JP2011514891A5 - - Google Patents

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メタロプロテイナーゼ阻害剤を含む化粧品または医薬組成物
本発明は、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の活性を阻害できるペプチドに言及し、かつ、皮膚、粘膜および/または頭皮の処置および/または治療、好ましくはMMPの過剰発現またはMMP活性の増大からもたらされる皮膚、粘膜および/または頭皮の状態、疾患および/または病変の処置および/または治療に使用できるこのようなペプチドを含む化粧品または医薬組成物に言及する。
皮膚は二層、すなわち表皮および真皮から作られる。外層は主に角化細胞、メラニン細胞、およびランゲルハンス細胞から作られる表皮であり、その基本的機能は身体の水分保持、有害な化学薬品に対する、同様に病原媒介物に対するバリアとしての働き、および細胞修復過程の実行である。内層である真皮は、線維芽細胞、脂肪細胞、およびマクロファージにより形成され、基底膜を通して表皮へ密着し、かつ触覚および温度感覚をもたらす多数の神経終末を含む。真皮はまた、内部に毛包、汗腺、皮脂腺、アポクリン腺、および血管も有し、その主な機能の一つは皮膚の弾性および外観の維持である。
真皮はまた、一群の細胞外タンパク質(線維性タンパク質、糖タンパク質、およびプロテオグリカン)により形成される細胞外マトリックスも含み、その主要な機能は皮膚構造の保持である。組織の正確な機能および発生は、細胞外マトリックスの正確な形成およびその成分による正確な調節に依存する[Wiberg C,Klatt A.R.,Wagener R.,Paulsson M.,Bateman J.F.,Heinegard D.and Morgelin M.(2003)“Complexes of matrilin−1 and biglycan or decorin connect collagen VI microfibrils to both collagen II and aggrecan”J.Biol.Chem.278:37698−37704]。細胞外マトリックスの最も重要な二つの線維性タンパク質はコラーゲンおよびエラスチンであり、これらは張力、圧迫、伸展性、およびねじれへの抵抗能のような組織の力学的特性の原因である。プロテオグリカンは構造的な、または代謝性の機能を有するが、糖タンパク質はプロテオグリカンと共にマトリックス成分と細胞の間との結合橋として働く[Aumailley M.and Gayraud B.(1998)“Structure and biological activity of the extracellular matrix”J.Mol.Med.76:253−265;Culav E.M.,Clark C.H.and Merrilees M.J.(1999)“Connective tissues:matrix composition and its relevance to physical therapy”Phys.Ther.79:308−319;Scott J.E.(2003)“Elasticity in extracellular matrix‘shape modules’of tendon,cartilage,etc.A sliding proteoglycan−filament model”J.Physiol.553:335−343]。
コラーゲンは、哺乳類におけるタンパク質性質量の25%を占める細胞外マトリックスの線維性タンパク質ファミリーである。これらは20を超えるファミリーに分類されており、それらの全てが異なる組織で特異的な機能を果たす個別の特性を有する。
コラーゲンの主な特徴は、グリシンおよびプロリンリッチな三つのポリペプチド鎖の会合により形成されるらせん構造である。そのアミノ酸組成の変化は機能障害および力学的特性の喪失の原因となる[Culav E.M.,Clark C.H.and Merrilees M.J.(1999)“Connective tissues:matrix composition and its relevance to physical therapy”Phys.Ther.79:308−319]。これらのポリペプチド鎖は互いに会合し、成熟した組織において直径10〜300nmおよび数百マイクロメートルまでの長さを有する原線維を形成する。これらの原線維はしばしば、電子顕微鏡を通して直径のマイクロメートル値が大きなコラーゲン線維として観察できるケーブル束のような主要構造に加えられる。この過程は原線維形成として知られる[Aumailley M.and Gayraud B.(1998)“Structure and biological activity of the extracellular matrix”J.Mol.Med.76:253−265]。全てのコラーゲンが原線維を形成できるわけではなく、原線維コラーゲンとして知られるI、II、III、VおよびXIタイプコラーゲンのみである。
成体の真皮は基本的に原線維コラーゲンタイプI、III、およびVにより形成される。タイプIコラーゲンは真皮の全コラーゲンの80〜90%に相当する。一般にタイプIコラーゲン線維は長めの直径が特徴であり、これはより大きな力学的負荷への抵抗能に相関する。タイプIIIコラーゲンは組織の伸展性に干渉し、これは年の経過につれてタイプIコラーゲンに置き換わり、この過程は成熟した皮膚が若年の皮膚よりも伸展性の少ないことの部分的な原因となる。タイプVコラーゲンはタイプIおよびIIIと会合して原線維の直径を調節する[“The Biology of the Skin”,Freinkel R.K.and Woodley D.T.,eds.The Parthenon Publishing Group,2001;Culav E.M.,Clark C.H.and Merrilees M.J.(1999)“Connective tissues:matrix composition and its relevance to physical therapy”Phys.Ther.79:308−319]。
コラーゲン線維は一定の再生過程にあるが、このような再生は年齢とともに減少し、真皮が薄くなることの原因となる。加えて、コラーゲン線維の組織化により強い抵抗性をもつコラーゲンネットワークが提供されるとしても、コラーゲン線維はマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)として知られる特定の酵素に感受性である。MMPはタンパク質分解酵素(エンドプロテアーゼ)ファミリーに属し、その活性中心に3個のシステイン残基および1個のメチオニン残基と配位結合する亜鉛原子を含み、中性pHにおいて細胞外マトリックス由来および基底層由来の高分子成分(コラーゲン、エラスチンなど)をまとめて分解できる。
マトリックスメタロプロテイナーゼファミリーは、その構造類似性および基質特異性により分類される[Woessner J.F.(1991)“Matrix metalloproteinases and their inhibitors in connective tissue remodeling”Faseb J.5:2145−2154;Miyazaki K.and Higashi S.(1996)“Matrix metalloproteinases:their structures and functions,with special reference to their roles in tumor invasion and metastasis”Seikagaku 68:1791−1807]。MMPファミリーには、線維性コラーゲンを分解するコラゲナーゼ(MMP−1または間質コラゲナーゼ、MMP−8または好中球コラゲナーゼ、MMP−3またはコラゲナーゼ3)、タイプIVコラーゲンまたはその他のいずれの変性コラーゲンを分解するゼラチナーゼ(MMP−2またはゼラチナーゼA 72kDa、およびMMP−9またはゼラチナーゼB 92kDa)、その広い活性スペクトルが、細胞外マトリックス、とりわけフィブロネクチンまたはラミニンのような糖タンパク質、プロテオグリカンなどに方向付けられるストロメライシン(MMP−3またはストロメライシン1、MMP−10またはストロメライシン2、およびMMP−11またはストロメライシン3)、マトリライシン(MMP−7)、メタロエラスターゼ(MMP−12)、または膜型メタロプロテイナーゼ(MMP−14、MMP−15、MMP−16およびMMP−17)が存在する。
メタロプロテイナーゼは不活性な方法(プロ酵素)で産生および分泌され、後に細胞外環境においてその配列からプロペプチド領域が失われることによって活性化される。このタンパク質ファミリーメンバーは互いに活性化することができる。MMP活性の調節は、遺伝子発現の調節(転写および転移)、不活性過程の賦活の調節、または活性過程における局所的作用といった様々な方法で行うことができる。
MMPは、細胞外タンパク質の分解および破壊を伴う様々な皮膚、粘膜および/または頭皮の状態および疾患において重要な役割を果たす[Kahari V.M.and Saarialho−Kere U.(1997)“Matrix metalloproteinases in skin”Exp.Dermatol.6:199−213]。結合組織細胞におけるMMPの過剰発現またはMMP活性の増大について報告されている様々な病変のうち、本発明者らは慢性潰瘍[Miyoshi H.,Kanekura T.,Aoki T.and Kanzaki T.(2005)“Beneficial effects of tissue inhibitor of metalloproteinases−2(TIMP−2)on chronic dermatitis”J.Dermatol.32:346−353]、乾癬[Flisiak I.,Mysliwiec H.and Chodynicka B.(2005)“Effect of psoriasis treatment on plasma concentrations of metalloproteinase−1 and tissue inhibitor of metalloproteinase−1”J.Eur.Acad.Dermatol.Venereol.9:418−421;Suomela S.,Kariniemi A.L.,lmpola U.,Karvonen S.L.,Snellman E.,Uurasmaa T.,Peltonen J.,Saarialho−Kere U.(2003)“Matrix metalloproteinase−19 is expressed by keratinocytes in psoriasis”Acta Derm.Venereol.83:108−114]、歯肉炎および歯周炎のような口腔病変[Reynolds J.J.and Meikle M.C.(1997)“The functional balance of metalloproteinases and inhibitors in tissue degradation:relevance to oral pathologies”J.R.Coll.Surg.Edinb.42:154−160]、皮膚癌[Ntayi C.,Hornebeck W.and Bernard P.(2004)“Involvement of matrix metalloproteinases(MMPs)in cutaneous melanoma progression”Pathol.Biol.(Paris)52:154−159;Kerkela E.and Saarialho−Kere U.(2003)“Matrix metalloproteinases in tumor progression:focus on basal and squamous cell skin cancer”Exp.Dermatol.12:109−125]、ならびに腫瘍の浸潤および転移[Sato H.,Takino T.and Miyamori H.(2005)“Roles of membrane−type matrix metalloproteinase−1 in tumor invasion and metastasis”Cancer Sci.96:212−217]を見出した。
MMPはまた、細胞外マトリックスが分解または再構築される異なった生理的状況、例えば発生の間の組織の形態形成、組織修復、および血管新生を含む細胞外マトリックスのタンパク質分解性リモデリングにおいても鍵となる役割を果たす[Kahari V.M.and Saarialho−Kere U.(1997)“Matrix metalloproteinases in skin”Exp.Dermatol.6:199−213]。特にMMPは結合組織リモデリングにおける決定的な役割を有し[Abraham D.,Ponticos M.and Nagase H.(2005)“Connective tissue remodeling: cross−talk between endothelins and matrix metalloproteinases”Curr.Vasc.Pharmacol.3:369−379]、例えばMMPによるコラーゲン分解は皮膚にしわやたるみを起こす。
同様に、MMPは皮膚の老化にも関与する。紫外線(UV)照射への暴露を含む様々な因子はコラーゲンの分解を起こし、全ての結果によればそれは皮膚の構造および/または硬度、特に顔、耳、首、頭皮、腕、および手のような太陽光に暴露される皮膚領域に引き起こされる。
UVAおよび/またはUVBに対する、慢性的な暴露(反復照射)または高度な暴露(強力な照射)に付随する皮膚損傷について研究されており、特に
−よりエネルギーのある波長のUVB光線(290〜300nm;全UV光線の5%)は、特に表皮細胞(角化細胞)へ、そのDNAに作用することによって影響を与える、
−UVA光線(320〜400nm;全UV光線の95%)はより強力な浸透グレードを有し、線維芽細胞のような真皮細胞にも作用し、かつ間接的にフリーラジカルを産生する、
ことが知られている。
また、UV照射、特にUVAおよび/またはUVB照射への長期にわたる暴露は、MMP、特にマトリックスメタロエラスターゼタイプ1(MMP−1)発現を促進する[Fisher G.J.,Datta S.C.,Talwar H.S.,Wang Z.Q.,Varani J.,Kang S.and Voorhees J.J.(1996)“Molecular basis of sun−induced premature skin ageing and retinoid antagonism”Nature 379:335−339;Fisher G.J.,Wang Z.Q.,Datta S.C.,Varani J.,Kang S.and Voorhees J.J.(1997)“Pathophysiology of Prematur Skin Aging Induced by Ultraviolet Light”New Eng.J.Med.337:14191429;Fisher G.J.,Choi H.C.,Bata−Csorgo Z.,Shao Y.,Datta S.,Wang Z.Q.,Kang S.and Voorhees J.J.(2001)“Ultraviolet irradiation increases matrix metalloproteinase−8 protein in human skin in vivo”J.Invest.Dermatol.117:219−226]。これは光誘導性の皮膚老化(または光老化)の一要素である[Rittie L.and Fisher G.J.(2002)“UV−light−induced signal cascades and skin aging”Ageing Res.Rev.1:705−720]。加えて、MMP−1、MMP−2、およびMMP−9活性は加齢と共に増大すること、およびこの増大は細胞生育の減速と共に経時的な皮膚老化を助長することが知られている[欧州特許第1005333B1号]。同様に喫煙者の皮膚もまた、MMPの過剰発現を伴う早発性老化の外観を有する[Lahmann C.,Bergemann J.,Harrison G.and Young A.R.(2001)“Matrix metalloproteinase−1 and skin aging in smokers”Lancet 357:935−936]。
