JP2011509403A - Gdf−15に基づいて救急室を受診する患者のリスクを評価するための手段及び方法 - Google Patents

Gdf−15に基づいて救急室を受診する患者のリスクを評価するための手段及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、被験体が病院又は集中治療室に入院すべきかを同定する方法であって、(a)被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定するステップ、及び(b)ステップ(a)で測定したGDF-15の量を参照量と比較し、それによって病院又は集中治療室に入院すべき被験体を同定するステップを含む方法に関する。さらに本発明は、被験体におけるGDF-15の量の測定に基づく、死亡リスクの予測方法に関する。また本発明は、上述の方法を実施するためのデバイス及びキットを包含する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、被験体のリスク層化方法に関する。好ましくは、本発明の方法は、被験体が病院に入院若しくは集中治療室に入院すべきか否か、又は退院可能であるかを同定することができる。多くの場合、被験体は救急室を受診する。本方法は、該被験体のサンプル中の増殖分化因子15(GDF-15)の測定に基づく。本発明はまた、上述の方法を行うためのデバイス及びキットを包含する。
何らかの種の不快症状をもって被験体が救急室を受診する場合には、その被験体の不快症状の原因を特定し、被験体の健康への結果を回避するために、被験体の病理状態の迅速な診断が必須である。大いに関連する主題は、患者が、さらに時間のかかる分析及び/又は集中治療処置のために病院に入院するかどうか、あるいは患者が退院可能であるかの決定である。
例えば、急性の心血管事象の場合には、通常は短期間のうちに、特定の治療レジメンの決定を行わなければならない。心血管系合併症、特に心疾患は西半球においては死亡と罹患率の主因である。心血管系合併症は、長期にわたり無症状のままであることがある。しかし、急性心血管事象、例えば心筋梗塞などが心臓血管系合併症の結果として生ずると、重篤な結果となる可能性がある。従って、医師、一般的には救急室を受診し、急性冠症候群ACS(すなわち、不安定狭心症UAP又は心筋梗塞MI)への罹患が疑わしい患者の迅速な診断のために、ガイドラインが存在する(J.Am.Coll.Cardiol. 2000; 36, p.959-969参照)。MIを有すると疑われる被験体では、心電図を記録し、トロポニンT又はIのレベルを測定する。さらに、疑わしい被験体が、胸痛、動悸、悪心、嘔吐などの明らかな症候及び当業者に公知の他の症候を示すかどうか分析する。被験体が3つの基準の2つについて陽性である場合には、被験体はさらなる検査のために病院に入院する。
しかしながら、救急室を受診する被験体の構成は不均一であり、心血管系合併症(急性、すなわち虚血性合併症と、非虚血性合併症の両方を含む)を患う被験体が約35%、肺合併症を患う被験体が10%、及び他の合併症(例えば腫瘍)を患い、追加的に心血管系合併症を患っていてもよい被験体が55%又は56%である。従来の診断技術、特に救急の状況で用いられる技術は、通常は、これらの種々の病理状態に関する信頼性の高い診断及び/又はリスク評価ができない。別の欠点は、しばしば起こる関係者の不足、及び救急室の占有が変動することである。
現在、救急室において医師が遭遇する種々の疾患を対象とする標準化された診断手順は存在しない。従って、被験体が退院可能であるか又はさらなる検査若しくは集中治療処置(生命を救うものでありうる)のために病院に入院すべきかどうかの決定を可能にする迅速かつ正確な診断は、十分な精度をもって救急室において行うことができない。その結果、多くの患者が、退院又は入院が適当な手段であった場合にも反対に入院又は退院している。
場合により、いわゆる分子マーカーによって、被験体の病理状態の迅速かつ十分に正確な診断を確立することが可能である。有名な例は、上述したようなMIの診断のためのトロポニンT及び/若しくはトロポニンI、又は種々の非虚血性心疾患、例えば心不全のためのナトリウム利尿ペプチド、特にNT-proBNPである。
最近、GDF-15が心血管系合併症の指標となることが示唆された(米国特許出願公開第2003/0232385号;Kempf 2006, Circ Res 98: 351-360)。増殖分化因子15(GDF-15)は、トランスフォーミング増殖因子βサイトカインスーパーファミリーのメンバーである。GDF-15はマクロファージ抑制性サイトカイン1(MIC-1)として最初に同定され、後に胎盤性トランスフォーミング増殖因子βとも命名された(Bootcov 1997, Proc Natl Acad Sci 94:11514-11519;Tan 2000, Proc Natl Acad Sci 97:109-114)。培養心筋細胞が擬似的な虚血再かん流を受けた場合には、一酸化窒素及びニトロソ化ストレス依存的なシグナル伝達経路を介してGDF-15を発現し、分泌することが最近示された。さらに、心筋の虚血再かん流傷害に関するマウスモデルでは、GDF-15の発現レベルが、冠動脈結紮の後の虚血性領域で急速に増大し、再かん流心筋で数日間上昇したままとなることが観察された(Kempf, 上記)。
2007年8月2日出願のPCT/EP2007/058007出願は、心臓インターベンションの必要のある被験体のサンプルにおけるGDF-15の測定に基づいて心臓インターベンションを受容可能な被験体を同定する方法に関する。さらに該発明は、心血管系合併症に罹患した被験体について、該被験体のサンプルにおけるGDF-15及びナトリウム利尿ペプチド及び/又は心臓トロポニンの測定に基づいて、死亡リスク又はさらなる急性心血管事象を予測する方法に関する。
従って、救急室を受診する被験体の評価及び/又は個々のリスク層化を行うことができる診断又は予後判定手段が必要とされている。この手段によって、心血管系疾患を示さない患者、特に急性心血管疾患を示さない患者においても評価/リスク層化が可能となるはずである。
本発明の基礎となっている技術的課題は、上述のニーズに応じるための手段や方法の提供として理解することができる。
技術的課題は特許請求の範囲及び本明細書下記で特徴付けられる実施形態によって解決される。
従って、本発明は、被験体が病院に入院すべきであるか同定する方法であって、
(a)被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定するステップ、及び
(b)ステップ(a)で測定したGDF-15の量を参照量と比較し、それによって病院に入院すべき被験体を同定するステップ
を含む方法に関する。
一般に、被験体は、医師、しばしば一般開業医を受診する。好ましくは、被験体は、救急室、好ましくは病院の救急室、よりさらに好ましくは内科救急室を受診する被験体である。
本発明において、「救急室」という用語は、医学的バックグラウンドを有する人、好ましくは医師に相談し、その病理状態及びその不快症状の原因を分析するために、不快感を有する個人が訪れる任意の場所を意味する。典型的な例は、病院内の救急科又は救急部屋、救急車、医師のオフィス、及び重症患者の処置に適当な他の施設である。
