JP2012006568A - 車両の特徴点の通過検知を用いた移動車両の地上制御装置および地上制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 精密な速度制御は必要としないが、目標点に対しスムーズな減速と、ほどほどの停止精度の確保が行えるシンプルな、移動体の速度制御システムを提供する
【解決手段】移動体中の特徴点(車輪等)の位置や、各特徴点が通過センサ通過後に移動体に指示すべき速度データを、各移動体の各特徴点と各通過センサに対応して、予め地上制御部に登録しておく。その後移動体中の特徴点がセンサを通過する毎に、予め登録してある、対応する特徴点と通過センサに対する、速度指令データを読み出し、地上制御部から移動体に速度コマンドを送信することにより、正確な位置情報に基づく多数回の速度変更を行う。
【選択図】図1
【解決手段】移動体中の特徴点(車輪等)の位置や、各特徴点が通過センサ通過後に移動体に指示すべき速度データを、各移動体の各特徴点と各通過センサに対応して、予め地上制御部に登録しておく。その後移動体中の特徴点がセンサを通過する毎に、予め登録してある、対応する特徴点と通過センサに対する、速度指令データを読み出し、地上制御部から移動体に速度コマンドを送信することにより、正確な位置情報に基づく多数回の速度変更を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、車輪ないしは車軸等の車両の特徴点の通過を検知し、車両の制御を行う装置およびその制御方法、特に、閉鎖系システム内の連結車両や列車の制御に低廉で好適な地上制御装置および地上制御方法に関する。
車両などを自動制御する場合、各車両の現在位置を確認しながら、衝突やデッドロックを発生させないような運転スケジューリングをすることが必要である。そこで、車両自体にセンサを設置し、センサで得られた車両の位置情報をもとに、各車両の速度指令を行い、目的の位置にスムーズかつ正確に車両を停止させることが行われている。
しかし、各車両に連続的に位置検出を行うことは、システムコストが増大する。
本発明は、閉鎖系システム内の車両に対して、車輪や車軸等の車両中の特徴点が通路や線路中の設定点を通過する事象を検出するセンサ(以下、通過センサと略記する)を用い、停止位置などの制御対象箇所(以下、制御箇所)当たり1〜2個の少数個の通過センサを用いるのみで、通過中の車両の速度制御を確実かつ低コストで行い、停止精度のよい制御を行うことができる地上制御システムおよび制御方法を提供するものである。連結車両数が多く車輪数の多い列車では、より長い区間で細かい速度制御が可能となる。
しかし、各車両に連続的に位置検出を行うことは、システムコストが増大する。
本発明は、閉鎖系システム内の車両に対して、車輪や車軸等の車両中の特徴点が通路や線路中の設定点を通過する事象を検出するセンサ(以下、通過センサと略記する)を用い、停止位置などの制御対象箇所(以下、制御箇所)当たり1〜2個の少数個の通過センサを用いるのみで、通過中の車両の速度制御を確実かつ低コストで行い、停止精度のよい制御を行うことができる地上制御システムおよび制御方法を提供するものである。連結車両数が多く車輪数の多い列車では、より長い区間で細かい速度制御が可能となる。
移動する車両上に、地上子通過センサと共にタコジェネレータやパルスエンコーダなどを設置し、地上子検出により目標位置までの距離の修正を行った上で、速度や位置情報を連続的に計測しながら当該車両上で速度制御を行い、所望の位置にスムーズに車両を停止させることは、例えば下記の[特許文献1]、[特許文献2]、[特許文献3]などに開示されている。しかし、移動する車両上に、位置や速度の計測とそれに基づく速度制御装置を装備することは、閉鎖系で小型のシステムに対しては、高価でかつ大型なものになる。
一方、下記の[特許文献4]には、地上に、間隔をあけて設置した複数の車輪通過センサの通過時刻をもとに、当該車両の速度、車種を出力する方法が記載されている。