結合組織におけるMMPの過剰発現またはMMP活性の増大に付随する、別の皮膚および/または頭皮の病変または疾患はざ瘡である[Papakonstantinou E.,Aletras A.J.,Glass E.,Tsogas P.,Dionyssopoulos A.,Adjaye J.,Fimmel S.,Gouvousis P.,Herwig R.,Lehrach H.,Zouboulis C.C.and Karakiulakis G.(2005)“Matrix metalloproteinases of epithelial origin in facial sebum of patients with acne and their regulation by isotretinoin”J.Invest.Dermatol.125:673−684]。ざ瘡に侵された皮膚は、高レベルのMMP−1を有することについて報告されている。
同様に酒さもまた、MMPが関連する皮膚および/または頭皮の病変または疾患である。酒さは、血管新生および炎症の増大により特徴付けられる。血管新生とは新しい血管の形成過程のことを言い、これは酒さのような良性の状態および癌のような悪性の過程を含む。組織の細胞外マトリックスに存在するマトリックス分解酵素は、新しい血管をマトリックスへ貫入させることによって血管新生を促進する。MMPはこのような過程に関わる酵素の種類を代表する[Sapadin A.N.,Fleischmajer R.(2006)“Tetracyclines:Nonantibiotic properties and their clinical implications”J.Am.Acad.Derm.54:258−265]。
接触性皮膚炎およびアトピー性皮膚炎を含む皮膚炎にかかった人々もまた、幾つかのMMPを高レベルで有する[Herouy Y.,Mellios P.,Bandemir E.,Dichmann S.,Nockowski P.,Schopf E.and Norgauer J.(2001)“Inflammation in stasis dermatitis upregulates MMP−1,MMP−2 and MMP−13 expression”J.Dermatol.Sci.25:198−205;Devillers A.C.,van Toorenenbergen A.W.,Klein Heerenbrink G.J.,Muldert P.G.and Oranje A.P.(2007)“Elevated levels of plasma matrix metalloproteinase−9 in patients with atopic dermatitis:a pilot study”Clin.Exp.Dermatol.32:311−313;Miyoshi H.,Kanekura T.,Aoki T.and Kanzaki T.(2005)“Beneficial effects of tissue inhibitor of metalloproteinases−2(TIMP−2)on chronic dermatitis”J.Dermatol.32:346−353]。「皮膚炎」は、炎症を引き起こす皮膚の状態、疾患、または病変として定義され、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚過敏および湿疹を含む。MMPはまた、毛包周囲マトリックスの分解とそれによる脱毛にも関与することが知られている。特に、サイトカインおよび上皮増殖因子は毛根の下部区画におけるMMP−9の産生を促進し、このような機構は、脱毛症に見られる毛包毛細血管の退縮を制御する[Jarrousse F.,Boisnic S.,Branchet M.C.,Beranger J.Y.,Godeau G.,Breton L,Bernard B.A.and Mahe Y.F.(2001)“Identification of clustered cells in human hair follicle responsible for MMP−9 gelatinolytic activity:consequences for the regulation of hair growth”Int.J.Dermatol.40:385−392]。従って、脱毛過程の間に過剰発現したMMPを阻害することは、脱毛の遅延、および予防にさえも有効であり得る[欧州特許第1076549B1号]。
また、MMP活性はコラーゲンを含む組織の瘢痕形成にも関与する。瘢痕形成は、以前の外傷による、または皮膚のコラーゲンを含む組織の治癒過程による、異常な形態をもつコラーゲン構造の形成として定義される。
治癒過程は三段階、すなわち(1)炎症、(2)組織形成、および(3)組織リモデリングから成る。治癒過程に必須の段階は細胞外マトリックスの分解であり、外傷領域の細胞を増殖および再生させるためには細胞外マトリックスが分解されることが必須である。このような分解はMMPを通して行われる。治癒過程の段階は異なるMMP間のバランスにより調節され、過剰なMMP活性は慢性潰瘍を引き起こすことについて報告されている。例えばMMP−8の過剰発現は、脚の慢性潰瘍病変に関連し得る。同様に糖尿病性潰瘍は、長期の炎症、コラーゲン合成の減少、および高レベルのMMPによって特徴付けられる。
ほとんどの瘢痕は、不規則に組織化され、かつコラーゲンの過剰な、コラーゲン線維より成る。瘢痕の原因は様々であり(事故、外科手術、皮膚疾患、火傷、ざ瘡、感染および一般的な事故)、全ての瘢痕は同じではない。様々な種類の瘢痕は、
−平坦で蒼白な瘢痕:身体の自然治癒過程の結果として形成される。
−沈下した瘢痕:筋肉のような、より深い構造に付随する皮膚によるか、または内部組織の脂肪の減少により形成される。このような瘢痕は皮膚内へ陥凹し、通常は外傷の結果である。
−肥厚性瘢痕:治癒過程の間、身体がコラーゲンを過剰産生する際にみられる。このような瘢痕は皮膚表面を越えて盛り上がり、不規則に組織化されたコラーゲンを含む。
−ケロイド瘢痕:治癒過程の間の、不均衡なコラーゲン産生の結果として形成される。このような瘢痕は皮膚表面を越えて盛り上がるばかりではなく、本来の創傷の境界を越えて拡張し、不規則に増殖し続け得る。
−ざ瘡瘢痕:ざ瘡に侵された皮膚に形成される。この瘢痕は沈下し得るかまたはケロイドになり得る。ニワトリポックスに感染した人々は同様の瘢痕を有し得る。
−伸展した瘢痕:治癒過程の間に、治癒する創傷の周囲の皮膚が張力下に置かれる際に起こる。この瘢痕は最初には正常に見えるが、数週間または数カ月の期間を超えると広く薄くなり得る。これは創傷が関節に近く、動作の間に伸展されることによって起こり得るか、または一般的な健康不良もしくは栄養不良による貧弱な治癒が原因であり得る。
−伸展線:例えば妊娠中または青年期の急成長の間、皮膚が迅速に伸展される際に発生する。
従って皮膚の瘢痕は、線維化過程の間の治癒などの病理学的観点、および、ざ瘡または伸展線による瘢痕の外観を緩和させる場合などの美容的観点の両方から、縮小されることが望ましい。
脂肪細胞の増殖および分化の間にMMPが過剰発現することについてもまた報告されている[Traurig M.T.,Permana P.A.,Nair S.,Kobes S.,Bogardus C.and Baier L.J.(2006)“Differential expression of matrix metalloproteinase 3(MMP3)in preadipocytes/stromal vascular cells from nonobese nondiabetic versus obese nondiabetic Pima Indians”Diabetes 55:3160−3165]。数種の特異的な阻害剤によるMMP活性の阻害は、脂肪細胞の分化を妨げる。特に興味ある事実は、脂肪細胞の培養中でMMP阻害剤により脂質合成マーカー(トリグリセリド)の蓄積を減少できることである[Demeulemeester D.,Collen D.and Lijnen H.R.(2005)“Effect of matrix metalloproteinase inhibition on adipose tissue development”Biochem.Biophys.Res.Commun.329:105−110]。従って、MMP阻害剤は抗セルライト剤として開発することができ、オレンジの皮のような皮膚の外観の緩和に役立つ。
MMP活性はまた、リンパ管および血管を取り囲む細胞外マトリックスの崩壊にも関与する。血管周囲のマトリックスの劣化は血管を受動的に拡張させ、毛細血管の可視性もしくは毛細血管拡張症、またはクーペロシス(couperosis)を起こす。加えて、この微小毛細血管の受動的な拡張は局所的な血管破裂の原因となり得り、目の下のたるみまたは眼窩周囲の領域にくまを起こし得る。さらに、MMPは静脈壁の力学的特性に影響して静脈を脆弱にし得り、結果として静脈瘤の発生を導く。
MMPの組織マトリックス分解への関係から離れ、MMPはまた、関節炎(関節リウマチ、変形性関節症など)、骨疾患(骨粗鬆症など)、異所性の血管新生、多発性硬化症、腫瘍転移および組織潰瘍(角膜、胃、表皮など)のような結合組織または基底膜マトリックスの代謝異常を併発する様々な病変にも関与する[欧州特許第0 927 161 B1号]。従ってMMP阻害剤は、組織マトリックスの代謝異常により起こるこれらの病変の処置および予防に有効となり得る。
次にMMP活性の調節は、基底膜および細胞外マトリックスの保護、同様に老化の徴候の防止および改善に非常に重要であることが広く受け入れられている。本発明の文脈によれば「老化」との語は、年の経過と共に(経時的老化)、または日光への暴露により(光老化)、または喫煙、極端に寒いかまたは風の強い天候状態、化学汚染物質または公害のような環境因子によって皮膚が経験する変化を指し、これは、限定はされないが例えば、しわ、細線、ひび、不規則さまたは粗さ、毛穴のサイズの増大、弾性の減少、硬度の減少、滑らかさの減少、変形後の回復能の減少のような皮膚の不連続性の発生、皮膚の垂下、とりわけ頬の垂下、目の下のたるみまたは二重顎、皮膚の色の変化、とりわけしみ、発赤、目の下のたるみまたは加齢によるしみもしくはそばかすのような色素沈着領域の出現、分化異常、過剰な角質化、弾力線維症、角化症、オレンジの皮状の皮膚、コラーゲン構造の喪失、および角質層、真皮、表皮、脈管系(例えばくも状静脈または毛細血管拡張症の出現)またはとりわけ皮膚に密接な組織のその他の組織学的変化のような、目に見える外側の変化の全て、同様に触れることによって認知できる変化を含む。
化粧品および医薬品部門によって、MMP阻害剤として有効な多数の化合物および植物抽出物が同定されており、MMP、その過剰発現またはその活性の増大に付随する病変、およびそれらの阻害に有効な化合物および植物抽出物の異なるファミリーについての文献には様々な書誌修正が存在する。当該技術分野の状況では、MPP活性を制御するための様々な概略についての記載がなされており、これには小分子[Levy D.E.,Lapierre E.,Liang W.,Ye W.,Lange C.W.,Li X.,Grobelny D.,Casabonne M.,Tyrrell D.,Holme K.,Nadzan A.and Galardy R.E.(1998)“Matrix metalloproteinase inhibitors:A structure activity study”J.Med.Chem.41:199−223;Wojtowicz−Praga S.M.,Dickson R.B.and Hawkins M.J.(1997)“Matrix metalloproteinase inhibitors”Investigational new Drugs 15:61−75;Duivenvuurden W.C.M.,Hirte H.W.and Singh G.(1997)“Use of tetracycline as an inhibitor of matrix metalloproteinase activity secreted by human bone metastasizing cancer cells”Invasion and Metas.17:312−322]、ペプチド阻害剤[Odake S.,Monta Y.and Morikawa T.(1994)“Inhibition of matrix metalloproteinases by peptidyl hydroxamic acids”Biochem.Biophys.Res.Comm.199:1442−1446]、またはMMPに対する抗体[Su J−L.,Becherer D.,Edwards C.,Bukhart W.,McMgeehan G.M.and Champion B.R.(1995)“Monoclonal antibodies against human collagenase and stromelysin”Hybridoma 14:383−390]が含まれる。化粧品産業は、MMP活性、およびMMPによる細胞外マトリックス成分の機能性の加齢に関連した喪失を埋め合わせるために重要な努力を行ってきた。コラーゲンのような皮膚の必須生体分子の産生と分解の間のバランスは、加齢と共に分解過程へと進展し、このことが例えば菲薄化の進行、および真皮の弛緩症とそれに続くしわの形成を生む真皮の崩壊を導く。従って、細胞外マトリックスの分解を遅延または防止するこれらの方法は、成熟した皮膚または老化および/または光老化した皮膚において、それらが加齢または日光への暴露および/または環境汚染物質によって失った力学的特性(弾性、柔軟性および硬度)を部分的に回復させ、そのために少ないしわと滑らかな皮膚によるより良い外観を呈する、潜在的に有益な効果を有するであろう。同様にMMPの阻害はまた、例えば毛髪増殖の調節[欧州特許第1076549B1号]または創傷の処置[米国特許出願公開第2004/0127420A1号;米国特許出願公開第2003/0166567A1号]のような、老化および/または光老化の遅延以外の応用のために、化粧品部門にとっての重要な態様でもある。
非常に多数の化合物および/または抽出物の存在にも関わらず、さらに有効かつ選択的な新しいMMP阻害剤の同定がなお必要とされている。
