JP2011512955A - 栄養補給管 - Google Patents
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Abstract
栄養補給管および栄養補給管を設置するためのキットは、バルーン固定式の胃管を含む。拡張器上の保護スリーブが、栄養補給管を外科的に挿入する間の損傷からトロイド・バルーンを保護する。一例では、このキットに空腸管が組み込まれ、胃管は、胃へおよび/または胃から、ならびに空腸へ/空腸から流体を流すための環状領域またはチャネルを形成する胃スリーブの役目を果たす。一体型胃空腸栄養補給管ユニットは、一端の空腸管出口ポート、空腸バルーン・ポート、胃スリーブ出口ポート、1つまたは複数の胃バルーン・ポート、1つまたは複数の胃バルーン、胃排液穴、空腸管およびスリーブの端に配置された空腸バルーンを含むことができる。黒絹糸ループによって、空腸管の一端を空腸内のある位置に固定することができ、内視鏡を使用して空腸管の挿入を連続的に監視することができる。空腸管および/または胃スリーブに排液穴を設けることができる。臨床的状態に応じて、胃スリーブ出口ポートを通してまたは空腸管出口ポートを介して栄養補給を開始することができ、必要に応じて、外科的介入なしで栄養補給を変更することができる。胃スリーブの排液穴を使用して胃を収縮させ、同時に、空腸に挿入された空腸管によって栄養を供給することができる。
Description
本出願の出願人は、2008年2月26日に出願された米国特許出願第61/031,442号および2008年11月12日に出願された米国特許出願第61/113,697号の恩典および優先権を主張し、本出願の出願人は、これらの両出願の明細書全体を参照により本明細書に組み込む。
本発明の分野は、患者への栄養補給が咀嚼および経口摂取を回避する、完全非経口栄養法、経鼻胃管、胃瘻造設術および関連方法に関する。
従来の経鼻胃管は長年にわたって使用されている。合併症には、管の挿入に関連した外傷、管の長期間の使用による影響などがある。時折、気管−食道フィステル、さまざまな器官の穿孔など、深刻な合併症も報告されている。さまざまな大きさの胃腸出血も起こりうるが、頻度はあまり高くない。さらに、鼻または口から挿入する栄養補給管は短期間であれば許容されるが、長期にわたって栄養を送達するのであれば、このような管の代わりに他の手段を使用しなければならない。
米国特許第6,554,700号に記載されているとおり、食物の正常な経口摂取が困難であるかまたは不可能な患者では、それらの患者に必要な栄養を供給するのを助ける栄養補給管の配置が必要なことがある。昏睡状態の患者、脳卒中患者、胃腸管に障害を持つ人など、一部の人に関しては、栄養製品および薬物を送達するために経皮的に胃に導入する管の配置が必要なことがある。
経皮的内視鏡下胃瘻造設術(PEG)では、この方法が、胃への胃鏡の導入を含み、腹を押し下げることによって、瘻を形成する所望の部位が出現する。シース(sheath)で覆われた針が腹壁に穴をあけ、胃に進入し、瘻を形成する。針を取り出し、ループが作られた挿入ワイヤをシースに導入し、そこで、胃鏡の操作チャネルから展開されたスネア(snare)によってワイヤをつかむ。ワイヤを捕捉した後、胃鏡のチャネル内へ挿入ワイヤを引き入れる。次いで、口腔を通して胃鏡を患者から抜き取り、胃鏡と一緒にワイヤを引っ張る。
標準ポンスキー(Ponsky)法(または「プル(pull)」法)では、経皮的胃瘻造設術栄養補給管の遠位ループを、患者の口から出た挿入ワイヤのループに結合する。挿入ワイヤを胃瘻造設術栄養補給管に結び付けたら、内視鏡医は、瘻から出た挿入ワイヤを引っ込め、それによって、胃瘻造設術栄養補給管を患者の口を通して胃の方へ引っ張る。テーパの付いた拡張器部分が、胃瘻造設術栄養補給管が瘻を通過するのを助ける。管を適切に配置し、エンド・キャップを胃の内壁に対してぴったり合わせた後、胃瘻造設術栄養補給管の拡張器部分を切り離す。最後に、胃鏡を再導入することによって、胃瘻造設術栄養補給管の内部位置をチェックする。
米国特許第5,073,166号に記載されているとおり、プル法にはいくつかの欠点があり、その1つが、据付けおよび取外しのために、患者の食道に内視鏡を挿入しなければならないことであり、これには麻酔が必要であり、患者に不快感を与える。さらに、据付けのために一度および取外しのために一度、患者の食道にカテーテルを通さなければならない。2次または取替え用カテーテルを配置するときには、このことはよりいっそう問題になる。これは、カテーテルを取り替えるたびに再び「プル」法に従わなければならず、外傷、感染および他の合併症の可能性が増大するためである。
さらに、患者が食道に閉塞を有するとき、プル法の実行は特に困難であり、このような人がまさに、この方法を必要としている可能性が高い人であることが、問題を複雑にしている。食道に閉塞性の病変があるときには、この方法を実行するために、狭くなった領域を広げる必要があることがある。このことが、この方法の間に結び付けられた管を不可視条件で引っ張るときに、患者を、より高い出血または穿孔の危険にさらす可能性がある。別の欠点は、病気の領域、例えば咽喉から、感染性物質または癌性物質が胃の中へ引き入れられる可能性があることに起因し、これにより、その病気が、特に胃に新たに形成された開口の周囲の領域へさらに広がる可能性がある。
「プッシュ(push)」法またはラッセル(Russell)法として知られている経皮的内視鏡下胃瘻造設術の変形では、胃瘻造設術栄養補給管はプル・ワイヤであるが、医師によって食道に沿って下方へ押し込まれ、胃の中に配置される。エンド・キャップが胃壁に対して適切に配置されていることを確認するため、「プル」法と同様に、胃鏡は通常、再導入される。ラッセル法では、最初に、胃の中(プル法と同様に内視鏡法によって決定された部位)に針を挿入し、次いで針の管孔にガイド・ワイヤを挿入する。次いで、ガイド・ワイヤに隣接する筋膜に小さな切開創を形成し、その後、分割可能な継目を有する内側に潤滑剤が塗られたシースを、ガイド・ワイヤを覆うテーパの付いた拡張器とともに、胃の中へ誘導する。シースを所定の位置に配置した後、拡張器およびガイド・ワイヤを取り除き、シースの潤滑剤が塗られた中心管孔にバルーン・カテーテルを挿入する。次いで、カテーテルの遠位バルーンを膨らまし、その1つまたは複数の継目に沿ってシースを剥ぎ取り、または分割し、これにより胃の中にカテーテルを残す。腹膜に対するバルーンの張力を維持するため、縫合糸が提供される。しかしながら、必然的に、分割可能なシースの直径は、胃の中に据え付けるためにシースに挿入するカテーテルの直径よりも大きい。したがって、胃の中へ開く開口は過度に大きくなり、密封することを困難にし、感染の可能性を増大させる。シースをあまり細くすることはできず、細すぎると、医師はカテーテルをシースに挿入することができない。したがって、カテーテルの挿入可能性とカテーテルを所定の位置に配置した後の密封の質との間にはトレードオフの関係があり、ガイド・ワイヤが腹膜腔内へ曲がらないように、拡張器は、ガイド・ワイヤの線にぴったりと従わなければならない。時に、栄養補給管の配置中に、拡張器が取り除かれ、剥ぎ取り可能なシースが胃の中に残されることがあり、それにより、膨らませた胃の中の空気が漏れ、それによって胃がつぶれることがある。その時には、患者を手術室に移して、開腹配置で栄養補給管を挿入しなければならない。
サックス−バイン(Sacks−Vine)法として知られている方法は、内視鏡の末端が胃の中に入るまで、内視鏡を咽喉に沿って下方へ通すことを含む。次いで、外部から、さまざまな組織層を通して、セルディンガー(Seldinger)針を、胃の中の所定の位置に達するまで挿入する。針を引っ込め、セルディンガー・カニューレだけをその場に残し、次いでガイド・ワイヤを瘻に挿入する。ガイド・ワイヤの末端を内視鏡によってつかみ、咽喉に沿って上方へ引っ込める。胃瘻造設術ポートに取り付けられたテーパの付いた拡張カテーテルをガイド・ワイヤにかぶせ、次いで、腹の皮膚を通してカテーテルを取り除いた後に後胃ポートを収容する十分に広い開口を形成するように、カテーテルを咽喉に沿って下方へ進め、食道を通して胃に挿入する。胃瘻造設術ポートの近位端には、カテーテルの近位端が胃皮瘻を通過しないようにする保持装置がある。次いで、患者の実際の栄養補給に胃瘻造設術ポートを使用することを可能にするカテーテルの体外部分に、栄養補給セット・アダプタを引っかける。プル法と同様に、サックス−バイン法は、経腸栄養補給の停止後または管を取り替える必要が生じたときに管を取り外すために、別の内視鏡法を必要とする。この追加の方法は、内視鏡法に関連した患者に対する追加の外傷および費用をもたらす。さらに、G管を不可視条件で(すなわち内視鏡による可視化なしで)配置する場合には、G管の経路上の外傷を排除するため、内視鏡による再検査が必要である。この方法は、G管を押し込みまたは引き出すときに、外傷および出血を引き起こす可能性がある。さらに、食道狭窄によって食道が膨張している場合には、G管の挿入はより外傷を与えやすい。悪性の狭窄が存在する場合には、腹膜腔に癌性物質が移動する危険性がある。この方法は、栄養補給管を出し入れすることにより感染を受けやすい。
