JP2011526674A - 抗ヒトpd−1抗体の癌に対する治療効果を最適化するための判定マーカーの使用 - Google Patents

抗ヒトpd−1抗体の癌に対する治療効果を最適化するための判定マーカーの使用 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、癌治療において抗ヒトPD−1抗体をより効果的に処方し得る方法、その治療効果を予測または最適化する方法、さらにその方法において使用し得る判定マーカーを提供することである。
【解決手段】 本発明は、抗ヒトPD−1抗体投与開始前と比べて投与開始後の、血液中の数種の判定マーカーの一定以上の変動を捉えることによって、将来的に抗ヒトPD−1抗体の治療効果が期待できる癌患者を選択することを可能とし、抗ヒトPD−1抗体の癌治療における新たな処方を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の癌患者に対する抗ヒトPD−1抗体の治療効果を予測あるいは最適化するための判定マーカーの使用に関する。
現在、癌の根治治療のための第一選択療法は、化学療法、ホルモン療法もしくは放射線療法またはその組み合わせであるが、副作用の発現が問題となっている。
一方、従来の治療の副作用を回避し得る療法として免疫療法が注目されている。しかしながら、免疫療法は、患者の癌免疫を介する作用機序を特徴としているため、未だ不透明な部分が多く、その効果についても個体差があり、また、比較的長期の治療期間を要すると言われている。特に、比較的長期の治療期間を要する可能性のある新規の薬剤の場合には、各患者に対する有効性を判断する時期の設定が非常に困難であり、従来の判定時期を採用した場合、実際に抗腫瘍作用が生じていても、その効果を確認する以前に無効判定を下されるおそれがある。従って、免疫療法に関する上記問題点を克服するため、効果判定時期より以前に薬理反応を検出する方法、すなわち治療効果を予測し得る判定方法が希求されている。
ところで、抗ヒトPD−1抗体は抗癌剤や感染症治療剤としての利用されており、免疫抑制受容体であるPD−1の免疫抑制シグナルを阻害することにより、癌免疫作用を高める薬剤として作用する(特許文献1−3参照)。しかしながら、未だ、その治療効果を予測し得る判定方法についての報告はない。
本発明は、抗ヒトPD−1抗体治療の効果を検出する組成物および方法を提供し、抗ヒトPD−1抗体による癌治療効果を予測し得る判定マーカーとして、血中で変動する免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリン等を挙げている。免疫グロブリンに関しては、西村ら,(非特許文献1)において、PD−1欠損マウスの血中IgG、IgG2bおよびIgAの増加が認められることが報告されており、また、ゲルソリンに関しては、ヤングら(非特許文献2)において、ゲルソリン発現量と死亡リスクとの相関が認められる事例が報告されているが、ゲルソリン発現量と抗ヒトPD−1抗体による癌治療効果との関係についての報告は一切ない。
WO06/121168 WO03/011911 WO04/004771
西村ら(他3名),International Immunology,第10巻,第10号,1998年,p.1563−1572 ヤングら(他9名),BMC Cancer,第6巻,第203号,2006年,p.1−10
本発明の目的は、特定の癌患者に対して抗ヒトPD−1抗体をより効果的に処方する方法、その治療効果を予測または最適化する方法、さらにその方法において使用し得る判定マーカーを提供することにある。
本発明は、抗ヒトPD−1抗体の治療効果前に変動する血中判定マーカーを提供する。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することを含む、抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果を最適化する方法。
[2] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[1]記載の方法。
[3] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[1]記載の方法。
[4] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[1]記載の方法。
[5] IgGがIgGである[4]記載の方法。
[6] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[1]記載の方法。
[7] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5D4または2D3で特定される抗体である[6]記載の方法。
[8] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[1]記載の方法。
[9] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[8]記載の方法。
[10] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することからなる抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果最適化のための一以上の判定マーカーの使用。
[11] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[10]記載の使用。
[12] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[10]記載の使用。
