JP2012008354A - 電子写真用トナーの製造方法、トナー及びフルカラー画像形成方法、フルカラー画像形成装置 - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法、トナー及びフルカラー画像形成方法、フルカラー画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高速のフルカラー画像形成方法において、感光体から中間転写体ならびに中間転写体から画像支持体への転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力することができる電子写真用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】水系媒体中でトナー100を生成する電子写真用トナーの製造方法において、結晶性有機微粒子102を水系媒体中に存在させ、トナー粒子化工程を行う、またはトナー組成物のトナー粒子化工程後にトナー粒子水系分散液に添加することによって得られる電子写真用トナー100およびその製造方法であって、該結晶性有機微粒子102をトナー表面に配置することによってトナー100の耐久性、定着性、保存性が高い品質を満足する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真用トナーの製造方法、トナー及びフルカラー画像形成方法、フルカラー画像形成装置に関するものである。
近年、電子写真方式の画像形成技術分野では、高速の画像形成が可能で、しかも画像品位の高いカラー画像形成装置の開発競争が激化している。このため、フルカラー画像を高速で得るために、画像形成方法で、複数の電子写真感光体を直列に並べ、それぞれの電子写真感光体において各色成分ごとの画像を形成し、中間転写体上で重ね合わせ記録部材上へ一括転写するいわゆるタンデム方式が多く採用されてきている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
中間転写体を用いた場合には、現像時に電子写真感光体上に地肌汚れが発生したときには、直接紙などの記録部材に地肌汚れが転移することを防止する効果がある。しかし、この中間転写体を用いる方式は、電子写真感光体から中間転写体への転写工程(一次転写)と、中間転写体から最終画像を得る記録部材上への転写工程(二次転写)という2回にわたる転写工程を経るため転写効率が低下する。
一方、上記のような問題に加え、近年では、より高画質のフルカラー画像形成が要求されており、高画質化への現像剤設計がなされてきている。高画質化、特にフルカラー画質への要求に対応するために、トナーとしてはますます小粒径化が進み、潜像を忠実に再現することが検討されている。
この小粒径化に対しては、トナーを所望のトナー形状及び表面構造に制御することを可能とする手段として、重合法によるトナー製造方法が提案されている。(例えば、特許文献3、特許文献4)。重合法トナーでは、トナー粒子の粒径制御に加えて形状制御も可能である。また、これと併せて粒径を小さくすることにより、ドットや細線の再現性が良くなり、パイルハイト(画像層厚)も低くすることが可能となり、より高画質化が期待できる。
しかしながら、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、転写効率がさらに低下し易い。このため、高速のフルカラー画像形成装置において小粒径トナーを使用した場合には、特に二次転写での転写効率の低下が顕著となる。その理由は、トナー小粒径化によりトナー1粒子あたりの中間転写体との非静電的付着力が増加している上に、二次転写では複数色のトナーが重ねあった状態で存在していることと、高速化に伴い二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、より転写されにくい条件となるためである。
上記問題点に対処するためには、二次転写の転写電界をさらに強くすることが考えられるが、転写電界を強くしすぎるとかえって転写効率が低下してしまい限界がある。
また、二次転写のニップ部の幅を広くすることでトナー粒子が転写電界を受ける時間を長くすることが考えられるが、バイアスローラ等による接触式の電圧印加方式の場合は、ニップ幅を広くするにはバイアスローラの当接圧力を高くするか、あるいは、バイアスローラのローラ径を大きくするかの何れかの方法しかない。当接圧力を高くするのは画像品質との関係から、ローラ径を大きくするのは装置の小型化との関係から、それぞれ限界がある。また、チャージャ等による非接触式の電圧印加方式の場合は、チャージャの数を増やすなどして二次転写のニップ幅を稼がなければならないため、やはり限界がある。そのため、特に高速機では、これ以上の転写効率を得るまでニップ幅を拡げることは実質的には不可能であると言える。
これに対し、トナー粒子と電子写真感光体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力を低減する手段として、添加剤の種類や添加量を調整する(特に粒径の大きい添加剤を添加する)方法が提案されている。(例えば、特許文献5、特許文献6)。この方法により、トナー粒子は非静電的付着力低減効果を得て転写効率を向上させることが可能となるとともに、現像の安定性、クリーニングの向上といった効果も得ることが可能となる。
上述のトナー粒子は、初期的には、画像形成装置の転写効率を向上させることが可能となる。しかしながら、画像形成装置の現像装置内でトナーが長期間攪拌等の機械的ストレスを受けていると、添加剤がトナー母体中に埋没してしまい、添加剤による付着力低減効果が発揮されなくなり、画像形成装置の転写効率が低下してしまう。
特に高速機の場合、現像装置内での攪拌が激しいため、この機械的ストレスが大きく、添加剤のトナー母体中への埋没が加速され易い。このため、比較的早い段階で転写効率の低下に繋がることが想定される。
これに対し本発明者らはトナー表面に有機微粒子の層を設けることを提案してきた。
しかし、有機微粒子はトナー表面に付着して層状に被覆層を形成するがトナーを構成する結着樹脂と接着性が弱く、機械的衝撃や摩擦によって部分的に剥がれ落ちやすいことが判明した。
このため、高速機において長期に渡り安定して高い転写効率を維持するためには、機械的ストレスを受けても表面の有機微粒子層がトナー表面から脱離することなく表面に存在できるようにトナーとの接着性、結着樹脂との融合性を制御する必要がある。さらに、トナーの表面性(機械強度)を強く(硬く)しすぎると、定着時にトナーの溶融を阻害したり、ワックス等の離型剤が含有されたトナーの場合には、定着時の定着ローラに対する離型剤の染み出しが不十分となり、定着性が悪化してしまうという副作用にも注意が必要である。
また、有機微粒子の紙と、もしくはトナー同士の接着性が不良の場合は定着に多大のエネルギーが必要であった。
本発明の課題は、上記問題点を踏まえ、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力し、定着性能を向上させた電子写真用トナーの製造方法、トナー及びフルカラー画像形成方法、フルカラー画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、少なくとも結着樹脂と着色剤を含むトナー組成物を溶解及び/又は分散させた油相を水系媒体で乳化及び/又は分散させて造粒するトナー粒子化工程を有する電子写真用トナーの製造方法において、酸価が20から80の範囲にある結晶性有機微粒子を、水系媒体中に存在させてトナー粒子化工程を行い又はトナー組成物のトナー粒子化工程後にトナー粒子が存在する水系媒体に添加することで、前記結晶性有機微粒子をトナー粒子に含有させることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、さらに、前記結晶性有機微粒子が、脂肪族ジアルコールをモノマー成分とする結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、さらに、前記結晶性有機微粒子が、炭素数8以上のアルキル鎖を有す脂肪酸、脂肪族アルコール、それらのエステル、アミド、アミンから選ばれたものであることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、さらに、トナーのTgよりも高い融点(1/2流出開始温度)を有す結晶性有機微粒子からなる層が、粒子最表面からDv(体積平均粒子径)×0.2以内の表面に存在させることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、さらに、前記トナー粒子化工程が、トナー組成物を重合性単量体に溶解または分散し、該溶解物又は分散物を水系媒体中で乳化分散し、得られた乳化分散液を重合することを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、さらに、前記トナー粒子化工程が、少なくとも樹脂、着色剤からなるトナー組成物を水系媒体中で分散し、該分散物を水系媒体中で凝集させ、該凝集物を加熱融着させることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、さらに、前記トナー粒子化工程が、少なくとも樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解又は分散し、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散し、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去することを特徴とする。
また、本発明の電子写真用トナーの製造方法は、さらに、前記トナー粒子化工程が、少なくとも重付加反応樹脂材料、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散し、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散し、該溶解物または分散物中の重付加反応樹脂材料を重付加反応させ、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去することを特徴とする。
本発明の電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、電子写真方式の画像形成に用いる電子写真用トナーにおいて、上述にのいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法によって得られることを特徴とする。
本発明のフルカラー画像形成方法は、複数の電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像をを中間転写体を介して又は介さずに記録部材上に転写する転写工程と、前記記録部材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録部材上に定着させる定着工程と、前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを有するフルカラー画像形成方法において、上述に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする。
また、本発明のフルカラー画像形成方法は、さらに、タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを有することを特徴とする。
本発明のフルカラー画像形成装置は、複数の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録部材上に転写する転写手段と、前記記録部材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録部材上に定着させる定着手段と、前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録部材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えたフルカラー画像形成装置において、上述に記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする。
また、本発明のフルカラー画像形成装置は、さらに、少なくとも電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジを複数を備えることを特徴とする。
上記課題を解決する手段である本発明によって、以下のような特有の効果を奏する。
本発明によれば、高速のフルカラー画像形成で、転写効率を向上させ、各々の転写時に画像欠陥をなくし長期的に再現性の良い画像を出力する電子写真用トナーの製造方法、トナー及びフルカラー画像形成方法、フルカラー画像形成装置を提供することができる。
本発明のトナーの構造を示す図である。 フローテスター測定方法を説明するための図である。 本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる帯電装置の一実施形態の構成を示す図である。 本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる帯電装置の一実施形態の構成を示す図である。 本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる現像装置の一実施形態の構成を示す図である。 本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる定着装置の一実施形態の構成を示す図である。 本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる定着装置の定着ベルトの構成を示す図である。 本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いるプロセスカートリッジの一実施形態の構成を示す図である。 本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる主要部である画像形成部の一実施形態の構成を示す図である。 本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置の一実施形態の構成を示す図である。 本発明のトナーの断面を示す透過電子顕微鏡写真である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と記す。)の製造方法は、結晶性材料からなる樹脂製の有機微粒子を水系媒体中に添加して乳化凝集法、懸濁重合法、もしくは少なくとも結着樹脂又は結着樹脂前駆体を含むトナー材料を有機溶媒に溶解又は分散してトナー材料の溶解又は分散液を作成する工程と、トナー材料の溶解又は分散液を乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を作成する工程と、乳化乃至分散液から有機溶媒を除去する工程から得られるトナー100において、その表面に結晶性有機微粒子を付着させることである。そして、製造されたトナー100の重量平均粒径は1〜6μmが好ましい。また、トナー粒子分散液を作成した後に、水系媒体中に結晶性有機微粒子を添加する工程を含んでいる。
図1は、本発明のトナーの構造を示す図である。
上記の製造方法により製造したトナー100は、図1に示すように、着色剤及び結着樹脂を中心としたトナー材料を核としたトナー粒子101の本体の表面に、結晶性有機微粒子102が付着している。しかし、結晶性有機微粒子102は粒子径が小さいのでトナー粒子101の本体の中に埋没したり、トナー粒子101の本体に付着したりしている。なお、トナー100の平均粒子径は、乳化工程における水系媒体の攪拌等の乳化乃至分散条件により調整される。また結晶性有機微粒子102同士が融着し、層を形成する場合もある。
ここで、結晶性有機微粒子102が存在するトナー表面近傍というのは、結晶性有機微粒子102の直径以上トナー最表層より結晶性有機微粒子102がもぐりこんでいないことを意味する。
