JP2011509248A - 抗細胞増殖化合物およびその使用方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣物、および小分子などの化合物、新生物、腫瘍、または癌、およびそれらの転移などの細胞増殖疾患を治療するための方法、ならびに活性化合物を同定およびスクリーニングするための方法を提供する。

Description

関連出願
本出願は、2007年12月27日に出願された米国特許出願第61/009,382号に対し優先権を主張し、これは参照によりその全体が本明細書に明示的にに組み入れられる。
発明の分野
本発明は、タンパク質、ペプチド、およびペプチド模倣物中の保存抗細胞増殖(例えば、抗癌)モチーフ、ならびに記載したモチーフを使用した癌を治療するための方法およびそれを使用した薬剤に関する。
序論
天然に生じるペプチド、ある医薬、および天然物質は、1つを超える観察された活性を有することが長い間観察されている。例えば、多くの医薬が薬物の主な意図された効果に全く関連せず、時としてその効果に有害となり得る副作用を有する。しかしながら、そのような副作用が全て、そのような薬物を投与される患者の健康に有害であるわけではない。
場合によっては、副作用は薬物または天然に生じる物質に全く新規の用途を提供するほど有用であり得る。これらの例としては、良性前立腺過成長(BPH)および前立腺癌における高用量での治療として使用されるフィナステリド(プロペシア)が挙げられ、これは多くの国において男性型脱毛症に対して登録されている。別の例はクエン酸シルデナフィル(バイアグラ)であり、これは現在、その元の意図された用途ではなく、その副作用のために市場で有名になっている。
いくつかの場合においては、天然に生じる物質の効果の観察結果から、そのような物質がいくつかの新規有用性を持ち得る可能性が示されるが、その物質の主に観察される効果は、インビボで観察されるいずれの「新規活性」も圧倒し得る。結果として、そのような観察結果は、所望の新規活性効果が活性物質の副作用にすぎないため、インビトロ、またはエクスビボ好奇心にとどまっている。
そのような観察結果の一例は、ヒトにおける、ANP、BNP、CNPおよびウロジラチンを含むナトリウム利尿ペプチド(NP)は、それらの主な心血管効果(例えば、血液量、血圧、および心機能の調節)の他に、代謝効果(例えば、脂肪代謝の制御)および細胞成長調節(例えば、抗増殖)効果を含む多くの生物活性を有するという発見である[Potteret al., Endocrine Rev. 27:47(2006)および本明細書における参考文献、Vesely, D.L., Curr Heart Fail Rep. 4(3):147(2007)]。
近年、あるNPもまた、ヒトの癌の培養下および動物モデルの両方において癌細胞を死滅させる、またはその成長を減衰させる能力を有することが証明されている[Baldini et al., Cell Death Diff., 11:S210−S212(2004);Baldiniet al., Melanoma Res. 16:501−507(2006);Lelievreet al., J. Biol. Chem, 276(47):43668,(2001);Levinet al., Am. J. Physiol. 30:R453−R457(1991);Vesely, D.L., Eur J Clin Invest 38(8):562(2008)]。
これらの効果の各々はそれだけ有益であるが、NP由来の効果の環境を選別することは治療の標的とされるいずれか1つの特定の領域に対する安全で効果的な療法の開発の妨げとなり得る。例えば、抗増殖剤の投与に伴う血圧の大きな変化は、別の問題に対処しながら1つの漿液性合併症を発生させることにより、患者の治療の実行を全く妨害する可能性がある。結果として、可能であれば、1つの機能の原因となる構造、モチーフまたは作用を選別し、それを他のものから分離することが最も重要である。
研究者は、NPが受容体結合特性および生物活性の両方に寄与すると考えられる共通の構造特徴を共有することに注目した[He, X−Let al., Science 293:1657(2001);Moffattら、J. Biol. Chem. 282(50):36454(2007);Potter et al., Endocrine Rev. 27:47(2006)]。これらは環構造および共有されたアミノ酸配列、またはモチーフを含む。提案されているこのモチーフの異なるバージョンはCFGXXXDRIXXXXGLGC[Potter et al., Endocrine Rev. 27:47(2006)]およびCFGXXXDRIXXXXGLGCS[He et al., Science 293:1657(2001)]を含む。それぞれの場合において、2つのC残基がジスルフィド架橋により連結される。FGXX(L/M)DRI(G/S)からなるNPモチーフもまた提案されている[Moffatt et al., J. Biol.Chem.282(50):36454(2007)]。このモチーフはまた、他の内在性ペプチド、例えばオステオクリンおよびムスクリン(後者の場合、I残基がL残基と置換されている)中で見出されており、これらはNPの代謝および細胞成長調節効果のいくつかを共有するが、その心血管効果に欠けている[Moffatt et al., J. Biol.Chem.282(50):36454(2007);Nishizawa, H.,et al., J. Biol. Chem. 279:19391(2004);Potter et al., Endocrine Rev. 27:47(2006)および本明細書中の参考文献]。このモチーフはナトリウム利尿ペプチドモチーフ(NM)と呼ばれている[Moffatt et al., J. Biol.Chem.282(50):36454(2007)]。NPの環構造は、NPRAおよびNPRBへの結合にとって、および心血管活性にとって必要であると考えられ[Collison, P.O., Bus. Brief. Eur. Cardiol, 66(2005)および本明細書中の参考文献;Potter et al., Endocrine Rev. 27:47(2006)]、R14残基(ANPにしたがい符号付けされている)は、提案されたモチーフ全ての要素であり、NPRCへの結合に必要であると考えられる[He et al., Science 293:1657(2001);Lanctot et al., 米国特許第US2007/0049251 A1号;Moffatt et al., J. Biol.Chem.282(50):36454(2007)]。
確実に抗癌効力が予測される特定のモチーフを規定し、治療のための療法を提供することは有益であろう。そのようなモチーフはペプチドだけでなく、ペプチド模倣物、および薬剤として有用な小分子を提供する。
NPの場合、NP受容体(NPR)の3つの特定の型がNPの作用を媒介すると考えられる。A−型受容体(NPRA)およびB−型受容体(NPRB)は、完全なグアニリルシクラーゼドメインを有するので、NPシグナル伝達に関与すると考えられる[Potter et al., Endocrine Rev. 27:47(2006)および本明細書中の参考文献]。C−型受容体(NPRC)は、グアニリルシクラーゼドメインを有しておらず、主にクリアランス受容体であると考えられる(すなわち、再取り込みによるNPの不活性化)が、いくつかの細胞内シグナル伝達経路と関連することもまた示唆されている[Grower et al., Mol. Cell Biochem, 293:103(2006);Hashim et al., Am. J. Heart Cir. Physiol, 291:H3144−H3153(2006);Lelievre et al, J. Biol. Chem, 276(47):43668(2001);Panayiotou et al., Proc. Brit. Pharm. Soc, 41:abs 009P(2005);Prins et al., J. Bio. Chem. 271:14156(1996);Segawa et al., Naun.−Schmeid. Arch. Pharmacol. 357:70(1998)]。
NPの各々はこれらのNP受容体と相互作用すると考えられるが、それらの親和性はそれぞれ、NPRA、NPRBおよびNPRCに対して異なっている。NPの相対的な抗癌効力はNPRでのその結合親和性に関連することが推測されている[Vesely, D.L., Eur J Clin Invest 38(8):562(2008)および本明細書中の参考文献]。
先行技術は、抗癌活性の予測におけるNPRCの役割を認識することができなかった。実際、当技術分野では、ANPに対して観察された抗癌効力がCNPよりも大きいことは観察されていない[Vesely, D.L., Eur J Clin Invest 38(8):562(2008)、および本明細中の参考文献]が、NPRCでのそれらの活性に一致し、NP関連ペプチド(VDL、LANP、KP)はNPRCでは作用しないが、非−NP受容体では作用すると正当化されたので、NPRCの役割は明確に認識されなかった[Vesely, D.L. et al., Peptides 11:193(1991)]。
おそらく、NPRC活性化と癌を関連づけた研究者は異なる専門分野を有するので、どのようにこれらの観察結果が癌治療に関連するかの関係はまだ明らかに理解、認識されていない。先行技術によりいくらかの予測値が割り当てられたならば、任意のそのような予測に関連する薬物が試験されていた可能性がある。
実際、抗増殖効果は、NPRC−特異活性を示す傾向のある、NP類似体およびそれらをモデルとするペプチド模倣物において驚くほど見出されている。他の公知の分子[Baldini et al., Cell Death Diff., 11:S210−S212(2004);Baldini et al., Melanoma Res. 16:501−507(2006);Grower et al., Mol. Cell Biochem, 293:103(2006);Lelievre et al., J. Biol. Chem, 276(47):43668(2001);Levin E.R. and Frank, H.J.L., Am. J. Physiol. 30:R453−R457(1991)]がこの発見とよく相関する。さらに、NPRC刺激は、MAPキナーゼ(MAPK)経路を調節する[Hashim, S., Li, Y, Anand−Srivastava, M.B., Am. J. Heart Cir. Physiol, 291:H3144−H3153(2006);Lelievre et al., J. Biol. Chem, 276(47):43668(2001)]。他の型のMAPK阻害剤は、抗癌活性を有することが見出されている[Dhillon et al., Oncogen 26:3279(2007)および本明細書中の参考文献]。
なぜそうかもしれないのかということに対する機構的な論理的根拠に頼らずに、本発明者は、本明細書で記載したモチーフとのNPRC関連相互作用が、過剰増殖疾患に対し効果を有し得るMAPK経路に影響し、またはその経路を調節することができることを発見した[Hashim, S., Li, Y, Anand−Srivastava, M.B., Am. J. Heart Cir. Physiol, 291:H3144−H3153(2006);Lelievre et al., J. Biol. Chem, 276(47):43668(2001)]。本発明はNP、類似体および抗癌モチーフを備えた他の関係ないペプチドの抗癌効果におけるNPRCの関与を示す。正常細胞および癌細胞の両方において観察されるNPの抗増殖効果はまた、NPRC−選択性NP類似体およびペプチド模倣物により生成させることができる[Baldini et al., Cell Death Diff., 11:S210−S212(2004);Baldini et al., Melanoma Res. 16:501(2006);Grower et al., Mol. Cell Biochem, 293:103(2006);Lelievre et al., J. Biol. Chem, 276(47):43668(2001);Levin E.R. and Frank, H.J.L., Am. J. Physiol. 30:R453−R457(1991)]。
概要
本発明は、抗細胞増殖(例えば、抗癌、抗新生物または抗腫瘍)活性を予測する「抗癌モチーフ」と呼ぶことができる保存モチーフを共有する、抗細胞増殖活性を有する化合物を提供する。そのような化合物は必要に応じてNPRCに結合することができ、または必要に応じて、NPRC活性を調節することができる。保存モチーフを含むがNPまたはNPRCの他の構造要素に欠ける発明化合物は細胞増殖疾患(例えば、癌、新生物または腫瘍)を治療するのに選択的であり得、他の構造要素により引き起こされる1つ以上の副作用、例えば、他のNPまたはNPRにより媒介された心血管または他の副作用の発生を低減させることができる。
ペプチドarg−15−cys、Pro−15−Val、Ala−8−Leu、VDLおよびC−ANP4−23の抗腫瘍活性を示す棒グラフである。 ペプチドarg−15−cys、Pro−15−Val、Ala−8−Leu、VDLおよびC−ANP4−23の抗腫瘍活性を示すグラフである。
詳細な説明
本明細書では、抗細胞増殖活性を予測する保存モチーフ(「抗癌モチーフ」)を開示する。そのため、本発明は、抗細胞増殖活性を有する保存モチーフを備えた化合物、ならびにそのような化合物を使用する方法、例えば、細胞増殖疾患を治療するための方法、そのような化合物を用いた治療に応答する可能性の増加した被験体を診断する方法、および抗細胞増殖活性を有する化合物を同定(スクリーニング)する方法を提供する。さらに、本明細書で開示したように、一般的な保存モチーフ構造および一般的な保存モチーフ内の種は、NP、NP類似体、NP−関連ペプチド、および小分子NP模倣物、ならびに抗細胞増殖活性を有する他の化合物の構造を予測する。
様々な実施形態では、抗細胞増殖活性を有する化合物は保存モチーフ、すなわち、(Res 1)−(Res 2)−(Res 3)−(Res 4)−(Res 5)−(Res 6)−(Res 7)−(Res 8)[式1]で示される8残基化合物を含み、ここで、残基の各々は近接しており、それらの個々の隣接残基に(共有または非共有結合により)結合される。保存モチーフの骨格は直鎖または環状鎖、例えばペプチドまたはペプチド模倣鎖、典型的にはアミノ酸配列とすることができ、これらは、1つ以上の天然に生じるアミノ酸または天然に生じないアミノ酸(d−またはl−アミノ酸、α、βまたはγアミノ酸、などを含む)から構成させることができる。8つの残基のいずれかに隣接して、追加の残基を保存モチーフに付加することができる。本明細書で説明した側鎖を骨格に付加することができる。このように、(Res 1)−(Res 2)−(Res 3)−(Res 4)−(Res 5)−(Res 6)−(Res 7)−(Res 8)は、保存モチーフの残基のいずれかに隣接した追加の残基(例えば、アミノ酸)、ならびに骨格に付加された側鎖を有することができる。
末端残基の欠失は、完全には活性を減衰させないが、むしろ著しく減少させる。例えば、式1のRes 1およびRes 8(両末端)の欠失は、活性を完全に消し去らずに、比例してもっと減少させると予測される。このように、保存モチーフはまた、下記抗癌保存モチーフ:(Res 2)−(Res 3)−(Res 4)−(Res 5)−(Res 6)−(Res 7)[式2]、(Res 2)−(Res 3)−(Res 4)−(Res 5)−(Res 6)−(Res 7)−(Res 8)[式3]、および(Res 1)−(Res 2)−(Res 3)−(Res 4)−(Res 5)−(Res 6)−(Res 7)[式4]を含む化合物、ペプチドおよびタンパク質を含む。
本明細書で(それぞれ、Res 1、Res 2、Res 3、Res 4、Res 5、Res 6、Res 7、およびRes 8として)表される残基(Res)の各々についてさらに下記で、特異性を増加させて規定する。下記で明らかになるように、保存モチーフのある位置により構造の著しい変形が可能になり、他の位置では、それらがより特定的に規定されることが要求される。
Res 1はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、その骨格は、5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、12未満の炭素のベンジル、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルキルアリールから選択される疎水性、非極性および非イオン性側鎖から選択された側鎖を有し、
Res 2はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、その骨格は、5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、両親媒性側鎖、親水性側鎖、両性イオン、グリシン(G)、リシン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、およびアスパラギン(N)である側鎖を有し、
