紡糸に際し、単一ノズルを用いることができる。
紡糸について、別の実施態様として、紡糸の際に複合ノズルを用いて、芯側に上記のシルセスキオキサン重合体を用い、鞘側に後で除去可能な重合体を用いて芯鞘構造とし、複合繊維を紡糸し、その後、加熱処理をして芯側の重合体を内部硬化させた後に、鞘側の重合体を除去することにより、目的とする繊維および繊維集合体を得ることができる。この方法は、本発明で使用するシルセスキオキサン重合体(熱硬化性重合体)の分子量が低く、加熱処理前に繊維形状を十分に保てない場合に、特に有効な方法である。この方法ではまた、シルセスキオキサン重合体を含む紡糸液に上記の架橋剤やヒドロシリル化触媒を特に要しない。
この実施態様で、鞘側に用いる重合体の例として、ナイロン、ポリスチレン,ポリビニルアルコールなどがあり、ナイロンを用いるのが特に好ましい。鞘側に用いた重合体を除去するなどの手法は、溶剤により除去する方法やアルカリ分解により除去する方法など、常法に従って行うことができる。
この実施態様において、シルセスキオキサン重合体を含む紡糸溶溶液に上記の架橋剤やヒドロシリル化触媒を添加してもよい。
超極細繊維を得ようとするときの実施態様として、乾式または湿式紡糸をエレクトロスピニングによる方法を採用して実施することが好ましい。
エレクトロスピニング法によって、本発明で使用するシルセスキオキサン重合体を含む溶液に、高電圧を印加してコレクター板上にスプレーして超極細繊維を形成させることができる。このような超極細繊維は不織布状で得られる。
得られる超極細繊維の繊維径は印加電圧、溶液濃度、スプレーの飛散距離などに依存し、これらの条件を調整することで任意の繊維径とすることができる。一般に,エレクトロスピニングによる繊維の微細化は,ノズル先端に押し出されたポリマー溶液の液滴表面の電荷の反発力が表面張力を超えた時に起きるため,表面張力が低いと微細化し易い。ポリマー溶液の表面張力を調整する目的で、界面活性剤や塩を紡糸用溶液に添加しておくことができる。そのような界面活性剤の例としてドデシルスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム,塩化ナトリウム,塩化カリウムなどが挙げられ、紡糸用溶液の全質量に対して0.01〜20質量%の範囲で用いられる。
電解紡糸条件としては、溶液濃度は1〜65質量%、電圧は2.0〜70kV、紡糸距離は5.0〜50cm、単位距離あたりの電圧に換算すると、0.5〜7.0kv/cmであるのが好ましい。
このようにエレクトロスピニング法で得られた超極細繊維を、上記のように加熱処理に供する。
多孔質繊維を製造する例として、乾式または湿式紡糸の際の重合体溶液における溶剤に、ジメチルホルムアミド(DMF)及びピリジンから選ばれる少なくとも1種を含め、さらに湿式紡糸であれば、その凝固液をメタノール及びエタノールから選ばれる少なくとも1種とすることが挙げられる。
紡糸雰囲気の相対湿度の調整は、スピニング装置内に乾燥シリカゲルを置く、水を霧状に噴霧する、または水を置くといった手段によって、行うことができる。紡糸雰囲気の相対湿度の測定は、市販のデジタル温湿度計によって実施でき、相対湿度を確認することができる。
多孔質繊維のできるメカニズムは、溶媒の蒸発速度と溶媒に含まれる水分の影響が大と思われる。ある程度水分を含んだ溶媒が、繊維表面から蒸発する過程で、蒸気圧の低いものほど、表面に張り付く微細な水滴が残り、この痕跡が残りやすくなるものと思われる。蒸気圧の高いものは、繊維の形成が早く、水滴の痕跡が残りにくくなるものと思われる。溶解パラメータ(SP値)の大きいものは、水分を含みやすく、痕跡の数が多くなるものと考えている。このように、紡糸雰囲気の相対湿度や重合体溶液の溶媒の溶解パラメータを調節することで、多孔の度合いを制御することができる。
例えば、上記のようにして得られた繊維を、カード法、抄紙法、エアレイド法などによって、ウェブとすることができる。また、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、水流交絡法などによって不織布とすることができる。