本発明には、MMPの阻害に有効で、かつ内在性のMMP阻害剤(TIMP、マトリックスメタロプロテイナーゼ組織阻害剤)の作用を模倣するペプチドが報告される。本発明のペプチド配列は、米国特許出願公開第2004/0127420A1号;米国特許出願公開第2003/0166567A1号に記載されるような、プロ酵素のMMP配列には含まれない。カルボキシ末端(C−末端)にシトルリン残基の無い本発明のペプチドに類似の配列は、異なる酵素の配列に見出されるかまたは酵素活性を有し[国際公開第2004/033668A2号;国際公開第99/00489A1号]、当該技術分野の状況においては本発明のペプチドのMMP阻害剤としての有効性を示唆するいかなる手がかりも存在しないため、当業者はMMPを阻害するペプチドの性質を推定することができなかった。
本発明は上に述べた問題に対する解決を提供する。驚くべきことに本発明の出願者らは、そのアミノ酸配列が天然産物に由来しないあるペプチドがMMP、主にヒトMMP−1、MMP−2、MMP−3および/またはMMP−9を阻害できることを見出した。
従って本発明のペプチドは、皮膚、粘膜および/または頭皮の処置および/または治療のための、単純、有効かつリスクの無い解決策を提供し、これは以下に述べるように、哺乳類に対する式1で表されるペプチドの皮膚、粘膜および/または頭皮への塗布、または経口もしくは非経口投与を含む。
第一の態様によれば、本発明は一般式1
−AA−AA−AA−AA−R
で表され、式中、
AAは−Arg−を表し;
AAは−His−および−Asn−から成る群より選択され;
AAは−His−および−Arg−から成る群より選択され;
AAは−Cit−を表し;
はH、置換または非置換非環状脂肪族基、置換または非置換脂環、置換または非置換複素環、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換アラルキル、およびR−CO−から成る群より選択され;
かつRは−NR、−ORおよび−SRから成る群より選択され;ここでRおよびRはH、置換または非置換非環状脂肪族基、置換または非置換脂環、置換または非置換複素環、置換または非置換ヘテロアリールアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換アラルキルから成る群より独立して選択され;
ここでRはH、置換または非置換非環状脂肪族基、置換または非置換脂環、置換または非置換アリール、置換または非置換アラルキル、置換または非置換複素環、および置換または非置換ヘテロアリールアルキルから成る群より選択されることにより特徴付けられるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩に言及する。
本発明の別の態様は、一般式1で表されるこれらのペプチドを得るための工程である。
本発明の別の態様は、化粧品的もしくは薬剤的な有効量の一般式1で表される少なくとも1のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩、および少なくとも1の化粧品的もしくは薬剤的に許容される賦形剤または補助剤を目的とする。
別の態様によれば、本発明は皮膚、粘膜および/または頭皮の処置および/または治療のための化粧品または医薬組成物の調製における、一般式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩の使用を目的とする。
(発明の詳細な概要)
本発明のペプチドは天然産物由来のペプチドではなく、重要なMMP阻害活性を有するが故に、MMPの過剰発現またはMMP活性の増大からもたらされる皮膚、粘膜および/または頭皮の状態、疾患および/または病変の処置および/または治療に有用である。
(定義)
本発明のより良い理解のため、ここに本発明の文脈において用いられる幾つかの語および表現の意味を含める。
本明細書中でアミノ酸に用いられる略語は、Eur.J.Biochem.(1984)138:9−37およびJ.Biol.Chem.(1989)264:633−673において特定される、IUPAC−IUB委員会生化学命名法(Commission on Biochemical Nomenclature)の規定に従う。
従って例えば、GlyはNH−CH−COOHを表し、Gly−はNH−CH−CO−を表し、−Glyは−NH−CH−COOHを表し、かつ−Gly−は−NH−CH−CO−を表す。従ってペプチド結合を表すダッシュは、略号の右に置かれるとき、アミノ酸の1−カルボキシル基からOHを脱離し(ここでは通常の非イオン化型により表される)、略号の左に置かれるとき、アミノ酸の2−アミノ基からHを脱離し、両方の修飾は同じ略号に応用できる(表1を参照)。
Figure 2011514891
本明細書中で、「Ac−」の略語はアセチル基(CH−CO−)の指定に用いられ、「Palm−」の略語はパルミトイル基(CH−(CH14−CO−)の指定に用いられる。
本発明で用いられる「非環状脂肪族基」との語は、限定はされないが例えば、直鎖状または分岐状のアルキル、アルケニルおよびアルキニル基を包含する。
「アルキル基」との語は、直鎖状または分岐状の飽和基を指し、これは1ないし24、好ましくは1ないし16、さらに好ましくは1ないし14、さらになお好ましくは1ないし12、さらになお好ましくは1、2、3、4、5または6の炭素原子を有し、限定はされないが例えば、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、terc−ブチル、ヘプチル、オクチル、デシル、ドデシル、ラウリル、ヘキサデシル、オクタデシル、アミル、2−エチルヘキシル、2−メチルブチル、5−メチルヘキシル基などを含む単結合によって分子の残りの部分に結合する。
「アルケニル基」との語は、2ないし24、好ましくは2ないし16、さらに好ましくは2ないし14、さらになお好ましくは2ないし12、さらになお好ましくは2、3、4、5または6の炭素原子を、1以上の炭素−炭素二重結合、好ましくは1、2もしくは3の共役または非共役の炭素−炭素二重結合と共に有し、限定はされないが例えば、ビニル、オレイル、リノレイル基などを含む単結合によって分子の残りの部分に結合する基を指す。
「アルキニル基」との語は、2ないし24、好ましくは2ないし16、さらに好ましくは2ないし14、さらになお好ましくは2ないし12、さらになお好ましくは2、3、4、5または6の炭素原子を、1以上の共役または非共役の炭素−炭素三重結合、好ましくは1、2もしくは3の共役または非共役の炭素−炭素三重結合と共に有し、限定はされないが例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、例えば1−ペンチニルのようなペンチニル基などを含む単結合によって分子の残りの部分に結合する基を指す。
本発明で用いられる「脂環基」との語は、限定はされないが例えば、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはシクロアルキニル基を包含する。
「シクロアルキル」との語は、飽和単環式または多環式の脂肪族基を指し、これは3ないし24、好ましくは3ないし16、さらに好ましくは3ないし14、さらになお好ましくは3ないし12、さらになお好ましくは3、4、5または6の炭素原子を有し、限定はされないが例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、オクタヒドロインデン、デカヒドロナフタレン、ドデカヒドロフェナレン基などを含む単結合によって分子の残りの部分に結合する。
「シクロアルケニル基」との語は、非芳香族の単環式または多環式の脂肪族基を指し、これは5ないし24、好ましくは5ないし16、さらに好ましくは5ないし14、さらになお好ましくは5ないし12、さらになお好ましくは5または6の炭素原子を、1以上の炭素−炭素二重結合、好ましくは1、2もしくは3の共役または非共役の炭素−炭素二重結合と共に有し、限定はされないが例えば、シクロペンタ−1−エン−1−イル基などを含む単結合によって分子の残りの部分に結合する。
「シクロアルキニル基」との語は、非芳香族の単環式または多環式の脂肪族基を指し、これは5ないし24、好ましくは5ないし16、さらに好ましくは5ないし14、さらになお好ましくは5ないし12、さらになお好ましくは5または6の炭素原子を、1以上の炭素−炭素三重結合、好ましくは1、2もしくは3の共役または非共役の炭素−炭素三重結合と共に有し、限定はされないが例えば、シクロへクス−1−エン−1−イル基などを含む単結合によって分子の残りの部分に結合する。
「アリール基」との語は、1、2、3または4の芳香族核を含み、炭素−炭素結合により結合または融合する、6ないし30、好ましくは6ないし18、さらに好ましくは6ないし10、さらになお好ましくは6ないし10の炭素原子を含む芳香族基を指し、限定はされないが例えば、特にフェニル、ナフチル、ジフェニル、インデニル、フェナントリル、またはアントラニル;またはアラルキル基を含む。
「アラルキル基」との語は芳香族基により置換されたアルキル基を指し、これは7ないし24の炭素原子を有し、限定はされないが例えば、−(CH1−6−フェニル、−(CH1−6−(1−ナフチル)、−(CH1−6−(2−ナフチル)、−(CH1−6−CH(フェニル)などを含む。
「複素環基」との語は、3〜10の炭化水素員環を指し、ここで環の1以上の原子、好ましくは環の1、2または3原子は、飽和または不飽和であってよい窒素、酸素または硫黄のような炭素以外の要素である。本発明の目的のため、複素環は融合環系を含んでよい単環式、二環式または三環式の環系を含んでよく、窒素原子は任意に四級化されてよく、複素環の遊離基は部分的もしくは完全に飽和されてよいかまたは芳香族であってよい。複素環の語は、さらに好ましくは5または6の員環を指す。
「ヘテロアリールアルキル基」との語は、置換または非置換の芳香族複素環基により置換されたアルキル基を指し、ここでアルキル基は1ないし6の炭素原子を有し、かつ芳香族複素環基は2ないし24の炭素原子および1ないし3の炭素以外の原子を有し、限定はされないが例えば、−(CH1−6−イミダゾリル、−(CH1−6−トリアゾリル、−(CH1−6−チエニル、−(CH1−6−フリル、−(CH1−6−ピロリジニルなどを含む。
当該技術分野において理解されるように、上で定義される遊離基には幾らかのレベルの置換が存在し得る。従って、本発明のいずれの基にも置換が存在してよい。本発明の基における置換基についてのこの参考資料は、特定の遊離基が1以上の利用可能な位置、好ましくは1、2または3の位置、さらに好ましくは1または2の位置、およびさらになお好ましくは1の位置において、1以上の置換基により置換されてよいことを示す。前記置換基は、限定はされないが例えば、C−Cアルキル;ヒドロキシル;C−Cアルコキシル;アミノ;C−Cアミノアルキル;C−Cカルボニルオキシル;C−Cオキシカルボニル;フッ素、塩素、臭素およびヨウ素のようなハロゲン;シアノ;ニトロ;アジド;C−Cアルキルスルホニル;チオール;C−Cアルキルチオ;フェノキシルのようなアリールオキシル;−NR(C=NR)NRを含み;ここでRおよびRは、H、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C10シクロアルキル、C−C18アリール、C−C17アラルキル、3〜10員複素環またはアミノ基の保護基から成る群より独立して選択される。
(本発明の化合物)
本発明の化合物は一般式1
−AA−AA−AA−AA−R
で表され、式中のR、AA、AA、AA、AAおよびRは既に定義された意味を持つ。
およびR基は、ペプチド配列のアミノ末端(N−末端)およびカルボキシ末端(C−末端)に結合している。
本発明の実施形態によれば、RはHまたはR−CO−から成る群より選択され、ここでRは、置換または非置換C−C24アルキル遊離基、置換または非置換C−C24アルケニル、置換または非置換C−C24アルキニル、置換または非置換C−C24シクロアルキル、置換または非置換C−C24シクロアルケニル、置換または非置換C−C24シクロアルキニル、置換または非置換C−C30アリール、置換または非置換C−C24アラルキル、置換または非置換3〜10員複素環、ならびに2ないし24の炭素原子および1ないし3の炭素以外の原子および1ないし6の炭素原子のアルキル鎖を持つ置換または非置換ヘテロアリールアルキルから成る群より選択される。さらに好ましくは、RはH、アセチル、tert−ブタノイル、ヘキサノイル、2−メチルヘキサノイル、シクロヘキサンカルボキシル、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、オレオイルおよびリノレオイルから選択される。さらになお好ましくは、RはH、アセチル、ラウロイル、ミリストイルまたはパルミトイルである。さらになお好ましい実施形態によれば、遊離基のRはH、アセチルまたはパルミトイルである。
別の好ましい実施形態によれば、Rは−NR、−ORまたは−SRであり、ここでRおよびRは、H、置換または非置換C−C24アルキル、置換または非置換C−C24アルケニル、置換または非置換C−C24アルキニル、置換または非置換C−C24シクロアルキル、置換または非置換C−C24シクロアルケニル、置換または非置換C−C24シクロアルキニル、置換または非置換C−C30アリール、置換または非置換C−C24アラルキル、置換または非置換3〜10員複素環、ならびに2ないし24の炭素原子および1ないし3の炭素以外の原子および1ないし6の炭素原子のアルキル鎖を持つ置換または非置換ヘテロアリールアルキルから成る群より独立して選択される。RおよびRは任意に、窒素原子と共に環を形成する飽和または不飽和の炭素−炭素結合によって結合されてよい。さらに好ましくは、Rは−NRまたは−ORであり、ここでRおよびRはH、置換または非置換C−C24アルキル、置換または非置換C−C24アルケニル、置換または非置換C−C24アルキニル、置換または非置換C−C10シクロアルキル、置換または非置換C−C15アリール、および置換または非置換3〜10員複素環、ならびに3ないし10の員環および1ないし6の炭素原子のアルキル鎖を持つ置換または非置換ヘテロアリールアルキルから成る群より独立して選択される。さらに好ましくは、RおよびRはH、メチル、エチル、ヘキシル、ドデシルまたはヘキサデシルから成る群より選択される。さらに好ましくは、RはH、およびRはH、メチル、エチル、ヘキシル、ドデシルまたはヘキサデシルから成る群より選択される。
さらになお好ましい実施形態によれば、Rは−OHおよび−NHから選択される。
さらになお好ましくは、Rはアセチル、Rは−OHである。
本発明の実施形態によれば、AAは−Arg−、AAは−His−、AAは−His−、およびAAは−Cit−である。
本発明の実施形態によれば、AAは−Arg−、AAは−Asn−、AAは−Arg−、およびAAは−Cit−である。
本発明の別の実施形態によれば、RはH、アセチル、ラウロイル、ミリストイルまたはパルミトイルから成る群より選択され、AAは−L−Arg−、AAは−L−His−、AAは−L−His−、AAは−L−Cit−、およびRは−NRまたは−ORであり、ここでRおよびRはH、メチル、エチル、ヘキシル、ドデシルおよびヘキサデシル基から成る群より独立して選択され、好ましくは、Rは−OHまたは−NHである。さらになお好ましくは、Rはアセチル、Rは−OHである。
本発明の別の実施形態によれば、RはH、アセチル、ラウロイル、ミリストイルまたはパルミトイルから成る群より選択され、AAは−L−Arg−、AAは−L−Asn−、AAは−L−Arg−、AAは−L−Cit−、およびRは−NRまたは−ORであり、ここでRおよびRはH、メチル、エチル、ヘキシル、ドデシルおよびヘキサデシル基から成る群より独立して選択され、好ましくは、Rは−OHまたは−NHである。さらになお好ましくは、Rはアセチル、Rは−OHである。
