JP2012002986A - 磁性トナー - Google Patents

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就一 廣子
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雄介 長谷川
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崇 松井
Tomohisa Sano
智久 佐野
Sadataka Suzumura
禎崇 鈴村
Shotaro Nomura
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Abstract

【課題】環境安定性、耐劣化性の高い磁性トナーを提供することにあり、特に高温高湿下で放置後の耐久使用時、ファーストプリントアウト時に発生するゴーストを抑制すると共に、耐久濃度とカブリの安定化である。
【解決手段】結着樹脂、磁性体を含有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを有する磁性トナーであって、
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた該磁性トナーの断面観察において、個々の該磁性トナーに含有される該磁性体のうち75個数%以上が該磁性トナーの表面から投影面積円相当径Cの0.15倍の深さまでに存在し、
該磁性トナーを塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度A1と、該磁性トナーをペレット状に加圧成型した試料を塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度A2の関係が以下の式(1)を満たすことを特徴とする。
A2/A1≦2.5×10-2 式(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法又はトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
近年、複写機やプリンターは新たな市場地域で使用され、様々な環境下での使用に対して、印刷の高速化と高い画像安定性が求められている。例えば、従来はオフィス内で使用されることが主流であったプリンターなどが、過酷な環境下でも使用されるようになってきており、そのような場合でも安定した画質を提供することが重要となってきている。
例えば、トナーの帯電が十分でない場合、ゴーストと呼ばれる画像欠陥が生じることがある。ゴーストとは、ベタ黒画像の黒部とベタ白画像の白地部との縞模様の画像部の後にハーフトーン画像部が形成されているような画像を形成した時に起こる。この際、ハーフトーン画像部にこの白地部の残像が画像濃度薄(以後ネガゴーストとも呼ぶ)、または画像濃度増(以後ポジゴーストとも呼ぶ)となって出現してしまう現象である。これは、ベタ黒現像後に供給されたトナーの帯電量が非現像部(ベタ白部)のトナーの帯電量と異なる場合や、ベタ黒現像後のトナー担持体(以後スリーブとも呼ぶ)上のトナー搬送量がベタ白部のトナー搬送量と異なる場合に生じてしまう。
このようなゴースト現象はトナーへの水分の付着による帯電リークが起こり易い高温高湿下で起こり易く、更に画像出力時の1枚目(以下、ファーストプリントアウトとも呼ぶ)等のトナー帯電時間が短い場合に起こり易い。
また、高温高湿下ではトナーの耐久性に関しても厳しく、例えばトナーに含有される離型剤(以後ワックスとも呼ぶ)の染み出しが起こり易く、更にトナー表面に外添剤が埋め込まれるなど、耐久劣化を促進しやすい。
更に、トナーを取り巻く環境変動が大きい場合、例えば倉庫での保管などでは、通常よりも過酷な環境下に長時間放置されることとなり、トナー性能の劣化を招きやすい。そのような履歴を経たトナーは、ゴーストや耐久性などに弊害を起こし易いという問題がある。
ゴーストの改善に対しては、帯電性の制御を目的とし、これまでにも様々な試みがなされている。
特許文献1では磁性トナーの特定溶媒に対する濡れ性を制御し、且つ、磁性トナーが含有する磁性酸化鉄粒子の形状をコントロールすることにより、磁性トナーの現像性、耐久性、流動性の観点からゴーストの改良を試みている。しかし、これにおいても高温高湿環境で放置した場合の画質と耐劣化性の観点では未だ改良の余地が残るものであった。
また、特許文献2にはトナーの塩酸溶出やトナー表面に存在するFe量を制御し、磁性体の存在状態を制御した例が紹介されているが、高温高湿下での帯電性や耐久性に関する画像安定性の向上に関しては未だ改良の余地が残るものであった。
また、特許文献3はトナーからの磁性体の溶出性を制御することにより、帯電性や流動性を制御した例が紹介されている。しかし、高温高湿下での帯電性や耐久性に関する画像安定性の向上に関しては未だ改良の余地が残るものであった。
特開2002−278146号公報 特開2008−15221号公報 特開2005−234256号公報
本発明の課題は上記従来技術の問題に鑑みなされたものであり、特に高温高湿下で放置後の耐久使用時、ファーストプリントアウト時に発生するゴーストを抑制すると共に、耐久濃度とカブリの安定化である。
本発明は、結着樹脂、磁性体を少なくとも含有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを少なくとも有する磁性トナーであって、
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた該磁性トナーの断面観察において、個々の該磁性トナーに含有される該磁性体のうち75個数%以上が該磁性トナーの表面から投影面積円相当径Cの0.15倍の深さまでに存在し、
該磁性トナーを塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度A1と、該磁性トナーをペレット状に加圧成型した試料を塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度A2の関係が以下の式(1)を満たすことを特徴とする磁性トナーに関する。
A2/A1≦2.5×10-2 式(1)
高温高湿下で放置後の耐久使用時、ファーストプリントアウト時に発生するゴーストを抑制できると共に、耐久濃度とカブリの安定化に優れた磁性トナーを得ることができる。
本発明のトナーを好適に用いることができる画像形成装置の一例を示す模式的断面図である。 ゴーストパターン概略図である。 シラン化合物の模式的なGPCチャートである。 シラン化合物の模式的な1H−NMRの模式図である。
前述の通り、特に環境変動を経た後の高温高湿下でのゴーストの抑制と耐久濃度の安定には良好な帯電性能と、環境変動や耐久時におけるトナーの劣化抑制が重要となる。つまり、高温高湿下におけるトナーに水分が吸着、浸透することによる帯電のリークを抑制し、さらに熱や水分浸透によるトナーの軟化や離型剤の染み出しを抑制することにより、良好な帯電性と耐劣化性を得ることができる。
本発明者らが鋭意検討した結果、トナー内での磁性体の存在状態に加え、更にトナーを構成する結着樹脂と磁性体の密着性を制御することで所望の帯電性と耐久性が両立できることを見出し、本発明に至った。
本発明の磁性トナーにおいて所望の帯電性と耐久性の両立を可能にした理由を、本発明者らは以下のように考えている。
本発明の磁性トナーにおいて帯電性と耐久性が両立するために重要な点は以下の2点であると考えている。
1つはトナー粒子内での磁性体の分散状態が粒子間で均一であり、且つ、磁性体をトナー表面近傍に集中させ、いわゆるシェル化した状態であることが重要な点である(以下、磁性体がトナー表面近傍に集中して存在している状態をマグシェル構造とも呼ぶ)。2つめはマグシェル状態であると同時に、磁性体と磁性体の周りに存在する結着樹脂の密着性を上げることで、磁性体周辺の樹脂を含めた強固なマグシェルを形成することが重要な点である。
このように樹脂と磁性体によるシェルの形成により、トナー外部からの水分の浸透を抑制し、トナーの軟化や帯電リークサイトの生成を抑制すると共に、熱によるトナー内部からの離型剤の染み出しを抑制できる。その結果、環境安定性が高く、高温高湿下での帯電性、耐久性に優れたトナーとすることができる。
本発明のトナーでは、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた該磁性トナーの断面観察において、個々の該磁性トナーに含有される該磁性体のうち75個数%以上が該磁性トナーの表面から投影面積円相当径Cの0.15倍の深さまでに存在させる。更に該磁性トナーを塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度A1と、該磁性トナーをペレット状に加圧成型した試料を塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度A2の関係が以下の式(1)を満たすことが重要となる。
A2/A1≦2.5×10-2 式(1)
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた該磁性トナーの断面観察において、個々の磁性トナーに含有される磁性体のうち75個数%以上が該磁性トナーの表面から投影面積円相当径Cの0.15倍の深さまでに存在させることがマグシェル構造を得る上で重要となる。