本発明で使用するシルセスキオキサン重合体を上記のように、繊維形状とし、加熱処理によって内部架橋させる工程を含む方法で得られた繊維または繊維集合体を、更に不活性ガス中で、熱分析(TG−DTA)による質量減少開始温度以上で加熱処理することにより、不燃性繊維または不燃性繊維集合体に変化させることができる。好ましい温度は質量減少開始温度〜+50℃の範囲であり、特に質量減少開始温度が好ましく、処理時間は1時間〜8時間である。使用する不活性ガスの具体例として、窒素、炭酸ガス及びアルゴンなどが挙げられる。
装置:日本分光株式会社製 JASCO GULLIVER 1500
検出器:インテリジェント示差屈折率計 RI-1530
溶剤:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/min
カラム温度:40℃
使用カラム:昭和電工株式会社製(Shodex KF-G(ガードカラム)、Shodex KF-804L×2本)
上記カラムを直列に繋いで使用
較正曲線用標準資料:Polymer laboratories社製 Polymer Standards(PL), Polystyrene
環流冷却器、温度計、及び滴下漏斗を取り付けた反応容器に、フェニルトリメトキシシラン(6.54kg)、水酸化ナトリウム(0.88kg)、水(0.66kg)、及び2−プロピルアルコール(26.3リットル)を仕込んだ。窒素気流下、撹拌しながら加熱を開始した。還流開始から6時間撹拌を継続したのち室温で1晩静置した。そして反応混合物を濾過器ヘ移し窒素ガスで加圧して濾過した。得られた固体を2−プロピルアルコールで1回洗浄、濾過したのち80℃で減圧乾燥を行うことにより、無色固体(3.3kg)を得た。これを化合物(1−0−1)とする。
環流冷却器、温度計、及び滴下漏斗を取り付けた反応容器に、シクロペンチルメチルエーテル(2005g)、2−プロパノール(243g)、イオン交換水(1400g)、塩酸(461g)を仕込み、窒素雰囲気下、室温で攪拌した。続いて滴下ロートに、合成例1で得られた化合物(1−0−1)を(800g)、シクロペンチルメチルエーテル(2003g)を仕込み、スラリー状にして30分かけて反応器に滴下し、滴下終了後30分攪拌を継続した。反応後攪拌を停止し、静置して有機層と水層に分けた。得られた有機層は水洗により中性とした後、メンブレンフィルタにてゴミを取り除き、ロータリーエバポレーターを用いて60℃で減圧濃縮して、678gの無色固体を得た。この無色固体を酢酸メチル(980g)で洗浄し、減圧乾燥して無色粉末状固体496gを得た。これを化合物(1−0−2)とする。
環流冷却器、温度計、及び滴下漏斗を取り付けた反応容器に、合成例2で得られた化合物(1−0−2)(32.3g)、テトラヒドロフラン(342g)、メチルビニルジクロロシラン(12.5g)を仕込み、窒素気流下、反応混合物の温度が40〜50℃になるように攪拌した。そしてトリエチルアミン(12.3g)を滴下したのち、3時間撹拌を継続した。その後、反応混合物の温度を10℃まで冷却したのち、イオン交換水(220g)とトルエン(43g)を加えて15分間撹拌した。分液ロートに移しいれ、水洗して中性とした。ロータリーエバポレーターを用いて50℃で減圧濃縮を行い、得られた残渣をテトラヒドロフラン(40g)に再溶解させ、メタノール(247g)を加えて固体を析出させた後、60分攪拌した。析出した固体を濾過・減圧乾燥して31.6gの無色固体を得た。得られた無色固体は下記の分析結果から化合物(1−1−1)の構造を有すると判断される。1H−NMR(溶剤:CDCl3):δ(ppm);0.37(s,6H)、5.90−6.20(m,6H)、7.13−7.60(m,40H).29Si−NMR(溶剤:CDCl3):δ(ppm);−31.35(s,2Si)、−78.24(s,4Si)、−79.41(s,4Si).
