JP2012007487A - 内燃機関における燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関における燃料噴射制御装置 Download PDF

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志哉 佐藤
Yasuyuki Terada
寧之 寺田
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Abstract

【課題】エンジンの始動時における実際の燃料噴射タイミングと所望の燃料噴射タイミングとのずれを低減する。
【解決手段】制御コンピュータCは、シグナルロータ31の回転に伴って出力されるパルスを用いて、エンジン回転数を算出する。制御コンピュータCは、圧縮行程中の期間(θ1,θ2)での平均のエンジン回転数Ne1,Ne2を算出する。制御コンピュータCは、エンジン回転数Ne1,Ne2を用いて、基本噴射角度Pθ,Mθにおける換算用エンジン回転数を算出する。そして、制御コンピュータCは、換算用エンジン回転数を用いて余り角度ΔΘp,ΔΘmを余り時間ΔTp,ΔTmに換算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の気筒内で燃焼される燃料を噴射する燃料噴射手段と、前記燃料噴射手段から燃料を噴射する噴射タイミングを制御する制御手段とを備えた内燃機関における燃料噴射制御装置に関する。
例えば、特許文献1に開示のように、内燃機関では、クランク軸に取り付けられた磁性体製の歯付きロータ(シグナルロータ)とマグネットピックアップコイルとを組み合わせてクランク角度を検出するクランク角度センサを用いるのが一般的である。
通常、燃料の噴射開始タイミングは、先ず、所定のクランク角度として設定される。次に、そのクランク角度は、基準となる歯部、及びその基準となる歯部の検出信号が検出された後に必要となる所定時間に変換される。実行時には、マグネットピックアップコイルによって基準の歯部が検出されてから、時間計測手段により所定時間が経過したことが確認された時点で燃料の噴射が開始される。
上記した所定時間の算出は、基準となる歯部より前の或る隣り合う2つの歯部の検出信号の時間幅から求められるクランク軸の回転速度が現在のクランク軸の回転速度であると見なすことによって算出される。
具体的には、或る隣り合う2つの歯部の検出信号の時間幅が短い場合には、クランク軸の回転速度が速く、所定のクランク角度を回転するのに必要な時間が短くなることから、基準となる歯部の検出信号が検出されてから燃料の噴射が開始されるまでの所定時間も短くなる。逆に、前記の時間幅が長い場合には、クランク軸の回転速度が遅く、所定のクランク角度を回転するのに必要な時間が長くなることから、基準となる歯部の検出信号が検出されてから燃料の噴射が開始されるまでの所定時間も長くなる。
特許文献1では、電子制御ユニットがエンジン運転状態に基づいて所定の噴射開始時期を決定し、該噴射開始時期直前の回転パルスと、該回転パルス発生から前記噴射開始時期までの余り角とを決定すると共に、該余り角を時間換算して余り時間(前記の所定時間)として設定している。
さらに、電子制御ユニットは、所定期間毎に複数の回転パルス間隔に基づく平均回転速度を算出し、前記噴射開始時期直前に算出された今回の平均回転速度と、その前回の平均回転速度との差に基づいて、余り時間を補正する。
特開2001−12287号公報
しかし、エンジンの圧縮行程ではエンジン回転速度が変化し、ピストンが上死点に近づくにつれてエンジン回転速度が遅くなる。このような変化は、エンジンの始動時に特に大きい。そのため、特許文献1に開示のような補正を行なったとしても、エンジンの始動時には、実際の燃料噴射タイミングと所望の燃料噴射タイミングとのずれが大きくなってしまうという問題が生じる。
本発明は、エンジンの始動時における実際の燃料噴射タイミングと所望の燃料噴射タイミングとのずれを低減することを目的とする。
本発明は、内燃機関の複数の気筒内で燃焼される燃料を噴射する燃料噴射手段と、複数の歯部を有するシグナルロータを用いたクランク角度検出手段と、前記クランク角度検出手段から出力されるパルスを用いて前記内燃機関の回転速度を算出する回転速度算出手段と、燃料の基本噴射角度を基準パルスと余り角度に対応する余り時間とに換算すると共に、前記基準パルスの出力時点からの時間経過が前記余り時間に達した時点を燃料の噴射開始タイミングとして、前記燃料噴射手段に燃料の噴射を開始させる制御手段とを備えた内燃機関における燃料噴射制御装置を対象とし、請求項1の発明では、前記内燃機関が始動モードであるか否かを判定する始動モード判定手段を備え、前記回転速度算出手段は、前記内燃機関が前記始動モードである場合には、前記気筒における同一サイクルの圧縮行程において複数の代表回転速度を算出し、前記制御手段は、前記複数の代表回転速度を用いて、前記基本噴射角度における前記内燃機関の回転速度を算出して換算用回転速度として設定すると共に、前記換算用回転速度を用いて前記余り角度を前記余り時間に換算する。
