JP2011512873A - 糖化におけるグルコアミラーゼ及びブティアウクセラ属フィターゼ - Google Patents

糖化におけるグルコアミラーゼ及びブティアウクセラ属フィターゼ Download PDF

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Abstract

エタノール発酵においてフィチン酸を低減させる方法であって、a)澱粉基質を含むスラリーに少なくとも1のα−アミラーゼを接触させる工程と、b)澱粉基質に少なくとも1のグルコアミラーゼ及び少なくとも1のフィターゼを発酵性糖が産出される条件下で接触させる工程であって、フィターゼがSEQ ID No:5に対し少なくとも90%のアミノ酸配列配列同一性を有するとともに位置92にアラニンを備えるフィターゼである工程と、c)発酵性糖をエタノールおよび/またはDDGSが産出される条件下で発酵性有機体の存在下で発酵させる工程とを含む方法。
【選択図】図1

Description

<優先権>
本願は、その全てを参照として本願に組み込む2008年3月11日出願の米国仮出願第61/035,672号に基づく優先権を主張する。
本願は、例えば動物飼料用のDDGS製造等の澱粉転化プロセス、あるいはエタノール等の有機化合物を製造する発酵プロセスにおいて、グルコアミラーゼ及びブティアウクセラ(Buttiauxiella)属フィターゼを使用する方法に関する。
工業的な発酵方法では、酵素、タンパク質、アミノ酸、有機酸、糖アルコール、医薬品、及びその他の生化学的薬品等の様々な最終製品の原料として、主としてグルコースが用いられている。多くの場合、グルコースは、澱粉とセルロース(例えば全粒穀物粉)を含む基質を酵素転化して製造される。通常、澱粉からグルコースを製造するプロセスには、粒状澱粉を液化する工程と、液化澱粉を糖化してグルコースを産出させる工程との、2つの工程が含まれる。さらに、例えば最終製品が精製されたブドウ糖または果糖である場合には精製及び異性化工程が含まれ、あるいは、最終製品がアルコール(例えばエタノール)である場合には発酵及び蒸留工程が含まれる。
液化により、高分子粒状澱粉のスラリーが低粘度で短鎖長のデキストリンの溶液に転化される。さらに、糖化工程によって短鎖長のデキストリンがグルコースに転化される。通常、糖化は澱粉を高温の酵素的生物変換条件に曝すことにより行われる。
一般的な酵素液状化プロセスには、熱安定性の細菌性アルファ(α)-アミラーゼ(例えばSPEZYMETM FREDまたはSPEZYMETM XTRA (Danisco US, Inc社, Genencor Division) またはTERMAMYLTM SC またはTERMAMYLTM 120L (Novozymes社)) を、粒状澱粉を含む基質から成るスラリーに添加する工程が含まれる。pHを5.5から6.5に調整し、温度を90℃より高くする。澱粉を先ずゼラチン化し、次に液状化酵素で処理する。
一般に糖化は、液状化プロセスよりも酸性のpHにおいて、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のグルコアミラーゼ (例えばOPTIDEXTM L-400 (Danisco US, Inc. 社Genencor Division)) 等のグルコアミラーゼ酵素の存在下で行われる。通常、糖化工程のpHは約pH4.0から5.0である。得られた糖を発酵させ、所望の最終製品(例えばエタノール)を得る。
エタノールを製造するプロセスでは、可溶性物質添加乾燥蒸留穀物残渣(distillers dried grains and solubles (DDGS)) 等の副生物及び廃棄物が発生し、飼料に用いられる。さらに、プロセスから得られた液体(すなわち希スティレッジ) をスラリーに混合してリサイクルする。
澱粉基質の液化及び糖化には様々な方法がある。しかし、さらに改良された澱粉の液化、糖化及び発酵方法が求められている。
本願は、澱粉転化プロセスにおいて、グルコアミラーゼ及びフィターゼを組み合わせて使用する方法、及びこの使用に関する組成物に係る。このプロセスは、エタノール等の有機化合物の製造、飼料用DDGSの製造、または両者に適用することができる。
いくつかの実施形態では、本願の組成物及び方法には、グルコアミラーゼ及びフィターゼを含む酵素のブレンド物を、予備糖化中、糖化中、および/または糖化/発酵中の澱粉転化プロセスに添加することが含まれる。このような組成物及び方法は、グルコアミラーゼを単独で使用する場合と比べて、いくつかの利点がある。
いくつかの側面では、この発明により澱粉を発酵させる方法が提供され、この方法には、少なくとも1のグルコアミラーゼ及び少なくとも1のブティアウクセラ属フィターゼの混合物を、任意の順序で糖化される組成物に添加することが含まれる。いくつかの実施形態では、少なくとも1のグルコアミラーゼ及び少なくとも1のブティアウクセラ属フィターゼの混合物は、液化された組成物に添加される。
別の側面では、澱粉を発酵させてエタノールにする。別の側面では、フィチン酸含有量の少ないDDGSを製造する。別の側面では、活性フィターゼを含むDDGSを製造する。また別の側面では、フィチン酸含有量の少ない希スティレッジを製造する。いくつかの実施形態では、希スティレッジを本願のプロセスにリサイクルさせる。
いくつかの側面では、アルコールを製造する方法が提供され、この方法には、澱粉基質を含むスラリーと少なくとも1のα-アミラーゼとを接触させてオリゴ糖を産出させる工程と、得られたオリゴ糖と、少なくとも1のグルコアミラーゼ及びブティアウクセラ属由来の少なくとも1のフィターゼとを接触させて発酵性糖を産出させる工程と、得られた発酵性糖を発酵性有機体の存在下で発酵させてアルコールを産出させる工程とが含まれる。いくつかの実施形態では、接触と発酵を同時に行う。いくつかの実施形態では、アルファ-アミラーゼで処理した後であってグルコアミラーゼを添加する前に、澱粉基質の温度をゼラチン化温度より高くすることができる。
いくつかの実施形態では、澱粉基質は粉砕穀粒であり、粉砕穀粒はトウモロコシ、大麦、小麦、コメ、ソルガム、ライ麦、キビ、および/またはライ小麦から選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1のグルコアミラーゼは、SEQ ID NO: 5の配列に対して配列相同性を少なくとも90%有する。いくつかの実施形態では、フィターゼはアミノ酸位置92にアラニンを有し、および/または、次のアミノ酸の内の少なくとも1を有する:位置89のチアミン、位置134のイソロイシン、位置174 のセリン、位置 186のリジン、位置188のプロリン、位置 207のグルタミン酸、位置209 のセリン、位置248のロイシン、位置256のチロシン、位置261のグルタミン酸、及び位置269のリジン。
いくつかの実施形態では、フィターゼは少なくとも1の次のアミノ酸変異を有する:A89T, D92A, T134I, F174S, T186K, A188P, K207E, A209S, S248L, Q256Y, A261E, 及び N269K。いくつかの実施形態では、フィターゼは野生型ブティアウクセラ属フィターゼ(BP-WT)、またはBP-11及びBP-17から選択される変異体である。いくつかの実施形態では、フィターゼはSEQ ID NO: 5, 6, 7, 及び 8に示すアミノ酸配列のいずれかを有する。
いくつかの実施形態では、本願の方法には、オリゴ糖をアルファ-アミラーゼ、第2のグルコアミラーゼ、第2のフィターゼ、セルロース、プルラナーゼ、プロテアーゼ、および/またはラッカーゼから選択される別の/追加の酵素と接触させることが含まれる。アルコールは例えばエタノールである。いくつかの実施形態では、この発明の方法にはアルコールを回収する工程が含まれる。いくつかの実施形態では、この発明の方法にはDDGSを回収する工程が含まれる。
この発明の別の側面は、澱粉基質を含むスラリーに少なくとも1のα-アミラーゼを接触させて液化物を産出させる工程と、この液化物に少なくとも1のグルコアミラーゼ及び少なくとも1のフィターゼを発酵性糖が産出される条件下で接触させる工程であって、フィターゼがSEQ ID NO: 5のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の相同性を有するとともに位置92にアラニンを備えるフィターゼである工程と、発酵性糖をエタノールおよび/またはDDGSが産出される条件下で発酵性有機体の存在下で発酵させる工程とが含まれる、エタノール発酵においてフィチン酸を低減させる方法に関する。
いくつかの実施形態では、この発明の方法には澱粉基質の液化温度より高い温度まで昇温することが含まれる。いくつかの実施形態では、澱粉基質と少なくとも1のグルコアミラーゼ及び少なくとも1のフィターゼとの接触と、発酵性有機体の存在下での発酵性糖の発酵とを、同時に進行させる。
いくつかの実施形態では、この発明の方法にはエタノール、および/またはDDGSの回収工程が含まれる。いくつかの実施形態では、グルコアミラーゼはトリコデルマ(Trichoderma)属、ペニシリウム(Penicillium)属、タラロミセス(Talaromyces)属, アスペルギルス(Aspergillus)属、および/またはフミコーラ(Humicola)属から選択される糸状菌に由来する。いくつかの実施形態では、トリコデルマはトリコデルマ・リーゼイ(reesei)である。
いくつかの実施形態では、フィターゼはBP-17である。いくつかの実施形態では、DDGSには活性フィターゼが残留している。DDGSを飼料に配合することができる。いくつかの実施形態では、DDGSを穀物または飼料に配合して動物用飼料を製造する場合、活性フィターゼが飼料中のフィチン酸を減少させる。いくつかの実施形態では、澱粉基質はトウモロコシ、大麦、キビ、小麦、コメ、ソルガム、ライ麦、および/またはライ小麦等の粉砕穀粒である。
