JP2012002695A - 誤差要因判定方法およびその装置、並びに誤差補償方法、3軸磁気センサ、センサモジュール、誤差要因判定用のプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】計測および算出される方位角に含まれる誤差の要因を評価できると共に、その誤差を相殺して正確に方位角を決定する。
【解決手段】3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルXm、Ym、Zmを計算すると共に(S1〜S4)、各磁気素子11X、11Y、11Zの磁界検知方向の空間ベクトルXe、Ye、Zeを計算する(S1〜S3、S5)。空間ベクトルXm、Ym,Zmについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、空間ベクトルXe、Ye,Zeについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する(S6)。磁界印加方向、素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、素子の磁界検知方向の3つの交角と3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、誤差の要因を判定する。
【選択図】図1
【解決手段】3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルXm、Ym、Zmを計算すると共に(S1〜S4)、各磁気素子11X、11Y、11Zの磁界検知方向の空間ベクトルXe、Ye、Zeを計算する(S1〜S3、S5)。空間ベクトルXm、Ym,Zmについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、空間ベクトルXe、Ye,Zeについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する(S6)。磁界印加方向、素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、素子の磁界検知方向の3つの交角と3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、誤差の要因を判定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、誤差要因判定方法およびその装置、並びに誤差補償方法、3軸磁気センサ、センサモジュール、誤差要因判定用のプログラムに関し、計測および算出される方位角に含まれる誤差の要因を判定できると共に、その誤差を相殺して正確に方位角を決定できる誤差要因判定方法およびその装置、並びに誤差補償方法、3軸磁気センサ、センサモジュール、誤差要因判定用のプログラムに関する。
携帯電話機などの携帯電子機器や携帯端末においては、方位を検出するためのセンサを含む方位検知システム(以下、「センサモジュール」と称す)が広く利用されている。また、そのセンサモジュールとGPS(Global Positioning System)機能などを組み合わせれば、方位角に加えて、空間的な位置情報も検知してナビゲーションシステムを構成できるので、今後、その他、幅広い利用が見込まれている。
かかるセンサモジュールにより方位を検出するためには、センサモジュールに対する地磁気方向を検知する必要があるが、先の携帯電子機器等は、三次元空間内において、種々の姿勢角で使用されるため、三次元的に種々の向きに置かれていても正確な方位測定を実現する必要がある。
従来より、センサモジュールにより方位を測定する方法としては、直交する3軸方向のそれぞれの磁界を検出して行う方法、2軸方向(3軸の場合の2軸を選択する場合を含む)の磁界を検出して行う方法、それらと加速度センサ又はジャイロセンサなどによる地磁気に対する伏角および偏角、並びに傾斜センサ等による傾斜角を組み合わせて求める方法等、各種が存在している(例えば、特許文献1乃至5参照)。
ここで、携帯電子機器に設定される座標軸と伏角および偏角について説明する。図17(a)および(b)は、携帯電子機器100に論理的に、しかし固定的に設定される直交座標軸を説明するための図である。同図(a)および(b)は、それぞれ機器の平面図および側面図であり、この場合、機器の平坦な前面の法線方向をZ軸方向とし、機器の長手方向をY軸とし、残りをX軸方向としている。図18は、伏角および偏角を説明するための図である。例えばXY平面上に求められる方位と、実際の地磁気方向との交角αを伏角といい、その方位と磁北との交角βを偏角という。
図19は、3軸方向の各磁界を検出でき、かつ、それらを検出した伏角、偏角および傾斜角とともに演算して方位を求めることができるセンサモジュールの論理構成を示す図である。
同図に示すセンサモジュール50は、三次元空間に設定される直交する3軸の各方向の磁界を検知する3軸磁気センサ1と、地磁気の伏角および偏角と、当該センサモジュール50が搭載される携帯電子機器100の傾斜角とを検出する検出部2と、3軸磁気センサ1および検出部2からの情報に基づいて、正確な方位角等を計算する信号処理部3とを備えている。
同図に示すセンサモジュール50は、三次元空間に設定される直交する3軸の各方向の磁界を検知する3軸磁気センサ1と、地磁気の伏角および偏角と、当該センサモジュール50が搭載される携帯電子機器100の傾斜角とを検出する検出部2と、3軸磁気センサ1および検出部2からの情報に基づいて、正確な方位角等を計算する信号処理部3とを備えている。
詳述すると、3軸磁気センサ1は、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向の磁界を検知するX軸用磁気素子11X、Y軸用磁気素子11Y、Z軸用磁気素子11Zと、それらの磁気素子11X、11Y、11Zからの検出結果に対して信号処理を行う信号処理部12とを備えている。つまり、地磁気の方向および大きさを、直交する3軸方向の各成分に分離して検出している。
なお、磁気素子11X、11Y、11Zとしては、例えば、磁気抵抗効果を利用したMR(Magneto Resistive)センサ、ホール素子を用いたセンサ、電磁誘導を利用したMI(Magneto Impedance)センサ、フラックスゲート型磁気センサ、直交フラックスゲート型磁気センサなどを用いることができる。
なお、磁気素子11X、11Y、11Zとしては、例えば、磁気抵抗効果を利用したMR(Magneto Resistive)センサ、ホール素子を用いたセンサ、電磁誘導を利用したMI(Magneto Impedance)センサ、フラックスゲート型磁気センサ、直交フラックスゲート型磁気センサなどを用いることができる。
また、図20(a)および(b)は、図19に示した3軸磁気センサ1の物理的構成を示す図であり、同図(a)は側面図であり、同図(b)は平面図である。同図に示すように、3軸磁気センサ1は、実装用基板13と、それにワイヤーボンディングで実装されたX磁気素子11X、11Y、11Zと、各磁気素子11X、11Y、11Zで検出された磁気信号に対して演算処理を施す信号処理部12とを備えている。
ここで、この3軸磁気センサ1は、搭載される機器に設定された前述の座標軸と整列するように、当該機器内に搭載され、それにより各磁気素子11X、11Y、11Zにおける磁気検知の向きが、機器に設定された各軸方向と一致するようにしている。
ここで、この3軸磁気センサ1は、搭載される機器に設定された前述の座標軸と整列するように、当該機器内に搭載され、それにより各磁気素子11X、11Y、11Zにおける磁気検知の向きが、機器に設定された各軸方向と一致するようにしている。
ところで、上述の従来の手法においては、いずれも、3軸磁気センサに含まれる、各磁気素子の磁界検知方向が、理想的に互いに直交していることが前提となっている。