下記の[特許文献5]には、地上に設置した複数の車輪検知センサ上の車輪の通過時刻情報と、既知の車輪の取り付け位置情報などをもとに、同時に採取される画像等と列車の各部位と位置整合させるための方法につき記載されている。
下記の[特許文献6]には、1個の車輪通過センサの信号をもとに列車の進入と退出を算出し、信号機の表示を変更する制御方法について記載されている。
また、下記の[特許文献7]には、先端検出センサが移動体の通過を検出したら、信号検知と同時に搬送を停止、または信号検知後所定時間経過後に搬送を停止し、搬送が完了する記載がある。なお、この拡張として、別の先端検出センサを手前に追加し、別の先端検出センサ通過後に、速度を自動的に徐々に低下させ、目標点付近では低速を維持してゆっくり移動することも行われている。
下記の[特許文献8]および[特許文献9]には、鉄道模型などでのデジタル指令制御(DCC)方式につい記載されている。しかし通過センサを用いて速度制御を行うことは記載されていない。
下記の[特許文献5]には、地上に設置した複数の車輪検知センサ上の車輪の通過時刻情報と、既知の車輪の取り付け位置情報などをもとに、同時に採取される画像等と列車の各部位と位置整合させるための方法につき記載されている。
下記の[特許文献6]には、1個の車輪通過センサの信号をもとに列車の進入と退出を算出し、信号機の表示を変更する制御方法について記載されている。
また、下記の[特許文献7]には、先端検出センサが移動体の通過を検出したら、信号検知と同時に搬送を停止、または信号検知後所定時間経過後に搬送を停止し、搬送が完了する記載がある。なお、この拡張として、別の先端検出センサを手前に追加し、別の先端検出センサ通過後に、速度を自動的に徐々に低下させ、目標点付近では低速を維持してゆっくり移動することも行われている。
下記の[特許文献8]および[特許文献9]には、鉄道模型などでのデジタル指令制御(DCC)方式につい記載されている。しかし通過センサを用いて速度制御を行うことは記載されていない。
自動倉庫や鉄道模型などのように、閉鎖系における移動体の速度や位置制御を小型かつ低廉に行う要求は強い。一方、上記の[特許文献1][特許文献2][特許文献3]で示された従来方式は、移動体上に地上子検出センサと共に速度センサや位置センサなどを装備し、かつ目標速度パターンとの差を算出し、その差をもとに移動体の速度制御を行うとともに位置制御を行うものである。この従来例では、センサと信号処理と駆動源、およびセンサの検出値を地上の制御部に送信する通信装置を各移動体上に備える必要があり、大型でかつコストアップとなる欠点があるとともに、車輪の空転等による地上子通過後の推定距離に誤差を生じるため、さらに地上子を追加するなどの対策も必要となり、システム構成が複雑化する。地上子を追加しない場合には、最悪ケースを想定して、目標地点のかなり前より所定距離区間を停止可能な低速で走行させる必要が生じる欠点もある。
一方、[特許文献4][特許文献5][特許文献6]では、地上に設置した通過センサにより列車の通過位置、速度、進入と退出の確認や車種を算出しているが、移動体の速度制御などは行っていない。
また、[特許文献7]では停止の制御は行っているが、目標点付近での速度制御は行っていない。
一方、[特許文献4][特許文献5][特許文献6]では、地上に設置した通過センサにより列車の通過位置、速度、進入と退出の確認や車種を算出しているが、移動体の速度制御などは行っていない。
また、[特許文献7]では停止の制御は行っているが、目標点付近での速度制御は行っていない。
本発明は、前記[特許文献1][特許文献2][特許文献3]における欠点を解消し、特に閉鎖系の移動体制御システムに対し、小型でかつ低コストの速度制御システムの構築を図ることを目的としている。
上記従来例の欠点を解消するため、本発明では、通過センサにより、通過する列車の車輪や車軸や開閉ドアなどの特徴点を検出し、そのタイミングを地上に設置の制御部に入力し、列車の速度や通過位置を算出しつつ、地上に設置の制御部から複数の列車に対し、目標地点付近の速度制御を指令を行うシステムを構築するものである。本通過センサの数は、基本的には、目標地点あたり1個設置することで達成される。ただし、移動体の停止精度を向上するために、目標地点あたり1個の停止センサの信号を地上に設置の制御部に追加入力することもできる。