好ましい方法によれば、式1の化合物は、
Ac−Arg−His−His−Cit−OH、
Ac−Arg−Asn−Arg−Cit−OH、
Ac−Arg−Asn−His−Cit−OH、
Ac−Arg−His−Arg−Cit−OH、
Palm−Arg−His−His−Cit−OH、
Palm−Arg−Asn−Arg−Cit−OH、
Palm−Arg−Asn−His−Cit−OH、
Palm−Arg−His−Arg−Cit−OH、
Ac−Arg−His−His−Cit−NH−(CH15−CH
Ac−Arg−Asn−Arg−Cit−NH−(CH15−CH
H−Arg−His−His−Cit−NH
および
H−Arg−Asn−Arg−Cit−NH
それらの混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩から成る群より選択される。
本発明のペプチドは立体異性体または立体異性体の混合物として存在することができ;例えばそれらを形成するアミノ酸はL−、D−立体配置を有してよいか、または互いに独立したラセミであってよい。従って不斉炭素の数、およびいずれの異性体または異性体混合物が存在するかに依存して、異性体混合物、同様にラセミもしくはジアステレオマーの混合物または純粋なジアステレオ異性体もしくは鏡像異性体を得ることが可能である。本発明のペプチドの好ましい構造は純粋な異性体、すなわち鏡像異性体またはジアステレオ異性体である。
例えばAAが−L−Arg−であってよいと述べられる際、AAは−L−Arg−、−D−Arg−、またはそれら両方のラセミもしくは非ラセミ混合物から選択されることが理解される。同様にAAが−His−であってよいと言われる際、それは−L−His−、−D−his−、またはそれら両方のラセミもしくは非ラセミ混合物であってよいことが理解される。本発明に記載される方法により、当業者は適した立体配置のアミノ酸を選択して本発明のペプチドの各立体異性体を得ることができる。
本発明の範囲内には、本発明により供給されるペプチドの化粧品的または薬剤的に許容される塩もまた含まれる。「化粧品的または薬剤的に許容される塩」との語は、動物、さらに詳細にはヒトにおいてそれを使用することが一般に認められている塩を意味し、これは塩基付加塩、限定はされないが例えば、特にリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはアルミニウムのような無機塩、または限定はされないが例えば、特にエチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、アルギニン、リジン、ヒスチジン、またはピペラジンのような有機塩のいずれか;または酸付加塩、限定はされないが例えば、特に酢酸、クエン酸、乳酸塩、マロン酸、マレイン酸、酒石酸、フマル酸、安息香酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、コハク酸、オレイン酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、パモ酸またはグルコン酸のような有機塩、または限定はされないが例えば、特に塩化物、硫酸、ホウ酸、または炭酸のような無機塩のいずれかを形成するために用いられる塩を含む。塩の性質は、それが化粧品的または薬剤的に許容される限り決定的に重要ではない。本発明のペプチドの化粧品的または薬剤的に許容される塩は、当該技術分野において公知の従来法により得ることができる[Berge S.M.,Bighley L.D.and Monkhouse D.C.(1977)“Pharmaceutical Salts”J.Pharm.Sci 66:1−19]。
(調製法)
本発明のペプチドの合成、その立体異性体またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩は、固相におけるペプチド合成法[Stewart J.M.and Young J.D.(1984)“Solid Phase Peptide Synthesis,2nd edition”Pierce Chemical Company,Rockford,Illinois;Bodanzsky M.and Bodanzsky A.(1984)“The practice of Peptide Synthesis”Springer Verlag,New Cork;Lloyd−Williams P.,Albericio F.and Giralt E.(1997)“Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins”CRC,Boca Raton,FL,USA]、溶液合成、固相法および溶液法の組み合わせ合成、または酵素合成[Kullmann W.(1980)“Proteases as catalysts for enzymic syntheses of opioid peptides”J.Biol.Chem.255:8234−8238]のような、当該技術分野において公知の従来法の手段により作製することができる。ペプチドはまた、改変または改変されていない菌種の発酵により、所望の配列を得るための遺伝子工学により、または、所望の配列を少なくとも1含むペプチド断片を放出する、動物または植物、好ましくは植物タンパク質の制御された加水分解によっても得ることができる。
例えば、式1で表される本発明のペプチドを得るための方法は以下の段階を含む:
−N−末端が遊離でかつC−末端が保護されているかまたは固相支持体に結合しているアミノ酸上への、N−末端が保護されかつC−末端が遊離であるアミノ酸の共役;
−N−末端からの保護基の除去;
−所望のペプチド配列を得るまでの共役手順の反復およびN−末端の除去;
−C−末端からの保護基の除去または固相支持体の切除。
好ましくは、C−末端は固相支持体に結合して工程は固相で行われるため、これは、N−末端が遊離でかつC−末端が重合支持体に結合しているアミノ酸上への、N−末端が保護されかつC−末端が遊離であるアミノ酸の共役;N−末端からの保護基の除去;および所望のテトラペプチドが得られるまでの、この手順の必要に応じた回数の反復、最後に、ペプチドを合成した元の重合支持体の切除による除去を含む。
合成の間を通し、アミノ酸側鎖の官能基は一時的または永久的な保護基によって都合良く保護され、同時にまたは直交性に、重合支持体ペプチドの切除に対して脱保護される。
あるいは固相合成は、重合支持体上または予め重合支持体へ結合されたジペプチドもしくはアミノ酸上への、ジペプチドまたはトリペプチドの共役である、収束戦略を通して行うことができる。収束合成戦略は当業者に広く知られ、かつLloyd−Williams P.,Albericio F.and Giralt E.en“Convergent solid−phase peptide synthesis”(1993) Tetrahedron 49:11065−11133 に記載されている。
本工程は、当該分野において公知の標準的な工程および条件を用いる、N−末端およびC−末端脱保護および/またはランダムな順番の重合支持体ペプチド切除のようなさらなる段階を含んでよく、この後に前記末端の官能基が修飾される。任意のN−末端およびC−末端修飾は、重合支持体に固定されているか、またはいったん重合支持体から取り除かれた式1で表されるペプチドによって行うことができる。
任意に、Rは本発明のペプチドのN−末端反応を通し、Rが上記の意味を持ちかつXが突出した基、限定はされないが例えば、特にトシル基、メシル基およびハロゲンであるR−Xを用いて、求核反応によって適切な塩基および溶媒の存在下で導入でき、ここでこれらの断片は、N−C結合反応に関わらず、一時的または永久的な保護基によって都合良く保護される官能基を有する。
任意におよび/またはさらに、R遊離基は、Rが−OHである式1で表されるペプチドに対応する相補的断片を用いて、例えばN,Nジイソプロピルエチルアミンもしくはトリエチルアミンのような適切な溶媒および塩基、または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)もしくはヒドロキシベンゾトリアゾール(HOAt)のような添加剤、および特にカルボジイミド、ウラン塩、ホスホニウム塩またはアミジニウム塩のような脱水剤の存在下で、Rが−OR、−NRまたは−SRであるHR化合物反応により、または例えば塩化チオニルを用いて予め形成されるアシルハロゲン化物により、本発明の式1で表されるペプチドを得るために導入でき、ここでこれらの断片は、N−C結合反応に関わらず、一時的または永久的な保護基によって都合良く保護される官能基を提供する。または代わりに、重合支持体ペプチドの切除工程への同時の取り込みにより他のR遊離基が導入できる。
当業者は、C−末端および/またはN−末端の脱保護/切除段階およびその後の誘導体化が、当該技術分野において公知の工程に従い、いずれの順番においても行われてよいことを容易に理解するであろう[Smith,M.B.and March,J.(1999)“March’s Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure”,5th Edition,John Wiley&Sons,2001]。
「保護基」との語は、有機官能基を遮断し、かつ制御された条件下で脱離され得る基を指す。保護基、それらの相対的な反応性およびそれらが不活性である条件については当業者に公知である。
アミノ基のための代表的な保護基の例は、酢酸アミド、安息香酸アミド, ピバル酸アミドのようなアミド;特にベンジル(bencyl)オキシカルボニル(Cbz)、パラ−ニトロベンジルオキシカルボニル(pNZ)、terc−ブチルオキシカルボニル(Boc)2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)のようなカルバミン酸塩;好ましくは、BocまたはFmocである。
カルボキシル基のための代表的な保護基の例は、特にterc−ブチルエステル(tBu)、アリルエステル(All)、トリフェニルメチルエステル(トリチルエステル、Trt)、シクロヘキシルエステル(cHex)、ベンジルエステル(Bzl)、o−ニトロベンジルエステル、p−ニトロベンジルエステル、p−メトキシベンジルエステル、トリメチルシリルエステルのようなエステルであり;本発明に好ましい保護基はAll、tBu、cHex、BzlおよびTrtエステルである。
三官能性のアミノ酸は、N−末端およびC−末端保護基に対する一時的または永久的な直交性の保護基によって、合成過程の間に保護することができる。アルギニングアニジン(guinidine)基は、特に2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン(pentamethylcroman)−6−スルホニル(Pmc)基、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(sulfonil)(Pbf)、パラ−トルエンスルホニル(トシル、Tos)または4−メトキシ(metoxi)−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)により保護することができ;ヒスチジンイミダゾール基は、特にトシル基(Tos)、terc−ブチルオキシカルボニル基(Boc)、トリチル基(Trt)、メチルトリチル基(Mtt)または2,4−ジニトロフェニル基(Dnp)により保護することができ;かつアスパラギンアミド基は、トリチル基(Trt)またはキサンチル基(Xan)により保護することができるか、またはアミド基からの保護なしで用いられる。
好ましい実施形態によれば、用いられる保護基戦略は、アミノ基がBocを通して保護され、カルボキシル基がBzl、cHexまたはAllを通して保護され、アルギニン側鎖がMtrまたはTosにより保護され、アスパラギン鎖が保護なしで用いられ、ヒスチジン鎖がTosまたはDnpにより保護される戦略である。
別の好ましい実施形態によれば、用いられる保護基戦略は、アミノ基がFmocを通して保護され、カルボキシル基がtBu、AllまたはTrtにより保護され、アルギニン側鎖がPmcまたはPbfにより保護され、アスパラギン鎖がTrtにより保護され、ヒスチジン鎖がTrtまたはMttにより保護される戦略である。
これらおよび他のさらなる保護基の例、その導入および除去についての記載は[Greene T.W.and Wuts P.G.M.,(1999)“Protective groups in organic synthesis”John Wiley&Sons,New York;Atherton B.and Sheppard R.C.(1989)“Solid Phase Peptide Synthesis:A practical approach”IRL Oxford University Press]に見出される。「保護基」との語はまた、固相合成に用いられる重合支持体も含む。
合成が完全にまたは部分的に固相で行われる際、本発明の方法において使用される幾つかの固相支持体は、ポリスチレン支持体、ポリスチレンに合体させたポリエチレングリコール、および限定はされないが例えばp−メチルベンズヒドリルアミン樹脂(MBHA)[Matsueda G.R.and Stewart J.M.(1981)“A p−methylbenzhydrylamine resin for improved solid−phase synthesis of peptide amides”Peptides 2:45−50]、2−クロロトリチル樹脂[Barlos K.,Gatos D.,Kallitsis J.,Papaphotiu G.,Sotiriu P.,Wenqing Y.and Schafer W.(1989)“Darstellung geschutzter Peptid−fragmente unter Einsatz substituierter Triphenylmethyl−harze”Tetrahedron Lett.30:3943−3946;Barlos K.,Gatos D.,Kapolos S.,Papaphotiu G.,Schafer W.and Wenqing Y.(1989)“Veresterung von partiell geschutzten Peptid−fragmenten mit Harzen.Einsatz von 2−Chlorotritylchlorid zur Synthese von Leu 15−gastrin I”Tetrahedron Lett.30:3947−3951]、TentaGel(登録商標)樹脂(Rapp Polymere GmbH)、ChemMatrix(登録商標)樹脂(Matrix Innovation,Inc)のような類似品、および5−(4−アミノメチル−3,5−ジメトキシ−フェノキシ)吉草酸(PAL)[Albericio F.,Kneib−Cordonier N.,Biancalana S.,Gera L,Masada R.I.,Hudson D.and Barany G.(1990)“Preparation and application of the 5−(4−(9−fluorenylmethyloxycarbonyl)aminomethyl−3,5−dimethoxy−phenoxy)−valeric acid(PAL)handle for the solid−phase synthesis of C−terminal peptide amides under mild conditions”J.Org.Chem.55:3730−3743]、2−[4−アミノメチル−(2,4−ジメトキシフェニル)]フェノキシ酢酸(AM)[Rink H.(1987)“Solid−phase synthesis of protected peptide fragments using a trialkoxy−diphenyl−methylester resin”Tetrahedron Lett.28:3787−3790]、Wang[Wang S.S.(1973)“p−Alkoxybenzyl Alcohol Resin and p−Alkoxybenzyloxycarbonylhydrazide Resin for Solid Phase Synthesis of Protected Peptide Fragments”J.Am.Chem.Soc.95:1328−1333]のような、柔軟なスペーサーを含み得るかまたは含み得ない類似品、および重合支持体ペプチドを同時に脱保護および切除することを可能にする類似品である。