Res 3はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、その骨格は、5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、5員未満の長さの側鎖を有し、ただし、いずれの環も5または6員サイズであり得、およびグリシン(G)、ヒスチジン(H)、アスパラギン (N)、セリン(S)、ロイシン(L)、またはアラニン(A)を有し、
Res 4は、5以下の原子のリンカーまたはアミノ酸、エーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレン、アミドリンカーであり、1〜約12の炭素を含む側鎖を有し、その上にアミノ、ヒドロキシル、アミド、カルボキシ、アリール、ヘテロアリール、および任意の天然に生じるアミノ酸から選択される構成要素を有し、
Res 5はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、その骨格は、5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、疎水性、非極性、非イオン性、脂肪族側鎖、およびロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)、アラニン(A)、またはメチオニン(M)から選択される側鎖を有し、
Res 6はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、その骨格は、5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、極性側鎖またはアミノ酸セリン(S)、アスパラギン酸(D)、アルギニン(R)、およびグルタミン酸(E)を有し、
Res 7はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、その骨格は、5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、1〜約12の炭素を含む側鎖を有し、その上にアミノ、ヒドロキシル、アミド、カルボキシ、アリール、ヘテロアリール、および任意の天然に生じるアミノ酸から選択される構成要素を有し、
Res 8はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、その骨格は、5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、疎水性、非極性、および非イオン性側鎖、およびアミノ酸アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)を有し、C1〜C12アルキル、アルキレンおよびアルケニルから選択される側鎖を有する。
本明細書で規定される保存モチーフは「骨格」および骨格に付加された1つ以上の「側鎖」を有する。「骨格」という用語は、例えば、αアミノ酸から構成されるポリアミド骨格を有する天然に生じるアミノ酸から構成されるペプチドである。本質的には、これららはL−α−アミノ酸となる傾向がある。保存モチーフ、およびそれに付加された残基は1つ以上のD−アミノ酸、および非天然アミノ酸、およびこれらのD−類似体を含むことができ、ならびに、任意の非天然アミノ酸の骨格が骨格の定義に含まれる。さらに、β−アミノ酸、またはγ、δまたはε類似体もまた骨格定義に含まれる。モチーフがペプチド模倣物、ポリアミド骨格を模倣するための他の部分を含むので、そのような模倣物は、例えば、酵素分解に対する抵抗性の増加、循環半減期の増加、バイオアベイラビリティの増加、効力の増加、有効期間延長、などによる、改善された生物学的安定性および生物系(例えば、被検体)におけるより大きな半減期を付与することができる。もう1つの残基でペプチド模倣物に言及した場合、「骨格」は例えば、好ましくは5以下の原子の、「側鎖」が付加されたエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーを含む。
天然に生じるペプチド中での、例えば、「側鎖」という用語は、L−ポリアミド骨格に付着されたラジカルから構成され、文献中で言及されている20の「側鎖」が周知である。さらに、より一般的でない側鎖が自然に生じており、それらのいくつかは天然の側鎖の誘導体であり、これらは「側鎖」の定義に含まれる。側鎖が骨格にL−配置で付着されているか、D−配置で付着されているか、または、それらがα、β、γ、δ、またはεアミノ酸中の特定位置に存在するかどうかは、全てが側鎖の定義に含まれるので、重要ではない。側鎖という用語は、天然に生じるアミノ酸中で具体化された官能基のひと揃いおよびそれらの変形を含み、このように、スルフヒドリル、スルホン、カルボキシ、アミノ、アミド、ヒドロキシル、アルキル、アルキルアリール(またはヘテロアリール)、アリールまたはヘテロアリールラジカルは全てこの定義に含まれる。例えば、例示的な疎水性側鎖としては、12未満の炭素のベンジル、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルキルアリールが挙げられるが、それらに限定されない。当業者は、明細書を考慮して「側鎖」という用語に関する幅および多様性を理解する。ペプチド模倣物に関しては、骨格には、側鎖として上記で規定したように、1〜3ラジカルが付加されている。典型的には、最大2つまで、より典型的には1つの側鎖が1残基毎に存在する(例えばRes 1、Res 2、など)。
保存モチーフを説明するために、公知のアミノ酸を用いるオリゴペプチドを例示するが、これは本発明を制限するものではなく、モチーフを説明するものである。例えば、約8のアミノ酸を含むオリゴペプチドが保存抗細胞増殖(抗癌、抗新生物、または抗腫瘍)モチーフを形成する。そのようなモチーフは長さの増大により(例えば、9、10、11、12、13、14、15、16、17、8、19、20、など、またはそれ以上の残基)、抗細胞増殖活性の増大を示すことができる。当然、配列の1つ以上の位置にある非天然アミノ酸、誘導体および類似体を含むペプチド模倣物は、保存モチーフ内にあろうと、その外側にあろうと、含まれる。
このように、本発明は保存モチーフを有する抗細胞増殖活性を有する化合物を提供する。特定の実施形態では、(Res 1)−(Res 2)−(Res 3)−(Res 4)−(Res 5)−(Res 6)−(Res 7)−(Res 8)として示されるモチーフは下記のように規定される。
Res 1は疎水性、非極性、および非イオン性側鎖であり、フェニルアラニン(F)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)を含むアミノ酸により示される。例示的な側鎖としては、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルキルアリール、などが挙げられ、典型的には12未満の炭素、より典型的にはC1〜C5アルキル、またはアリール置換基をその上に有するC1〜C3アルキルである。
Res 2は両親媒性または親水性側鎖であり、これは双性イオンを含むことができ、グリシン(G)、リシン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)を含むアミノ酸により示される。
Res 3はサイズが小さく、典型的には5員未満の長さの鎖であるアミノ酸側鎖であり、ただし、全ての環は5または6員サイズであり得、より好ましくは、アルキルであればC1〜C3の長さで、より好ましくはC0〜C2であり、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、セリン(S)、ロイシン(L)、アラニン(A)を含むアミノ酸により示される。
Res 4は約アミノ酸のサイズのリンカーであり、C1〜C12で変動し得る側鎖を有し、20の天然に生じるアミノ酸で見出される多様性により表されるような任意の構成要素を有する。結果として、アミノ酸と同様の任意のサイズを有する、置換基がその上に存在する、エーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーが適し得る。
Res 5はロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)、アラニン(A)またはメチオニン(M)を含むアミノ酸により示されるような、疎水性、非極性、非イオン性、脂肪族、側鎖である。
Res 6はアミノ酸セリン(S)、アスパラギン酸(D)、アルギニン(R)およびグルタミン酸(E)により示される、極性側鎖である。
Res 7は、約アミノ酸のサイズのリンカーであり、C1〜C12で変動し得る側鎖を有し、20の天然に生じるアミノ酸で見出される多様性により表されるような任意の構成要素を有する。結果として、アミノ酸と同様の任意のサイズを有する、置換基がその上に存在する、エーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーが適し得る。
Res 8は疎水性、非極性、および非イオン性側鎖であり、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)を含むアミノ酸により示される。例示的な側鎖は典型的には12未満の炭素のアルキル、アルキレン、アルケニル、などであり、より典型的にはC1〜C5アルキル、またはアリール置換基をその上に有するC1〜C3アルキルである。
適した側鎖は、サイズ、極性、酸性または塩基性、および疎水性に基づき、公知の構造、および公知のパラメータ、例えば、下記で選択され、示されているものを用いて選択してもよい。
さらに、1つ以上のアミノ酸の置換、安定性のための骨格の変更、誘導体、ペプチド模倣物および本明細書で記載されているような他の変更もまた企図されている。
本明細書で開示されているように、保存モチーフを含む発明化合物は、保存モチーフの残基のいずれか(例えば、(Res 1)−(Res 2)−(Res 3)−(Res 4)−(Res 5)−(Res 6)−(Res 7)−(Res 8)のいずれか1つ)に隣接して追加の残基(例えば、アミノ酸またはその模倣物)を含むことができる。典型的には、発明化合物中の残基数は、保存モチーフを含んで合計約50残基(例えば、アミノ酸またはその模倣物)未満である。様々な特定の実施形態では、残基数は約8から最大約45までの残基(例えば、アミノ酸またはその模倣物)を含む。別の実施形態では、残基数は約8から最大約30までの残基(例えば、アミノ酸またはその模倣物)を含む。さらに別の実施形態では、残基数は約8から最大約25までの残基(例えば、アミノ酸またはその模倣物)を含む。さらになお別の実施形態では、残基数は約8から最大約20までの残基(例えば、アミノ酸またはその模倣物)、または約10〜25、10〜20、または10〜16の間の残基(例えば、アミノ酸またはその模倣物)長を含む。
いずれの特定の理論または機構にも縛られることを意図しないが、本発明者は、NPRC受容体への結合は抗細胞増殖(例えば、抗癌)活性を予測することができることを見出した。このように、保存モチーフを有する種はNPRC受容体に結合することができないが、典型的には、保存モチーフを有するものはNPRC受容体に、必要に応じて選択的に結合することができ、より典型的には、Ki値により決定される、少なくともマイクロモル範囲の、NPRC受容体への平衡受容体結合親和性でNPRC受容体に結合することができる。
さらに、保存モチーフは環構造のために必要とされるC残基、および全ての以前に同定されたモチーフにおいて活性のために重要であると考えられたR14残基を必要としないようである。
保存モチーフはANP、CNP、ANP−関連ペプチドLANP、KP、VDLおよびANP類似体、cANFにより共有されており、これらは全て抗癌活性を有する。CNPはANP、LANP、KPまたはVDLよりも活性が低く、モチーフの残基の1つ上にわずかに大きなアミノ酸側鎖を有する(G、A、NまたはSの代わりにL)。BNPは不活性であり、この位置にさらに大きな側鎖を有し(K)、その1つは電子特性が異なっている。NPRCにも結合する小分子ANP模倣物もまた、モチーフに基づいて説明可能な構造を有する。例えば、これらの分子の1つにおいてR14残基の等価物を除去しても活性は除去されなかった(Veale)。保存抗細胞増殖モチーフは前に記載したNPモチーフとは著しく異なり、NPモチーフはこれらのペプチドの心血管効果の基礎となっていると考えられるので、抗細胞増殖モチーフを含み、NPモチーフを有さない化合物は、抗細胞増殖活性を有し、天然ペプチドまたはタンパク質の心血管副作用が含まれたとしてもより少ないと予測される。
保存モチーフ「残基」(すなわち、アミノ酸またはその模倣物)ならびにそれらのサブユニットは、本発明では、a)天然に生じる、または天然に生じないものとする、b)化学合成により生成させる、c)組換えDNA技術により生成させる、d)より大きな分子の化学、生物化学、または酵素断片化により生成させる、e)上記で列挙したa〜dの方法の組み合わせから得られた方法により生成させる、またはf)ペプチドまたはアミノ酸配列を生成させるための任意の他の手段により生成させることができる。化学合成を使用することにより、天然に生じない様々なアミノ酸を構築物に導入し、N−−またはC−末端などを修飾し、これにより改善された安定性(棚上またはインビボ)および製剤、プロテアーゼ分解に対する抵抗性などを提供すること、および1つ以上のアミノ酸サロゲートを構築物に導入することが可能である。
本明細書で使用されるように「ペプチド」という用語は、共有結合により結合された、化学修飾およびアミノ酸誘導体を含む、2つ以上のアミノ酸から構成される任意の構造を含む。ペプチドの全てまたは一部を形成するアミノ酸は、天然に生じるアミノ酸、そのようなアミノ酸の立体異性体および修飾物、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾アミノ酸(例えば、グリコシル化、エステルまたはアミド開裂などによる)、酵素的に修飾されたアミノ酸、側鎖部分が天然に生じる部分から修飾された、または誘導されたアミノ酸とすることができ、または完全に合成され、または天然に生じないものである。「ペプチド」という用語はまた、ペプチドの二量体または多量体を含む。「製造した」ペプチドは、化学合成、組換えDNA技術、より大きな分子の生物化学または酵素断片化、前記の組み合わせにより製造された、またはヒトの手による操作を含む任意の他の方法により製造されたペプチドを含む。
本明細書で使用されるように「アミノ酸側鎖部分」という用語は、「アミノ酸」という用語は本明細書で規定されているように、任意のアミノ酸の任意の側鎖を含む。そのため、これは天然に生じるアミノ酸中に存在する側鎖部分を含む。これはさらに、修飾された天然に生じるアミノ酸中の側鎖部分、例えば、天然に存在するタンパク質アミノ酸の立体異性体および修飾物、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾アミノ酸、酵素合成アミノ酸、誘導体化アミノ酸、アミノ酸を模倣するように設計された構築物もしくは構造などの中の側鎖部分を含む。例えば、本明細書で開示した、または当業者に公知の任意のアミノ酸の側鎖部分はこの定義内に含まれる。「アミノ酸側鎖部分の誘導体」は、アミノ酸側鎖部分の定義内に含まれる。
当業者であれば、アミノ酸側鎖部分は誘導体化することができる、例えば、天然に生じるまたは非天然アミノ酸側鎖部分に対する修飾または変形が可能であることを認識するであろう。ここで、修飾または変形としては、例えば、(a)1つ以上の飽和または不飽和炭素原子の既存のアルキル、アリール、またはアラルキル鎖への添加、(b)側鎖中の炭素の、別の原子、好ましくは酸素または窒素による置換、(c)側鎖の炭素原子への、末端基、例えば、メチル(−−CH3)、メトキシ(−−OCH3)、ニトロ(−−NO2)、ヒドロキシル(−−OH)、またはシアノ(−−C=N)の添加、(d)ヒドロキシ、チオールまたはアミノ基を含む側鎖部分に対する、適したヒドロキシ、チオールまたはアミノ保護基の添加、または(e)環構造を含む側鎖部分に対する、直接またはエーテル結合を介して付着されるヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、またはアリール基を含む1つまたは環状の置換基の添加が挙げられるが、それらに限定されない。アミノ基に対しては、適した保護基は当業者に公知である。そのような誘導体化により抗細胞増殖活性が最終化合物において提供されるという条件で、そのような誘導体化は全て「アミノ酸側鎖部分」の定義に含まれる。