目標地点が近接している場合には、複数の目標地点に対し、1個の通過センサでも代用することもできる。通過センサからの信号の信頼性を向上させるために、目標地点あたり通過センサを複数個設置することにより、複数の通過センサ中の1個のセンサが不良となっても、システムの信頼性を保つこともできる。
また、上で述べた特徴点としては、上記に限定するものではなく、車両に追加した目印などを用いることもできる。
目標地点が近接している場合には、複数の目標地点に対し、1個の通過センサでも代用することもできる。通過センサからの信号の信頼性を向上させるために、目標地点あたり通過センサを複数個設置することにより、複数の通過センサ中の1個のセンサが不良となっても、システムの信頼性を保つこともできる。
また、上で述べた特徴点としては、上記に限定するものではなく、車両に追加した目印などを用いることもできる。
本発明では、地上に設置の制御部にて、複数の列車に対し、目標地点付近の速度制御を指令するために、下記に示す、処理の高速化を行っている。
すなわち、本発明では、各列車中での特徴点の位置をあらかじめ算出した上登録しておく。また、特徴点を通過後の進行距離に対する車速関数は、通過センサ毎に、目標地点対応であらかじめ決定してし記憶しておく。
したがって、特定の列車が、特定の目標地点に停止しようとして、特定の通過センサを、当該車両のn個目の特徴点を通過した場合に対応して、地上に設置の制御部から当該列車に送信する内容は、あらかじめテーブルなどに登録してあるため、特定番目の特徴点の通過に対応して、ただちに列車に向けて速度変更指令が発信される。
すなわち、本発明では、各列車中での特徴点の位置をあらかじめ算出した上登録しておく。また、特徴点を通過後の進行距離に対する車速関数は、通過センサ毎に、目標地点対応であらかじめ決定してし記憶しておく。
したがって、特定の列車が、特定の目標地点に停止しようとして、特定の通過センサを、当該車両のn個目の特徴点を通過した場合に対応して、地上に設置の制御部から当該列車に送信する内容は、あらかじめテーブルなどに登録してあるため、特定番目の特徴点の通過に対応して、ただちに列車に向けて速度変更指令が発信される。
本発明により、移動体の制御は、地上に設置した制御部でまとめて処理されるため、移動体中には、移動体の固有アドレスと信号中のアドレス部分との一致を判別したりコマンド信号を判別するデコーダ機能付きの受信部と、地上に設置の制御部から当該移動体への速度コマンドを受けて速度変更可能に車輪などを駆動する駆動部分とが、最低限あればよく、移動体中での複雑な制御は必須ではないため、移動体部分の小型化ができる。併せてシステムがシンプル化し、小型でかつ低廉な移動体速度制御システムが構築できる利点がある。
なお、移動体の駆動部分に速度センサを具備させれば、特許文献8のFig7に記載されている簡易型の速度フィードバック制御機能などを移動体に具備させることも、比較的小型でかつ容易に実現可能である。
なお、移動体の駆動部分に速度センサを具備させれば、特許文献8のFig7に記載されている簡易型の速度フィードバック制御機能などを移動体に具備させることも、比較的小型でかつ容易に実現可能である。
地上の制御部では、各列車の車輪などの特徴点が通過センサを通過したタイミングに主な制御処理をすれば良く、かつ、その処理内容もあらかじめ計算など行い登録されているから、複数の車両の速度制御を単一で小型の地上の制御部にて制御することが可能となる利点がある。
本発明における速度制御は、列車中の車輪などの特徴点の数が多ければ多いほど緻密な制御が可能となる。ひとつの移動体中の検知可能な特徴点の数(対で存在するものは対の数)としては、最低でも複数個、好ましくは4あるいはそれ以上の多数個が必要である。2対の車輪を有する単純な車両の場合には、2台あるいはそれ以上の車両を連結した列車が、本発明での好ましい移動体の範疇に含まれる。