化粧品または医薬組成物
本発明のペプチドはMMPを阻害するため、該ペプチドが哺乳類、好ましくはヒトの体内でのそれらの作用部位に接触するようないずれの手段を用いて、それらを含む組成物の形で投与できる。
この意味において、本発明の別の態様は、式1で表される少なくとも1のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を、少なくとも1の化粧品的もしくは薬剤的に許容される補助剤と共に含む化粧品または医薬組成物である。これらの組成物は、当業者に公知の従来法によって調製できる[“Harry’s Cosmeticology”,Eight edition(2000)Rieger M.M.,ed.,New York Chemical Pub.,NY,US;“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,Twentieth edition(2003)Genaro A.R.,ed.,Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia,US]。
本発明のペプチドは、それらの配列の性質、またはN−末端および/またはC−末端においてそれらに可能である修飾に従った可変性の水溶性を有する。従って、本発明のペプチドは水性溶液によって組成物中に取り込むことができ、水溶性でないものについては、限定はされないが例えばエタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコールもしくはポリエチレングリコール、またはそれらのいずれの組み合わせのような、従来の化粧品的または薬剤的に許容される溶媒中で可溶化できる。
状態、疾患および/または病変を処置するために投与される本発明のペプチドの化粧品的または薬剤的に有効な量、同様にそれらの投薬量は、年齢、患者の状態、疾患または病変の重症度、投与の経路および頻度を含む多様な因子、および用いるペプチドの特定の性質に依存するであろう。
「化粧品的または薬剤的に有効な量」は、毒性の無い、望まれる効果の供給に十分なペプチドの量を意味する。本発明のペプチドは、本発明の化粧品または医薬組成物中で、望まれる効果を得るため化粧品的または薬剤的に有効な濃度;好ましくは、組成物の全重量に対して0.00000001%(重量による)ないし20%(重量による);好ましくは、0.000001%(重量による)ないし20%(重量による)、さらに好ましくは、0.0001%(重量による)ないし10%(重量による)、および、さらに好ましくは0.0001%(重量による)ないし5%(重量による)において使用される。
本発明のペプチドはまた、化粧品または医薬送達システムおよび/または持続放出システムにも取り込むことができる。「送達システム」との語は、本発明のペプチドと共に投与される希釈剤、補助剤、賦形剤または担体を指す。このような化粧品または医薬の担体は液体;例えば水、または限定はされないが例えば、ピーナッツ油、大豆油、ミネラルオイル、胡麻油、ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、エーテル硫酸塩、硫酸塩、ベタイン、グルコシド、マルトシド、脂肪アルコール、ノノキシノール、ポロクサマー、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、ブドウ糖、グリセロール、ジギトニンなどのような、石油、動物、植物、または合成由来のものを含む油または界面活性剤であってよい。
E.W.Martin による“Remington’s Pharmaceutical Sciences”には、担体に適する溶媒、補助剤または賦形剤について記載されている。
従来の意味で用いられる「持続放出」との語は化合物の送達システムを指し、これは、ある期間内の前記化合物の緩やかな放出、および必須ではないが好ましくは期間を通しての化合物の一定レベルの放出を提供する。
送達システムまたは持続放出の例は、リポソーム、混合リポソーム、ミリ粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子、固体脂質ナノ粒子、スポンジ、シクロデキストリン、小胞、ミセル、界面活性剤混合ミセル、リン脂質−界面活性剤混合ミセル、ミリスフェア、ミクロスフェア、ナノスフェア、リポスフェア、ミリカプセル、マイクロカプセル、ナノカプセル、同様に、有効成分のより良い浸透および/または、その薬物動態学的および薬力学的性質の改善のために加えられてよい、マイクロエマルジョンおよびナノエマルジョンである。
持続放出製剤は当該技術分野において公知の方法によって調製することができ、それらを含む組成物は例えば、粘着性パッチおよび非粘着性パッチおよび微小電気パッチを含む局所投与、または限定はされないが例えば経口、経鼻、直腸経路、皮下移植もしくは注射、または身体の特定の部分への直接移植もしくは注射による全身投与によって投与することができ、かつ、好ましくは、それらは本発明のペプチドを比較的一定量で放出する必要がある。持続放出製剤に含まれるペプチドの量は、例えば投与部位、本発明のペプチドの放出の動態および持続時間、同様に処置または予防される状態、疾患および/または病変の性質に依存し得る。
本発明のペプチドはまた、限定はされないが例えば、特にタルカムパウダー、ベントナイト、シリカ、デンプン、およびマルトデキストリンのような、固体有機ポリマーまたは固体ミネラル支持体にも吸収させることができる。
本発明のペプチドはまた、皮膚、粘膜および/または頭皮に直接接触する布、不織布または医療機器内へ取り込むこともでき、それらは本発明のペプチドを、布、不織布または医療機器への固定系の生分解により、または後の身体との摩擦により、身体の水分により、皮膚のpHにより、または体温により放出する。同様に、布および不織布は、身体と直接接触する衣類の作製にも使用できる。好ましくは、本発明のペプチドを含む布、不織布および医療機器は、MMPの過剰発現またはMMP活性の増大からもたらされる皮膚、粘膜および/または頭皮の状態、疾患および/または病変の処置および/または治療のために使用される。
布、不織布、衣類、医療機器の例、およびそれらにペプチドを不動化するための、上記の送達システムおよび/または持続放出システムを含む手段は文献に記載され、当該技術分野において公知である[Schaab C.K.(1986)“Impregnating Fabrics With Microcapsules”,HAPPI May 1986;Nelson G.(2002)“Application of microencapsulation in textiles”Int.J.Pharm.242:55−62;“Biofunctional Textiles and the Skin”(2006)Curr.Probl.Dermatol,v.33,Hipler U.C.and Elsner P.,eds.S.Karger AG,Basel,Switzerland;Malcom R.K.,McCullagh S.D.,Woolfson A.D.,Gorman S.P.,Jones D.S.and Cuddy J.(2004)“Controlled release of a model antibacterial drug from a novel self−lubricating silicone biomaterial”J.Cont.Release 97:313−320]。好ましい布、不織布、衣類、医療機器は、絆創膏、ガーゼ、Tシャツ、靴下、パンティーストッキング、下着、腰帯、手袋、おむつ、生理用ナプキン、包帯、ベッドカバー、雑巾、ヒドロゲル、粘着性パッチ、非粘着性パッチ、微小電気パッチおよび/またはフェイスマスクである。
本発明のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を含む化粧品または医薬調整品は、望まれる剤形の製剤に必要な化粧品的もしくは薬剤的に許容される賦形剤を任意に含み得る、局所または経皮投与の様々な型の製剤に使用できる[Fauli i Trillo C.(1993)in“Tratado de Farmacia Galenica”,Luzan 5,S.A.Ediciones,Madrid]。
局所または経皮投与製剤は、限定はされないが例えば、クリーム、限定はされないが例えば、水中の油および/またはシリコンの乳濁液、油および/またはシリコン中の水の乳濁液、水/油/水または水/シリコン/水の乳濁液の型、および油/水/油またはシリコン/水/シリコンの乳濁液の型のような複数の乳濁液、無水組成物、水性分散媒(aqueous dispersions)、油状物(oil)乳状物(milk)香膏(balsam)、泡、ローション、ゲル、クリームゲル、水性アルコール溶液、水性グリコール溶液、塗布薬、生理食塩水溶液、石鹸、シャンプー、コンディショナー、美容液(serum)、多糖フィルム、軟膏、ムース、軟膏剤、散剤、バー、まゆ墨、ならびにつけたままの処方および洗い流す処方を含むエアロゾルまたはスプレーのような、いずれの固体、液体または半固体剤形により提供できる。これらの局所または経皮投与製剤は、限定はされないが例えば、雑巾、ヒドロゲル、粘着性パッチ、非粘着性パッチ、微小電気パッチまたはフェイスマスクのような様々な型の装備品に対し、当業者に公知の技術により取り込むことができるか;またはそれらは、限定はされないが例えば、特に液体または固形のメークアップファンデーション、メークアップ除去ローション、メークアップ除去ミルク、目の下のコンシーラー、アイシャドー、口紅、唇保護剤、リップグロス、およびパウダーのようなメークアップファンデーション;のような、様々なメークアップライン製品に取り込むことができる。
本発明の化粧品または医薬組成物は、限定はされないが例えば、特にジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤、アゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)、アルコール、尿素、エトキシジグリコール、アセトン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのような、本発明のペプチドの経皮吸収を増大させる薬剤を含んでよい。同様に、本発明の化粧品または医薬組成物である物は、本発明のペプチドをより強く浸透させる目的で、イオン導入、超音波導入、エレクトロポレーション、微小電気パッチ、機械的圧力、浸透圧勾配、密封療法、微量注入法、または例えば酸素圧による注射のような、圧力による針を用いない圧力注射、またはそれらのいずれの組み合わせによって、処置される局所範囲に適用できる。適用範囲は、予防または処置される状態、疾患および/または病変の性質により決定され得る。
同様に、本発明のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を含む化粧品組成物は、それらの経口投与のため、さまざまな種類の製剤において、好ましくは、限定はされないが例えば、ゼラチンカプセルを含むカプセル、糖衣錠を含む錠剤、散剤、顆粒剤、チューインガム、溶液、懸濁液、乳濁液、シロップ、多糖フィルム、ゼリーまたはゼラチンのような経口用化粧品(oral cosmetics)の形、同様に当業者に公知のその他のいずれの提供方法において使用できる。特に本発明のペプチドは、限定はされないが例えば、ダイエットバー、または圧縮もしくは非圧縮粉末のような、機能的または栄養強化食品のいずれの形に取り込むことができる。このような粉末は、水、ソーダ、乳製品、大豆誘導体に可溶化できるか、またはそれらはダイエットバーに取り込むことができる。本発明のペプチドは、限定はされないが例えば、食品産業において一般に見出される脂肪成分、水性成分、保湿剤、保存料、食感のための薬剤(texturizing agents)、香味料、芳香、抗酸化剤、および着色剤のような、経口組成物または栄養補助食品に通常用いられる賦形剤および補助剤と共に処方されてよい。
本発明のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を含む化粧品または医薬組成物は、経皮または局所経路によるのみではなく、その他のいずれの型の適切な経路、例えば、それらが望まれる剤形の製剤に必要な薬剤的に許容される賦形剤を含み得ることにより、経口または非経口経路によってもまた投与できる。本発明の文脈によれば、「非経口」との語は、経鼻経路;直腸経路;皮下、皮内、または;静脈内、筋肉内、硝子体内、脊髄、頭蓋内、関節内、髄腔内のような血管内注射、および腹腔内注射;同様にその他のいずれの同様な注射または点滴技術を含む。有効成分の様々な医薬品剤形について、および前記剤形を得るために必要な賦形剤についての総説は、“Tratado de Farmacia Galenica”、C.Fauli i Trillo,1993,Luzan 5,S.A.Ediciones,Madridに見出すことができる。
