JP2012002149A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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哲 佐藤
Yasuyuki Irisawa
泰之 入澤
Taku Kadooka
卓 角岡
Shinichi Mitani
信一 三谷
Satoshi Yoshizaki
聡 吉嵜
Shigeyuki Urano
繁幸 浦野
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Abstract

【課題】アルコール燃料を用いる内燃機関の制御装置に関し、供給する気化燃料が不足する状況でも、始動性を向上させるとともにエミッション特性の悪化を抑制する。
【解決手段】始動時に供給する気化燃料が不足するか否かを判定する(ステップ200〜212)。その結果、気化燃料が不足する場合には、気化燃料の供給に筒内燃料噴射を併用する。この際、冷却水温Te>所定水温Tsおよびアルコール濃度E<所定濃度Esの成立を判定し(ステップ216)、判定成立時には、始動時の点火気筒数のうち気化燃料が不足するまでの点火気筒には該気化燃料を供給し、不足後の点火気筒には筒内燃料噴射を行う第1の噴射形態を実行する(ステップ218)。一方、判定不成立時には、全ての点火気筒に気化燃料を分割して、各点火気筒の燃料不足分をそれぞれ筒内燃料噴射で補う第2の噴射形態を実行する(ステップ220)。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えばアルコール燃料のように揮発性が低い燃料を用いる内燃機関の制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(特開2007−224878号公報)に開示されているように、アルコール燃料を用いる内燃機関の制御装置が知られている。アルコール燃料は、特に低温時に気化し難いため、従来技術の内燃機関には、始動時に燃料を気化させるための気化室が設けられている。この気化室は、外部から遮断された密閉構造を有し、絞り通路を介して吸気通路に接続されている。また、気化室には、その内部に燃料を噴射する始動用燃料噴射弁と、噴射燃料を加熱するためのヒータとが設けられている。
そして、内燃機関の始動時には、まず、内燃機関に対して始動信号が出力された時点でヒータを作動させ、その後に適宜時間が経過した時点で、始動用燃料噴射弁から気化室内に燃料を噴射する。燃料が噴射されるときに、気化室は、クランキングによる吸気負圧が作用することによって減圧状態となる。この結果、噴射燃料は、減圧状態の気化室内でヒータの熱を受けることにより気化し、吸気通路を介して各気筒に供給される。このように、従来技術では、始動時に燃料を気化室内で気化させることにより、冷間始動時等の始動性を確保するようにしている。
特開2007−224878号公報 特開2005−220811号公報 特開2009−191635号公報 特開2009−293565号公報
ところで、上述した従来技術では、始動時にヒータを作動させてから気化室内に燃料を噴射し、気化燃料を生成するようにしている。しかしながら、この場合には、内燃機関に対して始動信号が出力された後に、ヒータの昇温、噴射燃料の加熱及び気化室の減圧が行われ、その結果として気化燃料が生成されるため、始動時に気化燃料を生成するのに時間がかかってしまう。このため、上記従来技術では、速やかな始動要求を優先することとすると供給する気化燃料量が不足してしまい、始動性の悪化やエミッション特性の悪化を招くおそれがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、供給する気化燃料が不足する状況でも、始動性を向上させるとともにエミッション特性の悪化を抑制することが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
燃料を貯留する燃料タンクと、
内燃機関の吸気通路の途中に接続され、前記燃料が気化した気化燃料を蓄える気化燃料タンクと、
前記燃料タンク内の燃料を前記気化燃料タンクに供給するタンク内燃料供給手段と、
前記気化燃料タンクと前記吸気通路との接続部を開閉する常閉の気化燃料供給弁と、
前記内燃機関の運転中に前記気化燃料供給弁を閉弁した状態で前記タンク内燃料供給手段を駆動し、前記気化燃料タンク内に気化燃料を生成する気化燃料生成手段と、
前記内燃機関の始動時に前記気化燃料供給弁を開弁し、前記気化燃料タンク内に蓄えられた気化燃料を前記吸気通路へ供給する気化燃料供給手段と、
前記燃料タンク内の燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内燃料噴射弁と、
前記内燃機関の始動時に必要な燃料供給量と前記気化燃料タンク内の気化燃料量とを比較して、該気化燃料量が不足するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって該気化燃料量の不足が判定された場合に、前記気化燃料供給手段の実行に加えて、前記筒内燃料噴射弁から燃料を供給する筒内噴射手段を実行する供給制御手段と、を備え、
前記供給制御手段は、前記内燃機関の暖機状態および燃料のアルコール濃度に基づいて、前記気化燃料供給手段による燃料供給量と前記筒内噴射手段による燃料供給量との割合を制御することを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記判定手段は、
前記気化燃料タンク内の燃料量、圧力および温度に基づいて、前記気化燃料量を算出する気化燃料量算出手段と、
前記内燃機関の冷却水温に基づいて、始動時に必要な燃料供給量を算出する燃料供給量算出手段と、
を含み、前記燃料供給量が前記気化燃料量よりも多量の場合に、該気化燃料量の不足を判定することを特徴とする。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記供給制御手段は、
所定の点火気筒数までは前記気化燃料供給手段を実行し、その後の点火気筒には前記筒内噴射手段を実行する第1の燃料供給手段と、
各点火気筒において前記気化燃料供給手段と前記筒内噴射手段との双方を実行する第2の燃料供給手段と、を含み、
前記内燃機関の冷却水温が所定温度よりも高く、且つ、燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも低い場合に前記第1の燃料供給手段を選択し、それ以外の場合には前記第2の燃料供給手段を選択することを特徴とする。
第4の発明は、第3の発明において、
前記第1の燃料供給手段は、
前記気化燃料タンク内の気化燃料量に基づいて、始動時に該気化燃料によって点火可能な気筒数を算出する手段と、
前記内燃機関の点火気筒数が前記点火可能気筒数を超えた場合に、前記気化燃料供給手段から前記筒内噴射手段への切り替えを行う手段と、
を備えることを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明において、
前記第1の燃料供給手段は、
前記内燃機関の機関回転数が所定値を超えた場合に、前記気化燃料供給手段から前記筒内噴射手段への切り替えを行う手段を含むことを特徴とする。
第6の発明は、第4の発明において、
前記第1の燃料供給手段は、
前記筒内噴射手段の燃圧が所定値を超えた場合に、前記気化燃料供給手段から前記筒内噴射手段への切り替えを行う手段を含むことを特徴とする。