本明細書では「アミノ酸」は、公知の天然に生じるタンパク質アミノ酸を含み、これらは共通の3つの文字略語および単一の文字略語の両方により示される(一般に、Synthetic Peptides: A User’s Guide, G. A. Grant、編、W.H. Freeman&Co., New York (1992)を参照されたい。これは参照により本明細書に組み入れられる)。「アミノ酸」は従来のα−アミノ酸ならびにβ−アミノ酸、α,α二置換アミノ酸およびN−置換アミノ酸を含み、この場合、少なくとも1つの側鎖は本明細書で定義したアミノ酸側鎖部分である。「アミノ酸」はさらに、N−アルキルα−アミノ酸を含み、ここでN−末端アミノ基はC1〜C6直鎖または分枝アルキル置換基を有する。そのため、「アミノ酸」という用語は、天然に生じるタンパク質アミノ酸の立体異性体および修飾物、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾アミノ酸、酵素合成アミノ酸、誘導体化アミノ酸、アミノ酸を模倣するように設計された構築物または構造体、などを含む。修飾されたおよび異常なアミノ酸は本発明の化合物に含まれ、一般に、例えば、Synthetic Peptides: A User’s Guide、上記で引用、Hruby V. J,, Al−obeidi F., Kazmierski W., Biochem. J. 268:249−262(1990)、およびToniolo C., Int. J. Peptide Protein Res. 35:287(1990)において記載されており、これらは参照により本明細書に組み入れられる。
さらに、下記アミノ酸ならびにそれらの保護および修飾基が含まれる:γ−アミノ酪酸、12−アミノドデカン酸、α−アミノイソ酪酸、6−アミノヘキサン酸、4−(アミノメチル)−シクロヘキサンカルボン酸、8−アミノオクタン酸、ビフェニルアラニン、Boc−t−ブトキシカルボニル、ベンジル、ベンゾイル、シトルリン、ジアミノ酪酸、ピロリジン、ジアミノプロピオン酸、3,3−ジフェニルアラニン、オルトニン、シトルリン、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドールカルボン酸、エチル、Fmoc−フルオレニルメトキシカルボニル、ヘプタノイル(CH3−−(CH2).sub.5−−C(=O)−−)、ヘキサノイル(CH3−−(CH2)4−−C(=O)−−)、ホモアルギニン、ホモシステイン、ホモリシン、ホモフェニルアラニン、ホモセリン、メチル、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、ノルバリン(NVA)、フェニルグリシン、プロピル、イソプロピル、サルコシン(SAR)、tert−ブチルアラニン、ベンジルオキシカルボニル。
本発明の化合物では、従来のアミノ酸残基はそれらの従来の意味を有する。したがって、「Nle」はノルロイシンである、などである。DまたはL残基のいずれかが活性であり本発明に含まれることが予測されるが、例のために、および配列表情報における空間および時間を節約するために、実施例で列挙した残基は、D−異性体が、例えばD−アラニンに対する「D−Ala」または「D−A」として特定されなければ、L−異性体配置である。それにも関わらず、本発明の化合物のいずれかまたは全ての位置でD−アミノ酸が含まれる。
天然に生じるタンパク質アミノ酸、非タンパク質アミノ酸、翻訳後修飾アミノ酸、酵素合成アミノ酸、誘導体化アミノ酸を含む天然に生じないアミノ酸、前記のいずれかから誘導されたα,α二置換アミノ酸(すなわち、側鎖の少なくとも1つが由来とされる残基のものと同じであるα,α二置換アミノ酸)、前記のいずれかから誘導されたβ−アミノ酸(すなわち、β−炭素が存在すること以外は、由来とされる残基と同じであるβ−アミノ酸)などの立体異性体および修飾物を含む単一アミノ酸は、前記の全てを含んで、本明細書で「残基」と呼ぶことができる。α−アミノ酸の側鎖部分以外の適した置換基としては、C1〜C6直鎖または分枝アルキルが挙げられる。Aibはα,α二置換アミノ酸の一例である。α,α二置換アミノ酸は従来のL−およびD−異性体基準を用いて示すことができるが、そのような基準は便宜のためであり、α−位の置換基が異なる場合、そのようなアミノ酸は、必要に応じて、指定されたアミノ酸側鎖部分を有する残基のL−またはD−異性体から誘導された、α,α二置換アミノ酸として同じ意味で示すことができることを理解すべきである。このように、(S)−2−アミノ−2−メチル−ヘキサン酸は、L−Nle由来のα,α二置換アミノ酸、またはD−Ala由来のα,α二置換アミノ酸のいずれかと呼ぶことができる。同様に、AibはAla由来のα,α二置換アミノ酸と呼ぶことができる。α,α二置換アミノ酸が提供される場合はいつでも、その全ての(R)および(S)配置を含むと理解すべきである。
「N−置換アミノ酸」はアミノ酸側鎖が、骨格アミノ基に共有結合されているいずれかのアミノ酸を含み、必要に応じてこの場合、α−炭素位にはH以外の置換基は存在しない。サルコシンがN−置換アミノ酸の例である。例として、サルコシンおよびAlaのアミノ酸側鎖部分が同じメチルであるという点で、サルコシンはAlaのN−置換アミノ酸誘導体ということができる。
「ペプチド模倣物」は、残基の模倣物(「模倣物」と呼ばれる)である本明細書で開示された分子を含み、ピペラジンコア分子、ケト-ピペラジンコア分子およびジアゼピンコア分子が挙げられるが、それらに限定されない。別記しない限り、発明化合物のアミノ酸模倣物は、カルボキシル基およびアミノ基の両方、ならびにアミノ酸側鎖に対応する基を含み、グリシンの模倣物の場合、水素以外の側鎖はない。
例として、これらは、天然に生じるアミノ酸の立体構造、表面電荷分布、極性などを模倣する化合物を含むが、アミノ酸である必要はなく、生物系において安定性を付与する。例えば、プロリンは適したサイズおよび置換の他のラクタムまたはラクトンで置換され得、ロイシンはアルキルケトン、N−置換アミド、ならびにアルキル、アルケニルまたは他の置換基を用いた様々なアミノ酸側鎖長で置換され得、その他は当業者には明らかであり得る。そのような置換を作製する本質的な要素は、分子を設計するために使用される残基と大体同じサイズ、電荷および配置の分子を提供することである。これらの修飾の改良は、結合または他のアッセイにおいて化合物を試験し、構造活性関係を比較することにより実施される。そのような方法は、医薬品化学および薬物開発分野において働く当業者の範囲内である。
本発明の化合物が1を超える不斉中心を有することができ、そのため、1を超える立体異性体形態で存在することができることは認識される。化合物のいくつかはまた、幾何異性体および回転異性体として存在することができる。さらに、本発明のいくつかの化合物はまた、配座軸性キラリティを有することができる。本発明は、これらの形態の各々まで、それらの混合物まで拡大され、ラセミ化合物が含まれる。1つの態様では、異性体はクロマトグラフィー法により、または分割剤の使用により、従来のように分離することができる。別の態様では、個々の異性体、または鏡像異性的に純粋な異性体は、キラル中間体、試薬または触媒を使用する不斉合成を用いる、本明細書で開示したものまたはそのようなスキームの変形などの合成スキームにより調製される。
保存モチーフ、または保存モチーフを含む任意のペプチドのどちらかの末端は、いずれかの末端基による分解から保護することができる。例えば、C−末端では、末端基が末端炭素原子により付着され、または、提供される場合、構築物のC−末端の末端カルボキシル基が付着される。末端環炭素原子、または、提供される場合、末端カルボキシル基は、残基の一部を形成することができ、またはアミノ酸サロゲートの一部を形成することができる。例えば、C−末端キャッピング基は、構築物のC−末端位にあるアミノ酸サロゲートの一部を形成する。C−末端キャッピング基としては、−−(CH2)n−−OH、−−(CH2)n−−C(=O)−−OH、−−(CH2)m−−OH、−−(CH2)n−−C(=O)−−N(V1)(V2)、−−(CH2)n−−C(=O)−−(CH2)m−−N(V1)(V2)、−−(CH2)n−−O(CH2)m−−CH3、−−(CH2)n−−C(=O)−−NH−−(CH2)m−−CH3、−−(CH2)n−−C(=O)−−NH−−(CH2)m−−N(V1)(V2)、−−(CH2)n−−C(=O)−−N−−((CH2)m−−N(V1)(V2)−2、−(CH2)n−−C(=O)−−NH−−CH(−−C(=O)−−OH)−−(CH2)−m−−N(V1)(V2)、−−C(=O)−−NH−−(CH2)m−−NH−−C(=O)−−CH(N(V1)(V2))−((CH2)m−−N(V1)(V2))、または−−(CH2)n−−C(=O)−−NH−−CH(−−C(=O)−−NH2)−−(CH2)−m−−N(V1)(V2)(前記の全ての(R)または(S)配置を含み、式中、V1およびV2はそれぞれ独立してH、C1〜C7直鎖または分枝アルキル鎖であり、mは0〜7であり、nは0〜2である)、または任意のωアミノ脂肪族、末端アリールもしくはアラルキル、例えば、メチル、ジメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、アリル、シクロプロパンメチル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、アセチル、プロピオノイル、ブタノイル、フェニルアセチル、シクロヘキシルアセチル、ナフチルアセチル、シナモイル、フェニル、ベンジル、ベンゾイル、7’−アミノヘプタノイル、当技術分野で公知の他の基などの基、または任意の単一の天然または非天然α−アミノ酸、β−アミノ酸またはα,α二置換アミノ酸(前記の全ての不斉配置を含み、任意で前記非アミノ酸キャッピング基と組み合わされる)が挙げられるが、それらに限定されない。
保存モチーフを含む化合物、またはモチーフを含むペプチドのN−末端は、構築物のN−末端の末端アミンにより付着された末端基により付着された任意の末端基による分解から保護することができる。末端アミンは残基の一部を形成することができ、またはアミノ酸サロゲートの一部を形成することができる。例えば、N−末端キャッピング基は、構築物のN−末端位に存在するアミノ酸サロゲートの一部を形成する。N−末端キャッピング基としては、任意のωアミノ脂肪族、アシル基または末端アリールもしくはアラルキルが挙げられるが、それらに限定されず、メチル、ジメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、アリル、シクロプロパンメチル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、アセチル、プロピオノイル、ブタノイル、フェニルアセチル、シクロヘキシルアセチル、ナフチルアセチル、シナモイル、フェニル、ベンジル、ベンゾイル、7’−アミノヘプタノイル、当技術分野で公知の他の基などの基が含まれ、また、N−末端キャッピング基は、−−(CH2)m−−NH(V3)、−−(CH2)m−−CH3、−−C(=O)−−(CH2)m−−CH3、−−C(=O)−−(CH2)m−−NH(V3)、−−C(=O)−−(CH2)m−−C(=O)−−OH、−−C(=O)−−(CH2)m−−C(=O)−−(V4)、−−(CH2)m−−C(=O)−−OH、−−(CH2)m−−C(=O)−(V4)、C(=O)−−(CH2)m−−O(V3)、−−(CH2)m−−O(V3)、C(=O)−−(CH2)m−−S(V3)、または−−(CH2)m−−S(V3)であり、式中、V3はHまたはC1〜C7直鎖または分枝アルキル鎖であり、V4はC1〜C17直鎖または分枝アルキル鎖であり、mは0〜17である。フェニル環が、直接またはエーテル結合を介して付着されたヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、またはアリール基を独立して含む1つ以上の置換基を有する場合、フェニル環は「置換」されている。フェニル環がそのように置換されている場合、アミノ酸残基は置換Phe、置換HPheにおけるように、置換と表され得る。
オリゴヌクレオチド媒介(部位特異的)変異誘発、アラニンスキャニング、およびPCR変異誘発などの当業者に公知の方法を使用して、変形が可能である。部位特異的変異誘発[Carter et al., Nucl. Acids Res., 13:4331(1986);Zoller et al., Nucl. Acids Res., 10:6487(1987)]、カセット変異導入[Wells et al., Gene, 34:315(1985)]、選択制限変異誘発[Wells et al., Philos. Trans. R. Soc. London Ser A, 317:415(1986)]および他の技術を、クローン化DNAに対し実施し、発明化合物またはその変形物、誘導体、置換物または修飾物を生成させることができる。
化合物の共有結合修飾は本発明内に含まれる。1つの型の共有結合修飾としては、標的アミノ酸残基を、ペプチドの選択された側鎖またはN−もしくはC−末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と反応させることが挙げられる。二官能性物質を用いた誘導体化は、例えば、抗−ペプチド抗体を精製するための方法において使用するために、ペプチドを水不溶性支持マトリクスまたは表面に架橋するために有用であり、逆も同様である。一般に使用される架橋剤としては、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル類、例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル類、ホモ二官能性イミドエステル、例えば、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)などのジスクシンイミジルエステル、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタンなどの二官能性マレイミド類およびメチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートなどの作用物質が挙げられる。
他の修飾としては、グルタミニルおよびアスパラギニル残基の、それぞれ、グルタミルおよびアスパルチル残基への脱アミド、プロリンおよびリシンのヒドロキシル化、セリルまたはトレオニル残基のヒドロキシル基のホスホリル化、リシン、アルギニンおよびヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Proteins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Francisco, pp. 79−86(1983)]、N−末端アミノのアセチル化、任意のC−末端カルボキシル基のアミド化、などが挙げられる。
本発明の化合物の1つ以上の残基の別の型の共有結合修飾としてはグリコシル化が挙げられる。「グリコシル化」は、1つ以上の炭水化物部分を添加または削除すること(化学および/または酵素手段による、基本的なグリコシル化部位の除去またはグリコシル化の削除のいずれかによる)、および/または、天然配列中に存在し得る、または存在し得ない1つ以上のグリコシル化部位を添加することを意味するよう意図されている。さらに、その句は、様々な存在する炭水化物部分の性質および割合の変化が関係する、天然タンパク質のグリコシル化における質的変化を含む。
化合物へのグリコシル化部位の添加は、アミノ酸配列を変更させることにより達成することができる。変更は、例えば、1つ以上のセリンまたはトレオニン残基(O−結合グリコシル化部位に対し)またはアスパラギン(N−結合グリコシル化部位)を化合物に添加、または置換することにより実施することができる。当然、化合物は必要に応じて、DNAレベルでの変化により、特に、所望のアミノ酸に翻訳するコドンが生成されるように予め選択した塩基でのペプチドポリペプチドをコードするDNAを変異させることにより変更させることができる。ペプチドポリペプチド上の炭化水素部分の数を増加させる別の手段は、グリコシド類のポリペプチドへの化学または酵素カップリングによるものである(例えば、国際公開公報第87/05330号、およびAlpin and Wriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp.259(1981)を参照されたい)。炭水化物部分の除去は、化学的もしくは酵素的に、またはグリコシル化のための標的として機能するアミノ酸残基をコードするコドンの変異置換により、達成することができる。化学的脱グリコシル化技術が公知である(例えば、Hakimuddin et al., Arch. Biochem. Biophys., 259:52(1987)およびEdge et al., Anal. Biochem., 118:131(1981)を参照されたい)。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、様々なエンドグリコシダーゼおよびエキソグリコシダーゼの使用により達成することができる(例えば、Thotakura et al., Meth. Enzymol. 138:350(1987)を参照されたい)。
別の型の共有結合修飾としては、化合物を様々な非タンパク性ポリマ類、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、またはポリオキシアルキレンのいずれかに結合させることが挙げられる(例えば、米国特許第4,640,835号、同第4,496,689号、同第4,301,144号、同第4,670,417号、同第4,791,192号および同第4,179,337号を参照されたい)。