本発明に記載される化粧品的または薬剤的に許容される補助剤のうち、限定はされないが例えば、特に、その他のMMP阻害剤、メラニン合成の刺激または阻害剤、美白または脱色剤、色素増強剤(propigmenting agents)、セルフタンニング剤、抗老化剤、NO−合成酵素阻害剤、抗酸化剤、フリーラジカルスカベンジャーおよび/または抗大気汚染剤、抗糖化剤、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶媒、液体噴霧剤、皮膚調製剤、例えば保湿剤、物質を保持する水分、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、保湿剤、表皮加水分解酵素、ビタミン、顔料または着色剤、色素、ゲル化重合体、増粘剤、界面活性剤、軟化剤、しわ防止剤、目の下のたるみを減少または処置できる薬剤、ピーリング剤、抗菌剤、抗真菌剤、静真菌性薬剤、殺菌剤、静菌性薬剤、真皮または表皮の高分子合成の促進剤および/またはそれらの分解を防止または阻害できる薬剤、コラーゲン合成促進剤、エラスチン合成促進剤、デコリン合成促進剤、ラミニン合成促進剤、デフェンシン合成促進剤、シャペロン合成促進剤、アクアポリン合成促進剤、ヒアルロン酸合成促進剤、脂質および角質層成分(セラミド、脂肪酸など)の合成促進剤、その他のコラーゲン分解阻害剤、エラスチン分解阻害剤、線維芽細胞増殖促進剤、角化細胞増殖促進剤、脂肪細胞増殖促進剤、メラノサイト増殖促進剤、角化細胞分化促進剤、脂肪細胞分化促進剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、皮膚弛緩剤(dermorelaxing agents)、グリコサミノグリカン合成促進剤、DNA修復剤、DNA保護剤、抗掻痒剤、過敏な皮膚の処置および/または治療のための薬剤、安定剤、抗伸展線剤、収斂剤、皮脂産生調節剤、脂肪分解促進剤、抗セルライト剤、治癒促進剤、治癒補助剤、再上皮化促進剤、再上皮化補助剤、サイトカイン増殖因子、沈静剤、抗炎症剤、毛細血管循環および/または微小循環に作用する薬剤、血管新生促進剤、血管透過性阻害剤、細胞代謝に作用する薬剤、真皮−表皮接合部の改善を意図する薬剤、発毛誘導剤、発毛を阻害または遅延する薬剤、保存料、芳香剤、キレート剤、植物抽出物、エッセンシャルオイル、海産物抽出物、生物発酵過程由来の薬剤、無機塩、細胞抽出物および日焼け止め(紫外線Aおよび/またはBに対して有効な、有機または無機の光防護剤)のような、皮膚、粘膜および/または頭皮の処置および/または治療のための組成物中で一般に用いられるさらなる成分が、それらが組成物中の残りの成分、特に本発明の組成物中に含まれる一般式1で表されるペプチドに物理的および化学的に適合する限りにおいて含まれる。同様にこれらのさらなる成分の性質は、本発明のペプチドの利点を許容されないように変更してはならない。前記さらなる成分は合成、または限定はされないが例えば植物抽出物、もしくは生物発酵過程由来のような天然であってよい。さらなる例は、“CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Eleventh Edition(2006)”に見出すことができる。
本発明のさらなる態様は、化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の本発明のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を含み、かつ化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の、限定はされないが例えば、特にウルソール酸を含む天然抽出物、ゲニステインのようなイソフラボン、ケルセチン、カロテノイド、リコピン(lycophene)、大豆抽出物、ブルーベリー抽出物、ローズマリー抽出物、Trifolium pratense(アカツメクサ)抽出物、Phormium tenax(ニューサイラン)抽出物、葛根湯抽出物、サルビア抽出物、レチノールおよびその誘導体、レチノイン酸およびその誘導体、限定はされないが例えば、特にジオスゲニン、ヘコゲニン、スミラゲニン、サルササポゲニン、チゴゲニン、ヤモゲニンおよびユカゲニンのようなサポゲニン、Coletica/Engelhardにより市販されるCollalift(登録商標)[INCI:Hydrolyzed Malt Extract]、Juvenesce[INCI:Ethoxydiglicol and Caprylic Triglyceride,Retinol,Ursolic Acid,Phytonadione,llomastat]またはEquiStat[INCI Pyrus Malus Fruit Extract, Glycine Soja Seed Extract]、Pentapharmにより市販されるPepha(登録商標)−Timp[INCI:Human Oligopeptide−20]、Regu−Age[INCI:Hydrolyzed Rice Bran Protein,Glycine Soja Protein,Oxido Reductases]またはColhibin[INCI:Hydrolyzed Rice Protein、Lipotecにより市販されるLipeptide[INCI:Hydrolyzed vegetable protein]、Laboratories Serobiologiques/Cognisにより市販されるLitchiderm(商標)[INCI:Litchi Chinensis pericarp extract]またはArganyl(商標)[INCI:Argania Spinosa Leaf Extract]、Atrium Innovationsにより市販されるMDI Complex(登録商標)[INCI:glycosaminoglycans]またはECM−Protect(登録商標)[INCI:Water(Aqua),Dextran,Tripeptide−2]、Solianceにより市販されるDakaline[INCI:Prunus amygdalus dulcis,Anogeissus leiocarpus bark extract]、Provitalにより市販されるHomeostatine[INCI:Enteromorpha compressa,Caesalpinia Spinosa]、Infinitec Activosにより市販されるTimp−Peptide[提案されているINCI:Acetyl Hexapeptide]またはECM Moduline[提案されているINCI:Palmitoyltripeptide]、Institut Europeen de Biologie Cellulaire より市販されるIP2000[INCI:Dextran,Trifluoroacetyl tripeptide−2]、Expanscience Laboratoriesにより市販されるActimp 1.9.3(登録商標)[INCI:Hydrolyzed Lupine Protein、Rahnにより市販されるVitaderm(登録商標)[INCI:Alcohol,Water(Aqua),Glycerin,Hydrolyzed Rice Protein,Ilex Aquifolium Extract,Sodium Ursolate,Sodium Oleanolate]、アダパレン、テトラサイクリン、およびミノサイクリン、ロリテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、メタサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、デメクロサイクリンのようなその誘導体、およびその塩、バチマスタット[BB94;[4−(N−ヒドロキシアミン)−2R−イソブチル−3S−(チオフェン−2−イルチオメチル)サクシニル]−L−フェニルアラニン−N−メチルアミド]、マリマスタット[BB2516;[2S−[N4(R),2R,3S]]−N4[2,2−ジメチル−1−[メチルアミノカルボニル]プロピル]−N1,2−ジヒドロキシ−3−(2−メチルプロピル)ブタンジアミン]のような、MMP阻害活性を有する合成成分、天然抽出物、または生物発酵過程由来の産物もまた含む、化粧品または医薬組成物を指す。
同様に、本発明の化粧品または医薬組成物は、MMPの過剰発現および/または過剰活性のある炎症過程に付随する腫脹および刺激の減少を目的とする、化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の、鎮痛および/または抗炎症化合物をさらに含んでよい。これらの化合物のうち、ヒドロコルチゾン、クロベタゾール、デキサメタゾン、プレドニゾン、パラセタモール、アセチルサリチル酸、アモキシプリン(amoxiprin)、ベノリラート、サリチル酸コリン、ジフルニサル、ファイスラミン(faislamine)、サリチル酸メチル、サリチル酸マグネシウム、サルサラート、ジクロフェナク、アセクロフェナク、アセメタシン、ブロムフェナク、エトドラク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イブプロフェン、カプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロキソプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン(oxaprozine)、チアプロフェン酸、スプロフェン、メフェナム酸、メクロフェナム酸(meclofenamate)、メクロフェナム酸(meclofenamic acid)、トルフェナム酸、ナブメトン、フェニルブタゾン、アザプロパゾン、メタミゾール、オキシフェンブタゾン、スルフィンピラゾン、ピロキシカム、ロルノキシカム、メロキシカム、テノキシカム、セレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、パレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、ニメスリド、リコフェロン、オメガ−3脂肪酸およびその生物代謝物、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ハイドロコドン、ジアモルヒネ、ペチジン、トラマドール、ブルペノルフィン(brupenorphine)、ベンゾカイン、リドカイン、クロロプロカイン、テトラカイン、プロカイン、三環系抗うつ薬、アミトリプチリン、カルバマゼピン、ガバペンチン、プレガバリン、サボロール、パンテノール、ビオチン、トコフェロールラウリミノジプロピオン酸二ナトリウムリン酸塩(tocopheryl lauriminodipropionate phosphate,disodium)、シクロピロクスオラミン、ノルジヒドログアヤレチン酸、Atrium Innovationsにより市販されるNeutrazen(商標)[INCI:Water(Aqua),Butylenen Glycol,Dextran,Palmitoyl Tetrapeptide−8]、Institut Europeen de Biologie Cellulaireにより市販されるMeliprene(登録商標)[INCI:Dextran,Acetyl Heptapeptide−1]、コエンザイムQ10またはアウキルグリセロールエーテルのような合成化合物、、または限定はされないが例えば、特にマデカッソシド、エキナシン(echinacine)、アマランス種油、白檀油、胎盤抽出物、桃葉抽出物、アロエベラ、アルニカ・モンタナ、オオヨモギ、パンダカンアオイ、キンセンカ、トウガラシ属、センチペダクンニンガミー、ジャーマンカモミール、ハマユウ、アメリカマンサク、デビルズクロー、セイヨウオトギリソウ、マドンナリリー、ウスベニアオイ、ティーツリー、マジョラム、セイヨウシロヤナギ、オオアザミ、ナツシロギク、またはキャッツクローのような鎮痛および/または抗炎症活性を有する天然抽出物またはエッセンシャルオイルを強調することができる。
加えて本発明は、化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を含み、かつ化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の、特にツボクサ、ムスクローズ、ムラサキバレンギク、ヒレハリソウ、スギナ、セイヨウオトギリソウ、ミモザテヌイフローラ、アロエベラの抽出物、Provitalにより市販されるPolyplant(登録商標)Epithelizing[INCI:Calendula Officinalis,Hypericum Perforatum,Chamomilla Recutita,Rosmarinus Officinalis]、Laboratories Serobiologiques/Cognis により市販されるCytokinol(登録商標)LS 9028[INCI:Hydrolyzed Casein,Hydrolyzed Yeast Protein,Lysine HCI]、またはColetica/Engelhard により市販されるDeliner(登録商標)[INCI:Zea May(Corn)Kernel Extract]のような、治癒および/または再上皮化過程において、治癒および/または再上皮化活性を有するかまたは補助剤として有効な、抽出物または抽出物の組み合わせ、および/または化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の、限定はされないが例えば、特にカドヘリン、インテグリン、セレクチン、ヒアルロン酸受容体、免疫グロブリン、線維芽細胞増殖因子、結合組織増殖因子、血小板増殖因子、血管内皮増殖因子、表皮増殖因子、インスリン様増殖因子、角化細胞増殖因子、コロニー刺激因子、トランスフォーミング増殖因子−ベータ、腫瘍壊死因子−アルファ、インターフェロン、インターロイキン、マトリックスメタロプロテアーゼ、タンパク質チロシンホスファターゼ受容体、Lipotecにより市販されるAntarcticine(登録商標)[INCI:Pseudoalteromonas Ferment Extract]またはDecorinyl(商標)[INCI:Tripeptide−10 Citrulline]のような、治癒および/または再上皮化過程において、治癒および/または再上皮化活性を有するかまたは補助剤として有効な合成化合物、抽出物または生物発酵過程由来の産物もまた含む、化粧品または医薬組成物を指す。
本発明のさらなる態様は、化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を含み、かつ化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の、限定はされないが例えば、特にヨーロッパブドウ、ロサ・カニナ、ウコン、ダルマチアン、カカオ、イチョウ、またはドナリエラ・サリナの抽出物のような、抗しわおよび/または抗老化活性を有する抽出物、および/または少なくとも1の、限定はされないが例えば、特にSedermaより市販されるMatrixyl(登録商標)[INCI:Palmitoyl Pentapeptide−3]またはMatrixyl 3000(登録商標)[INCI:Palmitoyl Tetrapeptide−3,Palmitoyl Oligopeptide]、Pentapharmにより市販されるVialox(登録商標)[INCI:Pentapeptide−3]またはSyn−ake(登録商標)[INCI:Dipeptide Diaminobutyroyl Benzylamide Diacetate]、Laboratoires Serobiologiques/Cognisにより市販されるMyoxinol(商標)[INCI:Hydrolyzed Hibiscus Esculentus Extract]、Exsymolにより市販されるAlgisum C(登録商標)[INCI:Methylsilanol Mannuronate]またはHydroxyprolisilane CN(登録商標)[INCI:Methylsilanol Hydroxyproline Aspartate]、Lipotecにより市販されるArgireline(登録商標)[INCI:Acetyl Hexapeptide−8](アセチルヘキサペプチド−8)、Leuphasyl(登録商標)[INCI:Pentapeptide−18](ペンタペプチド−18)、Aldenine(登録商標)[INCI:Hydrolized wheat protein, hydrolized soy protein,tripeptide−1]、Trylagen(商標)[INCI:Pseudoalteromonas Ferment Extract,Hydrolyzed Wheat Protein,Hydrolyzed Soy Protein,Tripeptide−10 Citrulline, Tripeptide−1];Eyeseryl(登録商標)[INCI:Acetyl Tetrapeptide−5]またはLipochroman−6[INCI:Dimethylmethoxy Chromanol]、Institut Europeen de Biologie Cellulaireより市販されるKollaren(登録商標)[INCI:Tripeptide−1,Dextran]、Vincienceにより市販されるCollaxyl(登録商標)[INCI:Hexapeptide−9]またはQuintescine(登録商標)[INCI:Water,Butylene Glycol,Dipeptide−4]、Infinitec Activosにより市販されるBONT−L−Peptide[提案されているINCI:Palmitoyl Hexapeptide]、アルベリン、マンガンまたはマグネシウム塩のようなCa2+チャネル拮抗剤、特定の二級または三級アミン、レチノールおよびその誘導体、イデベノンおよびその誘導体、コエンザイムQ10および誘導体、ボスウェル酸およびその誘導体、または塩素チャネル作動薬のような、抗しわおよび/または抗老化活性を有する合成化合物、抽出物または生物発酵過程由来の産物もまた含む、化粧品または医薬組成物を指す。
