JP2011500686A - オピオイドと中性アンタゴニストを用いる組合せ鎮痛剤 - Google Patents

オピオイドと中性アンタゴニストを用いる組合せ鎮痛剤 Download PDF

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Abstract

哺乳動物被験体において鎮痛を提供するのに十分な量のオピオイドアゴニストと、該被験体においてオピオイドアゴニストの末梢作用を阻害するのに十分であり、実質的な中枢作用を遮断するのに不十分である量の中性オピオイドアンタゴニストとを含む非依存性鎮痛同時製剤。当該製剤および当該製剤を使用する方法は、娯楽性を抑止し、末梢作用を阻害し、かつ嗜癖傾向を低下させることもできる。
【選択図】図11A

Description

関連出願に対する相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み入れられるものとする、2007年10月18日に米国特許商標庁に出願された米国特許仮出願第60/981,034号からの優先権を主張するものである。
技術分野
本発明は、オピオイドアゴニストとオピオイドアンタゴニストの同時製剤、および特に、中性アンタゴニストを用いるそのような同時製剤に関する。
オピオイドアゴニストは、ヒトおよび他の哺乳動物被験体において鎮痛作用をもたらすが、典型的には依存性であり、また、典型的には便秘および吐き気などの重篤な副作用を有する。オピオイドアゴニストの依存性を解決するために、従来技術はオピオイドアゴニストとオピオイドアンタゴニストの両方を含む同時製剤の使用を教示している。多くの従来技術の同時製剤は、それ自身、ヒトおよび哺乳動物被験体において有害効果を有するナルトレキソンまたはナロキソンなどのオピオイドアンタゴニストを用いている。実際、これらの化合物は、重篤な、および時には命を脅かす離脱症状を誘発し得る。そのようなオピオイドアンタゴニストを、本出願では「嫌悪(aversive)」と呼ぶ。Palermoらの米国特許第6,627,635号ならびにKaikoらの米国特許第6,696,066号、第6,475,494号および第6,375,957号は、嫌悪オピオイドアンタゴニストを用いる同時製剤の例を提供している。Marczakらによる最近の研究は、オピオイド依存被験体におけるナルトレキソンおよびナロキソンの両方の嫌悪作用を強調している。Marczak E., Jinsmaa Y., Li T., Bryant S.D., Tsuda Y., Okada Y., Lazaraus L.H. (2007年7月12日) 「[N-Allyl-Dmt1]-endomorphins are μ-opioid receptor antagonists lacking inverse agonist properties」、J. Pharmacol. Exp. Ther. Fast Forwardを参照されたい。
本明細書に組み入れられるものとし、本明細書では以後「Sadee」と呼ぶ、Wolfgang Sadeeらの米国特許第6,713,488 B2号は、オピオイドアゴニスト依存症を治療するための、嫌悪作用を有さない、「中性(neutral)」オピオイドアンタゴニストの使用を教示している。Sadeeは、中性アンタゴニストとして、6β-ナルトレキソールおよび6β-ナルトレキサミドなどの、特定のナルトレキソンおよびナロキソン類似体を同定している。Sadeeらはまた、中性アンタゴニストを用いて、便秘および呼吸抑制などの、オピオイドアゴニストの他の副作用を治療することができると教示している。
Sadeeの研究を基に、David Lew Simonの米国特許出願第2004/0024006 A1号(以後「Simon」と呼ぶ)は、6β-ナルトレキソールなどの中性オピオイドアンタゴニストを含む非依存性オピオイドアゴニスト/アンタゴニスト同時製剤を提唱している。Simonの開示は、天然で予言的であるが、支援的な実験データを欠く。例えば、Simonのパラグラフ[0107]および[108]は、モルヒネの公知の有効用量(0.15 mg/kg体重)を考察し、次いで、0.00026〜0.0015 mg/kg体重の6β-ナルトレキソールに関する可能な用量の完全に未知で、試験されていない範囲を示唆するが、そのような製剤がさらに有効であるというデータを提供していない。同様に、Simonの出願のパラグラフ[0155]において、Simonは6,475,494号特許においてKaikoにより提供されたデータを使用して、15 mgのヒドロコドンあたり、0.5〜12 mgの6β-ナルトレキソールを投与することを提唱している。ナルトレキソールとオピオイドのこれらの比率は、0.03:1(すなわち、オピオイドよりナルトレキソールが15.5倍少ない)からほぼ1:1の比率のナルトレキソールとオピオイドの範囲である。支援データの完全な欠如を考慮すれば、これらの示唆された用量は無益かつ事実上無意味であり、ほとんど推測すら提供しない。さらに、Kaikoは、ヒトにおける嫌悪作用を有し、重篤な脱離症状を引き起こすアンタゴニストの使用を教示している。Simonは、他の種類のオピオイドアゴニストに関してパラグラフ[0156]中に用量チャートを提唱するために外挿している。
本発明は、オピオイド/オピオイドアンタゴニスト同時製剤(併用製剤)の使用、アゴニストとアンタゴニストの同時投与(併用投与)、またはアゴニストと中性アンタゴニストの別々であるが、重複する投与を教示し、そのような同時製剤、同時投与または別々の投与は、オピオイドの嗜癖傾向と便秘などの末梢副作用の両方を解決するためにユニークに設計されたものである。
本発明の第1の実施形態においては、哺乳動物被験体において鎮痛作用を提供するのに十分な量のオピオイドアゴニストと、該被験体におけるオピオイドアゴニストの末梢作用を阻害するのに十分であり、かつ実質的な中枢作用を遮断するのに不十分な量の中性オピオイドアンタゴニストとを含む鎮痛組成物の単位用量を提供する。
