JP2012009967A - 圧電デバイス - Google Patents

圧電デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2012009967A
JP2012009967A JP2010142142A JP2010142142A JP2012009967A JP 2012009967 A JP2012009967 A JP 2012009967A JP 2010142142 A JP2010142142 A JP 2010142142A JP 2010142142 A JP2010142142 A JP 2010142142A JP 2012009967 A JP2012009967 A JP 2012009967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal film
base
crystal
lid
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010142142A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5492671B2 (ja
Inventor
Satoshi Umeki
三十四 梅木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Dempa Kogyo Co Ltd filed Critical Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority to JP2010142142A priority Critical patent/JP5492671B2/ja
Publication of JP2012009967A publication Critical patent/JP2012009967A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5492671B2 publication Critical patent/JP5492671B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 陽極接合を行うことなく、第1板と第2板との接合力の強い圧電デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】 圧電デバイス(100A)は電圧の印加により振動する圧電振動片(10)と、圧電振動片が収納されるキャビティ(CT)を形成するようにキャビティの外周に形成される第1接合面(M1)を有する第1板(11A)及びキャビティの外周に形成される第2接合面(M2)を有し前記第1板と接合する第2板(12A)とを備える。第1接合面と第2接合面との間には、第1金属膜(s1)、この第1金属膜と異なる金属の第2金属膜(r1)、第1金属膜(s2)、ガラスからなるガラス層(g1)、第1金属膜(s3)、第2金属膜(r2)及び第1金属膜(s4)とが形成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、厚みすべり振動モードを有するATカット型の圧電振動片又は一対の振動腕を有する音叉型の圧電振動片をキャビティ内に有する圧電デバイス及びその製造方法に関する。
表面実装用の圧電デバイスは、シーム溶接等の封止ではなく、経済性に優れる接着材を使って樹脂封止されることがある。特に、セラミックを使わず圧電材料又はガラス材料を使ったパッケージでは接着材を使った封止又は陽極接合による封止が行われる。
特許文献1は、水晶からなる蓋体と水晶からなるパッケージベースとが陽極接合により封止された圧電デバイスを開示している。この圧電デバイスは、水晶のパッケージベースにクロム層が形成され、その上に硬質ガラスまたはソーダライムガラスが形成され、その上にクロム層が形成され、その上に水晶からなる蓋体が形成される。クロム層は陽極接合のために形成されている。
特開2001−177373号公報
しかしながら、上記構成の圧電デバイスでは、ガラスとクロム層との陽極接合は、蓋体とパッケージベースとの接合面の表面粗さ(表面状態)が鏡面状態であることが求められる。このため、接合面に凸凹があったりすると陽極接合の接合力が弱まってしまうことがある。また、陽極接合に使用されるガラスは硬質ガラスまたはソーダライムガラスなどの金属イオンを含むガラスでなければならない。
本発明は、陽極接合を行うことなく、第1板と第2板との接合力の強い圧電デバイスを提供することを目的とする。
第1観点の圧電デバイスは、電圧の印加により振動する圧電振動片と、圧電振動片が収納されるキャビティを形成するようにキャビティの外周に形成される第1接合面を有する第1板及びキャビティの外周に形成される第2接合面を有し前記第1板と接合する第2板とを備える。第1接合面と第2接合面との間には、第1金属膜、この第1金属膜と異なる金属の第2金属膜、第1金属膜、ガラスからなるガラス層、第1金属膜、第2金属膜及び第1金属膜が順に形成される。
第2観点の圧電デバイスは、電圧の印加により振動する圧電振動片と、圧電振動片が収納されるキャビティを形成するようにキャビティの外周に形成される第1接合面を有する第1板及びキャビティの外周に形成される第2接合面を有し前記第1板と接合する第2板とを備える。第1接合面と第2接合面との間には、第1金属膜、ガラスからなるガラス層、第1金属膜、第1金属膜と異なる金属の第2金属膜、第1金属膜、ガラスからなるガラス層及び第1金属膜が順に形成される。
第3観点の圧電デバイスは、電圧の印加により振動する圧電振動片とその圧電振動片を囲むように形成された枠体とを有する圧電振動板と、圧電振動片が収納されるキャビティを形成するようにキャビティの外周に形成される第1接合面を有し枠体と接合する第1板及びキャビティの外周に形成される第2接合面を有し枠体と接合する第2板とを備える。第1接合面と枠体との間には、第1金属膜、この第1金属膜と異なる金属の第2金属膜、第1金属膜、ガラスからなるガラス層、第1金属膜、第2金属膜及び第1金属膜が順に形成される。
第4観点の圧電デバイスは、電圧の印加により振動する圧電振動片とその圧電振動片を囲むように形成された枠体とを有する圧電振動板と、圧電振動片が収納されるキャビティを形成するようにキャビティの外周に形成される第1接合面を有し枠体と接合する第1板及びキャビティの外周に形成される第2接合面を有し枠体と接合する第2板とを備える。第1接合面と枠体との間には、第1金属膜、ガラスからなるガラス層、第1金属膜、第1金属膜と異なる金属の第2金属膜、第1金属膜、ガラスからなるガラス層及び第1金属膜が順に形成される。
第5観点の圧電デバイスにおいて、第1金属膜はクロム、ニッケル、タングステン又はそれらの合金の一つからなり、第2金属膜は、金又は銀からなる。
第6観点の圧電デバイスにおいて、ガラス層は液状のガラスペーストからなり、バナジウムを含んでいる。
