JP2011518188A - リソソーム調節のための化合物および使用方法 - Google Patents

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Abstract

リソソームプロセスを促進し、それによってAβならびに他のタンパク質および複合糖質種により誘発される細胞および機能完全性の破砕を緩和するのに有用な化合物を提供する。アルツハイマー病、パーキンソン病、およびハンチントン病など、脳におけるタンパク質蓄積および凝集が関与している神経変性疾患の治療方法もまた提供する。

Description

本出願は、医薬品化学の分野に関し、さらに詳細にはリソソーム調節物質として有用な化合物に関する。
タンパク質蓄積障害
多くの神経性疾患は、脳においてタンパク質の蓄積および凝集を伴う。例えば、アルツハイマー病は、Aβタンパク質の蓄積を伴い、パーキンソン病は、αシヌクレインの蓄積を伴い、ハンチントン病は、変異型ハンチンチンタンパク質の凝集を伴い、筋萎縮性側索硬化症は、変異型スーパーオキシドジスムターゼ1タンパク質の蓄積を伴う。統合失調症、双極性障害、および反復性大うつ病など、いくつかの慢性精神障害も、タンパク質凝集を伴うものであった。タンパク質の蓄積事象の低減が、これらの疾患および障害の進行を遅らせるのに重要である。様々な研究によって、これらの凝集タンパク質を除去するタンパク質分解プロセスにより、これらの疾患および障害の一部またはすべてが治療される可能性があることが示されている。
アルツハイマー病
加齢性神経変性障害であるアルツハイマー病は、オリゴマー種の蓄積、タンパク質の凝集、および脳機能の変化を伴う。アルツハイマー病の主要な特徴の1つは、アミロイドβペプチド(Aβ)1−42で形成されたアミロイド線維から主になるプラーク沈着物、およびこのペプチドの可溶性オリゴマーの増強である。アミロイド前駆体タンパク質(APP)における突然変異を含めて、家族性アルツハイマー病関連突然変異では、突然変異によってこのAβペプチドの相対量が増加するので、原因因子としてAβ1−42が強く関わる。Aβの増加は、アルツハイマー病において最も早期の事象の1つであり、細胞外蓄積に加えて、Aβオリゴマー形成も神経細胞内で起こる。Aβオリゴマーは、シナプス可塑性を阻害し、シナプス応答および記憶を障害し、細胞毒性を引き起こし、シナプス変性をもたらす。Aβオリゴマーは、とりわけ三量体および複数の三量体種が特に安定である。
アルツハイマー病において異常タンパク質の蓄積事象を低減する治療剤は現在存在しない。アルツハイマー病の治療には、アセチル−コリンエステラーゼ阻害剤とN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストの、2つのクラスの薬物しか承認されていない。両タイプの薬物は、アルツハイマー病の症状に影響を及ぼすものでしかない。アセチル−コリンエステラーゼ阻害剤は、軽度から中等度のアルツハイマー病のためのものであり、該薬物を服用する患者のうち少数においてしか適度な効果を示さず、典型的には6〜12カ月使用した後は無効である。利用可能なNMDA受容体アンタゴニストは、二次的病態を治療するものであって、軽度から重度のアルツハイマー病においてタンパク質の蓄積を治療するものではない。
パーキンソン病
パーキンソン病は、ドーパミン産生脳細胞の損失を伴う運動系障害である。ドーパミンは、筋の協調性機能および運動にとって必要である。ドーパミンは、普通、脳の黒質領域のある種の神経細胞(ニューロン)によって生成される。しかし、パーキンソン病患者においては、これらのニューロンの損失が起こり、運動障害をきたす。このニューロン損失は、パーキンソン病をはじめとする疾患において変異および/またはミスフォールドしたタンパク質であるαシヌクレインの蓄積を伴う。αシヌクレインは、レビー小体に蓄積し、パーキンソン病で死亡した患者の脳に見られる凝集体を形成する。
ハンチントン病
神経変性障害であるハンチントン病は、ハンチンチンタンパク質「Htt」をコードするハンチンチン遺伝子における三塩基反復配列伸長によって引き起こされる。ハンチントン病者は、グルタミン数が過剰であるという点で「変化した」または異常であるHttをもたらすハンチンチン遺伝子に、より多くのC−A−Gコドンが存在する。過剰グルタミンの結果として、これらの変化したHttは、神経細胞機能に干渉するおそれがあるタンパク質凝集体を形成する。
筋萎縮性側索硬化症
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、脳および脊髄における神経細胞を攻撃する進行性神経変性疾患である。ニューロン細胞死は、変異型スーパーオキシドジスムターゼ−1(SOD1)タンパク質の凝集体の存在と関連付けられてきた。変異型SOD1は蓄積して、他のタンパク質と相互に作用することができる高分子量アモルファス凝集体を形成する。これらの変異型SOD1タンパク質がニューロン細胞に蓄積し、凝集体を形成すると、細胞はほぼ必ず死ぬ。
慢性精神障害
感情障害または統合失調症の様々な表現型の患者に関する研究によって、disrupted−in−schizophrenia(DISC1)タンパク質の相当な割合が、低温サルコシル不溶性タンパク質凝集体であると同定される凝集体を形成することがわかった。これらの凝集体は、重要なDISC1リガンドである核分配エレメント1(NDEL1)と結合せず、機能喪失表現型を示す。具体的には、ヒト神経芽腫細胞において、凝集体は、発現依存性で界面活性剤耐性であり、内因性NDEL1と相互作用しない。大腸菌は、組換え(r)DISC1フラグメントのオクタマーに選択的に結合するrNDEL1を発現する。rNDEL1は、ダイマーとも、高分子量多量体とも結合しない。したがって、DISC1のNDEL1との分子間相互作用では、最適なオリゴマー形成が存在するが、DISC1の凝集によって超過してしまう。DISC1のオリゴマー依存性相互作用がないとき、混合表現型の散発性精神疾患を伴う。
リソソーム調節
リソソームは、細胞が正常なタンパク質代謝回転を維持するのに必要な主要分解経路を表す。リソソーム経路は、Aβオリゴマーのクリアランスに寄与するものと考えられ、この経路の効率が低下すると、有害な影響を及ぼすおそれがある。ラットの脳室、マウスの全身、および海馬スライス培養物に、リソソーム阻害剤を高用量投与すると、Aβ種の増強をもたらすことがわかった。神経細胞内で生成するAβオリゴマーに加えて、放出されたAβペプチドも、アルツハイマー病に対して脆弱なニューロンによって取り込まれ、リソソームにおけるAβ蓄積、リソソーム破壊、およびその後のアミロイド形成性種の生成を引き起こすおそれがある。リソソーム撹乱は、アルツハイマー病に対して脆弱な脳領域において顕著に見られ、加齢脳、家族性アルツハイマー病、および関連トランスジェニックマウスモデルにおいて特に明らかである。
正常なタンパク質代謝回転において、ならびにミスフォールドまたは損傷したタンパク質を除去し、その増強を防止する際に、リソソームは重要な役割を果たす。主にリソソーム、およびオートファジー経路のオートファゴリソソームと融合しているリソソームを介して、長寿命タンパク質の分解および毒性蓄積事象のクリアランスが起こる。例えば、カテプシンは、Aβ1−42ペプチドをより小さい非病原性種に切断するリソソーム酵素である。この切断は、脳におけるAβ1−42の量を低減し、シナプス完全性の回復に寄与するものである。リソソームの障害全体は、Aβをはじめとするタンパク質の蓄積を招くものであり、いくつかの報告では、リソソーム機能の向上は、いくつかの加齢性神経変性障害においてタンパク質の蓄積事象を低減するのに妥当と思われる戦略であることが示されている。
リソソームおよびオートファゴリソソームは、毒性材料のクリアランスのために活性化されると考えられる。毒性タンパク質種が蓄積するとき、オートファジー・リソソーム経路は、おそらく独特の代償性応答として活性化の明白な徴候を示す。応答には、自食胞、ならびにカテプシンBおよびDを含めてリソソーム加水分解酵素レベルの上昇が含まれる。リソソームプロテアーゼのカテプシンファミリーは、ニューロンにおけるタンパク質の蓄積に特に応答するようである。凝集を起こしやすいAβ1−42ペプチドによって生じるものを含めて、タンパク質蓄積ストレスは、メッセージ、タンパク質、およびカテプシンの活性レベルを上方制御する。このような応答が、タンパク質の蓄積事象を部分抑制し、アルツハイマー病患者において多数年かけて広がるおそれがある関連病態の性質が段階的であることの原因となり得る。特に、カテプシンBは、ペプチドを非病原性種に切断することによってAβ1−42沈着を低減することが知られているリソソーム酵素である。
