JP2011501868A - 高電圧屋外ブッシング - Google Patents
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Abstract
高電圧屋外ブッシングは、軸(1)に沿って伸びる導電体(2)と、コンデンサ・コア(3)と、このコンデンサ・コア(3)の上に鋳込まれた電気絶縁性の高分子材料の雨除けハウジング(7)と、を有している。コンデンサ・コア(3)は、前記導電体(2)の周りに螺旋状に巻かれた電気絶縁性のテープ(4)と、この巻き重ねられたテープ(4)の間に配置されたキャパシタンス・グレーディング・インサーション(5)と、前記巻かれたテープ(4)及び前記容量性のグレーディング・インサーション(5)が埋め込まれた、硬化された高分子材料の絶縁性のマトリクスと、を含んでいる。水分拡散バリアは、前記雨除けハウジング(7)を鋳込む前に、前記コンデンサ・コア(3)の内側に組み込まれる。そのようなブッシングは、高温多湿の天候条件下での優れた貯蔵及び動作の安定性により識別される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は、高電圧技術の分野に係り、そして、軸に沿って伸びる導電体と、コンデンサ・コアと、このコンデンサ・コアの上に鋳込まれた電気絶縁性の高分子材料の雨除けハウジングと、を有する高電圧屋外ブッシングに係る。前記コンデンサ・コアは、前記導電体の周りに螺旋状に巻かれた電気絶縁性のテープと、この巻き重ねられたテープの間に配置されたキャパシタンス・グレーディング・インサーション(capacitance grading insertions:キャパシタンスの勾配緩和のための挿入物)と、前記巻かれたテープ及び前記容量性のグレーディング・インサーションが埋め込まれた硬化された高分子材料の絶縁性のマトリクスと、を含んでいる。そのようなブッシングは、高電圧技術の中で、特に、スイッチ・ギア設備の中で、または、発電機または変圧器などのような、数百kVまでの電圧の、典型的には24kVと800kVの間の電圧の、高電圧マシンの中で使用されている。
高電圧屋外ブッシングは、高電位の電流を、高電圧コンポーネントの密閉されたアクティブな部分(変圧器またはサーキット・ブレーカなど)から、接地されたバリア(変圧器タンクまたはサーキット・ブレーカ・ハウジングなど)を通って、高電圧の屋外ラインへ移送するために、通常使用されるコンポーネントである。電場を減少させ且つコントロールするために、屋外ブッシングは、コンデンサ・コアを有していて、このコンデンサ・コアは、当該コンデンサ・コアの中に組み込まれた浮動キャパシタンス・グレーディング・インサーションにより、電気的なストレスをコントロールすることを容易にする。コンデンサ・コアは、電場の勾配を減少させて、電場をブッシングの長さに沿って均一に分配する。
ブッシングのコンデンサ・コアは、典型的に、スペーサとして、クラフト紙またはクレープ・クラフト紙を巻いて作られている。キャパシタンス・グレーディング・インサーションが、金属(典型的にアルミニウム)のシート、または非金属(典型的にインク、グラファイト・ペースト)のパッチの何れかで実現される。これらのインサーションは、外的なフラッシュ・オーバーと内部破裂強度との間の最適なバランスを実現するように、同軸状に配置される。紙スペーサは、インサーションを規定された位置に確保して、コンデンサ・コアの機械的な安定性を確保する。コンデンサ・コアは、樹脂で含浸される(RIP,樹脂で含浸された紙)。次いで、樹脂は、コアの加熱及び真空プロセスの間に導入される。そのようなRIP屋外ブッシングは、それが乾式である(即ち、オイル・フリー)と言う優位性を有している。