本発明は、陽極接合を行うことなく、第1板と第2板との接合力の強い圧電デバイスが得られる。
第1水晶振動子100Aの斜視図である。 (a)は、図1のA−A断面図で、リッド部11Aとベース部12Aとを接合する前の状態である。 (b)は、図1のA−A断面図で、リッド部11Aとベース部12Aとを接合した後の状態である。 第1水晶振動子100Aの製造を示したフローチャートである。 リッドウエハ11W又はベースウエハ12Wの平面図である。 リッド部11Aの製造を示した説明図である。 ベース部12Aの製造を示した説明図である。 (a)は、リッド部11Bとベース部12Bとを接合する前の状態である。 (b)は、リッド部11Bとベース部12Bとを接合した後の状態である。 リッド部11Bの製造を示した説明図である。 ベース部12Bの製造を示した説明図である。 ベース部12Bの製造を示した説明図である。 第3水晶振動子100Cの斜視図である。 (a)は、リッド部11Cと、水晶フレーム20と、ベース部12Cとを接合する前の状態である。 (b)は、リッド部11Cと、水晶フレーム20と、ベース部12Cとを接合した後の状態である。 (a)は、水晶フレーム20側から見たベース部12Cの平面図である。 (b)は、リッド部11C側から見た水晶フレーム20の平面図である。 (c)は、ベース部12C側から見た水晶フレーム20の平面図である。 第3水晶振動子100Cの製造を示したフローチャートである。 リッドウエハ31W又はベースウエハ32Wの平面図である。 水晶フレーム20の製造を示した説明図である。 水晶ウエハ20Wの平面図である。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
以下の各実施形態において、圧電振動片としてATカットの水晶振動片が使われている。ここで、ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、以降の各実施形態ではATカットの水晶振動片の軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をX’軸、Y’軸及びZ’軸として用いる。また本明細書の説明としてY’軸方向の高低を、+方向を高く−方向を低いと表現する。
(第1実施形態)
<第1水晶振動子100Aの全体構成>
第1水晶振動子100Aの全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、第1水晶振動子100Aの分解斜視図である。図2(a)はリッド部11Aとベース部12Aとが接合される前の第1水晶振動子100Aの断面図である。図2(b)はリッド部11Aとベース部12Aとが接合された後の第1水晶振動子100Aの断面図である。
図1に示されたように、第1水晶振動子100Aは、リッド側凹部111を有するリッド部11Aと、ベース側凹部121を有するベース部12Aと、ベース側凹部121内に載置される水晶振動片10とを備える。
ここで、水晶振動片10は水晶片101により構成され、その水晶片101の中央付近の両主面に一対の励振電極102a、102bが対向して配置されている。水晶振動片10は導電性接着剤13によりベース部12Aに接着されている(図2を参照)。また、励振電極102aは、引出電極109a、導電性接着剤13及び接続電極123を介してベース部12Aのスルーホール14aに形成された接続電極141に接続される。また、図2に示されたように励振電極102bは、引出電極109b、導電性接着剤13及び接続電極123を介してベース部12Aのスルーホール14bに形成された接続電極141に接続される。
さらに、スルーホール14a、14bの接続電極141はベース部12Aの底面に形成された一対の外部電極15にそれぞれ接続されている。そして、一対の外部電極15が外部電源(図示しない)の両極にそれぞれ接続されると、水晶振動片10の両主面が逆方向に動く厚みすべり振動する。両主面の厚さに応じて水晶振動片10は数MHz〜数百MHzで振動する。また、ベース部12Aに形成されたスルーホール14a、14が充填材142により充填されてキャビティCT内を窒素ガスや真空などで気密的に封止する。
図1及び図2に示されたように、リッド部11Aは水晶などの圧電体又はガラスなどで形成されたリッド110A、封止ガラス膜及び複数の金属層を備える。またリッド110Aは、リッド側凹部111とこのリッド側凹部111の外周に幅WIの第1端面M1を有するリッド側突起部112とを備える。リッド側突起部112の第1端面M1にはクロム(Cr)層s1、金(Au)層r1及びクロム層s2が順に形成され、クロム層s2には封止ガラス膜g1が形成されている。ここで、クロム層s1、s2の厚さは例えば0.05μm〜0.1μmであり、金層r1の厚さは例えば0.2μm〜2μmであり、封止ガラス膜g1の厚さは例えば10μm〜15μmである。
封止ガラス膜g1は350℃〜400℃で溶融する鉛フリーのバナジウム系ガラスである。バナジウム系ガラスはバインダーと溶剤とが加えられペースト状であり、焼成されることで他の部材と接着する。バナジウム系ガラスの融点は圧電体又はガラスなどで形成されたリッド部11Aの融点より低く、また、このバナジウム系ガラスは接着時の気密性と耐水性・耐湿性などの信頼性が高い。さらに、バナジウム系ガラスはガラス構造を制御することにより熱膨張係数も柔軟に制御できるので、セラミックス、ガラス、半導体、金属などの熱膨張係数が異なる様々な材料と接着しやすい。
ベース部12Aは、水晶などの圧電体又はガラスなどで形成されたベース120A及び複数の金属層を備える。ベース120Aは、ベース側凹部121と、このベース側凹部121の外周に幅WIの第2端面M2を有するベース側突起部122とを備える。ベース側突起部122の第2端面M2にはクロム層s4、金層r2及びクロム層s3が順に形成されている。ここで、クロム層s3、s4はクロム層s1、s2と同じ形状で、金層r2は金層r1と同じ形状となっている。
リッド部11Aとベース部12Aとが窒素ガス中又は真空中で350〜400℃に加熱され押圧されることで、リッド部11Aとベース部12Aとは封止ガラス膜g1により接合する(図2(b)を参照)。つまり、リッド部11Aに形成された封止ガラス膜g1がベース部12Aの第2端面M2に形成されたクロム層s3に接合される。したがって、リッド部11Aの第1端面M1とベース部12Aの第2端面M2との間には、クロム層s1、金層r1、クロム層s2、封止ガラス膜g1、クロム層s3、金層r2及びクロム層s4がその順番で配置される。このため、リッド側凹部111とベース側凹部121とは水晶振動片10が収納されたキャビティCTを形成することができ、キャビティCT内を窒素ガスや真空などで気密的に封止することができる。
