JP2011502493A - 新規代謝経路による再生可能な原料からの発酵によるアセトン生産 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アセチル−コエンザイムAから出発するアセトンの製法に関し、次の方法工程を有する:A:アセチル−CoAを酵素反応させてアセトアセチル−CoAにし、B:アセトアセチル−CoAを酵素反応させてアセトアセテートとCoAにし、C:アセトアセテートを脱カルボキシル化してアセトンとCOにする。前記方法は、方法工程Bで、コエンザイムAが受容体分子に転用されないことに特徴付けられる。更に、方法工程Bはアシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼのクラスの酵素により触媒される。同時にCoAに移動することの無いアセトアセチル−CoAの酵素加水分解は、どの微生物酵素に関しても記載されていないので、これは全く新規の代謝経路である。

Description

本発明の分野
本発明の対象は、エタノールとブタノールの形成を分ける通常の発酵方法とは異なるアセトンを製造するための酵素による新規生合成法、ならびに本明細書で使用される酵素と核酸である。
従来技術
クロストリジウムにおけるABE−法
従来のABE発酵法、すなわち、アセトン、ブタノール及びエタノールの微生物による製造は、酵母を用いるエタノール発酵に続き長い間世界で2番目に大きなバイオテクノロジープロセスであった。商業的なABE発酵は、英国で1916年に始まり、特にハイム・ヴァイツマンが溶剤であるアセトン、ブタノール及びエタノールを産生するクロストリジウム・アセトブチリカムの性能を発見した。このプロセスは、50年代後半まで主要な世界で用いられたが、南アフリカでは1981年まで用いられていた。
2つの主な理由は、このプロセスが次のように生じることに起因する:一方では、アセトンとブタノールの化学合成が常に有望であり、他方では発酵用の基質の値段が高騰していることである。特に、糖蜜の値段はそれらをウシ用の飼料添加剤として使用することで高騰している。
石油化学プレ製品の値段の高騰も、微生物の経路エンジニアリングの分野における新規の工業的可能性も、高性能な菌株の開発やアセトンのような溶剤を製造する商業的な発酵法に新たな任意選択を開く。
従来のABE−発酵法は、微生物であるクロストリジウム・アセトブチリカム及びクロストリジウム・ベイジェリンキーをベースとする。両者はグラム陽性であり、かつ厳しい嫌気条件下で増殖する。これらの微生物は、モノ−、ジ−及びポリサッカリドに変換することができ、その際、主に発酵で使用される基質は糖蜜とデンプンである。
クロストリジウム・アセトブチリカムでの発酵プロセスは、2つのフェーズに分けられる。第一のフェーズでは、バイオマス形成はアセテート、ブチレート及び微量のエタノールの形成("酸産生フェーズ")を伴う。第二のフェーズ、いわゆる"溶剤産生フェーズ"では、酸が使われて発酵生成物であるアセトン、ブタノール及びエタノール(ABE)が形成される。生成物であるアセトン、ブタノール及びエタノールは野生型クロストリジウム・アセトブチリカムでは約3:6:1の比率で形成される。この生成物比は、選択される培養条件によって(例えば、pH又は栄養素の供給)又は使用される基質によって著しく変わる。
アセトン、ブタノール及びエタノールの溶剤−生合成の酵素は、十分に洗浄され、かつ生物化学的に特徴付けられる(参照、図1;Duerre, P., and Bahl, H. 1996. アセトン/ブタノール/イソプロパノールの微生物による生産、In: Biotechnology、第6巻、第二版、M. Roeher, (ed.), VCH Verlaggesellschaft mbH, Weinheim, Germany. P. 229-268. Duerre, P. 1998. クロストリジウムにおけるアセトン/ブタノール/イソプロパノールの発酵の新展開及び新開発、Appl. Microbiol. Biotechnol. 49: 639-648)。またクロストリジウム・アセトブチリカムのゲノム配列も存在する(Noelling, J., Breton, G., Omelchenko, M. V. & 16 other authors(2001)、溶剤産生細菌クロストリジウム・アセトブチリカムのゲノム配列と比較分析、J. Bacteriol 183, 4823-4838)。
近年では、目的を絞った経路エンジニアリングを可能にする一連の遺伝子ツールが開発されている。今日までに、安定に得られた3種類の異なるレプリコンがある(pIM13、pCBU2及びpAMβ1;Lee et al.(1992)、クロストリジウム・アセトブチリカムATCC 824におけるベクター作成、形質転換及び遺伝子増殖、Ann. N. Y. Acad. Sci. 665: 39-51; Minton et al.(1993)、クロストリジウムのクローニングベクター[The clostridia and biotechnology (D. R. Woods); Hrsg, Butterworth-Heinemann. Stoneham, USA. 119-150、及びエリスロマイシンとチアンフェニコールに対する2種類の抗生物質耐性マーカーの提供(Green and Bennett (1998)、クロストリジウム・アセトブチリカムATCC824における酸及び溶剤形成の遺伝子操作、Biotechnol. Bioeng. 58:215-21]。
それに対して、挿入不活性化又は遺伝子欠損のような方法は、まだルーチンとして実施不可能であり、かつこの種の生物でのアンチセンスをベースとする遺伝子発現の阻害は、効率が変化し、かつ決して完全ではない(Desai and Papoutsakis (1999). クロストリジウム・アセトブチリカムの代謝エンジニアリングのアンチセンスRNA攻略、Appl. Environ. Microbiol. 65: 936-45; Tummala et al. (2003)、アルコール産生クロストリジウム・アセトブチリクム発酵を優先的に誘起するアルコール−アルデヒドデヒドロゲナーゼ過剰発現を伴うコエンザイムAトランスフェラーゼのアンチセンスRNAダウンレギュレーション、J. Bacteriol. 185:3644-53)。一連の刊行物には、"溶剤産生"と"酸産生"生合成法の両方の代謝技術が記載されている。遺伝子buk(ブチレートキナーゼ)又はpta(ホスホトランス−アセチラーゼ:phosphotrans-acetylase)の不活性化は、ブチレート又はアセテートの濃度の著しい減少を生じる(Green et al. (1996)、クロストリジウム・アセトブチリクムATCC824における遺伝子不活性化による酸形成経路の遺伝子増幅、微生物学.142: 2079-86.; Harris et al. (2000)、クロストリジウム・アセトブチリクムの組換え菌株ブチレートキナーゼ不活性化ミュータントの特徴づけ: 溶剤産生の新規現象学的モデル及びブタノール阻害の必要性Biotechnol. Bioeng. 67: 1-11)。それにもかかわらず、これらのミュータントからはブチレートとアセテートが形成された。それというのも、酵素アセテート−キナーゼとホスホトランスブチリラーゼが不活性化された酵素ブチレート−キナーゼとホスホトランスアセチラーゼに変換されるからである。両方の菌株は、野生型クロストリジウム・アセトブチリカムからは蓄積されない高濃度の乳酸を場合によってはピルベートを蓄積する反応として形成する。アルデヒド/アルコール−デヒドロゲナーゼadE/aadの不活性化は、ブタノール形成の著しい破壊を生じると同時にブチレートの濃度の増大を生じる。このミュータントでのプラスミド上にadhE/aad遺伝子が発現する場合には野生型でのブチレートとブタノールの通常の濃度が再び生じる。関心のあることに、AdhE/aad−ミュータントにもadhE/aad−相補性を有する菌株にもアセトンの形成が検出できなかった。これらの現象は、adhE/aad局在化遺伝子の2箇所の"下流"に作用を及ぼす極性効果に基づく。これらの2つの遺伝子は、アセトンの生合成に重量なコエンザイムA−トランスフェラーゼの2つのサブユニットをコードする(Green, E. M, and Bennett, G. N. 1996. クロストリジウム・アセトブチリカムATCC 824由来のアルデヒド/アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子の不活性化、Appl. Biochem. Biotechnol. 57/58: 213-221)。これは、クロストリジウム・アセトブチリカムにおける経路エンジニアリングにより、アセトンとブチレートの形成を互いに分ける事が可能であることを記載した初めての例である。更なる刊行物には、これらの観察結果が証明されている。この研究では、アセトンとブタノールを形成する能力を失った微生物性菌株が検査されている。それというのも、これは192-kbのメガプラスミドpSOL1が欠損しているからである。このプラスミド上では、アセトンとブタノールを形成する殆どの遺伝子が局在化していて、かつ若干はエタノールを合成する遺伝子である(Cornillot, E., Nair, R., Papoutsakis, E. T., and Soucaille, P. 1997. The genes for butanol and acetone formation in Clostridium acetobutylicum ATCC 824 reside on a large plasmid whose loss leads to degenerierten of the strain. J. Bacteriol. 179: 5442-5447)。この変性菌株は、野生型菌株と比べて半分だけのエタノールを形成した。クロストリジウム・アセトブチリカムATCC 824から由来するこれらの菌株は、M5(化学的な突然変異誘発により生じる)及びDG1(野生型の多重培養により得られる)と称される。これらは、プラスミドの受容菌として利用され、これらはコエンザイムA−トランスフェラーゼ・サブユニットAとB(ctfAとctfB)のタンパク質コード配列、ならびにアセトアセテート−デカルボキシラーゼ(adc)の遺伝子、又はブチルアルデヒド/ブタノール−デヒドロゲナーゼ(adhE/aad)の遺伝子に寄与する。得られた菌株は、アセトン又はブタノールのどちらかだけを産生する(Mermelstein et al. (1993)、合成オペロンを用いるアセトン形成酵素活性の増強により溶剤産生を増大させるためのクロストリジウム・アセトブチリカムATCC 824の代謝エンジニアリング、Biotech. Bioeng. 42: 1053-1060.; Nair, R. V., and Papoutsakis, E. T. 1994. 多量のブタノール産生を再生するクロストリジウム・アセトブチリカムM5におけるプラスミドコードされたaadの発現、J. Bacteriol. 176: 5843-5846; Cornillot, E., Nair, R., Papoutsakis, E. T. and Soucaille, P. 1997.大きなプラスミドに存在し、その欠損が菌株の変性をもたらすクロストリジウム・アセトブチリカムATCC 824においてブタノールとアセトンを形成する遺伝子J. Bacteriol. 179: 5442-5447)。
それぞれの溶剤について測定した滴定量は、基本的に野生型でのアセトンとブタノールの濃度を下回り、その際、アセテートとブチレートは240mMの全濃度まで蓄積することができた。エタノール形成は、adhE/aad遺伝子に寄与するプラスミドで野生型レベルまで再び製造できた。
図2には、クロストリジウムで特徴づけた典型的なアセトン合成の代謝法が記載されている。この方法は、アセチル−CoAから出発し、全ての微生物内で形成された中心的な代謝産物であり、どの炭素源が代謝されるのか、又はどの代謝が確立しているかとは無関係である。必要な酵素は、次のものである:β−ケトチオラーゼ、アセチル−CoA/ブチリル−CoA−トランスフェラーゼの2つのサブユニット、及びアセトアセテート−デカルボキシラーゼ。