第7の発明は、第3乃至第6の何れか1つの発明において、
前記第2の燃料供給手段は、
前記各点火気筒の点火に必要な必要燃料量をそれぞれ算出する手段と、
前記各点火気筒へ供給される気化燃料量が所定量となるための前記気化燃料供給弁の開度を算出する手段と、
前記必要燃料量から前記所定量を減算した値を各点火気筒の筒内噴射量として算出する手段と、
を含むことを特徴とする。
第8の発明は、第1乃至第7の何れか1つの発明において、
前記筒内噴射手段は、吸気弁が閉弁した後の圧縮行程に筒内噴射を実行することを特徴とする。
第9の発明は、第8の発明において、
前記筒内噴射手段は、
吸気弁の閉弁時期に基づいて、筒内の圧縮端温度を推定する手段と、
前記圧縮端温度に基づいて、筒内燃料噴射弁からの噴射量を算出する手段と、
を備えることを特徴とする。
第10の発明は、第8または第9の発明において、
燃料のアルコール濃度に基づいて、前記内燃機関の吸気弁の閉時期を可変に制御する手段を更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、内燃機関の運転中に気化燃料を生成し、この気化燃料を機関停止後の自然減圧を利用して気化燃料タンク内に蓄えておくことができる。これにより、始動時に気化燃料を生成する必要がないので、低温始動時でも、気化燃料を筒内に速やかに供給することができる。
第1の発明によれば、始動時に供給する気化燃料が不足する場合に、筒内噴射弁から噴射される筒内噴射手段が併用される。この際に、内燃機関の暖機状態および燃料のアルコール濃度に基づいて、気化燃料タンクから供給される気化燃料量と筒内噴射弁から供給される筒内噴射燃料量との混合割合が制御される。このため、本発明によれば、筒内の燃料気化条件に基づいて、筒内噴射弁から噴射される燃料を有効に利用することができるので、気化燃料が不足している状況においても、始動性を確保することができる。
第2の発明によれば、気化燃料タンク内の燃料量、圧力および温度に基づいて、該気化燃料タンク内の気化燃料量を算出することができる。このため、本発明によれば、内燃機関の冷却水温に基づいて算出される始動時に必要な必要燃料量が、該気化燃料量よりも多量である場合か否かを判定することにより、始動時における気化燃料の不足有無を有効に判定することができる。
第3の発明によれば、始動時の気化燃料が不足する場合に、冷却水温が所定温度よりも高く、且つ燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも低い場合には、第1の燃料供給手段が選択され、それ以外の条件では第2の燃料供給手段が選択される。このため、本発明によれば、燃料が筒内で気化しにくい条件の場合には、より多くの点火気筒に気化燃料が分割して供給されるので、始動性を確保しつつ気化燃料不足分を有効に補うことができる。また、燃料が筒内で気化しやすい条件の場合には、先ず気化燃料を用いた数回の燃焼を行うことで、筒内条件を筒内噴射燃料のみでも点火可能な状態にすることができるので、その後の気化燃料不足時の筒内噴射燃料の燃焼においても、エミッション特性の悪化を有効に抑止することができる。
第4の発明によれば、第1の燃料供給手段において、気化燃料タンク内の気化燃料量に基づいて、始動時に該気化燃料のみで点火可能な気筒数(点火可能気筒数)が算出される。そして、点火可能気筒数を超えた場合に気化燃料の供給から筒内噴射燃料の供給への切り替えが行われる。このため、本発明によれば、気化燃料が不足したタイミングで筒内噴射による燃料供給に切り替えることができる。
第5の発明によれば、第1の燃料供給手段において、機関回転数が所定値を超えた場合に、気化燃料の供給から筒内噴射燃料の供給への切り替えが行われる。このため、本発明によれば、回転数が上昇して気化燃料の供給が不要になった場合に筒内噴射燃料の供給への切り替えが行われるので、始動性を確保しつつ気化燃料の消費量を抑制することができる。
第6の発明によれば、第1の燃料供給手段の実行中に筒内噴射の燃圧が所定値を超えた場合に、気化燃料の供給から筒内噴射燃料の供給への切り替えが行われる。このため、本発明によれば、高い燃圧で筒内噴射を実行することにより噴射燃料の微粒化を図ることができるので、始動性を確保しつつ気化燃料の消費量を抑制することができる。
第7の発明によれば、始動時の第2の燃料供給手段において、各点火気筒へ所定量の気化燃料を供給するための燃料供給弁の開度が算出される。そして、各点火気筒の必要燃料量を実現すべく筒内噴射量が制御される。このため、本発明によれば、各点火気筒の必要燃料量を精度よく実現することができる。
第8の発明によれば、吸気弁が閉弁した後の圧縮行程に筒内噴射が実行される。このため、本発明によれば、気化燃料量が少ない場合であっても、弱成層燃焼による始動性の向上を図ることができる。
第9の発明によれば、吸気弁の閉時期に基づいて圧縮端温度が推定される。そして、該圧縮端温度に基づいて、筒内噴射量が算出される。このため、本発明によれば、筒内噴射量を圧縮端温度において蒸発可能な量に設定することができるので、始動性を確保しつつエミッション特性の悪化を有効に抑制することができる。
第10の発明によれば、燃料のアルコール濃度に基づいて、吸気弁の閉時期が可変に制御される。吸気弁の閉時期を可変に制御すると圧縮端温度が変化する。このため、本発明によれば、吸気弁の閉時期を可変に制御することで、燃料の気化特性に応じて適切な圧縮端温度に制御することができる。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。 本発明の実施の形態1におけるシステムの制御系統を示す構成図である。 始動時に気化燃料と筒内噴射燃料とを併用する第1の噴射形態を説明するための図である。 始動時に気化燃料と筒内噴射燃料とを併用する第2の噴射形態を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンを示すフローチャートである。 筒内噴射燃料量算出マップデータを示す図である。 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図8を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、FFV(Flexible Fuel Vehicle)に搭載される内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1には、4気筒エンジンを例示したが、本発明は、4気筒の内燃機関に限定されるものではない。エンジン10は、各気筒の燃焼室に吸入空気を吸込む吸気通路12と、燃焼室から排気ガスが排出される排気通路14とを備えている。
吸気通路12には、上流側から順にエアクリーナ16、スロットルバルブ18及びサージタンク20が設けられている。スロットルバルブ18は、電子制御式のバタフライ弁により構成され、後述のECU70により開閉駆動される。そして、スロットルバルブ18は、全閉位置と全開位置との間で開閉され、その開度に応じて吸気通路12を流れる吸入空気量を調整する。サージタンク20は、吸気通路12の途中に一定の広がりをもつ空間を形成し、吸気脈動の減衰効果等を発揮するものである。サージタンク20の下流側は、複数の吸気管からなる吸気マニホールド22を介して各気筒の吸気ポート24に接続されている。なお、サージタンク20、吸気マニホールド22及び吸気ポート24は、吸気通路12の一部を構成している。