屋外ブッシングは、陶器または耐候性の高分子材料(典型的には、シリコーンまたはエポキシドを主成分とするもの)の何れかで作られたインシュレータを備えた屋外側を有していて、この屋外側は、全ての動作条件下の電圧に耐えるために必要な沿面距離(creepage distance)を確保するシェッド(sheds:覆い)を有している。従来、陶器が、絶縁材料として使用されて来た。しかしながら、高分子材料の絶縁に対する要求が次第に増大しつつある。高分子材料の絶縁に対する要求は、主として、以下のような事実に基づいている。即ち、高分子材料のインシュレータは、疎水性の(撥水性)であると言う更なる利点を有していて、それは、セルフ・クリーニング性質をもたらし、それによって、サービス寿命を伸ばして、サブステイションの維持コストを大幅に低下させる。
更にまた、シリコーン固有の疎水性の性質は、水フィルムを破断して分割された液滴を作り出すことを助け、それは、リーク電流を減少させ、フラッシュ・オーバーを防止し、沿岸またはひどく汚染された環境に対して典型的な、湿って且つひどく汚染された条件下での耐電圧を高める。更にまた,高分子材料の絶縁を備えたブッシングは、軽量であって、破壊行為及び地震に対する抵抗力がある。その他に、そのようなブッシングは、防爆性を有している。このようにして、リジッドな絶縁ハウジングの飛散、特に、陶器インシュレータの飛散、及び第二の装置の損傷がほとんど無くなる。
軸に沿って伸びる導電体と、導電体を同軸状に取り囲むコンデンサ・コアと、電気絶縁性の高分子材料の雨除けハウジングと、を備えた高電圧屋外ブッシングが、EP 1 284 483 A1 に記載されている。雨除けハウジングは、シリコーンから製造され、且つ、コンデンサ・コアの外側の表面及び高電圧の前面の上に直接に鋳込まれ、そして、コンデンサ・コアで覆われていない導電体の表面の部分に伸びている。天候に対して高電圧側を保護するブッシング・キャップが、もはや必要で無くなり、それにより、ブッシングが低いコストで製造されることが可能になる。しかしながら、直接に鋳込まれた屋外ブッシングは、貯蔵及び動作の間に重大な問題を生ずることが、示されている。特に、散逸率(dissipation factor) tan δ が、長い貯蔵及び動作期間の間に、かなり増大している。
更に、軸に沿って伸びる導電体、及び導電体を同軸状に取り囲むコンデンサ・コアを、それぞれ有する高電圧屋外ブッシングが、EP 1 622 173 A1、EP 1 798 740 A1、及び WO 2006/131011 A1 の中に記載されている。これらのブッシングは、前もって製造されたリジッドなハウジングとしてデザインされた雨除けハウジングとして、それぞれ、複合材料インシュレータを有している。リジッドなハウジングは、前もって製造されたコンデンサ・コア及び導電体を受け、且つ、キャップ及び取り付けフランジにより閉じられている。
コンデンサ・コアの製造は、以下のようなステップを有している:導電体の上に絶縁テープを巻き;巻いている間に、巻き重ねられたテープのレイヤの間にキャパシタンス・グレーディング・インサーションを付け加え;巻かれたテープをモールドの中に置き;モールドを減圧し、そして、減圧され巻かれたテープを、無機フィラー・パウダーで充填された高分子材料からなる絶縁材料で含浸する。その後、含浸された巻かれたテープは、硬化される。その結果得られたコンデンサ・コアは、冷却され、そして必要な場合には機械加工が施される。含浸ステップを加速するために、テープのレイヤ少なくとも一つ(EP 1 622 173 A1)、および/またはキャパシタンス・グレーディング・インサーションの内の一つ(EP 1 798 740 A1)が、孔を有し、および/または、テープが、満たされていない高分子材料を用いて含浸プロセスを実施する前にテープの中に予め充填された無機フィラー粒子を含んでいる(WO 2006/131011 A1)。
そのような高電圧屋外ブッシングは、高価である。その理由は、複合材料のインシュレータが別個に製造されなければならず、且つ、ブッシング・キャップを必要とするからである。更にまた、電気絶縁性の材料が、ブッシング・ハウジングの中の間隙及び空孔を満たすために、且つブッシングの中での放電及び故障を防止するために必要になる。
