JP2011502513A - 癌患者における診断用途のための方法および組成物 - Google Patents

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    • C12Q2600/106Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism

Abstract

癌患者のために最適な臨床上の利益を与える可能性のある療法を特定するために有用な方法および組成物が、本明細書で開示される。例えば、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得る腎癌患者を特定する方法であって、該患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、参照試料と比較した、該患者から得た該試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、該患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す方法が提供される。

Description

(関連出願)
本願は、2007年11月9日に出願した米国仮出願第60/986,884号に対する優先権を主張する。米国仮出願第60/986,884号の内容は全て、本明細書中に参考として援用される。
(発明の分野)
本発明は、臨床転帰の予測および抗血管新生療法で治療した癌患者のモニターに有用な方法および組成物に関する。
(発明の背景)
癌は、ヒトの健康にとって最も致命的な脅威の1つである。米国単独で、癌は毎年約1,300,000人の新規患者を発生させ、心血管の疾患に次いで第2位の死因であり、約4人に1人の死の原因である。固形腫瘍は、それらの死の大部分の原因である。特定の癌の医療ではかなりの進歩があったが、すべての癌の全体の5年生存率は、過去20年で約10%しか改善されていない。癌または悪性腫瘍は転移し、制御されていない様式で急速に成長し、これが適時の検出および治療を極めて困難にしている。
癌タイプに応じて、患者は一般的に、化学療法、放射線および抗体ベースの薬剤を含めた、彼らに利用可能ないくつかの治療選択肢を有する。異なる治療レジメンからの臨床転帰を予測するのに有用な診断方法は、これらの患者の臨床管理に大いに役立つであろう。いくつかの研究が、例えば、突然変異特異的アッセイ、マイクロアレイ分析、qPCRなどによって、遺伝子発現と特定の癌タイプの同定との相関を探究した。そのような方法は、患者によって提示される癌の同定および分類に有用であろう。しかし、遺伝子発現の予測的または予後診断的価値と臨床転帰との相関について公知であることはもっと少ない。
したがって、癌患者の無進行生存期間などの治療転帰を予測するため、またはそのような治療の進行をモニターし、それによって各患者に最適な治療レジメンを選択するための客観的で再現性のある方法の必要性がある。
(発明の要旨)
本発明の方法は様々な状況で利用することができ、それらには、例えば、癌患者を治療する方法または薬剤開発過程における患者選定の補助、個々の患者を特定の治療レジメンで治療する場合の成功の可能性の予測、疾患進行の評価、治療効力のモニター、個々の患者の予後の判断、および特定の抗癌療法から利益を受ける個体の素因の評価が含まれる。
本発明は、一部、癌罹患患者における特定のバイオマーカーの発現レベルが、抗血管新生療法単独からの臨床上の利益の低減と相関するという発見に基づく。したがって、一態様では、本発明は、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得る癌患者を特定する方法であって、患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを検出する工程を含み、参照試料と比較した、試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現の増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す方法を提供する。一実施形態では、患者からの試料は、抗血管新生療法の前または開始時に得られる。
別の態様では、本発明は、抗血管新生療法に対する癌患者の応答性を予測する方法であって、患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを測定する工程を含み、参照試料と比較した、試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、患者が、抗血管新生療法単独に対して応答性である可能性がより低いことを示す方法を提供する。一実施形態では、患者からの試料は、抗血管新生療法の前または開始時に得られる。
本発明は、癌患者を治療する方法であって、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法を患者に投与する工程を含み、患者から得た試料は、参照試料と比較して、表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加を示す方法も提供する。一実施形態では、患者からの試料は、抗血管新生療法の前または開始時に得られる。
さらなる態様では、本発明は、癌患者のために個人用のゲノム解析プロフィールを作成する方法であって、患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを測定する工程と、発現レベルを参照試料中のそれぞれの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルと比較する工程と、そのような分析から得られるデータを要約する報告を作成する工程であり、上記報告が患者に対する抗血管新生療法単独の臨床上の利益の可能性の予測を含む工程とを含み、参照試料中の発現レベルと比較した、患者から得た試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法の臨床上の利益の可能性の増加を示す方法を提供する。一実施形態では、患者からの試料は、抗血管新生療法の前または開始時に得られる。
臨床上の利益は、様々なエンドポイント、例えば、速度の低下および完全な停止を含む疾患進行のある程度の阻害;疾患発症数および/または症状の減少;病変サイズの縮小;隣接する末梢器官および/または組織への病的細胞の浸潤の阻害(すなわち、減少、遅延または完全な阻止);疾患の広がりの阻害(すなわち減少、遅延または完全な阻止);病変の退縮または消失をもたらし得るが必ずしもそうではない、自己免疫応答の減少;障害に関連する1またはそれより多くの症状のある程度の軽減;治療後の無症候期の長さ、例えば無進行生存期間の増加;全生存期間の増加;より高い奏効率;および/または治療後の所与の時点における死亡率の低下を評価することによって測定することができる。
表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子と特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドを含むアレイを含むキットであって、抗血管新生療法単独に対する応答性を予測するためにアレイを用いるための説明書をさらに含み、参照試料中のそれぞれの遺伝子の発現レベルと比較した1またはそれより多くの遺伝子の発現の増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示すキットも提供される。
本発明は、表1に記載の2またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを検出することができる化合物のセットであって、参照試料と比較した、癌患者から得た試料中の、化合物のセットを用いて決定される2またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現の増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す、化合物のセットも提供する。一実施形態では、化合物のセットは、表1に記載の遺伝子または遺伝子産物のすべての発現レベルを検出することができる。化合物のセットは、例えば、ポリヌクレオチドまたはタンパク質であってもよい。一実施形態では、患者からの試料は、抗血管新生療法の前または開始時に得られる。
本発明は、抗血管新生療法による治療の進行をモニターするために有用なバイオマーカーの同定にも、一部基づく。したがって、本発明は、抗血管新生療法で治療される癌患者で治療の進行をモニターする方法であって、最初の腫瘍評価時に、患者から得た試料中で表2に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、抗血管新生療法の前または開始時に患者から得た試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルと比較した、最初の腫瘍評価時の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、抗血管新生療法単独の臨床上の利益が減少している素因を患者が有することを示す方法を提供する。
別の態様では、本発明は、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得る癌患者を特定する方法であって、最初の腫瘍評価時に、患者から得た試料中で表2に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、上記療法の前または開始時に患者から得た試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルと比較した、最初の腫瘍評価時の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現の増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す方法を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、癌患者を治療する方法であって、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法を患者に投与する工程を含み、患者から得た試料は、抗血管新生療法による治療の前または開始時に患者から得た試料と比較して、最初の腫瘍評価時の表2の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加を示す方法を提供する。
表2に記載の1またはそれより多くの遺伝子と特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドを含むアレイを含むキットであって、抗血管新生療法単独に対する応答性を検出するためにアレイを用いるための説明書をさらに含み、療法の前または開始時の1またはそれより多くの遺伝子の発現レベルと比較した、最初の腫瘍評価時の1またはそれより多くの遺伝子の発現の増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示すキットも提供される。
本発明は、表2に記載の2またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを検出することができる化合物のセットであって、抗血管新生療法の前または開始時に患者から得た試料と比較した、最初の腫瘍評価時の癌患者から得た試料中の、化合物のセットを用いて決定した2またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現の増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示すセットも提供する。一実施形態では、化合物のセットは、表2に記載の遺伝子または遺伝子産物のすべての発現レベルを検出することができる。化合物のセットは、例えば、ポリヌクレオチドまたはタンパク質であってもよい。
本発明の方法のいずれにおいても、試料は、組織もしくは細胞の試料でよく、または、血漿および/または血清から得てもよい。
一部の実施形態では、本発明の方法は、表1または2に記載の遺伝子のうち、最多ではすべてまで、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10または任意の数の発現レベルを決定する工程を含む。
一部の実施形態では、1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルは、核酸レベル、タンパク質レベル、またはタンパク質の分泌もしくは表面発現レベルで決定することができる。
本発明の方法の一部の実施形態では、癌は、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫および白血病である。そのような癌のより特定の例には、扁平上皮細胞癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌を含む)、腹膜の癌、肝細胞癌、胃もしくは腹部の癌(胃腸癌を含む)、膵臓癌、グリア芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌もしくは子宮癌、唾液腺癌、腎もしくは腎性癌、肝癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝臓癌および各種の頭頚部癌、ならびに、B細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非核切れ込み細胞NHL;大疾患NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連のリンパ腫;およびヴァルデンシュトレームマクログロブリン血症を含む);慢性リンパ球性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);毛様細胞性白血病;慢性骨髄芽球性白血病;ならびに、移植後リンパ球増殖性障害(PTLD)、加えて、母斑症、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)またはメイグス症候群に関連する異常な血管性増殖が含まれる。
一実施形態では、癌は腎細胞癌である。
本発明の方法は、それらに限定されないが、VEGF−AまたはVEGF−A受容体(例えば、KDR受容体またはFlt−1受容体)に対する抗体またはそのアンタゴニスト、Gleevec(商標)(イマチニブメシレート)などの抗PDGFR阻害剤などの抗血管新生剤の投与を含む、抗血管新生療法で実施することができる。抗血管新生剤には、天然の血管新生阻害剤、例えば、アンギオスタチン、エンドスタチンなども含まれる。例えば、Klagsbrun and D’Amore、Annu. Rev. Physiol.、53巻:217〜39頁(1991年);Streit and Detmar、Oncogene、22巻:3172〜3179頁(2003年)(例えば、表3は悪性黒色腫の抗血管新生療法を記載する);Ferrara & Alitalo、Nature Medicine5巻:1359〜1364頁(1999年);Toniniら、Oncogene、22巻:6549〜6556頁(2003年)(例えば、表2は公知の抗血管新生因子を記載する);および、Sato、Int. J. Clin. Oncol.、8巻:200〜206頁(2003年)(例えば、表1は臨床試験で用いられる抗血管新生剤を記載する)を参照。
一部の実施形態では、抗血管新生療法は、抗VEGF抗体の投与を含む。一部の実施形態では、抗VEGF抗体は、ベバジクマブ(bevazicumab)である。
(詳細な説明)
本発明の実施は、特に明記しない限り、当技術分野の範囲内である、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学および免疫学の従来の技術を使用する。そのような技術は、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、第2版(Sambrookら、1989年);「Oligonucleotide Synthesis」(M. J. Gait編、1984年);「Animal Cell Culture」(R. I. Freshney編、1987年);「Methods in Enzymology」(Academic Press, Inc.);「Current Protocols in Molecular Biology」(F. M. Ausubelら編、1987年、および定期更新);「PCR: The Polymerase Chain Reaction」、(Mullisら編、1994年)などの文献で詳細に説明される。
