JP2011510166A - 磁気特性に優れた方向性電気鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

磁気特性に優れた方向性電気鋼板及びその製造方法を提供する。より詳細には、成分を調節して製造方法を改善することで、従来類似した成分系では期待することができなかった程度に磁気特性を画期的に改善した方向性電気鋼板及びその製造方法を提供する。この方向性電気鋼板は、Sn:0.03〜0.07重量%、Sb:0.01〜0.05重量%及びP:0.01〜0.05重量%を必須成分として含む。

Description

本発明は、磁気特性に優れた方向性電気鋼板及びその製造方法に関し、より詳細には、成分を調節して製造方法を改善することで、従来類似した成分系では期待することができなかった程に磁気特性を画期的に改善した方向性電気鋼板及びその製造方法に関する。
電気鋼板は、電気機械や電気器具の素材として使用される珪素鋼板を意味し、大きく分けて、方向性電気鋼板と無方向性電気鋼板とが挙げられる。その中で、方向性電気鋼板は、ゴス(Goss)が発見して提案したように、結晶面の方位が{110}面であり、圧延方向の結晶方位は<001>軸に平行する、いわゆるゴス集合組職を有する結晶粒で構成される。このような鋼板は、圧延方向に磁気特性に優れている。
図1(参考文献:Arai ken等、「Recent Development of Electrical Steel Sheets」、日本鉄鋼協会、1995,pp15)を参照して、方向性電気鋼板の結晶方位が方向性電気鋼板の磁気特性に及ぼす影響を概略的に説明する。図1は、鋼板の実際の結晶方位がゴス方位から外れた程度と鉄損との関係を特定するために単結晶を利用して試験した結果を示す。図1のグラフから分かるように、ゴス方位から約2度(いわゆるβ角の絶対値を意味する。β角については後述する。)程外れた場合に最も低い鉄損を表している。よって、通常、方向性電気鋼板を製造する場合には、角度がなるべく2度に近いことで、結晶方位がゴス方位から外れるように製造している。但し、多結晶素材である電気鋼板の方位は、結晶粒の面積を考慮して、各結晶粒の方位がゴス方位から外れた程度(β角)の絶対値に対して、面積加重平均を計算することで、求めることができる。以下に、記載の便宜のために、上記「各粒子の方位がゴス方位から外れた程度の中でβ角の絶対値に対して求めた面積加重平均」を単に「ゴス方位から外れた程度」と表示する。
ゴス方位から外れた程度は、図2から分かるように、α、β及びγ角と表示されるが、通常は、β角を調節することが電気鋼板の磁気特性の制御に効果的であると知られている。よって、本明細書では、β角に対してゴス方位から外れた程度を上述したように「ゴス方位から外れた程度」と簡単に表示する。
鋼板の方位がゴス方位に近いように鋼板を製造するためには、全ての結晶の方位がゴス方位に一致する必要がある。しかし、スラブを圧延して製造する電気鋼板は、必然的に多結晶系組職を有するしかなく、その結果、結晶の方位は、結晶毎に異なるため、これをゴス方位に近いように一致させるためには特別な作業が必要である。
即ち、多結晶系組職を有する圧延鋼板には、ゴス方位に近い結晶も含まれることはあるが、大部分がゴス方位から大きく外れた方位を有する結晶が含まれるため、これらをそのまま使用する場合は、磁気特性に優れた電気鋼板を得ることが困難になる。よって、上記多結晶系組職の鋼板をゴス方位に近い結晶のみを存在させるように、再結晶化する必要がある。上記再結晶化時に優先的に成長する結晶の方位は、再結晶化温度によって決まることであり、再結晶化温度をうまく制御する場合は、ゴス方位に近い結晶が優先的に成長できるようになる。その結果、再結晶化の前にはゴス方位に近い結晶の分率が小さいが、再結晶化がなされた後は、ゴス方位に近い結晶の分率が大部分を占めるようになる。このような再結晶化を、先に起こる1次再結晶化(後述)と区別するために、2次再結晶化という。
この際、上記2次再結晶化の前には、結晶が均一に分布するようにする1次再結晶化がなされる。上記1次再結晶化は、通常、冷間圧延以後に行われる脱炭焼鈍の直後、または脱炭焼鈍と同時になされ、上記1次再結晶化によって均一かつ適切な粒度の結晶粒が形成されるようになる。もちろん、上記結晶粒の方位は満遍なく分散されており、方向性電気鋼板で最終的に取得しようとするゴス方位を有する結晶粒の分率は非常に低い。
上述したように、上記1次再結晶化された鋼板は、以後ゴス方位を備えるに適した温度で2次再結晶化されることで、磁気特性に優れたゴス方位を備えた鋼板に製造されることができる。ところが、上記1次再結晶化された鋼板のうちそれぞれ異なる方位を有する結晶粒のサイズが異なる場合は、たとえゴス方位を備えるに適した温度で2次再結晶化が起こるとしても、いわゆるサイズ効果、即ち、大きな結晶粒が小さな結晶粒より安定した効果によって、方位に関係なく、大きな結晶粒が優勢に成長する可能性が高くなり、その結果、ゴス方位から外れた結晶粒の分率が高くなる。
従って、結晶粒は、1次再結晶化時に均一かつ適切なサイズで分布されていなければならない。結晶粒のサイズが非常に微細な場合は、結晶界面面積の増加によって界面エネルギーが増加するようになり、結晶粒が不安定になる恐れがある。このような場合は、2次再結晶化が低過ぎる温度で起こって、ゴス方位を備えていない結晶粒が多量に生成される。このような適切な結晶粒のサイズは、添加される元素(抑制剤)の種類によって異なる(後述する)。
また、上記1次再結晶化された結晶粒が適切な温度で再結晶化されると、方向性電気鋼板に適したゴス方位を有した結晶粒が優勢に多量に形成される。よって、上記適切な温度まで結晶粒を昇温する必要があるが、適切な温度までの昇温過程までに不可避に低い温度範囲を経由する。このような低い温度範囲で再結晶化が起こってしまうと、ゴス方位が優勢で多量な結晶粒を得ることはできなくなる。従って、適切な温度まで昇温するまでは再結晶化が起こらないように、結晶粒の成長を抑制する手段が必要となる。鋼板の内部でこのような役割をする手段は、添加された成分の偏析や析出などによって得ることができ、このような役割をする元素を抑制剤という。
結晶を適切な2次再結晶化温度に昇温する前までは、抑制剤は、析出物や偏析の形態で結晶粒界付近に存在することで結晶粒がこれ以上成長することを抑制しており、適切な温度(2次再結晶化温度)に昇温すると、抑制剤は、溶解されるか分解されて結晶粒の自由な成長を助長する役割をする。
上記のような抑制剤として広く用いられたものとして、MnSやMnSeなどのような元素を挙げることができる。
その例として、日本国特開昭51−13469号公報(特許文献1)を挙げることができるが、上記文献では、電気鋼板の製造方法を開示しており、方向性電気鋼板をスラブ加熱、熱間圧延、熱延板焼鈍、1次冷間圧延、中間焼鈍、2次冷間圧延、脱炭焼鈍及び最終焼鈍の過程を通じて製造し、抑制剤としてMnSeとSbを用いる。また、日本国特開昭30−3651号公報(特許文献2)では、方向性電気鋼板の製造技術を開示しており、抑制剤としてMnSを用いて中間焼鈍を含んだ2回の冷間圧延で電気鋼板を提供する。MnS系の抑制剤を用いるもう一つの例として、日本国特開昭40−15644号公報(特許文献3)を挙げることができるが、この方法では、MnSとAlNを抑制剤として用い、80%以上の高い圧延率で1回の冷間圧延をして磁束密度の高い製品を得ている。
ところが、上記のようにMnSを抑制剤として用いる方法は、MnSを形成するためにスラブを非常に高い温度に再加熱しなければならないという問題がある。即ち、スラブ内に存在するMnSは、粗大な析出物として存在する場合が多いので、方向性電気鋼板の製造に用いられる抑制剤の役割をすることができないことがある。よって、MnSを固溶させた後、均一に分布させる必要があるが、そのためには、スラブをMnSの固溶が可能な温度まで加熱しなければならない。ところが、MnSの固溶温度は、熱力学的な平衡状態を考慮するとしても、約1300℃以上と、非常に高い温度であり、実際に、多様な工業的に利用可能なように充分に速い速度でMnSを溶解されるためには、これより遥かに高い温度である約1400℃まで再加熱する必要がある。
上記のように高い温度でスラブを加熱する場合は、スラブ加熱に使われるエネルギー消耗が激しくなり、スラブの表面が溶融されるという問題が発生して、再加熱炉の補修費が多くかかるだけでなく、加熱炉の寿命が短縮されるという問題をもたらす可能性があった。
従って、スラブの再加熱温度を低下させることができる抑制剤の導入が必要である。このような要求にあわせて提供された抑制剤が窒化物系抑制剤である。上記窒化物系抑制剤の長所は、以下の通りである。脱炭焼鈍と同時に、または脱炭焼鈍の直後に、鋼板を窒素雰囲気に置くことで、窒素が鋼板内部に侵透し易い条件を形成させて、窒素を浸透することができる。侵透した窒素が鋼板中の窒化物形成元素と反応して窒化物を形成し、上記窒化物が抑制剤の役割をする。上記窒化物の例としては、AlN、(Al,Si)Nなどのような元素を挙げることができる。
冷延板の脱炭焼鈍と同時に、またはその後に適切な温度で冷延板を窒化すればよいので、冷延板の再加熱温度は通常の熱延時の再加熱温度と同様な温度にすればよい。方向性電気鋼板の製造分野では、このような再加熱パターンを「低温再加熱」という。
上述した低温再加熱による方向性電気鋼板を製造する方法の一例としては、日本国特開平1−230721号公報(特許文献4)、日本国特開平1−283324号公報(特許文献5)、大韓民国公開特許第97−48184号公報(特許文献6)、及び大韓民国公開特許第97−28305号公報(特許文献7)を挙げることができるが、これらの方法では、窒素雰囲気を形成するためにアンモニアガスを用いている。上記アンモニアガスは、通常、約500℃以上の温度で水素と窒素に分解される性質があるため、このアンモニアの性質を利用して鋼板に窒素を供給する。
ところが、上記のような窒化法を利用する低温再加熱方式も、窒素だけでは磁気特性向上に限界があるという短所があった。
方向性電気鋼板の磁気特性をさらに向上させるための方法としては、抑制剤の役割をする他の元素を添加して、2次再結晶化時にゴス方位に成長する結晶粒の分率をさらに上昇させる手段がある。また、1次再結晶化時にゴス方位を有した結晶の分率を高めて、2次再結晶化時にゴス方位を有した結晶粒の分率を高める手段がある。さらに、2次再結晶化時にサイズ効果によってゴス方位を有することができなかった結晶粒がより大きく成長することを防止するために、1次再結晶化された結晶粒のサイズを均一に分布させる手段などがある。