多くの研究が、アルツハイマー病においてはAβおよびタウ種を、パーキンソン病においてはαシヌクレインを、ハンチントン病においては変異型ハンチンチンを除去する試みとして、タンパク質分解プロセスの導入を行うことを示している。リソソーム応答は、リソソーム蓄積障害(LSD)においてもよく見られる。特異的な酵素欠損症を引き起こす突然変異は、これらの疾患の原因の大部分である。ニーマン・ピック病およびゴーシェ病に相当する代謝変異動物には、細胞内蓄積事象中、いくつかのリソソーム加水分解酵素の活性の上昇が見られる。さらに、マンノース6−リン酸化糖タンパク質および加水分解酵素は、若年型神経セロイドリポフスチン症の場合脳において上昇していることがわかった。リソソーム酵素活性の上昇は、物質の蓄積の代償を目標とした細胞応答の適切な指標である。カロリー制限は、リソソーム酵素発現の増加によりタンパク質クリアランスプロセスを改良し、同じ治療によって、LSDモデルにおいて脳機能が改善されることは重要である。
タンパク質の蓄積は、カテプシンの発現を増加させることがわかり、この応答によって、より効率的なタンパク質クリアランスが可能になる。このような代償性応答が、明白な神経変性を遅延し、モデル系においては何カ月または何年もかけて、またアルツハイマー病においては何年または何十年もかけて広がるおそれがあるタンパク質蓄積病態の性質が段階的であることの原因となり得る。代償性応答は、リソソーム調節物質と考えられる化合物のクラスを構成するカテプシンBおよびL阻害剤であるZ−Phe−Ala−ジアゾメチルケトン(PADK)を含めて、いくつかの加水分解酵素阻害剤の最適レベルによって増強される。誘発されたリソソームの能力の増強は、PADKの穏やかな阻害作用をはるかに超えるものであり、それによってPHF−タウおよび他の認知症関連タンパク質のクリアランスが促進され、微小管完全性および微小管系輸送が復旧され、タンパク質蓄積病態の脳スライスモデルにおいてシナプスマーカーが回復されることがわかった。
リソソームの能力を増大させる薬物は、アルツハイマー病において蓄積するAβおよびタウに関連したタンパク質種のクリアランスを促進し、パーキンソン病、ハンチントン病、ならびに他の疾患および障害において蓄積事象を治療するために役立つ。さらに、クリアランスの増強は、記憶機能および神経細胞の機能維持の根底にある神経細胞の情報交換メカニズムにとって重要であるシナプス完全性の回復を伴う。リソソーム調節は、アルツハイマー病に対する独特な薬理学的戦略を表す。様々なリソソーム調節物質は、先行技術の方法に比べていくつかの利点を有する。(1)これらは、単独でまたは現行の治療剤と組み合わせて、神経変性障害を治療するための画期的薬物であり、(2)これらは、(もっぱらAβまたはタウ蓄積を低減するように開発された多数の戦略に比べて)広範な潜在的病原性タンパク質のクリアランスを促進し、かつ(3)薬物は、(コリン作動性シナプスにしか作用しない現行の治療剤に比べて)記憶に重要な複数のタイプのシナプスを修復する。
非常に高いレベルにおいて、PADKは、反対の影響を及ぼすおそれがあり、すなわちリソソーム機能を妨げ、神経細胞障害を引き起こすおそれがある。したがって、毒性がより低く、治療用量と有害作用を引き起こす用量との間の安全域を与えることになるリソソーム調節物質が必要とされている。さらに、PADKは、ペプチド性化合物であり、急速に代謝され、中枢神経系に透過することができないため、インビボで使用することができない可能性がある。
したがって、非ペプチド性であり、有効性を高め、よりよい安全性プロファイルを示し、安定性、水溶性、およびバイオアベイラビリティを改善したリソソーム調節物質を提供する。
リソソーム調節物質として有用な化合物、ならびにその化合物の合成方法および使用方法が、本明細書に記載される。本明細書に記載される化合物は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ALS、ならびにタンパク質凝集を伴う他の神経性疾患、および慢性精神障害を含めた慢性障害において、進行性のシナプス減弱および関連認知機能障害を遅延、停止、または逆戻りさせることを目的とするものである。これらの化合物は、疾患発症を遅延または予防するのにも有用である。これらの低分子調節物質は、制御された方式でリソソームプロセスを増強することができる。
本明細書に開示される化合物には、式(I)の化合物:
が含まれ、
式中、R、R、R、およびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、Xは、O、N、またはSが含まれるがこれらに限定されないヘテロ原子である。「置換(substituted)」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されている1つまたは複数の原子を有することを意味する。
好ましい実施形態には、式(II)の化合物:
が含まれ、
式中、RおよびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、Xは、O、N、またはSが含まれるがこれらに限定されないヘテロ原子である。「置換」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されている1つまたは複数の原子を有することを意味する。
より好ましい実施形態において、RおよびRは、独立に、水素;アシル;または置換もしくは非置換の芳香族、ヘテロ芳香族、環式脂肪族、もしくはヘテロ環式脂肪族環である。特に好ましい実施形態において、Rは、ベンジル基またはナフチルメチル(napthylmethyl)基であり、Rは、水素であり、またはアセチル基、ジアゾアセチル基、およびベンゾイル基からなる群から選択される。
本明細書に開示される化合物には、式(III)の化合物:
も含まれ、
式中、RおよびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、Xは、O、N、またはSが含まれるがこれらに限定されないヘテロ原子である。「置換」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されている1つまたは複数の原子を有することを意味する。
好ましい実施形態には、式(IV)の化合物:
が含まれ、
式中、RおよびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、Xは、O、N、またはSが含まれるがこれらに限定されないヘテロ原子である。「置換」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されている1つまたは複数の原子を有することを意味する。
より好ましい実施形態において、RおよびRは、独立に、水素;アシル;または置換もしくは非置換の芳香族、ヘテロ芳香族、環式脂肪族、もしくはヘテロ環式脂肪族環である。特に好ましい実施形態において、Rは、ベンジル基またはナフチルメチル(napthylmethyl)基であり、Rは、水素であり、またはアセチル基、ジアゾアセチル基、およびベンゾイル基からなる群から選択される。
好ましいリソソーム調節物質は、PADKおよびPPDKの活性を示す。好ましい実施形態において、リソソーム調節物質は、PADKまたはPPDKの化学的特性のうち一部を含む非ペプチド化合物である。本明細書に記載されるリソソーム調節物質の例としては、(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ベンジルアミノブタン(BW1001)、(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ベンジルアセトアミド)ブタン(BW1002)、(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ベンジル−2−ジアゾ−エタンアミド)ブタン(BW1003)、(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ナフチルメチルアセトアミド)ブタン(BW1004)、および(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ベンジルベンズアミド)ブタン(BW1005)が挙げられる。好ましい一実施形態において、リソソーム調節物質はBW1002またはBW1005である。
カテプシンBの結晶構造にドッキングするBW1002のシミュレーションを示す図である。 ヒト対らせん状細線維(PHF)の海馬スライス培養物の免疫染色を示す図である。 図3Aは、海馬スライス培養物において、調節物質誘発性のプロ型および活性型カテプシンDの増加を示す免疫ブロットを示す図である。図3Bは、海馬スライス培養物において、PADKおよびBW1002によるカテプシンDの用量依存的上方制御を示すグラフである。 クロロキンを事前に注入された海馬スライス培養物をビヒクルまたはBW1002で処置する効果を示す免疫染色を示す図である。 マウスにおいて、PADK、他のペプチジル化合物、および非ペプチジルリソソーム調節物質に応答したカテプシンD免疫反応性を示す棒グラフである。 PADK投与が10カ月齢マウスの様々な生物学的および物理的属性に及ぼす効果を示すグラフである。 ビヒクルおよびBW1002またはBW1005で処置されたマウスの平均シナプスマーカーGluR1を示す棒グラフである。 図8Aは、BW1002で処置されたマウスの脳において、活性型カテプシンBを示す免疫ブロットを示す図である。図8B〜Cは、ビヒクルまたはBW1002で処置されたマウスの新しいアームパラダイムの結果を示す棒グラフである。 図9Aは、異なる2つのマウスモデルにおいて、前シナプスタンパク質と後シナプスマーカーの比較を示す免疫ブロットを示す図である。図9B〜Dは、ビヒクルで処置されたマウスおよびPADKで処置されたマウスに関する試験結果を示すグラフである。