これは、本発明のマグシェル構造ではトナー表面から15%の範囲に、全磁性体の75%以上が存在していることを意味しており、磁性体の大部分が表面近傍に偏在していることを示している。
このようなマグシェル状態とすることでトナー表面近傍の遮蔽性を高め、離型剤の染み出しを抑制し、耐久性の向上を図ることができる。本発明では、このような磁性体によるマグシェル状態を更に強固にするために、磁性体周辺に存在する結着樹脂を含めたマグシェル状態の制御を行っている。以下に詳細を述べる。
磁性トナーを塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度とは、トナー中の磁性体を塩酸で溶出し、鉄溶出量を鉄の特性吸収波長である338nmでの値でモニターしたものである。つまり、本発明の吸光度は塩酸中の鉄濃度に対応する。
本発明におけるA1の値は磁性トナー1粒に対して飽和するまで溶出させたものである。
対してA2はペレット化することで個々のトナー界面を無くし、トナー中での磁性体の存在状態に左右されないバルク状態での測定となる。また、樹脂そのものへの塩酸の浸透は樹脂種によって大きく変わることはないと考えられるため、A2で表される鉄溶出量は樹脂と磁性体の隙間などの塩酸の染み込み経路が多く存在するほど深くまで浸透し、その結果多くの磁性体が塩酸により溶出されるものと考えられる。
つまり、A2で表される鉄の塩酸への溶出量は、樹脂と磁性体の隙間への塩酸が染み込み易さに比例し、即ち樹脂と磁性体の密着性に相関する。
樹脂と磁性体の密着性が低い場合、塩酸がペレット深くまで染み込み易いため多く溶出され大きな値となる。逆に樹脂と磁性体の密着性が高い場合、塩酸の染み込みが少なく溶出されにくいため、低い値となる傾向がある。
このような塩酸の染み込みは、トナーへの水分の染み込みに対応すると考えられる。トナー内部へ染み込みやすい構成の場合、トナー表面の水分飽和量も増加し、特に高温高湿下での電荷のリークなどを引き起こしやすくなる。そのため、本発明においては磁性体と樹脂の密着性の向上により、トナーへの水分の染み込みを抑制したものである。
即ち、本発明では、A2/A1を2.5×10-2以下に制御することで、トナー内部への水分の浸透を抑制し、トナー表面に存在する水分の低減を可能とし、所望の効果を得ることを可能とした。
但し、A1やA2は単独の評価の場合、磁性体含有量などに依存するため、本発明ではA1で表される飽和溶出量で規格化している。A1に対するA2の比を取ることで、トナーの飽和溶出量に対し、磁性体の存在状態や含有量に依存しない磁性体の塩酸への溶出性を表すと考えられる。つまり、A2/A1の値が小さい場合、磁性体への塩酸の溶出作用が抑制されていることを示し、即ちそれが樹脂と磁性体の密着性が高いことを意味すると本発明者らは考えている。
本発明においては、磁性体の存在状態を上記範囲に偏在させ、マグシェル構造を形成した上で、更にA2/A1の値を2.5×10-2以下に制御することで、樹脂と磁性体の密着性を向上させている。そのため、トナー表面近傍に磁性体と密着した樹脂により強固なシェルを形成することで、高いトナーの遮蔽性を得ることを可能とした。
このようにトナーの遮蔽性を高めることで、水分の侵入できる領域を減少させることができる。その結果、トナー水分の吸収が少なくなり、トナー表面のリークサイトを減少させ、高温高湿下でのファーストプリントアウト時のような十分な帯電を得るには不利な状況下においても、所望の帯電性を得ることが可能となる。この結果、現像耐久性を向上させると共にゴーストのような画像弊害を抑制できる。
このように本発明においては磁性体の存在状態と磁性体と樹脂との密着性の両方を同時に制御することで所望の性能を達成することを可能としたのである。
本発明において磁性トナーの表面から投影面積円相当径Cの0.15倍の深さまでに存在する磁性体の個数が75%未満の場合、磁性体が均一分散に近づくこととなりトナーの遮蔽性に劣る。このため、高温高湿下において耐熱性に劣るとともに、水分の浸入によるリークサイトが生まれ、所望の帯電性や耐久性に劣る。
また、A2/A1を2.5×10-2よりも大きくしてしまうと、樹脂との密着性に劣り、樹脂を含めた強固なマグシェルを形成できないため、水分の浸入や離型剤の染み出しを十分に抑制できないため、所望の帯電性や耐久性を得ることができない。
また、本発明の磁性トナーはX線光電子分光分析により測定される、該磁性トナー粒子表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)が0.0010未満であることが好ましい。
B/Aが0.0010未満であることは、鉄元素が表面に殆ど存在していないことを表しており、つまりは本発明において使用する磁性体の表面への露出が抑制されていることを示している。粒子表面に磁性体が存在しないことで、磁性体からの帯電リークを防ぐことができ、放置後のトナーでも十分な帯電の均一性が得られるため、カブリに対しても良化する。
ここでいうカブリとは帯電を適切に制御できていないトナーが、本来は画像の存在しないメディアの非画像部分に存在することを意味する。
また、本発明の磁性トナーのオルトジクロロベンゼン(ODCB)可溶分を、サイズ排除クロマトグラフィーオンライン−多角度光散乱(SEC−MALLS)を用いて測定した重量平均分子量Mwが、100000以上250000以下であり、慣性二乗半径Rwが30nm以上50nm以下であることが好ましい。
重量平均分子量Mwを100000以上250000以下とし、樹脂の慣性二乗半径Rwを30nm以上50nm以下に制御すること、つまり樹脂の広がりを制御することで、樹脂の嵩高さの過度な大小による密着性の低下を抑制し、樹脂と磁性体の密着性が更に向上する。
このような樹脂構成の制御により、トナーの溶融粘度をコントロールし、磁性体の分散性を高度に制御することができるため好ましい。
この結果、樹脂と磁性体のシェル構造をより強固なものにすることができ、また、過酷な環境下での保存性にも優れるため好ましい。
SEC−MALLSから求められる絶対分子量と慣性半径について説明する。
SECで測定される分子量分布は、分子サイズであり、強度はその存在量である。それに対し、SEC−MALLS(分離手段としてSECと多角度光散乱検出器を結合し、絶対分子量及び分子の大きさ(慣性二乗半径)を測定可能となる)で得られる光散乱強度はその分子サイズにより強度が増加する。但し、SEC−MALLS測定において溶出時間によりピークが存在することは、その分子量にある分子の広がり(分子サイズ)を持ったポリマーが個数分布を持って存在することを意味するものである。
従来のSEC法では、測定する分子がカラムを通過する際、分子篩い効果を受け、分子サイズの大きいものから順次溶出し、分子量が測定される。この場合、分子量が等しい線状ポリマーと分岐ポリマーでは前者のほうが溶液中での分子サイズが大きいので早く溶出することになる。従って、SEC法で測定される分岐ポリマーの分子量は真の分子量より小さく測定される。
一方、本発明の光散乱法では測定分子のRayleigh散乱を利用した。散乱光の強度に及ぼす光の入射角と試料濃度の依存性を測定し、Zimm法、Berry法等で解析することで線状ポリマー、分岐ポリマー全ての分子形態において真の分子量(絶対分子量)が決定できる(本発明では、SEC−MALLS測定法により絶対分子量をZimm法により算出した(後述))。これにより、トナーの分子設計を精密に行うことが可能となった。つまり、慣性二乗半径Rwは一般的に1分子あたりの広がりを示す値であると考えられる。
また、本発明のトナーは公知のいずれの方法によっても製造することが可能であるが、本発明における強固なシェルを形成させるためには、水系媒体中での製造方法が適している。水系媒体中での製造方法としては、分散重合法、会合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法等が挙げられるが、本発明のトナーは懸濁重合法で製造されることが、本発明の好適な物性を満たしやすく特に好ましい。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶解又は分散させて重合性単量体組成物を得る。その後、この重合性単量体組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を用いて分散し同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナーを得るものである。この懸濁重合法で得られるトナー(以後「重合トナー」ともいう)は、個々のトナー粒子形状がほぼ球形に揃っているため、本発明の帯電均一性を推進するために有効な製造方法の1つである。
本発明のトナーは磁性酸化鉄を有する磁性体を含有するものであり、本発明のトナーの好適な製造法である懸濁重合法などの水系媒体中で製造する場合、疎水化処理した磁性体(以下、処理磁性体とも呼ぶ)であることが好ましい。疎水化処理磁性体を用いることにより、磁性体がトナー外部に露出を抑制し、製造安定性を増すことができる。疎水化処理磁性体は未処理の磁性体を表面処理して成るものであり、下記に本発明で用いることの出来る磁性体について説明する。
磁性体は、四三酸化鉄やγ−酸化鉄などの磁性酸化鉄を主成分とするものであり、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、珪素などの元素を含んでもよい。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2.0m2/g以上30.0m2/g以下であることが好ましく、3.0m2/g以上28.0m2/g以下であることがより好ましい。