本発明において、「病院」という用語は、さらなる診断、観察、処置又は看病を行うために、疾患を有する又は疾患を有することが疑われる個人が収容又は維持される任意の場所を意味する。従って、「病院」は、そのような病院を意味し、それに含まれる任意の病室、例えば一般治療室を含む。本発明の好ましい実施形態において、病室は集中治療室である。従って、一実施形態において、本発明に係る方法によって、一般治療室よりも必要な病理状態の結果として、集中治療室に入院すべき被験体の同定が可能になる。
本発明の方法は、好ましくはin vitroの方法である。さらに、前記方法は上記で明確に述べたものに加えて他のステップを含んでもよい。例えば、別のステップは、サンプルの前処理、又は前記方法で得られる結果の評価に関連するものである。この方法は、手動で行うか、又は自動化により支援することができる。好ましくは、ステップ(a)及び/又は(b)は、その全体又は一部を自動化によって、例えば、ステップ(a)での測定のための適切なロボット及びセンサー装置、又はステップ(b)でのコンピューターで行う比較によって、支援することができる。
GDF-15中央値を超える又はそれ以下のGDF-15値による入院及び退院率を示す。 GDF-15値の増大を示す患者は病院に入院したことを示す四分位の範囲を示す。 GDF-15値を用いた退院又は入院の予測のためのROC分析の結果を示す。
本明細書で用いる「同定する」という用語は、さらなる検査及び/又は集中治療処置若しくは介入のために被験体が病院に入院する必要がある病理状態にあるかどうかを評価することを意味する。当業者ならば理解しうるとおり、そのような評価は通常は同定しようとする被験体の全て(すなわち100%)について正しいことを意図したものではない。しかし、この用語は被験体の統計学的に有意な一部(例えば、コホート研究における1コホート)を同定できることを要求する。一部が統計的に有意かどうかは、当業者に別の手間を要することなく、様々な周知の統計評価ツール、例えば信頼区間の決定、p値の決定、スチューデントのt検定、マン・ホイットニー検定等を用いて決定することができる。詳細については、Dowdy and Wearden, Statistics for Research, John Wiley & Sons, New York 1983中に見られる。好ましい信頼区間は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%である。p値は、好ましくは、0.1、0.05、0.01、0.005、又は0.0001である。より好ましくは、集団のうち少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%の被験体を、本発明の方法により適切に同定することができる。
本明細書で用いる「被験体」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトに関する。
本発明において、被験体は、被験体にはわからず、また自身では診断することができず、医師に相談すべきと感じる不快症状及び/又は病理状態を患う。被験体は、平均的な被験体であり、すなわち上述したような平均的な被験体集団(約35%が心血管系合併症を患い、10%が肺合併症を患い、55%又は56%が他の合併症、例えば腫瘍を患い、かつ、心血管系合併症をさらに患うこともある)に属する。
しかし、本発明の上述の方法においては、被験体は、標準的な診断プロトコールによって診断可能な合併症、好ましくはAmerican College of Cardiology(上記参照)によって定義される急性心血管事象、例えば胸部不快感、呼吸困難、ECGの変化、及び上記のその他を患っていなくてもよいと考えられる。より好ましくは、被験体は、判定前の24時間以内に少なくとも5分間持続する狭心症の発症を1回以上示さず、かつ心臓トロポニンT若しくはI試験のいずれかが陽性ではないか、又は、既存のものでなく、合併疾患に帰因するものでもない、少なくとも0〜5mmの一過性若しくは持続性のST部分の低下を示さない。あるいは、被験体は、安静時に増大するか若しくは起こる虚血症状又は急性心筋梗塞の疑いの根拠となった虚血症状の直近の発症を、判定前48時間以内に示さない。心筋虚血は、心電図(ST低下=0.1 mV又はT波逆転=0.1 mV)によって、又は生化学的マーカーの上昇(クレアチンキナーゼ[CK]-MB >6 μg/L、トロポニンT >0.01 ng/mL、定性的トロポニンT試験陽性、又はCK、CK-B、若しくはCK MBの触媒活性が心筋梗塞についての局所診断限界(local diagnostic limit)よりも高い)によって確認されるものとする。
急性心血管事象は、好ましくは急性冠症候群(ACS)である。ACS患者は不安定狭心症(UAP)又は心筋梗塞(MI)を示す可能性がある。MIはST上昇型MI(STEMI)又は非ST上昇型MI(NSTEMI)でありうる。ACSを発症すると、それに引き続いて左心室機能不全(LVD)、及び心不全の症状が起こりうる。
上述に従って、本発明の方法はまた、疾患を有する又は疾患を有することが疑われる個体が、さらに診断、観察、処置又は看病(好ましくは病院内で)を受けるべきであるかどうか診断又は評価する方法であるものとして記載する。
「サンプル」という用語は、体液のサンプル、分離した細胞のサンプル、又は組織若しくは器官からのサンプルを意味する。体液のサンプルは周知の技術によって得ることができ、そのようなサンプルとしては、好ましくは、血液、血漿、血清、又は尿のサンプル、より好ましくは、血液、血漿、又は血清のサンプルが挙げられる。組織又は器官のサンプルはどのような組織や器官からでも、例えば生検によって得ることができる。分離した細胞は、体液又は組織若しくは器官から、遠心分離又は細胞ソーティングなどの分離技術によって得ることができる。好ましくは、細胞、組織、若しくは器官のサンプルは本明細書で言及しているペプチドを発現若しくは産生する細胞、組織若しくは器官から得られたものである。
「増殖分化因子-15」又は「GDF-15」という用語は、トランスフォーミング増殖因子(TGF)-βサイトカインスーパーファミリーのメンバーであるポリペプチドに関する。ポリペプチド、ペプチド、及びタンパク質という用語は本明細書全体にわたって相互に交換可能に用いられている。GDF-15はもともとはマクロファージ阻害性サイトカイン-1としてクローニングされ、後に胎盤性トランスフォーミング増殖因子-β、胎盤性骨形成タンパク質、非ステロイド系抗炎症剤活性化遺伝子-1、及び前立腺由来因子としても同定されている(Bootcov, 上掲;Hromas, 1977 Biochim. Biophys. Acta 1354:40-44;Lawton 1997, Gene 203:17-26;Yokoyama-Kobayashi 1997, J. Biochem(Tokyo), 122:622-626;Paralkar 1998, J. Biol. Chem. 273: 13760-13767)。他のTGF-β関連サイトカインと同様に、GDF-15は不活性の前駆体タンパク質として合成され、これはジスルフィド結合でホモ二量体となる。N末端プロペプチドがタンパク質分解切断されると、GDF-15は約28 kDaの二量体タンパク質として分泌される(Bauskin 2000, Embo J. 19:2212-2220)。