通常、電子写真式の画像形成装置において、小粒径トナー100を用いた場合には、トナー100と電子写真感光体、又はトナー100と中間転写ベルト等の中間転写体との非静電的付着力が増加するため、より転写効率が低下する。特に、高速機において小粒径トナー100を使用した場合には、トナー100の小粒径化により中間転写体との非静電的付着力が増加した上に、高速化に伴い転写のニップ部、特に二次転写のニップ部においてトナー100が転写電界を受ける時間が短くなるため、二次転写での転写効率の低下が顕著となることが知られている。
しかし、本発明のトナーの製造方法で製造されたトナー100では、トナー表面に結晶性材料からなる有機微粒子102が付着していることと、この結晶性有機微粒子102がある程度の硬さを有することで、トナー100の非静電的付着力が低減され、高速のプロセススピードを有する画像形成装置のように転写時間が短くなった場合においても、定着性を阻害することなく十分な転写効率を得ることができる。
さらに、この結晶性有機微粒子102が十分な硬さを有しているため、高速のプロセススピードを有する画像形成装置のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても、トナー表面に付着した大粒径の結晶性有機微粒子102がトナー100の中に埋没することなく存在し続けることができるため、長期的にも十分な転写効率を維持することが可能である。同時にトナー表面に付着させる外添剤の埋没も防止することができる。
本発明のトナーの製造方法によればトナー粒子製造前、もしくは製造後に結晶性有機微粒子102が添加される。これらタイミングではトナー組成物の液滴に有機溶媒が存在しているため結晶性有機微粒子102は液滴表面に付着した後に液滴表面からある程度進入し、水系媒体が除去された後にトナー表面に付着固定化されるといった図1に示すような望ましい形態を実現することができる。
トナー100の粒径は、本発明の目的を達成するために、重量平均粒径が1〜6μmとなるように制御される。特にトナー100の重量平均粒径が2〜5μmであることが好ましい。1μmよりも小さい場合には、一次転写及び二次転写においてトナーチリが発生しやすく、逆に6μmよりも大きい場合には、ドット再現性が不十分になり、ハーフトーン部分の粒状性も悪化して高精細な画像が得られなくなってしまう。
トナー100の表面には、少なくとも一次平均粒径が20〜500nmの結晶性有機微粒子102が付着固体化されていることが好ましく、特に50〜300nmの結晶性有機微粒子102が付着固体化されていることが好ましい。これによりスペーサ効果によりトナー100の非静電的付着力を低減することができる。それとともともに、更に、高速のプロセススピードを有する画像形成装置1のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても結晶性有機微粒子102がトナー100の表面に埋没することによる非静電的付着力の増加を抑制することが可能となり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができる。
特に、中間転写方式での一次転写工程と二次転写工程と二度の転写工程を有す場合に本発明のトナーの製造方法で製造したトナー100は非常に有効である。比較的高速の画像形成プロセス(転写線速300〜1000mm/sec、二次ニップ部での転写時間が0.5〜20msec)において特にその効果が大きく発揮できる。これよりも低速の線速や二次転写時間が短いプロセスでは本発明と表面に結晶性有機微粒子102を配置しないトナー100との差は大きくはない。また、これ以上の高速の線速であると転写効率の低下は防ぎきれない傾向がある。
結晶性有機微粒子102の一次平均粒径が20nmよりも小さい場合には、スペーサ効果が十分に得られないためトナー100の非静電的付着力を低減することができず、さらに、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合には、トナー100の表面に結晶性有機微粒子102や外添剤が埋没しやすくなり、長期に渡り十分な転写効率を維持することができない恐れがある。また、結晶性有機微粒子102の一次平均粒径が500nmよりも大きい場合には、トナー100の流動性が悪くなり、均一転写性を阻害する場合がある。
一般に、現像装置に充填されたトナー100は、主に現像装置内部での機械的ストレスによってトナー表面の結晶性有機微粒子102はトナー100の内部に埋め込まれたりトナー粒子101の本体の表面の凹部に移動したりして、付着力の低減効果が失われる。また外添剤が同様のストレスにさらされることによってトナー内部に埋没し、トナー100の付着力が増大する。
しかし、本発明のトナーの製造方法によるトナー100は、結晶性有機微粒子102が比較的大きくトナー粒子101の本体に埋没しにくい。特に、結晶性ポリエステル重合体を含む部分的に架橋された樹脂の結晶性有機微粒子102であってもよい。このような結晶性有機微粒子102は、比較的硬いため、現像装置内での機械的ストレスによってトナー粒子101の表面で変形することなく、スペーサ効果も保つため、外添剤の埋没も防止し、付着力維持にはさらに適している。また、部分的に架橋されていることによって定着性能を妨げることも防止できる。
また、結晶性有機微粒子102は結着樹脂と融合し、接着強度が上昇することは好ましいが完全に相溶してしまうと結着樹脂と区別が付かなくなりその効果が発揮できない。したがって、結晶性有機微粒子102は結着樹脂との極性が異なることが好ましく、しかも極性は結着樹脂よりも高いことが好ましい。したがって、結晶性有機微粒子102は結着樹脂内部に侵入せず、水系媒体とトナー粒子101の表面にの間に位置することができるようになる。
また、トナー100のガラス転移温度Tgよりも高い融点を結晶性有機微粒子102が有すことにより、高温での保管時にトナー同士がブロッキングすることもなく、しかもトナー粒子101の内部の結着樹脂が加熱された時の融解粘性よりも低いことにより、低温で迅速に溶解接着が行われ低温定着性が確保できる。
融解粘度は、フローテスターにおける流出開始温度と流出終了温度の差に顕著に現われ、本発明のトナー100では、結晶性有機結晶性有機微粒子102のこれら温度の差がトナー100の値よりも小さいことが必要とされる。
結晶性有機微粒子102はトナー表面に付着し固定されていることが好ましい。
トナー粒子化工程中に付着するためにはトナーを構成する樹脂との極性の差が重要である。水相中での電気的な引き合いにより付着するため、結晶性有機微粒子102、トナー粒子それぞれの極性の差は水中での荷電を支配する場合が多い。
またトナーに付着した後にその後の熱処理や、溶剤、モノマーの存在下でもトナーを構成する樹脂と相溶しないで分離して存在させておく必要がある。そのためにもトナーを構成する樹脂との極性の差が重要である。
樹脂を構成する樹脂の酸価よりも結晶性有機微粒子102を構成する樹脂の酸価が高いことが好ましい。通常樹脂を構成する樹脂の酸価は20以下の場合が多く、結晶性有機微粒子102を構成する樹脂の酸価は1から200が好ましく、より好ましくは10から100である。さらに好ましくは20から80の範囲である。
また、樹脂を構成する樹脂の水酸基価よりも結晶性有機微粒子102を構成するポリエステル樹脂の水酸基価が高いことが好ましい。水酸基価の差は1から50が好ましく、より好ましくは5から30である。
本発明では、トナー粒子化工程は懸濁重合法、乳化凝集法が用いることができる。また、有機溶剤を用いてトナー組成物を乳化する方法では、結着樹脂は、ポリエステル系樹脂であることが好ましい。
乳化工程において、乳化前又は乳化後に結晶性有機微粒子102が添加された時にトナー材料の液滴に有機溶媒が存在しているため、結晶性有機微粒子102は液滴表面に付着した後に溶解してしまう場合がある。トナー100を構成する樹脂成分がポリエステル樹脂であり、結晶性有機微粒子102が部分的に架橋されたり、極性が高いポリエステル樹脂の結晶性有機微粒子102である場合、樹脂同士の相溶性が悪いため結晶性有機微粒子102はトナー材料の液滴と相溶せずに付着した状態で存在する。
したがって、液滴表面からある程度進入し、有機溶媒が除去された後にトナー粒子101の表面に付着固定化されるといった望ましい形態を実現することができる。
結晶性有機微粒子102は、用いる界面活性剤水溶液中で凝集しない性質を有すことが好ましい。本発明のトナーの製造方法では、乳化工程で乳化前又は乳化後に結晶性有機微粒子102が添加された時に、結晶性有機微粒子102がトナー材料の液滴に付着せずに独立して安定に存在することは好ましくない。界面活性剤を含む水系媒体中で結晶性有機微粒子102が凝集しない性質を有すことによって、乳化時、もしくは乳化後に水相側に存在していた結晶性有機微粒子102がトナー材料の液滴表面に移動し、容易にトナー材料の液滴表面に付着することができる。すなわち、界面活性剤を含む水系媒体中では、結晶性有機微粒子102が安定で水相に存在するが、トナー材料の液滴があるとトナー材料の液滴との引力が強い場合異種粒子の複合体が形成される。
得られた複合体はそのままでも強固な接着力を示すが、乳化後結晶性有機微粒子102がトナー材料の液滴表面に移動し、トナー材料の液滴表面に付着した後に加熱工程を経ることによってより強固にトナー粒子101の表面に固定化できる。固定化させる温度はトナー100に用いた樹脂のガラス転移温度よりも高い温度が好ましい。
トナー材料は、活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変成ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。トナー材料の液滴中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変成ポリエステル樹脂が含まれることにより、得られるトナー100の機械的強度が高まり結晶性有機微粒子102や外添剤の埋没を抑制することができる。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有す場合にはアニオン性の結晶性有機微粒子102を静電的に引き寄せることもできる。また、トナー100の加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることもできる。
結晶性有機微粒子102の添加量は、トナー100が100重量%に対して0.5〜5重量%であることが好ましく、特に1〜4重量%であることが好ましい。添加される割合が0.5重量%よりも少ない場合には、スペーサ効果が十分に得られないためトナー100の非静電的付着力を低減することができず、5重量%よりも多い場合には、トナー100の流動性が悪くなり、均一転写性を阻害したり、結晶性有機微粒子102がトナー100に充分固定化できずに離脱しやすくなり、キャリアや電子写真感光体(以下、単に「感光体」と記すことがある。)などに付着し、感光体などを汚染してしまう恐れがある。
本発明のトナーの製造方法によるトナー100の平均円形度は、0.95〜0.99であることが好ましく、0.95よりも低い場合には、現像時の画像均一性が悪化したり、電感光体から中間転写体もしくは中間転写体から記録部材へのトナー転写効率が低下し均一転写が得られなくなる。また、本発明のトナーの製造方法によるトナー100は、水系媒体中で乳化処理をして作成されたものであり、特に、カラートナー100における小粒径化や、平均円形度が上記の範囲の形状を得るために効果的である。
本発明のトナーの製造方法で製造したトナー100における重量平均粒径(Dw)と個数平均粒径(Dn)との比(Dw/Dn)としては、例えば、1.30以下が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)が、1.00未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナー100が融着し、キャリアの帯電能力の低下や、クリーニング性の悪化につながり易い。一成分現像剤では、現像スリーブ41へのトナー100のフィルミングや、トナー100を薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。また、Dw/Dnが1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナー100の収支が行われた場合にトナー100の粒子径の変動が大きくなることがある。
また、トナー100の重量平均粒径と個数平均粒径との比(Dw/Dn)が、1.00〜1.30であると、保存安定性、低温定着性、及び耐ホットオフセット性のいずれにも優れたトナー100となりやすい。
特に、フルカラー画像形成装置に使用した場合に画像の光沢性に優れる。二成分現像剤では長期にわたるトナー100の収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像装置における長期の攪拌においても良好で安定した現像性が得られ、一成分現像剤ではトナー100の収支が行われてもトナー100の粒子径の変動が少なくなるとともに、現像スリーブ41へのトナー100のフィルミングやトナー100を薄層化するブレード等への部材へのトナー100の融着がなく、現像装置の長期使用(攪拌)においても良好で安定した現像性が得られ、高画質の画像を得ることが可能となる。
本発明によって製造されたトナー100と共に用いるキャリアの粒径は、重量平均粒径が15〜40μmであることが好ましく、15μmよりも小さい場合には、転写工程においてキャリアも一緒に転写されてしまうキャリア付着が起こりやすくなり、逆に40μmよりも大きい場合には、キャリア付着は起りにくいものの、高画像濃度を得るためにトナー濃度を高くした場合、地汚れが発生しやすくなる恐れがある。また、潜像のドット径が小さい場合、ドット再現性のバラツキが大きくなり、ハイライト部の粒状性が悪くなる恐れもある。
本発明のフルカラー画像形成方法は、電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナー100を含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、電子写真感光体上に形成されたトナー像をを中間転写体を介して又は介さずに記録部材上に転写する転写工程と、更に詳細には、電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録部材上に転写する二次転写工程と、記録部材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録部材上に定着させる定着工程と、一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナー100をクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えている。そして、現像工程におけるトナー100が上述の本発明のトナーの製造方法で製造されたトナー100である。このフルカラー画像形成方法においては、二次転写工程におけるトナー像の記録部材への転写の線速度、所謂印字速度は300〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜20msecであることが好ましい。
さらに、本発明のフルカラー画像形成方法は、複数の電子写真感光体と、この複数の電子写真感光体に対応する帯電手段、露光手段、現像手段、一次転写手段、及びクリーニング手段のセットを複数有するタンデム型であることが好ましい。
電子写真感光体を複数個配備して、各々の回転時に1色ずつ現像するいわゆるタンデム型では、潜像形成工程と現像・転写工程とが各色毎に行なわれて各色のトナー像が形成されるため、単色の画像形成速度とフルカラーの画像形成速度との差が小さく、高速印字に対応できる利点を有している。しかし、各色のトナー像を別々の電子写真感光体に形成し、各色トナー層の積層(色重ね)を行なうことによりフルカラー画像を形成するため、各色のトナー100間での帯電性等が異なるなど、特性にばらつきがあると各色のトナー100による現像トナー量に差が生じ、色重ねによる二次色の色相の変化が大きくなり、色再現性が低下する。