磁性体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが、画像濃度を高める上で好ましい。
磁性体は、例えば下記の方法で製造することができる。第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウム等のアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7.0以上に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを7.0以上11.0以下に維持し、空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。この時、任意のpH及び反応温度、攪拌条件を選択することにより、磁性体の形状及び磁気特性をコントロールすることが可能である。
磁性体の疎水化処理にはシラン化合物やチタン化合物などが使用できるが、本発明においては製造安定性の観点からシラン化合物を用いることが好ましい。
また、上記の通り、処理磁性体の製造では未処理磁性体を製造した後に、処理剤を均一塗布する工程を経る。
本発明においては、A2/A1を所望の範囲に制御するために処理工程での均一被覆性を更に向上させることが重要である。そのため、処理工程前の未処理磁性体の表面状態を均一性を制御することも重要となる。例えば、処理される未処理磁性体の表面の不純物を低減することで処理剤の吸着にムラが生まれにくく、磁性体の均一被覆性を良化することができる。
本発明では磁性体表面の処理を均一化させるために、磁性酸化鉄の成長過程の後工程で、磁性体表面に存在する鉄不純物を低減することが好ましい。
方法としては洗浄工程の追加や製造条件の変更など特に限定されないが、本発明の磁性体はMeOHによる溶出される鉄成分が50ppm以下であることが好ましく、更に好ましくは30ppm以下であることが好ましい。このような鉄成分の定量にはICP法、吸光度法などを用いることができる。
MeOHのような極性の高い溶媒に溶出される成分としては、鉄の高酸化物や錯体を形成したような磁性体の製造工程で生成される安定性の低い鉄化合物と考えられ、このような鉄成分を減少させることで鉄表面の状態を均一化できたものと考えられる。
具体的な方法としては、例えば磁性体製造時の磁性酸化鉄成長工程の後にpHを弱酸性領域にすることや、磁性体の洗浄工程においてアルコールなどの極性溶媒で洗浄することなどが挙げられる。
特に磁性体を表面処理する場合、表面の均一性は重要であり、例えばシラン化合物による表面処理の場合、磁性体表面の−OH基の状態に偏りが無いことが、シラン化合物との結合状態の均一性を向上させるためには好ましい。
そのため、表面−OH基の均一性も鑑みると、本発明においては従来のような水による洗浄を強化するような手法によりも、上述したような酸性領域での洗浄や極性溶媒での洗浄がより好ましい方法である。
このようにして得られた磁性体を定法によりろ過、洗浄、乾燥することにより表面組成の均一性を向上させた磁性体を得ることができる。
本発明の処理磁性体を製造するための、シラン化合物による磁性体表面処理は以下の方法で製造することができる。
本発明においては、磁性体を表面近傍に存在させマグシェル化し、更に樹脂との密着性を向上させ、強固なシェルを形成するために、磁性体の疎水性の均一化、つまり磁性体表面の処理剤被覆の均一性を高める必要がある。
磁性体の存在状態をトナー表面近傍に偏在させるには、例えば磁性体の処理剤の選択や、処理剤の量、処理条件の適正化などが挙げられる。
磁性体の表面処理に用いることが出来るシラン化合物としては、一般式(1)で示されるアルキルアルコキシシランが好ましい。中でも、アルコキシシランに加水分解処理を施して使用するのが好ましい。
mSiYn (1)
[式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1から3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、エポキシ基、(メタ)アクリル基などの官能基を示し、nは1から3の整数を示す。但し、m+n=4である。]
一般式(1)で示されるアルキルアルコキシシランとしては、例えば、ジエチルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、等を挙げることができる。
この中で、高い疎水性を磁性体に付与するという観点では、下記一般式(2)で示されるアルキルトリアルコキシシランを用いることが好ましい。
p2p+1−Si−(OCq2q+13 (2)
[式中、pは2から20の整数を示し、qは1から3の整数を示す。]
上記式におけるpが2より小さいと、処理磁性体に疎水性を十分に付与することが出来ず、またpが20より大きいと疎水性は十分になるが、磁性トナー中の処理磁性体の存在状態を制御するのが困難となる。また、pは2以上4以下とすることで、疎水性を維持しつつも、アルキルトリアルコキシシランの嵩高さを抑え、立体的な障害を抑制しやすいため、磁性体表面処理の均一性を両立するのに好ましい。
qが3より大きいとアルキルアルコキシシランの反応性が低下して疎水化が十分に行われ難くなる。よって、qが1から3の整数(より好ましくは、1又は2の整数)を示すアルキルトリアルコキシシランを使用することが好ましい。
上記アルコキシシランを用いる場合、単独で処理する、或いは複数の種類を併用して処理することが可能である。複数の種類を併用する場合、それぞれのアルコキシシランで個別に処理してもよいし、同時に処理してもよい。
また、本発明に用いられるシラン化合物はアルコキシシランに加水分解処理を施したものであることが好ましい。このことについては以下のように考えている。
アルコキシシランを処理工程に添加する前に加水分解しておくことで、磁性体表面への吸着が促進され、シラン化合物による磁性体の均一被覆に有効である。事前に加水分解を行わない場合の湿式処理では、表面処理工程時の加水分解と磁性体表面への吸着が並行して行われる。その場合、吸着のタイミングは処理剤のOH基と磁性体表面のOH基との相互作用で起こるため、加水分解率、及び縮合率に依らずランダムに吸着してしまう。そのため、処理剤の処理状態のムラを招きやすい。事前加水分解無しで乾式処理の場合は、磁性体表面へのシラン化合物の吸着性に劣り、均一性も低い傾向にある。
また、アルコキシシランを加水分解すると末端がOH基になるため、未処理の磁性体表面に存在するOH基との親和性が高まる。それにより処理剤が未処理の磁性体表面に吸着されやすくなるため、十分に表面を被覆でき、未処理部分が残り難くなる。
また、処理剤の分子量に関してもある程度嵩高くなったあとに吸着を行うため、分子量の均一化にも有効である。
こうしたシラン化合物を用いると、疎水度が一定の磁性体が製造できるため、トナー間の磁性体分散性均一化に加え、トナー内部の磁性体のうち75個数%以上を該磁性トナーの表面から投影面積円相当径Cの0.15倍の深さまでに存在させる制御を行い易い。その結果、耐久後半においてもトナー帯電性の劣化が起きにくく、本発明の高温高湿環境下の耐久画像濃度が高いまま維持される傾向が見られる。
また、アルコキシシランの加水分解は、例えば下記方法で行うことができる。
pHを4以上6以下に調整した水溶液にアルコキシシランを徐々に投入し、例えばディスパー翼などを用いて攪拌して均一に分散させ、所望の加水分解率となるように分散時間を調整し、加水分解を行う。高せん断を付与できる分散装置を用いた場合、アルコキシシランがエマルジョンを形成するためにアルコキシシランと水の接触面積が飛躍的に増加し、シロキサン率を低く維持した状態で加水分解率を増加させることができる。また、この時に加水分解時のpHを調整することも重要である。pHが高すぎる若しくは低すぎる場合、シラン化合物同士の縮合反応が進行してしまったり、加水分解がほとんど進行しなくなったりしてしまう。使用するアルコキシシランの種類によっては所望の加水分解率、シロキサン率に調整できるpH領域が異なるため、加水分解率、シロキサン率を測定しながら、適宜pHを調整する必要がある。このようにしてアルコキシシランを加水分解した水溶液を得る。
また、処理磁性体の処理剤であるシラン化合物は、アルコキシシランの加水分解率が70%以上であることが好ましく、80%以上であると更に好ましい。アルコキシシランの加水分解率の求め方、定義については後述する。
アルコキシシランを加水分解することで、上述したように処理剤と未処理の磁性体表面との親和性が高くなり、処理剤が磁性体の表面を均一に被覆しやすくなる。加水分解率を高めることによって上記親和性は高まる方向であり、処理の均一性と共に耐湿性が大幅に高まる傾向であった。本発明者らの検討の結果、アルコキシシランの加水分解率は70%以上であると処理剤の親和性が特に高まり、処理剤が均一に被覆することで高温高湿環境下で長期使用しても画像濃度が高いまま維持されるため、好ましい。アルコキシシランの加水分解率が80%以上であると、より一層の効果が期待できる。また、加水分解率の上限の制限はなく、加水分解率100%であっても、当然に本願の効果を奏するものである。
また、上記シラン化合物中の加水分解されたアルコキシシランのうち、シロキサンとして存在する割合(以下、シロキサン率ともいう。)は30%以下であることが好ましく、更に好ましくは20%以下である。ここでシロキサンとはケイ素−酸素−ケイ素結合を有する化合物を指す。シロキサン率の求め方、定義については後述する。