GDF-15のアミノ酸配列はWO99/06445号、WO00/70051号、WO2005/113585号、Bottner 1999, Gene 237:105-111、Bootcov, 上掲、Tan, 上掲、Baek 2001, Mol. Pharmacol. 59:901-908、Hromas, 上掲、Paralkar, 上掲、Morrish 1996, Placenta 17:431-441、又はYokoyama-Kobayashi, 上掲中に開示されている。本発明で使用するGDF-15は上述の特定のGDF-15ポリペプチドの変異体をも包含している。そのような変異体は、少なくとも、特定のGDF-15ポリペプチドと同様の本質的な生物学的及び免疫学的性質を有している。特に、それらの変異体は、本明細書で言及している同一の特定のアッセイ、例えば該GDF-15ポリペプチドを特異的に認識するポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体を用いたELISAアッセイで検出可能な場合には、同一の本質的な生物学的及び免疫学的性質を有する。好ましいアッセイについては添付の実施例中に記載されている。さらに、本発明で言及されている変異体は、少なくとも1つのアミノ酸の置換、欠失、及び/若しくは付加によって異なるアミノ酸配列を有しており、その際、該変異体のアミノ酸配列は、好ましくは、特定のGDF-15ポリペプチドのアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、92%、95%、97%、98%、又は99%同一である。2つのアミノ酸配列間の同一性の程度は当技術分野で周知のアルゴリズムによって決定することができる。好ましくは、同一性の程度は2つの最適にアライメントさせた配列を比較ウインドウにわたって比較することによって決定され、その際、比較ウインドウ中のアミノ酸配列の断片は最適なアライメント用の参照配列(付加若しくは欠失を含んでいない)と比較して、付加若しくは欠失(例えば、ギャップやオーバーハング)を含んでいてもよい。パーセンテージは2つの配列の双方で同一のアミノ酸残基となっている位置の数から一致している位置の数を求め、一致している位置の数を比較ウインドウ中の位置の総数で割り、その結果に100を掛けて、配列同一性のパーセンテージを得ることによって算出される。比較のための配列の最適なアライメントは、Smith及びWatermannのローカルホモロジーアルゴリズム(Add. APL. Math. 2:482(1981))によって、Needleman及びWunschのホモロジーアライメントアルゴリズム(J. Mol. Biol. 48:443(1970))によって、Pearson及びLipmanの類似性探索法(Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 85:2444(1988))によって、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実施(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group(GCG), 575 Science Dr., Madison, WI中のGAP、BESTFIT、BLAST、PASTA、及びTFASTA)によって、又は目視による検討によって行うことができる。比較のために2つの配列が同定されている場合は、GAP及びBESTFITを用いてそれらの最適なアライメントを決定することによって、同一性の程度を求めることが好ましい。好ましくは、ギャップウエイトについてのデフォルト値が5.00であり、ギャップウエイトレングスについてのデフォルト値が0.30である。上記変異体は、アレル変異体、又は他の任意の種の特定のホモログ、パラログ若しくはオーソログであってもよい。さらに、本発明でいう変異体は、特定のGDF-15ポリペプチド又は上述のタイプの変異体の断片を、それらの断片が上述の本質的な免疫学的及び生物学的性質を有するものである限り、含んでいる。そのような断片は、例えばGDF-15ポリペプチドの分解産物であることができる。翻訳後の修飾、例えばリン酸化又はミリスチル化などにより異なる変異体がさらに含まれる。
本明細書に記載のGDF-15、又は任意の他のペプチド若しくはポリペプチドの量の測定は、その量又は濃度を、好ましくは半定量的又は定量的に測定することに関する。測定は、直接的又は間接的に行うことができる。直接的な測定は、ペプチド又はポリペプチド自体から得られ、その強度がサンプル中に存在するペプチド分子数と直接相関するシグナルに基づいて、ペプチド又はポリペプチドの量又は濃度を測定することに関する。(強度シグナルとして本明細書に記載されることもある)そのようなシグナルは、例えばペプチド又はポリペプチドの特定の物理的又は化学的な特性についての強度値を測定することによって得ることができる。間接的な測定は、二次成分(即ちペプチド若しくはポリペプチドそれ自体ではない成分)又は生物学的な読み取り系、例えば測定可能な細胞応答、リガンド、標識若しくは酵素反応生成物から得られるシグナルの測定を含む。
本発明においては、ペプチド又はポリペプチドの量の測定は、サンプル中のペプチドの量を測定するための周知の方法によって行うことができる。該手段は、サンドイッチ、競合その他様々なアッセイのフォーマットにおいて標識した分子を利用することができる免疫アッセイのデバイス及び方法を含む。該アッセイは、ペプチド又はポリペプチドの存在又は非存在を示すシグナルを生成する。さらにシグナル強度は、好ましくは、サンプル中に存在するポリペプチドの量と直接的に又は間接的に(例えば反比例で)相関するものである。別の好適な方法は、正確な分子量又はNMRスペクトル等のペプチド又はポリペプチドに特有な物理的又は化学的な特性を測定することを含む。該方法は、好ましくは、バイオセンサー、免疫アッセイと連結した光学装置、バイオチップ、質量分析計、NMR分析器又はクロマトグラフィー装置等の分析装置を含む。さらに方法は、マイクロプレートELISAに基づく方法、完全に自動化又はロボット化した免疫アッセイ(例えばElecsysTM分析器を利用できる)、CBA(酵素的コバルト結合アッセイ法(enzymatic Cobalt Binding Assay)、例えばRoche-HitachiTM分析器を利用できる)、及びラテックス凝集アッセイ(例えばRoche-HitachiTM分析器を利用できる)を含む。
好ましくは、ペプチド又はポリペプチドの量の測定は、(a)細胞応答の強度がペプチド又はポリペプチドの量を示す細胞応答を誘導することができる細胞に、該ペプチド又はポリペプチドを適切な時間接触させる工程と、(b)その細胞応答を測定する工程を含む。細胞応答を測定するためには、好ましくは、サンプル又は処理したサンプルを、培養細胞に加え、内部又は外部の細胞応答を測定する。その細胞応答は、測定可能なレポーター遺伝子の発現、又はペプチド、ポリペプチド若しくは小分子等の物質の分泌を含んでもよい。その発現又は物質は、ペプチド又はポリペプチドの量と相関する強度シグナルを生じる。
また好ましくは、ペプチド又はポリペプチドの量の測定は、サンプル中のペプチド又はポリペプチドから得られる特有な強度シグナルを測定する工程を含む。上記のように、このようなシグナルは、質量スペクトルで観察されるペプチド若しくはポリペプチドに特有な変化量m/z、又はペプチド若しくはポリペプチドに特有なNMRスペクトルで観察されるシグナル強度であってもよい。