[13] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[10]記載の使用。
[14] IgGがIgGである[13]記載の使用。
[15] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[10]記載の使用。
[16] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である[15]記載の使用。
[17] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[10]記載の使用。
[18] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[17]記載の使用。
[19] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することを含む癌治療方法。
[20] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[19]記載の方法。
[21] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[19]記載の方法。
[22] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[19]記載の方法。
[23] IgGがIgGである[22]記載の方法。
[24] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[19]記載の方法。
[25] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である[24]記載の方法。
[26] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[19]記載の方法。
[27] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[26]記載の方法。
[28] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者を治療するための、抗ヒトPD−1抗体を含む癌治療剤。
[29] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[28]記載の癌治療剤。
[30] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[28]記載の癌治療剤。
[31] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[28]記載の癌治療剤。
[32] IgGがIgGである[31]記載の癌治療剤。
[33] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[28]記載の癌治療剤。
[34] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である[33]記載の癌治療剤。
[35] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[28]記載の癌治療剤。
[36] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[35]記載の癌治療剤。
[37] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度と投与開始前の濃度を比較して、投与開始前に比べ投与開始後の一以上の判定マーカーの血中濃度が優位に増加することに基づいて、抗ヒトPD−1抗体が癌治療に効果的であることを予測することからなる、抗ヒトPD−1抗体による癌治療効果を予測する方法。
[38] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである[37]記載の方法。
[39] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである[37]記載の方法。
[40] 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである[37]記載の方法。
[41] IgGがIgGである[40]記載の方法。
[42] 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である[37]記載の方法。
[43] 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である[42]記載の方法。
[44] 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である[37]記載の方法。
[45] ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である[44]記載の方法。
[46] 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する患者を選択することを含む、抗ヒトPD−1抗体によって癌を治療するのに適切な患者を選択する方法。
本発明は、将来に効果が期待できる癌患者に対して継続的に投与され、効果が期待できない癌患者には投与されないかあるいは早期に投与が中止されるという、癌治療における抗ヒトPD−1抗体の新たな処方を提供する。