米国特許第6,322,495号に記載されている他の栄養補給法では、導入器法が使用される。導入器法は、栄養補給管が口を通してではなく腹壁を通して挿入される点が、プッシュ法およびプル技法とは異なる。胃の中へ内視鏡を進めた後、T字形ファスナを配置して、腹壁の近くに胃を移動させる。腹壁を通して胃に針を挿入して開口を形成する。この開口を通してガイド・ワイヤを進め、剥ぎ取り式シースを有する導入器をガイド・ワイヤの上にかぶせる。次いで導入器を取り除き、剥ぎ取り式シースを通して胃瘻造設術管を胃に挿入する。この栄養補給管は、遠位端にフォーリー(Foley)・バルーンを有するカテーテルである。バルーンを膨らまして、栄養補給管を胃の中に保持する。次いでシースを剥ぎ取り、栄養補給管を残す。さらに、この栄養補給法は利用が面倒であり、T字形ファスナを直接に挿入するステップのほかに複数のステップが必要である。さらに、穿刺の回数が増え、感染および失敗の確率がより高くなる。導入器を剥ぎ取るときに空気が漏れる危険性がある。
経皮的胃瘻造設術をより単純にするため、多くの試みが実施された。Iwatschenkoは、米国特許第4,834,725号に、腹壁を通して胃腔に導入するカテーテルを記載しており、このカテーテルは、カテーテルの一部が、胃の内部で螺旋形の形態をとり、トロカールを引き抜いた後に胃壁上に留まることによって、カテーテルの端が胃から滑り出ないように胃腔内に固定される。上方へ引っ張ることによりG管の内側部分がほどけるため、この方法では、カテーテルの内側部分が患者により簡単に引き出される。この方法ではさらに、管の胃内部分の長い螺旋形の形状のため、胃壁に対する外傷の危険があり、G管の詰まりが増大する。
米国特許出願公開第2007/0016172号に記載されているように、栄養補給管のテーパの付いた拡張器部分は、胃瘻造設術栄養補給管が瘻を通過するのを助け、エンド・キャップを胃の内壁に対してぴったり合わせ、栄養補給管の拡張器部分を切り離した後に、外保持部材としても知られているゴム製バンパを用意し、栄養補給管が腹壁から出現したときに栄養補給管上に配置し、栄養補給管を所定の位置に固定した後、Yポート・アダプタが栄養補給管に接続する。これらの追加のステップにより複雑さが増す。さらに、この方法では拡張器を切り離す必要がある。この方法は、配置がうまくいったかどうかを確認するために胃を内視鏡で再び調べる必要があり、他の出し入れのある方法の場合と同様に、感染の危険、および口および食道の悪性細胞が腹膜腔に運ばれる危険が増大する。
Rossは、米国特許第6,015,400号に、栄養補給管ユニットを配置する方法を記載しており、この方法は、近位端部分および遠位端部分を有する拡張装置を配置し、栄養補給管の遠位端部分が拡張装置に画定されたチャネル内に配置されるように、チャネルを画定する栄養補給管ユニットを配置し、栄養補給管を患者の胃腸管内へ押し込み、その後に膨張装置を取り除くことを含む。しかしながら、この方法では、全体を通じて漏れが起こる可能性がある。
さらに、クラスII医療装置であるKimberly−ClarkTM(商標)Introducer Kitなどの胃瘻造設術管経皮挿入キットも知られている。このようなキットは例えば、胃腹壁固定術具、剥ぎ取り式シースを有する拡張器、注射器、止血鉗子、導入針、シーキング・カテーテル(seeking catheter)、スカペル(scapel)、ガイド・ワイヤおよび瘻測定装置を含む。一例では、あるキットが、胃瘻造設術栄養補給管の1次配置を容易にするように意図されている。他の例では、別のキットが、内視鏡/放射線学的配置を使用して、胃横断型(trangastric)空腸栄養補給管の1次配置を容易にするように意図されている。スタイレット上の直径22センチメートル、長さ45センチメートル、体積7〜10ミリリットルのバルーンを使用する胃横断型空腸栄養補給管が知られており、このバルーンは、胃横断型空腸栄養補給管を空腸位置に引き入れ、または押し込むために使用される。胃瘻造設術管と空腸管はともに、ボルスタを使用して所定の位置に固定することができる。
知られている一例では、胃横断型空腸栄養補給管と胃瘻造設術栄養補給管の組合せが提供される。空腸栄養補給管は、胃瘻造設術栄養補給管の管孔に挿入することができる。配置を完了し、胃瘻造設術管を通した胃排液を可能にするため、空腸栄養補給管のYポート・コネクタ端を、胃瘻造設術管の管孔内へ押し込むことができる。胃瘻造設術管と空腸栄養補給管の組合せは、空腸管を挿入する前に胃瘻造設術管を取り除く必要がある分離された胃瘻造設術管と空腸管よりも改良されているが、組み合わせられた胃瘻造設術管は合併症を引き起こし、マルチパートYポート・コネクタ端を、胃瘻造設術管の管孔内に配置し、保持する必要がある。BardTM(商標)Tri−Funnel Replacement Gastrostomy Tubeは、同心バルーン・カラー(balloon collar)、および透明なシリコーン栄養補給管が偶発的に外れる可能性を最小化する胃に挿入された端部を有し、調整可能なボルスタを同心バルーンの反対側で外部から使用して、患者の胃の中に胃瘻造設術管を固定する。この装置は、胃瘻造設術栄養補給管の一端にバルーン・カラーを提供し、取替え管であるように設計された単純な装置である。
患者と直接に接触するこのような装置の材料はすべて、医療装置の中で使用された履歴を有し、生物適合性であり、無菌であり、機能上安全であり、人間で使用するのに有効である。しかしながら、それにもかかわらず、先行技術の胃瘻造設術管、空腸管または結合型胃空腸管の挿入、配置または使用中の汚染のため、挿入および取外しは、感染および合併症を引き起こす可能性がある。
改良された胃瘻造設術管および改良された胃瘻造設術管と空腸管の組合せは、知られている先行技術の装置に比べ、合併症を減らし、患者に対する結果を改善する。例えば、一体型胃空腸管ユニットは、空腸管出口ポートを備えた空腸管を有し、胃スリーブを有する。このスリーブは例えば、密封するように空腸管の上にぴったりとかぶさることができる管とすることができる。空腸バルーン・カラーは、空腸管から外側へ膨張することができるバルーンを含む。空腸管のバルーン・カラーは、胃腸管内へ延びる空腸管の端または端の近くに配置することができる。例えば、バルーン・カラーは空腸管を取り囲むことができ、膨らますと、空腸管から外側へ放射状に延びることができる。空腸バルーン・カラーを膨張ポートと流体連通させることができる。例えば、膨張ポートから送入した空気または液体によって空腸バルーン・カラーを膨らまして、腸管の一部を塞ぐことができる。空腸管の一部分に沿って排液穴を配置することができる。一例では、空腸管の排液穴は、空腸バルーン・カラーのところから、または空腸バルーン・カラーの近くから始まり、空腸管の端から遠ざかる方向へ延びる。
下部GI管との流体連通を少なくとも部分的に遮断するように膨らませたとき、腸管に集まる流体を、空腸管の表面を貫通してあけられた排液穴を通して排出することができる。空腸栄養補給中に空腸内に保持することができるバルーンを有する空腸管は知られていない。知られている唯一の装置は、空腸栄養補給管を配置するために一時的に使用されるスタイレット上にだけバルーンを含む。次いで、このバルーンは、スタイレットと一緒に取り除かれる。一例では、このバルーンが、流体が腸管に沿って流れることを防ぎ、同時に、吸引または重力を使用して流体を排出することができるように空腸管の端を閉じる。他の例では、排液穴が、患者に栄養を送達する空腸管の中心チャネルと流体連通し、または流体連通しない空腸管のチャネルまたは環状領域と流体連通する。一例では、空腸バルーン・カラーの反対側の腸管から流体が除去されるのと同時に、空腸管の端から栄養を送達することができる。他の例では、空腸バルーン・カラーを膨らませて、空腸管をGI管の一部分の内部に適切に配置するが、空腸バルーン・カラーは、少なくとも部分的に膨らませたときに、食物および流体を消化する経路が、空腸バルーン・カラーを超えて延びることを遮らない。例えば、食塩水10〜20ミリリットルで膨らますことによって、空腸管を適切に配置することができる。
一例では、栄養補給管が、中心チャネルと栄養補給入口とを有する胃管と、胃管の第1の端部の胃バルーン膨張入口と、胃バルーン膨張入口と流体連通した胃バルーンであり、胃バルーン膨張入口へある体積の流体が注入されたときに膨張するように、胃バルーン膨張入口から遠い側に配置された胃バルーンと、胃管の中心チャネルを貫通して延びることができる挿入装置であり、栄養補給管を胃腸管に挿入する間の損傷から胃バルーンまたは第2のバルーンが少なくとも一時的に保護されるように、胃バルーンまたは第2のバルーンを覆って延びることができる保護カラーを有する挿入装置とを備える。例えば、第1のバルーンは、第1の管の端部からある距離のところに配置され、胃管は、胃管の第1の端部の反対側に配置された胃管の反対端と胃バルーンとの間に配置された、胃管の一部分の厚さを貫通して延びる穴を含む。