また、各磁気素子の磁界検知方向と、3軸磁気センサに設定された磁界検知方向、すなわち携帯電子機器に設定された3軸方向、とが、それぞれ一致していることが前提となっている。
更に、各磁気素子は、その感度が互いに等しく設定されていることが前提となっている。
また、各磁気素子の磁界検知方向と、3軸磁気センサに設定された磁界検知方向、すなわち携帯電子機器に設定された3軸方向、とが、それぞれ一致していることが前提となっている。
更に、各磁気素子は、その感度が互いに等しく設定されていることが前提となっている。
しかしながら、実際は、最終的に求められる方位角に誤差が含まれてしまうことは不可避である。その誤差の要因としては、以下が考えられる。
第一は、3軸磁気センサの組立工程における、実装用基板に対する磁気素子の実装ずれである。図21(a)および(b)は、この第一の要因を説明するための図である。
3軸磁気センサ1の実装基板13上に、三次元の各方向に対応した各磁気素子11X、11Y,11Zを設置する組立工程においては、当該3軸磁気センサ1の各軸についての各磁界が検知できるように、その各磁気素子11X、11Y,11Zは互いに直交するように設置し、かつ、当該3軸磁気センサ1の各軸の方向と、その各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検出方向が一致している必要がある。
第一は、3軸磁気センサの組立工程における、実装用基板に対する磁気素子の実装ずれである。図21(a)および(b)は、この第一の要因を説明するための図である。
3軸磁気センサ1の実装基板13上に、三次元の各方向に対応した各磁気素子11X、11Y,11Zを設置する組立工程においては、当該3軸磁気センサ1の各軸についての各磁界が検知できるように、その各磁気素子11X、11Y,11Zは互いに直交するように設置し、かつ、当該3軸磁気センサ1の各軸の方向と、その各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検出方向が一致している必要がある。
しかしながら、当該組立工程では、少なからず、実装用基板13に対する各磁気素子11X、11Y,11Zの設置位置ずれが生じる。ここでの位置ずれには、図21(a)および(b)に示す2種類がある。
まず、同図(a)に示すような、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検知方向の少なくとも二軸が互いに直交していない状態(以下、「組立の絶対誤差」と称す)である。同図の例においては、磁気素子11Yの軸が、磁気素子11Xの軸と直交していない。
もう1つは、同図(b)に示すような、各磁気素子11X、11Y,11Zの感磁方向は互いに直交しているが、3軸磁気センサ1の磁界検知方向の各方向と、その各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検出方向との間で、少なくとも1つの方向が一致していない状態(以下、「組立の相対誤差」と称す)である。同図の例においては、実装基板13に搭載される各素子が、その実装基板13に対して整列していないので、この場合、3軸磁気センサ1の磁界検知方向のX方向、Y方向と、磁気素子11X、11Yの磁界検出方向とが一致していない。
なお、実際には、組立の絶対誤差と相対誤差とを区別することは困難である。
まず、同図(a)に示すような、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検知方向の少なくとも二軸が互いに直交していない状態(以下、「組立の絶対誤差」と称す)である。同図の例においては、磁気素子11Yの軸が、磁気素子11Xの軸と直交していない。
もう1つは、同図(b)に示すような、各磁気素子11X、11Y,11Zの感磁方向は互いに直交しているが、3軸磁気センサ1の磁界検知方向の各方向と、その各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検出方向との間で、少なくとも1つの方向が一致していない状態(以下、「組立の相対誤差」と称す)である。同図の例においては、実装基板13に搭載される各素子が、その実装基板13に対して整列していないので、この場合、3軸磁気センサ1の磁界検知方向のX方向、Y方向と、磁気素子11X、11Yの磁界検出方向とが一致していない。
なお、実際には、組立の絶対誤差と相対誤差とを区別することは困難である。
誤差要因の第二は、3軸磁気センサ1の各軸の磁気感度を測定して調整する際に、磁界を印加するためのコイル等の方向と、3軸磁気センサ1の磁界検知方向を一致させることが困難である、という点である。
すなわち、センサモジュール50に用いる3軸磁気センサ1では、地磁気を直交座標系で分解して方位計測を行うため、互いに直交する3軸方向に任意に磁界を印加することのできる空間内に当該3軸磁気センサ1を設置し、当該3軸磁気センサ1の磁界検知方向の交角を評価することにより、方位誤差を算出することができる。但し、このとき、3軸磁気センサ1の各軸の磁気感度を測定して調整する際に、磁界を印加するためのコイル等の方向と、3軸磁気センサ1の磁界検知方向を一致させることが必要であるが、ソケットなどを用いて、同時に複数の3軸磁気センサ1の磁気感度を測定する場合には、ソケットの設置方向と、3軸磁気センサ1の所望の磁界検知方向を一致させることが困難である。従って、方位誤差の精度は低下してしまう。
以上のような誤差要因により、正確な誤差角を測定することが困難であるため、最終的に正確な方位角を求めようとしても難しい、という課題があった。
すなわち、センサモジュール50に用いる3軸磁気センサ1では、地磁気を直交座標系で分解して方位計測を行うため、互いに直交する3軸方向に任意に磁界を印加することのできる空間内に当該3軸磁気センサ1を設置し、当該3軸磁気センサ1の磁界検知方向の交角を評価することにより、方位誤差を算出することができる。但し、このとき、3軸磁気センサ1の各軸の磁気感度を測定して調整する際に、磁界を印加するためのコイル等の方向と、3軸磁気センサ1の磁界検知方向を一致させることが必要であるが、ソケットなどを用いて、同時に複数の3軸磁気センサ1の磁気感度を測定する場合には、ソケットの設置方向と、3軸磁気センサ1の所望の磁界検知方向を一致させることが困難である。従って、方位誤差の精度は低下してしまう。
以上のような誤差要因により、正確な誤差角を測定することが困難であるため、最終的に正確な方位角を求めようとしても難しい、という課題があった。
本発明は上述のような事情から為されたものであり、本発明の目的は、計測および算出される方位角に含まれる誤差の要因を判定できる誤差要因判定方法、および前記の誤差要因判定方法を実施可能とする装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の誤差を相殺して正確に方位角を決定できる誤差補償方法、3軸磁気センサ、およびセンサモジュールを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の誤差を相殺して正確に方位角を決定できる誤差補償方法、3軸磁気センサ、およびセンサモジュールを提供することにある。
請求項1に記載の誤差要因判定方法は、3軸磁気センサに対し、3軸磁界印加手段のX軸方向に磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のY軸方向に磁界を印加したときの、前記各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のZ軸方向に磁界を印加したときの、前記各磁気素子からの出力値とに基づいて、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルを計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルを計算する工程と、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する工程と、前記3軸磁界印加手段による磁界印加方向、前記各磁気素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、前記各磁気素子の磁界検知方向の3つの交角と前記3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、求めるべき方位角に含まれる誤差の要因が、各磁気素子の実装状態によるものであるのか、磁界印加方向と磁界検知方向の不一致によるものであるのか、各磁気素子の感度の不統一によるものであるのか、又はそれらの組み合わせであるのかを判定する工程と、を備えることを要旨とする。