本発明の化合物はまた、キメラ分子を形成するように修飾することができる。本発明によれば、異種ドメインを含む化合物が提供される。異種ドメインは追加物または挿入物とすることができる。異種ドメインは、様々な異なる型の小さなまたは大きな官能性部分のいずれかから構成することができる。異種ドメインの特定の非制限的例としては、例えば、タグ、検出可能なラベルおよび細胞毒性作用物質が挙げられる。そのような部分としては、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質または小さな有機化合物、例えば薬物(例えば、細胞増殖剤)、金属(金、銀)などが挙げられる。
タグおよび検出可能なラベルの特定の例としては、酵素(西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)、酵素基質、リガンド(例えば、ビオチン)、受容体(アビジン)、放射性核種(例えば、C14、S35、P32、P33、H、I125、I131、ガリウム−67および68、スカンチウム−47、インジウム−111、ラジウム−223)、T7−、His−、myc−、HA−およびFLAG−タグ、高電子密度試薬、エネルギー伝達分子、常磁性ラベル、フルオロフォア(フルオレセイン、ローダミン、フィコエリトリン)、発色団、化学発光(イミダゾール、ルシフェラーゼ)、および生物発光剤が挙げられる。細胞毒性作用物質の特定の例としては、ジフテリア、毒素、コレラ毒素およびリシンが挙げられる。
1つの実施形態では、異種ドメインは、化合物に融合されたペプチド、異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列を含む。キメラ分子は、抗タグ抗体が選択的に結合することができるエピトープを提供するタグポリペプチドとの化合物の融合物を含むことができる。エピトープタグは一般に、化合物の端に、例えばアミノまたはカルボキシル末端に配置される。エピトープタグ付き形態は、タグポリペプチドに対する抗体を使用して検出することができる。また、エピトープタグにより、化合物は、親和性精製により、抗タグ抗体またはエピトープタグに結合する別の型の親和性マトリクスを用いて容易に精製させることができる。様々なタグポリペプチド類およびそれらの個々の抗体が当業者には公知である。別の実施形態では、キメラ分子は、免疫グロブリンまたは免疫グロブリンの特定の領域との化合物の融合物を含むことができる。キメラ分子の二価形態では(「イムノアドヘシン」とも呼ばれる)、そのような融合は、IgG分子のFc領域に対するものとすることができる。
異種ドメインの別の例としては、例えば、抗細胞増殖剤(例えば、抗新生物、抗腫瘍または抗癌、あるいは抗転移剤)が挙げられる。抗細胞増殖剤の特定の非制限的例が本明細書で開示されており、当技術分野で公知である。
リンカー配列を、化合物と異種ドメインとの間に挿入することができ、そうすることで、2つの実体が、少なくとも部分的に、別個の機能または活性を維持する。リンカー配列は、いずれかのドメインを促進し、またはそれと相互作用することができる、フレキシブルな構造、規則正しい二次構造を形成することができないこと、または疎水性もしくは帯電特徴を含む1つ以上の特性を有することができる。フレキシブルタンパク質領域において典型的に見出されるアミノ酸としてはGly、AsnおよびSerが挙げられる。他の中性に近いアミノ酸、例えばThrおよびAlaもまた、リンカー配列において使用することができる。リンカー配列の長さは変動し得る(例えば、米国特許第6,087,329号を参照されたい)。リンカーはさらに、化学架橋剤および連結剤、例えばスルホ−スクシンイミジル誘導体(スルホ−SMCC、スルホ−SMPB)、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)、グルタル酸ジスクシンイミジル(DSG)および酒石酸ジスクシンイミジル(DST)を含む。
化合物の修飾語句として使用される「単離された」という用語は、化合物が、天然に生じるインビボ環境において、ヒトの手により操作または製造され、または1つ以上の他の成分から分離されることを意味する。一般に、そのような化合物が天然に存在する場合、化合物は、通常、本質的に関連する実質的に1つ以上の材料、例えば、1つ以上のタンパク質、核酸、脂質、炭水化物、細胞膜などを有さないように分離される。このように、単離された化合物は、化合物が天然に生じる生物の細胞中の他の生物学的構成要素から、またはそれが生成される(例えば、合成による、または細胞培養を介する)人工培地から実質的に分離される。例えば、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチド類および核酸から実質的に分離され、何百万ものポリペプチドまたは核酸配列が一緒に存在するポリペプチドまたはポリヌクレオチドライブラリ、例えばポリペプチド、ゲノムまたはcDNAライブラリを含まない。
「単離された」という用語は、化合物の他の物理形態を排除せず、例えば、単離されたペプチドはペプチド多量体、他のペプチド内、または他のペプチドとのジスルフィド結合、翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、ホスホリル化)および修飾または誘導体化形態を含むことができる。単離されたという用語はまた、投与後に被験体内に存在する抗細胞増殖活性を有する本発明の化合物を排除しないように意図されている。被験体内のそのような化合物は、化合物の被験体への投与、またはプロドラッグを被験体に投与した後のプロドラッグ形態の化合物への変換に起因し得る。このように、本発明化合物は、被験体への投与後に発明化合物に変換するプロドラッグを含むことが明確に意図される。
化合物の修飾語句として使用される「精製された」という用語は、典型的に、本質的に関連する材料のほとんどまたは全てを含まない化合物を示す。このように、細胞から分離された化合物は細胞構成要素から分離された時に精製されたと考えられるが、化学的に合成された化合物は、その化学前駆体から分離された時に実質的に精製されたと考えられる。そのため、精製されたという用語は、完全な純度を要求しない。さらに、「精製された」化合物は1つ以上の他の分子と組み合わせることができる。このように、「精製された」という用語は、化合物の組み合わせを排除しない。
「精製された」化合物は、標準精製法により生成された化合物を含む。用語はまた、宿主細胞における組換え発現ならびに化学合成により生成されたタンパク質および核酸を含む。「精製された」という用語はまた、汚染物質のレベルが、ヒトまたは非ヒト動物への投与に対する規制当局、例えば、食品医薬品局(FDA)に許容されるレベルより低い化合物を示すことができる。
実質的な純度は少なくとも約60質量%以上の分子とすることができる。純度はまた約70%または80%以上とすることができ、より大きなもの、例えば、90%以上とすることができる。純度は、例えば、薬学的担体中でより小さくすることができ、分子の重量%の量は60%未満とすることができるが、通常関連する他の成分と比較した化合物の相対割合は、より大きくなる。純度は任意の適当な方法、例えば、UV分光法、クロマトグラフィー(例えば、HPLC、ガス相)、ゲル電気泳動(例えば、銀またはクマシー染色)および配列解析(ペプチドおよび核酸)により決定することができる。
本発明はインビボ法を含む。例えば、望ましくなく増殖する細胞などの細胞または細胞増殖疾患が被験体、例えば哺乳類(例えば、ヒト被験体)内に存在し得る。そのため、そのような細胞を有する被験体は、例えば、必要に応じて、NPに優先してそのような細胞に結合することが示されている本発明の化合物を投与することにより治療し得る。
本発明によれば、被験体において望ましくない細胞増殖または細胞増殖疾患もしくは過剰増殖疾患を治療する方法が提供される。そのような方法は、本明細書で説明する本発明の化合物のいずれかを用いて実施することができる。1つの実施形態では、方法は、被験体内で望ましくない細胞増殖または細胞増殖疾患もしくは過剰増殖疾患を治療するのに有効な、保存モチーフを有するある量の化合物を被験体に投与する工程を含む。
本明細書で使用されるように、「細胞増殖疾患」および「過剰増殖疾患」という用語およびそれらの文法的変形は、細胞、組織または器官に関連して使用された場合、任意の望ましくない、過剰の、または異常な細胞、組織または器官成長、増殖、生存分化または分化不全を示す。過剰増殖細胞は、その成長、増殖または生存が、例えば参照正常細胞、例えば同じ組織または器官のものであるが過剰増殖細胞ではない細胞に比べた場合、所望のものより大きく、または異常である細胞、または正常に、もしくは完全に分化することができない細胞を示す。望ましくない細胞増殖および過剰増殖疾患としては、被験体における、どちらも望ましくない、過剰なまたは異常な細胞数、細胞成長、細胞増殖、細胞生存または分化により特徴づけられる良性過形成状態である、疾病および生理学的状態が挙げられる。そのような疾患の特定の例としては、原発性か、一次病巣に対し二次であるかに関係なく、非転移性および転移性新生物、腫瘍および癌(悪性腫瘍)が挙げられる。別の例としては良性過形成(例えば、糸状線維腫、骨髄異形成、前癌病変、および前立腺肥大(BPH))および腫瘍、癌または新生物として特徴づけられないが、異常なまたは望ましくない細胞成長、増殖または生存の特徴を有する他の疾患、例えば、線維症、瘢痕、のう胞、乾癬、アテローム性動脈硬化症などが挙げられる。
様々な実施形態では、方法は、被験体において細胞増殖または過剰増殖疾患を治療するのに有効な量で本発明の化合物を被験体に投与する工程を含む。特定の態様では、疾患は新生物、腫瘍または転移性もしくは非転移性癌(悪性腫瘍)である。別の態様では、疾患は部分的に、少なくとも胸、肺、甲状腺、頭および首、上咽頭、鼻または洞、脳、脊椎、副腎、甲状腺、リンパ、胃腸(口、食道、胃、十二指腸、回腸、空腸(小腸)、結腸、直腸)、尿生殖器(子宮、卵巣、子宮頸部、膀胱、精巣、陰茎、前立腺)、腎臓、膵臓、副腎、肝臓、骨、骨髄、リンパ、血液、筋肉、皮膚、または造血系に影響し、またはそれらに存在する。
「腫瘍」、「癌」および「新生物」という用語は同じ意味で使用され、その成長、増殖または生存が正常な対応する細胞の成長、増殖または生存よりも大きな細胞または細胞集団、例えば細胞増殖疾患または分化疾患を示す。典型的には、成長は制御されない。「悪性腫瘍」という用語は、近隣組織の侵襲を示す。「転移」という用語は、被験体内の他の部位、位置、領域または器官もしくは組織系への腫瘍、癌または新生物の広がりまたは播種を示し、ここで、該部位、位置、領域、または器官もしくは組織系は原発性腫瘍、癌または新生物とは区別される。
発明の方法を使用して、原発性または二次(または一次病巣後の全ての病巣)腫瘍、癌または新生物細胞成長、増殖または生存を低減または阻止し、腫瘍、癌または新生物悪性腫瘍または成長または近隣組織への侵襲を低減または阻止し、原発性腫瘍、癌または新生物の他の部位、領域または系への腫瘍、癌、または新生物転移、または原発性腫瘍、癌または新生物とは区別される他の部位、領域または系での転移性腫瘍、癌または新生物の形成または確立を低減または阻止し、これにより、再発または進行を阻止または低減することができる。このように、本発明の方法は、特に、1)原発性腫瘍、癌、または新生物の成長、増殖、生存、移動または浸潤を低減または阻止する工程、2)転移を発現する可能性のある、または発現する原発性腫瘍、癌、または新生物の成長、増殖、生存、移動または浸潤を低減または阻止する工程、3)原発性腫瘍、癌または新生物から、原発性腫瘍、癌または新生物とは区別される1つ以上の他の部位、位置、領域または系へ生じる転移の形成または確立を低減または阻止する工程、4)転移が形成され、または確立された後での、原発性腫瘍、癌または新生物とは区別される1つ以上の他の部位、位置、領域または系での転移の成長または増殖を低減または阻止する工程、および5)転移が形成され、または確立された後での、別の転移の形成または確立を低減または阻止する工程を含む。
新生物、腫瘍および癌としては、肉腫、癌腫、腺癌、メラノーマ、骨髄腫、芽腫、神経膠腫、リンパ腫または白血病が挙げられる。例示的な癌としては、例えば、癌腫、肉腫、腺癌、メラノーマ、神経(芽腫、神経膠腫)、中皮腫および細網内皮性、リンパ性または造血器新生物疾患(例えば、骨髄腫、リンパ腫または白血病)が挙げられる。特定の態様では、新生物、腫瘍または癌としては、肺腺癌、肺癌、びまん性または間質性胃癌、結腸腺癌、前立腺腺癌、食道癌、乳癌、膵臓腺癌、卵巣腺癌、または子宮腺癌が挙げられる。
新生物、腫瘍および癌は、良性、悪性、転移性および非転移性型を含み、任意のステージ(I、II、III、IVまたはV)またはグレード(G1、G2、G3など)の新生物、腫瘍または癌、または進行中の、悪化中の、安定化された、または寛解期の新生物、腫瘍、癌または転移を含む。
新生物、腫瘍および癌は、胸、肺、甲状腺、頭および首、上咽頭、鼻または洞、脳、脊椎、副腎、甲状腺、リンパ、胃腸(口、食道、胃、十二指腸、回腸、空腸(小腸)、結腸、直腸)、尿生殖器(子宮、卵巣、子宮頸部、膀胱、精巣、陰茎、前立腺)、腎臓、膵臓、副腎、肝臓、骨、骨髄、リンパ、血液、筋肉、皮膚、および造血系を含むがそれらに限定されない、多くの原発性腫瘍型から生じ得、二次部位に転移し得る。
「固形新生物、腫瘍または癌」は典型的には共に凝集し、塊を形成する新生物、腫瘍または癌(例えば、転移)を示す。特定の例としては、内臓腫瘍、例えば、メラノーマ、乳癌、膵臓癌、子宮癌および卵巣癌、精巣癌、例えば、セミノーマ、胃癌または結腸癌、肝細胞腫、副腎、腎臓および膀胱癌、肺、頭部および頸部癌ならびに脳腫瘍/癌が挙げられる。
癌腫は、上皮または内分泌組織の悪性腫瘍を示し、呼吸器系癌、胃腸系癌、尿生殖器系癌、精巣癌、乳癌、前立腺癌、内分泌系癌、およびメラノーマが挙げられる。別の癌腫は、子宮/子宮頸部、肺、頭/首、結腸、膵臓、精巣、副腎、腎臓、食道、胃、肝臓および卵巣から形成し得る。本用語はまた、癌肉腫を含み、例えば、癌性および肉腫性組織から構成される悪性腫瘍が挙げられる。
腺癌は、腺組織の癌腫を含み、この場合、腫瘍は腺様構造を形成する。非制限的例としては、腺癌または扁平上皮癌、例えば、胃、肺、膵臓、結腸、胸の腺癌または食道扁平上皮癌が挙げられる。別の非制限的例としては、胃、肺、結腸、膵臓、食道、前立腺、胸または精巣のいずれかにおけるカルチノイド癌、浸潤性腺管癌、生殖細胞癌が挙げられる。
メラノーマは、皮膚、眼(網膜を含む)、または身体の他の領域において生じ得るメラニン細胞および色素細胞起源由来の他の細胞の悪性腫瘍を示す。
肉腫は間葉細胞起源の悪性腫瘍を示す。例示的な肉腫としては、例えば、リンパ肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫および線維肉腫が挙げられる。
神経新生物としては、神経膠腫、神経膠芽腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、星状細胞腫、乏突起膠細胞腫が挙げられる。
新生物、腫瘍および癌の特定の非制限的例としては、任意の重篤度、例えばグレードまたはステージの悪性および非悪性新生物、腫瘍および癌、ならびに転移が挙げられる。特に、任意のステージ(例えば、ステージIA、IB、IIA、IIB、IIIA、IIIBまたはIV)またはグレード(例えば、グレードG1、G2またはG3)の胃組織、肺扁平上皮癌、および肺腺癌細胞である。
「液体新生物、腫瘍または癌」は細網内皮または造血系の新生物、腫瘍または癌、例えば、リンパ腫、骨髄腫、または白血病、または本質的にびまん性の新生物を示す。白血病の特定の例としては急性または慢性のリンパ芽球性、骨髄芽球性および多発性骨髄腫が挙げられる。典型的には、そのような疾病は分化の乏しい急性白血病、例えば、骨髄芽球性白血病および急性巨核芽球性白血病から生じる。特定の骨髄疾患としては、急性前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)が挙げられるが、それらに限定されず、リンパ性悪性疾患としては、B系列ALLおよびT系列ALLを含む急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、ヘアリー細胞白血病(HLL)およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)が挙げられるが、それらに限定されない。特定の悪性リンパ腫としては、非ホジキンリンパ腫および異型、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ球性白血病(LGF)、ホジキン病およびリード・シュテルンベルグ病が挙げられる。
本明細書で使用されるように、「治療する」、「治療している」、「治療」およびそれらの文法的変形は、個々の患者を、その患者において生理的応答または結果を得ることが望ましいプロトコル、レジメン、過程または療法に供することを意味する。全ての治療患者が特定のプロトコル、レジメン、過程または療法に応答することはできないので、治療は、個々のおよび全ての患者または患者集団で所望の生理的応答または結果を達成することを要求しない。したがって、ある患者または患者集団は治療に応答することができない、または不十分な応答を示し得る。