一体型の胃瘻造設管/空腸管では、空腸管が、胃管の中心チャネルを貫通して延びることができ、空腸管および胃管を胃腸管に挿入するのを助けるため、挿入装置が、空腸チャネルおよび胃管の中心チャネルを貫通して延びることができるように、空腸管が、空腸管のある長さに沿って空腸チャネルを有する。一例では、空腸管が、空腸バルーン膨張チャネルの一端に空腸バルーン膨張入口を備え、空腸バルーン膨張チャネルを介して第2のバルーンが空腸バルーン膨張入口と流体連通するように、空腸管が、空腸バルーン膨張チャネルの反対端に第2のバルーンを備える。例えば、栄養補給管を胃腸管に挿入する間の損傷から第2のバルーンが少なくとも一時的に保護されるように、保護カラーが、第2のバルーンを覆って延びる。一例では、空腸バルーンの膨張が、挿入装置および挿入装置の保護カラーを空腸管から取り除くことを可能にする。空腸バルーンの膨張の結果、セグメント間の断裂線に沿って保護カラーがセグメントに分割される。一例では、保護カラーが重なり合ったセグメントからなり、重なり合ったセグメントが、重なり合ったセグメントのある長さの少なくとも一部分に沿って接着されていない。
一例では、空腸バルーン内へ第1の体積の流体を注入することによって空腸バルーンを膨張させたときに、空腸バルーンが膨張して空腸の一部を塞ぐことができ、別の例では、空腸バルーン内へ第2の体積の流体を注入することによって空腸バルーンを膨張させたときに、空腸バルーンが、空腸管の先端からの中心出口を塞ぐことができる。空腸管は、空腸管の先端から延びるループを有することができ、空腸管のループおよび先端を胃腸管内に固定するため、クリップを使用することができる。一例では、胃管および空腸管が、胃管と空腸管の間に配置された環状空洞または少なくとも1つのチャネルを形成する。胃管および空腸管が、胃管の壁と空腸管の壁との間に配置された環状空洞を形成するとき、胃管の第1の端部の反対側の胃管の第2の端部において胃管のある厚さを貫通して延びる穴が、胃管の第1の端部に近い側に配置された排液出口と流体連通し、排液バッグへの排液および胃の減圧を可能にする。
一例では、保護カラーが胃バルーンを覆って延びることができる。代替例では、保護カラーが第2のバルーンを覆って延びることができ、第2のバルーンが、胃管の第1の端部の反対側の胃管の第2の端部に配置される。例えば、第2のバルーンの容積は20ミリリットルよりも大きくすることができる。胃管は、胃管の第1の端部の反対側の胃管の第2の端部に、胃管の厚さを貫通して延びる穴を含むことができる。一例では、胃管が、胃管上に固定され、胃管の周囲から外側へ広がる一体型ボルスタを含む。胃管は、バルーン・カラーによって胃バルーンが一体型ボルスタの方向にそらされ、それによって胃バルーンおよび一体型ボルスタが、胃バルーンと一体型ボルスタの間に締付力を発揮するように、前記胃バルーンに対して配置されたバルーン・カラーを含む。
他の例では、空腸バルーンによって、空腸管の出口ポートを出た栄養がGI管を逆流することが防止され、出口ポートから見てバルーンの反対側の外科的切開創または切除部は、空腸管による栄養の送達の影響を受けない。したがって、患者は、手術の完了後すぐに栄養を空腸から安全に受け取ることができ、これにより患者の回復が驚くほど改善し、入院期間を短縮することができる。一例では、胃空腸管を排液バッグに取り付けて、胃空腸管から排液バッグへ腸管内容物を移すことができるようにすることができる。
一例では、空腸管の表面を貫通する排液穴が、空腸管の中心管状オリフィスと流体連通する。このようにすると、排液穴を通る流れは、中心管状オリフィスの障害物を迂回する。この例では、「排液」穴を、排液穴として使用するほかに、栄養供給穴としても使用することができる。栄養を投与する間、空腸管を通し、空腸管の端部のオリフィスまたは排液穴、あるいはその両方を通して、栄養を誘導することができる。排液中は、排液穴および/またはオリフィスを通して排液(または結腸瘻)バッグに流体を排出することができる。
胃スリーブは、空腸管の一部分の周囲に環状シースを形成することができる。胃スリーブの外面に胃バルーン・カラーを配置することができる。吸引ポートを使用して流体を抜き取るため、胃スリーブの環状シースに胃排液穴を配置することができる。胃排液穴は、胃腸管に挿入する胃スリーブの端部と胃バルーン・カラーとの間に配置されることができる。2008年2月26日に出願された米国特許仮出願第61/031,442号に開示されている一体型管と同様に、胃スリーブのバルーン・カラーを使用して、腸管内において胃スリーブを密封することができる。この出願の明細および図面は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。気体または液体を使用して胃バルーン・カラーの胃バルーンを膨らますことができるように、胃バルーン膨張ポートはチャネルと流体連通している。胃バルーンは胃管から外側へ膨らますことができ、一体型胃空腸管ユニットを取り除きたいときには、胃バルーンをしぼませることができる。
他の例では、胃スリーブを、空腸管を挿入しまたは空腸管を挿入せずに、胃瘻造設術栄養補給管として使用することができる。空腸管を挿入するときには、空腸管を通して栄養供給を実施し、胃スリーブと空腸管の外壁との間の環状領域を通して排液を実施することができる。あるいは、上部胃腸トラックでの栄養補給が指示されているときには、胃瘻造設術管を、胃栄養補給用の空腸管なしで使用することができ、上部GI管の手術、放射線治療、化学療法、逆流ならびに悪心、嘔吐および吸引の可能性に関連した他の状態の後など、上部胃腸トラックでの栄養補給が禁忌であるときには、空腸栄養補給管を挿入することができる。
一例では、空腸管の端または端の近くに固定装置が配置される。例えば、この固定装置を、空腸管の端部に取り付けられた黒絹糸ループとすることができる。
意外にも、排液および吸引を有する胃空腸管ユニットを使用して、胃をしぼませ、または膨らますことができる。さらに、空腸管は、膨らますことができるカラーを使用して、手術後すぐに、切除部からの漏れの危険なしで栄養を供給することができ、これによって例えば、回復時間を劇的に短縮し、栄養上の健康および腸機能を維持することによって患者に対する結果を改善することができる。
一例では、内視鏡による内側からのこの方法の連続的可視化が、挿入部位から内視鏡を除去する必要がある方法に比べて、より大きな制御を提供し、不確実性を低減させる。予期していなかったが、他の知られているシステムのように、内視鏡および胃/空腸管の挿入および引抜きを繰り返す必要はなく、食道の穿孔、出血など、内視鏡を繰返し挿入することに関連した合併症が低減する。その代わりに、挿入方法全体が、例えば連続的な内視鏡可視化の下で実施される。
他の利点は、患者の臨床的状態に応じ、胃スリーブの出口ポートまたは空腸管の出口ポートを通して栄養補給を開始することができることであり、それによって、必要のない再挿入、または例えば胃が正常に機能し得ないときの完全非経口栄養法による栄養補給を回避することができる。
一例では、一体型管ユニットが、管の一端のバルーン・カラーと、栄養補給用の栄養補給管に沿って延びる第1のチャネルと、バルーン・カラーを膨らますための第2のチャネルと、内挿入装置とを有する外栄養補給管を備える。例えば、この挿入装置は、外管の内側にはまる一時的な拡張器であり、後に外管から取り除かれる。栄養補給管を挿入する従来から知られている方法とは対照的に、一体型管ユニットは、内視鏡可視化の下で完全に実行することができる。
この方法の一例では、内視鏡が、引き出し、引っ込めることができるループを備えるスネアを有し、スネアをぴんと引っ張ったときに、スネアによって、管、針またはワイヤを保持することができる。この方法で利用する内視鏡は、胃に空気を充填することができ、胃の内部を見るためにライトおよび光ファイバを含む。この内視鏡は、当業者によって利用されている内視鏡であり、これには、例えばOlympus(登録商標)およびPentax(登録商標)製のよく知られた内視鏡を含めることができる(Olympus(登録商標)は、オリンパス株式会社、日本の登録商標であり、Pentax(登録商標)は、ペンタックス株式会社、日本の登録商標である)。第1のステップでは、内視鏡を、食道に沿って患者の胃まで挿入する。次いで、内視鏡を、胃の近くの腹壁まで延ばし、内視鏡を使用して胃に空気を充填し、胃壁と腹壁の間の内臓を変位させる。内視鏡のライトを使用して内視鏡の位置を識別する。内視鏡の位置は、外科医の手指を使用して感じ取ることもできる。胃の中の内視鏡を適当な位置に配置し、識別した後、内視鏡の位置の上方の皮膚および脂肪を貫通する切開創をあける。胃壁を貫いて針およびシースを進入させることを可能にするため、次いで腹筋を分割する。次いで針を引き抜く。次いで、シースを通して胃の中へガイド・ワイヤを挿入する。内視鏡を使用して、胃の中へ挿入されたときのガイド・ワイヤの位置を確認し、内視鏡のスネアを使用してワイヤの端を捕捉する。内視鏡のスネアによってガイド・ワイヤを確保した後に、シースを取り除くことができる。
