JP2011503084A - 新規の細胞周期チェックポイント調節剤およびこれらの調節剤とチェックポイント阻害剤との併用 - Google Patents

新規の細胞周期チェックポイント調節剤およびこれらの調節剤とチェックポイント阻害剤との併用 Download PDF

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Abstract

Figure 2011503084

その多くの実施形態において、本発明は、細胞周期チェックポイントの標的化機序ベースの調節剤としての新規な部類のピリミジン類似物を提供する。本発明の細胞周期チェックポイント調節剤を投与することによって癌および/または悪性疾患を治療することができる。癌細胞における相乗的アポトーシスをもたらすための、チェックポイントキナーゼ阻害剤との細胞周期チェックポイント調節剤の適切な併用も論じる。本発明は、細胞周期チェックポイント調節剤とチェックポイントキナーゼ阻害剤の組合せを投与することによって癌を治療する方法、活性化因子およびその組合せを含む医薬組成物、ならびに薬剤キットを含む。

Description

本発明は、細胞周期チェックポイントの標的化機序ベースの調節剤、特にチェックポイントキナーゼ1(「Chk1」)として有用な特定のピリミジン類似物、その化合物を含む医薬組成物、ならびに、例えば癌、炎症、関節炎、ウイルス性疾患、アルツハイマー病などの神経変性疾患、循環器疾患および真菌性疾患などの疾患を治療するためのその化合物および組成物を用いた治療方法に関する。本発明は、細胞周期チェックポイント調節剤(単数または複数)と少なくとも1つのチェックポイントキナーゼ阻害剤の組合せを投与することによって癌を治療する方法、これらの方法で使用する薬物の組合せを含む医薬組成物ならびに医薬キットにも関する。
癌は、米国だけでも毎年何十万人もの死をもたらしており、毎年さらに多くの癌の症例が診断されている。ある種の形態の癌治療(外科処置、放射線療法および化学療法を含む)における進歩にも関わらず、多くの種類の癌は基本的に治療不能である。特定の癌に対してある有効な治療が適用可能であっても、そうした治療の副作用が激しいことはしばしばであり、生活の質の著しい低下をもたらす恐れがある。
多くの種類の癌が存在するが、すべての癌は、不適切な細胞増殖によって特徴づけられる。複数のチェックポイントが細胞増殖周期の仕組みに組み込まれており、そこで、細胞はDNA合成を開始しそれを正確に制御して、DNA損傷を修復するかまたは細胞死に至ることに関わっている。正常細胞と異なり、癌細胞はチェックポイント制御を失っており、制御されない増殖ドライブがかかっている。DNA複製における避け難い誤りおよび紫外線や突然変異原への曝露と合わせた人の一生における約1016の細胞増殖は、チェックポイント機能が必要であることを強調するものである。主なチェックポイントは、細胞が、DNAを修復するかまたはアポトーシスに至ることに関わるG1/S期およびG2/M期移行で現れる。細胞は、DNA損傷が修復不可能である場合にアポトーシスを被ると一般に考えられている(Li、C Jら、(1999年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96巻:13369〜13374頁)。
チェックポイントキナーゼ(例えば、Chk1、Chk2など)は、細胞周期の進行においてチェックポイントとして重要な役割を果たす。チェックポイントは、DNA損傷に応答したときなどの不適切な時点で細胞周期の進行を阻止し、細胞が停止しても細胞の代謝バランスを維持し、場合によっては、チェックポイントの要件が適合しない場合、アポトーシス(プログラム細胞死)を誘発する可能性がある。チェックポイント制御は、S期(複製チェックポイント)の間のG1期(DNA合成の前)および有糸***に入る前のG2に起こり得る。
別の重要な細胞チェックポイントはDNA複製チェックポイントである。これも、DNA合成の際に活性であり細胞周期の進行を調和させる機能を果たす、必須のセリン/トレオニンキナーゼであるCHK1によって媒介される。重要な機能のなかでとりわけ、複製チェックポイントは、DNAポリメラーゼの進行、複製起点の発火の順序(order of replication origin firing)および有糸***の抑制の適切な制御を確実にする。複製フォークの進行を停めるのに十分な複製ストレスの存在下で、複製チェックポイントは、生存能力を維持し、複製フォーク複合体を安定化させ保存するように作用するために重要になってくる。活性な複製フォークの崩壊は、二重鎖DNAの切断および細胞死の急速な発生をもたらす。複製フォークの崩壊は、細胞にとって回復不可能で壊滅的なイベントである。
シタラビンおよびゲムシタビンなどのDNA代謝拮抗剤に与えられる作用の主な機序は、DNA合成を抑制することである。これは、停止した複製フォーク、複製チェックポイントおよびCHK1の活性化に必ず付随する。CHK1活性は、代謝拮抗剤への曝露の際のDNA損傷の抑制に必須である。CHK1が不足している細胞は、DNA合成を再開することができず、その結果、アポトーシスに至る。例えば、Choら、Cell Cycle、4巻:1号、131〜139頁(2005年)、Syljuaasen RGら、Mol. Cell Biol.、25巻(9号):3553〜62頁(2005年)を参照されたい。
一般的に言えば、細胞周期チェックポイントを調節する治療薬を本明細書では一般に「チェックポイント調節剤」と称する。細胞周期チェックポイントキナーゼを活性化する治療薬を本明細書では一般に「チェックポイントキナーゼ活性化因子」と称する。「Chk1」(「チェックワンと発音する」)と命名されたチェックポイントキナーゼを活性化する治療薬を本明細書では「Chk1活性化因子」と称する。「Chk2」と命名されたチェックポイントキナーゼを活性化する治療薬を本明細書では「Chk2活性化因子」と称する。そのようなチェックポイントキナーゼの阻害剤は、一般的にかつ具体的に、「チェックポイントキナーゼ阻害剤」、「Chk1阻害剤」および「Chk2阻害剤」などと称する。したがって、種々のDNA損傷および複製チェックポイントの阻害は、細胞が、治療的に誘発されたDNA損傷を修復するのを阻止するかまたは複製フォーク崩壊(および、複製チェックポイント活性化の他の下流での結果)を抑制するのを阻止して、標的細胞をそうした治療薬へ感受性にするのを助けることが期待される。次に、そうした増感は、こうした治療法の治療指数を増大させることが期待される。
癌細胞におけるチェックポイント制御の選択的操作は、癌の化学療法および放射線療法レジメンにおける広範な有用性を付与し、さらに、癌細胞の破壊のための選択的基礎として活用すべきヒト癌の「ゲノムの不安定性」の共通の特徴を提供する。いくつかの因子は、Chk1をDNA損傷および複製チェックポイント制御における重要な標的として位置づける。このキナーゼの阻害剤、およびCDS1/Chk2(S期進行の制御においてChk1と協調することが最近発見されたキナーゼ(Zengら、Nature、395巻、507〜510頁(1998年);Matsuoka、Science、282巻、1893〜1897頁(1998年)を参照されたい))などの機能的に関連するキナーゼの阻害剤の解明により、癌治療のための有益な新規の治療実体が提供される可能性がある。
チェックポイント制御を調節する治療薬の特定により、癌治療を改善することができる。実際、最近の報告によれば、細胞周期チェックポイントの活性化は、癌の治療における新規の重要な新たなパラダイムを表す可能性のあることが示唆されている(例えば、Y. Liら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA(2003年)、100巻(5号)、2674〜8頁を参照されたい)。G1/S期移行で作用する細胞周期チェックポイント活性化因子であるβ−ラパコンは、インビトロでの試験と動物試験の両方において、ある程度の副作用プロファイルを示すが、ある範囲の腫瘍型に対して著しい抗腫瘍活性を示すことが分かっており、ヒトでの臨床試験の開始に至っている。さらに、β−ラパコンは、カスパーゼの誘導によって、ヒトの乳癌細胞における壊死ならびに卵巣癌細胞、結腸癌細胞および膵臓癌細胞におけるアポトーシスを誘発することが報告されている(Li、Y Zら、Molecular Medicine(1999年)5巻:232〜239頁)。
中等量のTaxol(登録商標)(paclitaxel;Bristol−Myers Squibb Co.、New York、New York)と併用するとβ−ラパコンは、ヌードマウスでのヒト卵巣癌、前立腺癌および乳癌の異種移植モデルにおいて有効な抗腫瘍活性を有することも報告されている。治療に続く2カ月間、マウスへの毒性の兆候は観察されておらず、また体重減少も記録されておらず、その2カ月間に腫瘍の再発現は認められなかった。(Li、C Jら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1999年)96巻:13369〜13374頁を参照されたい)。Taxolは細胞周期のG2/M期移行において作用すると考えられる。
チェックポイントキナーゼの阻害剤は公知である。例えば、同一出願人によるどちらも2007年4月12日公開の特許文献1および特許文献2は、チェックポイントキナーゼ阻害剤を含むタンパク質キナーゼ阻害剤としての複数のピラゾロピリミジンおよびそれを用いた方法を記載している。また、同一出願人による2007年5月24日公開の米特許文献3は、チェックポイントキナーゼ阻害剤を含むタンパク質キナーゼ阻害剤としての複数のイミダゾピラジンおよびそれを用いた方法を記載している。さらに、S. Ashwellら、Expert Opin. Investig. Drugs(2008年)17巻(9号):1331〜1340頁は、特に開発段階にある、複数のチェックポイントキナーゼ阻害剤を記載している。
従来の多くの化学療法剤は、癌性細胞にも非癌性細胞にも同様に損傷を引き起こす。この広範な活性は、化学療法が多くの異なるタイプの癌を死滅させることを可能にしているが、しばしば、正常細胞への損傷ももたらす結果となる。そうした化合物の治療指数(正常細胞と癌性細胞を識別する治療の能力の尺度)は非常に低い可能性があり;しばしば、癌細胞を殺傷するのに有効なある用量の化学療法薬物は、正常細胞、特に、細胞***を頻繁に受ける正常細胞(上皮細胞など)も殺傷することになる。正常細胞がその治療により影響を受ける場合、脱毛、造血の抑制および吐き気などの副作用が起こり得る。
癌化学療法における最近の進歩は、正常細胞ではなく、癌性細胞に主に関連する生物学的標的に影響を及ぼすように設計された新規な「標的化」抗癌剤の開発をもたらしている。そうした薬剤の例には、イマチニブ(米国において、NovartisによりGleevec(登録商標)という商品名で販売されている)、ゲフィチニブ(Astra ZenecaによりIressa(登録商標)という商品名で開発された)およびエルロチニブ(Genentech、OSIおよびRocheによりTarceva(登録商標)という商品名で販売されている)が含まれる。そうした薬剤は、目的とする細胞標的に対して非常に有効であり、従来の化学療法より副作用の割合が低いが、標的治療法は、設計上、生物学的標的を発現する細胞に対してのみ有効である。この特異的標的を発現しないか、または突然変異型の標的を発現する癌細胞は、標的化薬剤による影響を余り受けない可能性がある。したがって、これらの薬剤は有用性が限られている。研究者は改良された薬剤を常に求めている。
例えば、ゲムシタビン(式I;2’,2’−ジフルオロ−2’−デオキシシチジン;dFdC)は、
Figure 2011503084
非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌、頭頸部扁平上皮癌、胚細胞腫瘍、リンパ腫(皮膚T細胞およびホジキン病)、中皮腫、膀胱、胸部、卵巣、頸部、膵臓および胆道の腫瘍を含む様々な固形腫瘍、ならびにいくつかの血液系の悪性腫瘍において活性を示すピリミジン類似物である。この化合物は、Lilly Research Laboratories、Eli Lilly and Co.;Indianapolis、Ind. Hertelら、Cancer Res. 50巻、4417〜4422頁(1990年);特許文献4、特許文献5)によって最初に報告されており、LillyによりGemzar(登録商標)という商品名で販売された。ゲムシタビンは、シタラビン(Ara−C(登録商標)と構造的類似性を有するデオキシシチジン類似物である。
ゲムシタビンは、ヌクレオシドキナーゼによって、細胞内で代謝されて活性なヌクレオチド二リン酸塩(式II;dFdCDP)およびヌクレオチド三リン酸塩(式III;dFdCTP)代謝産物となる。
Figure 2011503084
ゲムシタビンの細胞傷害性効果は一般に、DNA合成の阻害をもたらす、ヌクレオチド二リン酸塩およびヌクレオチド三リン酸塩の作用に起因する。ゲムシタビン二リン酸塩(dFdCDP)は、DNA合成に必須でありかつDNA合成のためのデオキシヌクレオチド三リン酸塩を産生する反応の触媒作用に関与するリボヌクレオチドレダクターゼ(RNR)を阻害する。ヌクレオチド二リン酸塩によるRNRの阻害は、デオキシシチジン三リン酸塩(dCTP)を含むデオキシヌクレオチドの濃度の低下を引き起こす。ゲムシタビン三リン酸塩(dFdCTP)は、DNA中への取り込みについてdCTPと競合する。dCTPの細胞内濃度の低下(二リン酸塩の作用による)は、ゲムシタビン三リン酸塩のDNA中への取り込み(自己増強と称される過程)をさらに増進させる。ゲムシタビンヌクレオチドがDNA中へ取り込まれた後、追加のヌクレオチドを1つだけ成長DNA鎖に付加する。DNAポリメラーゼεは、ゲムシタビンヌクレオチドを除去し成長DNA鎖を修復することができないので、さらなるDNA合成は阻止され、マスクされた鎖終結(masked chain termination)として知られている結果となる。ゲムシタビンは、細胞周期におけるS期停止を誘発し、ヒトの白血病細胞と固形腫瘍の両方におけるアポトーシスの引き金を引く。Tolisら、Eur. J. Cancer、35巻、797〜808頁(1999年)。その細胞傷害性効果に加えて、ゲムシタビンは強力な放射線増感剤である。ゲムシタビンは、膵臓癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、乳癌および子宮頸癌に見られるものを含む齧歯動物やヒトの腫瘍細胞に対する放射線増感剤として研究されている。Pauwelsら、Oncologist 10巻(1号)、34〜51頁(2005年)。
他の公知のRNR阻害剤は、ヒドロキシ尿素(HU)またはヒドロキシカルバミド(式IV;商品名にはBristol−Myers SquibbのHydrea(登録商標)が含まれる):
Figure 2011503084
であり、これは血液系の悪性疾患で使用される抗新生物薬である。その作用機序は、チロシル遊離基を捕捉することによる酵素リボヌクレオチドレダクターゼのその阻害をベースとしていると考えられる。
CHK−1活性化因子とCHK−1阻害剤の組合せがこれまでに開示されている。例えば、S. Choら、Cell Cycle、4巻(1号)、131〜139頁(2005年1月)およびR. Syljuasenら、Molecular and Cellular Biology、25巻(9号)、3553〜3562頁(2005年)を参照されたい。
米国特許出願公開第2007/0083044号明細書 米国特許出願公開第2007/0082900号明細書 米国特許出願公開第2007/0117804号明細書 米国特許第4,808,614号明細書 米国特許第5,464,826号明細書
今日まで新規な抗腫瘍治療薬の発見において進歩がなされてきているが、新規な癌の治療薬が必要である。
一態様では、本発明は、癌および前癌症状を治療するための新規な化合物および医薬組成物を提供する。
他の態様では、本発明は、本発明による化合物を用いて前癌症状または癌を治療するための方法を提供する。
他の態様では、本発明は、チェックポイントキナーゼを阻害する薬剤を併用して細胞周期チェックポイントを調節する化合物を用いて前癌症状または癌を治療する方法を提供する。
他の態様では、本発明は、チェックポイントキナーゼを阻害する薬剤を併用してチェックポイントキナーゼを活性化する化合物を用いて前癌症状または癌を治療する方法を提供する。
本発明の上記および/または他の目的のいずれか1つは、以下の本発明の説明を精査することにより容易に集めることができる。
一態様では、本発明は次式V:
Figure 2011503084
(式中、
GはHまたはハロであり;
Xは、H、F、ORおよびアルキルからなる群から選択され;
Yは、H、F、ORおよびアルキルからなる群から選択され;
Zは、O、NR、S、CRおよびSOからなる群から選択され;
Rは、−アルキル、−アルケニル、−シクロアルキル、−アリール、−アルキルアリール、−ヘテロアリール、−アルキルヘテロアリール、ヘテロシクリル、−アルキルヘテロシクリル、−アルキル−C(O)Rおよび−アルキル−C(O)NRからなる群から選択され、前記アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、置換されていないか、または、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の基で任意選択で独立に置換されていてもよく、その各置換基は、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)ORおよびC(O)NRからなる群から独立に選択され;
は、H、−アルキル、−アリールおよび−ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、置換されていないか、または、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の基で任意選択で独立に置換されていてもよく、それらは、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、−OR、−NR、C(O)RおよびC(O)NRからなる群から独立に選択され;
は、−アルキル、−アリールおよび−ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、置換されていないか、または、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の基で任意選択で独立に置換されていてもよく、それらは、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、−OR、−NR、C(O)RおよびC(O)NRからなる群から独立に選択されるか、あるいは、
NRまたは−C(O)NRR3のRおよびRは、前記NRのNと結合して前記Nを含む1〜3個のヘテロ原子を含む5〜8員ヘテロシクリル環を形成していてもよい)
で示される化合物ならびに薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグを提供する。
他の態様では、本発明は、少なくとも1つの式Vの化合物を含む組成物を提供する。
他の態様では、本発明は、少なくとも1つの式Vの化合物と少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
他の態様では、本発明は、治療有効量の少なくとも1つの式Vの化合物を用いて細胞周期チェックポイントを調節する方法を提供する。
他の態様では、本発明は、治療有効量の少なくとも1つの式Vの化合物を用いてチェックポイントキナーゼを活性化する方法を提供する。
他の態様では、本発明は、少なくとも1つの式Vの化合物と少なくとも1つのチェックポイントキナーゼ阻害剤を含む組成物を提供する。
他の態様では、本発明は、少なくとも1つの式Vの化合物と少なくとも1つのチェックポイントキナーゼ1阻害剤を含む組成物を提供する。
他の態様では、本発明は、治療有効量の少なくとも1つの式Vの化合物を用いてRNRを阻害する方法を提供する。
他の態様では、本発明は、治療有効量の少なくとも1つの式Vの化合物を用いてDNA合成を阻害する方法を提供する。
他の態様では、本発明は、少なくとも1つの式Vの化合物と少なくとも1つのチェックポイントキナーゼ1阻害剤を含む治療有効量の組成物を用いてRNRを阻害する方法を提供する。
他の態様では、本発明は、少なくとも1つの式Vの化合物と少なくとも1つのチェックポイントキナーゼ1阻害剤を含む治療有効量の組成物を用いてDNA合成を阻害する方法を提供する。
添付した図面を用いて本発明をさらに説明する。
一実施形態では、本発明は、式Vの化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを開示する。
他の実施形態では、GはHである。
他の実施形態では、Gはハロである。
他の実施形態では、GはBrである。
他の実施形態では、XはHである。
他の実施形態では、XはFである。
他の実施形態では、Xは−ORである。
他の実施形態では、Xはアルキルである。
他の実施形態では、Xはアルコキシ−である。
他の実施形態では、Xはアリールオキシ−である。
他の実施形態では、Xはヘテロアリールオキシ−である。
他の実施形態では、YはHである。
他の実施形態では、YはFである。