クロム(Cr)は水晶又はガラスと密着性が高いが、クロム(Cr)は空気中で酸化などによって腐食される場合が多い。これに対応して、金(Au)は化学的に非常に高い耐腐食性を有している。このため、図2(b)に示されたようにクロム層同士(s1及びs2、s3及びs4)の間に金層r1、r2が形成されると、金層がクロム層の腐食を防止することができる。また、クロムの代わりに、タングステン、ニッケル又はチタン又はこれらの合金を使用してもよいし、金(Au)の代わりに銀(Ag)を使用してもよい。
さらに、接着材である封止ガラスg1はクロム(Cr)との密着性が高く、耐水性・耐湿性に優れる。封止ガラスg1は空気中の水分がキャビティ内に進入したりキャビティ内の真空度を悪化させたりすることが防止できる。リッド部11Aとベース部12Aとが直接封止ガラスg1で接着されるよりも、クロム(Cr)を介した方がリッド部11Aとベース部12Aとの密着性が高まる。
第1実施形態において、リッド部11Aとベース部12Aとを接合する前に封止ガラス膜g1はリッド部11Aのクロム層s2に形成されているが、ベース部12Aのクロム層s3に形成されてもよい。
<第1水晶振動子100Aの製造方法>
図3は、第1水晶振動子100Aの製造を示したフローチャートである。図3において、リッド部11Aの製造ステップS11と、ベース部12Aの製造ステップS12と、水晶振動片10の製造ステップS13とは別々に並行して行うことができる。図4は、第1実施形態のベースウエハ12Wの平面図である。リッドウエハ11Wは図4に示されたベースウエハ12Wとほぼ同じ形状であるが、リッド110Aの第1端面M1に封止ガラス膜g1がさらに形成され、リッド側凹部111の底面に接続電極123及びスルーホール14が形成されている点が異なっている。
図5のフローチャートはリッド部11Aの製造ステップS11の詳細を示す。第1水晶振動子100Aの製造においてリッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとを接合した後に第1水晶振動子100Aを単位として切断するので、図5では切断する前の状態を示している。また、図5のフローチャートの右図は、それぞれのステップにおける図4のリッドウエハ11Wの一部を示している。図5の右図ではリッド側凹部111が上向きに示されている。
ステップS111において、図5(a)に示されたように、均一厚さの水晶平板のリッドウエハ11W(図4を参照)に、リッド側凹部111が数百から数千個形成される。リッドウエハ11Wには、エッチング又は機械加工によりリッド側凹部111が形成され、リッド側凹部111の周囲には第1端面M1が形成される。
ステップS112において、図5(b)に示されたように、スパッタリングまたは真空蒸着によってリッドウエハ11W(図4を参照)全面にクロム層(図1のs1に対応)、金層(図1のr1に対応)及びクロム層(図1のs2に対応)が順に形成される。
ステップS113において、最も外側のクロム層(図1のs2に対応)全面に例えばノボラック樹脂によるポジフォトレジストなどのフォトレジストが均一に塗布される。そして露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれたクロム層s1、金層r1及びクロム層s2(図1を参照)のパターンがリッドウエハ11Wに露光される。次に、フォトレジストから露出したクロム−金−クロムの金属層がエッチングされる。これにより、図5(c)に示されたようにリッドウエハ11Wの第1端面M1にクロム層s1、金層r1及びクロム層s2が順に形成される。
ステップS114において、図5(d)に示されたように、スクリーン印刷でリッドウエハ11Wの第1端面M1に封止ガラス膜g1が形成される。ここで、スクリーンとしてナイロン、テトロン、ステンレスなどの織物が使用される。
図6のフローチャートはベース部12Aの製造ステップS12の詳細を示す。図6ではベースウエハ12Wを切断する前の状態を示している。また、図6のフローチャートの右図は、それぞれのステップにおける図4のベースウエハ12Wの一部を示している。
ステップS121において、図6(a)に示されたように、均一厚さの水晶平板のベースウエハ12Wに、ベース側凹部121及びベース側凹部121の底面からベースウエハ12Wの底面まで貫通したスルーホール14が数百から数千個形成される(図4を参照)。ベースウエハ12Wには、エッチング又は機械加工によりベース側凹部121が形成され、ベース側凹部121の周囲には第2端面M2が形成される。
ステップS122において、図6(b)に示されたように、スパッタリングまたは真空蒸着によってベースウエハ12W両面の全面にクロム層及び金層が順に形成される。スルーホール14内にもクロム層及び金層が形成される。
ステップS123において、最も外側の金層全面にフォトレジストが均一に塗布される。そして露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれた第2端面M2、接続電極123、141及び外部電極15のパターンがベースウエハ12Wに露光される。次に、フォトレジストから露出した金層及びクロム層がエッチングされる。これにより、図6(c)に示されたようにベースウエハ12Wの第2端面M2にクロム層s4及び金層r2が順に形成され、ベース側凹部121に接続電極123(図4を参照)が形成され、スルーホール14に接続電極141が形成され、ベースウエハ12Wの底面に外部電極15が形成される。
ステップS124では、スパッタリングまたは真空蒸着時にマスク(図示しない)を用いて、ベースウエハ12Wの第2断面M2のみにクロム層s3が形成される(図6(d)を参照)。そのため、第2断面M2のみ金属膜が3層になり、その他の個所は金属層が2層である。
図3に戻り、ステップS13では水晶振動片10(図1を参照)が形成される。まず、スパッタリングまたは真空蒸着によって水晶ウエハ(不図示)の両面にクロム(Cr)層を下地としてその表面に金(Au)層が形成される。その後、水晶片101の両面にフォトレジストが均一に塗布される。そして露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれた水晶振動片10の外形パターンを水晶ウエハの両面に露光される。次にクロム層、金層及び水晶ウエハがエッチングされ、水晶振動片10の外形が形成される。そして再び、水晶ウエハの両面にクロム層と金(Au)層とが形成され、励振電極等の電極パターンが露光される。クロム層及び金層がエッチングされ、水晶ウエハに励振電極102及び接続金属109が形成される。その後、水晶ウエハから水晶振動片10が個々に切り出される。
ステップS14において、ステップS13で製造された圧電振動片10が導電性接着剤13でベース側凹部121内に固定される。このとき、圧電振動片10の接続電極109とベース側凹部121の底面に形成された接続電極123との位置が合うように圧電振動片10がベース側凹部121内に載置される(図2を参照)。