圧縮行程における複数のエンジン回転速度の情報を用いて換算用回転速度が算出されるため、精度の高い換算用回転速度の情報が得られる。精度の高い換算用回転速度の情報を用いて余り角度が余り時間に換算されるため、精度の高い余り時間の情報が得られる。このような余り時間を用いた燃料噴射制御では、回転速度変動が特に大きいエンジンの始動時における実際の燃料噴射タイミングと所望の燃料噴射タイミングとのずれが低減される。
好適な例では、前記複数の代表回転速度は、2つである。
2つの代表内燃機関の回転速度の情報を用いる制御は、換算用回転速度の情報を簡易に得る上で好ましい。
好適な例では、前記制御手段は、前記2つの代表回転速度を用いて生成された一次関数から予測回転速度を算出すると共に、クランク角度を変数とする予め設定された補正係数マップを用いて、前記基本噴射角度に対する補正係数を算出し、算出された補正係数と前記予測回転速度とを用いて、前記換算用回転速度を算出する。
好適な例では、前記始動モード判定手段が始動モードでないとの判定を行なった場合、前記回転速度算出手段は、前回サイクルにおけるエンジン回転速度の第1代表値と、前記同一サイクルに対応する今回サイクルにおけるエンジン回転速度の第2代表値とを算出し、前記制御手段は、前記第1代表値と前記第2代表値とを用いて、前記余り角度を前記余り時間に換算する。
本発明は、エンジンの始動時における実際の燃料噴射タイミングと所望の燃料噴射タイミングとのずれを低減することができるという優れた効果を奏する。
第1の実施形態を示すディーゼルエンジンの模式図。 (a)は、クランク角度検出手段を示す模式図。(b)は、エンジン回転数(エンジン回転速度)の変化及びパルス列を示すタイミングチャート。 (a)は、始動モードにおけるパルスを示すタイミングチャート。(b)は、通常モードにおけるパルスを示すタイミングチャート。 (a)は、クランク角度補正係数マップを示すグラフ。(b)は、クランク角度補正係数を用いて予測エンジン回転速度を換算用回転速度に補正するための説明用グラフ。 燃料噴射制御プログラムを表すフローチャート。 燃料噴射制御プログラムを表すフローチャート。 燃料噴射制御プログラムを表すフローチャート。 燃料噴射制御プログラムを表すフローチャート。 燃料噴射制御プログラムを表すフローチャート。
以下、直列4気筒のディーゼルエンジン(4サイクルエンジン)に本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1に示すように、ディーゼルエンジン10(内燃機関)は、図示しないピストンを収容する複数の気筒11,12,13,14を備えており、ピストンは、気筒11,12,13,14内に燃焼室を区画する。シリンダヘッド15には気筒11,12,13,14毎に燃料噴射ノズル16,17,18,19が取り付けられている。燃料(軽油)は、燃料ポンプ20及びコモンレール21を経由して燃料噴射手段である燃料噴射ノズル16,17,18,19へ供給され、燃料噴射ノズル16,17,18,19は、各気筒11,12,13,14内の燃焼室に燃料を噴射する。燃料ポンプ20及び燃料噴射ノズル16,17,18,19は、気筒11〜14へ燃料を供給するための燃料供給手段を構成する。なお、本実施形態においての着火順序は、一般的な直列4気筒のディーゼルエンジンと同様に気筒11→気筒13→気筒14→気筒12とされている。
シリンダヘッド15にはインテークマニホールド22が接続されている。インテークマニホールド22には吸気管23が接続されており、吸気管23にはエアクリーナ24が接続されている。吸気管23の途中には過給機25のコンプレッサ部251が設けられている。過給機25は、排気ガス流によって作動される公知の可変ノズル式ターボチャージャーである。吸気管23の途中にはスロットル弁26が設けられている。スロットル弁26は、エアクリーナ24を経由して吸気管23に吸入される空気流量を調整するためのものである。
シリンダヘッド15にはエキゾーストマニホールド28が接続されている。エキゾーストマニホールド28には排気管29が接続されている。排気管29上には後処理装置30(例えば吸蔵還元型NOx触媒又は選択還元型NOx触媒)が設けられている。気筒11,12,13,14から排出される排気ガスは、エキゾーストマニホールド28、過給機25のタービン部252、排気管29及び後処理装置30を経由して大気に放出される。
制御コンピュータCには、クランク角度検出手段35及びアクセル開度検出器34が信号接続されている。クランク角度検出手段35は、クランク軸27〔図2(a)に図示〕の回転角度(クランク角度)を検出する。クランク角度検出手段35によって検出されたクランク角度情報は、制御コンピュータCへ送られる。制御コンピュータCは、クランク角度検出手段35によって検出されたクランク角度の情報に基づいて、エンジン回転数(内燃機関の回転速度)を算出する。
アクセル開度検出器34は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量を検出する。アクセル開度検出器34によって検出された踏み込み量検出情報は、制御コンピュータCに送られる。制御コンピュータCは、踏み込み量検出情報及びエンジン回転数情報に基づき、また必要に応じて水温・外気温等に基づいて、燃料噴射ノズル16,17,18,19における燃料噴射量を算出して制御する。