また、エンジン10の各気筒には、吸気ポート24に燃料を噴射する吸気ポート噴射弁26と、燃焼室内(筒内)に燃料を直接噴射する筒内噴射弁28とが設けられている。これらの噴射弁26,28は、一般的な電磁駆動式の燃料噴射弁により構成されている。さらに、各気筒には、筒内に流入した混合気に点火する点火プラグ30(図2参照)と、それぞれ吸気ポート24及び排気ポートを開閉するための吸気弁及び排気弁(図示せず)とが設けられている。上述した噴射弁26,28には、車両の燃料タンク32内に液化状態で貯留されたアルコール燃料が供給される。
燃料タンク32には、その内部に貯留した燃料を噴射弁26,28に向けて送出する燃料ポンプ(図示せず)が設けられている。また、筒内噴射用の燃料系統には、前記燃料ポンプにより送出された燃料の圧力を更に筒内噴射用の基準圧(例えば、10〜20MPa程度)まで昇圧させる昇圧ポンプ34が設置されている。昇圧ポンプ34は、例えばエンジンのカムシャフトに連結された機械式のポンプにより構成され、カムシャフトが回転することによって作動する。
また、エンジン10は、始動時にクランク軸を回転駆動するスタータモータ36を備えている。車両の運転者がスタータスイッチをONにした場合には、ECU70に対してエンジンの始動要求が発生する。これにより、ECU70は、スタータモータ36を起動してクランク軸を回転させる動作(クランキング)を実行する。そして、エンジンが始動した時点、即ち、自立運転に移行した時点でクランキングを停止する。
次に、エンジン10に搭載された燃料気化系統について説明する。本実施の形態では、エンジンの運転中に生成した気化燃料をタンクに蓄えておき、この気化燃料を次回の始動時に使用することを特徴としている。そして、燃料気化系統は、以下に述べる気化燃料タンク38、タンク内噴射弁40、気化燃料供給弁42、大気導入弁44、リリーフ弁46等を備えている。
気化燃料タンク38は、密閉構造を有する耐圧容器として形成され、燃料タンク32内のアルコール燃料が気化した気化燃料を蓄えるように構成されている。また、気化燃料タンク38は、例えばエンジンルーム内において、エンジン10から熱が伝導し易い位置に設置されている。タンク内噴射弁40は、燃料タンク32に貯留された燃料を気化燃料タンク38内に噴射(供給)するもので、本実施の形態のタンク内燃料供給手段を構成している。タンク内噴射弁40は、例えば噴射弁26,28と同様の一般的な燃料噴射弁により構成され、その燃料噴射量は制御信号に応じて制御される。タンク内噴射弁40から噴射された燃料は、気化燃料タンク38内で受熱し気化することにより気化燃料となる。
気化燃料タンク38は、スロットルバルブ18の下流側でサージタンク20と接続されている。この接続部には、常閉(ノーマル・クローズ)の電磁弁等により構成された気化燃料供給弁42が設けられている。気化燃料供給弁42の閉弁時には、気化燃料タンク38とサージタンク20との間が遮断され、気化燃料タンク38内に気化燃料を蓄えることが可能となる。また、気化燃料供給弁42の開弁時には、前記タンク20,38が相互に連通され、気化燃料タンク38に蓄えられた気化燃料がサージタンク20に供給される。
また、気化燃料タンク38には、タンク内部と外部空間とを連通可能な位置に大気導入弁44が設けられている。大気導入弁44は常閉の電磁弁等により構成され、開弁時には気化燃料タンク38を大気解放するようになっている。気化燃料の供給時には、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とが多少の時間差をもって一緒に開弁され、気化燃料を供給した分だけ大気導入弁44から気化燃料タンク38内に大気が導入される。なお、これらの弁42,44は、気化燃料の供給時を除いて閉弁状態に保持される。また、大気導入弁44は、エアクリーナ16とスロットルバルブ18との間で吸気通路12に接続されている。このため、大気導入弁44の開弁時には、エアクリーナ16より清浄化され、かつ吸気負圧の影響を受けない空気が気化燃料タンク38に導入される。
さらに、気化燃料タンク38には、例えばチェック弁、リード弁等により構成された常閉のリリーフ弁46が設けられている。リリーフ弁46は、気化燃料タンク38内の圧力が所定の作動圧を超えたときに、この圧力を外部(例えば、吸気通路12)に解放するもので、リリーフ弁46の作動圧は、例えば大気圧程度の圧力か、または大気圧よりも数十kPa程度高い圧力に設定されている。この設定は、例えば気化燃料タンク38が常温程度かそれよりも少し高い温度に保持され、燃料の飽和蒸気圧がこの温度領域に対応した圧力となることを前提としている。これにより、リリーフ弁46は、気化燃料タンク38内に噴射された燃料が気化するときに、タンク内の空気を外部に逃がすように構成されている。また、リリーフ弁46は、気化燃料タンク38が密閉された状態において、タンク内の圧力が過大となるのを防止する安全弁としての機能も備えている。
次に、図2を参照しつつ、エンジン10の制御系統について説明する。図2は、本発明の実施の形態1におけるシステムの制御系統を示す構成図である。この図に示すように、本実施の形態のシステムは、後述する複数のセンサを含むセンサ系統と、エンジン10の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)70とを備えている。
先ず、センサ系統について説明すると、クランク角センサ48は、エンジン10のクランク軸の回転に同期した信号を出力するもので、ECU70は、この出力に基づいてエンジン回転数及びクランク角を検出する。また、エアフローセンサ50は吸入空気量を検出し、水温センサ52はエンジンの冷却水温を検出する。また、タンク圧センサ54は気化燃料タンク38内の圧力を検出し、タンク温度センサ56は気化燃料タンク38内の温度を検出する。また、燃料性状センサ58は、燃料の性状として、燃料中のアルコール濃度を検出する。更に、燃圧センサ60は、昇圧ポンプ34により昇圧された燃料の圧力、すなわち、筒内噴射弁28から噴射される燃料の噴射圧を検出するものである。
センサ系統には、上記センサの他にも、車両やエンジンの制御に必要な各種のセンサ(例えば排気空燃比を検出する空燃比センサ、スロットルバルブ18の開度を検出するスロットルセンサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ等)が含まれており、これらのセンサはECU70の入力側に接続されている。なお、本発明は、必ずしもタンク温度センサ56を必要とするものではなく、例えば、エンジンの温度や運転履歴、気化燃料タンク38への熱伝導特性等に基づいてタンク内温度を推定する構成としてもよい。
一方、ECU70の出力側には、スロットルバルブ18、噴射弁26,28,40、点火プラグ30、スタータモータ36、気化燃料供給弁42、大気導入弁44等を含む各種のアクチュエータが接続されている。そして、ECU70は、センサ系統によりエンジンの運転情報を検出し、その検出結果に基づいて各アクチュエータを駆動することにより、運転制御を行う。具体的には、クランク角センサ48の出力に基づいてエンジン回転数とクランク角とを検出し、エアフローセンサ50により吸入空気量を検出する。また、以下に述べる通常の燃料噴射制御を実行しつつ、クランク角に基づいて点火時期を決定し、点火プラグ30を駆動する。
