JP2011506379A - シクロデキストリン−シラン複合体 - Google Patents
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Abstract
本発明は、シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体とシランとの複合体に関する。
Description
本発明は、シクロデキストリン−シラン複合体、それらの製造及び使用に関する。
シランは、表面の官能化に多岐にわたって使用され("シラン処理")、表面としては小さな分子の分子表面、ナノスケール構造又はミクロスケール構造の表面又は巨視的な表面である。構造に応じて、シランは多様な化学的安定性及び多様な反応性を示し、このことは、シランの使用の際に顧慮されなければならない。例えばハロゲン化又はアルコキシル化されたシランは、水の存在で加水分解する。それらのシランの不安定性は、それらの使用可能性を制限する。同じように、それらのシランの物理的性質は、それらの使用可能性を制限する。シランは通常、液体の形で存在し、しばしばそれらは室温で既に揮発性である。シランを液体として加工する必要性は、多くの工業用途におけるそれらの使用可能性を制限する。故に重要な1つの課題は、シランの安定化法を開発することである。
シクロデキストリン(CDs)は、グルコース単位からなり、環状非還元オリゴ糖である。それらの外側表面は親水性であり、それによりそれらは水に溶解することができる。それらの内側表面は疎水性を示す。この理由から、CDsは、より小さい分子と包接結合することができる。
含ケイ素化合物とのシクロデキストリン複合体は、様々な著者により記載されている。そこで、これらの論文は、シクロデキストリン−ポリマー相互作用に又はシクロデキストリンと低分子シロキサンとの相互作用に取り組んでいるが、しかしシクロデキストリン−シラン相互作用には取り組んでいない。
例えば、Okumura他(2001, Makromolecules 34, 6338-43)は、シクロデキストリンをポリジメチルシロキサンに数珠つなぎにすることを記載している。Wenz他は、かなり一般的に(Chem. Review 2006, 106, 782-817)、シクロデキストリン−ポリマー相互作用(ロタキサン及びポリロタキサン)を記載している。そのような複合体の工業的使用は、国際公開(WO-A1)第9631540号に記載されている。
Felix, K.他(1996) Curr.Top.Microbiol. Immunol. 210 (Immunology of Silicones), 93-9)は、γ−CD複合体とオクタメチルシクロテトラシロキサン及び他の小さい安定なシロキサンとの膜相互作用を記載している。
本発明の課題は、工業的応用性が高められたシランを提供することである。
前記課題は、シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体とシランとの複合体により解決される。
通例、室温(20℃)及び標準圧力で液体のシランは、本発明による複合体中で安定化され、かつ粉末状の固体として提供される。この粉末配合物は、前記シランの工業的応用性を明らかに拡大する。粉末として、前記シラン複合体は、問題なく加工及び貯蔵されることができる。
本発明の意味で、シランは、一般式(I)
YeSiR1 (4-e) (I)
で示される好ましくは20℃及び標準圧力で液体の低分子ケイ素化合物であり、
ここで
Yは、水素、OH基、ハロゲン、OR1基を表し、
R1は、非置換の又はヘテロ原子置換され、炭素原子1〜12個を有する脂肪族又は芳香族の炭化水素基を表し、かつ
eは、1、2、3及び4の値を取ることができる。
YeSiR1 (4-e) (I)
で示される好ましくは20℃及び標準圧力で液体の低分子ケイ素化合物であり、
ここで
Yは、水素、OH基、ハロゲン、OR1基を表し、
R1は、非置換の又はヘテロ原子置換され、炭素原子1〜12個を有する脂肪族又は芳香族の炭化水素基を表し、かつ
eは、1、2、3及び4の値を取ることができる。
好ましくは、前記シランは、加水分解感受性シランである。特に好ましくは、アルコキシシラン、例えばイソオクチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−イソプロポキシシラン又はテトラ−n−プロポキシシランである。
シクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体は、任意のシクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体であるか、又はそのようなシクロデキストリン(誘導体)の異なる少なくとも2つの種類の混合物である。