図2(a)に示すように、クランク角度検出手段としてのクランク角度検出手段35は、クランク軸27に固定されたシグナルロータ31と、電磁誘導方式のピックアップコイル32とから構成されている。シグナルロータ31は、クランク軸27と一体的に回転する。シグナルロータ31の周縁には複数の歯部311が配列されている。ピックアップコイル32は、シグナルロータ31の回転に伴って、歯部311の検出に応じた電圧信号を出力する。ピックアップコイル32から出力された電圧信号は、波形整形部33へ送られる。波形整形部33は、ピックアップコイル32から送られてきた電圧信号をパルス形状の波形に整形して制御コンピュータCへ出力する。
図2(b)に例示する波形Exは、シグナルロータ31の回転に伴って波形整形部33から出力されるパルス〔図2(b)ではパルスに符号E1,E2,E3,E4,E5,E6,E7,E8,E9,E10のみを付して示す〕の列を示す。横軸tは、時間を示す。
本実施形態では、シグナルロータ31が1回転(クランク軸27が1回転)すると、パルスが36個出力される。隣り合う一対のパルスのクランク角度間隔は、10°である。又、シグナルロータ31が2回転(クランク軸27が2回転)するとすべての気筒11〜14が、吸入行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程のすべての行程を一通り経過する。
TDC1,TDC2は、気筒11、気筒13(におけるピストンが圧縮行程時の上死点位置にあるときのクランク角度(上死点角度)を示す。隣り合うTDC1,TDC2間のクランク角度は、180°である。図示の例では、TDC2におけるクラック角度を0°とし、TDC1におけるクランク角度を−180°としている。
圧縮行程時の上死点位置を挟んで±90°の期間を1回の噴射サイクルと言うことにし、TDC2を挟んで±90°の期間を今回サイクルと言うことにし、TDC1を挟んで±90°の期間を前回サイクルと言うことにする。ここで、各サイクルの上死点位置を基準角度0°とする。前回サイクルの90°と今回サイクルの−90°は同じクランク角度となる。上述のように、本実施形態では、クランク軸が2回転すなわち720°回転するとすべての気筒11〜14が、すべての行程を一通り経過するため180°に1回、計4回の噴射サイクルが実行される。今回サイクルは、これから燃料噴射を行なうサイクルである。そうすると、上死点角度TDC1は、前回サイクルにて気筒11におけるピストンが上死点位置にあるときのクランク角度を示し、TDC2は、今回サイクルにて気筒13におけるピストンが上死点位置にあるときのクランク角度を示す。曲線Zは、エンジン回転数の変化の一例を示す。
符号Fpは、気筒13における燃料噴射ノズル18からの燃料のパイロット噴射を示す。符号Fmは、気筒13における燃料噴射ノズル18からの燃料のメイン噴射を示す。
アクセル開度検出器34によって得られた踏み込み角検出情報、及びクランク角度検出手段35によって得られたクランク角度検出情報は、制御コンピュータCに送られる。制御コンピュータCは、踏み込み角検出情報及びクランク角度検出情報に基づいて、燃料噴射ノズル18におけるパイロット噴射及びメイン噴射の燃料噴射タイミング(噴射開始タイミング及び噴射期間)を算出する。
図1に示すように、制御コンピュータCには水温検出手段36及び時間計測手段37が信号接続されている。水温検出手段36は、ディーゼルエンジン10における冷却水の温度を検出する。水温検出手段36によって得られた水温検出情報及び時間計測手段37によって得られた時間計測情報は、制御コンピュータCに送られる。
図5〜図9は、燃料噴射制御プログラムを表すフローチャートである。以下、このフローチャートに従って気筒11における燃料噴射ノズル18の燃料噴射制御を説明するが、他の燃料噴射ノズル16,17,19についても同じ制御が行なわれる。
図5に示すように、制御コンピュータCは、始動用キー操作に伴う始動信号の入力の有無を判断している(ステップS1)。エンジン始動の場合(ステップS1においてYES)、制御コンピュータCは、時間計測手段37によって得られた時間計測情報と、クランク角度検出手段35によって得られたクランク角度検出情報とに基づいて、エンジン回転数Nx(エンジン回転速度)を算出して読み込む(ステップS2)。エンジン回転数Nxの読み込みは、図2(b)に示す今回サイクルの第1パルスE1の立ち上がり時点to〔クランク角度θo:今回サイクルにおける−90°〕で行なわれる。
制御コンピュータCは、算出されたエンジン回転数Nxが予め設定された回転数No〔図2(b)に図示〕に達しているか否かを判断する(ステップS3)。回転数Noは、始動モードか否かを判定するための基準として設定されたエンジン回転数である。エンジンが始動してからエンジン回転数Nxが回転数Noに達していなければ、始動モードと見なされ、エンジンが始動してからエンジン回転数Nxが回転数Noに達していれば、始動モードではない通常モードと見なされる。