リソソームプロセスを調節し、それによってタンパク質の蓄積により誘発される細胞および機能完全性の破壊を緩和するのに有用な化合物が、本明細書に記載される。これらの化合物は、周知の化合物に比べて増大された有効性、安定性、改善された水溶性、および改善されたバイオアベイラビリティを有する。これらの化合物の合成方法および使用方法も、本明細書に記載される。
本明細書に記載される化合物は、リソソーム調節物質として機能することがわかった。リソソーム分解プロセスの増強は、神経細胞障害を引き起こすAβ種およびPHF−タウの存在を低減することがわかった。リソソームの正の調節は、タンパク質クリアランスを増強させる一手法であり、このようなリソソーム調節は、ラットおよびマウスにおいてインビボでリソソーム酵素を安全に上方制御することによって実現された。リソソーム調節薬は、タンパク質の蓄積事象を相殺するための独特な戦略を表すものであり、単独でまたは現行の治療剤と組み合わせて、アルツハイマー病を治療するための画期的薬物である。これらの薬物は、パーキンソン病やハンチントン病など、他のタンパク質蓄積疾患および障害を治療するのに有用であり、ALSならびにリソソーム蓄積症およびいくつかの慢性精神障害の治療にも有用であり得る。これらの薬物は、(もっぱらAβまたはタウ蓄積を低減するように開発された多数の戦略に比べて)広範な潜在的病原性タンパク質のクリアランスを促進する。さらに、これらの薬物は、(コリン作動性シナプスにしか作用しない現行の治療剤、例えばAricept(登録商標)およびExelon(登録商標)アルツハイマー病治療剤に比べて)記憶に重要な複数のタイプのシナプスを修復する。
リソソーム酵素活性の上昇は、物質の蓄積の代償を目標とした細胞応答の指標である。リソソームストレスおよびタンパク質の蓄積に応答したリソソーム酵素の代償性上方制御の証拠は、このような応答を促進する薬理学的手段であると確認するのに役立った。この薬理学的手段は、リソソーム調節物質として有効である本明細書に記載される化合物を同定および合成するために使用された。PADKおよびZ−Phe−Phe−ジアゾメチルケトン(PPDK)は、0.3〜10μMでカテプシンレベルを上昇させ、タンパク質蓄積モデルで失われたシナプスマーカーが70〜80%回復されるので、PADKおよびPPDKの基礎構造を新規リソソーム調節物質の設計に使用した。ジアゾアセチル−DL−2−アミノヘキサン酸メチルエステルを含めて、他の調節物質は、神経保護効果を生じるには最高30μMまで必要であるが、シナプスの回復は24〜42%にしかならない。PADK調節のインビボ研究によって、リソソームの能力を、毒性の徴候なしに長期にわたって用量依存的に増強できることが示されている。
本明細書に記載される化合物は、PADKの構造活性相関を精査して、有効性、安定性、水溶性、およびバイオアベイラビリティを増強する方式を決定することによって設計された。これらの構造−活性の研究によって、PADKおよびその誘導体によるリソソーム調節のメカニズムの洞察も行われた。具体的には、構造−活性の研究によって、最も治療上有益なリソソーム調節を誘発する能力とカテプシン阻害の効力(例えば、D対B)との関係、カテプシンアイソザイム選択性、および重要な生理化学的パラメータが精査された。
PADK分子の3つの部位が、多様化の標的とされた。これらの3つのドメインを、Cbz基および2つの疎水性側鎖を1回に1つずつ変更することによって順次スクリーニングした。第一世代の調節物質ライブラリーは、予測された薬物動態パラメータを改善した基に重点を置いて多様な一連の機能性を含むものであった。
PADKの構成成分の1つの欠点は、中央のペプチド結合である。治療剤におけるペプチド結合は、それらの薬物のバイオアベイラビリティを大いに損なうことが知られている。したがって、本明細書に記載されるリソソーム調節物質は、PADKなど、周知のペプチジルリソソーム調節物質の活性を示す非ペプチジル化合物である。
好ましい実施形態には、これらのタイプの模倣剤に以前は使用されなかった代替のジアゾアミドトラップまたは代替の求電子性トラップが含まれる。ジアゾケトンと同様に、ジアゾアミドは、極めて安定であるが、PADKと類似している方式で反応するはずである。本明細書に記載される非ペプチドリソソーム調節物質は、公表されている経路に変更をわずかに加えたものに基づいて、キラルアジド中間体から調製される。アジドの還元/アシル化およびノシラートの置換によって、残部の側鎖が導入される。ジアゾアミドの最終的な導入は、Badet試薬が第二級アミンに作用することによって行われる。
本明細書に開示される化合物は、動物におけるタンパク質蓄積疾患および障害を治療するのに使用することができ、そのタンパク質蓄積疾患および障害としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ALS、統合失調症、双極性障害、反復性大うつ病、およびリソソーム蓄積症が挙げられるが、これらに限定されるものではない。化合物はいずれでも、化合物と薬学的に許容される担体とを含む製剤として動物に投与することができる。製剤には、賦形剤、安定化剤、可溶化剤(solublizer)、またはそれらの混合物も含めることができる。
本明細書に記載される化合物は、様々な経路で投与することができ、経路としては、頬側および舌下を含めて経口、直腸、非経口、エアロゾル、経鼻、筋肉内、腹腔内、血管内、皮下、皮内、ならびに局所を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。化合物は、様々な剤形で投与することができ、剤形としては、溶液、乳剤および懸濁剤、マイクロスフェア、粒子、微粒子、ナノ粒子、およびリポソームが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、化合物は経口投与される。
本明細書に開示される化合物には、式(I)の化合物:
が含まれ、
式中、R、R、R、およびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、Xは、O、N、またはSが含まれるがこれらに限定されないヘテロ原子である。「置換」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されている1つまたは複数の原子を有することを意味する。
好ましい実施形態には、式(II)の化合物:
が含まれ、
式中、RおよびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、Xは、O、N、またはSが含まれるがこれらに限定されないヘテロ原子である。「置換」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されている1つまたは複数の原子を有することを意味する。
より好ましい実施形態において、RおよびRは、独立に、水素;アシル;または置換もしくは非置換の芳香族、ヘテロ芳香族、環式脂肪族、もしくはヘテロ環式脂肪族環である。特に好ましい実施形態において、Rは、ベンジル基またはナフチルメチル(napthylmethyl)基であり、Rは、水素であり、またはアセチル基、ジアゾアセチル基、およびベンゾイル基からなる群から選択される。
本明細書に開示される化合物には、式(III)の化合物:
も含まれ、
式中、RおよびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、Xは、O、N、またはSが含まれるがこれらに限定されないヘテロ原子である。「置換」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されている1つまたは複数の原子を有することを意味する。
好ましい実施形態には、式(IV)の化合物:
が含まれ、
式中、RおよびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、Xは、O、N、またはSが含まれるがこれらに限定されないヘテロ原子である。「置換」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されている1つまたは複数の原子を有することを意味する。
より好ましい実施形態において、RおよびRは、独立に、水素;アシル;または置換もしくは非置換の芳香族、ヘテロ芳香族、環式脂肪族、もしくはヘテロ環式脂肪族環である。特に好ましい実施形態において、Rは、ベンジル基またはナフチルメチル(napthylmethyl)基であり、Rは、水素であり、またはアセチル基、ジアゾアセチル基、およびベンゾイル基からなる群から選択される。
最も好ましい実施形態において、化合物は、BW1002、BW1004、またはBW1005である。