滴下漏斗、温度計、及び還流冷却器を取り付けた反応器に、合成例2で得られた化合物(1−0−2)(7160g)、トルエン(72.6kg)、ジメチルクロロシラン(2850g)を仕込み、乾燥窒素にてシールした。次いでトリエチルアミン(3230g)を滴下漏斗から約20分間で滴下した。このとき、溶液温度が35℃〜40℃になるよう滴下速度を調節した。滴下終了後、1時間攪拌を継続し、反応を完結させた。反応終了後、イオン交換水(16.7kg)を投入して過剰量のジメチルクロロシランを加水分解し、有機層と水層に分けた。有機層を水洗により中性とした後、ロータリーエバポレーターを用いて85℃で減圧濃縮を行い、得られた残渣をメタノール(19.95kg)で洗浄し、8587.6gの無色固体を得た。この無色固体を酢酸メチル(9.31kg)で洗浄し、減圧乾燥して無色粉末状固体7339gを得た。得られた無色固体は下記の分析結果から化合物(2−2−1)の構造を有すると判断される。1H−NMR(溶剤:CDCl3):δ(ppm);0.16(d,24H)、4.84−4.89(m,4H)、7.05−7.50(m,40H).29Si−NMR(溶剤:CDCl3):δ(ppm);3.85(s,4Si)、−71.90(s,4Si)、−75.05(s,4Si).
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた反応容器に合成例2で製造した化合物(1−0−2)(66g)、酢酸エチル(600ml)、テトラヒドロフラン(20ml)を仕込み、窒素気流下40℃に加熱攪拌した。温度が40℃に達したところでテトラクロロシラン(22.1g)を、反応液温度が45℃を超えないように滴下した。滴下終了後3時間反応を継続させた後、室温まで冷却した。蒸留水にて中和水洗した後、エバポレータで溶剤を除去し、粗生成物75gを得た。得られた粗生成物を酢酸メチル(150ml)で再結晶処理を行い、化合物(4−1−1)59gを得た。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた反応容器にトルエン(300ml)、ジメチルクロロシラン(18.6g)、トリエチルアミン(19.9g)を仕込み、窒素気流下10℃に冷却した。続いて、酢酸エチル(150ml)に、合成例5で製造した化合物(4−1−1)(38.5g)を溶解させて滴下ロートに仕込み、反応器内の温度が10℃を超えないよう反応器に滴下した。滴下終了後室温で3時間熟成を行った。反応後、中和水洗してエバポレータで溶剤を除去した後、粗生成物をメタノール(150ml)で洗浄し、濾過により固形分を濾別して化合物(4−1−2)35gを得た。
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた反応容器にトルエン(300ml)、ジメチルビニルクロロシラン(18.3g)、トリエチルアミン(15.3g)を仕込み、窒素気流下10℃に冷却した。続いて、酢酸エチル(150ml)に、合成例5で製造した化合物(4−1−1)(30g)を溶解させて滴下ロートに仕込み、反応器内の温度が10℃を超えないよう反応器に滴下した。滴下終了後室温で4時間熟成を行った。反応後、中和水洗してエバポレータで溶剤を除去した後、粗生成物をメタノール(150ml)で洗浄し、濾過により固形分を濾別して化合物(4−1−3)33gを得た。
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた反応容器に合成例3で製造した化合物(1−1−1)(157.3g)、合成例4で製造した化合物(2−2−1)(63.7g)、FM−1105(式(3−2−1):チッソ株式会社製、両末端Si−Hシリコーン、分子量約600)(19.0g)、トルエン(960g)を仕込み、窒素気流下100℃で加熱攪拌した。反応混合物が100℃に達してから、カルステッド触媒(8.5μl)を添加したのち、15.5時間攪拌した。そして氷浴で反応混合物を10℃以下まで冷却したのち、減圧濃縮することによって無色固体を得た。そして得られた無色固体を60℃で減圧乾燥を3時間行い、無色固体(233.7g)を得た。これをPSQ5033とする。このようにして得られた固体の分子量は、重量平均分子量(Mw):168,500であった。
なお、この重合体のmは5であり、(A)は0.261、(B)は0.196、(C)は0.065であることから、(m+2)×(C)/(A)=1.750であった。
また、(B)/(C)=3であった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた反応容器に合成例3で製造した化合物(1−1−1)(25.6g)、合成例4で製造した化合物(2−2−1)(12.4g)、FM−1111(式(3−2−2):チッソ株式会社製、両末端Si−Hシリコーン、分子量約1000)(2.0g)、及びトルエン(160g)を仕込み、窒素気流下100℃で加熱攪拌した。反応混合物が100℃に達してから、カルステッド触媒(1.4μl)を添加したのち、9時間攪拌した。そして氷浴で反応混合物を10℃以下まで冷却したのち、減圧濃縮することによって無色固体を得た。そして得られた無色固体を50℃で減圧乾燥を3時間行い、無色固体(26.0g)を得た。これをPSQ5020とする。このようにして得られた固体の分子量は、重量平均分子量(Mw):418,000であった。