この発明のまた別の側面は、澱粉基質を含むスラリーに少なくとも1のα-アミラーゼを接触させる工程と、澱粉基質を少なくとも1のトリコデルマ・リーゼイ由来グルコアミラーゼ(TrGA)及び少なくとも1のフィターゼを発酵性糖が産出される条件下で接触させる工程であって、フィターゼがSEQ ID NO: 5のアミノ酸配列に対し少なくとも90%の相同性を有する工程と、エタノールおよび/またはDDGSが産出される条件下で発酵性有機体の存在下で発酵性糖を発酵させる工程とにより、DDGS中のフィチン酸を減少させる方法に関する。
いくつかの実施形態では、澱粉基質と少なくとも1のグルコアミラーゼ及び少なくとも1のフィターゼとの接触と、発酵性有機体の存在下での発酵性糖の発酵とを、同時に進行させる。いくつかの実施形態では、フィターゼはSEQ ID NO: 5のアミノ酸配列に対し少なくとも95%の相同性を有するとともにアミノ酸位置92にアラニンを備える。いくつかの実施形態では、フィターゼは野生型ブティアウクセラ属由来フィターゼ(BP-WT)、またはBP-11及びBP-17から選択される変異体である。
またこの発明には、グルコアミラーゼとフィターゼのブレンド物を含む、単一の組成物が含まれる。このブレンド物は、糖添加プロセスの予備糖化工程、糖化工程、および/または糖化/発酵組合せ工程において添加される。
以下、この発明の様々な側面について詳しく説明する。
コーンの酵母発酵において、異なる濃度のBP- 17フィターゼを含む酵素組成物を用いて製造したDDGS中の遊離リン含有量を表わす図である。
<配列の簡単な説明>
SEQ ID NO: 1は、トリコデルマ・リーゼイグルコアミラーゼ(TrGA)のアミノ酸配列である。
SEQ ID NO: 2は、TrGAの1〜453残基に相当する触媒ドメインのアミノ酸配列である。
SEQ ID NO: 3は、TrGAの453〜491残基に相当するリンカー領域のアミノ酸配列である。
SEQ ID NO: 4は、TrGAの492〜599残基に相当する澱粉結合ドメインのアミノ酸配列である。
SEQ ID NO: 5は、ブティアウクセラ由来フィターゼの成熟タンパク質配列のアミノ酸配列である。
SEQ ID NO: 6は、ブティアウクセラ由来フィターゼ変異体D92Aの成熟タンパク質配列のアミノ酸配列である。
SEQ ID NO: 7は、ブティアウクセラ由来フィターゼ変異体BP-11の成熟タンパク質配列のアミノ酸配列である。
SEQ ID NO: 8は、ブティアウクセラ由来フィターゼ変異体BP-17の成熟タンパク質配列のアミノ酸配列である。
DETAILED DESCRIPTION
<I. はじめに>
この発明の組成物及び方法は、例えば動物飼料用のDDGS製造等の澱粉転化プロセス、またはエタノール等の有機化合物を製造する発酵プロセスにおいて使用することができる、グルコアミラーゼと、少なくとも1のフィターゼとを含む酵素ブレンド物に関する。
この発明の組成物及び方法は、糖化、発酵、および/または、同時糖化・発酵(SSF)においてフィチン酸を低減させるために用いることができ、この結果、発酵産品または副生物(例えばDDGS及び希スティレッジ)中のフィチン酸が低減する。
いくつかの実施形態では、フィターゼはブティアウクセラ属由来フィターゼ、またはその変異体である。いくつかの実施形態では、フィターゼのSEQ ID NO: 5に対する配列相同性は少なくとも90%であり、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%であり、最大100%である。
いくつかの実施形態では、フィターゼのSEQ ID NO: 5に対する配列相同性は少なくとも90%であり、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%で、最大100%であり、さらに位置92にアラニンを備える。
いくつかの実施形態では、フィターゼのSEQ ID NO: 5に対する配列相同性は少なくとも90%であり、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%で、最大100%であり、さらに位置92にアラニンを備え、さらに、次のアミノ酸の少なくともいずれか1を備える:位置89のスレオニン、位置134のイソロイシン、位置174のセリン、位置186のリジン、位置188のプロリン、位置207のグルタミン酸、位置209のセリン、位置248のロイシン、位置256のチロシン、位置261のグルタミン酸、位置269のリジン。
いくつかの実施形態では、フィターゼは次のアミノ酸置換基の少なくともいずれか1を備える:A89T、T134I、F174S、T186K、A188P、K207E、A209S、S248L、Q256Y、A261E、及びN269K、さらにD92A置換を備えるか、または備えない。
いくつかの実施形態では、フィターゼは野生型ブティアウクセラ由来フィターゼ、またはBP-11変異体またはBP-17変異体である。
いくつかの実施形態では、フィターゼは野生型ブティアウクセラ由来フィターゼの活性に対し少なくとも約50%の活性を有し、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%の活性を有する。
いくつかの実施形態では、グルコアミラーゼを糸状菌から得る。特定の実施形態では、グルコアミラーゼはトリコデルマ・リーゼイ由来グルコアミラーゼ (TrGA; SEQ ID NO: 1) に対し少なくとも約90%の配列相同性を有し、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の配列相同性を有し、最大100%の配列相同性を有する。
以下、この発明の組成物及び方法について詳しく説明する。
<II.定義>
特に断りの無い限り、この発明の組成物及び方法の製造や使用には、分子生物学、タンパク質工学、DNA組み換え技術、微生物学、細胞生物学、細胞培養、トランスジェニック生物学、免疫学、タンパク質精製,等で周知の技術が用いられる。これらの技術は当業者にとって周知であり、多数の文献等に記載されている。本願に特定の方法や材料を例示したが、同等または等価の方法や材料を用いてこの発明の組成物及び方法の製造や使用を行うことができる。
特に断りの無い限り、全ての技術用語及び科学用語は、通常の意味に従う。以下の用語について、その意味を明確にするために定義する。
「アルファ-アミラーゼ」とは、澱粉 (例えばアミロペクチンまたはアミロースポリマー) 中の内部α-1,4-グリコシド結合を開裂または加水分解することができるα-1,4-グルカン-4-グルカノヒドロラーゼ(E.C. 3.2.1.1)を意味する。
「粒状澱粉加水分解性(GSH)酵素」及び「粒状澱粉加水分解(GSH)活性を有する酵素」とは、粒状の澱粉を加水分解する能力を有する酵素を意味する。
「機能的等価物」とは、例えば酵素等の分子であって、別の分子と同じ機能特性(例えば酵素活性)を有する分子を意味する。
酵素 (例えばα-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、酸性菌類プロテアーゼ、フィターゼ等) について「変異体」という用語を用いるときは、親酵素に由来するが、親酵素との比較において1以上のアミノ酸の置換、挿入、または欠失を有する酵素を意味する。この用語には、ハイブリッド化された形態の酵素も含まれ、例えば、このような酵素は1種類のバシラス(Bacillus)属(例えばB. リケニホルミス) 由来のC-末端と、別のバシラス属(例えばB. ステアロサーモフィリス) 由来のN-末端を備え、またはこの逆を備える。変異体は親酵素との比較において1以上の性質が改変されている。このような改変された性質として、改善された熱安定性、改善されたタンパク質分解安定性、改善された比活性、より広範な基質特異性、より広いpH範囲での活性発現、阻害(例えば基質)に対する耐性、またはこれらの組合せが挙げられる。
「親酵素」とは、修飾の出発点として用いられる酵素を意味する。親酵素として天然起源または「野生型」の酵素を用いることができる。
「液化」または「液化する」というときは、澱粉をより短鎖で低粘度のデキストリンに転化するプロセスを意味する。
「デキストリン」とは、グルコースのより短鎖のポリマー (例えば2から10ユニット) を意味する。
「澱粉」とは、式(C6H10O5)xで表わされる (xは任意の数) 多糖炭水化物 (アミロース及びアミロペクチン) の複合体から成る物質を意味する。
「粒状澱粉」とは未加工の澱粉、すなわちゼラチン化が生じる温度に曝されていない澱粉を意味する。
本願では「糖化酵素」及び「グルコアミラーゼ」を同義で用い、澱粉、関連するオリゴ糖、及び多糖の非還元性末端からのD-グルコースの放出を触媒することができる酵素を意味する。
「オリゴ糖」とは、2から10の単糖ユニットがグリコシド結合により結合した分子を意味する。単糖は、グルコースおよび/またはその他の糖である。オリゴ糖には、デキストリンと澱粉が含まれる。
「発酵性糖」とは、発酵性有機体により発酵させることができる糖を意味する。発酵性糖にはオリゴ糖とデキストリンが含まれるが、これらに限定されない。
「デキストリン等価」または「DE」とは、D-グルコースの乾燥重量として求められる、全還元糖の量を測定するための工業規格を意味する。加水分解されていない粒状澱粉のDEは実質的に0であり、D-グルコースのDEは100である。
「全糖含量」とは、澱粉組成物中に存在する全糖類の含量を意味する。「全糖含量」は、プロセスにおける様々な時間及び場所で測定することができる。
「乾燥固体」または「ds」とはスラリー中の全固形成分の量を意味し、乾燥重量に基づくパーセンテージで表わされる。
アミノ酸配列またはヌクレオチド配列に関して「配列相同性パーセント(%)」というときは、ある配列中のアミノ酸残基またはヌクレオチドが、別の配列中のアミノ酸残基またはヌクレオチドと同一である割合を意味し、対比する配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入して最善のアライメント(すなわち最大の配列相同性%)が得られるように整列させることにより求められる。配列相同性を求める際、同類置換は考慮しない。配列のアライメント及び配列相同性を求める方法は公知であり、過度な実験を行うことなく信頼できる値を得ることができる。