抗mPD−1抗体4H2投与による腫瘍体積への効果を示す。 抗mPD−1抗体4H2投与群およびmIgG投与対照群における血清中IgM濃度の増加を示す。 抗mPD−1抗体4H2投与群およびmIgG投与対照群における血清中CD5L濃度の増加を示す。 抗mPD−1抗体4H2投与群各例における血清中IgM濃度の増加と腫瘍体積との相関を示す。 ヒト型抗ヒトPD−1抗体の投与によって部分効奏あるいは安定状態となった癌患者の血清中IgG濃度の増加を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、ヒトPD−1とは、特開平7−291996で特定されるタンパク質である。
本発明において、抗ヒトPD−1抗体とは、例えば、ヒト化抗ヒトPD−1抗体およびヒト型抗ヒトPD−1抗体であって、ヒトPD−1の免疫抑制シグナルを阻害し得る、いわゆるヒトPD−1アンタゴニスト抗体あるいはヒトPD−1中和抗体である。ここで、ヒト化抗ヒトPD−1抗体とは、例えば、マウスのような別の哺乳動物に由来する抗ヒトPD−1抗体の(Complementarity Determining Region)CDR配列をヒト抗体のフレームワーク配列上に移植した抗体を言うが、例えば、国際公開第06/021955号に記載されている抗体が挙げられる。
また、ヒト型抗ヒトPD−1抗体とは、CDRおよびフレームワーク等すべての構成がヒトに由来する抗ヒトPD−1抗体であって、例えば、国際公開第04/056875号および国際公開第06/121168号に記載されている抗体が挙げられるが、好ましくは国際公開第06/121168号に記載されている17D8(各々配列番号1および8で表わされるVおよびV配列を有する)、4H1(各々配列番号3および10で表わされるVおよびV配列を有する)、5C4(各々配列番号4および11で表わされるVおよびV配列を有する)、4A11(各々配列番号5および12で表わされるVおよびV配列を有する)、7D3(各々配列番号6および13で表わされるVおよびV配列を有する)、5F4(各々配列番号7および14で表わされるVおよびV配列を有する)または2D3(各々配列番号2および9で表わされるVおよびV配列を有する)で特定されるヒト型抗ヒトPD−1抗体である。
なお、上記各々の抗ヒトPD−1抗体は、各々の公開公報に記載された方法に基づき製造することができる。また、本発明において、抗ヒトPD−1抗体には、上記抗体のFab、F(ab)′、前記抗体のScFv、Sc(Fv)やダイアボディのような低分子化抗体も含まれる。
本発明において、判定マーカー、すなわち、抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果を判定し得るマーカーとしては、癌患者に対する抗ヒトPD−1抗体投与開始前後の血液中の有意な濃度変動をもって検出され得る生体分子またはその断片であり、例えば、その濃度が増加する分子として、免疫グロブリン、CD5L(CD5-Like)、ゲルソリン、C3補体、アポリポ蛋白、ヘモグロビンβ鎖、マンノース結合レクチン、セルピンA6、ホメオボックスA10、EDEL3(EGF-like repeats and discoidin I-like domains-containing protein 3)、フィブロネクチン1、インターアルファ・トリプシンインヒビタ−1、C4B補体、C4B補体結合タンパク質、イムノグロブリンκ鎖VIII領域、イムノグロブリンγ1鎖C領域、アンジオテンシノーゲン、アルファ1アンチトリプシン1、アルブミン、凝固因子XIII、キンドリン3、プロトロンビン、SPA3K、α−1マクログロブリン、プラスミノーゲン、補体B因子、ムリノグロブリン−1、ムリノグロブリン−4およびインテグリンアルファ5等ならびにそれら各々の断片から選択される一以上の分子が挙げられ、好ましくは免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片から選択される一以上の分子であり、より好ましくは、免疫グロブリンおよびCD5Lならびにそれら各々の断片から選択される一以上の分子であり、さらに好ましくは免疫グロブリンまたはその断片である。一方、その濃度が減少する分子として、ハプトグロビン、血清アミロイドP成分、血清アミロイドA1、血清アミロイドA2、セロトランスフェリン、補体H因子、C9補体、インターアルファ・トリプシンインヒビター、ヘモペキシンおよびスロンボスポンジン−1等ならびにそれら各々の断片から選択される一以上の分子が挙げられる。ここで、前記分子の断片とは、測定のための前処理(例えば、トリプシン等の消化酵素による分解)あるいは血中酵素等によって分解された生体分子の一部を意味する。
本発明において、免疫グロブリンとは、例えば、IgM、IgG(例えば、IgG、IgG、IgGまたはIgG)、IgA(例えば、IgAまたはIgA)、IgD、IgEのすべてのアイソタイプを含み、好ましくはIgM、IgAまたはIgGであり、より好ましくはIgMまたはIgGである。また、血液中の免疫グロブリン濃度とは、そのアイソタイプ毎の濃度を意味する。
本発明において、各判定マーカーは、下記表1〜3のGenBank アクセッション番号で特定されるタンパク質である。なお、表中、一つのマーカーに対して複数のアクセッション番号がある場合には、そのいずれかによって特定されることを表わす。また、*印が付されたマーカーは、マウス・タンパク質として表記アクセッション番号で特定され、**印が付されたマーカーは、ラット・タンパク質として表記アクセッション番号で特定される。
Figure 2011526674
Figure 2011526674
