JP2012005745A - 寝床看護システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 照射波と反射波の位相差を検知するドップラーセンサー1と、タイマー2と、照射波と反射波の位相差及び時間から看護対象の動作時間、動作速度、及び看護対象の動作方向を導く検波部3と、看護対象の動作速度、及び看護対象の動作方向から看護対象の動作周期、及び動作量を導く演算手段4と、ドップラーセンサー1、検波部3、及び演算手段4から与えられた情報から看護対象の異常を検知して報知指令を出力する信号処理部5と、報知指令を受けてアラームを発する報知手段6を備え、信号処理部5は、呼吸検知手段7と、寝返り検知手段8と、落下検知手段9を備える寝床看護システム。
【選択図】 図1
Description
寝たきり高齢者が褥創を発症すると、組織の壊死、感染症などにより、高度な治療が必要となる場合があり、これが悪化すると死に至る場合もある。
一般的には、寝たきり高齢者の寝床上における***変化等を検知して一定間隔以内に***変化等が無い場合にアラームを発し、看護・介護者が寝返り介助を行なうことで褥創を予防する。
高齢者が就寝中の場合には、寝返り介助により高齢者を頻繁に起こすことになりQOLが低下するとの見方もある。従って、どの程度の頻度で寝返り介助を行なうかと同様に、誤報又は誤検知の発生が、寝返り介助を増加させ、又は怠らせる点で、介護者と被介護者双方にとって大きな問題となる。
看護対象の動作速度は、ドップラーセンサーの照射波と反射波の位相差を受け、単位時間当たりの位相差が被計測物体の速度に比例することを利用して導く。
直交検波による動作方向の検出は、例えば上記特許文献3に示す如く、照射波をfs1、反射波をfo、送信波を90度遅らせたものをfs2とし、そこから、検波出力として、2系統IF1,IF2(IF1=|fs1−fo|、IF2=|fs2−fo|)を導きIF1と、IF2の位相関係を比較することで移動方向を判断するものである。
ここで、動作方向とは、ドップラーセンサーに対しその指向線に沿って遠近に相当する方向(以下遠近方向と記す)である。
動作周期とは、動作方向が変化する周期であり、動作量とは、検波部で導いた看護対象の動作速度をその動作時間で積分した値である。従って、その方向は動作速度の方向に等しいものとなり、動作方向が変化すれば、その変化時点から新たに動作量が計測される。
異常とは、報知指令を発する要件を全て満たした状態を指す。
呼吸検知手段は、安静呼吸状態を含む人の呼吸を反映した動作周期、動作量、規定時間、及び動作欠落時間を含む呼吸に関する基準情報を有し、前記基準情報に照らして、看護対象の動作の動作周期に基づき人の呼吸を反映した動作周期の範囲内であり、且つ当該動作周期がその動作周期の範囲で規定時間以上継続している看護対象の動作を呼吸候補として選択する手段と、看護対象の呼吸数を表す看護対象の呼吸候補の動作周期が安静呼吸状態の呼吸を反映した動作周期の範囲であることと、看護対象の動作量が安静呼吸状態の呼吸を反映した動作量の範囲にあることを満たすことを以って安静呼吸状態と判断する手段と、安静呼吸状態が検出されない時間を計測し安静呼吸状態が動作欠落時間以上検出されなかった時に報知手段に対しアラームの発生を要求する報知指令を出力する手段とを備える。
呼吸候補の選択要件は、安静呼吸状態では、他の動作が混在する場合が少なく、周期は略一定であることに基づく。
安静呼吸状態の判断は、呼吸数(動作周期)とそれに伴う胸又は腹の振幅で行なう。
呼吸以外の体動又は***変化には、頭部、胴体、及び四肢の動きが関連することから、遠近異なる動きの混在、鈍敏異なる速さの混在、又は異なる動作周期の混在が見られる場合が多いことによる。
寝返り時の基準情報の動作欠落時間には、看護対象が褥創とならない程度の時間を設定することが望ましい。
落下と判断された時に報知手段に対しアラームの発生を要求する報知指令を出力する手段とを備える。
呼吸候補を選択されるに要する動作周期の継続が求められる規定時間は、約5回から約10回分の呼吸に要する時間から定めることが望ましいが、それ以上でも良い。
安静呼吸状態の呼吸を反映した動作周期の範囲は、約3秒から約5秒であり、
安静呼吸状態の呼吸を反映した動作量の範囲は、約5mmから約20mmであり、
安静呼吸状態の動作欠落時間は、約30秒であり、
安静呼吸状態の動作速度と判断する範囲は、約5mm/秒から約20mm/秒である。
寝返りを反映した動作欠落時間、即ち、寝返りの未検出により報知手段に対しアラームの発生を要求するまでの規定時間は、約180分である。