アセチル−CoAから出発するアセトンの形成を触媒する大腸菌でのC.アセトブチリカム由来の酵素のヘテロ発現は、これらの生体内で約150mMのアセトン形成を生じることが示された(アセトアセテート−デカルボキシラーゼ、アセチル−CoA/ブチリル−CoA−トランスフェラーゼ及びチオラーゼ)。しかし、その際の欠点のようなものとして大量のアセテート(50mM)も付随的に生じてしまう(Bermejo L. L., N. E. Welker, E. T. Papoutsakis. 1998.アセトン産生とアセテート解毒のための、大腸菌におけるクロストリジウム・アセトブチリカムATCC 824遺伝子の発現、Appl. Env. Microbiol. 64: 1079-1085)。ここで、もう1つの欠点はアセトンが好気条件下にだけ産生されることである。それというのも、グルコースからアセチル−CoAに代謝する際に生じるレドックス当量を、嫌気条件下では大腸菌により再び酸化できないからである。前記方法では、反応を触媒する酵素により、アセトアセチルから***したCoAが再び受容体分子に移動する。
アシル−CoAを分離する酵素
アシル−CoAを加水分解できる酵素は、例えば、アシル−CoA−チオエステラーゼ又はアシル−CoA−チオキナーゼであることができる。アシル−CoAの加水分解との主な違いは、アシル−CoA−チオエステラーゼ又はアシル−CoA−合成酵素/アセチル−CoA−チオキナーゼにより、キナーゼの場合にATPもしくはGTPが形成されることである。それというのも、アセトアセチル−CoAの加水分解はATP(−31.8kJ)の加水分解と比べて−44kJの高いΔGo’値を有するからである。
アセトアセチル−CoA−加水分解酵素(EC 3.1.2.11)
この酵素は、アセトアセチル−CoAからアセトアセテートとコエンザイムAへの加水分解を触媒するが、CoA−分子は同時に、例えばカルボン酸のような受容体分子に転用されない。
アシル−CoA−チオエステラーゼ(EC 3.1.2.18)
インフルエンザ菌由来のタンパク質YbgCは、短鎖分子に特異的なアシル−CoA−チオエステラーゼ(EC 3.1.2.18)であり、これはブチリル−CoAとβ−ヒドロキシブチラート−CoAを基質として受容する。これらの基質のKm値は24mMもしくは20mMである(Zhuang et al. (2002)、アシル‐コエンザイムAチオエステルの加水分解を触媒する、インフルエンザ菌のtol-pal遺伝子クラスターのybgC遺伝子によりコードされたYbgCタンパク質、FEBS Lett. 516:161-3)。
枯草菌でも、アミノ酸配列 配列番号1及び相応のcDNA−配列 配列番号2を有するチオエステラーゼII(TEIIsrf)が記述されていて、これはペプチド−抗生物質であるサーファクチンを形成する非リボソーム型ペプチド合成酵素と会合して存在する(Schwarzer D., H. D. Mootz, U. Linne, M. A. Marahiel. 2002. II型チオエステラーゼによるミスプライムされた非リボソーム型ペプチド合成酵素の変性、PNAS 99: 14083-14088 アシル−CoA−合成酵素/アシル−CoA−チオキナーゼ(AMP−形成下;EC 6.2.1.2, GDP形成下;EC 6.2.1.10)。
挙げられた2つの酵素の物理的機能は、アシル−CoA−合成酵素にあるが、しかし、例えばこの酵素では、ATPを形成しながら逆の加水分解反応を触媒する例えばトリカルボン酸サイクルでのスクシニル−CoA−チオキナーゼのようなものが公知である。これまでに、in vitroでもin vivoでも、アセトアセテートと遊離コエンザイムAを形成しながらこれらのアセトアセチル−CoAを加水分解できる上記の酵素クラスは検出されていない。
AMP−形成下にアシル−CoA−合成酵素によるポリヒドロキシアルカンの分解は、シノルヒゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のAcsA2に関して記載されている(Aneja et al. (2002)、シノルヒゾビウム・メリロティにおいて、L-(+)-3-ヒドロキシブチレートを利用するアセトアセチルコエンザイムA合成酵素依存性経路の同定、J. Bacteriol. 184: 1571-7)。
緑濃菌由来の更なる精製酵素では、短鎖分子に特異的なアシル−CoA−合成酵素/アシル−CoA−チオキナーゼを検出できた(AMP形成下;EC 6.2.1.2)。この酵素は、ブチリル−CoAとβ−ヒドロキシブチリル−CoA及び2−ケトブチレートの両方を基質として受容し、それぞれ10、25及び25μMという極めて低いKm値を有する(Shimizu et al. (1981). Butyryl-CoA synthetase of Pseudomonas aeruginosa-purification and characterization. Biochem. Biophys. Res. Commun. 103: 1231-7)。
従って、本発明の課題は、アセチル−CoAから出発するアセトン合成用に簡易化された新規代謝法を提供することであった。
本発明の説明
本明細書で記載された発明は、組換え酵素技法により改善されたアセトンの生産を扱う:アセチル−CoAから出発し、アセトアセチル−CoAを介してアセトアセテートが生じ、これは引き続きアセトンとCO2に変換される。
従って、本発明の対象は、請求項1に記載されたようなアセトンを製造する方法である。前記方法では、本発明による方法の方法工程Bを可能にする請求項18に記載の酵素の使用ならびに請求項18に記載の核酸配列、また請求項19に記載の核酸配列(その翻訳生成物は本発明の方法を触媒できる)の使用である。
本発明による方法は、慣習的な系ではアセトアセチル−CoAをアセトアセテートに変換し、かつ2つのサブユニットから成るブチレート−アセトアセテート−CoA−トランスフェラーゼが1つの酵素によって変換されるという利点を有し、その活性はモノマーとして機能できる。
これにより、本発明による方法は所定の系でアセトンの収率が公知のブチレート−アセトアセテート−CoA−トランスフェラーゼよりも高いという更なる利点を有する。もう1つの利点は、生産プロセスの際のアセテート:アセトンの割合がアセトンに有利になるようにシフトすることである。
本発明による方法の更なる利点は、ブタノールとエタノールから分けられたアセトン合成、従って微生物生産者を使用する際に、これらが付随して生じるアルコール性副生成物により被害を受けないことである。これは培地中で高い生成物濃度を生じ、ひいては改善された空時収率につながる。
ブタノールとエタノールから分けてアセトンを製造するもう1つの利点は、最も簡素化された発酵プロトコールならびに生成物の容易な単離と加工である。それというのも、アルコール性副生成物を分離しなくてよいからである。従って、これは従来のABE−発酵での生成物の分離と比べて少ないエネルギーしか必要としない。更に、本発明による方法は、該方法を好気性でも嫌気性でも優れて培養でき、かつ遺伝子複製に最も多様な可能性があり、従って更なる改善の可能性が公知である特に良好に特徴付けられた種々の微生物で実施できることが有利である。再生する原料からアセトンを効率的に、発酵によって製造することは工業化学的に環境に良く、かつ資源に配慮した生産に貢献する。
本発明によるアセトンの製法及び前記ポリペプチドの使用ならびに本発明による方法を実施するための核酸を以降に例示的に説明するが、本発明がこの例示的な実施態様に制限されるわけではない。本明細書の説明の範囲内に文献が挙げられる場合には、その内容が本発明の開示内容に完全に属するものとする。ポリペプチドとは、任意の鎖長のものを意味する。従って、このことは各々のタンパク質、酵素、特にアセトアセテート−CoA−加水分解酵素、アシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼにも解釈される。"自発的に行われる反応"とは、発エルゴン的化学反応であると解釈される。
"ストリンジェントな条件下"でのハイブリダイズとは、例えば、ノーザンブロット法において50〜70℃、有利には60〜65℃の温かい洗浄溶液、例えば0.1%SDS含有の0.1×SSC−緩衝液(20×SSC:3 M NaCl、0.3M クエン酸ナトリウム、pH7.0)を特異的にハイブリダイズするcDNA−プローブ又はオリゴヌクレオチドの溶出に使用する検査条件を意味する。この場合に、大量の相補的核酸だけが互いに結合したままである。ストリンジェントな条件の調節は、当業者に公知であり、かつ例えば、Ausbel等の"Current Protocols in Mplecular Biology", John Wiley & Sons, N. Y. (1989), 6.3.1〜6.3.6に記載されている。
本発明は、次の方法工程:
A:アセチル−CoAを酵素反応させてアセトアセチル−CoAにし、
B:アセトアセチル−CoAを酵素反応させてアセトアセテートとCoAにし、
C:アセトアセテートを脱カルボキシル化してアセトンとCO2にする
を有する、アセチル−コエンザイムAから出発するアセトンを製造する方法を内容とし、前記方法は方法工程BでコエンザイムAが受容体分子に転用されないことを特徴する。
本発明による方法では、方法工程Aでアセチル−CoAをアセトアセチル−CoAにする酵素反応にβ−ケトチオラーゼを使用することができる。クロストリジウム種由来のβ−ケトチオラーゼ、すなわちクロストリジウム属由来の微生物、特にクロストリジウム・アセトブチリカム又はクロストリジウム・ベイジェリンキが使用される。方法工程Aでの酵素反応は、ケトチオラーゼ活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号16と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%まで、更に有利には96、97、98、99又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒されるのが有利である。
本発明による方法では、方法工程Cではアセトアセチル−CoAをアセトンとCO2にする反応にアセトアセテートデカルボキシラーゼを使用することができる。クロストリジウム種由来のアセトアセテートデカルボキシラーゼ、すなわちクロストリジウム属由来の微生物、特にクロストリジウム・アセトブチリカム又はクロストリジウム・ベイジェリンキが使用される。方法工程Cでの酵素反応は、アセトアセテートデカルボキシラーゼ活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号18と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%まで、更に有利には96、97、98、99又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒されるのが有利である。本発明による方法のもう1つの実施態様は、方法工程Cでの反応が自発的に行われることに特徴付けられる。
アセトンを生産する本発明による方法は、方法工程BでコエンザイムAが受容体分子に転用されないことが優れている。このことは、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有する酵素を使用することで達成できる。意外にも、その活性がこれまでに記載されていない同様の酵素、例えば、アシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼの群から選択されるようなものも、同じく前記課題を解決することができる。従って、本発明による方法の有利な実施態様は、方法工程Bでの酵素反応が、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素、アシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼにより触媒される。
本発明による方法の有利な実施態様では、方法工程Bでの酵素反応は、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号1と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%まで、更に有利には96、97、98、99又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒される。本発明による方法の有利な実施態様では、方法工程Bでの酵素反応は、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号3と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%まで、更に有利には96、97、98、99又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒される。特に有利な本発明による実施態様では、方法工程Bでの酵素反応は、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号5と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%まで、更に有利には96、97、98、99又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒される。