吸湿性の材料のコンデンサ・コアを備えた高電圧屋外ブッシングが、WO 2005/006355 A 及び GB 537 268 A から知られている。これらのブッシングにおいて、コンデンサ・コアに取り込まれた水分は、コアの表面に付けられた拡散バリアにより防止され、この拡散バリアは、低い水の透過性の中実の防水皮膜を有するフィルムを有している。
本発明の目的は、容易で且つ経済的なやり方で製造されることが可能であり、且つ同時に、動作の間、厳しい天候条件下であっても、長い貯蔵及び動作寿命及び高い信頼性により識別される高電圧屋外ブッシングを作り出すことにある。
本発明に基づく高電圧屋外ブッシングは、高分子材料の雨除けハウジングを鋳込む前にコンデンサ・コアの内側に組み込まれた水分拡散バリアを有している。そのようなブッシングは、高温多湿の天候条件下での優れた貯蔵及び動作の安定性により識別される。これは、水分拡散バリアが、水分がコンデンサ・コアの中に深く入ることを抑制すると言うことに起因している。もしそうでなければ、水分が、高分子材料の雨除けハウジングを通って拡散された後に、拡散によって、コンデンサ・コアの中に深く拡散することが可能であり、次いで、ブッシングの電気的な性質に、特に散逸率に、強い影響を与えることが可能である。
本発明に基づくブッシングの好ましい実施形態において、水分拡散バリアは、無機フィラー・パウダーで充填された絶縁性のマトリクスの少なくとも一部を有している。フィラー・パウダーの粒子は、コンデンサ・コアの拡散係数を大幅に減少させる。その理由は、無機フィラー・パウダーのフィラー粒子が、水分子の拡散経路の有効長さを減少させるからである。このようにして、非常にシンプルなやり方で、水分が、コンデンサ・コアの中に入ることが顕著に防止される。このブッシングは、容易に製造されることが可能であり、且つ同時に、高温多湿の環境的な条件下であっても、ブッシングの貯蔵中及び動作中の安定性が、大幅に増大されることが可能である。
水の侵入に対する非常に有効バリアを得るために、高分子材料を無機フィラー粒子で大きくチャージすることが、推奨される。フィラーが、硬化前のマトリクスの材料に対する体積で、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%であるとき、穏やかな天候条件の下で、比較的長い動作及び貯蔵寿命を備えたブッシングが、実現される。フィラーが、硬化前のマトリクスの材料に対する体積で、40%と50%の間にあるとき、厳しい天候条件の下であっても、長い動作及び貯蔵寿命を備えたブッシングが実現される。
密な、従って有効な水分拡散バリアを実現するために、フィラー・パウダーは、異なる平均サイズを備えた粒子の二つのフラクションを有している。その中で、第一のフラクションの中の粒子は、第二のフラクションの中の粒子より大きい平均直径を有し、且つ、本質的に最密球充填(close sphere packing)の形態で配置され、そして、第二のフラクションの中の粒子は、最密球充填により形成された間隙を満たす。
もし、第二のフラクションの中の粒子の平均直径が、第一のフラクションの中の粒子の平均直径の約10%から50%までであって、且つもし、第二のフラクションの量が、第一のフラクションの量に対する体積で、約5%から30%までの範囲内にある場合に、緊密な充填が実現される。もし、ほとんど球形のフィラー粒子の更なるフラクションが存在していて、その平均直径が、第二のフラクションの中の粒子の直径の約10%から50%までの範囲内にある場合には、水分拡散バリアの密度、従って効率が、更に改善されることが可能である。
もし、水分拡散バリアが、既にしばしば存在するレイヤであって、コンデンサ・コアと雨除けハウジングの間に強い接着力を生ずるレイヤを有している場合には、拡散により高分子材料の雨除けハウジングを通過した水蒸気が、コンデンサ・コアの中に侵入することが大幅に防止される。そのようなレイヤを、拡散抑制材を有する接着性の高分子材料を主成分とする接着促進剤の形態で作ることが推奨される。