通常の燃料噴射制御は、後述の気化燃料供給制御が実行される場合を除いて、エンジン10の運転中に実行されるもので、始動時の燃料噴射制御も含んでいる。この燃料噴射制御では、吸入空気量、エンジン回転数、エンジン冷却水の温度等に基づいて燃料噴射量を算出し、クランク角に基づいて燃料噴射時期を決定した後に、噴射弁26,28の何れか一方または両方を駆動する。この場合、吸気ポート噴射弁26と筒内噴射弁28の噴射量の比率は、エンジンの運転状態や燃料の性状に応じて可変に設定される。さらに、ECU70は、燃料気化系統の制御として、以下に述べる気化燃料生成制御と、気化燃料供給制御とを実行する。
[実施の形態1の動作]
(気化燃料生成制御)
気化燃料生成制御は、エンジン10の運転中(好ましくは、暖機終了後の運転中)に、気化燃料タンク38内で燃料を気化させ、気化燃料を生成するものである。具体的に述べると、気化燃料生成制御では、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁した状態で、タンク内噴射弁40から燃料を噴射する。このとき、燃料の噴射量は、噴射燃料の全てが気化し、かつ気化した燃料の蒸気圧が飽和蒸気圧となるように算出される。
タンク内噴射弁40から噴射された燃料は、タンク内の空気をリリーフ弁46から追い出しつつ、速やかに気化して気化燃料となる。このとき、リリーフ弁46は、タンク内の空気圧により燃料の気化が抑制されるのを回避し、気化燃料の生成を促進することができる。この結果、燃料の気化が完了すると、タンク内の空気は殆ど排出され、気化燃料タンク38内には、気化燃料が飽和蒸気圧に近い圧力状態で充満した状態となる。
上述した気化燃料生成制御により、気化燃料タンク38内には、エンジンの運転中に気化燃料を蓄えることができる。そして、気化燃料タンク38は、タンク内で生じる自然減圧を利用して、エンジン停止後の冷間時にも、気化燃料の少なくとも一部を気相状態に保持することができる。尚、気化燃料生成制御は、気化燃料タンク38内の温度が気化燃料を生成し得る所定の判定温度以上の場合にのみ実行することが好ましい。
(気化燃料供給制御)
気化燃料供給制御は、エンジンの始動時に気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを開弁し、気化燃料タンク38内に蓄えられていた気化燃料をサージタンク20に供給するものである。具体的に述べると、先ず、ECU70は、スタータスイッチがONされたときに、始動要求が発生したことを検出する。そして、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁し、かつスロットルバルブ18を全閉位置に保持した状態で、スタータモータ36に通電し、クランキングを開始する。これにより、サージタンク20内には、クランキングによって吸気負圧が生じる。
そして、ECU70は、サージタンク20内の吸気負圧が十分に増大したときに、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを開弁する。これにより、気化燃料タンク38内の気化燃料は、吸気負圧によってサージタンク20内に供給される。このとき、気化燃料タンク38内には、気化燃料が流出した分だけ大気導入弁44から空気が流入するので、気化燃料の供給はスムーズに行われる。
また、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを開弁するときには、気化燃料タンク38内の圧力が大気圧以上であれば、先に気化燃料供給弁42を開弁する。一方、気化燃料タンク38内の圧力が大気圧よりも低ければ、先に大気導入弁44を開弁する。これにより、タンク内の気化燃料が大気中に流出する事態や、サージタンク20から気化燃料タンク38内に空気が逆流する事態を防止することができる。
気化燃料タンク38からサージタンク20に供給された気化燃料は、吸気ポート24を介して筒内に流入し、筒内で点火されて燃焼する。そして、ECU70は、エンジン回転数の上昇等により始動を確認した時点で、クランキングを停止する。また、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁し、気化燃料供給制御を終了する。そして、通常の燃料噴射制御を開始し、吸気ポート噴射弁26や筒内噴射弁28から燃料を噴射する。なお、気化燃料から通常の燃料噴射への切換は、必ずしもエンジンの始動を確認してから行う必要はない。一例を挙げれば、始動時に必要な量の気化燃料を供給した時点で、通常の燃料噴射に切換えてもよい。また、各気筒に対して1サイクル目の燃焼時のみ気化燃料を供給し、2サイクル目以降の燃焼時には通常の燃料噴射制御を実行してもよい。
このように、エンジンの運転中に蓄えておいた気化燃料を使用すれば、始動時に気化燃料を生成する場合と比較して、気化燃料を筒内に速やかに供給することができ、燃料が気化し難い低温始動時でも、始動性を向上させることができる。なお、気化燃料供給制御は、始動時の機関温度(例えば、エンジン冷却水の温度等)が気化燃料を必要とする所定の判定温度以下の場合にのみ実行するのが好ましい。
(本実施の形態の特徴)
上述した気化燃料供給制御は、エンジンの運転中に十分な量の気化燃料を気化燃料タンク38内に蓄えておくことにより効果を発揮することができる。しかしながら、例えばエンジンが始動されてから短時間で停止される運転(いわゆるショートトリップ運転)が繰返し行われた場合等においては、気化燃料生成制御の実行機会が得られずに気化燃料タンク38内に蓄えられている気化燃料の量が不足するおそれがある。この状態で、エンジンの冷間始動等が行われると、吸気系に十分な量の気化燃料が供給されず、始動性が低下するという問題がある。
この問題を解決するための方法として、供給する気化燃料が不足する場合に、該気化燃料の供給時に筒内への燃料噴射を併用することが考えられる。これにより、気化燃料の不足分を筒内噴射燃料で補うことができるので、点火に必要な筒内燃料量を充たすことはできる。但し、筒内噴射弁28から直接噴射される燃料は、燃料タンク32内に貯留されている液体燃料であるため、筒内の温度条件或いは燃料の気化性によっては、該液体燃料が効率よく燃焼しないことも想定される。
そこで、本実施の形態のシステムでは、供給する気化燃料が不足して筒内噴射燃料を併用する場合に、筒内の温度状況および燃料のアルコール濃度に基づいて、以下に説明する第1の噴射形態と第2の噴射形態とから適した方を選択することとする。
図3は、始動時に気化燃料と筒内噴射燃料とを併用する第1の噴射形態を説明するための図である。尚、この図では、第1気筒(♯1)から♯2、♯3、♯4の順に燃焼するエンジン10において、始動時の第1サイクルの様子を示している。この図に示すとおり、この噴射形態では、♯1における初爆から♯3までは気化燃料の供給を受けて筒内点火を行い、気化燃料が不足する♯4では筒内噴射燃料の供給を受けて筒内点火を行っている。この第1の噴射形態は、主として筒内の燃料が気化しやすい条件の場合に適している。すなわち、筒内に噴射された液体燃料が気化しやすい場合には、筒内噴射燃料のみを供給しても比較的良好に燃焼する。この場合には、図3に示すとおり、先ず、♯1〜♯3の気筒において気化燃料を供給することにより、始動時のエミッション悪化を有効に抑制するとともに、気化燃料が不足する♯4の気筒においても、筒内噴射燃料による比較的良好な燃焼を行うことができる。尚、第1の噴射形態による具体的な噴射処理については、図7を参照して後述する。