特に定義されていない場合は、本明細書使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。Singletonら、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology第2版、J. Wiley & Sons(New York、N.Y.1994年)およびMarch、Advanced Organic Chemistry Reactions, Mechanisms and Structure第4版、John Wiley & Sons(New York、N.Y.1992年)は、本出願で用いられる多くの用語の一般指針を当業者に提供する。
本明細書で引用する、特許出願および公報を含めたすべての参考文献は、それらの全体が参照により組み込まれる。
I.定義
本明細書で使用される場合、用語「アレイ」または「マイクロアレイ」は、基質の上のハイブリダイズすることが可能なアレイ要素、好ましくはポリヌクレオチドプローブ(例えば、オリゴヌクレオチド)の整列された配置を指す。基質は、ガラススライドなどの固体基質、またはニトロセルロース膜などの半固体基質であってよい。ヌクレオチド配列は、DNA、RNAまたはそれらの任意のパーミューテーション(permutation)であってよい。
本明細書で使用される場合、「標的配列」、「標的核酸」または「標的タンパク質」は、関心のポリヌクレオチドまたはタンパク質であり、その検出が望まれている。一般に、本明細書で使用される場合、「鋳型」は、標的ヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドである。ある場合には、用語「標的配列」、「鋳型DNA」、「鋳型ポリヌクレオチド」、「標的核酸」、「標的ポリヌクレオチド」およびそれらの変形形態は、互換的に用いられる。
本明細書で使用される場合、「増幅」は、一般に、所望の配列の複数のコピーを生成する過程を指す。「複数のコピー」は、少なくとも2つのコピーを意味する。「コピー」は、鋳型配列に対する完全な配列相補性または同一性を必ずしも意味しない。例えば、コピーには、デオキシイノシンなどのヌクレオチド類似体、意図的な配列変化(例えば、鋳型とハイブリダイズすることが可能であるが相補的でない配列を含むプライマーを通して導入される配列変化)、および/または増幅の間に出現する配列エラーを含めることができる。
例えば、第一の試料中の遺伝子、遺伝子産物、例えばタンパク質またはバイオマーカーの発現レベル/量が、第二の試料中の遺伝子、遺伝子産物、例えばタンパク質またはバイオマーカーの発現レベル/量よりも大きい場合、第一の試料中の遺伝子、タンパク質またはバイオマーカーの発現/量は、第二の試料中の発現/量と比較して増加する。発現レベル/量は、それらに限定されないが、mRNA、cDNA、タンパク質、タンパク質断片および/または遺伝子コピーを含む、当技術分野で公知である任意の適する基準に基づいて決定することができる。発現レベル/量は、定性的におよび/または定量的に決定することができる。一実施形態では、第一の試料中の遺伝子、遺伝子産物、例えばタンパク質またはバイオマーカーの発現レベル/量の増加は、第二の試料中のそれぞれの遺伝子、遺伝子産物、例えばタンパク質またはバイオマーカーの発現レベル/量の少なくとも約1.5倍、1.75倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、25倍、50倍、75倍または100倍である。一実施形態では、分析されるRNAまたはタンパク質の量および用いたRNAまたはタンパク質試料の質の変動性の両方の差について試料を正規化する。そのような正規化は、GAPDHなどの周知のハウスキーピング遺伝子を含めた、特定の正規化遺伝子の発現を測定し、組み込むことによって達成することができる。あるいは、正規化は、分析される遺伝子のすべてまたはその大きなサブセットの平均または中央値シグナルに基づくことができる(全体的正規化手法)。一遺伝子ごとに個別に、測定される患者腫瘍mRNAまたはタンパク質の正規量を、参照セットで見られる量と比較する。患者1人あたりの試験腫瘍ごとの各mRNAまたはタンパク質の正規化発現レベルは、参照セットで測定される発現レベルの割合として表すことができる。分析される特定の患者試料で測定される発現レベルは、当技術分野で周知の方法によって決定することができるなんらかのパーセンタイルでこの範囲内に入るであろう。
「検出」には、直接および間接的な検出を含む、任意の検出手段が含まれる。
本明細書で使用される場合、用語「試料」は、例えば物理的、生化学的、化学的および/または生理的特性に基づいて特徴づけおよび/または同定される細胞および/または他の分子実体を含む、関心の対象から得られるか誘導される組成物を指す。そのような試料には、患者から得た組織または細胞の試料が含まれる。試料は、血漿から得ることもできる。
「ポリヌクレオチド」または「核酸」は、本明細書では同義的に使用され、任意の長さのヌクレオチド重合体を指し、DNAおよびRNAが含まれる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチドもしくは塩基、および/またはそれらの類似体、または、DNAもしくはRNAポリメラーゼによって重合体に組み込むことができる任意の基質であってよい。ポリヌクレオチドは、修飾されたヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチド、およびそれらの類似体を含むことができる。それが存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、重合体の組み立ての前か後に加えることができる。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって中断されていてもよい。ポリヌクレオチドは、重合の後、例えば標識成分によるコンジュゲーションによって、さらに修飾されてもよい。他の型の修飾には、例えば、「キャップ」、類似体による1またはそれより多くの天然ヌクレオチドの置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、無荷電結合によるもの(例えば、メチルホスホネート、リン酸トリエステル、ホスホアミダート、カーバメートなど)、および荷電結合によるもの(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、ペンダント部分、例えばタンパク質(例えば、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、プライ−L−リジン(ply−L−lysine)など)を含むもの、インターカレータ(例えば、アクリジン、ソラレンなど)を有するもの、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化的金属など)を含むもの、アルキル剤を含むもの、修飾された結合を有するもの(例えば、αアノマー核酸など)、ならびにポリヌクレオチド(複数可)の非修飾形が含まれる。さらに、糖に通常存在するヒドロキシル基のいずれかを、例えばホスホン酸基、リン酸基で置換すること、標準の保護基によって保護すること、または、活性化して追加のヌクレオチドへの追加の結合を調製すること、または固体支持体にコンジュゲートさせることができる。5’および3’末端OHは、1〜20個の炭素原子のアミンまたは有機キャッピング基部分でリン酸化または置換することができる。他のヒドロキシルを、標準の保護基に誘導体化することもできる。ポリヌクレオチドは、一般に当技術分野で公知であるリボースまたはデオキシリボース糖の類似した形、例えば、2’−O−メチル−2’−O−アリル、2’−フルオロもしくは2’−アジド−リボース、炭素環式糖類似体、α−アノマー糖、エピマー糖、例えばアラビノース、キシロースもしくはリキソース、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体、および無塩基ヌクレオシド類似体、例えばメチルリボシドを含むこともできる。1またはそれより多くのホスホジエステル結合は、代替の連結基で置換することができる。これらの代替連結基には、それらに限定されないが、リン酸がP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、「(O)NR2(「アミダート」)、P(O)R、P(O)OR’、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)によって置換される実施形態が含まれるが、各RまたはR’は独立に、Hまたは、任意選択でエーテル(−O−)結合、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルまたはアラルジル(araldyl)を含んでいる置換されたもしくは非置換のアルキル(1〜20C)である。ポリヌクレオチド中のすべての結合が同一である必要はない。上の記載は、本明細書で言及される、RNAおよびDNAを含むすべてのポリヌクレオチドに適用される。
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」は、一般には一本鎖であり、一般には合成の短いポリヌクレオチドを一般に指し、それらは一般に長さが約200個未満のヌクレオチドであるが、必ずしもその必要はない。用語「オリゴヌクレオチド」および「ポリヌクレオチド」は、互いに排他的でない。ポリヌクレオチドに関する上の記載は、オリゴヌクレオチドにも等しく、完全に適用することができる。
「プライマー」は、一般に、標的配列とハイブリダイズすることによって関心の試料中に潜在的に存在する標的に結合し、その後標的に相補的であるポリヌクレオチドの重合を促進する、一般には遊離3’−OH基を有する短い一本鎖ポリヌクレオチドである。
本明細書で使用される場合、用語「バイオマーカー」は、遺伝子、タンパク質、炭水化物構造または糖脂質を含む分子を一般に指し、哺乳動物の組織または細胞におけるその発現は、標準の方法(または本明細書で開示される方法)によって検出することができ、血管新生の阻害に基づく治療レジメン、例えばVEGF特異的阻害剤などの抗血管新生剤に対する哺乳動物の細胞または組織の感受性を、予測、診断および/または予後診断するものである。任意選択で、そのようなバイオマーカーの発現は、対照/参照組織または細胞試料で観察されるものよりも高く決定される。そのようなバイオマーカーの発現は、Rules Based Medicine,Inc.またはMeso Scale Discoveryから市販されているものなどのハイスループット多重イムノアッセイを用いて決定することができる。バイオマーカーの発現は、例えば、PCRまたはFACSアッセイ、免疫組織化学的アッセイまたは遺伝子チップに基づくアッセイを用いて決定することもできる。
「組織または細胞試料」は、対象または患者の組織から得られる細胞集団を意味する。組織または細胞試料の取得源は、新鮮な、凍結および/または保存された器官または組織試料または生検材料または吸引液などからの固体組織;血液または任意の血液構成要素;脳脊髄液、羊水、腹膜液または間質液などの体液;対象の妊娠または発達の任意の時期からの細胞または血漿であってよい。組織試料は、初代もしくは培養細胞または細胞系であってもよい。任意選択で、組織または細胞試料は、癌性の組織/器官から得られる。組織試料は、防腐剤、抗凝血物質、緩衝剤、固定剤、栄養素、抗生物質などの、天然の組織とは天然で混合していない化合物を含むことができる。本明細書での目的のために、組織試料の「切片」は、組織試料の一部分または一小片、例えば組織試料から切り取られた組織または細胞の薄いスライスを意味する。
「相関する」または「相関している」は、いかなる方法であれ、第一の分析またはプロトコルの成績および/または結果を、第二の分析またはプロトコルの成績および/または結果と比較することを意味する。例えば、第一の分析またはプロトコルの結果を、第二のプロトコルを実施するために用いること、および/または第一の分析もしくはプロトコルの結果を、第二の分析もしくはプロトコルを実施するべきかどうか判断するために用いることができる。遺伝子発現の分析またはプロトコルの実施形態に関して、遺伝子発現の分析またはプロトコルの結果を、特定の治療レジメンを実施するべきかどうか判断するために用いることができる。
語「標識」は、本明細書で使用される場合、核酸プローブまたは抗体などの試薬に直接または間接にコンジュゲートまたは融合され、それがコンジュゲートまたは融合される試薬の検出を促進する化合物または組成物を指す。標識はそれ自体検出可能であってもよく(例えば、放射性同位体標識もしくは蛍光標識)、または、酵素標識の場合、検出可能な基質化合物もしくは組成物の化学変化を触媒することができる。
「天然配列」のポリペプチドは、天然に由来するポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。したがって、天然配列のポリペプチドは、任意の哺乳動物からの天然のポリペプチドのアミノ酸配列を有することができる。そのような天然配列のポリペプチドは、自然から単離することができ、または組換え手段もしくは合成手段によって生成することができる。用語「天然配列」のポリペプチドは、具体的には、天然の切断または分泌された形態のポリペプチド(例えば、細胞外ドメイン配列)、天然存在の変種形態(例えば、選択的スプライシングされた形態)およびポリペプチドの天然存在の対立遺伝子変種を包含する。
ポリペプチド「変種」は、天然配列ポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する、生物学的に活性なポリペプチドを意味する。そのような変種には、例えば、ポリペプチドのN末端またはC末端で、1またはそれより多くのアミノ酸残基が付加されている、または欠失しているポリペプチドが含まれる。通常、変種は、天然配列のポリペプチドと少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を、より好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性を有する。
「抗血管新生剤」または「血管新生阻害剤」は、血管新生、血管発生または望ましくない血管透過性を直接または間接に阻害する、小分子量物質、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、単離タンパク質、組換え体タンパク質、抗体またはそのコンジュゲート体もしくは融合タンパク質を指す。抗血管新生剤には、血管新生因子またはその受容体に結合し、その血管新生活性をブロックする薬剤が含まれることを理解すべきである。例えば、抗血管新生剤は、上で定義される血管新生因子に対する抗体または他のアンタゴニスト、例えば、VEGF−AまたはVEGF−A受容体(例えば、KDR受容体またはFlt−1受容体)に対する抗体、Gleevec(商標)(イマチニブメシレート)などの抗PDGFR阻害剤である。抗血管新生剤には、天然の血管新生阻害剤、例えば、アンギオスタチン、エンドスタチンなども含まれる。例えば、Klagsbrun and D’Amore、Annu. Rev. Physiol.、53巻:217〜39頁(1991年);Streit and Detmar、Oncogene、22巻:3172〜3179頁(2003年)(例えば、表3は悪性黒色腫の抗血管新生療法を記載する);Ferrara & Alitalo、Nature Medicine5巻:1359〜1364頁(1999年);Toniniら、Oncogene、22巻:6549〜6556頁(2003年)(例えば、表2は公知の抗血管新生因子を記載する);および、Sato、Int. J. Clin. Oncol.、8巻:200〜206頁(2003年)(例えば、表1は臨床試験で使用されている抗血管新生剤を記載する)を参照。