本発明の投与法は、例えば、全身、限局および局所投与、例えば、細胞増殖疾患部位での投与を含む、任意の投与様式により、または任意の経路により実施することができる。例えば、皮膚上または下にある細胞増殖疾患は、局所注射により治療することができ、一方、骨髄に影響する細胞増殖疾患は全身投与を必要とし得る。例示的な投与経路としては、静脈内、動脈内、皮内、筋内、皮下、胸膜内、経皮(局所)、経粘膜、頭蓋内、脊髄内、眼内、直腸、経口(食事)および粘膜が挙げられる。特定の投与経路は、一部には、細胞増殖疾患の型または位置、ならびに化合物の薬理学、バイオアベイラビリティ、安定性、などを基にすることができる。
本発明の方法は、特に、ある被験体の状態において検出可能なまたは測定可能な改善、例えば、細胞増殖または細胞過剰増殖疾患、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移の存在と関連する1つ以上の有害(身体)症状または結果の緩和または回復、すなわち、治療効果または有益な効果を提供する方法を含む。
治療効果または有益な効果は、細胞増殖疾患における任意の客観的または主観的な、一過性の、一時的な、または長期の改善、または、細胞増殖または過剰増殖疾患、例えば、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移と関連する、またはそれらにより引き起こされる有害症状の発症、重篤度、期間または頻度の低減である。本発明による治療法の満足のいく臨床エンドポイントは、例えば、1つ以上の関連する病態、有害症状または合併症の重篤度、期間または頻度の漸進的なまたは部分的な減少、または細胞増殖あるいは過剰増殖疾患、例えば、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移の1つ以上の生理学的、生物化学的、または細胞徴候もしくは特性の阻止もしくは回復が生じた時に達成される。治療効果または改善はそのため、治癒、例えば、標的増殖細胞(例えば、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移)の破壊または、細胞増殖または過剰増殖疾患、例えば、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移と関連する、またはそれらにより引き起こされる1つ以上の、ほとんどのあるいは全ての病態、有害症状または合併症の除去とすることができる。しかしながら、治療効果または改善は、全ての標的増殖細胞(例えば、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移)の治癒または完全な破壊あるいは、細胞増殖または細胞過剰増殖疾患、例えば、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移と関連する、またはそれらにより引き起こされる全ての病態、有害症状または合併症の除去である必要はない。例えば、腫瘍、癌または新生物の進行または悪化を阻止し、減速させ、または遅延させることによる、腫瘍、癌または新生物細胞質量もしくは細胞の部分破壊、または腫瘍、癌または新生物細胞質量、サイズまたは細胞数の安定化は、たとえ、数日、数週間または数ヶ月にすぎないとしても、腫瘍、癌または新生物質量、サイズまたは細胞の一部またはバルクが残ったとしても、死亡率を減少または遅延させ、寿命を延長させることができる。
治療効果の特定の非制限的例としては、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移体積(サイズまたは細胞質量)または細胞の数もしくは増殖の低減、腫瘍、癌または新生物体積、サイズ、質量、または細胞数の増加の阻止または防止(例えば安定化)、新生物、腫瘍または癌悪性度、進行、悪化または転移の減速、遅延または阻止、腫瘍、癌または新生物細胞溶解、アポトーシスまたは分化の刺激、誘発または増加、または新生物、腫瘍または癌細胞増殖、成長もしくは転移の阻止が挙げられる。本発明の方法は、即座に発効することはできない。例えば、治療後に、腫瘍、癌または新生物細胞数または質量が増加し得るが、時間経過に伴い、最終的には、ある被験体において、腫瘍、癌または新生物細胞質量、サイズまたは細胞数の減速、遅延、安定化または低減が、その後、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移の細胞溶解またはアポトーシス後に起こり得る。
阻止、低減、減少、遅延または防止することができる腫瘍、癌または新生物、および転移と関連する別の有害症状および合併症としては、例えば、悪心、食欲不振、嗜眠、疼痛および不快感が挙げられる。このように、細胞増殖または過剰増殖疾患と関連する、またはそれにより引き起こされる有害症状または合併症の重篤度、期間または頻度の部分的または完全な減少または低減、被験体の幸福の改善、例えば、エネルギー、食欲、心理学的幸福の増加は全て、治療効果の特定の非制限的な例である。治療効果または改善はそのため、治療患者の生活の質の主観的改善を含むこともできる。
様々な実施形態では、方法は、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移体積、細胞数または増殖を低減または減少させ、腫瘍、癌または新生物体積、細胞数または増殖の増加を阻止もしくは防止し、腫瘍、癌または新生物の進行または悪化を阻止もしくは遅延させ、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移細胞溶解、アポトーシスまたは分化を刺激し、または腫瘍、癌または新生物増殖、悪性度、成長または転移を阻止、低減、減少または遅延させる。別の実施形態では、方法は、被験体の寿命を延期または延長する。別の実施形態では、方法は被験体の生活の質を改善する。
腫瘍、癌または新生物、あるいは転移を含む生検試料(例えば、血液または組織試料)の検査により、腫瘍、癌または新生物細胞質量、体積または細胞数を証明することができ、そのため、腫瘍、癌または新生物細胞の質量、体積または数の低減または安定化、あるいは腫瘍、癌または新生物細胞増殖、成長、悪性度、転移または生存(アポトーシス)の阻止または遅延が起きたかどうかを証明することができる。固形腫瘍、癌または新生物では、侵襲性および非侵襲性イメージング法により、サイズ、質量体積または細胞数を確認することができる。例えば、細胞の集団、数および型(例えば、造血細胞過剰増殖疾患)、グレードまたはステージに対する血液または血清の検査により、腫瘍、癌または新生物細胞の質量、体積、数または型、グレードまたはステージの低減または安定化、あるいは腫瘍、癌または新生物増殖、成長、悪性度、転移または生存(アポトーシス)の阻止が起きたかどうかを証明することができる。
発明化合物および方法は、所望の効果を提供する任意の他の治療または療法と組み合わせることができる。特に、抗細胞増殖活性または機能を有するものとして特徴付けられる治療および療法を適用することができる。例示的な治療および療法としては、抗細胞増殖または免疫増強剤または薬物が挙げられる。
治療および療法は、例えば、抗細胞増殖または抗過剰増殖疾患(例えば、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移)に対し、本発明の任意の他の方法の前に、その方法と実質的に同時に実施することができる。
本発明はそのため、化合物ならびに修飾形態および異型のいずれかを任意の治療レジメン、治療プロトコルまたは組成物、例えば、本明細書で説明した、または当技術分野で公知の抗細胞増殖プロトコル、作用物質または薬物と共に使用する併用法を提供する。1つの実施形態では、方法は、保存モチーフを有する化合物、および抗細胞増殖または免疫増強治療、作用物質または薬物を投与する工程を含む。抗細胞増殖または免疫増強治療、作用物質または薬物は、化合物の投与前、投与と実質的に同時に、または投与後に投与することができる。
本明細書で使用されるように、「抗細胞増殖」、「抗新生物」、「抗腫瘍」、または「抗癌」治療、療法、活性または効果は、異常な、または望ましくない細胞増殖(過剰増殖)、細胞過剰増殖疾患、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移と関連する、またはそれにより引き起こされる病態、有害症状または合併症の治療において有用な任意の療法、治療レジメン、作用物質、薬物、プロトコルまたは過程を意味する。特定の療法、治療レジメン、作用物質、薬物、プロトコルまたは過程は、細胞増殖、細胞成長、過剰増殖、腫瘍、癌または新生物(悪性)成長、増殖、生存、悪性度または転移を阻止、減少、減速、低減、遅延、または防止することができる。そのような治療、療法、レジメン、プロトコル、作用物質および薬物は、細胞周期進行または細胞増殖もしくは成長を妨害、低減、阻止または遅延させることにより、細胞アポトーシス、溶解、死滅または分化を増加、刺激または増強することにより、核酸またはタンパク質合成または代謝を阻止することにより、細胞***を低減、減少、阻止または遅延させることにより、あるいは細胞生存、または細胞生存因子、成長因子もしくはシグナル伝達経路(細胞外または細胞内)の産生もしくは利用を減少、低減または阻止することにより、作用することができる。
抗細胞増殖治療および療法の例としては化学療法、免疫療法、放射線療法(電離または化学)、局所および限局性熱(温熱)療法および外科的切除が挙げられる。
抗細胞増殖剤および薬物の特定の非制限的クラスとしては、アルキル化剤、代謝拮抗薬、植物抽出物、植物アルカロイド類、ニトロソ尿素、ホルモン(ステロイド)、ヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体が挙げられる。微生物毒素の特定の非制限的例としては、細菌性コレラ毒素、百日咳毒素、炭疽毒素、ジフテリア毒素、および植物毒素リシンが挙げられる。薬物の特定の例としては、シクロホスファミド、アザチオプリン、シクロスポリンA、メルファラン、クロラムブシル、メクロレタミン、ブスルファン、メトトレキセート、6−メルカプトプリン、チオグアミン、5−フルオロウラシル、5−フルオロウリジン、シトシンアラビノシド、AZT、5−アザシチジン(5−AZC)および5−アザシチジン関連化合物、ブレオマイシン、アクチノマイシンD、ミトラマイシン、ミトマイシンC、カラムスチン、カリチアマイシン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾトシン、テニポシド、エトポシド、ヒドロキシ尿素、シスプラチン、カルボプラチン、レバミソール、ミトタン、プロカルバジン、ダカルバジン、タキソール、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ドキソルビシン、ダウノマイシンおよびジブロモマンニトールが挙げられる。ホルモンの特定の非制限的例としては、プレドニゾン、プレドニゾロン、ジエチルスチルベストロール、フルタミド、リュープロリド、およびゴナトロフィン放出ホルモン拮抗薬が挙げられる。
放射線療法としては、被験体への内部送達または外部送達が挙げられる。例えば、α、β、γおよびX−線を、被験体インターナリゼーションなしに、または物理的な放射性同位元素への接触なしに、被験体に外部から投与することができる。X−線線量範囲の特定の例は、長期間(3〜5/週)の間の50〜200レントゲンの一日量から2000〜6000レントゲンの単一線量の範囲である。線量は広範囲に変動し、曝露期間、同位体の半減期、および放射される放射線の型、細胞型および治療される位置、ならびに疾病の進行ステージに依存する。放射性核種の特定の非制限的例としては、例えば、47Sc、67Cu、72Se、88Y、90Sr、90Y、97Ru、99TC、105Rh、111In、125I、131I、149Tb、153Sm、186Re、188Re、194Os、203Pb、211At、212Bi、213Bi、212Pb、223Ra、225Ac、227Ac、および228Thが挙げられる。
腫瘍、癌または新生物細胞に結合する抗体は、抗細胞増殖治療または療法の特定の例である。抗腫瘍抗体としては、例えば、白血病細胞CD33抗原に結合するM195抗体(米国特許第6,599,505号)、卵巣癌CA6腫瘍関連抗原に結合するモノクローナル抗体DS6(米国特許第6,596,503号)、上皮細胞表面H抗原に結合するヒトIBD12モノクローナル抗体(米国特許第4,814,275号)、および結腸癌、乳癌、卵巣癌および肺癌により発現されるLex炭水化物エピトープに結合するBR96抗体が挙げられる。使用することができる別の抗腫瘍、癌または新生物抗体としては、例えば、Herceptin(抗−Her−2 neu抗体)、Rituxan(登録商標)、Zevalin、Bevacizumab(Avastin)、Bexxar、Campath(登録商標)、Oncolym、17−1A(Edrecolomab)、3F8(抗神経芽細胞腫抗体)、MDX−CTLA4、IMC−C225(Cetuximab)およびMylotargが挙げられる。
本明細書で使用されるように、「免疫増強」という用語は、治療、療法、作用物質または薬物に関連して使用される場合、治療、療法、作用物質または薬物が、体液性または細胞媒介の、免疫応答の増加、刺激、誘発または促進を提供する。そのような療法は免疫応答を一般に増強することができ、または特定の標的、例えば、細胞増殖または細胞過剰増殖疾患、例えば腫瘍、癌または新生物、あるいは転移に対する免疫応答を増強することができる。
免疫増強剤の特定の非制限的例としては、抗体、細胞成長因子、細胞生存因子、細胞分化因子、サイトカインおよびケモカインが挙げられる。免疫増強剤および治療の別の例としては、免疫細胞、例えば、細胞増殖疾患に対する抗体を発現するか、またはそうでなければ、細胞増殖疾患(例えば、腫瘍、癌または新生物)に対する免疫応答を開始することができる、リンパ球、形質細胞、マクロファージ、樹状細胞、NK細胞およびB−細胞が挙げられる。免疫原性を増強または刺激するサイトカインとしては、IL−2、IL−1α、IL−1β、IL−3、IL−6、IL−7、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、IFN−γ、IL−12、TNF−α、およびTNFβが挙げられ、これらもまた、免疫増強剤の非制限的例である。MIP−1α、MIP−1β、RANTES、SDF−1、MCP−1、MCP−2、MCP−3、MCP−4、エオタキシン、エオタキシン−2、I−309/TCA3、ATAC、HCC−1、HCC−2、HCC−3、PARC、TARC、LARC/MIP−3α、CKβ、CKβ6、CKβ7、CKβ8、CKβ9、CKβ11、CKβ12、C10、IL−8、ENA−78、GROα、GROβ、GCP−2、PBP/CTAPIIIβ−TG/NAP−2、Mig、PBSF/SDF−1、およびリンホタクチンを含むケモカインはさらに、免疫増強剤の非制限的例である。
本発明の方法は、特に、別の治療プロトコルまたは治療レジメン、過程または療法の必要性または使用が低減される方法を含む。例えば、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移では、本発明の方法は、ある被験体において、抗細胞増殖(例えば、抗新生物、抗腫瘍または抗癌)または免疫増強治療もしくは療法、例えば、化学療法薬、放射線療法、免疫療法、または腫瘍、癌もしくは新生物に対する外科的処置、または転移治療もしくは療法の、頻度の減少または用量の低減または排除が得られた場合、治療効果を有する。
本発明によれば、抗細胞増殖(例えば、抗新生物、抗腫瘍、抗癌または抗転移)治療または療法の必要性または使用を低減させる方法が提供される。様々な実施形態では、方法は、本発明の化合物を、細胞増殖疾患(例えば、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移)を治療する、および抗細胞増殖(抗新生物、抗腫瘍または抗癌、あるいは抗転移)または免疫増強療法の必要性を低減または排除するのに有効な量で被験体に投与する工程を含む。本方法は、抗腫瘍、抗癌または抗新生物、あるいは抗転移、または免疫増強療法の投与前、投与と実質的に同時に、または投与後に実施することができる。
治療法または療法における用量または「有効量」また「十分な量」は、所望の効果、例えば治療効果または改善、例えば、標的(例えば、細胞増殖疾患)と関連する、またはそれにより引き起こされる病態、有害症状または合併症の1つ、複数または全ての、測定可能な、または検出可能な程度までの任意の客観的または主観的な緩和または回復が得られるが、標的(例えば、細胞増殖疾患)病態、有害症状または合併症の進行または悪化を防止、阻止または遅延させ、満足のいく結果となる量である。このように、細胞増殖疾患の場合、量は、ある被験体に治療効果を提供する、またはある被験体において増殖疾患の病態、有害症状または合併症を緩和または回復するのに十分であることが望ましい。用量は、治療の状態または特定の標的(例えば、細胞増殖疾患)または治療もしくは療法の任意の副作用により示されるように、比例的に増加または低減させてもよい。
例示的な非制限的量(用量)は、約0.1mg/kg〜約100mg/kgの範囲、およびそのような範囲の任意の数値もしくは範囲もしくは値である。より大きな、またはより小さな量(用量)、例えば、0.01〜500mg/kg、およびそのような範囲内の任意の数値もしくは範囲もしくは値を投与することができる。別の例示的な非制限的量(用量)は約0.5〜50mg/kg、1.0〜25mg/kg、1.0〜10mg/kgの範囲であり、およびそのような範囲内の任意の数値もしくは範囲もしくは値である。