なお、この重合体のmは12であり、(A)は0.042、(B)は0.038、(C)は0.004であることから、(m+2)×(C)/(A)=1.400であった。
また、(B)/(C)=9であった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた反応容器に合成例3で製造した化合物(1−1−1)(27.9g)、合成例4で製造した化合物(2−2−1)(11.3g)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(式(3−2−3))(0.8g)、及びトルエン(160g)を仕込み、窒素気流下100℃で加熱攪拌した。反応混合物が100℃に達してから、カルステッド触媒(1.5μl)を添加したのち、7.5時間攪拌した。そして氷浴で反応混合物を10℃以下まで冷却したのち、減圧濃縮することによって無色固体を得た。そして得られた無色固体を50℃で減圧乾燥を3時間行い、無色固体(38.1g)を得た。これをPSQ5034とする。このようにして得られた固体の分子量は、重量平均分子量(Mw):378,000であった。
なお、この重合体のmは0であり、(A)は0.046、(B)は0.035、(C)は0.012であることから、(m+2)×(C)/(A)=0.500であった。
また、(B)/(C)=3であった。
温度計、還流冷却器、撹拌機を備えた反応容器に合成例3で製造した化合物(1−1−1)(25.0g)、合成例4で製造した化合物(2−2−1)(10.1g)、FM−1105(式(3−2−1))(4.9g)、及びトルエン(160g)を仕込み、窒素気流下100℃で加熱攪拌した。反応混合物が100℃に達してから、カルステッド触媒(1.3μl)を添加したのち、5時間攪拌した。そして氷浴で反応混合物を10℃以下まで冷却したのち、減圧濃縮することによって無色固体を得た。そして得られた無色固体を50℃で減圧乾燥を3時間行い、無色固体(37.9g)を得た。これをPSQ5031とする。このようにして得られた固体の分子量は、重量平均分子量(Mw):416,000であった。
なお、この重合体のmは5であり、(A)は0.041、(B)は0.031、(C)は0.010であることから、(m+2)×(C)/(A)=3.500であった。
また、(B)/(C)=3であった。
蒸気圧(20℃)/ kPa δ値/ √(cal/cm3) δ値/ √(MPa)
アセトン 24.7 9.9 20.3
トルエン 2.9 8.9 18.2
DMF 0.36 10.6 21.7
ピリジン 2.0 10.7 21.9
メタノール 13.0 14.5 29.7
エタノール 5.9 12.7 26.0
アセトン/トルエン混合溶媒(35/65質量比)を用いて、ポリマー合成例1で得られたPSQ5033を溶解し、及びPSQ5033:100質量部に対して合成例7で得られた化合物(4−1−3)を1質量部、カルステッド触媒を0.25質量部溶解し、紡糸用溶液においてPSQ5033が60質量%となるように紡糸用溶液を調製した。この溶液を用いてエレクトロスピニング法にて紡糸を行なった。装置は、NANON((株)メック製)を用い、ノズル径200μm、紡糸距離15cm、溶液送り速度1.2ml/hr、印加電圧15kv、ノズル振り巾20mm、及びノズル水平移動速度10mm/secの条件で行なった。次に、得られた不織布状膜を、100℃で1時間保持し、内部架橋を促進させた。最終的に得られた不織布状膜の繊維径を測定すると、7.91±1.32μmであった。また、繊維同士の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
実施例1のカルステッド触媒量をPSQ5033:100質量部に対して0.5質量部用いた以外は、実施例1と同様に紡糸、熱処理による内部架橋を行ない、繊維径6.88±1.56μmの不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。また、実施例1と同様に耐熱試験と耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
PSQ5033に変えて、ポリマー合成例2で得られたPSQ5020を用いた以外は、実施例1と同様に紡糸、熱処理による内部架橋を行ない、繊維径5.48±0.36μmの不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
これの一部を取り、実施例1と同様に耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