ガイド・ワイヤの上に一体型管ユニットを導入することができる。一体型管ユニットは、外管および内挿入装置を備える。取り出されていない内視鏡で挿入箇所を見ながら、ガイド・ワイヤに沿って胃の中へ一体型管ユニットを押し込み、胃壁に穴をあけ、そのようにして、胃壁にあけた開口を通して胃の中へ一体型管ユニットを押し込む。内挿入装置は、栄養補給用の外栄養補給管に沿って延びる第1のチャネルを貫いて延び、外栄養補給管の端よりも長く延びる。挿入装置は、拡張器の働きをする外栄養補給管から延びる尖端と、ガイド・ワイヤに従うための内チャネルとを有する。
一体型管ユニットをガイド・ワイヤに沿って誘導している間に、挿入装置の尖端(すなわち例えば拡張器の端)を、切開創および胃壁にあけた貫通穴に挿入し、この穴を拡張し、一体型管ユニットを胃に挿入することを可能にする。一体型管ユニットを挿入する間、外栄養補給管およびバルーン・カラーが保護されるように、挿入装置の拡張器端の一部分から上方へ保護シースを延ばすことができる。次いで、例えば一体型管ユニットのポートを通してバルーン・カラーを膨張させる。一例では、外栄養補給管の挿入箇所を密封するために膨張させるバルーン・カラーの膨張がさらに、挿入装置の尖端から外側へ保護シース(シースが使用される場合)を変位させる。
次いで、外栄養補給管をしっかりと固定するため、外栄養補給管のシャフトに沿ってボルスタを下方へスライドさせる。バルーン・カラーとボルスタの間に腹筋系および胃壁を固定するため、摩擦、クランプまたは縫合によってボルスタを所定の位置に固定することができる。このようにすると、胃にあけた穴が、例えば栄養補給管として使用することができる外管によって密封される。ガイド・ワイヤを取り除くときに、外栄養補給管内から拡張器を取り除くことができる。一例では、拡張器を取り除いた後で、ガイド・ワイヤを取り除く。あるいは、他の例では、拡張器を取り除くのと同時にガイド・ワイヤを取り除くことができる。次いで、患者の体外のある位置から、皮膚、脂肪、筋系および胃壁を貫通して胃の中へ延びる外栄養補給管を、患者への栄養補給のために使用することができる。栄養補給管を取り除くためには、バルーン・カラーをしぼませ、次いで栄養補給管を胃から取り出す。
一体型管ユニットを使用する一例では、一体型管ユニットの使用を、減量に役立てることができる。一体型管ユニットは同じ方法で配置されるが、その目的は、バルーン・カラーを膨張させ、胃の容積を小さくし、それによって治療を受けている患者に満腹感を感じさせることである。時には、例えばある種の状況において、一体型管ユニットが、CATスキャン・ガイダンスなどのスキャン・ガイダンスを利用することができる。例えば、患者の皮下脂肪層が非常に厚いことがあり、それにより、挿入点から一体型管ユニットの位置を決定することがより困難なことがある。
一体型管ユニットを挿入する方法の1つの具体的な例では、ステップが、内視鏡を挿入し、患者の胃に空気を充填し、胃瘻造設術管(G管)を含む一体型管ユニットを挿入する部位を選択するステップと、選択した部位に切開創を形成するステップと、内視鏡にスネアを挿入し、開位置にあるスネアを胃の活動域に置き、切開創を通してアンジオカット(angiocath)を挿入するステップと、アンジオカットの周囲に開いたスネアを配置し、スネアを閉じるステップと、アンジオカットから針スタイレットを取り除くステップと、アンジオカットにガイド・ワイヤを通し、スネアによってガイド・ワイヤを固定するステップと、アンジオカットを取り除き、スネアによって保持されたガイド・ワイヤを残すステップと、保護カラーを備えた内拡張器と外G管とを有する一体型管ユニットを挿入するステップと、拡張器の頂部に引張り力加えるため、一体型管ユニットの上に円板をスライドさせるステップと、ガイド・ワイヤを引き、同時に拡張器を押して、G管を胃腔内に配置するステップと、胃の中のG管の一端のバルーンを食塩水または他の流体で膨らますステップと、G管を静かに引き、スネアのループを開くことによってガイド・ワイヤを解放し、栄養補給管からガイド・ワイヤを引っ張り、胃の内壁に対してG管を固定するステップと、拡張器の上の円板を解放し、拡張器を引き抜くステップと、スネアのループを開くことによってガイド・ワイヤを解放し、ガイド・ワイヤをG管から引っ張り、外ボルスタを使用し、G管に沿って外ボルスタを下方へスライドさせることによって腹壁にG管をさらに固定し、G管とボルスタだけを所定の位置に残すステップとを含む。
一例では、栄養補給管を挿入するシステムが、内視鏡、スネアおよびガイド・ワイヤ、アンジオカット、保護カラーを備えた拡張器と栄養補給管とを有する一体型管ユニット、円板および外ボルスタを含む。
一例では、拡張器の一部が栄養補給管内にあるが、拡張器の端が、栄養管の遠位端から少量だけ延出し、カラーが、G管の端およびバルーンの端を覆う。一例では、この少量が約1/2インチ、すなわち1.27cmである。拡張器の先端は、栄養補給管の外側面に沿って例えば1/2インチだけ逆方向に延びる可撓性のカラーを有することができる。例えば、拡張器とその可撓性カラーは単一のユニットを形成する。この単一のユニットは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリビニル、ナイロン、シリコーンゴム、共重合体、PTFEなどの可撓性のプラスチック材料から形成することができる。可撓性カラーの最小限の部分だけが栄養補給管の遠位端を覆って延びることによって、拡張進入点において栄養補給管の進入が妨げられることが防止される。さらに、このユニットは、胃内への拡張進入点が、外管にぴったり合うのに必要な大きさよりも大きくなることを防ぐ。一体型管ユニットの拡張器の1つの利点は、拡張器を栄養補給管の外に配置しなければならないためより大きな進入点を必要とする方法とは違い、拡張器が、栄養補給管または他の目的に対して必要な大きさよりも進入点が大きくなることを防ぐことである。
他の利点は、内視鏡による可視化なしで口から栄養補給管を引き込むことを含むこれまでの方法とは違い、細菌または癌細胞の移動を減らすことができることである。他の利点は、空腸バルーン・カラーをしぼませ、胃スリーブを通して空腸管を引き抜くことができるため、空腸管の取出しおよび取替えが単純になることである。さらに、胃皮フィステルを使用して、新しい外管を胃の中に配置することができる。他の利点は、例えば完全非経口栄養法において使用される方法などの外科的挿入法に比べて、方法の完了までにかかる時間が短縮されることである。
一体型胃空腸ユニットは、従来の空腸瘻造設術栄養管に比べて、挿入および取替えがはるかに容易である。1つの取替え法によれば、バルーン・カラーをしぼませて取外しを容易にすることによって、空腸管だけ、または空腸管と胃管の両方を取り替えることができる。
記載された例および示された図面は例示を目的としたものであり、本発明の範囲は、今後発行される特許請求の範囲によって定義されるため、これらの例および図面を、本発明の範囲を限定するものとして読むべきではない。
図1では、胃の中に、腹壁に隣接して内視鏡7が配置されており、内視鏡7は、胃に空気を充填して、胃壁172と腹壁173の間の内臓を変位させるために使用される。内視鏡の光源を使用して内視鏡の位置を識別することができ、内視鏡の位置は、図1に示すように外科医の手指を使用して感じ取ることもできる。例えば、医師は、位置10における手指の圧力を使用して、胃瘻造設術管などの外管を挿入する部位を決定することができる。何らかの手段で胃の中の内視鏡の位置を確認した後、医師は、内視鏡の光源で患者の腹壁を透視し、栄養補給管を挿入する部位を選択することができる。
次いで、医師は、その部位に小さな切開創を形成することができる。適当な麻酔薬を投与した後、内視鏡の位置の上方の皮膚および脂肪を貫通する切開創をあけることができる。ラッセル経皮的内視鏡下胃瘻造設術で使用される18ゲージ、17センチメートル針などの針の進入を可能にするため、腹筋を分割または切断することができる。当技術分野で知られているように、ラッセル経皮的内視鏡下胃瘻造設術を使用して、胃壁を貫いてシースを延ばし、空気圧を解放することなく胃に穴をあけることができる。潤滑剤が塗られた14Fフォーリー・カテーテルのバルーンを食塩水6ミリリットルを用いて膨らますことを記述しているRobert E.Miller、M.D.他、Gastrointestinal Endoscopy、34巻4号、339〜342ページ(1988)に記載されているとおりに、フォーリー・カテーテルを挿入することができる。