ペプチド又はポリペプチドの量の測定は、好ましくは、(a)該ペプチドを特定のリガンドに接触させる工程、(b)(任意に)非結合リガンドを除去する工程、(c)結合リガンドの量を測定する工程を含んでもよい。その結合リガンドは、強度シグナルを生じる。本発明において、結合は、共有結合及び非共有結合を含む。本発明において、リガンドは、任意の化合物、例えば本明細書におけるペプチド又はポリペプチドに結合する、ペプチド、ポリペプチド、核酸又は小分子でありうる。好ましいリガンドは、抗体、核酸、ペプチド又はポリペプチド、例えば、該ペプチド又はポリペプチド及び該ペプチドの結合ドメインを含むそのフラグメントのための受容体又は結合パートナー、並びに核酸又はペプチドアプタマー等のアプタマーを含む。このようなリガンドを調製するための方法は、当技術分野で周知である。例えば、好適な抗体又はアプタマーの同定及び作製は、市販の業者からも提供される。当業者は、より高い親和性又は特異性をもつ前記リガンドの誘導体を開発する方法に精通している。例えば、ランダム変異を核酸、ペプチド又はポリペプチドに導入することができる。これらの誘導体は、例えばファージディスプレイ法等の当技術分野で知られるスクリーニング法により、結合について試験することができる。本明細書において、抗体は、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体だけでなく、抗原又はハプテンに結合することができるFv、Fab及びF(ab)2フラグメント等のそのフラグメントも含む。本発明はまた、所望の抗原特異性を示す非ヒトドナー抗体のアミノ酸配列をヒトアクセプター抗体の配列と組み合わせた一本鎖抗体及びヒト化ハイブリッド抗体も含む。ドナー配列は通常、少なくとも抗原に結合するドナーのアミノ酸残基を含むが、他の構造的及び/又は機能的に関連性のあるドナー抗体のアミノ酸残基も含んでもよい。このようなハイブリッドは、当技術分野で周知の種々の方法により調製することができる。好ましくは、リガンド又は薬剤がペプチド又はポリペプチドに特異的に結合する。本発明において、特異的な結合は、そのリガンド又は薬剤が、分析するサンプル中に存在する他のペプチド、ポリペプチド又は物質に、実質的に結合する(「交差反応する」)べきではないことを意味する。好ましくは、特異的に結合するペプチド又はポリペプチドは、関連のある他のどのペプチド又はポリペプチドよりも、少なくとも3倍、より好ましくは少なくとも10倍、さらに好ましくは少なくとも50倍高い親和性で結合するべきである。非特異的な結合も、例えばウェスタンブロットにおけるそのサイズに従って、又はサンプル中に相対的により多量に存在することによって、明確に区別及び測定できる場合は、許容できる場合がある。リガンドの結合は、当技術分野で公知のあらゆる方法によって測定することができる。好ましくは、該方法は、半定量的又は定量的である。好適な方法については、以下に記載する。
第一に、リガンドの結合は、例えばNMR又は表面プラズモン共鳴によって、直接測定することができる。
第二に、リガンドが、対象とするペプチド又はポリペプチドの酵素活性の基質としても働く場合は、酵素反応生成物を測定することができる(例えばプロテアーゼの量は、例えばウェスタンブロットで、切断された基質の量を測定することによって測定することができる)。あるいは、リガンドが酵素特性自体を示す場合があり、「リガンド/ペプチド若しくはポリペプチド」複合体又はペプチド若しくはポリペプチドそれぞれによって結合するリガンドを、強度シグナルの発生によって検出可能となる好適な基質と接触させることができる。酵素反応生成物の測定のために、好ましくは基質の量は飽和している。基質は、反応前に検出可能な標識で標識化してもよい。好ましくは、サンプルを適切な時間にわたり、基質と接触させる。適切な時間は、生成する生成物の量が検出可能に、好ましくは測定可能になるために必要な時間を表す。生成物の量を測定する代わりに、所定の(例えば検出可能な)量の生成物が現れるために必要な時間を測定することができる。
第三に、リガンドの検出及び測定を可能とする標識に、リガンドを共有結合又は非共有結合により結合させることができる。標識は、直接的又は間接的な方法により行うことができる。直接的な標識は、リガンドに標識を直接(共有結合又は非共有結合により)結合させることを含む。間接的な標識は、第一リガンドに第二リガンドが(共有結合又は非共有結合により)結合することを含む。第二リガンドは、第一リガンドに特異的に結合するべきである。第二リガンドは、好適な標識と結合する及び/又はその第二リガンドに結合する第三リガンドの標的(受容体)となることができる。第二、第三又はより高次のリガンドの使用は、シグナルを増強するために用いられる場合が多い。好適な第二及び高次のリガンドは、抗体、二次抗体、及び周知のストレプトアビジン-ビオチン系(Vector Laboratories, Inc.)を含み得る。リガンド又は基質は、当技術分野で公知の一種以上のタグで「タグ付加」してもよい。このようなタグは、より高次のリガンドの標的となってもよい。好適なタグは、ビオチン、ジゴキシゲニン、His-Tag、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、FLAG、GFP、myc-tag、A型インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)、マルトース結合タンパク質等を含む。ペプチド又はポリペプチドの場合は、タグは、好ましくはN末端及び/又はC末端にある。好適な標識は、適切な検出法によって検出可能な全ての標識である。典型的な標識は、金粒子、ラテックスビーズ、アクリダンエステル、ルミノール、ルテニウム、酵素活性標識、放射性標識、磁性標識(例えば、常磁性及び超常磁性標識等の「磁性ビーズ」)、及び蛍光標識を含む。酵素活性標識は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ及びその誘導体を含む。検出のための好適な基質は、ジアミノベンジジン(DAB)、3,3'-5,5'-テトラメチルベンジジン、NBT-BCIP(Roche Diagnosticsの既製のストック溶液として利用できる、4-ニトロブルーテトラゾリウムクロライド及び5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-ホスフェート)、CDP-StarTM(Amersham Biosciences)、ECFTM(Amersham Biosciences)を含む。好適な酵素と基質の組み合わせによって、当技術分野で公知の方法により(例えば、感光膜又は好適なカメラシステムを用いて)測定可能な着色反応生成物、蛍光又は化学発光が生じることになる。酵素反応の測定に関しては、上記で規定した基準を同様に適用する。典型的な蛍光標識としては、蛍光タンパク質(例えばGFP及びその誘導体)、Cy3、Cy5、テキサスレッド、フルオレセイン及びAlexa色素(例えばAlexa 568)が挙げられる。別の蛍光標識は、例えばMolecular Probes(Oregon)から入手できる。蛍光標識として量子ドットの使用も想定される。典型的な放射性標識としては、35S、125I、32P、33P等が挙げられる。放射性標識は、感光膜又はホスファーイメージャー(phosphor imager)等の適切な周知の方法によって検出することができる。本発明において好適な測定法には、沈降(特に免疫沈降)、電気化学発光(電気的に生成された化学発光)、RIA(放射免疫アッセイ)、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、サンドイッチ酵素免疫法、電気化学発光サンドイッチ免疫アッセイ(ECLIA)、解離増感ランタニド蛍光イムノアッセイ(dissociation-enhanced lanthanide fluoro immuno assay (DELFIA))、シンチレーション近接アッセイ(SPA)、比濁法(turbidimetry)、比ろう法(nephelometry)、ラテックスにより増感される比濁法若しくは比ろう法、又は固相免疫法も含まれる。当技術分野で公知の別の方法(例えばゲル電気泳動、二次元ゲル電気泳動、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE))、ウェスタンブロッティング及び質量分析法)は、単独で、又は上記の標識化若しくは他の検出法と組み合わせて用いることができる。
