JP2011519870A - 非ステロイド性抗炎症薬の経皮投与による月経困難症の治療 - Google Patents

非ステロイド性抗炎症薬の経皮投与による月経困難症の治療 Download PDF

Info

Publication number
JP2011519870A
JP2011519870A JP2011507720A JP2011507720A JP2011519870A JP 2011519870 A JP2011519870 A JP 2011519870A JP 2011507720 A JP2011507720 A JP 2011507720A JP 2011507720 A JP2011507720 A JP 2011507720A JP 2011519870 A JP2011519870 A JP 2011519870A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dysmenorrhea
pain
subject
composition
steroidal anti
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011507720A
Other languages
English (en)
Inventor
アンドリュー・コーリー
Original Assignee
テイコク ファーマ ユーエスエー インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by テイコク ファーマ ユーエスエー インコーポレーテッド filed Critical テイコク ファーマ ユーエスエー インコーポレーテッド
Publication of JP2011519870A publication Critical patent/JP2011519870A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/70Web, sheet or filament bases ; Films; Fibres of the matrix type containing drug
    • A61K9/7023Transdermal patches and similar drug-containing composite devices, e.g. cataplasms
    • A61K9/703Transdermal patches and similar drug-containing composite devices, e.g. cataplasms characterised by shape or structure; Details concerning release liner or backing; Refillable patches; User-activated patches
    • A61K9/7038Transdermal patches of the drug-in-adhesive type, i.e. comprising drug in the skin-adhesive layer
    • A61K9/7046Transdermal patches of the drug-in-adhesive type, i.e. comprising drug in the skin-adhesive layer the adhesive comprising macromolecular compounds
    • A61K9/7053Transdermal patches of the drug-in-adhesive type, i.e. comprising drug in the skin-adhesive layer the adhesive comprising macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon to carbon unsaturated bonds, e.g. polyvinyl, polyisobutylene, polystyrene
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/185Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
    • A61K31/19Carboxylic acids, e.g. valproic acid
    • A61K31/192Carboxylic acids, e.g. valproic acid having aromatic groups, e.g. sulindac, 2-aryl-propionic acids, ethacrynic acid 
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/70Web, sheet or filament bases ; Films; Fibres of the matrix type containing drug
    • A61K9/7023Transdermal patches and similar drug-containing composite devices, e.g. cataplasms
    • A61K9/703Transdermal patches and similar drug-containing composite devices, e.g. cataplasms characterised by shape or structure; Details concerning release liner or backing; Refillable patches; User-activated patches
    • A61K9/7038Transdermal patches of the drug-in-adhesive type, i.e. comprising drug in the skin-adhesive layer
    • A61K9/7076Transdermal patches of the drug-in-adhesive type, i.e. comprising drug in the skin-adhesive layer the adhesive comprising ingredients of undetermined constitution or reaction products thereof, e.g. rosin or other plant resins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P5/00Drugs for disorders of the endocrine system
    • A61P5/24Drugs for disorders of the endocrine system of the sex hormones

Abstract

本方法および組成物は原発性および続発性月経困難症などの月経困難症に罹患している対象の治療のために提供される。本発明の態様は、有効量の非ステロイド性抗炎症薬を対象に経皮投与することを含む。対象方法を実践する際の用途を見出す経皮NSAID製剤および同製剤を含むキットもまた提供する。