次に、図4は、始動時に気化燃料と筒内噴射燃料とを併用する第2の噴射形態を説明するための図である。尚、この図においても、上述した図3と同様に、第1気筒(♯1)から♯2、♯3、♯4の順に燃焼するエンジン10において、始動時の第1サイクルの様子を示している。この図に示すとおり、この噴射形態では、♯1における初爆から♯4まで略均等に気化燃料を供給し、且つ、各気筒の燃料不足分を筒内噴射燃料で補うこととしている。この第2の噴射形態は、主として筒内の燃料が気化しにくい条件の場合に適している。すなわち、筒内に噴射された液体燃料が気化しにくい場合には、筒内噴射燃料のみを供給しても良好に燃焼しない可能性が高い。この場合には、図4に示すとおり、♯1〜♯4の気筒において気化燃料を均等に分割供給することにより、気化燃料が不足している場合であっても始動性を確保するとともに、失火によるエミッション悪化を有効に抑止することができる。尚、第2の噴射形態による具体的な噴射処理については、図8を参照して後述する。
噴射形態の選択は、始動時における筒内の燃料気化条件に基づいて行う。本実施の形態のシステムでは、筒内の燃料気化特性のパラメータとして、冷却水温度と燃料のアルコール濃度とを用いることができる。より具体的には、始動時の冷却水温度が高いほど、或いは燃料のアルコール濃度が低いほど、筒内噴射燃料(液体燃料)が気化しやすい条件となる。そこで、冷却水温度およびアルコール濃度にしきい値をそれぞれ設定して始動時の検出値と比較することにより、筒内噴射燃料(液体燃料)が着火可能な程度に気化しうるか否かを判断することができる。したがって、始動時に必要な気化燃料が不足している状況において、筒内噴射燃料が気化しやすい場合は第1の噴射形態を選択し、筒内噴射燃料が気化しにくい場合は第2の噴射形態を選択することにより、始動時の機関状態によらず安定した始動性を確保するとともに、エミッションの悪化を有効に抑制することができる。
[実施の形態1の具体的な処理]
次に、図5乃至図8を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。まず、図5は、本発明の実施の形態1において、ECU70により実行される気化燃料生成制御を示すフローチャートである。図5に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。
図5に示すルーチンでは、まず、タンク温度センサ56により気化燃料タンク38内の温度Tが検出される(ステップ100)。次に、このタンク内温度Tが判定温度T1よりも大きいか否かが判定される(ステップ102)。ここで、判定温度T1とは、気化燃料を生成し得る温度の下限値に対応して設定されるもので、タンク内での燃料噴射を許可するための判定温度である。ステップ102の判定成立時には、燃料が気化し易い温度状態なので、気化燃料タンク38内に噴射する燃料の噴射量が算出され、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とを閉弁した状態でタンク内噴射弁40が駆動される(ステップ104)。これにより、気化燃料タンク38内には気化燃料が蓄えられる。
次に、図6は、本発明の実施の形態1において、ECU70により実行される気化燃料供給制御を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。
図6に示すルーチンでは、先ず、イグニッションスイッチ(IG)がONになったか否かが判定される(ステップ200)。その結果、判定の成立が認められない場合には、本ルーチンは速やかに終了される。一方、本ステップ200において、判定の成立が認められた場合には、エンジンの始動時であると判断されて、次のステップに移行し、燃料性状センサ58を用いて、燃料タンク32内の燃料のアルコール濃度Eが検出される(ステップ202)。
次に、気化燃料タンク38内の気化燃料量Aが算出される(ステップ204)。ここでは、具体的には、先ず気化燃料タンク38内の総燃料量Qt、温度Ttおよび圧力Ptが検出される。総燃料量Qtは、直近の気化燃料生成制御における上記ステップ104において気化燃料タンク38内に噴射された燃料の噴射量が総燃料量Qtとして取得される。また、気化燃料タンク38内の温度Ttおよび圧力Ptは、タンク温度センサ56およびタンク圧センサ54によって検出される。次に、温度Ttおよびアルコール濃度Eに基づいて飽和蒸気圧算出マップデータを参照し、気化燃料タンク38内での燃料の飽和蒸気圧Pが算出される。そして、これらの算出値に基づいて、気化燃料タンク38内の気化燃料量Aが算出される。
次に、始動時の温度環境に基づいて、始動時に必要な燃料量Qeが算出される(ステップ206)。ここで、温度環境とは、例えばエンジンの機関温度などである。ECU70には、機関温度(例えば、冷却水温Te)に基づいて、始動時必要燃料量Qeを算出するための始動時必要燃料量算出マップデータが予め記憶されている。始動時には、機関温度が低いほど多量の気化燃料が必要となる。このため、始動時要求量算出マップデータは、冷却水の温度が低いほど、始動時必要燃料量Qeが多くなるように設定されている。ここでは、具体的には、水温センサ52の出力に基づいて、かかる始動時必要燃料量算出マップデータを参照して、温度環境に応じた適切な始動時必要燃料量Qeが算出される。
次に、気化燃料量A=0、または、冷却水温Te>所定温度Th且つアルコール濃度E<所定濃度Erの成立有無が判定される(ステップ208)。所定温度Thおよび所定濃度Erは、筒内の液体燃料が良好に気化しうる水温およびアルコール濃度のしきい値として、予め設定された値が読み込まれる。その結果、この判定の成立が認められた場合には、気化燃料に替えて筒内噴射弁28から噴射される筒内噴射燃料を供給しても該燃料が良好に気化する、或いは、気化燃料タンク38内に気化燃料が貯留されていないと判断されて、次のステップに移行し、筒内噴射弁28からの燃料噴射が実行される(ステップ210)。
一方、上記ステップ208において、この判定の成立が認められない場合には、筒内噴射燃料のみでは良好な燃料を行うことができないおそれがあると判断されて、次のステップに移行し、始動時必要燃料量Qeから気化燃料量Aを減算した値が所定値Xよりも小さいか否かが判定される(ステップ212)。(Qe−A)は、始動時に不足する気化燃料量であり、この値が所定値Xと比較される。所定値Xは、始動時に気化燃料が不足するか否かを判定するための値であって、予め設定された値(例えばX=0)が読み込まれる。その結果、(Qe−A)<Xの成立が認められた場合には、気化燃料タンク38内の気化燃料量Aが始動時に必要な燃料量を充たしていると判断されて、次にステップに移行し、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とが開弁されて気化燃料の供給が行われる(ステップ214)。
一方、上記ステップ212において、(Qe−A)<Xの成立が認められない場合には、気化燃料タンク38内の気化燃料量Aが始動時に必要な燃料量に対して不足していると判断されて、次にステップに移行し、冷却水温Te>所定温度Ts且つアルコール濃度E<所定濃度Esの成立有無が判定される(ステップ216)。所定温度Tsおよび所定濃度Esは、筒内の液体燃料が着火可能な程度に気化しうる水温およびアルコール濃度のしきい値として、予め設定された値が読み込まれる。その結果、この判定の成立が認められた場合には、筒内噴射弁28から噴射される筒内噴射燃料のみを供給しても燃焼可能と判断されて、次のステップに移行し、第1の噴射形態に基づく気化燃料供給制御が実行される(ステップ218)。ここでは、具体的には、後述する図7に示すルーチンが実行される。一方、本ステップ216において、この判定の成立が認められない場合には、筒内噴射弁28から噴射される筒内噴射燃料のみを供給しても燃焼しないおそれがあると判断されて、次のステップに移行し、第2の噴射形態に基づく気化燃料供給制御が実行される(ステップ220)。ここでは、具体的には、後述する図8に示すルーチンが実行される。