本発明の一例では、切開創のサイズを10〜15mmまたはそれ以上とすることができる。切開創は、皮下組織を貫通する十分に深いものであるべきである。真皮175、脂肪174、筋肉173および胃壁172以外の器官を貫いて機器が挿入されることを防ぐため、医師は、図2に示されているように、胃が十分に膨らんでいることを確認すべきである。当業者は、膨らます以外の方法を使用して、他の器官への穿刺を防ぐこともできる。
光ファイバ8および/またはレンズを使用してGI管の内側を見る内視鏡は、当技術分野において知られている。内視鏡は、内視鏡を貫いて挿入することができるさまざまなツールを有する。当技術分野で知られているとおり、内視鏡を使用して胃腔170を膨らますことができる。このようなよく知られた内視鏡には、例えばOlympus(登録商標)およびPentax(登録商標)製の内視鏡が含まれる(Olympus(登録商標)は、オリンパス株式会社、日本の登録商標であり、Pentax(登録商標)は、ペンタックス株式会社、日本の登録商標である)。
内視鏡を通してスネアを挿入することができる。図2に示すように、胃腔内の栄養補給管の挿入部位に、開位置の状態のスネア21を置く。スネアの一例は、UPN製品番号M00562690のBoston Scientific(登録商標)SensationTM(商標)ポリペクトミー・スネアである(Boston Scientific(登録商標)およびSensationTM(商標)はBoston Scientific社の商標である)。医師は、内視鏡7を使用して、アンジオカット25を切開創を通して胃腔内へ進める。開位置にあるスネア21をアンジオカット25の周囲に配置し、次いで引っ込めて、アンジオカット25を静かに保持することができる。例えば、スネア21でアンジオカット25を引っ張りながら針スタイレットを静かに引っ張ることによって、アンジオカットから針スタイレットを取り除くことができる。その間ずっと、医師は、内視鏡7の光ファイバ8を用いてアンジオカット25を観察することができる。あるいは、光ファイバ8の代わりに例えばレンズを使用することもできる。
図3において、アンジオカット25を通して胃腔170内へガイド・ワイヤが32を通しときに、スネア21を開く。次いで、ガイド・ワイヤ32の周囲のスネア21を引っ込めることにより、ガイド・ワイヤを保持することができる。一例では、裂離式(tear away)シースなどのシースを通して胃の中へガイド・ワイヤ32を挿入することができる。内視鏡7を使用して、胃の中へ挿入されたときのガイド・ワイヤ32の位置を確認し、内視鏡7のスネア21を使用してワイヤ32の端を捕捉する。シースを使用する場合には、例えば内視鏡のスネアによってガイド・ワイヤを確保した後に、シースを取り除くことができる。
内側からは内視鏡7によって、外側からは手術チームの直接観察によって、ガイド・ワイヤ32および挿入手技を連続的に観察できることはかなりの利点であり、連続観察のために内視鏡を使用しない他の手技よりも、良好な制御および胃内における正確な配置を提供する。
例えば図4に示すように、アンジオカット25(あるいはシースまたはスリーブ)を取り除き、スネア21によって保持されたガイド・ワイヤ32を胃腔170内に残すことができる。この場合も、内視鏡7のスネア21を使用してガイド・ワイヤ32を引っ張ることによって、ガイド・ワイヤ32に対するアンジオカット25の引張りのバランスをとることができる。図5には、空腸管50を貫いて挿入された導入拡張器77が示されている。導入拡張器77は、空腸管の一端において空腸管50よりも長く延びることができ、空腸管50の反対端に保護延長部分71を有することができ、保護延長部分71は、空腸管50の挿入中に胃腔170内へ延びる空腸管50の端に配置された、膨らますことができる輪またはカラーなどのバルーン68を保護することができる。例えば空腸管50を通して保護延長部分71を逆方向に引っ張ることによって、挿入後に導入拡張器77を除去することができるように、保護延長部分71は可撓性材料から製作することができる。あるいは、拡張器77および/または延長部分77の少なくとも一部分を空腸管50から引き抜くことができるように、保護延長部分71は、拡張器77から部分的にまたは完全に分離することができる。一例では、保護延長部分71が、GI管170内に配置されたときに時間の経過とともに溶解することができる材料から製作される。
図5に概略的に示すように、ガイド・ワイヤ32を覆う導入拡張器77が挿入された空腸管50を、胃に挿入することができる。ガイド・ワイヤ32は拡張器77を貫通する。次いで、例えば図11に示すように、拡張器77を胃腔170から引き抜く間、空腸バルーン68を膨らますことができる。このようにして、内視鏡による連続的な可視化の下で、空腸管50の一端が胃腔170に挿入される。図14B〜Cに概略的に示すように、空腸管50を空腸内へ延ばし、クリップ103によって空腸のライニングにループ91を固定することができる。一例では、空腸管50が、約4センチメートルから200センチメートル以下までの範囲のある長さだけ、胃スリーブ55の一端よりも長く延びる。
図5は、胃管55を胃腔170に完全に挿入する直前の、導入拡張器77が挿入された一体型胃空腸管アセンブリ500の一例を示す。一代替実施形態では、一体型胃空腸管アセンブリ500が十分に堅く、ガイド・ワイヤ85だけが導入され、導入拡張器77は導入されない。例えば内視鏡7によって保持されているJ字形ワイヤなどのガイド・ワイヤ32、85の上に、一体型胃空腸管ユニット500を導入することができる。内視鏡7で挿入箇所を見ながら、一体型胃空腸管ユニットを、ガイド・ワイヤ32に沿って切開創を通して胃腔170内へ押し込むことができる。例えばユニットとガイド・ワイヤ32、85とがよじれることを防ぐため、左右の回転運動を使用することができる。バルーン58、68の膨張、および図5の胃シース55に対して概略的にまたは図6Aの一体型胃空腸管ユニット500においてより詳細に示されているものなどの排液穴52、62を通した排液を提供するために、胃空腸管ユニット500上には、さまざまな管継手56、57、67を配置することができる。
例えば、胃スリーブ55または空腸管50、あるいはその両方のバルーン・カラー58、68を膨らますために、バルーン膨張ポート57、67を配置することができる。排液ポート56は胃スリーブ55の一端から延びることができ、胃腔170内へ延びる胃スリーブ55の一端を貫通して形成された排液穴52と流体流れ連通させることができる。空腸栄養補給ポート66は、栄養補給時には栄養補給用のアクセス、栄養補給していないときには排液用のアクセスを提供することができる。図5および図6の例の一体型胃空腸管ユニット500は、胃スリーブ55内へ環状に延びて環状空洞550を形成する空腸管50を備える。胃スリーブ55は、空腸管セグメント65の一部分を環状に取り囲む外側管としたものである。胃スリーブ55は、例えば胃排液穴52の直下の領域で終わる。一例では、スリーブ55が、空腸管50の周囲に環状領域を形成し、スリーブ55は、胃170の中へ最大約20cm延びることができる。胃スリーブ55の周囲に胃バルーン58を環状に配置することができ、胃バルーン58は、例えば胃スリーブ55の端から約5センチメートルのところに配置することができる。例えば、胃バルーン・カラー58および空腸バルーン・カラー68はそれぞれ、胃スリーブ55および空腸管50の表面に沿って約1センチメートルにわたって延びることができる。胃排液穴52、62を使用して、術後の胃の減圧中に胃内容物を排出することができ、あるいは、胃排液穴52、62を、例えば栄養補給および/または薬物投与用の入口として使用することができる。
図7Aに示すような一例では、ガイド・ワイヤ32に沿って円板48を下方へスライドさせて、図7Aに示すように拡張器42の頂部に力を加える。この例では、ガイド・ワイヤ32が通る中心穴を通して円板48をスライドさせる。追加の例では、円板48をワイヤ32にロックするため、円板48が追加のフックを有することができ、または他の装置を使用することができる。
図7A〜7Fの例の一体型管ユニット1は、膨らますことができるカラー28を有する外胃瘻造設術管55と、外胃瘻造設術管55の端よりも長く延びる内拡張器77、42とを備え、内拡張器77、42は、拡張器先端72、63と、ガイド・ワイヤ32を収容する貫通穴171と、保護カラー45とを有する。一例では、外胃瘻造設術管55がシリコーンを使用し、例えば22または24フレンチである。図7Dに示すように充填チャネル29などを通してバルーン・カラー28を膨らますための管継手など、さまざまな管継手56、57を配置することができる。