Description

関連出願の相互参照
本願は、35 U.S.C.§119 (e)に従って、2008年5月21日に出願された米国仮特許出願番号61/055,061の出願日に基づく優先権を主張し;その開示は本明細書に引用される。
序論
急性、慢性または再発性の疼痛は、死亡および障害の主要な原因であり、直接および間接的なコストにて毎年数十億ドルかかる。骨盤疼痛は、女性では、治療が求められている疼痛の訴えの圧倒的に最も一般的なタイプである。
骨盤疼痛の患者を診断し、治療する際に、急性および慢性疼痛、月経困難症の再発症状または有痛性月経を区別することが重要である。
一般に、月経困難症の罹患率は見積もるのが困難であるが;10〜15%の女性が毎月ベースで仕事、学校または家から時間を失う月経困難症の結果として十分な障害に罹患していると推定される。月経困難症は原発性または続発性月経困難症として分類することができる。原発性月経困難症は、子宮プロスタグランジンF2aの増大、プロスタグランジンに対する感受性の増大またはその両者により起こり、若年患者により一般的である。続発性月経困難症は、子宮、卵管(tubes)、卵巣または骨盤腹膜に影響する特定可能な病理学的または医原性病態に続発し、高齢患者により一般的である。
種々の治療剤が骨盤疼痛に罹患している患者の治療に用いるために開発されている。アスピリン、アセトアミノフェンおよびNSAID(例えばイブプロフェンおよびナプロキセン(naprosyn))などの多くの薬剤の経口投与は、胃もたれ、胃腸出血および潰瘍ならびに肝臓および腎臓損傷などの副作用を有しうる。カルシウム・アンタゴニスト(ニフェジピン)または鎮痙薬(イソクスプリン(Isoxuprine)、パパベリン、リトドリン)などの薬物は、子宮活動を抑制することがあるが、それらの副作用によりこれらの薬物は臨床的有用性を制限してきた。
本方法および組成物は原発性および続発性月経困難症などの月経困難症に罹患している対象の治療のために提供される。本発明の態様は、有効量の非ステロイド性抗炎症薬を対象に経皮投与することを含む。本方法を実践する際の用途を見出す経皮NSAID製剤および同製剤を含むキットもまた提供する。
定義
本発明を記載し、特許請求するに際し、以下に示される定義に従い以下の専門用語を用いる。
本明細書にて用語「活性物質」、「薬理活性物質」または「薬物」は、有機体(ヒトまたは動物)に投与した場合、局所および/または全身作用により所望の薬理学的および/または生理学的効果を誘発する物質の化合物または組成物を意味する。本明細書において活性物質は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)およびその薬理学的に許容される塩、塩基、エステル、アミド、誘導体またはプロドラッグである。
「治療」は、対象を苦しめる病態と関連する症状の少なくとも緩和を意味し、緩和が広義に用いられる場合、治療される病態と関連するパラメータ、例えば症状、または他の関連する副作用の大きさ、例えば疼痛の程度の少なくとも軽減を意味する。その効果は、疾患もしくはその症状を完全にもしくは部分的に阻止するという点で予防的であることができ、および/または疾患および/もしくは該疾患に起因する悪影響の部分的もしくは完全な治癒の点で治療的であることができる。従って、本明細書において本発明の患者を「治療する」方法は、罹患しやすい個体における障害または症状(例えば骨盤疼痛)の予防および臨床的症候性個体における障害または症状の治療の両方を包含する。
「疼痛の軽減」は、当分野にて知られており、本明細書にて開示される疼痛評価ツールにより評価されるように、対象が経験する疼痛のレベルまたは重篤度の減少を意味する。例えば、「少なくとも50%の疼痛軽減」は、対象が、本明細書にて開示される適切な任意の疼痛評価法により評価されるように、対象が経験する疼痛の初期レベルの半分よりも低い疼痛のレベルまたは重篤度を経験し、および/または報告することを意味する。
「治療的有効」または「有効量」は、無毒だが、所望の治療効果を提供するために十分である、対象に与えられる活性物質(例えば非ステロイド性抗炎症薬)の十分な量を意味する。有効量は、骨盤疼痛の軽減または停止に十分な投与量である。有効量は、対象の年齢および身体状態、治療される疼痛の重篤度、治療される病態に内在する性質、治療期間、併用治療の性質、用いられる医薬的に許容される担体(もしあれば)および当業者の知識および見解の範囲内の類似の因子により変化する。
「経皮」薬物送達は、薬物が皮膚組織を通過し、対象の血流に入り、それにより治療効果を提供するような、個体の皮膚表面への薬物(すなわち活性物質)の投与を意味する。
活性物質組成物を送達する領域を意味する皮膚の「領域」は、皮膚が角質化皮膚である、無傷の完全な生物の定義された領域を意味する。皮膚の一定の領域は、1 cm2〜200 cm2、2 cm2〜100 cm2、4 cm2〜50 cm2などの範囲であることができる。用語「体表面」は皮膚組織、具体的には角質化皮膚を意味するために用いる。
本明細書において「単位用量」または「単位剤形」は、ヒト対象について単位投与量として適切な物理的に分離した単位を意味し、各単位は、医薬的に許容される希釈剤、担体またはビヒクルと関連して所望の効果を産生するのに十分な量にて計算された所定量の薬物(すなわち薬剤)を含む。本発明の薬剤の単位剤形についての明細は、例えば用いられる特定の薬剤および達成される効果、対象などにおける特定の薬剤と関連する薬力学に依存する。
「医薬的に許容される担体」は、医薬的に許容される担体が1以上の薬剤の生物学的または治療的有効な活性を除去しないで薬剤と組み合わせることができるという点で、1以上の薬剤および対象活性物質組成物の他の任意の成分と両立しうる組成物の担体、希釈剤、賦形剤などの成分を意味し、過度に有害な副作用(例えば毒性、刺激またはアレルギー反応)なしで本明細書に提供される対象における使用に適切である。副作用は、そのリスクが医薬品により提供される便益を上回る場合に「過度」である。
詳細な記載
本方法および組成物は原発性および続発性月経困難症などの月経困難症に罹患している対象の治療のために提供される。本発明の態様は、有効量の非ステロイド性抗炎症薬を対象に経皮投与することを含む。本方法を実践する際の用途を見出す経皮NSAID製剤および同製剤を含むキットもまた提供する。
本発明をより詳細に記載する前に、本発明は記載された特定の具体的態様に限定されるものではなく、従ってもちろん改変することができることが理解されよう。本明細書にて用いられる用語は、本発明の範囲が特許請求の範囲のみによって限定されるから、特定の具体的態様を記載する目的のためだけであり、これに限定されないことも理解されよう。
数値範囲が提供される場合、特に明記されなければ下限の単位の10分の1まで、それぞれの間の値、その範囲の上限および下限の間およびその範囲中の任意の他の記載される値または間の値が本発明に包含されることが理解されよう。これらのより小さい範囲の上限および下限は、独立してより小さい範囲に含まれてもよく、その記載された範囲内の具体的に除かれた任意の臨界値に従って、本発明にも包含される。記載された範囲が1または両方の臨界値を含む場合、その含まれた臨界値のいずれかまたは両方を排除する範囲もまた本発明に含まれる。
いくつかの範囲は、本明細書において用語「約」が付された数値で示されている。本明細書において用語「約」は、その後に続く正確な数字ならびにその後に続く数字と近似またはおよその数字についての事実に即したサポートを提供するために用いる。数字が具体的に記載された数字と近似するか、またはおよそであるかを決定する際に、近似するかまたはおよその具体的に記載されていない数字は、示される文脈において、具体的に記載された数字の実質的な均等を提供する数字であることができる。
特に定義されていなければ、本明細書においてすべての技術的および科学的用語は、当業者により一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと同様または均等の任意の方法および物質もまた、本発明の実施例または試験に用いることができるが、典型的な例示の方法および物質を記載する。
本明細書に引用されるすべての刊行物および特許は、各刊行物または特許が具体的かつ個別に引用により組み込まれるものと示唆するかのように引用により本明細書に組み込まれ、該刊行物が引用するのと関連して方法および/または物質を本明細書において引用により開示し、記載する。任意の刊行物の引用は、出願日前のその開示のためであり、本発明が発明前のおかげでそのような刊行物に先行する権利はないという承認として解釈すべきでない。さらに、提供される公開日は、独立して確認する必要があってよい現実の公開日と異なってもよい。
本明細書および特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、特に明記されなければ、複数形の対象を含むものである。特許請求の範囲は任意の要素を排除するよう起案することができることをさらに認識されよう。従って、この陳述は、請求項の要素の記載と関連して「単に」、「のみ」などの排他的用語の使用または「消極的」制限の使用の先行詞として供されるものである。
いくつかの化学構造を記載する際に従来どおり、いくつかのヒドリド基は明確性の目的のために記載した構造から省略するが、例えば必要に応じて、記載した構造中の炭素の結合価を完全に満たすように存在することが理解されるべきである。
本開示に当たった当業者に明らかなように、本明細書に記載され、例示された各具体的態様は、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、他のいくつかの任意の具体的態様の特徴から容易に分離され、またはこれを組み合わせることができる別々の構成要素および特徴を有する。任意の引用される方法は、引用される事象の順序にて、または理論的に可能な他の任意の順序にて行うことができる。
方法
上記に概述したように、月経困難症の対象を治療する方法が提供される。本発明により治療される対象は一般に、哺乳動物の対象、より詳細には雌哺乳動物の対象、例えば女性ヒト対象である。本発明の方法により治療される月経困難症としては、例えば以下により詳細に記載される原発性および続発性月経困難症の両方が挙げられる。
本発明の方法の態様としては、有効量のNSAIDを月経困難症の対象に投与して該対象を治療するために十分であるような、経皮非ステロイド性抗炎症薬組成物(経皮NSAID組成物)の該対象の皮膚部位への局所適用が挙げられる。本発明の方法において、経皮NSAID組成物(以下により詳細に記載される具体的態様)は、対象の角質化皮膚部位などの対象の皮膚部位に適用される。
組成物の皮膚部位への適用に従い、局所組成物は、有効量のNSAIDを対象に投与するのに十分な期間(すなわち時間帯)皮膚部位にて維持される。いくつかの具体的態様において、局所製剤は、6時間〜7日の期間、例えば12時間〜3日、1〜2日などの間皮膚部位にて維持される。