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本発明において、抗ヒトPD−1抗体投与開始前とは、最初の投与前のいずれの時期でもよいが、投与直前が好ましい。一方、抗ヒトPD−1抗体投与開始後とは、少なくとも抗ヒトPD−1抗体による抗癌作用が従来の測定あるいは評価法によって確認できる以前のいずれの時期であってもよいが、より好ましくは抗ヒトPD−1抗体投与開始後約12週目(より好ましくは約8週目)以前のいずれかの時期であり、さらに好ましくは、投与開始後の血液中の判定マーカー濃度にある一定以上の変動が現れる最先の時期であって、投与開始後約8週目以前である。また、投与開始後の採血および判定マーカー濃度の測定は単回に限られず、複数回(例えば、2〜12回あるいはそれ以上)行うことがより好ましい。
抗ヒトPD−1抗体の投与量は、年齢、体重、症状(例えば、癌腫)、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、例えば、一回当り約1〜約30mg/kgの範囲で、2〜4週間毎に一回、12週間(3〜6回投与)投与される。もちろん前記したように、投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて必要な場合もある。
また、抗ヒトPD−1抗体の投与により、判定マーカーの血中濃度の有意な変動が認められない患者に対して、少なくとも有意な変動が認められるまで、約1〜約30mg/kgの範囲で投与量を増量、投与期間の延長または投与回数の増加あるいは投与間隔の短縮等の処方の変更を行ってもよい。
本発明において、癌治療効果とは、固形がんの腫瘍収縮効果判定(Response Evaluation Criteria In Solid Tumors:以下、RECISTと略す。)(Journal of the National Cancer Institute,2000,Vol.92,No.3,205-216)、すなわち、すべての標的病変の消失が4週間以上持続する完全奏効(以下、CRと略す。)、標的病変の最長径の和の30%以上の減少が4週間以上持続する部分奏効(以下、PRと略す。)、治療開始以降に記録された最小の最長径の和と比較して標的病変の最長径の和が20%以上増加する、進行(以下、PDと略す。)、PRとするには腫瘍の縮小が不十分で、かつPDとするには治療開始以降の最小の最長径の和に比して腫瘍の増大が不十分である、安定(以下、SDと略す。)に基づき判定する。
本発明において、抗ヒトPD−1抗体投与開始後の癌患者における判定マーカーの血中濃度が、投与開始前における当該濃度に比べ有意に増加するとは、投与開始後の判定マーカーの血中濃度が、少なくとも、RECISTにおけるSDと評価される患者群での判定マーカーの血中濃度域の下限以上であることを意味する。また、投与開始後の判定マーカーの血中濃度に代えて、投与開始後における投与開始前からの血中濃度の増加が、SD患者群での当該増加幅の下限以上である場合も有意な増加であると判断してもよい。ここで、複数の判定マーカーを使用する場合、少なくとも一種の判定マーカーにおいて前記条件を満たせば、その増加が優位と判断できる。また、各判定(CR、PR、SD、PD)、特にSDにおける各判定マーカーの血中濃度域あるいは前記増加幅は、事前に、抗ヒトPD−1抗体を投与した複数の癌患者のうち、SDと判定される患者から集計した当該血中濃度あるいは投与開始前からの血中濃度増加を統計的に解析することによって算出することができる。
本発明の抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果を予測する方法として、
(1)癌患者への抗ヒトPD−1抗体投与開始前および投与開始後における同患者の上記一以上の判定マーカーの血中濃度を各々測定し、
(2)各々の判定マーカーの両濃度を比較し、さらに、
(3)測定された判定マーカーの一以上について、投与開始後の血中濃度が、投与開始前の血中濃度に比べ有意に変動していることを指標に、抗ヒトPD−1抗体が癌治療効果を奏することを予測する方法が挙げられる。
また、本発明の抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果を最適化する方法としては、
(1)癌患者への抗ヒトPD−1抗体投与開始前および投与開始後における同患者の上記一以上の判定マーカーの血中濃度を各々測定し、
(2)各々の判定マーカーの両濃度を比較し、さらに、
(3)抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与する方法が挙げられる。
同様に、本発明には、抗ヒトPD−1抗体癌治療効果を最適化するための上記一以上の判定マーカーの使用が挙げられるが、その最適化とは、
(1)癌患者への抗ヒトPD−1抗体投与開始前および投与開始後における同患者の上記一以上の判定マーカーの血中濃度を各々測定し、
(2)各々の判定マーカーの両濃度を比較し、および
(3)抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与する方法からなる。
さらに、本発明には、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の上記一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することからなる癌治療方法が挙げられる。
判定マーカーの血中濃度の測定は、抗ヒトPD−1抗体投与開始前後に癌患者から採取された血液を用いる。血液の採取方法は特に限定されないが、血液の凝固を防止するため、血液抗凝固剤を用いてもよい。その血液抗凝固剤としては、ヘパリン、クエン酸ナトリウム、EDTA等が挙げられる。また、当該血液は、当該分野で周知な方法あるいは実施例に記載の方法により、血清とされ、そのまま測定に供されあるいは保存されてもよい。なお、複数の判定マーカーの血中濃度を測定する場合には、それぞれを個別的にあるいはすべてを網羅的に測定してもよい。