用語「VEGF」または「VEGF−A」は、それらの天然の対立遺伝子形態およびプロセシングされた形態と一緒に、Leungら、Science、246巻:1306頁(1989年)およびHouckら、Mol. Endocrin.、5巻:1806頁(1991年)によって記載される、165アミノ酸のヒト血管内皮細胞成長因子ならびに関連する121、189および206アミノ酸のヒト血管内皮細胞成長因子を指すものとして使用される。VEGF−Aは、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、VEGF−FおよびPIGFを含む遺伝子ファミリーの一部である。VEGF−Aは、主に2つの高親和性受容体チロシンキナーゼ、VEGFR−1(Flt−1)およびVEGFR−2(Flk−1/KDR)に結合し、後者は、VEGF−Aの血管内皮細胞***促進シグナルの主要な伝達物質である。さらに、ニューロピリン−1は、ヘパリン結合性VEGF−Aアイソフォームの受容体として同定され、血管の発達で役割を果たすことができる。用語「VEGF」または「VEGF−A」は、マウス、ラットまたは霊長類などの、ヒト以外の種からのVEGFも指す。特定の種からのVEGFは、ヒトVEGFについてはhVEGF、マウスのVEGFについてはmVEGFなどの用語で示されることもある。用語「VEGF」は、165アミノ酸のヒト血管内皮細胞成長因子のうちの、アミノ酸8〜109または1〜109を含む、ポリペプチドの切断型または断片を指すのにも使用される。そのようないかなるVEGFの形態への言及も、本出願では、例えば、「VEGF(8〜109)」、「VEGF(1〜109)」または「VEGF165」によって区別することができる。「切断された」天然のVEGFのアミノ酸位置は、天然のVEGF配列で示される通りに番号が付けられる。例えば、切断された天然のVEGF中のアミノ酸位置17(メチオニン)は、天然のVEGF中でも位置17(メチオニン)である。切断された天然のVEGFは、天然のVEGFと同等の、KDRおよびFlt−1受容体に対する結合親和性を有する。
「VEGF生物活性」には、任意のVEGF受容体または任意のVEGFシグナル伝達活性への結合、例えば、正常および異常両方における血管新生および血管発生の調節(Ferrara and Davis−Smyth(1997年)Endocrine Rev.18巻:4〜25頁;Ferrara(1999年)J. Mol. Med.77巻:527〜543頁);胚の血管発生および血管新生の促進(Carmelietら(1996年)Nature380巻:435〜439頁;Ferraraら(1996年)Nature380巻:439〜442頁);ならびに、女性の生殖管における周期的血管増殖ならびに骨成長および軟骨形成のための周期的血管増殖の調節(Ferraraら(1998年)Nature Med.4巻:336〜340頁;Gerberら(1999年)Nature Med.5巻:623〜628頁)が含まれる。血管新生および血管発生で血管新生因子であることに加えて、VEGFは、多面的成長因子として、内皮細胞生存、血管透過性および血管拡張、単球化学走性およびカルシウム流入などの他の生理過程で複数の生物効果を示す(Ferrara and Davis−Smyth(1997年)、前掲、およびCebe−SuarezらCell. Mol. Life Sci.63:601〜615頁(2006年))。さらに、最近の研究は、いくつかの非内皮細胞型、例えば網膜色素上皮細胞、膵管細胞およびシュワン細胞に及ぼすVEGFの***促進効果を報告している。Guerrinら(1995年)J. Cell Physiol.164巻:385〜394頁;Oberg−Welshら(1997年)Mol. Cell. Endocrinol.126巻:125〜132頁;Sondellら(1999年)J. Neurosci.19巻:5731〜5740頁。
「VEGF特異的アンタゴニスト」は、1またはそれより多くのVEGF受容体へのVEGFの結合を含めたVEGF活性を中和、ブロック、阻害、排除、低減または妨害することができる分子(ペプチジルまたは非ペプチジル)を指す。好ましくは、VEGF特異的アンタゴニストは、VEGFの発現レベルまたは生物活性を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上低減または阻害する。好ましくは、VEGF特異的アンタゴニストによって阻害されるVEGFは、VEGF(8〜109)、VEGF(1〜109)またはVEGF165である。本発明の方法で有用なVEGF特異的アンタゴニストには、VEGFに特異的に結合するペプチジルまたは非ペプチジル化合物、例えば、抗VEGF抗体およびその抗原結合性断片、VEGFに特異的に結合するポリペプチドもしくはその断片、ならびに、VEGFに特異的に結合し、それによって1またはそれより多くの受容体へのその結合を分離する受容体分子および誘導体(例えば、溶解性のVEGF受容体タンパク質もしくはそのVEGF結合性断片、またはキメラVEGF受容体タンパク質);VEGFポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも断片に相補的であるアンチセンス核酸塩基オリゴマー;VEGFポリペプチドをコードする核酸分子の少なくとも断片に相補的である小RNA;VEGFを標的にするリボザイム;VEGFに対するペプチボディ;ならびにVEGFアプタマーが含まれる。
「抗VEGF抗体」は、十分な親和性および特異性でVEGFに結合する抗体である。選択される抗体は、VEGFに対して十分に強い結合親和性を通常有し、例えば、抗体は100nM〜1pMのK値でhVEGFに結合することができる。抗体親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴に基づくアッセイ(例えば、PCT出願公開第WO2005/012359号に記載のBIAcoreアッセイ);酵素結合免疫吸着検定法(ELISA);および競合アッセイ(例えばRIAのもの)で決定することができる。好ましくは、本発明の抗VEGF抗体は、VEGF活性が関与する疾患または状態を標的にして妨害する治療剤として用いることができる。また、例えば治療薬としてのその有効性を評価するために、抗体を他の生物活性アッセイにかけることができる。そのようなアッセイは当技術分野で公知であり、標的抗原および抗体の用途によって決まる。例には、HUVEC阻害アッセイ(下の実施例に記載される);腫瘍細胞増殖阻害アッセイ(例えばWO89/06692に記載される);抗体依存性細胞毒性(ADCC)および補体媒介性細胞毒性(CDC)アッセイ(米国特許第5,500,362号);ならびに、アゴニスト活性または造血アッセイ(WO95/27062を参照)が含まれる。抗VEGF抗体は、VEGF−BまたはVEGF−Cなどの他のVEGF同族体にも、PIGF、PDGFまたはbFGFなどの他の成長因子にも通常結合しない。好ましい抗VEGF抗体には、ハイブリドーマATCC HB10709によって産生されるモノクローナル抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープに結合するモノクローナル抗体;それらに限定されないが、ベバシズマブ(BV;Avastin(登録商標))として公知である抗体を含む、Prestaら(1997年)Cancer Res.57巻:4593〜4599頁に従って作製される組換え体ヒト化抗VEGFモノクローナル抗体が含まれる。ベバシズマブは、突然変異ヒトIgG1フレームワーク領域と、ヒトVEGFがその受容体に結合するのをブロックするマウス抗hVEGFモノクローナル抗体A.4.6.1由来の抗原結合性相補性決定領域とを含有する。大部分のフレームワーク領域を含めた、ベバシズマブの約93%のアミノ酸配列はヒトIgG1に由来し、約7%の配列はマウス抗体A4.6.1に由来する。ベバシズマブは、約149,000ダルトンの分子質量を有し、グリコシル化されている。ベバシズマブおよび他のヒト化抗VEGF抗体は、2005年2月26日に発行された米国特許第6,884,879号にさらに記載されている。追加の好ましい抗体には、国際公開第2005/012359号に記載の、G6またはB20シリーズの抗体(例えば、G6−31、B20−4.1)が含まれる。追加の好ましい抗体については、米国特許第7,060,269号、6,582,959号、6,703,020号、6,054,297号;WO98/45332;WO96/30046;WO94/10202;EP0666868B1;米国特許出願公開第2006009360号、20050186208号、20030206899号、20030190317号、20030203409号および20050112126号;ならびに、Popkovら、Journal of Immunological Methods288巻:149〜164頁(2004年)を参照。他の好ましい抗体には、残基F17、M18、D19、Y21、Y25、Q89、I91、K101、E103およびC104を含んでいるか、あるいは、残基F17、Y21、Q22、Y25、D63、I83およびQ89を含んでいる、ヒトVEGF上の機能的エピトープに結合するものが含まれる。
用語「抗体」は、最も広い意味で用いられ、具体的には、モノクローナル抗体(完全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体、多重特異的抗体(例えば二重特異的抗体)、および、それらが所望の生物活性を示す限り、抗体断片を包含する。
「ブロッキング」抗体または抗体「アンタゴニスト」は、それが結合する抗原の生物活性を阻害または低減するものである。例えば、VEGF特異的アンタゴニスト抗体は、VEGFに結合して、血管内皮細胞増殖を誘導するVEGFの能力を阻害する。好ましい阻止抗体またはアンタゴニスト抗体は、抗原の生物活性を完全に阻害する。
特に明記しない限り、表現「多価抗体」は、本明細書を通して、3つ以上の抗原結合部位を含む抗体を表すものとして用いられる。多価抗体は、好ましくは3つ以上の抗原結合部位を有するように構築され、一般に、天然配列のIgMまたはIgA抗体ではない。
「Fv」断片は、完全な抗原認識および結合部位を含む抗体断片である。この領域は、密接に結合した1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインの二量体からなり、例えばscFvの場合、この結合は元から共有結合性であり得る。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用してV−V二量体の表面の抗原結合部位を規定するのは、この配置においてである。全体で、6つのCDRまたはそのサブセットが、抗体に対する抗原結合特異性を与える。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRだけを含むFvの半分)でさえも、抗原を認識して結合する能力を有するが、親和性は結合部位全体よりも通常低い。
本明細書で使用される場合、用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、少量存在することのある可能な自然突然変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原部位を標的とする。さらに、異なる決定因子(エピトープ)に対する異なる抗体を一般に含む従来の(ポリクローナル)抗体調製物と対照的に、各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定因子を標的とする。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られる抗体の特性を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とするものと解釈するべきではない。例えば、本発明に従って用いられるモノクローナル抗体は、Kohlerら、Nature256巻:495頁(1975年)によって最初に記載されたハイブリドーマ法によって作製することができ、または、組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号を参照)によって作製することができる。「モノクローナル抗体」は、例えばClacksonら、Nature、352巻:624〜628頁(1991年)およびMarksら、J. Mol. Biol.、222巻:581〜597頁(1991年)に記載の技術を用いて、ファージ抗体ライブラリーから分離することもできる。
本明細書で、具体的にモノクローナル抗体には、重鎖および/または軽鎖の一部は、特定の種に由来するか特定の抗体群またはサブクラスに属する抗体の対応配列と同一であるか相同であり、鎖の残りは、別の種に由来するか別の抗体群またはサブクラスに属する抗体の対応配列と同一であるか相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、ならびに、それらが所望の生物活性を示す限り、そのような抗体の断片が含まれる(米国特許第4,816,567号;およびMorrisonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA81巻:6851〜6855頁(1984年))。
ヒト以外(例えば、マウス)の抗体の「ヒト化」形態は、ヒト以外の免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含むキメラ抗体である。大部分は、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有する、ヒト以外の種、例えば、マウス、ラット、ウサギまたはヒト以外の霊長類の超可変領域からの残基(ドナー抗体)によって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、対応するヒト以外の残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体およびドナー抗体で見られない残基を含むことができる。これらの改変は、さらに抗体能力を洗練するために加えられる。一般には、ヒト化抗体は、超可変ループのすべてまたは実質的にすべてがヒト以外の免疫グロブリンのそれらに対応し、FR領域のすべてまたは実質的にすべてがヒト免疫グロブリン配列のそれらである、少なくとも1つ、一般的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含む。ヒト化抗体は、任意選択で、免疫グロブリン定常領域(Fc)、一般的にはヒト免疫グロブリンのそれの少なくとも一部も含む。詳しくは、Jonesら、Nature321巻:522〜525頁(1986年);Riechmannら、Nature332巻:323〜329頁(1988年);およびPresta、Curr. Op. Struct. Biol.2巻:593〜596頁(1992年)を参照。
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のそれに対応するアミノ酸配列、および/または本明細書で開示されるヒト抗体の作製のための技術のいずれかを用いて作製されたアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、ヒト以外の抗原結合性残基を含むヒト化抗体を明確に除外する。ヒト抗体は、当技術分野で公知である様々な技術を用いて産生され得る。一実施形態では、ヒト抗体はファージライブラリーから選択され、そのファージライブラリーはヒト抗体を発現する(VaughanらNature Biotechnology14巻:309〜314頁(1996年):SheetsらProc. Natl. Acad. Sci.95巻:6157〜6162頁(1998年);Hoogenboom and Winter、J. Mol. Biol.、227巻:381頁(1991年);Marksら、J. Mol. Biol.、222巻:581頁(1991年))。ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座をトランスジェニックの動物、例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的または完全に不活性化されたマウスに導入することによって作製することもできる。抗原投与後、ヒト抗体産生が観察され、それは、遺伝子転位、アセンブリーおよび抗体レパートリーを含むあらゆる点において、ヒトで見られるそれに極めて類似する。この手法は、例えば、米国特許第5,545,807号;5,545,806号;5,569,825号;5,625,126号;5,633,425号;5,661,016号、および以下の学術的刊行物に記載されている:Marksら、Bio/Technology10巻:779〜783頁(1992年);Lonbergら、Nature368巻:856〜859頁(1994年);Morrison、Nature368巻:812〜13頁(1994年);Fishwildら、Nature Biotechnology14巻:845〜51頁(1996年);Neuberger、Nature Biotechnology14巻:826頁(1996年);Lonberg and Huszar、Intern. Rev. Immunol.13巻:65〜93頁(1995年)。あるいは、ヒト抗体は、標的抗原に対する抗体を産生するヒトBリンパ球の不死化を通して調製することができる(そのようなBリンパ球は、個体から回収することができるか、またはインビトロで免疫化されていてもよい)。例えば、Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R. Liss、77頁(1985年);Boernerら、J. Immunol.、147巻(1号):86〜95頁(1991年);および、米国特許第5,750,373号を参照。