例えば管継手56、57の1つによる胃の減圧および/または排液のため、図7Fの胃瘻造設術管55の半径方向断面図に示すような追加のチャネル27を使用することもできる。図7Bでは、外拡張器/挿入管42の端63からの断面の一例が、チャネル171および保護カラー/カバー45を示す。図7Cは、重なり合った複数のカバー・セグメント45を使用した保護カバーの一例を示す。図7Dには、バルーン・カラー28を膨らました後の保護カラー45が示されており、バルーン・カラー28の膨張は、胃170に胃瘻造設術管55を挿入した後に保護カラー45をひっくり返すのを助ける。
バルーン・カラー28の膨張は、例えば胃瘻造設術管55から内拡張器42を取り除くときに、胃瘻造設術管55を胃内に保持する。胃瘻造設術管55を胃内に適切に挿入し、配置するため、拡張器42、77は湾曲していても、またはまっすぐでもよく、湾曲しているかまたはまっすぐであるかに関わらず、胃瘻造設術管を通して拡張器42、77を引っ張ることにより、胃から引き抜かれる。
図7Eでは、バルーン・カラー28を膨らましたときに保護カラー45がセグメントに分割し、例えば拡張器および保護カラー45を容易に取り除くことができるように、保護カラー45が、断裂線73に沿ってセグメントに分割される。拡張器42、77は例えば、ガイド・ワイヤ32を取り除くときに、胃瘻造設術管55から取り除くことができる。一例では、これが、胃瘻造設術管55を貫通して延びるチャネルを押しつぶしまたは他の方法で閉じることによって、胃腔内の空気圧を解放することなく達成される。したがって、胃瘻造設術管55は、患者の体外のある位置から、皮膚175、脂肪174、筋系173および胃壁172を貫通して延び、ボルスタまたは他の方法によって固定した後に、例えば中心チャネル65または補助チャネル27を通した患者に対する栄養補給または薬物送達用のG管として使用することができる。
保護カラー45は例えば、バルーン・カラー28を膨らましたときに変位し、またはセグメントに分割することができる任意の材料から製作することができる。図7Eの例では、保護カラー45が複数の断裂線73のところで複数の葉状片に分割するように、材料に切れ目を入れ、または他の方法で材料を弱くすることができる。代替例では、保護カラー45が、図7Cに示すような重なり合った複数のセグメントに分割され、これらのセグメントも、外栄養補給管を通して同様に引き抜くことができる。他の例では、図7Dの部分断面図に示すように保護カラー45がひっくり返るように、保護カラーが、バルーン・カラーの影響を受けて外側へ広がることができる可撓性材料から製作される。
一例では、胃瘻造設術管55の中心チャネル65を通して空腸管50を挿入して、胃瘻造設術管55を取り出し、取り替えることなく、胃の減圧と空腸への栄養補給の両方を可能にすることができ、これは結果的に、図5の一体型胃空腸管と同様の環状アセンブリを与える。空腸管50の一端に黒絹糸ループ91を配置することができる。外科医によって患者の空腸内に適切に配置されたときに、空腸管50の端を、縫合、ステープリングまたは他の方法でGI管内に固定することができるように、黒絹糸ループ91のループ長は例えば約1センチメートルとすることができる。このようなループ91の一例は、Ethicon(登録商標)K834黒絹編糸ループである(Ethicon(登録商標)は、Johnson and Johnson Corporation社、米国ニュージャージー州NewBrunswickの登録商標である)。例えば、絹縫合糸材料を使用し、空腸管50の末端部分につなぎ留められたループを形成することができる。
空腸管は、シリコーン材料または胃環境に適合する他の材料を使用することができる。一例では、空腸管50のサイズが22〜24フレンチである。あるいは、空腸管50のサイズを16〜28フレンチとすることもできる。バルーンは例えば、当技術分野で知られているフォーリー・カテーテルのバルーンと同じ材料から製作することができる。一例では、バルーン・カラー58、68、128、228のうちの1つまたは複数のバルーン・カラーが、例えば7Dに示すような長円形のトロイドなどのトロイドとして延びることができる弾性シリコーン材料から製作される。他の例では、比較的に柔軟性を欠き、膨らますと、これでできたバルーン・カラーの容積は満たすが、この例のトロイダル・バルーン・カラーのさらなる弾性膨張には抵抗するポリマー・フィルムが使用される。
一例では、外導入拡張器77とともにガイド・ワイヤ32が使用され、ガイド・ワイヤ32は拡張器77内を通過し、拡張器77は例えば、図7Aに示すように胃瘻造設術管55内を通過するか、または図5に示すように空腸管50内を通過する。例えば、胃瘻造設術管55を通して空腸管50を胃腔170内へ挿入する間、空腸管50のバルーン・カラー68を保護する、空腸管50のバルーン・カラー68を覆う保護カラーとして、保護延長部分71が保護的に延びるように、拡張器77の一端が空腸管50を貫通する。この例の導入拡張器77は、例えば図6に示すようにその中にガイド・ワイヤ32が収容された中心チャネル770を備える。図5および6には、カラー71と中心貫通穴770とを有する拡張器77の一例が示されている。図5に示すように、拡張器77は拡張器先端72を有することができ、保護延長部分71は、空腸バルーン・カラー68を覆って先端72とは反対側に延びる軟かい保護カラーとすることができる。一体型胃空腸管ユニット500をガイド・ワイヤ32に沿って誘導する間に、導入拡張器77の尖った先端72を切開創に挿入し、胃壁を貫通する穴を通して胃腔内へ導入することができる。
拡張器77はこの穴を拡張して、一体型管ユニット500を胃腔170に挿入することを可能にする。一例では、拡張器77の一部分は栄養補給管内にあるが、拡張器の端72は、内視鏡7のスネア21を端72の周囲に環状に配置するのに十分な限定された距離だけ、一体型胃空腸管500の端から延出する。例えば、この限定された距離は約1/2インチすなわち1.27cmである。拡張器の先端72は、栄養補給管の外側面に沿って上方へ例えば1/2インチ延びる可撓性のカラー71を有することができる。一例では、拡張器の先端72とその可撓性のカラー71が一体の継目なしユニットを形成し、または可撓性のカラー71が、成形、加熱または接着によって拡張器の先端に接合される。この単一のユニットは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリビニル、ナイロン、シリコーンゴム、共重合体、PTFEなどの可撓性のプラスチック材料から形成することができる。可撓性カラー71の一部分が栄養補給管の遠位端を覆って延びることによって、空腸管50の衝突が防止され、カラー71は、拡張進入点において空腸管50の進入が妨げられることを防ぐ。さらに、このユニットは、胃内への拡張進入点が、管およびバルーン・カラー68の外径にぴったり合うのに必要な大きさよりも大きくなることを防ぐ。当技術分野で知られている外拡張器と比較して、空腸管50内にぴったりとはまる拡張器77を使用する1つの利点は、拡張器77が、栄養補給管または他の目的に対して必要な大きさよりも進入点が大きくなることを防ぐことである。
図6では、胃スリーブ55の中心部分からの断面の一例が、胃スリーブ55の外壁、空腸管セグメント50、および中心穴770を有する最も内側の導入拡張器77を示す。胃スリーブ55の周縁チャネル51および内側空腸管セグメント65の周縁チャネル61を使用して、それぞれ胃バルーン・カラー58および空腸バルーン・カラー68を膨らますことができる。
胃スリーブ55は例えば、栄養補給用の胃スリーブ出口ポート56、および排液または栄養補給用の胃排液穴52を含む。一例では、胃スリーブ55が、胃スリーブ出口ポート56を含む領域から、出口ポート56と流体連通した胃排液穴52を含む領域まで延びる。一例では、胃スリーブ55が、空腸管と全く連通せず、内側空腸管セグメント65の一部分を取り囲む同心の管である。排液穴52は、例えば胃の減圧のために使用することができる。
図5では、一体型胃空腸管ユニット500が、内視鏡での誘導の下、Y方向に押され、胃に進入し、胃の中を進んでいる。空腸バルーン・カラー68は、空腸バルーン・ポート67からの通常の食塩水によって膨らますことができる。一例では、導入拡張器77を取り除く直前に空腸バルーン・カラーを膨らます。これは、このように膨らますことによって、空腸バルーン・カラー68がしぼんだ状態にあるときには通常、空腸バルーン・カラー68を覆っているカラーが容易にひっくり返って、導入拡張器77から離れるためである。続いて、図5ではガイド・ワイヤ32を有するように示されている導入拡張器77を外スリーブ50から取り除く。一例では、空腸管を胃の中へ少なくとも10〜12センチメートル進めたときに、ガイド・ワイヤ32を取り除く。少なくとも部分的に膨らんだ空腸バルーン・カラー68は、空腸の蠕動活動によってバルーンが押されたときに、空腸管50が空腸内へ移動するのを助けることができる。