他の実施形態では、Yは−ORである。
他の実施形態では、Yはアルキルである。
他の実施形態では、Yはアルコキシ−である。
他の実施形態では、Yはアリールオキシ−である。
他の実施形態では、Yはヘテロアリールオキシ−である。
他の実施形態では、Zは−O−である。
他の実施形態では、Zは−NH−である。
他の実施形態では、Zは−N(R)−である。
他の実施形態では、Zは−S−である。
他の実施形態では、Zは−C(R)−である。
他の実施形態では、Zは−SO−である。
他の実施形態では、Rはアルキルである。
他の実施形態では、Rはアリールである。
他の実施形態では、Rはヘテロアリールである。
他の実施形態では、Rは−アルキルアリールである。
他の実施形態では、Rは−アルキルヘテロアリールである。
他の実施形態では、Rはヘテロシクリルである。
他の実施形態では、Rは−アルキルヘテロシクリルである。
他の実施形態では、Rは−アルキル−C(O)Rである。
他の実施形態では、Rは−アルキル−NRである。
他の実施形態では、Rは−アルキル−NRであり、RとRはどちらもアルキル基である。
他の実施形態では、Rはジエチルアミノアルキル−である。
他の実施形態では、Rは−NRであり、−NRR3のRとRは前記NRのNと結合して、前記Nを含む1〜3個のヘテロ原子を含む5〜8員ヘテロシクリル環を形成している。
他の実施形態では、Rは−アルキル−C(O)NRである。
他の実施形態では、Rは−アルキル−C(O)NRであり、RとRはどちらもアルキル基である。
他の実施形態では、Rは−C(O)NRであり、−C(O)NRR3のRとRは前記NRのNと結合して、前記Nを含む1〜3個のヘテロ原子を含む5〜8員ヘテロシクリル環を形成している。
他の実施形態では、Rは−アルキル(ピロリジノン)である。
他の実施形態では、Rは−アルキル(ピロリジン−2−オン)である。
他の実施形態では、Rは−アルキル−ORである。
他の実施形態では、Rはヒドロキシアルキルである。
他の実施形態では、Rはヘテロアリールである。
他の実施形態では、Rはアルコキシアルキル−である。
他の実施形態では、RはHである。
他の実施形態では、Rはアルキルである。
他の実施形態では、Rはアリールである。
他の実施形態では、Rはヘテロアリールである。
他の実施形態では、Rはアルキルである。
他の実施形態では、Rはアリールである。
他の実施形態では、Rはヘテロアリールである。
他の実施形態では、ZはNRであり、Rはアルコキシアルキル−である。
他の実施形態では、ZはNHであり、Rはアルコキシアルキル−である。
他の実施形態では、ZはNRであり、Rはアルキルチオアルキル−である。
他の実施形態では、ZはNHであり、Rはアルキルチオアルキル−である。
他の実施形態では、ZはNRであり、Rはアミドアルキルである。
他の実施形態では、ZはNHであり、Rはアミドアルキルである。
他の実施形態では、ZはNRであり、Rはヘテロアリールである。
他の実施形態では、ZはNHであり、Rはヘテロアリールである。
他の実施形態では、ZはNRであり、Rはヘテロシクリルアルキルである。
他の実施形態では、ZはNHであり、Rはヘテロシクリルアルキルである。
他の実施形態では、ZはNRであり、Rはテトラヒドロフラニルアルキルである。
他の実施形態では、ZはNHであり、Rはテトラヒドロフラニルアルキルである。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=H、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rはアルコキシアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=H、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはアルコキシアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rはアルキルチオアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはアルキルチオアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rはアミドアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはアミドアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rはヘテロシクリルアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはヘテロシクリルアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rはテトラヒドロフラニルアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはテトラヒドロフラニルアルキル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rはメトキシメチル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはメトキシエチル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rはメチルチオエチル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはメチルチオエチル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rは−CH−C(O)NHである。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rは−CH−C(O)NHである。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rはテトラヒドロフラン−2−イルメチル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはテトラヒドロフラン−2−イルメチル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはヒドロキシエチル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはジメチルアミノエチル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rは(ピロリジノン−2−イル)プロピル−である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNRであり、Rは:
Figure 2011503084
である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rは:
Figure 2011503084
である。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはn−ブチルである。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=ハロであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはn−ブチルである。
他の実施形態では、G、X、Y、ZならびにR、RおよびRは独立に選択され、G=Brであり、X=Y=Fであり、ZはNHであり、Rはn−ブチルである。
上記したように、式Vの化合物について先に説明したいくつかの代替の実施形態において、部分G、X、Y、Z、R、R、RおよびRは独立に選択される。
式Vの化合物の非限定的な例を以下に示す:
Figure 2011503084
Figure 2011503084
本発明の他の化合物を以下に示す。
Figure 2011503084
上記で用いたように、別段の表示のない限り、本開示を通して以下の用語は以下の意味を有するものと理解されたい:
「患者」はヒトと動物の両方を含む。
「哺乳動物」は、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
「アルキル」は、直鎖状または分岐状であり、鎖中に約1〜約20個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約12個の炭素原子を含む。より好ましいアルキル基は鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含む。分岐状ということは、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つもしくは複数の低級アルキル基が、直鎖状アルキル鎖と結合していることを意味する。低級アルキルは、直鎖状であっても分岐状であってもよい約1〜約6個の炭素原子を鎖中に有する基を意味する。アルキルは置換されていなくても、また、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。その各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、オキシム(例えば、=N−OH)、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)、−O−C(O)−アルキル、−O−C(O)−アリール、−O−C(O)−シクロアルキル、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群から独立に選択される。適切なアルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが含まれる。
「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含み、直鎖状または分岐状であってよく、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子、より好ましくは鎖中に約2〜約6個の炭素原子を有する。分岐鎖ということは、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つもしくは複数の低級アルキル基が、直鎖状アルケニル鎖と結合していることを意味する。低級アルケニルは、直鎖状であっても分岐状であってもよい鎖中の約2〜約6個の炭素原子を意味する。アルケニルは置換されていなくても、また、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。その各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび−S(アルキル)からなる群から独立に選択される。適切なアルケニル基の非限定的な例には、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブタ−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが含まれる。
「アルキレン」は、上記定義のアルキル基から水素原子を取り除いて得られる二官能基を意味する。アルキレンの非限定的な例には、メチレン、エチレンおよびプロピレンが含まれる。
「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含み、直鎖状であっても分岐状であってよく、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子、より好ましくは鎖中に約2〜約4個の炭素原子を有する。分岐状ということは、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つもしくは複数の低級アルキル基が、直鎖状アルキニル鎖と結合していることを意味する。低級アルキニルは、直鎖状であっても分岐状であってもよい鎖中の約2〜約6個の炭素原子を意味する。適切なアルキニル基の非限定的な例には、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルが含まれる。アルキニルは置換されていなくても、また、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の置換基で任意選択で置換されていてもよい。その各置換基は、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群から独立に選択される。
「アリール」は、約6〜約14個の炭素原子、好ましくは約6〜約10個の炭素原子を含む芳香族単環系または多環系を意味する。アリール基は、同じであっても異なっていてもよい本明細書で定義したのと同様の1つまたは複数の「環系置換基」で任意選択で置換されていてもよい。適切なアリール基の非限定的な例にはフェニルおよびナフチルが含まれる。
「ヘテロアリール」は、環原子の1つもしくは複数が単独かまたは組み合わせた炭素以外の元素、例えば窒素、酸素またはイオウである約5〜約14個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む芳香族単環系または多環系を意味する。好ましいヘテロアリールは約5〜約6個の環原子を含む。「ヘテロアリール」は、同じであっても異なっていてもよい本明細書で定義したのと同様の1つまたは複数の「環系置換基」で任意選択で置換されていてよい。ヘテロアリール基幹名称の前の基幹名称の接頭語のアザ、オキサまたはチアは、少なくとも1つの窒素、酸素またはイオウ原子がそれぞれ環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は任意選択で酸化されて対応するN−オキシドとなっていてよい。「ヘテロアリール」は、上記定義のアリールと縮合した上記定義のヘテロアリールも含むことができる。適切なヘテロアリールの非限定的な例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換ピリドンを含む)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシインドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが含まれる。「ヘテロアリール」という用語は、例えば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなどの部分的に飽和したヘテロアリール部分も指す。
「アラルキル」または「アリールアルキル」は、そのアリールおよびアルキルが上記したものと同様であるアリール−アルキル−基を意味する。好ましいアラルキルは低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例には、ベンジル、2−フェネチルおよびナフタレニルメチルが含まれる。親部分との結合はアルキルを介している。
「アルキルアリール」は、そのアルキルおよびアリールが上記したものと同様であるアルキル−アリール−基を意味する。好ましいアルキルアリールは低級アルキル基を含む。適切なアルキルアリール基の非限定的な例はトリルである。親部分との結合はアリールを介している。
「シクロアルキル」は、約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む非芳香族単環系または多環系を意味する。好ましいシクロアルキル環は約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルキルは、同じであっても異なっていてもよい上記定義と同様の1つまたは複数の「環系置換基」で任意選択で置換されていてよい。適切な単環シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれる。適切な多環シクロアルキルの非限定的な例には、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどが含まれる。
「シクロアルキルアルキル」は、アルキル部分(上記に定義)を介して親コアと結合している上記定義のシクロアルキル部分を意味する。適切なシクロアルキルアルキルの非限定的な例には、シクロヘキシルメチル、アダマンチルメチルなどが含まれる。
「シクロアルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む約3〜約10個の炭素原子、好ましくは約5〜約10個の炭素原子を含む非芳香族単環系または多環系を意味する。好ましいシクロアルケニル環は約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルケニルは、同じであっても異なっていてもよい上記定義と同様の1つまたは複数の「環系置換基」で任意選択で置換されていてよい。適切な単環シクロアルケニルの非限定的な例には、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロペンタ−1,3−ジエニルなどが含まれる。適切な多環シクロアルケニルの非限定的な例はノルボルニレニルである。
「シクロアルケニルアルキル」は、アルキル部分(上記に定義)を介して親コアと結合している上記定義のシクロアルケニル部分を意味する。適切なシクロアルケニルアルキルの非限定的な例には、シクロペンテニルメチル、シクロヘキセニルメチルなどが含まれる。
「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。好ましいのはフッ素、塩素および臭素である。
「環系置換基」は、例えば、環系の利用可能な水素を置き換える芳香族環系または非芳香族環系と結合した置換基を意味する。環系置換基は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−O−C(O)−アルキル、−O−C(O)−アリール、−O−C(O)−シクロアルキル、−C(=N−CN)−NH、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NH(アルキル)、オキシム(例えば、=N−OH)、YN−、YN−アルキル−、YNC(O)−、YNSO−および−SONY(YおよびYは、同じであっても異なっていてもよく、水素、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアラルキルからなる群から独立に選択される)からなる群から独立に選択される。「環系置換基」は、環系上の2つの隣接炭素原子上の利用可能な2つの水素(各炭素上の1個のH)を同時に置き換える単一部分も意味することができる。そうした部分の例は:
例えば、
Figure 2011503084
などの部分を形成するメチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH−などである。
「ヘテロアリールアルキル」は、アルキル部分(上記に定義)を介して親コアと結合している上記定義のヘテロアリール部分を意味する。適切なヘテロアリールの非限定的な例には、2−ピリジニルメチル、キノリニルメチルなどが含まれる。
「ヘテロシクリル」は、環系の原子の1つもしくは複数が単独かまたは組み合わせた炭素以外の元素、例えば窒素、酸素またはイオウである約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む非芳香族飽和の単環系または多環系を意味する。環系中に、隣接する酸素および/またはイオウ原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクリル基幹名称の前の基幹名称の接頭語のアザ、オキサまたはチアは、少なくとも1つの窒素、酸素またはイオウ原子がそれぞれ環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリル環中のどの−NHも、例えば−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基などのように保護された形で存在することができる。そうした保護も本発明の一部であるものとする。ヘテロシクリルは、同じであっても異なっていてもよい本明細書中の定義と同様の1つまたは複数の「環系置換基」で任意選択で置換されていてよい。ヘテロシクリルの窒素またはイオウ原子は、任意選択で酸化されて対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドとなっていてよい。適切な単環ヘテロシクリル環の非限定的な例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが含まれる。「ヘテロシクリル」は、環系の同じ炭素原子上の利用可能な2つの水素を同時に置き換える単一部分(例えば、カルボニル)も意味することができる。そうした部分の例はピロリドンである:
Figure 2011503084
「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキル部分(上記に定義)を介して親コアと結合している上記定義のヘテロシクリル部分を意味する。適切なヘテロシクリルアルキルの非限定的な例には、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチルなどが含まれる。