「単離された」ポリペプチドまたは「単離された」抗体は、その天然環境の成分から同定、分離および/または回収されたものである。その天然環境の混入成分は、ポリペプチドまたは抗体の診断的使用または治療的使用を妨害するであろう物質であり、例には、酵素、ホルモンおよび他のタンパク性もしくは非タンパク性の溶質を含めることができる。好ましい実施形態では、ポリペプチドまたは抗体は、(1)ローリー法によって決定してポリペプチドまたは抗体の95重量%超、最も好ましくは99重量%超まで、(2)スピニングカップシークエネーターの使用によってN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、あるいは(3)クーマシーブルーまたは、好ましくは銀染色を用いて、還元または非還元条件下でSDS−PAGEにより均一になるまで精製される。組換え細胞内のインサイツのポリペプチドまたは抗体は、このポリペプチドの天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないであろうので、単離されたポリペプチドまたは抗体に包含される。しかし、通常、単離されたポリペプチドまたは抗体は、少なくとも1つの精製工程によって調製されるであろう。
本明細書で使用される場合、「治療」は、治療する個体または細胞の自然の過程を変化させる試みにおける臨床上の介入を指し、予防のために、または臨床病理の過程で実施することができる。治療の望ましい効果には、疾患の出現または再発を予防すること、症状の緩和、疾患のいかなる直接的もしくは間接的な病理学的結果の軽減、疾患進行速度の低下、疾患状態の改善もしくは緩和、および寛解または予後の改善が含まれる。一部の実施形態では、本発明の方法および組成物は、疾患または障害の進行を遅らせる試みで有用である。
「有効量」は、必要な投薬量および期間で、所望の治療結果または予防結果を達成するのに有効な量を指す。治療剤の「治療的有効量」は、個体の疾患状態、年齢、性別および重量、ならびに個体で所望の応答を引き出す抗体の能力などの因子によって変動し得る。また、治療的有効量は、治療剤の有毒もしくは有害な影響よりも治療上有益な影響が上回るものである。「予防的有効量」は、必要な投薬量および期間で、所望の予防結果を達成するのに有効な量を指す。必要ではないが一般的に、予防的投与は、疾患の前または早期の段階に対象で用いられるので、予防的有効量は治療的有効量よりも少ない。前癌、良性、早期または後期腫瘍の場合、血管新生阻害剤の治療的有効量は、癌細胞数を減少させること;原発腫瘍サイズを低減させること;末梢器官への癌細胞の浸潤を阻害すること(すなわち、ある程度遅らせること、好ましくは停止させること);腫瘍転移を阻害すること(すなわち、ある程度遅らせること、好ましくは停止させること);ある程度腫瘍増殖を阻害すること;および/またはこの障害に関連する1またはそれより多くの症状をある程度軽減することができる。薬剤が増殖を予防することおよび/または既存の癌細胞を死滅させることができる限り、それは、細胞増殖抑止剤および/または細胞傷害剤であることができる。癌療法については、例えばインビボの効力は、生存期間、疾患進行までの時間(TTP)、奏効率(RR)、応答の持続時間および/または生活の質を評価することによって測定することができる。
「短い無進行生存期間」は、最初の腫瘍評価時の進行を指す。癌または腫瘍のタイプにより、第一回目の腫瘍評価は、治療開始から約4、3、2または1ヵ月後に行われる。最初の腫瘍評価のタイミングは、特定の疾患の進行の速さ次第である。一実施形態では、腎臓癌の最初の腫瘍評価の時期は、抗癌療法の開始から56日後である。
用語「癌」および「癌性」は、哺乳動物における、一般的に無秩序な細胞増殖を特徴とする生理的状態を指すか、記載する。この定義には、良性および悪性の癌が含まれる。癌の例には、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫および白血病が含まれるが、これらに限定されない。そのような癌のより特定の例には、扁平上皮細胞癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌を含む)、腹膜の癌、肝細胞癌、胃もしくは腹部の癌(胃腸癌を含む)、膵臓癌、グリア芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌もしくは子宮癌、唾液腺癌、腎もしくは腎性癌、肝癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝臓癌および各種の頭頚部癌、ならびに、B細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度非核切れ込み小細胞NHL;大疾患NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連のリンパ腫;および、ヴァルデンシュトレームマクログロブリン血症を含む);慢性リンパ球性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);毛様細胞性白血病;慢性骨髄芽球性白血病;および移植後リンパ球増殖性障害(PTLD)、ならびに、母斑症、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)およびメイグス症候群に関連する異常な血管増殖が含まれる。
「対象」または「患者」は、それらに限定されないが、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物、例えばウシ、ウマ、イヌ、ヒツジまたはネコなどを含む哺乳動物を意味する。好ましくは、対象または患者は、ヒトである。
用語「抗癌療法」は、癌の治療で有用な療法を指す。抗癌治療剤の例には、それらに限定されないが、例えば、化学療法剤、増殖阻害剤、細胞傷害剤、放射線療法で使用される薬剤、抗血管新生剤、アポトーシス性の薬剤、抗チューブリン剤、および癌を治療する他の薬剤、例えば抗HER−2抗体、抗CD20抗体、上皮成長因子受容体(EGFR)アンタゴニスト(例えば、チロシンキナーゼ阻害剤)、HER1/EGFR阻害剤(例えばエルロチニブ(Tarceva(商標)))、血小板由来の成長因子阻害剤(例えば、Gleevec(商標)(イマチニブメシレート))、COX−2阻害剤(例えば、セレコキシブ)、インターフェロン、サイトカイン、以下の標的、ErbB2、ErbB3、ErbB4、PDGFR−β、BlyS、APRIL、BCMAまたはVEGF受容体(複数可)の1つまたは複数に結合するアンタゴニスト(例えば、中和抗体)、TRAIL/Apo2、ならびに他の生体活性剤および有機化学薬剤、その他が含まれる。それらの組合せも、本発明に含まれる。
用語「抗血管新生療法」は、抗血管新生剤の投与を含む、血管新生の阻害に有用な療法を指す。
本明細書で使用される場合、用語「細胞傷害剤」は、細胞の機能を阻害もしくは阻止する物質および/または細胞破壊を引き起こす物質を指す。この用語は、放射性同位体(例えばI131、I125、Y90およびRe186)、化学療法剤、および毒素、例えば細菌、真菌、植物または動物起源の酵素活性毒素、またはそれらの断片を含むものとする。
「化学療法剤」は、癌の治療で有用な化合物である。化学療法剤の例には、癌の治療で有用である化合物が含まれる。化学療法剤の例には、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミドなどのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのアルキルスルホン酸;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパおよびウレドーパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロロメラミンを含むエチレンイミンおよびメチルメラミン;アセトゲニン(特にブラタシンおよびブラタシノン);カンプトセシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189およびCB1−TM1を含む);エロイテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、酸化メクロレタミン塩酸、メルファラン、ノベンビキン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチンおよびラニムヌスチンなどのニトロソウレア;エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンガンマ1IおよびカリケアマイシンオメガI1(例えば、Agnew、Chem Intl. Ed. Engl.、33巻:183〜186頁(1994年)を参照);ダイネマイシンAを含むダイネマイシン;クロドロナートなどのビスホスホネート;エスペラマイシン;ならびに、ネオカルジノスタチン発色団および関連する色素タンパクエンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)ドキソルビシン(モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシンを含む)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキセートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗物質;デノプテリン、メトトレキセート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクシウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸などの葉酸補助剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デホファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルホルニチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン;マイタンシンおよびアンサマイトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products、Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2毒素、ベラクリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、TAXOL(登録商標)パクリタキセル(Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、N.J.)、ABRAXANE(商標)無クレモホル、パクリタキセル(アメリカの医薬用のパートナー、Schaumberg、Illinois)のアルブミン工作ナノ粒子製剤およびTAXOTERE(登録商標)ドキセタキセル(Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France);クロラムブシル;GEMZAR(登録商標)ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキセート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)ビノレルビン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;キセローダ;イバンドロネート;イリノテカン(Camptosar、CPT−11)(5−FUおよびロイコボリンとのイリノテカンの治療レジメンを含む);トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;カペシタビン;コンブレタスタチン;ロイコボリン(LV);オキサリプラチン治療レジメン(FOLFOX)を含むオキサリプラチン;細胞増殖を減少させるPKC−α、Raf、H−Ras、EGFR(例えば、エルロチニブ(Tarceva(商標)))およびVEGF−Aの阻害剤、ならびに薬学的に許容される上記のいずれかの塩、酸または誘導体が含まれる。
この定義には、腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害する働きをする抗ホルモン剤、例えば、抗エストロゲンおよび選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)、例えばタモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストンおよびFARESTON・トレミフェン;副腎でエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)メゲストロールアセテート、AROMASIN(登録商標)エクセメスタン、ホルメスタニエ、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)ボロゾール、FEMARA(登録商標)レトロゾールおよびARIMIDEX(登録商標)アナストロゾール;ならびに、抗アンドロゲン、例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリドおよびゴセレリン;ならびに、トロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖に関係するシグナル伝達経路で遺伝子の発現を阻害するもの、例えばPKC−α、RafおよびH−Ras;リボザイム、例えばVEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標)リボザイム)およびHER2発現阻害剤;遺伝子治療ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチンおよびVAXID(登録商標)ワクチンなどのワクチン;PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;LURTOTECAN(登録商標)トポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;ビノレルビンおよびエスペラマイシン(米国特許第4,675,187号を参照)、ならびに薬学的に許容される上記のいずれかの塩、酸または誘導体も含まれる。
「放射線治療」は、正常に機能するその能力を制限するか細胞を全破壊するために、細胞に十分な損傷を誘導するための、誘導されたγ線またはβ線の使用を意味する。治療の投薬量および期間を決定するために、当技術分野で公知である多くの方法があることはいうまでもない。一般的な治療は、1回投与として与えられ、一般的な線量は、1日につき10〜200単位(グレイ)の範囲内である。
「低減または阻害」することは、参照と比較して、活性、機能および/または量を低下または低減させることである。「低減または阻害」することは、好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上、最も好ましくは75%、85%、90%、95%またはそれ以上の全体的低下を引き起こす能力を意味する。低減または阻害することは、治療する障害の症状、転移の存在もしくはサイズ、原発性腫瘍のサイズ、または血管新生障害における血管のサイズもしくは数に言及することができる。