これらの化合物のうちBW1004とBW1005の2つは、カテプシンBの活性部位との相互作用を改善するように特異的に設計された。リソソーム調節物質BW1002をカテプシンBの結晶構造にドッキングさせることをシミュレートして、結合のモードを洞察し、リード化合物の効力を改善するさらなる機会が存在することを確認した。図1はこのシミュレーションを示す。このシミュレーションにおいて、ウシカテプシンBを受容体モデル(PDB:1QDQ)として使用し、このウシカテプシンBは、水素を添加し、電荷を算出し、幾何形状をチェックすることによって調製した。Sybyl 7.3ソフトウェアで実行して、BW1002のSurflex−Dockと柔軟にドッキングさせ、低いリガンドコンフォメーションエネルギーとすばらしく適合していることを実証した。疎水性ポケットは、主にカテプシンB残基Trp 221、His 119、Val 176、Leu 181、およびPhe 180によって形成されている。
ドッキングさせた調節物質複合体は、BW1002のN−ベンジル基およびアセチル基によって部分的にしか占有されていない非常に大きな疎水性ポケットが存在することを示した。したがって、BW1004やBW1005など、大きな疎水性基を有する分子は、カテプシンBとの結合相互作用がより大きいはずである。
PADK、PPDK、および選択された非ペプチドリソソーム調節物質の効力
PADK、PPDK、ならびにBW1001、BW1002、BW1003、BW1004、およびBW1005を含めて本明細書に記載される非ペプチドリソソーム調節物質の非限定的な例は、海馬スライス培養物においてスクリーニングして、その効力を決定した。これらの化合物の構造およびその効力を下記の表1に示す。培養されたスライスを、様々な調節物質濃度で3〜6日間毎日処置した。表1に挙げるように、BW1004およびBW1005は、カテプシンDのレベルを、PADKの効力またはその近くの効力で上昇させた。これらの2つの化合物について、効力の改善は、ClogP値の上昇を伴わないようであった。BW1001については、その効力が低いため、その後の試験を行わなかった。
PADK、PPDK、および選択された非ペプチドリソソーム調節物質の毒性
潜在的な毒性については、シナプスマーカーを評価し、処置されたスライス培養物からの培地試料を標準LDHアッセイにかけることによって試験した。PADK、BW1002、BW1005、および他の調節物質は、シナプス減弱も、LDH放出も引き起こさなかった。BW1003しか、ダメージを受けた細胞から明らかに放出されたLDH活性が時間依存的に増加するという証拠を示さなかった。しかし、BW1003で6日間処置した後のLDH放出の増加は、有意水準に近いだけにすぎず、完全な細胞破壊(1%のTX−100を使用)で生じる最大LDH放出の<2%しか示さなかった。BW1003は、処置されたスライス試料の前シナプスマーカーおよび後シナプスマーカーを測定するとき、明らかなシナプス減弱も引き起こした。BW1003(B1003)については、その潜在的な毒性のため、追跡しなかった。BW1004およびBW1005を含めて、他の非ペプチドリソソーム調節物質は、LDHアッセイまたはシナプスマーカー評価で、スライスモデルにおいて明らかな毒性を示さなかった。
インビトロにおけるリソソーム調節
PADKのインビトロ試験
蓄積タンパク質のクリアランス
クロロキン誘発性のタンパク質蓄積の海馬スライスモデルを使用して、リソソーム調節物質が、前から存在するタンパク質蓄積物のクリアランスを促進することを明らかにした。スライスモデルには、PHF−免疫陽性物質の神経細胞内沈着、APPのカルボキシ末端フラグメントの増加、およびシナプス成分の段階的喪失が見られる。図2A〜Cは、ヒト対らせん状細線維(PHF)の海馬スライス培養物の免疫染色である。対照組織において、病原性PHFは検出不可能であった(図2A)が、クロロキンで6日間処置し、続いて2日間ウォッシュアウトした後に、PHFの細胞内蓄積が明らかであった(図2B)。ウォッシュアウト注入液にPADKが含まれていると、CA1ニューロンにおけるクロロキン誘発性沈着物が顕著に低減された。一方、クロロキンを除去し、3μMのPADKで2日間処置すると、図2Cに示すように、PHF物質の神経細胞における沈着物の大部分のクリアランスが行われる。スケールバーの大きさ:16μm。
非ペプチドリソソーム調節物質のインビトロ試験
上述する非ペプチドリソソーム調節物質を、海馬スライス培養物においてスクリーニングした。というのは、その好都合な培養系は、本来の回路網を有し、インビボにおいてわかるように代償性応答およびシナプスの脆弱性を示すカテプシンとシナプスマーカーの平行分析によく適しているからである。
リソソーム酵素の活性化
海馬スライスを培養状態で10〜12日維持して、安定化し、次いで様々な調節物質濃度で3日間毎日処置した。次いで、速やかに氷冷緩衝液に回収し、プロテアーゼ阻害剤の存在下でホモジナイズした。
スライス試料のタンパク質を等量ずつ、イムノブロッティングにかけて、プロ型および活性型のカテプシンD(CD)を標識した。この試験の結果を図3に示す。図3Aは、海馬スライス培養物において、PADK誘発性のプロ型および活性型カテプシンDの増加を示す免疫ブロットである。図3Bは、PADKおよびBW1002による、海馬スライス培養物におけるカテプシンDの用量依存的上方制御を示すグラフである。図3Bの滴定曲線によって、BW1002がPADKより強力なリソソーム増強を示したことがわかる。プロ型および活性型のカテプシンDは共に、PADKと非ペプチジルリソソーム調節物質であるBW1002とによって増加したが、BW1002は、PADKより安定であると思われる。アクチンを添加した対照では、常に変化しないことがわかった。表1には、EC50とカテプシンレベルの2倍増加に必要とされた濃度(EC2倍)が共に記載されている。これらによって示されているように、BW1002はPADKより強力である。効力の改善は、ClogPの増加に対応するようである。PADKのEC2倍値は3.2μMであるが、BW1002のEC2倍値は約1μMである。
蓄積タンパク質のクリアランス
BW1002化合物は、アルツハイマー病型のタンパク質蓄積のスライスモデルにおいてタンパク質クリアランスの増強についても試験した。抗Aβ1−42抗体で標識された物質の蓄積を誘発するために、海馬スライス培養物に、リソソーム破壊剤であるクロロキンを6日間注入した。海馬スライス培養物をクロロキン誘発性のタンパク質蓄積ストレスにかけると、蓄積Aβペプチド、PHF−タウ凝集体、およびアルツハイマー病型のシナプス病理を示した。アルツハイマー病のいくつかのトランスジェニックマウスモデルにはよくあることだが、ヒト病状とクロロキン処置スライスとの間には、シナプス完全性の喪失に関して、ならびに早期輸送障害および軸索障害に関して、顕著な類似が認められる。抗Aβ1−42抗体で標識された物質の蓄積を誘発するために、海馬スライス培養物に、リソソーム破壊剤であるクロロキンを6日間注入した。次いで、クロロキンを除去し、スライスをビヒクルまたは5μMのBW1002で2日間処置した。図4A〜Bは、この処置の効果を示す免疫染色である。CA1における免疫染色は、リソソーム調節物質によって低減された(視野幅:60μm)。図4Aに比べて、図4Bは、CA1におけるタンパク質の蓄積事象の免疫標識が、リソソーム調節物質によって低減されたことを示す(視野幅:60μm)。したがって、リソソーム調節物質であるBW1002は、スライスモデルにおいて蓄積物質のクリアランスを促進する。
ペプチド性および非ペプチド性化合物によるリソソーム酵素の活性化の比較
スライスモデルを使用して、ペプチジル化合物PADK、PPDK、カテプシンB阻害剤であるグリシル−フェニルアラニルグリシン−アルデヒドセミカルバゾン(GPG)、ならびに非ペプチジルリソソーム調節物質であるBW1001、BW1002、およびBW1003を試験し、比較した。スライスを10μMの化合物で3日間毎日処置し、次いで速やかに回収し、活性CDレベルの免疫ブロット評価を行った(ANOVA:P<0.0001)。図5は、これらの試験の結果を示す棒グラフである。図5のデータは、非ペプチドリソソーム調節物質が、病原性蓄積のクリアランスを増強する強力なリソソーム調節をもたらすことを示している。データはすべて、平均値±SEMを表す。
インビボにおけるリソソーム調節
PADKのインビボ試験
リソソーム酵素の活性化
PADKはインビボにおけるリソソーム調節を導き出し、カテプシンBおよびDのラット脳におけるレベルの大幅な上昇をもたらすことが知られている。10〜12カ月齢マウスにおいて、1日9回PADKを腹腔内(i.p.)注射すると、神経細胞マーカーであるNeuNが陽性である海馬細胞において活性型カテプシンBを免疫染色する際に劇的な増加を引き起こすこともわかった。カテプシン染色の増強は、多くの脳領域で明らかであり、リソソームマーカーであるLAMP−1と共存していた。
調節物質であるPADKは、有害作用を引き起こすことなく、カテプシンを上方制御する。マウスについて、海馬ホモジネートを評価した。図6A〜Dは、PADK投与(doping)が10カ月齢マウスの様々な生物学的および物理的属性に及ぼす効果を示すグラフである。