配列を整列させて配列相同性を求めるための様々な解法が知られており、非限定的例示としてNeedleman et al., (1970) /. Mol. Biol. 48:443の相同配列解法;Smith et al, (1981) Adv. Appl. Math. 2:482のローカル相同解法;Pearson et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444の類似性検索法;Smith-Waterman解法 (1997) Meth. Mol. Biol. 70:173-187;BLASTP, BLASTN,及びBLASTX 解法 (Altschul et al., (1990) /. Mol. Biol. 215:403-410参照) が挙げられる。
これらの解法を用いたコンピュータプログラムを理由することもできる。このようなコンピュータプログラムの非限定的例示として、ALIGN または Megalign (DNASTAR) ソフトウエア、またはWU-BLAST-2 (例えばAltschul et al. (1996) Meth. Enzym. 266:460-480参照);またはGAP, BESTFIT, BLAST (例えば上記のAltschul et al, FASTA, 及びTFASTA参照、これらはGenetics Computing Group (GCG)パッケージ、Version 8, Madison, Wis., USAから入手できる);及びIntelligenetics, Mountain View, CA, USA のPC/Geneプログラム中のCLUSTALが挙げられる。
比較する各配列の全長にわたり最大のアライメントを得るためのアルゴリズムを含め、アライメントを測定するための適切なパラメータを決める方法は、当業者にとって公知である。いくつかの実施形態では、プログラムに初期設定されたパラメータを用いて配列の相同性を求めることができる。
いくつかの実施形態では、Smith-Waterman相同性検索アルゴリズム(例えば(1997) Meth. Mol. Biol. 70:173-187参照) により配列の相同性を求めることができる。このアルゴリズムはMSPRCHプログラム (Oxford Molecular, Accelrys Ltd., Oxford England)において実施されており、このプログラムでは次の検索パラメータによるアフィンギャップ検索を用いている: ギャップオープンペナルティ12、及びギャップ延長ペナルティ1。
いくつかの実施形態では、対合させたアミノ酸の対比は、ギャップウエイトが12でレングスウエイトが2のblosum62アミノ酸置換マトリックスを用いるGenetics Computer Group, Inc., Madison, Wis.のGCG配列分析ソフトウエアパッケージのGAPプログラムを用いて行うことができる。
いくつかの実施形態では、2つのアミノ酸配列の最適なアライメントに関して、変異体のアミノ酸配列の接触セグメントは、参照するアミノ酸の配列に対し少なくとも1の追加のアミノ酸残基、または少なくとも1のアミノ酸残基の欠失を有する。
参照するアミノ酸の配列との比較に用いられる接触セグメントには少なくとも約20の接触アミノ酸残基が含まれ、あるいは少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50またはそれ以上の接触アミノ酸残基が含まれていてもよい。誘導体のアミノ酸配列にギャップを含めることに伴う増加された配列相同性の補正は、ギャップペナルティを指定することにより行うことができる。
所与の核酸配列をGENBANKTM DNA配列データベースや他の公知のデータベース中の核酸配列に対し評価するときは、通常BLASTNプログラムを用いて配列検索を行う。
いくつかの実施形態では、GENBANKOTMタンパク質配列や他の公知のデータベース中のアミノ酸配列に対する全てのリーディングフレームについて翻訳された核酸配列の検索には、BLASTXプログラムが好ましい。BLASTN及びBLASTXのいずれも、初期パラメータの設定をオープンギャップペナルティ11.0、延長ギャップペナルティ1.0とし、BLOSUM-62マトリックス(例えばAltschul et al. (1997)参照) を用いてプログラムを実行する。
選択した配列のアライメントは、2以上の配列の間の同一性% (この用語は、相同性%と同義で用いる)の決定に用いられる。いくつかの実施形態では、初期パラメータの設定をオープンギャップペナルティ10.0、延長ギャップペナルティ0.1とし、BLOSUM-30類似性マトリックスにより作動するMac Vector version 6.5中のCLUSTAL-Wプログラムを用いる。
「粉砕された」とは、例えば製粉、破砕、分級等の粒子サイズを小さくする手段または選別する手段によりサイズを小さくされた植物性物質を意味する。この用語には、湿式及び乾式粉砕が含まれる。「乾式粉砕」とは乾燥全粒の粉砕を意味し、「湿式粉砕」とは穀粒を柔らかくするために先ず水に浸する(すなわち含浸する)プロセスを意味する。
「ゼラチン化」とは、通常、高温加熱処理により澱粉分子を可溶化して、粘性の懸濁液にすることを意味する。
「ゼラチン化温度」とは、澱粉を含む基質のゼラチン化が始まる温度を意味する。いくつかの実施形態では、「ゼラチン化温度」は澱粉を含む基質のゼラチン化が始まる最も低い温度を意味する。実際のゼラチン化温度は、その澱粉固有の形態、及び植物の種類、環境条件、成長条件、その他の要因に依存する。
「ゼラチン化温度未満」とは、ゼラチン化温度より低い温度を意味する。
「スラリー」とは、不溶性固形分(例えば粒状澱粉)を含む水性混合物を意味する。
「発酵」とは、有機物質を微生物により酵素分解して、より単純な有機化合物を産出させることを意味する。発酵は嫌気性の条件下で生じるが、発酵は酸素の存在下でも生じるため(例えば微好気性やその他の条件下)、嫌気性条件のみに限定することは意図していない。
「同時糖化及び発酵」または「SSF」とは、最終製品を製造するプロセスにおいて、例えばエタノールを産出する微生物等の発酵性有機体と、例えば糖化酵素等の酵素の少なくとも1とを、同一の工程において同一の容器内で組み合わせることを意味する。
「希スティレッジ」とは、固形成分から(例えば濾過または遠心分離により)分離されたスティレッジの液体成分であって、懸濁した微粒子と可溶成分を含む液体成分を意味する。「バックセット」とは、通常、リサイクルされた希スティレッジを意味する。
「最終製品」とは、炭素源から誘導された製品であって、発酵性の基質から酵素により転化された製品を意味する。いくつかの実施形態では、最終製品はアルコール(例えばエタノール)である。
「由来する」という用語の意義には、「に起源する」、「から得られた」、「から得ることができる」、及び「から単離された」が含まれる。
「発酵性有機体」とは、最終製品を直接または間接的に産出させるための発酵に好適に使用できる微生物または細胞を意味する。いくつかの実施形態では発酵性有機体は真核性(例えば菌類)であり、別の実施形態では原核性(例えばバクテリア)である。
「エタノール産出体」または「エタノール産出微生物」とは、単糖またはオリゴ糖からエタノールを産出することができる発酵性有機体を意味する。
「回収された」、「単離された」、及び「分離された」とは、他の成分と天然に結合されている状態から除去されたタンパク質、細胞、核酸、またはアミノ酸を意味する。
「タンパク質」及び「ポリペプチド」は同義で用いられ、ペプチド結合により結合されたアミノ酸残基の連なりを意味する。本願では、アミノ酸残基について従来用いられている1文字コード及び3文字コードの両者を用いる。アミノ酸の3文字コードは、生化学命名法に関しIUPAC-IUB合同委員会(JCBN)で定義されているアミノ酸の3文字コードに従う。遺伝子コードの退縮により1つのポリヌクレオチドは1つ以上の核酸配列によりコードされることは知られている。特に断りの無い限り、アミノ酸の配列は左側がアミノ基で右側がカルボキシル基となるように記載する。
「フィターゼ」とは、フィチン酸塩等のリン酸エステルの加水分解を触媒して、無機リンとイノシトールを放出させることができる酵素を意味する。いくつかの実施形態では、フィターゼはフィチン酸塩のほかに、中程度にリン酸化した少なくとも1のイノシトール-リン酸塩を加水分解することができる。
「野生型」とは天然(自然)のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを意味する。野生型という用語を、「親」または「親配列」と同義で用いる場合がある。
「接触させる」及び「曝す」とは、少なくとも1の酵素とその酵素が対象とする基質とを、酵素がその基質を少なくとも1の最終製品に転化させることができる程度に十分近接させることを意味する。最終製品は「対象とする製品」(すなわち、発酵反応の目的物である最終製品)である。「接触させる」という用語には、酵素を含む溶液にその酵素が対象とする基質を混合することも含まれる。
特に断りの無い限り、原文の"a", "an,"及び"the"等の単数形には、複数形も含まれる。すなわち、原文で"a compound"を含む組成物というときは、2以上の化合物を含む組成物も含まれる。特に断りの無い限り、「または」というときは「および/または」も含まれる。
文中の見出しは便宜上のものであり、見出しに続く記載は本願の他の部分にも適用される。列挙された生物種及び範囲は、適切な言葉または但し書きにより明確に含まれ、または除外される。
数値範囲には、その範囲を規定する数値も含まれる。数値範囲が記載されているとき、(文脈上そうはでないことが明らかではない限り)上限値と下限値の間の数値が、下限値の単位の十分の一まで開示されているものとする。より狭い数値範囲の上限値と下限値も独立して数値範囲に含まれ、または含まれない。
本願に記載された全ての特許、特許出願、記事、及び刊行物は、参照として本願に組み込まれる。
<III.実施形態>