ステップS15において、封止ガラス膜g1が350℃〜400℃程度に加熱されリッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとが押圧され、リッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとが接合される。図4に示されたようにリッドウエハ11W及びベースウエハ12Wはそれらの周縁部の一部にオリエンテーションフラットOFが形成されている。したがって、オリエンテーションフラットOFを基準として、リッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとが精密な重ね合わせされ、その後リッドウエハ11Wとベースウエハ12Wと接合される。
ステップS16において、金スズ(Au-Sn)合金、金ゲルマニウム(Au-Ge)もしくは金シリコン(Au−Si)合金、又は金ペースト及び銀ペーストから焼成して作成した充填材142(図2を参照)がスルーホール14に充填される。そして、真空中もしくは不活性ガス中のリフロー炉に保持し封止する。これにより、キャビティCT内が真空になった又は不活性ガスで満たされた複数の第1水晶振動子100Aが得られる。
ステップS17において、接合されたリッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとから第1水晶振動子100Aが個々に切断される。切断工程では、レーザーを用いたダイシング装置、または切断用ブレードを用いたダイシング装置などを用いて図4に示された一点鎖線のカットラインCLに沿って第1水晶振動子100Aを単位として個片化する。これにより、数百から数千の正確な周波数に調整された第1水晶振動子100Aが製造される。
(第2実施形態)
<第2水晶振動子100Bの全体構成>
図7(a)はリッド部11Bとベース部12Bとが接合される前の第2水晶振動子100Bの断面図で、図7(b)はリッド部11Bとベース部12Bとが接合された後の第2水晶振動子100Bの断面図である。なお、第1実施形態と同じ構成要件に対しては同じ符号を付して説明する。
図7(a)に示されたように、第2実施形態の第2水晶振動子100Bは、圧電振動片10と、圧電振動片10を収納したベース部12Bと、ベース部12Bに接合されるリッド部11Bとを備える。
また、リッド部11Bは水晶などの圧電体又はガラスなどで形成されたリッド110A、複数の金属層及び封止ガラス膜を備える。また、リッド側突起部112の第1端面M1にはクロム(Cr)層s1及び封止ガラス膜g2が順に形成されている。ここで、クロム層s1の厚さは例えば0.05μm〜0.1μmであり、封止ガラス膜g2の厚さは例えば10μm〜15μmである。
ベース部12Aは、水晶などの圧電体又はガラスなどで形成されたベース120A、複数の金属層及び封止ガラス膜を備える。また、ベース側突起部122の第2端面M2にはクロム層s4、封止ガラス膜g3、クロム層s3、金(Au)層r3及びクロム層s2が順に形成されている。ここで、クロム層s2、s3及びs4はクロム層s1と同じ形状で、封止ガラス膜g3は封止ガラス膜g2と同じ形状である。金層r3の厚さは例えば0.3μm〜2μmである。
リッド部11Bとベース部12Bとが窒素ガス中又は真空中で350〜400℃に加熱され押圧されることで、リッド部11Bに形成された封止ガラス膜g2がベース部12Bの第2端面M2に形成されたクロム層s2に接合される(図7(b)を参照)。したがって、第1端面M1及び第2端面M2は、クロム層s1、封止ガラス膜g2、クロム層s2、金層r3、クロム層s3、封止ガラス膜g3及びクロム層s4で封止される。このため、リッド側凹部111とベース側凹部121とは水晶振動片10が収納されたキャビティCTを形成することができ、キャビティCT内を窒素ガスや真空などで気密的に封止することができる。
ここで、クロム(Cr)は空気中で酸化などによって腐食される場合が多い。これに対応して、バナジウム系ガラスである封止ガラス膜g2又は封止ガラス膜g3は化学的に高い耐腐食性を有している。このため、図7(b)に示されたようにクロム層同士(s1及びs2、s3及びs4)の間に封止ガラス膜g2、g3が形成されると、封止ガラスがクロム層の腐食を防止することができる。また、クロムの代わりに、タングステン、ニッケル又はチタン又はこれらの合金を使用してもよい。
<第2水晶振動子100Bの製造方法>
第2水晶振動子100Bの製造方法は、図3に示された第1実施形態の製造方法のフローチャートと比べると、リッド部及びベース部の形成ステップS11、S12のみが異なる。したがって、以下は図3のステップS12及びS13に対応されるステップT12、T13のみについて説明する。
図8のフローチャートはリッド部11Bの製造ステップT11の詳細を示す。図8ではリッドウエハ11W及びベースウエハ12Wを切断する前の状態を示している。また、図8のフローチャートの右図は、それぞれのステップにおける図4のリッドウエハ11Wの一部を示している。なお、図8の右図ではリッド側凹部111が上向きになっている。
ステップT111において、図8(a)に示されたように、均一の水晶平板のリッドウエハ11W(図4を参照)に、リッド側凹部111が数百から数千個形成される。リッドウエハ11Wの材質が水晶又はガラスであれば、エッチング又は機械加工によりリッド側凹部111が形成され、リッド側凹部111の周囲には第1端面M1が形成される。
ステップT112において、図8(b)に示されたように、スパッタリングまたは真空蒸着によってリッドウエハ11W(図4を参照)全面にクロム層(図7のs1に対応)が形成される。
ステップT113において、図8(c)に示されたように、スクリーン印刷でリッドウエハ11Wの第1端面M1に封止ガラス膜g2が形成される。
ステップT114において、ベースウエハ12W全面にフォトレジストが均一に塗布される。そして露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれたクロム層s1(図7を参照)のパターンがリッドウエハ11Wに露光される。次に、フォトレジストから露出したクロム層s1がエッチングされる。これにより、図8(d)に示されたようにリッドウエハ11Wの第1端面M1にクロム層s1及び封止ガラス膜g2が順に形成される。
図9A及び図9Bのフローチャートはベース部12Bの製造ステップT12の詳細を示し、リッドウエハ11W及びベースウエハ12Wを切断する前の状態を示している。図9A及び図9Bのフローチャートの右図は、それぞれのステップにおける図4のベースウエハ12Wの一部を示している。
ステップT121において、図9A(a)に示されたように、均一の水晶平板のベースウエハ12W(図4を参照)に、ベース側凹部121及びベース側凹部121の底面からベースウエハ12Wの底面まで貫通したスルーホール14が数百から数千個形成される。ベースウエハ12Wの材質が水晶又はガラスであれば、エッチング又は機械加工によりベース側凹部121が形成され、ベース側凹部121の周囲には第2端面M2が形成される。