ステップS3においてYESの場合(通常モードである場合)、制御コンピュータCは、図8に示すステップS26へ移行する。
ステップS3においてNOの場合(始動モードである場合)、制御コンピュータCは、パイロット基本噴射角度Pθ及びメイン基本噴射角度Mθを算出する(ステップS4)。パイロット基本噴射角度Pθ及びメイン基本噴射角度Mθは、読み込まれたエンジン回転数Nxと、検出された水温とを用いたエンジン回転数と水温とを変数とする二次元マップから算出される。
図5に示すステップS4の処理後、制御コンピュータCは、気筒13(図1参照)における圧縮行程中の期間(θo,θ1)〔図2(b)に示す〕での平均のエンジン回転数Ne1を算出する(ステップS5)。クランク角度θ1は、今回サイクルにおける圧縮行程中の第3パルスE3の立ち上がりに対応するクランク角度(−70°)である。代表回転速度である平均エンジン回転数Ne1は、第1パルスE1の立ち上がり時点toと、第3パルスE3の立ち上がり時点t3との時間差Δt1とを変数とする式(1)を用いて算出される。
Ne1=10°×2/Δt1〔=10°×2/(t3−to)〕・・・(1)
平均エンジン回転数Ne1は、クランク角度(−80°)でのエンジン回転速度を精度良く表している。
又、制御コンピュータCは、気筒11(図1参照)における圧縮行程中の期間(θ1,θ2)〔図2(b)に示す〕での平均のエンジン回転数Ne2を算出する(ステップS6)。クランク角度θ2は、今回サイクルにおける圧縮行程中の第5パルスE5の立ち上がりに対応するクランク角度(−50°)である。代表回転速度であるエンジン回転数Ne2は、第3パルスE3の立ち上がり時点t3と、第5パルスE5の立ち上がり時点t5との時間差Δt2とを変数とする式(2)を用いて算出される。
Ne2=10°×2/Δt2〔=10°×2/(t5−t3)〕・・・(2)
平均エンジン回転数Ne2は、クランク角度(−60°)でのエンジン回転速度を精度良く表している。
図4(b)に示す直線Lは、クランク角度(−80°)と平均エンジン回転数Ne1との組(−80°,Ne1)、及びクランク角度(−60°)とエンジン回転数Ne2との組(−60°,Ne2)を用いて生成された一次関数を表す。組(−80°,Ne1)を示す点Q1は直線L上にあり、組(−60°,Ne2)を示す、点Q2は、直線L上にある。
ステップS5,S6の処理後、制御コンピュータCは、2つの代表回転速度である平均エンジン回転数Ne1,Ne2を用いて、パイロット基本噴射角度Pθ(特定クランク角度)におけるエンジン回転数Nep(予測回転速度)を算出する(ステップS7)。又、制御コンピュータCは、平均エンジン回転数Ne1,Ne2を用いて、メイン基本噴射角度Mθ(特定クランク角度)におけるエンジン回転数Nem(予測回転速度)を算出する(ステップS7)。
エンジン回転数Nepは、平均エンジン回転数Ne1,Ne2を変数とする式(3)を用いて算出される。
Nep=Ne1+〔Pθ−(−80°)〕×(Ne2−Ne1)
/〔(−60)°−(−80°)〕・・・(3)
エンジン回転数Nemは、平均エンジン回転数Ne1,Ne2を変数とする式(4)を用いて算出される。
Nem=Ne1+〔Mθ−(−80°)〕×(Ne2−Ne1)
/〔(−60)°−(−80°)〕・・・(4)
式(3)で表されるエンジン回転数Nepとパイロット基本噴射角度Pθとの組(Nep,Pθ)を示す点Q3、及び式(4)で表されるエンジン回転数Nemとメイン基本噴射角度Mθとの組(Nem,Mθ)を示す点Q4は、直線L上にある。つまり、エンジン回転数Nep,Nemは、2つの平均エンジン回転数Ne1,Ne2を用いて生成された一次関数から求められる。
次に、制御コンピュータCは、パイロット噴射用補正係数α及びメイン噴射用補正係数βを算出する(ステップS8)。補正係数α,βは、図4(a)に曲線Wで示す補正係数マップを用いて算出される。図4(a)の横軸は、クランク角度を表し、縦軸は、補正係数を表す。つまり、補正係数マップは、クランク角度を変数とする一次元マップである。補正係数は、0〜1の範囲の値である。算出されたパイロット基本噴射角度Pθと、これに対応する補正係数αとの組(Pθ,α)を示す点R1は、曲線W上にあり、算出されたメイン基本噴射角度Mθと、これに対応する補正係数βとの組(Mθ,β)を示す点R2は、曲線W上にある。
ステップS8の処理後、制御コンピュータCは、図6に示すステップS9,S10へ移行する。
ステップS9において、制御コンピュータCは、補正係数αを用いてパイロット噴射時(つまりパイロット基本噴射角度Pθ)における換算用エンジン回転数Nep(α)(換算用回転速度)を算出する。換算用エンジン回転数Nep(α)は、式(5)を用いて算出される。
Nep(α)=α×Nep・・・(5)
ステップS10において、制御コンピュータCは、補正係数βを用いてメイン噴射時(つまりメイン基本噴射角度Mθ)における換算用エンジン回転数Nem(β)(換算用回転速度)を算出する。換算用エンジン回転数Nem(β)は、式(6)を用いて算出される。
Nem(β)=β×Nem・・・(6)