<A. グルコアミラーゼ>
本願の組成物及び方法には、様々なグルコアミラーゼ(GA) (E.C. 3.2.1.3) を用いることができる。
いくつかの実施形態では、GAはバクテリア、植物、および/または菌類により内生的に発現され、別の実施形態では、GAは宿主細胞 (例えばバクテリア、植物、および/または菌類) に対し非相同性である。いくつかの実施形態では、GAは糸状菌及び酵母株から産出され、例えば市販のGAはアスペルギルス属及びトリコデルマ属の株から産出されている。
好ましいGAには、天然の野生型酵素のほか、変異体やハイブリッドGA等の遺伝子組み換え突然変異酵素が含まれる。ハイブリッドGAには、1の有機体由来のGA (例えばタラロミセス属由来GA) の触媒ドメインと、別の有機体由来のGA (例えばトリコデルマ属由来GA) の澱粉結合ドメイン(SBD) とを備えるものが含まれる。いくつかの実施形態では、リンカーは澱粉結合ドメイン(SBD)または触媒ドメインに含まれている。
以下にこの発明で用いられるGAの例を示す:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のG1及びG2 GA (例えばBoel et al. (1984) EMBO J. 3:1097-110; WO 92/00381, WO 00/04136 及び USP 6,352,851参照);アスペルギルス・アワモリ (Aspergillus awamori)のGA (例えばWO 84/02921参照);アスペルギルス・オリザエ (Aspergillus oryzae)のGA (例えばHata et al. (1991) Agric. Biol. Chem. 55:941-949参照)、及びアスペルギルス・シロウサミ(Aspergillus shirousami)のGA (例えばChen et al. (1996) Prot. Eng. 9:499-505; Chen et al. (1995) Prot. Eng. 8:575-582; 及び Chen et al. (1994) Biochem J. 302:275-281参照)。
別のGAの例には、タラロミセス属株から得られるもの (例えばT. エマーソニー(emersonii)、 T.レイセッタナス(leycettanus)、T. デュポンチ(duponti)、及びT. サーモフィラス(thermophilus) (例えばWO 99/28488; U.S. Pat. No. RE 32,153; U.S. Pat. No. 4,587,215参照);トリコデルマ属株から得られるもの (例えばT. リーゼイ); リゾパス(Rhizopus)属株から得られるもの (例えばR. ニベウス(niveus)及びR. オリザエ(oryzae)); ムコール(Mucor) 属株及びフミコーラ 属株から得られるもの(例えばH. グリセア(grisea) (例えばBoel et al. (1984) EMBO J. 3:1097- 1102; WO 92/00381; WO 00/04136; Chen et al. (1996) Prot. Eng. 9:499-505; Taylor et al. (1978) Carbohydrate Res. 61:301-308; U.S. Pat. Nos. 4,514,496, 4,092,434, 及び4,618,579; Jensen et al. (1988) Can. J. Microbiol. 34:218-223; 及びWO 2005/052148のSEQ ID NO: 3参照);及び、U.S. Pat. Pub. No. 2006-0094080に開示されたSEQ ID NO: 4に対し相同性を少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95% 有するGAが含まれる。
いくつかの実施形態では、GAはWO 05/052148に開示されたSEQ ID NO: 3に対し相同性を少なくとも約85%有し、あるいは少なくとも約90%、少なくとも約92%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、および少なくとも約99%有する。
この発明に用いられる別のGAには、アセリア・ロルフシイ(Athelia rolfsii)及びその変異体(例えばWO 04/111218参照)、及びペニシリウム属 (例えばペニシリウム・クリソゲヌム(chrysogenum))が含まれる。
この発明に用いられる市販のGAの非限定的例示としてDISTILLASETM, OPTIDEXTM L-400 及び G ZYMETM G990 4X, GC480, G- ZYME 480, FERMGENTM 1-400 (Danisco US, Inc社, Genencor Division) CU.CONCTM (Shin Nihon Chemicals社, Japan), GLUCZYME (Amano Pharmaceuticals社, Japan (例えばTakahashi et al. (1985) /. Biochem. 98:663-671)参照) が挙げられる。この発明に用いられる別のGAには、リゾパス属により生成物された3つの形態のGA (E.C.3.2.1.3)、すなわち"Gluc1" (MW 74,000), "Gluc2" (MW 58,600), 及び"Gluc3" (MW 61,400)が含まれる。
一般に、適切なGAであれば、この発明の組成物及び方法に用いることができる。
トリコデルマ・リーゼイ由来GA (TrGA)の成熟アミノ酸配列(SEQ ID NO: 1)を下記に示す。このアミノ酸配列には599のアミノ酸が含まれており、触媒ドメイン(SEQ ID NO: 2)は下線を付した残基1-453に相当し、リンカー領域(SEQ ID NO: 3)は残基453-491に相当し、澱粉結合ドメインSEQ ID NO: 4 (イタリックで示す)は残基492-599に相当する。
<トリコデルマ・リーゼイグルコアミラーゼ(TrGA)の成熟タンパク質の配列 (SEQ ID NO: 1)>
Figure 2011512873
いくつかの実施形態では、GA はSEQ ID NO: 1 または 2のアミノ酸配列に対し配列同一性を少なくとも約85%有し、あるいは少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%有する。いくつかの実施形態では、GAはU.S. Pat. No. 7,413,887に開示されたTrGAである。
<B. フィターゼ>
本願の組成物及び方法には、様々なフィターゼを用いることができる。
有用なフィターゼは、本願に特定する糖化、発酵、および/または同時糖化発酵条件下でフィチン酸を加水分解することができるフィターゼである。
いくつかの実施形態では、この発明の組成物と方法には、糖化および/またはSSFにおいて少なくとも1のフィターゼを添加することが含まれ、フィターゼはイノシトール6リン酸(例えばフィチン酸)から少なくとも1の無機リンを放出させることができる。
フィターゼは、加水分解を生じさせるフィチン酸塩分子中のリン酸エステル基の特異的位置に対する選択性により分類される(例えば3-フィターゼ(EC 3.1.3.8) または6-フィターゼ (EC 3.1.3.26))。いくつかの実施形態では、フィターゼはミオ-イノシトール-ヘキサキフォスフェート-3- ホスホヒドロラーゼとして知られているものである。しかし、この発明の組成物及び方法では、任意の適切な起源(例えば菌類および/またはバクテリア) に由来するフィターゼを使用することができる。
いくつかの実施形態では、フィターゼはブティアウクセラ(Buttiauxiella)属から得られ、例えばB. アグレスチス(agrestis)、 B. ブレンネラエ(brennerae)、B. フェラグチアセ(ferragutiase)、B. ガビニアエ(gaviniae)、B. イザルディイ(izardii)、B. ノアキアエ(noackiae)、またはB. ウォ−ムボルディアエ(warmboldiae) から得られる。
ブティアウクセラ属の株はDSMZ, the German National Resource Center for Biological Material (Inhoffenstrabe 7B, 38124 Braunschweig, Germany) 及びその他の保存場所から入手できる。いくつかの実施形態では、フィターゼは寄託番号NCIMB 41248で保管されているブティアウクセラ属株P 1-29から産出される。
いくつかの実施形態では、フィターゼは、下記のSEQ ID NO: 5に示すアミノ酸配列を備えるブティアウクセラ属由来のフィターゼに対し配列同一性を少なくとも約75%有し、あるいは少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約91%,、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%有する。
<ブティアウクセラ由来フィターゼの成熟タンパク質の配列(SEQ ID NO: 5)>
Figure 2011512873
いくつかの実施形態では、下記のSEQ ID NO: 6に示すアミノ酸位置92にアラニンを有するブティアウクセラ属由来のフィターゼに対し配列同一性を少なくとも約75%有し、あるいは少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約88%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%有する。
<ブティアウクセラ由来フィターゼ変異体D92Aの成熟タンパク質の配列(SEQ ID NO: 6)>
Figure 2011512873