前記方法は微生物により実施されるのが有利である。この方法に使用される微生物は、それ自体がアセトンを合成する能力を有することができるか、又は遺伝子経路エンジニアリングによりアセトンを形成できるようにさせている。これは、細胞濃度又は酵素の活性を高めることにより、アセテートとは独立に、アセチル−CoAから出発してアセトン合成を触媒することで達成される。
有利には本発明による方法は、遺伝子的に変えられた微生物内で実施される。このようなものは、例えば、クロストリジウム・ジモモナス属、エシェリキア属、サルモネラ属、ロドコッカス属、シュードモナス属、バチルス属、乳酸桿菌属、腸球菌、アルカリゲネス属、クレブシエラ属、パエニバチルス属、アルトロバクター属、コリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属、ピチア属、カンジダ属、ハンゼヌラ属及びサッカロミセス属から選択される属から由来する。これらの種属の例示的な種類は、大腸菌、アルカリゲネス・ユートロフス、バチルス・リケニホルミス菌、パエニバチルス・マセランス、ロドコッカス・エリスロポリス、シュードモナス・プチダ、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・ガリナリウム、エンテロコッカス・フェカーリス、枯草菌及びサッカロミセス・セレビシエである。
本発明による方法では、大腸菌属、コリネバクテリウム・グルタミカム、クロストリジウム種、クロストリジウム・アセチクム、アセトバクテリウム・ウッディ、クロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・ベイジェリンキ、ヤロウィア・リポリティカ、サッカロミセス種、サッカロミセス・セレビシエ及びピッチアパストリス、特に有利には"E. coli pUC19ayt"(例5と6参照のこと)から選択される生体を使用するのが有利である。
組換え微生物は、当業者に公知の組換え遺伝子法により製造することができる。一般に、異種遺伝子を有するベクターは通常の形質転換法もしくはトランスフェクション法により細胞中に潜入させることができる。適切な方法は、Sambook等の(Molecular Cloning: A Laboratory Manual.第二版、Cold Spring Harbor Laboratory, 1989)に見出すことができる。使用される微生物は、突然変異誘発もしくは選択により、組換えDNA法により、又は両方の方法の組合せにより製造される菌株であることができる。突然変異誘発に関しては、突然変異誘発剤、例えば、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン又は紫外線のようなものの使用下に、従来のin vivo−突然変異誘発法を使用することができる。更に、in vitro法での突然変異誘発に関して、例えばヒドロキシルアミンでの処理(Miller, J. H.: A Short Course in Bacterial Genetics. A Laboratory Manual and Handbook for Escherichia coli and Related Bacteria, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, 1992)又は突然変異誘発性オリゴヌクレオチドでの処理(T. A. Brown: Gentechnologie fuer Einsteiger, Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg, 1993)又はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えばNewton and Grahamの教書(PCR, Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg, 1994)に記載されているようなものを使用する。
突然変異を形成する更なるマニュアルは、従来技術から、かつ遺伝子及び分子生物学の公知の教書、例えば、Knipperの教書("Molekulare Genetik", 第6版、Georg Thieme Verlag, シュツットガルト、ドイツ、1995年)、Winnacker("Gene und Klone", VCH、出版社、ヴィーンハイム、ドイツ、1990年)又はHagemann("Allgemeine Genetik", Gustav Fischer Verlag, シュツットガルト、1986年)から引き出すことができる。
in Vitro法を使用する際に、従来技術に記載されている遺伝子は、野生型菌株の単離した全体のDNAから出発してPCRを用いて増幅させ、場合により適切なプラスミドベクター内でクローン化し、かつ引き続きこのDNAは突然変異誘発法に課される。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いてDNA配列を増幅するマニュアルに関して、当業者は、Gaitの教書:オリゴヌクレオチド合成:A Practical Approach(IRL Press, Oxford, UK, 1984)及びNewton und Graham: PCR(Spektrum Akademischer Verlag、ハイデルベルク、ドイツ、1994年)に見出すことができる。同様に、Sambrook等による公知の教書(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, USA, 1989年)に記載されているようなin-vitro-突然変異誘発の方法を使用することもできる。相応の方法は、例えば、Papworth等(Strategies 9(3), 3-4(1996年))により記載されているStratagene社(La Jolla, USA)の"Quik Change Site-Directed Mutagenesis Kit"のように、いわゆる"キット"の形で市販されている。
同じく本発明の対象は、本発明により使用されるポリヌクレオチドを含有し、かつ場合によりバクテリア内で複製されるベクター、特にプラスミドである。同じく本発明の対象は、前記ベクターで形質転換された組換え微生物である。この場合に、ポリヌクレオチドは1つの又は複数のプロモーターの作用下に存在することができる。本発明の対象は、同様に前記のベクターで形質転換された組換え微生物である。これに関連して、"強化する"という用語は、相応のDNAによりコードされた微生物において、1つ以上の酵素又はタンパク質の細胞内部の活性もしくは濃度が増加することを意味する。これは、例えば、1つの遺伝子もしくは複数の遺伝子、1つのORFもしくは複数のPRFのコピー数が少なくとも1つのコピー分だけ増えることにより、また強いプロモーターが機能的に遺伝子と結合するか、又は高い活性を有する相応の酵素もしくはタンパク質をコードする1つの遺伝子又は対立遺伝子又はORFを使用することで、又は場合によりこれらの手法が組み合わされることにより行われる。大腸菌では、典型的にlac、tac及びtrpが強いプロモーターと称される。オープンリーディングフレーム(ORF)は、従来技術により何の機能も組み込むことができないタンパク質もしくはポリペプチド、又はリボ核酸がコードされた又はコードできるヌクレオチド配列の断片と称される。当該のヌクレオチド配列の断片に機能を組み込んだ後に、一般に遺伝子と称される。対立遺伝子とは、一般に所定の遺伝子の二者択一的な形であると解釈される。この形はヌクレオチド配列内での違いにより特徴がある。
遺伝子産物とは、一般にヌクレオチド配列、すなわちORF、遺伝子又は対立遺伝子によりコードされたタンパク質又はコードされたリボ核酸である。強化、特に過剰発現の手法により、相応のタンパク質の活性又は濃度は、一般に野生型タンパク質に対して、もしくは相応の酵素もしくはタンパク質に関して組換えられていない微生物又は親株内のタンパク質の活性又は濃度に対して、少なくとも10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、300%、400%又は500%、最大で1000%又は2000%まで高くなる。組換えられていない微生物又は親株とは、本発明による強化又は過剰発現を行った微生物である解釈される。遺伝子又は遺伝子構造は、種々のコピー数を有するプラスミド内に存在するか、又は染色体内に組込まれかつ増幅させることができる。二者択一的に、更に当該の遺伝子の過剰発現は、培地組成物及び培養法の変更により達成することもできる。
本発明の対象は、遺伝子的に改変した微生物において、上記のように方法工程A〜Cを実施できる酵素のタンパク質をコードする核酸を発現する方法である。
本発明による方法は、微生物が少なくとも1つのポリペプチドのタンパク質をコードする少なくとも1つの核酸a
(ケトチオラーゼ活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号16と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%、有利には96%、97%、98%、99%又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有する)
少なくとも1つのポリペプチドのタンパク質をコードする核酸b
(アセトアセテート−CoA−加水分解酵素、アシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼであるか、又はアセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号1と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%、有利には96%、97%、98%、99%又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有するか、又は
アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号3と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%、有利には96%、97%、98%、99%又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有する、又は
アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号5と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%、有利には96%、97%、98%、99%又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有する)及び
少なくとも1つのポリペプチドのタンパク質をコードする核酸c
(アセトアセテートデカルボキシラーゼ活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号18と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%、有利には96%、97%、98%、99%又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有する)
を有することに特徴付けられ、その際、核酸a、b及びcは微生物中でポリペプチドの発現を保証するために使用される。
これに関して、次のもの:
aa 配列17に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
bb ストリンジェントな条件下に、aaに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
cc 遺伝子コードの縮重なく、aaとbbで定義したDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
から選択される核酸aを使用するのが有利である。