図7は、本発明の実施の形態1において、ECU70により実行される第1の噴射形態に基づく気化燃料供給制御を示すフローチャートである。このルーチンは、上記ステップ218において実行されるサブルーチンである。図7に示すルーチンが開始されると、先ず点火可能気筒数Nsが算出される(ステップ300)。ここでは、具体的には、上記ステップ204において算出された気化燃料タンク38内の気化燃料量A、および上記ステップ206において算出された始動時必要燃料量Qeに基づいて、気化燃料のみを供給した場合に点火可能な気筒数が算出される。
次に、機関回転数NEが所定回転数NEsよりも大きいか否か、または筒内噴射弁28から噴射される燃料の噴射圧Pが所定燃圧Psよりも大きいか否か、または点火気筒数Nが上記点火可能気筒数Nsよりも大きいか否かが判定される(ステップ302)。所定回転数NEsは、エンジンの始動完了を判定するための回転数として予めECU70に記憶されていた値が読み込まれる。また、所定燃圧Psは、噴射燃料の微粒化を図ることのできる燃圧として、予めECU70に記憶されていた値が読み込まれる。その結果、何れの判定においても成立が認められない場合には、始動時に気化燃料を供給可能と判断されて、次のステップに移行し、気化燃料供給弁42と大気導入弁44とが開弁されて気化燃料の供給が行われる(ステップ304)。
一方、上記ステップ302において、何れかの判定の成立が認められた場合には、エンジンの始動完了、燃圧が十分に昇圧、または気化燃料が不足の何れかが成立しているため、次のステップに移行し、筒内噴射燃料量Qdが算出されて、筒内噴射弁28からの燃料供給が行われる(ステップ306)。
図8は、本発明の実施の形態1において、ECU70により実行される第2の噴射形態に基づく気化燃料供給制御を示すフローチャートである。このルーチンは、上記ステップ220において実行されるサブルーチンである。図8に示すルーチンが開始されると、先ず気化燃料供給弁の開度Bが算出される(ステップ400)。ここでは、具体的には、上記ステップ204において算出された気化燃料量Aを始動に必要な点火気筒数で除算することにより、各点火気筒に供給しうる筒内投入気化燃料量Qcが算出される。そして、当該筒内投入気化燃料量Qcを実現するための気化燃料供給弁42の開度Bが算出される。
次に、筒内噴射燃料量Qdが算出される(ステップ402)。ここでは、具体的には、各点火気筒の必要燃料量Qsから上記ステップ400において算出された筒内投入気化燃料量Qcを除算することにより、各点火気筒において必要な筒内噴射燃料量Qdがそれぞれ算出される。次に、気化燃料供給弁42が開度Bに開弁されて気化燃料の供給が行われるとともに、筒内噴射弁28からの筒内噴射燃料量Qdの供給が行われる(ステップ404)。
以上説明したとおり、本実施の形態1のシステムによれば、始動時に気化燃料タンク38内の気化燃料が不足して筒内噴射燃料の供給を併用する場合に、筒内の燃料気化環境に応じて、始動性およびエミッション特性に適した噴射形態が選択される。これにより、気化燃料が不足している場合であっても、始動性を確保しつつエミッション悪化を有効に抑制することができる。
ところで、上述した実施の形態1のシステムでは、第1の噴射形態と第2の噴射形態との選択の際に、冷却水温と燃料のアルコール濃度を所定値と比較することとしているが、当該選択に用いるパラメータはこれに限られない。すなわち、筒内の燃料気化条件に関連するパラメータであれば、他の条件を判定に用いることとしてもよい。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、気化燃料タンク38をエンジン10からの熱が伝わり易い場所に配置する構成としている。しかしながら、本発明はこれに限らず、エンジン10で発生する熱により気化燃料タンク38を積極的に加熱する構成としてもよい。一例を挙げれば、エンジン10と気化燃料タンク38との間に冷却水配管を設け、エンジン冷却水により気化燃料タンク38を加熱する構成としてもよい。また、排気通路14と気化燃料タンク38との間にヒートパイプ等の熱伝導部材を設け、排気熱により気化燃料タンク38を加熱する構成としてもよい。これらの構成により、気化燃料タンク38内での燃料の飽和蒸気圧を高め、蓄えられる気化燃料の量を増やすことができる。
また、上述した実施の形態1のシステムでは、アルコール燃料を使用するエンジン10を例に挙げて説明している。しかしながら、本発明はこれに限らず、通常のガソリンや、ガソリンにアルコール以外の成分を添加した各種の燃料に対して適用することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、タンク内噴射弁40が前記第1の発明における「タンク内燃料供給手段」に相当しているとともに、ECU70が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第1の発明における「気化燃料生成手段」が、上記ステップ214、218または220の処理を実行することにより、前記第1の発明における「気化燃料供給手段」が、上記ステップ218または220の処理を実行することにより、前記第1の発明における「筒内噴射手段」が、上記ステップ212の処理を実行することにより、前記第1の発明における「判定手段」が、上記ステップ218または220の処理を実行することにより、前記第1の発明における「供給制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ304の処理を実行することにより、前記第1の発明における「気化燃料供給手段」が、上記ステップ306の処理を実行することにより、前記第1の発明における「筒内噴射手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ404の処理を実行することにより、前記第1の発明における「供給制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ204の処理を実行することにより、前記第2の発明における「気化燃料量算出手段」が、上記ステップ206の処理を実行することにより、前記第2の発明における「燃料供給量算出手段」が、上記ステップ212の処理を実行することにより、前記第2の発明における「判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ218の処理を実行することにより、前記第3の発明における「第1の燃料供給手段」が、上記ステップ220の処理を実行することにより、前記第3の発明における「第2の燃料供給手段」が、上記ステップ216の処理を実行することにより、前記第3の発明における「供給制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ300の処理を実行することにより、前記第4の発明における「点火可能な気筒数を算出する手段」が、上記ステップ302の処理を実行することにより、前記第4の発明における「切り替えを行う手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ300の処理を実行することにより、前記第4の発明における「点火可能な気筒数を算出する手段」が、上記ステップ302の処理を実行することにより、前記第4の発明における「切り替えを行う手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ302の処理を実行することにより、前記第5の発明における「切り替えを行う手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ302の処理を実行することにより、前記第6の発明における「切り替えを行う手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、ECU70が、上記ステップ400の処理を実行することにより、前記第7の発明における「必要燃料量を算出する手段」および「開度を算出する手段」が、上記ステップ402の処理を実行することにより、前記第7の発明における「筒内噴射量を算出する手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