図4(b)における曲線Vは、今回サイクルにおけるエンジン回転数の変化〔図2(b)に示すエンジン回転数変化を表す曲線部分Z1〕を示す。図4(a)の曲線Wで示す補正係数マップは、直線Lを曲線Vに近似変換するためのものであり、クランク角度毎に直線Lに補正係数を掛けることによって曲線Vに近似する曲線(図示略)が得られる。
従って、パイロット基本噴射角度Pθにおけるエンジン回転数Nepを近似変換した換算用エンジン回転数Nep(α)は、パイロット基本噴射角度Pθにおいて曲線Vの近傍にある。つまり、組(Pθ,Nep(α))を示す点Q5は、パイロット基本噴射角度Pθにおいて曲線Vの近傍にある。
同様に、メイン基本噴射角度Mθにおけるエンジン回転数Nemを近似変換した換算用エンジン回転数Nem(β)は、メイン基本噴射角度Mθにおいて曲線Vの近傍にある。つまり、組(Mθ,Nem(β))を示す点Q6は、メイン基本噴射角度Mθにおいて曲線Vの近傍にある。
図6に示すステップS9,S10の処理後、制御コンピュータCは、パイロット基本噴射角度Pθを用いてパイロット噴射用余り角度ΔΘpを算出すると共に、メイン基本噴射角度Mθを用いてメイン噴射用余り角度ΔΘmを算出する(ステップS11)。
パイロット噴射用余り角度ΔΘpは、式(7)を用いて算出され、メイン噴射用余り角度ΔΘmは、式(8)を用いて算出される。
ΔΘp=〔(Pθ+90°)/10°の剰余(余り)〕・・・(7)
ΔΘm=〔(Mθ+90°)/10°の剰余(余り)〕・・・(8)
図3(a)は、始動モードにおけるパルス列の一例を示すタイミングチャートである。余り角度ΔΘp,ΔΘmは、隣り合う一対のパルスのクランク角度間隔10°よりも小さい値である。図示の例では、第1パルスE1から数えて8番目のパルスE8がパイロット噴射用基準パルスEpであり、第1パルスE1から数えて9番目のパルスE9がメイン噴射用基準パルスEmである。パイロット基本噴射角度Pθは、パイロット噴射用基準パルスEpの出力時点に対応するクランク角度θ3(−20°)に余り角度ΔΘpを加算した角度である。メイン基本噴射角度Mθは、メイン噴射用基準パルスEmの出力時点に対応するクランク角度θ4(−10°)に余り角度ΔΘmを加算した角度である。
次に、制御コンピュータCは、換算用エンジン回転数Nep(α)を用いてパイロット噴射用余り角度ΔΘpをパイロット噴射用余り時間ΔTpに換算する(ステップS12)。さらに、制御コンピュータCは、換算用エンジン回転数Nem(β)を用いてメイン噴射用余り角度ΔΘmをメイン噴射用余り時間ΔTmに換算する(ステップS13)。
パイロット噴射用余り時間ΔTpは、換算式(9)を用いて算出され、メイン噴射用余り時間ΔTmは、換算式(10)を用いて算出される。
ΔTp=ΔΘp/Nep(α)・・・(9)
ΔTm=ΔΘm/Nem(β)・・・(10)
次に、制御コンピュータCは、パイロット噴射用基準パルスEp及びメイン噴射用基準パルスEmを算出する(ステップS14)。パイロット噴射用基準パルスEpは、式(11)を用いて算出され、メイン噴射用基準パルスEmは、式(12)を用いて算出される。
Ep=10−|(Pθ−ΔΘp)|/10°・・・(11)
Em=10−|(Pm−ΔΘm)|/10°・・・(12)
ステップS14の処理後、制御コンピュータCは、パイロット噴射用基準パルスEpとメイン噴射用基準パルスEmとが同一であるか否かを判断する(ステップS15)。パイロット噴射用基準パルスEpとメイン噴射用基準パルスEmとが同一である場合(ステップS15においてYES)、制御コンピュータCは、図7に示すステップS22へ移行する。パイロット噴射用基準パルスEpとメイン噴射用基準パルスEmとが同一でない場合(ステップS15においてNO)、制御コンピュータCは、図7に示すステップS16へ移行する。
ステップS15においてNOの場合には図7に示すように、ステップS16において、制御コンピュータCは、パイロット噴射用基準パルスEpが出力されたか否かを判断する。パイロット噴射用基準パルスEpが出力された場合(ステップS16においてYES)、制御コンピュータCは、パイロット噴射用基準パルスEpが出力された時点からの経過時間がパイロット噴射用余り時間ΔTpに達したか否かを判断する(ステップS17)。パイロット噴射用基準パルスEpが出力された時点からの経過時間がパイロット噴射用余り時間ΔTpに達した場合(ステップS17においてYES)、制御コンピュータCは、燃料噴射ノズル18からパイロット噴射を開始させる(ステップS18)。
次に、制御コンピュータCは、メイン噴射用基準パルスEmが出力されているか否かを判断する(ステップS19)。メイン噴射用基準パルスEmが出力されている場合(ステップS19においてYES)、制御コンピュータCは、メイン噴射用基準パルスEmが出力された時点からの経過時間がメイン噴射用余り時間ΔTmに達したか否かを判断する(ステップS20)。メイン噴射用基準パルスEmが出力された時点からの経過時間がメイン噴射用余り時間ΔTmに達した場合(ステップS20においてYES)、制御コンピュータCは、燃料噴射ノズル18からメイン噴射を開始させる(ステップS21)。
その後、制御コンピュータCは、図5に示すステップS2へ移行する。