本発明における速度制御は、列車中の車輪などの特徴点の数が多ければ多いほど緻密な制御が可能となる。ひとつの移動体中の検知可能な特徴点の数(対で存在するものは対の数)としては、最低でも複数個、好ましくは4あるいはそれ以上の多数個が必要である。2対の車輪を有する単純な車両の場合には、2台あるいはそれ以上の車両を連結した列車が、本発明での好ましい移動体の範疇に含まれる。
各移動体における特徴点の先頭からの位置は、あらかじめ地上の制御部に登録しておく。
各移動体の車両構成が変更になったときには、その都度、地上の制御部に再登録しておく。
列車を構成する車両の連結や解放を自動で行うときには、この再登録も自動的に実施することができる。
移動体中の特徴点が4個あるいはそれ以上存在すると、通過センサを通過する時に、目標地点と当該移動体の先頭等との距離の確定している少なくとも4回のタイミングにて、少なくとも4回の当該移動体の速度変更が可能となるため、目標地点へのほぼスムーズな停止が可能となる。
各移動体の車両構成が変更になったときには、その都度、地上の制御部に再登録しておく。
列車を構成する車両の連結や解放を自動で行うときには、この再登録も自動的に実施することができる。
移動体中の特徴点が4個あるいはそれ以上存在すると、通過センサを通過する時に、目標地点と当該移動体の先頭等との距離の確定している少なくとも4回のタイミングにて、少なくとも4回の当該移動体の速度変更が可能となるため、目標地点へのほぼスムーズな停止が可能となる。
目標点近辺での速度制御を行って、目標点にほぼ正確に停止させることができると、ホームや各種ステーションでの人の乗り降りや荷物の積込払出が容易となる。また、列車間の連結器(カプラー)の解除・接続が容易となる利点がある。このような利点が、目標地点あたり1個程度の通過センサと、必要に応じて目標地点あたり1個の停止センサを追加することにより、地上に設置した制御部にて、複数の列車に対して総合的に、コンパクトでかつ低廉にシステム構築が図れる点が、本発明の特徴である。
なお、停止センサは、特徴点の通過を検出する通過センサと同一仕様のもので代用することもできる。
なお、停止センサは、特徴点の通過を検出する通過センサと同一仕様のもので代用することもできる。
本発明を、デジタル指令制御(DCC)方式を用いて鉄道模型列車を制御する場合の制御システム構成例を図1に示す。線路で構成されるレイアウト1上を、移動体である列車2が走行する。レイアウト1は、幹線部レイアウト1−1と、分岐線部レイアウト1−2とで構成される。コマンドステーション3は、レイアウト1に列車2用電源を供給すると同時に、列車2や切替ポイント/信号機(図示せず)などの制御および表示機器へコマンド(指令)を送信する装置である。
通過センサ4は線路上ないしは線路近辺に設置され、それが設置された位置を列車の特徴点が通過したことを検出する。本図では通過センサ4を停止センサとしても流用している。
通過センサ4は線路上ないしは線路近辺に設置され、それが設置された位置を列車の特徴点が通過したことを検出する。本図では通過センサ4を停止センサとしても流用している。
制御装置5はコンピュータを内蔵し、通過センサ4を監視して列車の走行位置を検出し、それに応じてコマンドステーション3を通して列車2やポイントなどにコマンドを送信し制御する。
図2に小型化が容易な通過センサ4の例を示す。ばね特性を有する板状金属片8を線路7の上部を覆う形で設置し、列車2の通過時に、列車2の車輪6に加わる重みで、板状金属片8が線路7に接触し検知器9で接触の有無を検知するように構成している。このようなセンサなら非常に小型かつ安価なので超小型の鉄道模型に適している。なお、通過センサの種類は図2の例に限定するものではなく、特徴点の通過を検出できるものであればよく、光センサ、近接センサ、磁気センサなども利用可能である。
図3に、制御装置5で行う処理の流れを示す。同図中(a)は,列車の構成や各センサ4の位置や、各目標地点の位置が変わるたびに、前もって行う処理を示す。これらの情報・手順を入力するためには、以下に述べる手順を記述可能な専用スクリプト言語(コンピュータ言語の一種)を設計して用いることができる。