好ましくは、式II
で示されるシクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体であり、
ここで、R3は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素を表すか、又は非置換の又はヘテロ原子置換され、炭素原子1〜12個を有する脂肪族又は芳香族の炭化水素基を表し、かつpは、6〜120の整数である。
ここで、R3は、同じか又は異なっていてよく、かつ水素を表すか、又は非置換の又はヘテロ原子置換され、炭素原子1〜12個を有する脂肪族又は芳香族の炭化水素基を表し、かつpは、6〜120の整数である。
R3の例は、水素原子、炭素原子1〜10個を有するアルキル基、炭素原子1〜10個を有するアシル基、グリコシル基、陽イオン電荷を帯びた基及び陰イオン電荷を帯びた基である。
好ましくは、R3は、水素原子、メチル基、ヒドロキシプロピル基、アセチル基、カルボキシメチル基又は2−OH−3−トリメチルアンモニオプロピル基であり、その際にメチル基及びヒドロキシプロピル基が特に好ましい。
全てのR3が水素を表す場合には、式(II)の化合物は、天然の未変性シクロデキストリンである。シクロデキストリンは、外へ向かって親水性であり、それにより、それらは水に極めて容易に溶解する。
少なくとも1つのR3が水素とは異なる意味を有する場合には、式(II)の化合物は、シクロデキストリン誘導体である。シクロデキストリン中の誘導体化された箇所の数及び種類に伴い、シクロデキストリン誘導体の親水性挙動がとりわけ決定される。
好ましくはpは6、7又は8であり、特に好ましくは8である。
特に好ましくは、本発明による複合体中のシクロデキストリンは、それゆえ、γ−シクロデキストリンであるか又はγ−シクロデキストリンの誘導体である。
シクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体は、市販製品であるか、もしくは化学もしくは生化学において通常の方法により製造されることができる。天然のシクロデキストリン(α−、β−及びγ−CD)及び誘導体化されたシクロデキストリン(例えばメチル化された、ヒドロキシプロピル化された)は、例えばWacker Chemie AGから購入することができる。
本発明は、さらに、本発明による複合体の製造に関する。
前記複合体の製造は、複合体化すべきシラン及びシクロデキストリンが、1min〜24時間、好ましくは0.5〜5h、特に好ましくは1hの期間に亘って互いに接触され、かつ形成された複合体が、その後直ちに場合により存在している溶剤から分離されることにより行われる。
本発明による方法の場合に、シクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体及びシランは、好ましくは10:1〜1:10、特に好ましくは3:1〜1:3、殊に好ましくは1:1のモル比で、使用される。
本発明による方法の場合に、双方の出発物質の接触は、任意の方法で行われることができる。その際に、シクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体及びシランは、できるだけ均質に、例えば強力な撹拌、振とう又は混練により、接触される。
前記接触は、好ましくは1min〜24時間、好ましくは0.5〜5h、特に好ましくは1hの期間に亘って行われる。
所望の場合には、シクロデキストリン(誘導体)及びシランに加えて、溶剤が使用されることができ、ここで、溶剤と言う呼び方は、全ての反応成分がこの溶剤中に溶解しなければならないことを意味しない。例えば、シクロデキストリン(誘導体)だけでなくシランも完全にか又は部分的に溶解する溶剤、並びに専らシクロデキストリン(誘導体)又はシランが完全にか又は部分的に溶解する溶剤が使用されることができる。
場合により使用される溶剤は、好ましくは、水、極性有機溶剤、例えばアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノール)、アセトン、テトラヒドロフラン又はジメチルスルホキシド、無極性有機溶剤、例えばアセトニトリル、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、p−キシレン及びアルカン並びにそれらの混合物である。
好ましくは、場合により使用される溶剤は、水である。
本発明による方法にとって、溶剤が存在する場合に、この溶剤が、接触による複合体化に続き直ちに、形成された複合体から除去されることが本質的である。
温度は、本発明による方法の場合に、幅広い範囲に亘ることができ、かつ本質的にシラン及び使用されたシクロデキストリン(誘導体)の安定性にのみ依存する。本発明による方法は、好ましくは5〜95℃、特に好ましくは30〜70℃の温度で、及び好ましくは周囲雰囲気の圧力、すなわち900〜1100hPaの圧力で、実施される。