[実施の形態2の特徴]
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態のシステムは、図1に示すハードウェア構成および図2に示す制御構成を用いて、ECU70に後述する図10に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
本実施の形態2のシステムは、実施の形態1と同様の構成を採用しているものの、始動時に供給する気化燃料が不足して筒内噴射弁28を用いた筒内燃料噴射併用する場合に、当該筒内燃料噴射を圧縮行程に行う点を特徴としている。これにより、気化燃料の供給量が不足している場合でも、弱成層燃焼により始動性を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態2のシステムにおいて、筒内噴射弁28から噴射する筒内噴射燃料量は、圧縮端温度に応じて、燃焼可能な量に設定することが好ましい。図9は、筒内噴射燃料量算出マップデータを示す図である。この図に示す筒内噴射燃料量算出マップデータは、圧縮端温度に基づいて燃焼可能な筒内噴射燃料量を求めるためのデータであり、燃料のアルコール濃度毎に予めECU70に記憶されている。このマップデータによれば、圧縮端温度が高い場合には、筒内噴射燃料量が多量に設定され、反対に圧縮端温度が低い場合には少量に設定される。また、このマップデータには、該圧縮端温度が吸気弁の閉時期(IVC)に関連付けられて記憶されている。より具体的には、IVCがBDC側へ遅角されるほど圧縮端温度は高くなる。したがって、かかるマップデータを参照することにより、IVCに基づいて筒内で燃焼可能な燃料量を精度よく算出することができる。
尚、IVCは燃料のアルコール濃度に応じて可変に制御することが好ましい。そこで、本実施の形態2のシステムでは、アルコール濃度に基づいてIVCを求めるためのIVC算出マップデータを予めECU70に記憶しておき、かかるマップデータに基づいてIVCを算出することとしている。このマップデータでは、アルコール濃度が高い場合には燃料が気化しにくいので、IVCをより遅角側に設定して圧縮端温度が高くなるようにする。反対に、アルコール濃度が低い場合には燃料が気化しやすいので、IVCをより進角側に設定して圧縮端温度が低くなるようにする。これにより、燃料の気化特性に応じたIVCに設定することができるので、筒内噴射燃料の気化促進を図ることができる。
[実施の形態2の具体的な処理]
次に、図10を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。まず、図10は、本発明の実施の形態2において、ECU70により実行される気化燃料供給制御を示すフローチャートである。図10に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。
図10に示すルーチンでは、先ず、イグニッションスイッチ(IG)がONになったか否かが判定される(ステップ500)。その結果、判定の成立が認められない場合には、本ルーチンは速やかに終了される。一方、本ステップ500において、判定の成立が認められた場合には、エンジンの始動時であると判断されて、次のステップに移行し、燃料性状センサ58を用いて、燃料タンク32内の燃料のアルコール濃度Eが検出される(ステップ502)。
次に、気化燃料タンク38内の気化燃料量Qgが算出される(ステップ504)。ここでは、具体的には、上記ステップ204における気化燃料量Aの算出と同様の処理が実行される。次に、気化燃料量Qgが気化燃料始動許可残量Qgmin以下か否かが判定される(ステップ506)。気化燃料始動許可残量Qgminは、始動時に必要な気化燃料量の最小値として、始動時の温度環境に基づいて算出される値であって、例えば、外気温(吸気温)と機関温度(例えば、冷却水温Te)とに関連付けられたマップデータ等を用いることにより算出することができる。その結果、Qg≦Qgminの成立が認められない場合には、始動時に気化燃料が不足しないと判断されて、次のステップに移行し、気化燃料の供給が実行される(ステップ508)。ここでは、具体的には、上記ステップ214と同様の処理が実行される。
一方、上記ステップ506において、Qg≦Qgminの成立が認められた場合には、始動時に気化燃料が不足すると判断されて、次のステップに移行し、吸気弁の閉時期(IVC)が可変制御される(ステップ510)。ここでは、具体的には、上記ステップ502において検出された燃料のアルコール濃度Eに基づいて上述したIVC算出マップを参照することにより、IVCが算出される。そしてIVCがかかる算出値に可変制御される。
次に、上記ステップ510において算出されたIVCに基づいて図9に示すデータマップを参照することにより、圧縮端温度Ttdcが算出される(ステップ512)。次に、上記ステップ512において算出された圧縮端温度Ttdcに基づいて図9に示すデータマップを参照することにより、筒内噴射燃料量が算出される(ステップ514)。
次に、気化燃料の供給および筒内燃料の噴射が実行される(ステップ516)。ここでは、具体的には、気化燃料が始動時の点火気筒に分割して供給されるとともに、上記ステップ514において算出された筒内噴射燃料量に基づいて、圧縮工程に筒内燃料噴射が実行される。
以上説明したとおり、本実施の形態2のシステムによれば、始動時に必要な気化燃料が不足する場合に、気化燃料の供給と併行して圧縮行程の筒内燃料噴射が実行される。これにより、気化燃料の供給量が不足している場合でも、弱成層燃焼により始動性を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態2のシステムによれば、筒内噴射燃料量が圧縮端温度に応じて燃焼可能な量に設定されるので、始動性を確保しつつエミッションが悪化する事態を有効に抑止することができる。更に、本実施の形態2のシステムによれば、燃料のアルコール濃度に応じてIVCが可変に制御されるので、筒内燃料の気化を有効に促進してエミッションの悪化を有効に抑止することができる。