本発明において、判定マーカー、特に、血液中の免疫グロブリン、CD5Lもしくはゲルソリンまたはその断片の濃度の測定は、当該分野で周知な方法で実施できるが、特に免疫学的方法および質量分析法が好ましい。
免疫学的方法は、当該分野で周知な方法あるいは実施例に記載の方法で実施できるが、例えば、酵素免疫測定法(EIA)(例えば、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、電気化学発光免疫測定法(ECLIA)等)、放射性免疫測定法(RIA)(例えば、免疫放射定量法(IRMA)、ラジオレセプターアッセイ(RRA)、ラジオアッセイ(RA)、競合性蛋白結合分析法(CPBA)等)、蛍光抗体法(FA)(例えば、蛍光免疫測定法(FIA)、時間分解蛍光免疫測定法(TR−FAI)、間接蛍光抗体法(IFA)等)、蛍光偏光免疫測定法(FPIA)(例えば、エバネセント波蛍光免疫測定法(EV−FIA)、蛍光偏光測定法(FPA)等)、免疫沈降法、免疫比濁法(TIA)、微粒子計数免疫凝集測定法(PCIA)(例えば、ラテックス凝集法(LA)、粒度分布解析ラテックス免疫測定法(PAM-IA)、ラテックス凝集比濁法(LPIA)等)、ネフェメトリー法、ウエスタンブロット、免疫染色、免疫拡散法等を挙げることができる。
質量分析法は、当該分野で周知な方法で実施できるが、試料導入部(例えば、ゲル電気泳道動、液体クロマトグラフィー(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー等))、イオン源(例えば、電子イオン化、化学イオン化、電界脱離、高速原子衝突、マトリックス支援レーザー脱離イオン化、エレクトロスプレーイオン化、大気圧化学イオン化等)、質量分析計(例えば、二重収束質量分析計、四重極型分析計、飛行時間型質量分析計、フーリエ変換質量分析計、イオンサイクロトロン質量分析計等)を組み合わせる方法等に供し、所定のマーカーペプチドの分子量と一致するバンドもしくはスポットあるいはピークを検出することにより行うことができるが、具体的には、液体クロマトグラフ-質量分析法(LC/MS)あるいは液体クロマトグラフ-タンデム質量分析法(LC−MS/MS)等が挙げられる。
本発明において、特に、判定マーカーが免疫グロブリンまたはその断片である場合、ELISA、免疫比濁法、ネフェメトリーあるいはラテックス凝集比濁法により、CD5Lまたはゲルソリンあるいはその断片である場合、ELISAあるいは質量分析法(例えば、LC/MSあるいはLC−MS/MS)で測定するのが好ましい。
本発明が適用され得る癌患者は特に限定されないが、その適用の効果がより期待できるのは固形癌の患者である。そのような固形癌としては、例えば、悪性黒色腫(メラノーマ(例えば、転移性悪性メラノーマ))、腎癌(例えば、腎細胞癌、透明細胞カルシノーマ)、前立腺癌(例えば、ホルモン難治性前立腺アデノカルシノーマ)、乳癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌、尿路上皮癌、結腸癌、骨癌、皮膚癌、頭頚部癌、皮膚若しくは眼窩内悪性メラノーマ、子宮癌、直腸癌、肛門部癌、精巣癌、子宮癌、卵管のカルシノーマ、子宮内膜カルシノーマ、子宮頚部カルシノーマ、膣カルシノーマ、外陰部カルシノーマ、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、柔組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、小児固形癌、膀胱癌、腎臓若しくは尿管の癌、腎盂カルシノーマ、中枢神経系(CNS)腫瘍、腫瘍新脈管形成、脊椎腫瘍、脳幹グリオーム、下垂体アデノーマ、カポシ肉腫、扁平上皮癌、扁平細胞癌、アスベスト誘発癌を含む環境誘発癌および上記癌の組み合わせが挙げられる。より適用が期待できる固形癌としては、悪性黒色腫(メラノーマ(例えば、転移性悪性メラノーマ))、腎癌(例えば、腎細胞癌、透明細胞カルシノーマ)、前立腺癌(例えば、ホルモン難治性前立腺アデノカルシノーマ)、乳癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌、尿路上皮癌および上記癌の組み合わせであり、さらに期待できるのは、悪性黒色腫(メラノーマ(例えば、転移性悪性メラノーマ))、腎癌(例えば、腎細胞癌、透明細胞カルシノーマ)、前立腺癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、および上記癌の組み合わせである。
また、いわゆる血液癌に分類される急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ球性白血病を含む慢性若しくは急性白血病、リンパ球性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、原発性CNSリンパ腫またはT細胞リンパ腫等に対しても適用できる。
本発明で使用される抗ヒトPD−1抗体は、例えば、国際公開第06/121168号に記載されている方法で製造することができる。
本発明で使用される抗ヒトPD−1抗体は、通常、全身的または局所的に非経口の形で投与され、例えば、注射または輸液によって、例えば、静脈内、筋肉内、皮膚内、腹腔内または皮下に投与される。また、本発明で使用される抗ヒトPD−1抗体は、例えば、国際公開第06/121168号に記載されている他の併用剤とともに投与されてもよい。
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:移植用MC38細胞の調製