PADK投与がカテプシンに及ぼす上方制御効果を示すグラフである図6Aに示すように、PADKは、様々な用量にわたって、カテプシンレベルの用量依存的上昇をもたらした。図6Bに示されるように、シナプスマーカーであるGluR1およびシナプトフィジンに対する有害作用は見られなかった。PADKを投与して、肝機能に対する障害を示すALT、および腎臓障害を示すBUNを測定したが、図6Cに示されるように、PADK投与によるALTまたはBUNの変化はまったく見られなかった。最後に、PADKの投与は、マウスにおいて運動技能、協調、または空間記憶を損なわなかった。図6Dは、運動技能および空間記憶の試験結果を示すグラフである。運動技能および協調は、変速回転ロッドを使用し、動物がロッドを前進したままであり得る時間を測定して評価した。空間記憶は、動物が以前の報酬が与えられた場所を記憶していなければならない条件付け場所嗜好性(conditions place preference)(CPP)North−Southパラダイムで試験した。したがって、リソソーム調節は、肝臓/腎臓完全性、血中尿素レベル、または正常な脳機能に明らかな効果をまったく及ぼすことなく行われた。
非ペプチドリソソーム調節物質のインビボ試験
PADKおよび非ペプチドリソソーム調節物質によるシナプス保護
調節物質であるBW1005を、アルツハイマー病モデルのPDGF−APPSwIndトランスジェニックマウスに毎日腹腔内投与した。トランスジェニックマウスは、Swedish(K670N/M671L)変異とIndiana(V717F)変異とを両方含む変異型ヒトAPP遺伝子(APPSwInd)のヘミ接合体である。本発明者らの以前の研究から、ヘミ接合体マウスは、新皮質および海馬においてヒトAPP導入遺伝子産物を発現するが、対照の非トランスジェニックマウスはヒトタンパク質を発現しないことがわかった。スライスおよびマウスにおけるPADKの効果に対するその効力に基づいて、BW1005を投与量45mg/kgで毎日腹腔内注射した。BW1002は、スライスモデルにおいてBW1005より強力なので、別のマウスにBW1002化合物を25mg/kgで注射した。
マウスの脳を解剖し、後シナプスマーカーであるGluR1の評価を行った。トランスジェニックマウスモデルは、野生型マウスに比べてGluR1における欠損を示し、新規リソソーム調節物質はマーカーの回収を促進した。図7は、研究対象の各群について平均GluR1測定値±SEMを示す棒グラフである(事後試験:p=0.05)。図7の棒グラフは、BW1002とBW1005が両方とも、著しいシナプス保護をもたらしたことを示す。カテプシンレベルの変化が、シナプス保護の原因となり得る。
行動試験−新しいアームパラダイム
加齢マウスは、行動機能障害に寄与する種類のシナプス欠損を示す。無処置の若いマウス(NT)およびビヒクル(V)またはBW1002(BW)で毎日処置された加齢マウスを、新しいアームパラダイムで評価した。免疫ブロットにより、脳ホモジネートのその後の調製物について、活性型カテプシンB(CB)の評価を行った。BW1002を35mg/kg×10日間使用し、リソソーム調節の試験を行った。結果を図8A〜Cに示す。図8は、解剖された脳組織において、カテプシンB上方制御(活性型)の証拠を示す免疫ブロットである。全体的に見て、用量35mg/kgのBW1002によって、マウス6匹のうち4匹においてカテプシンBが増加した。
図8B〜Cは、新しいアームパラダイムの結果を示すグラフである。簡潔に言えば、1日目に、着色対象物を含む右側アームだけをオープンしたY字型迷路を、動物に自由探索させた。5分間探索させた後、マウスをホームケージに戻らせた。2日目に、両アームともオープンにして、5分間の探索時間を設け、動物について、進入回数と迷路の新しい左側アームで過ごした総時間との評価を行った。動物は、以前にいた場所より、新規環境を多く探索する傾向が強い。どちらの迷路アームが新しいアームであるかという記憶に、特徴的な加齢性欠損がある(新しいアーム試験)。興味深いことに、図8Bのデータは、この欠損がBW1002によってなくなるようであることを示している。図8Cは、このような結果が、新しいアームで過ごした総時間を評価するときにも示唆されることを示している。
シナプス完全性および行動欠損
BW1002/1005の結果と先のPADKの実験を比較するために、ホモジネート試料について、免疫ブロットで前シナプスタンパク質であるシナプシンIIおよび後シナプスグルタミン酸作動性マーカーであるGluR1の分析を行った。これらの分析の結果を図9に示す。図9Aは、異なる2匹のアルツハイマー病マウスモデルからの試料が、同齢の野生型に比べて、試験APPSwIndおよびAPPswe/PS1ΔE9マウスの23〜31%の欠損を示したことを明らかにする2つの免疫ブロットを示す(P<0.01)。図9Bは、PADKが2匹のマウスモデルにおいてGluR1欠損を有意に低減し、非トランスジェニック対照マウスにおいて見られたレベルに匹敵するレベルに到達したことを示す棒グラフである(ANOVA:P<0.001;n=12〜20)。シナプシンIIを測定したとき、前シナプス保護の同様の徴候が見られた。前述したように、BW1002およびBW1005によってもたらされたGluR1のシナプス保護は、PADKによってもたらされたものより著しいものであった。
PADKによるシナプス完全性の改善は、マウスモデルにおいて、行動欠損の低減も伴った。図9Cは、複数の群のマウスのロータロッド性能(rotorod performance)を示す棒グラフである。ビヒクル注射APPSwIndマウスは、5回の試行全体にわたってロータロッド性能の改善を示さなかった(P=0.37;n=10)が、対照的に、ビヒクルを投与された同齢の野生型マウスによって、ロータロッド性能の改善が示された(ANOVA:P=0.0036;n=19)(図9C)。PADK処置によって、APPSwIndマウスが、注射8日目および9日目に実施されたロータロッド試行全体にわたって改善することが可能になった(P<0.0069)。図9Dは、第2のタイプのアルツハイマー病マウスモデルにおける自発的交替行動を示す棒グラフである(APPswe/PS1ΔE9)。ビヒクルまたはPADKで処置したAPPswe/PS1ΔE9マウスについて、T字型迷路における自発的交替行動の海馬依存性タスクの試験を行った。マウスを、T字型迷路の交差点から始めて自由探索させ、3本のアーム(アームA、B、およびC)への進入の順序をモニターした。対照マウスにおいて、すべての3番目の探索アームは、通常以前の2本のアームとは異なる(例えば、A−B−C、B−A−Cなど;第3の決断は交替である)。これに対して、アルツハイマー病マウスは、以前探索した2本のアームのうちの1本に戻る場合(例えば、A−B−A、C−B−B)が多く、したがって交替率(%)が低下する。ビヒクル処置トランスジェニックマウスは、同齢の野生型に比べて低下した交替行動率を示した(P<0.0001)。PADK処置によって、有意に改善された交替率が得られ、非トランスジェニック対照マウスの性能レベルに等しい性能レベルに到達した。オープンフィールド運動評価では、様々な群のマウス全体にわたって、探索運動の変化が認められなかった。
要するに、本明細書に記載される化合物を用いたリソソーム調節物質治療は、おそらくアルツハイマー病および正常な加齢脳において見られる事象である輸送欠損、軸索障害、およびシナプス障害に関連付けられるタンパク質の蓄積を低減することによって、シナプスマーカーのレベルの改善をもたらした。有効性および安全性を求めてスクリーニングを行った適切な物質を用いると、リソソーム調節によって、様々なタイプの加齢性タンパク質蓄積疾患に対する治療戦略をもたらすことができる。
選択された化合物の合成
(2R,3S)−3−アジド−2−テトラヒドラピラニル−4−フェニルブタン−1−イルp−トルエンスルホナートの調製
トシルアルコール(900mg、2.49mmol)を20mlの塩化メチレンに溶解した。この溶液に、ジヒドロピラン(3.73mmol)を滴下した。これに、ピリジニウム・p−トルエンスルホナート(PPTS 10mol%)を添加した。反応混合物を24時間撹拌し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧濃縮して、明褐色オイルを得た。次いで、溶離液としてヘキサン/酢酸エチル(3:1)を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、THP保護アルコール(III)をオイルおよび異性体の混合物として得た。1.042g(94%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.78〜7.89(m,4H)、7.15〜7.42(m,14H)、4.64〜4.75(m,2H)、4.21〜4.34(m,4H)、3.71〜3.98(m,4H)、3.38〜3.62(m,4H)、2.92〜3.02(m,2H)、2.63〜2.74(m,2H)、2.42〜2.51(m,6H)、1.43〜1.94(m,12H);13C NMR(125MHz,CDCl)139.56.41、139.30、137.23、137.08、129.20、129.15、128.52、128.46、128.35、128.27、128.13、128.09、127.02、126.88、126.75、126.66、100.28、99.15、80.23、78.84、66.04、65.12、63.91、63.19、50.15、47.99、37.45、36.35、31.08、31.06、25.33、25.24、21.02、20.94、20.43、19.81。