図3(a)中の31では、使用する車両の特徴点(車軸)の位置構成、車両先端からの先端の特徴点までの距離、連結時の連結中心と先端特徴点や最後部特徴点までの距離などを登録しておく。次に32では、列車2の車両構成や、制御可能な速度範囲などの列車の走行特性を登録する。31と32から、33にて列車2の車軸距離配列Dを計算し登録しておく。
D={0、X1,・・・,Xn};Xn:n番目の車軸とn+1番目車軸間距離 (1)
車軸数N=n+1
なお、31や32の一部は33を設定するための前準備であり、直接33の項目を入力しても、所望の速度制御は可能である。
図3(a)中の31では、使用する車両の特徴点(車軸)の位置構成、車両先端からの先端の特徴点までの距離、連結時の連結中心と先端特徴点や最後部特徴点までの距離などを登録しておく。次に32では、列車2の車両構成や、制御可能な速度範囲などの列車の走行特性を登録する。31と32から、33にて列車2の車軸距離配列Dを計算し登録しておく。
D={0、X1,・・・,Xn};Xn:n番目の車軸とn+1番目車軸間距離 (1)
車軸数N=n+1
なお、31や32の一部は33を設定するための前準備であり、直接33の項目を入力しても、所望の速度制御は可能である。
図3(a)中の34では、通過センサ4毎に、また、目標地点に対応して、減速後目標地点にスムーズに停止できるように、通過センサ4からの進行距離dに対する車速関数Spdをあらかじめ定義しておく。
Spd=f(d) (2)
なお、車速関数Spdをあらかじめ定義しておくだけではなく、各通過センサに対応し、対象する列車の対象する特徴点が通過したときの速度指令を上記の式(2)によりあらかじめ計算しておき、それらの値ないしは速度指令のコマンドの形であらかじめ制御装置5中に登録し、例えば、列車の種類、通過センサのNO.、特徴点の通過番目毎に速度指令データをテーブルとして記憶しておくなどしておくことにより、後述する図3(b)中の38,39,40の処理を大幅に短縮することもできる。
なお、図3では、送信コマンドとして列車の車速を変更する場合について述べているが、制御装置5には、このほか、ポイントや表示器などのコマンドをコマンドステーション3に送信することもできる。この場合にも、あらかじめ特徴点通過時の処理内容を制御装置5に登録しておき、速度変更と同様なやり方にて達成できる。
Spd=f(d) (2)
なお、車速関数Spdをあらかじめ定義しておくだけではなく、各通過センサに対応し、対象する列車の対象する特徴点が通過したときの速度指令を上記の式(2)によりあらかじめ計算しておき、それらの値ないしは速度指令のコマンドの形であらかじめ制御装置5中に登録し、例えば、列車の種類、通過センサのNO.、特徴点の通過番目毎に速度指令データをテーブルとして記憶しておくなどしておくことにより、後述する図3(b)中の38,39,40の処理を大幅に短縮することもできる。
なお、図3では、送信コマンドとして列車の車速を変更する場合について述べているが、制御装置5には、このほか、ポイントや表示器などのコマンドをコマンドステーション3に送信することもできる。この場合にも、あらかじめ特徴点通過時の処理内容を制御装置5に登録しておき、速度変更と同様なやり方にて達成できる。
列車をホームにスムーズかつ正確に停車させたい場合は、図4に示すように通過センサ4−Aと必要に応じ停止センサ4−Bを配置する。図3(a)で示したように、列車の車軸数と車軸間隔を調べ、制御手順とともにスクリプト言語で記述し制御装置に予め入力しておく。
列車の位置検出と速度・停止位置の制御を行う手順を図4と図3(b)を用いて説明する。なお、どの列車が該当の通過センサ部を通過しているかは、制御装置5内で監視されて対応がつけられているが、このことについては以下では省略して説明する。