移植の前日に、5×10個/30mL/150mm培養ディッシュのMC38細胞(マウス大腸癌細胞(Cancer Res.(1975), 35(9), p.2434-9)を、10%ウシ胎児血清(FBS)、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを含むDMEM培地(以下、通常培地と略す。)に播種し、37℃、5%CO/95%空気下で1日培養した。
移植当日、培養上清を回収し、MC38細胞をダルベッコのリン酸緩衝液(D−PBS)で洗浄したのち、通常の方法で回収した。回収した当該細胞をD−PBSに懸濁したのち、移植直前まで氷上にて保存した。
実施例2:MC38細胞担癌モデルにおける腫瘍体積の測定
麻酔下のマウス(7週齢、雌性C57BL/6NCrlCrljマウス(日本チャールスリバー株式会社);10例)の右側腹部に、2×10細胞/100μL/マウスのMC38細胞を皮下投与した。なお、抗マウスPD−1抗体4H2(以下、抗mPD−1抗体4H2あるいは4H2と略す。)およびマウスIgG(以下、mIgGと略す。)は、移植1時間前(0日目)ならびに移植後3、6および10日目に、それぞれ600μg/200μL/マウスで腹腔内に投与した。
また、尾静脈からの採血は、移植前日および移植後8、15日目に行い、さらに室温で3時間静置した後、遠心分離にて血清を回収し、−80℃で保存した。さらに、移植後24日目にはマウスを麻酔下で開腹し、腹部大静脈より採血し、前記と同様の方法により、血清を回収し、保存した。
腫瘍体積(mm)は、電子ノギス(株式会社ミツトヨ)を用いて、腫瘍の短径および長径を測定し、以下の式にて算出した。
Figure 2011526674
図1に、600μg mIgG単回投与対照群(黒四角)と同量の抗mPD−1抗体4H2単回投与群(白三角)における腫瘍体積の経日変化を示す。
[結果]
図1に示すように、抗mPD−1抗体4H2は、腫瘍体積を有意に減少させる効果を示した。
実施例3:血清中IgMおよびCD5L濃度の測定
血清中IgM濃度の測定は、ELISA Starter Accessory Package kit(フナコシ株式会社)およびmouse IgM ELISA Quantitation kit(フナコシ株式会社)にて、当該添付文書の操作手順に従って実施した。
血清中CD5L濃度の測定は、下記の操作手順に従って実施した。すなわち、1μg/mLの抗マウスCD5Lモノクローナル抗体(MAB28341)のPBS希釈液を、100μL/ウェルでELISAプレートに分注し、4℃で一晩固層化した。100μL/ウェルの洗浄バッファー[0.05%(v/v)Tween20/PBS]で3回洗浄した後、ブロッキングバッファー[1%(w/v)BSA/PBS]を100μL/ウェルずつ添加して、室温で90分静置した。
さらに、100μL/ウェルの洗浄バッファーで3回洗浄した後、系列希釈した10〜0.078ng/mLの組換えマウスCD5L(R&Dシステムズ)および10倍希釈した血清サンプルを100μL/ウェルずつ添加して、室温で120分静置した。
洗浄バッファーで3回洗浄した後、1μg/mLの抗マウスCD5Lポリクローナル抗体(AF2834)を100μL/ウェルずつ添加して、室温で60分静置した。
さらに、洗浄バッファーで3回洗浄した後、10倍希釈したHRP標識抗ヤギIgGを100μL/ウェルずつ添加して、室温で60分静置した。洗浄バッファーで3回洗浄した後、TMB基質(KPL)を100μL/ウェルずつ添加して、室温で30分静置し、停止溶液(KPL)を100μL/ウェルずつ添加して、マイクロプレート用分光光度計(SPECTRA MAXTM 190;モレキュラー・デバイス)で450nmの吸光度を測定した。
図2および図3は、それぞれ、MC38細胞移植後8日目における抗mPD−1抗体4H2投与群とmIgG投与対照群の血清中IgM濃度と血清中CD5L濃度の増加を表わす。ここで、各濃度増加は、移植前日における各濃度からの増加分(それぞれ10例ずつの平均値)を表わす。
図4は、移植後8日目における抗mPD−1抗体4H2投与群各例の血清中IgM濃度増加と移植後15日目における腫瘍体積との関係をプロットした図面である。
[結果]
図2および図3に示すように、抗mPD−1抗体4H2投与群では、腫瘍体積への効果が確認できない移植後8日目において、mIgG投与対照群に比べ血清中IgM濃度および血清中CD5L濃度の増加が顕著であった(P<0.05;スチューデントのt−検定)。また、図4に示すように、抗mPD−1抗体4H2投与群の血清中IgM濃度の増加は腫瘍体積と逆相関(相関係数:−0.58)していることが認められた。同様に、CD5Lについても逆相関の傾向を示した。
実施例4
再発性または治療耐性固形癌(非小細胞癌、腎、大腸、メラノーマおよびホルモン耐性前立腺癌)を有する39名の患者に対して、0.3、1、3または10mg/kgのヒト型抗ヒトPD−1抗体を単回投与した。最初の投与の一日前、投与後29日、57日および85日後に、患者から血清を採取した。血清はバイオマーカー濃度測定まで凍結し、解凍後、免疫グロブリン(IgM、IgA、IgG、IgG、IgGおよびIgG)を測定した。
[結果]
RECIST基準に従い、病状を評価した。部分効奏が認められた大腸癌(3mg/kgヒト型抗ヒトPD−1抗体投与)および腎細胞癌(10mg/kgヒト型抗ヒトPD−1抗体投与)の二人の患者ならびに安定状態となった一人のメラノーマ患者(10mg/kgヒト型抗ヒトPD−1抗体投与)を含めて、抗癌活性が認められた。図5に示すように、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後のIgG濃度は投与開始前に比べ高かった。