ステップT122において、図9A(b)に示されたように、スパッタリングまたは真空蒸着によってベースウエハ12W(図4を参照)の片面(第2端面M2側)の全面にクロム層(図7のs4に対応)が形成される。
ステップT123において、図9A(c)に示されたように、スクリーン印刷でベースウエハ12Wの第2端面M2に封止ガラス膜g3が形成される。
ステップT124において、クロム層(図7のs4に対応)全面にフォトレジストが均一に塗布される。そして露光装置(図示しない)を用いて、図9A(d)に示されたように、フォトマスクに描かれたクロム層s4(図7を参照)のパターンがベースウエハ12Wに露光される。
ステップT125において、図9B(e)に示されたように、スパッタリングまたは真空蒸着によってベースウエハ12W(図4を参照)の両面の全面にクロム層(図7のs3に対応)及び金層(図7のr3に対応)が順に形成される。なお、スルーホール14内にもクロム層及び金層が形成される。
ステップT126において、最も外側の金層全面にフォトレジストが均一に塗布される。そして露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれた第2端面M2、接続電極123、141及び外部電極15のパターンがベースウエハ12Wに露光される。次に、フォトレジストから露出した金層及びクロム層がエッチングされる。これにより、図9B(f)に示されたようにベースウエハ12Wの第2端面M2にクロム層s4、封止ガラス膜g3、クロム層s3及び金層r3が順に形成され、ベース側凹部121に接続電極123(図4を参照)が形成され、スルーホール14に接続電極141が形成され、ベースウエハ12Wの底面に外部電極15が形成される。
ステップT127において、スパッタリングまたは真空蒸着時にマスク(図示しない)を用いて、ベースウエハ12Wの第2断面M2のみにクロム層s2が形成される。これにより、図9B(g)に示されたように、ベースウエハ12Wの第2断面M2にクロム層s4、封止ガラス膜g3、クロム層s3、金層r3及びフロム層s2が順に形成される。
(第3実施形態)
<第3水晶振動子100Cの全体構成>
図10は、第3実施形態の第3水晶振動子100Cの分解斜視図である。図11は第3水晶振動子100CのB−B断面図であり、図11(a)はリッド部11Cと水晶フレーム20とベース部12Cとを接合する前の状態で、図11(b)はリッド部11Cと水晶フレーム20とベース部12Cとを接合した後の状態である。図12(a)は水晶フレーム20側から見たベース部12Cの平面図で、図12(b)はリッド部11C側から見た水晶フレーム20の平面図で、図12(c)はベース部12C側から見た水晶フレーム20の平面図である。図12(a)、(b)及び(c)は、封止ガラス膜g5,g6、g7(図10及び図11を参照)を省略して描かれている。
図10及び図11に示されたように、第3水晶振動子100Cはリッド部11C、ベース部12C及びそれらに挟まれた水晶フレーム20から構成される。リッド部11Cはウエットエッチングにより形成されたリッド側凹部311を水晶フレーム20側の片面に有している。ベース部12Cは、ウエットエッチングにより形成されたベース側凹部321を水晶フレーム20側の片面に有している。したがって、窒素ガス中又は真空中でリッド部11Cとベース部12Cとが水晶フレーム20の両面に接合されると、図11(b)に示されたようにリッド側凹部311及びベース側凹部321により窒素ガス又は真空で封止されたキャビティCTが形成される。
リッド部11Cは、圧電体又はガラスなどで形成されたリッド110Cを備える。またリッド110Cは、リッド側凹部311と、このリッド側凹部311の外周に幅WIの第1端面M3を有するリッド側突起部312とを備える。また、リッド側突起部312の第1端面M3にはクロム(Cr)層s5、金(Au)層r4及びクロム層s6が順に形成され、クロム層s6には封止ガラス膜g4が形成されている。ここで、クロム層s5、s6の厚さは例えば0.05μm〜0.1μmであり、金層r4の厚さは例えば0.3μm〜2μmであり、封止ガラス膜g4の厚さは例えば10μm〜15μmである。
ベース部12Cは、水晶などの圧電体又はガラスなどで形成されたベース120Cを備える。またベース120Cは、ベース側凹部321と、このベース側凹部321の外周に幅WIの第2端面M4を有するベース側突起部322とを備える。また、ベース側突起部322の第2端面M4にはクロム(Cr)層s12、金(Au)層r7及びクロム層s11が順に形成され、クロム層s11の上には封止ガラス膜g5が形成されている。ここで、クロム層s12、金層r7、クロム層s11及び封止ガラス膜g5の形状はリッド部11Cに形成されたクロム層s5、金層r4、クロム層s6及び封止ガラス膜g4と同じである。さらに、ベース120Cの下面(実装面側)に外部電極15が形成され、ベース120Cの角部にはキャスタレーション125が形成されている。対角線に位置する一対のキャスタレーション125の側面には接続電極127が形成されている。接続電極127は、ベース120Cと水晶フレーム20とが接合した際に外部電極15と水晶フレーム20の励振電極102とを電気的に接続する。また、図12(a)に示されたとおり第2端面M4上の金属膜(s11、r7及びs12)はキャスタレーション125と離れて形成されている。金属膜(s11、r7及びs12)によって極性が異なる一対の接続電極127がショートすることを防止するためである。
水晶フレーム20はATカットされた水晶材料で形成され、リッド部11C側の表面Meとベース部12C側の裏面Miとを有している。水晶フレーム20は水晶振動部21と、水晶振動部21を囲む枠部22とで構成されている。また、水晶振動部21と枠部22との間には、上下を貫通するU字型の間隙部23が形成され、間隙部23が形成されていない部分が水晶振動部21と枠部22との接続部24となっている。水晶振動部21の表面Meと裏面Miとには励振電極102が形成され、枠部22の両面には励振電極102と導電された引出電極109が形成されている。さらに、水晶フレーム20の角部には、水晶貫通穴CH(図16を参照)を形成した際のキャスタレーション105が形成されている。対角線に位置する一対のキャスタレーション105の側面には、ベース部12Cのキャスタレーション125と水晶フレーム20の引出電極109とが電気的に接続するように接続電極107が形成されている。
また、枠部22の表面Meにはクロム層s8、金層r5及びクロム層s7が順に形成され、クロム層s7上には封止ガラス膜g6が形成されている。また、図12(b)に示されたとおりに金属膜(s7、r5及びs8)が−Z’側(図12(b)の左側)に形成されたキャスタレーション105と離れて形成される。水晶フレーム20の表面Meの金属膜(s7、r5及びs8)によって極性が異なる一対の接続電極107がショートすることを防止するためである。