(2R,3S)−3−アジド−2−テトラヒドラピラニル−4−フェニル−1−ベンジルアミノブタンの調製
トシル保護アルコール(III)(0.842g、1.89mmol)の無水THF(10ml)溶液に、ベンジルアミン(1.05ml、9.46mmol)を添加した。反応混合物を90℃で56時間還流し、冷却し、次いで濃縮した。溶離液として1:1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって、生成物(IV)が2つの異性体として得られた。485g(収率:67%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.17〜7.29(m,20H)、4.66〜4.78(m,2H)、3.78〜4.21(m,10H)、3.48〜3.58(m,2H)、2.84〜3.12(m,6H)、2.66〜2.79(m,2H)、1.45〜1.98(m,12H);13CNMR(125MHz,CDCl)140.41、140.30、138.23、138.08、129.20、129.15、128.62、128.56、128.45、128.37、128.13、128.09、127.02、126.88、126.75、126.66、100.28、99.15、80.23、78.84、66.04、65.12、63.91、63.19、54.09、53.98、50.15、47.99、37.45、36.35、31.08、31.06、25.33、25.24、20.43、19.81。
(2R,3S)−3−アミノ−2−テトラヒドラピラニル−4−フェニル−1−ベンジルアミノブタンの調製
25mlのフラスコ中、THP保護ベンジルアミン(IV)(0.485g、1.28mmol)を8mlの無水メタノールに溶解した。フラスコを脱気し、内容物は、3mlの無水メタノール中10%Pd/Cを入れた別の25mlの脱気済みフラスコにカニューレ処置した。次いで、反応混合物を水素雰囲気中で12時間撹拌し、次いでセライトに通して濾過した。溶媒を減圧下で除去し、溶離液としてクロロホルム中5%メタノールを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで残渣を精製して、還元されたアミン(V)をオイルおよび異性体の混合物として得た。0.365g(収率:81%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.15〜7.30(m,20H)、4.64〜4.76(m,2H)、3.78〜4.18(m,10H)、3.32〜3.58(m,4H)、2.84〜3.12(m,4H)、2.66〜2.78(m,2H)、1.42〜1.57(m,12H)。13CNMR(125MHz,CDCl)140.42、140.30、138.22、138.08、129.20、129.15、128.61、128.56、128.44、128.37、128.13、128.09、127.02、126.88、126.75、126.66、100.28、99.15、80.23、78.84、66.04、65.12、60.18、60.09、54.09、53.98、50.15、47.99、37.43、36.35、31.08、31.06、25.33、25.24、20.41、19.81。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−テトラヒドラピラニル−4−フェニル−1−ベンジルアミノブタンの調製
還元された第一級アミン(V)(0.365g、1.03mmol)を、6mlのエーテルおよび3mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液に取り込み、0℃に冷却した。次いで、クロロギ酸ベンジルを反応混合物に滴下し、5時間撹拌した。次いで、水層を分液し、有機層を乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。次いで、それを、溶離液として2:1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、Cbz保護アミン(VI)をオイルおよび異性体の混合物として得た。0.490g(収率:97%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.08〜7.43(m,30H)、5.01〜5.33(m,6H)、4.68〜4.84(m,2H)、3.74〜4.14(m,8H)、3.36〜3.62(m,4H)、2.82〜3.10(m,4H)、2.66〜2.78(m,2H)、1.42〜1.93(m,12H)。13CNMR(125MHz,CDCl)155.87、155.78、140.91、140.84、140.42、140.30、138.22、138.08、129.20、129.15、128.74、128.68、128.61、128.56、128.44、128.37、128.13、128.09、127.02、126.88、127.72、127.64、127.43、127.38、126.75、126.66、100.28、99.15、80.23、78.84、71.88、68.59、66.04、65.12、60.18、60.09、54.09、53.98、50.15、47.99、37.43、36.35、31.08、31.06、25.33、25.24、20.41、19.81。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ベンジルアミノブタン(BW1001)の調製
Cbz保護アミン(VI)(0.495g、1.02mmol)を10mlのエタノールに溶解し、これに、10mol%のPPTSを添加した。反応混合物を60℃で5時間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を分液し、乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。次いで、それを、溶離液として2:1のヘキサン/EtAcを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、Cbz保護アミノアルコール(VII)をオイルとして得た。0.350g(収率:86%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.07〜7.38(m,15H)、5.02〜5.35(m,3H)、4.52〜4.87(m,2H)、3.75〜4.04(m,2H)、3.28〜3.49(m,1H)、2.75〜2.94(m,2H)。13CNMR(125MHz,CDCl)155.85、140.91、140.36、138.22、129.15、128.68、128.56、128.37、128.10、127.72、127.41、127.64、126.75、80.23、60.18、54.14、50.15、47.99、37.43。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ベンジルアセトアミド)ブタン(BW1002)の調製
Cbz保護アミノアルコール(VII)(0.035g、0.086mmol)を1mlの無水THFに溶解した。これに、トリエチルアミン(0.11mmol)を滴下した。10分後に、無水酢酸(0.11mmol)を添加し、1mgのDMAPを添加した。
反応混合物を12時間撹拌し、次いで水で洗浄した。有機層を分液し、乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。次いで、それを、溶離液として2:1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、アセチル化アミノアルコール(VIII)をオイルとして得た。0.029g(75%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.13〜7.49(m,15H)、5.02〜5.37(m,3H)、4.52〜4.87(m,2H)、3.75〜4.00(m,2H)、3.28〜3.51(m,1H)、2.75〜2.94(m,2H)、2.07(s,3H)。13CNMR(125MHz,CDCl)168.4、155.85、140.91、140.36、138.22、129.15、128.68、128.56、128.37、128.10、127.72、127.41、127.64、126.75、80.23、60.18、54.14、50.15、47.99、37.43、17.1。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ベンジル−3−オキソ−ブタンアミド)ブタンの調製