いくつかの実施形態では、フィターゼは下記に示すSEQ ID NO: 7のアミノ酸配列を有するブティアウクセラ由来フィターゼ変異体BP-11である。BP-11は、野生型酵素(SEQ ID NO: 5)のアミノ酸配列に対し、アミノ酸残基A89, T134, F174, T186, A188, K207, A209, S248, Q256, A261, 及びN269の置換を有する。特有の置換は、A89T, T134I, F174S, T186K, A188P, K207E, A209S, S248L, Q256Y, A261E,及びN269Kである。
<ブティアウクセラ由来フィターゼ変異体BP-11の成熟タンパク質配列(SEQ ID NO: 7)>
Figure 2011512873
いくつかの実施形態では、フィターゼはSEQ ID NO: 5に示し、位置92にアラニン(SEQ ID NO: 6に示す)を有し、及び位置89のスレオニン、位置134のイソロイシン、位置174のセリン、位置186のリジン、位置188のプロリン、位置207のグルタミン酸、位置209のセリン、位置248のロイシン、位置256のチロシン、位置261のグルタミン酸、位置269のリジンのアミノ酸の内の少なくとも1を有するアミノ酸配列に対し、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、および少なくとも約99%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、フィターゼはSEQ ID NO: 5に示し、A89T, D92A, T134I, F174S, T186K, A188P, K207E, A209S, S248L, Q256Y, A261E, 及びN269Kの内の少なくとも1のアミノ酸変異を備えるアミノ酸配列に対し少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、および少なくとも約99%の配列同一性を有する。
いくつかの実施形態では、フィターゼは下記に示すSEQ ID NO: 8のアミノ酸配列を有するブティアウクセラ由来フィターゼ変異体BP- 17である。BP- 17は野生型酵素(SEQ ID NO: 5)の配列に対し、アミノ酸残基A89, D92, T134, F174, T1 86, A1 88, K207, A209, S248, Q256, A261, 及びN269の置換を有する。特有の置換はA89T, D92A, T134I, F174S, T186K, A188P, K207E, A209S, S248L, Q256Y, A261E, 及びN269Kである。
<ブティアウクセラ由来フィターゼ変異体BP- 17の成熟タンパク質配列(SEQ ID NO: 8)>
Figure 2011512873
いくつかの実施形態では、フィターゼはSEQ ID NO: 5に対し少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、および少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列の断片であり、この断片は少なくとも350アミノ酸、少なくとも375アミノ酸、または少なくとも400アミノ酸から成る。
いくつかの実施形態では、この断片はフィターゼ活性を示す。いくつかの実施形態では、この断片はSEQ ID NO: 5のフィターゼのフィターゼ活性を少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%有する。
ブティアウクセラ属由来のフィターゼを含め、適切なフィターゼを特定する方法は公知である(例えばWO 06/ 043178参照)。
<C. 第2の酵素及び成分>
この発明の組成物と方法には、任意に第2の酵素が含まれていてもよく、第2の酵素の非限定的例示としてα-アミラーゼ、酸菌類プロテアーゼ、別のGA、別のフィターゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、 プロテアーゼ、プルラナーゼ、ベータアミラーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、 ペクチナーゼ、β-グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、エステラーゼ、シクロデキストリントランスグリコシルトランスフェラーゼ(CGTases)、オキシド-リダクターゼ、エステラーゼ、β-アミラーゼ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態では、第2の酵素は、上記のGAのうちのいずれかの第2のGAである。いくつかの実施形態では、別の酵素は、上記の細菌性または菌類フィターゼ等の第2のフィターゼである。
いくつかの実施形態では、第2の酵素は酸安定性α-アミラーゼ等のα-アミラーゼであり、有効量を添加したとき、pHが約3.5から6.5の範囲を含め、pHが約3.0から約7.0の範囲で活性を示す。この発明で用いられるα-アミラーゼの非限定的例示として菌類α-アミラーゼまたはバクテリア性α-アミラーゼが挙げられる。いくつかの実施形態では、α-アミラーゼは野生型α-アミラーゼ、その変異体または断片である。または、α-アミラーゼは例えば1の酵素の触媒ドメインと別の酵素の澱粉結合ドメインに由来するハイブリッドα-アミラーゼである。α-アミラーゼには酸安定性α-アミラーゼ、及び粒状澱粉加水分解活性(GSHE)を有するα-アミラーゼが含まれる。
いくつかの実施形態では、α-アミラーゼには糸状菌株から得られるα-アミラーゼが含まれ、このような糸状菌株の非限定的例示として アスペルギルス属 (例えばA.ニガー、A. カワチ(kawachi)、及びA.オリザエ(oryzae));トリコデルマ属、リゾパス属、ムコール属、及びペニシリウム属の株が挙げられる。
いくつかの実施形態では、α-アミラーゼはアスペルギルス・カワチ株またはトリコデルマ・リーゼイ株から得られる。いくつかの実施形態では、α-アミラーゼはTrAAまたはAkAA等のGSHEである。いくつかの実施形態では、α-アミラーゼはA.カワチ及びA.ニガーから得られた酵素に由来する断片からなるハイブリッド酵素である。
第2の酵素として有用な別のα-アミラーゼには、バシラス(例えばB.リケニホルミス(licheniformis)、B.レンタス(lentus)、B.コーギュランス(coagulans)、B.アミロリケファシエンス(amyloliquefaciens)、B.ステアロサーモフィリス(stearothermophilus)、B.スブチリス(subtilis))等のバクテリアから得られる酵素、及びこれらのハイブリッド、突然変異体、及び変異体 (例えばU.S. Pat Nos. 5,763,385, 5,824,532, 5,958,739, 6,008,026, and 6,361,809参照) が含まれる。
これらのアミラーゼのいくつかは市販されており、例えばNovo Nordisk A/S社のTERMAMYLTM, LIQUEZYMETM SC,及びSUPRATM、Diversa社のULTRATHINTM、及びDanisco US, Inc社, Genencor DivisionのSPEZYMETM FRED, SPEZYMETM XTRA, 及びGZYMETM G997が挙げられる。
いくつかの実施形態では、第2の酵素はセルラーゼである。セルラーゼは、セルロース(β-1, 4-D-グルカン結合体)および/またはリン酸膨潤セルロース等の、セルロースの誘導体を加水分解する酵素である。セルラーゼには、エクソ-セロビオヒドロラーゼ(CBH)、エンドグルカナーゼ(EG)、及びβ-グルコシダーゼ(BG) (EC3.2.191, EC3.2.1.4 及びEC3.2.1.21)が含まれる。
好ましいセルラーゼの非限定的例示としてペニシリウム、トリコデルマ、フミコーラ、フザリウム(Fusarium)、サーモモノスポラ(Thermomonospora)、 セルロモナス(Cellulomonas)、クロストリジウム(Clostridium)、及びアスペルギルス由来のセルラーゼが挙げられる。市販の飼料用のセルラーゼとして、ROVABIOTM (Adisseo社), NATUGRAINTM (BASF社), MULTIFECTTM BGL (Danisco Genencor社), and ECONASETM (AB Enzymes社)等のβ-グルカナーゼが挙げられる。
いくつかの実施形態では、第2の酵素はキシラナーゼである。キシラナーゼ(例えばエンド-β-キシラナーゼ (E.C. 3.2.1.8))は、キシランの主鎖を加水分解する。好ましいキシラナーゼには、バクテリアから得られるキシラナーゼ (例えばバシラス、ストレプトミセス、クロストリジウム、アシドサーマス(Acidothermus)、ミクロテトラプソラ(Microtetrapsora)、及び サーモノスポラ(Thermonospora))、及び菌類から得られるキシラナーゼ (例えばアスペルギルス、トリコデルマ、ニューロスポラ(Neurospora)、フミコーラ、ペニシリウム、及びフザリウム (例えばEP 473 545, U.S. Pat No. 5,612,055, WO 92/06209, 及び WO 97/20920参照) が含まれる。
市販のキシラナーゼとして、MULTIFECTTM 及び FEEDTRE ATTM Y5 (Danisco US, Inc社. Genencor Division)、 RONOZYMETM WX (Novozymes A/S社)、及びNATUGRAINTMWHEAT (BASF社)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、第2の酵素はプロテアーゼである。いくつかの実施形態では、プロテアーゼはバシラス(例えばB.アミロリケファシエンス、B.レンタス、B.リケニホルミス、及びB.スブチリス) に由来する。これらの酵素には、スブチリシン(例えばU.S. Pat. No. 4,760,025参照) が含まれる。
好ましい市販のプロテアーゼとして、MULTIFECTTM P 3000 (Danisco US, Inc社. Genencor Division) とSUMIZYMETM FP (Shin Nihon) が挙げられる。