対象への経皮NSAID組成物の適用に従い、未処置対照と比較して、対象は骨盤疼痛などの疼痛の統計的に有意な減少を経験する。本発明の方法による疼痛の評価は、疼痛応答指標(PRI)および存在する疼痛指標(PPI)、視覚的アナログ尺度(VAS)、数字目盛、カテゴリー・スケール、疼痛顔スケールなどを含むことができるMcGill疼痛質問表(MPQ)などの評価ツールを含むことができるが、これに限定されない。当分野にて知られた同様の疼痛評価ツールおよび調査もまた用いることができる。骨盤疼痛評価に加えて、評価は、いくつかの具体的態様において、例えば背痛および吐き気などの関連症状の存在および重篤度または強度の評価をも含むことができる。いくつかの具体的態様において、疼痛評価はまた、当分野にて知られているように、血圧などの生理学的パラメータの測定などの客観的基準または生理学的パラメータなどを測定するためのセンサーを用いることによることも含むことができる。
対象が経験した疼痛の程度を評価する場合に、本発明の組成物および方法を用いた疼痛緩和の開始のタイミング、疼痛軽減の程度および疼痛緩和の期間を評価することができる。例えば、対象が経験した疼痛のレベルは、本組成物の投与前ならびに本組成物の投与後15分、30分、60分、120分などにて評価することができる。
経皮組成物の除去後に標的症状、例えば骨盤疼痛が再発する場合には、新たな経皮組成物を適用することができる。本手法は必要に応じて繰り返すことができ、標的月経困難症病態、例えば疼痛緩和の治療を達成するために所望されてもよい。
いくつかの具体的態様において、本方法にて用いられる非ステロイド性抗炎症薬の市場浸透は制御放出製剤であり、対象は組成物の適用後数時間の間、疼痛からの緩和を経験する。いくつかの具体的態様において、組成物は、迅速吸収および制御放出製剤の両方を組み合わせた活性物質の製剤を含む。
本発明の組成物を適用する皮膚部位は、対象が標的月経困難症病態について治療されるように該組成物の皮膚部位への適用によりNSAID活性物質の対象への十分な投与がもたらされる限りにおいて、変化しうる。いくつかの具体的態様において、皮膚部位は胴皮膚部位、例えば背部、胸部、腹部などであり、いくつかの具体的態様において、皮膚部位は腹部皮膚部位である。
皮膚部位に適用される組成物の量は、変化しうる。例えば、局所適用が腹部に適用されるパッチ、溶液、ゲル、ローション、クリーム、泡またはエアロゾルである場合、パッチの形態にて適用される組成物により覆われる領域は、対象の腹部皮膚部位などの1〜200 cm2、例えば2〜100 cm2、4〜50 cm2の皮膚部位にわたることができる。所望であれば、組成物は、適宜それに適用される被膜を含むことができる。都合良く、組成物は、単位剤形にて提供することができる。
対象への経皮NSAID組成物の適用は、標的月経困難症病態について対象を治療するのに十分なNSAIDの治療的効果をもたらす。
いくつかの具体的態様において、対象は、月経の開始時または症状の開始時に、標的月経困難症病態(例えば骨盤疼痛)の症状を治療するために本組成物を適用することができる。他の具体的態様において、対象は、月経の開始前または症状の開始前に、症状(例えば骨盤疼痛)の発症を予防するために本組成物を適用することができる。いくつかの具体的態様において、対象は、いつ月経が開始するかを計算または決定し、月経の開始前の期間、例えば月経開始の2日以上前、例えば月経開始の1日以上前に経皮NSAID組成物を皮膚部位に適用する。
いくつかの具体的態様において、本発明の方法は、標的月経困難症病態の存在について対象を診断することを含む。用いられる診断プロトコルは変化しうる。いくつかの具体的態様において、診断プロトコルは、完全な病歴および身体診察ならびに血液検査、尿検査、画像検査、場合により腹腔鏡検査などの診断および/または治療手順などの検査を含むことができる。対象の評価は、治療前および治療後の両方にて疼痛のタイミング、性質および重篤度の決定を含むことができる。月経困難症病態の標的系が骨盤疼痛などの疼痛である場合、骨盤疼痛は急性、慢性および/または再発性の、例えば月経中の悪化、すなわち原発性または続発性月経困難症の症状であってもよい。本発明の方法および組成物は、原発性および続発性月経困難症の両方を伴う骨盤疼痛の治療に用いることができる。
原発性月経困難症は若年患者により一般的であるが、続発性月経困難症は老年患者により一般的となっている。証拠により、原発性月経困難症は、子宮プロスタグランジンF2aの増大、プロスタグランジンに対する感受性の増大またはその両方のいずれかにより起こることが示唆される。続発性月経困難症は、子宮、卵管、卵巣または骨盤腹膜に影響する特定可能な病理学的または医原性病態により引き起こされるか、または続発する。これらの過程が骨盤構造中またはその回りの圧力を変化させる場合の疼痛の結果は、血流を変化させまたは制限するか、または骨盤腹膜の炎症を引き起こす。これらの過程は、月経の正常な生理と組み合わさって作用して不快感を生じうるか、またはそれらの症状が月経中に顕著となって独立して作用しうる。症状が月経の期間中に起こる場合、これらの過程は慢性骨盤疼痛の原因をもたらしうる。
続発性月経困難症および慢性疼痛の原因は、子宮内または子宮外として広く分類することができる。骨盤内臓器に影響しうり、急性疼痛を引き起こしうるほぼすべての過程は、慢性疼痛または続発性月経困難症の原因でありうる。可能性のある子宮内原因としては、腺筋症、筋腫、ポリープ、子宮内避妊具(IUCD)、感染症および頸管狭窄などの良性症状が挙げられるが、これらに限定されない。可能性のある子宮外原因としては、子宮内膜症、良性および悪性腫瘍、嚢胞、種々の原因による炎症または感染症、癒着、「心因性」疼痛と診断されている患者、および骨盤内鬱血症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
腺筋症は、子宮内膜の子宮筋肉組織への良性の浸潤により特徴づけられ、さらに筋肉組織の広範性異常増殖を伴うことが多い病態である。この病態は25%〜40%の子宮摘出標本にて報告される。総じて、子宮はわずかに肥大し、一般的に対称的である。疝痛性月経困難症および月経過多は、腺筋症の患者が最も頻繁に訴える病状である。腺筋症に見られる疼痛は、直腸または仙骨に向けられることが多い。子宮内膜症は約15%の場合に共存すると考えられる。腺筋症の最終診断は、顕微鏡でなされなければならない。
筋腫または子宮筋腫は、最も頻繁に起こるヒト腫瘍であり、30歳を超える20%の女性および40歳を超える30%の女性に起こることが報告される。これらの腫瘍は、非常に小さいサイズのものから100ポンドを超える重量のものまで変化しうる。これらの腫瘍は子宮、頸部または子宮広靱帯の任意の部分にて起こりうるが、続発性月経困難症の最も原因となりやすいものは、子宮および子宮腔の変形を引き起こすものである。疼痛は、正常な子宮筋活動の破壊または子宮内圧の変化に起因すると考えられる。子宮筋腫の診断は一般に、子宮の肥大および変形の身体的検査による発見に基づいてなされる。
ポリープは月経困難症のまれな原因であるが、子宮腔内の有茎性ポリープは月経痛の原因でありうる。兆候となるのに十分に大きい場合には、これらの成長は一般に、子宮肥大または頸部にわたるヘルニア形成により検出可能である。
続発性月経困難症に一般的な医原性原因は、子宮内避妊具(IUCD)である。IUCDの存在は、特に子供をもたない女性に、有痛性となりうる子宮活動の増大を引き起こしうる。
感染およびその結果は、続発性月経困難症または慢性骨盤疼痛をもたらしうる。活発な感染が存在する場合、急性として存在することが多く、上記のように診断される。感染からの瘢痕化および腹腔内癒着は、骨盤内臓器の限定された動作および疼痛をもたらしうる。疼痛は、月経、***、排便または身体活動中においてのみ経験してもよく、特徴において持続性および慢性であってもよい。診断は、有通性骨盤検査、付属器の肥厚、および骨盤内臓器の限定された動作と組み合わせて、骨盤感染症の病歴、特に繰り返し発症により行うことができる。
頸管狭窄などの膣および頸部の良性疾患は、月経または他の骨盤疼痛のまれな原因である。検鏡検査による頸部の視診は損傷の存在を明らかにすることができる。頸管狭窄はプローブの使用により評価することができる。
骨盤疼痛の子宮外原因としては、正常な子宮内壁に似た組織が子宮外の様々な場所で異常に起こる病態である子宮内膜症が挙げられる。子宮内膜移植が見られる主な場所は、卵巣;子宮靱帯;直腸膣中隔;骨盤腹膜、卵管、直腸、S字結腸および膀胱;臍孔および膣などのより遠位の場所である。子宮内膜移植はピンの頭ほどのサイズから数センチの大きな骨盤塊まで変化しうる。子宮内膜症は30〜40歳代の白人女性に最も一般的である。約8-10%の患者が急性症状を有するが、大抵は背部および直腸に向けられる疼痛を伴う重篤な月経困難症を有する。慢性骨盤内炎症性疾患の患者のように臨床的には存在しない患者において、子宮仙骨領域に小塊があれば、子宮内膜症の可能性が上昇する。
子宮または付属器構造に起こり、または広がる良性または悪性の腫瘍は、月経困難症または骨盤疼痛の原因であってよい。骨盤検査における塊の存在により、医師は腫瘍の可能性を考えるべきである。
慢性炎症は、慢性骨盤疼痛および月経困難症の原因であることができる。これは、炎症の活性効果によりまたは過去の感染症からの瘢痕により起こりうる。先の炎症過程または外科的治療介入から起こる癒着は、慢性骨盤疼痛または月経困難症の原因であることができる。患者の病歴はこの可能性のある原因の評価に有用である。
慢性骨盤疼痛の約5-10%の患者において、明確な原因は認定することができない。いくつかの場合には、これらの患者は、「心因性」月経困難症または慢性骨盤疼痛と診断される。これらの患者において、疼痛自体が疾患となりうる。他の身体的原因が除去された後すぐに、この診断をなすことができる。
骨盤内鬱血症候群は、脚の静脈瘤に似た卵巣および骨盤静脈瘤の存在に見ることができる。さらに、腹壁、膀胱、直腸、S字結腸および骨盤の骨格要素はすべて、急性または慢性骨盤疼痛の原因となる可能性がありうる。これらの領域はそれぞれ、骨盤疼痛を訴える患者の病歴および身体的評価の両方に含まれるべきである。
上記病態は、続発性月経困難症の診断にて考えられる原因であることができる。例えば、対象を評価する際に、疼痛を伴う月経出血過多の訴えは、腺筋症、筋腫またはポリープの可能性を示唆する。骨盤の重さまたは腹部輪郭の変形の訴えは、腹内新生物の可能性を上げるべきである。熱、風邪および倦怠感は炎症過程を示唆すべきである。不妊症と合併した不満は、子宮内膜症の可能性があるなどを示唆してもよい。
原発性月経困難症の罹患率は、十代後半から20代前半の女性で最大である。真の原発性月経困難症が若い女性の最初の3〜6月経周期中に起こることは一般的でない。罹患率は年齢とともに減少するが、40代の女性でさえ影響を受けてもよい。出産は罹患率に影響しないようだ。
原発性月経困難症の疼痛は、続発性月経困難症を経験するよりも多いことが多い。疼痛に加えて、これらの患者は、消耗性吐き気、嘔吐、下痢および症候性血管収縮を経験することが多い。原発性月経困難症に罹患する女性にとって、これは生活に有意な崩壊の原因となりうる。疼痛は典型的に、月経の開始直前またはその後始まり、約48〜72時間続く。疼痛は、月経の初日または二日目に最も重篤であることが多い。