寝床からの落下を反映した動作継続時間は、滑り落ちについては約10秒以上であり、
寝床からの落下を反映した動作継続時間の範囲は、急落下については約0.5秒以上約10秒未満である。
本発明による寝床看護システムは、照射波と反射波の位相差を検知するドップラーセンサー1と、時間情報を出力するタイマー2と、検波部3と、看護対象の動作速度、及び看護対象の動作方向から看護対象の動作周期、及び動作量を導く演算手段4と、検波部3、演算手段4、及びタイマー2から与えられた情報から看護対象の異常を検知して報知指令を出力する信号処理部5と、報知指令を受けてアラームを発するスピーカーや電話端末等の報知手段6から構成する(図1参照)。
本実施の形態におけるドップラーセンサー1は、送信部及び受信部を備える。
送信部は、正弦波(以下照射波と記す)を照射し、受信部は、それらの反射波を受信する。
本実施の形態では、天井における寝床中央の真上に、寝床及びその周囲を検知範囲としたドップラーセンサー1を下向きに設置する(図2参照)。
また、本実施の形態における信号処理部5は、これら看護対象の動作速度、動作方向、及び動作時間、並びに、動作周期、及び動作量からなる実測情報を受けてメモリーに記録保持すると共に、人の呼吸、体動、若しくは***変化等を判断する為に組み合わせ保持する基準情報と実測情報を比較して看護対象の状態を判定する。
本実施の形態における呼吸検知手段は、安静呼吸状態を含む人の呼吸を反映した動作周期、動作量、規定時間、及び動作欠落時間からなる呼吸に関する基準情報が設定されており、これらの基準情報と実測情報との比較から安静呼吸状態、過呼吸状態、又は無呼吸状態(それ以外)に分別して判断する。
本実施の形態における呼吸検知手段には、呼吸候補選択手段、呼吸数算出手段、安静判定手段、過呼吸判定手段、及び呼吸警告手段を備え、人の呼吸を反映した動作周期、及び動作量として、安静呼吸状態の動作周期及び動作量と、過呼吸状態の動作周期及び動作量からなる呼吸に関する基準情報が設定されている。
本実施の形態における安静判定手段は、呼吸数算出手段で導いた呼吸数を安静呼吸状態における基準情報から導かれる呼吸数と比較して、検知した看護対象の呼吸数が基準情報から導かれる呼吸数の範囲にあることと、検知した看護対象の動作量が、安静呼吸状態の呼吸を反映した動作量の範囲にあることを満たすことを持って安静呼吸状態と判断する(図4参照)。
本実施の形態における寝返り検知手段は、寝返り候補選択手段、寝返り判定手段、及び褥創警告手段を備え、人の寝返りを反映した動作速度、動作周期、及び動作量、並びに、動作欠落時間、及び動作継続時間からなる寝返り時の基準情報が設定されている。
これらの基準情報と実測情報との比較から呼吸以外の体動、***変化、又は寝返りに分別して判断する。
そして、寝返りが検出されない時間をタイマー2で計測し、寝返りが一定時間検出されなかった時に報知手段6に対しアラームの発生を促す報知指令を発する(図8参照)。
呼吸以外の体動又は***変化は、手の可動量や頭部の可動量等、動作方向が不連続に変化し、その体動又は***変化に応じて比較的広い範囲の動作速度、動作周期の範囲、及び動作量が看護対象の動作期間に分布し得ることによる。
寝返りは、相応の時間を要する非継続的な動作であり、上記呼吸以外の体動又は***変化の要件の全てを満たすことに加えて、その動作速度が一般的に呼吸の動作速度よりも速い範囲であり、且つ、寝返りは平坦な寝床上での回転を伴う動作であって、寝床上で人体の最も薄い姿勢と厚い姿勢を体現するものであるから、その動作量が手の可動量や頭部の可動量等の体動時における動作量(約25から約100mm)を超えるものの落下を伴うまでには至らない範囲であることの要件を満たすことが必要である。また、落下と判断する基準情報としての動作量は、ドップラーセンサーの設置状況によっても異なり、例えば、ドップラーセンサーの取付位置が、側壁面など寝床の真上に無い場合には、取付角度から落下距離を算出し基準情報として用いればよい。
本実施の形態における落下検知手段は、落下判定手段、急落下判定手段、及び落下警告手段を備え、寝床からの落下を反映した動作速度、動作方向、及び動作量、並びに動作継続時間からなる落下時の基準情報が設定されている。
これらの基準情報と実測情報との比較から寝床からの看護対象の落下、及びその落下態様の判断を滑り落ち、急落下、又は検知範囲以外の落下に分別して行う。
落下と判断した場合には、報知手段6に対しアラームの発生を促す報知指令を発する。
落下と判断した場合において、更に、急落下の判断を伴う場合と伴わない場合とで、異なる報知指令を出力する様に構成してもよい。