導電体は、典型的に、ロッド、チューブ、またはワイヤとして実現される。
テープは、典型的に、螺旋状に巻かれ、それにより、多数の互いに隣接するレイヤを形成し、そして、紙またはネットの形態で配置された繊維から製造される。適切な繊維は、有機繊維または無機繊維である。有機繊維は、典型的に、天然繊維(セルロースなど)、熱硬化性の高分子材料の繊維(ポリエステルなど)、または、熱可塑性の高分子材料の繊維を含んでいる。熱可塑性高分子材料は、例えば、アラミド(NOMEX R)、ポリアミド、ポリオレフィン(例えばPE)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリフェニレン・サルファイド(PPS)、メラミン及びポリイミドなどである。無機繊維は、典型的に、ガラス、溶岩、玄武岩、及びアルミナを含んでいる。
紙は、好ましくは、クレープ紙または孔を有する紙である。マトリクス材料が、その場合に、コンデンサ・コアの中に非常に速く且つ均一に分散されることが可能である。テープがフィラー・パウダー粒子を含んでいるとき、マトリクス材料の速く且つ均一な分散もまた、実現される。そのフィラー・パウダー粒子は、未硬化の高分子材料で巻かれたテープを含浸する前に、テープまたは絶縁性のマトリクスの中に予め充填される。
所定の数だけ巻かれた後に、キャパシタンス・グレーディング・インサーションが、コアの中に挿入され、それにより、キャパシタンス・グレーディング・インサーションが、良好に規定された、軸からの径方向の距離に配置されることになる。キャパシタンス・グレーディング・インサーションに、開口が点在して設けられることが可能であり、それは、マトリクス材料による巻かれたテープへの侵入を容易にし且つ加速する。
スペーサ及びキャパシタンス・グレーディング・インサーションの組み合わせは、マトリクス材料による巻かれたテープへの含浸を、かなり容易にし且つ加速する。
高分子材料は、例えば、シリコーン、エポキシ、特に疎水性のエポキシ、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、ポリウレタン、またはフェノールを主成分とする樹脂であることが可能である。好ましくは、フィラー粒子は、電気絶縁性の粒子または半導体の粒子であって、フィラー粒子は、SiO2、Al2O3、BN、Aln、BeO、TiB2、TiO2、SiC、Si3N4、B4C、ZnOなど,またはそれらの混合物の粒子であることが可能である。高分子材料の中に様々なそのような粒子の混合物を有することも可能である。
本発明の更なる優位性及び適用は、図面の中に、そして、以下の説明の部分の中において、与えられる。
本発明に基づく高電圧屋外ブッシングの実施形態が、唯一つの図に示されている。この図は、右側の部分が、ブッシングを通る軸方向の部分断面図となっている。
図の中で使用されている参照符号及びそれらの意味は、参照符号のリストの中にまとめられている。一般的に、同様な部分または同様に機能する部分は、同一の参照符号が与えられている。記載された実施形態は、例として示されているものであって、本発明を限定するものではない。
図に示されたブッシングは、対称軸1に対して実質的に回転対称である。ブッシングの中心に、柱状の支持ボディ2が配置されていて、この支持ボディは、中実の金属ロッドまたは金属チューブとして実現されている。金属ロッドは、導電体2であって、密閉されたデバイスのアクティブな部分(例えば変圧器またはスイッチ)を、屋外コンポーネント(例えば電力線)に接続する。もし、支持ボディ2が金属チューブとして実現されている場合には、このチューブは、導電体2としても使用されることが可能であるが、ケーブルの端部を受けることも可能である。このケーブルは、チューブの中に下方からガイドされ、そして、このケーブルの電流導体は、部分2に電気的に接続されている。導電体2は、部分的にコア3により取り囲まれ、このコアもまた、対称軸1に対して実質的に回転対称である。