証拠により、原発性月経困難症は、子宮プロスタグランジンF2aの増大、プロスタグランジンに対する感受性の増大またはその両方により起こることが示唆される。プロスタグランジンF2aは子宮筋刺激物質となりうる。プロスタグランジンF2aの増大したレベルは、子宮収縮活動、虚血および疼痛の増大を引き起こす。プロスタグランジンF2aはまた、経験することが多い吐き気、嘔吐および下痢の症状を引き起こす胃腸管の平滑筋の刺激物質ともなりうる。
プロスタグランジンは、細胞壁に通常見られる脂肪酸の誘導体である。子宮におけるプロスタグランジン産生は、月経開始のピーク時またはその直後に、プロゲステロンの影響下にて増大する。月経が開始するとすぐに、形成されたプロスタグランジンは子宮内膜の開口から放出される。さらに、子宮内膜細胞の壊死は、合成過程に増大された基質を提供する。2つの主なプロスタグランジンが子宮にて作られる:プロスタグランジンF2aおよびプロスタグランジンE2。プロスタグランジンF2aは平滑筋刺激物質および血管収縮物質となりうる。プロスタグランジンE2は血管拡張物質および血小板解離物質となりうる。プロスタグランジンE2は原発性月経過多の一因として関係している。
原発性月経困難症の患者における子宮収縮の力の増大は特筆すべきものでありうる。正常な月経中、50〜80 mmHgの圧力を生じ、15〜30秒続く収縮は珍しくはない。これらは一般に、10分間で1〜4の収縮頻度にて起こる。子宮における正常な静止圧は一般に、5〜15 mmHgである。しかし、月経困難症の女性では、収縮は400 mmHgを超えるピーク圧に達してよく、90秒より長く続いてもよい。収縮はまた、収縮間で15秒未満のより頻繁であることができる。子宮におけるベースライン圧はときどき、80〜100 mmHgの高さでありうる。この大きさの圧力および期間は有意な虚血を引き起こしうる。疼痛の感覚を作り出す正確なメカニズムは未知である。近年の研究により、疼痛と疼痛緩和および子宮の作用のパラメータ、収縮の最大圧、頻度および質、圧変化の速度および子宮収縮間の「静止」の質の間の強い相関が示される。
原発性月経困難症の患者は一般に、毎月毎月、月経の最初の1〜3日目に起こる再発性痙攣性の下腹部疼痛を訴える。疼痛は、背中の回りに放射状に背中にわたって恥骨上部に拡散的に局在する。陣痛のような疼痛は「入れ替わり立ち替わり」のように表現され、患者は拳を開いたり閉じたりしてその表現を示すことが多い。この疼痛は、中程度から重篤な吐き気を伴うことが多い。嘔吐および/または下痢はまれではない。患者は緩和を得るために胎位に身体を曲げることが多い。多くの患者は、その不快感を軽減するために、湿布または湯たんぽを試すということが報告される。
身体検査は一般に、月経困難症または慢性骨盤疼痛を訴えるほとんどの患者において、診断自体でなくとも診断の手掛かりを与える。子宮の非対称または不規則な肥大の存在は、筋腫または他の腫瘍を示唆すべきである。子宮の対称な肥大は、腺筋症の場合に存在することが多く、子宮内ポリープが存在するときに時々存在する。後膣円蓋における疼痛根粒および子宮の限定された動作の存在は子宮内膜症の示唆である。子宮の限定された動作はまた、癒着からの骨盤瘢痕化または炎症の場合にも見られる。炎症過程は、付属器構造の肥厚を引き起こすことが多い。この肥厚は身体検査で容易に分かることができる。原発性月経困難症の患者の身体検査は、正常であるべきである。子宮または付属器の異常は分からないはずである。検鏡および腹部検査も同様に正常であるべきである。患者は、実際の症状の間に検査された場合、蒼白であり、「ショック状態(shocky)」となることが多い。しかし、原発性月経困難症の診断は、他の可能性のある原因を徹底的に評価し、排除しないでなされるべきではない。
続発性月経困難症または慢性骨盤疼痛の患者の実験評価としては、過剰な失血について評価するヘマトクリット値などの血液検査を挙げることができる。沈降速度は慢性炎症過程を同定するのに有用でありうる。x線、CT、MRIなどによる患者の放射線学的評価は、胃腸管または尿路などからの疼痛の婦人科的および非婦人科的原因の両方の存在を検出するのに有用でありうる。骨盤の超音波検査は、筋腫、付属器および他の腫瘍の存在および程度を明らかにするか、または例えば子宮内IUCDを局在化することができる。多くの骨盤疼痛の場合、骨盤器官の腹腔鏡検査は、さらなる診断情報および/または治療のために必要である。実験および/または造影試験は通常、原発性月経困難症の患者において正常であり、主として続発性月経困難症の原因を排除するのに価値がある。
一旦、原発性または続発性月経困難症を診断し、疼痛の任意の治療可能な原因を評価および治療すれば、月経困難症と関連する疼痛は、例えば上記のような本発明の非ステロイド性抗炎症組成物および方法を用いて治療することができる。
本方法にて用いられる経皮組成物は、経皮組成物に存在する活性物質として非ステロイド性抗炎症薬を含む。いくつかの具体的態様において、2以上の異なる非ステロイド性抗炎症薬は、本組成物に存在することができる。いくつかの具体的態様において、非ステロイド性抗炎症薬(例えばフルルビプロフェン)は経皮組成物に存在する活性物質のみである。例えば経皮組成物としては、局所製剤にて投与された場合に、有効量の非ステロイド性抗炎症薬が透過促進物質(すなわち皮膚透過性を増大させる薬剤)などのさらなる薬剤を必要としないで、血流に達するように皮膚表面を透過することができる非ステロイド性抗炎症薬を挙げることができる。それゆえ、いくつかの具体的態様において、経皮組成物としては、透過促進剤(例えば水酸化物放出剤(hydroxide-releasing agent)などの親水性物質、またはプロピレングリコールおよびグリセロールなどのポリオールの脂肪酸エステルを含む脂肪アルコール、脂肪エーテルまたは脂肪酸エステルなどの親油性促進剤または共促進剤(co-enhancer)、または親水性成分および親油性成分の両方からなる透過促進剤)なしの非ステロイド性抗炎症薬を挙げることができる。
いくつかの具体的態様において、経皮組成物としては、粘着組成物(例えば実施例Iのような粘着剤)に存在する活性物質のみとしての非ステロイド性抗炎症薬(例えばフルルビプロフェン)を挙げることができる。粘着組成物における非ステロイド性抗炎症薬(例えばフルルビプロフェン)は、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどのフィルム上にさらに広がることができ、さらにバッキング層(例えばポリエステル織布または不織布製品)を有することができる。いくつかの具体的態様において、経皮組成物は、さらにバッキング上に置くフィルム上に広がる粘着組成物中にて本質的に非ステロイド性抗炎症薬(例えばフルルビプロフェン)からなることができる。本方法に用いられる非ステロイド性抗炎症薬は、局所製剤にて投与した場合に、有効量の非ステロイド性抗炎症薬が血流に達し、対象の骨盤疼痛の軽減をもたらすように皮膚表面を透過することができる非ステロイド性抗炎症薬である。
任意の適切な非ステロイド性抗炎症性組成物は、以下の第1表に示される非ステロイド性抗炎症薬の例示ファミリーに開示されるように、本発明の方法および組成物に用いることができる。
第1表
非ステロイド性抗炎症薬の例示ファミリー
Figure 2011519870
* 原発性月経困難症についてFDA承認された
以下から改変:Smith RP: Gynecology in Primary Care. Williams and Wilkins, Baltimore, Maryland, 1996, p. 399.
それぞれ第1表に示されるようなサブグループを有する二つの大きなクラスのNSAID化合物がある。エノール酸タイプの薬物は、主にプロスタグランジン合成のタイプII阻害剤のようである。これらの物質は、PGE2およびPGF2aの形成におけるイソメラーゼ/還元酵素の阻害工程により作用する。エノール酸グループにて最も頻繁に用いられる物質は、フェニルブタゾンおよびピロキシカムである。これらの物質には、半減期、副作用などにおいて差がある。
カルボキシレートは、月経困難症などの疼痛緩和のために最も一般的に用いられる薬剤である。この主な群の中で個別の特性を有する4のファミリーの化合物がある。サリチル酸およびエステルは、アセチル基の酵素への供与によりシクロ-オキシゲナーゼを阻害するようだ。有効性の増大が酢酸群に見られる。スリンダク(クリノリル)は活性となる前にスルフィド形態に還元されなければならないが、この群のほとんどの薬物は抗炎症剤および鎮痛薬として有効である。いくつかの研究において、インドメタシンは月経困難症の治療に有用であることが示されているが、経口投与による副作用の中程度の発生により、このクラスのこのおよび他のほとんどの薬物の月経困難症の治療のための使用が制限されている。
月経困難症のために最も一般的に用いられる薬物は、2つのクラスに由来する:アリールアルカン酸(プロピオン酸誘導体)およびアントラニル酸(フェナメート)。イブプロフェン(Motrin, Rufen)およびナプロキセン(Naprosyn, Anaprox)はともに一般に、月経困難症に用いられる。このクラスの他の薬物(ベノキサプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン)は疼痛緩和または関節炎治療に用いられている。イブプロフェンは月経困難症において研究されたこのクラスの最初の薬物であり、続く主観的研究にて有効性が示されている。ナプロキセンおよびナプロキセンナトリウムの主観的研究は、子宮内装置の存在下においてさえも、月経困難症における良好な疼痛緩和を示している。この国において、メクロフェナム酸(Ponstel)は月経困難症について承認されており、メクロフェナメート(Meclomen)の使用をサポートする臨床試験はうまく進行中である。新規なインビトロ研究は、メクロフェナメートが5-リポキシゲナーゼの活性を阻害することが示されている。
上記または第1表における任意の非ステロイド性抗炎症薬は、本発明の方法および組成物に用いることができる。該組成物の非ステロイド性抗炎症薬は、カルボキシレートまたはエノール酸化合物であることができる。カルボキシレート化合物としては、サリチル酸、インドール酢酸、プロピオン酸およびフェナメートを挙げることができるが、これらに限定されない。エノール酸化合物としては、ピラゾロンおよびオキシカムを挙げることができるが、これらに限定されない。本発明にて用いることができる化合物としては、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ベノキサプロフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、ブチブフェン、フェンブフェンおよびチアプロフェン酸などのプロピオン酸誘導体;アセチルサリチル酸;アパゾン;ジクロフェナク;ジフェンピラミド;ジフルニサル;エトドラク;フルフェナム酸;インドメタシン;ケトロラク;メクロフェナメート;メフェナム酸;ナブメトン;フェニルブタゾン;ピロキシカム;サリチル酸;スリンダク;トルメチンおよび前記化合物の任意の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの具体的態様において、組成物は、2以上の非ステロイド性抗炎症薬を含むことができる。いくつかの具体的態様において、そのようなNSAIDの塩、エステル、アミド、プロドラッグまたは他の誘導体などの医薬的に許容される類似体も同様に用いることができる。いくつかの具体的態様において、非ステロイド性抗炎症薬は、皮膚表面を通して薬剤の透過を促進するための遊離塩基として組成物中に存在する。