本発明の関連する実施形態においては、鎮痛組成物は、哺乳動物被験体において鎮痛作用を提供するのに十分な量の、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デゾモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルヒネ(エチルモルフィン)、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノロキシコドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジンおよびトラマドールからなる群より選択されるオピオイドアゴニストを含む。さらに、中性オピオイドアンタゴニストは、中性の非嫌悪特性を示すナロキソンまたはナルトレキソン類似体であってよい。
ナルトレキソン類似体を、製薬上許容し得るその塩を含む式IαまたはIβ:
Figure 2011500686
[式中、
R1はシクロアルキル(アルキル)、例えば、C3-C7(シクロアルキル)アルキル、例えば、(シクロプロピル)メチルなどのC3-C7(シクロアルキル)メチルもしくはC5-C7(シクロアルケニル)アルキルであり;
R2はH、OHもしくは-OAc(O2C(アルキル))などのそのエステル、例えば、O2(C1-C6アルキル)であり;
R3はH、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、もしくは(アルキル)C=O、例えば、((C1-C6)アルキル)-C=Oであり;
R4およびR5は独立にH、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、C1-C4アルコキシなどのアルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、カルボキシルもしくは環上で1個以上の水素について置換されていてもよいアシルであり;
X1およびX2は同じか、もしくは異なり、H、C1-C6アルキル、-OR6、-NR7R8R9、-NCOR10、-NO2、もしくは-SR11であり、
R6およびR11は独立にH、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、例えば、C3-C7シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、例えば、フェニル、ナフチル、イミダゾール、キノリン、イソキノリン、オキサゾール、ベンゾキサゾール、チアゾール、ピリミジル、ピラゾリル、インドール、置換アリール、アシル、例えば、-C(O)-C1-C6アルキルなどのC1-Cnアシル(式中、nは典型的には6〜10であるが、10〜20以上であってもよい)、アロイル、例えば、ベンゾイル、ナフトイル、イミダゾイル、キノリノイル、イソキノリノイル、オキサゾイル、ベンゾキサゾイル、チアゾイル、インドイル、およびピリミドイル、ポリエチレングリシル(PEGyl)、もしくはポリエーテル基などの他の類似する置換基であり;
R7、R8およびR10は独立に水素、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、例えば、C3-C7シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリールであり;
R9およびR2は存在しても、もしくは存在しなくてもよく、独立に水素、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、例えば、C3-C7シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、例えば、フェニル、ナフチル、イミダゾール、キノリン、イソキノリン、オキサゾール、ベンゾキサゾール、チアゾール、ピリミジル、ピラゾリル、インドール、置換アリールである]
の化合物およびその製薬上許容し得る塩により表すことができる。
ナロキソン類似体を、製薬上許容し得るその塩を含む式IαまたはIβ:
Figure 2011500686
[式中、
R1はアルケニル、例えば、アリルなどのC3-C6アルケニルであり;
R2はH、OHもしくは-OAc(O2C(アルキル))などのそのエステル、例えば、O2(C1-C6アルキル)であり;
R3はH、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、もしくは(アルキル)C=O、例えば、((C1-C6)アルキル)-C=Oであり;
R4およびR5は独立にH、ハロゲン(F、Cl、BrもしくはI)、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、C1-C4アルコキシなどのアルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、カルボキシルもしくは環上で1個以上の水素について置換されていてもよいアシルであり;
X1およびX2は同じか、もしくは異なり、H、アルキル、-OR6、-NR7R8R9、-NCOR10、-NO2、もしくは-SR11であり、
R6およびR11は独立にH、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、例えば、C3-C7シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、例えば、フェニル、ナフチル、イミダゾール、キノリン、イソキノリン、オキサゾール、ベンゾキサゾール、チアゾール、ピリミジル、ピラゾリル、インドール、置換アリール、アシル、例えば、-C(O)-C1-C6アルキルなどのC1-Cnアシル(式中、nは典型的には6〜10であるが、10〜20以上であってもよい)、アロイル、例えば、ベンゾイル、ナフトイル、イミダゾイル、キノリノイル、イソキノリノイル、オキサゾイル、ベンゾキサゾイル、チアゾイル、インドイル、およびピリミドイル、ポリエチレングリシル(PEGyl)、もしくはポリエーテル基などの他の類似する置換基であり;
R7、R8およびR10は独立に水素、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、例えば、C3-C7シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリールであり;
R9およびR2は存在しても、もしくは存在しなくてもよく、独立に水素、アルキル、例えば、C1-C6アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、例えば、C3-C7シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、例えば、フェニル、ナフチル、イミダゾール、キノリン、イソキノリン、オキサゾール、ベンゾキサゾール、チアゾール、ピリミジル、ピラゾリル、インドール、置換アリールである]