図8Aでは、導入拡張器77およびガイド・ワイヤ32を取り除いた後に、例えば堅い部分85と軟かい先端84とを有する第2のガイド・ワイヤ87を、空腸管50を通し、空腸管出口ポート66を介して導入する。例えば、第2のガイド・ワイヤは、Boston Scientific(登録商標)のHydra Guidewire(登録商標)である(Hydra Guidewire(登録商標)は、Boston Scientific Corporation社、米国マサチューセッツ州Natickの登録商標である)。内視鏡7からスネアを取り外し、Boston Scientific(登録商標)Radial Jaw(登録商標)の、UPN製品番号M00515990である3生検鉗子などの生検鉗子3を、内視鏡7の生検チャネルを通して胃内へ進入させることができる(Boston Scientific(登録商標)は、Boston Scientific Corporation社、米国マサチューセッツ州Natickの登録商標である)。あるいは、生検鉗子を使用して、空腸管50の端に配置された黒絹糸ループまたは他の装置を捕捉するなどによって、空腸管を空腸内へ引きずりながら、内視鏡7を空腸内へ進入させる。図8Bは、例えば第2のガイド・ワイヤの堅い部分85の断面の一例を示す、図8Aに示した一体型胃空腸管の断面図を示す。
図9に概略的に示すように、ガイド・ワイヤ87の軟かい先端84を内視鏡7の生検鉗子3によって保持し、内視鏡7を空腸300内へ進入させることができる。内視鏡7の観察の下で胃スリーブ55を胃170の中へ誘導することができ、例えば、図10に示すように、胃バルーン・カラー58を、膨張ポート58を通して注入した食塩水を使用して、やはり内視鏡7の観察の下で膨らますことができる。胃スリーブ55は、ボルスタ、包帯剤および/または縫合糸によって所定の位置に固定することができる。空腸300内への空腸管50の前進を助けるため、空腸管50およびガイド・ワイヤ84、85を前進させるのと同時に、一体型胃空腸管ユニット500を胃170に押し込むことができる。代替として、生検鉗子3を使用してガイド・ワイヤ84、85を引きずり、あるいは生検鉗子3を使用して、空腸管65の一端に取り付けられた黒絹糸ループ91を捕捉することもできる。このようにして、図11および図12の例の部分破断図および開窓図に示すように、内視鏡7を空腸300内へ進入させ、同時に、内視鏡7で空腸管65を空腸内へ引きずり入れることができる。
外ボルスタ51を使用して、例えば図13の例に示すように、外管44を腹壁に固定することができる。外ボルスタ51は、外管44の外壁に沿って下方へスライドさせることができる。バルーン28とボルスタ51の間に腹筋系および胃壁を固定し、胃にあけた瘻を密封するため、摩擦、クランプまたは縫合などによってボルスタ51を所定の位置に固定することができる。この領域に適当な包帯剤を使用することができる。一例では、内視鏡で常に観察しながら外管44を腹壁に固定して、第1のバルーン28の正確な位置決めを可能とする。図13に示す例では、外管44が、胃の一部分を満たして患者が満腹感を感じるようにすることができる第2のバルーン128を含む。図13に示すように、1つまたは複数のバルーン28、128の体積を調整することによって、患者の体重を減らすことができることがある。
必要に応じて、術前および術後の指示を与えることができる。一例では、患者に意識がある場合、栄養補給管を挿入する前および挿入した後、少なくとも24時間は飲食しないよう、患者に指示を与える。外管44の1つまたは複数のポートを通して、栄養補給管を重力排液バッグに取り付けることができる。感染を防ぐため、予防的に、一例ではポートの1つを通してまたは静脈内に抗生物質を投与することができる。
摂食障害、減量および他の治療における一体型管ユニットの使用
一例では、減量または摂食障害の治療に、一体型管ユニットの使用を役立てる。この例では、同じ方法に従う。しかしながら、一体型管ユニットの目的は、胃の中でバルーンを膨張させて、胃腔を一時的に満たすことである。一例では、胃壁を密封するため、食塩水20ミリリットルなどの無菌水溶液または食塩水を使用して、バルーン・カラー28を膨らますことができるが、より多量の食塩水を使用して、同じバルーン・カラー28、あるいは少なくとも、摂食障害または他の病気の治療を受けている患者の胃腔のかなりの部分を満たす容積を有する(例えば図13に示された)第2のバルーン128を膨張させることもできる。一例では、この治療は、胃の中の第2のバルーンを一時的に膨らまして、食事中に満腹感を与えることができる。あるいは、第2のバルーン128をしぼませることもできる。このようにして、適切な分量を食べるように患者を訓練することができ、またはカロリーを減らすことができる。図13は、胃を密封するための第1のバルーン28用の第1のポート61と、例えば胃腔を満たすために別のバルーン128を膨張させるための第2のポート63とを有する外管44を示す。外栄養補給管44は、栄養補給管としてまたは例えば体重制御装置として使用することができるように、外管44に組み込まれた第2のチャネルを有することができる。あるいは、体重制御装置は中心チャネル65を省くことができ、装置の端に固定された拡張器プローブを有することができる。
一例では、減量または摂食障害の治療に、一体型管ユニットの使用を役立てる。この例では、同じ方法に従う。しかしながら、一体型管ユニットの目的は、胃の中でバルーンを膨張させて、胃腔を一時的に満たすことである。一例では、胃壁を密封するため、食塩水20ミリリットルなどの無菌水溶液または食塩水を使用して、バルーン・カラー28を膨らますことができるが、より多量の食塩水を使用して、同じバルーン・カラー28、あるいは少なくとも、摂食障害または他の病気の治療を受けている患者の胃腔のかなりの部分を満たす容積を有する(例えば図13に示された)第2のバルーン128を膨張させることもできる。一例では、この治療は、胃の中の第2のバルーンを一時的に膨らまして、食事中に満腹感を与えることができる。あるいは、第2のバルーン128をしぼませることもできる。このようにして、適切な分量を食べるように患者を訓練することができ、またはカロリーを減らすことができる。図13は、胃を密封するための第1のバルーン28用の第1のポート61と、例えば胃腔を満たすために別のバルーン128を膨張させるための第2のポート63とを有する外管44を示す。外栄養補給管44は、栄養補給管としてまたは例えば体重制御装置として使用することができるように、外管44に組み込まれた第2のチャネルを有することができる。あるいは、体重制御装置は中心チャネル65を省くことができ、装置の端に固定された拡張器プローブを有することができる。
空腸管50を十分な長さまで空腸300内へ完全に挿入し、または途中まで挿入した後、生検鉗子3を開き、ガイド・ワイヤ87またはループ91を解放し、内視鏡7から生検鉗子3を取り外すことができる。空腸バルーン・カラー68を使用して、適切に配置されるまで、空腸管50を空腸300に沿ってさらに進めることができる。次いで、ループ91によって空腸管50を固定することができる。図14Bの開窓図および図14Cのより詳細な概略図に示すように、ループ91は、縫合、ステープリングまたはピンによって空腸300のライニングに固定することができる。例えば、内視鏡によって配置可能なクリップに対するBoston Scientific社の商標であるResolution(登録商標)クリップ装置を使用して、当技術分野で知られているように、空腸300のライニングにループ91を固定することができる。一例では、このような装置が、235cmの操作長および2.8mmの操作チャネルを有し、空腸300の壁に黒絹糸ループ91を固定するためにクリップ103が使用される。空腸管50を固定することによって、内視鏡7を取り出した後も空腸管50は静止位置に維持される。取り出す前に、内視鏡画像を使用して、バルーン・カラーの膨張を可視化し、胃スリーブの位置をチェックすることができる。
図14Aの例では、胃瘻造設術管144の一体型ボルスタ151が、ボルスタ151と方向性カラー145の間に締付力を加える。外管144は、バルーンの弾性材料を一体型ボルスタ151に向かって偏向させ、胃壁172およびボルスタ151とバルーン228の間の他の介在組織173、174、175を締め付ける材料からなる方向性カラー145を含む。このようにすると別個のボルスタが不要となる。