ペプチド又はポリペプチドの量は、好ましくは、次の通り測定してもよい:(a)上記で特定したペプチド又はポリペプチドに対するリガンドを含む固体支持体を、ペプチド又はポリペプチドを含むサンプルに接触させ、(b)支持体に結合するペプチド又はポリペプチドの量を測定する。好ましくは、核酸、ペプチド、ポリペプチド、抗体及びアプタマーからなる群より選択されるリガンドは、好ましくは固定化形態で固体支持体上に存在する。固体支持体を製造するための材料は、当技術分野で周知であり、特に、市販のカラム材料、ポリスチレンビーズ、ラテックスビーズ、磁性ビーズ、コロイド金属粒子、ガラス並びに/又はシリコンのチップ及び表面、ニトロセルロース片、膜、シート、デュラサイト(duracyte)、反応トレイのウェル及び壁、プラスチックチューブ等が含まれる。リガンド又は薬剤は、多くの様々な担体と結合することができる。周知の担体の例には、ガラス、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、デキストラン、ナイロン、アミロース、天然の及び修飾されたセルロース、ポリアクリルアミド、アガロース、及びマグネタイトが含まれる。担体の性質は、本発明の目的に応じて、可溶性又は不溶性のいずれであってもよい。前記リガンドを定着/固定化するための好適な方法は周知であり、これに限定されないが、イオン性、疎水性、共有結合性の相互作用等が含まれる。本発明のアレイとして、「懸濁アレイ」を使用することも検討される(Nolan 2002, Trends Biotechnol. 20(1):9-12)。そのような懸濁アレイでは、担体、例えばマイクロビーズ又はミクロスフェアが懸濁液中に存在する。そのアレイは、おそらく標識され、様々なリガンドを担持する異なるマイクロビーズ又はミクロスフェアから構成される。そのようなアレイの製造方法は、例えば固相化学及び光解離性保護基に基づくものが、一般的に知られている(米国特許第5,744,305号)。
本明細書で用いられる用語「量」には、ポリペプチド又はペプチドの絶対量、該ポリペプチド又はペプチドの相対量若しくは濃度だけでなく、これに関連する又は由来するあらゆる値又はパラメータが含まれる。そのような値又はパラメータには、直接的な測定によって前記ペプチドから得られる全ての特有の物理的又は化学的な特性に由来する強度シグナル値、例えば、質量スペクトル又はNMRスペクトルにおける強度値が含まれる。さらに、本明細書の各所で特定される間接的な測定により得られる全ての値又はパラメータ、例えば、ペプチドに対する応答として生物学的読み取り系で測定される応答レベル又は特異的に結合したリガンドから得られる強度シグナルが含まれる。上記の量又はパラメータと相関する値は、全ての標準的な数学的手法によっても得られることは理解されるべきである。
本明細書で用いる用語「比較する」は、分析対象のサンプルに含まれるペプチド又はポリペプチドの量を、本明細書中の他の箇所で説明する好適な参照源の量と比較することを含む。本明細書で用いる比較するとは、対応するパラメータ又は値の比較を意味し、例えば絶対量は絶対参照量と比較するが、濃度は参照濃度と比較し、あるいは試験サンプルから得られる強度シグナルは参照サンプルの同種の強度シグナルと比較すると理解される。本発明の方法のステップ(b)に記載の比較は、手動で又はコンピューターによって行うことができる。コンピューターによる比較については、測定した量の値を、コンピュータープログラムによって、データベース中に保存されている適切な参照に対応する値と比較することができる。コンピュータープログラムはさらに比較結果を評価することができる、すなわち、適切な出力フォーマットで所望の評価を自動的に提供することができる。ステップ(a)で測定した量と参照量との比較に基づいて、被験体が心臓インターベンションを受容可能であるか、すなわち心臓インターベンションによって治療が成功しうる被験体の群に属するかどうかを評価することができる。従って、参照量は、比較される量との相違(差)又は類似性のいずれかによって、心臓インターベンションを受容可能な被験体の群に属する試験被験体を同定するか、又は心臓インターベンションを受容可能ではない試験被験体を同定することができるように、選択される。
従って、本明細書で用いる「参照量」という用語は、被験体が病院に入院すべきか又は退院可能であるかどうかを評価することのできる量を意味する。従って、参照は、例えば、(i)病院に入院したことがわかっている被験体、すなわち死亡などの悪影響の発生、又は不適合な治療レジメンによって生ずる副作用の発生のない、さらなる検査を受けて、さらなる調査結果に基づいて後の又は集中治療処置を受けている被験体、あるいは(ii)入院していないことがわかっており、死亡した又は不適合な治療レジメンによって生ずる副作用を発生した被験体、に由来することができる。さらに、参照量は閾値量を規定することができ、それによってその閾値よりも多い量はさらなる検査及び/又は(集中)治療のために病院に入院すべき被験体についての指標であり、閾値量よりも低い量は退院可能な被験体の指標とすることができる。個々の被験体に適用できる参照量は、種々の生理学的パラメーター、例えば年齢、性別、又は部分集団、並びに本明細書で言及しているポリペプチド若しくはペプチドの測定に用いられる手段によって変わりうる。適切な参照量は、分析しようとする参照サンプルと共に(すなわち同時に又は順次的に)試験サンプルから測定することができる。閾値として用いうる好ましい参照量は、正常値の上限(ULN)、すなわち、健康であることが明らかな被験体集団において見出される生理学的な量の上限値から誘導することができる。所与の被験体集団のためのULNは種々の周知の技術によって決定することができる。適切な技術は、本発明の方法で測定するペプチド又はポリペプチドの量について、集団の中央値を求めることでありうる。GDF-15についての好ましい閾値(すなわち参照量)は、ULNの少なくとも1〜2倍である。この場合のULNは好ましくは1800 pg/mLである。
従って、本発明において言及するGDF-15の閾値量を規定する参照量は、病院への入院に関して、1200 pg/mL、好ましくは1560 pg/ml、最も好ましくは8210 pg/ml(陰性的中率99.3%である)である。
この参照量よりも多いGDF-15の量は、より好ましくは、被験体が病院に入院すべきであることを示す。