「ヘテロシクレニル」は、環系の原子の1つもしくは複数が単独かまたは組み合わせた炭素以外の元素、例えば窒素、酸素またはイオウ原子であり、かつ、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含む、約3〜約10個の環原子、好ましくは約5〜約10個の環原子を含む非芳香族単環系または多環系を意味する。環系中に、隣接する酸素および/またはイオウ原子は存在しない。好ましいヘテロシクレニル環は約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクレニル基幹名称の前の基幹名称の接頭語のアザ、オキサまたはチアは、少なくとも1つの窒素、酸素またはイオウ原子がそれぞれ環原子として存在することを意味する。ヘテロシクレニルは、1つまたは複数の上記定義の「環系置換基」で任意選択で置換されていてよい。ヘテロシクレニルの窒素またはイオウ原子は、任意選択で酸化されて対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドとなっていてよい。適切なヘテロシクレニル基の非限定的な例には、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、1,2−ジヒドロピリジニル、1,4−ジヒドロピリジニル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジニル、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、ジヒドロフラニル、フルオロジヒドロフラニル、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、ジヒドロチオフェニル、ジヒドロチオピラニルなどが含まれる。「ヘテロシクレニル」は、環系の同じ炭素原子上の利用可能な2つの水素を同時に置き換える単一部分(例えば、カルボニル)も意味することができる。そうした部分の例はピロリジノンである:
Figure 2011503084
「ヘテロシクレニルアルキル」は、アルキル部分(上記に定義)を介して親コアと結合している上記定義のヘテロシクレニル部分を意味する。
本発明のヘテロ原子含有環系では、N、OまたはSと隣接する炭素原子上にヒドロキシル基は存在せず、また、別のヘテロ原子と隣接する炭素上にNまたはS基は存在しないことに留意すべきである。したがって、例えば次の環:
Figure 2011503084
では、2および5で表示の炭素に直接結合する−OHは存在しない。
例えば次の部分などの互変異性型:
Figure 2011503084
は、本発明の特定の実施形態においては等価であると考えられることにも留意すべきである。
「アルキニルアルキル」は、アルキニルおよびアルキルが上記で説明したのと同様であるアルキニル−アルキル基を意味する。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニルおよび低級アルキル基を含む。親部分との結合はアルキルを介している。適切なアルキニルアルキル基の非限定的な例には、プロパルギルメチルが含まれる。
「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールおよびアルキルが上記で説明したのと同様であるヘテロアリール−アルキル基を意味する。好ましいヘテロアラルキルは低級アルキル基を含む。適切なアラルキル基の非限定的な例には、ピリジルメチルおよびキノリン−3−イルメチルが含まれる。親部分との結合はアルキルを介している。
「ヒドロキシアルキル」は、アルキルが上記で定義したのと同様であるHO−アルキル−基を意味する。好ましいヒドロキシアルキルは低級アルキルを含む。適切なヒドロキシアルキル基の非限定的な例には、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが含まれる。
「アシル」は、様々な基が上記で説明したのと同様であるH−C(O)−、アルキル−C(O)−またはシクロアルキル−C(O)−基を意味する。親部分との結合はカルボニルを介している。好ましいアシルは低級アルキルを含む。適切なアシル基の非限定的な例には、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが含まれる。
「アロイル」は、アリール基が上記で説明したのと同様であるアリール−C(O)−基を意味する。親部分との結合はカルボニルを介している。適切な基の非限定的な例には、ベンゾイルおよび1−ナフトイルが含まれる。
「アルコキシ」は、アルキル基が上記で説明したのと同様であるアルキル−O−基を意味する。適切なアルコキシ基の非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが含まれる。親部分との結合はエーテル酸素を介している。
「アルコキシアルキル−」は、アルキル基が上記で説明したのと同様であるアルキル−O−アルキル−基を意味する。適切なアルコキシアルキル基の非限定的な例には、メトキシメチル、エトキシメチル、n−プロポキシエチル、イソプロポキシエチルおよびn−ブトキシメチルが含まれる。親部分との結合はアルキル−を介している。
「アリールオキシ」は、アリール基が上記で説明したのと同様であるアリール−O−基を意味する。適切なアリールオキシ基の非限定的な例には、フェノキシおよびナフトキシが含まれる。親部分との結合はエーテル酸素を介している。
「アリールオキシアルキル−」は、アリールおよびアリール基が上記で説明したのと同様であるアリール−O−アルキル基を意味する。適切なアリールオキシアルキル基の非限定的な例には、フェノキシメチルおよびナフトキシエチルが含まれる。親部分との結合はアルキルを介している。
「アラルキルオキシ」は、アラルキル基が上記で説明したのと同様であるアラルキル−O−基を意味する。適切なアラルキルオキシ基の非限定的な例には、ベンジルオキシおよび1−または2−ナフタレンメトキシが含まれる。親部分との結合はエーテル酸素を介している。
「アルキルチオ」は、アルキル基が上記で説明したのと同様であるアルキル−S−基を意味する。適切なアルキルチオ基の非限定的な例には、メチルチオおよびエチルチオが含まれる。親部分との結合はイオウを介している。
「アルキルチオアルキル−」は、アルキル基が上記で説明したのと同様であるアルキル−S−アルキル−基を意味する。適切なアルキルチオアルキル基の非限定的な例には、メチルチオエチルおよびエチルチオメチルが含まれる。親部分との結合はアルキル−を介している。
「アリールチオ」は、アリール基が上記で説明したのと同様であるアリール−S−基を意味する。適切なアリールチオ基の非限定的な例には、フェニルチオおよびナフチルチオが含まれる。親部分との結合はイオウを介している。
「アリールチオアルキル−」は、アリール基が上記で説明したのと同様であるアリール−S−アルキル−基を意味する。適切なアリールチオアルキル基の非限定的な例には、フェニルチオエチルおよびフェニルチオメチルが含まれる。親部分との結合はアルキル−を介している。
「アラルキルチオ」は、アラルキル基が上記で説明したのと同様であるアラルキル−S−基を意味する。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例はベンジルチオである。親部分との結合はイオウを介している。
「アルコキシカルボニル」はアルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが含まれる。親部分との結合はカルボニルを介している。
「アリールオキシカルボニル」はアリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例には、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが含まれる。親部分との結合はカルボニルを介している。
「アラルコキシカルボニル」はアラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例はベンジルオキシカルボニルである。親部分との結合はカルボニルを介している。
「アルキルスルホニル」はアルキル−S(O)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルであるものである。親部分との結合はスルホニルを介している。
「アリールスルホニル」はアリール−S(O)−基を意味する。親部分との結合はスルホニルを介している。
「置換(された)」という用語は、指定された原子上の1つまたは複数の水素が、表示された基から選択されたもので置き換えられていることを意味する。ただし、その存在する環境下でのその指定された原子の正規の原子価を超えることはなく、かつ、その置換は安定な化合物をもたらすものとする。置換基および/または可変物の組合せは、そうした組合せによって安定化合物が得られる場合のみ許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」は、反応混合物から有用な程度の純度までの単離、そして有効な治療薬への調合に耐える十分強い化合物を意味する。
「任意選択で置換された」という用語は、指定された基(group)、基(radical)または部分での任意選択の置換を意味する。
化合物についての「精製された」、「精製された形態(の)」または「単離され、精製された形態(の)」という用語は、合成プロセス(例えば、反応混合物から)または天然の供給源もしくはその組合せから単離された後の前記化合物の物理的状態を指す。したがって、化合物についての「精製された」、「精製された形態(の)」または「単離され、精製された形態(の)」という用語は、本明細書で説明するかまたは当業者に周知の1つもしくは複数の精製プロセス(例えば、クロマトグラフィー、再結晶化など)により、本明細書で説明するかまたは当業者に周知の標準的分析技術で特性評価するのに十分な純度で得られた後の前記化合物の物理的状態を指す。
本明細書での本文、スキーム、実施例および表における未充足の原子価を有する任意の炭素ならびにヘテロ原子は、その原子価を充足するのに十分な数の水素原子(単数または複数)を有すると想定されていることにも留意すべきである。
ある化合物中の官能基が「保護されている」と記されている場合、これは、その化合物を反応にかけたとき、その基が、保護部位での望ましくない副反応を排除するために、改変した形態となっていることを意味する。当業者は適切な保護基を理解されよう。また、適切な保護基は、例えばT. W. Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991年)、Wiley、New Yorkなどの標準的な教科書を参照することによっても理解されよう。
任意の構成要素または式Vにおいて、いずれかの可変物(例えば、アリール、複素環、R等)が2回以上出現する場合、出現ごとのその定義は、他の出現ごとのその定義から独立である。
本明細書で用いる「組成物」という用語は、指定された量で指定された成分を含む産物、ならびに、指定された量での指定された成分の組合せから直接または間接に得られる任意の産物を包含するものとする。
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物も本明細書で意図する。プロドラッグについての考察は、T. Higuchi and V. Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987年)14 of the A.C.S. Symposium Series、and in Bioreversible Carriers in Drug Design、(1987年)Edward B. Roche、ed.、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressに提供されている。「プロドラッグ」という用語は、インビボで変換されて式Vの化合物またはその化合物の薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物をもたらす化合物(例えば、薬物の前駆体)を意味する。その変換は、様々な機序(例えば、代謝的または化学的過程によって)、例えば血液中での加水分解によって起こる可能性がある。プロドラッグの使用についての考察は、A.C.S. Symposium Seriesの14巻、 T. Higuchi and W. Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、およびBioreversible Carriers in Drug Design、ed. Edward B. Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年に提供されている。
例えば、式Vの化合物またはその化合物の薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物がカルボン酸官能基を含む場合、プロドラッグは、その酸基の水素原子を、例えば(C〜C)アルキル、(C〜C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C〜C)アルキル、N,N−ジ(C〜C)アルキルカルバモイル−(C1〜C2)アルキルおよびピペリジノ−、ピロリジノ−またはモルホリノ(C〜C)アルキルなどの基で置き換えることによって形成されたエステルを含むことができる。
同様に、式Vの化合物がアルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、例えば、(C〜C)アルカノイルオキシメチル、1−((C〜C)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C〜C)アルカノイルオキシ)エチル、(C〜C)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C〜C)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C〜C)アルカノイル、α−アミノ(C〜C)アルカニル、アリールアシルおよびα−アミノアシルもしくはα−アミノアシル−α−アミノアシル(各α−アミノアシル基は天然に存在するL−アミノ酸から独立に選択される)、P(O)(OH)、−P(O)(O(C〜C)アルキル)またはグリコシル(ヘミアセタール形態の炭水化物からヒドロキシル基を取り除いて得られる基)などの基で置き換えることによって形成させることができる。
式Vの化合物がアミン官能基を取り込んでいる場合、プロドラッグは、アミン基の水素原子を例えば、R−カルボニル、RO−カルボニル、NRR’−カルボニル(RおよびR’は各々独立に、(C〜C10)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、ベンジルであるか、またはR−カルボニルは天然α−アミノアシルもしくは天然α−アミノアシルである)、−C(OH)C(O)OY(YはH、(C〜C)アルキルまたはベンジルである)、−C(OY)Y(Yは(C〜C)アルキルであり、Yは(C〜C)アルキル、カルボキシ(C〜C)アルキル、アミノ(C〜C)アルキルまたはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノアルキルである)、−C(Y)Y(YはHまたはメチルであり、Yはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノモルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである)などの基で置き換えることによって形成させることができる。
本発明の1つまたは複数の化合物は、溶媒和していない形態でも、また、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒と溶媒和した形態でも存在することができ、溶媒和した形態と溶媒和していない形態のどちらも本発明に包含されるものとする。「溶媒和物」は、本発明の化合物と1つまたは複数の溶媒分子との物理的会合を意味する。この物理的会合は、様々な度合いのイオン結合、および水素結合を含む共有結合を含む。特定の例では、例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子中に取り込まれている場合、溶媒和物を単離することができる。「溶媒和物」は、溶液相と分離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例には、エタノレート、メタノレートなどが含まれる。「水和物」は、溶媒分子がHOである溶媒和物である。
本発明の1つまたは複数の化合物は任意選択で溶媒和物に転換させることができる。溶媒和物の調製法は一般に公知である。すなわち、例えば、M. Cairaら、J. Pharmaceutical Sci.、93巻(3号)、601〜611頁(2004年)は、酢酸エチルならびに水からの抗真菌性フルコナゾールの溶媒和物の調製を記載している。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの同様の調製は、E. C. van Tonderら、AAPS PharmSciTech.、5巻(1号)、第12項(2004年);およびA. L. Binghamら、Chem. Commun.、603〜604頁(2001年)に記載されている。これに限定されないが、典型的な方法は、本発明の化合物を、周囲温度より高い温度で、所望量の所望溶媒(有機溶媒もしくは水またはその混合物)中に溶解し、結晶を形成させるのに十分な速度で溶液を冷却し、次いでこれを標準的な方法で単離することを含む。例えば、I.R分光法などの分析法によって、結晶中に溶媒(または水)が溶媒和物(または水和物)として存在することが分かる。
本明細書では「有効な」という用語は、別段の表示のない限り、文脈内において、その結果が、癌原性腫瘍または他の癌を含む腫瘍の治療、あるいは細胞表面上に異常もしくは異種のタンパク質または免疫原を発現する前癌性の病変または他の細胞(複数可)の治療に関係する、意図した結果を生み出すかまたはそれに影響を及ぼすのに用いられる化合物または組成物の量を記述するために使用する。抗癌作用に関して、その効果は、腫瘍細胞もしくは癌細胞のさらなる増殖を阻止すること、転移の可能性を低減させるかもしくは転移を排除すること、または、腫瘍細胞もしくは癌細胞において細胞死を起こさせて、腫瘍の縮小または癌細胞数の減少をもたらすこと、あるいは、患者の腫瘍もしくは癌が軽快した後の腫瘍もしくは癌の再増殖を阻止することの1つまたは複数であってよい。
「癌」という用語は、本明細書を通して、細胞増殖によって、しばしば通常より急速に、増殖し、新たな増殖停止を開始させた刺激の後でも増殖し続ける癌性または悪性の新生物、すなわち異常な組織の形成および増殖をもたらす病理学的過程を指す。悪性新生物は、正常組織との構造的組織化および機能調整の部分的または全面的欠如を示し、大部分は周辺組織を侵し、いくつかの部位へ転移し、その除去が試みられた後に再発する可能性があり、適切に治療されなければ患者を死に至らしめる恐れがある。本明細書で用いる新生物という用語は、すべての癌性の疾病状態を記述するのに用いられ、悪性の、造血性腫瘍、腹水性腫瘍および固形腫瘍に伴う病理学的過程を包含する(embrace)または包含する(encompass)。代表的な癌には、とりわけ、1つまたは複数の本発明による化合物で治療することができる、例えば、胃癌、結腸癌、直腸癌、肝臓癌、膵臓癌、肺癌、乳癌、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、膀胱癌、腎臓癌、脳/CNS癌、頭頸部癌、咽喉癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、白血病、メラノーマ、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、ユーイング肉腫、小細胞肺癌、絨毛癌、横紋筋肉腫、ウィルムス腫瘍、神経芽腫、ヘアリー細胞白血病、口/咽頭癌、食道癌、喉頭癌、腎臓癌およびリンパ腫が含まれる。
「腫瘍」という用語は、悪性または良性の増殖または腫脹(tumefacent)を記述するのに用いられる。
「前癌性」という用語は、細胞が制御不能な形で増殖しているが、その増殖がまだ癌性増殖まで進行していない状態を指す。式Vの化合物は塩を形成することができ、これもやはり本発明の範囲内である。本明細書では式Vの化合物への言及は、別段の表示のない限り、その塩への言及も含むものと理解される。本明細書で用いる「塩」という用語は、無機酸および/または有機酸で形成された酸性塩、ならびに無機塩基および/または有機塩基で形成された塩基性塩を表す。さらに、式Vの化合物が、これらに限定されないがピリジンまたはイミダゾールなどの塩基性部分と、これらに限定されないがカルボン酸などの酸性部分の両方を含む場合、両性イオン(「内塩」)を形成することができ、それらは、本明細書で用いる「塩」という用語に包含される。薬学的に許容される(すなわち、無毒性で、生理学的に許容される)塩が好ましいが、他の塩も有用である。式Vの化合物の塩は、例えば式Vの化合物を、その中で塩が沈殿する媒質などの媒質中または水性媒質中で、ある量、例えば当量の酸または塩基と反応させ、続いて凍結乾燥することによって形成させることができる。