請求項2に記載の誤差要因判定装置は、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子を有する3軸磁気センサと、前記3軸磁気センサに対して磁界を印加するための3軸磁界印加手段とを備えた誤差要因判別装置であって、前記3軸磁気センサは、3軸磁界印加手段のX軸方向に磁界が印加されたときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のY軸方向に磁界が印加されたときの、前記各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のZ軸方向に磁界が印加されたときの、前記各磁気素子からの出力値とに基づいて、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルを計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルを計算し、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算し、前記3軸磁界印加手段による磁界印加方向、前記各磁気素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、前記各磁気素子の磁界検知方向の3つの交角と前記3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、求めるべき方位角に含まれる誤差の要因が、各磁気素子の実装状態によるものであるのか、磁界印加方向と磁界検知方向の不一致によるものであるのか、各磁気素子の感度の不統一によるものであるのか、又はそれらの組み合わせであるのかを判定する信号処理部を備えることを要旨とする。
請求項3に記載の3軸磁気センサにおける誤差補償方法は、請求項1において、前記各磁気素子の磁界検知方向が互いに直交していないと判定された場合に、前記各磁気素子の磁気感度を調整することにより、見かけ上、前記各磁気素子の磁界検知方向を互いに直交させることを要旨とする。
請求項4に記載の3軸磁気センサは、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向の磁界を検知する各磁気素子と、当該各磁気素子からの検出結果に対して信号処理を行う信号処理部と、を備えた3軸磁気センサであって、前記信号処理部は、請求項3に記載の誤差補償方法を実現することを要旨とする。
請求項5に記載のセンサモジュールは、請求項4に記載の3軸磁気センサと、地磁気の伏角および偏角と、傾斜角とを検出する検出部と、前記3軸磁気センサおよび前記検出部からの情報に基づいて、方位角を計算する信号処理部と、を備えたことを要旨とする。
請求項6に記載の誤差要因判定用のプログラムは、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向の磁界を検知する各磁気素子を備えた3軸磁気センサに、3軸磁界印加手段のX軸方向に磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のY軸方向に磁界を印加したときの、前記各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のZ軸方向に磁界を印加したときの、前記各磁気素子からの出力値とに基づいて、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルを計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルを計算する手順と、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する手順と、前記3軸磁界印加手段による磁界印加方向、前記各磁気素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、前記各磁気素子の磁界検知方向の3つの交角と前記3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、求めるべき方位角に含まれる誤差の要因が、各磁気素子の実装状態によるものであるのか、磁界印加方向と磁界検知方向の不一致によるものであるのか、各磁気素子の感度の不統一によるものであるのか、又はそれらの組み合わせであるのかを判定する手順と、を実行させることを要旨とする。
請求項1および2に記載の誤差要因判定方法およびその装置によれば、計測および算出される方位角に含まれる誤差の要因を判定できる。
請求項3,4および5にそれぞれ記載の、誤差補償方法、3軸磁気センサおよびセンサモジュールによれば、その誤差を相殺して正確に方位角を決定できる。
請求項3,4および5にそれぞれ記載の、誤差補償方法、3軸磁気センサおよびセンサモジュールによれば、その誤差を相殺して正確に方位角を決定できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の3軸磁気センサにおける誤差要因判定方法の一実施形態においては、まず、直交する3軸方向に均一な磁界を印加できるコイル(以下、「3軸ヘルムホルツコイル」と称す)などにより、直交する3軸方向に対して、特定の空間領域で任意の均一な磁界を発生することのできる環境を用意し、当該環境下に3軸磁気センサ1を設置する。なお、3軸ヘルムホルツコイルでは、各コイルに任意磁界を発生させて周囲環境の磁界を調整し、所望の磁界強度下の環境(以下、「無磁場環境」と称す)を形成することが可能であるが、本実施形態では、磁気感度の測定を実施するので、必ずしも無磁場環境を形成する必要はない。
本発明の3軸磁気センサにおける誤差要因判定方法の一実施形態においては、まず、直交する3軸方向に均一な磁界を印加できるコイル(以下、「3軸ヘルムホルツコイル」と称す)などにより、直交する3軸方向に対して、特定の空間領域で任意の均一な磁界を発生することのできる環境を用意し、当該環境下に3軸磁気センサ1を設置する。なお、3軸ヘルムホルツコイルでは、各コイルに任意磁界を発生させて周囲環境の磁界を調整し、所望の磁界強度下の環境(以下、「無磁場環境」と称す)を形成することが可能であるが、本実施形態では、磁気感度の測定を実施するので、必ずしも無磁場環境を形成する必要はない。
図1は、本発明の3軸磁気センサにおける誤差要因判定方法の一実施形態の手順を示すフローチャートである。
同図において、まず、3軸ヘルムホルツコイルのX軸方向に磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る(ステップS1)。
同図において、まず、3軸ヘルムホルツコイルのX軸方向に磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る(ステップS1)。
図2は、ステップS1の処理の詳細を示すフローチャートである。そこで、まず、データ取得個数を規定する変数nを初期化する(n=0)(ステップS11)。
次に、磁界Hxの強さを増加させつつ、(nmax+1)個の磁界Hxについてデータを取得する(ステップS11〜S15)。このとき、磁界の初期値をHx(start)とし、その増分をHx(step)とする。