用語「診断」は、分子または病理の状態、疾患もしくは状態の同定、例えば癌の同定、または、特定の治療レジメンから利益を受け得る癌患者の特定を指すものとして、本明細書で用いられる。用語「予後診断」は、抗癌療法から臨床上の利益を受ける可能性の予測を指すものとして、本明細書で用いられる。用語「予測」は、患者が特定の抗癌療法に有利にまたは不利に応答する可能性を指すものとして、本明細書で用いられる。一実施形態では、予測はそれらの応答の程度に関する。一実施形態では、予測は、患者が、治療、例えば特定の治療剤による治療の後に、疾患再発のない一定期間、生存または改善するかどうか、および/またはその可能性に関する。本発明の予測方法は、任意の特定の患者に最も適当な治療様式を選択することによって、治療決定を下すために、臨床的に用いることができる。本発明の予測方法は、治療レジメン、例えば所与の治療レジメン、例えば、所与の治療剤もしくは組合せの投与、外科的介入、ステロイド治療、その他の投与に患者が有利に応答する可能性があるか、または、治療レジメンの後に患者の長期生存の可能性があるかどうかを予測することにおいて、価値あるツールである。
「患者応答」は、それらに限定されないが、(1)遅延および完全停止を含む疾患進行のある程度の阻害;(2)病変サイズの縮小;(3)隣接する末梢器官および/または組織への病的細胞の浸潤の阻害(すなわち、減少、遅延または完全な阻止);(4)疾患拡張の阻害(すなわち、減少、遅延または完全な阻止);(5)障害に関連する1またはそれより多くの症状のある程度の軽減;(6)治療後の無症候期の長さの増加;および/または(8)治療後の所与の時点における死亡率の低下を含む、患者の利益を示す任意のエンドポイントを用いて評価することができる。
用語「長期生存」は、治療処置の後の少なくとも1年、5年、8年または10年の生存期間を指すものとして、本明細書で用いられる。
II.血管新生阻害剤
抗血管新生剤には、それらに限定されないが、以下の薬剤が含まれる:VEGF−特異的アンタゴニスト、EGF阻害剤、EGFR阻害剤、TIE2阻害剤、IGF1R阻害剤、COX−II(シクロオキシゲナーゼII)阻害剤、MMP−2(マトリックス−メタロプロテイナーゼ2)阻害剤、およびMMP−9(マトリックス−メタロプロテイナーゼ9)阻害剤などのVEGF阻害剤、CP−547,632(Pfizer Inc.、NY、USA)、Axitinib(Pfizer Inc.;AG−013736)、ZD−6474(AstraZeneca)、AEE788(Novartis)、AZD−2171)、VEGF Trap(Regeneron/Aventis)、Vatalanib(別名PTK−787、ZK−222584:Novartis & Schering AG)、Macugen(ペガプタニブオクタナトリウム、NX−1838、EYE−001、Pfizer Inc./Gilead/Eyetech)、IM862(Kirkland、Wash.、USAのCytran Inc.);ならびに、血管酵素、Ribozyme(Boulder、Colo.)およびChiron(Emeryville、Calif.)からの合成リボザイム、およびその組合せ。VEGF阻害剤は、米国特許第6,534,524号および6,235,764号に開示され、これらは両方とも全体としてすべての目的のために組み込まれる。
VEGF特異的アンタゴニストは、VEGFに結合し、VEGF発現レベルを低減させるか、または、1またはそれより多くのVEGF受容体へのVEGFの結合およびVEGF媒介性の血管新生および内皮細胞生存もしくは増殖を含む、VEGF生物活性を中和、ブロック、阻害、阻止、低減もしくは妨害することができる分子を指す。本発明の方法で有用なVEGF特異的アンタゴニストには、VEGFに特異的に結合するポリペプチド、抗VEGF抗体およびその抗原結合性断片、VEGFに特異的に結合し、それによって、1またはそれより多くの受容体へのその結合を分離する受容体分子および誘導体、融合タンパク質(例えば、VEGF−Trap(Regeneron))ならびにVEGF121−ゲロニン(Peregrine)が含まれる。VEGF特異的アンタゴニストには、VEGFポリペプチドのアンタゴニスト変種、VEGFを標的とするアンチセンス核酸塩基オリゴマー、VEGFを標的とする小RNA分子、VEGFに対するRNAアプタマー、ペプチボディおよびリボザイムも含まれる。これらのそれぞれの例を、下に記載する。
抗VEGF抗体などのVEGF阻害剤には、VEGFに十分な親和性および特異性で結合し、VEGFの生物活性を低減または阻害することができる、任意の抗体またはその抗原結合性断片が含まれる。抗VEGF抗体は、VEGF−BまたはVEGF−Cなどの他のVEGF同族体にも、PIGF、PDGFまたはbFGFなどの他の成長因子にも通常結合しない。好ましい抗VEGF抗体には、それらに限定されないが、ベバシズマブ(BV;Avastin(登録商標))として公知である抗体を含む、ハイブリドーマATCC HB 10709;上記Prestaら(1997年)に従って作製される組換えヒト化抗VEGFモノクローナル抗体によって産生されるモノクローナル抗VEGF抗体A4.6.1と同じエピトープに結合するモノクローナル抗体が含まれる。ベバシズマブは、突然変異ヒトIgG1フレームワーク領域と、ヒトVEGFがその受容体に結合するのをブロックするマウス抗hVEGFモノクローナル抗体A.4.6.1由来の抗原結合性相補性決定領域とを含有する。ベバシズマブおよび他のヒト化抗VEGF抗体は、2005年2月26日に発行された米国特許第6,884,879号にさらに記載される。追加の好ましい抗体には、国際公開第2005/012359号に記載のG6またはB20シリーズの抗体(例えば、G6−31、B20−4.1)が含まれる。追加の好ましい抗体については、米国特許第7,060,269号、6,582,959号、6,703,020号、6,054,297号;WO98/45332;WO96/30046;WO94/10202;EP0666868B1;米国特許出願公開第2006009360号、20050186208号、20030206899号、20030190317号、20030203409号および20050112126号;ならびに、Popkovら、Journal of Immunological Methods288巻:149〜164頁(2004年)を参照。他の好ましい抗体には、残基F17、M18、D19、Y21、Y25、Q89、I91、K101、E103およびC104を含んでいるか、あるいは、残基F17、Y21、Q22、Y25、D63、I83およびQ89を含んでいる、ヒトVEGF上の機能的エピトープに結合するものが含まれる。
最もよく特徴が分かっている2つのVEGF受容体は、VEGFR1(別名Flt−1)およびVEGFR2(マウスの相同物については別名KDRおよびFLK−1)である。各VEGFファミリー構成員に対する各受容体の特異性は様々であるが、VEGF−Aは、Flt−1およびKDRの両方に結合する。完全長Flt−1受容体は、7つのIgドメインを有する細胞外ドメインと、膜貫通ドメインと、チロシンキナーゼ活性を有する細胞内ドメインとを含む。細胞外ドメインはVEGFとの結合に関与し、細胞内ドメインはシグナル伝達に関与する。
VEGFに特異的に結合するVEGF受容体分子、またはその断片は、VEGFタンパク質に結合してそれを分離し、それによってそのシグナル伝達を阻止するVEGF阻害剤として用いることができる。好ましくは、VEGF受容体分子またはそのVEGF結合性断片は、sFlt−1などの溶解性の形態である。受容体の溶解性の形態は、VEGFに結合し、それによって標的細胞の表面に存在するその天然の受容体への結合を阻止することによって、VEGFタンパク質の生物活性に阻害作用を発揮する。VEGF受容体融合タンパク質も含まれ、その例を下に記載する。
キメラVEGF受容体タンパク質は、少なくとも2つの異なるタンパク質であって、その少なくとも1つは、VEGFに結合してその生物活性を阻害することができるVEGF受容体タンパク質(例えば、flt−1またはKDR受容体)であるタンパク質に由来するアミノ酸配列を有する受容体分子である。好ましくは、本発明のキメラVEGF受容体タンパク質は、2つの異なるVEGF受容体分子だけに由来するアミノ酸配列からなる。しかし、flt−1および/またはKDR受容体の細胞外リガンド結合性領域からの1、2、3、4、5、6つ、または全7つのIg様ドメインを含むアミノ酸配列は、他の無関係なタンパク質、例えば免疫グロブリン配列由来のアミノ酸配列に連結することができる。Ig様ドメインに結合する他のアミノ酸配列は、当業者に容易に明らかになる。好ましいキメラVEGF受容体タンパク質の例には、溶解性のFlt−1/Fc、KDR/FcまたはFLt−1/KDR/Fc(別名VEGF Trap)が含まれる。(例えば、PCT出願公開第WO97/44453号を参照)。
本発明の溶解性のVEGF受容体タンパク質またはキメラVEGF受容体タンパク質には、膜貫通ドメインを通して細胞の表面に固定されていないVEGF受容体タンパク質が含まれる。このように、キメラ受容体タンパク質を含むVEGF受容体の溶解性の形態は、VEGFに結合してそれを不活性化することができるが、膜貫通ドメインを含まず、したがって一般に、その分子が発現される細胞の細胞膜に結合しない。
追加のVEGF阻害剤は、例えばWO99/24440、PCT国際出願PCT/IB99/00797、WO95/21613、WO99/61422、米国特許第6,534,524号、米国特許第5,834,504号、WO98/50356、米国特許第5,883,113号、米国特許第5,886,020号、米国特許第5,792,783号、米国特許第6,653,308号、WO99/10349、WO97/32856、WO97/22596、WO98/54093、WO98/02438、WO99/16755およびWO98/02437に記載され、これらの全部は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
III.本発明の方法
本発明は、癌を治療するための抗血管新生療法の臨床上の利益の減少に相関する特異的バイオマーカーの同定に一部基づく。したがって、開示される方法およびアッセイは、癌患者を治療するために適当であるか有効な療法の評価で有用なデータおよび情報を得るための、便利で、効率的で、おそらく費用効果が高い手段を提供する。例えば、組織もしくは細胞試料を得るために癌患者に生検を実施すること、および、表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子の発現が対照もしくは参照試料と比較して増加するかどうかを判断するために、試料を様々なインビトロアッセイによって検査することができよう。発現の増加が検出される場合、おそらく、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受けるであろう。したがって、本発明は、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得る癌患者を特定する方法であって、患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、参照試料と比較した、患者から得た試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す方法を提供する。本発明は、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法による治療の適合性を判断するために、癌患者をスクリーニングする方法であって、患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、参照試料と比較した患者から得た試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す方法も提供する。本発明は、抗血管新生療法に対する癌患者の応答性を予測する方法であって、患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、参照試料と比較した、患者から得た試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、患者が、抗血管新生療法単独に対して応答性である可能性がより低いことを示す方法をさらに提供する。癌患者を治療する方法であって、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法を患者に投与する工程を含み、患者から得た試料は、参照試料と比較して、表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加を示す方法も提供される。
抗血管新生療法の進行をモニターするのに有用なバイオマーカーも同定されている。したがって、本発明は、抗血管新生療法で治療される癌患者で治療の進行をモニターする方法であって、最初の腫瘍評価時に、患者から得た試料中で表2に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、抗血管新生療法の前または開始時に患者から得た試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルと比較した、最初の腫瘍評価時の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、抗血管新生療法単独の臨床上の利益が減少している素因を患者が有することを示す方法を提供する。本発明は、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法が有益であろう癌患者を特定する方法であって、最初の腫瘍評価時に、患者から得た試料中で表2に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、療法の前または開始時に患者から得た試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルと比較した、最初の腫瘍評価時の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現の増加は、患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す方法も提供する。本発明は、癌患者を治療する方法であって、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法を患者に投与する工程を含み、患者から得た試料は、抗血管新生療法による治療の前または開始時に患者から得た試料と比較して、最初の腫瘍評価時に表2の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加を示す方法をさらに提供する。
本発明の方法は、癌患者に関係する。癌は、例えば、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫および/または白血病であってよい。そのような癌のより特定の例には、扁平上皮細胞癌、肺癌(小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺腺癌、肺扁平上皮癌を含む)、腹膜の癌、肝細胞癌、胃もしくは腹部の癌(胃腸癌を含む)、膵臓癌、グリア芽細胞腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌もしくは子宮癌、唾液腺癌、腎もしくは腎性癌、肝癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝臓癌および各種の頭頚部癌、ならびに、B細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽球性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度非核切れ込み小細胞NHL;大疾患NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連のリンパ腫;および、ヴァルデンシュトレームマクログロブリン血症を含む);慢性リンパ球性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);毛様細胞性白血病;慢性骨髄芽球性白血病;および移植後リンパ球増殖性障害(PTLD)、ならびに、母斑症、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)またはメイグス症候群に関連する異常な血管増殖が含まれる。一実施形態では、癌は腎細胞癌である。