タンデム型による画像形成方法に使用されるトナー100においては、各色のバランスを制御するための現像トナー量を安定化すること(各色のトナー間でばらつきがないこと)、各色のトナー間で電子写真感光体及び記録部材に対する付着性が均一であることが必要である。この点に関しては、本発明のトナーの製造方法で製造したトナー100は好適である。
帯電手段である帯電装置は、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのが好ましい。交番電圧を重畳した直流電圧を印加することにより、直流電圧のみを印加する場合に比べて電子写真感光体の表面電圧を所望の値に安定化させることができるため、より均一帯電させることが可能となる。
さらに、帯電手段は、電子写真感光体に、帯電ローラ、帯電ブラシ等の帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行なうのが好ましい。電子写真感光体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加して帯電を行なうことによって、特に交番電圧を重畳した直流電圧を印加することで得られる均一帯電性の効果をさらに向上させることが可能となる。
定着装置である定着手段は、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、加熱ローラと定着ローラとに張り渡され、加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体(加熱ベルト)と、加熱ベルトを介して定着ローラに圧接されるとともに、加熱ベルトに対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有することにより、定着ベルトの温度が短時間で上昇し、かつ安定した温度制御が可能となる。また、表面の粗い記録部材を使用した場合にも、定着時にある程度記録媒体9の表面に応じた状態で定着ベルトが作用するため、十分な定着性が得られるようになる。
定着手段は、オイルレスあるいはオイル微量塗布タイプであることが好ましい。これを達成するために、トナー粒子101の中に離型剤(WAX)を含有し、さらにそれがトナー粒子101の中に微分散しているものを定着することが好ましい。離型剤がトナー粒子101の中に微量分散しているトナー100により、定着時に離型剤が浸み出しやすく、オイルレス定着装置において、あるいは微量オイル塗布定着装置で、離型剤によりオイルを塗布するのと同等の効果を得ることができる。
また、トナー100のベルト側への転移を抑制することができる。離型剤がトナー粒子101の中に分散した状態で存在するためには、離型剤と結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。また、離型剤がトナー粒子101の中に微分散するためには、例えばトナー製造時の混練の剪断力を利用する方法がある。離型剤の分散状態は、トナー粒子101の薄膜切片をTEMで観察することにより判断できる。離型剤の分散径は小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。従って、倍率1万倍で離型剤が確認できれば、離型剤が分散した状態で存在していると判断する。1万倍で離型剤が確認できない大きさでは、微分散していたとしても、定着時の染み出しが不十分な場合がある。
[トナーの特性測定方法]
<重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)>
トナー100の重量平均粒径(Dw)、体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行なった。具体的にはガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.5ml添加し、各トナー100を0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II本多電子社製)で10分間分散処理した。
分散液をマルチサイザーIIIを用いて、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行なった。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るようにトナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
<平均円形度>
トナー100の平均円形度は、平均円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義される。フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA-2100 Data Processing Program for FPIA version00-10)を用いて解析を行なった。
具体的には、ガラス製100mlビーカーに10wt%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬性)を0.1〜0.5ml添加し、各トナー100を0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。分散液をFPIA−2100を用いて濃度を5000〜15000個/μlが得られるまでトナー100の形状及び分布を測定した。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から分散液濃度が5000〜15000個/μlにすることが重要である。
分散液濃度を得るために分散液の条件、すなわち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナー100の疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナー100を十分にぬらすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径のより異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3〜7μmの場合、トナー量を0.1〜0.5g添加することにより分散液濃度を5000〜15000個/μlにあわせることが可能となる。
[キャリアの特性測定方法]
<重量平均粒径>
キャリアの重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは、式(1)で表わされる。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)}…(1)
式(1)中、Dは、各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明においては、2μmを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子の粒径の下限値を採用した。
また、キャリア及びキャリアの芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは、式(2)で表わされる。
Dp=(1/ΣN)×(ΣnD)…(2)
式(2)中、Nは、計測した全粒子数を示し、nは、各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは、各チャネル(2μm)に保存する粒子の粒径の下限値を示す。
本発明において、粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計モデルHRA9320−X100(Honewell社製)を用いることができる。その測定条件は以下の通りである。
[1]粒径範囲:8〜100μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
以下、本発明のトナーの製造方法例について具体的に説明する。
なお、本発明は、ここに例示されるトナーの製造方法に限定されるものではない。
トナー粒子101の表面に結晶性有機微粒子102が付着固定化した構造を取るには、トナー材料を有機溶媒に溶解または分散し、このトナー前駆体の溶解または分散液をアニオン性界面活性剤とアニオン性の粒子径が5〜50nmの粒子径の結晶性有機微粒子102が含まれる水系媒体中で乳化ないし分散した後に有機溶媒を除去してトナー100を製造する際に、有機溶媒を除去前に水系媒体中へ粒子径が50〜500nmの結晶性有機微粒子102を添加する。
乳化ないし分散においては、必要に応じて、油滴を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
[本発明のトナー製造に用いる原料]
(結晶性有機微粒子)
通常有機低分子化合物は純度が高い場合は結晶性を有すため、その融点がトナー100のTgよりも高い場合使用可能である。
特に高分子から選ぶ場合は以下のものが挙げられる。
(結晶性ポリエステル樹脂微粒子)
本発明のトナー100において、ポリエステル樹脂を用いた結晶性有機微粒子102は、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。乳化分散に用いるポリエステル樹脂は多価カルボン酸と多価アルコールとを脱水縮合して合成される。多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、などの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中、脂肪族ジオール類が好ましい。また良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、および/またはモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、および/またはカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2?エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
ポリエステル樹脂は上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
このポリエステル樹脂の合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01〜1重量%とすることが好ましい。
本発明のトナー100に使用されるポリエステル樹脂は、後に述べるテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)法による分子量測定で測定ができる。重量平均分子量(Mw)が5000〜1000000であることが好ましく、更に好ましくは7000〜500000であり、数平均分子量(Mn)は2000〜100000であることが好ましく、分子量分布Mw/Mnが1.5〜100であることが好ましく、更に好ましくは2〜60である。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さい場合には、低温定着性には効果的ではある一方で、耐ホットオフセット性が著しく悪くなるばかりでなく、トナー粒子101の表面のガラス転移温度を低下させる為、トナー100のブロッキング等保存性にも悪影響を及ぼす。一方、上記範囲より分子量が大きい場合には、耐ホットオフセット性は充分付与できるものの、低温定着性は低下する他、トナー100の中に存在するワックス等の離型性材料相の染み出しを阻害する為、定着時に巻きつき性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、上述の条件を満たすことによって低温定着性と耐ホットオフセット性、巻きつき性を両立し得ることが容易となる。
(Tg測定方法/ガラス転移温度測定)
樹脂、定着助剤、ワックス、トナー100等のガラス転移温度及び融点の測定方法としては、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」;島津製作所製)を用いて、以下の方法により測定することができる。
ガラス転移温度(Tg)は、例えば、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、以下の方法により測定する。まず、トナー100を約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置し、室温まで試料を冷却して10min放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出する。
(フローテスター測定方法)
図2は、フローテスター測定方法を説明するための図である。
トナー100の軟化温度(Ts)、流出開始温度(Tfb)、1/2流出温度、(T1/T2)流出終了温度(Te)などは以下のように評価される。
トナー100の熱特性を測定するフローテスターとしては、例えば島津製作所製の高架式フローテスターCFT500型がある。
このフローテスターのフローカーブは、(a)および(b)に示されるデータになり、そこから各々の温度を読み取ることができる。図(a)中、軟化温度Tsは点B、流出開始温度Tfbは点Cであり、流出終了温度は点E、1/2流出温度は(b)における点Aである。
<測定条件>
荷重:10kg/cm
昇温速度:3.0℃/min
ダイ口径:0.50mm
ダイ長さ:10.0mm
(酸価の測定)
ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、結晶性有機微粒子102のトナー粒子101の表面の配置、結着樹脂との相溶性、乳化分散法によるトナー粒子101の造粒性を確保しやすいこと、得られるトナー100の環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、1〜50mgKOH/gであることが好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分として無水トリメリット酸を使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
ここで、本発明における酸価(AV)、水酸基価(OHV)とは、具体的に次のような手順で決定される。
測定装置:電位差自動滴定装置 DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極:DG113−SC(メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度:23℃
測定条件は以下のとおりである。
Stir
Speed[%] 25
Time[s] 15
EQP
titration
Titrant/Sensor
Titrant CH3ONa
Concentration[mol/L] 0.1
Sensor DG115
Unit of
measurement mV
Predispensing to
volume
Volume[mL] 1.0
Wait time[s] 0
Titrant addition Dynamic
dE(set)[mV] 8.0
dV(min)[mL] 0.03
dV(max)[mL] 0.5
Measure mode Equilibrium
controlled
dE[mV] 0.5
dt[s] 1.0
t(min)[s] 2.0
t(max)[s] 20.0
Recognition
Threshold 100.0
Steepest
jump only No
Range No
Tendency None
Termination
at maximum
volume[mL] 10.0
at potential No
at slope No
after number
EQPs Yes

n=1
comb.