次に、磁界Hxの強さを増加させつつ、(nmax+1)個の磁界Hxについてデータを取得する(ステップS11〜S15)。このとき、磁界の初期値をHx(start)とし、その増分をHx(step)とする。
詳細には、磁界Hx(start)から初めて(ステップS12)各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る(ステップS13)。次に、次の強度にすべく、nに1を加え(ステップS14)、nが所定個数nmaxより小さいか否かを判断する(ステップS15)。nが所定個数nmaxより小さい場合には、ステップS12に戻り、増分Hx(step)を加えて、ステップS13,14を繰り返す。ステップS15において、nが所定個数nmaxと等しくなった場合は、所定個数(nmax+1)の磁界に対してデータ取得が終了したことになるので、ステップS16に移行する。
ステップS16〜S19においては、ステップS12〜S15とは逆に、Hx(step)ずつ磁界の強度を落として、各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る。データ個数の判断等、詳細は増加させる場合と同様である。
ステップS16〜S19においては、ステップS12〜S15とは逆に、Hx(step)ずつ磁界の強度を落として、各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る。データ個数の判断等、詳細は増加させる場合と同様である。
このステップS1の処理により、図8の表のX1(i)、X2(i)、X3(i)(i=0〜nmax)と、図9の表のX1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)とが得られる。更に詳細には、3軸ヘルムホルツコイルのX軸に任意の磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値と、3軸ヘルムホルツコイルのX軸、Y軸、Z軸に任意の磁界を印加したそれぞれのときの、X方向の磁界検知用の磁気素子11Xからのそれぞれの出力値が得られる。
図1に戻り、次に、3軸ヘルムホルツコイルのY軸方向に磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る(ステップS2)。
図3は、ステップS2の処理の詳細を示すフローチャートである。そこで、まず、データ取得個数を規定する変数nを初期化する(n=0)(ステップS21)。
次に、磁界Hyの強さを増加させつつ、(nmax+1)個の磁界Hyについてデータを取得する(ステップS21〜S25)。このとき、磁界の初期値をHy(start)とし、その増分をHy(step)とする。
図3は、ステップS2の処理の詳細を示すフローチャートである。そこで、まず、データ取得個数を規定する変数nを初期化する(n=0)(ステップS21)。
次に、磁界Hyの強さを増加させつつ、(nmax+1)個の磁界Hyについてデータを取得する(ステップS21〜S25)。このとき、磁界の初期値をHy(start)とし、その増分をHy(step)とする。
詳細には、磁界Hy(start)から初めて(ステップS22)各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る(ステップS23)。次に、次の強度にすべく、nに1を加え(ステップS24)、nが所定個数nmaxより小さいか否かを判断する(ステップS25)。nが所定個数nmaxより小さい場合には、ステップS22に戻り、増分Hy(step)を加えて、ステップS23,24を繰り返す。ステップS25において、nが所定個数nmaxと等しくなった場合は、所定個数(nmax+1)の磁界に対してデータ取得が終了したことになるので、ステップS26に移行する。
ステップS26〜S29においては、ステップS22〜S25とは逆に、Hy(step)ずつ磁界の強度を落として、各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る。データ個数の判断等、詳細は増加させる場合と同様である。
このステップS2の処理により、図8の表のY1(i)、Y2(i)、Y3(i)(i=0〜nmax)と、図9の表のX2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)とが得られる。更に詳細には、3軸ヘルムホルツコイルのY軸に任意の磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値と、3軸ヘルムホルツコイルのX軸、Y軸、Z軸に任意の磁界を印加したそれぞれのときの、Y方向の磁界検知用の各磁気素子11Yからのそれぞれの出力値が得られる。
このステップS2の処理により、図8の表のY1(i)、Y2(i)、Y3(i)(i=0〜nmax)と、図9の表のX2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)とが得られる。更に詳細には、3軸ヘルムホルツコイルのY軸に任意の磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値と、3軸ヘルムホルツコイルのX軸、Y軸、Z軸に任意の磁界を印加したそれぞれのときの、Y方向の磁界検知用の各磁気素子11Yからのそれぞれの出力値が得られる。
図1に戻り、次に、3軸ヘルムホルツコイルのZ軸方向に磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る(ステップS3)。
図4は、ステップS3の処理の詳細を示すフローチャートである。そこで、まず、データ取得個数を規定する変数nを初期化する(n=0)(ステップS31)。
次に、磁界Hzの強さを増加させつつ、(nmax+1)個の磁界Hzについてデータを取得する(ステップS31〜S35)。このとき、磁界の初期値をHz(start)とし、その増分をHz(step)とする。
図4は、ステップS3の処理の詳細を示すフローチャートである。そこで、まず、データ取得個数を規定する変数nを初期化する(n=0)(ステップS31)。
次に、磁界Hzの強さを増加させつつ、(nmax+1)個の磁界Hzについてデータを取得する(ステップS31〜S35)。このとき、磁界の初期値をHz(start)とし、その増分をHz(step)とする。
詳細には、磁界Hz(start)から初めて(ステップS32)各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る(ステップS33)。次に、次の強度にすべく、nに1を加え(ステップS34)、nが所定個数nmaxより小さいか否かを判断する(ステップS35)。nが所定個数nmaxより小さい場合には、ステップS32に戻り、増分Hy(step)を加えて、ステップS33,34を繰り返す。ステップS35において、nが所定個数nmaxと等しくなった場合は、所定個数(nmax+1)の磁界に対してデータ取得が終了したことになるので、ステップS36に移行する。
ステップS36〜S39においては、ステップS32〜S35とは逆に、Hz(step)ずつ磁界の強度を落として、各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値を読み取る。データ個数の判断等、詳細は増加させる場合と同様である。
このステップS3の処理により、図8の表のZ1(i)、Z2(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)と、図9の表のX3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)とが得られる。更に詳細には、3軸ヘルムホルツコイルのZ軸に任意の磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値と、3軸ヘルムホルツコイルのX軸、Y軸、Z軸に任意の磁界を印加したそれぞれのときの、Z方向の磁界検知用の各磁気素子11Zからのそれぞれの出力値が得られる。