核酸cとして、次のもの:
dd 配列19に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
ee ストリンジェントな条件下に、ddに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
ff 遺伝子コードの縮重なく、ddとeeに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
から選択されるものを使用するのが有利である。
核酸bとして、次のもの:
gg 配列2に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
hh ストリンジェントな条件下に、ggに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
ii 遺伝子コードの縮重なく、ggとhhに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
から選択されるものを使用するのが有利であり、又は更に有利には次のもの:
jj 配列4に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
kk ストリンジェントな条件下に、jjに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
ll 遺伝子コードの縮重なく、jjとkkに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
から選択されるものを使用するのが有利であり、又は特に有利には次のもの:
mm 配列6に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
nn ストリンジェントな条件下に、mmに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
oo 遺伝子コードの縮重なく、mmとnnに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
から選択されるものを使用するのが有利である。
本発明による方法の有利な実施態様では、核酸a、b及びcは、3つ全ての遺伝子産物の発現を可能にする1つのヌクレオチド鎖上にある。
核酸a、b及びcは、1つのヌクレオチド鎖上にあり、かつこれは次のもの:
配列番号7による核酸配列を有するプラスミドpSKatt、
配列番号8による核酸配列を有するプラスミドpKSatt、
配列番号9による核酸配列を有するプラスミドpUC19att、
配列番号10による核酸配列を有するプラスミドpUC18att、
配列番号11による核酸配列を有するプラスミドpUC19ayt
を有する群から選択されるのが特に有利である。
従って、本発明の対象は 配列番号7による核酸配列を有するプラスミドpSKatt、配列番号8による核酸配列を有するプラスミドpKSatt、配列番号9による核酸配列を有するプラスミドpUC19att、配列番号10による核酸配列を有するプラスミドpUC18att、及び配列番号11による核酸配列を有するプラスミドpUC19aytを有する核酸である。
本発明のもう1つの対象は、アセトアセチル−CoAをアセトアセテートとコエンザイムAに酵素反応させるアシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼの使用である。殆どの酵素の高い基質特異性ゆえに、当業者にとってこれらのクラスの酵素がアセトアセテート−CoAが基質として認容されることは意外であり、かつ予見不可能であった。
アセトアセチル−CoAをアセトアセテートとコエンザイムAに酵素反応させるアシル−CoA−チオエステラーゼ活性、アシル−CoA−合成酵素活性、又はアシル−CoA−チオキナーゼ活性を有するポリペプチドの使用が有利であり、その際、前記ポリペプチドは、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素、アシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼであるか、又はアミノ酸配列 配列番号1と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%まで、更に有利には96%、97%、98%、99%又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有する、又は
アミノ酸配列 配列番号3と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%まで、更に有利には96%、97%、98%、99%又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有する、又は
アミノ酸配列 配列番号5と少なくとも90%まで、有利には少なくとも95%まで、更に有利には96%、97%、98%、99%又は100%まで同一であるアミノ酸配列を有する。
従って本発明の対象は、アセトアセチル−CoAのアセトアセテートとCoAへの反応にその遺伝子産物を利用するための、gg〜ooの群から選択される核酸bのうち少なくとも1つの使用でもある。
以後の実施例では本発明を例示的に記載し、本発明はその利用範囲が全体の説明と請求項からもたらされるが、実施例に挙げられた実施態様に限定されるわけではない。
図1は、アセトン、ブタノール及びエタノールの生合成を表す図である。 図2は、アセトンの生合成を表す図である。 図3は、E.Coli M15内でのTEIIsrfの発現を表す図である。 図4は、E.ColiからのTEIIsrfの精製を表す図である。 図5は、基質アセチル−CoAとアセトアセチル−CoAに関して、TEIIsrfのKm値を算出するラインウィーヴァー・ブルク−図を表す図である。 図6は、E.Coli BL21内でのAACSの発現(DE3)を表す図である。 図7は、E.ColiからのAACSの精製を表す図である。 図8は、YbgCの発現と精製を表す図である。 図9は、プラスミドpSK内での遺伝子adc、teIIsrf及びthlAの連続クローン化の図式を表す図である。 図10は、pUC19−構造の作成を表す図である。 図11は、E.Coli HB101(5ml培地)における種々の発現ベクター内でのアセトン形成とアセテート形成を表す図である。 図12は、pUC19ayt(YbgC)とpUC19act(コントロールCtfA/B)を含有するE.Coli HB101の100ml培地中でのアセトン形成とアセテート形成を表す図である。
実施例
例1:枯草菌由来のチオエステラーゼII(TEIIsrf
この酵素を、枯草菌ATCC 21332内で非リボソーム型ペプチド−合成酵素と一緒に混合しサーファクチン(ペプチド−抗生物質)を形成した。Schwarzer等は、C末端にHis-Tagを有する目的タンパク質との融合を媒介するプラスミドpQE60内で相応の遺伝子をクローン化(pTEIIsrf)し、かつこのタンパク質(28kDa)を精製することができた(Schwarzer D., H. D. Mootz, U. Linne, M. A. Marahiel. 2002、II型チオエステラーゼによるミスプライムされた非リボソーム型ペプチド合成酵素の再生、PNAS 99: 14083-14088頁)。引き続く検査では、このタンパク質には基質としてのアセチル−CoAとプロピオニル−CoAで加水分解活性が検出された。
配列番号13を有するプラスミドpTEIIsrfを、Schwarzer D, Mootz HD, Linne U, Marahiel MA(II型チオエステラーゼによるミスプライムされた非リボソーム型ペプチド合成酵素の再生、Proc Natl Acad Sci USA. 2002 Oct 29; 99(22): 14083-8)に記載されているように作成した。
LBAMP−培地中のE. Coli M15内でタンパク質の発現を30℃かつ150rpmにて行い、かつ0.6〜0.8の光学濃度(OD600nm)で1μM IPTGで誘発した。更に2時間後に培地を回収した。成長の際に得られたプローブでは成功したタンパク質発現が確認された。図3には、グラマシー染色後に、12%濃度のSDS−ポリアクリルアミドゲルに1つのレーン当たり粗抽出物15μlを載せたものが示されている;1:誘発前、2:誘発1時間後、3:誘発2時間後。
DTNB−アッセイ[(5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)]により、遊離SH−基で測定された予見の活性測定は、タンパク質の精製を必要とした。これは、FPLC担持したTEIIsrfの融合化His-Tagにより、Ni2+−NTA−アガロースにおける金属キレートアフィニティークロマトグラフィーによりイミダゾール勾配を増大させて行った。
このために、まず細胞を獲得(5000×g、15分、4℃)し、乾燥していない重量3ml/gを細胞分解緩衝液(50mM HEPES, 300mM NaCl, pH7.8)に懸濁させ、かつ場合により−20℃で貯蔵した。超音波処理(Sonicator Bandelin Sonopuls, Bandelin Berlin)により、細胞を分解し、かつ粗抽出物が遠心分離(30000×g、30分、4℃)により得られた。精製をFPLC−装置にて行った(Pharmacia Biotech GmbH)。製造者の指示に従って、相応して用意し、かつ平衡化した(50mM HEPES, 300mM NaCl, 30mM イミダゾール、pH7)Ni2+−NTA−アガロースカラム(Qiagen Superflow、カラム床体積5ml)に3.5ml粗抽出物を載せた。引き続き、カラムを平衡緩衝液50mlで洗浄した。溶出は、50mlを上回る直線状のイミダゾール−勾配で行った(50mM HEPES中30〜300mMイミダゾール、300 mM NaCl、pH7)。
図4の上の範囲には、Ni2+−NTA−アガロース(Qiagen Superflow、カラム床体積5ml Bettvolume 5ml)におけるFPLC−溶出プロフィールが示されている。ここで、プログラムは以下の通りである:洗浄0〜50ml、溶出30〜300mMイミダゾールで50〜100ml(線状勾配)及びフラクションサイズ1ml毎;下の範囲は、クーマシー染色した12%SDS−PAGE−Gelが描写されている。ここで、溶出フラクション23〜31個、1つのレーンあたりタンパク質1μgがプロットされている。
得られたフラクションをまとめ、かつ活性測定に使用した。基質としてアセトアセチル−CoAを使用し、かつ比較にアセチル−CoAを使用した。DTNB−アッセイでは、酵素反応によりアセトアセテートもしくはアセテートに遊離するCoAの末端のスルフヒドリル基とDTNBを反応させて着色生成物にした。これは412nmの光度測定にて決定することができた。
以下のKm−値が決定された:アセチル−CoAでは2・10-4mol・1-1(0.2mM)、アセトアセチル−CoAでは7.7・10-4mol・1-1(0.77mM)。従って、TEIIsrfは、アセチル−CoAに対して高い基質親和性を有した。図5には、基質であるアセチル−CoAとアセトアセチル−CoAに関して、TEIIsrfのKm値を算出するラインウィーヴァー・ブルク−図が示されている。
例2:シノルヒゾビウム・メリロティ(Sinorhizobium meliloti)由来のアセトアセチル−CoA−合成酵素(AACS)
アミノ酸配列 配列番号3を有するアセトアセチル−CoA−合成酵素(AACS)と、シノルヒゾビウム・メリロティ由来の相応のcDNA−配列 配列番号4は、ATPを消費しながらアセトアセテートとコエンザイムAの反応を触媒してアセトアセチル−CoAとAMPにする。しかし本発明の範囲内では逆の反応に関心があった。
相応の遺伝子acsA2は、Aneja, P. R. Dziak, G. Q. Cai, T. C. Charless, 2002に記載されているように発現ベクターpET30Xa/LIC内でクローン化させた。シノルヒゾビウム・メリロティ内でL−(+)−3−ヒドロキシブチレートを利用するアセトアセチルコエンザイムA合成酵素−依存性経路の同定は、J. Bacteriol. 184: 1571-1577頁に開示されている。このように得られたプラスミド"pRD112"は、目的タンパク質のN−末端とHis-Tagの融合を媒介し、これは更にNi2+−NTA−アガロースにおけるアフィニティークロマトグラフによる精製を可能にする。