本発明による方法が、溶剤、特に水の存在で、実施される場合には、シラン及びシクロデキストリン(誘導体)の種類に応じて、完全にか又は部分的に、使用される溶剤中に溶解されている、本発明によるシクロデキストリン−シラン複合体が得られる。溶剤の除去により、例えば熱処理、蒸留、ロータリーエバポレーターでの回転(Einrotieren)、噴霧乾燥又は凍結乾燥により、本発明によるシクロデキストリン−シラン複合体が単離されることができる。
本発明による方法は、本発明によるシクロデキストリン/シラン複合体が、単純な方法で得られるという利点を有する。
本発明は、さらに、本発明による複合体の使用に関する。
本発明による複合体は、多様な用途に、例えばエタノールの蒸発により達成されることができる冷却に、適している。
そのような複合体のさらなる使用は、例えばエタノールを基質として使用することができる酵素、例えばアルコール特異的なオキシダーゼ又はデヒドロゲナーゼ用の基質の提供である。アルコールオキシダーゼの作用により過酸化水素が形成されることができ、この過酸化水素は場合により、例えば別の酵素基質として又は漂白薬品として、その所望の作用を発揮することができる。このことは、有利に試験方法の開発に利用されることができる。
前記複合体は、さらに、複合体化されたシランの不安定な成分の目的に合わせた放出のための貯蔵器として適している。テトラエトキシシランは、例えばエタノール4分子の貯蔵化合物である。
シランとシクロデキストリンとの複合体は、それゆえ、シラン残基の制御放出に、例えばシランからの加水分解可能なグループ(エタノール、メタノール、イソプロパノール)の徐放性製剤(Slow Release Praeparation)として、使用されることができる。
例えば、エタノール、イソプロパノール及びn−プロパノールの殺生物作用は、テトラエトキシシラン、テトラ−エトキシシラン、テトラ−イソプロポキシシラン又はテトラ−n−プロポキシシランの相応するシクロデキストリン複合体に水分が流入した際に効果を発揮することができる。同じように、加水分解の際に放出されるケイ酸の有利な使用が可能であり、このケイ酸は例えばシリカをベースとするナノ構造体の合成に低濃度で必要とされる。
複合体化されたシランの不安定な成分の目的に合わせた放出のための本発明による複合体の使用の場合に、環境適合性の毒性学的に懸念のない生成物(シクロデキストリン、ケイ酸、アルコール)のみが生じる。
CD及び疎水性シラン(例えばイソオクチルトリエトキシシラン)の複合体は、例えばドライモルタルの疎水化に適している。
次の例は、本発明をさらに説明するために利用される:
例1:γ−シクロデキストリン及びテトラエトキシシランの複合体の製造
テトラエトキシシラン8.0g(TES 28 Wacker Chemie AG;39mmol)を、水450ml及びγ−シクロデキストリン50g(Wacker Chemie AG; 39mmol)のシクロデキストリン含有溶液に計量供給した。非混和性溶液を、室温で水平振とう機中で均質接触させ、それにより白色沈殿が形成された。沈殿を、直ちに分離し(ろ過又は遠心分離)、水で後洗浄し、乾燥器中で80℃で乾燥させた。得られた粉末は、室温での乾式貯蔵の際に安定であった。
テトラエトキシシラン8.0g(TES 28 Wacker Chemie AG;39mmol)を、水450ml及びγ−シクロデキストリン50g(Wacker Chemie AG; 39mmol)のシクロデキストリン含有溶液に計量供給した。非混和性溶液を、室温で水平振とう機中で均質接触させ、それにより白色沈殿が形成された。沈殿を、直ちに分離し(ろ過又は遠心分離)、水で後洗浄し、乾燥器中で80℃で乾燥させた。得られた粉末は、室温での乾式貯蔵の際に安定であった。
例2:シクロデキストリン及びテトラエトキシシランの複合体の分析
例1の複合体の組成を、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6中に溶解させた後に、1H−NMRを用いてエチル基(TES)及びシクロデキストリンの信号の積分により測定した。その際に、テトラエトキシシランがγ−シクロデキストリンと、化学量論的1:1複合体を形成したことがわかった。
例1の複合体の組成を、ジメチルスルホキシド(DMSO)−d6中に溶解させた後に、1H−NMRを用いてエチル基(TES)及びシクロデキストリンの信号の積分により測定した。その際に、テトラエトキシシランがγ−シクロデキストリンと、化学量論的1:1複合体を形成したことがわかった。