の化合物およびその製薬上許容し得る塩により表すことができる。
一般式IαおよびIβについて、X1およびX2が同じである場合、星印により示されるこの位置の立体中心は消失する。
関連する実施形態においては、ナロキソンまたはナルトレキソン類似体は、6β-ナルトレキソール、6β-ナルトレキサミド、6β-ナロキソール、6α-ナルトレキソール、6α-ナロキソール、6α-ナルトレキサミン、6-デオキシナルトレキソン、6β-ナルトレキサミン、および6α-ナルトレキサミド、その製薬上許容し得る物理的同形体、およびその製薬上許容し得る塩などであってよい。
上記の本発明のさらに関連する実施形態においては、哺乳動物被験体はヒトである。
上記の本発明の別の関連する実施形態においては、前記鎮痛組成物は経口もしくは静脈内投与のためのものであり、中性オピオイドアンタゴニストは6β-ナルトレキソールである。同時投与のための個別製剤中の、鎮痛剤に対する中性アンタゴニストの用量範囲は、アンタゴニストとアゴニストの両方の静脈内投与については、被験体の体重1 kgあたり、約0.0008〜0.08 mgの6β-ナルトレキソールの用量範囲であり、アンタゴニストとアゴニストの両方の経口投与については、体重1 kgあたり、約0.008〜0.24 mgの6β-ナルトレキソールの用量範囲であり、アンタゴニストの経口投与およびアゴニストの静脈内投与については、体重1 kgあたり、0.008〜0.08 mgの6β-ナルトレキソールの用量範囲であってよい。これらの用量範囲を、げっ歯類モデルにおいて決定された有効用量から「ヒト等価用量」として算出した;他の種、および特にヒトについては、いくらかの用量調整を行うことが予想される。中性アンタゴニストとの同時投与にとって好適な個別製剤中の鎮痛剤の用量は、A90用量であったが、これはそれが90%の鎮痛活性を提供することを意味する。
上記の本発明の別の関連する実施形態においては、中性オピオイドアンタゴニストは、被験体の体重1 kgあたり約0.0008〜0.24 mgの用量の6β-ナルトレキソールである。
上記の本発明の別の関連する実施形態においては、中性オピオイドアンタゴニストは、被験体の体重1 kgあたり約0.0024〜0.8 mgの用量の6β-ナルトレキサミドである。
上記の本発明の別の関連する実施形態においては、前記鎮痛組成物を、中性オピオイドアンタゴニストと共に経口的に同時投与する。さらに関連する実施形態においては、中性オピオイドアンタゴニストは、静脈内により与えられるアゴニストとの経口投与における6β-ナルトレキサミドであり、中性アンタゴニスト用量は被験体の体重1 kgあたり約0.024〜0.8 mgである。再度、鎮痛剤をA90用量で与える。
本発明の他の中性アンタゴニストについても、指示される通りに同様の範囲を決定する。
別の実施形態は、被験体におけるオピオイドアゴニストの実質的な中枢作用を依然として許容しながら、オピオイドアゴニストの末梢作用を阻害する方法であって、オピオイドアゴニストを、記載のように製剤化された中性オピオイドアンタゴニストの有効量の単位用量と共に、それを必要とする被験体に同時投与することを含む前記方法を含む。
さらに別の実施形態は、オピオイドアゴニストを投与される被験体における依存性を抑止する方法であって、オピオイドアゴニストを、記載のように製剤化された中性オピオイドアンタゴニストの有効量の単位用量と共に、それを必要とする被験体に同時投与することを含む前記方法を提供する。
関連する実施形態においては、オピオイドアゴニストと単位用量を、経口的(orally、perorally)、胃内的、舌下的、坐剤により、または静脈内的に投与する。
他の実施形態は、オピオイドアゴニストの娯楽性を抑止する医薬製剤であって、幸福状態を誘導するのに十分であるか、または摂取もしくは投与の際の疼痛を緩和するのに十分である量のオピオイドアゴニストであって、血中半減期を有する前記オピオイドアゴニストと、オピオイドアゴニストのものと比較して固定された比率の有効量の中性オピオイドアンタゴニストであって、オピオイドアゴニストの血中半減期よりも実質的に長い血中半減期を有する前記オピオイドアンタゴニストとを含み、連続投与の際に、中性オピオイドアンタゴニストとオピオイドアゴニストの血中濃度が、被験体の体重1 kgあたりのmgで測定されるように、それぞれの連続投与と共に増加し、治療上推奨される限界を超える容量計画における前記製剤の反復投与が、被験体における幸福感の低下および疼痛緩和の低下をもたらすような前記製剤を提供する。
さらに別の実施形態は、それを必要とする被験体におけるオピオイドアゴニストの実質的な中枢作用を依然として許容しながら、オピオイドアゴニストの末梢作用を阻害する方法であって、それを必要とする被験体に、オピオイドアゴニストと、中性オピオイドアンタゴニストの有効量の単位用量とを同時投与することを含み、この有効量が被験体における末梢作用を阻害するには十分であり、実質的な中枢作用を遮断するには不十分である前記方法を提供する。
さらに特定の実施形態は、オピオイドアゴニストを投与される被験体における依存性を抑止する方法であって、該被験体に、オピオイドアゴニストと、有効量の単位用量の中性オピオイドアンタゴニストとを同時投与することを含み、この有効量が、治療上推奨される限界を超える連続投与の際に幸福感を低下させ、疼痛緩和を低下させるのに十分なものであり、それによって依存性を抑止する前記方法を提供する。
関連する方法の実施形態においては、オピオイドアンタゴニストの単位用量を、6β-ナルトレキソール、6β-ナルトレキサミド、6β-ナロキソール、6α-ナルトレキソール、6α-ナロキソール、6α-ナルトレキサミン、6β-ナルトレキサミン、6-デオキシナルトレキソン、および6α-ナルトレキサミド、製薬上許容し得るその物理的同形体、ならびに製薬上許容し得るその塩からなる群より選択する。
他の関連する方法の実施形態においては、オピオイドアゴニストおよび単位用量を、経口的、胃内的、舌下的、坐剤により、静脈内的に、およびその組合せからなる群より選択される様式で投与してもよく、投与がアゴニストとアンタゴニストとを含む単一の同時製剤のものであるか、または別々のアゴニストおよびアンタゴニスト製剤の同時的もしくは連続的投与であってよいように同時投与が重複する。