さらに、枠部22の裏面Miにはクロム層s9、金層r6及びクロム層s10が順に形成され、クロム層s10には封止ガラス膜g7が形成されている。図12(c)に示されたとおりに金属膜(s9、r6及びs10)が+Z’側
(図12(c)の右側)に形成されたキャスタレーション105と離れて形成される。また、水晶フレーム20の裏面Miの金属膜によって極性が異なる一対の接続電極107がショートすることを防止するためである。
図11(b)に示されたように−Z’側の外部電極15が接続電極127、107を介して水晶フレーム20の裏面Miに形成された引出電極109と接続され、+Z’側の外部電極15が接続電極127、107を介して水晶フレーム20の表面Meに形成された引出電極109と接続される。ここで、−Z’側の外部電極15は封止ガラス膜g4、g6によって水晶フレーム20の表面Meに形成された引出電極109と遮断され、封止ガラス膜g5、g7によって+Z’側の外部電極15と遮断される。同様に、+Z’側の外部電極15は封止ガラス膜g4、g6によって−Z’側の外部電極15と遮断され、封止ガラス膜g5、g7によって裏面Miに形成された引出電極109と遮断される。
したがって、外部電極15に交番電圧(正負を交番する電位)を印加した時に、水晶フレーム20は、励振電極102に交番電圧が印加されることによって厚みすべり振動する。また、第3実施形態において水晶フレーム20は水晶振動部21の外周に間隙部23を形成しているが、間隙部23が形成しなくてもよい。また、水晶振動部21はメサ型または逆メサ型でもよい。
封止ガラス膜g4〜g7が350〜400℃に加熱されリッド部11Cとベース部12Cとが水晶フレーム20に押圧されると、リッド部11Cと、水晶フレーム20と、ベース部12Cとが接合される。つまり、リッド部11Cに形成された封止ガラス膜g4が水晶フレーム20の表面Meに形成された封止ガラス膜g6が一体となり、ベース部12Cに形成された封止ガラス膜g5が水晶フレーム20の裏面Miに形成された封止ガラス膜g7と一体となる。これにより、リッド側凹部311と、枠部22と、ベース側凹部321とは水晶振動部21が収納されたキャビティCTを形成する。
ここで、クロム(Cr)は空気中で酸化などによって腐食される場合が多い。これに対応して、金(Au)は化学的に非常に高い耐腐食性を有している。このため、図11(b)に示されたようにクロム層同士(s5及びs6、s7及びs8、s9及びs10、s11及びs12)の間に金層r4〜r7が形成されると、金層がクロム層の腐食を防止することができる。また、クロムの代わりに、タングステン、ニッケル又はチタン又はこれらの合金を使用してもよいし、金(Au)の代わりに銀(Ag)を使用してもよい。
また、接着材である封止ガラスは耐水性・耐湿性に優れるので、空気中の水分がキャビティ内に進入したりキャビティ内の真空度を悪化させたりすることが防止できる。
また、第3実施形態ではリッド部11Cと水晶フレーム20と、及び水晶フレーム20とベース部12Cとが封止ガラス膜により接合されているが、リッド部11Cと水晶フレーム20とがシロキサン結合(Si−O−Si)により接合され水晶フレーム20とベース部12Cとが封止ガラス膜により接合されてもよい。同様に、リッド部11Cと水晶フレーム20とが封止ガラス膜により接合され、水晶フレーム20とベース部12Cとがシロキサン結合により接合されてもよい。
<第3水晶振動子100Cの製造方法>
図13は、第3水晶振動子100Cの製造を示したフローチャートである。図13において、リッド部11Cの製造ステップP11と、ベース部12Cの製造ステップP12と、水晶フレーム20の製造ステップP13とは別々に並行して行うことができる。また図14は、第3実施形態のベースウエハ32Wの平面図である。リッドウエハ31Wは点線で示したベース貫通穴BHが無い点でベースウエハ32Wと異なる。
リッド部11Cの製造ステップP11は、第1実施形態で説明されたリッド部11Aの製造ステップS11と同じである。
ベース部12Cの製造ステップP12は、第1実施形態で説明されたリッド部11Aの製造ステップS11とほぼ同じである。但し、エッチングでベースウエハ32Wにベース側凹部321を形成する同時に、図14に示されたように各ベース部12Cの角部にベースウエハ32Wを貫通したベース貫通穴BHが形成される。ベース貫通穴BHが4分割されると1つのキャスタレーション125(図10を参照)になる。また、金属膜(s11、r7、s12)はフォトレジストを使ってエッチングすることで、図12(a)に示された形状が形成される。
図15のフローチャートは水晶フレーム20の製造ステップP13の詳細を示す。図16は、第3実施形態の水晶ウエハ20Wの平面図である。なお、第3水晶振動子100Cの製造においてリッドウエハ31Wと、水晶フレーム20と、ベースウエハ32Wとを接合した後に第3水晶振動子100Cを単位として切断するので、図15では切断する前の状態を示している。また、図15のフローチャートの右図は、それぞれのステップにおける図16の水晶ウエハ20Wの一部を示している。なお、図15の右図は水晶フレーム20の表面Meを上向きとし、各水晶フレーム20対しては図10のB−B断面図に対応される。
ステップP131において、図15(a)に示されたように、均一の水晶平板の水晶ウエハ20W(図16を参照)に、エッチングにより複数の水晶フレーム20の外形が形成される。すなわち、水晶振動部21と、枠部22と、間隙部23とが形成され、各水晶フレーム20の四隅に図16に示されたように水晶ウエハ20Wを貫通するように水晶貫通穴CHが形成される。水晶貫通穴CHが4分割されると1つのキャスタレーション105(図10を参照)になる。また、図15(a)は2つの水晶フレーム20を含んでいる水晶ウエハ20Wで、一点鎖線が2つの水晶フレーム20の限界である。以降の図15(b)〜(d)でも同様である。
ステップP132において、図15(b)に示されたように、スパッタリングまたは真空蒸着によって水晶ウエハ20Wの両面の全面にクロム層(図10のs8、s9及び励振電極102の下地に対応)、金層(図10のr5、r6及び励振電極102の金層に対応)及びクロム層(図10のs7、s10に対応)が順に形成される。
ステップP133において、最も外側のクロム層(図10のs7、s10に対応)全面にフォトレジストが均一に塗布される。そして露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれたクロム層s7及びs10(図10を参照)のパターンが水晶ウエハ20Wに露光される。次に、フォトレジストから露出した最外層であるクロム層(図10のs7、s10に対応)のみがエッチングされる。これにより、図15(c)に示されたように、枠部22の表面Meにクロム層s7−金層r5−クロム層s8が順に形成され、表面Miにクロム層s9−金層r6−クロム層s10が順に形成される。
ステップP134において、再びフォトレジストを使ってエッチングすることで、図16に示されたように水晶ウエハ20Wの表面Me及び裏面Miに図15(d)に示されたように励振電極102及び引出電極109が形成される。