アセトン/トルエン混合溶媒(35/65質量比)を用いて、ポリマー合成例1で得られたPSQ5033が60質量%となるように溶解し、芯材用溶液を調製した。また、ナイロン6,6をヘキサフルオロイソプロパノール(以下HFIPと呼ぶ)に溶解し、40質量%の鞘材溶液を調製した。この2種類の溶液で、芯鞘複合ノズルを用いて、実施例1の条件でエレクトロスピニングを行い、鞘がナイロン、芯がPSQ5033の複合繊維不織布を得た。次にこの不織布を100℃1時間、150℃1時間、200℃2時間熱処理を行い、PSQ5033に残っている反応部位で内部架橋させた。その後、室温まで戻した後、HFIPに24時間浸漬し、鞘側のナイロンを溶解させ、PSQ5033だけで構成された不織布を得た。繊維径は0.96±0.23μmであった。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
溶媒をアセトン/DMF(35/65質量比)に、溶液送り速度を1.8ml/hr、印加電圧を20.5kvに変更した以外は実施例1と同様に紡糸、熱処理を行ない、繊維径3.92±0.36μmの不織布を得た。観察したところ、表面と内部に多孔質構造をもった繊維となっていた。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
溶媒をアセトン/ピリジン(35/65質量比)に変更した以外は、実施例5と同様に、紡糸、熱処理を行ない、繊維径5.13±1.00μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
紡糸用溶液にドデシルスルホン酸ナトリウム(SDS)を0.1質量%添加した以外は、実施例5と同様に紡糸、熱処理を行ない、繊維径1.14±0.14μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
溶媒をDMF/ピリジン(80/20質量比)に、溶液送り速度を1.9ml/hr、印加電圧を21.0kvに変更した以外は、実施例5と同様に、紡糸、熱処理を行ない、繊維径4.82±0.96μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
実施例8で得られた不織布の電子顕微鏡写真を図1及び図2として添付する。図1は繊維の側面を写した写真である。一方図2は、繊維の断面を写した写真である。
溶媒をDMFに変更し、PSQ5033の濃度を48質量%にした以外は、実施例7と同様に、紡糸、熱処理を行ない、繊維径0.80±0.11μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
溶媒をDMF/メタノール(80/20質量比)に変更し、実施例8と同様の条件で、メタノール中で湿式紡糸を行なった。その後、100℃で1時間熱処理を行ない、繊維径3.90±0.35μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。
実施例10で得られた不織布の電子顕微鏡写真を図3及び図4として添付する。図3は繊維の側面を写した写真である。図4は繊維の断面を写した写真である。
実施例1で最終的に得られた不織布の1部を取り、窒素雰囲気下、350℃で8時間、熱処理を行なった。顕微鏡観察では、繊維形状に変化は見られなかった。また、指に巻きつけても形状は崩れなかった。この高温処理した不織布に、ライターの炎で火を着けようとしても、着火しなかった。
実施例11において、熱処理前の不織布、すなわち実施例1で最終的に得られた不織布の熱分析(TG−DTA)の結果を表すグラフを図5に示す。また、熱処理後の不織布の熱分析(TG−DTA)の結果を表すグラフを図6に示す。これらの結果の比較から、前者で観察された質量減少開始温度350℃が、後者では明らかに消失していることがわかる。
上記実施例1〜11の条件及び結果を表1〜2に示す。
実施例1においてPSQ5033を、ポリマー合成例3で得られたPSQ5034に変更した以外は、実施例1と同様に紡糸、内部架橋を行い、繊維径6.95±0.57μmの不織布を得た。このものは繊維が硬く、指に巻きつけようとすると、折れてしまった。
実施例1においてPSQ5033を、ポリマー合成例4で得られたPSQ5031に変更した以外は、実施例1と同様に紡糸を行い、繊維径5.96±0.73μmの不織布を得た。このものを内部架橋させるべく100℃で1時間処理すると、繊維が融解して繊維形状を保たなくなり、多孔質のフィルムとなった。
実施例4においてPSQ5033をポリマー合成例3で得られたPSQ5034に変更した以外は、実施例4と同様に芯鞘構造の複合繊維の紡糸、内部架橋、鞘材のナイロン除去を行い、繊維径0.89±0.18μmの不織布を得た。このものは繊維が硬く、指に巻きつけようとすると、折れてしまった。
比較例2で用いた、架橋剤、触媒入りのPSQ5031の原料溶液を芯材溶液とした以外は、比較例3と同様に芯鞘構造の複合繊維の紡糸、内部架橋、鞘材のナイロン除去を行い、繊維径0.91±0.16μmの不織布を得た。
このものを耐熱試験(250℃2時間熱処理)すると、一部繊維同士の融着がおこった。