本発明の種々の関連する実施形態においては、鎮痛組成物のオピオイドアゴニストはヒドロコドンである。他の特定の実施形態においては、単位用量、医薬組成物、および任意の方法または全ての方法は、遅延放出製剤中の製剤にとって好適であるか、または遅延放出製剤中で製剤化される中性オピオイドアンタゴニストをさらに含んでもよい。
上記の本発明のさらに関連する実施形態においては、中性オピオイドアンタゴニストは、オピオイドアゴニストの血中半減期よりも実質的に長い血中半減期を有し、該用量の反復不正投与が、アゴニストのものよりもアンタゴニストの血中濃度のより大きな増加を引き起こして、そのような投与の結果生じるアゴニストに対する娯楽性を抑止し、乱用を阻止し、および/または嗜癖傾向を低下させる。
上記の本発明のさらに関連する実施形態においては、中性アンタゴニストは、抽出または他の手段によりアゴニストの娯楽性を抑止するために、オピオイドアゴニストのものと類似する物理化学的特性を有する。
種々の実施形態においては、前記実施形態が末梢作用を阻害し、娯楽性もしくは依存性を抑止するか、または嗜癖傾向を低下させる方法である場合、特に、前記実施形態が単位用量もしくは医薬組成物のためのものである場合、中性アンタゴニストを単独で、または遅延放出同時製剤中にオピオイドアゴニストと一緒に製剤化することができる。そのような同時製剤においては、中性アンタゴニストを、オピオイドアゴニストと共に提供し、中性アンタゴニストだけを遅延放出形態で提供することができる。他の実施形態は、同時製剤中にオピオイドアゴニストと共に中性アンタゴニストを提供し、オピオイドアゴニストだけを遅延放出形態で同時製剤中に提供する。さらに他の実施形態は、同時製剤中にオピオイドアゴニストと共に中性アンタゴニストを提供し、中性アンタゴニストとオピオイドアゴニストの両方を遅延放出剤として製剤化する。
娯楽性を抑止するために、本発明の中性アンタゴニストは、アゴニストと同様、比較的親油性である;さらに、娯楽性に対する最大の防御を、2つの成分を、容易に分離できない同時製剤中で作製することにより達成する。さらに、中性アンタゴニストは強力であり、主に受容体の効力を低下させる傾向も有する(メチルナルトレキソン(MNTX)と共に生じるなど)高い極性によってではなく、限定されるものではないが、押出しポンプ(例えば、脳の外側にロペラミド(インモジウム)も保持する多剤耐性ポンプMDR1)の作用などの他の手段によって、脳から少なくとも部分的に排出される。これらの特徴の組合せは、本発明の化合物を独特なものにする。最後に、そのような強力かつ比較的親油性のアンタゴニストは、末梢作用と比較して、有意に遅延した中枢活性を示す傾向を有する(動的理由のため)。これは短期的使用にとって有利であり、それは不適当な用量増大を防止する投与計画を容易にする。
本発明の前記特徴を、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明を参照することによりより容易に理解できる。
痛覚抑制的な静脈内用量のヒドロコドンに対する静脈内投与された6β-ナルトレキソールの阻害作用の期間を反映するデータを示し、痛覚抑制阻害のピーク作用時間を示すグラフである。 痛覚抑制的な静脈内用量のヒドロコドンに対する経口投与された6β-ナルトレキソールの阻害作用の期間を反映するデータを示し、痛覚抑制阻害のピーク作用時間を示すグラフである。 痛覚抑制的な静脈内用量のヒドロコドンに対する静脈内投与された6β-ナルトレキソールの阻害作用の効力を反映する用量応答曲線である。 痛覚抑制的な静脈内用量のヒドロコドンに対する経口投与された6β-ナルトレキソールの阻害作用の効力を反映する用量応答曲線である。 経口的に同時投与された、痛覚抑制的な用量のヒドロコドンに対する、経口投与された様々な濃度の6β-ナルトレキソールの阻害作用の効力を反映するデータを示すグラフである。 2種の化合物を同時投与しない場合の、ヒドロコドン誘導GI通過遅延を逆転させる静脈内投与された6β-ナルトレキソールの効力を反映する用量応答曲線である。 2種の化合物を同時投与しない場合の、ヒドロコドン誘導GI通過遅延を逆転させる経口投与された6β-ナルトレキソールの効力を反映する用量応答曲線である。 2種の化合物を経口的に同時投与する場合の、ヒドロコドン誘導GI通過遅延を逆転させる6β-ナルトレキソールの効力を反映する用量応答曲線である。 6β-ナルトレキソールとヒドロコドンの両方を静脈内投与した場合の、GI通過試験(末梢作用)および痛覚抑制試験(中枢作用)における6β-ナルトレキソールによるヒドロコドン活性の阻害に関する効力データの概要を示す。 6β-ナルトレキソールを経口投与し、ヒドロコドンを静脈内投与した場合の、GI通過試験(末梢作用)および痛覚抑制試験(中枢作用)における6β-ナルトレキソールによるヒドロコドン活性の阻害に関する効力データの概要を示す。 6β-ナルトレキソールとヒドロコドンの両方を経口的に同時投与した場合の、GI通過試験(末梢作用)および痛覚抑制試験(中枢作用)における6β-ナルトレキソールによるヒドロコドン活性の阻害に関する効力データの概要を示す。 痛覚抑制的な、静脈内用量のヒドロコドンに対する静脈内投与された6β-ナルトレキサミドの阻害作用の期間を反映するデータを示し、痛覚抑制的阻害のピーク作用時間を示すグラフである。 痛覚抑制的な、静脈内用量のヒドロコドンに対する経口投与された6β-ナルトレキサミドの阻害作用の期間を反映するデータを示し、痛覚抑制的阻害のピーク作用時間を示すグラフである。 痛覚抑制的な、静脈内用量のヒドロコドンに対する静脈内投与された6β-ナルトレキサミドの阻害作用の効力を反映する用量応答曲線である。 痛覚抑制的な、静脈内用量のヒドロコドンに対する経口投与された6β-ナルトレキサミドの阻害作用の効力を反映する用量応答曲線である。 経口的に同時投与された痛覚抑制用量のヒドロコドンに対する経口投与された様々な濃度の6β-ナルトレキサミドの阻害作用の効力を反映するデータを示すグラフである。 2種の化合物を同時投与しない場合の、ヒドロコドン誘導GI通過遅延を逆転させる静脈内投与された6β-ナルトレキサミドの効力を反映する用量応答曲線である。 