ポート57を通して食塩水20ミリリットルを注入するなどによって胃バルーン・カラー58を膨らますことができ、同時に、バルーン58は内視鏡7によって可視化される。保持ボルスタ51、151を外部から取り付けて、図13および図14の例に概略的に示されているように、胃瘻造設術管または一体型胃空腸管ユニット500を密封位置に固定することができる。胃バルーン・カラー58の膨張は、保持ボルスタとともに、腹壁を貫通した一体型胃空腸ユニットを胃腔170内に固定し、密封し、漏れを防ぐ役目を果たす。例えば、ボルスタを含むEndoVive(登録商標)キットから保持ボルスタを得ることができる(EndoVive(登録商標)は、Boston Scientific Corporation社、米国マサチューセッツ州Natickの登録商標である)。例えば、20フレンチ・バルーン取替え装置キットはこのようなボルスタを含み、UPN番号M00562200を有する。このボルスタは、胃スリーブのシャフトに沿って下方にスライドさせて、例えば摩擦、クランプまたは縫合を使用してしっかりと固定することができる。次いで、内視鏡7を取り出し、胃スリーブ出口ポート56および空腸管出口ポート66を、排液穴52、62を通して流体を排出するため重力排液バッグに接続することができる。
内視鏡の取出し
外科医は最初に、胃スリーブ55が胃の中に適切に配置されていることを確認する。胃バルーン・カラー58を膨らまし、ボルスタを固定する。次いで、合併症が起こっていないことを確認するためもう一度チェックを実行した後、内視鏡7を患者から安全に取り出す。患者を回復区域へ移し、以下の術後指示を与えることができる。患者を24時間のNPO(絶食)状態に置くことができる。胃および空腸の内容物および廃棄物を排出するため、胃スリーブ出口ポート56および空腸管出口ポート66を重力排液バッグに接続することができる。臨床的状態に応じ、空腸管出口ポート66を使用して、または胃スリーブ出口ポート56内へ、あるいはその両方によって、栄養補給プロセスを開始することができる。胃排出が正常である場合には、胃スリーブ出口ポート56を通して栄養補給を開始することができる。あるいは、GI管機能が異常な場合には、空腸管出口ポート66のところで栄養補給を開始することができる。
外科医は最初に、胃スリーブ55が胃の中に適切に配置されていることを確認する。胃バルーン・カラー58を膨らまし、ボルスタを固定する。次いで、合併症が起こっていないことを確認するためもう一度チェックを実行した後、内視鏡7を患者から安全に取り出す。患者を回復区域へ移し、以下の術後指示を与えることができる。患者を24時間のNPO(絶食)状態に置くことができる。胃および空腸の内容物および廃棄物を排出するため、胃スリーブ出口ポート56および空腸管出口ポート66を重力排液バッグに接続することができる。臨床的状態に応じ、空腸管出口ポート66を使用して、または胃スリーブ出口ポート56内へ、あるいはその両方によって、栄養補給プロセスを開始することができる。胃排出が正常である場合には、胃スリーブ出口ポート56を通して栄養補給を開始することができる。あるいは、GI管機能が異常な場合には、空腸管出口ポート66のところで栄養補給を開始することができる。
一体型胃空腸管ユニットの取外し
一例では、取外しのため、バルーン58および68を注射器を使用してしぼませる。注射器は例えば20cc注射器とすることができる。次いで、例えば胃皮フィステルから、一体型胃空腸管ユニットを静かに引っ張る。一例では、最初に、薄い材料とすることができる外スリーブを外管50にかぶせて挿入し、その後、外管とこのスリーブの両方を取り出す。しかしながら、取り出しのためにこのスリーブは必須ではない。
一例では、取外しのため、バルーン58および68を注射器を使用してしぼませる。注射器は例えば20cc注射器とすることができる。次いで、例えば胃皮フィステルから、一体型胃空腸管ユニットを静かに引っ張る。一例では、最初に、薄い材料とすることができる外スリーブを外管50にかぶせて挿入し、その後、外管とこのスリーブの両方を取り出す。しかしながら、取り出しのためにこのスリーブは必須ではない。
必要な場合、胃皮フィステルを通して新しい一体型胃空腸管ユニットに取り替えることができる。一体型胃空腸管ユニットは、術後期において、胃を減圧し、同時に空腸レベルにおいて栄養を供給することができる。
提示した例の代替の組合せおよび変形は、本開示に基づいて明らかになる。記載した実施形態の多くの可能な組合せおよび変形のすべてに対して、具体的な例を提供することは不可能だが、このような組合せおよび変形は、最終的に発行される特許請求の範囲に含まれることがある。
Claims (20)
- 栄養補給管であって、
中心チャネルと栄養補給入口とを有する胃管と、
前記胃管の第1の端部の胃バルーン膨張入口と、
前記胃バルーン膨張入口と流体連通した胃バルーンであり、前記胃バルーン膨張入口へある体積の流体が注入されたときに膨張するように、前記胃バルーン膨張入口から遠い側に配置された胃バルーンと、
前記胃管の前記中心チャネルを貫通して延びることができる挿入装置であり、前記栄養補給管を胃腸管に挿入する間の損傷から前記胃バルーンまたは第2のバルーンが少なくとも一時的に保護されるように、前記胃バルーンまたは前記第2のバルーンを覆って延びることができる保護カラーを有する挿入装置と
を備える栄養補給管。 - 前記第1のバルーンが、前記第1の管の前記端部からある距離のところに配置されており、前記胃管が、前記胃管の前記第1の端部の反対側に配置された前記胃管の反対端と前記胃バルーンとの間に配置された、前記胃管の一部分の厚さを貫通して延びる穴を含む、請求項1に記載の栄養補給管。
- 空腸管をさらに備え、前記空腸管が、前記胃管の前記中心チャネルを貫通して延びることができ、前記空腸管および前記胃管を胃腸管に挿入するために、前記挿入装置が、空腸チャネルおよび前記胃管の前記中心チャネルを貫通して延びることができるように、前記空腸管が、前記空腸管のある長さに沿って空腸チャネルを有する、請求項2に記載の栄養補給管。
- 前記空腸管が、空腸バルーン膨張チャネルの一端に空腸バルーン膨張入口を備え、前記空腸バルーン膨張チャネルを介して前記第2のバルーンが前記空腸バルーン膨張入口と流体連通するように、前記空腸管が、前記空腸バルーン膨張チャネルの反対端に前記第2のバルーンを備える、請求項3に記載の栄養補給管。
- 前記栄養補給管を胃腸管に挿入する間の損傷から前記第2のバルーンが少なくとも一時的に保護されるように、前記保護カラーが、前記第2のバルーンを覆って延びる、請求項4に記載の栄養補給管。
- 前記空腸バルーンの膨張が、前記挿入装置および前記挿入装置の前記保護カラーを前記空腸管から取り除くことを可能にする、請求項5に記載の栄養補給管。
- 前記空腸バルーンの膨張の結果、前記保護カラーがセグメントに分割される、請求項6に記載の栄養補給管。
- 前記保護カラーが重なり合ったセグメントからなり、前記重なり合ったセグメントが、前記重なり合ったセグメントのある長さの少なくとも一部分に沿って接着されていない、請求項6に記載の栄養補給管。
- 前記空腸バルーン内へ第1の体積の流体を注入することによって前記空腸バルーンを膨張させたときに、空腸バルーンが膨張して空腸の一部を塞ぐことができる、請求項4に記載の栄養補給管。
- 前記空腸バルーン内へ第2の体積の流体を注入することによって前記空腸バルーンを膨張させたときに、空腸バルーンが、前記空腸管の先端からの中心出口を塞ぐことができる、請求項4に記載の栄養補給管。
- 前記空腸管が、前記空腸管の先端から延びるループを有する、請求項4に記載の栄養補給管。
- 前記空腸管の前記ループおよび前記先端を胃腸管内に固定するため、クリップが使用される、請求項4に記載の栄養補給管。
- 前記胃管および前記空腸管が、前記胃管と前記空腸管の間に配置された環状空洞または少なくとも1つのチャネルを形成する、請求項4に記載の栄養補給管。
- 前記胃管の前記第1の端部の反対側の前記胃管の第2の端部において前記胃管のある厚さを貫通して延びる穴が、前記胃管の前記第1の端部に近い側に配置された排液出口と流体連通するように、前記胃管および前記空腸管が、前記胃管の壁と前記空腸管の壁との間に配置された環状空洞を形成する、請求項13に記載の栄養補給管。
- 前記保護カラーが前記胃バルーンを覆って延びることができる、請求項1に記載の栄養補給管。
- 前記保護カラーが前記第2のバルーンを覆って延びることができ、前記第2のバルーンが、前記胃管の前記第1の端部の反対側の前記胃管の第2の端部に配置された、請求項1に記載の栄養補給管。
- 前記第2のバルーンの容積が20ミリリットルよりも大きい、請求項1に記載の栄養補給管。
- 前記胃管が、前記胃管の前記第1の端部の反対側の前記胃管の第2の端部に、前記胃管の厚さを貫通して延びる穴を含む、請求項1に記載の栄養補給管。
- 前記胃管が、前記胃管上に固定され、前記胃管の周囲から外側へ広がる一体型ボルスタを含む、請求項1に記載の栄養補給管。
- バルーン・カラーによって前記胃バルーンが一体型ボルスタの方向にそらされ、それによって前記胃バルーンおよび前記一体型ボルスタが、前記胃バルーンと前記一体型ボルスタの間に締付力を発揮するように、前記胃管が、前記胃バルーンに対して配置されたバルーン・カラーを含む、請求項19に記載の栄養補給管。
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