本発明のさらなる態様は、化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の式1で表されるペプチドを含み、かつ化粧品的または薬剤的に有効な量の少なくとも1の、限定はされないが例えば、アセロラ、アーティチョーク、ワタ、アロエベラ、キビ、クロミグワ、ゴマ、ダイズ、コムギ、Provitalにより市販されるPronalen(登録商標)Refirming HSC[INCI:Triticum vulgare,Silybum Marianum,Glycine Soy,Equisetum Arvense,Alchemilla Vulgaris,Medicago Sativa,Raphanus Sativus]またはPolyplant(登録商標)Refirming[INCI:Coneflower, Asiatic Centella,Fucus,Fenugreek]、Atrium Innovationsにより市販されるLanablue(登録商標)[INCI:Sorbitol,Algae Extract]、Pentapharmにより市販されるPepha(登録商標)−Nutrix[INCI:Natural Nutrition Factor]、またはイソフラボンなどを含む植物抽出物のような、リファーミング、リシックニングおよび/またはリストラクチャリング活性を有する抽出物または抽出物の組み合わせ、および/または少なくとも1の、限定はされないが例えば、特にSedermaから市販されているBiopeptide EL(商標)[INCI:Palmitoyl Oligopeptide]、Biopeptide CL(商標)[INCI:Palmitoyl Oligopeptide]、Vexel(登録商標)[INCI:Water (Aqua), Propylene Glycol,Lecithin,Caffeine,Palmitoyl Carnitine]、Matrixyl(登録商標)[INCI:Palmitoyl Pentapeptide−3]、Matrixyl 3000(登録商標)[INCI:Palmitoyl Tetrapeptide−3,Palmitoyl Oligopeptide]またはBio−Bustyl(商標)[INCI:Glyceryl Polymethacrylate,Rahnella Soy Protein Ferment,Water(Aqua),Propylene Glycol,Glycerin,PEG−8,Palmitoyl Oligopeptide]、Laboratoires Serobiologiques/Cognisより市販されている、Dermosaccharides(登録商標)HC[INCI:Glycerin,Water(Aqua),Glycosaminoglycans,Glycogen]、Aglycal(登録商標)[INCI:Mannitol,Cyclodextrin,Glycogen,Aratostaphylos Uva Ursi Leaf Extract]、Cytokinol(登録商標)LS[INCI:Hydrolyzed Casein,Hydrolyzed Yeast Protein,Lysine HCL]またはFirmiderm(登録商標)LS9120[INCI:Terminalia Catappa Leaf extract, Sambucus Negra Flower Extract,PVP,Tannic Acid]、Silabより市販されているLiftline(登録商標)[INCI:Hydrolyzed wheat protein]、Raffermine(登録商標[INCI:Hydrolyzed Soy Flour]またはRidulisse C(登録商標)[Hydrolyzed Soy Protein]、Lipotecより市販されているSerilesine(登録商標)[INCI:hexapeptide−10]またはDecorinyl(商標)[INCI:Tripeptide−10 Citrulline]、Coletica/Engelhardより市販されているUrsolisome(登録商標)[INCI:Lecithin,Ursolic Acid,Atelocollagen,Xanthan Gum,Sodium Chondroitin Sulfate]またはCollalift(登録商標)[INCI:Hydrolyzed Malt Extract]、Pentapharmより市販されているSyn(登録商標)−Coll[INCI:Palmitoyl Tripeptide−5]、Atrium Innovationsより市販されているHydriame(登録商標)[INCI:Water(Aqua),Glycosaminoglycans,Sclerotium Gum]、またはInstitut Europeen de Biologie Cellulaireにより市販されているIP2000[INCI:Dextran,Trifluoroacetyl tripeptide−2]のような、リファーミング、リシックニングおよび/またはリストラクチャリング活性を有する合成化合物、抽出物または生物発酵過程由来の産物もまた含む、化粧品または医薬組成物を指す。
適用
本発明の別の態様は、好ましくはそれらを含む化粧品または医薬組成物中の、有効な量の少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を投与することを含む、MMPの阻害から利益を得る哺乳類、好ましくはヒトにおける皮膚、粘膜および/または頭皮の状態、疾患および/または病変の処置および/または治療のための化粧品または医薬品の方法を指す。本発明はまた、MMP、好ましくは皮膚、粘膜および/または頭皮MMPを阻害するための化粧品または医薬品の方法も提供する。
同様に、本発明はMMPの過剰発現またはMMP活性の増大からもたらされる皮膚、粘膜および/または頭皮の状態、疾患および/または病変の処置および/または治療のための化粧品または医薬品の方法を提供し、該方法は、本発明の少なくとも1のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を含む化粧品または医薬組成物の、皮膚、粘膜および/または頭皮への適用、または経口もしくは非経口投与を含む。
好ましくは、MMPの過剰発現またはMMP活性の増大からもたらされる、処置および/または治療されるべき皮膚、粘膜および/または頭皮の状態、疾患および/または病変の中でも、ざ瘡、酒さ、乾癬、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹、皮膚過敏、歯肉炎、歯周炎、皮膚癌、腫瘍浸潤、皮膚の老化、皮膚の光老化、しわ、表情によるしわ、伸展線、ケロイド、肥厚性瘢痕、セルライト、オレンジの皮状の皮膚、腫瘍転移、潰瘍、糖尿病性潰瘍、毛細血管拡張症、クーペロシス(couperosis)、静脈瘤、目の周囲のくま、目の下のたるみ、脱毛症および脱毛が含まれる。
本発明のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を含む組成物は、状態、疾患および/または病変の処置および/または治療の必要に従い、皮膚、粘膜および/または頭皮へ適用できるか、または経口もしくは非経口投与できる。
適用または投与の頻度は、各個体の必要に依存して広く変動し得り、提案されている適用または投与の範囲は、1ヶ月に1回から1日に10回まで、好ましくは1週間に1回から1日に4回まで、さらに好ましくは1週間に3回から1日に3回まで、さらになお好ましくは1日に1回または2回である。
本発明のさらなる態様は、皮膚、粘膜および/または頭皮の処置および/または治療のための、化粧品または医薬組成物の調製における、少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩の使用を指す。
加えて本発明は、MMP阻害、好ましくは皮膚、粘膜および/または頭皮MMPのための、化粧品または医薬組成物の調製における、少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩の使用を指す。
同様に本発明の別の態様は、MMPの過剰発現またはMMP活性の増大によってもたらされる皮膚、粘膜および/または頭皮の状態、疾患および/または病変の処置および/または治療のための、化粧品または医薬組成物の調製における、少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩の使用を指す。好ましくは、化粧品または医薬組成物は、ざ瘡、酒さ、乾癬、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、湿疹、皮膚過敏、歯肉炎、歯周炎、皮膚癌、腫瘍浸潤、皮膚の老化、皮膚の光老化、しわ、表情によるしわ、伸展線、ケロイド、肥厚性瘢痕、セルライト、オレンジの皮状の皮膚、腫瘍転移、潰瘍、糖尿病性潰瘍、毛細血管拡張症、クーペロシス(couperosis)、静脈瘤、目の周囲のくま、目の下のたるみ、脱毛症および脱毛に侵された皮膚、粘膜および/または頭皮の領域を処置および/または治療するための化粧品または医薬組成物が作られる。
別の重要な態様によれば本発明は、老化および光老化の徴候の減少、遅延および/または予防を目的とする皮膚の処置のための、化粧品または医薬組成物の調製における、式1で表されるペプチドの使用を指す。
さらなる実施形態によれば、本発明は、口腔の処置または衛生のための化粧品または医薬組成物の調製における、少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩の使用を指す。好ましくは、化粧品または医薬組成物は歯肉炎および歯周炎の処置または予防に用いられる。口腔衛生のための化粧品または医薬組成物の例は、特に練り歯磨き、口をすすぐための口腔エリキシル剤、またはチューインガムを含む。
本発明のさらなる態様は、毛髪の処置または衛生のための化粧品または医薬組成物の調製における、少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩の使用を指す。好ましくは化粧品または医薬組成物は、脱毛症もしくは脱毛の処置または予防のために用いられる。毛髪衛生のための化粧品または医薬組成物の例は、特にシャンプー、ヘアコンディショナー、ヘアローション、ヘアトニック、またはスカルプマスクを含む。
本発明の別の態様は、身体の処置または衛生のための化粧品または医薬組成物の調製における、少なくとも1の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩の使用を指す。
以下の特異的な実施例は、本発明の性質を例証する上で有用である。これらの実施例は単なる例証目的のために含まれ、ここに請求される発明の限定として解釈されるものではない。
一般的方法論
全ての試薬および溶媒は合成用の品質であり、いずれのさらなる処置も施されずに使用される。
略語
アミノ酸に用いられる略語は、Eur.J.Biochem.(1984)138:9−37およびJ.Biol.Chem.(1989)264:633−673において特定される、IUPAC−IUB委員会生化学命名法(Commission on Biochemical Nomenclature)に従う。
Ac、アセチル;All、アリル(alyl);Alloc、アリル(alyl)オキシカルボニル;AM、2−[4−アミノメチル(2,4 ジメトキシフェニル)]酸;Arg、アルギニン;Asn、アスパラギン;Boc、terc−ブチルオキシカルボニル;Bzl、ベンジル;Cbz、ベンジルオキシカルボニル;cHex、シクロヘキシル;Cit、シトルリン;ClTrt−(登録商標)、2−クロロトリチル樹脂;cps、センチポアズ;C−末端、カルボキシ末端;DCM、ジクロロメタン;DIEA、N,N−ジイソプロピルアミン;DIPCDI、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド;DMF、N,N−ジメチルホルムアミド;Dnp、2,4−ジニトロフェニル;DPPC、ジパルミトイルホスファチジルコリン;equiv、当量;ESI−MS、エレクトロスプレーイオン化マススペクトロメトリー;Fmoc、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル;His、ヒスチジン;HOAt、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HOBt、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC、高速液体クロマトグラフィー;INCI、International Nomenclature of Cosmetic Ingredients;MBHA、樹脂 p−メチル(metal)ベンズヒドリルアミン樹脂;MeCN、アセトニトリル(acetonitryl);MeOH、メタノール;mLV、多層小胞;MMP、マトリックスメタロプロテアーゼ;Mtr、4−メトキシ−2,3,6 トリメチルベンゼンスルホニル;Mtt、メチルトリチル;N−末端、アミノ末端;PAL、5−(4−アミノメチル−3,5−ジメトキシフェノキシ)吉草酸;Palm、パルミトイル;Pbf、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル;Pmc、2,2,5,7,8−ペンタメチル−クロマン−6−スルホン;pNZ、p−ニトロベンジルオキシカルボニル;(登録商標)、樹脂;tBu、terc−ブチル;Teoc、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル;TFA、トリフルオロ酢酸;THF、テトラヒドロフラン;TIMP、メタロプロテアーゼマトリックスの組織阻害物質;TIS、トリイソプロピルシラン;Tos、パラ−トルエンスルホニルまたはトシル;Troc、2,2,2−トリクロロエチル−オキシカルボニル;Trt、トリフェニルメチルまたはトリチル;ULV、単層小胞;UV、紫外線;Xan、キサンチル。
化学合成
全ての合成過程は、多孔性ポリエチレンディスクを備えたポリプロピレンシリンジを用いるか、または多孔性プレートを備えたPyrex(登録商標)反応器内で行われる。可溶性の溶媒および試薬は吸引により除去される。Fmoc基の除去はピペリジン−DMF(2:8、v/v)(1×1分、1×5分;5mL/g樹脂)により行われる[Lloyd−Williams P.,Albericio F.and Giralt,E.(1997)“Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins”CRC,Boca Raton,FL,USA]。