ステップS15においてYESの場合には図7に示すように、ステップS22においては、制御コンピュータCは、基準パルスEp(=Em)が出力されたか否かを判断する。基準パルスEp(=Em)が出力された場合(ステップS22においてYES)、制御コンピュータCは、基準パルスEp(=Em)が出力された時点からの経過時間がパイロット噴射用余り時間ΔTpに達したか否かを判断する(ステップS23)。基準パルスEp(=Em)が出力された時点からの経過時間がパイロット噴射用余り時間ΔTpに達した場合(ステップS23においてYES)、制御コンピュータCは、燃料噴射ノズル18からパイロット噴射を開始させる(ステップS24)。
次に、制御コンピュータCは、基準パルスEp(=Em)が出力された時点からの経過時間がメイン噴射用余り時間ΔTmに達したか否かを判断する(ステップS25)。パルスEp(=Em)が出力された時点からの経過時間がメイン噴射用余り時間ΔTmに達した場合(ステップS25においてYES)、制御コンピュータCは、燃料噴射ノズル18からメイン噴射を開始させる(ステップS21)。
その後、制御コンピュータCは、図5に示すステップS2へ移行する。
図5に示すステップS3においてYESの場合(エンジンが始動してからエンジン回転数Nxが回転数Noに達した場合、つまり始動モードから通常モードへ移行した場合)、制御コンピュータCは、図8のステップS26へ移行する。
図3(b)は、通常モードにおけるパルス列の一例を示すタイミングチャートである。図示の例では、第1パルスE1から数えて8番目のパルスE8がパイロット噴射用基準パルスEpであり、第1パルスE1から数えて9番目のパルスE9がメイン噴射用基準パルスEmである。
図8に示すステップS26において、制御コンピュータCは、前回サイクルの平均回転数Na(第1代表値)を算出する。シグナルロータ31の歯部311の全数をNoとし、前回サイクルの1番目のパルスの立ち上がり時点から前回サイクル内のn番目のパルスの立ち上がり時点までの時間間隔をta(単位は秒)とする。そうすると、前回サイクルの平均回転数Na(/秒)は、式(13)を用いて求められる。
Na=(60/ta)×(n−1)/No・・・(13)
次に、制御コンピュータCは、今回サイクルの平均回転数Nb(第2代表値)を算出する(ステップS27)。今回サイクルの1番目のパルスの立ち上がり時点から今回サイクル内のn番目のパルスの立ち上がり時点までの時間間隔をtb(単位は秒)とする。そうすると、今回サイクルの平均回転数Nb(/秒)は、式(14)によって求められる。
Nb=(60/tb)×(n−1)/No・・・(14)
次に、制御コンピュータCは、回転数変動値Yを算出する。回転数変動値Yは、式(15)によって表されるものである。
Y=(Na−Nb)/Nb・・・(15)
エンジンが加速回転中である場合には、回転数変動値Yは、負の値となり、エンジンが減速回転中である場合には、回転数変動値Yは、正の値となる。エンジンが定速回転中である場合には、回転数変動値Yは、零となる。
次に、制御コンピュータCは、図5に示すステップS4と同様に、パイロット基本噴射角度Pθ及びメイン基本噴射角度Mθを算出する(ステップS29)。
次に、制御コンピュータCは、パイロット噴射用基準パルスEp及びメイン噴射用基準パルスEmを算出する(ステップS30)。
次に、制御コンピュータCは、パイロット噴射用余り角度ΔAp及びメイン噴射用余り角度ΔAmを算出する(ステップS31)。
次に、制御コンピュータCは、余り角度ΔAp,ΔAmを余り角度ΔBp,ΔBmに補正する(ステップS32)。余り角度ΔBpは、式(16)によって求められ、余り角度ΔBmは、式(17)によって求められる。
ΔBp=ΔAp+γ×Y=ΔAp+γ×(Na−Nb)/Nb・・・(16)
ΔBm=ΔAm+γ×Y=ΔAm+γ×(Na−Nb)/Nb・・・(17)
式(16),(17)中のγは、エンジン毎に定められた補正係数であり、0≦γ≦1である。
次に、制御コンピュータCは、補正余り角度ΔBp,ΔBmを余り時間Δtp,Δtmに換算する(ステップS33)。余り時間Δtp,Δtmは、式(18),(19)によって換算して求められる。
Δtp=ΔBp/Nb・・・(18)
Δtm=ΔBm/Nb・・・(19)
ステップS33の処理後、制御コンピュータCは、パイロット噴射用基準パルスEpとメイン噴射用基準パルスEmとが同一であるか否かを判断する(ステップS34)。パイロット噴射用基準パルスEpとメイン噴射用基準パルスEmとが同一である場合(ステップS34においてYES)、制御コンピュータCは、図9に示すステップS41へ移行する。パイロット噴射用基準パルスEpとメイン噴射用基準パルスEmとが同一でない場合(ステップS34においてNO)、制御コンピュータCは、図9に示すステップS35へ移行する。