さらに、又はあるいは、上述の本発明の方法は、集中治療室において集中治療処置を受容可能な被験体を同定するために使用することができる。集中治療処置は、別の診断手順及び治療的介入を含みうる。治療的介入は、薬物に基づく治療法であってもよいし、あらゆる種の外科的介入を含むものであってもよい。
別の診断手順としては、以下が挙げられる:経胸壁心エコー検査;経食道心エコー検査;腹部超音波検査;CT(胸部);x線(胸部);スパイラルCT;侵襲的心臓カテーテル診断法(左心、右心、複合);肺シンチグラフィー(換気及び血流);脚の圧迫超音波法;負荷心エコー法;気管支鏡検査;静脈造影法;血管造影法。
投与可能な薬物としては、以下が挙げられる:経口抗凝固剤、非分画ヘパリン及び他の抗トロンビン、並びに線維素溶解薬;ASS;クロピドゲル(clopidrogel);ループ利尿薬及び他の利尿薬;βブロッカー;ACE阻害剤;ATブロッカー;ジギタリス;カルシウムアンタゴニスト;硝酸塩;ステロイド(経口及び吸入);テオフィリン;β交感神経様作用薬及び他の気管支拡張剤;鎮痛剤;抗生物質。
上述の及び下記の用語の定義と説明は、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の全ての実施形態に適用されるものであることは理解されるべきである。
本発明はさらに、被験体の病院への入院について決定する方法であって、
(a)該被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定するステップ、
(b)ステップ(a)で測定したGDF-15の量を参照量と比較するステップ、及び
(c)被験体が病院に入院すべきであるか決定するステップ
を含む方法に関する。
好ましくは、被験体は、救急室を受診する被験体である。病院において、被験体は集中治療室に入院してもよい。
本発明に従って被験体のために選択される別の好ましい治療法は、介入療法である。本明細書で言及する介入療法とは、被験体の身体的介入に基づいた治療法であり、例えば手術によるものである。
本発明のこの実施形態における被験体は、上述した実施形態において定義した被験体、特に急性心血管事象を患っていない被験体と同じである。
本発明はさらに、被験体について死亡リスクを予測する方法であって、
(a)該被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定するステップ、
(b)ステップ(a)で測定したGDF-15の量を参照量と比較するステップ、及び
(c)ステップ(a)及び(b)の結果に基づいて死亡リスクを予測するステップ
を含む方法に関する。
好ましくは、被験体は、救急室を受診する被験体である。病院において、被験体は集中治療室に入院してもよい。
本発明のこの実施形態における被験体は、上述した実施形態において定義した被験体、特に急性心血管事象を患っていない被験体と同じである。
本明細書で用いる「予測する」という用語は、将来のある規定期間のウインドウ(予測ウインドウ)内に、疾患に罹患している被験体が死亡する可能性を評価することを意味する。予測ウインドウとは、予測した可能性に従って被験体が死亡する期間である。予測ウインドウは、本発明の方法による分析時の、被験体の残りの生存期間全体であることができる。しかし、好ましくは、予測ウインドウは心血管系合併症の発症後(本発明の方法によって分析するサンプルが得られた後、とすることがより好ましくかつ正確である)、1ヶ月、6ヶ月、又は1、2、3、4、5若しくは10年間である。当業者であれば理解されようが、このような評価は通常は分析しようとする被験体の100%について正しいものとなることは意図していない。しかし、この用語は、分析しようとする被験体のうちの統計学的に有意な部分について妥当であることを求める。ある部分が統計学的に有意であるかは、当業者であれば、追加の労力なく、様々な周知の統計学的評価ツール、例えば、信頼区間の決定、p値の決定、スチューデントのt検定、マン-ホイットニー検定などを用いることによって決定することができる。それらの詳細は、Dowdy及びWearden, Statistics for Research, John Wiley & Sons, New York 1983に記載されている。好ましい信頼区間は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%である。p値は、好ましくは、0.l、0.05、0.01、0.005、又は0.0001である。好ましくは、本発明で意図する確率は、予測が所与のコホートの被験体のうちの少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%について正しいことでありうる。
本明細書で用いる「死亡」という用語は、心血管系合併症、肺疾患、肺塞栓症、血栓症、血栓塞栓性合併症、卒中、悪性疾患、敗血症、敗血性ショック、出血性障害、臓器不全、急性腎疾患などによって起こる死亡に関する。
本明細書で用いる「心血管系合併症」という用語は、心血管系の任意の慢性障害、又は任意の急性心血管事象を意味する。好ましくは、本明細書で用いている心血管系の慢性障害は、冠状動脈性心疾患、安定狭心症(SAP)、又は心不全が含まれ、好ましくは慢性心不全である。急性心血管事象は、好ましくは、急性冠症候群(ACS)である。ACS患者は不安定狭心症(UAP)又は心筋梗塞(MI)を示す可能性がある。MIはST上昇型MI(STEMI)、又は非ST上昇型MI(NSTEMI)でありうる。本明細書で用いるNSTE-ACSは、UAP及びNSTEMIを包含する。MIの発症に引き続き、左心室機能不全(LVD)、又は心不全の発症が起こりうる。さらに好ましい心血管系合併症は、心臓突然死及び卒中(脳血管性の事象又は事故)を含む心臓の徐脈性又は頻脈性の不整脈を包含する。最も好ましくは、心血管系合併症はACS又は心不全である。
本明細書で用いる「死亡リスクを予測する」という表現は、本発明の方法で分析される被験体を以下のいずれかに割り当てることをいう:正常、すなわち死亡リスクが上昇していない集団の被験体群、又は有意にそのリスクが上昇した被験体群。本発明において言及するリスクが上昇したとは、既定の予測ウインドウ内で死亡するリスクが、ある被験体について、被験体集団における死亡の平均リスクの点で有意に上昇していることを意味する。好ましくは、1年間という予測ウインドウの期間について平均リスクは0.5%から3.0%の範囲内、好ましくは1.5%である。本明細書で用いているリスクの上昇とは、1年間という予測ウインドウで、好ましくは3.0%超、好ましくは5.0%超、最も好ましくは3.0%〜8.0%のリスクに関する。
本発明にはさらに、病院に入院すべき被験体を同定するための、本発明の方法を実施するために適合させたデバイスであって、被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定する手段、及びその量を参照量と比較する手段を具備し、それによって病院に入院すべき被験体を同定するデバイスが包含される。
好ましくは、被験体は、救急室を受診する被験体である。病院において、被験体は集中治療室に入院してもよい。