従来提案された方法としては、鋼板の成分を改善する方法を挙げることができる。即ち、電気鋼板にSn、Sb及びPなどの元素を添加する場合は、電気鋼板の磁気特性を大きく向上できるが、その理由は下記の通りである。
即ち、SbとSnは、1次再結晶化集合組職において、{110}<001>方位を有する結晶粒の分率を増加させるという効果があるだけでなく、硫化物を均一に析出させるという効果がある。また、SbとSnの添加量が一定水準を超える場合は、脱炭焼鈍時の酸化反応を抑制するという効果を得ることができる。そのため、脱炭焼鈍時の温度を上昇させることができ、その結果、方向性電気鋼板の1次被膜形成をより簡単にすることができる。また、これらの元素は、結晶粒界で析出されて結晶粒の成長を抑制することができるため、2次再結晶化粒の粒子径を小さくすることができる。よって、2次再結晶粒の微細化の形成による磁区微細化の効果も得られる。
また、Pは、1次再結晶化時に集合組職を改善する効果があると知られている。即ち、1次再結晶化時にゴス方位を有した結晶粒の分率を高める機能を有する。
方向性電気鋼板にSn、Sb及びPなどの元素を添加することは、日本国特開平2−294428号公報(特許文献8)、日本国特開2006−241503号公報(特許文献9)、日本国特開2007−254829号公報(特許文献10)、日本国特開2007−051338号公報(特許文献11)、日本国特開平11−335794号公報(特許文献12)に開示される。
これらの中で、上記日本国特開平2−294428号公報には、方向性電気鋼板にP:0.0007〜0.045重量%を添加した高磁束密度を有する方向性電気鋼板が開示されており、また、上記日本国特開2006−241503号公報には、他の成分と共にP:0.015〜0.07重量%を含み、必要に応じてSb:0.005〜0.2重量%及びSn:0.01〜0.5重量%のうちから選択された1種または2種をさらに添加して、安定した磁気特性を有する珪素鋼板を製造する方法が開示されている。
上記日本国特開2007−254829号公報には、必要に応じてSn、Sb及びPのうち一種以上を0.02〜0.30重量%含む磁気特性に優れた方向性電気鋼板の製造方法が開示されており、また、上記日本国特開2007−051338号公報には、P:0.2重量%以下を添加して、必要に応じてSb:0.001〜0.02及びSn:0.002〜0.1重量%のうちから選択される1種以上の元素をさらに含む45゜方向の磁気特性に優れた方向性電気鋼板の製造方法が開示されている。
また、上記日本国特開平11−335794号公報には、電気鋼板の成分系にSn、Sb、P、B、Bi、Mo、Te及びGeからなる元素のうちから選択された1種以上の元素を0.0005〜2.0重量%添加した電気鋼板の製造方法が開示されている。
上述したように、上記特許文献では、Sn、Sb及びPなどの元素を添加する構成は開示されているが、これらの範囲は広範囲に記載されており、これらの元素を1種または2種以上含む程度にしか記載されていない。即ち、現在までの研究成果によると、上記Sn、Sb及びPの添加によって電気鋼板の磁気特性を向上することができるという程度だけが開示されており、各元素の適切な含量及びこれらの元素の相互作用による相乗効果については全く開示されていないので、上記元素の適切な添加を通じた電気鋼板の磁気特性向上のための具体的な手段の提供は、未だに不十分である。
そして、上記Sn、Sb及びPを含む電気鋼板は、従来の抑制剤のみが含まれた電気鋼板に比べて1次再結晶化及び2次再結晶化の挙動が異なるようになるが、上述した従来技術は、これに対する解決方法を提供していない。即ち、このような元素を添加する場合は、これらを添加しなかった鋼材に比べて1次再結晶粒のサイズが小さくなって2次再結晶化に対する抑制力は高くなるが、このような点に着目した焼鈍作業の制御方法は、従来技術に開示されていない。
また、上記の事項とは別に、2次再結晶化は、スラブの熱間圧延−熱延板焼鈍−冷間圧延−脱炭焼鈍−最終焼鈍等の電気鋼板の製造方法の一連の過程の中で、最終焼鈍工程で起こるが、上記2次再結晶化のための初期の温度の昇温及び維持時間が過大で、生産性が低下されるという問題がある。
即ち、最終焼鈍は、コイル状の鋼板を高温で加熱すること行われるため、鋼板と鋼板とが付着してしまう恐れがあり、最終焼鈍前にコイル状の鋼板表面にMgOを主成分とする焼鈍分離制を塗布するが、各コイル状の鋼板の表面はMgOを水分と共にペースト形態で塗布されるので、各コイル状の鋼板に2段階の均熱過程がされる。2段階の均熱過程は、ペーストから水分を除去するための1次均熱過程と、上記1次均熱過程後に2次再結晶化温度にまで鋼板を加熱する昇温過程以後、適切な温度で鋼板を維持する2次均熱過程とに分けられる。
上記1次均熱過程で、MgOと共存した水分は除去され、鋼板中のSi成分が反応に寄与してMgOとSiOの複合酸化物被膜が鋼板表面に形成されるようになる。
上述したように、2次再結晶化温度によって、優先成長する結晶粒の方位が異なるので、上記2次再結晶化温度は精密に制御されなければならない。即ち、上記MnSやAlNなどの抑制剤が鋼板内に再固溶されれば、2次再結晶化が起こるようになるので、上記抑制剤はなるべく制限された温度範囲内で急に除去されることが最も好ましい。ところが、昇温を急激にする場合は、上記抑制剤が広い温度範囲で除去される恐れがあるので、多様な方位の結晶粒が共に成長するようになり、ゴス方位に近い結晶粒が優勢で多数であり磁気特性に優れた方向性電気鋼板を得ることは困難になる。よって、従来は、上記2次再結晶化温度まで鋼板を非常に遅く昇温し、特に10〜17℃の昇温速度である。このような遅い昇温速度では、2次均熱温度までの昇温に必要な時間を消耗し過ぎて、生産性低下の原因となる。
また、これまで使用されてきた抑制剤であるAlNやMnSは、2次再結晶化時にゴス方位を有した結晶粒の分率を高めるために有用であり、最終方向性電気鋼板の磁気特性には、むしろ有害であるため、2次再結晶化が起こった後は除去されることが好ましい。電気鋼板を雰囲気が制御された高温で維持する場合は、これらの成分が除去されることができるので、上記2次均熱を高温で行うことになる。上記2次均熱では、N及びS成分が減少するだけでなく、島状結晶粒も減少するようになるため、上記過程は非常に有用な工程である。但し、大部分の電気鋼板では、抑制剤であるAlNとMnSなどを多量に形成させるために、鋼中にNとSとを多量に溶解した後、1次及び2次再結晶化作業をするため、上記多量含有されたNとSの除去に必要な2次均熱時間の過大化が原因となり、生産性の低下につながる。
日本国特開昭51−13469号公報 日本国特開昭30−3651号公報 日本国特開昭40−15644号公報 日本国特開平1−230721号公報 日本国特開平1−283324号公報 大韓民国公開特許第97−48184号公報 大韓民国公開特許第97−28305号公報 日本国特開平2−294428号公報 日本国特開2006−241503号公報 日本国特開2007−254829号公報 日本国特開2007−051338号公報 日本国特開平11−335794号公報
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の一側面によると、上記Sn、Sb及びPの含量を適切な範囲に制御して、元素間の相互関係を適正化し、かつ追加的な磁気特性向上元素を添加することで、磁気特性がより向上された方向性電気鋼板が提供される。
本発明の別の側面によると、本発明による優れた特性を有する電気鋼板を製造するときに発生し易い生産性低下の問題を解決した方向性電気鋼板の製造方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によると、上述した成分系に適した加熱パターンを有する方向性電気鋼板の製造方法が提供される。
本発明の一側面によればSn:0.03〜0.07重量%、Sb:0.01〜0.05重量%及びP:0.01〜0.05重量%を必須成分として含む、方向性電気鋼板を提供する。
このとき、P+0.5Sbが0.0370〜0.0630(ここで、PとSは該当元素の含量(重量%)を意味する。)の範囲であることができる。
そして、As:1.40重量%以下、Cu:0.50重量%以下、Bi:0.1重量%以下、Te:1.40重量%以下、Ni:1.40重量%以下、Cr:0.35重量%以下、Pb:1.40重量%以下、及びMo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループのうちから選択された少なくとも1種以上:合計1.40重量%以下のうち1種または2種以上をさらに含むことができる。
また、上記方向性電気鋼板は、Si:2.0〜4.0重量%、酸可溶性Al:0.020〜0.040重量%及びMn:0.01〜0.20重量%をさらに含むことができる。
そして、上記電気鋼板の結晶方位がゴス方位から外れた程度が3度未満であることができる。
また、上記方向性鋼板は、C:0.04〜0.07重量%、N:10〜55ppm及びS:0.0010〜0.0055重量%をさらに含む鋼スラブから製造されることができる。
また、Sn:0.03〜0.07重量%、Sb:0.01〜0.05重量%及びP:0.01〜0.05重量%を必須成分として含む鋼スラブを熱間圧延、焼鈍及び冷間圧延して鋼板を製造する段階;上記冷間圧延された鋼板を800〜950℃の温度範囲で脱炭焼鈍及び窒化焼鈍する段階;及び上記焼鈍された鋼板を最終焼鈍する段階;を含み、上記最終焼鈍段階が1次均熱する段階、昇温する段階、及び2次均熱する段階を有する場合、初期に18〜75℃/hrの昇温速度で昇温温度を昇温した後、900〜1020℃の範囲内で10〜15℃/hrの範囲で昇温する、電気鋼板の製造方法を提供する。
このとき、P+0.5Sbが0.0370〜0.0630(ここで、PとSは該当元素の含量(重量%)を意味する。)の範囲であることができる。
そして、上記鋼スラブは、As:1.40重量%以下、Cu:0.50重量%以下、Bi:0.1重量%以下、Te:1.40重量%以下、Ni:1.40重量%以下、Cr:0.35重量%以下、Pb:1.40重量%以下、及びMo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループのうちから選択された少なくとも1種以上:合計1.40重量%以下のうち1種または2種以上をさらに含むことができる。