2種の化合物を同時投与しない場合の、ヒドロコドン誘導GI通過遅延を逆転させる経口投与された6β-ナルトレキサミドの効力を反映する用量応答曲線である。 6β-ナルトレキサミドとヒドロコドンの両方を異なる時間に静脈内投与した場合の、GI通過試験(末梢作用)および痛覚抑制試験(中枢作用)における6β-ナルトレキサミドによるヒドロコドン活性の阻害に関する効力データの概要を示す。 6β-ナルトレキサミドを経口投与し、ヒドロコドンを異なる時間に静脈内投与した場合の、GI通過試験(末梢作用)および痛覚抑制試験(中枢作用)における6β-ナルトレキサミドによるヒドロコドン活性の阻害に関する効力データの概要を示す。 痛覚抑制的な、静脈内用量のヒドロコドンに対する静脈内投与されたナルトレキソンの阻害作用の期間を反映するデータを示し、痛覚抑制的阻害のピーク作用時間を示すグラフである。 痛覚抑制的な、静脈内用量のヒドロコドンに対する経口投与されたナルトレキソンの阻害作用の期間を反映するデータを示し、痛覚抑制的阻害のピーク作用時間を示すグラフである。 痛覚抑制的な、静脈内用量のヒドロコドンに対する静脈内投与されたナルトレキソンの阻害作用の効力を反映する用量応答曲線である。 痛覚抑制的な、静脈内用量のヒドロコドンに対する経口投与されたナルトレキソンの阻害作用の効力を反映する用量応答曲線である。 経口的に同時投与された、痛覚抑制用量のヒドロコドンに対する様々な濃度の経口投与されたナルトレキソンの痛覚抑制阻害作用の効力を反映するデータを示すグラフである。 ヒドロコドン誘導GI通過遅延を逆転させる静脈内投与されたナルトレキソンの効力を反映する用量応答曲線である。 ヒドロコドン誘導GI通過遅延を逆転させる経口投与されたナルトレキソンの効力を反映する用量応答曲線である。 2種の化合物を経口的に同時投与した場合の、ヒドロコドン誘導GI通過遅延を逆転させるナルトレキソンの効力を反映する用量応答曲線である。 GI通過試験(末梢作用)および痛覚抑制試験(中枢作用)における静脈内投与されたナルトレキソンによる静脈内投与されたヒドロコドンの作用の阻害に関する効力データの概要を示す。 GI通過試験(末梢作用)および痛覚抑制試験(中枢作用)における経口投与されたナルトレキソンによる静脈内投与されたヒドロコドンの作用の阻害に関する効力データの概要を示す。 両化合物を経口的に同時投与した場合の、GI通過試験(末梢作用)および痛覚抑制試験(中枢作用)におけるナルトレキソンによるヒドロコドンの作用の阻害に関する効力データの概要を示す。
特定の実施形態の詳細な説明
定義。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いる場合、以下の用語は、本文が別途要求しない限り、指示された意味を有するものとする。
6β-ナルトレキソールは、以下の構造:
Figure 2011500686
を有するナルトレキソン類似体である。
6β-ナルトレキサミドは、以下の構造:
Figure 2011500686
を有するナルトレキソン類似体である。
化合物6β-ナルトレキソールおよび6β-ナルトレキサミドを、一般式Iβ:
Figure 2011500686
(式中、位置6の立体中心は星印で示される)
により表すことができる。
6-ナルトレキソールおよび6-ナルトレキサミドのα異性体を、一般式Iα:
Figure 2011500686
により表すことができる。
一般式IαおよびIβについて、X1およびX2が同じである場合、星印で示されるこの位置の立体中心は消失する。
「ID50値」とは、活性を50%阻害する用量を指す。
本明細書で用いられる「オピオイドアゴニストの血中半減期よりも実質的に長い血中半減期」とは、オピオイドアゴニストに関するものよりも、t1/2=60分で測定された場合、2倍以上高いものである血中半減期を意味する。
「A90用量」とは、90%の鎮痛活性をもたらす、例えば、オピオイドアゴニストの用量を指す。
μオピオイド受容体で中性アンタゴニストであるナルトレキソンおよびナロキソン類似体の製薬上許容し得る塩としては、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム)、アンモニウムおよびNX4 +(式中、XはC1-C4アルキルである)などの好適な塩基から誘導される塩が挙げられる。アミノ基の製薬上許容し得る塩としては、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、ラクトビオン酸、フマル酸、およびコハク酸などの有機カルボン酸;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、イセチオン酸、ベンゼンスルホン酸およびp-トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸;ならびに塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸などの無機酸の塩が挙げられる。
鏡像異性形態では、本発明の化合物は、対応する鏡像異性体を実質的に含まない単一種の形態、ならびに混合物の形態(鏡像異性対の混合物および/もしくは複数の鏡像異性体種の混合物)の化合物の個々の鏡像異性体を含む。
アヘン剤は、中枢に作用する化合物のクラスであり、疼痛制御のために頻繁に用いられる薬剤である。アヘン剤は麻酔作用性鎮痛剤であり、モルヒネ、コデイン、およびモルヒネの多くの合成コンジナーなどのアヘンから誘導される薬剤であり、モルヒネは最も広く用いられている誘導体である。オピオイドはモルヒネ様作用を有する天然および合成の薬剤であり、アヘン剤が挙げられる。オピオイドはモルヒネ型の薬物依存性をもたらす麻酔作用性鎮痛剤であり、その中毒性のため連邦麻薬法の下で規制にかけられている。
モルヒネ様活性を有する化合物クラスのオピオイドは、フェナントレンおよびベンジルイソキノリン、モルヒネの半合成誘導体、フェニルピペリジン誘導体、モルフィナン誘導体、ベンゾモルファン誘導体、ジフェニル-ヘプタン誘導体、およびプロピオンアニリド誘導体からなるアヘンの精製アルカロイドである。主なフェナントレンはモルヒネ、コデイン、およびテバインである。主なベンゾイソキノリンはパパベリン、平滑筋弛緩剤、およびノスカピンである。モルヒネの半合成誘導体としては、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)、ヒドロモルヒネ、オキシモルヒネ、ヒドロコドン、アポモルヒネ、エトルピン、およびオキシコドンが挙げられる。フェニルピペリジン誘導体としては、メペリジンおよびそのコンジナーであるジフェノキシレートおよびロペラミド、アルファプロジン、塩酸もしくはリン酸アニレリジン、ならびにピミノジンエシレートが挙げられる。モルフィナン誘導体としては、レボルファノールが挙げられる。ジフェニル-ヘプタン誘導体としては、メタドンおよびそのコンジナー、ならびにプロポキシフェンが挙げられる。プロピオンアニリド誘導体としては、クエン酸フェンタニルおよびそのコンジナーであるクエン酸スフェンタニルおよび塩酸アルフェナチルが挙げられる。