このステップS3の処理により、図8の表のZ1(i)、Z2(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)と、図9の表のX3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)とが得られる。更に詳細には、3軸ヘルムホルツコイルのZ軸に任意の磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子11X、11Y、11Zからの出力値と、3軸ヘルムホルツコイルのX軸、Y軸、Z軸に任意の磁界を印加したそれぞれのときの、Z方向の磁界検知用の各磁気素子11Zからのそれぞれの出力値が得られる。
図1に戻り、次に、図8の表の磁気素子(センサ)出力値から、空間ベクトルXm、Ym、Zmを計算する(ステップS4)。
図5は、ステップS4の処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、図8の表の出力値X1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルXmを計算する(ステップS41)。詳細には、出力値X1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルXmとして決定する。
次に、図8の表の出力値X2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルYmを計算する(ステップS42)。詳細には、出力値X2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルYmとして決定する。
次に、図8の表の出力値X3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルZmを計算する(ステップS43)。詳細には、出力値X3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルZmとして決定する。
このようにして得られた空間ベクトルXm、Ym、Zmは、特定磁界発生方向に磁界を印加した際の、3軸磁気センサ1内の3つの磁気素子11X、11Y、11Zによる磁界検知方向(以下、「3軸磁気センサの磁界検知方向」と称す)を、それぞれ示している。
図5は、ステップS4の処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、図8の表の出力値X1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルXmを計算する(ステップS41)。詳細には、出力値X1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルXmとして決定する。
次に、図8の表の出力値X2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルYmを計算する(ステップS42)。詳細には、出力値X2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルYmとして決定する。
次に、図8の表の出力値X3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルZmを計算する(ステップS43)。詳細には、出力値X3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルZmとして決定する。
このようにして得られた空間ベクトルXm、Ym、Zmは、特定磁界発生方向に磁界を印加した際の、3軸磁気センサ1内の3つの磁気素子11X、11Y、11Zによる磁界検知方向(以下、「3軸磁気センサの磁界検知方向」と称す)を、それぞれ示している。
図1に戻り、次に、図9の表の磁気素子(センサ)出力値から、空間ベクトルXe、Ye、Zeを計算する(ステップS5)。
図6は、ステップS5の処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、図9の表の出力値X1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルXeを計算する(ステップS51)。詳細には、出力値X1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルXeとして決定する。
次に、図9の表の出力値X2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルYeを計算する(ステップS52)。詳細には、出力値X2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルYeとして決定する。
次に、図9の表の出力値X3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルZeを計算する(ステップS43)。詳細には、出力値X3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルZeとして決定する。
このようにして得られた空間ベクトルXe、Ye、Zeは、特定の磁界発生方向に磁界を印加した際の、3軸磁気センサ1の個々の磁気素子11X、11Y、11Zによる磁界検知方向(以下、「素子の磁界検知方向」と称す)を、それぞれ示している。
図6は、ステップS5の処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、図9の表の出力値X1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルXeを計算する(ステップS51)。詳細には、出力値X1(i)、Y1(i)、Z1(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルXeとして決定する。
次に、図9の表の出力値X2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルYeを計算する(ステップS52)。詳細には、出力値X2(i)、Y2(i)、Z2(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルYeとして決定する。
次に、図9の表の出力値X3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)から、空間ベクトルZeを計算する(ステップS43)。詳細には、出力値X3(i)、Y3(i)、Z3(i)(i=0〜nmax)から最小二乗近似直線を決定し、その最小二乗近似直線の方向ベクトルを、空間ベクトルZeとして決定する。
このようにして得られた空間ベクトルXe、Ye、Zeは、特定の磁界発生方向に磁界を印加した際の、3軸磁気センサ1の個々の磁気素子11X、11Y、11Zによる磁界検知方向(以下、「素子の磁界検知方向」と称す)を、それぞれ示している。
以上で、得られた空間ベクトルXm、Ym、Zm、Xe、Ye、Zeと、磁界印加方向(Hx、Hy,Hz)との関係は、後に説明する図12〜図16に例えば示されている。
図1に戻り、次に、空間ベクトルXm、Ym,Zmについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、空間ベクトルXe、Ye,Zeについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する(ステップS6)。
図1に戻り、次に、空間ベクトルXm、Ym,Zmについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、空間ベクトルXe、Ye,Zeについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する(ステップS6)。