図4に示すように通過センサ4−Aを配置したホームに右に向かって列車が進行する。まず、ホーム入り口の通過センサ4−Aが列車の先頭車輪を検知する(図3(b)中の37のYES)ので、列車の減速を開始する(図3(b)中の39、40;以下同様)。通過センサ4−Aが次々に車輪を検出するので、通過車輪数(=c)をカウントしながら予め調べておいた車軸距離配列Dを利用すれば列車の進行距離が分かり(38)、進行距離に応じて更に減速すればスムーズな減速が可能になる(41,38,39)。また、所定番目の車輪通過を検知した時点で列車を停止させれば、通過センサ4−Aから列車の全長以内で車輪の距離に応じた複数の場所に正確に停車させることも可能である。
更に停止センサ4−Bを停車位置に設置し併用すれば、通過センサ4−Aからの距離や列車の長さ・特徴点に関係なく正確な位置に停車させることが可能になる(43および44)。
図3(b)中のセンサ4の反応に対するチェック部分(37,43)は、ソフト的にループ処理を施すのではなく、定期的(例えば1ms毎)にチェックしたり、割り込み機能を活用したりできることは、もちろんである。
図4に示すように通過センサ4−Aを配置したホームに右に向かって列車が進行する。まず、ホーム入り口の通過センサ4−Aが列車の先頭車輪を検知する(図3(b)中の37のYES)ので、列車の減速を開始する(図3(b)中の39、40;以下同様)。通過センサ4−Aが次々に車輪を検出するので、通過車輪数(=c)をカウントしながら予め調べておいた車軸距離配列Dを利用すれば列車の進行距離が分かり(38)、進行距離に応じて更に減速すればスムーズな減速が可能になる(41,38,39)。また、所定番目の車輪通過を検知した時点で列車を停止させれば、通過センサ4−Aから列車の全長以内で車輪の距離に応じた複数の場所に正確に停車させることも可能である。
更に停止センサ4−Bを停車位置に設置し併用すれば、通過センサ4−Aからの距離や列車の長さ・特徴点に関係なく正確な位置に停車させることが可能になる(43および44)。
図3(b)中のセンサ4の反応に対するチェック部分(37,43)は、ソフト的にループ処理を施すのではなく、定期的(例えば1ms毎)にチェックしたり、割り込み機能を活用したりできることは、もちろんである。
図5に移動体2内での制御装置構成例を示す。レイアウト1中の線路を経由して、信号を入力し、まずフィルタ等からなる受信部10にて、信号の整形を行った後、当該移動体固有のアドレスメモリ12と当該信号のアドレス部分との一致の有無を、デコーダ11で判別し、アドレスが一致した場合にはその後に続くコマンド列をコマンド記録処理部13で記録される。速度指令情報は、コマンド記録処理部13から出力され、速度フィードバック制御部15、モータ駆動部16を経由してモータ17を駆動する。モータ17の回転速度は、速度検出手段18により検出し、A−D変換部19を経由して、速度フィードバック制御部15に入力され比較的簡単な構成にて、速度指令値に追随した速度制御が可能となる。
図5中の点線で囲んだ部分20は、低価格なマイコンにて達成可能な範囲であり、その他制御部14は、ライトやブレーキや音発生機能部分など、速度コマンド以外のコマンドで対応された、その他制御部を一括して示している。
なお、速度検出手段18としては、モータ17に直結して設置するタコジェネレータを用いたり、モータ17に印加する電圧を短い時間遮断し、その時モータ17の端子間に誘起する電圧を活用したりすることができる。
また、速度フィードバック機能なしに、速度指令値に従いモータ17を駆動することもできる。この場合は、速度の誤差が大きくなる欠点はあるが、速度検出手段18が不要となり、移動体2上の制御部をシンプルにできる利点がある。さらに図4の1点鎖線で示すように、レイアウト1の線路に加わる電圧に応じて、直接モータ17を駆動するモードを追加することもできる。
移動体2上には、通過センサ4の通過を直接検出する機能はないが、移動体2の特徴点が通過センサ4を通過するたびに、地上の制御装置5を経由して送信されてくる、速度変更コマンドにより、目標地点に向かって、減速しながら、スムーズに停止することができる。