本組成物中に存在する非ステロイド性抗炎症薬の量は、本方法により局所的に投与された場合に、有効量の薬剤を提供するのに十分であろう。経皮製剤中に存在する非ステロイド性抗炎症薬の正確な量は、用いられる特定の薬剤に応じ、0.1〜50 % (w/w)、例えば0.5〜20% (w/w)、1〜10 % (w/w)、1〜5% (w/w)などの範囲であってよい。
いくつかの具体的態様において、本組成物の製剤は、活性物質、すなわち非ステロイド性抗炎症性活性物質の吸収速度が皮膚表面を通って対象の体循環に急速に吸収されるような急速吸収製剤である。いくつかの具体的態様において、本組成物の製剤は、活性物質、すなわち非ステロイド性抗炎症性活性物質の吸収速度が時間とともに特定の速度にて放出されるような制御放出製剤である。
いくつかの具体的態様において、本組成物の製剤は、非ステロイド性抗炎症性活性物質が皮膚表面を通して対象の体循環に急速に吸収され、活性物質がまた、時間とともに特定の速度にて放出されるような急速吸収製剤および制御放出製剤の組合せである。
局所非ステロイド性抗炎症薬組成物は、パッチ、クリーム、ローション、泡、軟膏、ペースト、溶液、ゲル、乳剤、懸濁液、溶液、塗布棒、ゼリー、塗料、散剤、エアロゾルスプレーの形態であることができるか、またはリポソーム、ミセルもしくはミクロスフェアとともに調製することができる。いくつかの具体的態様において、本方法は、例えばイオントフォレシス(iontophoresis)またはフォノフォレシス(phonophoresis)(超音波の使用)などの電気泳動技術などの物理的に皮膚透過を増強して活性物質成分の物理的浸透を増大させる、ドラッグ・デリバリー装置の使用または方法を含むことができる。いくつかの具体的態様において、経皮組成物は、局所製剤にて投与された場合に、皮膚透過を物理的に増強するドラッグ・デリバリー装置または方法を必要としないで、有効量の非ステロイド性抗炎症薬が血流に達するように皮膚表面を浸透することができる。いくつかの具体的態様において、1以上の薬剤は、例えば米国特許番号6,645, 520, 6,503,532;5,302,395;5,262,165;5,248,501;5,232,702;5,230,896;5,227,169;5,212,199;5,202,125;5,173,302;5,154,922;5,139,786;5,122,383;5,023,252;4,978,532;5,324,521;5,306,503;5,302,395;5,296,230;5,286,491;5,252,334;5,248,501;5,230,896;5,227,169;5,212,199;5,202,125;5,173,302;5,171,576;5,139,786;5,133,972;5,122,383;5,120,546;5,118,509;5,077,054;5,066,494;5,049,387;5,028,435;5,023,252;5,000,956;4,911,916;4,898,734;4,883,669;4,882,377;4,840,796;4,818,540;4,814,173;4,806,341;4,789,547;4,786,277;4,702,732;4,690,683;4,627,429および4,585,452に記載されたものまたはその均等のように、経皮パッチまたはフィルム系により投与することができ、これらの開示は本明細書に引用される。
問題の具体的態様としては、一定期間受容者の表皮と直接接触させたままで適合させた分離パッチまたはフィルムまたは膏薬または「粘着剤」などの形態である薬剤製剤が挙げられる。例えば、そのような経皮パッチとしては、1以上の薬剤が保持された粘着性マトリックス層、例えばポリマー層または「貯留層」を挙げることができる。粘着性マトリックス層は、存在する場合、例えばアクリルタイプ、合成ゴムタイプおよび天然ゴムタイプの物質などのポリマー性粘着剤などの医薬用途に適した粘着物を含むが、これらに限定されない。いくつかの具体的態様において、膏薬または粘着剤の形態である薬剤製剤は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのフィルム上に広げることができる。この具体的態様において、非ステロイド性抗炎症薬を含む粘着組成物は、30〜400μm、例えば50〜300μmまたは70〜250μmの厚さを有しうる。
いくつかの具体的態様において、粘着物は、40 wt%以上の量にて存在するアルキル(メタ)アクリレートのコポリマーである。いくつかの具体的態様において、1のタイプまたは2以上のタイプのアルキル(メタ)アクリレートおよび1のタイプまたは2以上のタイプのコポリマー化モノマーのコポリマーを用い、いくつかの具体的態様において、1のタイプまたは2以上のタイプのアルキル(メタ)アクリレートのコポリマーは約50wt%〜約98wt%の量にて存在し;1のタイプまたは2以上のタイプのコポリマー化モノマーは約2wt%〜約50wt%の量にて存在する。適切なアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばアルキル基の炭素数が2〜18または4〜12である第一級〜第三級アルコールのエステルが挙げられる。いくつかの具体的態様において、アクリル酸またはメタクリル酸を用いる。適切なコポリマー化モノマーは一般に、コポリマー化反応に関与する少なくとも一つの不飽和二重結合を有するか、または側鎖に官能基を有するモノマーである。官能基としては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などのカルボキシル基、スチレンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、アリルスルホン酸などのスルホキシル基;(メタ)ヒドロキシエチルアクリレート、(メタ)ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシル基;アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアミノ基;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチルアクリルアミドなどのアミド基;およびメトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどのアルコキシル基が挙げられる。コポリマー化に適した他のモノマーとしては、N-ビニル-2-ピロリドン、メチルビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾールおよびビニルモルホリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。適切なアクリルタイプ粘着物としては、アクリル酸−オクチルアクリレートコポリマー;2-エチルヘキシルアクリレート−ビニルピロリドンコポリマー溶液;2-メトキシエチルアクリレート−酢酸ビニルコポリマー;2-エチルヘキシルアクリレート-2-エチルヘキシルメタクリレート-ドデシルメタクリレートコポリマー;およびメチルアクリレート-2-エチルヘキシルアクリレートコポリマーレジン乳剤が挙げられるが、これらに限定されない。
問題のものはまた、合成ゴム粘着物である。適切な合成ゴムタイプ粘着物としては、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、ポリイソブチレン、イソプレンゴム、スチレン-ブタジエン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-ブタジエンゴムおよびシリコンゴムが挙げられるが、これらに限定されない。粘着物はいくつかの具体的態様において、1のタイプの合成ゴムを含む。他の具体的態様において、粘着物は2以上のタイプの合成ゴムを含む。いくつかの具体的態様において、合成ゴムタイプ粘着物または天然ゴムタイプ粘着物は低粘着性を有する。これらの具体的態様において、1以上の粘着性増強剤は粘着性を増強するために加える。適切な粘着性増強剤としては、ポリテルペンレジンタイプ、石油レジンタイプ、ロジンタイプ、ロジンエステルタイプおよび油溶性フェノールが挙げられるが、これらに限定されない。
マトリクス層は、ポリエステル織布または不織布製品などの支持体またはバッキングと操作的に関連しうる。パッチはまた、粘着層および/または保護コーティングを含む分離された非薬物も含むことができる。パッチまたは同様の製剤について、製剤は任意の便利な形状を有することができる。いくつかの具体的態様において、製剤は円形または楕円形形状を有することができる。いくつかの具体的態様において、パッチは所望の形状に切断しうる。いくつかの具体的態様において、製剤は暗色または黒色バッキング物質を有することができる。いくつかの具体的態様において、活性物質は、米国特許6,346,271および5,897,271などに開示されているように、ゲルの形態であることができ、当該開示は本明細書に引用される。経皮投与に適した薬剤製剤はまた、イオントフォレシスによっても送達することができ、薬剤化合物の適宜緩衝されていてもよい水溶液の形態を採ることができる。適切な製剤としては、クエン酸塩またはビス/トリス緩衝液(pH 6)またはエタノール/水を含むことができ、適切な量の有効成分を含むことができる。
本組成物の非ステロイド性抗炎症薬は、1以上の別の活性物質、例えば他の薬理活性物質と共投与することができる。それゆえ、本組成物は、非ステロイド性抗炎症薬に加えて、適宜、病態、例えば骨盤疼痛、月経困難症の治療に有用な少なくとも一つの他の治療剤を含んでもよい。従って、薬剤は、それのみでまたは他の医薬的に活性な化合物とともに、組み合わせて並びに併用して投与することができる。本明細書において「と投与」は、観察される結果が一つの薬剤および少なくとも一つの他のアジュバント(1以上の他の薬剤など)が同じ時点で投与される場合に達成されるものと区別できないほど十分に近い時間にて少なくとも一つの薬剤および少なくとも一つの他のアジュバント(1以上の他の薬剤など)を投与することを意味する。薬剤および少なくとも一つの他のアジュバントは、同時に(すなわち共に)または連続して投与することができる。同時投与は、少なくとも一つの薬剤および少なくとも一つの他のアジュバントを投与前に混合することにより、または薬剤および少なくとも一つの他のアジュバントを同じ時点にて投与することにより実施することができる。そのような投与は、異なる解剖部位であってもよい。用語「共投与」、「併用投与」、「同時投与」または「同時に投与」もまた、同義で用いることができ、少なくとも一つの薬剤および少なくとも一つの他のアジュバントを同じ時点にてまたは互いの直後に投与することを意味する。後者の場合には、少なくとも一つの薬剤および少なくとも一つの他のアジュバントは、得られる結果が相乗的であり、および/または少なくとも一つの薬剤および少なくとも一つの他のアジュバントが同じ時点にて投与される場合に達成されるものと区別できないほど十分に近い時点にて投与される。あるいは、薬剤はアジュバントの投与と別々に投与することができ、これは相乗効果または個別作用を生じうる。本明細書に記載の方法および賦形剤は、単に例示であり、何らこれに限定されない。