E. Coli BL21(DE3)−細胞内でのタンパク質の発現は、37℃及び180Upmで行った。0.5〜0.6の光学濃度(OD600nm)で培地を1mM IPTGで誘発し、引き続き3時間インキュベートした。成功したタンパク質(約72kDa)の発現からは成長の間に得られたプローブが検出された。
図6には、クーマシー染色後の7.5%濃度SDS−PAGE−ゲルが記載されている;1つのレーン当たり粗抽出物15μg(速い細胞溶解)をプロットした。1:誘発前、2:誘発後1時間、3:誘発後2時間。
精製は、TEIIsrfのものに倣って、Ni2+−NTA−アガロースにおける金属キレートアフィニティークロマトグラフィー及び20〜250mMイミダゾール勾配により行った(図7A)。この場合に2つのピーク(1と2)が現れ、それらのフラクションのタンパク質含有量を調べた。引き続く分析は、7.5%濃度のSDS−PA−ゲル内に示されている。特に1番目のピークでは更なるバンドの出現は約55kDaにおいてであった。これらのバンドは、2番目のピークでは著しく弱いか又は全く生じなかったので、これらのピークの相応するフラクションを合わせ、かつ活性測定に使用した。基質として再びアセトアセチル−CoAを使用し、かつ比較のためにアセチル−CoAをDTNB−アッセイで使用した。Km−値の測定は、基質としてのアセチル−CoAでは7・10-4mol・1-1(0.7mM)の値が得られた。それに対して、アセトアセチル−CoAでは測定した値はKm−値の測定に不十分であった。しかし、酵素とアセトアセチル−CoAとの特異的活性は、単に0.0038μmol・分-1・mg-1であったので、相応の遺伝子とクロストリジウム遺伝子を組み合わせるクローン化にシノルヒゾビウム・メリロティ由来のAACSを更に使用することを除いた。図7には、E.Coli由来のAACSの精製が示されていて、上の範囲は、Ni2+−NTA−アガロース(Qiagen Superflow、カラム床体積5ml)におけるFPLC−溶出プロフィールを示している。その際、プログラムは以下の通りである:洗浄0〜100ml、溶出20〜250mMイミダゾールで100〜150ml(線状勾配)及びフラクションサイズ1ml毎で示されている;下の範囲は、銀染色した後の7.5%SDS−PAGE−Gelが示されている。ここで、選択されたピーク1とピーク2の溶出フラクションは、1つのレーン当たりタンパク質1μgである。RE:粗抽出物、DL:通過。
例3:インフルエンザ菌由来のアシル−CoA−チオエステラーゼYbgC
アミノ酸配列 配列番号5及び相応するcDNA−配列 配列番号6を有するインフルエンザ菌由来のYbgCタンパク質は、E. Coli由来の相応のタンパク質と類似性があった。これは細胞質タンパク質として、いわゆるTol-Pal−系に属する。これはグラム陰性細菌内で広く伝播し、細胞壁の完全性を保持するために重要であり、かつ場合によっては物質を周辺細胞質を介して輸送する際の機能を有する。それに対して、インフルエンザ菌内でのYbgCの機能ならびにTol-Pal−系の機能との可能性として有り得る関係は、これまでに発表されていない。しかしZhuang等の刊行物(2002)には、このタンパク質の触媒機能の試験及びチオエステラーゼ活性の分析が記載されている。この場合に、例えばプロピオニル−CoAとブチリル−CoA(Km値11〜24mM)のような単鎖脂肪族アシル−CoA−エステルのYbgCによる加水分解が示されている(Zhuang Z., F. Song, B. M. Martin, D. Dunaway-Mariano. 2002.インフルエンザ菌のtol-pol-遺伝子クラスターのybgC遺伝子にコードされたYbgCタンパク質は、アシル−コエンザイムAチオエステルの加水分解を触媒する、FEBS Lett. 516:161-163)。この目的の範囲内でアセチル−CoAとアセトアセチル−CoAの活性をin-vitro検出するには、新たなタンパク質の精製が前提となる。ゲノムDNAから出発して、他の発現系、すなわちNEB社(フランクフルト・アン・メイン)のIMPACTTM(Intein Mediated Purification with an Affinity Chitin-binding-Tag)系で遺伝子をクローン化した。その利点は、前記方法がその本来の形で、すなわちタグ無しで組換えタンパク質の簡単な精製を可能にすることにある。
ベクターpTYB1(NEBフランクフルト・アン・メイン)内でのybgCのクローン化は、発現ならびに引き続くE.coli由来のアシル−CoA−チオエステラーゼYbgCの精製を可能にする。
遺伝子ybgcを、プライマーybgcTYB1Ndefw(ATA TAC ATA TGT TGG ATA ATG GCT TTT C)とybgcTYB1Xhorev(TCC GAA CTC GAG TTT TAA GTG ATG)を用いてゲノムDNAのPCRにより増幅した。この場合に、プライマーは、NdeI−切断部位を増幅した断片の5’−末端に、もしくはXhoI−切断部位を3’−末端に組込むことを媒介する。Taq−マスターミックス(Qiagen, Hilden)を製造者の指示に従い以下の条件で使用した:
Figure 2011502493
約430Bpの予想した大きさの断片が得られた。これをまず、製造者の指示に従いpJET−ベクター(Fermentas, St. Leon-Rot)内でサブクローン化した(pJet_ybgcTYB, 410Bp)。引き続き、このプラスミドからybgc−断片を制限エンドヌレーアーゼNdeIとXhoIで切り取り、かつゲル溶出(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologye GmbH、製造者の指示に従い獲得 )した。ベクターpTYB1(7477Bp)を同様にNdeIとXhoIで切断(7439Bp)し、かつ引き続き製造者の指示に従ってレピッド・ライゲーションキット(Fermentas GmbH, St. Leon-Rot)の使用下に切断し、かつゲル溶出したybgc断片とライゲーションした。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。引き続き得られたクローンをLB−アンピシリン−液体培地内で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(NdeI/XhoI)により検査し、かつシーケンス化した(Agowa GmbH、ベルリン)。生じたプラスミドをpTYBybgc(配列番号15)でマークし、かつ更なる形質転換にE. Coli BL21 DE3内で使用した。
37℃で0.5mMのIPTGで約0.5のOD600nmにて誘発されるまでLBAMP−培地中のE. Coli BL21(DE3)内で発現を行い、その後に培地を20℃かつ150rpmで6時間更にインキュベートした。異種性を調べた融合タンパク質(約70kDa)はチキンに結合した。DTTの添加により、形態の変化が制限され、かつ引き続き溶出できる目的タンパク質(約15kDa)の切断部を誘発した。図8には、SDS−PAGE−ゲルが示されており、上の範囲は、YbgCの発現を分析したSDS−PAGEが記載されている。これはクーマシー染色後の10〜20%濃度の勾配−SDS−PA−ゲルである。これに1つのレーン当たり粗抽出物15μl(速い細胞溶解)を載せた。1:誘発前、2、3:誘発後6時間。下の部分には、銀染色後に、10〜20%濃度の勾配−SDS−PA−ゲル中のキチンカラムにおけるYbgCの精製の過程が記載されている。これを1つのレーン当たりタンパク質2μl(速い溶解)を載せた。−RE:粗抽出物、DL:通過、W:洗浄フラクション、溶出:タンパク質含有溶出フラクション(フラクションサイズ:1ml毎)。
溶出フラクション中には、所望のタンパク質15kDaの他に、融合タンパク質のバンドと***したインテインドメインが示されたが、これをDTNB−アッセイでin vitro−活性測定に用いた。Km−値を算出する決定が定まらなかったが(データ表示なし)、基質としてのアセチル−CoAに関しては、5.3・10-4 mol・l-1(0.53 mM)のKm値、アセトアセチル−CoAに関しては、1.4・10-4 mol・l-1(0.14 mM)のKm値を算出できた。そのうえ直接の比較では、アセトアセチル−CoAに対する酵素の高い基質親和性を決定することができた。この結果は、YbgCを更なる検査でクローニングに加えることが出来ることを示している。
例4:発現ベクターを構築するためのクローニング攻略
E.Coli内でアセトンを生産するために、C.アセトブチリカム由来の遺伝子thlA(配列番号16のアミノ酸配列及び相応のcDNA−配列 配列番号17を有する遺伝子産物、チオラーゼA)及びadc(配列番号18のアミノ酸配列及び相応のcDNA−配列 配列番号19を有する遺伝子産物、アセトアセテート−デカルボキシラーゼ)と一緒に、適切なアシル−CoA−チオエステラーゼ又はアシル−CoA−合成酵素/アシル−CoA−チオキナーゼ遺伝子のクローン化を行った。このために、まずプラスミドpSKとpKSを選択した。これは実質的にマルチクローニングサイト(MCS)の方向とは異なるクローン化ベクターである。MCSは、それぞれ存在するlacZ’−遺伝子配列の内部にあり、これはβ−ガラクトシダーゼのN−末端断片をコードし、かつ組換えプラスミドのブルー・ホワイト−スクリーニングを可能にする。プロジェクトの範囲内での検査では、誘発可能なlac−プロモーターの制御下にクローン化遺伝子を発現することが重要である。このために、ベクターpsKを用意した。更に、プラスミドpKS内に挿入することにより、変異体が産生される。その際、該遺伝子は、C.アセトブチリカム由来の構築的なチオラーゼ−プロモータの制御下に実験するのがよい。
ベクター内でのそれぞれの遺伝子のクローン化は、連続的に行われる。このために、まず遺伝子を増幅するためのオリゴヌクレオチドを相応の切断部位を挿入しながら設計し、かつポリメラーゼ−連鎖反応を実施した。全ての断片を増幅し、かつ前記のようにベクター内でクローン化した。pSKの場合の攻略手法及び使用される制限切断部位は、図9に図式的に明示されている。同様に、プラスミドpKSを用いて行った。
以下に、クローン化工程を詳細に開示する:
プラスミドpKS内での遺伝子adc、teII、thIAのクローン化:
遺伝子adc(クロストリジウム・アセトブチリカム由来のアセトアセテート−デカルボキシラーゼ)、teIIsrf(枯草菌由来のチオエステラーゼII)及び
thIA(C.アセトブチリカム由来のチオラーゼ)を1つのベクターと一緒にクローン化し、かつ引き続きE.Coli中で発現させることが目的であった。
アセトアセテート−デカルボキシラーゼ遺伝子adcを、プライマーAdcXhofwneu(CAT GCT CGA GAC GCG TTA CGT ATC)及びAdcAparevneu(GAT GGG GCC CTG AAT TCT ATT ACT TAA G)を用いてプラスミドpDrive_adc(配列番号20)のPCRにより増幅させた。この場合に、プライマーは、XhoI−切断部位を増幅した断片の5’−末端に、もしくはApaI−切断部位を3’−末端に挿入することを媒介した。製造者の指示に従い、4mM MgCl2を添加しながら、以下の条件でポリメラーゼGoTaq(Promega GmbH、マンハイム)を使用した:
Figure 2011502493
約800Bpの予想したサイズの断片が得られた。これをゲル溶出(ゲル抽出キット; peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)し、かつ引き続きプラスミドpKSの場合と同じように制限エンドヌクレアーゼXhoIとApaIで切断(788Bp)し、かつベクターを付加的に脱燐した(Antarcticホスファターゼ、New England Biolabas GmbH、フランクフルト・アム・メイン、製造者の指示に従って)。続いて、このように処理したベクターと断片のライゲーションを製造者の指示に従ってT4−リガーゼ(New England Biolabas GmbH、フランクフルト・アム・メイン)を用いて行った。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。それぞれの反応物について、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を予め冷却した1.5ml反応容器に移し、かつ10μlのライゲーション反応物をこれに加えて慎重に混合し、かつ反応物を氷上で30分間インキュベートした。引き続き、42℃で90秒間ヒートショックを加え、かつその後に細胞を新たに氷上に2分間置き、これに予め温めたLB−培地0.5mlを加え、該反応物を37℃で60分間揺り動かしながらインキュベートした。各々の反応物のうち100〜300μlをLB−アンピシリン培地にプレーティングし、かつ37℃で一晩インキュベートした。得られたクローンを引き続きLB−アンピシリン液体培地中で育て、かつプラスミドDNAを以下のプロトコールに従って単離した:プラスミド−DNAの迅速な単離には、カラム精製なしに"Qiagen Mini-Kit"(Qiagen, Hilden)の工程の変法をBirnboim and Dolyに倣って使用した(Birnboim, H. C., J. Doly. 1979. A rapid alkaline extraction process for screening recombinant plasmid DNA. Nucleic Acids Res. 7: 1513-1523)。単離したプラスミドを制限分析(ApaI/XhoI)により調べ、かつ引き続き陽性クローンをシーケンス化した(Agowa GmbH, ベルリン)。このプラスミドをpKSadcでマークしかつ以後のクローン化工程で使用した。