ステップP135において、スクリーン印刷で水晶ウエハ20Wにおける枠部22の両面に封止ガラス膜g6、g7が形成される。
図13に戻り、ステップP14において、封止ガラス膜g4〜g7が350℃〜400℃程度に加熱されリッドウエハ31Wと、水晶ウエハ20Wと、ベースウエハ32Wとが押圧されることで、リッドウエハ31Wと、水晶ウエハ20Wと、ベースウエハ32Wとが接合される。
ステップS15において、スパッタリングまたは真空蒸着によってベースウエハ32Wの底面全面、ベース貫通穴BH及び水晶貫通穴CHに0.05μm〜0.1μmのクロム(Cr)層を下地としてその表面に0.5μm〜2.0μmの金(Au)層が形成される。
ステップS16において、ベースウエハ32Wの底面にフォトレジストが均一に塗布される。そして露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれた外部電極15の外形パターンをベースウエハ32Wの底面に露光される。次にフォトレジストから露出した金属層がエッチングされる。これにより、ベースウエハ32Wの底面に外部電極15が形成され、ベース貫通穴BH及び水晶貫通穴CHに接続電極127、107が形成される。
ステップS17において、接合されたリッドウエハ31Wとベースウエハ32Wとを第3水晶振動子100Cを単位として切断する工程が行われる。切断工程では、レーザーを用いたダイシング装置、または切断用ブレードを用いたダイシング装置などを用いて図14及び図16に示された一点鎖線のカットラインCLに沿って第3水晶振動子100Cを単位として個片化する。これにより、数百から数千の正確な周波数に調整された第3水晶振動子100Cが製造される。
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。たとえば、本発明は、圧電振動子以外にも、発振回路を組み込んだICなどをキャビティ内に収容した圧電発振器にも適用できる。また、本明細書ではATカット型の圧電振動片を一例として説明したが、一対の振動腕を有する音叉型の圧電振動片にも適用できる。
10 … 水晶振動片
11A〜11C … リッド部
11W、31W … リッドウエハ、 12W、32W … ベースウエハ、 20W … 水晶ウエハ
12A〜12C … ベース部
13 … 導電性接着剤
14 … スルーホール
15 … 外部電極
20 … 水晶フレーム
100A〜100C … 水晶振動子
101 … 水晶片、 102 … 励振電極
110A、110C … リッド
111、311 … リッド側凹部、 112、312 … リッド側突起部
120A、120C … ベース
121、321 … ベース側凹部、 122、322 … ベース側突起部
141、107、127 … 接続電極
BH、CH … 貫通穴
CL … カットライン
CT … キャビティ
M1、M2、M3、M4 … 端面
g1〜g7 … 封止ガラス膜
r1〜r7 … 金層
s1〜s12 … クロム層

Claims (6)

  1. 電圧の印加により振動する圧電振動片と、
    前記圧電振動片が収納されるキャビティを形成するように、前記キャビティの外周に形成される第1接合面を有する第1板及び前記キャビティの外周に形成される第2接合面を有し前記第1板と接合する第2板と、を備え、
    前記第1接合面と前記第2接合面との間に、第1金属膜、この第1金属膜と異なる金属の第2金属膜、前記第1金属膜、ガラス層、前記第1金属膜、前記第2金属膜及び前記第1金属膜が順に形成される圧電デバイス。
  2. 電圧の印加により振動する圧電振動片と、
    前記圧電振動片が収納されるキャビティを形成するように、前記キャビティの外周に形成される第1接合面を有する第1板及び前記キャビティの外周に形成される第2接合面を有し前記第1板と接合する第2板と、を備え、
    前記第1接合面と前記第2接合面との間に、第1金属膜、ガラス層、前記第1金属膜、前記第1金属膜と異なる金属の第2金属膜、前記第1金属膜、前記ガラス層及び前記第1金属膜が順に形成される圧電デバイス。
  3. 電圧の印加により振動する圧電振動片とその圧電振動片を囲むように形成された枠体とを有する圧電振動板と、
    前記圧電振動片が収納されるキャビティを形成するように、前記キャビティの外周に形成される第1接合面を有し前記枠体と接合する第1板及び前記キャビティの外周に形成される第2接合面を有し前記枠体と接合する第2板と、を備え、
    前記第1接合面と前記枠体との間に、第1金属膜、この第1金属膜と異なる金属の第2金属膜、前記第1金属膜、ガラス層、前記第1金属膜、前記第2金属膜及び前記第1金属膜が順に形成される圧電デバイス。
  4. 電圧の印加により振動する圧電振動片とその圧電振動片を囲むように形成された枠体とを有する圧電振動板と、
    前記圧電振動片が収納されるキャビティを形成するように、前記キャビティの外周に形成される第1接合面を有し前記枠体と接合する第1板及び前記キャビティの外周に形成される第2接合面を有し前記枠体と接合する第2板と、を備え、
    前記第1接合面と前記枠体との間に、第1金属膜、ガラス層、前記第1金属膜、前記第1金属膜と異なる金属の第2金属膜、前記第1金属膜、前記ガラス層及び前記第1金属膜が順に形成される圧電デバイス。
  5. 前記第1金属膜は、クロム、ニッケル、タングステン又はそれらの合金の一つからなり、
    前記第2金属膜は、金又は銀からなる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
  6. 前記ガラス層は、バナジウムを含んでいる請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の圧電デバイス。
JP2010142142A 2010-06-23 2010-06-23 圧電デバイス Expired - Fee Related JP5492671B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010142142A JP5492671B2 (ja) 2010-06-23 2010-06-23 圧電デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010142142A JP5492671B2 (ja) 2010-06-23 2010-06-23 圧電デバイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012009967A true JP2012009967A (ja) 2012-01-12