本組成物はまた、可溶化剤、懸濁化剤、分散剤、保存剤、動物および植物脂肪、油または蝋、安定化剤、増粘剤またはゲル化剤、緩衝剤または粘着剤などの局所、経皮または経粘膜製剤およびデリバリー装置の医薬的に許容される担体または任意の他の必要成分も含んでもよい。医薬的に許容される成分の非限定的な例としては、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、油/水乳剤または水/油乳剤などの乳剤、マイクロエマルジョンおよび種々の湿潤剤などの任意の標準的医薬担体が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物に用いられる適切な無毒性の医薬的に許容される担体は、医薬製剤分野の当業者に明らかであり、例は文献(REMINGTON'S PHARMACEUTICAL SCIENCES, 19.sup.th Edition, A. R. Gennaro, ed., 1995)に記載されている。適切な担体の選択は、例えば有効成分がクリーム、ローション、泡、軟膏、ペースト、溶液またはゲルに製剤化されるか否かなどの所望の具体的な剤形の正確な特性並びに有効成分に依存する。
有用性
本発明の方法は、原発性および続発性月経困難症などの月経困難症の治療に用いられることが見出される。上記のとおり、治療は、疼痛、例えば骨盤疼痛などの標的月経困難症病態の少なくとも一つの症状の改善を意味する。
いくつかの具体的態様において、本方法は、少なくとも5年、例えば少なくとも8年または少なくとも10年などの間、中程度の月経困難症の病歴のある対象を治療するために用いることができる。他の具体的態様において、本方法は、少なくとも5年、例えば少なくとも8年または少なくとも10年などの間、重篤な月経困難症の病歴のある対象を治療するために用いることができる。本発明のいくつかの態様において、本方法は、他の方法による治療に耐性のある中程度または重篤な月経困難症の病歴のある対象の治療を含むことができる。他の方法による治療に耐性のあるとは、他の治療方法により、月経困難症を伴う症状、骨盤疼痛または筋痙攣などの有意な改善を経験しなかった原発性または続発性月経困難症の対象を意味する。上記のとおり、中程度または重篤な月経困難症は、原発性月経困難症または続発性月経困難症であることができる。
本方法は、月経が対象について開始する時を決定する工程を含むことができる。月経期が開始する時を決定する方法は、カレンダーおよび特定の対象についての月経期の既知の長さに基づく開始日の計算を含むことができ、月経前水分保持またはホルモン変動により引き起こされうる頭痛、膨満感、吐き気、胸部不快感などの関連症状の開始の評価も含むことができる。
本方法は、月経期の開始前に対象を治療することを含むことができる。例えば本方法は、月経の開始前、例えば月経期の開始1日前または月経期の開始2日前に、経皮フルルビプロフェン組成物(例えばフルルビプロフェン経皮テープ)を皮膚部位に適用することを含むことができる。例えば本方法は、月経期中に対象を治療することを含むこともできる。例えば、本方法は、月経期中、例えば2日以上、3日以上、4日以上または5日以上などの間、経皮フルルビプロフェン組成物(例えばフルルビプロフェン経皮テープ)を皮膚部位に適用することを含むことができる。いくつかの具体的態様において、本方法は、月経期の開始前の期間、経皮フルルビプロフェン組成物を皮膚部位に適用し、月経期中の期間、治療を継続することを含むことができる。
いくつかの具体的態様において、本方法は、月経困難症の対象を治療するのに十分な方法にて中程度または重篤な月経困難症に罹患している対象の皮膚部位に3%フルルビプロフェン経皮組成物を適用することを含むことができる。例えば、本方法は、対象が1日フルルビプロフェン63 mgの全用量を受けるように、中程度または重篤な月経困難症に罹患している対象の皮膚部位に3%フルルビプロフェン経皮組成物を適用することを含むことができる。いくつかの具体的態様において、フルルビプロフェン経皮組成物はフルルビプロフェン経皮テープである。
本方法はさらに、月経困難症症状の疼痛強度が軽減するように、経皮フルルビプロフェン組成物などの有効量の経皮組成物により中程度または重篤な月経困難症の病歴を有する対象を治療するために使用することができる。例えば本方法は、骨盤疼痛の疼痛強度が軽減するように、経皮フルルビプロフェン組成物などの有効量の経皮組成物により中程度または重篤な月経困難症の病歴を有する対象を治療することを含むことができる。いくつかの具体的態様において、対象は、本方法による治療前に月経期中に対象が経験した骨盤疼痛の程度と比べて、骨盤疼痛などの疼痛の有意な軽減を経験することができる。例えばいくつかの具体的態様において、有効量のフルルビプロフェンを局所投与して月経困難症の対象を治療するのに十分な方法で皮膚部位に経皮フルルビプロフェン組成物を適用することは、対象が経験した骨盤疼痛のレベルまたは重篤度の有意な軽減、例えば「良好な」または「優れた」軽減を提供しうる。他の具体的態様にて、有効量のフルルビプロフェンを局所投与して月経困難症の対象を治療するのに十分な方法で皮膚部位に経皮フルルビプロフェン組成物を適用することは、対象が経験した最も重篤な骨盤疼痛の重篤度の有意な軽減、例えば「良好な」または「優れた」軽減を提供しうる。
そのようなものとして、本組成物は、原発性または続発性のいずれかの月経困難症の治療に用いられる。従って、本発明は、原発性および続発性月経困難症などの月経困難症の治療のための新規かつ極めて有効な方法を提供する。
キット
本方法の実践に用いられるキットもまた提供し、本キットは、少なくとも上記経皮非ステロイド性抗炎症薬組成物を含む。キット中の本活性物質組成物は、上記のようにパッケージに存在してもよい。キットは、経皮非ステロイド性抗炎症薬組成物を単回適用(例えば単位用量または単回用量)または複数回適用に適切な量にて含むことができる。組成物が二以上の適用に十分な量にてキットに存在する場合には、上記のように複数パッケージは、単回適用用量の経皮非ステロイド性抗炎症薬組成物をそれぞれ含むものを提供してもよい。
本キットはまた、非ステロイド性抗炎症薬を対象に送達する方法における本組成物の使用方法の指示書も含むことができる。指示書は、投与スケジュールなどおよび/またはパッケージされた組成物の使用方法についての情報を含むことができる。いくつかの具体的態様において、本キットは、特定の疾患状態、例えば原発性月経困難症を治療するための組成物の使用方法についての指示書を含むことができる。指示書は、適切な記録媒体に記録してもよい。例えば指示書は、紙またはプラスティックなどの基質に印刷してもよい。そのようなものとして、指示書は、キットまたはその構成の容器のラベルに添付文書としてキットに存在してもよい(すなわち包装されているか、またはサブパッケージングされている)。他の具体的態様において、指示書は、適切なコンピュータ可読保存媒体、例えばCD-ROM、ディスクなどに存在する電子保存データファイルとして存在する。
以下の実施例は、本発明の製造および使用方法の完全な開示および記載を当業者に提供するように記載され、発明者が発明としてみなした範囲を限定するものではなく、以下の実験が行われたすべてまたはそれのみであることを示すものではない。成果は、使用した数(例えば量、温度など)に関して正確さを保証しているが、いくつかの実験的誤差および偏差が考慮されるべきである。特に明記されなければ、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量、温度は摂氏度であり、圧力は大気圧またはその付近である。
実験
I. フルルビプロフェンテープ
A. 製剤
Figure 2011519870
B. 製造
上記処方に従い局所膏薬組成物を製造する際に、スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー、水素化ロジングリセロールエステル、ポリブテン、ジブチルヒドロキシトルエンおよび流動パラフィンを加熱下にて融解する。次いで、フルルビプロフェンを上記粘着物に加え、撹拌しながら混合し、膏薬用粘着剤を調製する。このように調製した粘着剤をポリエチレンテレフタレートフィルムに拡げ、50〜300μmの厚さを有する粘着物層を形成する。得られた粘着物層は、バッキングであるポリエステル織布または不織布でラミネートし、次いで得られた物質を所望のサイズおよび形状に切断し、所望のフルルビプロフェン膏薬組成物を製造する。
II. 月経困難症治療におけるフルルビプロフェン膏薬
A. プロトコル
上記I記載のように製造したフルルビプロフェン膏薬製剤の月経痛の治療または予防における有用性および有効性を、中程度〜重篤な月経困難症の6名の女性にて実証した。8〜25年の中程度〜重篤な月経困難症の病歴のある24〜36歳の6名の女性を、その月経期の開始前1〜2日および開始後2〜5日間FTD(3%フルルビプロフェン, 63 mg/日)で治療した。
B. 結果
結果を以下の第2表に示す。
第2表
Figure 2011519870
上記表に示されるように、1名の女性に「優れた」結果、および5名の女性に「良好な」結果が報告された。これらのうち3名の女性は長年の重篤な月経困難症の病歴を有していたが、フルルビプロフェン膏薬製剤による治療を受けて軽度または中程度の疼痛のみが報告された。
上記発明は、理解の明確性のための例示および実施例により詳細に記載されているが、本発明の教示に鑑みて、ある程度の変形および改変が特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱しないで、これになされうることは当業者に容易に明らかである。
従って、前記は本発明の原理を単に説明する。本明細書に正確に記載ないし示されていないが本発明の原理を具体化し、その精神および範囲内に含まれる種々の改変を当業者は考え出すことができることが認識されよう。さらに、本明細書に引用されるすべての実施例および条件付き文言は主に、本発明の原理および発明者により提供される概念を理解する際に読者のより一層深い理解を補助するものであって、そのような具体的に引用される実施例および条件に限定されないで解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様および具体的態様ならびにその具体的実施例を引用する本明細書のすべての言及は、その構造的および機能的な均等の両方を含むものである。さらに、そのような均等は、現在知られている均等および将来開発される均等、すなわち構造にかかわらず同じ機能を果たす任意の開発された要素を含むものである。それゆえ、本発明の範囲は、本明細書に示され、記載される典型的な具体的態様に限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲および精神は、特許請求の範囲により具体化される。