本発明の方法は、1日、1週間、1ヶ月、または1年につき1回以上(例えば、1〜10、1〜5または1〜3回)実施することができる。当業者であれば、投与レジメンを変更する、例えば、投与を増加する、または低減する、遅延させる、または中断するのに適当な時を知っている。例示的な非制限的投与スケジュールは、1週間あたり1〜7回を、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20またはそれ以上の週の間、およびそのような範囲内の任意の数値もしくは範囲もしくは値である。
当然、いずれの治療または療法でも典型的であるように、異なる被験体は治療に対し異なる応答を示し、特定の治療プロトコル、レジメンまたは過程に対し応答しないもの、あるいは応答が不十分なものも存在し得る。そのため、有効な、または十分な量は少なくとも部分的には、治療される疾患(例えば、細胞増殖、良性過形成または腫瘍、癌もしくは新生物および型、グレードまたはステージ、例えば、腫瘍、癌または新生物グレード、ならびに進行している場合、後期または初期)、所望の治療効果、ならびに個々の被験体(例えば、被験体内でのバイオアベイラビリティ、性別、年齢など)、ならびに遺伝的および後成的変異に基づく治療に対する被験体の応答(例えば、薬理ゲノミクス)に依存する。
「被験体」および「患者」という用語は本明細書では同じ意味で使用され、動物、典型的には哺乳類、例えばヒト、非ヒト霊長類(ゴリラ、チンパンジー、オランウータン、マカク、テナガザル)、家畜(イヌおよびネコ)、農場および牧場動物(ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ)、研究および実験動物(マウス、ラット、ウサギ、モルモット)を示す。被験体としては、インビボ効力を研究するための疾病モデル動物(例えば、マウス、ラットおよび非ヒト霊長類)(例えば、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移動物モデル)が挙げられる。ヒト被験体としては、子供、例えば、新生児、1〜5、5〜10および10〜18歳の間の年齢の乳児、幼児および10代の若者、18〜25歳の間の年齢の若年成人、25〜60歳の間の成人、および例えば60〜65、65〜70ならびに70〜100歳の間の高齢者が挙げられる。
被験体としては、治療が必要な哺乳類(例えば、ヒト)が挙げられ、すなわち、望ましくないまたは異常な細胞増殖(細胞過剰増殖)、または細胞増殖疾患(例えば、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移)を有する。被験体としては、望ましくない細胞増殖または細胞増殖疾患を有する危険性のあるものも挙げられる。被験体としては、さらに、治療の根拠となる臨床または検査室診断による抗細胞増殖または免疫増強治療または療法が必要な被験体、および抗細胞増殖または免疫増強療法を受けている被験体、および抗細胞増殖または免疫増強療法もしくは治療を受け、再燃または再発の危険性がある被験体、例えば、細胞増殖疾患(例えば、腫瘍、癌または新生物)に対する寛解期にあるが再燃の危険があり得る被験体が挙げられる。
危険性のある被験体としては、家族歴、遺伝的素因を有する、または細胞増殖もしくは過剰増殖疾患(例えば、良性過形成、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移)を伴う以前の苦痛を患い、再燃または再発の危険性があるものが挙げられる。危険性のある被験体としてはさらに、発癌物質または変異源への環境曝露、例えば、喫煙者、または職業(工業、化学、農業)環境にいるものが挙げられる。細胞増殖または過剰増殖疾患、例えば、腫瘍、癌または新生物を発症する危険性のあるそのような被験体は、遺伝子、遺伝子欠失または遺伝子変異に関連する腫瘍に対する遺伝子スクリーニングにより識別することができる。Brca1を欠失する被験体は、例えば、乳癌を発症する危険がある。結腸癌を発症する危険のある被験体は、欠失または変異腫瘍抑制遺伝子、例えば、大腸腺腫症(APC)を有する。細胞増殖疾患に対する特定の遺伝的素因を有する、危険性のある被験体は当業者に公知である(例えば、Bert Vogelstein(編集者)、Kenneth W. Kinzler(編集者)によるThe Genetic Basis of Human Cancer 2nd ed.(2002) McGraw−Hill Professional、WB ColemanおよびGJ Tsongalisにより編集されたThe Molecular Basis of Human Cancer (2001) Humana Press、およびThe Molecular Basis of Cancer. Mendelsohn et al., WB Saunders(1995)を参照されたい)。
そのため、危険性のある被験体は、細胞増殖または過剰増殖疾患を発症する、または細胞増殖疾患の治癒もしくは治療後に同じまたは異なる細胞増殖または過剰増殖疾患(例えば、腫瘍、癌または新生物)の再燃または再発に苦しむ可能性を阻止または低減させるように治療することができる。そのような治療の結果は、治療を受けた危険性のある被験体における、細胞増殖または過剰増殖疾患の発症の危険性の低減、または細胞増殖または過剰増殖疾患、もしくはその病態、有害症状または合併症の阻止とすることができる。
本発明はさらに、適したパッケージング材料中にパッケージされた本発明の化合物、修飾および異型形態、および薬学的製剤を、必要に応じてキット構成要素を使用するための使用説明書、例えば、本発明の方法を実施するための使用説明書と共に含むキットを提供する。様々な実施形態では、キットは本発明の化合物を含み、使用説明書は、望ましくない細胞増殖または過剰増殖、あるいは過剰増殖疾患を治療するためのものである。1つの態様では、使用説明書は、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移を治療するためのものである。別の態様では、キットはさらに、抗細胞増殖または免疫増強治療、作用物質または薬物を含む。特定の態様では、キットは抗新生物、抗癌または抗腫瘍薬を含む。さらに別の態様では、キットは製造品、例えば化合物、抗細胞増殖または免疫増強治療、作用物質または薬物を被験体内の病変部位に、または局所的に、限局的にもしくは全身的に送達するための製造品を含む。
「パッケージング材料」という用語は、キットの構成要素を収容する物理的構造を示す。パッケージング材料は、構成要素を滅菌状態に維持することができ、そのような目的のために通常使用される材料から製造することができる(例えば、紙、波形布、ガラス、プラスチック、箔、アンプル、など)。ラベルまたはパッケージング挿入物としては、例えば、本発明の、例えば、細胞増殖または過剰増殖疾患を治療する方法、抗細胞増殖活性を有する化合物を検出または同定するためのスクリーニングのためのアッセイを実施する、適当な書面による使用説明書が挙げられる。このように、別の実施形態では、キットは、溶液中、インビトロ、インビボ、またはエクスビボで本発明の方法を実施するための使用説明書を含むラベルまたはパッケージング挿入物を含む。
そのため、使用説明書は、本明細書で記載した本発明の方法のいずれかを実施するための使用説明書を含む。例えば、発明の薬学的組成物は、容器、パック、またはディスペンサー内に、細胞増殖または過剰増殖疾患、例えば、腫瘍、癌または新生物、あるいは転移を治療するために被験体に投与するための使用説明書と共に包含させることができる。使用説明書はさらに、十分な臨床エンドポイントまたは生じ得る任意の有害症状または合併症の指示、貯蔵情報、使用期限、またはヒト被験体において使用するための規制当局、例えば、食品医薬品局(FDA)により要求される任意の情報を含む。
使用説明書は「印刷物」上、例えば、キット内の紙またはボール紙上、キットまたはパッケージング材料に固定された、またはキットの構成要素を含むバイアルまたはチューブに付着されたラベル上に存在し得る。使用説明書は、音声またはビデオテープを含むことができ、さらにコンピュータ可読媒体、例えば、ディスク(ハードディスク)、光CD、例えばCD−またはDVD−ROM/RAM、磁気テープ、電気記憶媒体、例えばRAMおよびROMならびにこれらのハイブリッド、例えば磁気/光記憶媒体上に含めることができる。
発明キットはさらに、緩衝剤、保存料、または安定化剤を含むことができる。キットはまた、活性をアッセイするための対照構成要素、例えば、対照試料または標準を含むことができる。キットの各構成要素は個々の容器内に、または混合物で封入することができ、様々な容器は全て単一または複数のパッケージ内に入れることができる。
本発明の化合物、ならびに本発明の他の組成物および方法は、薬学的製剤中に含ませることができ、または薬学的製剤を使用することができる。そのような薬学的製剤は、インビボまたはエクスビボでの被験体の治療、または被験体への投与もしくは送達のために有用である。
薬学的製剤は、「薬学的に許容される」および「生理学的に許容される」担体、希釈剤または賦形剤を含む。本明細書で使用されるように、「薬学的に許容される」および「生理学的に許容される」という用語は、薬剤投与と適合する、溶媒(水性または非水性)、溶液、エマルジョン、分散媒、コーティング、等張および吸収促進または遅延剤を含む。そのような製剤は、液体、エマルジョン、懸濁液、シロップもしくはエリキシル、または固体、錠剤(コートまたは未コート)、カプセル(ハードまたはソフト)、粉末、顆粒、結晶、またはミクロビーズ中に含めることができる。補充化合物(例えば、保存料、抗菌、抗ウイルスおよび抗真菌剤)もまた、製剤中に組み入れることができる。
薬学的製剤は、特定の局所、限局、全身、または組織もしくは器官系投与または送達様式または経路と適合するように製造することができる。このように、薬学的製剤は、特定の経路による投与に適した担体、希釈剤、または賦形剤を含む。本発明の組成物のための投与経路の特定の非制限的例は、非経口、例えば、静脈内、動脈内、皮内、筋内、皮下、胸膜内、経皮(局所)、経粘膜、頭蓋内、脊髄内、眼内、直腸、経口(食事)、粘膜投与、ならびに治療法または投与プロトコルに適した任意の他の製剤である。
非経口適用のために使用される溶液または懸濁液としては、滅菌希釈剤、例えば、注射用の水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒、抗菌剤、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン、酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム、キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸、緩衝剤、例えばアセテート、シトレートまたはホスフェートおよび浸透圧を調節するための作用物質、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロースが挙げられる。pHは、酸または塩基、例えば塩酸または水酸化ナトリウムにより調節することができる。
注射用の薬学的製剤は、滅菌注射溶液または分散物の即時調製のための、滅菌水溶液(この場合、水溶性)または分散物および滅菌粉末を含む。静脈内投与のためには、適した担体としては生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF、ニュージャージー州パーシッパニー)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール、など)、およびそれらの適した混合物を含む溶媒または分散媒とすることができる。例えば、レシチンなどのコーティングの使用により、分散物の場合要求される粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により流動性を維持することができる。抗菌および抗真菌剤としては、例えば、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸およびチメロサールが挙げられる。等張剤、例えば、糖類、ポリアルコール類、例えばマンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムを組成物中に含めることができる。吸収を遅延させる作用物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムまたはゼラチンの含有により、注射組成物の吸収を延期することができる。
滅菌注射製剤は、要求される量の活性化合物を適当な溶媒中に上記成分の1つまたは組み合わせと共に組み入れることにより調製することができる。一般に、分散物は、基礎分散媒と任意の他の成分を含む滅菌ビヒクル中に活性化合物を組み入れることにより調製される。滅菌注射溶液を調製するための滅菌粉末の場合、調製法は、例えば、前に調製した溶液から活性成分+任意の追加の所望の成分の粉末が得られる真空乾燥および凍結乾燥を含む。
経粘膜または経皮投与のためには、透過されるべき障壁に対し適当な浸透物が製剤で使用される。そのような浸透物は当技術分野において公知であり、例えば、経粘膜投与に対しては、洗浄剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、鼻内噴霧、吸入装置(例えば、吸入器)または坐薬の使用により達成することができる。経皮投与では、活性化合物は製剤化され軟膏、軟膏剤、ゲル、クリームまたはパッチとされる。
薬学的製剤は、身体からの急速排除に対し保護する担体、例えば、制御放出製剤または時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはステアリン酸グリセリルを用いて調製することができる。製剤はまた、製造品、例えば、移植物およびマイクロカプセル化した送達システムを用いて送達させ、局所、限局もしくは全身送達または制御もしくは持続放出を達成することができる。
生分解性、生体適合性ポリマ類、例えば、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル類、およびポリ乳酸を使用することができる。そのような製剤を調製するための方法は当業者に公知である。材料はまた、Alza Corporation(カルフォルニア州パロアルト)から市販されている。リポソーム懸濁液(抗体またはウイルスコートタンパク質を用いた細胞または組織を標的とするリポソームを含む)もまた、薬学的に許容される担体として使用することができる。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号において記載されているような公知の方法にしたがい、調製することができる。
投与に適当な別の薬学的製剤は当技術分野において公知である(例えば、Gennaro(編)、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th ed., Lippincott, Williams & Wilkins (2000)、Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems, 7th ed., Lippincott, Williams & Wilkins Publishers (1999)、Kibbe(編)、Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association, 3rd ed. (2000)、およびRemington’s Pharmaceutical Principles of Solid Dosage Forms, Technonic Publishing Co., Inc., Lancaster, Pa., (1993)を参照されたい)。
薬学的製剤を含む、本発明により使用される化合物は、投与の容易さおよび用量の均一性のために、単位剤形でパッケージすることができる。本明細書で使用されるように「単位剤形」は、単位投与治療として適した物理的に分離したユニットを示し、各ユニットは担体、賦形剤、希釈剤またはビヒクルと関連して、所望の治療または療法(例えば、有益な)効果を発生させるように計算された量の化合物を含む。単位剤形は、使用する特定の化合物、達成される効果、ならびに治療を受ける被験体の薬物力学および薬理ゲノミクスを含むが、必ずしもそれらに限定されない、様々な因子に依存する。
本発明によれば、抗細胞増殖活性を有する化合物を同定する方法、ならびに化合物の抗細胞増殖活性を測定するための方法が提供される。1つの実施形態では、方法は細胞増殖(例えば、腫瘍、癌または新生物細胞)の阻止に対し、化合物をスクリーニングする工程を含む。細胞増殖を阻止すると決定された化合物は、抗細胞増殖活性を有する化合物である。別の実施形態では、方法は、NPRCへの結合またはNPRCの活性化に対し、化合物をスクリーニングする工程を含む。NPRCに結合する、またはNPRCを活性化すると決定された化合物は、抗細胞増殖活性を有する化合物である。