図7は、ステップS6の処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、空間ベクトルXm、Ym,Zmについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する(ステップS61)。すなわち、空間ベクトルXmと空間ベクトルYmの間の交角θmxyと、空間ベクトルYmと空間ベクトルZmの間の交角θmyzと、空間ベクトルZmと空間ベクトルXmの間の交角θmzxと定義すると、次式(1)〜(3)を満たす。
まず、空間ベクトルXm、Ym,Zmについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する(ステップS61)。すなわち、空間ベクトルXmと空間ベクトルYmの間の交角θmxyと、空間ベクトルYmと空間ベクトルZmの間の交角θmyzと、空間ベクトルZmと空間ベクトルXmの間の交角θmzxと定義すると、次式(1)〜(3)を満たす。
次に、空間ベクトルXe、Ye,Zeについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する(ステップS62)。すなわち、空間ベクトルXeと空間ベクトルYeの間の交角θexyと、空間ベクトルYeと空間ベクトルZeの間の交角θeyzと、空間ベクトルZeと空間ベクトルXeの間の交角θezxと定義すると、次式(4)〜(6)を満たす。
本発明の要点は、3軸ヘルムホルツコイルによる磁界印加方向、素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、上述ように求められた、素子の磁界検知方向の3つの交角、および3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、誤差の要因が、各磁気素子の実装状態によるものであるのか、磁界印加方向と磁界検知方向の不一致によるものであるのか、各磁気素子の感度の不統一によるものであるのか、又はそれらの組み合わせであるのかを、判定できるということにある。
以下、上述した要点について、より詳細に説明する。
ここで、説明の便宜上、磁界印加方向と磁界検知方向が一致している状態を「状態(a)」、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検知方向が互いに直交している場合を「状態(b)」、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁気感度が同一である場合を「状態(c)」とする。これらの事象が互いに独立であるとすると、その組み合わせが8通りあることになるが、互いに独立ではないので、現実にはあり得ない組合せがある。
ここで、説明の便宜上、磁界印加方向と磁界検知方向が一致している状態を「状態(a)」、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検知方向が互いに直交している場合を「状態(b)」、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁気感度が同一である場合を「状態(c)」とする。これらの事象が互いに独立であるとすると、その組み合わせが8通りあることになるが、互いに独立ではないので、現実にはあり得ない組合せがある。
図10は、状態(a)乃至状態(c)の組み合わせに対応した、計測計算結果、すなわち、素子の磁界検知方向と3軸磁気センサの磁界検知方向の一致性と、素子の磁界検知方向の3つの交角と3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性とを表として示す図である。また、図11は、図10に示す、3軸磁気センサ1の状態(A)および(B)を説明するための図である。なお、図10において、データ欄の○については、一致している場合、状態(a)乃至(c)欄の○については、その状態にあることを示している。
以下、図10に示した3軸磁気センサ1の状態(A)乃至(G)について、順に説明する。また、説明の便宜上、磁界印加方向を「方向(1)」、素子の磁界検知方向を「方向(2)」、3軸磁気センサの磁界検知方向を「方向(3)」とする。
また、図12乃至16は、磁界印加方向(実線)、素子の磁界検知方法(点線)、および3軸磁気センサの磁界検知方向(一点鎖線)の関係を示す図である。
また、図12乃至16は、磁界印加方向(実線)、素子の磁界検知方法(点線)、および3軸磁気センサの磁界検知方向(一点鎖線)の関係を示す図である。
まず、図10に示す、3軸磁気センサ1の状態(A)は、計測計算結果により、方向(2)と方向(3)が同一の場合、すなわち、ベクトルXmとベクトルXe、ベクトルYmとベクトルYe、ベクトルZmとベクトルZeのそれぞれが、方向および大きさで一致し、かつ、方向(2)と方向(3)との間で、各ベクトルの前記交角がそれぞれ一致している場合、すなわち、XmとYmの交角とXeとYeの交角、YmとZmの交角とYeとZeの交角、ZmとXmの交角とZeとXeの交角、がそれぞれ同一であり、かつ、図11に示した値a,b,cについて、a=b=c=0であった場合である。
この場合、図10の表に示すように、状態(a)乃至状態(c)は全て満たされている。つまり、図12に示すように磁界印加方向、素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向は一致し、各素子の磁界検知方向は互いに直交しており、各素子の磁気感度が同一となっている。換言すれば、測定結果の3軸磁気センサ1から方位誤差のない出力が得られ、かつ、各素子11X、11Y,11Zの磁気感度が正確に測定されていることがわかる。つまり、3軸磁気センサ1が、3軸ヘルムホルツコイルによる磁界内に適切に設置され、かつ、組立の絶対誤差と相対誤差がないため、磁気感度の測定が正確であり、各素子11X、11Y,11Zの磁気感度が同一であるという理想的な状態であることがわかる。
次に、図10に示す状態(B)は、計測計算結果により、方向(2)と方向(3)が同一の場合、すなわち、ベクトルXmとベクトルXe、ベクトルYmとベクトルYe、ベクトルZmとベクトルZeのそれぞれが、方向および大きさで一致し、かつ、方向(2)と方向(3)との間で、各ベクトルの前記交角がそれぞれ一致している場合、すなわち、XmとYmの交角とXeとYeの交角、YmとZmの交角とYeとZeの交角、ZmとXmの交角とZeとXeの交角、がそれぞれ同一であるが、図11に示した値a,b,cについて、a=b=c=0は満たされていない場合である。
この場合、図10の表に示すように、状態(b)および(c)は満たされているが、状態(a)は満たされていない。つまり、各素子の磁界検知方向は互いに直交しており、各素子の磁気感度が同一となっており、図13に示すように、素子の磁界検知方向と3軸磁気センサの磁界検知方向は一致しているものの、それらと磁界印加方向とは一致していない場合である。換言すれば、組立の絶対誤差および相対誤差はないが、磁界印加方向に対する3軸磁気センサ1の設置位置ずれ、あるいは、3軸磁気センサ1の実装用基板13に対する素子の実装ずれ等により、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁気感度の測定に誤差が生ずる場合である。
ところで、実用上は、磁界印加方向に対する3軸磁気センサ1の所定の磁界検知方向の設置位置ずれに起因する測定誤差(以下、「設置位置の誤差」と称す)と、3軸磁気センサ1の実装用基板13に対する各素子11X、11Y,11Zの実装ずれに起因する測定誤差の双方が含まれる場合が多い。この場合、従来の技術では、設置位置の誤差、組立の絶対誤差、組立の相対誤差、各磁気素子の磁気感度の差による誤差を区別して評価することが困難であった。