チオエステラーゼII遺伝子thIIsrfを、プライマーThIISalfw(CTT TTG TCG ACG GAT AAC AAT TTC ACA CAG A)とThIIXhorev(CTA TCA ACT CGA GTC CAA GCT CAG CTA ATT AA)を用いてプラスミドpTEIIsrfのPCRにより増幅した。この場合に、プライマーは、SalI−切断部位を増幅した断片の5’−末端に、もしくはXhoI−切断部位を3’−末端に組込むことを媒介する。Synergy−ポリメラーゼ(GeneCraft GmbH.、ルーディングハウゼン)を製造者の指示に従い以下の条件で使用した:
Figure 2011502493
約850Bpの予想したサイズの断片が得られた。これをゲル溶出(ゲル抽出キット; peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)し、かつ引き続きプラスミドpKSadcの場合と同じように制限エンドヌクレアーゼSalI及びXhoIで切断(831Bp)し、かつベクターを付加的に脱燐した(シュリンプアルカリホスファターゼSAP, Fermentas GmbH, St. Leon-Rot,製造者の指示に従って)。続いて、このように処理したベクターと断片のライゲーションを製造者の指示に従ってレピッド・ライゲーションキットを用いて行った(Fermentas GmbH, St. Leon-Rot)。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。それぞれの反応物から100〜300μlをLB−アンピシリン−培地上にプレーティングし、かつ一晩37℃でインキュベートした。得られたクローンを引き続きLB−アンピシリン液体培地中で育て、かつプラスミドDNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(XhoI/SalI)により調べ、かつ引き続き陽性クローンをシーケンス化した(Agowa GmbH, ベルリン)。このプラスミドをpKSadcteでマークしかつ以後のクローン化工程で使用した。
チオエステラーゼ遺伝子teIAを、C.アセトブチリカム由来のゲノムDNAのPCRによりチオラーゼ−プロモーターを含めて増幅した。
C.アセトブチリカムからの染色体DNAの単離:
C.アセトブチリカムからの染色体DNAの単離は、原則的にバートラム(Bertram)により行った(Bertram, J. 1989、クロストリジウム・アセトブチリカムのDNAトランスファー及びトランスポゾン突然変異誘発系の開発、学位論文、ゲッティンゲン大学)。
このために、細胞を2×YTG−嫌気培地中で育て、かつ約1.2のOD600で回収した。前記細胞を遠心分離により(5分間、5000×g、4℃)沈殿させた。細胞沈殿物を10mlの1×TAE緩衝液(10%[w/v]サッカロースで補充)で3回洗浄し、次に−20℃で貯蔵した。DNAはこのように処理した細胞懸濁液90mlから次のように得られた:
1.サッカロース含有1×TAE3.8ml中にペレットを懸濁
2.リゾザイム−RNase溶液1mlを添加
3.インキュベーション:30分、37℃
4.0.5M EDTA(pH 8.0)500μlを添加、40μlTris-HCl(pH 8.0)、30μl SDS(10%[w/v])
5.インキュベーション:10分、37℃
6.タンパク質分解酵素K溶液200μlを添加
7.インキュベーション:2時間、37℃
8.5M過塩素酸ナトリウム1.4mlを添加
9.氷にクロロホルム−イソアミルアルコール(24:1[v/v])7.3mlを添加
10.遠心分離:10分、5000×g、4℃
11.上の水相を除去
12.工程9〜11の2回目の繰り返し
13.1体積イソプロパノールの添加により水相からDNAの沈殿
14.インキュベーション:5分、室温
15.遠心分離:20分、16000×g、4℃
16.室温でペレットを乾燥、最大2時間
17.TE−緩衝液2ml中でペレットの懸濁
18.タンパク質分解酵素K−溶液200μlを添加
19.インキュベーション:37℃で一晩
20.A. dest.で4mlまで体積を増やす
21.3M酢酸ナトリウム600μlを添加(pH 5.2)
22.クロロホルム−イソアミルアルコールで3回抽出(工程9〜11参照)
23.1体積イソプロパノールの添加によりDNA沈殿
24.インキュベーション:5分、室温
25.遠心分離:20分、16000×g、4℃
26.96%(v/v)エタノールでペレットを2回洗浄(純粋な氷冷)
27.室温でペレットを乾燥、最大2時間
28.TE200μl中、ペレットを懸濁。
PCRに使用したプライマーPthlAXmafw(CAT GAT TTC CCG GGG GTT AGC ATA TG)とPthlASalrev(CAG AGT TAT TTT TAA GTC GAC TTT CTA GCA C)は、XmaI−切断部位を増幅した断片の5’−末端に、もしくはSakI−切断部位を3’−末端に組込むことを媒介する。Taq−マスターミックス(Qiagen, Hilden)を製造者の指示に従い以下の条件で使用した:
Figure 2011502493
約1400Bpの予想した大きさの断片が得られた。これをまず、製造者の指示に従いpJET−ベクター(Fermentas, St. Leon-Rot)内でサブクローン化した(pJet_PthlA)。引き続き、このプラスミドからthlA−断片を制限エンドヌレーアーゼXhoIとCfr9Iで再び切り取り(1397Bp)、かつゲル溶出(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologye GmbH、製造者の指示に従い獲得)した。プラスミドpKSadcteを同様にXhoIとCfr9Iで処理し、かつ付加的に脱燐した(シュリンプアルカリホスファターゼSAP、Fermentas GmbH, St. Leon-Rot、製造者の指示に従って)。これに続き、このように処理したベクターと断片を製造者の指示に従いレピッド・ライゲーションキットの使用下にライゲーションを行った(Fermentas GmbH, St. Leon-Rot)。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。引き続き、得られたクローンをLB−アンピシリン−液体培地中で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(SalI/Cfrl9I)により調べ、かつ引き続き陽性クローンをシーケンス化した(Agowa GmbH、ベルリン)。
配列番号8を有するプラスミドをpKSattでマークし、かつ更なる形質転換用に種々のE.Coli菌株内で使用し、これを以後アセトンの形成に関して調べた。
プラスミドpSK中での遺伝子adc、teIIsrf、thlAのクローン化:
3つの遺伝子をベクターpSK中でクローン化するために、まず既にpKS中に存在するadc−teIIsrf−断片を制限により、ApaIとSalIで切り取り(1625Bp)、かつゲル溶出し(ゲル抽出キット; peqlab Biotechnologie GmbH, 製造者の指示に従って獲得)、かつ同様に切断し、かつ脱燐したpSK−ベクター(SAP, Fermentas GmbH, St. Leon-Rot, 製造者の指示に従って)中でライゲーションした。このために、クイックライゲーションキット(New England Biolabs GmbH、フランクフルト・アム・マイン)を製造者の指示に従って使用した。引き続き、得られたクローンを調べるために、これをLB−アンピシリン−液体培地中で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(ApaI/SalI)を用いて検査した。このように得られたプラスミドをpSKadcteでマークし、かつ以下のクローン化工程で更に使用した。
チオラーゼ−遺伝子thlAを、プライマーThlAXmafw(GTC GAC CCG GGT CAA AAT TTA GGA G)とThlASalrev(GCT TGT CGA ATT CAG ATC AGA G)を用いてプラスミドpDrive_thl(配列番号21)のPCRにより増幅した。この場合に、プライマーは、XmaI−切断部位を増幅した断片の5’−末端に、もしくはSalI−切断部位を3’−末端に組込むことを媒介する。Taq−マスターミックス(Qiagen, Hilden)を製造者の指示に従い以下の条件で使用した:
Figure 2011502493
約1250Bpの予想した大きさの断片が得られた。これをまず、製造者の指示に従いpJET−ベクター(Fermentas, St. Leon-Rot)内でサブクローン化した(pJet_thlA)。引き続き、このプラスミドからthlA−断片を制限エンドヌレーアーゼXhoIとCfr9Iで再び切り取り(1243Bp)、かつゲル溶出した(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)。プラスミドpSKadcteを同様にXhoIとCfr9Iでマークし、かつ付加的に脱燐した(シュリンプアルカリホスファターゼSAP, Fermentas GmbH, St. Leon-Rot、製造者の指示に従って)。引き続き、このように処理したベクターと断片のライゲーションを製造者の指示に従ってクイックライゲーションキット(New England Biolabs GmbH、フランクフルト・アム・マイン)の使用下に行った。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。引き続き得られたクローンをLB−アンピシリン−液体培地中で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(SalI/Cfrl9I)により検査し、引き続き陽性クローンをシーケンス化した(Agowa GmbH、ベルリン)。配列番号7を有するプラスミドをpSKattでマークし、かつ更なる形質転換に種々のE. Coli−菌株内で使用した。
クロストリジウム遺伝子adc, ctfA/B及びthlAが既にクローン化されて存在する配列番号14を有するpUC18−構築物(pUCadc_ctfA/B_thlA; 図10参照)をベースとして、一方では付加的な変異体をベクターpUC19内で製造でき、その際この遺伝子カセットはlacプロモーターの制御下に発現した。更に、引き続き遺伝子ctfA/Bを特異的に切り取ることができ、適切な切断部位を断片に挿入した後に遺伝子teIIsrfもしくはybgCを挿入した(図9)。更にpUC18−構築物中で、本来のthlA−断片を取り除き、かつ"上流に"thl−プロモーター配列を含むthlA−断片と交換した。
図10は、pUC19−構築物の作成を図示している;上側は、プラスミドpUC19中で遺伝子カセットadc/ctfAB/thlAをクローン化する際の方法を図式説明したものであり、下側は、プラスミドpUC19actから出発して、teIIsrfもしくはybgCをクローン化する際の方法を図式説明したものである。
クローン化の詳細:
プラスミドpUC19actの構築