いくつかの実施形態では、プロテアーゼは菌類(例えばトリコデルマNSP-24、アスペルギルス、フミコーラ、及びペニシリウム)に由来する。いくつかの実施形態では、プロテアーゼは酸性菌プロテアーゼ(AFP)であり、非限定的例示としてA.ニガー、A.アワモリ、 A.オリザエ、及びM.ミエヘイ等のアスペルギルス、トリコデルマ、ムコール、及びリゾパス属由来のプロテアーゼが挙げられる。
プロテアーゼは、バクテリア、植物、及び菌類の非相同または内因性タンパク質発現により得られる。プロテアーゼには、天然の野生型プロテアーゼとその変異体、及びU.S. Pat. No. 7,429,476に開示されているような遺伝子組み換え突然変異プロテアーゼが含まれる。
いくつかの実施形態では、第2成分は少なくとも1の発酵性有機体である。
<IV. 組成物>
この発明の組成物及び方法の一側面は、少なくとも1のグルコアミラーゼと少なくとも1のフィターゼを含む酵素のブレンド物または配合物からなる組成物である。いくつかの実施形態では、フィターゼはブティアウクセラ属フィターゼである。特定の実施形態では、フィターゼはBP-WT、BP-11、またはBP-17フィターゼである。いくつかの実施形態では、フィターゼはSEQ ID NO: 5に対し配列同一性を少なくとも約90%有する。
いくつかの実施形態では、フィターゼはSEQ ID NO: 5に対し配列同一性を少なくとも約85%有し、あるいは少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有し、任意に位置92にアラニンを有する。さらに、フィターゼは本願に開示するその他の突然変異を備えていてもよい。
いくつかの実施形態では、本願の組成物の酵素成分は、少なくとも2種の酵素が混合されてなるブレンド配合物である。いくつかの実施形態では、本願の組成物は適切な酵素配合物中に配合されたGA及びフィターゼから成る。いくつかの実施形態では、配合された酵素組成物には予め決められた特定の比率のGA及びフィターゼと、任意成分の第2の酵素とが含まれる。いくつかの実施形態では、酵素成分を1以上の工程において個別に添加して、2種の酵素から成る組成物を調製する。このとき、組成物の各成分の比率を一定に維持しながら徐々に添加するか、または各成分を同時に添加する。
いくつかの実施形態では、使用するフィターゼの量は約0.01から約10 FTU/gであり、例えば約0.01, 0.02, 0.03, 0.04, 0.05, 0.06, 0.07, 0.08, 0.09, 0.1, 0.11, 0.12, 0.13, 0.14, 0.15, 0.16, 0.17, 0.18, 0.19, 0.2, 0.25, 0.28, 0.3, 0.35, 0.4, 0.45, 0.5, 0.55, 0.6, 0.65, 0.7, 0.75, 0.8, 0.85, 0.9, 0.95, 1.0, 1.1, 1.5, 1.8, 2, 2.5, 3, 3.5, 4, 4.5, 5, 5.5, 6, 6.5, 7, 7.5, 8, 8.5, 9, 9.5, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 及び 20 FTU/gである。
これより多い量のフィターゼを用いることもできる。いくつかの実施形態では、使用するフィターゼの量は約0.01から約1.0 FTU/gである。いくつかの実施形態では、使用するフィターゼの量は少なくとも約0.01 FTU/gであり、少なくとも約0.02, 0.03, 0.04, 0.05, 0.06, 0.07, 0.08, 0.09, 0.1, 0.11, 0.12, 0.13, 0.14, 0.15, 0.16, 0.17, 0.18, 0.19, 0.2, 0.25, 0.28, 0.3, 0.35, 0.4, 0.45, 0.5, 0.55, 0.6, 0.65, 0.7, 0.75, 0.8 FTU/gが含まれる。
<V. 使用方法>
この発明の組成物及び方法の別の側面は、澱粉転化プロセスの糖化、発酵、および/またはSSF工程においてグルコアミラーゼをフィターゼと組み合わせて用いる方法に関し、この方法により、従来の方法と比較してフィチン酸の少ない最終製品および/または副生物が得られる。いくつかの実施形態では、この方法では糖化、発酵、および/またはSSF工程の前に少なくとも1の液化工程が行われる。いくつかの実施形態では、この方法により、従来の方法と比較してフィチン酸の少ないDDGSが得られる。いくつかの実施形態では、この方法によりエタノールが得られ、従来の方法と比較してフィチン酸の少ない希スティレッジが得られる。
この発明の方法では、様々なタイプの植物原料を用いることができる。いくつかの実施形態では、植物原料は穀物である。いくつかの実施形態では、植物原料は小麦、コーン、ライ麦、ソルガム (例えばミロ)、米、キビ、大麦、ライ、キャッサバ (例えば、タピオカ)、ジャガイモ、サツマイモ、砂糖ビート、サトウキビ、例えば大豆、エンドウ豆等の豆類、及びこれらの組み合わせから選択される。植物原料には、ハイブリッド植物品種と遺伝子組み換え植物品種 (例えば非相同遺伝子を含むトランスジェニックコーン、大麦、または大豆等) が含まれる。植物のあらゆる部分を基質として用いることができ、その非限定的例示として葉、茎、サヤ、殻、塊茎、穂軸、穀粒等が挙げられる。いくつかの実施形態では、実質的に植物全体を使用することができ、例えばトウモロコシの茎葉全体を使用することができる。いくつかの実施形態では、粒状澱粉源として全粒粉を用いる。全粒粉には、コーン、小麦、ライ麦、大麦、ソルガム、およびこれらの組み合わせの全粒粉が含まれる。別の実施形態では、粒状澱粉は繊維、胚乳、および/または胚芽成分等の分画された穀物から得られる。コーンや小麦等の植物原料を分画する方法は公知である。いくつかの実施形態では、異なる植物原料を混合する(例えばコーンとミロ、またはコーンと大麦)。
いくつかの実施形態では、植物原料を製粉等により調製する。一般に、製粉には乾式法と湿式法がある。乾式法では穀物の全粒を製粉して使用し、湿式法では穀粒を分離する(例えば胚芽を粗びき粉から分離する)。穀物全粒を製粉する方法は公知であり、ハンマーミルやローラーミルを用いることができる。参考文献としてTHE ALCOHOL TEXTBOOK: A REFERENCE FOR THE BEVERAGE, FUEL AND INDUSTRIAL ALCOHOL INDUSTRIES 3rd ED. K.A. Jacques et al., Eds, (1999) Nottingham University Pressの第2章と4章が挙げられる。
いくつかの実施形態では、澱粉基質を含む植物原料を、α-アミラーゼを用いてオリゴ糖にすることにより加水分解および/または液化する。いくつかの実施形態では、製粉された澱粉基質 (例えば製粉された穀物) のスラリーにα-アミラーゼを添加して、デキストリンおよび/またはオリゴ糖を含有する液化物を産出させる。当業者であれば、プロセスで使用するα-アミラーゼの添加量、pH、及び反応時間を設定することができる。液化における適正な使用量は、澱粉基質の種類、粘度、加工時間、pH、温度及びds等のプロセス条件に依存する。
<VI. 順次及び同時糖化及び発酵>
液状化工程からのデキストリン及びオリゴ糖を含む液化物を、次工程において糖化、発酵、および/または同時糖化発酵(SSF)させることができる。糖化により、デキストリンおよび/またはオリゴ糖を含む液化物中の糖を、さらに発酵性糖に還元することができる。次に、発酵性糖を発酵性微生物により転化して、アルコールやDDGS等の最終製品にする。アルコールやDDGS等は、適切な方法により回収することができる。
いくつかの実施形態では、同時糖化発酵 (SSF) と呼ばれる方法により、糖化と発酵を同時に行う。いくつかの実施形態では、糖化と発酵を別々に行う。いくつかの実施形態では、GA/フィターゼ酵素組成物を、予備糖化工程、糖化工程、またはSSFプロセスにおいて添加する。
いくつかの実施形態では、糖化プロセスを12から120時間行う。しかし、発酵させる際、予備糖化を30分から2時間(あるいは30から60分) 行った後、糖化を行うことが一般的である。通常、糖化は温度30から65℃、pH4.0から5.0において行われる。予備糖化工程が含まれている場合、フィターゼは予備糖化工程において添加する。
本願のGAは糖化用酵素として有用である。いくつかの実施形態では、酵素組成物をGA/フィターゼブレンド物として、糖化工程の開始時に添加する。別の実施形態では、GAとフィターゼを別々に添加する。いくつかの実施形態では、GAを糖化工程の開始時に添加し、フィターゼはGA添加の後で、発酵工程が終了する前に添加する。いくつかの実施形態では、糖化と発酵を同時に行い、GA/フィターゼブレンド物を同時糖化/発酵(SSF)工程中に添加する。
いくつかの実施形態では、得られた発酵性糖を、発酵性微生物により発酵させる。いくつかの実施形態では、接触工程および発酵工程を同じ反応容器中で同時に行う。別の実施形態では、これらの工程を順次行う。発酵プロセスの概要は、The Alcohol Textbook 3rd ED, A Reference for the Beverage, Fuel and Industrial Alcohol Industries, Eds. Jacques et al., (1999) Nottingham University Press, UKに記載されている。
糖化により得られる発酵性糖またはデキストリン(例えばグルコース)を、適切な条件下での微生物発酵の発酵用原料として用いて、アルコール (例えばエタノール)、有機酸 (例えばコハク酸、乳酸)、糖アルコール (例えばグリセロール)、アスコルビン酸中間体 (例えばグルコネート、DKG、KLG ) 、アミノ酸 (例えばリジン)、および/またはタンパク質 (例えば抗体及びその断片) 等の最終製品を得ることができる。