termination conditions No
Evaluation
Procedure Standard
Potential 1 No
Potential 2 No
Stop for
reevaluation No
(酸価の測定方法)
JISK0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行う。
試料調整:トナー100を0.5gをトルエン120mlに添加して室温(23℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール30mlを添加して試料溶液とする。
測定は上記記載の装置にて計算することができるが、具体的には次のように計算する。
あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量
(ただしNはN/10KOHのファクター)
(水酸基価の測定方法)
試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。この液を電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行いOH価を求める(JISK0070−1966に準ずる。)。
本発明に使用される無定形高分子及び結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、35〜100℃であることが好ましく、貯蔵安定性とトナー100の定着性のバランスの点から、50〜80℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が35℃未満であると、トナー100が貯蔵中又は現像装置中でブロッキング(トナー100の粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい傾向にある。一方、ガラス転移温度が100℃を超えると、トナー100の定着温度が高くなってしまい好ましくない。
(有機微粒子製造方法)
ポリエステル樹脂による有機微粒子102は加熱、もしくは有機溶媒に溶解、膨潤させ、水系媒体に、剪断力を与えることにより形成される。結晶性有機微粒子102分散液における分散媒としては、例えば水系媒体や有機溶剤などが挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明においては、水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。記非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。また、カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。
有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、結着樹脂に応じて適宜選択して用いる。該樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、該樹脂を該油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に結晶性有機微粒子102分散し、その後、加熱又は減圧して該油性溶剤を蒸散させることにより、結晶性有機微粒子102をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。また、酸価の高いポリエステル樹脂である場合、中和によりアニオン型となり得る官能基を含有した、自己水分散性をもっており、親水性となり得る官能基の一部又は全部が塩基で中和された、水性媒体の作用下で安定した水分散体を形成できる。ポリエステル樹脂の中和により親水性基と成り得る官能基はカルボキシル基やスルフォン基等の酸性基である為、中和剤としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基が挙げられる。
また、それ自体水に分散しない、すなわち自己水分散性を有しないポリエステル樹脂を用いる場合には、樹脂溶液及び又はそれと混合する水性媒体に、イオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基等の高分子電解質と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて処理すると、容易に1μm以下の結晶性有機微粒子102にされ得る。このイオン性界面活性剤や高分子電解質を用いる場合には、その水性媒体中における濃度は、0.5〜5wt%程度になるようにするのが適当である。
本発明においてポリエステル樹脂を水性媒体と混合して、乳化分散させる装置としては、例えばホモミキサー(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサー(ノリタケカンパニー)などの連続式乳化分散機等が挙げられる。
粒子径としては、一次粒子の平均粒子径として20〜500nmが乳化粒子の粒子径と粒子径分布を制御するのに重要であり、さらに好ましくは50〜300nmの粒子径である。なお、粒子径はSEM、TEM、光散乱法などによって測定できる。好ましくはレーザー散乱測定法による堀場製作所製:LA−920によって、測定レンジにはいるように適切な濃度に希釈して測定すればよい。粒子径は体積平均径として求められる。
(アニオン性界面活性剤)
本発明のトナーの製造方法で用いられるアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等が挙げられ、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤が好適に挙げられる。フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(炭素数6〜11)オキシ]−1−アルキル(炭素数3〜4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(炭素数6〜8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(炭素数11〜20)カルボン酸又はその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数7〜13)又はその金属塩、パーフルオロアルキル(炭素数4〜12)スルホン酸又はその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(炭素数6〜10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(炭素数6〜16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製);フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製);ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製);メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製);エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204(ト−ケムプロダクツ社製);フタージェントF−100、F150(ネオス社製)、等が挙げられる。
本発明のトナーの製造方法に用いる結着樹脂としては、特に制限はなく、少なくとも2種類以上の樹脂を含むことが好ましく、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂等、公知の結着樹脂を用いることができる。
この中でも本発明のトナー100の製造方法用の樹脂相には、定着時にシャープメルトし、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可とう性を有しているポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル系樹脂にさらに他の樹脂を組み合せて用いても良い。
本発明で用いるポリエステル系樹脂とは、下記一般式(1)で表される1種若しくは2種以上のポリオールと、
A−(OH)m・・・一般式(1)
[式中、Aは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。mは2〜4の整数を表す。]
下記一般式(2)で表される1種若しくは2種以上のポリカルボン酸とをポリエステル化したものである。
B−(COOH)n・・・一般式(2)
[式中、Bは炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有していてもよい芳香族基若しくはヘテロ環芳香族基を表す。nは2〜4の整数を表す。]
一般式(1)で表される具体的なポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物等が挙げられる。
一般式(2)で表される具体的なポリカルボン酸としては、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)等が挙げられる。
(活性水素基含有化合物)
本発明のトナー材料中に活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変成ポリエステル樹脂が含まれることにより、得られるトナー100の機械的強度が高まり、結晶性有機微粒子102や外添剤の埋没を抑制することができる。活性水素基含有化合物がカチオン性の極性を有す場合には、結晶性有機微粒子102を静電的に引き寄せることもできる。
また、トナー100の加熱定着時の流動性を調節でき定着温度幅を広げることもできる。なお、活性水素基含有化合物及び該化合物と反応可能な変成ポリエステル樹脂は、結着樹脂前駆体であるとも言える。
活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体がイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)である場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)と伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類(B)が好適である。
活性水素基としては、活性水素基を有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
アミン類(B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)、などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン(B1)、ジアミン(B1)と少量の3価以上のポリアミン(B2)との混合物が特に好ましい。
ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミン、等が挙げられる。該芳香族ジアミンとしては、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4'ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。該脂環式ジアミンとしては、例えば、4,4'−ジアミノ−3,3'ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等が挙げられる。該脂肪族ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、等が挙げられる。また、アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、等が挙げられる。また、アミノメルカプタン(B4)としては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、等が挙げられる。また、アミノ酸(B5)としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。
B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、例えば、B1からB5のいずれかのアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物等が挙げられる。
活性水素基含有化合物と活性水素基含有化合物と反応可能な重合体との伸長反応、架橋反応等を停止させるには、反応停止剤を用いる。反応停止剤を用いると、接着性基材の分子量等を所望の範囲に制御することができる点で好ましい。該反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、又はこれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等を用いることができる。
アミン類(B)と、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)との混合比率としては、イソシアネート基含有プレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3〜3/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましく、1/1.5〜1.5/1であることが特に好ましい。何故なら、混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(以下「プレポリマー」)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等を用いることができる。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。なお、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基等が挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。プレポリマーの中でも、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナー100におけるオイルレス低温定着特性、特に定着用加熱媒体への離型オイル塗布機構のない場合でも良好な離型性及び定着性を確保できる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が特に好ましい。
ウレア結合生成基としては、例えば、イソシアネート基、等が挙げられる。ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)における該ウレア結合生成基が該イソシアネート基である場合、該ポリエステル樹脂(RMPE)としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)等が特に好適である。イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)との重縮合物であり、かつ活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネート(PIC)と反応させてなるもの等が挙げられる。ポリオール(PO)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール(DIO)、3価以上のポリオール(TO)、ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオール(DIO)単独、又はジオール(DIO)と少量の3価以上のポリオール(TO)との混合物、が好ましい。ジオール(DIO)としては、例えば、アルキレングリコール、アルキレンエーテルグリコール、脂環式ジオール、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
アルキレングリコールとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。アルキレンエーテルグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。また、脂環式ジオールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。また、脂環式ジオールのアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、脂環式ジオールに対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。また、ビスフェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。また、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ビスフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物としたもの等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が好ましく、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物と炭素数2〜12のアルキレングリコールとの混合物が特に好ましい。
3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、3価以上の多価脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、等が挙げられる。また、3価以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノール体(本州化学工業株式会社製のトリスフェノールPAなど)、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。また、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に対し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加物したもの等が挙げられる。
ジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合物におけるジオール(DIO)と3価以上のポリオール(TO)との混合質量比(DIO:TO)としては、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリカルボン酸(PC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジカルボン酸(DIC)単独、又はジカルボン酸(DIC)と少量の3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物が好ましい。
ジカルボン酸(DIC)としては、例えば、アルキレンジカルボン酸、アルケニレンジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、等が挙げられる。また、アルキレンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等が挙げられる。また、アルケニレンジカルボン酸としては、炭素数4〜20のものが好ましく、例えば、マレイン酸、フマール酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜20のものが好ましく、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、3〜8価又はそれ以上のものが好ましく、例えば、芳香族ポリカルボン酸、等が挙げられる。また、芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20のものが好ましく、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
ポリカルボン酸(PC)としては、ジカルボン酸(DIC)、3価以上のポリカルボン酸(TC)、及び、ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸との混合物、から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いることもできる。低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。
ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合物におけるジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
ポリオール(PO)とポリカルボン酸(PC)とを重縮合反応させる際の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオール(PO)における水酸基[OH]と、ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])が、通常、2/1〜1/1であるのが好ましく、1.5/1〜1/1であるのがより好ましく、1.3/1〜1.02/1であるのが特に好ましい。