脱保護、共役、および再度の脱保護段階の間の洗浄は、各回において、DMFを用い、10mL溶媒/g樹脂にて行った(3×1分)。共役反応は3mL溶媒/g樹脂にて行った。共役は、ニンヒドリン試験により制御した[Kaiser E.,Colescott R.L.,Bossinger C.D.and Cook P.I.(1970)“Color test for detection of free terminal amino groups in the solid−phase synthesis of peptides”Anal.Biochem.34:595−598]。全ての合成の転換および洗浄は室温にて行った。
実施例1
Figure 2011514891
の取得
3.5gのFmoc−L−Cit−OHを加え(8.8mmol、1当量)、55mLのDCMに溶解し、次に乾燥した2−クロロトリチル樹脂(5.5g、8.8mmol)上に1.3mLのDIEA(7.6mmol、0.86当量)を加えた。溶液を5分間攪拌し、その後2.5mlのDIEAを加えた(14.6mmol、1.66当量)。次に40分間反応させた。残余の塩素基は、4.4mLのMeOHで処理することにより遮断した。
FmocN−末端基を一般的な方法の記載に従って脱保護し、13.63gのFmoc−L−His(Trt)−OHまたは14.27gのFmoc−L−Arg(Pbf)−OH(22mmol、2.5当量)を、溶媒としてDMFを用い、1時間の間にDIPCDI(3.39mL、22mmol、2.5当量)およびHOBt(3.37g、22mmol、2.5当量)の存在下にペプチジル樹脂内へ取り込んだ。その後、樹脂を一般的な方法の記載に従って洗浄し、次のアミノ酸が取り込まれるようにFmoc基の脱保護処理を繰り返した。記載されるプロトコルに従い、13.63gのFmoc−L−His(Trt)−OHまたは13.13gのFmoc−L−Asn(Trt)−OH(22mmol、2.5当量)、および14.27gのFmoc−L−Arg(Pbf)−OH(22mmol、2.5当量)を、それぞれ37gのHOBt(22mmol、2.5当量)および3.39mLのDIPCDI(22mmol、2.5当量)の共役の存在下で連続的に共役した。
合成がいったん完了した後、ペプチジル樹脂をDCMで洗浄し(5×3分)、窒素フローにより乾燥させた。
実施例3
Fmoc N−末端保護基の一般的な切除過程
Fmoc N−末端を、一般的な方法の記載に従って(DMF中の20%ピペリジン、1×5分+1×20分)実施例で得られたペプチジル−樹脂から脱保護した。ペプチジル樹脂をDMF(5×1分)、DCM(4×1分)、ジエチルエーテル(4×1分)で洗浄し、真空乾燥させた。
実施例5
アセチル基の導入過程:
Figure 2011514891
の取得
実施例3で得られた1mmolのペプチジル樹脂を、5mLのDMFを溶媒として使用し、25当量のDIEAの存在下で25当量の無水酢酸によって処理した。それらを30分間反応させ、その後ペプチジル樹脂をDMF(5×1分)、DCM(4×1分)、ジエチルエーテル(4×1分)で洗浄し、真空乾燥させた。
実施例6
重合支持体の切除過程:H−AA−AA−AA−AA−OH、Ac−AA−AA−AA−AA−OH、Palm−AA−AA−AA−AA−OH、H−AA−AA−AA−AA−NH、Ac−AA−AA−AA−AA−NHおよびPalm−AA−AA−AA−AA−NHの取得
実施例で得られた200mgの乾燥ペプチジル樹脂を、5mLのTFA−TIS−HO(90:5:5)により、2時間の間室温で攪拌しながら処理した。50mLの冷却したジエチルエーテル上に濾過物を回収し、多孔性ポリエチレンディスクを備えたポリプロピレンシリンジを通して濾過し、50mLのジエチルエーテルで5回洗浄した。最終的な沈殿物を真空乾燥させた。
O(+0.1% TFA)中のMeCN(+0.07% TFA)勾配により得られたペプチドのHPLC分析は、全ての事例で85%よりも高い純度を示した。得られたペプチドの同一性は、ES−MSにより確認した。
実施例8
コラゲナーゼ阻害の試行
ペプチドを0.5%DMSOの存在下、水に再懸濁した。試行は、96ウェルの黒いマイクロプレート内で行い、EnzChek(登録商標)ゼラチナーゼ/コラゲナーゼアッセイキット(Molecular Probes)を用いた。そのためにペプチドを2mg/mLで、1時間の間室温にて適度に撹拌しながら、0.1ユニット/mLのタイプIVコラゲナーゼと共にプレインキュベートした。前記時間後、フルオレセイン結合基質(DQ(商標)ゼラチン)を最終濃度25μg/mLの濃度に添加し、反応物を室温にて撹拌しながら遮光下で2時間インキュベートした。その蛍光が阻害される基質をコラゲナーゼ放出蛍光フラグメントへ導き、蛍光を、励起に485nm、および放出に520nmのフィルターを用いて、FLUOstar galaxy reader(BMG LabTechnologies)によりモニターした。
表2に、そのコラゲナーゼ阻害値が25%よりも高いペプチドを列挙する。阻害値は、中位の阻害の基本値に対して標準化された。
Figure 2011514891
実施例9
MMP−1、MMP−2、MMP−3およびMMP−9の阻害
ヒトMMPをpH7.6において、50mM Tris−HCl、150mM NaCl、5mM CaCl、0.2mM NaN中に再構成し、10mMの酢酸4−アミノフェニル水銀(0.01M NaOH中に溶解)との10:1の比での37℃における4〜6時間の反応により活性化した。活性化プロテアーゼ(0.35μg/mL)をペプチドと共に最終濃度0.5mMになるよう、96ウェルの黒いマイクロプレート内で、室温にて1時間プレインキュベートした。プレインキュベーション後、25μg/mLの基質(DQ(商標)ゼラチン)をウェルに加え、サンプルを室温にて遮光下で16時間インキュベートした。明らかなゼラチン消化により放出された蛍光を、自動化マルチプレート蛍光リーダーにより励起485nm、および放出520nmにて測定した。
結果をMMPおよび産物の無い状態の基本的な蛍光値により補正し、コントロール蛍光に対して標準化した。表3にペプチドの最も効率的な阻害を列挙する。
Figure 2011514891

Claims (15)

  1. 一般式1
    −AA−AA−AA−AA−R
    で表され、式中、
    AAは−Arg−を表し;
    AAは−His−および−Asn−から成る群より選択され;
    AAは−His−および−Arg−から成る群より選択され;
    AAは−Cit−を表し;
    はHおよび−CO−から成る群より選択され;
    は−NR および−OR から成る群より選択され;
    およびRはH、非置換C −C 24 アルキル、非置換C −C 24 アルケニル、非置換C −C 24 アルキニル、非置換C −C 24 シクロアルキルシクロ、非置換C −C 24 シクロアルケニル、および非置換C −C 24 シクロアルキニルから成る群より独立して選択され;
    はH、非置換C −C 24 アルキル基、非置換C −C 24 アルケニル、非置換C −C 24 アルキニル、非置換C −C 24 シクロアルキルシクロ、非置換C −C 24 シクロアルケニル、および非置換C −C 24 シクロアルキニルから成る群より選択されることにより特徴付けられるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩。
  2. AAが−His−、およびAAが−His−であることを特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
  3. AAが−Asn−、およびAAが−Arg−であることを特徴とする、請求項1に記載のペプチド。
  4. がH、アセチル、ラウロイル、ミリストイルまたはパルミトイル、AAが−L−Arg−、AAが−L−His−、AAが−L−His−、AAが−L−Cit−、およびRが−NRまたは−ORであり、ここでRおよびRがH、メチル、エチル、ヘキシル、ドデシルおよびヘキサデシル基より独立して選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のペプチド。
  5. がH、アセチル、ラウロイル、ミリストイルまたはパルミトイル、AAが−L−Arg−、AAが−L−Asn−、AAが−L−Arg−、AAが−L−Cit−、およびRが−NRまたは−ORであり、ここでRおよびRがH、メチル、エチル、ヘキシル、ドデシルおよびヘキサデシル基より独立して選択されることを特徴とする、請求項1及び3のいずれか記載のペプチド。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に規定される、式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩を得るための工程であって、固相上または溶液中で行われることを特徴とする工程。
  7. 化粧品的もしくは薬剤的な有効量の、請求項1〜5のいずれか1項に規定される一般式1で表される少なくとも1のペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩、および少なくとも1の化粧品的もしくは薬剤的に許容される賦形剤または補助剤を含む、化粧品または医薬組成物。
  8. 式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩が、リポソーム、混合リポソーム、ミリカプセル、マイクロカプセル、ナノカプセル、スポンジ、シクロデキストリン、小胞、ミセル、界面活性剤混合ミセル、リン脂質−界面活性剤混合ミセル、ミリスフェア、ミクロスフェア、ナノスフェア、リポスフェア、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ミリ粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子および固体脂質ナノ粒子から成る群より選択される、化粧品または医薬品送達システムおよび/または持続放出システム内に取り込まれるか、および/またはタルカムパウダー、ベントナイト、シリカ、デンプン、およびマルトデキストリンから成る群より選択される、固体有機ポリマーまたは化粧品的もしくは薬剤的に許容される固体支持体に吸収されることを特徴とする、請求項7に記載の化粧品または医薬組成物。
  9. 前記組成物が、クリーム、複数の乳濁液、無水組成物、水性分散媒(aqueous dispersions)、油状組成物乳状組成物香膏、泡、ローション、ゲル、クリームゲル、水性アルコール溶液、水性グリコール溶液、塗布薬、生理食塩水溶液、石鹸、シャンプー、コンディショナー、美容液、軟膏、ムース、軟膏剤、散剤、ダイエットバー、まゆ墨、スプレー、エアロゾル、カプセル、ゼラチンカプセル、錠剤、糖衣錠顆粒剤、チューインガム、溶液、懸濁液、乳濁液、シロップ、多糖フィルム、及びゼリーから成る群より選択されることを特徴とする、請求項7または8に記載の化粧品または医薬組成物。
  10. 前記組成物が、目の下のリムーバー、メークアップファンデーション、メークアップ除去ローション、メークアップ除去ミルク、アイシャドー、口紅、リップグロス、およびパウダーから成る群より選択される製品であることを特徴とする、請求項7または8に記載の化粧品または医薬組成物。
  11. 式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩が、布、不織布または医療機器内へ取り込まれることを特徴とする、請求項7または8に記載の化粧品または医薬組成物。
  12. 前記組成物が、化粧品的または薬剤的に有効な量の、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、メラニン合成の刺激または阻害剤、美白または脱色剤、色素増強剤(propigmenting agents)、セルフタンニング剤、抗老化剤、NO−合成酵素阻害剤、抗酸化剤、フリーラジカルスカベンジャーおよび/または抗大気汚染剤、抗糖化剤、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶媒、液体噴霧剤、皮膚調製剤保湿剤、物質を保持する水分、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、保湿剤、表皮加水分解酵素、ビタミン、顔料または着色剤、色素、ゲル化重合体、増粘剤、界面活性剤、軟化剤、しわ防止剤、目の下のたるみを減少または処置できる薬剤、ピーリング剤、抗菌剤、抗真菌剤、静真菌性薬剤、殺菌剤、静菌性薬剤、真皮または表皮の高分子合成の促進剤および/またはそれらの分解を防止または阻害できる薬剤、コラーゲン合成促進剤、エラスチン合成促進剤、デコリン合成促進剤、ラミニン合成促進剤、デフェンシン合成促進剤、シャペロン合成促進剤、アクアポリン合成促進剤、ヒアルロン酸合成促進剤、脂質および角質層成分の合成促進剤、セラミドの合成促進剤、コラーゲン分解阻害剤、エラスチン分解阻害剤、線維芽細胞増殖促進剤、角化細胞増殖促進剤、脂肪細胞増殖促進剤、メラノサイト増殖促進剤、角化細胞分化促進剤、脂肪細胞分化促進剤、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、皮膚弛緩剤(dermorelaxing agents)、グリコサミノグリカン合成促進剤、DNA修復剤、DNA保護剤、抗掻痒剤、過敏な皮膚の処置および/または治療のための薬剤、安定剤、抗伸展線剤、収斂剤、皮脂産生調節剤、脂肪分解促進剤、抗セルライト剤、治癒促進剤、治癒補助剤、再上皮化促進剤、再上皮化補助剤、サイトカイン増殖因子、沈静剤、抗炎症剤、毛細血管循環および/または微小循環に作用する薬剤、血管新生促進剤、血管透過性阻害剤、細胞代謝に作用する薬剤、真皮−表皮接合部の改善を意図する薬剤、発毛誘導剤、発毛を阻害または遅延する薬剤、保存料、芳香剤、キレート剤、植物抽出物、エッセンシャルオイル、海産物抽出物、生物発酵過程由来の薬剤、無機塩、細胞抽出物および日焼け止め紫外線Aおよび/またはBに対して有効な、有機または無機の光防護剤から成る、少なくとも1の選択される有効薬剤またはそれらの混合物をさらに含むことを特徴とする、請求項7〜11のいずれか1項に記載の化粧品または医薬組成物。
  13. 皮膚、粘膜および/または頭皮の処置および/または治療のための化粧品または医薬組成物の調製における、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式1で表されるペプチド、その立体異性体、その混合物、またはその化粧品的もしくは薬剤的に許容される塩の使用。
  14. 前記の処置および/または治療が、皮膚、粘膜および/または頭皮マトリックスメタロプロテアーゼの少なくとも1を阻害することから成る、請求項13に記載の使用。
  15. マトリックスメタロプロテアーゼの過剰発現またはマトリックスメタロプロテアーゼ活性の増大からもたらされる皮膚、粘膜および/または頭皮の状態、疾患および/または病変の処置および/または治療のための、請求項13または14に記載の使用。
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