本発明にて用いられる抗ヒトPD−1抗体は、将来に効果が期待できる癌患者に対して継続的に投与されることを特徴とし、その有効成分である抗ヒトPD−1抗体の新たな処方として有用である。また、本発明の抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果を予測または最適化する方法は、本発明の抗癌剤をその効果が期待できる癌患者に提供する手段として有用である。

Claims (29)

  1. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することを含む、抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果を最適化するための方法。
  2. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである請求項1記載の方法。
  3. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである請求項1記載の方法。
  4. 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである請求項1記載の方法。
  5. IgGがIgGである請求項4記載の方法。
  6. 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である請求項1記載の方法。
  7. ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である請求項6記載の方法。
  8. 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である請求項1記載の方法。
  9. 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である請求項8記載の方法。
  10. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することを含む抗ヒトPD−1抗体の癌治療効果最適化のための一以上の判定マーカーの使用。
  11. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである請求項10記載の使用。
  12. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである請求項10記載の使用。
  13. 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである請求項10記載の使用。
  14. IgGがIgGである請求項13記載の使用。
  15. 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である請求項10記載の使用。
  16. ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である請求項15記載の使用。
  17. 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である請求項10記載の使用。
  18. 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である請求項17記載の使用。
  19. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者に、その後、抗ヒトPD−1抗体を一回以上投与することを含む癌治療方法。
  20. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後12週目以前のいずれかの時期のものである請求項19記載の方法。
  21. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後の判定マーカー血中濃度が、抗ヒトPD−1抗体の投与開始後8週目以前のいずれかの時期のものである請求項19記載の方法。
  22. 免疫グロブリンが、IgM、IgGおよびIgAからなる群から選択される一以上のイソタイプである請求項19記載の方法。
  23. IgGがIgGである請求項22記載の方法。
  24. 抗ヒトPD−1抗体が、ヒト型抗ヒトPD−1抗体である請求項19記載の方法。
  25. ヒト型抗ヒトPD−1抗体が、国際公開第06/121168号パンフレットに記載されている17D8、4H1、5C4、4A11、7D3、5F4または2D3で特定される抗体である請求項24記載の方法。
  26. 癌患者が、一種以上の固形癌を有する患者である請求項19記載の方法。
  27. 一種以上の固形癌が、悪性黒色腫、腎癌、前立腺癌、乳癌、肺癌、膵癌、大腸癌、肝細胞癌、胆道癌、胃癌、卵巣癌、食道癌および尿路上皮癌からなる群から選択される癌である請求項26記載の方法。
  28. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する癌患者を治療するための、抗ヒトPD−1抗体を含む癌治療剤。
  29. 抗ヒトPD−1抗体の投与開始後に、免疫グロブリン、CD5Lおよびゲルソリンならびにそれら各々の断片からなる群から選択される一以上の判定マーカーの血中濃度が、投与開始前よりも優位に増加する患者を選択することを含む、抗ヒトPD−1抗体によって癌を治療するのに適切な患者を選択する方法。
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