標的バイオマーカーを含む試料は、当技術分野で周知であり、関心の癌の特定のタイプおよび位置に適当である方法によって得ることができる。癌組織の代表的な小片を得るために、組織生検がしばしば用いられる。あるいは、関心の癌細胞を含むことが公知であるか含むと考えられる組織/流体の形で、細胞を間接的に得ることができる。例えば、癌病変試料は、切除、気管支鏡検査法、微細針吸引、気管支擦過法によって、または痰、胸膜液もしくは血液から得ることができる。遺伝子または遺伝子産物は、癌もしくは腫瘍組織から、または、尿、痰、血清または血漿などの他の体試料から検出することができる。癌試料中の標的遺伝子または遺伝子産物の検出のために上で述べた同じ技術を、他の体試料に適用することができる。癌細胞は癌病変から取り出すことができ、また、そのような体試料に出現する。そのような体試料をスクリーニングすることによって、これらの癌のために簡単な早期診断を達成することができる。さらに、標的遺伝子または遺伝子産物についてそのような体試料を検査することによって、療法の進行をより容易にモニターすることができる。
癌細胞のために組織調製物を濃縮する手段は、当技術分野で公知である。例えば、パラフィンまたはクライオスタット切片から組織を単離することができる。フローサイトメトリーまたはレーザー捕捉顕微手術によって、癌細胞を正常な細胞から分離することもできる。これらの技術、ならびに癌細胞を正常な細胞から分離する他の技術は、当技術分野で周知である。癌組織に正常な細胞が多く混入している場合、シグナチュア遺伝子またはタンパク質発現プロフィールの検出はより困難であろうが、混入および/または偽陽性/陰性結果を最小にする技術が公知であり、そのいくつかを下の本明細書で記載する。例えば、関心の癌細胞に関連するが対応する正常な細胞には関連しないこと、またはその逆が公知であるバイオマーカーの存在について、試料を評価することもできる。
本発明の方法では、哺乳動物の組織または細胞試料を得、1またはそれより多くのバイオマーカーの発現について調べる。試料中の様々なバイオマーカーの発現は、いくつかの方法によって分析することができ、その多くは当技術分野で公知であり、当業者によって理解され、その例には、それらに限定されないが、免疫組織化学分析および/またはウェスタンブロット分析、免疫沈降、分子結合アッセイ、ELISA、ELIFA、蛍光標示式細胞分取(FACS)など、定量的な血液ベースのアッセイ(例えば血清ELISA)(例えば、タンパク質発現レベルを評価するために)、生化学酵素活性アッセイ、インサイツハイブリダイゼーション、ノーザン分析および/またはmRNAのPCR分析、ならびに、遺伝子および/または組織アレイ分析によって実施することができる、多種多様なアッセイのいずれか1つが含まれる。遺伝子および遺伝子産物の状態を評価するための一般的なプロトコルが、例えばAusubelら編、1995年、Current Protocols In Molecular Biology、ユニット2(ノーザンブロッティング)、4(サザンブロッティング)、15(イムノブロッティング)および18(PCR分析)で見られる。Rules Based MedicineまたはMeso Scale Discovery(MSD)から入手可能なものなどの、多重化イムノアッセイを用いることもできる。
本発明の一部の実施形態では、試料中での標的タンパク質の発現は、免疫組織化学および染色プロトコルを用いて調べられる。組織切片の免疫組織化学的染色は、試料中のタンパク質の存在を検査または検出する信頼できる方法であることが示された。免疫組織化学(「IHC」)技術は、一般に発色法または蛍光法によって、インサイツで細胞の抗原をプロ−ビングし視覚化するために、抗体を利用する。
試料調製のために、哺乳動物(一般的にヒト患者)からの組織または細胞の試料を用いることができる。試料の例には、組織生検材料、血液、肺吸引液、痰、リンパ液、血漿などが含まれるが、これらに限定されない。試料は、それらに限定されないが、外科的摘出、吸引または生検を含む、当技術分野で公知である様々な方法によって得ることができる。組織は新鮮でも冷凍されたものでもよい。一実施形態では、試料はパラフィンなどに固定および包埋される。
組織試料は、従来の方法によって固定(すなわち、保存)することができる(例えば、「Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology」、第3版(1960年)Lee G. Luna、HT (ASCP)編、The Blakston Division McGraw−Hill Book Company、New York;The Armed Forces Institute of Pathology Advanced Laboratory Methods in Histology and Pathology(1994年)Ulreka V. Mikel編、Armed Forces Institute of Pathology、American Registry of Pathology、Washington、D.C.を参照)。当業者は、固定剤の選択が、その試料を組織学的に染色する目的、さもなければ分析する目的によって決定されることを理解しよう。当業者は、固定時間の長さが、組織試料のサイズおよび用いる固定剤によって決まることも理解しよう。例として、試料を固定するために、中性緩衝ホルマリン、ブアン溶液またはパラホルムアルデヒドを用いることができる。
一般に、試料を先ず固定し、次に濃度上昇するシリーズのアルコールを通して脱水し、組織試料を切片にすることができるようにパラフィンまたは他の切片媒体で浸潤および包埋した。あるいは、組織を切片化し、得られた切片を固定してもよい。例として、従来の方法(例えば、上記の「Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology」を参照)によって、組織試料をパラフィンに包埋して処理することができる。用いることができるパラフィンの例には、Paraplast、BroloidおよびTissuemayが含まれるが、これらに限定されない。組織試料を包埋したならば、試料をミクロトームなどで切片化することができる(例えば、上記の「Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology」を参照)。この方法の例として、切片の厚さは約3ミクロン〜約5ミクロンの範囲内でよい。切片にしたならば、いくつかの標準の方法によって切片をスライドに付着させることができる。スライド接着剤の例には、シラン、ゼラチン、ポリ−L−リジンなどが含まれるが、これらに限定されない。例として、パラフィン包埋切片は、正電荷スライドおよび/またはポリ−L−リジンをコーティングしたスライドに付着させることができる。
パラフィンを包埋材料として用いた場合、組織切片は一般に脱パラフィンされ、水に再水和される。組織切片は、いくつかの従来の標準方法によって脱パラフィンすることができる。例えば、キシレンおよび徐々に濃度下降するシリーズのアルコールを用いることができる(例えば、上記の「Manual of Histological Staining Method of the Armed Forces Institute of Pathology」を参照)。あるいは、Hemo−De7(CMS、Houston、Texas)などの市販の脱パラフィン化非有機薬剤を用いることができる。
任意選択で、試料調製の後に、IHCを用いて組織切片を分析することができる。IHCは、形態学的染色および/または蛍光インサイツハイブリダイゼーションなどの追加の技術と組み合わせて実施することができる。IHCの2つの一般的な方法、すなわち直接および間接アッセイが、利用可能である。第一のアッセイによると、標的抗原に対する抗体の結合は、直接決定される。この直接アッセイは、蛍光タグまたは酵素標識一次抗体などの標識試薬を用い、それは、さらなる抗体相互作用なしに視覚化することができる。一般的な間接アッセイでは、コンジュゲートしていない一次抗体は抗原に結合し、次に、標識二次抗体が一次抗体に結合する。二次抗体が酵素標識にコンジュゲートされる場合、抗原の視覚化を提供するために、発色性または蛍光発生性の基質が加えられる。いくつかの二次抗体が一次抗体の上の異なるエピトープと反応することができるので、シグナル増幅が起こる。
一般的に、免疫組織化学のために用いられる一次および/または二次抗体は、検出可能な部分で標識される。多くの標識が利用可能であり、それらは一般に以下のカテゴリーに分類することができる:
(a)35S、14C、125I、Hおよび131Iなどの放射性同位体。
抗体は、例えばCurrent Protocols in Immunology、第1巻および2巻、Coligenら編、Wiley−Interscience、New York、New York, Pubs.(1991年)に記載の技術を用いて、放射性同位体で標識することができ、放射活性はシンチレーション計数によって測定することができる。
(b)コロイド金粒子。
(c)それらに限定されないが、希土類キレート(ユウロピウムキレート)、テキサスレッド、ローダミン、フルオレセイン、ダンシル、リサミン、ウンベリフェロン、フィコクリセリン、フィコシアニン、または、SPECTRUM ORANGE7およびSPECTRUM GREEN7などの市販の蛍光団、および/または上の任意の一つまたは複数の誘導体を含む蛍光標識。蛍光標識は、例えば上記のCurrent Protocols in Immunologyに開示されている技術を用いて、抗体にコンジュゲートさせることができる。蛍光は、蛍光光度計を用いて定量化することができる。
(d)様々な酵素基質標識が利用可能であり、米国特許第4,275,149号はこれらのいくつかのレビューを提供している。酵素は、一般に、様々な技術を用いて測定することができる、発色性基質の化学的改質を触媒する。例えば、酵素は基質の変色を触媒することができ、それは、分光測光法で測定することができる。あるいは、酵素は、基質の蛍光または化学発光を変化させることができる。蛍光の変化を定量化する技術は、上に記載されている。化学発光基質は化学反応によって電気的に励起され、次に、(例えば、化学ルミノメータを用いて)測定することができるか、蛍光受容体にエネルギーを付与する光を放射することができる。酵素標識の例には、ルシフェラーゼ(例えば、蛍ルシフェラーゼおよび細菌性ルシフェラーゼ;米国特許第4,737,456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン、リンゴ酸脱水素酵素、ウレアーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)などのペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖類オキシダーゼ(例えば、グルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼおよびグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ)、複素環式オキシダーゼ(例えばウリカーゼおよびキサンチンオキシダーゼ)、ラクトペルオキシダーゼ、ミクロペルオキシダーゼなどが含まれる。酵素を抗体にコンジュゲートさせる技術は、O’Sullivanら、Methods for the Preparation of Enzyme−Antibody Conjugates for use in Enzyme Immunoassay、Methods in Enzym.(編集者J. Langone & H. Van Vunakis)、Academic press、New York、73巻:147〜166頁(1981年)に記載されている。
酵素基質の組合せの例には、例えば、以下のものが含まれる:
(i)色素前駆体(例えば、オルソフェニレンジアミン(OPD)または3,3’,5,5’テトラメチルベンジジン塩酸(TMB))を酸化させる水素ペルオキシダーゼを基質とする西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO);
(ii)パラニトロフェニルリン酸を発色性基質とするアルカリホスファターゼ(AP);および
(iii)発色性基質(例えば、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシダーゼ)または蛍光原基質(例えば、4−メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシダーゼ)を有するβ−D−ガラクトシダーゼ(β−D−Gal)。
他の多くの酵素基質の組合せが、当業者に利用可能である。これらの一般的なレビューについては、米国特許第4,275,149号および4,318,980号を参照。時に、標識は抗体に間接的にコンジュゲートされる。当業者は、これを達成するための様々な技術を認識するであろう。例えば、抗体はビオチンとコンジュゲートさせることができ、上で指摘した標識の4つの広範カテゴリーのいずれでもアビジンとコンジュゲートさせることができ、またはその逆も可能である。ビオチンはアビジンに選択的に結合し、したがって、この間接的な方法で標識を抗体とコンジュゲートさせることができる。あるいは、抗体と標識との間接的なコンジュゲーションを達成するために、抗体を小さなハプテンとコンジュゲートさせ、上で指摘した異なるタイプの標識のうちの1つを、抗ハプテン抗体とコンジュゲートさせる。このように、抗体と標識との間接的なコンジュゲーションを達成することができる。
上で述べた試料調製手順とは別に、IHCより前、その間、またはその後の、組織切片のさらなる処理が望ましいことがある。例えば、クエン酸緩衝剤での組織試料の加熱などのエピトープ回収方法を実施することができる(例えば、LeongらAppl. Immunohistochem.4巻(3号):201頁(1996年)を参照)。
任意選択のブロッキング工程の後に、一次抗体が組織試料中の標的タンパク質抗原に結合するように、組織切片を十分な時間および好適条件下で一次抗体に曝露させる。これを達成するための適当な条件は、通常の実験で決定することができる。試料に抗体を結合させる程度は、上で述べた検出可能な標識のいずれか1つを用いて決定される。好ましくは、標識は、3,3’−ジアミノベンジジン発色体などの発色性基質の化学変化を触媒する酵素標識(例えばHRPO)である。好ましくは、酵素標識は、一次抗体に特異的に結合する抗体にコンジュゲートされる(例えば、一次抗体はウサギポリクローナル抗体であり、二次抗体はヤギ抗ウサギ抗体である)。このように調製される検体をマウントし、カバーガラスを被せることができる。次に、例えば顕微鏡を用いてスライド評価を判定し、当技術分野で通常用いられる染色強度基準を使用することができる。
代替法では、試料を前記バイオマーカーに特異的な抗体と、抗体−バイオマーカー複合体の形成、次に、前記複合体の検出に十分な条件下で接触させることができる。バイオマーカーの存在は、血漿または血清を含む多種多様の組織および試料を検査するための、ウェスタンブロット法およびELISA法などのいくつかの方法で検出することができる。そのようなアッセイフォーマットを用いる広範囲にわたるイムノアッセイ技術が利用可能であり、例えば、米国特許第4,016,043号、4,424,279号および4,018,653号を参照。これらには、非競合型の1部位アッセイおよび2部位アッセイすなわち「サンドイッチ」アッセイの両方、ならびに従来の競合結合アッセイにおけるものが含まれる。これらのアッセイには、標的バイオマーカーに対する標識抗体の直接結合も含まれる。
サンドイッチアッセイは、最も有用で普通に用いられるアッセイの1つである。サンドイッチアッセイ技術のいくつかの変形形態が存在し、すべては本発明によって包含されるものとする。簡潔には、一般的な前方アッセイでは、非標識抗体を固体基質上に固定化し、試験試料を結合分子と接触させる。適するインキュベーション期間の後、抗体−抗原複合体を形成させるのに十分な時間、検出可能なシグナルを生成することができるリポーター分子で標識された、抗原に特異的な二次抗体を次に加え、インキュベートし、抗体−抗原−標識抗体の別の複合体の形成に十分な時間を与える。いかなる未反応物質も洗い流し、抗原の存在を、リポーター分子によって生成されるシグナルの観察によって判定する。結果は、視覚シグナルの単純観察により定性的であってもよく、または既知量のバイオマーカーを含有する対照試料と比較することにより定量的であってもよい。
前方アッセイの変形形態には、試料および標識抗体の両方を同時に結合抗体に加える同時アッセイが含まれる。これらの技術は、容易に明らかになる任意の軽微な変形を含め、当業者に周知である。一般的な前方サンドイッチアッセイでは、バイオマーカーに対する特異性を有する第一の抗体を、固体表面に共有結合的に、または受動的に結合させる。固体表面は一般的にガラスまたはポリマーであり、最も一般的に用いられるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリプロピレンである。固体支持体は、チューブ、ビーズ、マイクロプレートディスク、または、イムノアッセイを実行するのに適する他の任意の表面の形態であってよい。結合方法は周知の技術であり、一般に、架橋共有結合または物理的吸着からなり、ポリマー−抗体複合体は検査試料の準備のために洗浄される。次に、検査する試料の一定分量を固体相複合体に加え、抗体に存在するいかなるサブユニットも結合させるのに十分な時間(例えば2〜40分、またはより好都合であれば一晩)および適する条件下(例えば、包括的に、室温から40℃、例えば25℃〜32℃)でインキュベートする。インキュベーション期間の後、抗体サブユニット固体相を洗浄し、乾燥させ、バイオマーカーの一部に特異的な二次抗体とインキュベートする。分子マーカーへの二次抗体の結合を示すために用いられるリポーター分子に、二次抗体を連結する。