そして、上記鋼スラブは、Si:2.0〜4.0重量%、酸可溶性Al:0.020〜0.040重量%、Mn:0.01〜0.20重量%、C:0.04〜0.07重量%、N:10〜55ppm及びS:0.0010〜0.0055重量%をさらに含むことができる。
そして、上記鋼スラブを再加熱する段階は、再固溶されるNの含量が10〜40ppmの範囲となるように加熱温度を制御することを含むことができる。
また、上記鋼スラブの加熱温度は、1050〜1250℃の範囲であることができる。
さらに、上記2次均熱温度は、1150〜1250℃の範囲であることができる。
本発明によれば、添加される成分元素の含量を最適化し、元素間の相乗効果を最大限に利用することで、磁気特性が向上された方向性電気鋼板を製造することができ、また、上記方向性電気鋼板を製造するときに発生し易い生産性低下の問題を解決することができる。
鋼板の結晶方位がゴス方位から外れた程度(図2のベータ角)によって鉄損が変化する現象を示したグラフである。 アルファ(α)、ベータ(β)、ガンマ(γ)角度によって示すゴス方位から外れた程度を概念的に説明するための概念図である。 Sn、Sb及びP成分を一定の含有範囲内で添加することによって鉄損が改善される現象が従来予測された程度を超えることを示したグラフである。 SbとPの含量を固定したまま、Sn含量を増加したときに鉄損が改善される現象を示したグラフである。 SnとP含量を固定したまま、Sb含量を増加したときに鉄損が改善される現象を示したグラフである。 SnとSb含量を固定したまま、P含量を増加したときに鉄損が改善される現象を示したグラフである。 Sn含量を固定したまま、PとSbを増加したときに鉄損が改善される現象を示したグラフである。 図7の現象をP+0.5Sbの数式を利用して表現したグラフである。
以下、本発明の例示的な実施形態を詳しく説明する。
本発明の発明者らは、Sn、Sb及びPを添加する従来の電気鋼板の成分系のSn、Sb及びPの量と、これらの元素を共に制御する場合に発生する磁気特性向上効果に対して深く研究した結果、元素の含有範囲と元素間の関係を適切に制御し、上記Sn、Sb及びP成分に加えてAsをさらに添加する場合に、従来期待した効果より顕著に優れた臨界的効果を有することができることを発見し、本発明に至った。
図3に、本発明の概念を示す。図3は、Sn、SbまたはPの含量に対して電気鋼板の鉄損が変化することを概念的に示したグラフである。図面の横軸はSn、SbまたはPの含量を示し、縦軸は鉄損を示す。
図3に示すように、従来の含有範囲で設定された上記Sn、SbまたはP含量範囲によると、鉄損の変化は、適正範囲内で極小点を有する連続的な線の形態を表すと知られていたが、本発明の一実施形態では、上記の従来の含量範囲内で特定の条件を有する場合、鉄損が画期的に減少されることができることを発見した。即ち、図3を参照すると、従来の含有範囲内のSn、SbまたはP含量内では、鉄損に大きな差なしに鉄損の変化が連続的な線を表すと予想されるはずだが、本発明者らの実験結果によると、上記成分が一定の含量範囲内である場合では、その効果が従来は予測することができなかった程に顕著に向上する。
また、鉄損の向上された効果は、特定成分範囲内において該当元素の含量のみを制御して得られるものではなく、これらの三つの元素が同時に添加されなければ得られない。即ち、例えば単純にSbの含量を従来技術で提示された範囲内で変化させるとしても、図3に示されたものと同一の顕著な効果が得られるわけではなく、SnとPが同時に適正含量で存在する場合のみに顕著な効果が得られる。よって、これらは同時に添加されなければならず、それぞれの適切な範囲が同時に制御されなければ、本発明で追求する臨界的効果が得られないわけである。これを裏付ける実験結果として、Snを添加せずにSbとPのみを添加する場合、局所的に小さな結晶粒が存在することが観察されたが、このような局所的に小さな結晶粒は、ゴス方位ではなく他の方位の結晶粒の痕跡と判断され、その結果、電気鋼板への磁気特性を劣化させる恐れがある。しかし、Sn、Sb及びPを同時に添加する場合、均一な2次再結晶粒が得られ、また1次再結晶化された鋼板で集合組職(RD//[001])が強く成長することを確認することができた。
また、PとSbは、互いの含量範囲を共に制御する場合、また他の臨界的相乗効果を誘発することができるので、PとSbの含量は、一つの数式で制御される必要があった。
その結果、本発明では、電気鋼板の成分のうち、上記Sn、Sb及びPの含量を下記のように制御し、かつ下記の数式で表されたPとSbの含量関係を適切な範囲で制御することを特徴とする。
1)Sn:0.03〜0.07重量%
2)Sb:0.01〜0.05重量%
3)P:0.01〜0.05重量%
4)P+0.5Sb:0.0370〜0.0630(ここで、PとSは各元素の含量(重量%)を意味する)
以下、各元素の含量を定めた理由について説明する。
Sn:0.03〜0.07重量%
Snは、{110}<001>方位の2次核の数を増加させて2次結晶粒のサイズを減少させる役割をするが、その結果、Snを添加すると鉄損を向上させることができる。またSnは、結晶粒界に偏析を通じて結晶粒成長を抑制するのに重要な役割をし、これは、AlN粒子が粗大化され、Si含量を増加するにつれて結晶粒成長を抑制する効果が低下することを補償する。よって、結果的に、相対的に高いSi含有量を有しながらも、{110}<001>の方位の2次再結晶化集合組職の成功的な形成が保証されることができる。即ち、{110}<001>方位の2次再結晶化集合組織の完成度を低下させずに、Si含有量を増加させるだけでなく、最終厚さを減少させることができる。このようなSnの含量は、既に上述したように、他の成分の含量を適切に調整した範囲内で0.03〜0.07重量%であることが好ましい。即ち、上述したように、Snの含量範囲を0.03〜0.07重量%に制御するとき、従来は予測することができなかった不連続的かつ顕著な鉄損減少効果を確認することができたので、Snの含量範囲は上述した範囲で制御することが好ましい。また、Sn含量が多すぎる場合は、脆性が増加されるという問題もあり得るので、Snを上述した範囲で制御する場合は、脆性を低下させることができる。
Sb:0.01〜0.05重量%
Sbは、結晶粒界に偏析して1次再結晶粒の過度な成長を抑制する作用がある。Sbを添加して1次再結晶化段階で粒成長を抑制することで、鋼板の厚さ方向による1次再結晶粒のサイズの不均一性を除去し、同時に、2次再結晶粒を安定的に形成させることで、磁気特性により優れた方向性電気鋼板を製造することができる。特に、このようなSbの効果は、Sbが0.01〜0.05重量%であるときに、従来では予測することができなかった程に大きく向上することができる。上記のように、Sbは、結晶粒界に偏析して1次再結晶粒の過度な成長を抑制する作用があるが、Sbが0.01重量%以下であれば、その機能が適切に発揮され難く、Sbが0.05重量%以上で含有されると、1次再結晶粒のサイズが小くなり過ぎて2次再結晶化開始温度が低くなり磁気特性を劣化させるか、または粒成長に対する抑制力が大きくなり過ぎて2次再結晶粒が形成されない可能性もあるためである。
P:0.01〜0.05重量%
Pは、低温加熱方式の方向性電気鋼板で1次再結晶粒の成長を促進させ、2次再結晶化温度を高めて最終製品で{110}<001>方位の集積度を高める。1次再結晶粒が過大すぎる場合は、2次再結晶化が不安定になるが、2次再結晶化が起こる限り、2次再結晶化温度を高めるためにも1次再結晶粒が大きい方が有利である。一方、Pは、1次再結晶化された鋼板で{110}<001>方位を有する結晶粒の数を増加させて最終製品の鉄損を低めるだけでなく、1次再結晶化された鋼板で{111}<112>集合組職を強く成長させて、最終製品の{110}<001>の方位の結晶粒の集積度を増加させるので、磁束密度も高くなる。また、Pは、2次再結晶化焼鈍時に約1000℃の高い温度で結晶粒界に偏析して、析出物の分解を遅滞させて抑制力を補強する作用も有する。このようなPの含量を0.01〜0.05重量%に制限する場合は、鉄損の改善で従来では予測することができなかった顕著な効果が得られる。Pの効果が十分に発揮されるためには、Pの含量は0.01重量%以上が必要である。Pが0.05重量%以上になると、1次再結晶粒のサイズがむしろ減少されて、2次再結晶化が不安定になるだけでなく、脆性を増加させて冷間圧延性を阻害するためである。
P+0.5Sb:0.0370〜0.0630(PとSは各元素の含量(重量%)を意味する)
本発明の発明者らの実験結果によると、それぞれの元素を添加する場合以外にも、P+0.5Sbの含量を上述した範囲に制御する場合、さらに優れた鉄損向上効果が得られた。その理由は、いくつかの上記元素が共に添加されて相乗効果が得られ、また、相乗効果が上記数式範囲を満たすときに、他の数値範囲に比べて不連続的に最大化されるためであると判断される。よって、それぞれの元素の含量範囲を制御する以外にも、上記P+0.5Sbを上述した範囲に制御することがより好ましい。
電気鋼板の成分を上述した含量範囲に制限する場合は、鋼板の方位がゴス方位に近く形成されるため、磁気特性が大きく向上されることができる。よって、有利な効果を有する本発明の電気鋼板は、Sn:0.03〜0.07重量%、Sb:0.01〜0.05重量%及びP:0.01〜0.05重量%を必須成分として含む電気鋼板である。また、成分を上記範囲に制限する他にも、P+0.5Sbを0.0370〜0.0630(ここで、PとSは各元素の含量(重量%)を意味する)の範囲に制限することがより好ましい。
また、上述したようにSn、Sb及びPなどの成分を制限するに加えて、下記のようにAs、Cu、Bi、Te、Ni、Cr、Pb、Mo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループのうちから選択された1種または2種以上の元素を適正な含量で添加する場合は、2次再結晶化温度の制御が有利であることや、結晶粒のサイズを均一化させることなどの効果によって、磁気特性をさらに向上させることができる。以下、各成分の添加理由について、より詳しく説明する。
As:1.40重量%以下