この基礎は配列番号14を有するプラスミドpUCadc_ctfA/B_thlAであり、これはアセトアセテート−デカルボキシラーゼ(adc)、CoA−トランスフェラーゼ(ctfA/B)及びチオラーゼ(thlA)のためのクロストリジウム遺伝子をベクターpUC18中でクローン化したものである。該遺伝子は、lacZ−遺伝子に対して反対方向でクローン化された。従って、遺伝子はlac−プロモーターの制御下に転写可能であり、adc_ctfA/B_thlA断片(3311Bp)を再び制限エンドヌクレアーゼSalIとEcoRIで切り取り、かつ同じ酵素で切断しておいたベクターpUC19内でライゲーションした(製造者の指示に従って、レピッドライゲーションキット;Fermentas GmbH, St. Leon-Rot)。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。引き続き得られたクローンをLB−アンピシリン−液体培地中で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(SalI/EcoRI)により検査した。配列番号12を有するプラスミドをpUC19atcでマークし、かつ以後、種々のE.Coli菌株における形質転換に使用し、これを後でアセトンの形成について検査した。この場合に、アセトンを形成するクロストリジウム遺伝子を含んでいる構築物を、残りの構築物との比較として使用した。
プラスミドpUC18attの構築:
この基礎は配列番号14を有するプラスミドpUCadc_ctfA/B_thlAであり、これはアセトアセテート−デカルボキシラーゼ(adc)、CoA−トランスフェラーゼ(ctfA/B)及びチオラーゼ(thlA)のためのクロストリジウム遺伝子をベクターpUC18中でクローン化したものである。
チオエステラーゼII−遺伝子teIIsrfを、プライマーTeIIpUCBamfw(CAA TTG GGA TCC GAT AAC AAT TTC ACA CAG)とTeIIpUCAccrev(GAG ATC TGG TAC CCG GTT AAA TGA TCG GA)を用いたプラスミドpTEIIsrfのPCRにより増幅した。この場合に、プライマーは、BamHI−切断部位を増幅した断片の5’−末端に、もしくはAcc65I−切断部位を3’−末端に組込むことを媒介する。Synergy−ポリメラーゼ(GeneCraft GmbH、ルーディングハウゼン)を製造者の指示に従い以下の条件で使用した:
Figure 2011502493
約800Bpの予想した大きさの断片が得られた。これをまず、製造者の指示に従いpJET−ベクター(Fermentas, St. Leon-Rot)内でサブクローン化した(pJet_thIIpUC)。引き続き、このプラスミドからthIIsrf−断片を制限エンドヌレーアーゼBamHIとAcc65Iで再び切り取り(776Bp)、かつゲル溶出した(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)。ベクターpUCadc_ctfA/B_thlAを同様に制限酵素BamHIとAcc65Iで処理し、ctfA/B−断片(1331Bp)を取り出した。反応物がアガロースゲル内に出現し、かつ残りのベクター(4633Bp)と一緒にバンドをゲル溶出した(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)。引き続き、ベクターと断片のライゲーションを製造者の指示に従ってレピッド・ライゲーションキット(Fermentas GmbH、St. Leon-Rot)の使用下に行った。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。引き続き得られたクローンをLB−アンピシリン−液体培地中で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(BamHI/Acc65I)により検査した。生じたプラスミドpUC18att_subをthIA−断片とチオラーゼ−プロモーターのクローン化に更に使用した。
チオラーゼ−プロモーターを含めたチオラーゼ−遺伝子thlAをC.アセトブチリカム由来のゲノムDNAのPCRにより増幅した。PCRに使用したプライマーPthlApUCSalfw(CAT GAT TTG TCG ACG GTT AGC ATA TG)とPthlApUCBamrev(CAG AGT TAT TTT TAA GGA TCC TTT CTA GC)は、SalI−切断部位を増幅した断片の5’−末端に、もしくはBamHI−切断部位を3’−末端に組込むことを媒介する。Taq−マスターミックス(Qiagen, Hilden)を製造者の指示に従い、2.5mM MgSO4を添加しながら以下の条件で使用した:
Figure 2011502493
約1400Bpの予想した大きさの断片が得られた。これをまず、製造者の指示に従いpJET−ベクター(Fermentas, St. Leon-Rot)内でサブクローン化した(pJet_pthlApUC)。引き続き、このプラスミドからthlAsrf−断片を制限エンドヌレーアーゼSalIとBamHIで再び切り取り(1397Bp)、かつゲル溶出した(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)。前方の部分に構築されたプラスミドpUC18att_subからSalIとBamHIでチオラーゼ−断片(プロモーター無し、1217Bp)を切り取り、残ったベクター(4192Bp)をゲル溶出し、かつプロモーターを含むチオラーゼ断片(1397Bp)をライゲーションした(レピッド・ライゲーションキット製造者の指示に従って;Fermentas GmbH, St. Leon-Rot)。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。引き続き得られたクローンをLB−アンピシリン−液体培地中で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(SalI/BamHI)により検査し、かつシーケンス化した(Agowa GmbH、ベルリン)。このプラスミドをpUC18att(配列番号10)でマークし、かつ更なる形質転換のために種々のE.Coli−菌株中で使用し、これを後でアセトンの形成について検査した。
プラスミドpUC19attの構築
この基礎はプラスミドpUC19actであり、これはアセトアセテート−デカルボキシラーゼ(adc)、CoA−トランスフェラーゼ(ctfA/B)及びチオラーゼ(thlA)のためのクロストリジウム遺伝子をベクターpUC19中でクローン化したものである。
teIIsrf−断片を、制限酵素BamHIとAcc65IでpJet_teIIpUCから切り取り(776Bp)、かつゲル溶出した(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)。ベクターpUC19actを同じ酵素で切断し、ctfA/B断片を取り出した。アガロース中での出現の後に、残ったベクターバンド(4633Bp)をゲル溶出した(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)。引き続き、ベクター断片とteIIpUC−断片のライゲーションを行った。このために、製造者の指示に従ってクイックライゲーションキット(New England Biolabs GmbH、フランクフルト・アム・マイン)を使用した。形質転換を上記のように行った。得られたクローンを検査するために、引き続きこれをLB−液体培地中で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(BamHI/Acc65I)により検査した。このように得られたプラスミドをpUC19att(配列番号9)でマークし、かつ更なる形質転換のために種々のE.Coli−菌株内で使用し、これを後でアセトンの形成について検査した。
プラスミドPUC19aytの構築
このためにプラスミドpUC19attを形成した。
インフルエンザ菌由来のアシル−CoA−チオエステラーゼYbgCの遺伝子ybgcを、プライマーybgcpUCBamfw(CTC TAG AAG GAT CCT GTT TAA CTT TAA G)とybgcpUCAccrev(ATT GGG TAC CTC ATT GCA TAC TCC G)を用いてゲノムDNAのPCRにより増幅した。この場合に、プライマーはBamHI−切断部位を増幅した断片の5’−末端に、もしくはAcc65I−切断部位を3’−末端に組込むことを媒介する。Taq−マスターミックス(Qiagen, Hilden)を製造者の指示に従い、以下の条件で使用した:
Figure 2011502493
約490Bpの予想した大きさの断片が得られた。これをまず、製造者の指示に従いpJET−ベクター(Fermentas, St. Leon-Rot)内でサブクローン化した(pJet_ybgcpUC)。引き続き、このプラスミドからybgc−断片を制限エンドヌレーアーゼBamHIとAcc65Iで再び切り取り(465Bp)、かつゲル溶出した(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)。
ベクターpUC19attを同様に制限酵素BamHIとAcc65Iで処理し、teIIsrf−断片(468Bp)が得られた。反応物がアガロースゲル内に出現し、かつ残ったベクター(4633Bp)と一緒にバンドをゲル溶出した(ゲル抽出キット、peqlab Biotechnologie GmbH、製造者の指示に従い獲得)。引き続き、ベクターと断片のライゲーションを製造者の指示に従ってレピッド・ライゲーションキット(New England Biolabs GmbH、フランクフルト・アム・マイン)の使用下に行った。ライゲーション反応物10μl毎に、100μlのCaCl2−コンピテントE. ColiXL1-B−細胞を形質転換に使用した。引き続き得られたクローンをLB−アンピシリン−液体培地中で育て、かつプラスミド−DNAを単離した。単離したプラスミドを制限分析(BamHI/Acc65I)により検査し、かつシーケンス化した(Agowa GmbH、ベルリン)。生じたプラスミドをpUC19ayt(配列番号11)でマークし、かつ更なる形質転換のために、種々のE.Coli−菌株で使用し、これを後でアセトンの形成について検査した。
プラスミド構築物に関する概要は表1にまとめられている。
表1:プラスミド構築物
プラスミド 大きさ(Bp) インサート プロモーター
pSKatt 5771 teIIsrf(adc, thlA) lac
pKSatt 5925 teIIsrf(adc, thlA) thl
pUC19att 5409 teIIsrf(adc, thlA) lac
pUC18att 5589 teIIsrf(adc, thlA) thl
pUC19ayt 5101 ybgC(adc, thlA) lac
pUC19act 5964 ctfA/B(adc, thlA) lac
例5:E.Coliにおけるアセトン形成
得られた全てのプラスミド変異体(表1参照)をE.Coli−クローン菌株HB101においてアセトン形成について検査した。分析は、相応の予備培養から移植し、かつ37℃、200rpmでインキュベートした後に、アンピシリン含有LB−培地(100μg/ml)中、5ml基準で行った。光学濃度(600nm)は光分析により観察し、かつ約0.5〜0.6の値の時に、1mM IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)の添加によりクローン化遺伝子の発現を誘発し、3〜4時間後にグルコース(20g/l)を添加した。チオラーゼ−プロモーターを制御した変異体では何も誘発を行わなかった。それというのも、構造的な発現が行われたからである。
約48時間の時間にわたり特定の時点でプローブを取り出し、ガスクロマトグラフィーにより、細胞不含培地の上澄み液中でアセトンとアセテートの濃度を決定した。選択的に、誘発の4時間後もしくは誘発と同時に種々の量で(10〜40g/lの範囲内で)グルコースの添加を更に行った。
E.Coli HB101中では、全てのプラスミドの変異体で著しいアセトン産生が検出された。図11には、個々の変異体について、形成されたアセトン量とアセテートの量で成長曲線が例示的に記載されている。最大のアセトン濃度を用いた結果のまとめは表2に示されている。図11には、それぞれ光学濃度(600nm)ならびに選択した時点でのアセトン濃度とアセテート濃度(mM)が示されている。黒い矢印は、IPTG(1mM)を添加した時点であり、緑色の矢印はグルコース(20g/l)を添加した時点を意味する。
表2: 5ml−培地内での各プラスミド変異体の最大アセトン濃度のまとめ