シロキサンは加水分解されたアルコキシシラン同士の縮合反応により生成するため、加水分解されたアルコキシシラン単体よりも嵩高い。そのため、磁性体表面を均一に処理するためにはシロキサン率を低く抑えることが重要であった。シロキサン率を40%以下とすると、処理磁性体表面に存在するシロキサン量を低く抑えることが出来るため、磁性体表面処理のムラが抑制される。その結果、磁性体と樹脂の密着性が向上し、高温高湿下での水分の吸収によるリークサイトを低減できるため、高温高湿下でのゴーストの抑制や耐久濃度が向上するため好ましい。
磁性体を表面処理する方法としては乾式と湿式の2種類がある。乾式にて表面処理をする場合、洗浄・ろ過・乾燥した磁性体にシラン化合物を投入し、気相中にて表面処理を行う。湿式にて表面処理を行う場合、酸化反応終了後、乾燥させたものを再分散させる、又は酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄体を乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させ、表面処理を行う。
上述したように、磁性体を表面処理する方法としては乾式と湿式の2種類があり、処理工程を経ることで、磁性体表面とシラン化合物は水素結合的に吸着している。いずれの方法においても表面処理後、乾燥工程を行うことで脱水縮合反応を進め、強固な結合としている。本発明に使用する磁性体はシラン化合物により気相中で表面処理(以下、乾式法とも呼ぶ)された磁性体であることが、本発明のマグシェル構造及びA2/A1の制御のために好ましい。
この理由については、以下のように考えている。乾式法では、反応系内に水が少量しか存在しないため、シラン化合物に含まれる親水基と水とで水素結合を形成しにくい。よって、水が存在する湿式処理に比べ、磁性体表面との水素結合率が高くなり、より均一で効率的なシラン化合物による疎水化処理を行うことができる。
また、処理剤の親水基が水と水素結合を形成して水をトラップしたまま磁性体表面に吸着及び反応すると、親水基が未反応のまま処理磁性体表面に残る。親水基は水と馴染みやすいため、磁性体親水基が多く存在する場合、トナー製造時の磁性体の偏在にばらつきが生まれやすい。これにより強固なシェル化が進みにくい。
乾式処理法はこうした水素結合に由来する不具合を防止できるため、本発明の処理磁性体に求められる処理剤の均一被覆によるマグシェル化の更なる向上を達成でき、また、樹脂とのなじみ性があがるため、強固なシェルの構成に有利である。
次に、乾式処理の具体的な方法について例示する。乾式処理法には処理剤を揮発させて処理する方法、スプレードライヤーの如き装置を用いて噴霧する方法、ヘンシェルミキサー等の装置を用いてシェアをかけながら攪拌する手法がある。中でも、ヘンシェルミキサーの如き攪拌装置を用いて処理する手法が簡便且つ本発明が求める処理磁性体物性に制御しやすく、好ましい。そうした処理方法を用いる場合、未処理の磁性体を分散させながら上記水溶液を滴下した後さらに分散させることで、シラン化合物の加水分解物が表面に吸着した磁性体が得られる。
その後加熱によって縮合反応を進行させることで、疎水化処理した処理磁性体が得られる。
また、上記の通り、処理磁性体の製造では生地粉を製造した後に、処理剤を均一塗布する工程を経る。
本発明においては、A2/A1を所望の範囲に制御するために処理工程での均一被覆性を更に向上させ、処理工程前の生地粉の表面状態を均一化することが重要となる。処理される生地粉の表面状態が均一組成な場合、処理剤の吸着にムラが生まれにくく、磁性体の均一被覆性を良化することができる。
また、本発明のトナーに使用される磁性体の単位面積あたりの水分吸着量が0.30mg/m2以下であることが望ましい。磁性体の水分吸着量を0.30mg/m2以下に低減することでトナー製造時にモノマー成分とのなじみ性が上がり、本発明のシェルをより強固なものにすることが可能となるため、帯電の均一性が向上し、耐久後半のカブリの悪化を抑制できるため好ましい。
また、本発明では、処理磁性体以外に他の着色剤を併用しても良い。併用し得る着色剤としては、上記した公知の染料及び顔料の他、磁性又は非磁性の無機化合物が挙げられる。具体的には、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、又はこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金、ヘマタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げられる。これらもまた、表面を処理して用いることが好ましい。
また、本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は3.0μm以上12.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは4.0μm以上10.0μm以下であり、更に好ましくは5μm以上9μm以下である。重量平均粒径(D4)が3.0μm以上12.0μm以下であると良好な流動性が得られ、帯電の均一性を得るためには好ましい。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は40.0℃以上70.0℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が40.0℃以上70.0℃以下であると、良好な定着性を維持しつつ保存安定性、そして耐久性を向上できる。
本発明において好ましい製造方法である懸濁重合トナーの製造において、重合性単量体組成物を構成する重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル類、その他のアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げられる。これらの単量体は単独で、又は混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単独で、或いは他の単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明ではトナーのオルトジクロロベンゼン(ODCB)可溶分の重量平均分子量Mwと慣性二乗半径Rwを一定の範囲に制御することが好ましい。
このため、例えば本発明のトナーを懸濁重合により製造する場合、重合性単量体の反応性を制御することでトナー樹脂の重量平均分子量Mwと慣性二乗半径Rwを所望の範囲にすることが可能になる。
本発明の範囲へ制御するためには、重合開始剤の開裂により発生するラジカル濃度を制御することが好ましい。例えば本発明の磁性トナーの製造において使用される重合開始剤としては、重合反応時における半減期が0.5時間以上30.0時間以下であるものが好ましく、更に好ましくは0.5時間以上20.0時間以下であるものが好ましい。
また、トナーの反応工程において反応初期の設定温度を開始剤の10時間半減期温度に対し、10℃以上30℃以下の範囲で高くすることが好ましく、更に好ましくは15℃以上25℃以下の範囲で高くすることが好ましい。
また、重合開始剤の添加量は重合性単量体100質量部に対して0.5質量部以上20.0質量部以下である事が好ましい。更に好ましくは2.0質量部以上15.0質量部以下であることが本発明の重量平均分子量(Mw)に制御するためには好ましい。
このように開始剤の種類と量の選択とそれに応じた反応温度の適宜選択により、重合初期の反応性を制御することで特に慣性二乗半径Rwに関連する分子鎖長を調整することができる。
重合の反応性を制御する手段としては、他にも重合中に開始剤を追加添加する、あるいは、高い重合温度で酸化−還元反応(レドックス反応)を行う等が挙げられる。
具体的な重合開始剤例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤、ジ(セカンダリー)パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート等の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
架橋剤としては、重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物が単独もしくは混合物として用いられる。
本発明のトナーには、定着性向上のために必要に応じて離型剤を配合しても良い。離型剤としては公知の全ての離型剤を用いることが出来る。具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体、エステルワックスなどである。ここで、誘導体とは酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。また、エステルワックスとしては1官能エステルワックス、2官能エステルワックスをはじめ、4官能や6官能等の多官能エステルワックスを用いることが出来る。また、これらの離型剤は2種以上を併用することも可能である。
離型剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対し1質量部以上40質量部以下を含有することが好ましい。より好ましくは、2質量部以上30質量部以下である。