本発明者らの研究結果によると、Asは、上記P、Sb及びSnなどの抑制剤の機能を補助して磁気特性をさらに向上させるための元素であり、この元素を添加する場合、2次再結晶化開始温度を増加させ、よって、ゴス方位を有する結晶粒の成長に有利な温度で安定的に2次再結晶化する効果が得られる。但し、Asを1.40重量%を超えて添加すると、鋼板の焼鈍時に生成される被膜の劣化を避けることができず、磁気特性も劣化されるため、上記Asの含量の上限は1.40重量%に制限する。また、上記Asの含量が足らずとも、Asを全く添加しない場合に比べて磁気特性が不良になるわけではないが、添加による有利な効果を得難いため、上記有利な効果を得るためには、Asを0.003重量%以上で添加することがより好ましい。
Cu:0.50重量%以下
上記Cuは、熱間圧延段階で微細な粒子で析出して1次再結晶粒の成長に対する抑制剤として作用することができる。特に、脱炭を窒化と同時にを行う工程の場合、Cuの効果はより大きい。同時脱炭窒化は、脱炭後の窒化工程に比べて、1次再結晶粒のサイズの不均一性が増加するが、1次再結晶粒のサイズの不均一性が大きくなれば、過度に成長した結晶粒はサイズ効果によって2次再結晶化されるため、最終製品の磁気特性を劣化させることがある。このような問題点は、硫化物を形成するCuを適正量で添加すれば防止することができる。即ち、Cuを微量で添加する場合、硫化物を微細にし、個数を増加させることができる。換言すると、Cuは、熱間圧延段階で硫化物に微細に析出して、1次再結晶粒の過度な粒成長を抑制するので、結晶粒のサイズを均一にすることができ、結果的に、ゴス結晶粒のみが2次再結晶化で選択的に起こすことになるので、磁気特性により優れた方向性電気鋼板を製造することができる。但し、0.50重量%を超えて添加すると、1次再結晶粒のサイズが 小さくなり過ぎて、2次再結晶化開始温度が低くなり、それによって、磁気特性を劣化させ得るので、上記Cuの添加量の上限は、0.50重量%に制限するとよい。また、上記Cuの含量が足らずとも、Cuを全く添加しない場合に比べて磁気特性が不良になるわけではないが、Cuの添加による有利な効果を得難いため、上記有利な効果を得るためには、Cuを0.05重量%以上添加することがより好ましい。
Bi:0.1重量%以下
本発明では、上記有利な組成に加えて、Biを0.1重量%以下で添加することが好ましい。本発明者らの研究結果によれば、上記Biは補助抑制剤として作用して2次再結晶化開始温度を増加させ、2次再結晶化を安定的に形成させるため、上記Biを添加する場合は、磁気特性により優れた方向性電気鋼板を製造することができる。但し、Biを0.1重量%を超えて添加すると、鋼板の焼鈍時に生成される被膜の劣化を避けることができず、磁気特性も劣化されるため、上記Biの含量の上限は、0.1重量%に制限する。また、上記Biの含量が足らずとも、Biを全く添加しない場合に比べて磁気特性が不良になるわけではないが、Biの添加による有利な効果を得難いため、上記有利な効果を得るためには、Biを0.005重量%以上添加することがより好ましい。
Te:1.40重量%以下
本発明者らの研究結果によれば、Teは上記P、Sb及びSnなどの抑制剤の機能を補助して磁気特性をさらに向上させるための元素であり、Teの元素を添加する場合、2次再結晶化開始温度を増加させ、よって、ゴス方位を有する結晶粒の形成に有利な温度で安定的に2次再結晶化する効果が得られる。但し、1.40重量%を超えてTeを添加すると、鋼板の焼鈍時に生成される被膜の劣化を避けることができず、磁気特性も劣化されるため、上記Teの含量の上限は、1.40重量%に制限する。また、Teの含量が足りなくても、Teを全く添加しない場合に比べて磁気特性が不良になるわけではないが、Teの添加による有利な効果を得難いため、上記有利な効果を得るためには、Teを0.01重量%以上添加することがより好ましい。
Ni:1.40重量%以下
本発明者らの研究結果によれば、上記Niは、熱延板組職を改善し、補助抑制剤として作用して2次再結晶化開始温度を増加させ、2次再結晶化を安定的に形成させるので、Niを添加する場合、磁気特性により優れた方向性電気鋼板を製造することができる。但し、Niを1.40重量%を超えて添加すると、鋼板の焼鈍時に生成される被膜の劣化を避けることができず、磁気特性も劣化されるため、上記Niの含量の上限は、1.40重量%に制限する。また、Niの含量が足りなくても、Niを全く添加しない場合に比べて磁気特性が不良になるわけではないが、Niの添加による有利な効果を得難いため、上記有利な効果を得るためには、Niを0.01重量%以上添加することがより好ましい。
Cr:0.35重量%以下
上記Crは、フェライト形成元素であり、1次再結晶粒を成長させる作用があり、1次再結晶板で{110}<001>方位の結晶粒の数を増加させることができるので、Crを添加すれば、鉄損が低くかつ磁束密度が高い方向性電気鋼板を製造することができる。但し、Crを0.35重量%を超えて添加すると、同時脱炭、窒化焼鈍工程で鋼板の表面部に緻密な酸化層を形成して浸窒を妨害するようになるので、上記Crの添加量の上限は、0.35重量%に制限する。また、Crの含量が足らずとも、Crを全く添加しない場合に比べて磁気特性が不良になるわけではないが、Crの添加による有利な効果を得難いため、上記有利な効果を得るためには、Crを0.02重量%以上添加することがより好ましい。
Pb:1.40重量%以下
本発明では、上記有利な元素に加えて、Pbを1.40重量%以下で添加することが好ましい。本発明者らの研究結果によれば、上記Pbは、補助抑制剤として作用して2次再結晶化開始温度を増加させ、2次再結晶化を安定的に形成させるので、Pbを添加する場合、磁気特性により優れた方向性電気鋼板を製造することができる。但し、Pbを1.40重量%を超えて添加すると、鋼板の焼鈍時に生成される被膜の劣化を避けることができず、磁気特性も劣化されるため、上記Pbの含量の上限は、1.40重量%に制限する。また、Pbの含量が足りなくても、Pbを全く添加しない場合に比べて磁気特性が不良になるわけではないが、Pbの添加による有利な効果を得難いため、上記有利な効果を得るためには、Pbを0.005重量%以上添加することがより好ましい。
Mo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループのうちから選択された少なくとも1種以上:合計1.40重量%以下
本発明では、上記有利な元素に加えて、Mo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループから選択された少なくとも1種以上の元素を合計で1.40重量%以下で添加することが好ましい。本発明者らの研究結果によれば、これらの元素は、上記P、Sb及びSnなどの抑制剤の機能を補助して磁気特性をより向上させるための元素であり、これらの元素を添加する場合、2次再結晶化開始温度を増加させ、よって、ゴス方位を有する結晶粒の形成に有利な温度で安定的に2次再結晶化する効果が得られる。但し、1.40重量%を超えて添加すると、鋼板の焼鈍時に生成される被膜の劣化を避けることができず、磁気特性も劣化されるため、これらの元素の添加量の合計は、1.40重量%に制限する。また、各添加成分の含量が足りなくても、全く添加しない場合に比べて磁気特性が不良になるわけではないが、添加による有利な効果を得難いため、上記有利な効果を得るためには、これらの元素を合計で0.003重量%以上添加することがより好ましい。
従って、本発明の電気鋼板のより好ましい組成は、Sn:0.03〜0.07重量%、Sb:0.01〜0.05重量%及びP:0.01〜0.05重量%を必須成分として含み、必要に応じてAs:1.40重量%以下、Cu:0.50重量%以下、Bi:0.1重量%以下、Te:1.40重量%以下、Ni:1.40重量%以下、Cr:0.35重量%以下、Pb:1.40重量%以下、及びMo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループのうちから選択された少なくとも1種以上:合計1.40重量%以下のうち1種または2種以上をさらに含むことができる。また、上記元素の含量を上記範囲に制限する他にも、P+0.5Sbを0.0370〜0.0630(ここで、PとSは各元素の含量(重量%)を意味する)の範囲に制限することがより好ましい。
そして、本発明者らの研究結果によると、優れた鉄損を確保するためには、上記のような元素を含む本発明の電気鋼板の結晶方位がゴス方位から外れた程度が3度未満になるようにすることがより好ましい。
電気鋼板には、上述した元素以外にも、Si、Mn、Alなどのように電気鋼板で通常用いられる追加的な元素と、その他不可避に含まれる不純成分が含まれるが、これらの追加的な元素は、通常の電気鋼板で使用される種類の成分とその含量範囲から容易に類推して本発明の電気鋼板に適用することができるので、必ずしも追加的な元素の各含量範囲を限定する必要はなく、上記Sn、Sb及びPの含量、上記Sn、Sb及びPとこれらの関係、そして必要に応じて添加される追加的な元素を上述した範囲に限定することが重要である。
但し、本発明の成分系に適したSi、Mn及びAlなどの追加的な元素のより好ましい例を以下に提供し、簡略に説明する。
Si:2.0〜4.0重量%
Siは、電気鋼板の基本元素として使用され、素材の比抵抗を増加させて磁心損失、即ち、鉄損を低める役割をする。Si含量が2.0%未満の場合、比抵抗が減少して鉄損特性が劣化され、4.0重量%超過で含有されたときには、鋼の脆性が大きくなって冷間圧延が極めて難しくなり、2次再結晶粒の形成が不安定になる。よって、Siは2.0〜4.0重量%に定める。
酸可溶性Al:0.020〜0.040重量%
Alは、最終的にAlN、(Al、Si)N、(Al、Si、Mn)Nなどの窒化物の形態になって抑制剤として作用する成分であり、その含量が0.02%未満の場合は、抑制剤への十分な効果を期待することができず、高過ぎる場合は、Al系の窒化物が非常に粗大に析出、成長するため、抑制剤としての効果が足りなくなる。よって、Alの含量を0.020〜0.040重量%に定める。
Mn:0.01〜0.20重量%
マンガン(Mn)は、Siと同様に比抵抗を増加させて鉄損を減少させる効果があり、Siと共に窒化処理によって導入される窒素と反応して、(Al、Si、Mn)Nの析出物を形成することで、1次再結晶粒の成長を抑制して、2次再結晶化を起こす。しかし、Mnを0.20重量%以上添加すると、熱延途中にオーステナイト相変態を促進するので、1次再結晶粒のサイズを減少させて2次再結晶化を不安定にする。よって、Mnは0.20重量%以下にする。また、Mnは、オーステナイト形成元素として熱延板再加熱時にオーステナイト分率を高めて析出物の量を多くし、析出物の微細化とMnS形成を通じる1次再結晶粒が過大に成長し過ぎないようにする効果があるので、0.01重量%以上含むことが必要である。よって、Mnは0.01重量%以上0.2重量%以下に限定する。