更に、落下と判断した場合において、以後照射波と反射波の位相差の検知が成されなくなった場合には、落下した位置が寝床から離れた箇所であるとして、その判断結果に則した報知指令を報知手段へ出力する構成としても良い。
寝床からの落下を反映した動作継続時間は、滑り落ちについては10秒以上であり、
寝床からの落下を反映した動作継続時間の範囲は、急落下については0.5秒以上10秒未満である。
5 信号処理部,6 報知手段,
7 呼吸検知手段,8 寝返り検知手段,9 落下検知手段,
Claims (3)
- 照射波と反射波の位相差を検知するドップラーセンサー(1)と、時間を計るタイマー(2)と、照射波と反射波の位相差及び時間から看護対象の動作時間、動作速度、及び看護対象の動作方向を導く検波部(3)と、看護対象の動作速度及び動作方向から看護対象の動作周期及び動作量を導く演算手段(4)と、ドップラーセンサー(1)、検波部(3)、及び演算手段(4)から得た情報から看護対象の異常を検知して報知指令を出力する信号処理部(5)と、報知指令を受けてアラームを発する報知手段(6)を備え、
信号処理部(5)は、呼吸検知手段(7)と、寝返り検知手段(8)を備え、
呼吸検知手段(7)は、安静呼吸状態を含む人の呼吸を反映した動作周期、動作量、規定時間、及び動作欠落時間を含む呼吸に関する基準情報を有すると共に、
看護対象の動作周期に基づき、基準情報に含まれた人の呼吸を反映した動作周期の範囲内であり、且つ当該動作周期がその動作周期の範囲で規定時間以上継続している看護対象の動作を呼吸候補として選択する手段と、
看護対象の呼吸候補の動作周期が安静呼吸状態の呼吸を反映した動作周期の範囲であることと、看護対象の動作量が安静呼吸状態の呼吸を反映した動作量の範囲にあることを満たすことを以って安静呼吸状態と判断する手段と、
安静呼吸状態が検出されない時間を計測し安静呼吸状態が動作欠落時間以上検出されなかった時に報知手段(6)に対しアラームの発生を要求する報知指令を出力する手段を備え、
寝返り検知手段(8)は、
寝返りを反映した動作速度、動作周期、及び動作量、並びに、動作欠落時間、及び動作継続時間を含む寝返り時の基準情報を有すると共に、
看護対象の動作時間内に複数の動作速度、複数の動作周期、又は複数の動作量が混在していることの要件を満たすことを以って看護対象の動作を呼吸以外の体動又は***変化と判断する手段と、
看護対象の動作が前記呼吸以外の体動又は***変化と判断する要件を満たすことと、看護対象の動作速度又は動作周期が寝返りを反映した動作速度又は動作周期の範囲にあることと、看護対象の動作量が寝返りを反映した動作量の範囲にあることと、看護対象の動作時間が寝返りを反映した動作継続時間の範囲にあることの要件をみたすことを以って看護対象の動作を寝返りと判断する手段と、
寝返りが動作欠落時間以上検出されなかった時に報知手段(6)に対しアラームの発生を要求する報知指令を出力する手段を備えることを特徴とする寝床看護システム。 - 信号処理部(5)は、呼吸検知手段(7)と、寝返り検知手段(8)と、落下検知手段(9)を備え、
前記落下検知手段(9)は、
寝床からの落下を反映した動作方向、及び動作量を含む落下時の基準情報を有すると共に、
看護対象の動作が前記呼吸以外の体動又は***変化と判断する要件を満たすことと、看護対象の動作量が寝返りを反映した動作量を超えることの要件を満たすことを以って看護対象の動作を落下と判断する手段と、
落下と判断された時に報知手段(6)に対しアラームの発生を要求する報知指令を出力する手段とを備えることを特徴とする前記請求項1に記載の寝床看護システム。 - 信号処理部(5)は、呼吸検知手段(7)と、寝返り検知手段(8)と、落下検知手段(9)を備え、
前記落下検知手段(9)は、
寝床からの落下を反映した動作速度、動作方向、及び動作量、並びに動作継続時間を含む落下時の基準情報を有すると共に、
看護対象の動作が前記呼吸以外の体動又は***変化と判断する要件を満たすことと、看護対象の動作量が寝返りを反映した動作量を超えることの要件を満たすことを以って看護対象の動作を落下と判断する手段と、
看護対象の動作が上記落下と判断する要件を満たすことと、看護対象の動作速度が寝床からの落下を反映した動作速度の範囲であることと、看護対象の動作時間が寝床からの落下を反映した動作継続時間の範囲にあることの要件を満たすことを以って看護対象の動作を急落下と判断する手段と、
落下と判断された時に報知手段(6)に対しアラームの発生を要求する報知指令を出力する手段とを備えることを特徴とする前記請求項1又は請求項2のいずれかに記載の寝床看護システム。
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