Claims (13)

  1. 有効量の非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を月経困難症に罹患している対象に局所投与して月経困難症の対象を治療するために十分であるように該対象の皮膚部位に経皮非ステロイド性抗炎症薬組成物を適用することを含む、月経困難症に罹患している対象を治療する方法。
  2. 対象がヒト女性である、請求項1記載の方法。
  3. さらにヒト女性を月経困難症に罹患していると診断することを含む、請求項2記載の方法。
  4. 治療が月経困難症の疼痛強度を軽減することを含む、請求項2記載の方法。
  5. NSAIDが組成物中に0.1〜50 % (w/w)の範囲の量にて存在する、請求項1記載の方法。
  6. NSAIDがフルルビプロフェンである、請求項1記載の方法。
  7. 経皮組成物がパッチである、請求項1記載の方法。
  8. パッチがNSAIDを含む粘着性マトリックスを含む、請求項7記載の方法。
  9. 粘着性マトリックスが合成ゴムを含む、請求項8記載の方法。
  10. 合成ゴムがSISである、請求項9記載の方法。
  11. 皮膚部位が腹部皮膚部位である、請求項1記載の方法。
  12. 月経困難症が原発性月経困難症である、請求項1記載の方法。
  13. 月経困難症が続発性月経困難症である、請求項1記載の方法。
JP2011507720A 2008-05-21 2009-05-18 非ステロイド性抗炎症薬の経皮投与による月経困難症の治療 Pending JP2011519870A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US5506108P 2008-05-21 2008-05-21
US61/055,061 2008-05-21
PCT/US2009/044379 WO2009143070A1 (en) 2008-05-21 2009-05-18 Treatment of dysmenorrhea via transdermal administration of nonsteroidal anti-inflammatory drugs