図5中の点線で囲んだ部分20は、低価格なマイコンにて達成可能な範囲であり、その他制御部14は、ライトやブレーキや音発生機能部分など、速度コマンド以外のコマンドで対応された、その他制御部を一括して示している。
なお、速度検出手段18としては、モータ17に直結して設置するタコジェネレータを用いたり、モータ17に印加する電圧を短い時間遮断し、その時モータ17の端子間に誘起する電圧を活用したりすることができる。
また、速度フィードバック機能なしに、速度指令値に従いモータ17を駆動することもできる。この場合は、速度の誤差が大きくなる欠点はあるが、速度検出手段18が不要となり、移動体2上の制御部をシンプルにできる利点がある。さらに図4の1点鎖線で示すように、レイアウト1の線路に加わる電圧に応じて、直接モータ17を駆動するモードを追加することもできる。
移動体2上には、通過センサ4の通過を直接検出する機能はないが、移動体2の特徴点が通過センサ4を通過するたびに、地上の制御装置5を経由して送信されてくる、速度変更コマンドにより、目標地点に向かって、減速しながら、スムーズに停止することができる。
図6を用いて、列車間の連結器を自動制御で連結解除、および、結果の確認と再試行を行う手順を説明する。基本システムは前述の図1、図2、図3の説明を流用している。連結器22としては、磁気を利用して接続開放を行う「マグネティックカプラー」を使用する場合について説明する。他の仕様の連結器を用いる場合にも基本的動作は類似している。
「マグネティックカプラー」については、RM−MODELS誌、No.177、PP39−41(2010年5月発行)記載のKATO製品を用いた例である。
「マグネティックカプラー」については、RM−MODELS誌、No.177、PP39−41(2010年5月発行)記載のKATO製品を用いた例である。
図6において、レイアウト1中の分岐線1−2の途中の小区間に、永久磁石が内蔵された連結解除用レール21が設置されている。その連結解除用レール21の区間の位置に合わせて、列車2中の連結解除したい連結器22が停止するようにする必要がある、
まず、通過センサ4−A、停止センサ4−B、を用い列車を連結解除用レール21と連結器22が重なるように正確に停車させる。次に、地上制御部5から、先頭車両(機関車)を微小時間前後に走行させる指令を与えて、先頭車両を揺さぶる操作を行い、連結器22に加わる張力をゆるめてやり、連結器22の解除操作を行う。その後、列車2の先頭車両である機関車を前進させながら停止センサ4−Bが検知する車輪の数をカウントする。その際、機関車の車軸数より多い車輪を検出した場合は連結解除の失敗であるので、列車2を後退させ、再度、連結解除用レール21上で、連結器22の連結解除操作を行う。その後、機関車を前進させ、機関車の車軸数以内で、一定時間、車輪の検出がなければ、連結解除に成功したと判断できるので次の運転処理に移る。
まず、通過センサ4−A、停止センサ4−B、を用い列車を連結解除用レール21と連結器22が重なるように正確に停車させる。次に、地上制御部5から、先頭車両(機関車)を微小時間前後に走行させる指令を与えて、先頭車両を揺さぶる操作を行い、連結器22に加わる張力をゆるめてやり、連結器22の解除操作を行う。その後、列車2の先頭車両である機関車を前進させながら停止センサ4−Bが検知する車輪の数をカウントする。その際、機関車の車軸数より多い車輪を検出した場合は連結解除の失敗であるので、列車2を後退させ、再度、連結解除用レール21上で、連結器22の連結解除操作を行う。その後、機関車を前進させ、機関車の車軸数以内で、一定時間、車輪の検出がなければ、連結解除に成功したと判断できるので次の運転処理に移る。
図6では、先頭車両と2番目の車両間の連結器22を解除する場合について述べたが、同じ停止センサ4−Bを用い、2番目の車両と3番目の車両間の連結器の解除を行うときは、1両目の先頭の特徴点を、停止センサ4−Bで検知後、地上制御装置5を経由して、列車2に低速走行コマンドを送信し、その後2両目の先頭の特徴点が停止センサ4−Bを検知したときに停止コマンドを地上制御部5から列車2に発信させればよい。