代替法は、試料中の標的バイオマーカーを固定し、次に、リポーター分子で標識してもしなくてもよい特異的抗体に固定化標的を曝露させることを含む。標的の量およびリポーター分子シグナルの強度により、結合した標的は、抗体による直接標識によって検出することができよう。あるいは、第一の抗体に特異的である二次標識抗体を、標的−一次抗体複合体に曝露させ、標的−一次抗体−二次抗体三級複合体を形成する。複合体は、リポーター分子によって放射されるシグナルによって検出される。本明細書で使用される場合、「リポーター分子」は、その化学的性質によって、抗原結合抗体の検出を可能にする分析的に識別可能なシグナルを提供する分子を意味する。この種のアッセイで最も一般的に用いられるリポーター分子は、酵素、蛍光団または放射性核種含有分子(すなわち放射性同位体)および化学発光分子である。
酵素イムノアッセイの場合、一般にグルタルアルデヒドまたは過ヨウ素酸塩によって、酵素は二次抗体にコンジュゲートされる。しかし、容易に認識されるように、多種多様な異なるコンジュゲーション技術が存在し、それらは当業者に容易に利用できる。通常用いられる酵素には、とりわけ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、−ガラクトシダーゼおよびアルカリホスファターゼが含まれる。一般的に、特異的酵素と用いられる基質は、対応する酵素による加水分解の際に、検出可能な変色の生成のために選択される。適する酵素の例には、アルカリホスファターゼおよびペルオキシダーゼが含まれる。上記の発色性基質と異なり、蛍光産物を産する蛍光原基質を使用することも可能である。すべての場合において、酵素標識抗体を第一の抗体−分子マーカー複合体に加え、結合させ、次に過剰な試薬を洗い流す。次に、適当な基質を含む溶液を、抗体−抗原−抗体複合体に加える。基質は二次抗体に連結されている酵素と反応して定性的視覚シグナルを与え、それは、通常分光測光法によってさらに数量化して、試料中に存在するバイオマーカーの量の指標を与えることができる。あるいは、フルオレセインおよびローダミンなどの蛍光化合物を、それらの結合能力を変化させることなく、抗体に化学的に結合することができる。特定の波長の光による照射で活性化されると、蛍光色素標識抗体は光エネルギーを吸着し、分子内で励起状態を誘導し、その後、光顕で視覚的に検出可能である特徴的な色の光を放出する。EIAのように、第一抗体−分子マーカー複合体に蛍光標識抗体を結合させる。未結合の試薬を洗い落とした後に、残っている三級複合体を適当な波長の光に次に曝露させるが、観察される蛍光は、関心の分子マーカーの存在を示す。免疫蛍光検査およびEIA技術の両方は、当技術分野で高度に確立されている。しかし、放射性同位体、化学発光分子または生物発光分子などの他のリポーター分子を使用することもできる。
上記技術は、表1または2に記載の標的遺伝子の1またはそれより多くの発現を検出するために使用することができることも企図される。
本発明の方法は、表1または2に記載の1またはそれより多くの標的遺伝子のmRNAの、組織もしくは細胞試料における存在および/または発現を調べるプロトコルをさらに含む。細胞中のmRNAの評価方法は周知であり、その例には、例えば、相補的DNAプローブを用いるハイブリダイゼーションアッセイ(例えば、表1または2に記載の1またはそれより多くの遺伝子に特異的な標識リボプローブを用いるインサイツハイブリダイゼーション、ノーザンブロットおよび関連技術)、ならびに様々な核酸増幅アッセイ(例えば、表1または2に記載の1またはそれより多くの遺伝子に特異的な相補的プライマーを用いるRT−PCR、および、例えば、分枝状DNA、SISBA、TMAなどの他の増幅型の検出方法)が含まれる。
哺乳動物からの組織または細胞試料は、ノーザン、ドットブロットまたはPCR分析を用いて、mRNAについて都合よくアッセイすることができる。例えば、定量的PCRアッセイなどのRT−PCRアッセイは、当技術分野で周知である。本発明の例示的な実施形態では、生体試料中の標的mRNAを検出する方法は、少なくとも1つのプライマーを用いて逆転写によって試料からcDNAを生成すること;標的ポリヌクレオチドをセンスおよびアンチセンスプライマーとして用いてそのように生成されたcDNAを増幅し、その中の標的cDNAを増幅すること;および、増幅された標的cDNAの存在を検出することを含む。さらに、そのような方法は、生体試料中の標的mRNAのレベルの決定を可能にする1またはそれより多くの工程を含むことができる(例えば、アクチンファミリー構成員などの「ハウスキーピング」遺伝子の比較対照mRNA配列のレベルを同時に調べることによって)。任意選択で、増幅された標的cDNAの配列を決定することができる。
本発明の任意選択の方法は、マイクロアレイ技術により、組織または細胞試料中の標的mRNAなどのmRNAを検査または検出するプロトコルを含む。核酸マイクロアレイを用いて、試験組織試料および対照組織試料からの試験および対照mRNA試料を逆転写し、標識して、cDNAプローブを生成する。次に、プローブを、固体支持体の上に固定した核酸アレイとハイブリダイズさせる。アレイは、アレイの各構成員の配列および位置が分かるように構成される。例えば、その発現が抗血管新生療法の臨床上の利益の増加または減少に相関する遺伝子セレクションを、固体支持体上にアレイにすることができる。特定のアレイ構成員を有する標識プローブのハイブリダイゼーションは、そのプローブが由来する試料がその遺伝子を発現することを示す。罹病組織の差別的遺伝子発現分析は、有益な情報を提供することができる。マイクロアレイ技術は、単一の実験で数千個の遺伝子のmRNA発現プロフィールを評価するために、核酸ハイブリダイゼーション技術およびコンピューティング技術を利用する。(例えば、2001年10月11日に公開されたWO01/75166を参照;アレイ製造の議論については、例えば、米国特許第5,700,637号、米国特許第5,445,934号および米国特許第5,807,522号、Lockart、Nature Biotechnology、14巻:1675〜1680頁(1996年);Cheung, V.G.ら、Nature Genetics21巻(補遺):15〜19頁(1999年)を参照)。DNAマイクロアレイは、ガラスまたは他の基質の上に直接に合成されるかスポットされる遺伝子断片を含んでいる、小型のアレイである。通常、数千個の遺伝子が、単一のアレイで提供される。一般的なマイクロアレイ実験は、以下の工程を含む:1)試料から単離されたRNAからの蛍光標識標的の調製、2)マイクロアレイへの標識標的のハイブリダイゼーション、3)アレイの洗浄、染色およびスキャン、4)スキャン画像の分析、および5)遺伝子発現プロフィールの生成。現在、2つの主な型のDNAマイクロアレイ、すなわち、オリゴヌクレオチド(通常25量体〜70量体)アレイおよび、cDNAから調製されるPCR産物を含む遺伝子発現アレイが用いられている。アレイの形成では、オリゴヌクレオチドを前もって作り、表面にスポットするか、表面に直接に合成する(インサイツ)ことができる。
Affymetrix GeneChip(登録商標)系は、ガラス表面でのオリゴヌクレオチドの直接合成によって作られたアレイを含む、市販のマイクロアレイ系である。プローブ/遺伝子アレイ:通常25量体のオリゴヌクレオチドを、半導体ベースの写真平版および固体相化学合成技術の組合せによって、ガラスウエハーの上に直接に合成する。各アレイは、最高400,000個の異なるオリゴを含み、各オリゴは数百万のコピー数で存在する。オリゴヌクレオチドプローブはアレイの上の既知の場所で合成されるので、ハイブリダイゼーションパターンおよびシグナル強度は、Affymetrix Microarray Suiteソフトウェアによって、遺伝子同一性および相対発現レベルに関して解釈することができる。各遺伝子は、一連の異なるオリゴヌクレオチドプローブによってアレイの上に表される。各プローブ対は、完全マッチオリゴヌクレオチドおよびミスマッチオリゴヌクレオチドからなる。完全マッチプローブは、特定の遺伝子に正確に相補的な配列を有し、したがって遺伝子の発現の尺度となる。ミスマッチプローブは中心塩基位置の1塩基置換によって完全マッチプローブと異なり、標的遺伝子転写産物の結合を妨げる。このことは、完全マッチオリゴについて測定されるシグナルに寄与する、バックグラウンドおよび非特異的なハイブリダイゼーションの決定を助ける。Microarray Suiteソフトウェアは、各プローブセットの絶対的または特異的強度値を決定するために、ミスマッチプローブのハイブリダイゼーション強度を完全マッチプローブのそれらから差し引く。プローブは、Genbankおよび他のヌクレオチドリポジトリーからの現在の情報に基づいて選択される。配列は、遺伝子の3’末端の特異な領域を認識すると考えられている。一度に最高64個のアレイのハイブリダイゼーションを実行するために、GeneChip Hybridization Oven(「回転焼き(rotisserie)」オーブン)を用いる。流体工学ステーションは、プローブアレイの洗浄および染色を実行する。それは完全に自動化されており、4つのモジュールを含み、各モジュールは1つのプローブアレイを保持する。各モジュールは、プログラムされた流体工学プロトコルを用いて、Microarray Suiteソフトウェアによって独立に制御される。スキャナは、プローブアレイに結合する標識cRNAによって放射される蛍光強度を測る、共焦レーザー蛍光スキャナである。Microarray Suiteソフトウェアを有するコンピュータワークステーションは、流体工学ステーションおよびスキャナを制御する。Microarray Suiteソフトウェアは、プローブアレイのためにプログラムされたハイブリダイゼーション、洗浄、染色プロトコルを用いて、最高で8つの流体工学ステーションを制御することができる。また、ソフトウェアは、ハイブリダイゼーション強度データを取得し、適当なアルゴリズムを用いてそれを各遺伝子の存在/非存在コールに変換する。最後に、ソフトウェアは比較分析による実験間の遺伝子発現の変化を検出し、その出力をテキストファイルにフォーマット化するが、それは、さらなるデータ分析のために他のソフトウェアプログラムと用いることができる。
組織または細胞試料中での選択されたバイオマーカーの発現は、機能アッセイまたは活性に基づくアッセイにより検査することもできる。例えば、バイオマーカーが酵素である場合、組織または細胞試料中の所与の酵素活性の存在を決定または検出するために、当技術分野で公知のアッセイを行うことができる。
本発明のキットは、いくつかの実施形態を有する。一般的な実施形態は、容器、前記容器の上の表示および前記容器に含まれる組成物を含むキットであって、組成物は、表1または2に記載の遺伝子の1つまたは複数に対応する標的ポリペプチド配列に結合する一次抗体を含み、容器の上の表示は、組成物を少なくとも1種類の哺乳動物の細胞中の標的タンパク質の存在を評価するために用いることができることを示し、また、少なくとも1種類の哺乳動物の細胞中の標的タンパク質の存在を評価するために抗体を用いるための説明書を含むキットである。キットは、組織試料を調製し、抗体およびプローブを組織試料の同じ切片に加えるための、一揃いの説明書および材料をさらに含むことができる。キットは一次および二次抗体の両方を含むことができ、そこで、二次抗体は標識、例えば酵素標識にコンジュゲートされる。
別の実施形態は、容器、前記容器の上の表示および前記容器に含まれる組成物を含むキットであって、組成物は、表1または2に記載の1またはそれより多くの遺伝子のポリヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、1またはそれより多くのポリヌクレオチドを含み、前記容器の上の表示は、組成物を、少なくとも1種類の哺乳動物の細胞中の表1または2に記載の1またはそれより多くの標的遺伝子の存在を評価するために用いることができることを示し、また、少なくとも1種類の哺乳動物の細胞中の標的RNAまたはDNAの存在を評価するためにポリヌクレオチドを用いるための説明書を含むキットである。
キット中の他の任意選択の成分には、1またはそれより多くの緩衝剤(例えば、ブロック緩衝剤、洗浄緩衝剤、基質緩衝剤など)、他の試薬、例えば酵素標識によって化学変化させられる基質(例えば、発色体)、エピトープ回収溶液、対照試料(陽性および/または陰性対照)、対照スライド(複数可)などが含まれる。
投薬量および投与
本発明の方法のために、抗癌治療剤、抗血管新生剤および/または化学療法剤が、公知の方法、例えば、ボーラスとしての静脈内投与もしくはある期間の連続注入、筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、関節滑液嚢内、くも膜下、経口、局所または吸入経路によって、ヒト患者に投与される。抗体の静脈内または皮下投与が好ましい。
本発明の治療法は、抗VEGF抗体および1またはそれより多くの化学療法剤の併用投与を含むことができる。本発明は、異なる化学療法剤の混合投与を企図する。併用投与には、別々の製剤または単一の医薬製剤を用いる同時投与、およびいずれかの順序での連続的投与が含まれ、好ましくは、両方(またはすべて)の活性剤がそれらの生物活性を同時に発揮する期間がある。そのような化学療法剤のための調製および投薬スケジュールは、製造業者の説明書によって、または、当業者により経験的に決定されるように用いることができる。化学療法のための調製および投薬スケジュールは、Chemotherapy Service、M.C. Perry編、Williams & Wilkins、Baltimore、MD(1992年)にも記載されている。化学療法剤は、抗体の投与の前でも後でもよく、または、それと同時に投与してもよい。
疾患の予防または治療のために、抗癌治療剤または抗血管新生剤の適当な投薬量は、上で規定される治療する疾患のタイプ、疾患の重症度および経過、剤が予防目的もしくは治療目的で投与されるか、過去の療法、患者の臨床上の病歴および剤への応答、ならびに主治医の裁量によって決まる。剤は、好適には患者に一度に投与されるか、一連の治療にわたって投与される。併用療法レジメンでは、本発明の組成物は、治療的に有効であるか相乗的な量で投与される。一部の実施形態では、抗血管新生剤は、抗VEGF抗体である。疾患のタイプおよび重症度により、約1μg/kg〜50mg/kg(例えば0.1〜20mg/kg)の抗体が、例えば、1回または複数回の別々の投与、または連続注入による患者への投与のための最初の候補投薬量である。一般的な日用量は、上記因子に従って、約1μg/kg〜約100mg/kgまたはそれ以上である。数日以上にわたる反復投与については、状態に従って、疾患症状の所望の抑制が起こるまで、治療が持続される。しかし、他の投薬レジメンが有用なこともある。好ましい態様では、本発明の抗体は、約5mg/kg〜約15mg/kgの範囲の用量で、2〜3週間ごとに投与される。より好ましくは、転移性結腸直腸癌を治療するための第一の療法として、そのような投薬レジメンは化学療法レジメンと併用される。一部の態様では、化学療法レジメンは、従来の高用量間欠投与を含む。他の一部の態様では、化学療法剤は計画的中断なしで、より低い用量のより頻繁な投与を用いて投与される(「メトロノーム化学療法」)。本発明の療法の進行は、従来の技術およびアッセイによって容易にモニターされる。
一部の実施形態では、本発明の方法で用いられる抗VEGF抗体は、ベバシズマブである。ある実施形態では、例えば、併用される場合、ベバシズマブは約0.05mg/kg〜約15mg/kgの範囲で投与される。一実施形態では、約0.5mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、3.0mg/kg、4.0mg/kg、5.0mg/kg、6.0mg/kg、7.0mg/kg、7.5mg/kg、8.0mg/kg、9.0mg/kg、10mg/kgまたは15mg/kgの1またはそれより多くの用量(またはその任意の組合せ)で、対象に投与することができる。そのような用量は、断続的に、例えば毎日、3日ごと、毎週または2〜3週ごとに投与することができる。別の実施形態では、例えば、併用される場合、ベバシズマブは10mg/kgで1週おきに、または15mg/kgで3週間ごとに対象に静脈内投与される。