実施例11において、窒素雰囲気下、350℃で8時間、熱処理を行なうところを250℃で8時間に条件を変更した。顕微鏡観察では、繊維形状に変化は見られなかった。また、指に巻きつけても形状は崩れなかった。この高温処理した不織布に、ライターの炎で火を着けようとすると、着火した。ライターの炎を消すと、すぐ火が消えた。
上記比較例1〜5の条件及び結果を表3に示す。
なお、実施例1〜10及び比較例1〜4において、紡糸雰囲気の温度は21〜23℃、相対湿度は表1〜3に示す通りであった。温度および相対湿度の測定は、株式会社カスタム製デジタル温湿度計CTH−201を使用して行った。以下の実施例12〜18も同様に測定し、紡糸雰囲気の温度は21〜23℃で実験を行った。
まずエレクトロスピニング装置内に乾燥シリカゲル100gを置き、紡糸雰囲気の相対湿度を10%以上20%未満に調節した。
DMF溶媒を用いて、ポリマー合成例1で得られたPSQ5033を溶解し、及びPSQ5033:100質量部に対して合成例7で得られた化合物(4−1−3)を1質量部、カルステッド触媒を0.05質量部溶解し、紡糸用溶液においてPSQ5033が53質量%となるように紡糸用溶液を調製した。この溶液を用いて実施例8と同様に紡糸を行い,さらに100℃24時間、150℃2時間、200℃3時間熱処理を行い,繊維径2.78±0.426μmの不織布を得た。このものは,多孔質繊維にはなっていなかったが、繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。実施例12で得られた不織布の繊維の側面を写した電子顕微鏡写真を図7として添付する。
なお、本実施例は、本発明が多孔質繊維または繊維集合体の製造方法を対象とする場合において、以下の実施例13〜18に対して相対湿度が20%未満の場合には多孔質にならないことを示すものであり、繊維または繊維集合体自体を対象とする本発明から排除されるものではない。
実施例12と同様にして,相対湿度を20−30%に調節した以外は、実施例12と同様に紡糸、熱処理を行い、繊維径3.08±0.314μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。実施例13で得られた不織布の繊維の側面を写した電子顕微鏡写真を図8として添付する。
紡糸雰囲気の相対湿度を30−40%に変更した以外は、実施例12と同様に紡糸、熱処理を行い、繊維径3.89±0.454μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。実施例14で得られた不織布の繊維の側面を写した電子顕微鏡写真を図9として添付する。
紡糸雰囲気の相対湿度を50−60%に変更した以外は、実施例12と同様に紡糸、熱処理を行い、繊維径3.96±0.122μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。実施例15で得られた不織布の電子顕微鏡写真を図10及び図11として添付する。図10は繊維の側面を写した写真である。図11は繊維の断面を写した写真である。
紡糸雰囲気に置いた乾燥シリカゲルを取り去り、代わりに水100mlを入れたシャーレを置き、相対湿度を60−70%に調節した以外は、実施例12と同様に紡糸、熱処理を行い、繊維径4.82±0.964μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。実施例16で得られた不織布の電子顕微鏡写真を図12及び図13として添付する。図12は繊維の側面を写した写真である。図13は繊維の断面を写した写真である。
紡糸雰囲気に霧吹きで水を霧状に噴きかけながら相対湿度を70−80%に調節した以外は、実施例15と同様に紡糸、熱処理を行い、繊維径5.58±0.631μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。実施例17で得られた不織布の電子顕微鏡写真を図14及び図15として添付する。図14は繊維の側面を写した写真である。図15は繊維の断面を写した写真である。
実施例15と同様に相対湿度を50−60%に調節し、凝固浴に液体窒素を用いた湿式紡糸を行なった以外は、実施例14と同様に紡糸、熱処理を行い、繊維径3.58±0.512μmの多孔質繊維の不織布を得た。繊維の融着は認められなかった。また、繊維を指に巻き付けても、形状が崩れなかった。
この不織布を実施例1と同様に、耐熱試験、耐溶剤試験を行なった結果、変化は認められなかった。実施例18で得られた不織布の電子顕微鏡写真を図16及び図17として添付する。図16は繊維の側面を写した写真である。図17は繊維の断面を写した写真である。
上記実施例12〜18の条件及び結果を表4〜5に示す。
Claims (18)
- 下記式(1−1)で表される化合物、下記式(2−2)で表される化合物及び下記式(3−2)で表される化合物を反応させることによって得られる、シルセスキオキサン骨格を含む重合体であって、反応に用いる、式(1−1)で表される化合物が有するアルケニルのモル数を(A)、式(3−2)で表される化合物が有するSi−Hのモル数を(C)とした場合、式(3−2)におけるmと前記(A)に対する(C)の割合が、(m+2)×(C)/(A)=1〜3となるように前記化合物を反応させることによって得られる重合体を用いて得られる繊維または繊維集合体。