ここで、図10の表の状態(B)の場合、少なくとも、測定対象の3軸磁気センサ1内の各磁気素子11X、11Y,11Zの感度が同一であることがわかる。加えて、XeとYeの交角、YeとZeの交角、およびZeとXeの交角が、それぞれ直角である場合、すなわち、組立の相対誤差がない場合は、XmとXe、YmとYe、ZmとZeのそれぞれが、方向および大きさで一致する。この場合、HzとXeの交角、HyとYeの交角、HzとZeの交角に基づき、設置位置の誤差と組立の絶対誤差の双方を含む誤差を定義することができる。設置位置の誤差は、測定対象である3軸磁気センサ1の3軸ヘルムホルツコイルに対する設置方法に依存し、位置合わせ精度の高い方法と用いれば、当該誤差を極力小さくすることは可能である。一方、組立の絶対誤差は、実装用基板13と各磁気素子11X、11Y,11Zの位置合わせ精度に加えて、各磁気素子11や信号処理部12などとの間で電気的接続を形成するために、半田ボール等を用いた表面実装を行う場合は、実装用基板13面と各素子11の感磁面の平行度が各半田ボールの高さなどに依存する。従って、設置位置の誤差と比較して、組立の絶対誤差の方が大きいので、実用上は、本発明により評価した誤差は、組立の絶対誤差と考えて差し支えない場合が多い。
なお、図10の表の状態(B)の場合で、XeとYeの交角、YeとZeの交角、およびZeとXeの交角のいずれかが直交していない場合は、各素子11X、11Y,11Zの磁界検知方向の交角のうち、少なくとも1つが直交していなが、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁界検知方向の磁気感度は同一である。従って、各磁気素子11X、11Y,11Zの磁気感度に偏差はないが、組立の絶対誤差がある状態であることがわかる。
次に、図10に示す状態(C)は、計測計算結果により、方向(2)と方向(3)が同一ではなく、また、方向(2)と方向(3)との間で、各ベクトルの前記交角の少なくとも1つが一致していないが、方向(2)の3つの交角が90度である場合である。
この場合、図10の表に示すように、状態(a)および(b)は満たされているが、状態(c)は満たされていない。つまり、図14に示すように、磁界印加方向と素子の磁界検知方向とは一致しているものの、それらと3軸磁気センサの磁界検知方向は一致しておらず、また、各素子の磁界検知方向は互いに直交しているが、各素子の磁気感度が同一となっていない場合である。
この場合、図10の表に示すように、状態(a)および(b)は満たされているが、状態(c)は満たされていない。つまり、図14に示すように、磁界印加方向と素子の磁界検知方向とは一致しているものの、それらと3軸磁気センサの磁界検知方向は一致しておらず、また、各素子の磁界検知方向は互いに直交しているが、各素子の磁気感度が同一となっていない場合である。
次に、図10に示す状態(D)は、計測計算結果により、方向(2)と方向(3)が同一ではない(少なくともいずれかのベクトルが不一致)が、方向(2)と方向(3)との間で、各ベクトルの前記交角がそれぞれ一致している、すなわち、XmとYmの交角とXeとYeの交角、YmとZmの交角とYeとZeの交角、ZmとXmの交角とZeとXeの交角、がそれぞれ同一である場合である。
この場合、図10の表に示すように、状態(c)のみが満たされている。つまり、図15に示すように、磁界印加方向、素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向は、互いに一致しておらず、また、各素子の磁界検知方向は互いに直交しておらず、しかし、各素子の磁気感度が同一となっている場合である。
この場合、図10の表に示すように、状態(c)のみが満たされている。つまり、図15に示すように、磁界印加方向、素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向は、互いに一致しておらず、また、各素子の磁界検知方向は互いに直交しておらず、しかし、各素子の磁気感度が同一となっている場合である。
次に、図10に示す状態(E)は、計測計算結果により、方向(2)と方向(3)が同一ではなく(少なくともいずれかのベクトルが不一致)、また、方向(2)と方向(3)との間で、各ベクトルの前記交角の少なくとも1つが一致しておらず、方向(2)の3つの交角の少なくとも1つが90度でない場合である。
この場合、図10の表に示すように、状態(a)、状態(b)および状態(c)のいずれも満たされていない。つまり、図16に示すように、磁界印加方向、素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向は、互いに一致しておらず、また、各素子の磁界検知方向は互いに直交しておらず、また、各素子の磁気感度が同一ではない場合である。換言すれば、磁界印加方向に対する3軸磁気センサ1の設置位置ずれに加えて、3軸磁気センサの実装用基板に対する素子の実装ずれ等により、各素子の正確な磁気感度測定ができないことを意味している。図15の状態と、図16の状態とでは、各素子の磁気感度が同一か同一でないか、の点のみにおいて異なる。
なお、磁界印加方向は互いに直交していることが前提なので、図10の表における状態(F)、状態(G)は、採り得ない組み合わせである。
この場合、図10の表に示すように、状態(a)、状態(b)および状態(c)のいずれも満たされていない。つまり、図16に示すように、磁界印加方向、素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向は、互いに一致しておらず、また、各素子の磁界検知方向は互いに直交しておらず、また、各素子の磁気感度が同一ではない場合である。換言すれば、磁界印加方向に対する3軸磁気センサ1の設置位置ずれに加えて、3軸磁気センサの実装用基板に対する素子の実装ずれ等により、各素子の正確な磁気感度測定ができないことを意味している。図15の状態と、図16の状態とでは、各素子の磁気感度が同一か同一でないか、の点のみにおいて異なる。
なお、磁界印加方向は互いに直交していることが前提なので、図10の表における状態(F)、状態(G)は、採り得ない組み合わせである。
以上のように、3軸磁気センサ1の磁界検知方向に関する設置位置の誤差、組立の相対誤差、組立の絶対誤差、各磁気素子の磁気感度の偏差の情報を得るための手段として、空間座標における素子の磁界検知方向と3軸磁気センサの磁界検知方向を用いる手法が有用である。
次に、上述した判定された誤差要因に基づいて、その誤差要因により生じた実際の誤差を補償する方法について説明する。
つまり、誤差要因として、状態(b)の満たされていないことを含んでいる場合、すなわち、各素子の磁界検知方向は互いに直交していない場合、それを感度の調整で補償するものである。
つまり、誤差要因として、状態(b)の満たされていないことを含んでいる場合、すなわち、各素子の磁界検知方向は互いに直交していない場合、それを感度の調整で補償するものである。
より詳細に説明すると、3軸磁気センサ1の組立工程においては、磁気素子の磁界検知方向を正確に直交させることが理想であるが、実際の組立工程では、3軸磁気センサ1の個体ごとに少なからず直交度の偏差が生ずる。そこで、上述の手法で、各素子の磁界検知方向は互いに直交していないことが判定された場合、図19の信号処理部12により、各磁気素子の磁気感度を意図的に調整することにより、見かけ上、各素子の磁界検知方向が互いに直交するようにもっていき、3軸磁気センサを最適に調整することができる。なお、直交性の確認は、3軸磁気センサの磁界検知方向のベクトルの内積などから判断できる。
そして前述と同様、信号処理部3が、信号処理部12からの演算結果と、3軸磁気センサの磁界検知方向と地磁気方向の交角とにより、地磁気に対する3軸磁気センサの磁界検知方向の各成分の磁界強度を、地磁気の伏角および偏角と、携帯電子機器の傾斜角とを考慮しつつ算出して、方位を導き出す。
たとえば、当該センサモジュールを携帯電子機器に実装した場合は、検出部2が、地磁気の伏角および偏角と、携帯電子機器の傾斜角とを検出し、信号処理部3が、3軸磁気センサ1および検出部2からの情報に演算を施して、携帯電子機器の傾きなどに依存しない正確な方位情報を取得することができる。