ポリオール(PO)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%が特に好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナー100の耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらのフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたもの、などが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。また、脂環式ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアヌレート類としては、例えば、トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等が挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート(PIC)と、活性水素基含有ポリエステル樹脂(例えば水酸基含有ポリエステル樹脂)とを反応させる際の混合比率としては、ポリイソシアネート(PIC)におけるイソシアネート基[NCO]と水酸基含有ポリエステル樹脂における水酸基[OH]との混合当量比([NCO]/[OH])が、通常、5/1〜1/1であるのが好ましく、4/1〜1.2/1でるのがより好ましく、3/1〜1.5/1であるのが特に好ましい。何故なら、イソシアネート基[NCO]が、5を超えると、低温定着性が悪化することがあり、1未満であると、耐オフセット性が悪化することがあるからである。
ポリイソシアネート(PIC)のイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5〜40質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜20質量%がさらに好ましい。何故なら、含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性とを両立させることが困難になることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化するからである。
イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)の1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。何故なら、イソシアネート基の平均数が1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化するからである。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。何故なら、重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがあるからである。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量分布の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。すなわち、まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
(その他の成分)
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、無機微粒子、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料、金属石鹸、等が挙げられる。
(着色剤)
本発明に使用するトナー用の着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤のトナー100における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。着色剤の含有量が、1質量%未満であると、トナー100の着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー100の中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナー100の電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
マスターバッチは、マスターバッチ用樹脂と、着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練して製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶媒成分を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。着色剤は2樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることができる。着色剤はトナー粒子101の表面に存在した際にトナー100の帯電性能を悪化させることが良く知られている。そのため内層に存在する第一の樹脂相に選択的に着色剤を含有させることで、トナー100の帯電性能(環境安定性、電荷保持能、帯電量等)を向上させることができる。
(離型剤)
離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、融点が50〜120℃の低融点の離型剤が好ましい。低融点の離型剤は、樹脂と分散されることにより、離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これによりオイルレス(定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布しない)でもホットオフセット性が良好である。
離型剤としては、例えば、ロウ類、ワックス類、等が好適に挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子などを用いてもよい。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜120℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。融点が、50℃未満であると、ワックスが耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、10〜100cpsがより好ましい。溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。離型剤のトナー100における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0〜40質量%が好ましく、3〜30質量%がより好ましい。含有量が、40質量%を超えると、トナー100の流動性が悪化することがある。
離型剤は2樹脂に対する親和性の差を利用することで、第一の樹脂相、第二の樹脂相いずれにも任意に含有させることができる。トナー外層に存在する第二の樹脂相に選択的に含有させることで、離型剤の染み出しが定着時の短い加熱時間でも充分生じるため、充分な離型性を得ることができる。また、離型剤を内層に存在する第一の樹脂相に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への離型剤のスペントを抑制させることができる。本発明では、離型剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることができる。
(帯電制御剤)
帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物、等が挙げられる。
帯電制御剤はトナー粒子101の本体中の樹脂と結晶性有機微粒子102の樹脂に対する親和性の差を利用することで、トナー粒子101の本体中の樹脂相、結晶性有機微粒子102の樹脂相いずれにも任意に含有させることができる。トナー粒子101の表面に存在する結晶性有機微粒子102の樹脂相に選択的に含有させることで、より少量の帯電制御剤によって停電に対する効果を得やすくなる。また、帯電制御剤を内層に存在するトナー粒子101の本体中の樹脂相に選択的に含有させることで、感光体、キャリア等の他の部材への帯電制御剤のスペントを抑制させることができる。本発明のトナーの製造方法では、帯電制御剤の配置を比較的自由に設計することがあり、各々の画像形成プロセスに応じて任意の配置を取ることができる。
帯電制御剤のトナー100に対する含有量としては、樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。帯電制御剤の含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナー100の帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像スリーブ41との静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
(無機微粒子)
無機微粒子は、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として使用する。この無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等を用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための無機微粒子としては、80〜500nmの一次平均粒径を有する大粒径の無機微粒子の他にも、小粒径の無機微粒子を好ましく用いることができる。特に、疎水性シリカおよびまたは疎水性酸化チタンが好ましい。この無機微粒子の一次平均粒径は、5〜50nmであることが好ましく、特に10〜30nmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
(流動性向上剤)
流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。シリカ、酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
(クリーニング性向上剤)
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤のことであり、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート樹脂の微粒子、ポリスチレン樹脂の微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー樹脂の微粒子、などが挙げられる。ポリマー樹脂の微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
(磁性材料)
磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、等を用いることができる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
[本発明のトナーの製造方法]
(懸濁重合法)
油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤等を分散し、界面活性剤、その他固体分散剤等が含まれる水系媒体中で後に述べる乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行ない粒子化した後に本発明における有機結晶性有機微粒子102付着処理を行なえば良い。その際余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。重合性単量体としてアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ピニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有すアクリルレート、メタクリートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。また使用する分散剤として酸基や塩基性基を有すものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
(乳化重合凝集法)
水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後懸濁重合粒子と同様な処理を行なえば良い。ラテックスとして懸濁重合に使用されうる単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、ラジカル重合性モノマーを用いない場合は、いったん樹脂をそれぞれの樹脂製法に適したやり方で製造し、水中で得られた樹脂を乳化してラテックスを製造することもできる。樹脂に極性基を有す場合は乳化が円滑に行くことが多い。
(溶解懸濁法)
本発明のトナーの製造方法においては、結着樹脂又は結着樹脂原料と着色剤とを主成分としたトナー材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて形成した溶解物又は分散物を、水系媒体中で乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製し、造粒した結晶性有機微粒子102を乳化乃至分散したトナー材料を含むトナー前駆体に付着させることにより所望のトナーを製造する。
好ましくは、活性水素基含有化合物と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを少なくとも含むトナー材料の溶解ないし分散液を、水系媒体中に乳化ないし分散させ、水系媒体中で活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体とを反応させて接着性基材を少なくとも含むトナー前駆体粒子を生成させて、造粒した結晶性有機微粒子102を付着させることにより所望のトナーを製造する。
(トナー材料の溶解ないし分散液)
トナー材料の溶解ないし分散液は、トナー材料を溶媒に溶解ないし分散させて調製する。トナー材料としては、トナーを形成可能である限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)のいずれかを含み、さらに必要に応じて、未変性ポリエステル樹脂や、離型剤、着色剤、帯電制御剤等の上記その他の成分を含んでいてもよい。トナー材料の溶解ないし分散液は、トナー材料を有機溶媒に溶解ないし分散させて調製することが好ましい。なお、有機溶媒は、トナーの造粒時ないし造粒後に除去することが好ましい。
(有機溶媒)
トナー材料を溶解ないし分散する有機溶媒としては、トナー材料を溶解ないし分散可能な溶媒であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーの造粒時ないし造粒後の除去の容易性の点で沸点が150℃未満のものが好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を用いることができる。また、エステル系溶剤が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。有機溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対し40〜300質量部が好ましく、60〜140質量部がより好ましく、80〜120質量部がさらに好ましい。
なお、トナー材料の溶解ないし分散液の調製は、有機溶媒中に、活性水素基含有化合物、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、未変性ポリエステル樹脂、離型剤、着色剤、帯電制御剤、等のトナー材料を、溶解ないし分散させることにより行うことができる。また、トナー材料の中で、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(プレポリマー)以外の成分は、後述する水系媒体の調製において、水系媒体中に添加混合してもよいし、あるいは、トナー材料の溶解ないし分散液を水系媒体に添加する際に、溶解ないし分散液と共に水系媒体に添加してもよい。
(水系媒体)
水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などを用いることができるが、これらの中でも、水が特に好ましい。水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば特に制限はなく、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類、などを用いることができる。アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等が挙げられる。また、低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
水系媒体の調製は、例えば、アニオン性界面活性剤の存在下で結晶性有機微粒子102を水系媒体に分散させることにより行う。アニオン性界面活性剤と結晶性有機微粒子102の水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、それぞれ0.5〜10質量%が好ましい。
(乳化ないし分散)
トナー材料の溶解ないし分散液の水系媒体中への乳化ないし分散は、トナー材料の溶解ないし分散液を水系媒体中で攪拌しながら分散させることが好ましい。分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。分散機としては、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。このトナーの製造方法においては、乳化ないし分散の際、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を伸長反応ないし架橋反応させると、接着性基材が生成する。結晶性有機微粒子102は乳化中または乳化後に水系媒体に加えても良い。高速せん断分散機にて分散させながら行うか乳化後低速攪拌に切り替えて添加するか適宜トナーへの結晶性有機微粒子102の付着性、固定化状況を見ながら行われる。結晶性有機微粒子102の付着が弱いときは公知の凝集剤例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。より均一な付着を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
(接着性基材)
接着性基材は、紙等の記録部材に対し接着性を示し、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と、を水系媒体中で反応させてなる接着性ポリマーを含むことが好ましい。なお、公知の結着樹脂から適宜選択した結着樹脂を含んでいてもよい。接着性基材の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3,000以上が好ましく、5,000〜1,000,000がより好ましく、7,000〜500,000が特に好ましい。何故なら、重量平均分子量が、3,000未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
接着性基材のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、30〜70℃が好ましく、40〜65℃がより好ましい。
何故なら、ガラス転移温度(Tg)が30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがあるからである。本実施形態の電子写真用トナーでは、架橋反応、伸長反応したポリエステル樹脂が共存しているので、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な保存性を示す。
接着性基材用の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリエステル系樹脂、などが特に好適である。ポリエステル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレア変性ポリエステル系樹脂、などが特に好適なものとして挙げられる。ウレア変性ポリエステル系樹脂は、活性水素基含有化合物としてのアミン類(B)と、該活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A)とを水系媒体中で反応させて得られる。ウレア変性ポリエステル系樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよい。この場合、該ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。何故なら、ウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあるからである。
ウレア変性ポリエステル樹脂の好ましい具体例としては、以下のものが挙げられる。
(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物
(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物