JP5492671B2 JP5492671B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=45540049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010142142A Expired - Fee Related JP5492671B2 (ja) 2010-06-23 2010-06-23 圧電デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5492671B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013219614A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Seiko Epson Corp 電子デバイス、電子機器、ベース基板の製造方法および電子デバイスの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0884042A (ja) * 1994-09-14 1996-03-26 Citizen Watch Co Ltd パッケージ部材
JP2004072609A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Seiko Epson Corp 水晶デバイスと水晶デバイスの製造方法、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話装置ならびに水晶デバイスを利用した電子機器
JP2005109741A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Seiko Epson Corp 圧電デバイスと圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器
JP2007184859A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Epson Toyocom Corp 気密封止構造および圧電デバイスとその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0884042A (ja) * 1994-09-14 1996-03-26 Citizen Watch Co Ltd パッケージ部材
JP2004072609A (ja) * 2002-08-08 2004-03-04 Seiko Epson Corp 水晶デバイスと水晶デバイスの製造方法、ならびに水晶デバイスを利用した携帯電話装置ならびに水晶デバイスを利用した電子機器
JP2005109741A (ja) * 2003-09-29 2005-04-21 Seiko Epson Corp 圧電デバイスと圧電デバイスを利用した携帯電話装置および圧電デバイスを利用した電子機器
JP2007184859A (ja) * 2006-01-10 2007-07-19 Epson Toyocom Corp 気密封止構造および圧電デバイスとその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013219614A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Seiko Epson Corp 電子デバイス、電子機器、ベース基板の製造方法および電子デバイスの製造方法
US9635769B2 (en) 2012-04-10 2017-04-25 Seiko Epson Corporation Electronic device, electronic apparatus, method of manufacturing base substrate, and method of manufacturing electronic device

Also Published As

Publication number Publication date
JP5492671B2 (ja) 2014-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5595196B2 (ja) 圧電デバイス
JP4885206B2 (ja) 音叉型圧電振動片および圧電デバイス
US8476811B2 (en) Piezoelectric device with tuning-fork type piezoelectric vibrating piece
JP4635917B2 (ja) 表面実装型圧電振動デバイス
JP5085682B2 (ja) 圧電デバイス
US8729775B2 (en) Piezoelectric vibrating devices and methods for manufacturing same
US8742651B2 (en) Piezoelectric vibrating pieces and piezoelectric devices comprising same, and methods for manufacturing same
JP2012065305A (ja) 圧電デバイスの製造方法及び圧電デバイス
JP2015019142A (ja) 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法
JP2012199606A (ja) 水晶振動片及び水晶デバイス
JP2013012977A (ja) 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法
JP5325151B2 (ja) 水晶デバイス、及びその製造方法
JP2012195711A (ja) 水晶振動子
JP5514663B2 (ja) 圧電振動デバイスおよび圧電振動デバイスの製造方法
US20120068579A1 (en) Method for Manufacturing a Piezoelectric Device and the Same
JP2012186709A (ja) 圧電振動片及び圧電デバイス
JP2011193436A (ja) 音叉型水晶振動片、音叉型水晶振動子、および音叉型水晶振動片の製造方法
JP5148659B2 (ja) 圧電デバイス
JP2012217111A (ja) 圧電デバイス及びその製造方法
JP5492671B2 (ja) 圧電デバイス
JP2013229645A (ja) 圧電デバイス及び圧電デバイスの製造方法
JP2006229283A (ja) 圧電デバイス
JP2012257180A (ja) 圧電デバイスの製造方法及び圧電デバイス
JP2012142875A (ja) 圧電デバイス及びその製造方法
JP2012195630A (ja) 圧電振動フレーム及び圧電デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5492671

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531