本明細書で用いる用語「デバイス」は、予測を可能とするために、互いが動作可能となるよう連結された少なくとも上記の手段を含む手段からなるシステムに関する。GDF-15の量を測定するための好ましい手段、並びに比較を行うための好ましい手段は、本発明の方法に関連して上記に開示されている。動作しうる様式で手段を連結する方法は、デバイスに含まれる手段の種類に応じて変わる。例えば、ペプチドの量を自動的に測定するための手段を適用する場合には、その自動的に作動する手段により得られるデータを、所望の結果を得るために、例えばコンピュータープログラムによって処理することができる。好ましくは、そのような場合、その手段は単一のデバイスによって構成される。従って該デバイスは、適用されるサンプル中のペプチド又はポリペプチドの量の測定について解析するユニット、及び評価のためにその得られたデータを処理するコンピューターユニットを含むことができる。あるいは、テストストリップのような手段をペプチド又はポリペプチドの量を測定するために使用する場合には、比較のための手段は、対照ストリップ、又は測定量を参照量に割り当てる表を含んでもよい。テストストリップは、好ましくは、本明細書で説明するペプチド又はポリペプチドと特異的に結合するリガンドと組み合わせられる。ストリップ又はデバイスは、好ましくは該ペプチド又はポリペプチドと該リガンドとの結合を検出するための手段を含む。検出のための好ましい手段は、上記の本発明の方法に関する実施形態と関連して開示されている。そのような場合、その手段は動作可能なように連結され、システムの使用者はその量の測定結果と取扱説明書に定められる指示又は解説によりその診断値又は予測値を結びつける。その手段は、かかる実施形態で個々のデバイスとして存在してもよく、好ましくはキットとして一緒にパッケージングされる。当業者は、さらなる苦労をすることなくその手段を連結する方法を理解することができる。好ましいデバイスは、専門の臨床医の特別な知識がなくても適用することができるものであり、例えば、単にサンプルを付加すればよいテストストリップ又は電子デバイスである。結果は、臨床医による解釈を必要とする未加工データのアウトプットとして得ることができる。しかし好ましくは、デバイスのアウトプットは、その解釈にあたり臨床医を必要としないように処理された、即ち評価された未加工データである。さらに好ましいデバイスには、分析ユニット/デバイス(例えば、バイオセンサー、アレイ、ナトリウム利尿ペプチドを特異的に認識するリガンドと結合した固体支持体、表面プラズモン共鳴装置、NMR分析装置、質量分析装置等)、及び/又は本発明の方法における上記の評価ユニット/デバイスが含まれる。
さらに本発明は、被験体について死亡又はさらなる急性心血管事象のリスクを予測するための、本発明の方法を実施するために適合させたデバイスに関する。このデバイスは、GDF-15の量を測定する手段、及びその量を参照量と比較する手段を具備し、それによって被験体が死亡又はさらなる急性心血管事象のリスクがあるかを予測する。
さらに、被験体の病院への入院について決定するための、本発明の方法を実施するために適合させたデバイスを意図している。このデバイスは、被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定する手段、及びその量を参照量と比較する手段を具備し、それによって被験体が病院に入院すべきであるかを決定する。
本発明はまた、被験体の死亡リスクを予測するための、本発明の方法を行うために適合させたデバイスに関する。このデバイスは、被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定する手段、及びその量を参照量と比較する手段を具備し、それによって被験体が死亡するリスクがあるかどうかを予測する。
好ましくは、被験体は、救急室を受診する被験体である。病院において、被験体は集中治療室に入院してもよい。
さらに本発明により、病院に入院すべき被験体を同定する目的、被験体の病院への入院について決定する目的又は被験体の死亡リスクを予測する目的で、本発明の方法を実施するためのキットが意図されている。そのようなキットは、被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定する手段、及びその量を参照量と比較する手段を具備し、それによって病院に入院すべき被験体を同定し、被験体の病院への入院若しくは集中治療室への入院について決定し、又は被験体の死亡リスクを予測する。
本明細書で用いられる用語「キット」は、好ましくは個別に又は単一の容器内で提供される上記手段の集合を意味する。この容器は、好ましくは本発明の方法を行うための説明書を含んでいる。
本明細書で引用される全ての参考文献は、それらの全体の開示内容及び本明細書で特別に言及された開示内容について、参照により本明細書に組み入れられる。
[実施例1]
GDF-15の使用が、救急部屋において行う決定、及び救急科(ED)を受診する患者の全体的な管理を改善するという仮説を、診断及び予後診断としてのGDF-15の漸増値について評価し、GDF-15が指標となる退院、病院への入院、及び集中治療処置に関する決定の臨床的影響を予め調べることにより調べた。
方法:
大学病院の救急科(ED)に来院した合計303人の患者を試験した。入院した全ての患者からEDにおいて血液サンプルを採取した。302人の非選択の連続する患者においてGDF-15を測定した。退院時の追跡には、臨床経過及び治療の評価を含めた。変数である退院、入院及び集中治療処置を試験し、GDF-15基線値と関連付けた。リスク層化及び医療決定(退院又はICU若しくは一般治療室への入院)のために好適なGDF-15のカットオフ閾値をROC分析を用いて計算した。
結果:
診断の提示は4つのカテゴリーに分けた:
1. 虚血性心疾患、例えば急性冠症候群及び虚血性心不全などの確定又は疑い:33(10.9%)
2. 非虚血性心疾患、例えば急性虚血性誘導因子のない不整脈、心臓血管疾患及び心筋症など:36(11.8%)
3. 肺疾患、例えば喘息、慢性閉塞性疾患及び肺塞栓症:41(21.8%)
4. 他の全ての疾患:193(63.5%)。
まとめると、患者の63.5%が非心血管疾患又は非呼吸器疾患でEDに来院したが、22.7%が虚血性及び非虚血性心疾患で来院した。
統計学的分析
1. 記述統計学
表1は、算術平均値、中央値、パーセンタイルの値を示し、表2及び図1は、GDF-15中央値を超える又はそれ以下のGDF-15値による入院及び退院率を示す。中央値1.6605 ng/mlを超えるGDF-15値を示す患者は、中央値以下のGDF-15値を示す患者(入院/退院率=0.53)と比較して、より高頻度に入院していた(入院/退院率=2.17)。
2. 四分位
四分位の範囲を表3及び図2に示し、これはGDF-15値の増大を示す患者は病院に入院したことを示す。最初の四分位の患者は、入院/退院率が0.43であり、これと比較して4番目の四分位の患者の入院/退院率は4.85であることが明らかとなった。
3. ROC分析
GDF-15値を用いた退院又は入院の予測のためのROC分析の結果を表4に示す。0.722の曲線下面積(AUC)は、退院と入院との間のGDF-15の高識別力を実証する。最適な感度/陰性的中率(66.7%)及び最適な特異度/陽性的中率(68.6%)を有するGDF-15カットオフ値は1.56 ng/mlと推定された。
4. 入院についての「確定」GDF-15カットオフ値