プラスミド インサート プロモーター 最大アセトン濃度、菌株、培地
pSKatt teIIsrf(adc, thlA) lac 34mM(2.0 g/l,HB101,LBAmp
pKSatt teIIsrf(adc, thlA) thl 36 mM(2.1 g/l,HB101,LBAmp
pUC19att teIIsrf(adc, thlA) lac 30 mM(1.7 g/l,HB101,LBAmp
pUC18att teIIsrf(adc, thlA) thl 35 mM(2.0 g/l,HB101,LBAmp
pUC19ayt ybgCsrf(adc, thlA) lac 60 mM(3.5 g/l,HB101,LBAmp
pUC19act ctfA/Bsrf(adc, thlA) lac 46 mM(2.7 g/l,HB101,LBAmp
例6:インフルエンザ菌由来のクローン化ybgC−遺伝子を用いたアセトン経路と、クロストリジウムだけから由来するアセトン経路の比較
引き続く実験では、変異体pUC19aytとpUC19actをコントロールとして有する100ml-培地(LBAmp)でも得られた結果を再現して検査した(37℃、200rpm)。主要培地を相応の前培養1mlで接種し、かつ0.5のOD600nmの時に1mM IPTGで誘発した。これまでの検査とは異なり、グルコース(20g/l)の添加を1番目の添加の18時間後に繰り返した。付加的に、プローブを取り出す各時点と平行して、培養のグルコース含有量の測定を行い、グルコースの消費を算出できるようにした。グルコースの測定は、Bergmeyer(1970年)による光学−酵素試験により行った。その際、酵素ヘキソキナーゼとグルコース−6−ホスフェート−脱水素酵素により、ATPとNADP+を添加しながら、2工程でグルコースの6−ホスホ−グルコネートとNADPHへの反応が行われた(Bergmeyer, H. U. (編集長):Methods of Enzymatic Analysis、第二版、Verlag Chemie, Weinheim Deerfield Beach-Basel 1970)。この場合に、NADPHの形成量は存在するグルコース量に比例し、かつ340nmの波長で吸光度の変化により光学的に決定することができた。この結果は、図12Aと12Bに示されている。培養A(E. Coli HB101 pUC19ayt)中のグルコースは、2番目の添加の時点までに既に完全に消費されていることが分かる。
但し、グルコースを新たに利用しても更にアセトンの量が増大する兆候が無く、またこれが消費されるわけでもなかった。それというのも、減少が明白に確認できなかったからである。これはこの時点までに既に他のファクターが成長を制限していることに由来する。なぜならば光学濃度の更なる増大も生じていないからである。最大で67mMのアセトン(3.9g/l)が形成された。同様に、同じ条件下に実施したコントロールプラスミドpUC19actを有する培養Bを用意した。グルコースは2番目の添加の時点までに完全に消費されていなかったが、新たなグルコースの投与とアセトンの形成量の増大との関係は、影響のないまま保たれていた。最大のアセトン量は20mM(1.2g/l)の場合であった。従って、インフルエンザ菌由来のクローン化ybgC−遺伝子を有する変異体は、この条件下でクロストリジウム遺伝子だけを有するコントロール培養と比較して3倍多くのアセトンを産生した。
図12には、選択された時点での光学濃度(600nm)、アセトン濃度とアセテート濃度(mM)及びグルコース含有量(g/l)が記載されている。黒い矢印は、IPTG(1mM)を添加した時点を意味し、緑色の矢印はグルコース(20g/l)を添加した時点を意味する;上:E. Coli HB101 pUC19ayt、下:E. Coli HB101 pUC19act(コントロール)。

Claims (19)

  1. 次の方法工程:
    A:アセチル−CoAを酵素反応させてアセトアセチル−CoAにする工程
    B:アセトアセチル−CoAを酵素反応させてアセトアセテートとCoAにする工程
    C:アセトアセテートを脱カルボキシル化してアセトンとCOにする工程
    を有するアセチル−コエンザイムAから出発するアセトンの製法において、
    方法工程BではコエンザイムAが受容体分子に転用されないことを特徴とする、アセトンの製法。
  2. 方法工程Aでの酵素反応は、ケトチオラーゼ活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号16と少なくとも90%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒される、請求項1に記載の方法。
  3. 方法工程Cでの反応は、アセトアセテートデカルボキシラーゼ活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号18と少なくとも90%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 方法工程Cでの反応は自発的に行われる、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
  5. 方法工程Bでの酵素反応は、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素、アシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼにより触媒される、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
  6. 方法工程Bでの酵素反応は、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号1と少なくとも90%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. 方法工程Bでの酵素反応は、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号3と少なくとも90%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  8. 方法工程Bでの酵素反応は、アセトアセテート−CoA−加水分解酵素活性を有し、かつアミノ酸配列 配列番号5と少なくとも90%まで同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドにより触媒される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 微生物により実施される、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 微生物は、少なくとも次のもの:
    a 請求項2に記載の少なくとも1つのポリペプチドのタンパク質をコードする核酸、及び
    b 請求項5から8までのいずれか1項に記載の少なくとも1つのポリペプチドのタンパク質をコードする核酸、及び
    c 請求項3に記載の少なくとも1つのポリペプチドのタンパク質をコードする核酸
    を含み、その際、核酸a、b及びcは微生物中でのポリペプチドの発現を保証するために使用される、請求項9に記載の方法。
  11. 核酸aは、次のもの:
    aa 配列17に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
    bb ストリンジェントな条件下に、aaに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
    cc 遺伝子コードの縮重なく、aaとbbで定義したDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
    から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 核酸cは、次のもの:
    dd 配列19に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
    ee ストリンジェントな条件下に、ddに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
    ff 遺伝子コードの縮重なく、ddとeeに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
    から選択される、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 核酸bは、次のもの:
    gg 配列2に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
    hh ストリンジェントな条件下に、ggに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
    ii 遺伝子コードの縮重なく、ggとhhに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
    から選択される、請求項10から12までのいずれか1項に記載の方法。
  14. 核酸bは、次のもの:
    jj 配列4に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
    kk ストリンジェントな条件下に、jjに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
    ll 遺伝子コードの縮重なく、jjとkkに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
    から選択される、請求項10から12までのいずれか1項に記載の方法。
  15. 核酸bは、次のもの:
    mm 配列6に記載されたDNA配列又はその相補鎖、
    nn ストリンジェントな条件下に、mmに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列、
    oo 遺伝子コードの縮重なく、mmとnnに記載されたDNA配列にハイブリダイズするDNA配列
    から選択される、請求項10から12までのいずれか1項に記載の方法。
  16. 核酸a、b及びcは、1つのヌクレオチド鎖上にあり、かつこれは次のもの:
    配列番号7による核酸配列を有するプラスミドpSKatt、
    配列番号8による核酸配列を有するプラスミドpKSatt、
    配列番号9による核酸配列を有するプラスミドpUC19att、
    配列番号10による核酸配列を有するプラスミドpUC18att、
    配列番号11による核酸配列を有するプラスミドpUC19ayt
    を含む群から選択される、請求項10から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 次のもの:
    配列番号7による核酸配列を有するプラスミドpSKatt、
    配列番号8による核酸配列を有するプラスミドpKSatt、
    配列番号9による核酸配列を有するプラスミドpUC19att、
    配列番号10による核酸配列を有するプラスミドpUC18att、
    配列番号11による核酸配列を有するプラスミドpUC19ayt
    を有する群から選択される核酸。
  18. アシル−CoA−チオエステラーゼ活性、アシル−CoA−合成酵素活性又はアシル−CoA−チオキナーゼ活性を有するポリペプチドを、アセトアセチル−CoAを酵素反応させてアセトアセテートとCoAにするために用いる使用において、前記ポリペプチドはアセトアセテート−CoA−加水分解酵素、アシル−CoA−チオエステラーゼ、アシル−CoA−合成酵素又はアシル−CoA−チオキナーゼであるか、又は
    アミノ酸配列 配列番号1と少なくとも90%まで同一であるアミノ酸配列を有する、又は
    アミノ酸配列 配列番号3と少なくとも90%まで同一であるアミノ酸配列を有する、又は
    アミノ酸配列 配列番号5と少なくとも90%まで同一であるアミノ酸配列を有する
    ことを特徴とする使用。
  19. gg〜ooの群から選択される核酸bのうち少なくとも1つを、アセトアセチル−CoAのアセトアセテートとCoAへの反応にその遺伝子産物を利用するために用いる使用。
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