たとえば、当該センサモジュールを携帯電子機器に実装した場合は、検出部2が、地磁気の伏角および偏角と、携帯電子機器の傾斜角とを検出し、信号処理部3が、3軸磁気センサ1および検出部2からの情報に演算を施して、携帯電子機器の傾きなどに依存しない正確な方位情報を取得することができる。
その際、3軸磁気センサの磁界検知方向と携帯電子機器の磁界指示方向が平行になるように、携帯電子機器に対して、3軸磁気センサ1を設置することが望ましい。
この方法によれば、組立の絶対誤差がある場合、各磁気素子の磁界検知方向は互いに直交していないが、演算処理により、3軸磁気センサの磁界検知方向を互いに直交させることができるため、各素子の磁界検知方向の代わりに、3軸磁気センサの磁界検知方向を用いることにより、方位誤差のない方位検知が可能となる。
この方法によれば、組立の絶対誤差がある場合、各磁気素子の磁界検知方向は互いに直交していないが、演算処理により、3軸磁気センサの磁界検知方向を互いに直交させることができるため、各素子の磁界検知方向の代わりに、3軸磁気センサの磁界検知方向を用いることにより、方位誤差のない方位検知が可能となる。
なお、通常、携帯電子機器のX軸方向とY軸方向の磁界強度をもって方位を算出するが、携帯電子機器の傾斜角等に応じて、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向のうち、任意の2軸の磁界強度を用いて方位を算出する方向でもよい。
本発明は、センサモジュールおよびそれを搭載した携帯電子機器に適用できる。
1 3軸磁気センサ、11 磁気素子、12 信号処理部、13 実装用基板、2 検出部、3 信号処理部、50 センサモジュール、100 携帯電子機器。
Claims (6)
- 3軸磁気センサに対し、3軸磁界印加手段のX軸方向に磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のY軸方向に磁界を印加したときの、前記各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のZ軸方向に磁界を印加したときの、前記各磁気素子からの出力値とに基づいて、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルを計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルを計算する工程と、
前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する工程と、
前記3軸磁界印加手段による磁界印加方向、前記各磁気素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、前記各磁気素子の磁界検知方向の3つの交角と前記3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、求めるべき方位角に含まれる誤差の要因が、各磁気素子の実装状態によるものであるのか、磁界印加方向と磁界検知方向の不一致によるものであるのか、各磁気素子の感度の不統一によるものであるのか、又はそれらの組み合わせであるのかを判定する工程と、
を備えることを特徴とする3軸磁気センサにおける誤差要因判定方法。 - X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子を有する3軸磁気センサと、前記3軸磁気センサに対して磁界を印加するための3軸磁界印加手段とを備えた誤差要因判別装置であって、
前記3軸磁気センサは、
3軸磁界印加手段のX軸方向に磁界が印加されたときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のY軸方向に磁界が印加されたときの、前記各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のZ軸方向に磁界が印加されたときの、前記各磁気素子からの出力値とに基づいて、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルを計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルを計算し、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算し、前記3軸磁界印加手段による磁界印加方向、前記各磁気素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、前記各磁気素子の磁界検知方向の3つの交角と前記3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、求めるべき方位角に含まれる誤差の要因が、各磁気素子の実装状態によるものであるのか、磁界印加方向と磁界検知方向の不一致によるものであるのか、各磁気素子の感度の不統一によるものであるのか、又はそれらの組み合わせであるのかを判定する信号処理部を備えることを特徴とする誤差要因判定装置。 - 請求項1に記載された誤差要因判定方法により、前記各磁気素子の磁界検知方向が互いに直交していないと判定された場合に、前記各磁気素子の磁気感度を調整することにより、見かけ上、前記各磁気素子の磁界検知方向を互いに直交させることを特徴とする3軸磁気センサにおける誤差補償方法。
- X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向の磁界を検知する各磁気素子と、当該各磁気素子からの検出結果に対して信号処理を行う信号処理部と、を備えた3軸磁気センサであって、
前記信号処理部は、請求項3に記載の誤差補償方法を実現することを特徴とする3軸磁気センサ。 - 請求項4に記載の3軸磁気センサと、
地磁気の伏角および偏角と、傾斜角とを検出する検出部と、
前記3軸磁気センサおよび前記検出部からの情報に基づいて、方位角を計算する信号処理部と、
を備えたことを特徴とするセンサモジュール。 - X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの方向の磁界を検知する各磁気素子を備えた3軸磁気センサに、
3軸磁界印加手段のX軸方向に磁界を印加したときの、X、Y、Z方向の磁界検知用の各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のY軸方向に磁界を印加したときの、前記各磁気素子からの出力値と、前記3軸磁界印加手段のZ軸方向に磁界を印加したときの、前記各磁気素子からの出力値とに基づいて、前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルを計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルを計算する手順と、
前記3軸磁気センサの磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算すると共に、前記各磁気素子の磁界検知方向の空間ベクトルについて、ベクトル間の互いの交角をそれぞれ計算する手順と、
前記3軸磁界印加手段による磁界印加方向、前記各磁気素子の磁界検知方向、および3軸磁気センサの磁界検知方向の互いの一致性と、前記各磁気素子の磁界検知方向の3つの交角と前記3軸磁気センサの磁界検知方向の3つの交角の一致性と、を検証することにより、求めるべき方位角に含まれる誤差の要因が、各磁気素子の実装状態によるものであるのか、磁界印加方向と磁界検知方向の不一致によるものであるのか、各磁気素子の感度の不統一によるものであるのか、又はそれらの組み合わせであるのかを判定する手順と、
を実行させることを特徴とする誤差要因判定用のプログラム。
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