以下の実施例は例示目的のためだけに提供されているので、本明細書の教示を限定するものと解釈してはならない。
(実施例1:腎癌患者の試料からのバイオマーカーデータの収集)
ベースライン時および治療の56日目(最初の腫瘍評価)に、転移腎細胞癌を有する患者から血漿試料を収集した。すべての試料は、24ヵ月の間10mg/kgベバシズマブIV q2wksで治療した患者から得た。試料中の特定の遺伝子のタンパク質レベルを決定するアッセイの前に、試料を緩衝液で希釈した。各アッセイの標準範囲に入ることが事前分析によって判定された4つの希釈点を、各患者試料について1反復または2反復で生成した。個々のタンパク質の発現レベルのためにELISAアッセイを用いるか、多重化イムノアッセイ方法を用いて試料を分析した。
一般ELISAアッセイ手順
ELISAウェルを、2〜8℃で一晩、リン酸緩衝食塩水(PBS、pH7.4)中の1μg/ml捕捉抗体でコーティングした。コート溶液を除去した後、ブロック溶液(PBS/0.5% BSA、150μl/ウェル)と1〜2時間インキュベートすることによって、非特異的結合部位をブロックした。プレートを洗浄緩衝液(PBS/0.05% Tween)で洗浄した後に、アッセイ緩衝液(PBS/0.5% BSA/0.05% Tween−20/10ppm Proclin 300/0.25% CHAPS/0.35M NaCl/5mM EDTA、pH7.4)で希釈した標準または試料を加えた(100μl/ウェル)。2時間のインキュベーションの後、プレートを洗浄し、HRPコンジュゲート抗体を加え(100μl/ウェル)、さらに1時間インキュベートした。もう一度洗浄した後、100μlのテトラメチルベンジジン基質(TMB)を加え、15〜30分間発色させ、1Mリン酸(100μl/ウェル)を添加して反応を停止させた。マイクロプレートリーダー(Thermo Labsystems、Finland)を用いて、プレートを450〜630nmの波長で読み取った。試料中のタンパク質濃度を、標準曲線の4パラメータ適合度から推定した。
多重化イムノアッセイデータ
イムノアッセイデータも、General Meso Scale Discovery MSD多重法(血管傷害パネルI、IIおよび成長因子パネル)を用いて収集した。簡潔には、プレートを、150μl/ウェルの遮断薬A(パネルI、II)またはカゼイン緩衝液(成長因子パネル)で、振盪させながら室温で少なくとも1時間ブロックした。PBS/0.05% Tween−20(パネルI、II)またはPBS(成長因子パネル)で、プレートを3回洗浄した。40μl/ウェル(パネルI、II)のアッセイ希釈液および10μl/ウェルのキャリブレータもしくは試料(遮断薬Aで1:5に予備希釈した(パネルI、II))、または、25μl/ウェルのアッセイ希釈液および25μl/ウェルのキャリブレータもしくは試料(アッセイ希釈液で1:5に予備希釈した(成長因子パネル))をプレートに加え、これらを振盪させながら室温で2時間インキュベートした。プレートを前と同様に3回洗浄し、25μl/ウェルの検出抗体試薬を加え、振盪させながら室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、界面活性剤を含む150μl/ウェルの1X読取緩衝液Tを加え、MSD6000 Imagerで読み取った。
多重化イムノアッセイデータも、Rules−Based Medicine(Austin、Texas)において、HumanMAPバージョン1.6ビーズベースアッセイを用いて収集した。そのようなアッセイを、3反復で実施した。
(実施例2:バイオマーカーデータの統計分析)
バイオマーカーデータの分析は、多変量データ、例えばDNAマイクロアレイから生成されるデータを研究するために通常実施される一種のクラスタ解析であるheatmapを用いて実施した(Eisen, M.B.、Spellman, P.T.、Brown, P.O.およびBotstein, D. Cluster analysis and display of genome−wide expression patterns. PNAS95巻(25号)、14863〜14868頁、1998年)。Heatmapは、ベースラインで測定したバイオマーカーデータのために、最初の腫瘍評価時(56日目)に測定したデータのために、および、これらの2つの評価(ベースラインおよび56日目)間の差のために、別々に生成した。分析は、広く利用可能な統計分析プログラムRを用いて実行した。分析のためのデータを作成するために、以下の通りにそれらを先ずZスコアに正規化した。各データセット内で、各バイオマーカーの値をそれらの平均値を引くことによってセンタリングし、次に、センタリングした値を、センタリングした値の平方和の平方根を値の数で割って1を引くことによって得られるそれらの二乗平均平方根値で割ることによって基準化した。差heatmapについては、合わせたデータセットについて計算された、ベースラインと56日目のZスコア間の差としてZスコアを計算した。
観察されたバイオマーカー値のZスコアは、値が観察されたか確立された平均から高いか低い、標準偏差の数を示す。Zスコアの可能な範囲は、負の無限と正の無限との間である。クラスタ解析のためのデータを作成するために、これらのZスコアをZスコア分位数に変換し、それらは、0および1の間の可能な範囲を有する。Zスコア分位数は、標準の正規の確率変数が平均値からの標準偏差の所与の数を有する確率である。
次に、デフォルト値のRのheatmap関数を用いて、heatmapをZスコア分位数から生成した。これは、バイオマーカーの高い発現がマゼンタ色で表され、低い発現がシアン色で表されるデータのカラーイメージを生成し、そこにおいて、発現はデータセット中の他の試料と相対的である。また、heatmapは、多変数データ解析でよく確立されている手法である階層的クラスタリングアルゴリズムを用いて、バイオマーカーおよび試料を再整理する。階層的クラスタリングアルゴリズムは、最初に各バイオマーカーをそれ自身のクラスタに割り当て、次に、単一のクラスタだけが残るまで、2つの最も類似したクラスタを反復して連結する。各段階で、クラスタ間の距離を、それらのユークリッド距離を用いて計算する。2つの最も近いクラスタは、Rのデフォルト設定を用いて、すなわち、完全結合方法を用いて計算した。
これらの分析によって生成されたクラスタを、バイオマーカーおよび臨床上の共変量の生物学的特徴、すなわち、無進行生存、療法への応答および病変サイズの変化を調べることによって解釈した。ベースラインデータでは、heatmapの検査は、ベバシズマブによる治療によく応答した患者の高い発生率に対応する、高度に発現された遺伝子(塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、Rantes、Pセレクチン、PDGF、VEGF−C、CD40リガンド、脳由来神経栄養因子(BDNF)およびプラスミノーゲン活性化因子阻害剤1(PAI1))のクラスタを明らかにした。しかし、そのような治療に対して応答した全患者が、これらの遺伝子の高い発現を示したわけではない。ベースラインデータでは、heatmapの検査は、短い(例えば、4ヵ月未満の)無進行生存期間の比較的高い発生率に対応する、高度に発現された遺伝子のクラスタも明らかにした。これらの遺伝子を、下記の表1に記載する。
表1
血清アミロイドP
補体C3
ICAM 1
ハプトグロビン
C反応性タンパク質
フィブリノーゲン
sNRP1
α−1抗トリプシン
VCAM−1
インターロイキン6
血清アミロイドA
差heatmapは、短い(例えば、4ヵ月未満の)無進行生存期間に関連する、高度に発現された遺伝子のクラスタを明らかにした。これらの遺伝子を、下の表2に記載する。
表2
CD40リガンド
上皮成長因子(EGF)
メタロプロテイナーゼ組織阻害剤1型(TIMP−1)
脳由来神経栄養因子
プラスミノーゲン活性化因子阻害剤1型(PAI−1)
VEGF C
幹細胞因子
上皮由来好中球活性化タンパク質78(ENA−78、別名CXCL5)
塩基性線維芽細胞成長因子
PDGF BB
RANTES
P−セレクチン
インターロイキン18
インターロイキン1ra
インターロイキン8
マクロファージ炎症タンパク質1−α(MIP1−α、別名CCL3)
ICAM−1
CD40
ICAM−1
α−1抗トリプシン
腫瘍壊死因子受容体II
β−2ミクログロブリン
免疫グロブリンIgM
免疫グロブリンIgA
インターロイキン6
カルシトニン
マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP−9)

Claims (24)

  1. 抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得る腎癌患者を特定する方法であって、
    該患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、
    参照試料と比較した、該患者から得た該試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、該患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す方法。
  2. 抗血管新生療法に対する腎癌患者の応答性を予測する方法であって、
    該患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、
    参照試料と比較した、該患者から得た該試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、該患者が、該抗血管新生療法単独に対して応答する可能性がより低いことを示す方法。
  3. 前記抗血管新生療法がVEGF特異的アンタゴニストの投与を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記VEGF特異的アンタゴニストが抗VEGF抗体である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記抗VEGF抗体がベバシズマブである、請求項4に記載の方法。
  6. 前記患者から得た試料が組織試料であるか、血漿から得られる、請求項1または2に記載の方法。
  7. 腎癌患者のために個人用のゲノム解析プロフィールを作成する方法であって、
    該患者から得た試料中の表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程と、
    該発現レベルを参照試料と比較する工程と、
    該決定工程および/または比較工程から得られるデータを要約する報告を作成する工程であり、該報告が該患者に対する抗血管新生療法単独の臨床上の利益の可能性の予測を含む工程とを含み、
    参照試料と比較した、該患者から得た該試料中の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、該抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法の臨床上の利益の可能性の増加を示す方法。
  8. 表1に記載の1またはそれより多くの遺伝子と特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドを含むアレイを含むキットであって、抗血管新生療法単独に対する腎癌患者の応答性を予測するために該アレイを用いるための説明書をさらに含み、参照試料と比較した該1またはそれより多くの遺伝子の発現の増加は、該患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示すキット。
  9. 表1に記載の2またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを検出することができる化合物のセットであって、参照試料と比較した、腎癌患者から得た試料中の、該化合物のセットを用いて決定した該2またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現の増加は、該患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す、化合物のセット。
  10. 前記化合物がポリヌクレオチドである、請求項9に記載の化合物のセット。
  11. 前記化合物がタンパク質である、請求項9に記載の化合物のセット。
  12. 前記化合物のセットが、表1に記載の遺伝子または遺伝子産物のすべてを検出することができる、請求項9に記載の化合物のセット。
  13. 抗血管新生療法で処置される腎癌患者で処置の進行をモニターする方法であって、
    最初の腫瘍評価時に、該患者から得た試料中で表2に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、
    該抗血管新生療法の前または開始時に該患者から得た試料と比較した、最初の腫瘍評価時の該1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、該抗血管新生療法単独の臨床上の利益が減少している素因を該患者が有することを示す方法。
  14. 抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得る腎癌患者を特定する方法であって、
    最初の腫瘍評価時に、該患者から得た試料中で表2に記載の1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを決定する工程を含み、
    該抗血管新生療法の前または開始時に該患者から得た試料と比較した、最初の腫瘍評価時の該1またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルの増加は、該患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す方法。
  15. 前記抗血管新生療法がVEGF特異的アンタゴニストの投与を含む、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記VEGF特異的アンタゴニストが抗VEGF抗体である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記抗VEGF抗体がベバシズマブである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記患者から得た試料が組織試料であるか、または血漿から得られる、請求項13または14に記載の方法。
  19. 前記臨床上の利益の減少が、短い無進行生存期間、低い応答率または低い全生存率である、請求項13に記載の方法。
  20. 表2に記載の1またはそれより多くの遺伝子と特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドを含むアレイを含むキットであって、抗血管新生療法単独に対する腎癌患者の応答性を検出するために該アレイを用いることについての説明書をさらに含み、該抗血管新生療法の前または開始時に該患者から得た試料と比較した、最初の腫瘍評価時の該患者から得た試料中の該遺伝子のうちの1またはそれより多くの発現の増加は、該患者が、該抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示すキット。
  21. 表2に記載の2またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現レベルを検出することができる化合物のセットであって、抗血管新生療法の前または開始時に腎癌患者から得た試料と比較した、最初の腫瘍評価時の該患者から得た試料中の、該化合物のセットを用いて決定される該2またはそれより多くの遺伝子または遺伝子産物の発現の増加は、該患者が、抗血管新生療法以外の抗癌療法または抗血管新生療法に加えての抗癌療法から利益を受け得ることを示す化合物のセット。
  22. 前記化合物がポリヌクレオチドである、請求項21に記載の化合物のセット。
  23. 前記化合物がタンパク質である、請求項21に記載の化合物のセット。
  24. 前記化合物のセットが、表2に記載の遺伝子または遺伝子産物のすべてを検出することができる、請求項21に記載の化合物のセット。
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