酸付加塩の例には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩(camphorate)、カンファースルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩(tartarate)、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても公知である)などが含まれる。さらに、塩基性医薬化合物から、薬剤として有用な塩を形成するのに適していると一般に考えられている酸は、例えば、P. Stahlら、Camille G.(eds.)Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties、Selection and Use.(2002年)Zurich: Wiley−VCH; S. Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977年)66巻(1号)、1〜19頁; P. Gould、International J. of Pharmaceutics(1986年)33巻、201〜217頁; Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996年)、Academic Press、New York; および The Orange Book(米国食品医薬品局(Food & Drug Administration)、Washington、D.C.、同局のウェブサイト)に論じられている。これらの開示を参照により本明細書に組み込む。
塩基性塩の例には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩およびマグネシウム塩など)、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミンなどの有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、ならびにアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩が含まれる。塩基性窒素含有基は、低級アルキルハライド(例えば、メチル、エチル、およびブチルのクロリド、ブロミドおよびヨージド)、ジアルキルサルフェート(例えば、ジメチル、ジエチルおよびジブチルサルフェート)、長鎖ハライド(例えば、デシル、ラウリルおよびステアリルのクロリド、ブロミドおよびヨージド)、アラルキルハライド(例えば、ベンジルおよびフェネチルブロミド)などのような薬剤で四級化する(quarternized)ことができる。
そうしたすべての酸性塩および塩基性塩は、本発明の範囲内の薬学的に許容される塩であるものとし、すべての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的に関して、対応する化合物の遊離形態と同等であるものと考える。
本発明の化合物の薬学的に許容されるエステルには、以下の基、すなわち、(1)エステル基(ester grouping)のカルボン酸部の非カルボニル部分が、直鎖状または分岐状鎖アルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチルまたはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、例えばハロゲン、C1〜4アルキルもしくはC1〜4アルコキシまたはアミノで任意選択で置換されたフェニル)から選択されるヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル;(2)アルキル−またはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル)などのスルホン酸エステル;(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルまたはL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステル、および(5)モノ−、ジ−もしくはトリリン酸エステルが含まれる。リン酸エステルは、例えば、C1〜20アルコールもしくはその反応性誘導体によって、または2,3−ジ(C6〜24)アシルグリセロールによってさらにエステル化されていてよい。
式Vの化合物ならびにその塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは、その互変異性型(例えば、アミドまたはイミノエーテルとして)で存在することができる。そうしたすべての互変異性型は、本明細書では本発明の一部とすることを意図する。
式Vの化合物は、不斉中心またはキラル中心を含むことができ、したがって異なる立体異性体で存在することができる。式Vの化合物のすべての立体異性体、ならびにラセミ混合物を含むその混合物は、本発明の一部を形成することが意図される。さらに、本発明は、すべての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、式Vの化合物が二重結合または縮合環を取り込んでいる場合、シス型とトランス型の両方ならびにその混合物は本発明の範囲内に包含される。
ジアステレオマー混合物は、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶化などの当業者に周知の方法によって、その物理的化学的差異をもとにして、個別のジアステレオマーに分離することができる。鏡像異性体は、適切な光学的活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはモッシャー酸クロリドなどのキラル補助剤)と反応して鏡像異性体混合物をジアステレオマー混合物に転換させ、そのジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋な鏡像異性体に転換する(例えば、加水分解する)ことによって分離することができる。また、式Vの化合物のいくつかはアトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であってもよく、これも本発明の一部としてみなす。鏡像異性体は、キラルHPLCカラムを用いて分離することもできる。
式Vの化合物は異なる互変異性型で存在することも可能であり、そうしたすべての形態は本発明の範囲内に包含されることも可能である。また、例えば、その化合物のすべてのケト−エノール型およびイミン−エナミン型も本発明に含まれる。
本発明の化合物(化合物のその塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグ、ならびにそのプロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルを含む)のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)、例えば、鏡像異性体(これは不斉炭素がなくても存在することができる)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー体を含む、様々な置換基上の不斉炭素に起因して存在できるものは、本発明の範囲内であると意図され、また位置異性体(例えば4−ピリジルおよび3−ピリジルなど)も同様である。(例えば、式Vの化合物が二重結合または縮合環を取り込んでいる場合、シス型とトランス型の両方ならびにその混合物は本発明の範囲内に包含される。また、例えば、その化合物のすべてのケト−エノール型およびイミン−エナミン型も本発明に含まれる)。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含まなくてよく、また、例えばラセミ化合物として混合されていても、すべての他の立体異性体と混合されていても他の選択された立体異性体と混合されていてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC1974年勧告書で定義されるS構造またはR構造を有することができる。「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグに均等に適用されるものとする。
本発明は、1つまたは複数の原子が、自然界で通常見られる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子で置き換えられていること以外は、本明細書で言及するものと同一である、同位体標識した本発明の化合物も包含する。本発明の化合物中に組み込むことができる同位元素の例には、それぞれH、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位元素が含まれる。
同位体標識した特定の式Vの化合物(例えば、Hおよび14Cで標識を付けたもの)は、化合物および/または基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(すなわち、H)および炭素−14(すなわち、14C)同位元素は、その調製のし易さおよび検出能のため特に好ましい。さらに、重水素(すなわち、H)などのより重い同位元素で置換すると、より高い代謝安定性(例えば、インビボで長い半減期または低い必要用量)による治療上の利点がもたらされ、したがって、いくつかの場合好都合であり得る。同位体標識した式Vの化合物は一般に、本明細書で以下に示すスキームおよび/または実施例で開示するものと類似した手順にしたがって、同位体標識を付けていない試薬を適切な同位体標識を付けた試薬で置き換えることによって調製することができる。
式Vの化合物の多形相ならびに式Vの化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグは本発明に含まれるものとする。
本発明による化合物は薬理学的特性を有する。具体的には、式Vの化合物は、チェックポイントの標的化機序ベースの調節剤として有用であり得る。式Vの化合物は、例えばチェックポイントキナーゼ1(「Chk1」)、チェックポイントキナーゼ2(「Chk2」)などのようなチェックポイントキナーゼの標的化機序に基づく活性化因子として有用であり得る。それらは特にChk1の標的化機序に基づく活性化因子である。
本発明による化合物は、例えば機序に基づくCHK−1の活性化、CHK−1阻害剤との相乗効果などのRNR阻害剤の所望プロファイルを有する。
チェックポイント調節剤として、本発明の化合物は薬理学的な用途を有する。したがって、本発明は、治療有効量の少なくとも1つの式Vの化合物を患者に投与することによって、機序に基づく経路で前記患者における細胞周期チェックポイントを調節する方法を含む。
チェックポイント活性化因子として、本発明の化合物は薬理学的な用途を有する。したがって、本発明は、治療有効量の少なくとも1つの式Vの化合物を患者に投与することによって、機序に基づく経路で前記患者におけるチェックポイントキナーゼ(例えば、Chk1、Chk2など)を活性化する方法を含む。
本発明は、少なくとも1つの式Vの化合物を患者に投与することによって、前記患者の癌を治療する方法も含む。
本発明は、少なくとも1つの式Vの化合物を患者に投与して患者のチェックポイントキナーゼ、例えば、Chk1を活性化することによって、前記患者の癌を治療する方法も含む。
本発明は、組成物、例えば、少なくとも1つの式Vの化合物を含む医薬組成物を含む。本発明で述べる化合物から医薬組成物を調製するために、不活性な薬学的に許容される担体は、固体であっても液体であってもよい。固体形態の製剤には、粉剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が含まれる。粉剤および錠剤は約5〜約95%の活性成分を含むことができる。適切な固体担体は当技術分野で公知であり、例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖またはラクトースがある。錠剤、粉剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与用に適した固体剤形として使用することができる。他の担体には、ポロキサマー、ポビドンK17、ポビドンK12、Tween80、エタノール、Cremophor/エタノール、ポリエチレングリコール(PEG)400、プロピレングリコール、Trappsol、α−シクロデキストリンもしくはその類似物、β−シクロデキストリンもしくはその類似物またはγ−シクロデキストリンもしくはその類似物が含まれる。様々な組成物のための薬学的に許容される担体および製造法の例は、A. Gennaro(ed.)、 Remington’s Pharmaceutical Sciences、18th Edition、(1990年)、Mack Publishing Co.、 Easton、Pennsylvaniaに見出すことができる。
本発明の治療薬は、医薬組成物として調合し、次いで、本発明の方法により、選択された投与経路に適合する様々な形態で、ヒト対象などの対象に投与することが好ましい。例えば、治療薬は静脈内投与用に調合することができる。しかし、その調合物は、経口、経直腸、経膣、局所、経鼻、点眼または他の非経口(皮下、筋肉内、髄腔内、腹腔内および腫瘍内、さらには、静脈内を含む)投与に適したものを含むことができる。
非経口投与に適した調合物は、好ましくはレシピエントの血液に対して等張性のある、活性薬剤の滅菌水性製剤または活性薬剤の滅菌粉末の分散液剤を含むことが好都合である。治療薬の非経口投与(例えば、I.V.点滴によって)は他の投与形態である。液体製剤中に含めることができる等張剤には、糖類、緩衝剤および塩化ナトリウムが含まれる。活性薬剤の液剤は、任意選択で無毒性の界面活性剤と混合して、水で調製することができる。活性薬剤の分散液剤は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、植物油、グリセロールエステルおよびその混合物で調製することができる。最終的な剤形は、滅菌した流体であり、製造および貯蔵の条件下で安定なものである。その必要な流動性は、例えば、リポソームを用いて、分散液剤の場合は適切な粒子径のものを用いて、あるいは、界面活性剤を用いて達成することができる。液体製剤の滅菌は、活性薬剤の生物活性を保つ任意の慣用的方法、好ましくはろ過滅菌によって実施することができる。粉剤を調製するのに好ましい方法には、滅菌の注射用液剤の真空乾燥および凍結乾燥が含まれる。その後の微生物汚染は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどを含む様々な抗菌剤、例えば、抗菌性、抗ウイルス性および抗真菌性の薬剤を用いて防止することができる。長期間にわたる活性薬剤の吸収は、遅延させるための薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含有させることによって達成することができる。
経口投与に適した本発明の調合物は、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、舐剤、ウエハース剤またはカシェ剤などの分離型の単位で提供することができ、それぞれは、所定量の活性薬剤を、粉剤もしくは顆粒剤として、第1および/または第2の治療薬を含むリポソームとして、あるいは、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤もしくは飲料(draught)などの水性液体または非水性液体中の液剤または懸濁液剤として含む。そうした組成物および製剤は、少なくとも約0.1重量%の活性薬剤を含むことができる。治療薬の量は、その投薬レベルが対象に所望の結果をもたらすのに有効な量にしなければならない。
経鼻噴霧調合物は、保存剤および等張剤を含む活性薬剤の精製水溶液を含む。そうした調合物は、鼻粘膜に適合したpHおよび等張性の状態に調整することが好ましい。経直腸または経膣投与のための調合物は、ココアバターまたは硬化油脂もしくは水素化脂肪族カルボン酸(hydrogenated fatty carboxylic acid)などの適切な担体を用いた坐剤で提供することができる。眼部用調合物は、pHおよび等張性のファクターを好ましくは眼のそれに適合するように調節すること以外は、経鼻噴霧と同様の方法により調製する。局所調合物は、鉱油、石油、ポリヒドロキシアルコール、または局所医薬調合物に使用される他の基剤などの1つもしくは複数の媒質中に溶解するかまたは懸濁した活性薬剤を含む。
錠剤、トローチ剤、丸薬、カプセル剤などは、以下のもの、すなわち、トラガカントゴム、アカシア、トウモロコシでんぷんまたはゼラチンなどの結合剤;リン酸二カルシウム(dicalcium phosphate)などの賦形剤;トウモロコシでんぷん、ジャガイモでんぷん、アルギン酸などの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤;スクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテームなどの甘味剤;および天然もしくは人工の香味剤のうちの1つまたは複数も含むことができる。単位剤形がカプセル剤である場合、それは、植物油またはポリエチレングリコールなどの液体担体をさらに含むことができる。コーティング剤として、あるいは、固体単位剤形の物理的形態を改変するために、様々な他の材料が存在してよい。例えば、錠剤、丸薬またはカプセル剤は、ゼラチン、ワックス、セラック、糖などでコーティングすることができる。シロップ剤またはエリキシル剤は、甘味剤、メチル−またはプロピルパラベンなどの保存剤、糖の結晶化を遅延させる薬剤、多価アルコールなどの他の任意の成分の溶解性を高める薬剤、例えばグリセロールまたはソルビトール、染料および香味剤の1つまたは複数を含むことができる。任意の単位剤形を調製するのに用いられる材料は、使用される量で実質的に無毒性である。活性薬剤は、持続放出型の製剤およびデバイス中に混ぜ込むことができる。
化合物は、経口、腹腔内、静脈内もしくは髄腔内またはそのいくつかの適切な組合せで投与することが好ましい。
ゲムシタビンなどの小分子治療薬を投与する方法は当技術分野で周知である。抗腫瘍剤のための投与量の計算は、例えば、Gurney H.、J. Clin. Oncol.、14巻、2590〜2611頁に例示されている。マウスおよび他の動物における有効用量のヒトへの外挿方法もやはり当技術分野で公知である。例えば、米国特許第4,938,949号を参照されたい。個々の治療薬のための投与量の計算も、当業者は文献から容易に判断することができる。例えば、ゲムシタビンおよび多くの他の薬物の投与および臨床研究は、米国食品医薬品局の医薬品評価研究センターのウェブサイト(U.S. Food and Drug Administration Center for Drug Evaluation and Research website)や市販の治療薬に付いている資料、例えば GEMZAR(登録商標)(Eli Lilly and Company)、市販の注射剤型のゲムシタビンHCL(PV4046 AMP;Eli Lilly and Company、2005年)用の製品資料に見ることができる。
本開示に記載する治療薬は、単独かまたは本明細書に記載する他の活性薬剤と合わせて対象に投与する(必ずというわけではないが、任意選択で単一調合物中で共投与する)ことができ、好ましくは薬学的に許容される緩衝剤と合わせて投与する。治療薬は、当業者に公知の様々な希釈剤または賦形剤を含む、対象へ送達するための様々な生理学的に許容される担体、添加剤と合わせることができる。例えば、非経口投与用には等張食塩水が好ましい。局所投与用には、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの担体、または、ペプチドの活性を妨害もしくは阻害しない局所用クリーム剤に典型的に見られる他の薬剤を含むクリーム剤を使用することができる。他の適切な担体には、これらに限定されないが、アルコール、リン酸塩緩衝化食塩水および他の平衡化塩類溶液が含まれる。
調合物は、単位剤形で提供するのが好都合であり、製薬技術分野で周知の方法のいずれかによって調製することができる。そうした方法は、治療薬(すなわち、活性薬剤)を、1つまたは複数の付帯成分を構成する担体と混合するステップを含むことが好ましい。一般に、調合物は、活性薬剤を液体担体、微粉化した固体担体またはその両方と均一かつ密に混合し、次いで、必要なら、その生成物を所望調合物に成形することによって調製する。本発明の方法は、所望の効果をもたらすのに十分な量で治療薬を対象に投与する工程を含む。治療薬は単一用量または複数用量で投与することができる。活性薬剤の有用な投与量は、動物モデルによるインビトロでの活性とインビボでの活性を比較することによって決定することができる。
使用する実際の投薬量は、患者の要件および治療を受ける状態の重症度に応じて変えることができる。特定の状態のための適切な投薬レジメンの決定は当技術分野の技術の範囲内である。便宜上、1日の合計投与量を、必要に応じてその1日の間で分割して投与することができる。
本発明の化合物および/または薬学的に許容されるその塩の投与の量および頻度は、患者の年齢、状態および大きさならびに治療を受ける症状の重症度などの要素を考慮して担当医の判断により調節されることになる。経口投与のために推奨される典型的な1日投与量レジメンは、2つから4つに分割した用量で、約1mg/日〜約500mg/日、好ましくは1mg/日〜200mg/日の範囲であってよい。