本発明のトナーを重合法で製造する方法では、一般に上述のトナー組成物等を適宜加えて、ホモジナイザー、ボールミル、超音波分散機等の分散機に依って均一に溶解又は分散させた重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒径がシャープになる。造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持され且つ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
本発明のトナーを製造する場合には、分散安定剤として公知の界面活性剤や有機分散剤・無機分散剤が使用できる。中でも無機分散剤は、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いため、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸三カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛、ヒドロキシアパタイト等の燐酸多価金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩、メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機化合物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.20質量部以上20.00質量部以下の量を用いることが好ましい。また、上記分散安定剤は単独で用いても良いし、複数種を併用してもよい。更に、重合性単量体100質量部に対して、0.0001質量部以上0.1000質量部以下の界面活性剤を併用しても良い。
上記工程終了後、得られた重合体粒子を公知の方法によって濾過、洗浄、乾燥することによりトナー粒子が得られる。このトナー粒子に、後述するような無機微粉体を必要に応じて混合して該トナー粒子の表面に付着させることで、本発明のトナーを得ることができる。また、製造工程(無機微粉体の混合前)に分級工程を入れ、トナー粒子中に含まれる粗粉や微粉をカットすることも可能である。
本発明のトナーには、帯電特性向上のために必要に応じて荷電制御剤を配合しても良い。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、帯電スピードが速く、且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が特に好ましい。更に、トナーを後述するような重合法を用いて製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。荷電制御剤のうち、ネガ系荷電制御剤として具体的には、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料又はアゾ顔料の金属塩又は金属錯体、スルフォン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン等が挙げられる。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
荷電制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー粒子内部に添加する方法と、懸濁重合によりトナーの製造を行う場合には、造粒前に重合性単量体組成物中に荷電制御剤を添加する方法が一般的である。また、水中で油液滴を形成し重合を行っている最中、又は重合後に荷電制御剤を溶解、懸濁させた重合性単量体を加えることによりシード重合を行い、トナー表面を均一に覆うことも可能である。また、荷電制御剤として有機金属化合物を用いる場合は、トナー粒子にこれら化合物を添加し、シェアをかけ混合・攪拌することにより導入することも可能である。
これらの荷電制御剤の使用量は、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり、一義的に限定されるものではない。しかし、トナー粒子に内部添加する場合、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5.0質量部以下の範囲で用いられる。また、トナー粒子に外部添加する場合、トナー100質量部に対し、好ましくは0.005質量部以上1.000質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上0.30質量部以下である。
本発明のトナーは耐久現像性の更なる向上のためにコア−シェル構造を有していることが好ましい。これは、シェル層を有することによりトナーの表面性が均一になり、流動性が向上すると共に帯電性が均一になるためである。また、高分子量体のシェルが均一に表層を覆うため、長期保存においても離型剤の染み出し等が生じ難く保存安定性が向上する。このため、シェル層には非晶質の高分子量体を用いることが好ましく、帯電の安定性と言う観点から酸価は5.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下である事が好ましい。
シェルを形成させる具体的手法としては、水系媒体中でトナーを製造する場合はコア粒子にシェル用の微粒子を付着させ、乾燥させることによりシェル層を形成させることが可能である。
また、本発明で好ましく用いられる懸濁重合法においてはシェル用の高分子量体の親水性を利用し、水との界面、即ち、トナー表面近傍にこれら高分子量体を偏在せしめ、シェルを形成することが可能である。さらには、所謂シード重合法によりコア粒子表面にモノマーを膨潤させ、重合することによりシェルを形成することができる。
シェルを形成する樹脂としては特に非晶質ポリエステルが上記効果が大きく発現され好ましい。本発明に使用される非晶質ポリエステル樹脂は、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、あるいはその両者を適宜選択して使用することが可能である。
また、シェルを形成する高分子量体の数平均分子量(Mn)は2500以上20000以下が好ましく用いられる。
本発明のトナーには、必要に応じて流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナー粒子に外添することにより、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものである。このような流動性向上剤としては、例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末,湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシラン化合物、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理微粉末,酸化亜鉛、酸化スズの如き酸化物,チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸ストロンチウムやジルコン酸カルシウムの如き複酸化物,炭酸カルシウム及び、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩化合物等が挙げられる。
流動化剤として個数平均1次粒径(D1)が4nm以上80nm以下、より好ましくは6nm以上40nm以下の無機微粉体がトナー粒子に添加されることも好ましい形態である。無機微粉体は、トナーの流動性改良及びトナー粒子の帯電均一化のために添加されるが、無機微粉体を疎水化処理するなどの処理によってトナーの帯電量の調整、環境安定性の向上等の機能を付与することも好ましい形態である。
次に、本発明のトナーを好適に用いることのできる画像形成装置の一例を図1に沿って具体的に説明する。図1において、100は静電潜像担持体(以下、感光体とも呼ぶ)であり、その周囲に帯電ローラー117、トナー担持体102を有する現像器140、転写帯電ローラー114、クリーナー116、レジスタローラー124等が設けられている。静電潜像担持体100は帯電ローラー117によって例えば−600Vに帯電される(印加電圧は例えば交流電圧1.85kVpp、直流電圧−620Vdc)。そして、レーザー発生装置121によりレーザー光123を静電潜像担持体100に照射することによって露光が行われ、目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像担持体100上の静電潜像は現像器140によって一成分トナーで現像されてトナー画像を得、トナー画像は転写材を介して静電潜像担持体に当接された転写ローラー114により転写材上へ転写される。トナー画像を載せた転写材は搬送ベルト125等により定着器126へ運ばれ転写材上に定着される。また、一部静電潜像担持体上に残されたトナーはクリーナー116によりクリーニングされる。
次に、本発明のトナーに係る各物性の測定方法に関して記載する。
(1)トナーの塩酸溶出測定
本発明のトナーの塩酸溶出A1及びA2は測定試料の状態が異なること以外は以下の方法で測定した。
A1測定時は測定試料として、トナー粒子0.30gそのまま用いる。
A2測定時は、測定試料としては、25℃の環境下で、トナー粒子0.30gを錠剤成型器を用いて、10kNの力で1分荷重をかけることで直径7.9mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。