ところで、上述した実施の形態2のシステムでは、始動時に必要な気化燃料が不足する場合に、気化燃料の供給と併行して圧縮行程の筒内燃料噴射を実行することとしているが、上述した実施の形態1のシステムにおいて圧縮行程の筒内燃料噴射を実行することとしてもよい。これにより、実施の形態1のシステムにおいても弱成層燃焼を行うことができるので、更なる始動性の向上を図ることができる。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU70が、上記ステップ508または516の処理を実行することにより、前記第1の発明における「気化燃料供給手段」が、上記ステップ516の処理を実行することにより、前記第1の発明における「筒内噴射手段」が、上記ステップ506の処理を実行することにより、前記第1の発明における「判定手段」が、上記ステップ516の処理を実行することにより、前記第1の発明における「供給制御手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、気化燃料始動許可残量Qgminが前記第2の発明における「燃料供給量」に相当しているとともに、ECU70が、上記ステップ504の処理を実行することにより、前記第2の発明における「気化燃料量算出手段」が、上記ステップ506の処理を実行することにより、前記第2の発明における「燃料供給量算出手段」および「判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU70が、上記ステップ516の処理を実行することにより、前記第8の発明における「筒内噴射手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU70が、上記ステップ512の処理を実行することにより、前記第9の発明における「圧縮端温度を推定する手段」が、上記ステップ514の処理を実行することにより、前記第9の発明における「噴射量を算出する手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態2においては、ECU70が、上記ステップ510の処理を実行することにより、前記第10の発明における「吸気弁の閉時期を可変に制御する手段」がそれぞれ実現されている。
10 エンジン(内燃機関)
12 吸気通路
14 排気通路
16 エアクリーナ
18 スロットルバルブ
20 サージタンク
22 吸気マニホールド
24 吸気ポート
26 吸気ポート噴射弁
28 筒内噴射弁
32 燃料タンク
36 スタータモータ
38 気化燃料タンク
40 タンク内噴射弁
42 気化燃料供給弁
44 大気導入弁
46 リリーフ弁
48 クランク角センサ
50 エアフローセンサ
52 水温センサ
54 タンク圧センサ
56 タンク温度センサ
58 燃料性状センサ
60 燃圧センサ
70 ECU

Claims (10)

  1. 燃料を貯留する燃料タンクと、
    内燃機関の吸気通路の途中に接続され、前記燃料が気化した気化燃料を蓄える気化燃料タンクと、
    前記燃料タンク内の燃料を前記気化燃料タンクに供給するタンク内燃料供給手段と、
    前記気化燃料タンクと前記吸気通路との接続部を開閉する常閉の気化燃料供給弁と、
    前記内燃機関の運転中に前記気化燃料供給弁を閉弁した状態で前記タンク内燃料供給手段を駆動し、前記気化燃料タンク内に気化燃料を生成する気化燃料生成手段と、
    前記内燃機関の始動時に前記気化燃料供給弁を開弁し、前記気化燃料タンク内に蓄えられた気化燃料を前記吸気通路へ供給する気化燃料供給手段と、
    前記燃料タンク内の燃料を燃焼室内に直接噴射する筒内燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の始動時に必要な燃料供給量と前記気化燃料タンク内の気化燃料量とを比較して、該気化燃料量が不足するか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段によって該気化燃料量の不足が判定された場合に、前記気化燃料供給手段の実行に加えて、前記筒内燃料噴射弁から燃料を供給する筒内噴射手段を実行する供給制御手段と、を備え、
    前記供給制御手段は、前記内燃機関の暖機状態および燃料のアルコール濃度に基づいて、前記気化燃料供給手段による燃料供給量と前記筒内噴射手段による燃料供給量との割合を制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記判定手段は、
    前記気化燃料タンク内の燃料量、圧力および温度に基づいて、前記気化燃料量を算出する気化燃料量算出手段と、
    前記内燃機関の冷却水温に基づいて、始動時に必要な燃料供給量を算出する燃料供給量算出手段と、
    を含み、前記燃料供給量が前記気化燃料量よりも多量の場合に、該気化燃料量の不足を判定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記供給制御手段は、
    所定の点火気筒数までは前記気化燃料供給手段を実行し、その後の点火気筒には前記筒内噴射手段を実行する第1の燃料供給手段と、
    各点火気筒において前記気化燃料供給手段と前記筒内噴射手段との双方を実行する第2の燃料供給手段と、を含み、
    前記内燃機関の冷却水温が所定温度よりも高く、且つ、燃料のアルコール濃度が所定濃度よりも低い場合に前記第1の燃料供給手段を選択し、それ以外の場合には前記第2の燃料供給手段を選択することを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記第1の燃料供給手段は、
    前記気化燃料タンク内の気化燃料量に基づいて、始動時に該気化燃料によって点火可能な気筒数を算出する手段と、
    前記内燃機関の点火気筒数が前記点火可能気筒数を超えた場合に、前記気化燃料供給手段から前記筒内噴射手段への切り替えを行う手段と、
    を備えることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記第1の燃料供給手段は、
    前記内燃機関の機関回転数が所定値を超えた場合に、前記気化燃料供給手段から前記筒内噴射手段への切り替えを行う手段を含むことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記第1の燃料供給手段は、
    前記筒内噴射手段の燃圧が所定値を超えた場合に、前記気化燃料供給手段から前記筒内噴射手段への切り替えを行う手段を含むことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記第2の燃料供給手段は、
    前記各点火気筒の点火に必要な必要燃料量をそれぞれ算出する手段と、
    前記各点火気筒へ供給される気化燃料量が所定量となるための前記気化燃料供給弁の開度を算出する手段と、
    前記必要燃料量から前記所定量を減算した値を各点火気筒の筒内噴射量として算出する手段と、
    を含むことを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記筒内噴射手段は、吸気弁が閉弁した後の圧縮行程に筒内噴射を実行することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載の内燃機関の制御装置。
  9. 前記筒内噴射手段は、
    吸気弁の閉弁時期に基づいて、筒内の圧縮端温度を推定する手段と、
    前記圧縮端温度に基づいて、筒内燃料噴射弁からの噴射量を算出する手段と、
    を備えることを特徴とする請求項8記載の制御装置。
  10. 燃料のアルコール濃度に基づいて、前記内燃機関の吸気弁の閉時期を可変に制御する手段を更に備えることを特徴とする請求項8または9記載の内燃機関の制御装置。
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