Cbz保護アミノアルコール(VII)(0.080g、0.19mmol)を2mlのエタノールに溶解し、これに、ジケテン(23μL、0.29mmol)を滴下した。次いで、反応混合物を1時間撹拌し、4mlのジクロロメタンで希釈した。次いで、それを水に注ぎ込み、有機層を分液し、乾燥した(NaSO)。次いで、それを、溶離液として2:1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、ケト−アミド(IX)をオイルとして得た。100mg(収率:98%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.13〜7.49(m,15H)、5.02〜5.37(m,3H)、4.52〜4.87(m,2H)、3.75〜4.00(m,2H)、3.28〜3.51(m,1H)、2.75〜2.94(m,2H)、2.43(s,2H)、2.05(s,3H)。13CNMR(125MHz,CDCl)201.2、168.4、155.85、140.91、140.36、138.22、129.15、128.68、128.56、128.37、128.10、127.72、127.41、127.64、126.75、80.23、60.18、54.14、50.15、7.99、43.6、37.43、25.7。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ベンジル−2−ジアゾ−3−オキソ−ブタンアミド)ブタンの調製
ケトアミド(IX)(0.040g、0.08mmol)を0.5mlのアセトニトリルに溶解し、0℃に冷却した。これに、トシルアジド(0.024g、0.12mmol)を添加し、続いてDBU(18μL、0.12mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で1時間、次いで室温で3時間撹拌した。次いで、減圧濃縮して、暗赤色オイルを得た。残渣を最小量のジクロロメタンに取り込み、シリカゲルカラムに載せた。化合物を2:1のヘキサン/酢酸エチルで溶離して、ジアゾケト−アミド(X)を黄色オイルとして得た。0.033g(収率:78%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.13〜7.49(m,15H)、5.02〜5.37(m,3H)、4.46〜4.87(m,2H)、3.75〜4.06(m,2H)、3.28〜3.51(m,1H)、2.75〜2.94(m,2H)、2.05(s,3H)。13CNMR(125MHz,CDCl)171、165.4、155.85、140.91、140.36、139.22、129.14、128.68、128.26、128.17、128.10、127.72、127.41、127.64、126.75、79.23、60.38、53.14、50.15、47.99、45.6、37.43、26.6。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ベンジル−2−ジアゾ−エタンアミド)ブタン(BW1003)の調製
ジアゾケトアミド(X)(0.020g、0.038mmol)を0.5mlの1:1のTHF/HOに溶解し、これに、0.2mlの水に溶解したLiOH(5mg、0.19mmol)を添加した。反応混合物を5時間撹拌し、2mlのジクロロメタンで希釈した。有機層を分液し、乾燥し(NaSO)、濃縮した。次いで、シリカ栓に通すことによって、生成物(XI)をオイルとして単離した。0.015g(収率:81%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.13〜7.49(m,15H)、5.02〜5.37(m,3H)、4.46〜4.87(m,2H)、3.75〜4.04(m,2H)、3.28〜3.47(m,1H)、2.75〜2.94(m,2H)。13CNMR(125MHz,CDCl)163.4、155.85、140.91、140.36、139.22、129.14、128.68、128.26、128.17、128.10、127.72、127.41、127.64、126.75、78.33、60.18、52.04、50.15、46.89、44.7、36.43。
(2R,3S)−3−アジド−2−テトラヒドラピラニル−4−フェニル−1−ナフチルメチルアミノブタンの調製
トシル保護アルコール(0.215g、0.48mmol)の無水THF(4ml)溶液に、ナフチルメチルアミン(0.42ml、2.88mmol)を添加した。反応混合物を90℃で56時間還流し、冷却し、次いで濃縮した。溶離液として1:1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって、生成物(XII)が2つの異性体として得られた。0.145g(収率:70%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.80〜8.07(m,4H)、7.15〜7.31(m,20H)、4.66〜4.78(m,2H)、3.78〜4.21(m,10H)、3.48〜3.58(m,2H)、2.84〜3.12(m,6H)、2.66〜2.79(m,2H)、1.45〜1.98(m,12H)。13CNMR(125MHz,CDCl)139.21、139.01、138.23、138.08、135.91、135.86、133.88、133.67、129.20、129.15、128.62、128.56、128.45、128.37、128.13、128.09、127.02、126.88、126.75、126.66、125.59、125.46、123.92、123.84、100.28、99.15、80.23、78.84、66.04、65.12、63.91、63.19、54.09、53.98、50.15、47.99、37.45、36.35、31.08、31.06、25.33、25.24、20.43、19.81。
(2R,3S)−3−アミノ−2−テトラヒドラピラニル−4−フェニル−1−ナフチルメチルアミノブタンの調製
10mlのフラスコ中、THP保護ナフチルメチルアミン(XII)(0.100g、0.233mmol)を2mlの無水メタノールに溶解した。フラスコを脱気し、内容物は、1mlの無水メタノール中10%Pd/Cを入れた別の10mlの脱気済みフラスコにカニューレ処置した。次いで、反応混合物を水素雰囲気中で12時間撹拌し、次いでセライトに通して濾過した。溶媒を減圧下で除去し、溶離液としてクロロホルム中5%メタノールを用いたシリカゲルクロマトグラフィーで残渣を精製して、還元されたアミン(XIII)をオイルおよび異性体の混合物として得た。0.072g(収率:76%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.81〜8.07(m,4H)、7.05〜7.31(m,20H)、4.64〜4.76(m,2H)、3.78〜4.18(m,10H)3.32〜3.58(m,4H)、2.84〜3.12(m,4H)、2.66〜2.78(m,2H)、1.42〜1.57(m,12H)。13CNMR(125MHz,CDCl)139.21、139.01、138.23、138.08、135.91、135.86、133.88、133.67、129.20、129.15、128.62、128.56、128.45、128.37、128.13、128.09、127.02、126.88、126.75、126.66、125.59、125.46、123.92、123.84、100.28、99.15、80.23、78.84、66.04、65.12、60.18、60.09、54.09、53.98、50.15、47.99、37.43、36.35、31.08、31.06、25.33、25.24、20.41、19.81。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−テトラヒドラピラニル−4−フェニル−1−ナフチルメチルアミノブタンの調製
還元された第一級アミン(XIII)(0.072g、0.167mmol)を、2mlのエーテルおよび1mlの飽和重炭酸ナトリウム溶液に取り込み、0℃に冷却した。次いで、クロロギ酸ベンジル(34μL、0.23mmol)を反応混合物に滴下し、5時間撹拌した。次いで、水層を分液し、有機層を乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。次いで、それを、溶離液として2:1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、Cbz保護アミン(XIV)をオイルおよび異性体の混合物として得た。0.075g(収率:83%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.80〜8.06(m,4H)、7.08〜7.48(m,30H)、5.01〜5.33(m,6H)、4.68〜4.84(m,2H)、3.74〜4.14(m,8H)、3.36〜3.62(m,4H)、2.82〜3.10(m,4H)、2.66〜2.78(m,2H)、1.42〜1.93(m,12H)。13CNMR(125MHz,CDCl)155.87、155.78、140.91、140.84、140.42、140.30、138.22、138.08、135.91、135.86、133.88、133.67、129.20、129.15、128.74、128.68、128.61、128.56、128.44、128.37、128.13、128.09、127.02、126.88、127.72、127.64、127.43、127.38、126.75、126.66、125.59、125.46、123.92、123.84、100.28、99.15、80.23、78.84、71.88、68.59、66.04、65.12、60.18、60.09、54.09、53.98、50.15、47.99、37.43、36.35、31.08、31.06、25.33、25.24、20.41、19.81。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−ナフチルメチルアミノブタンの調製