上記の測定試料に対して、「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を3%含んだ2.7mol/l濃度の塩酸10gに含浸させる。
その後24時間静置した後、溶解後の溶液をそれぞれサンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2以上0.5μm以下、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)が使用できる。)でろ過した。次いで、5倍に希釈を行い、その後石英セルに入れ、分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)を用いて鉄の特性吸収波長である波長338nmでの吸光度を測定した。また、このとき対照セルにはトナーを溶解していない「コンタミノンN」3%を含んだ2.7mol/l濃度の塩酸を入れておく。
測定条件:スキャン速度(中速),スリット幅(0.5nm),サンプリングピッチ(2nm),測定範囲(600nm乃至250nm)
吸光度の測定原理は以下の通りである。
A=log10(I0/I)
A:吸光度
0:入射光強度
I:透過光強度
(2)磁性トナーのB/A測定
本発明における磁性トナー粒子表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)は、ESCA(X線光電子分光分析)により表面組成分析を行い算出した。
本発明では、ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:PHI社(Physical Electronics Industries,Inc.)製 1600S型 X線光電子分光装置
測定条件:X線源 MgKα(400W)
分光領域800μmφ
本発明では、測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度(原子%)を算出した。
測定試料としては、磁性トナーを用いるが、磁性トナーに外添剤が添加されている場合には、イソプロパノールの如き磁性トナーを溶解しない溶媒を用いて、磁性トナーを洗浄し、外添剤を取り除いた後に測定を行う。
(3)磁性体分布の測定方法
本発明において、TEMによる磁性体分布の測定方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中へ観察すべき粒子を十分に分散させる。その後温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、そのまま、あるいは凍結してダイヤモンド歯を備えたミクロトームにより薄片状のサンプルとして観察する方法が好ましい。
該当する粒子数の割合の具体的な決定方法については、以下のとおりである。
TEMにて磁性体の分布を決定するための粒子は、顕微鏡写真での断面積から円相当径を求め、その値がコールターカウンターを用いる後述の方法により求めた数平均粒径の±10%の幅に含まれるものを該当粒子とする。その該当粒子100個について、円相当径の0.15倍より外側にある磁性体数をカウントすることによって得る。
このときの顕微鏡写真は精度の高い測定を行うために、1万〜2万倍の倍率が好適である。本発明では、透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を装置として用い、加速電圧100kVで観察し、拡大倍率が1万倍の顕微鏡写真を用いて観察、測定した。
(4)サイズ排除クロマトグラフィーオンライン−多角度光散乱(SEC−MALLS)を用いた重量平均分子量Mw慣性二乗半径Rwの測定方法
トナー0.03gをオルトジクロロベンゼン(ODCB)10mlに分散し溶解後、温度25℃で24時間、振とう投機を用い、振とうした後にし、0.2μmフィルターで濾過して、トナーの可溶分を、その濾液として得る。当該濾液を試料として用いる。
[分析条件]
分離カラム :TOSOH(TSK gel GMHHR−H(20) HT×3)
カラム温度 :135℃
移動相溶媒 :オルトジクロロベンゼン
移動相流速 :1.0ml/min.
試料濃度 :0.3%
注入量 :300μl
検出器1 :多角度光散乱検出器(Wyatt DAWN EOS)
検出器2 :示差屈折率検出器 (Shodex RI−71)
[測定理論]
(LS)=(dn/dc)2×C×Mw×KLS (1)
(LS) ;検出器の測定電圧値(v)
(dn/dc);試料1gあたりの屈折率の増分(ml/g)
C ;濃度(g/ml)
KLS ;測定電圧と散乱強度(還元レイリー比)の係数(装置定数)
上記(dn/dc)は、本発明においてはポリスチレンの文献値から0.068ml/gとする。
SEC−MALLSでは、SECカラムの分子篩いにより分子サイズで分離され、Mw(絶対分子量)とC(濃度)が刻々変化し溶出されてくるため別途濃度検出器をMALLSと組み合わせ測定する必要がある。その信号強度を濃度Cに換算し分子量Mw求める。
本発明では、濃度検出器として示差屈折率検出器(RI)を使用し、RI検出器の信号強度(RI)を濃度Cに換算し用いる。
(RI)=(dn/dc)×C×KRI (2)
KRI;測定電圧と屈折率の係数(RI定数 ポリスチレン標準にて校正)
なお、分子サイズ(慣性二乗半径)はDebye Plotにより算出する。
(5)トナーの重量平均粒径(D4)
本発明のトナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。また、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
1−1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
1−2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
1−3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れる。この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
1−4)前記1−2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
1−5)前記1−4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
1−6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記1−5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
1−7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
(6)磁性体の水分吸着量測定
水分吸着量の測定においては、まず磁性体を温度30℃湿度80%の環境下に72時間放置した後に下記測定装置にて測定した。水分吸着量の測定は平沼産業社製の水分測定装置を使用した。具体的には、微量水分測定装置AQ−2100、自動加熱気化水分測定システムAQS−2320、自動水分気化装置SE320を組み合わせて用い、カールフィッシャー電量滴定法によって処理磁性体中の水分量を測定した。測定条件を以下に述べる。測定方式は待ち時間(INTERVAL)制御方式を採用した。設定時間を40秒とし、加熱温度は120℃、処理磁性体の仕込み量は2.0gとした。なお、この測定によって単位重量あたりの水分吸着量が得られる。
(7)シラン化合物の加水分解率測定方法
シラン化合物の加水分解率について述べる。アルコキシシランに加水分解処理を施すと、加水分解物と未加水分解物及び縮合物により構成される混合物が得られる。下記に述べるのは、得られる混合物中における加水分解物の比率である。この混合物は上述したシラン化合物に該当するものである。
まず、アルコキシシランの加水分解反応に関して、メトキシシランを例に取って説明する。メトキシシランが加水分解すると、メトキシ基がヒドロキシル基になると共にメタノールが生成する。したがって、メトキシ基とメタノールの量比から加水分解の進行度を知ることが出来る。本発明では、1H−NMR(核磁気共鳴)によって上記量比を測定し、加水分解率を求めた。メトキシシランを例として、具体的な測定及び計算手法を下記に示す。
まず、加水分解処理を施す前のメトキシシランの1H−NMR(核磁気共鳴)を重クロロホルムを用いて測定し、メトキシ基由来のピーク位置を確認した。その後、メトキシシランに対して加水分解処理を施してシラン化合物とし、未処理の磁性体に対して加える直前のシラン化合物水溶液をpH7.0、温度10℃にすることで加水分解反応を停止させた。得られた水溶液の水分を除去してシラン化合物の乾固物を得た。この乾固物に重クロロホルムを少量添加して1H−NMRを測定した。得られたスペクトルにおけるメトキシ基由来のピークは、予め確認したピーク位置を元に決定した。メトキシ基由来のピーク面積をA、メタノールのメチル基由来のピーク面積をBとして(図4参照)、加水分解率を下式で求めた。
加水分解率(%)=B/(A+B)×100
なお、1H−NMRの測定条件は下記のように設定した。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :1024回
測定温度 :40℃
(8)アルコキシシラン加水分解物中におけるシロキサンの存在比率測定方法