本発明の他の態様は、治療有効量の少なくとも1つの式Vの化合物または前記化合物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグおよび薬学的に許容される担体、ビヒクルもしくは希釈剤を含むキットである。
受容体発現を増大させるために第1の治療薬を投与し、受容体を標的とする第2の治療薬を投与する実施形態では、第1および第2の治療薬を、単一用量または複数用量で一緒かまたは別個に投与することができる。第1の治療薬の投与後に第2の治療薬を投与すると、第1の治療薬が癌細胞において受容体発現を富化する時間を提供する利点がもたらされ、それによって第2の治療薬の癌への標的化が容易になる。第2の治療薬は、第1の治療薬の投与後2週間ほどで、または第1の治療薬を投与してから、ほんの2日後もしくはそれより前に、例えば投与後24時間で投与することができる。好ましい実施形態では、第1の治療薬を投与して約3〜6日後に第2の治療薬を投与する。
さらに、第1および第2の治療薬の投与による癌症状または前癌症状に苦しむ対象の治療は、相加効果をもたらすことができる。第1および第2の治療薬の投与による治療が、相乗的な治療効果をもたらすことがさらに好ましい。本明細書で定義する相乗効果は、第2の治療薬と一緒にした第1の治療薬による治療で見られる腫瘍量(tumor load)の減少または増殖の遅延が、本発明の第1の治療薬と第2の治療薬による別個の治療の効果を一緒に合わせたとき(そこでは、投薬量および治療スケジュールは、個別に用いた場合も併用した場合も同じである)に見られる腫瘍量の減少または増殖の遅延を上回る場合に生じる。併用治療と、別個の治療の効果を一緒にしたものを比較すると、相乗効果がある場合、それは1を超える(すなわち、100%を超える)比となる。本発明の方法によって、少なくとも2(すなわち、少なくとも200%)の比の相乗効果が得られることが好ましく、相乗効果は少なくとも3(すなわち、少なくとも300%)の比を有することがより好ましい。
本発明のさらに他の態様は、少なくとも1つの式Vの化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを、Chk1阻害剤、Chk2阻害剤などの少なくとも1つのチェックポイントキナーゼ阻害剤または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと組合わせて含む組成物、例えば、医薬組成物である。医薬組成物は、少なくとも1つの式Vの化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを、少なくとも1つのChk1阻害剤または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと組合わせて含むことが好ましい。そうした併用に適したChk1阻害剤は上記の米国特許出願公開第2007/0083044号、同第2007/0082900号、同第2007/0105864号および同第2007/0117804号に開示されている。これらの開示を参照により本明細書に組み込む。他の適切なチェックポイントキナーゼ阻害剤には、例えばUCN−01(KW−24101;7−ヒドロキシスタウロスポリン;Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd.、Tokyo、JapanおよびKeryx Biopharmaceuticals、Inc.、New York、New Yorkから)、Lilly/ICOS IC83/LY2603618(Eli Lilly、Indianapolis、Indianaから)、XL−844(ExelixisからのEXEL−9844)、AZD7762(Astra Zenecaから)、PF−394691(Pfizerから)、PF−473336(Pfizerから)などが含まれる。
本発明の一態様による併用薬剤として適した好ましいChk1阻害剤の非限定的な例は、ピラゾロピリミジン化合物またはイミダゾピラジン化合物あるいは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグである。適切なピラゾロピリミジンの非限定的な例は、米国特許出願公開第2007/0072881号、米国特許第7,161,003号、同第7,119,200号、同第7,196,078号、同第7,067,661号、同第7,205,308、米国特許出願公開第2007/0072880号、米国特許第7,078,525号、同第7,196,092号、米国特許出願公開第2007/0072882号、米国特許第7,084,271号および同第7,074,924号に開示されている。これらの開示を参照により本明細書に組み込む。適切なイミダゾピラジンの非限定的な例は、米国特許第6,919,341号、米国特許出願公開第2006/0106023号、同第2007/0105864号、同第2007/0117804号、米国特許第7,186,740号、米国特許出願第11/758,243号(2007年6月5日出願)、米国特許仮出願第60/858,244号(2006年11月8日出願)および同第60/943,999号(2007年6月14日出願)に開示されている。これらの開示を参照により本明細書に組み込む。
本発明の一態様による併用薬剤として適した好ましいピラゾロピリミジン化合物の非限定的な例は、以下の化合物:
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または薬学的に許容されるその塩、エステルもしくはプロドラッグである。
本発明の一態様による併用薬剤として適したより好ましいピラゾロ[1,5−a]ピリミジン化合物の非限定的な例は、以下の化合物または薬学的に許容されるその塩、エステルもしくはプロドラッグである:
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本発明の一態様による併用薬剤として適した好ましいイミダゾピラジン化合物の非限定的な例は、以下の化合物:
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または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物もしくはエステルである。
好ましい適切なイミダゾピラジンまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグの非限定的な例を以下に示す:
Figure 2011503084
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上記の米国特許出願公開第2007/0072881号、米国特許第7,161,003号、同第7,119,200号、同第7,196,078号、同第7,067,661号、同第7,205,308号、米国特許出願公開第2007/0072880号、米国特許第7,078,525号、同第7,196,092号、米国特許出願公開第2007/0072882号、米国特許第7,084,271号、および同第7,074,924号、同第6,919,341号、米国特許出願公開第2006/0106023号、同第2007/0083044号、同第2007/0082900号、同第2007/0105864号、同第2007/0117804号、米国特許第7,186,740号、米国特許出願第11/758,243号(2007年6月5日出願)、米国特許仮出願第60/858,244号(2006年11月8日出願)および同第60/943,999号(2007年6月14日出願)は、様々な疾患の治療においてCHK−1阻害剤などに対する併用薬剤として使用できる様々な追加の治療薬(「抗癌剤」)を記載している。そうした開示のその全体を本発明に組み込むものとする。したがって、そうした併用薬剤は、本発明の化合物の使用を想定した治療においても、追加の併用薬剤として有用であるはずである。
他の実施形態では、本発明は、式Vの少なくとも1つの細胞周期チェックポイント調節剤または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを対象に投与することによって、対象の炎症、関節炎、ウイルス性疾患、アルツハイマー病などの神経変性疾患、循環器疾患および真菌性疾患を治療する方法に関する。
他の実施形態では、本発明は、式Vの少なくとも1つの細胞周期チェックポイント調節剤または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを、抗炎症剤、抗感染症剤、抗真菌剤、抗菌剤、循環器薬または中枢神経系薬などの適切な第2の薬剤と併用して対象に投与することによって、対象の炎症、関節炎、ウイルス性疾患、アルツハイマー病などの神経変性疾患、循環器疾患および真菌性疾患を治療する方法に関する。
他の実施形態では、本発明は、式Vの少なくとも1つの細胞周期チェックポイント調節剤または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを、癌が治療される条件下で治療有効量のチェックポイントキナーゼ阻害剤、例えば、Chk1阻害剤、Chk2阻害剤などまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグとともに対象に投与することによって、対象の癌を治療する方法に関する。一実施形態では、チェックポイントキナーゼ阻害剤はChk1阻害剤である。他の実施形態では、癌は、多発性骨髄腫、慢性骨髄性白血病、膵臓癌、非小細胞肺癌、肺癌、乳癌、結腸癌、卵巣癌、前立腺癌、悪性メラノーマ、非メラノーマ皮膚癌、血液系腫瘍、血液系腫瘍、血液系の悪性疾患、小児白血病、小児リンパ腫、多発性骨髄腫、ホジキン病、リンパ球起源のリンパ腫、皮膚起源のリンパ腫、急性白血病、慢性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、形質細胞新生物、AIDSに伴うリンパ系新生物および癌からなる群から選択される。癌の非限定的な例には、膀胱、胸部(BRCA−変異乳癌を含む)、結腸直腸、結腸、腎臓、肝臓、肺の腫瘍、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭頸部、食道、膀胱、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、頸部、甲状腺、前立腺および皮膚(扁平上皮癌を含む)の腫瘍;
白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、骨髄腫およびバーケットリンパ腫(Burkett’s lymphoma);
慢性リンパ性白血病(「CLL」)、
急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群ならびに前骨髄球性白血病;
線維肉腫、横紋筋肉腫;
頭頸部、マントル細胞リンパ腫、骨髄腫;
星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、グリア芽腫、悪神神経膠腫、星状細胞腫、肝細胞癌、消化管間質腫瘍(「GIST」)および神経鞘腫;
メラノーマ、多発性骨髄腫、セミノーマ、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、角化棘細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺濾胞状癌およびカポジ肉腫が含まれる。
上記説明は、以下に示すその詳細な説明を理解し、かつ、当技術分野への本発明の寄与をよりよく認識できるように、本発明のより重要な特徴をかなり広範に示している。本発明の他の目的および特徴は、添付した図面と一緒に、以下の実施例を考慮すれば明らかになろう。しかし、その図面は単に説明のためだけに図示したものであり、本発明の限界を規定するものとしてではなく、そのためには、添付した特許請求の範囲を参照すべきであることを理解されたい。
本発明の化合物の薬理学的特性は、いくつかの薬理学的アッセイによって確認することができる。本明細書において以下で説明する薬理学的アッセイの例は、本発明の化合物およびその塩、溶媒和物、エステルまたはプロドラッグを用いて実施した。
本明細書で開示する本発明を、以下の調製物および実施例によって示す。これらは本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではない。代替の機構的経路および類似構造は当業者に明らかであろう。
その手順およびスキームにおいて以下の略語を使用する:
ACN アセトニトリル
AcOH 酢酸
Aq 水性
BINAP 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン
BOC tert−ブトキシカルボニル
BOC−ON [2−(tert−ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル]
BOCO BOC無水物
Bz ベンゾイル
C ℃
Calcd 計算値
CBZCl ベンジルクロロホルマート
CDI カルボニルジイミダゾール
dba ジベンジリジンアセトン
DBU 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DEAD ジエチルアゾジカルボキシレート
(DHQ)2PHAL ヒドロキニン(hydroquinine)1,4−フタラジンジイルジエーテル
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMA N,N−ジメチルアセトアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMFDMA N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
DMPU 1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1h)−ピリミジノン
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDCI 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EI 電子イオン化
Eq 等量
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
F−TEDA 1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2,2,2]オクタンビス(テトラフルオロボレート)
g グラム
h. 時間
H プロトン
HATU N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HCl 塩化水素
Hex ヘキサン
HOBT 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析法
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
M モル
mmol ミリモル
mCPBA メタ−クロロペルオキシ安息香酸
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
mg ミリグラム
MHZ メガヘルツ
mL ミリリットル
MPLC 中圧液体クロマトグラフィー
MsO メシラート(メタンスルホネート)
Ms メタンスルホニル
MS 質量分析法
N ノルマル
NaHCO 重炭酸ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NMR 核磁気共鳴
NBS N−ブロモスクシンイミド
NCS N−クロロスクシンイミド
NIS N−ヨードスクシンイミド
nm ナノメートル
NMM N−メチルモルホリン
NsO ノシラート(p−ニトロベンゼンスルホネート)
Obsd 観察値
ON 終夜
PCC ピリジニウムクロロクロメート
Ph フェニル
PTLC 分取薄層クロマトグラフィー
PyBop (ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
PyBrOP ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Pyr ピリジン
RT 室温
Satd 飽和
SEM 2−(トリメチルシリル)エトキシメチル
sgc シリカゲル60クロマトグラフィー
soln 溶液
tBOC tert−ブトキシカルボニル
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBDMS tert−ブチルジメチルシリル
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TIPS トリイソプロピルシリル
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMS トリメチルシリル
Ts p−トルエンスルホニル
TsO トシレート(p−トルエンスルホネート)
保持時間
UV254nm 紫外線254nm
NMRスペクトルは以下の装置を用いて得た:400MHZ NMR(Bruker)、500MHZ NMR(Bruker)、400MHz NMR(Varian)、300MHZ NMR(Varian)(CDOD、CDClまたはDMSO−dを溶媒として用いて)。LC−MSデータは、エレクトロスコピーイオン化(electroscopy ionization)によるPESciex API 150EX四重極質量分析計を用いて得た。LC/MSデータを示している場合、その分析はApplied Biosystems API−100質量分析計およびShimadzu SCL−10A LCカラム:Altech白金C18、3ミクロン、33mm×7mmID;勾配流:0分−10%CHCN、5分−95%CHCN、7分−95%CHCN、7.5分−10%CHCN、9分−停止を用いて実施した。保持時間および観察した親イオンを示している。
逆相クロマトグラフィー(Gilson)による精製は、14mL/分の流量で(0.1%ギ酸)5:95〜90:10のアセトニトリル:水の勾配で、C18逆相カラムを用いて実施した。試料はUV検出を用いて採取した。あるいは、流量=10〜55mL/分で(0.1%ギ酸)5:95〜95:5のアセトニトリル:水を用いたISCO Companionで実施した。
順相シリカゲルクロマトグラフィーは、60Å 12/M、25/Mもしくは40/Mフラッシュカートリッジを用いたBiotage instrumentか、Isolute flash SI 5g、10g、20g、50gもしくは70gカートリッジを用いたJones Flash Master Personal装置か、またはRediSep Rfシリカゲル、塩基性アルミナもしくはアミンカラムを用いたISCO Combi Flash Rfシステムのいずれかで実施した。
(調製実施例10)
Figure 2011503084
DMF(20.1mL)中のゲムシチビン(Gemcitibine)塩酸塩(3.00g、10.01ミリモル)の25℃での溶液を、イミダゾール(2.04g、3.00等量)およびtert−ブチルジメチルシリルクロリド(1.66g、1.10当量)で連続的に処理した。溶液を25℃で15時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、CHCl中の10〜40%MeOHの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。MH=378。
(調製実施例20)
Figure 2011503084
ピリジン(47mL)中の調製実施例10からのシリルエーテル(3.52g、9.32ミリモル)の25℃での溶液を、4−ジメチルアミノピリジン(1.71g、1.50等量)および塩化ベンゾイル(2.71mL、2.50当量)で連続的に処理した。溶液を25℃で15時間撹拌した。溶液を濃縮し、残留物をCHCl(100ml)に溶解させた。有機層をNaHCO飽和水溶液(50mL)、NaCl飽和水溶液(50mL)および水(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥し(NaSO)、ろ過し濃縮した。残留物を、CHCl中の10〜50%アセトンの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。MH=586。
(調製実施例30)
Figure 2011503084
THF中のテトラブチルアンモニウムフルオリドの1.0M溶液(30.6mL、3.86当量)中の調製実施例20からのシリルエーテル(4.64g、7.92ミリモル)の25℃での溶液を酢酸(3.06mL、6.74当量)で処理した。溶液を25℃で3時間撹拌した。溶液を濃縮し、残留物を水(100mL)とCHCl(50mL)に分配させた。水層をCHCl(2x50mL)でさらに抽出した。一緒にした有機層をNaCl飽和水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過し濃縮した。残留物を、CHCl中の25〜50%アセトンの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。MH=472。