コア3は、絶縁テープ4(図の右側部分に示されている)を有している。この絶縁テープは、導電体2の周りに巻かれ、且つ、無機フィラー・パウダーで満たされた高分子材料に基づく硬化されたマトリクス材料で含浸されている。フィラー・パウダーは、硬化前のマトリクス材料に対する体積で、約45%である。
キャパシタンス・グレーディング・インサーション5(図の右側部分に示されている)は、テープ4の、互いに隣接する巻物の間に配置されている。コア3の外側にフット・フランジ6が設けられ、このフット・フランジは、ブッシングを、密閉されたデバイスの接地されたエンクロージャに固定することを可能にする。動作条件下で、導電体2は、高い電位にあり、コンデンサ・コア3は、導電体2とフランジ6の間の電気的な絶縁を確保する。
ブッシングの、通常、接地されたエンクロージャの外側の位置する側で、電気絶縁性の雨除けハウジング7が、コア3の周りを取り囲んでいる。雨除けハウジング7は、シリコーンまたは疎水性のエポキシ樹脂を主成分とする高分子材料から製造される。ハウジング7は、シェッドを有していて、コンデンサ・コア3の上に鋳込まれ、それにより、コンデンサ・コアが、フット・フランジ6のトップから、コンデンサ・コア3の隣接する外側の表面に沿って、導電体2の上端8へ伸びるようになっている。部分2,3及び6の覆われた表面の上に堆積された接着性のレイヤは、ハウジング7の接着を改善する。ハウジングは、コンデンサ・コア3を照射(UV)及び天候により引き起こされるエージングから保護し、ブッシングの全寿命の間、良好な電気的な絶縁特性を維持する。
シェッドの形状は、雨に曝されたとき、それがセルフ・クリーニング表面を有するようにデザインされている。これは、シェッドの表面上でのダストまたは汚れの蓄積を防止する。そのようなダストまたは汚れは、絶縁特性に影響を与えて、電気的なフラッシュ・オーバーをもたらすことがある。
テープ4は、ポリエステルを主成分とするネットとして実現される。マトリクス材料は、高分子材料として、無水化物で硬化されたエポキシ樹脂を有し、フィラー・パウダーとして、石英ガラスを有している。石英ガラスの粒子のサイズは、64μmまでであり、それぞれ2μm、12μm、及び40μmの平均粒子サイズを備えた三つのフラクションを有している。
図に基づくブッシング及び基準のブッシングが、25±3℃の水道水の中で貯蔵された。両方のブッシングは、水道水の中に完全に浸漬された。基準のブッシングは、本発明のブッシングとは、テープの材料及びマトリクスの材料で異なっている。基準のブッシングのテープは、クレープ紙である。基準のブッシングのマトリクスは、本発明に基づくブッシングのマトリクスと同一の高分子材料であるが、フィラー・パウダーが含まれていない。時折、これらのブッシングは、水から取り出され、圧縮空気が吹き付けられ、空気中で2または3時間の間、乾燥された。その後、二つのブッシングの散逸率 tan δ が、IEC 60137 に従って、50Hzの周波数で測定された。
測定の結果が、下記の表に示されている。
この表は、本発明に基づくブッシングが、厳しい貯蔵条件下での100日よりも長い貯蔵期間の後であっても、1%より小さい散逸率を有していると言うことを示している。更にまた、散逸率は、既に数週間後に、この小さい値に到達し、この時点までほぼ一定にとどまった。他方、基準のブッシングの散逸率は、数週間の後、本発明に基づくブッシングの対応する値より100倍高い値に到達し、そして、その値はまた、時間の経過に伴い、かなり増大した。
このようにして、本発明に基づくブッシングのコンデンサ・コアのマトリクス材料は、コンデンサ・コアの内側への水分子の拡散を大幅に抑制する水分拡散バリアとして振舞い、そして、この水分拡散バリアが、厳しい外的な条件下であっても本発明に基づくブッシングが低い散逸率を維持すると言うことに大きく寄与している。