Cは、冷間圧延後に脱炭焼鈍過程で除去されるものであり、NとSは、2次均熱処理時に雰囲気制御を通じて可能な限り除去されることが好ましいので、上記電気鋼板の成分系では不純物としてみなされる。但し、これらの成分は、冷間圧延されるまでは様々な理由によって電気鋼板内に存在するため、電気鋼板を製造するための鋼スラブ、熱延鋼板及び冷延鋼板(冷間圧延直後の鋼板)では、所定範囲で含まれることがあり、本発明では、下記の範囲内に制御されることがより好ましい。
C:0.04〜0.07重量%
Cは、本発明で対象とする方向性電気鋼板の磁気特性の向上に殆ど役に立たない成分であるので、なるべく除去することが好ましい。しかし、Cが一定水準以上含まれている場合、圧延過程では、鋼のオーステナイト相変態を促進して、熱間圧延時に熱間圧延組職を形成させて、均一な微細組織を形成させることに役に立つので、上記Cは、0.04重量%以上含まれることが好ましい。しかし、Cの含量が多すぎると、粗大な炭化物が生成され、脱炭時に除去が困難になる。よって、Cは、最初に上記範囲で含まれることが好ましい。
N:10〜55ppm
上記Nは、Alなどと反応して結晶粒を再微細化させる元素である。これらの元素が適切に分布される場合は、冷間圧延以後に組織を適切に微細にして適切な1次再結晶粒度を確保することに役立つが、Nの含量が多すぎると、1次再結晶粒が過度に微細化されて、その結果、2次再結晶化時に結晶粒の成長をもたらす駆動力が大きくなり、好ましくない方位の結晶粒まで成長し得る。また、N含量が多すぎると、最終焼鈍過程で除去するのに多くの時間がかかる。よって、上記窒素含量の上限は、55ppmに定める。但し、後述するように、スラブ再加熱時に固溶される窒素の含量が10ppm以上にならなければならないので、再固溶されることができるNの比率を勘案して、上記窒素含量の下限は、10ppmに定める。
S:0.0010〜0.0055%
Sは、0.0055%超過でスラブに含有されると、熱間圧延スラブ加熱時に再固溶されて析出するので、1次再結晶粒のサイズを減少させて、2次再結晶化開始温度を低めて、鋼の磁気特性を劣化させる。また、最終焼鈍工程の2次均熱区間で固溶状態のSを除去するのに多くの時間が必要とされるので、方向性電気鋼板の生産性を落とす。一方、S含量が0.0055%未満と低い場合は、冷間圧延前の初期結晶粒のサイズが粗大になる効果があるので、1次再結晶化工程で変形バンドで核が生成される{110}<001>方位を有する結晶粒の数が増加される。よって、2次再結晶粒のサイズを減少させて、最終製品の磁気特性を向上させるので、Sは0.0055%以下に定める。Sは、MnSを形成して1次再結晶粒のサイズにある程度影響を与えるので、0.001重量%以上含むことができる。従って、Sの範囲を0.0010〜0.0055%に限定する。
上述した元素の他にも、方向性電気鋼板に含まれる多様な元素が本発明の電気鋼板の合金元素として含まれることができることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者なら理解することができるであろう。通常知られた元素の組み合せとその適用は、当然、本発明の権利範囲に属するものである。
本発明の芳香性電気鋼板は、当該技術分野で広く知られた電気鋼板の通常の製造方法によって製造されることもできるが、下記の製造方法を通じて製造することがより好ましい。以下に、より好ましい製造方法について詳細に説明する。以下で特に説明しない条件は、通常の条件に準ずることにする。
冷間圧延された鋼板を製造する過程までは、通常の製造方法によって製造すれば良い。即ち、鋼スラブを熱間圧延した後、熱延板スラブを焼鈍して、以後、焼鈍された鋼スラブを冷間圧延する過程は、当該技術分野で広く知られた方法の中の一つから選択することができ、必要な場合、それに変形を加えて適用することができる。また、酸洗などの電気鋼板の熱延及び冷延過程で要求される付加的な工程も当然含まれて適用されることができる。
但し、鋼スラブを熱間圧延するために再加熱するときは、再加熱温度を適切に調節して、NとSが不完全固溶体化されるようにすることが好ましい。特に、Nの含量は、10〜40ppmになるように制御することが好ましい。即ち、本発明の発明者らの研究結果によれば、全てのNの含量を適切な範囲に制御することが重要なのではなく、再加熱時に再固溶されて冷却時に析出される窒化物の量を制御することが重要であるため、再加熱時に再固溶されるNの含量を適切な範囲になるように制御する。即ち、析出される窒化物の量によって結晶粒の微細化程度が異なるが、結晶粒が微細化になり過ぎる場合は、ゴス方位とは異なる方位を有する結晶粒まで成長してしまう可能性があり、逆に結晶粒が粗大化になり過ぎると、2次再結晶化時に好ましくない結晶粒が除去されない可能性がある。よって、上記固溶されるNの含量を10〜40ppmの範囲に定めることが好ましい。上記固溶されるNの含量を制御するためのスラブ再加熱温度は、鋼中に含まれたAl含量を考慮して設定されることができるが、本発明で好ましく含まれることができるAl含量を考慮すると、上記再加熱温度は、1050〜1250℃であることがより好ましい。
以後、冷間圧延までの過程は、上述したように通常の方法の1つから適切に選択して適用すれば良いので、詳しい説明を省略する。但し、方向性電気鋼板を製造するための熱延鋼板の厚さは、通常1.8〜3.5mmであり、冷延鋼板の厚さは、通常0.18〜0.35mmであり、熱延板焼鈍のためには、1000〜1200℃まで加熱して850〜950℃で均熱処理した後に冷却する方法を利用する。上記のような過程を経る場合、熱間圧延の後または熱延板焼鈍後の析出物の平均サイズは、300〜3000Åである。
冷間圧延された鋼板は、以後、脱炭焼鈍と再結晶化焼鈍を経ることになるが、これについては詳しく説明する。
冷間圧延された鋼板は、アンモニア+水素+窒素の混合気体の雰囲気で脱炭及び窒化焼鈍をする。上記の脱炭及び窒化焼鈍方式は、従来の窒化焼鈍方式を容易に適用することができる。窒化焼鈍は、脱炭焼鈍と同時になされることもでき、脱炭焼鈍が終了した後になされることもできる。脱炭を先ずして、以後に窒化焼鈍する方法によると、Siや(Si、Mn)Nなどのような析出物が形成されるようになるが、このような析出物は、熱的に不安定であり分解され易く、その結果、抑制剤としての役割をきちんと行うことができないので、AlNや(Al、Si、Mn)Nなどの析出物に変化させるために長期間高温で維持する必要があるが、脱炭と窒化焼鈍を同時にすれば、上記AlNや(Al、Si)Nが同時に形成されるので、長い処理時間を要しない。よって、脱炭と窒化焼鈍を同時にする方法がより好ましい。しかし、ここで留意すべき点は、脱炭以後に窒化焼鈍をする方法もまた、本発明の有利な特性を備えた電気鋼板を製造するのと同じく有効に使用できるということである。即ち、同時脱炭窒化方法は、本発明の電気鋼板の製造方法においてより簡単かつ有用なだけであり、本発明はそれによって限定されない。
本発明の発明者らの研究結果によると、本発明で提案する範囲にSn、Sb及びPの含量を制御する場合は、従来の成分系に比べて結晶粒のサイズ因子が大きく異なって作用するので、これを考慮することがより好ましい。即ち、元素の含量を上述した範囲に制御する場合は、1次再結晶粒のサイズを微細にするだけでなく、同一の1次再結晶化の条件下では、2次再結晶化が上手く起こらないようにすることがある。1次再結晶粒が微細化されれば2次再結晶化が上手く起こるが、これらの元素は同一の1次結晶化粒度下では、2次再結晶化が上手く起こらないようにする効果も有するので、これらの効果のうちどの効果がより優勢に作用するかによって、本発明の2次再結晶化が容易に起こるか、それとも従来の場合より容易ではないように起こるかを決めた後、これを脱炭焼鈍条件に適用する必要がある。本発明の発明者らの研究結果によると、上記1次再結晶粒の微細化による2次再結晶化を促進する駆動力の増加効果がより優勢であるので、上記元素を添加する場合は、1次再結晶化された組職のサイズが微細化になり過ぎないように脱炭焼鈍温度(即ち、1次再結晶化温度)を調節することがより好ましい。従って、脱炭焼鈍温度は、通常の場合より10〜30℃程高い温度である800〜950℃程に設定することが好ましい。脱炭焼鈍温度が低い場合は、十分な脱炭焼鈍効果が発生しないだけでなく、結晶粒が微細な状態に維持されて、2次再結晶化時に好ましくない方位の結晶粒が成長することがあり、逆に脱炭焼鈍温度が高過ぎると、1次再結晶粒が過度に成長することがある。本発明の成分系で好ましい1次再結晶粒のサイズは、18〜25μm程である。また、本発明の組成系の露点はSn、Sb及びPを含まない成分系に比べて露点が2〜4℃程低いように50〜70℃程にすることが酸化層管理に有利であり、最終製品の結晶粒方位制御や鉄損向上により有利である。
上記脱炭焼鈍を経た鋼板は、上述したように、MgOを基本成分とする焼鈍分離剤を塗布した後、コイル状にして長期間最終焼鈍することで、ゴス方位の結晶粒が優勢に分布する電気鋼板に製造されるようになる。その詳細な過程は、上記コイル状の鋼板に塗布された焼鈍分離剤から水分を除去するために、1次均熱過程を経て、以後、既に1次再結晶化された鋼板を2次再結晶化させるために昇温する昇温過程と、後に再結晶化をさらに進行させると同時に、鋼中の不純物を除去するための2次均熱過程とを経る。このとき、制限された温度内で瞬間的に抑制剤が再溶解され、それによって結晶粒の成長の障壁が消えながら、制限された温度範囲内で2次再結晶化が始まるようにするために、昇温速度を非常に遅く制限して昇温を行い、以後に不純物を除去するために2次均熱時間を長期間に設定した。このような従来の方式は、生産性低下の大きな原因となるため、本発明者らは、このような問題を解決するために多方面で原因を分析した結果、1次均熱後に昇温速度を2段階に分けて適用することが好ましいということを確認することができた。