アルコキシシランのうち、シロキサンとして存在する比率(シロキサン率)は、シラン化合物のうち未加水分解物を除いた成分の合計に対しての縮合物の割合である。つまり、加水分解が進行した成分のうち、縮合物になってしまったものの量比を示している。この縮合物比率が高いと、磁性体を表面処理する際に前述したように均一な処理を阻害してしまう。
シラン化合物中の、化合物の定量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記のように測定する。事前に、加水分解処理を施していないアルコキシシランのGPCを測定し、保持時間を確認しておく。
酢酸とトリエチルアミン及びイオン交換水を用いて、測定するシラン化合物と同一のpHに調整した水溶液70体積%と、アセトニトリル30体積%を混合して溶離液を調製した。このとき、加水分解を施していないアルコキシシランを測定する場合にはpHを7乃至8に調整して測定した。次いで、溶離液中に測定するシラン化合物を10体積%となるように十分溶解して、測定試料としてGPCを測定した。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:GF−310−HQ(昭和電工株式会社製)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:25μL
続いて、シラン化合物のGPCの結果よりβ、γを算出する方法について下記に記述する。
シラン化合物をGPCで測定した場合、模式的に示した図3のようなチャートが得られる。図3には加水分解処理前(上)と後(下)のチャートを示しており、上段の模式図は加水分解処理を施す前のアルコキシシランを測定して得られるGPCチャートを示している。下段の模式図はアルコキシシランの加水分解処理を進め、アルコキシシラン、加水分解物、シロキサンが存在する状態のGPCチャートを示しており、ピークの帰属も模式図上に記載した。
得られたチャートにおいてシラン化合物に由来するピークの全面積をβとし、加水分解されたアルコキシシランの縮合物であるシロキサンに対応するピークの面積をγとした。これらβ、γを用いてシロキサン率を下記式の如く定義した。
シロキサン率(%)=100×γ/β
以下、本発明を製造例及び実施例により更に具体的に説明する。なお、以下の配合における部数は全て質量部を示す。
<未処理磁性体Aの製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0当量以上1.1当量以下の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で1.5質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
水溶液をpH9.0に維持しながら、空気を吹き込み、80℃以上90℃以下で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。その後、スラリー液をpH8.0に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。
このスラリーをpH4.0になるよう塩酸により調整し、不純物を除去する工程を経た。
このスラリーをろ過と洗浄を行った後、再びろ過をした。その後、解砕、乾燥を行った後、未処理の磁性体Aを得た。未処理磁性体Aを再度MeOHに含浸したところ、Fe濃度は25ppmであった。
<未処理磁性体Bの製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0当量以上1.1当量以下の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で1.5質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
水溶液をpH9.0に維持しながら、空気を吹き込み、80℃以上90℃以下で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。その後、スラリー液をpH8.0に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。
このスラリーをろ過と洗浄を行った後、再びろ過をした。その後、解砕、乾燥を行った後、再びメタノール中で60分洗浄工程を行った後、ろ過、洗浄、再ろ過、解砕、乾燥を行い未処理の磁性体Bを得た。
未処理磁性体Bを再度MeOHに含浸したところ、Fe濃度は45ppmであった。
<未処理磁性体Cの製造>
未処理磁性体Aの製造方法において、メタノール洗浄を行わなかった以外は未処理磁性体Aと同様にして未処理磁性体Cを得た。未処理磁性体CをMeOHに含浸したところ、Fe濃度は150ppmであった。
<シラン化合物1の調製>
イソブチルトリメトキシシラン10部をイオン交換水80部に対して攪拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.1、温度50℃に保持し、ディスパー翼を用いて0.46m/sで60分分散させて加水分解を行い、加水分解物を含有する水溶液であるシラン化合物1を得た。このシラン化合物1の物性を測定したところ、加水分解率は90%であった。得られたシラン化合物1の物性を表1に示す。
<シラン化合物2乃至5及び7の調製>
表1に記載するアルコキシシランを用い、加水分解率が所望の値となるよう、加水分解時間、温度を調整したこと以外はシラン化合物1の製造と同様にして、シラン化合物2乃至5及び7を得た。得られたシラン化合物2乃至5及び7の物性を表1に示す。
シラン化合物6は表1に記載するアルコキシシランを用い、加水分解を行わず、そのまま用いた。
Figure 2012002986
<磁性体1の製造>
未処理の磁性体A100部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株):FM−10C)に入れ、周速34.5m/sで分散しながら、シラン化合物1を3.5部噴霧して加えた。
そのまま10分間分散させた後、シラン化合物1が吸着した磁性体を取り出し、150℃で4時間静置して、処理磁性体を乾燥すると共にシラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過した体積平均粒径が0.23μmの処理磁性体1として得た。この磁性体1の水分吸着量を測定した所0.16mg/m2であった。得られた処理磁性体1の物性を表2に示す。
<磁性体2乃至5、及び7、8の製造>
磁性体1の製造において、未処理の磁性体、シラン化合物、シラン化合物の添加量を表2に記載したように変更すること以外は磁性体1の製造と同様にして、磁性体2乃至5、及び7、8を得た。得られた磁性体2乃至5、及び7、8の物性を表2に示す。
<磁性体6の製造>
未処理磁性体Aを水中にリスラリーした。次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。その後、スラリー液をpH8.0に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。
そして、撹拌しながらシラン化合物1を磁性酸化鉄100部に対し2.5部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加した。その後撹拌を十分行うと共にスラリーを循環させながらピンミルにて分散を行い、分散液のpHを8.6にして表面処理を10時間行った。
磁性体の疎水性を更に高めるため、さらにシラン化合物1を磁性酸化鉄100部に対し1.0部追加添加し、分散液のpHを8.6にして更に10時間表面処理を行った。
生成した疎水性磁性体をフィルタープレスにてろ過し、多量の水で洗浄した後に70℃で3時間、100℃で5時間乾燥し、得られた粒子を解砕処理して体積平均粒径が0.23μmの磁性体6を得た。得られた磁性体6の物性を表2に示す。
<比較用磁性体1乃至3の製造>
磁性体6の製造において、未処理磁性体、シラン化合物の種類を表2に記載したように変更したこと以外は磁性体6の製造と同様にして比較用処理磁性体1乃至3を得た。得られた比較用処理磁性体1乃至3の物性を表2に示す。
<トナーの製造例1>
イオン交換水720部に0.1M−Na3PO4水溶液451部を投入して60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7部を添加して、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
・スチレン 75.0部
・n−ブチルアクリレート 25.0部
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 0.50部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 1.0部
・磁性体1 90.0部
・飽和ポリエステル樹脂 5.0部
(ビスフェノールAのエチレンオキサイド2.0モル付加物とテレフタル酸との縮合反応により得られる飽和ポリエステル樹脂;数平均分子量(Mn)が=5000、酸価が=12mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)が=68℃)