本明細書で用いられる「治療上有効量」とは、投与後に所望の生物学的応答を引き出すのに必要とされる、ナルトレキソンもしくはナロキソン類似体またはそこに含まれるナルトレキソンもしくはナロキソン類似体を有する持続放出組成物の量を指す。本明細書に記載の所望の生物応答は、疼痛緩和などの中枢作用を有意に阻害することなく、下痢および便秘などの現在の疼痛管理に関係する副作用の減少をもたらすμオピオイド受容体の十分な遮断であってよい。
本発明の中性アンタゴニスト組成物を、例えば、ヒト、または動物にin vivoで投与することができる。あるいは、中性アンタゴニストを、経口的に、経皮的に、または注射、埋込み(例えば、皮下的、筋肉内的、腹腔内的、頭蓋内的、および皮内的)、粘膜への投与(例えば、鼻内的、膣内的、肺内的、頬的、もしくは坐剤の手段による)、もしくはin situ送達(例えば、浣腸もしくはエアロゾルスプレーによる)などの非経口的に投与して、それを必要とする個体における、疼痛または麻酔の治療における麻酔性鎮痛剤の望ましくない作用(便秘、吐き気、嘔吐など)を調節するのに望ましい用量のナルトレキソンまたはナロキソン類似体を提供することもできる。
本明細書で用いられる用語「中性アンタゴニスト」とは、標的受容体でアゴニストの作用を遮断するが、標的受容体に存在する自発的活性のレベルに有意に影響しない薬剤を指す。本明細書で用いられる用語「μオピオイド受容体での中性アンタゴニスト」とは、休止中の薬剤感受性μオピオイド受容体状態、構成的に活性なμオピオイド受容体状態、またはその両方に選択的に結合することができ、該受容体でのアゴニストの作用を遮断するが、該受容体に存在する自発的活性のレベルに有意に影響しない薬剤を指す。
本明細書に提供される構造により示されるナロキソンおよびナルトレキソン類似体を、出発材料として、例えば、ナルトレキソンまたはナロキソンを用いる、March J., Advanced Organic Chemistry、第3版(1985)に記載のものなどの標準的な合成手順を用いて合成することができる。
μオピオイド受容体で中性アンタゴニスト活性を有するナルトレキソンおよびナロキソンの類似体の多く、例えば、6-ケト官能基が-OH官能基に還元された類似体が公知の化合物であり、その合成は例えば、参照により本明細書に組み入れられるChatterjieら、J. Med. Chem., 18, pp. 490-492 (1975)およびJiangら、J. Med. Chem., 20, pp. 1100-1102 (1977)により記載されている。6-ケト位置でのナルトレキソンまたはナロキソンの改変が類似体中にさらなるキラル炭素をもたらす場合、新しく形成されたキラル炭素でのβ方向はα方向よりも好ましいが、後者も特定の用途においては好適であり得る。この好みは、おそらくナロキソンまたはナルトレキソンに戻るβ類似体のより遅い変換に基づく。さらに、必要に応じて、ナルトレキソンまたはナロキソン類似体の変換を、任意の好適な阻害剤により遮断することができる。例えば、6βまたは6α-ナロキソールまたはナルトレキソールの場合、ナロキソンまたはナルトレキソンのケト官能基に戻る6位置の-OHの変換を、4-メチルピラゾールなどのアルコールデヒドロゲナーゼ阻害剤を用いて阻害することができる(Plapp, B. V.、「Control of Alcohol Metabolism」、pp. 311-322、Towards a Molecular Basis of Alcohol Use and Abuse, Janssenら(編)、Birkhaeuser Verlag, 1994)。さらに、6α-および6β-ナルトレキサミンをもたらす、6-ケト官能基の、例えば、アミンまたはアミドとの置換は、存在する場合、ナルトレキソンへの非常により遅い変換を受ける可能性がある。
潜在的な中性アンタゴニストの他の例としては、分子式がC20H25NO3であり、IUPAC名が17-(シクロプロピルメチル)4,5-エポキシ-3,14-ジヒドロキシモルフィナンであるが、本出願の目的のために6-デオキシナルトレキソンと呼ぶ、ナルトレキソールのC-6-H2還元類似体(CNS++へのアクセス)が挙げられる。ナロキソンまたはナルトレキソンの中核式に基づいて、中性アンタゴニストのためのさらに他の可能性を、想定するか、または同定することができ、本発明の範囲内にあり、特許請求の範囲により包含されると考えられる。例えば、C-6位置を他の方法、特に、ケト基の、ハロゲン、アルキルおよびアルコキシル基、アルキルアミン基、ビニル基、二次および四次アミン基との置換によるか、または他の部位での改変によるか、またはμ受容体で中性アンタゴニスト活性を保持する他の方法で改変することができる。
中性アンタゴニストのこの定義はまた、ナルトレキソンまたはナロキソンの中核式に基づかないが、μ受容体の中性アンタゴニストと関連する特性を依然として有する新しい型の化合物であってよい化合物をも包含する。
かくして、中性アンタゴニストの概念を、その好ましい実施形態を参照して具体的に示し、説明してきたが、中性アンタゴニストの中核式、または中性アンタゴニストのための完全に非関連の中核式の開発に対する形態および詳細の様々な変更を、添付の特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱することなく、そこに為すことができることが当業者には理解されるであろう。
本明細書に定義される用語「持続放出組成物」は、μオピオイド受容体で中性アンタゴニストである少なくとも1種のナロキソンまたはナルトレキソン類似体をその中に含む生体適合性ポリマーを含んでもよい。好適な成体適合性ポリマーは、本明細書に記載のような、生体分解性もしくは非生体分解性ポリマーまたはその混合物もしくはコポリマーであってよい。