即ち、抑制剤が溶解される温度以下の温度までは速く昇温しても、2次再結晶化が起こらず、初めに速い昇温速度を適用し、2次再結晶化が起こる温度からは従来と類似した遅い冷却速度で昇温すれば、同一の2次再結晶化効果が得られつつ、所要時間が減少されて生産性の向上に効果的である。本発明では、昇温速度を変化して適用する基準温度を900〜1020℃に定める。即ち、1次均熱後には速い昇温速度で鋼板を昇温し、その後、上記基準温度範囲で2次再結晶化を考慮して遅い昇温速度で昇温する。本発明では、上記初期の速い昇温速度区間の昇温速度を18〜75℃/hrに定め、2次再結晶化を考慮して遅い昇温速度を10〜15℃/hrに定める。また、本発明では、抑制剤として作用する窒素の再固溶される量を既に説明したように制限し、Sの全体含量も0.0055重量%以下に制限することで、これらの成分の除去に必要とされる時間も従来方法に比べてより短くできる。
上記1次均熱温度と2次均熱温度は、通常の均熱温度内で制御すれば良いので、特に制限しない。但し、1次均熱温度の例としては、650〜850℃の温度範囲を挙げることができ、2次均熱温度の例としては、1150〜1250℃の範囲を挙げることができ、これらの温度範囲は、鋼板の成分によって、または、本発明の主要な特徴以外の他の些細な部分を変更することによって、少しずつ変更して適用することができる。
つまり、本発明の電気鋼板の製造方法は、上記有利な本発明の組成を持った鋼スラブを再加熱する段階;上記再加熱された鋼スラブを熱間圧延、熱延板焼鈍及び焼鈍鋼板冷間圧延して鋼板を製造する段階;上記冷間圧延された鋼板を800〜950℃の温度範囲で脱炭焼鈍及び窒化焼鈍する段階;及び上記焼鈍された鋼板を最終焼鈍する段階;を含み、上記最終焼鈍段階が、1次均熱する段階、昇温する段階、及び2次均熱する段階を有する場合、初期に18〜75℃/hrの昇温速度で昇温温度を昇温した後、900〜1020℃の範囲内で10〜15℃/hrの範囲で昇温する。
以下、添付した図面を通じて、本発明の実施形態をより詳細に説明する。但し、下記の実施例は、本発明を例示して具体化するためのものであるだけであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、それらを均等の範囲にすること、及び変形することは可能であることが理解される。
<Sn、Sb及びP添加量による鉄損変化>
重量%で、Si:3.26%、C:0.055%、Mn:0.12%、Sol.Al:0.026%、N:0.0042%、S:0.0045%、そしてSn、Sb及びP含量を表1〜表4のように変化させ、残部Feとその他不可避に含まれた不純物成分を含む方向性電気鋼板を使用した。電気鋼板のスラブを、再固溶されるNの量が25ppmになる温度1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、920℃で90秒間維持し、水に急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に露点温度が63℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜950℃の温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表1〜表4の通りである。
Figure 2011510166
Figure 2011510166
Figure 2011510166
Figure 2011510166
上記の表1〜表4の実験結果をより具体的に確認するために、他の成分を固定した状態で、Sn、Sb及びPをそれぞれ変化させながら鉄損が異なることを確認した結果を、図4乃至図6に示した。その中で、図4は、SbとPの含量を固定した状態でSn含量を変化させた結果を示したグラフである。図4から分かるように、SbとP含量が本発明で規定する範囲を外れた場合は、鉄損が特別な臨界的変化なしに連続的な挙動を表していたが、Sb:0.025、P:0.035重量%の場合と、Sb:0.025、P:0.04重量%では、Snが0.03〜0.07重量%であるときに鉄損が急激に改善される特別な地点が表れることを確認することができた。よって、SbとPが共存する条件下で、Sbを0.03〜0.7重量%に制御するときに、鉄損減少が臨界値を超える効果が得られることを確認することができた。
また、図5は、SnとP成分を固定した状態で、Sb成分によって鉄損が変化することを示したグラフであるが、SnとPの含量が本発明で規定する範囲を満たす場合に、Sb含量を0.01〜0.05重量%に制御するときに、従来では期待することができない顕著な鉄損改善効果が表れた。
図6も、SnとSbを固定した状態で、P含量によって鉄損が変化することを示したグラフであるが、SnとSbが本発明で規定する範囲を満たす場合に、P含量を0.01〜0.05重量%に制御するときに、鉄損特性が不連続的に改善された。
従って、本発明で規定する範囲内でSn、Sb及びPを制御するときは、従来では期待することができない顕著な鉄損減少効果があることを確認することができた。
図7は、Snを0.05重量%に固定したとき、PとSnの関係による鉄損の変化を示した図であり、図8は、上記図7のPとSnの関係を数式P+0.5Sbに代入したときに、鉄損が改善される効果を示した図であるが、上記数式P+0.5Sbが本発明で規定する0.0370〜0.0630の範囲内で変化したときは、鉄損が顕著に改善されることを確認することができた。
<スラブ再加熱時の固溶窒素量の制御での効果>
重量%で、Si:3.23%、C:0.058%、Mn:0.12%、Al:0.025%、P:0.032%、N:0.0053%及びS:0.0042%、Sb:0.032%、Sn:0.045%、P:0.038%、及び残部Feと不可避に含有された不純物を含む電気鋼板を使用した。この鋼板のスラブを再加熱するときに再固溶されるNの量を、表5のように変化させた後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1100℃まで加熱した後、920℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が65℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜950℃の温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で15時間維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表5の通りである。
Figure 2011510166
上記表5に示すように、スラブ再加熱時に再固溶されるNの含量が、本発明の範囲を満たす発明材25〜27は、比較材109及び110に比べて磁気特性が遥かに優れることがわかった。
<鋼板の厚さが鉄損に及ぼす影響>
鋼板の厚さが鉄損に及ぼす影響を究明するために、次のような実験を行った。
重量%で、Si:3.23%、C:0.058%、Mn:0.12%、Sol.Al:0.025%、N:0.0050%、S:0.0045%、Sb:0.032%、Sn:0.045%、P:0.038%、及び残部Feと不可避に含有された不純物を含む成分系1と、Si:3.25%、C:0.054%、Mn:0.11%、Sol.Al:0.025%、N:0.0050%及びS:0.0045%、Sn、Sb及びPを含まずに残部Fe及び不可避に含有される一部不純物を含む成分系2とを含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを再固溶されるNの含量が23ppmになる温度1150℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1100℃まで加熱した後、920℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.35mm、0.30mm、0.27mm、0.23mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が63℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜950℃の温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で15時間維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表6の通りである。
Figure 2011510166
上記表6に示すように、Sb、Sn及びPを添加した成分系1の結果が、Sb、Sn及びPを添加しない成分系2に比べて非常に向上された鉄損を有していることを確認することができた。また、成分系に関係なく、鋼板の厚さが薄くなるにつれて鉄損も向上することを確認することができ、その結果、本発明で定義する成分系を有する発明材は、鋼板の厚さによって鉄損を予想することができ、鋼板の厚さによる鉄損理論値を下記の数式1のように定めることができた。
(数式1)
鉄損[W/kg]≦0.46679+1.71622*厚さ[μm]
<結晶方位測定>
重量%で、Si:3.18%、C:0.0556%、Mn:0.11%、Sol.Al:0.026%、N:0.0046%、S:0.0045%、Sb:0.028%、Sn:0.046%、P:0.037%、及び残部Feとその他不可避に含有される不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、再固溶されるNの量が21ppmになる温度1150℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1100℃まで加熱した後、920℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が63℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜950℃の温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で15時間維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性及びβ角(TD軸に対し[001]方位とRD間の角度)の面積加重平均は、表7の通りである。
Figure 2011510166
上記表7に示すように、Sb、Sn及びP含量が本発明の範囲内に制御された発明材である場合、結晶方位がゴス方位から外れた程度が3度未満であり、その結果、磁気特性も優れたことがわかった。即ち、本発明の一実施形態による電気鋼板は、2次再結晶粒の方位を制御することで磁気特性に優れた方向性電気鋼板を製造することができることを確認することができた。