上記成分をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにベヘン酸ベヘニルワックス(融点:73℃)15.0部を混合溶解した後、重合開始剤t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート5部を溶解させた。
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて18.8m/sで10分間撹拌し、造粒した。
その後パドル撹拌翼で撹拌しつつその後、パドル撹拌翼で撹拌し、温度70℃(重合開始剤の10時間半減期温度より17℃高い温度)にて反応工程を行った。反応時間300分の時点で反応工程を終了した。
反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて分散剤を溶解し、濾過、水洗、乾燥してトナー粒子1を得た。
トナー粒子1を100部と、一次粒径12nmのシリカにヘキサメチルジシラザンで処理をした後シリコーンオイルで処理し、処理後のBET比表面積値が120m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))を用い混合した。その結果、重量平均粒径(D4)が7.5μmの磁性トナー1を得た。得られた磁性トナーを分析したところ、スチレン−アクリルにより構成される結着樹脂100部を含有していた。
磁性トナー1の物性を表3に示す。
<磁性トナー2乃至12、及び比較用磁性トナー1乃至3の製造>
磁性トナー1の製造において、処理磁性体の種類、重合開始剤の種類、添加量を表3の通りに変更したこと以外は磁性トナー1の製造と同様にし、磁性トナー2乃至12、及び比較用磁性トナー1乃至3を得た。これらの磁性トナーを分析したところ、結着樹脂100部を含有していた。
得られた磁性トナー2乃至12、及び比較用磁性トナー1乃至3の物性を表3に示す。
Figure 2012002986
Figure 2012002986
(実施例1)
磁性トナー1を用いて以下の評価を行った。
本発明では例えば倉庫での保管などの、通常よりも過酷な環境下に長時間放置された場合の劣化を促進したトナーを想定し、過酷環境放置後の評価を行った。
以下のゴースト、耐久濃度、カブリの画像評価には磁性トナー1を温度45℃、湿度90%の高温高湿下で3日間放置したものを用いた。
[ゴースト評価]
市販のレーザービームプリンタLBP3410(キヤノン社製)を使用し、温度32.5℃、湿度85%の高温高湿下でA4紙(CS−680:68g/m2)を用いて画像評価を行った。
ゴースト評価には均一帯電に最も厳しい1枚目の画像で評価を行った。
ゴーストに関する画像評価には、トナー担持体一周分だけベタ黒の帯を出力した後ハーフトーンの画像を出力した。パターンの概略図を図2に示す。評価方法は、一枚のプリント画像のうち、トナー担持体2周目で、1周目で黒画像が形成された場所(黒印字部)と、されない場所(非画像部)での、マクベス濃度反射計により測定された反射濃度の差を下記のごとく算出した。ゴーストは、一般的にトナー担持体2周目で出る画像において、トナー担持体1周目に黒印字部だった部分の画像濃度が、トナー担持体1周目に非画像部だった部分の画像濃度と異なり、1周目で出したパターンの形がそのまま現れる現象である。ここの濃度差を、反射濃度差を測定することにより評価を行った。尚、同時に過酷環境下に放置していないトナーについても評価を行った。
反射濃度差=|反射濃度(像形成されない場所)−反射濃度(像形成された場所)|
反射濃度差が小さいほどゴーストの発生はなくレベルは良い。ゴーストの総合評価としてA、B、C、D、Eの5段階で評価した。
なお、反射濃度差の値は、最大の濃度差の値とした。
A:反射濃度差 0.02未満
B:反射濃度差 0.02以上0.04未満
C:反射濃度差 0.04以上0.06未満(実用可能レベル)
D:反射濃度差 0.06以上0.10未満(実用上好ましくないレベル)
E:反射濃度差 0.10以上
[耐久画像濃度]
市販のレーザービームプリンタLBP3410(キヤノン社製)を使用し、温度32.5℃、湿度85%の高温高湿下で画像評価を行った。
評価は印字率が4%の横線を連続モードで6000枚画出しした後のベタ黒濃度を耐久後濃度とした。また、初期画像濃度の評価としてゴースト画像出力後2枚目のベタ黒画像を評価した。
画像濃度については、「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、以下の基準で評価した。
A:画像濃度が1.45以上
B:画像濃度が1.35以上1.45未満
C:画像濃度が1.25以上1.35未満(実用可能レベル)
D:画像濃度が1.15以上1.25未満(実用上好ましくないレベル)
E:画像濃度が1.15未満
[カブリ]
市販のレーザービームプリンタLBP3410(キヤノン社製)を使用し、温度32.5℃、湿度85%の高温高湿下で画像評価を行った。
評価は印字率が4%の横線を連続モードで6000枚画出しした後のベタ白画像を評価した。
その後、低温低湿環境(15.0℃、10%RH)へマシンごと移動し、1日放置した後にベタ白画像を出力し、評価を行った。
カブリの測定については、東京電色社製の反射濃度計、REFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して、標準紙及びプリントアウト画像の非画像部の反射率を測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用いた。白画像出力前後の反射率から、下記式を用いてカブリを算出した。なお、カブリは得られたカブリ値の最大値を用いて以下の判断基準に従って評価した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
A:カブリ(反射率)が1.0%以下
B:カブリ(反射率)が1.0超から1.5%以下
C:カブリ(反射率)が1.5超から2.0%以下
D:カブリ(反射率)が2.0%超
[保存性]
トナー10gを50mlのポリカップに入れ、50℃、95%RHの恒温槽に3日間静置し、その時のトナーのブロッキング程度を評価した。
A:トナーの流動性は変わらない
B:流動性は悪化しているが回復する
C:凝集塊があり、ほぐれにくい。
D:流動性がない、又はケーキングを生じ、実用上好ましくないレベル
トナー1は上記評価において、ゴースト、濃度、カブリ、保存性の全ての評価項目において良好な結果であった。
(実施例2乃至12)
実施例1と同様の評価を磁性トナー2乃至磁性トナー12に対し行い、結果を表4にまとめた。
いずれの評価においても実用上問題ないレベルであった。
(比較例1乃至3)
実施例1と同様の評価を比較用磁性トナー1乃至3に対し行い、結果を表4にまとめた。
ゴースト、耐久濃度、カブリ、保存性のいずれかの評価項目において実用上好ましくない結果であった。
Figure 2012002986
100 静電潜像担持体(感光体)、102 トナー担持体、114 転写部材(転写ローラー)、116 クリーナー、117 接触帯電部材(帯電ローラー)、121 レーザー発生装置(潜像形成手段、露光装置)、123 レーザー、124 レジスタローラー、125 搬送ベルト、126 定着器、140 現像器、141 攪拌部材

Claims (7)

  1. 結着樹脂、磁性体を少なくとも含有する磁性トナー粒子と、無機微粉体とを少なくとも有する磁性トナーであって、
    透過型電子顕微鏡(TEM)を用いた該磁性トナーの断面観察において、個々の該磁性トナーに含有される該磁性体のうち75個数%以上が該磁性トナーの表面から投影面積円相当径Cの0.15倍の深さまでに存在し、
    該磁性トナーを塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度A1と、該磁性トナーをペレット状に加圧成型した試料を塩酸中に含浸した際の上澄み液の波長338nmでの吸光度A2の関係が以下の式(1)を満たすことを特徴とする磁性トナー。
    A2/A1≦2.5×10-2 式(1)
  2. X線光電子分光分析により測定される、該磁性トナー粒子表面に存在する炭素元素の含有量(A)に対する鉄元素の含有量(B)の比(B/A)が0.0010未満であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 該磁性トナーのオルトジクロロベンゼン(ODCB)可溶分を、サイズ排除クロマトグラフィーオンライン−多角度光散乱(SEC−MALLS)を用いて測定した重量平均分子量Mwが、100000以上250000以下であり、慣性二乗半径Rwが30nm以上50nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 該磁性体はシラン化合物により気相中で表面処理された磁性体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  5. 該磁性体の単位面積あたりの水分吸着量が0.30mg/m2以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  6. 該磁性トナーが水系媒体中で製造されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁性トナー。
  7. 該磁性トナーが、懸濁重合法で製造されることを特徴とする請求項6に記載の磁性トナー。
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