抗細胞増殖活性または抗細胞増殖活性の量に対して、ある化合物を計算、評価または同定するために、様々なアッセイを使用することができる。例えば、細胞毒性および生存率(細胞アポトーシス、溶解、成長増殖、など)は、当技術分野において公知の比色、発光、放射測定、または蛍光アッセイに基づき測定することができる。比色技術、例えば、トリパンブルー排除を使用して細胞生存率を決定することができる。簡単にいうと、細胞をトリパンブルーで染色し、血球計数器を用いて計数する。生存細胞は染料を排除し、死細胞および終末期細胞はブルー染料を取り込み、光学顕微鏡下で容易に区別される。ニュートラルレッドは、生細胞により吸着され、細胞リソソーム中で濃縮し、生細胞は、ニュートラルレッド染色細胞の数を定量することにより光学顕微鏡を用いて決定することができる。
細胞生存率を決定するための蛍光技術としては、例えば、ヨウ化プロピジウム、蛍光DNA挿入剤が挙げられる。ヨウ化プロピジウムは生細胞から排除されるが、死細胞の核を染色する。その後、ヨウ化プロピジウム標識細胞のフローサイトメトリーを使用して生細胞および死細胞を定量することができる。乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)の放出は、構造損傷および細胞死を示し、分光光度酵素アッセイにより測定することができる。ブロモデオキシウリジン(BrdU)は新しく合成したDNAに組み入れられ、蛍光色素標識抗体を用いて検出することができる。蛍光染料Hoechst33258はDNAを標識し、細胞の増殖を定量するために使用され得る(例えば、フローサイトメトリー)。蛍光染料カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFSEまたはCFDA−SE)の定量的な組み入れにより、細胞***分析を提供することができる(例えば、フローサイトメトリー)。この技術はインビトロまたはインビボのいずれかで使用することができる。7−アミノアクチノマイシンD(7−AAD)ははDNAとの関連でスペクトルシフトを受ける蛍光インターカレーターであり、細胞***分析を提供することができる(例えば、フローサイトメトリー)。
細胞増殖を確認するための放射測定技術としては、例えば、[3H]−チミジンが挙げられ、これは生細胞の新たに合成されたDNA中に組み入れられ、しばしば、細胞の増殖を決定するために使用される。細胞生存率を定量するために、死細胞からのクロム(51Cr)−放出を、シンチレーション計数により定量することができる。
細胞生存率を決定するための発光技術としては、例えば、CellTiter−Glo発光細胞生存率アッセイ(Promega、ウィスコンシン州マディソン)が挙げられる。この技術は、生細胞数を決定するために存在するATP量を定量化する。
細胞生存率および細胞増殖、そのため、本発明の化合物の抗細胞増殖活性の程度を決定するための市販のキットとしては、例えば、Cell Proliferation Biotrak ELISA (Amersham Biosciences Piscataway, ニュージャージー州)、迅速な細胞計数および蛍光試薬の取り込み差に基づく生存率決定を提供するGuava ViaCount(商標)Assay(Guava Technologies、カリフォルニア州ヘイワード)、CyQUANT(登録商標)Cell Proliferation Assay Kit(Molecular Probes, Inc., オレゴン州ユージーン)、およびCytoLux Assay Kit(PerkinElmer Life Sciences Inc., マサチューセッツ州ボストン)が挙げられる。DELFIA(登録商標) Assay Kits(PerkinElmer Life Sciences Inc., マサチューセッツ州ボストン)は、時間分解分光法を用いて細胞増殖および生存率を決定することができる。Quantos(商標)Cell Proliferation Assayは、溶解細胞由来のDNA−染料複合体の蛍光を測定する蛍光に基づくアッセイである(Stratagene、カルフォルニア州ラホーヤ)。CellTiter−Glo細胞生存率アッセイは細胞生存率を測定するための発光アッセイである(Promega、ウィスコンシン州マディソン)。
「接触」という用語は、化合物(例えば、抗細胞増殖活性を有する保存モチーフを有する化合物)、材料、試料、または治療などの組成物に関連して使用される場合、化合物と他の言及された実体との間の直接または間接相互作用を意味する。直接相互作用の特定の例は結合である。間接相互作用の特定の例は、化合物が中間分子に作用し、その後、それが言及した実体に作用する場合である。このように、例えば、細胞(例えば、細胞増殖疾患を有するもの)を本発明の化合物と接触させることは、化合物を細胞に結合させる、または化合物を中間体(例えば、受容体)に作用させ、その後、それを細胞に作用させることを含む。
本発明はまた、発明化合物を用いた治療に応答する可能性を有する、またはその可能性が増加した被験体を診断する、細胞を含まない(例えば、溶液中、固相中)および細胞に基づく(例えば、インビトロまたはインビボ)方法を提供する。1つの実施形態では、方法は、化合物に結合する細胞(例えば、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移などの細胞増殖疾患の細胞)の存在に対し、被験体をスクリーニングする工程を含む。方法は、生物材料または試料、例えば、新生物、腫瘍または癌、あるいは転移細胞、組織または器官を含み得る、またはそれらを示し得る疑わしい細胞の生検を用いて実施することができる。1つの態様では、生物材料または試料は、哺乳類被験体(例えば、ヒト)から得られる。方法はまた、インビボで、例えば、動物体内で実施することができる。
本発明の同定、検出、スクリーニングおよび診断アッセイは、生物試料、例えば、疑わしい増殖細胞、例えば、細胞増殖疾患の細胞の分析により実施することができる。細胞としては、過剰増殖、不死化、新生物、腫瘍および癌細胞系および胸、肺、甲状腺、頭および首、上咽頭、鼻または洞、脳、脊椎、副腎、甲状腺、リンパ、胃腸(口、食道、胃、十二指腸、回腸、空腸(小腸)、結腸、直腸)、尿生殖器(子宮、卵巣、子宮頸部、膀胱、精巣、陰茎、前立腺)、腎臓、膵臓、副腎、肝臓、骨、骨髄、リンパ、血液、筋肉、皮膚、および造血系由来の原発性単離物、および転移または二次部位が挙げられる。
「アッセイ」および「測定」ならびにそれらの文法的変形は本明細書で同じ意味で使用され、定性的または定量的測定のいずれか、または定性的および定量的測定の両方を示す。これらの用語が活性(例えば、抗細胞増殖または抗癌活性)に関連して使用される場合、本明細書で説明され、および当技術分野において公知の様々な方法を含む、相対活性を評価する全ての手段が企図される。
本発明によれば、本発明の化合物を製造する方法がさらに提供される。1つの実施形態では、方法は、化合物をコードする核酸を用いて宿主細胞を形質転換する工程と、宿主細胞を、コードされた化合物の発現を可能とする条件下で培養する工程と、必要に応じて、形質転換細胞から化合物を単離または精製する工程と、を含む。
このように、本明細書で説明される本発明の化合物を発現する宿主細胞が提供される。特定の実施形態では、抗細胞増殖活性を有する保存モチーフを有する化合物をコードする核酸を用いて形質転換された宿主細胞はその化合物を発現する。
別記しない限り、本明細書で使用した技術および科学用語は全て、本発明が関連する当技術分野における当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で記載したものと同様の、または等価の方法および材料を、本発明の実施または試験で使用することができるが、本明細書において適した方法および材料を記載する。
本明細書で引用した全ての出版物、特許、ジェンバンクアセッション番号および他の参考文献は参照によりそれらの全体が組み入れられる。一致しない場合、定義を含む本明細書が規制する。
本明細書で使用されるように、「1つの」、「および」および「その」という単数形は、文脈で明確に記さない限り、複数の指示対象を含む。このように、例えば、1つの「化合物」または1つの「ペプチド」もしくは「模倣物」への言及は、複数の化合物、ペプチドまたは模倣物を含み、「1つの治療または療法」への言及は、複数の同時、連続、または逐次治療または療法、などを含むことができる。
本明細書で使用されるように、全ての数値または数値範囲は、文脈で明確に記さない限り、そのような範囲内にある、またはそのような範囲を含む全ての整数および範囲内にある、または範囲を含む値または整数の一部分を含む。このように、例えば、8〜50の範囲への言及は、そのような値内のまたはそのような値を含む任意の数値または範囲を含み、例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、などである。
本発明は一般に、多くの実施形態を説明するために肯定言語を使用して、本明細書で開示されている。本発明はまた、特定的には、特定の対象、例えば、物質または材料、方法の工程および条件、プロトコル、手順、アッセイまたは分析が、完全にまたは部分的に、排除された実施形態を含む。このように、本発明が一般に本明細書において、本発明が含んでいないものの観点で表現されていないとしても、それにもかかわらず、本発明に明確に含まれていない態様が開示される。
本発明の多くの実施形態について記載してきた。それにも関わらず、本発明の精神および範囲から逸脱せずに様々な改変が可能であることが理解される。したがって、下記実施例は、特許請求の範囲で記載した本発明の範囲を説明することを意図しており、制限するものではない。例えば、下記非制限的実施例は、活性に対し抗細胞増殖モチーフを確認するための方法を含み、限られた数の例示的なペプチドおよび使用法を記載する。これらの例示的な組成物および治療法は本発明を制限するものではないが、本発明の化合物、組成物および方法を調製し、使用するための一般的なガイダンスを提供する。
本明細書における研究は、そのため、本発明を特定的に制限するものとして解釈すべきではなく、公知ではなく、またはその後に開発された、当業者の範囲内にある本発明のそのような変形は本明細書で記載され、以下で主張されている本発明の範囲内にあると考えられる。例えば下記で示した例示的なペプチドの各々の場合、本発明の化合物は例示的なペプチドの代わりに使用することができる。
本明細書で使用した商標は例示にすぎず、本発明時に使用される例示的な材料を反映する。当業者であれば、ロット、製造過程などの変形が期待されることを認識するであろう。このように、実施例、および実施例で使用される商標は非制限的であり、制限することを意図されたものではないが、本発明の1つ以上の実施形態を実施するために当業者がどのように選択することができるのかを説明するにすぎない。
実施例
実施例1
本実施例は、抗細胞増殖(例えば、抗癌)モチーフを含むペプチド、タンパク質、断片、および模倣物を製造する一般法を記載する。
所望のペプチド断片は化学的に合成することができる。別のアプローチは、酵素消化、例えば、タンパク質を特定のアミノ酸残基により規定される部位で切断する酵素でタンパク質を処理することにより、ペプチド断片を生成する工程を含む。別のアプローチは遺伝的手法を含む。そのような技術は、化合物をコードする遺伝子の全てまたは一部の宿主細胞、例えば哺乳類細胞、HeLaまたはCos細胞または大腸菌中への発現を含む。そのような宿主細胞は全長または断片、例えば、scFvを発現することができる(例えば、Whitlow et al., In:Methods:A Companion to Methods in Enzymology 2:97(1991)、Bird et al., Science 242:423 (1988);および米国特許第4,946,778号を参照されたい)。例えば、ペプチド化合物をコードするDNAを適した制限酵素で消化し、所望の断片を単離し、それを、コードされたペプチド化合物の細胞発現のためにベクターに挿入する。さらに別の適した技術は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、所望のポリペプチド断片をコードするDNA断片を単離し、増幅する工程を含む。DNA断片の所望の末端を規定するオリゴヌクレオチドをPCRにおいて5’および3’プライマで使用する。
ペプチドを調製する際、当技術分野において公知の方法、例えば、オリゴヌクレオチド−媒介(部位特異的)変異誘発、アラニンスキャニング、およびPCR変異誘発を使用して変異が可能である。部位特異的変異誘発[Carter et al., Nucl. Acids Res., 13:4331(1986);Zoller et al., Nucl. Acids Res., 10:6487(1987)]、カセット変異導入[Wells et al., Gene, 34:315(1985)]、選択制限変異誘発[Wells et al., Philos. Trans. R. Soc. London Ser A, 317:415(1986)]または他の周知の技術を、クローン化DNAに対し実施し、変異DNAを生成させることができる。
実施例2
この実施例は、保存モチーフを有する2つの例示的なペプチドが抗癌細胞活性を有することを示すデータを記載する。この実施例はまた、抗細胞増殖活性を確認するための例示的な細胞に基づくアッセイの記載を含む。
ヒト膵臓腺癌細胞(HPAC)をATCCから獲得し、2.5mMのグルタミン、2mg/mLのインスリン、5μg/mLのトランスフェリン、1ng/mlのEGF(上皮成長因子)+5% FBS(ウシ胎仔血清)を含むダルベッコ変法イーグル培地およびハムF12培地(DME−F12)(1:1)において増殖させた。細胞培養物を37℃、5% CO2、100%湿度雰囲気中でインキュベートした。細胞をT−フラスコ中でルーチン的にコンフルエンスにし、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)ですすぎ、トリプシンで5分間、室温で処理した。トリプシン処理された細胞をプレートから、10mLの培地を用いてすすぎ、計数した。継代時の生存率は一般に≧95%であった。
100μLの培地中約10,000細胞を96−ウェルプレートの各ウェルに蒔き、一晩中インキュベートした。下記配列を有するペプチドを使用した:Arg−15−Cys(RSSCAGAALSPLGAC)、Pro−15−Val(PNEEAGAALSPLPEV)、Ala−8−Leu(AGALSPL)、C−ANP 4−23(RSSCFGGRIDRIGAC)およびVDL(EVVPPQVLSEPNEEAGAALSPLPEVPPWTGEVSPAQR)。ペプチドをPBSに溶解し、滅菌濾過した。ペプチドを細胞培地中に希釈し、1、0.3、0.1、0.03および0.01μMの最終濃度とした。各ペプチドを5複製ウェルで試験した。培養物をさらに48時間37℃でインキュベートした。
細胞の生存率は、Calbiochem Rapid Cell Proliferation Kit (カタログ番号QIA127)を用いて決定した。10μlのCalbiochemカラー試薬を各ウェルに添加し、さらに1.5時間37℃でインキュベートした。光学密度を450nmでMolecular Devices ThermoMaxミクロプレートリーダーを用いて読み取った。プレートテンプレートを表1に示す(非標識ウェルは細胞を含むが、ペプチドは含まず、ブランクとして使用した)。結果を表1に示し、図1および2にグラフを示す。
表1. 96ウェルプレートにおける試料位置
表2. 96ウェルプレートにおける光学密度
実施例3
本実施例は、保存モチーフおよび該モチーフ内で機能的であると予測される保存アミノ酸を有するペプチドの活性を記載する(表3)。本実施例はまた、抗細胞増殖(例えば、抗癌)活性を有すると予測される保存モチーフを有する別の例示的なペプチド配列を記載する(表4(表4−1〜表4−3))。
表3の15位〜21位は保存モチーフのRes 1〜Res8 に対応する。残基1〜8の各々での保存アミノ酸としては、例えば、下記が挙げられる:(15)F、A、L、(16)G、K、(17)N、S、G、L、A、(18)任意、(19)L、M、(20)S、D、R、(21)任意、(22)I、L。残基1〜8の各々での保存アミノ酸としては、例えば、Res 1、疎水性、非極性、非イオン性残基、Res 2、非疎水性(両親媒性または親水性)残基、Res 3、非イオン性残基または小さな側鎖(0〜2炭素骨格、3および4炭素弱)を有する残基、Res 4、任意の残基、Res 5、疎水性、非極性、非イオン性または脂肪族残基、Res 6、極性残基、Res 7、任意の残基、およびRes 8、疎水性、非極性、非イオン性または脂肪族残基が挙げられる。
本明細書における「Res 1、Res 2」などの表記は、例示的なペプチド8−merにおいて単一文字略語によりアミノ酸を示す。「活性」は細胞増殖アッセイ、例えば、本明細書で記載した、または当業者に公知のアッセイにより決定することができる。当然、表4(表4−1〜表4−3)で例示したペプチドは、より大きなタンパク質の一部として保存モチーフペプチドを含むことができる。SEQ ID NOはペプチド番号と同じである。
これらの例示的なペプチドの各々は、インビトロ、エクスビボ、およびインビボで抗細胞増殖活性に対し、アッセイ、例えば、実施例1または4で記載した細胞に基づくインビトロアッセイを用いて分析することができる。
実施例4
本実施例は、抗細胞増殖活性を決定するための別の例示的な細胞に基づくアッセイの記載を含む。