<1次再結晶化方法の変形例>
本発明のより好ましい方法である同時脱炭窒化焼鈍ではなく、脱炭後、窒化焼鈍時に鉄損に及ぼす影響を究明するために、次のような実験を行った。
重量%で、Si:3.23%、C:0.058%、Mn:0.12%、Sol.Al:0.025%、N:0.0050%、S:0.0045%、Sn:0.045%、P:0.038%を含み、Sbを0、0.005、0.025、0.035、及び0.060%の異なる含量で含み、残部Feと不可避に含有された不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板スラブを、再固溶されるNの量が27ppmになる温度1170℃で210分加熱した後、再加熱した後に熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、920℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。860℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体で、冷延板を脱炭焼鈍を行った。その後、N含有量を200±20ppmとして窒化処理を行った。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は昇温温度範囲全体で15℃/hrにした。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で15時間維持した後、炉冷した。その後、通常の張力コーティングと平坦化処理を行った。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表8の通りである。
Figure 2011510166
上記表8に示すように、Sb、Sn及びPを適正量で添加した発明材(成分系1)の結果が、Sb、Sn及びPを適正量で含有しない比較材(成分系2)に比べて、非常に向上された鉄損を有していることを確認することができた。また、窒化方法前の脱炭処理において、1次再結晶化される場合、本発明の成分の含有範囲で鉄損が臨界的に向上されることが分かった。
<As添加による鉄損変化>
重量%で、Si:3.15%、C:0.058%、Mn:0.1%、Sol.Al:0.03%、N:0.0049%、S:0.004%、Sn:0.05%、Sb:0.032%、P:0.04%を含み、Asを下記9に示された含量で添加し、残部Feとその他不可避に含まれた不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、910℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜45℃/hrの温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には、100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表9の通りである。
Figure 2011510166
表9に示すように、Asの添加量が本発明で規定する範囲を満たす場合を便宜上発明材と規定し、これを外れる場合を比較材と規定した。上記表9において、発明材41乃至発明材43は、Asを本発明で規定する含量範囲で添加した場合を表し、比較材121は、Asの含量が過大な場合を表す。発明材の場合は、Asを添加するにつれて鉄損が減少することを確認することができた。しかし、As添加量が過多な比較材121の場合は、むしろ鉄損が増加して、鉄材の改善に不利に作用することを確認することができた。
従って、上記Asは、1.40重量%以下に添加されることが有利であることを確認することができた。
<Cu添加による鉄損変化>
重量%で、Si:3.0%、C:0.052%、Mn:0.12%、Sol.Al:0.026%、N:0.0042%、S:0.0045%、Sn:0.05%、Sb:0.027%、P:0.039%を含み、Cuを下記表10に示された異なる含量で添加し、残部Feとその他不可避に含まれた不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、再固溶されるNの量が25ppmになる1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、910℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜45℃/hrの温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表10の通りである。
Figure 2011510166
表10に示すように、各元素の添加量が本発明で規定する範囲を満たす場合を、便宜上発明材と規定し、これを外れる場合を比較材と規定した。上記の表10において、発明材44乃至発明材48は、Cuを本発明で規定する範囲に添加した場合を表し、比較材122はCuの含量が過多な場合を表す。特に、発明材45乃至48は、本発明で規定するより好ましい範囲、即ち、0.05重量%以上でCuを添加する場合を表し、発明材44は、上記範囲よりは少なくCuを添加した場合を表す。比較的Cu含量が低い発明材44は、Cuを全く添加しない一般的な成分系と類似した水準の鉄損を表したが、Cu添加量が増加した発明材45乃至48の場合は、鉄損の減少がより顕著であることを確認することができた。しかし、Cu添加量が過多な比較材122の場合は、むしろ鉄損が増加して、鉄損の改善に不利に作用することを確認することができた。
従って、上記Cuは、0.50重量%以下に添加されることが有利であることを確認することができた。
<Bi添加による鉄損変化>
重量%で、Si:3.15%、C:0.058%、Mn:0.1%、Sol.Al:0.03%、N:0.0049%、S:0.004%、Sn:0.05%、Sb:0.032%、P:0.04%を含み、Biを下記表11に示された異なる含量で添加し、残部Feとその他不可避に含まれた不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、910℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜45℃/hrの温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表11の通りである。
Figure 2011510166
表11に示すように、Biの添加量が本発明で規定する範囲を満たす場合を、便宜上発明材と規定し、これから外れる場合を比較材と規定した。上記表11において、発明材49乃至発明材52は、Biを本発明で規定する範囲で添加した場合を表し、比較材123は、Biの含量が過多な場合を表す。発明材の場合は、Biを添加するにつれて鉄損が減少することを確認することができた。しかし、Bi添加量が過多な比較材123の場合は、むしろ鉄損が増加して、鉄損の改善に不利に作用することを確認することができた。
従って、上記Biは、0.1重量%以下に添加されることが有利であることを確認することができた。
<Te添加による鉄損変化>
重量%で、Si:3.15%、C:0.058%、Mn:0.1%、Sol.Al:0.03%、N:0.0049%、S:0.004%、Sn:0.05%、Sb:0.032%、P:0.04%を含み、Teを下記表12に示された異なる含量で添加し、残部Feとその他不可避に含まれた不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、910℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜45℃/hrの温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表12の通りである。
Figure 2011510166
表12に示すように、各元素の添加量が本発明で規定する範囲を満たす場合を、便宜上発明材と規定し、これから外れる場合を比較材と規定した。上記表12において、発明材53乃至発明材56は、Teを本発明で規定する範囲内で添加した場合を表し、比較材124は、Teの含量が過多な場合を表す。発明材の場合は、Teを添加するにつれて鉄損が減少することを確認することができた。しかし、Te添加量が過多な比較材124の場合は、むしろ鉄損が増加して、鉄損の改善に不利に作用することを確認することができた。
従って、上記Teは、1.40重量%以下に添加されることが有利であることを確認することができた。
<Ni添加による鉄損変化>
重量%で、Si:3.1%、C:0.051%、Mn:0.1%、Sol.Al:0.026%、N:0.0041%、S:0.005%、Sn:0.045%、Sb:0.028%、P:0.038%を含み、Niを下記表13に示された異なる含量で添加し、残部Feとその他不可避に含まれた不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、910℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜45℃/hrの温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表13の通りである。
Figure 2011510166
表13に示すように、Niの添加量が本発明で規定する範囲を満たす場合を、便宜上発明材と規定し、これから外れる場合を比較材と規定した。上記表13において、発明材57乃至発明材60は、Niを本発明で規定する範囲内で添加した場合を表し、比較材125は、Niの含量が過多な場合を表す。発明材の場合は、Niを添加するにつれて鉄損が減少することを確認することができた。しかし、Ni添加量が過多な比較材125の場合は、むしろ鉄損が増加して、鉄損の改善に不利に作用することを確認することができた。
従って、上記Niは、1.40重量%以下に添加されることが有利であることを確認することができた。
<Cr添加による鉄損変化>