発酵性糖の発酵は、酵母を用いて約15から約40℃、約20から約38℃、または約25から約35℃の温度範囲、及び約3.0から約6.5、約3.0から約6.0、約3.0から約5.5、約3.5から約5.0、または約3.5から約4.5のpH範囲、及び約5時間から約120時間、約12から約120時間、および約24から約90時間の時間範囲で行い、これによりエタノール等のアルコールを産出させることができる。
酵母細胞は、発酵ブロス1ml当たり約104から約1012個含まれている。あるいは約107から約1010個の生きた酵母細胞が発酵ブロス1ml当たりに含まれている。発酵プロセスには原料を添加することが含まれ、例えば栄養素、酸、及び追加の酵素、またはビタミン (例えばビオチン、葉酸、ニコチン酸、リボフラビン) 等の補助栄養素、補因子、主要栄養素、微量栄養素、及び塩 (例えば(NH4)2SO4;K2HPO4;NaCl;MgSO4;H3BO3;ZnCl2;CaCl2) を添加することが含まれる。
<VII. 発酵有機体>
この発明の組成物及び方法には、適切な発酵有機体を用いることができる。好ましい発酵有機体の例には、アルコールデヒドロゲナーゼ及びピルビン酸デヒドロゲナーゼを発現するエタノール生産性バクテリア等の、エタノール生産性微生物またはエタノール産出微生物が含まれる。エタノール生産性バクテリアはザイモモナス・モブリス(Zymomonas moblis)から得ることができる(例えばU.S. Pat. No. 5,000,000, 5,028,539, 5,424,202, 5,514,583, 及び5,554,520参照)。
エタノール産出微生物は、キシロースをキシルロースに転化する酵素であるキシロースリダクターゼ及びキシリトールデヒドロゲナーゼを発現する。これに代えて、またはこれに追加して、キシロースをキシルロースに転化するキシロースイソメラーゼを用いることができる。ペントース及びヘキソースの両者を発酵させてエタノールにすることが可能な微生物を用いることもできる。この微生物は、天然由来、または非遺伝子組み換え微生物、または遺伝子組み換え微生物のいずれでもよい。
発酵性微生物として、バシラス属、ラクトバシラス(Lactobacillus)属、大腸菌(E. coli)、エルウィニア(Erwinia)属、パントエア(Pantoea)属 (例えばP. シトレア(citrea))、シュードモナス属及びクレブシエラ(Klebsiella)属 (例えばK. オキシトカ(oxytoca)) (例えばU.S. Pat. No. 5,028,539及び5,424,202 及び WO 95/13362参照) の細菌株が挙げられる。発酵性微生物は、製造しようとする最終製品に応じて選択する。
エタノール産出微生物は、菌類の微生物であってもよく、例えばサッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae) (例えばU.S. Pat. No. 4,316,956参照) 等のサッカロミセス株であるが、これに限定されない。様々なS. セレビシアエが市販されており、その非限定的例示としてFALITM (Fleischmann' s Yeast社)、SUPERSTARTTM (Alltech社)、FERMIOLTM (DSM Specialties社)、RED STARTM (Lesaffre社)、および ANGEL ALCOHOL YEASTTM (Angel Yeast Company社, China) が挙げられる。
<VIII. アルコール、DDGS、及びその他の最終製品の回収>
発酵プロセスの最終製品はアルコール(例えばエタノールまたはブタノール)であり、これらを発酵培地から分離および/または精製することができる。この分離方法および精製方法は公知であり、例えば発酵培地の抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、モレキュラーシーブによる脱水、または精密濾過等の方法である。最終製品は、発酵培地を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やガスクロマトグラフィー(CG)で直接分析することにより同定することができる。
最終商品がエタノールであるとき、エタノールを燃料、洗浄、または化学合成、または飲料に用いることができる。乾燥蒸留穀物残渣(DDG)及び可溶性物質添加乾燥蒸留穀物残渣(DDGS)等の発酵副産物は、飼料として用いることができる。
この発明の組成物及び方法により、発酵ブロス、希スティレッジおよび/または乾燥蒸留穀物残渣(DDG)、可溶性物質添加乾燥蒸留穀物残渣(DDGS)、湿潤蒸留穀物残渣(DWG)、可溶性物質添加湿潤蒸留穀物残渣(DWGS)等の発酵副産物中のフィチン酸含有量を低下させることができる。
例えば、この発明の組成物及び方法により、フィターゼを用いない点を除き実質的に同一の方法と比較して、発酵濾液中のフィチン酸含有量を少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%またはそれ以上低下させることができる。
フィチン酸塩前処理培養を行わない点を除き実質的に本願発明と同一の方法と比較して、DDGS中のフィチン酸塩を少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%低下させることができる。
例えば、市販のDDGSのサンプル中のフィチン酸塩含有量は様々であるが、通常約1%から約3%またはそれ以上である。これに対し、本願の方法により得られたDDGSのフィチン酸塩含有量は約1.0%未満、約0.8%未満、または0.5%未満である。DDGSは、飼料をペレット化する前、または後に添加することができる。また、DDGSは活性フィターゼを含有している。
いくつかの工業的エタノール製造プロセスでは、エタノールは発酵濾液から留去され、発酵系への再循環に適した希スティレッジ部分が残される。この発明の組成物と方法により、従来の方法で得られる希スティレッジと比較して、希スティレッジ中のフィチン酸濃度が低下する。フィチン酸濃度の低下は、前処理工程、糖化工程、糖化/発酵工程またはこれらの組み合わせにおいてフィターゼを添加することによりもたらされる。希スティレッジ中のフィチン酸濃度の低下は、フィターゼを用いない点を除き実質的に同一の方法と比較して少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、または少なくとも約90%である。
また、希スティレッジ中のフィチン酸塩含有量は、フィターゼを用いない点を除き同様の方法で得られる希スティレッジ中のフィチン酸塩含有量と比較して、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%低下する。
この発明の組成物及び方法の他の側面は、本願の開示内容に照らし、当業者にとって明らかになるであろう。
以下の実施例はこの発明を説明するためのものであり、本願の組成物及び方法を限定するものではない。
本願の説明及び実施例では、以下の略号を用いる。
wt% (重量パーセント);℃(摂氏 度);H2O (水);dH2O (脱イオン水);dIH2O (脱イオン水、Milli-Q 濾過);gまたはgm (グラム);μg (マイクログラム);mg (ミリグラム); kg (キログラム);μL (マイクロリットル); ml及びmL (ミリリットル); mm (ミリメートル);μm (マイクロメータ);M (モル);; mM (ミリモル);μM (マイクロモル);U (ユニット); MW (分子量);sec (秒); min(s) (分/分間); hr(s) (時/時間); ds (乾燥固形成分); DO (溶解酸素); W/V (重量対体積); W/W (重量対重量);V/V (体積対体積); Genencor (Danisco US, Inc.社, Genencor Division, Palo Alto, CA); IKA (IKA Works Inc.社 2635 North Chase Parkway SE, Wilmington, NC); MT (メートルトン);Ncm (ニュートンセンチメートル); GAU (グルコアミラーゼ活性単位); FTU (フィターゼ活性単位); 及び ETOH (エタノール)。
<実施例1>:粘度測定
ガラスクッカー粘度計LR-2.STシステムIKAを用いて粘土を測定した。簡潔に言うと、この粘度計はアンカー翼ミキサーを備える2000 mlの二重壁ガラス容器からなり、Eurostar Labortechnikで撹拌される出力制御粘度計である。この粘度計の粘度測定範囲は0〜600 Ncmである。
測定では、澱粉基質を含むスラリーと、適切な量の酵素を粘度計の容器に入れた。85℃まで昇温する間、温度と粘度を記録し、さらに60から120分間インキュベーションを続けた。粘度は、単位Ncmで測定し、定期的に記録した。
<実施例2>:エタノール発酵におけるグルコアミラーゼ及びフィターゼの使用
この実施例は、従来の方法と比較して、低フィチン酸含有量のDDGS及び希スティレッジが産出されるエタノール発酵における、グルコアミラーゼ(GA)とフィターゼの効率を示すものである。使用したGAは、SEQ ID NO: 1 (例えばU.S. Pat No. 7,354,752及び7,413,887参照) に相当するトリコデルマ・リーゼイ由来GA (TrGA)であった。使用したフィターゼは、SEQ ID NO: 8 に相当するブティアウクセラ由来フィターゼBP-17であった。
グルコアミラーゼ活性単位(GAU)は、還元糖1gを産出させるために必要な酵素の量と定義され、pH4.2及び60℃において可溶性澱粉基質から1時間当り得られるグルコースの量として計算した。グルコアミラーゼの活性の測定には、PNPGアッセイを用いた。
フィターゼ活性(FTU)は、酸性のモリブデン酸塩/バナジウム酸塩試薬と黄色錯体を形成する無機リン酸塩の放出量により測定した。この黄色錯体は、波長415nmにおいて分光光度計により測定することができる。放出されたリン酸塩の量を、リン酸塩の検量線を用いて定量した。フィターゼ活性単位 (FTU) は、欧州規格 (CEN/TC 327, 2005-TC327WI 003270XX) に規定された反応条件下においてフィチン酸塩から1分間当り1マイクロモルの無機リン酸塩を放出させることができる酵素の量と定義される。