本発明では、通過センサ4−Aや停止センサ4−Bを、列車2の特徴点が多数回通過することを利用し、各特徴点がセンサ4を通過するタイミングで地上の制御装置5から、当該列車2に速度変更指令を送信することにより、列車2中の制御装置を複雑化することなく、目標地点に向けて列車2を減速させながらスムーズかつ自動的に停止させることができるため、ホーム所定点への停止制御や、連結器の連結解除制御なども低コストで達成できる利点がある。
[実施例1][実施例2]では、鉄道模型を用いてDCC制御を行う場合に焦点を当てて説明してきたが、本発明はこの用途に限定するものではない。閉鎖系線路ないしは通路上に存在する移動車両に対して速度制御と正確な停止位置制御とが要求される用途全般において、[実施例1]や[実施例2]と同様に本発明を適用することにより、制御装置5を主体としたコンパクトかつ低コストな自動制御システムを構成することが可能である。
この場合、図1中、鉄道模型のDCC制御用のコマンドステーション3は、用いる通信の仕様などにより、変更すればよい。例えば、地上制御装置5内に無線発信機を備え、移動体2中に受信部10の代わりにアンテナを有する無線受信部10‘を設置すれば無線により制御指令を送信することもできる。
この場合、図1中、鉄道模型のDCC制御用のコマンドステーション3は、用いる通信の仕様などにより、変更すればよい。例えば、地上制御装置5内に無線発信機を備え、移動体2中に受信部10の代わりにアンテナを有する無線受信部10‘を設置すれば無線により制御指令を送信することもできる。
本発明は、閉鎖系線路ないしは閉鎖系通路上に存在する移動車両を自動制御する用途、特にシステムのコンパクト性・低コスト性と、移動車両の停止精度の双方を満たす要求のある用途に対して利点がある。鉄道模型の他に、半導体ウエハやカルテや薬品や製造部品などの、部品類の工場内や建屋内配送システム、さらには小型自動倉庫システムなどで、2台ないしはそれ以上の車両や台車を連結した移動体を用いる場合に適用できる。
1:レイアウト、2:移動体、3:コマンドステーション、4:通過センサおよび停止センサ、5:制御装置、6:車輪、7:線路、8:板状金属片、9:検知器、10:受信部、11:デコーダ、12:アドレスメモリ、13:コマンド記録処理部、14:その他制御部、15:速度フィードバック制御部、16:モータ駆動部、17:モータ、18:速度検出手段、19:A−D変換部、20:マイコン、21:連結解除用レール、22:連結器
Claims (4)
- 閉鎖系線路上に存在する移動車両中の各特徴点の位置と、通過センサの位置と、当該通過センサからの移動車両の進行距離に対する当該移動車両の速度関数ないしは当該特徴点の当該通過センサの通過に対応した指令速度とを、あらかじめ地上制御装置に登録しておき、当該移動車両中の各特徴点が当該通過センサを通過するのを検知した時、当該制御装置から当該移動車両宛に、登録内容をもとに速度指令指示ないしは停止指示を与えることを特徴とする、車両の特徴点の通過検知を用いた移動車両の地上制御装置
- 閉鎖系線路上に存在する移動車両中の特徴点の位置と、通過センサの位置と,当該通センサからの移動車両の進行距離に対する当該移動車両の速度関数ないしは当該特徴点の当該通過センサの通過に対応した指令速度とをあらかじめ登録するステップと、当該移動車両中の各特徴点が当該通過センサを通過するのを検知した時、特徴点と通過センサに対応する速度指令情報を読み出すステップと、その情報をもとに移動車両に速度指令を送信するステップとを有することを特徴とする、車両の特徴点の通過検知を用いた移動車両の地上制御方法
- 移動車両が2台以上連結していることとを特徴とする、[請求項1]記載の車両の特徴点の通過検知を用いた移動車両の地上制御装置
- 一つの通過センサを一台の移動車両が通過するに際して、通過検知に対応して、4回以上移動車両に速度指令を送信するステップを有することを特徴とする、[請求項2]記載の車両の特徴点の通過検知を用いた移動車両の地上制御方法
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