重量%で、Si:3.105%、C:0.057%、Mn:0.09%、Sol.Al:0.027%、N:0.0051%、S:0.005%、Sn:0.05%、Sb:0.031%、P:0.037%を含み、Crを下記表14に示された異なる含量で添加し、残部Feとその他不可避に含まれた不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、910℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜45℃/hrの温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表14の通りである。
Figure 2011510166
表14に示すように、各元素の添加量が本発明で規定する範囲を満たす場合を、便宜上発明材と規定し、これから外れる場合を比較材と規定した。上記表14において、発明材61乃至発明材65は、Crを本発明で規定する範囲内で添加した場合を表し、比較材126は、Crの含量が過多な場合を表す。特に、発明材62乃至65は、本発明で規定するより好ましい範囲、即ち、0.05重量%以上でCrを添加する場合を表し、発明材61は、上記範囲よりは少なく添加した場合を表す。比較的Cr含量が低い発明材61は、Crを全く添加しない一般的な成分系と類似した水準の鉄損を表したが、Cr添加量が増加した発明材62乃至65の場合は、鉄損の減少がより顕著であることを確認することができた。しかし、Cr添加量が過多な比較材126の場合は、むしろ鉄損が増加して、鉄損の改善に不利に作用することを確認することができた。
従って、上記Crは、0.35重量%以下に添加されることが有利であることを確認することができた。
<Pb添加による鉄損変化>
重量%で、Si:3.12%、C:0.055%、Mn:0.11%、Sol.Al:0.029%、N:0.0049%、S:0.0045%、Sn:0.05%、Sb:0.031%、P:0.039%を含み、Pbを下記表15に示された異なる含量で添加し、残部Feとその他不可避に含まれた不純物を含む方向性電気鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、910℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素の混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜45℃/hrの温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は、1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表15の通りである。
Figure 2011510166
表15に示すように、Pbの添加量が本発明で規定する範囲を満たす場合を、便宜上発明材と規定し、これから外れる場合を比較材と規定した。上記表15において、発明材66乃至発明材69は、Pbを本発明で規定する範囲内で添加した場合を表し、比較材127は、Pbの含量が過多な場合を表す。発明材の場合は、Pbを添加するにつれて鉄損が減少することを確認することができた。しかし、Pb添加量が過多な比較材127の場合は、むしろ鉄損が増加して、鉄損の改善に不利に作用することを確認することができた。
従って、上記Pbは、1.40重量%以下に添加されることが有利であることを確認することができた。
<Mo、B、Ge、Nb、Ti及びZnのうちから選択される少なくとも1種の添加による鉄損変化>
重量%で、Si:3.15%、C:0.058%、Mn:0.1%、Sol.Al:0.03%、N:0.0049%、S:0.004%、Sn:0.05%、Sb:0.032%、P:0.04%を含み、Mo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループのうちから選択された1種の元素を下記表16に湿された異なる含量で添加し、残部Feとその他不可避に含まれた不純物を含む方向性金属鋼板を使用した。方向性電気鋼板のスラブを、1170℃で210分加熱した後、熱間圧延して、2.3mmの厚さの熱延板を製造した。この熱延板を1120℃まで加熱した後、910℃で90秒間維持し、水で急冷して酸洗した後、0.30mmの厚さに冷間圧延し冷延板を製造した。875℃に維持された炉中に、露点温度が62℃である75%の水素と25%の窒素との混合気体と、1%の乾燥アンモニアガスとを同時に投入して、炉内で冷延板を180秒間維持して、脱炭及び窒化処理を同時にした。
次に、加熱焼鈍鋼板に焼鈍分離剤であるMgOを塗布してコイル状に最終焼鈍した。最終焼鈍時に、1次均熱温度を700℃、2次均熱温度を1200℃にし、昇温速度は、700〜45℃/hrの温度範囲では45℃/hr、950〜1200℃の温度範囲では15℃/hrにした。一方、1200℃での均熱時間は15時間にして処理した。最終焼鈍時の雰囲気は1200℃までは25%窒素+75%水素の混合雰囲気にし、1200℃到達後には100%水素雰囲気で維持した後、炉冷した。それぞれの条件に対して測定した磁気特性は、表16の通りである。
Figure 2011510166
表16に示すように、各元素の添加量が本発明で規定する範囲を満たす場合を、便宜上発明材と規定し、これから外れる場合を比較材と規定した。上記表16において、発明材70乃至発明材72は、Moを本発明で規定する範囲内で添加した場合を表し、比較材128は、Moの含量が過多な場合を表す。特に、発明材71と72は、本発明で規定するより好ましい範囲、即ち、0.003重量%以上にMoを添加する場合を表し、発明材70は、上記範囲よりは少なく添加した場合を表す。比較的Mo含量が低い発明材70は、Moを全く添加しない一般的な成分系と類似した水準の鉄損を表したが、Mo添加量が増加した発明材71と72の場合は、鉄損の減少がより顕著であることを確認することができた。しかし、Mo添加量が過多な比較材128の場合は、むしろ鉄損が増加して、鉄損の改善に不利に作用することを確認することができた。
発明材73乃至発明材75及び比較材129は、鉄損の改善についてBの影響を観察した結果を表したものであり、発明材76乃至発明材78及び比較材130は、鉄損の改善についてGeの影響を観察した結果を表したものであり、発明材79乃至発明材81及び比較材131は、鉄損の改善についてZnの影響を観察した結果を表したものであり、発明材82乃至発明材84及び比較材131は、鉄損の改善についてNbの影響を観察した結果を表したものであり、そして発明材85乃至発明材87及び比較材132は、鉄損の改善についてTiの影響を観察した結果を表したものであるが、鋼間で鉄損値の減少には若干の差はあったが、発明材と比較材は鉄損の減少で類似した効果を表すことを確認することができた。
従って、上記添加元素は、1.40重量%以下に添加されることが有利であり、より確実な鉄損向上効果を得るためには、0.003重量%以上添加されることがより有利であることを確認することができた。

Claims (13)

  1. Sn:0.03〜0.07重量%、Sb:0.01〜0.05重量%及びP:0.01〜0.05重量%を必須成分として含む、方向性電気鋼板。
  2. P+0.5Sbが0.0370〜0.0630(但し、ここで、P及びSは該当元素の含量(重量%)を意味する。)の範囲である、請求項1に記載の方向性電気鋼板。
  3. As:1.40重量%以下、Cu:0.50重量%以下、Bi:0.1重量%以下、Te:1.40重量%以下、Ni:1.40重量%以下、Cr:0.35重量%以下、Pb:1.40重量%以下、及びMo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループのうちから選択された少なくとも1種以上:合計1.40重量%以下のうち1種または2種以上をさらに含む、請求項1または2に記載の方向性電気鋼板。
  4. Si:2.0〜4.0重量%、酸可溶性Al:0.020〜0.040重量%及びMn:0.01〜0.20重量%をさらに含む、請求項1または2に記載の方向性電気鋼板。
  5. 前記電気鋼板の結晶方位がゴス方位から外れた程度である、β角の絶対値から計算した面積加重平均が3度未満である、請求項1または2に記載の方向性電気鋼板。
  6. C:0.04〜0.07重量%、N:10〜55ppm及びS:0.0010〜0.0055重量%をさらに含む鋼スラブから製造される、請求項1または2に記載の方向性電気鋼板。
  7. Sn:0.03〜0.07重量%、Sb:0.01〜0.05重量%及びP:0.01〜0.05重量%を必須成分として含む鋼スラブを熱間圧延、焼鈍及び冷間圧延して鋼板を製造する段階;
    前記冷間圧延された鋼板を800〜45℃/hrの温度範囲で脱炭焼鈍及び窒化焼鈍する段階;及び
    前記焼鈍された鋼板を最終焼鈍する段階;を含み、
    前記最終焼鈍段階が、1次均熱する段階、昇温する段階、及び2次均熱する段階を有する場合、初期に18〜75℃/hrの昇温速度で昇温温度を昇温した後、900〜1020℃の範囲内で10〜15℃/hrの範囲で昇温する、鋼板の製造方法。
  8. P+0.5Sbが0.0370〜0.0630(ここで、PとSは該当元素の含量(重量%)を意味する。)の範囲である、請求項7に記載の鋼板の製造方法。
  9. 前記鋼スラブは、As:1.40重量%以下、Cu:0.50重量%以下、Bi:0.1重量%以下、Te:1.40重量%以下、Ni:1.40重量%以下、Cr:0.35重量%以下、Pb:1.40重量%以下、及びMo、B、Ge、Nb、Ti及びZnからなるグループのうちから選択された少なくとも1種以上:合計1.40重量%以下のうち1種または2種以上をさらに含む、請求項7または8に記載の鋼板の製造方法。
  10. 前記鋼スラブは、Si:2.0〜4.0重量%、酸可溶性Al:0.020〜0.040重量%、Mn:0.01〜0.20重量%、C:0.04〜0.07重量%、N:10〜55ppm及びS:0.0010〜0.0055%をさらに含む、請求項7または8に記載の鋼板の製造方法。
  11. 前記鋼スラブを再加熱する段階は、再固溶されるNの含量が10〜40ppmの範囲になるように加熱温度を制御する、請求項7または8に記載の鋼板の製造方法。
  12. 前記鋼スラブの加熱温度は、1050〜1250℃の範囲である、請求項11に記載の鋼板の製造方法。
  13. 前記2次均熱温度は、1150〜1250℃の範囲である、請求項7または8に記載の鋼板の製造方法。
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