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011519870A true JP2011519870A (ja) 2011-07-14

Family

ID=41340497

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011507720A Pending JP2011519870A (ja) 2008-05-21 2009-05-18 非ステロイド性抗炎症薬の経皮投与による月経困難症の治療

Country Status (15)

Country Link
US (1) US20090291140A1 (ja)
EP (1) EP2278947A4 (ja)
JP (1) JP2011519870A (ja)
KR (1) KR20100113075A (ja)
CN (1) CN101917945A (ja)
AR (1) AR071868A1 (ja)
AU (1) AU2009249258A1 (ja)
BR (1) BRPI0907168A2 (ja)
CA (1) CA2709808A1 (ja)
EA (1) EA201000990A1 (ja)
IL (1) IL206702A0 (ja)
MX (1) MX2010007665A (ja)
TW (1) TW201006464A (ja)
WO (1) WO2009143070A1 (ja)
ZA (1) ZA201004313B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102090950B (zh) * 2011-02-28 2012-10-10 河南省宛西制药股份有限公司 一种能够缓解痛经的妇女卫生用品
WO2014159798A1 (en) 2013-03-13 2014-10-02 Avery Dennison Corporation Improving adhesive properties
KR20230173981A (ko) 2022-06-20 2023-12-27 최영진 화장 미리보기 시스템을 지닌 거울 디스플레이

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05155762A (ja) * 1991-12-04 1993-06-22 Kiyuukiyuu Yakuhin Kogyo Kk 非ステロイド系薬物高放出性貼付剤
US5665378A (en) * 1994-09-30 1997-09-09 Davis; Roosevelt Transdermal therapeutic formulation
JP2003063955A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Nichiban Co Ltd 経皮吸収型貼付剤
WO2003097021A2 (en) * 2002-05-21 2003-11-27 Technipharma L.L.C. Use of transdermal topical systems for the prevention and treatment of primary dysmenorrhea
WO2005058878A1 (ja) * 2003-12-16 2005-06-30 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. 月経困難症の予防および/または治療剤
WO2006092829A1 (ja) * 2005-02-28 2006-09-08 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. フルルビプロフェン含有外用貼付剤

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5807568A (en) * 1994-12-27 1998-09-15 Mcneil-Ppc, Inc. Enhanced delivery of topical compositions containing flurbiprofen
US5897880A (en) * 1995-09-29 1999-04-27 Lam Pharmaceuticals, Llc. Topical drug preparations
US5702720A (en) * 1995-12-22 1997-12-30 Minnesota Mining And Manufacturing Company Transdermal device for the delivery of flurbiprofen
JP4139860B2 (ja) * 1997-11-10 2008-08-27 ストラカン インターナショナル リミティッド 浸透増強および刺激減少システム
US6368618B1 (en) * 1999-07-01 2002-04-09 The University Of Georgia Research Foundation, Inc. Composition and method for enhanced transdermal absorption of nonsteroidal anti-inflammatory drugs
US6582724B2 (en) * 1999-12-16 2003-06-24 Dermatrends, Inc. Dual enhancer composition for topical and transdermal drug delivery
US6645520B2 (en) * 1999-12-16 2003-11-11 Dermatrends, Inc. Transdermal administration of nonsteroidal anti-inflammatory drugs using hydroxide-releasing agents as permeation enhancers
US20040126415A1 (en) * 2002-11-21 2004-07-01 Lu Guang Wei Dermal delivery of a water-soluble selective cyclooxygenase-2 inhibitor
CA2516736A1 (en) * 2003-02-21 2004-09-02 Biocompatibles Uk Limited Drug delivery from embolic agents
WO2005037227A2 (en) * 2003-10-16 2005-04-28 Microbia, Inc. Selective cox-2 inhibitors
GB0410103D0 (en) * 2004-05-06 2004-06-09 Biolipox Ab New method
US20060100566A1 (en) * 2004-11-05 2006-05-11 Women's Medical Research Group, Llc Apparatus and method for the treatment of dysmenorrhea
US8591457B2 (en) * 2005-08-10 2013-11-26 Alza Corporation Method for making a needle-free jet injection drug delivery device

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05155762A (ja) * 1991-12-04 1993-06-22 Kiyuukiyuu Yakuhin Kogyo Kk 非ステロイド系薬物高放出性貼付剤
US5665378A (en) * 1994-09-30 1997-09-09 Davis; Roosevelt Transdermal therapeutic formulation
JP2003063955A (ja) * 2001-08-29 2003-03-05 Nichiban Co Ltd 経皮吸収型貼付剤
WO2003097021A2 (en) * 2002-05-21 2003-11-27 Technipharma L.L.C. Use of transdermal topical systems for the prevention and treatment of primary dysmenorrhea
WO2005058878A1 (ja) * 2003-12-16 2005-06-30 Ono Pharmaceutical Co., Ltd. 月経困難症の予防および/または治療剤
WO2006092829A1 (ja) * 2005-02-28 2006-09-08 Teikoku Seiyaku Co., Ltd. フルルビプロフェン含有外用貼付剤

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012048430; Krishna,U.R. et al.: 'Flurbiprofen in the treatment of primary dysmenorrhoea' Br. J. Clin. Pharmacol. Vol.9,No.6, 198006, P.605-608 *
JPN6012048431; 向井英一 外1名: 'ここまで知っておきたい痛みへのアプローチ19 外用薬で痛みを除く "4. 非ステロイド抗炎症貼付薬とその有' 痛みと臨床 Vol.5,No.4, 200504, P.405-410 *
JPN6013064534; 杉並洋: '婦人科救急医療のABCシリーズ"月経困難症,子宮内膜症"' 産科と婦人科 Vol.69,No.1, 200201, P.83-89, 診断と治療社 *

Also Published As

Publication number Publication date
KR20100113075A (ko) 2010-10-20
WO2009143070A1 (en) 2009-11-26
CA2709808A1 (en) 2009-11-26
CN101917945A (zh) 2010-12-15
AU2009249258A1 (en) 2009-11-26
ZA201004313B (en) 2011-02-23
IL206702A0 (en) 2010-12-30
US20090291140A1 (en) 2009-11-26
EP2278947A4 (en) 2013-11-06
EP2278947A1 (en) 2011-02-02
MX2010007665A (es) 2010-08-18
AR071868A1 (es) 2010-07-21
BRPI0907168A2 (pt) 2019-09-24
EA201000990A1 (ru) 2011-06-30
TW201006464A (en) 2010-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jayne et al. Randomized clinical trial of Ligasure™ versus conventional diathermy for day‐case haemorrhoidectomy
Sardo et al. Review of new office-based hysteroscopic procedures 2003–2009
ES2259806T3 (es) Composicion farmaceutica para tratar la incontinencia fecal y el prurito anal.
Abrão et al. Strategies for management of colorectal endometriosis
MX2011001410A (es) Formulaciones de imiquimod de concentracion de dosificacion inferior y regimenes de dosificacion cortos para tratar verrugas genitales y perianales.
JP2011519870A (ja) 非ステロイド性抗炎症薬の経皮投与による月経困難症の治療
CN107151235B (zh) 噻二唑烷二酮基gsk3抑制剂在调节***运动能力中的用途
US20010031251A1 (en) Vaginal pH Buffering for preventing miscarriage and premature labor, and for treating or preventing bacterial vaginosis
Johnston Menstrual pain (dysmenorrhoea)
US10857151B1 (en) Treatment of female genital schistosomiasis
Maslow et al. Effect of prostaglandin and antiprostaglandin on midcycle myometrial contractions
RU2738550C1 (ru) Способ лечения больных с хроническими дистрофическими заболеваниями вульвы и шейки матки
Jha et al. Safety and efficacy of two repeated cycles of ulipristal acetate in the management of symptomatic uterine fibroid among Indian women
Munkres et al. Umbilical endometriosis following laparoscopic cholecystectomy
Abbas et al. Topical lidocaine-prilocaine cream versus rectal meloxicam suppository for relief of post-episiotomy pain in primigravidae: A randomized clinical trial
Bick et al. HOW TO...... provide postnatal perineal care
Wong et al. Complications of HIFU Ablation
RU2585390C1 (ru) Способ лечения лучевых язвенных ректитов
PEATE et al. Nursing patients with disorders of the breast and reproductive systems
Abdelhady et al. Outcome Of Laser Hemorrhoidoplasty Versus Conventional Open Hemorrhoidectomy.
JP2013522206A (ja) 月経困難症の治療用組成物、その処置方法及びその治療用装置
Chhikara et al. Comparative Evaluation of Stapled Haemorrhoidopexy versus Open (Milligan-Morgan) Haemorrhoidectomy
Bulmer Menorrhagia
Siu et al. A lady with angiolymphoid hyperplasia with eosinophilia of the vulva
Johnston Menstrual pain (dysmenorrhoea): women's health

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140610