ステップS35において、制御コンピュータCは、パイロット噴射用基準パルスEpが出力されたか否かを判断する。パイロット噴射用基準パルスEpが出力された場合(ステップS35においてYES)、制御コンピュータCは、パイロット噴射用基準パルスEpが出力された時点からの経過時間がパイロット噴射用余り時間Δtpに達したか否かを判断する(ステップS36)。パイロット噴射用基準パルスEpが出力された時点からの経過時間がパイロット噴射用余り時間Δtpに達した場合(ステップS36においてYES)、制御コンピュータCは、燃料噴射ノズル18からパイロット噴射を開始させる(ステップS37)。
次に、制御コンピュータCは、メイン噴射用基準パルスEmが出力されたか否かを判断する(ステップS38)。メイン噴射用基準パルスEmが出力された場合(ステップS38においてYES)、制御コンピュータCは、メイン噴射用基準パルスEmが出力された時点からの経過時間がメイン噴射用余り時間Δtmに達したか否かを判断する(ステップS39)。メイン噴射用基準パルスEmが出力された時点からの経過時間がメイン噴射用余り時間Δtmに達した場合(ステップS39においてYES)、制御コンピュータCは、燃料噴射ノズル18からメイン噴射を開始させる(ステップS40)。
その後、制御コンピュータCは、図8に示すステップS26へ移行する。
図9に示すステップS41においては、制御コンピュータCは、基準パルスEp(=Em)が出力されたか否かを判断する。基準パルスEp(=Em)が出力された場合(ステップS41においてYES)、制御コンピュータCは、基準パルスEp(=Em)が出力された時点からの経過時間がパイロット噴射用余り時間Δtpに達したか否かを判断する(ステップS42)。基準パルスEp(=Em)が出力された時点からの経過時間がパイロット噴射用余り時間Δtpに達した場合(ステップS42においてYES)、制御コンピュータCは、燃料噴射ノズル18からパイロット噴射を開始させる(ステップS43)。
次に、制御コンピュータCは、基準パルスEp(=Em)が出力された時点からの経過時間がメイン噴射用余り時間Δtmに達したか否かを判断する(ステップS44)。パルスEp(=Em)が出力された時点からの経過時間がメイン噴射用余り時間Δtmに達した場合(ステップS44においてYES)、制御コンピュータCは、燃料噴射ノズル18からメイン噴射を開始させる(ステップS40)。
その後、制御コンピュータCは、図8に示すステップS26へ移行する。
制御コンピュータCは、クランク角度検出手段35から出力されるパルスを用いてエンジン回転速度を算出する回転速度算出手段である。又、制御コンピュータCは、換算用回転速度を用いて余り角度を余り時間に換算する制御手段である。さらに、制御コンピュータCは、エンジンが始動モードであるか否かを判定する始動モード判定手段である。なお、パイロット噴射後のコモンレール21の燃料圧力を確保するためパイロット噴射後からメイン噴射まで経過期間の最小時間には制限があり、最小時間よりも短い時間が算出された場合、制御コンピュータCは、メイン噴射時期から最小時間を角度に変換したパイロット噴射時期を設定する。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1)今回サイクルの圧縮行程における複数の平均エンジン回転数Ne1,Ne2の情報を用いて、パイロット基本噴射角度Pθ(基準パルスE8の出力時点から後続のパルスE9の出力時点との間にある角度)おける換算用エンジン回転数Nep(α)が算出される。又、今回サイクルの圧縮行程における複数の平均エンジン回転数Ne1,Ne2の情報を用いて、メイン基本噴射角度Mθ(基準パルスE9の出力時点から後続のパルスE10の出力時点との間にある角度)おける換算用エンジン回転数Nem(β)が算出される。換算用エンジン回転数Nep(α),Nem(β)は、圧縮行程における平均エンジン回転数Ne1,Ne2を用いて算出されているために、誤差の少ない高精度の回転速度情報である。
そのため、精度の高い換算用エンジン回転数Nep(α),Nem(β)の情報を用いて余り角度ΔΘp,ΔΘmから換算された余り時間ΔTp,ΔTmは、精度の高い余り時間情報である。このような余り時間ΔTp,ΔTmを用いた燃料噴射制御では、回転数変動が特に大きいエンジンの始動時における実際の燃料噴射タイミングと所望の燃料噴射タイミングとのずれが低減される。
(2)始動モードに比べれば回転数変動が時間的に小さい通常モードでは、エンジン回転数が大きい。つまり、始動モードに比べて上死点間の時間間隔が短い通常モードでは、同一サイクル中の圧縮行程における平均エンジン回転数の変化を捉えて換算用エンジン回転数Nep(α),Nem(β)を算出するための時間的な余裕がない。そのため、前回サイクルにおける平均回転数及び今回サイクルにおける平均回転数を用いて余り角度を余り時間に換算する角度−時間換算方式は、通常モードに好適である。従って、始動モードにおける角度−時間換算方式と通常モードにおける角度−時間換算方式とを異ならせる制御は、エンジン回転数の全域において実際の燃料噴射タイミングと所望の燃料噴射タイミングとのずれを低減する制御において、特に好適である。
(3)2つの平均エンジン回転数Ne1,Ne2のみの情報を用いて算出された換算用エンジン回転数を用いる制御は、基本噴射角度Pθ,Mθにおける換算用エンジン回転数の情報を簡易に、且つ精度良く得る上で好ましい。