本発明の持続放出組成物は、単独で製剤化された、または遅延放出同時製剤中にオピオイドアゴニストと一緒に製剤化された中性アンタゴニストを含んでもよい。そのような同時製剤においては、中性アンタゴニストを、オピオイドアゴニストと共に提供し、中性アンタゴニストだけを遅延放出形態で提供する。中性アンタゴニストとオピオイドアゴニストを含む他の同時製剤においては、オピオイドアゴニストだけを遅延放出形態で同時製剤中に提供する。そして中性アンタゴニストとオピオイドアゴニストを含むさらに他の同時製剤においては、中性アンタゴニストとオピオイドアゴニストの両方を遅延放出剤として製剤化する。
本発明の持続放出組成物を、フィルム、ペレット、ロッド、フィラメント、シリンダー、ディスク、ウェハーまたは微粒子などの多くの形状に形成することができる。微粒子が好ましい。本明細書で定義される「微粒子」は、約1ミリメートルより小さい直径を有し、そこに分散されたμオピオイド受容体で中性アンタゴニストであるナルトレキソンまたはナロキソン類似体を有するポリマー成分を含む。微粒子は、球状、非球状または不規則な形状を有してもよい。典型的には、微粒子は注射にとって好適なサイズのものであろう。微粒子の好ましいサイズ範囲は、直径約1〜約180μmである。
本明細書で定義される、本発明のナルトレキソンまたはナロキソン類似体の持続放出は、持続放出組成物からの薬剤の放出である。上記で説明されたように、オピオイドアゴニストを含む中性アンタゴニストの持続放出は、持続放出組成物からの、アンタゴニストの放出、またはアゴニストの放出、または中性アンタゴニストとオピオイドアゴニストの両方の放出であってよい。その放出は、治療上有意な量のナロキソンもしくはナルトレキソン類似体、またはオピオイドアゴニストが、類似体の溶液の直接投与後に利用可能となる期間よりも長い期間に渡って起こる。持続放出の期間は、例えば、所望の結果を達成するのに必要とされるように、約1日、約2日、約7日、約10日〜1ヶ月以上であってよい。持続放出組成物からの本発明のナルトレキソンもしくはナロキソン類似体の持続放出、または持続放出組成物からの中性アンタゴニストを含む同時製剤中のオピオイドアゴニストの持続放出は、比較的一定な、もしくは変化する放出速度を有する、連続的もしくは不連続的放出であってよい。放出の連続性および放出のレベルは、用いられるポリマー組成物の型(例えば、モノマー比、分子量、および変化する組合せのポリマー)、薬剤の負荷、および/または所望の作用をもたらす賦形剤の選択により影響され得る。
本明細書に記載の持続放出組成物のポリマーは生体適合性である。好適な生体適合性ポリマーは、本明細書に記載のような、生体分解性もしくは非生体分解性ポリマーまたはその混合物もしくはコポリマーであってよい。
好適な生体適合性ポリマーは、本明細書に記載のような、生体分解性もしくは非生体分解性ポリマーまたはその混合物もしくはコポリマーであってよい。ポリマーおよび該ポリマーの任意の分解産物がレシピエントに対して非毒性的であり、注射部位での免疫学的反応などのレシピエントの身体に対する有意な有害作用もしくは厄介な作用も有さない場合、該ポリマーは生体適合性である。
本明細書で定義される「生体分解性」とは、前記組成物がin vivoで分解または腐食して、より小さい化学種を形成することを意味する。分解は、例えば、酵素的、化学的および物理的プロセスにより起こってもよい。好適な生体適合性、生体分解性ポリマーとしては、例えば、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリ無水物、ポリ(アミノ酸)、ポリオルトエステル、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(アルキレンアルキレート)、コポリマーもしくはポリエチレングリコールおよびポリオルトエステル、生体分解性ポリウレタン、その混合物、ならびにそのコポリマーが挙げられる。
好適な生体適合性、非生体分解性ポリマーとしては、ポリアクリレート、エチレン-酢酸ビニルのポリマーおよび他のアシル置換セルロース酢酸から選択される非生体分解性ポリマー、非分解性ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルクロリド、フッ化ポリビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホナートポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、その混合物、およびそのコポリマーが挙げられる。
当業者であれば、本発明において用いられるポリマーの許容可能な分子量を、所望のポリマー分解速度、機械的強度などの物理的特性、および溶媒中でのポリマーの解離速度などの因子を考慮に入れて決定することができる。典型的には、許容可能な分子量は、約2,000ダルトン〜約2,000,000ダルトンである。
特定の実施形態においては、前記ポリマーは生体分解性ポリマーまたはコポリマーである。より好ましい実施形態においては、前記ポリマーは、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)である(以後「PLG」と呼ぶ)。PLGは、例えば、約10:90、25:75、50:50、75:25または90:10のラクチド:グリコリド比および約5,000ダルトン〜約70,000ダルトンの分子量を有してもよい。
μオピオイド受容体で中性アンタゴニストであるナルトレキソンもしくはナロキソン類似体、または別々の、もしくは中性アンタゴニストとの同時製剤中のオピオイドアゴニストを、類似体および/またはアゴニストの持続放出のための生体適合性ポリマー中に含有させる場合、持続放出組成物は類似体を安定化し、および/または持続放出組成物からのナルトレキソンもしくはナロキソン類似体の放出プロフィールを改変することができる追加成分を含んでもよい。すなわち、持続放出組成物のナルトレキソンもしくはナロキソン類似体、またはオピオイドアゴニストを、効力の喪失および/または活性の喪失に対して安定化させることができ、その全てはそこに分散されたナルトレキソンもしくはナロキソン類似体および/もしくはオピオイドアゴニストを有する持続放出組成物の形成の間に、ならびに/または類似体および/もしくはアゴニストのin vivoでの放出の前から間に起こってもよい。さらに、ナルトレキソンもしくはナロキソン類似体、および/またはオピオイドアゴニストの放出期間を延長することができる。