接着性基材(例えば、ウレア変性ポリエステル樹脂)は、例えば、(1)活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含むトナー材料の溶解ないし分散液を、活性水素基含有化合物(例えば、アミン類(B))と共に、水系媒体中に乳化ないし分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応ないし架橋反応させることにより生成させてもよく、(2)トナー材料の溶解ないし分散液を、予め活性水素基含有化合物を添加した水系媒体中に乳化ないし分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応ないし架橋反応させることにより生成させてもよい。あるいは(3)トナー材料の溶解ないし分散液を、水系媒体中に添加混合させた後で、活性水素基含有化合物を添加し、油滴を形成し、該水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応ないし架橋反応させることにより生成させてもよい。なお、(3)の場合、生成するトナー粒子101の表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子101に濃度勾配を設けることが可能となる。
乳化ないし分散により、接着性基材を生成させるための反応条件としては、特に制限はなく、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と活性水素基含有化合物との組み合わせに応じて適宜選択することができる。なお、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
水系媒体中において、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))を含む分散体を安定に形成する方法としては、例えば、水系媒体中に、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体(例えば、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(A))、着色剤、離型剤、帯電制御剤、未変性ポリエステル樹脂等のトナー材料を有機溶媒に溶解ないし分散させて調製したトナー材料の溶解ないし分散液を添加し、せん断力により分散させる方法、等が挙げられる。
乳化ないし分散において、水系媒体の使用量としては、トナー材料100質量部に対し、50〜2,000質量部が好ましく、100〜1,000質量部がより好ましい。何故なら、使用量が50質量部未満であると、トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子101が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、生産コストが高くなるからである。
水系媒体には先に説明したアニオン性界面活性剤、結晶性有機微粒子102の他に以下の無機化合物分散剤や高分子系保護コロイドを併用することができる。難水溶性の無機化合物分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。
高分子系保護コロイドとしては、例えば、酸類、水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物、クロライド類、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等のホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン系、セルロース類、等が挙げられる。酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等が挙げられる。
ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等が挙げられる。また、ビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。また、アミド化合物又はこれらのメチロール化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド酸、又はこれらのメチロール化合物などが挙げられる。
クロライド類としては、例えば、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等が挙げられる。また、窒素原子若しくはその複素環を有するもの等ホモポリマー又は共重合体としては、例えば、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等が挙げられる。
ポリオキシエチレン系としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等が挙げられる。また、セルロース類としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な分散安定剤を用いた場合は、塩酸等の酸によりリン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗する方法、酵素により分解する方法等によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することが可能となる。
(有機溶媒の除去)
乳化ないし分散により得られた乳化スラリーから、有機溶媒を除去する。有機溶媒の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法、等が挙げられる。有機溶媒の除去が行われるとトナー粒子101が形成される。
得られた水生分散体を加熱することによって形成された微粒子層をさらに強固にトナー粒子101の表面に均一に付着させることができる。
得られたトナー粒子101に対し、洗浄、乾燥等を行い、さらにその後、所望により分級等を行う。該分級は、例えば、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行う。なお、乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行ってもよい。
こうして得られたトナー粒子101を、着色剤、離型剤、帯電制御剤等の粒子と共に混合したり、さらに機械的衝撃力を印加したりすることにより、トナー粒子101の表面から離型剤等の粒子が脱離するのを防止することができる。
機械的衝撃力を印加する方法としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し加速させて粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法、等が挙げられる。この方法に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所株式会社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、等が挙げられる。
[フルカラー画像形成方法]
本発明のフルカラー画像形成方法は、像担持体である電子写真感光体を、帯電手段により帯電させる帯電工程と、帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、静電潜像を形成された電子写真感光体上にトナー100を含む現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、電子写真感光体上に形成されたトナー像を一次転写手段により中間転写体上に転写する一次転写工程と、中間転写体上に転写されたトナー像を二次転写手段により記録部材上に転写する二次転写工程と、記録部材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録部材上に定着させる定着工程と、一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナー100をクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを備えている。そして、現像工程において使用するトナー100が、上述の本発明のトナーの製造方法で製造されたトナー100である。本発明のフルカラー画像形成方法は、二次転写工程において、トナー像の記録部材への転写の線速度は300〜1000mm/secであり、二次転写手段のニップ部での転写時間は0.5〜20msecとすることが好ましい。また、本発明のフルカラー画像形成方法は、タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを採用することが好ましい。
(帯電工程)
本発明のフルカラー画像形成方法で、帯電手段としては、例えば図3及び図4に示した接触式の帯電装置を用いることができる。
<ローラ式帯電装置>
図3は、本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる帯電装置の一実施形態の構成を示す図である。ここでは、接触式帯電装置の一種であるローラ式帯電装置110の一例の概略構成を示している。
被帯電体である像担持体としての感光体3は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体3に接触させた帯電部材である帯電ローラ111は芯金112とこの芯金112の外周に同心一体にローラ上に形成した導電ゴム層113を基本構成とし、芯金の両端を不図示の軸受け部材などで回転自由に保持させるとともに、不図示の加圧手段によって感光体3に所定の加圧力で押圧させており、本図の場合はこの帯電ローラ111は感光体3の回転駆動に従動して回転する。帯電ローラ111は、直径9mmの芯金上に100,000Ω・cm程度の中抵抗の導電ゴム層113を被膜して直径16mmに形成されている。帯電ローラ111の芯金112と図示の電源114とは電気的に接続されており、電源114により帯電ローラ111に対して所定のバイアスが印加される。これにより感光体3の周面が所定の極性、電位に一様に帯電処理される。
<ファーブラシ式帯電装置>
本発明で使われる帯電装置10の形状としてはローラ式の他にも、磁気ブラシ式、ファーブラシ式等のな形態をとってもよく、画像形成装置1の仕様や形態にあわせて選択可能である。磁気ブラシ式を用いる場合、磁気ブラシは例えばZn−Cuフェライト等、各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
図4は、本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる帯電装置の一実施形態の構成を示す図である。ファーブラシ式を用いる場合、例えばファーブラシの材質としては、カーボン、硫化銅、金属、および金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりする。
図4に示す接触式のブラシ式帯電装置120の一例の概略構成を示した。被帯電体としての像担持体としての感光体3は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体3に対して、ファーブラシによって構成されるファーブラシローラ121が、ブラシ部123の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本実施形態における接触式帯電装置10としてのファーブラシローラ121は、電極を兼ねる直径6mmの金属製の芯金122に、ブラシ部123としてユニチカ(株)製の導電性レーヨン繊維REC−Bをパイル地にしたテープをスパイラル状に巻き付けて、外径14mm、長手方向長さ250mmのロールブラシとしたものである。ブラシ部123のブラシは300デニール/50フィラメント、1平方ミリメートル当たり155本の密度である。このロールブラシを内径が12mmのパイプ内に一方向に回転させながらさし込み、ブラシと、パイプが同心となるように設定し、高温多湿雰囲気中に放置してクセ付けで斜毛させた。
ファーブラシローラ121の抵抗値は印加電圧100Vにおいて1×10Ωである。この抵抗値は、金属製の直径φ30mmのドラムにファーブラシローラをニップ幅3mmで当接させ、100Vの電圧を印加したときに流れる電流から換算した。このブラシ式帯電装置10の抵抗値は、被帯電体である感光体3上にピンホール等の低耐圧欠陥部が生じた場合にもこの部分に過大なリーク電流が流れ込んで帯電ニップ部が帯電不良になる画像不良を防止するために10Ω以上必要であり、感光体3表面に十分に電荷を注入させるために10Ω以下である必要がある。
ブラシの材質としては、ユニチカ(株)製のREC−B以外にも、REC−C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネボウ製のベルトロン、クラレ(株)のクラカーボ、レーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)製のローバル等が考えられる。ブラシは一本が3〜10デニールで、10〜100フィラメント/束、80〜600本/mmの密度が好ましい。毛足は1〜10mmが好ましい。
このファーブラシローラ121は感光体3の回転方向と逆方向(カウンター)に所定の周速度(表面の速度)をもって回転駆動され、感光体面に対して速度差を持って接触する。そしてこのブラシローラ121に電源(514)から所定の帯電電圧が印加されることで、回転感光体面が所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
本例では該ファーブラシローラ121による感光体3の接触帯電は直接注入帯電が支配的となって行なわれ、回転感光体表面はファーブラシローラ121に対する印加帯電電圧とほぼ等しい電位に帯電される。
<磁気ブラシ式帯電装置>
磁気ブラシ式帯電装置も、図3に示すファーブラシと同様の構成を有する。図3は、磁気ブラシ式帯電装置の例の概略構成を示した図でもある。
被帯電体、像担持体としての感光体3は矢印の方向に所定の速度(プロセススピード)で回転駆動される。この感光体3に対して、磁気ブラシによって構成されるブラシローラ121が、ブラシ部123の弾性に抗して所定の押圧力をもって所定のニップ幅で接触させてある。
本例における接触帯電部材としての磁気ブラシとしては、平均粒径:25μmのZn−Cuフェライト粒子と、平均粒径10μmのZn−Cuフェライト粒子を、重量比1:0.05で混合して、それぞれの平均粒径の位置にピークを有する、平均粒径25μmのフェライト粒子を、中抵抗樹脂層でコートした磁性粒子を用いた。接触帯電部材は、上述で作成された被覆磁性粒子、および、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成され、上記被覆磁性粒子をスリーブ上に、厚さ1mmでコートして、感光体との間に幅約5mmの帯電ニップを形成した。また、該磁性粒子保持スリーブと感光体との間隙は、約500μmとした。さらに、マグネットロールは、スリーブ表面が、感光体表面の周速に対して、その2倍の速さで逆方向に摺擦するように、回転され、感光体と磁気ブラシとが均一に接触するようにした。
(現像工程)
図5は、本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる現像装置の一実施形態の構成を示す図である。
本発明において感光体3の潜像を現像するに際しては、交互電界を印加することが好ましい。図5に示した現像装置40において、現像時、現像スリーブ41には、電源46により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。
これによって現像領域47に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナー100とキャリアが激しく振動し、トナー100が現像スリーブ41およびキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体3に飛翔し、感光体3の潜像に対応して付着する。なお、トナー100は、上述の本発明のトナーの製造方法で製造されたトナー100である。
振動バイアス電圧の最大値と最小値の差(ピーク間電圧)は、0.5〜5kVが好ましく、周波数は1〜10kHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、上記したように背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナー100の付着を防止する上で好ましい。
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナー100が感光体3に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナー100が感光体3に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナー100の運動がさらに活発化し、トナー100が潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナー100とは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体3に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
(定着装置)
図6は、本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる定着装置の一実施形態の構成を示す図である。本発明の画像形成方法において使用される定着装置70としては、例えば図5に示した定着装置を用いることができる。
図6に示す定着装置70は、誘導加熱手段760の電磁誘導により加熱される加熱ローラ710と、加熱ローラ710と平行に配置された定着ローラ720対向回転体と、加熱ローラ710と定着ローラ720とに張り渡され、加熱ローラ710により加熱されるとともに少なくともこれらの何れかのローラの回転により矢印A方向に回転する無端帯状の定着ベルト耐熱性ベルト、トナー加熱媒体730と、定着ベルト730を介して定着ローラ720に圧接されるとともに定着ベルト730に対して順方向に回転する加圧ローラ740加圧回転体とから構成されている。
加熱ローラ710は例えば鉄、コバルト、ニッケルまたはこれら金属の合金等の中空円筒状の磁性金属部材からなり、外径を例えば20〜40mm、肉厚を例えば0.3〜1.0mmとして、低熱容量で昇温の早い構成となっている。
定着ローラ720対向回転体は、例えばステンレススチール等の金属製の芯金721と、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状または発泡状にして芯金721を被覆した弾性部材722とからなる。そして、加圧ローラ740からの押圧力でこの加圧ローラ740と定着ローラ720との間に所定幅の接触部を形成するために外形を20〜40mm程度として加熱ローラ710より大きくしている。弾性部材722は、その肉厚を4〜6mm程度としている。この構成により、加熱ローラ710の熱容量は定着ローラ720の熱容量より小さくなるので、加熱ローラ710が急激に加熱されてウォームアップ時間が短縮される。
加熱ローラ710と定着ローラ720とに張り渡された定着ベルト730は、誘導加熱手段760により加熱される加熱ローラ710との接触部位W1で加熱される。そして、加熱ローラ710と定着ローラ720の回転によって定着ベルト730の内面が連続的に加熱され、結果としてベルト全体に渡って加熱される。
図7は、本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる定着装置の定着ベルトの構成を示す図である。図7に定着ベルト730の層構成を示す。ベルト730の構成は、内層から表層に向かって下記4層であり、以下のようにすることができる。
・基体731:ポリイミドPI樹脂などの樹脂層
・発熱層732:Ni,Ag,SUS等の導電材料層
・中間層733:均一定着のための弾性層
・離型層734:離型効果とオイルレス化のための弗素樹脂材料等の樹脂層
離型層734の厚さとしては、10μmから300μm程度が望ましく、特に200μm程度が望ましい。このようにすれば、図6に示すような定着装置70において、記録部材770上に形成されたトナー像Tを定着ベルト730の表層部が十分に包み込むため、トナー像Tを均一に加熱溶融することが可能になる。離型層734の厚さ、即ち表面離型層は経時耐磨耗性を確保するためには最低10μmは必要である。また、離型層734の厚さが300μmよりも大きい場合には、定着ベルト730の熱容量が大きくなってウォームアップにかかる時間が長くなる。さらに、トナー像定着工程において定着ベルト730の表面温度が低下しにくくなって、定着部出口における融解したトナー100の凝集効果が得られず、定着ベルト730の離型性が低下してトナー像Tのトナー100が定着ベルト730に付着し、いわゆるホットオフセットが発生する。なお、定着ベルト730の基体として、上記金属からなる発熱層732としてもよいが、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂層を用いてもよい。
加圧ローラ740は、たとえば銅またはアルミ等の熱伝導性の高い金属製の円筒部材からなる芯金741と、この芯金741の表面に設けられた耐熱性およびトナー離型性の高い弾性部材742とから構成されている。芯金741には上記金属以外にSUSを使用しても良い。加圧ローラ740は定着ベルト730を介して定着ローラ720を押圧して定着ニップ部Nを形成しているが、本実施の形態では、加圧ローラ740の硬度を定着ローラ720に比べて硬くすることによって、加圧ローラ740が定着ローラ720及び定着ベルト730へ食い込む形となり、この食い込みにより、記録部材770は加圧ローラ740表面の円周形状に沿うため、記録部材770が定着ベルト730表面から離れやすくなる効果を持たせている。この加圧ローラ740の外径は定着ローラ720と同じ20〜40mm程度であるが、肉圧は0.5〜2.0mm程度で定着ローラ720より薄く構成されている。