(調製実施例40)
Figure 2011503084
ピリジン(79mL)中の調製実施例30からのアルコール(3.73g、7.91ミリモル)の0℃での溶液を、p−トルエンスルホニルクロリド(6.03g、4.00当量)およびトリエチルアミン(2.20mL、2.00当量)で連続的に処理した。溶液を0℃で3時間撹拌し、氷浴を取り外し、25℃で15時間撹拌を続行した。溶液を濃縮し、残留物を、CHCl中の0〜25%アセトンの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。
(実施例50)
Figure 2011503084
DMF(0.67mL)中の調製実施例40からのトシレート(0.15g、0.17ミリモル)および2−メトキシエタンアミン(0.073mL、5当量)の溶液を、封管中、100℃で3時間加熱した。溶液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残留物を、CHCl中の0〜40%MeOHの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。白色固体(0.011g、20%)を得た。H NMR(CDOD)δ7.67(d,J=7.3Hz,1H),6.19(t,J=8.8Hz,1H),5.91(d,J=7.3Hz,1H),4.06−4.14(m,1H),3.92−3.97(m,1H),3.50(t,J=5.1Hz,2H),3.35(s,3H),3.05(dd,J=2.9Hz,J=13.0Hz,1H),2.97(dd,J=2.9Hz,J=13.0Hz,1H),2.82−2.85(m,2H);MH=321。
(実施例60〜170)
表10のカラム1に示した求核試薬を用いたこと以外は、溶媒としてDMFを用いるか用いないかのいずれかで、実施例50で示した手順にしたがって、表10のカラム2に示す化合物を調製した。
Figure 2011503084
Figure 2011503084
Figure 2011503084
Figure 2011503084
(調製実施例180)
Figure 2011503084
調製実施例40からのトシレート(0.11g、0.17ミリモル)およびN,N−ジメチルエチレンジアミン(N,N’−dimethyletylenediamine)(0.38mL、20当量)の封管中の溶液を、100℃で12時間加熱した。溶液を室温に冷却し減圧下で濃縮した。残留物を、CHCl中のMeOH中10%7N NH溶液でのシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。白色固体(0.010g、14.2%)を得た。H NMR(CDOD)δ7.58(d,J=7.3Hz,1H),6.18(t,J=8.7Hz,1H),5.88(d,J=8.0Hz,1H),4.07−4.15(m,1H),3.92−3.98(m,1H),3.50−3.55(m,2H),3.31(s,6H),3.04(dd,J=3.7Hz,J=13.2Hz,1H),2.95(dd,J=7.3Hz,J=13.2Hz,1H),2.77−2.81(m,2H),2.50−2.58(m,4H),2.29−2.30(m,12H);MH=405。
さらなる溶出により表XXの実施例100が得られた。
(調製実施例190)
Figure 2011503084
MeOH中の7N NHの溶液(100mL)中の調製実施例40からのトシレート(2.06g、3.29ミリモル)の溶液を25℃で2時間撹拌した。溶液を濃縮し、残留物を、CHCl中の10〜30%MeOHの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製した。白色固体(0.80g、58%)を得た。CHCl中の30〜80%MeOHの勾配でさらに溶出させてゲムシタビンを得た。
(実施例200)
Figure 2011503084
調製実施例190からのトシレート(0.250g、0.599ミリモル)、n−ブチルアミン(1.78mL、30当量)の溶液を、密封した1ドラムバイアル中、40℃で20時間加熱した。溶液を25℃に冷却し濃縮した。残留物を、溶離液としてMeOH/CHCl中の20%7N NHを用いた分取クロマトグラフィーにより精製した。白色固体(0.160g、83.9%)を得た。H NMR(CDOD)δ7.66(d,J=7.3Hz,1H),6.16(t,J=8.0Hz,1H),5.91(d,J=7.3Hz,1H),4.07−4.15(m,1H),3.94−3.98(m,1H),2.95−3.07(m,2H),2.68(t,J=7.3Hz,2H),1.48−1.55(m,2H),1.32−1.41(m,2H),0.94(t,J=7.3Hz,3H);MH=319。
(実施例210〜350)
表20のカラム1に示した異なる求核試薬を用いたこと以外は、溶媒としてDMFを用いるか用いないかのいずれかで、実施例200で示した手順にしたがって、表20のカラム2に示す化合物を調製した。
Figure 2011503084
Figure 2011503084
Figure 2011503084
Figure 2011503084
(実施例360)
Figure 2011503084
調製実施例190からのトシレート(0.050g、0.120ミリモル)、2−メトキシアニリン(0.27mL、20当量)の溶液を、密封した1ドラムバイアル中、90℃で10時間加熱した。溶液を25℃に冷却した。残留物を、溶離液としてCHCl中の10%MeOHを用いた分取クロマトグラフィーにより精製した。固体(0.006g、13.4%)を得た。H NMR(CDOD)δ7.59(d,J=8.0Hz,1H),6.75−6.84(m,4H),6.64−6.67(m,1H),6.17(t,J=8.0Hz,1H),5.81(d,J=7.3Hz,1H),4.13−4.21(m,1H),4.04−4.19(m,1H),3.86(s,3H),3.68(dd,J=2.9Hz,J=14.6Hz,1H),3.52(dd,J=4.4Hz,J=15.4Hz,1H);MH=369。
(実施例370)
表30のカラム1に示した求核試薬を用いたこと以外は、実施例360で示した手順にしたがって、表30のカラム2に示す化合物を調製した。
Figure 2011503084
(調製実施例380)
Figure 2011503084
無水ピリジン(15mL)中の出発原料(2.00g、4.50ミリモル)の25℃での溶液を、塩化ベンゾイル(1.90g、13.5ミリモル)およびDMAP(0.41g、3.37ミリモル)で連続的に処理した。混合物を25℃で20時間撹拌し、NaHCO飽和水溶液(100mL)に注ぎ入れ、CHCl(3x30mL)で抽出した。一緒にした抽出物をNaSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を蒸発させた。残留物を、溶離液として3:1のCHCl/EtOAcを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。1.64g(67%)の生成物を白色固体として得た。MH=550。
(調製実施例390)
Figure 2011503084
酢酸(1.20g、20.0ミリモル)を、調製実施例1000からの生成物(1.60g、2.91ミリモル)とテトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中に1.0M、11.4mL)の撹拌混合物に加えた。混合物を25℃で1.5時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液として25:1のCHCl/MeOHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。1.20g(95%)の生成物を白色固体として得た。MH=436。
(調製実施例400)
Figure 2011503084
トリエチルアミン(255mg、2.53ミリモル)を、無水ピリジン(10mL)中の調製実施例1010からの生成物(500mg、1.15ミリモル)およびTsCl(877mg、4.60ミリモル)の25℃の溶液に加えた。混合物を25℃で24時間撹拌し、NaHCO飽和水溶液(150mL)に注ぎ入れ、CHCl(2x30mL)で抽出した。一緒にした抽出物をNaSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を蒸発させた。残留物を、溶離液として3:1のCHCl/EtOAcを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。504mg(75%)の生成物を薄いオレンジ色固体として得た。MH=590。
(調製実施例410)
Figure 2011503084
無水ピリジン(6mL)中の出発原料(452mg、1.00ミリモル)およびTsCl(200mg、1.05ミリモル)の溶液を25℃で24時間撹拌した。混合物をNaHCO飽和水溶液(100mL)に注ぎ入れ、CHCl(3x20mL)で抽出した。一緒にした抽出物をNaSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を蒸発させた。残留物を、溶離液として3:1のCHCl/EtOAcを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。350mg(58%)の生成物を薄いオレンジ色固体として得た。MH=607。
(調製実施例420Aおよび420B)
Figure 2011503084
調製実施例1021に示したのと基本的には同じ手順で、表題化合物を調製し、溶離液として20:1のCHCl/MeOHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで分離した。より極性の所望生成物1022Aを無色固体として単離した。MH=516。
(調製実施例430)
Figure 2011503084
無水DMF(1.0mL)中の調製実施例1020からの生成物(160mg、0.27ミリモル)および2−メトキシエチルアミン(0.20mL、2.24ミリモル)の溶液を、密封したフラスコ中、25℃で72時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液として4:1のCHCl/MeOHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。62mg(59%)の生成物を白色固体として得た。MH=389。
(調製実施例440)
Figure 2011503084
調製実施例1030からの生成物(30mg、0.077ミリモル)、MeOH(1.0mL)中の7N NHおよびジオキサン(0.3mL)の溶液を密封した圧力容器中、25℃で20時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液として3:1のCHCl/MeOHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。6mg(27%)の生成物を無色固体として得た。MH=285。
(調製実施例450)
Figure 2011503084
無水DMF(0.6mL)中の調製実施例1021からの生成物(100mg、0.165ミリモル)および2−メトキシエチルアミン(0.20mL、2.24ミリモル)の溶液を、密封したフラスコ中、25℃で24時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液として4:1のCHCl/MeOHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。8mg(16%)の生成物を無色固体として得た。MH=302。
(調製実施例460)
Figure 2011503084
無水DMF(0.5mL)中の調製実施例1022Aからの生成物(27mg、0.066ミリモル)および2−メトキシエチルアミン(0.10mL、1.12ミリモル)の溶液を、密封したフラスコ中、25℃で72時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液としてMeOH中の8:1のCHCl/7N NHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。11mg(53%)の生成物を無色固体として得た。MH=315。
(調製実施例470)
Figure 2011503084
1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピル−ジシロキサン(1.70mL、5.50ミリモル)を、無水ピリジン(20mL)中の出発原料(1.22g、5.00ミリモル)の25℃での溶液に加えた。混合物を25℃で2時間撹拌し、蒸発させ、残留物をHO(100mL)とCHCl(50mL)に分配させた。水層部分をCHCl(2x50mL)で抽出し、一緒にした抽出物をMgSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を蒸発させ、次いで残留物にPhCH(2x100mL)を加え、これを蒸発させた。残留物を、溶離液として15:1のCHCl/MeOHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。1.70g(70%)の生成物を白色固体として得た。MH=486。
(調製実施例480)
Figure 2011503084
無水ピリジン(10mL)中の調製実施例1050からの生成物(1.60g、3.30ミリモル)の25℃での溶液を、塩化ベンゾイル(1.16g、8.25ミリモル)で処理した。混合物を25℃で20時間撹拌し、NaHCO飽和水溶液(100mL)に注ぎ入れ、CHCl(3x30mL)で抽出した。一緒にした抽出物をMgSOで乾燥させ、ろ過し、溶媒を蒸発させた。残留物を、溶離液として2:1のCHCl/EtOAcを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。2.08g(91%)の生成物を白色固体として得た。MH=694。
(調製実施例490)
Figure 2011503084
調製実施例1051からの生成物(0.50g、0.72ミリモル)とテトラブチルアンモニウムフルオリド(THF中に1.0M、3.0mL)の混合物を25℃で1.5時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液として20:1のCHCl/MeOHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。生成物(白色固体)を定量的収率で得た。MH=452。
(調製実施例500)
Figure 2011503084
無水ピリジン(5mL)中の調製実施例1052からの生成物(350mg、0.77ミリモル)およびTsCl(152mg、0.80ミリモル)の溶液を25℃で48時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液として40:1のCHCl/MeOHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。190mg(41%)の生成物を白色固体として得た。MH=606。
(調製実施例510)
Figure 2011503084
無水DMF(0.5mL)中の調製実施例1053からの生成物(100mg、0.17ミリモル)および2−メトキシエチルアミン(0.15mL、1.68ミリモル)の溶液を、密封したフラスコ中、25℃で72時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液として4:1のCHCl/MeOH中の7N NHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。12mg(24%)の生成物を白色固体として得た。MH=301。
(調製実施例520)
Figure 2011503084
無水DMF(0.2mL)中の調製実施例1053からの生成物(40mg、0.066ミリモル)およびn−ブチルアミン(0.10mL)の溶液を、密封したフラスコ中、25℃で72時間撹拌し、次いで追加のn−ブチルアミン(0.10mL)を加え、混合物を密封したフラスコ中、25℃でさらに24時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物を、溶離液として4:1のCHCl/MeOH中の7N NHを用いたシリカゲルによるクロマトグラフィーで精製した。11mg(56%)の生成物を白色固体として得た。MH=299。
以下の化合物を、下記の方法またはそれと同様の方法で調製した。
Figure 2011503084
Figure 2011503084
Figure 2011503084
(実施例600)
Figure 2011503084
パートA:
丸底フラスコ中に、アルゴン雰囲気下で化合物30(0.78g、1.65ミリモル)、ピリジン(30mL)およびトリエチルアミン(1.2mL、8.25ミリモル)を加え、続いてメタンスルホニルクロリド(0.26mL、3.3ミリモル)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し濃縮した。残留物をジクロロメタン(3×30mL)および1N HCl(10mL)で希釈し、分離した水層をDCM(3×30mL)で抽出した。一緒にした有機層をNaHCO飽和水溶液(2×20mL)、ブライン(2×30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(SiO、10%メタノール/DCM)で精製して600A(0.86g;95%)を白色固体として得た。HPLC−MS t = 2.12分 (UV254 nm); 式C2421Sに対する質量計算値 549.10, 実測値 LCMS m/z 550.0 (M+H)。
パートB:
密封した圧力瓶(pressure bottle)中に、化合物600A(0.86g、1.57ミリモル)およびメタノール(54mL)中の7Mアンモニアを加えた。30分後に不均一混合物は澄明になり、これを、室温で2時間撹拌しながら保持した。溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO、25%メタノール/DCM)で精製して600B(0.52g;96%)を白色固体として得た。HPLC−MS t = 0.22分 (UV254 nm); 式C1013Sに対する質量計算値 341.05, 実測値 LCMS m/z 342.1 (M+H)。
パートC:
DMF(0.2mL)中の化合物600B(0.1g、0.29ミリモル)を、4mlバイアル中で、2−アミノ−プロパノール(0.57mL、7.32ミリモル)で処理し、60℃に終夜加熱した。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(RediSepアミンカラム、15%メタノール/DCM)で精製し、続いて凍結乾燥して600(53.5mg;57%)を白色固体として得た。HPLC−MS t = 0.71分 (UV254 nm 10分); 式C1218に対する質量計算値 320.13, 実測値 LCMS m/z 321.1 (M+H)。
化合物600:H NMR (400MHz,CDOD)δ7.70(dd,J=2.4Hz,1.6Hz,1H),6.21(t,J=8.4Hz,1H),5.93(d,J=7.6Hz,1H),4.12(m,1H),3.96(m,1H),3.53(m,1H),3.38(m,1H),3.07(m,1H),2.85(m,1H),1.05(d,J=5.2Hz,3H)。
(実施例605)
Figure 2011503084
パートA:
文献の手順(Chou.T.Sら、Synthesis 1992年、565頁)を改変して用いて、水気のない(dry)ジエチルエーテル(80mL)および水気のないTHF(30mL)中のラクトン605A(10.0g、26.6ミリモル)の溶液を、アルゴン雰囲気下、室温で10分間撹拌した。次いで、リチウムトリ−tert−ブトキシアルミニウムヒドリド(8.25g、32.4ミリモル)を3分割して加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、次いでメタノール(20mL)で徐々にクエンチし、続いて1N HCl溶液(100mL)でクエンチした。水層を分離し、DCM(3×50mL)で抽出し、一緒にした有機層をNaHCO飽和溶液(50mL)およびブライン(2×50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(SiO、30%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して605B(7.64g;76%)を油状物として得た。HPLC−MS t = 1.92分 (UV254 nm); 式C1916に対する質量計算値 378.09, 実測値 LCMS m/z 401.0 (M+Na)および361.0 (M−OH, オキソニウムイオン)。
パートB:
丸底フラスコ中に、アルゴン雰囲気下でラクトール605B(5.10g、13.5ミリモル)、無水DCM(30mL)およびトリエチルアミン(2.63mL、18.9ミリモル)を加え、続いてメタンスルホニルクロリド(1.25mL、16.2ミリモル)を加えた。室温で2時間撹拌した後、反応混合物を1N HCl溶液(20mL)、NaHCO飽和溶液(20mL)およびブライン(2X30mL)で洗浄した。溶液をNaSOで乾燥させ、ろ過し、濃縮して605C(5.84g;95%)を黄色の油状物として得た。これを、さらに精製することなく使用した。HPLC−MS t = 2.12分 (UV254 nm); 式C2018Sに対する質量計算値 456.07, 実測値 LCMS m/z 479.0 (M+Na)。
パートC:
文献の手順(Kotra、L. Pら、J. Med. Chem. 1997年、40巻、3635頁)を改変して用いて、5−フルオロシトシン(1.42g、10.9ミリモル)を、アルゴン下で、硫酸アンモニウム(50mg)の存在下、過剰のヘキサメチルジシラザン(35mL、167.8ミリモル)で処理し、125℃で4時間還流させた。反応混合物を濃縮して過剰の溶媒を除去し、得られた残留物を水気のないDCE(20mL)に溶解させた。DCE(20mL)中の化合物605C(2.50g、5.48ミリモル)の溶液を加え、反応混合物をアルゴン下で10分間撹拌した。次いで、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(1.98mL、10.9ミリモル)を混合物に徐々に加え、反応物をアルゴン下、90〜100℃で終夜加熱した。反応混合物を室温に冷却し、NaHCO飽和溶液(2×40mL)およびブライン(2×40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(chiralpak AD、5cm、20ミクロン、3/7ヘキサン/エタノール;50mL/分)で精製して605D(0.82g;32%)を白色固体として得た。HPLC−MS t = 1.90分 (UV254 nm); 式C2318に対する質量計算値 489.11, 実測値 LCMS m/z 490.1 (M+H)。
パートD:
文献の手順(Kotra、L. Pら、J. Med. Chem. 1997年、40巻、3635頁)を改変して用いて、化合物605D(0.68g、1.4ミリモル)を、メタノール(20ml)中のメチルアミン(40%水溶液、1.1ml、14ミリモル)で、室温で2.5時間処理した。反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO、20〜25%メタノール/DCM)で精製して600E(0.37g;94%)を白色固体として得た。HPLC−MS t = 0.35分 (UV254 nm); 式C10に対する質量計算値 281.06, 実測値 LCMS m/z 282.1 (M+H)。
パートE:
化合物605Fを、上記の手順を用いて605Eから調製した;HPLC−MS t = 1.75分 (UV254 nm); 式C1524Siに対する質量計算値 395.15, 実測値 LCMS m/z 396.1 (M+H)。
パートF:
化合物605Gを、上記の手順を用いて605Fから調製した;HPLC−MS t = 2.52分 (UV254 nm); 式C2932Siに対する質量計算値 603.20, 実測値 LCMS m/z 604.2 (M+H)。
パートG:
化合物605Hを、上記の手順を用いて605Gから調製した;HPLC−MS t = 1.90分 (UV254 nm); 式C2318に対する質量計算値 489.11, 実測値 LCMS m/z 490.1 (M+H)。
パートH:
化合物605Iを、上記の手順を用いて605Hから調製した;HPLC−MS t = 2.12分 (UV254 nm); 式C2420Sに対する質量計算値 567.09, 実測値 LCMS m/z 568.1 (M+H)。
パートI:
化合物605Jを、上記の手順を用いて605Iから調製した;HPLC−MS t = 0.78分 (UV254 nm); 式C1012Sに対する質量計算値 359.04, 実測値 LCMS m/z 360.0 (M+H)。
パートJ:
化合物605を、上記の手順を用いて605Jから調製した;HPLC−MS t = 0.28分 (UV254 nm, 10分); 式C1319に対する質量計算値 336.14, 実測値 LCMS m/z 337.1 (M+H)。
(実施例606)
Figure 2011503084
丸底フラスコに、化合物30(0.5g;1.06ミリモル)、ピリジン(8mL)およびp−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(0.47g、2.12ミリモル)を2分割して加え、混合物を室温で終夜撹拌すると、LC−MSにより、混合物の主成分として中間体606Bと、少しだけの中間体606Aが示された。次いで、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(0.12g、0.5当量)を加え、反応混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮した。得られた粗生成物質を、メタノール(30mL)中の7Mアンモニアを用いて室温で4時間処理し、次いで濃縮した。残留物をMeOHで摩砕し、溶解しない固体をろ別した(ピリジン塩酸塩)。ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(SiO、10〜15%メタノール/DCM)で精製して606:p−ニトロベンゼンスルホン酸(115mg)の1.66:1混合物を得た。続いて、これをカラムクロマトグラフィー(RediSepアミンカラム、10%メタノール/DCM)で精製して606を白色固体(68mg;23%)として得た。HPLC−MS t = 0.71分 (UV254 nm, 10分); 式C10ClFに対する質量計算値 281.04, 実測値 LCMS m/z 282.1 (M+H)。
(実施例701)
Figure 2011503084
化合物605B(8.0g、21.2ミリモル)を無水DCM(100mL)に溶解させた。0℃でのこの溶液に、2,6−ルジン(ludine)(2.7mL、23.3ミリモル)を加え、続いてトリイソプロピルシリルトリフルオロメタンスルホネート(6.0mL、23.3ミリモル)を滴下して加えた。溶液を0℃で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物を、ヘキサン中の0〜20%EtOAcの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して701(9.6g、85%)を得た。H NMR (CDCl)δ8.07(d,J=8.0Hz,2H),7.98(d,J=8.0Hz,2H),7.60(dd,J=7.5,7.5Hz,1H),7.51(dd,J=7.5,7.5Hz,1H),7.46(dd,J=8.0,7.5Hz,2H),7.33(dd,J=8.0,7.5Hz,2H),5.79(m,1H),5.33(d,J=6.9Hz,1H),4.68(m,1H),4.51(2H,m),1.07(m,21H)。
(実施例702)
Figure 2011503084
化合物701(9.6g、18.0ミリモル)をメタノール(100mL)に溶解させた。水(20mL)およびトリエチルアミン(20mL)を加えた。溶液を23℃で17時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残留物を、ヘキサン中の0〜40%EtOAcの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して702(3.3g、56%)および703(2.5g、32%)を得た。
702:H NMR (CDCl)δ5.22(m,1H),4.54(m,0.5H),4.17(m,0.5H),3.97(m,1H),3.87−3.68(m,2H),1.08(m,21H);
703:HNMR(CDCl)δ8.05(d,J=8.0Hz,2H),7.57(dd,J=7.5,7.5Hz,1H),7.43(dd,J=8.0,7.5Hz,2H),5.24(d,J=7.2Hz,1H),4.60(m,1H),4.48(m,1H),4.40(m,1H),4.13(m,1H),1.08(m,21H)。
(実施例704)
Figure 2011503084
化合物702(16.2g、49.8ミリモル)を無水ピリジン(230mL)に溶解させた。0℃でのこの溶液に、無水DCM(110mL)中のp−TsCl(12.3g、64.7ミリモル)の溶液を添加漏斗で45分間かけて滴下して加えた。得られた溶液を徐々に23℃まで加温し、16時間撹拌した。溶液を氷冷水でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を一緒にし、MgSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。ヘキサン中の0〜40%EtOAcの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて残留物を精製して704(14.2g、59%)を得た。HPLC−MS t=2.69分 (UV254 nm); 式C2134SSiに対する質量計算値 480.18, 実測値 LCMS m/z 481.1(M+H)。
(実施例705)
Figure 2011503084
化合物704(7.0g、14.6ミリモル)を無水THF(60mL)に溶解させた。23℃でのこの溶液に、2,4,6−トリメチルベンゾイルクロリド(4.3mL、25.5ミリモル)を加え、続いて、THF中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(1.0M、25.5mL)を滴下して加えた。溶液を23℃で3時間撹拌し、水でクエンチし、EtOで抽出した。有機層を一緒にし、MgSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の0〜20%EtOAcの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して705(7.0g、69%)を得た。HPLC−MS t = 2.93分 (UV254 nm); 式C3144SSiに対する質量計算値 626.25,実測値 LCMS m/z 649.2 (M+Na).
(実施例706)
Figure 2011503084
化合物705(3.1g、5.0ミリモル)を無水DMF(20mL)に溶解させた。アジ化ナトリウム(4.4g、67.2ミリモル)を加えた。混合物を70℃で3時間撹拌し、水でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層を一緒にし、MgSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の0〜10%EtOAcの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して706(1.85g、75%)を得た。H NMR(CDCl)δ6.88(s,2H),5.61(m,1H),5.28(m,1H),4.16(m,1H),3.62(m,2H),2.32(s,6H),2.29(s,3H),1.11(m,21H)。
(実施例707)
Figure 2011503084
化合物706(671mg、1.35ミリモル)を無水THF(7.0mL)に溶解させた。THF中のTBAFの溶液(1.0M、1.4mL)を滴下して加えた。溶液を23℃で30分間撹拌し、水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を一緒にし、MgSOで乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の0〜30%EtOAcの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して707(417mg、91%)を得た。H NMR(CDCl)δ6.87(s,2H),5.44(t,J=5.8Hz,1H),5.32(dd,J=16.4,5.3Hz,1H),4.53(m,1H),3.68(1H,m),3.57(1H,m),2.99(1H,J=5.3Hz,1H),2.31(s,6H),2.28(3H,s)。
(実施例708)
Figure 2011503084
化合物707(420mg、1.23ミリモル)を無水DCM(10mL)に溶解させた。EtN(186mg、1.85ミリモル)およびMsCl(149mg、1.29ミリモル)を加えた。溶液を23℃で1時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を、100%DCMによるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して708(525mg、100%)を得た。H NMR (CDCl)δ6.89(s,2H),6.08(d,J=5.7Hz,0.5H),5.97(d,J=6.2Hz,0.5H),5.75(m,0.5H),5.37(dd,J=17.4,4.6Hz,0.5H),4.58(m,0.5H),4.35(m,0.5H),3.75(m,1H),3.65(m,1H),3.19(s,1.5H),3.12(s,1.5H),2.30(m,9H)。
(実施例709)
Figure 2011503084
パートA:
−アセチルシトシン(1.5g、9.6ミリモル)、(NHSO(6.3mg、0.05ミリモル)およびヘキサメチルジシラザン(15mL)を130℃で3時間加熱し、真空下で濃縮した。この残留物に、DCE(16mL)中の化合物708(1.3g、3.1ミリモル)の溶液を加え、続いてトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート(2.1g、9.6ミリモル)を加えた。溶液を95℃で15時間加熱した。反応混合物を冷却し、水でクエンチし、EtOAcで抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮して粗製708Aを得た。HPLC−MS t = 1.85分 (UV254 nm); 式C2122に対する質量計算値 476.16, 実測値 LCMS m/z 477.1 (M+H)。
パートB:
粗生成物708AをMeOH(5mL)に溶解させ、MeOH中のアンモニアの溶液(7N、10mL)を加えた。溶液を23℃で3時間撹拌し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、DCM中の0〜30%のMeOHによるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して709(1.3g、97%)を得た。HPLC−MS t = 1.75分 (UV254 nm); 式C1920に対する質量計算値 434.15, 実測値 LCMS m/z 435.1 (M+H)。
(実施例710)
Figure 2011503084
パートA:
化合物709(1.35g、3.11ミリモル)を無水ピリジン(15mL)に溶解させた。この溶液に、DMAP(3.6mg、0.03ミリモル)とBzCl(1.0mL、8.4ミリモル)を滴下して加えた。溶液を23℃で2時間撹拌し、5%NaHCOでクエンチし、EtOAcで抽出してNaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、ヘキサン中の0〜50%EtOAcによるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して710と711の混合物(989mg、59%)を得た。HPLC−MS t = 2.26分 (UV254 nm); 式C2624に対する質量計算値 538.18, 実測値 LCMS m/z 539.2(M+H)。
パートB:
100%MeOH(50mL/分、UV254nm)によるChiralcel ODカラム(5cmx50cm)を用いてパートAから得た混合物を分離して化合物710(t=43分、206mg)および711(t=36分、600mg)を得た。
710:H NMR (CDCl)δ8.97(br s,1H),7.93(brs,3H),7.72(br s,1H),7.64(dd,J=7.5,7.5Hz,1H),7.54(dd,J=8.0,7.5Hz,2H),6.90(s,2H),6.46(t,J=8.2Hz,1H),5.56(m,1H),4.34(m,1H),3,92(dd,J=13.8,3.2Hz,1H),3,72(dd,J=13.8,3.8Hz,1H),2.32(s,6H),2.30(s,3H);
711:H NMR(CDCl)δ8.87(br s,1H),7.90(brd,J=6.5Hz,2H),7.70(d,J=7.4Hz,1H),7.63(dd,J=7.5,7.5Hz,1H),7.58(br s,1H),7.52(dd,J=8.0,7.5Hz,2H),6.88(s,2H),6.66(dd,J=8.0,6.9Hz,1H),5.76(m,1H),4.60(m,1H),3.73(m,2H),2.29(s,3H),2.28(s,6H)。
(実施例712)
Figure 2011503084
化合物710(45mg、0.084ミリモル)を0.8mLのTHF/HO(6/1)に溶解させた。この混合物に、THF中のMePの溶液(0.66M、0.19mL)を滴下して加えた。溶液を23℃で30分間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を、DCM中の5〜10%MeOHによるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して712(29mg、67%)を得た。HPLC−MS t = 1.52分 (UV254 nm); 式C2626に対する質量計算値 512.19, 実測値 LCMS m/z 513.2 (M+H)。
(実施例713)
Figure 2011503084
パートA:
化合物712(10mg、0.02ミリモル)を無水THF(0.5mL)に溶解させた。この溶液に、1−ペンチルイソシアネート(6.8mg、0.06ミリモル)を加えた。溶液を23℃で2時間撹拌した。真空下で濃縮して粗製712Aを得た。HPLC−MS t = 2.16分 (UV254 nm); 式C3237に対する質量計算値 625.27, 実測値 LCMS m/z 626.2 (M+H)。
パートB:
粗生成物712AをMeOH(0.4mL)に溶解させた。KOH水溶液(5M、0.08mL)を加えた。溶液を23℃で19時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を、DCM中の20%MeOHによるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して713(3.8mg、51%)を得た。HPLC−MS t = 1.01分 (UV254 nm); 式C1523に対する質量計算値 375.17, 実測値 LCMS m/z 376.1 (M+H)。
(実施例714)
Figure 2011503084
化合物714を、実施例713で記載した手順を用いて調製した。HPLC−MS t = 1.14分 (UV254 nm); 式C1319に対する質量計算値 347.14, 実測値 LCMS m/z 348.1 (M+H)。
(実施例715)
Figure 2011503084
パートA:
化合物712(17mg、0.033ミリモル)を無水THF(0.5mL)に溶解させた。この溶液に、TEA(5.0mg、0.05ミリモル)および1−プロパンスルホニルクロリド(4.7mg、0.033ミリモル)を加えた。溶液を23℃で40分間撹拌し、EtOAcで希釈し、シリカゲル充てん物(plug)でろ過した。ろ液を真空下で濃縮して粗製712Bを得た。HPLC−MS t = 1.99分 (UV254 nm); 式C2932Sに対する質量計算値 618.20, 実測値 LCMS m/z 619.2 (M+H)。
パートB:
粗生成物712BをMeOH(0.5mL)に溶解させた。KOH水溶液(5M、0.14mL)を加えた。溶液を23℃で17時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を、DCM中の10〜15%MeOHによるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して715(4.5mg、37%)を得た。HPLC−MS t = 0.72分 (UV254 nm); 式C1218Sに対する質量計算値 368.10, 実測値 LCMS m/z 369.1 (M+H)。
(実施例720)
Figure 2011503084
パートA:
化合物30(305mg、0.65ミリモル)を無水DCM(5.4mL)に溶解させた。この溶液に、DCM中のデスマーチンペルヨージナン溶液(0.3M、2.4mL)を加えた。溶液を23℃で1時間撹拌し、12Gシリカゲルカラムにかけた。DCM中の0〜100%EtOAcで精製して346mgの生成物719を得た。HPLC−MS t = 1.48分 (UV254 nm); 式C2319に対する質量計算値 487.12, 実測値 LCMS m/z 488.0 (M+H)。
パートB:
生成物719を無水DCM(5.0mL)に溶解させた。0℃でのこの溶液に、アリルトリメチルシラン(0.52mL、3.25ミリモル)およびボロントリフルオリドジエチルエーテラート(0.41mL、3.25ミリモル)を加えた。溶液を0℃で3時間撹拌し、5%NaHCOでクエンチし、DCM(1x)およびEtOAc(2x)で抽出した。有機層を一緒にし、NaSOで乾燥させ、真空下で濃縮した。残留物を、DCM中の0〜100%EtOAcの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して720(221mg、67%)を得た。HPLC−MS t = 2.08分 (UV254 nm); 式C2623に対する質量計算値 511.16, 実測値 LCMS m/z 512.0 (M+H)。
(実施例721)
Figure 2011503084
化合物720(26mg、0.051ミリモル)にMeOH中のアンモニアの溶液(7N、1.0mL)を加えた。溶液を23℃で4時間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を、DCM中の0〜20%MeOHの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して721(15mg、97%)を得た。HPLC−MS t = 0.73分 (UV254 nm); 式C1215に対する質量計算値 303.10, 実測値 LCMS m/z 304.1 (M+H)。
(実施例722)
Figure 2011503084
化合物720(221mg、0.43ミリモル)を無水DCM(5.4mL)に溶解させた。この溶液に、TEA(0.12mL、0.86ミリモル)およびMsCl(60mg、0.52ミリモル)を加えた。溶液を23℃で1.5時間撹拌し、12Gシリカゲルカラムにかけた。ヘキサン中の0〜50%EtOAcの勾配で精製して722(232mg、92%)を得た。HPLC−MS t = 2.15分 (UV254 nm); 式C2725Sに対する質量計算値 589.13, 実測値 LCMS m/z 590.0 (M+H)。
(実施例723)
Figure 2011503084
化合物722(232mg、0.39ミリモル)を無水DMF(4mL)に溶解させた。この溶液に、NaN(520mg、8.0ミリモル)を加え、混合物を75℃で3時間加熱した。反応物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、ろ過した。ろ液を濃縮し、残留物を、ヘキサン中の0〜50%EtOAcの勾配によるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製して723(133mg、64%)を得た。HPLC−MS t = 2.17分 (UV254 nm); 式C2622に対する質量計算値 536.16, 実測値 LCMS m/z 537.1 (M+H)。
(実施例724)
Figure 2011503084
パートA:
化合物723(133mg、0.25ミリモル)を5mLのTHF/HO(6/1)に溶解させた。この混合物に、THF中のMePの溶液(0.66M、0.57mL)を滴下して加えた。溶液を23℃で45分間撹拌し、真空下で濃縮した。残留物を、DCM中の0〜10%MeOHによるシリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製してアミン生成物723A(81mg、64%)を得た。HPLC−MS t = 1.49分 (UV254 nm); 式C2624に対する質量計算値 510.17, 実測値 LCMS m/z 511.1 (M+H)。
パートB:
化合物724を、実施例721で先に記載した手順を用いて調製した。HPLC−MS t = 0.42分 (UV254 nm); 式C1216に対する質量計算値 302.12, 実測値 LCMS m/z 303.1 (M+H)。
(実施例725)
Figure 2011503084
パートA:
化合物726を、実施例721で記載した手順を用いて調製した。HPLC−MS t = 1.02分 (UV254 nm); 式C1317Sに対する質量計算値 381.08, 実測値 LCMS m/z 382.1 (M+H)。
パートB:
化合物726(15mg、0.039ミリモル)をMeOH(15mL)に溶解させた。溶液を、H−Cube水素化器(hydrogenator)中で、Pd/Cおよび水素(30バール)を用いて40℃で30分間処理した。溶媒を蒸発させて生成物727(12mg、80%)を得た。HPLC−MS t = 0.90分 (UV254 nm); 式C1319Sに対する質量計算値 383.10, 実測値 LCMS m/z 384.1 (M+H)。
パートC:
化合物728を、実施例723で記載した手順を用いて調製した。HPLC−MS t = 1.10分 (UV254 nm); 式C1216に対する質量計算値 330.13, 実測値 LCMS m/z 331.1 (M+H)。
パートD:
化合物725を、実施例723Aで記載した手順を用いて調製した。HPLC−MS t = 0.55分 (UV254 nm); 式C1218に対する質量計算値 304.13, 実測値 LCMS m/z 305.2 (M+H)。
アッセイ:
ホスホ−H2A.X(ser139)細胞ベースのアッセイ
このアッセイの目的は、本発明の化合物およびChk1阻害剤と共曝露された(co−exposed)、U20S細胞中のホスホ−H2AXのレベルを決定するためであった。このアッセイで使用した本発明の化合物を以下の表2に示す。
アッセイで使用したChk1阻害剤は以下に示すピラゾロピリミジン化合物である:
Figure 2011503084
材料
*U2OS細胞(週に2回1:6に分割)
*4.5g/LグルコースおよびL−グルタミンを含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)、Cellgro、カタログ番号10−013−CV
*ウシ胎仔血清(FBS)、HyClone、カタログ番号SH30071.03
*Hepes緩衝溶液(1M)。Gibco、カタログ番号15630−080
*MEM非必須アミノ酸(NEAA)混合物(100X)、BioWhittaker、カタログ番号13−114E
*ペニシリン/ストレプトマイシン L−グルタミン混合物、25,000U Pen/mL、25,000μg Strep/mL(4.5mL/バイアル)BioWhittaker、カタログ番号17−718R
*96ウェル黒色TCプレート、Perkin Elmer、カタログ番号6005182
*フルオレセインイソチオシアネート(FITC)結合抗ホスホ−ヒストンH2A.X(ser139)、Upstate カタログ番号16−202−A
*ヨウ化プロピジウム、Biocarta、パート#638
*20X TBST(800mL トリス−HCl pH7.4、1200mL 5M NaCl、40mL Tween20)
*70%エタノール(ETOH)
*ブロッキング緩衝液−DPBS中に3%BSA
*DABCO封入剤(2.33% 1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)Sigma、カタログ番号D2522、90%グリセロール、20mMトリス−HCl、pH8)。
アッセイ
1.96ウェル黒色TCプレート上に1×10細胞/ウェルを蒔き、24時間インキュベートする。
2.細胞を本発明の化合物に曝露して終夜滴定する。翌日1μM Chk1阻害剤(500nM最終)を列A〜Dに加え、培地を列E〜Hに加える。
化合物の希釈
本発明の化合物の希釈
a.500μMスタート:10μlの100mM化合物を2000μl DMEM+1%NEAA+1%hepes緩衝液+1%pen/strep+10%FBS(完全DMEM)に加える
***DMSOを一定に保持
完全DMEM+DMSOで9つの1:2連続希釈物を作製する
b.完全DMEMに希釈した化合物を1ウェルあたり100μl加える
(8ウェル/conc)
Chk1阻害剤の希釈
a.500nM Chk1阻害剤=2×の3μl 5mM Chk1阻害剤+15mL完全DMEMを作製する
b.培地で希釈したChk1阻害剤を1ウェルあたり100μl加え(4ウェル/conc)、100μLの完全DMEM+DMSOを加える
3.免疫蛍光分析のための細胞の固定および染色
a.培池を吸引除去する
b.100μL/ウェルの氷冷70%ETOHを用い、4℃で30分間〜1時間固定
c.70%ETOHを吸引除去する
d.100μL/ウェルのブロッキング緩衝液を加え、オービタルシェーカー上で室温で1時間インキュベートする
e.ブロッキング緩衝液を吸引除去する
f.ブロッキング緩衝液中に希釈した0.34μg/mL FITC結合抗ホスホ−ヒストンH2A.X(ser139)を200μL/ウェル加え、オービタルシェーカー上で4℃で終夜インキュベートする。抗体を含まない対照はブロッキング緩衝液のみである。
g.オービタルシェーカー上で室温で、1× TBSTを用いて2回それぞれ5分間洗浄する
h.100μLのヨウ化プロピジウム(PI)染色液(0.5μlの250μg/ml PI+100μL 1× TBST(ウェル当たり))を加え、オービタルシェーカー上で5分間インキュベートする
i.オービタルシェーカー上で室温で、1× TBSTで1回5分間洗浄する
j.50μLのDABCO封入剤を加える
k.免疫蛍光装備の顕微鏡でスライドを観察し、FITC陽性核をPI−陽性の核の総集団に対する割合として定量する。
Figure 2011503084
上記方法で測定し、0.001〜10μMの範囲のIC50値を有する本発明のいくつかの化合物例を以下の表2に示す:
Figure 2011503084
Figure 2011503084
アッセイ値によって上で実証したように、本発明の化合物は望ましい特性を示す。
本発明を、上記した具体的な実施形態と併せて記載してきたが、多くのその代替物、改変物および他の変更物が当業者に明らかであろう。そうしたすべての代替物、改変物および変更物は本発明の趣旨および範囲に包含されるものとする。

Claims (33)

  1. 次式:
    Figure 2011503084
    (式中、
    Gは、H、ハロまたはアルキルであり;
    Xは、H、F、ORおよびアルキルからなる群から選択され;
    Yは、H、F、ORおよびアルキルからなる群から選択され;
    Zは、O、NR、S、CRおよびSOからなる群から選択され;
    Rは、−アルキル、−アルケニル、−シクロアルキル、−アリール、−アルキルアリール、−ヘテロアリール、−アルキルヘテロアリール、ヘテロシクリル、−アルキルヘテロシクリル、−アルキル−C(O)Rおよび−アルキル−C(O)NRからなる群から選択され、前記アルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリルのそれぞれは、置換されていないか、または、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の基で任意選択で独立に置換されていてもよく、その各置換基は、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、−OR、−NR、−C(O)R、−C(O)ORおよびC(O)NRからなる群から独立に選択され;
    は、H、−アルキル、−アリールおよび−ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、置換されていないか、または、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の基で任意選択で独立に置換されていてもよく、それらの基は、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、−OR、−NR、C(O)RおよびC(O)NRからなる群から独立に選択され;
    は、−アルキル、−アリールおよび−ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アルキル、アリールおよびヘテロアリールのそれぞれは、置換されていないか、または、同じであっても異なっていてもよい1つもしくは複数の基で任意選択で独立に置換されていてもよく、それらの基は、ハロ、シアノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、ヘテロシクレニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、−OR、−NR、C(O)RおよびC(O)NRからなる群から独立に選択されるか、あるいは、
    NRまたは−C(O)NRR3のRおよびRは、前記NRのNと結合して前記Nを含む1〜3個のヘテロ原子を含む5〜8員ヘテロシクリル環を形成していてもよい)
    を有する化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグ。
  2. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rがアルコキシアルキル−である、請求項1に記載の化合物。
  3. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rがアルキルチオアルキル−である、請求項1に記載の化合物。
  4. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rがアミドアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  5. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rがヘテロシクリルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  6. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rがテトラヒドロフラニルアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  7. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rが部分:
    Figure 2011503084
    である、請求項1に記載の化合物。
  8. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNHであり、Rが部分:
    Figure 2011503084
    である、請求項1に記載の化合物。
  9. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rがメトキシメチル−である、請求項1に記載の化合物。
  10. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rがメチルチオエチル−である、請求項1に記載の化合物。
  11. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rが−CH−C(O)NHである、請求項1に記載の化合物。
  12. G、X、Y、Z、R、R、RおよびRが独立に選択され、さらに、G=Hであり、X=Y=Fであり、ZがNRであり、Rがテトラヒドロフラン−2−イルメチルである、請求項1に記載の化合物。
  13. 以下のものからなる群から選択される化合物
    Figure 2011503084
    Figure 2011503084
    Figure 2011503084
    または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグ。
  14. 治療有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と合わせて含む医薬組成物。
  15. チェックポイントキナーゼの1つまたは複数の阻害剤をさらに含む、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 前記チェックポイントキナーゼがチェックポイントキナーゼ1(Chk1)である、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記チェックポイントキナーゼがチェックポイントキナーゼ2(Chk2)である、請求項15に記載の組成物。
  18. 前記Chk1阻害剤が、ピラゾロピリミジンまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである、請求項16に記載の組成物。
  19. 前記Chk1阻害剤が、イミダゾピラジンまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである、請求項16に記載の組成物。
  20. 前記ピラゾロピリミジンが以下
    Figure 2011503084
    Figure 2011503084
    Figure 2011503084
    Figure 2011503084
    からなる群から選択されるピラゾロピリミジンまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである、請求項18に記載の組成物。
  21. 患者のチェックポイントキナーゼを調節する方法であって、治療有効量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグをその阻害を必要とする患者に投与する工程を含む、方法。
  22. 前記チェックポイントキナーゼがChk1である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記チェックポイントキナーゼがChk2である、請求項210に記載の方法。
  24. 癌を治療するかまたは癌の進行を遅延させる方法であって、治療有効量の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグをその治療を必要とする哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
  25. 癌を治療するかまたは癌の進行を遅延させる方法であって、治療有効量の請求項13に記載の組成物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグをその治療を必要とする哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
  26. 前記癌が、
    膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、頭頸部癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、頸部癌、甲状腺癌、前立腺癌および扁平上皮細胞癌を含む皮膚癌;
    白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、骨髄腫およびバーケットリンパ腫;
    急性および慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病;
    線維肉腫、横紋筋肉腫;
    星状細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫および神経鞘腫;
    メラノーマ、セミノーマ、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞状癌およびカポジ肉腫からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
  27. Figure 2011503084
    Figure 2011503084
    からなる群から選択される化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグ。
  28. 治療有効量の少なくとも1つの請求項13に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と合わせて含む医薬組成物。
  29. チェックポイントキナーゼの1つまたは複数の阻害剤をさらに含む、請求項28に記載の医薬組成物。
  30. 前記チェックポイントキナーゼがチェックポイントキナーゼ1(Chk1)である、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記チェックポイントキナーゼがチェックポイントキナーゼ2(Chk2)である、請求項29に記載の組成物。
  32. 前記Chk1阻害剤が、ピラゾロピリミジンまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである、請求項30に記載の組成物。
  33. 前記Chk1阻害剤が、イミダゾピラジンまたは薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである、請求項29に記載の組成物。
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