Cbz保護アミン(XIV)(0.075g、0.14mmol)を2mlのエタノールに溶解し、これに、10mol%のPPTSを添加した。反応混合物を60℃で5時間撹拌し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を分液し、乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。次いで、それを、溶離液として2:1のヘキサン/EtAcを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、Cbz保護アミノアルコール(XV)をオイルとして得た。0.060g(収率:94%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.78〜8.06(m,2H)、7.07〜7.53(m,15H)、5.02〜5.35(m,3H)、4.52〜4.87(m,2H)、3.75〜4.04(m,2H)、3.28〜3.49(m,1H)、2.75〜2.94(m,2H)。13CNMR(125MHz,CDCl)157.85、139.91、139.36、138.22、135.91、125.39、123.92、129.15、128.68、128.56、128.37、128.10、127.72、127.41、127.64、126.75、80.23、60.18、54.14、50.15、47.99、37.43。
(2R,3S)−3−Cbzアミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニル−1−(N−ナフチルメチルエタンアミド)ブタン(BW1004)の調製
Cbz保護アミノアルコール(XV)(0.035g、0.076mmol)を1mlの無水THFに溶解した。これに、トリエチルアミン(0.11mmol)を滴下した。10分後に、無水酢酸(0.11mmol)を添加し、1mgのDMAPを添加した。反応混合物を12時間撹拌し、次いで水で洗浄した。有機層を分液し、乾燥し(NaSO)、減圧濃縮した。次いで、それを、溶離液として2:1のヘキサン/酢酸エチルを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにかけて、アセチル化アミノアルコール(XVI)をオイルとして得た。0.028g(73%)。H NMR(500MHz,CDCl)δ 7.80〜8.06(m,2H)、7.13〜7.49(m,15H)、5.02〜5.37(m,3H)、4.52〜4.87(m,2H)、3.75〜4.00(m,2H)、3.28〜3.51(m,1H)、2.75〜2.94(m,2H)、2.07(s,3H)。13CNMR(125MHz,CDCl)168.4、155.85、139.41、139.36、138.22、135.43、129.15、128.68、128.56、128.37、128.10、127.72、127.41、127.64、126.75、125.62、123.75、80.23、60.18、54.14、50.15、47.99、37.43、17.1。
本明細書では、特定の実施形態について記載している。それぞれの実施形態は、本発明の説明として記載されているものであって、本発明を限定するものではない。実際に、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な修正および変形を本発明において実施できることが、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部分として例示または説明された特徴を、別の実施形態に組み込んで、さらに別の実施形態となしてもよい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るこのような修正および変形を含むものである。
様々な化合物および方法の特定の実施形態を記載してきたが、本発明は、まさにこれらの実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。上記の例は、化合物を生成し、方法を実施できることを示すために記載しているにすぎないと理解されたい。上記の装置および方法を一般化して、広範な類概念を包含することができる。こうした趣旨で、上記に開示された実施形態のいずれかによるいずれか1つまたは複数の特徴と、他のいずれかの実施形態によるいずれか1つまたは複数の特徴を組み合わせることができる。したがって、以上の記載は、本発明を限定するものではない。正確に言えば、下記の特許請求の範囲によって、本発明は定義される。

Claims (13)

  1. 式(I)の化合物:
    [式中、R、R、R、およびRは、独立に、水素;ハロゲン;ヒドロキシル;アルコキシ;アシル;シアノ;ニトロ;アミノ;置換もしくは非置換のアルキル基、アルケニル基、もしくはアルキニル基;または1つもしくは複数のヘテロ原子を環中に含んでもよい置換もしくは非置換の芳香族基もしくは環式脂肪族基であり、
    「置換」は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、シクロアルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アシル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、シアノ、チオ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、スルホニル、アルキルスルホニル、スルフィニル、およびアルキルスルフィニルからなる群から選択される1つまたは複数の同一または異なる置換基で置換されていることを意味し、
    Xは、O、N、またはSから選択されるヘテロ原子である]。
  2. 前記R、R、R、およびRが独立に、水素;アシル;または置換もしくは非置換の芳香族、ヘテロ芳香族、環式脂肪族、もしくはヘテロ環式脂肪族環である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記R、R、およびRが独立に、置換または非置換のフェニル、ベンジル、またはナフチルメチルであり、Rが水素であり、またはアセチル基、ジアゾアセチル基、およびベンゾイル基からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記化合物は、ジアステレオマーとして純粋な化合物であり、立体中心の立体配置が、RR、RS、SR、またはSSである、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記化合物は、前記化合物と薬学的に許容される担体とを含む製剤である、請求項1に記載の化合物。
  6. 前記化合物は、リソソーム機能を増強させる、請求項1に記載の化合物。
  7. 前記化合物は、1つまたは複数のリソソーム酵素を活性化させる、請求項1に記載の化合物。
  8. 前記化合物は、動物に投与されると異常タンパク質の蓄積を低減する、請求項1に記載の化合物。
  9. 前記異常タンパク質が、異常アミロイド前駆体タンパク質、異常αシヌクレインタンパク質、または異常ハンチンチンタンパク質である、請求項8に記載の化合物。
  10. 前記異常タンパク質が、disrupted−in−schizophrenia(DISC1)タンパク質である、請求項8に記載の化合物。
  11. 神経変性障害の治療方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物をヒトに投与することを含み、前記神経変性障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、および筋萎縮性側索硬化症からなる群から選択される、方法。
  12. 慢性精神障害の治療方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物をヒトに投与することを含み、前記慢性精神障害が、統合失調症、双極性障害、および反復性大うつ病からなる群から選択される、方法。
  13. リソソーム蓄積障害の治療方法であって、有効量の請求項1に記載の化合物をヒトに投与することを含む、方法。
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