前記複合体は熱安定であった。遊離テトラエトキシシランが、既に僅かな温度増加で揮発し始め、かつ約160℃で完全に分解していたのに対し、TES−γ−シクロデキストリン複合体は、熱分析において約250℃まで安定であり、かつシクロデキストリンと共に約280℃から分解した。
例3:γ−シクロデキストリン及びテトライソプロポキシシランの複合体の製造及び分析
テトラ−イソプロポキシシラン6.6g(Gelest、ABCR)を、水400ml及びγ−シクロデキストリン80g(Wacker Chemie AG)のシクロデキストリン含有溶液に計量供給した。非混和性溶液を、室温で水平振とう機中で均質に接触させ、それにより白色沈殿が形成された。沈殿を、直ちに分離し(ろ過又は遠心分離)、水で後洗浄し、乾燥器中で80℃で乾燥させた。収率97%で得られた粉末は、室温での乾式貯蔵の場合に安定であった。複合体(γ−CD:シラン)の化学量論は、2:1であった(1H−NMR)。熱安定性は、TEOSとの複合体(例1)に相当していた。
テトラ−イソプロポキシシラン6.6g(Gelest、ABCR)を、水400ml及びγ−シクロデキストリン80g(Wacker Chemie AG)のシクロデキストリン含有溶液に計量供給した。非混和性溶液を、室温で水平振とう機中で均質に接触させ、それにより白色沈殿が形成された。沈殿を、直ちに分離し(ろ過又は遠心分離)、水で後洗浄し、乾燥器中で80℃で乾燥させた。収率97%で得られた粉末は、室温での乾式貯蔵の場合に安定であった。複合体(γ−CD:シラン)の化学量論は、2:1であった(1H−NMR)。熱安定性は、TEOSとの複合体(例1)に相当していた。
例4:シクロデキストリン及びテトラ−n−プロポキシシランの複合体の製造及び分析
テトラ−n−プロポキシシラン13.2g(Gelest、ABCR)を、水400ml及びγ−シクロデキストリン80g(Wacker Chemie AG)のシクロデキストリン含有溶液に計量供給した。非混和性溶液を、室温で水平振とう機中で均質に接触させ、それにより白色沈殿が形成された。沈殿を、直ちに分離し(ろ過又は遠心分離)、水で後洗浄し、乾燥器中で80℃で乾燥させた。収率91%で得られた粉末は、室温での乾式貯蔵の場合に安定であった。前記複合体の化学量論は、1:1であった(1H−NMR)。熱安定性は、TEOSとの複合体(例1)に相当していた。
テトラ−n−プロポキシシラン13.2g(Gelest、ABCR)を、水400ml及びγ−シクロデキストリン80g(Wacker Chemie AG)のシクロデキストリン含有溶液に計量供給した。非混和性溶液を、室温で水平振とう機中で均質に接触させ、それにより白色沈殿が形成された。沈殿を、直ちに分離し(ろ過又は遠心分離)、水で後洗浄し、乾燥器中で80℃で乾燥させた。収率91%で得られた粉末は、室温での乾式貯蔵の場合に安定であった。前記複合体の化学量論は、1:1であった(1H−NMR)。熱安定性は、TEOSとの複合体(例1)に相当していた。
例5:γ−シクロデキストリン及びアルコキシシランの複合体からのアルコールの放出
例1、3、及び4において製造された粉末状の複合体が、加水分解条件(水分、水流入)に暴露される場合に、複合体中に結合されたアルコキシシランが、結合されたアルコールをゆっくりと解離することができる。この反応の最終生成物は、SiO2及び相応するアルコールである。
例1、3、及び4において製造された粉末状の複合体が、加水分解条件(水分、水流入)に暴露される場合に、複合体中に結合されたアルコキシシランが、結合されたアルコールをゆっくりと解離することができる。この反応の最終生成物は、SiO2及び相応するアルコールである。
加水分解は、D2O中での1H−NMRを用いて追跡されることができた、それというのも、遊離して存在しているアルコール(エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール)及びシラン結合アルコール基は1H−NMR中で良好に分離された信号を示したからである。
例5:殺生物剤としてのγ−シクロデキストリン−アルコキシシラン複合体の使用
エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールのようなアルコールは、望ましくない病原菌を殺すかもしくは制御するのに有効で、かつ周知の化合物である。シクロデキストリン−アルコキシシラン複合体は、アルコールを放出することができる。γ−シクロデキストリン−アルコキシシラン複合体は故に、相応するアルコールの粉末状配合物とみなされることができる。水分との接触の際に、アルコールが放出されることができ、かつその殺生物作用を発揮することができる。
エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールのようなアルコールは、望ましくない病原菌を殺すかもしくは制御するのに有効で、かつ周知の化合物である。シクロデキストリン−アルコキシシラン複合体は、アルコールを放出することができる。γ−シクロデキストリン−アルコキシシラン複合体は故に、相応するアルコールの粉末状配合物とみなされることができる。水分との接触の際に、アルコールが放出されることができ、かつその殺生物作用を発揮することができる。
試験を、異なる病原菌(細菌類、菌類)を有する懸濁液中で実施した:
スタフィロコッカス エピデルミディス(Staphylococcus (S.) epidermidis) ATCC 12228
ミクロコッカス セデンタリウス(Micrococcus (M.) sedentarius) DSM 20317
トリコフィトン ルブルム(Trichophyton (T.) rubrum) ATCC 28189
試験を、DGHM(Deutsche Gesellschaft fuer Hygiene und Mikrobiologie)のガイドラインに従って行い、病原菌成長(ATCCもしくはDSMの記載に相応する培地)を3日間の作用時間後に評価した。試験濃度は30%であった。病原菌を37℃で培養した。
スタフィロコッカス エピデルミディス(Staphylococcus (S.) epidermidis) ATCC 12228
ミクロコッカス セデンタリウス(Micrococcus (M.) sedentarius) DSM 20317
トリコフィトン ルブルム(Trichophyton (T.) rubrum) ATCC 28189
試験を、DGHM(Deutsche Gesellschaft fuer Hygiene und Mikrobiologie)のガイドラインに従って行い、病原菌成長(ATCCもしくはDSMの記載に相応する培地)を3日間の作用時間後に評価した。試験濃度は30%であった。病原菌を37℃で培養した。
前記生物の成長を、培地の濁りの程度で評価した。濁り(又は成長)の全ての場合に、継代培養を、それぞれ使用される試験病原菌の再同定の目的に実験室で通常の分化法により実施した。
表には、3つのシラン複合体(γ−CDとテトラエトキシ − TEOS、テトラ−n−プロポキシ − T−n−Pr及びテトライソプロポキシ − T−イソ−Pr)についての試験の結果がまとめられている。
+:加水分解するシラン複合体の存在での成長を意味する
−:加水分解するシラン複合体の存在で成長なしを意味する
+:加水分解するシラン複合体の存在での成長を意味する
−:加水分解するシラン複合体の存在で成長なしを意味する
γ−シクロデキストリン−アルコキシシラン複合体は、水との接触の際に異なる病原菌が成長するのを阻害することができる。
Claims (10)
- シクロデキストリン又はシクロデキストリン誘導体とシランとの複合体。
- シランが、一般式(I)
YeSiR1 (4-e) (I)
で示される20℃及び標準圧力で液体の低分子ケイ素化合物であり、
ここで
Yは、水素、OH基、ハロゲン、OR1基を表し、
R1は、非置換の又はヘテロ原子置換され、炭素原子1〜12個を有する脂肪族又は芳香族の炭化水素基を表し、かつ
eは、1、2、3及び4の値を取ることができる、請求項1記載の複合体。 - シランが、加水分解感受性シランである、請求項1又は2記載の複合体。
- シランがアルコキシシランである、請求項1、2又は3記載の複合体。
- シクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体が、γ−シクロデキストリン又はγ−シクロデキストリンの誘導体である、請求項1から5までのいずれか1項記載の複合体。
- 請求項1から6までのいずれか1項記載の複合体の製造方法において、シラン及びシクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体を、1min〜24hの期間に亘って互いに接触させ、かつ形成された複合体を引き続き直ちに場合により存在している溶剤から分離する、請求項1から6までのいずれか1項記載の複合体の製造方法。
- シクロデキストリンもしくはシクロデキストリン誘導体及びシランを、10:1〜1:10、好ましくは3:1〜1:3、特に好ましくは1:1のモル比で、使用する、請求項7記載の方法。
- 接触の際に、水、アルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、p−キシレン、アルカン及びそれらの混合物の群から選択される溶剤が存在している、請求項6又は7記載の方法。
- シランを又は複合体化されたシランの不安定な成分を目的に合わせて放出するための、請求項1から6までのいずれか1項記載の複合体の使用。
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