電磁誘導により加熱ローラ710を加熱する誘導加熱手段760は、図6に示すように、磁界発生手段である励磁コイル761と、この励磁コイル761が巻き回されたコイルガイド板762とを有している。コイルガイド板762は加熱ローラ710の外周面に近接配置された半円筒形状をしており、励磁コイル761は長い一本の励磁コイル線材をこのコイルガイド板762に沿って加熱ローラ710の軸方向に交互に巻き付けたものである。なお、励磁コイル761は、発振回路が周波数可変の駆動電源図示せずに接続されている。励磁コイル761の外側には、フェライト等の強磁性体よりなる半円筒形状の励磁コイルコア763が、励磁コイルコア支持部材764に固定されて励磁コイル761に近接配置されている。
[プロセスカートリッジ]
本発明のプロセスカートリッジ2は、電子写真感光体3と、電子写真感光体3を帯電させる帯電手段である帯電装置10と、帯電された電子写真感光体3上に静電潜像を形成する露光手段である露光装置4と、電子写真感光体3上に形成された静電潜像をトナー100によりトナー像とする現像手段である現像装置40とと、電子写真感光体3上に形成されたトナー像を中間転写体である中間転写ベルト51を介して又は介さずに記録部材9上に転写する転写手段である転写装置50と、記録部材9上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録部材上に定着させる定着手段である定着装置70と、転写手段によりトナー像を中間転写体である中間転写ベルト51又は記録部材9上に転写した後の電子写真感光体3表面に付着している転写残トナー100をクリーニングするクリーニング手段であるクリーニング装置20とを備えた画像形成装置1における各手段のうち、少なくとも電子写真感光体3、及び現像手段を含む上記手段を一体に支持して画像形成装置本体に着脱自在としたものである。そして、現像装置40には、上述の本発明のトナーの製造方法によって製造したトナー100を備えている。現像手段及び帯電手段としては、上述の現像装置及び帯電装置が好適に使用できる。
図8は、本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いるプロセスカートリッジの一実施形態の構成を示す図である。本発明のプロセスカートリッジの例を図8に示す。図8に示したプロセスカートリッジ2は、感光体3、帯電装置10、現像装置40、クリーニング装置20を備えている。
このプロセスカートリッジ2の動作を説明すると、感光体3が所定の周速度で回転駆動される。感光体3は回転過程において、帯電装置10によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の不図示の像露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体3の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像装置40によりトナー像化され、現像されたトナー像は、給紙装置60から感光体3と不図示の転写装置50との間に感光体3の回転と同期されて給送された記録部材9に、転写手段により順次転写されていく。像転写を受けた記録部材は感光体面から分離されて不図示の定着装置70へ導入されて像定着され、複写物(コピー)として画像形成装置1の外へプリントアウトされる。像転写後の感光体3の表面は、クリーニング装置20によって転写残りトナー100の除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
(フルカラー画像形成方法)
本発明のフルカラー画像形成方法において使用されるフルカラー画像形成装置としては、例えば図9、図10に示したタンデム方式の画像形成装置1を用いることができる。
図9は、本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置で用いる主要部である画像形成部の一実施形態の構成を示す図である。
図10は、本発明のフルカラー画像形成方法及びフルカラー画像形成装置の一実施形態の構成を示す図である。
図9において、画像形成装置1は電子写真方式によるカラー画像形成を行なうための画像書込の露光装置4、画像形成部6、給紙カセット61を備える給紙装置60から主に構成されている。
画像信号を元に、画像処理部(図示せず)で画像処理を行ない、画像形成用の黒(Bk),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各色信号に変換し、画像の書込を行う露光装置4に送信する。露光装置4は、例えば、レーザ光源、回転多面鏡等の偏向器、走査結像光学系及びミラー群(いずれも図示せず)からなるレーザ走査光学系であり、上記の各色信号に対応した4つの書込光路を有し、画像形成部6に各色信号に応じた画像書込を行なう。
画像形成部6は、黒,シアン,マゼンタ,イエロー用の各感光体3K,3C,3M,3Yを備え、これらの各色用の感光体3K,3C,3M,3Yには通常OPC感光体が用いられる。各感光体3K,3C,3M,3Yの周囲には、帯電装置10K,10C,10M,10Y、上記露光装置4からのレーザ光の露光部、各色用の現像装置40K,40C,40M,40Y、1次転写装置52K,52C,52M,52Y、クリーニング装置20K,20C,20M,20Y、除電装置(図示せず)等が配設されている。なお、現像装置40K,40C,40M,40Yには、2成分磁気ブラシ現像方式を用いている。また、中間転写ベルト51が各感光体3K,3C,3M,3Yと1次転写装置52K,52C,52M,52Yとの間に介在し、この中間転写ベルト51に各感光体3から各色のトナー像が順次重ね合わせて転写され、各感光体3上のトナー像を担持する。
場合によっては、この中間転写ベルト51の外側で、最終色の1次転写位置通過後で2次転写位置通過前の位置に転写前帯電手段としてのプレ転写チャージャ56が配設されるのが好ましい。このプレ転写チャージャ56は、上記1次転写部で感光体3に転写された中間転写ベルト51上のトナー像を記録部材としての記録媒体9に転写する前に、トナー像をトナー像と同極性に均一に帯電するものである。
各感光体3K,3C,3M,3Yから転写された中間転写ベルト51上のトナー像は、ハーフトーン部及びベタ部を含んでいたりトナー100の重ね合せ量が異なる部分を含んでいたりするため、帯電量がばらついている場合がある。また、中間転写ベルト移動方向における1次転写部の隣接下流側の空隙に発生する剥離放電により、1次転写後の中間転写ベルト51上のトナー像内に帯電量のばらつきが発生する場合もある。このような同一トナー像内の帯電量のばらつきは中間転写ベルト51上のトナー像を記録媒体9に転写する2次転写部における転写余裕度を低下させてしまう。そこで、プレ転写チャージャ56で記録媒体9へ転写する前のトナー像をトナー像と同極性に均一に帯電することにより、同一トナー像内の帯電量のばらつきを解消し、2次転写部における転写余裕度を向上させている。
以上、この画像形成方法によれば、各感光体3K,3C,3M,3Yから転写した中間転写ベルト51上のトナー像をプレ転写チャージャ56で均一に帯電することにより、中間転写ベルト51上のトナー像内に帯電量のばらつきがあっても、2次転写部における転写特性を、中間転写ベルト51上のトナー像の各部に渡ってほぼ一定にすることができる。従って、記録媒体9へ転写する時の転写余裕度の低下を抑え、トナー像を安定して転写できる。
なお、この画像形成方法において、プレ転写チャージャで帯電される帯電量は、帯電対象物である中間転写ベルト51の移動速度に依存して変化する。例えば、中間転写ベルト51の移動速度が遅ければ、中間転写ベルト51上のトナー像の同一部分がプレ転写チャージャによる帯電領域を通過する時間が長くなるので、帯電量が大きくなる。逆に、中間転写ベルト51の移動速度が速いと、中間転写ベルト51上のトナー像の帯電量が小さくなる。従って、中間転写ベルト51上のトナー像がプレ転写チャージャによる帯電位置を通過している途中に中間転写ベルト51の移動速度が変化するような場合には、その中間転写ベルト51の移動速度に応じて、トナー像に対する帯電量が途中で変化しないようにプレ転写チャージャを制御することが望ましい。
1次転写装置52K,52C,52M,52Yの間に導電性ローラ523,524,525が設けられている。そして、記録媒体9は給紙装置60から給紙された後、レジストローラ対64を介して中間転写ベルト51に担持され、中間転写ベルト51と中間転写ベルト51が接触するところで2次転写ローラ541により中間転写ベルト51上のトナー像が記録媒体9に転写され、カラー画像形成が行なわれる。
そして、画像形成後の記録媒体9は2次転写後の搬送ベルト65で定着装置70に搬送され、画像が定着されてカラー画像が得られる。転写されずに残った中間転写ベルト51上のトナー100は、中間転写ベルトクリーニング装置55によってベルトから除去される。
記録媒体9への転写前の中間転写ベルト51上のトナー極性は、現像時と同じマイナス極性であるため、2次転写ローラ541にはプラスの転写バイアス電圧が印加され、トナー100は記録媒体9上に転写される。この部分でのニップ圧が転写性に影響し、定着性に大きく影響する。また、転写されずに残った中間転写ベルト51上のトナー100は、記録媒体9と中間転写ベルト51とが離れる瞬間にプラス極性側に放電帯電され、0〜プラス側に帯電される。なお、記録媒体9のジャム時や非画像域に形成されたトナー像は、2次転写の影響を受けないため、もちろんマイナス極性のままである。
感光体層の厚みを30μmとし、光学系のビームスポット径を50×60μm、光量を0.47mWとしている。感光体(黒)3Kの帯電(露光側)電位V0を−700V、露光後電位VLを−120Vとして現像バイアス電圧を−470Vすなわち現像ポテンシャル350Vとして現像工程が行なわれるものである。感光体(黒)3K上に形成されたトナー100(黒)の顕像はその後、転写(中間転写ベルト及び記録媒体9)、定着工程を経て画像として完成される。転写は最初、1次転写装置52K,52C,52M,52Yから中間転写ベルト51へ全色転写された後、更に別の2次転写ローラ541へのバイアス印加により記録媒体9へ転写される。
次に、感光体3のクリーニング装置20について詳細に説明する。図9において、各現像装置40K,40C,40M,40Yと各クリーニング装置20K,20C,20M,20Yとは、各々トナー移送管48K,48C,48M,48Yで接続されている(図8中の破線)。そして、各トナー移送管48K,48C,48M,48Yの内部には、スクリュー(図示せず)が入っており、各クリーニング装置20K,20C,20M,20Yで回収されたトナー100が、各現像装置40K,40C,40M,40Yへ移送されるようになっている。
従来の4つの感光体3とベルト搬送との組合せによる直接転写方式では、感光体3と記録媒体9が当接することにより紙粉が付着しトナー100を回収すると紙粉が含有しているので、画像形成時にトナー抜け等の画像劣化をきたし使用することができなかった。更に、従来の一つの感光体3と中間転写ベルト51とを組合せたシステムでは、中間転写ベルト51の採用で記録媒体9転写時の感光体3への紙粉付着はなくなったが、感光体3への残トナー100のリサイクルを行おうした場合、混色したトナー100を分離することは実用上不可能である。また、混色トナー100を黒トナー100として使用する提案があるが、全色混合しても黒にならず、プリントモードにより色が変化するため1つの感光体3の構成ではトナーリサイクルは不可能であった。
これに対して、このフルカラー画像形成装置1では、中間転写ベルト51を使用するので紙粉の混入が少なく、かつ、紙転写時の中間転写ベルト51への紙粉の付着も防止される。各感光体3K,3C,3M,3Yが独立した色のトナー100を使用するので各感光体クリーニング装置20K,20C,20M,20Yを接離する必要もなく、確実にトナー100のみを回収することができる。
上記中間転写ベルト51上に残ったプラス帯電されたトナー100は、マイナス電圧が印加された導電性ファーブラシ552でクリーニングされる。導電性ファーブラシ552への電圧印加方法は、導電性ファーブラシ551と極性が異なるだけで全く同一である。転写されずに残ったトナー100も2つの導電性ファーブラシ551,552でほとんどクリーニングされる。ここで、導電性ファーブラシ552でクリーニングされずに残ったトナー100、紙粉、タルク等は、導電性ファーブラシ552のマイナス電圧により、マイナス帯電される。次の黒色の1次転写は、プラス電圧による転写であり、マイナス帯電したトナー100等は中間転写ベルト51側に引き寄せられるため、感光体(黒)3K側への移行は防止できる。
次に、この画像形成装置に使用される中間転写ベルト51について説明する。中間転写ベルトは前述のとおり、単層の樹脂層であることが好ましいが、必要に応じて、弾性層や、表層を保有しても良い。
上記樹脂層を構成する樹脂材料としては、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ETFE,PVDF)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
また、上記弾性層を構成する弾性材料(弾性材ゴム、エラストマー)としては、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ウレタンゴム、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、リコーンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、水素化ニトリルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではないことは当然である。
また、上記表層の材料は特に制限は無いが、中間転写ベルト表面へのトナー100の付着力を小さくして2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上を使用し表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えばフッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、2酸化チタン、シリコンカーバイト等の粉体、粒子を1種類あるいは2種類以上または粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行なうことで表面にフッ素リッチな層を形成させ表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
上記樹脂層や弾性層には、抵抗値調節用導電剤が添加される。この抵抗値調節用導電剤は特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫,酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。上記導電剤に限定されるものではないことは当然である。
図10は、本発明の画像形成方法において使用される画像形成装置のの例を示すもので、タンデム型間接転写方式の電子写真式の画像形成装置1である。
この画像形成装置1は、記録媒体9を載せる給紙装置60、装置本体上に取り付けるスキャナ8、さらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)7を備える。
画像形成装置1には、中央に、無端ベルト状の中間転写ベルト51を設ける。そして、図10に示すとおり、この例では3つの支持ローラ531、532、533に掛け回して図中時計回りに回転搬送可能とする。この図示例では、3つのなかの支持ローラ533の左に、画像転写後に中間転写ベルト51上に残留する残留トナー100を除去する中間転写体クリーニング装置55を設ける。また、3つのなかで支持ローラ531と支持ローラ532間に張り渡した中間転写ベルト51上には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段であるプロセスカートリッジ2K、2C、2M、2Yを横に並べて配置してタンデム画像形成装置1を構成する。
このタンデム画像形成装置1の上には、図10に示すように、さらに露光装置4を設ける。一方、中間転写ベルト51を挟んでタンデム画像形成装置1と反対の側には、二次転写装置54を備える。二次転写装置54は、図示例では、2つのローラ651、652間に、無端ベルトである搬送ベルト65を掛け渡して構成し、中間転写ベルト51を介して支持ローラ652押し当てて配置し、中間転写ベルト51上の画像を記録媒体9に転写する。二次転写装置54の横には、記録媒体9上の転写画像を定着する定着装置70を設ける。
定着装置70は、無端ベルトである定着ベルト730に加圧ローラ740を押し当てて構成する。上述した二次転写装置54には、画像転写後の記録媒体9をこの定着装置70へと搬送する記録媒体9搬送機能も備えてなる。もちろん、二次転写装置54として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合はこの記録媒体9搬送機能を併せて備えることは難しくなる。なお、図示例では、このような二次転写装置54および定着装置70の下に、上述したタンデム画像形成装置1と平行に、記録媒体9の両面に画像を記録すべく記録媒体9を反転するシート反転装置67を備える。
さて、この画像形成装置1の画像形成動作について説明する。
いまこのフルカラー画像形成装置1を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置7の原稿台801上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置7を開いてスキャナ8のコンタクトガラス802上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置7を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置7に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス801上へと移動して後、他方コンタクトガラス802上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ8を駆動し、第1走行体804および第2走行体805を走行する。そして、第1走行体804で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体805に向け、第2走行体805のミラーで反射して結像レンズ806を通して読取りセンサであるCCD807に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ531、532、533の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト51を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段6でその感光体3を回転して各感光体3上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト51の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト51上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙カセット61の給紙ローラ62の1つを選択回転し、給紙装置60に多段に備える給紙カセット61の1つから記録媒体9を繰り出し、分離ローラ66で1枚ずつ分離して給紙路に入れ、搬送ローラ63で搬送して画像形成装置1内の給紙路に導き、レジストローラ64に突き当てて止める。
または、給紙ローラ62を回転して手差しトレイ上の記録媒体9を繰り出し、分離ローラ66で1枚ずつ分離して手差し給紙路に入れ、同じくレジストローラ64に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト51上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ64を回転し、中間転写ベルト51と二次転写装置54との間に記録媒体9を送り込み、二次転写装置54で転写して記録媒体9上にカラー画像を記録する。
画像転写後の記録媒体9は、二次転写装置54で搬送して定着装置70へと送り込み、定着装置70で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪で切り換えて排出ローラ93で排出し、排紙トレイ91上にスタックする。または、切換爪で切り換えてシート反転装置67に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ93で排紙トレイ91上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト51は、ベルトクリーニング装置55で、画像転写後に中間転写ベルト51上に残留する残留トナー100を除去し、タンデム画像形成装置1による再度の画像形成に備える。ここで、レジストローラ64は一般的には接地されて使用されることが多いが、記録媒体9の紙粉除去のためにバイアスを印加することも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例にて更に詳細に説明する。なお、本発明は、ここに例示される実施例及び比較例に限定されるものではない。なお、実施例中の部は、特に記載がなければ質量部を表わす。
[トナーの製造]
評価に用いたトナーの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
(非結晶性ポリエステル樹脂微粒子の調製)