(4)補正係数α,βとエンジン回転数Nep,Nemとを用いて換算用エンジン回転数Nep(α),Nem(β)を算出して換算用エンジン回転数を予測する方式は、換算エンジン回転数を実際のエンジン回転数に近づける上で特に好適な予測方式である。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
○第1の実施形態において、換算用エンジン回転数Nep(α),Nem(β)を算出しないで、エンジン回転数Nep,Nemを換算用エンジン回転数として用いてもよい。
○基準パルスの出力時点から後続のパルスの出力時点との間におけるエンジン回転速度としては、基本噴射角度Pθ,Mθ以外に、基準パルスの出力時点におけるクランク角度や、後続のパルスの出力時点におけるクランク角度であってもよい。
○第1の実施形態において、パイロット基本噴射角度Pθ及びメイン基本噴射角度Mθを算出するステップ(ステップS4)の直後に、パイロット噴射用基準パルスEp及びメイン噴射用基準パルスEmを算出することもできる。
○複数の代表回転速度を3つ以上用いて高次関数を生成し、この高次関数を用いて代表回転速度を算出するようにしてもよい。
○メイン噴射のみを行なうディーゼルエンジンに本発明を適用してもよい。
○本発明をガソリンエンジンに適用してもよい。
前記した実施形態から把握できる技術思想について以下に記載する。
(イ)前記燃料噴射手段による燃料噴射は、メイン噴射に先立って行なわれるパイロット噴射を含み、前記制御手段は、前記メイン噴射に対応する余り角度を余り時間に換算すると共に、前記パイロット噴射に対応する余り角度を余り時間に換算する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関における燃料噴射制御装置。
10…ディーゼルエンジン。11〜14…気筒。16〜19…燃料噴射手段としての燃料噴射ノズル。31…シグナルロータ。311…歯部。35…クランク角度検出手段。37…時間計測手段。E1〜E10…パルス。Ep,Em…基準パルス。E9,E10…後続のパルス。ΔΘp,ΔΘm…余り角度。ΔTp,ΔTm…余り時間。ΔAp,ΔAm…余り角度。Δtp,Δtm…余り時間。Ne1,Ne2…代表回転速度としての平均エンジン回転数。Nep,Nem…予測回転速度としての予測エンジン回転数。W…補正係数マップとしての曲線。α,β…補正係数。Nep(α),Nem(β)…換算用回転速度としての換算用エンジン回転数。Na…第1代表値としての平均回転数。Nb…第2代表値としての平均回転数。Pθ…特定クランク角度であるパイロット基本噴射角度。Mθ…特定クランク角度であるメイン基本噴射角度。C…制御手段、始動モード判定手段及び回転速度算出手段としての制御コンピュータ。

Claims (4)

  1. 内燃機関の複数の気筒内で燃焼される燃料を噴射する燃料噴射手段と、複数の歯部を有するシグナルロータを用いたクランク角度検出手段と、前記クランク角度検出手段から出力されるパルスを用いて前記内燃機関の回転速度を算出する回転速度算出手段と、燃料の基本噴射角度を基準パルスと余り角度に対応する余り時間とに換算すると共に、前記基準パルスの出力時点からの時間経過が前記余り時間に達した時点を燃料の噴射開始タイミングとして、前記燃料噴射手段に燃料の噴射を開始させる制御手段とを備えた内燃機関における燃料噴射制御装置において、
    前記内燃機関が始動モードであるか否かを判定する始動モード判定手段を備え、
    前記回転速度算出手段は、前記内燃機関が前記始動モードである場合には、前記気筒における同一サイクルの圧縮行程において複数の代表回転速度を算出し、
    前記制御手段は、前記複数の代表回転速度を用いて、前記基本噴射角度における前記内燃機関の回転速度を算出して換算用回転速度として設定すると共に、前記換算用回転速度を用いて前記余り角度を前記余り時間に換算する内燃機関における燃料噴射制御装置。
  2. 前記複数の代表回転速度は、2つである請求項1に記載の内燃機関における燃料噴射制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記2つの代表回転速度を用いて生成された一次関数から予測回転速度を算出すると共に、クランク角度を変数とする予め設定された補正係数マップを用いて、前記基本噴射角度に対する補正係数を算出し、算出された補正係数と前記予測回転速度とを用いて、前記換算用回転速度を算出する請求項2に記載の内燃機関における燃料噴射制御装置。
  4. 前記始動モード判定手段が始動モードでないとの判定を行なった場合、前記回転速度算出手段は、前回サイクルにおけるエンジン回転速度の第1代表値と、前記同一サイクルに対応する今回サイクルにおけるエンジン回転速度の第2代表値とを算出し、前記制御手段は、前記第1代表値と前記第2代表値とを用いて、前記余り角度を前記余り時間に換算する請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関における燃料噴射制御装置。
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