ヒト卵巣癌細胞を培養し、ペプチドを前に記載された方法[Vesely et al., Cancer Ther. 5:97−104(2007)]にしたがい試験した。ペプチドがDNA合成、および細胞増殖の兆しを阻止するかどうかを調べるために、ヒト卵巣癌細胞へのブロモデオキシウリジン(BrdU)の組み入れを、前に記載されているように使用した[Vesely, D.L. Eur J Clin Invest. 38(8) 562:(2008)および本明細書中の参考文献]。BrdUはBD Science、カルフォルニア州サンノゼからのものであった。24時間、1μMの血管拡張剤VDLと共に、またはペプチドホルモンなしで(すなわち、対照)培養した後、細胞培地中10μMの最終濃度のBrdUを45分間添加したが、これは細胞が細胞増殖の対数期にある時である。さらに、対照に比べ、本発明のペプチドの添加により24時間で卵巣癌細胞の数が著しく減少した場合。
実施例5
本実施例は、代用物として、NPR親和性を使用する、抗細胞増殖活性に対するANPの試験の記載を含む。
理論に縛られることは望まないが、NPの相対効力(抗細胞増殖活性)は、NPRでの結合親和性に関連すると予測される[Vesely, D.L. Eur J Clin Invest. 38(8) 562:(2008)および本明細書中の参考文献]。例えばCNPよりもANPに対し観察されたより大きな効力はNPRAおよびNPRCでのより高いANP結合親和性と相関し、BNPよりCNPのより大きな効力は、CNPが、特異的にNPRCで、BNPよりも高い結合親和性を有することに一致する[Vesely, D.L. Eur J Clin Invest. 38(8) 562:(2008)および本明細書中の参考文献]。
Suga et al., Endocrinol. 130:229−239(1992)により記載されている類似アッセイ系を用いたナトリウム利尿ペプチドファミリー(ANP、BNP、CNP)の受容体選択性。C−受容体に対する結合親和性の序列は実施例4の細胞に基づくアッセイの傾向に従う。
このように、NPRCなどのNPRでの結合親和性は、抗細胞増殖(抗癌)活性に対する良好な代用物となり得る。
実施例6
本実施例は保存モチーフを有するペプチド模倣物の記載を含む。
抗細胞増殖(例えば、抗癌)モチーフのペプチド模倣物であると考えられる文献化合物を、活性に対しアッセイし(例えば、実施例1および4)、またはNPR結合に対しアッセイし(例えば、実施例5)、結合を証明する。予測されるペプチド模倣物としては下記が挙げられる。
実施例7
本実施例はインビボ異種移植モデルを用いた試験の記載を含む。
ナトリウム利尿ペプチドファミリー(CNP、VDL、LANP、KP、BNP)の異種移植モデルにおける効力は、抗癌活性を証明するために、Vesely, D.L., In Vivo 21:445(2007)により記載されているアッセイを使用することができる。
実施例8
本実施例は、全身、限局または局所投与の様々な許容される経路の記載を含む。
注射による投与では、注射用溶液は、従来の方法により、10.0mlの生理食塩水と、pH=7.4に調整された7.0mgのペプチドとを用いて調製することができる。1日に1回、1注射を4日間、約70kgの体重の患者に投与することができる。
注入による投与では、静脈内注入組成物は、従来の方法により、1000.0mlの生理食塩水と、pH=7.4に調整された400.0mgの実施例1のペプチドとを用いて調製することができる。1日1回、1時間の注入を4週間、約58kgの体重の患者に投与することができる。
連続投与、例えば、ポンプによる皮下注射による投与では、注射用溶液は、従来の方法により、1000.0mlの生理食塩水と、pH=7.4に調整された400.0mgのペプチドとを用いて調製することができる。患者は、Vesely, D.L., In Vivo 21:445(2007)において記載されているように、時間と共に組成物を分配するように埋め込まれたポンプを有する。埋め込まれた連続注入ポンプは組成物を、毎日3回、間隔をおいて最高8週まで、約47kgの体重の患者に分配する。

Claims (37)

  1. 抗細胞増殖活性を有し、保存モチーフ、(Res 1)−(Res 2)−(Res 3)−(Res 4)−(Res 5)−(Res 6)−(Res 7)−(Res 8)を含む化合物であって、ここで、
    Res 1はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、骨格は5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、12未満の炭素のベンジル、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルキルアリールから選択される疎水性、非極性、および非イオン性側鎖から選択される側鎖を有し、
    Res 2はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、骨格は5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、両親媒性側鎖、親水性側鎖、双性イオン、グリシン(G)、リシン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、およびアスパラギン(N)である側鎖を有し、
    Res 3はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、骨格は5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、5員未満の長さの側鎖を有し、ただし、いずれの環も5または6員サイズであり得、およびグリシン(G)、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、セリン(S)、ロイシン(L)、アラニン(A)を有し、
    Res 4は5以下の原子のリンカーまたはアミノ酸、エーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレン、アミドリンカーであり、1〜約12の炭素を含む側鎖を有し、その上に、アミノ、ヒドロキシル、アミド、カルボキシ、アリール、ヘテロアリールおよび天然に生じる20アミノ酸のいずれかから選択される構成要素を有し、
    Res 5はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、骨格は5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、疎水性、非極性、非イオン性、脂肪族側鎖、およびロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)、アラニン(A)またはメチオニン(M)から選択される側鎖を有し、
    Res 6はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、骨格は5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、極性側鎖、またはアミノ酸セリン(S)、アスパラギン酸(D)、アルギニン(R)およびグルタミン酸(E)を有し、
    Res 7はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、骨格は5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、1〜約12の炭素を含む側鎖を有し、その上に、アミノ、ヒドロキシル、アミド、カルボキシ、アリール、ヘテロアリールおよび天然に生じる20アミノ酸のいずれかから選択される構成要素を有し、
    Res 8はアミノ酸またはその模倣物であり、ここで、骨格は5以下の原子のエーテル、エステル、ケトン、アルキル、アルキレンまたはアミドリンカーから選択され、疎水性、非極性、および非イオン性側鎖、アミノ酸アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)を有し、C1〜C12アルキル、アルキレン、およびアルケニルから選択される側鎖を有し、
    ここで、Res 1、Res 2、Res 3、Res 4、Res 5、Res 6、Res 7およびRes 8の各々は、個々の隣接残基に共有結合により、または非共有結合により結合され、前記化合物は約30未満の残基を有する、化合物。
  2. Res 1がフェニルアラニン(F)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、およびバリン(V)から選択され、
    Res 2がグリシン(G)、リシン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、およびアスパラギン(N)から選択され、
    Res 3がグリシン(G)、ヒスチジン(H)、アスパラギン(N)、セリン(S)、ロイシン(L)、アラニン(A)から選択され、
    Res 4が任意のアミノ酸から選択され、
    Res 5がロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)、アラニン(A)またはメチオニン(M)から選択され、
    Res 6がセリン(S)、アスパラギン酸(D)、アルギニン(R)およびグルタミン酸(E)から選択され、
    Res 7が任意のアミノ酸から選択され、
    Res 8がアラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、およびバリン(V)から選択される、請求項1記載の化合物。
  3. Res 1がフェニルアラニン(F)、アラニン(A)、およびロイシン(L)から選択され、
    Res 2がグリシン(G)およびリシン(K)から選択され、
    Res 3がグリシン(G)、アスパラギン(N)、セリン(S)、ロイシン(L)、およびアラニン(A)から選択され、
    Res 4が天然アミノ酸から選択され、
    Res 5がロイシン(L)およびメチオニン(M)から選択され、
    Res 6がセリン(S)、アスパラギン酸(D)、およびアルギニン(R)から選択され、
    Res 7が天然アミノ酸から選択され、
    Res 8がロイシン(L)およびイソロイシン(I)から選択される、請求項1記載の化合物。
  4. 式がAGAALSPL(SEQ ID NO:85)、PNEEAGAALSPLPEV(SEQ ID NO:121)またはRSSCAGAALSPLGAC(SEQ ID NO:122)を含む、請求項1記載の化合物。
  5. 前記保存モチーフが、Res 1、Res 2、Res 3、Res 4、Res 5、Res 6、Res 7またはRes 8位に共有結合または非共有結合により結合された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31または32残基を有する、請求項1記載の化合物。
  6. 前記化合物が約25未満の残基を有する、請求項1記載の化合物。
  7. 前記化合物が約20未満の残基を有する、請求項1記載の化合物。
  8. 前記化合物が約10〜25の間の残基を有する、請求項1記載の化合物。
  9. 前記化合物が約10〜20の間の残基を有する、請求項1記載の化合物。
  10. 前記化合物が約10〜16の間の残基を有する、請求項1記載の化合物。
  11. 前記化合物が、1つ以上のL−アミノ酸、1つ以上のD−アミノ酸、1つ以上の天然に生じないアミノ酸、または1つ以上のアミノ酸誘導体あるいは類似体を含む、請求項1記載の化合物。
  12. 前記化合物が転移性または非転移性癌、腫瘍または新生物細胞に対する活性を有する、請求項1記載の化合物。
  13. 前記化合物が天然に生じない、天然に生じる、単離される、または精製される、請求項1記載の化合物。
  14. 薬学的に許容される担体または賦形剤をさらに含む、請求項1記載の化合物。
  15. 請求項1記載の化合物を発現する形質転換細胞。
  16. 被験体に、請求項1記載の化合物を、細胞増殖疾患を治療するのに有効な量で投与する工程を含む、治療の必要な被験体において細胞増殖疾患を治療する方法。
  17. 前記細胞増殖疾患が、転移性または非転移性新生物、腫瘍、癌を含む、請求項16記載の方法。
  18. 前記新生物、腫瘍または癌、あるいはそれらの転移が、脳、脊椎、頭および首、胸、食道、口、上咽頭、鼻または洞、甲状腺、頭および首、胃腸、胃、小腸、十二指腸、回腸、空腸、肺、肝臓、膵臓、腎臓、副腎、膀胱、結腸、直腸、尿生殖器、前立腺、子宮、子宮内膜、子宮頸部、卵巣、骨髄、リンパ、血液、骨、精巣、陰茎、皮膚もしくは筋肉、または造血系の少なくとも一部に影響する、または存在する、請求項17記載の方法。
  19. 前記新生物、腫瘍、または癌が肉腫、癌腫、腺癌、骨肉腫、線維肉腫、メラノーマ、骨髄腫、芽腫、神経膠腫、リンパ腫または白血病を含む、請求項17記載の方法。
  20. 前記新生物、腫瘍、または癌が胃腺癌、結腸直腸癌、卵巣癌腫、肺癌、***癌もしくは乳癌、胃癌、膵臓癌、胃腸癌、神経組織もしくは脳腫瘍、食道癌、膀胱癌、前立腺癌、腎臓癌、卵巣癌、精巣癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、子宮癌、またはホジキン病を含む、請求項17記載の方法。
  21. 前記新生物、腫瘍、または癌あるいはその転移が、ステージI、II、III、IVまたはV新生物、腫瘍、癌または転移を含む、請求項17記載の方法。
  22. 前記新生物、腫瘍、または癌あるいはその転移が、徐々に悪化している、請求項17記載の方法。
  23. 前記新生物、腫瘍、または癌あるいはその転移が、寛解期にある、請求項17記載の方法。
  24. 前記新生物、腫瘍、または癌あるいはその転移が、固形または液体である、請求項17記載の方法。
  25. 請求項1記載の化合物が、局所的に、限局的に、または全身的に被験体に投与される、請求項16記載の方法。
  26. 前記治療が細胞数、増殖、体積またはサイズを低減または減少させ、細胞数、増殖、体積またはサイズの増加を阻止または防止し、細胞増殖疾患の進行または悪化を阻止し、細胞溶解またはアポトーシスを刺激し、細胞増殖疾患の細胞成長、増殖または生存を阻止、低減または減少させ、あるいは被験体の寿命を延期または延長する、請求項16記載の方法。
  27. 前記治療が新生物、腫瘍、癌、または転移細胞数、増殖、体積またはサイズを低減または減少させ、新生物、腫瘍、癌、または転移細胞数、増殖、体積またはサイズの増加を阻止または防止し、新生物、腫瘍、癌、またはその転移の進行または悪化を阻止し、新生物、腫瘍、癌、または転移細胞溶解またはアポトーシスを刺激し、新生物、腫瘍、癌、または転移細胞成長、増殖または生存を阻止、低減または減少させ、原発性新生物、腫瘍、または癌とは区別される1つ以上の部位での転移性新生物、腫瘍または癌の形成または確立を阻止し、原発性新生物、腫瘍、または癌とは区別される1つ以上の部位での確立された転移性新生物、腫瘍または癌の成長を阻止し、あるいは被験体の寿命を延期または延長する、請求項17記載の方法。
  28. 前記被験体が、抗新生物、抗腫瘍、抗癌、抗転移または免疫増強治療または療法の対象であり、それを受けており、または受けたことがある、請求項16記載の方法。
  29. 前記被験体に抗細胞増殖または免疫増強治療または療法を投与する工程をさらに含む、請求項16記載の方法。
  30. 前記治療または療法が、外科的切除、放射線療法、放射線治療、化学療法、免疫療法または温熱療法を含む、請求項29記載の方法。
  31. 前記抗細胞増殖治療または療法が、アルキル化剤、代謝拮抗薬、植物抽出物、植物アルカロイド、ニトロソ尿素、ホルモン、ヌクレオシドおよびヌクレオチド類似体を含む、請求項29記載の方法。
  32. 前記免疫増強治療または療法が、抗体、細胞成長因子、細胞生存因子、細胞分化因子、サイトカインもしくはケモカイン、リンパ球、形質細胞、マクロファージ、樹状細胞、またはNK細胞もしくはB−細胞を含む、請求項29記載の方法。
  33. 請求項1記載の化合物が、前記抗細胞増殖または免疫増強治療または療法の投与前、投与と実質的に同時に、それらとの混合物形態で、または投与後に投与される、請求項29記載の方法。
  34. 前記被験体が哺乳類である、請求項16記載の方法。
  35. 前記被験体がヒトである、請求項34記載の方法。
  36. 請求項1記載の化合物を用いた治療に応答する可能性が増加した被験体を診断する方法であって、前記被験体由来の細胞を含む生物試料を前記化合物への結合に対してスクリーニングする工程を含み、結合は前記請求項1記載の化合物を用いた治療に応答する可能性が増加したものとして前記被験体を識別する、方法。
  37. 抗細胞増殖活性を有する化合物を同定する方法であって、請求項1記載の化合物を細胞増殖の阻止に対し、NPRCに対する結合に対し、またはNPRCの活性化に対しスクリーニングする工程を含み、ここで、細胞増殖の阻止、NPRCへの結合またはNPRCの活性化は化合物を、抗細胞増殖活性を有するものとして同定する、方法。
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