- 式(1−1)及び式(2−2)における全てのRがフェニルである、請求項1記載の繊維または繊維集合体。
- 式(3−2)におけるmが0〜12の整数である、請求項1または2記載の繊維または繊維集合体。
- 反応に用いる上記式(2−2)で表される化合物が有するSi−Hのモル数を(B)としたときに、(A)=(B)+(C)となるように、式(1−1)で表される化合物、式(2−2)で表される化合物及び式(3−2)で表される化合物を反応させることによって得られる重合体を用い、請求項1〜3のいずれか1項記載の繊維または繊維集合体。
- 前記(C)に対する(B)の比が、(B)/(C)=1〜9となるように反応させることによって得られる重合体を用いる、請求項1〜4のいずれか1項記載の繊維または繊維集合体。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のシルセスキオキサン骨格を含む重合体を用いて調製した重合体溶液を乾式または湿式紡糸に供し、その後、紡糸された繊維を加熱処理することを含む、繊維または繊維集合体の製造方法。
- 該重合体溶液が架橋剤及びヒドロシリル化触媒を含む、請求項6記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- 架橋剤が、下記式(4−1)で表される化合物及び/または下記式(4−2)で表される化合物である、請求項7に記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
式(4−1)及び(4−2)において、それぞれのRは独立してフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、炭素数が1〜10のパーフルオロアルキルまたはt−ブチルであり、それぞれのX41は独立して炭素数2〜8のアルケニルまたは水素であり、それぞれのR1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたはフェニルである。 - 式(4−1)及び(4−2)における全てのRがフェニルである、請求項8に記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- 式(4−1)及び(4−2)における全てのX41が炭素数2〜8のアルケニルである、請求項8または9記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- 乾式または湿式紡糸において、複合ノズルを用いて、芯側に請求項1〜5のいずれか1項記載の重合体を用い、及び鞘側に後で除去可能な重合体を用いて芯鞘構造とし、紡糸された複合繊維を加熱処理して芯側の重合体を内部硬化させた後に、鞘側の重合体を除去することを含む、請求項6記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- 鞘側の重合体がナイロンである、請求項11に記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- 乾式または湿式紡糸において重合体溶液の溶剤が、20℃における蒸気圧が2.5kPa以下で,かつ溶解パラメータが10.5√(cal/cm3)以上である溶剤を含有し、多孔質繊維または多孔質繊維集合体が製造される、請求項6〜12のいずれか1項記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- 乾式または湿式紡糸において重合体溶液の溶剤が、ジメチルホルムアミド及び/またはピリジンを含有し、湿式紡糸の凝固浴がメタノール及び/またはエタノールを含有し、多孔質繊維または多孔質繊維集合体が製造される、請求項6〜13のいずれか1項記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- 紡糸時の相対湿度を20〜90%とすることにより多孔質繊維または多孔質繊維集合体が製造される、請求項6〜14のいずれか1項記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- エレクトロスピニング法を採用して超極細繊維を得ることを含む、請求項6〜15のいずれか1項記載の繊維または繊維集合体の製造方法。
- 請求項6〜16のいずれか1項記載の方法で得られた繊維または繊維集合体を、不活性ガス中、熱分析(TG−DTA)による質量減少開始温度以上で加熱処理することを含む、不燃性繊維または不燃性繊維集合体の製造方法。
- 請求項6〜17のいずれか1項記載の方法で得られた繊維または繊維集合体を用いて得られたフィルター。
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