表1における組成と製造条件により有機微粒子分散液1から3を調製した。
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2)386質量部、トリメチロールプロパン 428質量部、テレフタル酸 A質量部、トリメリット酸B質量部、を攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.2質量部を投入した。
さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、部分的に架橋されているポリエステル樹脂を得た。さらに最終段階でフラスコにトリメリット酸をC質量部添加し、240℃でさらに1時間脱水縮合反応を継続し酸価を調整した。
ついで、これを溶融状態のまま、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)に毎分Dgの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂熔融体と同時に上記マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)に移送した。圧力150kg/cmの条件で乳化処理してポリエステル樹脂からなる樹脂粒子を得た。
得られた有機微粒子の特性を表2に示す。

平均粒径は、堀場製作所製:LA−920で測定した。
架橋成分量及び酸価は、有機微粒子分散液を乾燥させて分析した。
(結晶性ポリエステル樹脂微粒子の調製)
表3における組成と製造条件により有機微粒子分散液1から9を調製した。
1,6−ヘキサンジオール:256質量部、1,4−ブタンジオール:225質量部、フマル酸:A質量部、セバシン酸:B質量部を攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.2質量部を投入した。
さらに、生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、結晶性ポリエステル樹脂を得た。さらに最終段階でフラスコにトリメリット酸:C質量部添加し、240℃でさらに1時間脱水縮合反応を継続し酸価を調整した。
ついで、これを溶融状態のまま、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)に毎分Dgの速度で移送した。
別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂熔融体と同時に上記マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社製)に移送した。
圧力150kg/cmの条件で乳化処理して結晶性ポリエステル樹脂からなる有機樹脂粒子を得た。
得られた有機微粒子の特性を表4に示す。

平均粒径は、堀場製作所製:LA−920で測定した。
酸価は、有機微粒子分散液を乾燥させて分析した。
融点は、乾燥品をフローテスターを用いて測定した。
(トナー材料の溶解液乃至分散液の調製)
〜未変性ポリエステル(低分子量ポリエステル)の合成〜
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物67質量部、ビスフェノールAプロピオンオキサイド3モル付加物84質量部、テレフタル酸274質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を投入し、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を10〜15mmHgの減圧下にて5時間反応させて、未変性ポリエステルを合成した。
得られた未変性ポリエステルは、酸価10、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が5,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃であった。
〜プレポリマーの合成〜
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステル411質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
〜ケチミン(活性水素基含有化合物)の合成〜
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30質量部及びメチルエチルケトン70質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。得られたケチミン化合物(活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
〜マスターバッチ(MB)の調製〜
水1000質量部、及びカーボンブラック(「Printex35」;デグサ社製、DBP吸油量=42ml/100g、pH=9.5)540質量部、及び未変性ポリエステル1200質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。該混合物を二本ロールで150℃にて30分混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを調製した。
ビーカー内に、プレポリマー15質量部、未変性ポリエステル85質量部、酢酸エチル130質量部を、攪拌し溶解させた。次いで、カルナウバワックス(分子量=1,800、酸価=2.5、針入度=1.5mm(40℃))10質量部、及びマスターバッチ10質量部を仕込み、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」;アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、及び0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製し、ケチミン2.7質量部を加えて溶解させ、トナー材料の溶解乃至分散液を調製した。
(トナーの製造)
〜水系媒体相の調製〜
非結晶性有機微粒子および結晶性有機微粒子をそれぞれ規定の濃度になるように660質量部の水で希釈した。ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%の水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業製)25質量部、及び酢酸エチル60質量部を混合撹拌し、乳白色の液体(水相)を得た。本水系媒体相をTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数8000rpmで攪拌し、数μmの小凝集体がなく分散できることを光学顕微鏡によって確認した。
したがって、この後行われるトナー材料の乳化工程においても有機微粒子は一次粒子に分散してトナー材料成分の液滴に付着する。
〜乳化乃至分散液の調製〜
水系媒体相150質量部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これにトナー材料の溶解乃至分散液100質量部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
製造例の一部は結晶性有機微粒子を乳化スラリーが形成された後に添加した。
〜有機溶媒の除去〜
脱気用配管、攪拌機及び温度計をセットしたフラスコに、乳化スラリー100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間減圧下、脱溶剤し脱溶剤スラリーとした。その後分散液を60℃まで加熱してトナー表面に付着した有機微粒子を固定化処理した。
〜洗浄・乾燥〜
脱溶剤スラリー全量を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合、再分散(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を3回行った。得られた濾過ケーキを順風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
〜外添処理〜
トナー母体粒子を100質量部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ0.6質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン1.0質量部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を0.8部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナーを得た。
トナー番号と用いた有機微粒子、トナー特性を表5に示す。

粒度分布は、D4/D1の値である。
[キャリアの作製]
次に、トナーの実機評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。
本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
〜キャリア〜
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部。
上記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;25μm]に上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥し被覆フェライト粉を得た。
得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。
結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。こうして、重量平均粒径35μmのキャリアAを得た。
[2成分系現像剤の作製]
上記トナー1〜14と上記キャリアAを用い、キャリア100質量部に対しトナー7質量部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて2成分系現像剤を作製した。
[トナーの評価]
(転写効率(%))
リコー社製のimagio MP C4500の線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、各現像剤について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cmのベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行った。テスト画像1万枚、10万枚出力後、一次転写における転写効率を下記式(3)により求めた。
なお、評価基準は下記のとおりである。
一次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量/電子写真感光体上に現像されたトナー量)×100 ・・・ (3)
評価基準は、
◎・・・90%以上
○・・・85%以上90%未満
△・・・80%以上85%未満
×・・・80%未満
とした。
(定着下限温度)
リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、普通紙及び厚紙の記録媒体(株式会社リコー製のタイプ6000<70W>及び複写印刷用紙<135>)にベタ画像で、0.85±0.1mg/cmのトナー付着量で定着評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって定着下限温度とした。
評価基準は、
◎:120℃未満
○:140℃未満120℃以上
△:160℃未満140℃以上
×:160℃以上
とした。
〜ホットオフセット発生温度〜
リコー製フルカラー複合機Imagio NeoC600Proの定着部を改造し、温度及び線速を調整可能にした定着装置を用いて、普通紙に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各単色のベタ画像を各単色で、0.85±0.3mg/cmのトナーが現像されるように調整した。得られた画像を加熱ローラの温度を変えて定着し、ホットオフセットの発生する定着温度(オフセット発生温度)を測定した。
評価基準は、
◎:210℃以上
○:210℃未満190℃以上
△:190℃未満170℃以上
×:170℃未満
とした。
〜トナー保存性〜
30mlのスクリューバイアルに得られたトナーを10g仕込み、振動を与えトナー層を充填した。その後50℃24時間密閉して保存後のトナー固化状態を評価した。
◎:容器を逆さにしただけで全量粉体として取り出し可能
○:全量取り出せるが一部ブロックとなっている
△:一部取り出せる。また取り出したトナーはブロックとなっている
×:全量固化し取り出せない
表6に、実施例1〜16、比較例1〜4で製造したトナーの評価結果をまとめた。
表6より結晶性有機微粒子のないトナーは定着性、転写性、保存性いずれも満足するものではなかった。
図11は、本発明のトナーの断面を示す透過電子顕微鏡写真である。
表面から1μm以内のすべての結晶性有機微粒子が配列していることが観察される。
1 画像形成装置
2 プロセスカートリッジ
3 感光体
4 露光装置
6 画像形成部
7 自動原稿読取装置(ADF)
8 スキャナー
801 原稿トレイ
802 コンタクトガラス
803 ランプ
804 第1走行体
805 第2走行体
806 レンズ
807 CCD
9 記録媒体
10 帯電装置
110 ローラ式帯電装置
111 帯電ローラ
112 芯金
113 導電ゴム層
114 電源
120 ブラシ式帯電装置
121 ブラシローラ(ファーブラシローラ又は磁気ブラシローラ)
122 芯金
123 ブラシ部
124 電源
20 クリーニング装置
21 クリーニングブレード
22 廃トナー回収ローラ
40 現像装置
41 現像スリーブ
42 規制部材
43、44 攪拌・搬送スクリュー
45 トナーカートリッジ
46 電源
47 現像領域
48 移送官
50 転写装置
51 中間転写ベルト
52 一次転写装置
521 一次転写ローラ
522 一次転写電源
523、524、525 導電ローラ
53 支持ローラ
531 駆動ローラ
532 二次転写対抗ローラ
533、534 支持ローラ
535 中間転写ベルトクリーニング対抗ローラ
54 二次転写装置
541 二次転写ローラ
55 ベルトクリーニング装置
551 導電性ファーブラシ
552 導電性ファーブラシ
56 プレ転写チャージャ
60 給紙装置
61 給紙ユニット
62 給紙ローラ
63 搬送ローラ
64 レジストローラ
65 搬送ベルト
651、652 支持ローラ
66 分離ローラ
67 シート反転装置
70 定着装置
710 加熱ローラ
720 定着ローラ(対向回転体)
721 芯金
722 弾性部材
730 定着ベルト(耐熱性ベルト、トナー加熱媒体)
731 基体
732 発熱層
733 中間層
734 離型層
740 加圧ローラ(加圧回転体)
741 芯金
742 弾性部材
750 温度検知部材
760 誘導加熱手段
761 励磁コイル
762 コイルガイド板
763 励磁コイルコア
764 励磁コイルコア支持部材
770 記録媒体
90 排紙装置
91 排紙トレイ
92 排紙口
93 排紙ローラ
100 トナー
101 トナー粒子本体
102 有機微粒子
特開平07−209952号公報 特開2000−075551号公報 特許第3640918号公報 特開平06−250439号公報 特開2001−066820号公報 特許第3692829号公報

Claims (13)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含むトナー組成物を溶解及び/又は分散させた油相を水系媒体で乳化及び/又は分散させて造粒するトナー粒子化工程を有する電子写真用トナーの製造方法において、
    前記電子写真用トナーの製造方法は、
    酸価が20から80の範囲にある結晶性有機微粒子を、水系媒体中に存在させてトナー粒子化工程を行い又はトナー組成物のトナー粒子化工程後にトナー粒子が存在する水系媒体に添加することで、
    前記結晶性有機微粒子をトナー粒子に含有させる
    ことを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
  2. 前記電子写真用トナーの製造方法は、
    前記結晶性有機微粒子が、脂肪族ジアルコールをモノマー成分とする結晶性ポリエステル樹脂である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 前記電子写真用トナーの製造方法は、
    前記結晶性有機微粒子が、炭素数8以上のアルキル鎖を有す脂肪酸、脂肪族アルコール、それらのエステル、アミド、アミンから選ばれたものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 前記電子写真用トナーの製造方法は、
    トナーのTgよりも高い融点(1/2流出開始温度)を有す結晶性有機微粒子からなる層が、粒子最表面からDv(体積平均粒子径)×0.2以内の表面に存在させる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 前記トナー粒子化工程が、
    トナー組成物を重合性単量体に溶解または分散し、該溶解物又は分散物を水系媒体中で乳化分散し、得られた乳化分散液を重合する
    ことを特徴とする求項1ないし4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. 前記トナー粒子化工程が、
    少なくとも樹脂、着色剤からなるトナー組成物を水系媒体中で分散し、該分散物を水系媒体中で凝集させ、該凝集物を加熱融着させる
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 前記トナー粒子化工程が、
    少なくとも樹脂、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解又は分散し、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散し、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  8. 前記トナー粒子化工程が、
    少なくとも重付加反応樹脂材料、着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散し、該溶解物または分散物を水系媒体中で乳化分散し、該溶解物または分散物中の重付加反応樹脂材料を重付加反応させ、得られた乳化分散液の有機溶剤を除去する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  9. 少なくとも結着樹脂と着色剤を含み、電子写真方式の画像形成に用いる電子写真用トナーにおいて、
    前記電子写真用トナーは、請求項1ないし8のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法によって得られる
    ことを特徴とする電子写真用トナー。
  10. 複数の電子写真感光体を帯電手段により帯電させる帯電工程と、
    前記帯電された電子写真感光体上に露光手段により静電潜像を形成する露光工程と、
    前記電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像手段によりトナー像を形成する現像工程と、
    前記電子写真感光体上に形成されたトナー像をを中間転写体を介して又は介さずに記録部材上に転写する転写工程と、
    前記記録部材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材を含む定着手段により記録部材上に定着させる定着工程と、
    前記一次転写手段によりトナー像を中間転写体上に転写した電子写真感光体の表面に付着している転写残トナーをクリーニング手段によりクリーニングするクリーニング工程とを有するフルカラー画像形成方法において、
    前記フルカラー画像形成方法は、
    請求項9に記載の電子写真用トナーを用いる
    ことを特徴とするフルカラー画像形成方法。
  11. 前記フルカラー画像形成方法は、
    タンデム方式の電子写真画像形成プロセスを有する
    ことを特徴とする請求項10に記載のフルカラー画像形成方法。
  12. 複数の電子写真感光体と、
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電手段と、
    前記帯電された電子写真感光体上に静電潜像を形成する露光手段と、
    前記電子写真感光体上に形成された静電潜像をトナーによりトナー像とする現像手段と、
    前記電子写真感光体上に形成されたトナー像を中間転写体を介して又は介さずに記録部材上に転写する転写手段と、
    前記記録部材上に転写されたトナー像を熱及び圧力定着部材により記録部材上に定着させる定着手段と、
    前記転写手段によりトナー像を中間転写体又は記録部材上に転写した後の電子写真感光体表面に付着している転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段とを備えたフルカラー画像形成装置において、
    前記フルカラー画像形成装置は、
    請求項9に記載の電子写真用トナーを用いる
    ことを特徴とするフルカラー画像形成装置。
  13. 前記フルカラー画像形成装置は、
    少なくとも電子写真感光体を備えるプロセスカートリッジを複数を備える
    ことを特徴とする請求項12に記載のフルカラー画像形成装置。
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