救急科を受診した患者において病院に入院すべき患者を同定するために、GDF-15の「確定」カットオフ値8.21 ng/mlをROC分析から得ることができた。対応する感度及び陰性的中率はそれぞれ99.3%及び95.2%である。GDF-15値が> 8.21 ng/mlである患者は、診断及び基礎疾患にかかわらず、病院に入院すべきである(そして退院すべきではない)。
結論
GDF-15は、救急科を受診する患者の決定のためのマーカーであり、リスク層化のための好適なツールである。さらに、GDF-15の「確定」カットオフ値を用いることにより、患者の診断及び病状とは関係なく、患者を、病院に入院すべきで、退院すべきではない患者と同定することができた。
Figure 2011509403
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[実施例2]
58歳女性が胃腸出血又は急性胃炎の疑いで救急室に来院した。
病歴:
慢性B型肝炎、肝硬変
身体検査:
体重:62 Kg
伸長:162 cm
心拍:60/分
血圧:70/138 mmHg
臨床兆候及び症状:
・心血管機能障害については臨床兆候なし
・胃腸出血又は胃炎に関する明確な臨床兆候はない。
検査:
GDF-15値:1.56 ng/ml;< 8.21 ng/ml(病院への入院に関する確定カットオフ値); < 1.66 ng/ml(最適化ROCカットオフ値)
結果:
患者は退院可能であった!。
[実施例3]
81歳男性が明らかではない臨床的状況における心筋梗塞の疑いで救急室に来院した。
病歴:
安定冠動脈性心疾患、腎疾患
身体検査:
体重:100 Kg
伸長:178 cm
体温:39℃
心拍:103/分
血圧:70/138 mmHg
臨床兆候及び症状:
・呼吸困難
・心雑音であるが、急性非代償性心不全の臨床兆候はない
・心筋梗塞の兆候はない。
検査:
GDF-15値:20.62 ng/ml;> 8.21 ng/ml(病院への入院に関する確定カットオフ値)
結果:
患者は集中治療室に入院した。
[実施例4]
27歳男性が急性胃炎の疑いで救急科に来院した。
病歴:
患者は入院したことはなく、薬物療法を受けたことはない。健康問題の兆候を全く示さない
身体検査:
体重:85 Kg
伸長:180 cm
体温:36℃
心拍:65/分
血圧:85/126 mmHg
臨床兆候及び症状:
・ムズムズ/掻痒感
・過呼吸。
検査:
GDF-15値:0.53 ng/ml;< 8.21 ng/ml(病院への入院に関する確定カットオフ値);< 1.66 ng/ml(最適化ROCカットオフ値)
結果:
患者は退院した。
[実施例5]
37歳女性が血管迷走神経性失神で救急室に来院した。
身体検査:
体重:98 Kg
伸長:167 cm
体温:37.2℃
心拍:84/分
血圧:90/140 mmHg
臨床兆候及び症状:
・疼痛、心筋梗塞に非定型
・心血管疾患の他の兆候はない。
検査:
GDF-15値:0.91 ng/ml;< 8.21 ng/ml(病院への入院に関する確定カットオフ値);< 1.66 ng/ml(最適化ROCカットオフ値)
結果:
患者は退院した。
[実施例6]
46歳女性が、中毒と、急性腎機能不全の疑いで救急室に来院した。
病歴:
神経性食欲不振症
身体検査:
体重:47 Kg
伸長:165 cm
体温:36.5℃
心拍:80/分
血圧:76/134 mmHg
臨床兆候及び症状:
・呼吸困難。
検査:
GDF-15値:12.78 ng/ml;> 8.21 ng/ml(病院への入院に関する確定カットオフ値)
結果:
患者は病院に入院した。

Claims (14)

  1. 被験体が病院に入院すべきであるか同定する方法であって、
    (a)被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定するステップ、及び
    (b)ステップ(a)で測定したGDF-15の量を参照量と比較し、それによって病院に入院すべき被験体を同定するステップ
    を含む方法。
  2. 被験体が救急室を受診している、請求項1に記載の方法。
  3. 被験体が病院の一般治療室に入院している、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 被験体が病院の集中治療室に入院している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 被験体が急性心血管事象を患っていない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 病院に入院すべき被験体を同定する参照量が1200 pg/ml又はそれ以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 病院に入院すべき被験体を同定する参照量が1560 pg/ml又はそれ以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 病院に入院すべき被験体を同定する参照量が8210 pg/ml又はそれ以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 被験体の病院への入院について決定する方法であって、
    (a)被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定するステップ、
    (b)ステップ(a)で測定したGDF-15の量を参照量と比較するステップ、及び
    (c)被験体が病院に入院すべきであるか決定するステップ
    を含む方法。
  10. 被験体について死亡リスクを予測する方法であって、
    (a)被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定するステップ、
    (b)ステップ(a)で測定したGDF-15の量を参照量と比較するステップ、及び
    (c)ステップ(a)及び(b)の結果に基づいて死亡リスクを予測するステップ
    を含む方法。
  11. 病院に入院すべき被験体を同定するための、本発明の方法を実施するために適合させたデバイスであって、被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定する手段、及び該量を参照量と比較する手段を具備し、それによって病院に入院すべき被験体を同定するデバイス。
  12. 被験体の病院への入院について決定するための、本発明の方法を実施するために適合させたデバイスであって、被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定する手段、及び該量を参照量と比較する手段を具備し、それによって被験体が病院に入院すべきであるか決定するデバイス。
  13. 被験体の死亡リスクを予測するための、本発明の方法を実施するために適合させたデバイスであって、被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定する手段、及び該量を参照量と比較する手段を具備し、それによって被験体に死亡のリスクがあるかを予測するデバイス。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の本発明の方法を実施するためのキットであって、被験体のサンプル中のGDF-15の量を測定する手段、及び該量を参照量と比較する手段を具備するキット。
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