フィチン酸含有量の測定は、5%スラリー (乾燥時重量基準) のサンプルのpH値を10.0に調整してフィチン酸を抽出し、次にHPLCイオン交換カラムを用いてフィチン酸を結合させ、次いでNaOH濃度勾配システムによりフィチン酸をカラムから溶出させて行った。溶出液中のフィチン酸含有量は、標準サンプルと比較して求めた。
<実施例3>:酵母発酵におけるTrGA及びBP17の使用−DDGSへの影響
エタノール製造工場から副生する飼料用成分であるDDGS (可溶性物質添加乾燥蒸留穀物残渣) には、家禽、魚、豚等の非反芻動物には消化不能なフィチン酸が含まれている。このため、フィチン酸が糞尿として排出されてリン酸塩汚染を生じる。この実施例に示すように、フィターゼ等のフィチン酸を加水分解する酵素及びグルコアミラーゼを組み合わせて同時糖化/発酵プロセスにおいて添加することにより、DDGS中のフィチン酸の濃度を低下させることができる。
原料にコーンを用いた従来の澱粉液化プロセスによる液化物を調製し、冷凍してこの実施例で用いた。液化物を解凍し、尿素200ppmを添加し、32.9% dsとなるように固形分を調整した後、6N硫酸でpHを4.2に調整した。
発酵は、マッシュ (即ち上記液化物を含む混合物) のサンプル200グラムを入れた250mlのフラスコ中で行った。各酵素溶液を希釈して、所定の活性を有する1.0 mlの酵素溶液がフラスコに添加されるようにした。各条件で複数回実験した。実験開始の約1時間前に、1%グルコースを含み酵母濃度が10%のスラリー1 mlをフラスコ添加することにより植菌した。同時糖化/発酵の際、この1.0 mlのサンプルに、活性のレベルが異なるBP-17フィターゼ(0, 0.1, 0.25, 0.5, 1.0, 3.0, 及び 5.0 FTU/gコーン乾燥固形成分)を添加した。また、可溶性デキストリンを加水分解してグルコースを生成させるために、トリコデルマGAを添加した。
発酵後、DDGS中の遊離リン及び遊離リン酸塩を分析した。遊離リン酸塩の測定は、Fiske-Subbarow (例えばFiske, CH. and Subbarow, Y. (1925) /. Biol.Chem. 66:375-400参照) の比色法により行った。サンプルをTekmar分析用ミルで粉砕し、このサンプル1gを水80mlが入った100ml定容フラスコに入れ、遊離リン酸塩を水中に抽出した。各フラスコに磁性撹拌子を入れ、室温で1時間撹拌した。次に、定容フラスコに水を加えて定容し、十分撹拌し、Whatmanのno. 1濾紙で濾過した。フラスコを32℃の水浴に入れ、時々撹拌した。次に、以下の手順で濾液中の遊離リン酸塩を測定した。
サンプル3.0mlにモリブデン酸塩試薬1mlを加え、次に還元剤1mlを加え、室温で20分間発色させた後、660nmにおける吸光度を測定した。リン酸塩濃度は、リン酸塩の検量線から求めた。測定結果は、サンプル1グラム当りのリンのμg数として求めた。
図1は、酵母発酵において、BP- 17フィターゼの濃度がフィチン酸濃度低減に及ぼす影響を表わすグラフである。これらの実験では、50%希スティレッジを含む32%全粒コーン粉を、0.325 GAU/gds, GC147を含むpH4.2において用いた。このグラフから、フィターゼを約0.7 FTU/g添加したとき、遊離無機リンの濃度が約0.75 %でほぼ一定になることが分かる。すなわち、極少量のフィターゼ、すなわち0.1 FTU/gdsのフィターゼを添加することによりフィチン酸の濃度が低減され、80%以上のフィチン酸が除去されることが分かる。
本願に記載した全ての刊行物及び特許文献は、本願に参照として組み込まれる。本願の要旨から逸脱しない範囲で様々な改変、変更ができることは、当業者にとって明らかであろう。

Claims (27)

  1. アルコールを製造する方法であって、
    a)澱粉基質を含むスラリーと、オリゴ糖を産出する少なくとも1のα−アミラーゼとを接触させる工程と、
    b)前記オリゴ糖と、少なくとも1のグルコアミラーゼ及び少なくとも1のフィターゼとを接触させて発酵糖を産出させる工程であって、前記フィターゼがブティアウクセラ(Buttiauxiella)属に由来する工程と、
    c)前記発酵糖を発酵性有機体の存在下で発酵させてアルコールを製造する工程とを含む、アルコールを製造する方法。
  2. 工程(b)及び(c)を同時に行う、請求項1に記載のアルコールを製造する方法。
  3. 工程(a)の後であって工程(b)の前に、温度を澱粉基質のゼラチン化温度以上に昇温する工程をさらに含む、請求項1に記載のアルコールを製造する方法。
  4. 前記澱粉基質が粉砕穀粒であり、前記粉砕穀粒がトウモロコシ、大麦、小麦、コメ、ソルガム、ライ麦、キビ、およびライ小麦から成る群から選択される、請求項1に記載のアルコールを製造する方法。
  5. 前記少なくとも1のグルコアミラーゼが、SEQ ID NO:5の配列に対し配列同一性を少なくとも90%有する、請求項1に記載のアルコールを製造する方法。
  6. 前記フィターゼがアミノ酸位置92にアラニンを有し、および/または次のアミノ酸の少なくとも1を有する、請求項5に記載のアルコールを製造する方法:位置89のスレオニン、位置134のイソロイシン、位置174のセリン、位置 186のリジン、位置188のプロリン、位置 207のグルタミン酸、位置209のセリン、位置248のロイシン、位置256のチロシン、位置261のグルタミン酸、及び位置269のリジン。
  7. 前記フィターゼが少なくとも1の次のアミノ酸変異を有する、請求項5に記載のアルコールを製造する方法:A89T、D92A、T134I、F174S、T186K、A188P、K207E、A209S、S248L、Q256Y、A261E、及びN269K。
  8. 前記フィターゼがBP−WT、BP−11,またはBP−17のいずれかである、請求項5に記載のアルコールを製造する方法。
  9. 前記オリゴ糖を、α‐アミラーゼ、第2のグルコアミラーゼ、第2のフィターゼ、セルロース、プルラナーゼ、プロテアーゼ、およびラッカーゼから選択される少なくとも1の別の酵素と接触させる工程をさらに含む、請求項1に記載のアルコールを製造する方法。
  10. 前記アルコールがエタノールである、請求項1に記載のアルコールを製造する方法。
  11. 前記アルコールを回収する工程をさらに含む、請求項1に記載のアルコールを製造する方法。
  12. DDGSを回収する工程をさらに含む、請求項1に記載のアルコールを製造する方法。
  13. エタノール発酵においてフィチン酸を低減させる方法であって、
    a)澱粉基質を含むスラリーに少なくとも1のα−アミラーゼを接触させる工程と、
    b)前記澱粉基質に少なくとも1のグルコアミラーゼ及び少なくとも1のフィターゼを発酵性糖が産出される条件下で接触させる工程であって、前記フィターゼがSEQ ID No:5に対し少なくとも90%のアミノ酸配列配列同一性を有するとともに位置92にアラニンを備えるフィターゼである工程と、
    c)前記発酵性糖をエタノールおよび/またはDDGSが産出される条件下で発酵性有機体の存在下で発酵させる工程とを含む方法。
  14. さらに温度を澱粉基質の液状化温度以上に昇温する工程を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 工程(b)及び工程(c)を同時に行う、請求項13に記載の方法。
  16. さらに前記エタノールおよび/またはDDGSを回収する工程を含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記グルコアミラーゼが、トリコデルマ(Trichoderma)属、ペニシリウム(Penicillium)属、タラロミセス(Talaromyces)属, アスペルギルス(Aspergillus)属、およびフミコーラ(Humicola)属から成る群から選択される糸状菌に由来する、請求項13に記載の方法。
  18. 前記トリコデルマ属が、トリコデルマ・リーゼイ(reesei)である、請求項13に記載の方法。
  19. 前記フィターゼがBP−17である、請求項13に記載の方法。
  20. 前記DDGSが活性フィターゼを含有する、請求項13に記載の方法。
  21. 前記DDGSを穀物または飼料とブレンドして動物飼料を製造するとき、前記活性フィターゼが前記動物飼料中のフィチン酸を低減させる、請求項20に記載の方法。
  22. 前記澱粉基質が粉砕穀粒である、請求項13に記載の方法。
  23. 前記穀粒がトウモロコシ、大麦、キビ、小麦、コメ、ソルガム、ライ麦、およびライ小麦から成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. DDGS中のフィチン酸を低減させる方法であって、
    a)澱粉基質を含むスラリーに少なくとも1のα−アミラーゼを接触させる工程と、
    b)前記澱粉基質に少なくとも1のトリコデルマ・リーゼイ由来グルコアミラーゼ(TrGA)及び少なくとも1のフィターゼを発酵性糖が産出される条件下で接触させる工程であって、前記フィターゼがSEQ ID No:5に対し少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有する工程と、
    c)前記発酵性糖を発酵性有機体の存在下で発酵させてエタノールおよび/またはDDGSを製造する工程とを含む方法。
  25. 工程(b)及び工程(c)を同時に行う、請求項24に記載の方法。
  26. 前記フィターゼがSEQ ID No:5のアミノ酸配列に対し少なくとも95%の配列同一性を有するとともに、アミノ酸位置92にアラニンを有する、請求項24に記載の方法。
  27. 前記フィターゼがBP−17である、請求項24に記載の方法。
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