1…軸、2…導電体、3…コア、4…テープ、5…キャパシタンス・グレーディング・インサーション、6…フット・フランジ、7…雨除けハウジング、8…導電体の上端。
Claims (11)
- 高電圧屋外ブッシングであって、
軸(1)に沿って伸びる導電体(2)と、
コンデンサ・コア(3)と、
このコンデンサ・コア(3)の上に鋳込まれた電気絶縁性の高分子材料の雨除けハウジング(7)と、を有し、
前記コンデンサ・コア(3)が、
前記導電体(2)の周りに螺旋状に巻かれた電気絶縁性のテープ(4)と、
この巻き重ねられたテープ(4)の間に配置されたキャパシタンス・グレーディング・インサーション(5)と、
前記巻かれたテープ(4)及び前記容量性のグレーディング・インサーション(5)が埋め込まれた、硬化された高分子材料の絶縁性のマトリクスと、を含んでいる、
高電圧屋外ブッシングにおいて、
前記ブッシングが、前記雨除けハウジング(7)を鋳込む前に前記コンデンサ・コア(3)の内側に組み込まれた水分拡散バリアを、更に有していることを特徴とする高電圧屋外ブッシング。 - 下記特徴を有する請求項1に記載の高電圧屋外ブッシング:
前記水分拡散バリアは、無機フィラー・パウダーで充填された前記絶縁性のマトリクスの少なくとも一部を有している。 - 下記特徴を有する請求項2に記載の高電圧屋外ブッシング:
前記フィラーは、硬化前の前記マトリクスの材料に対する体積で、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、最も好ましくは40と50%の間である。 - 下記特徴を有する請求項3に記載の高電圧屋外ブッシング:
前記フィラーは、異なる平均サイズを備えた粒子の二つのフラクションを有していて、
その内の、第一のフラクションの中の粒子は、第二のフラクションの中の粒子より大きい平均直径を有し、且つ、本質的に最密球充填の形態で配置され、第二のフラクションの中の粒子は、この最密球充填により形成された間隙を満たしている。 - 下記特徴を有する請求項4に記載の高電圧屋外ブッシング:
第二のフラクションの中の粒子の平均直径は、第一のフラクションの中の粒子の平均直径の約10%から50%までの範囲内にある。 - 下記特徴を有する請求項5に記載の高電圧屋外ブッシング:
第二のフラクションの量は、第一のフラクションの量に対する体積で、約5%から30%までの範囲内にある。 - 下記特徴を有する請求項4から6の何れか1項に記載の高電圧屋外ブッシング:
ほぼ球形の粒子の少なくとも一つの更なるフラクションが存在していて、その平均直径は、第二のフラクションの中の粒子の平均直径の約10%から50%までの範囲内にある。 - 下記特徴を有する請求項1から7の何れか1項に記載の高電圧屋外ブッシング:
前記フィラーの量及びサイズは、当該ブッシングを、25℃の水の中に1000時間よりも長く浸漬させた後に、50Hzの周波数でのブッシングの散逸率が1%より小さくとどまるように選択されている。 - 下記特徴を有する請求項1から8の何れか1項に記載の高電圧屋外ブッシング:
前記テープ(4)、および/または、前記キャパシタンス・グレーディング・インサーション(5)の少なくとも一つは、開放セル構造を作り出す孔であって、且つ前記絶縁性のマトリクスで満たされた孔を有し、
および/または、
前記テープは、前記巻かれたテープを含浸する前に、前記絶縁性のマトリクスの未硬化の高分子材料で、当該テープ(4)の中に予め充填されたフィラー・パウダー粒子を含んでいる。 - 下記特徴を有する請求項1から9の何れか1項に記載の高電圧屋外ブッシング:
前記水分拡散バリアは、前記コンデンサ・コア(3)と前記雨除けハウジング(7)の間で強い接着力を生ずるレイヤを有している。 - 下記特徴を有する請求項10に記載の高電圧屋外ブッシング:
前記水分拡散バリアは、拡散抑制材を有する接着性の高分子材料を主成分とする接着促進剤の形態である。
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