好適な賦形剤または賦形剤の特定の組合せを、持続放出組成物中で用いることができる。本明細書で用いられる用語「賦形剤」は、共有もしくは非共有的な様式で結合するか、もしくは相互作用するか、または持続放出組成物中にナロキソンもしくはナルトレキソン類似体と共に含まれる任意の薬剤である。
好適な賦形剤としては、例えば、炭水化物、アミノ酸、脂肪酸、界面活性剤、および増量剤が挙げられ、当業者には公知である。酸性または塩基性賦形剤も好適である。用いられる賦形剤の量は、重量に基づいて、ナルトレキソンまたはナロキソン類似体に対する比率に基づく。アミノ酸、脂肪酸およびスクロース、トレハロース、ラクトース、マンニトール、デキストランおよびヘパリンなどの炭水化物については、炭水化物と類似体の比率は、典型的には、約1:10〜約20:1である。界面活性剤については、界面活性剤と類似体の比率は、典型的には、約1:1000〜約2:1である。増量剤は、典型的には、不活性材料を含む。好適な増量剤は、当業者には公知である。
また、賦形剤は、ナルトレキソンまたはナロキソン類似体の放出を調節するように作用する金属陽イオン成分であってもよい。放出の調節に用いられる金属陽イオン成分は、典型的には、少なくとも1つの型の多価金属陽イオンを含む。放出を調節するのに好適な金属陽イオン成分の例は、例えば、Mg(OH)2、MgCO3(4MgCO3・Mg(OH)2・5H2O)、MgSO4、Zn(OAc)2、ZnCO3(3Zn(OH)2・2ZnCO3など)、ZnSO4、ZnCl2、MgCl2、CaCO3、Zn3(C6H5O7)2およびMg3(C6H5O7)2を含むか、または含有する。金属陽イオン成分とポリマーの好適な比率は、重量で約1:99〜約1:2である。最適比は、用いられるポリマーと金属陽イオン成分に依存する。ポリマーマトリックスからの薬剤の放出を調節するための分散された金属陽イオン成分を含むポリマーマトリックスは、Bernsteinらの米国特許第5,656,297号にさらに記載されており、その教示はその全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする。
持続放出組成物(ポリマー/活性薬剤マトリックス)を形成させることができるいくつかの方法は公知である。これらのプロセスの多くにおいては、封入しようとする材料を、壁を形成する材料を含む溶媒中に分散させる。このプロセスの単一の段階で、溶媒を微粒子から除去した後、微粒子産物を得る。
生物学的に活性な薬剤の持続放出のための組成物を形成させる方法は、Gombotzらに対して発行された米国特許第5,019,400号、およびHerbertらに対して発行された米国特許第5,922,253号に記載されており、その教示は参照によりその全体が本明細書に組み入れられるものとする。
この方法においては、生物学的に活性な薬剤、生体適合性ポリマーおよびポリマー溶媒を含む混合物を加工して、液滴の少なくとも有意な部分がポリマー、ポリマー溶媒および活性薬剤を含む液滴を作製する。次いで、これらの液滴を好適な手段により凍結する。混合物を加工して液滴を形成させるための手段の例としては、超音波ノズル、圧力ノズル、Rayleighジェットを介して分散物を指向させること、または溶液から液滴を作製するための他の公知の手段が挙げられる。
液滴を凍結させるのに好適な手段としては、液体アルゴンもしくは液体窒素などの液体化ガス中に、またはその近くに液滴を指向させて、凍結された微小液滴を形成させた後、液体ガスから分離することが挙げられる。次いで、凍結された微小液滴を、エタノール、ヘキサン、ヘキサンと混合されたエタノール、ヘプタン、ヘプタンと混合されたエタノール、ペンタンもしくは油などの液体または固体性非溶媒に曝露する。
凍結された微小液滴中の溶媒を、固体および/または液体として非溶媒中に抽出して、生体適合性ポリマーおよび生物活性剤を含むポリマー/活性薬剤マトリックスを形成させる。エタノールと、ヘキサン、ヘプタンもしくはペンタンなどの他の非溶媒との混合は、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)ポリマーなどの特定のポリマーからの、エタノールのみによって達成されるものを超えて溶媒抽出速度を増加させることができる。
液滴のサイズを変化させることにより、例えば、超音波ノズルの直径を変化させることにより、様々なサイズの持続放出組成物を作製することができる。持続放出組成物が微粒子の形態にあり、非常に大きい微粒子が望ましい場合、この微粒子を、例えば、冷たい液体中に直接シリンジを介して押し出すことができる。ポリマー溶液の粘度の増加は、微粒子のサイズを増加させることもできる。このプロセスにより製造することができる微粒子のサイズは、例えば、直径約1000〜約1μmを超える。
生体適合性ポリマーおよび生物活性剤を含む懸濁液から、持続放出組成物を形成させるさらに別の方法としては、フィルムまたは形状を形成するための、型などへのフィルムの投入が挙げられる。例えば、型に懸濁液を入れた後、当業界で公知の手段によりポリマー溶媒を除去するか、または一貫した乾燥重量を有するフィルムもしくは形状が得られるまで、ポリマー懸濁液の温度を低下させる。
従来の微小封入プロセスおよびそれにより製造される微粒子のさらなる例は、溶媒中の壁または殻を形成するポリマー材料の溶液を調製する、その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする、米国特許第3,737,337号に開示されている。この溶媒は、水中に一部のみ混和性である。固体またはコア材料をポリマー含有混合物中に溶解または分散させた後、中核材料を含有する混合物を、有機溶媒中に混和しない水性液体中に分散させて、微粒子から溶媒を除去する。
溶媒を微粒子含有物質から除去するプロセスの別の例は、その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする、米国特許第3,523,906号に開示されている。このプロセスにおいては、封入しようとする材料を、水中で混和しない溶媒中のポリマー材料の溶液中で乳化させた後、乳濁液を、親水性コロイドを含む水性溶液中で乳化する。次いで、微粒子からの溶媒の除去を、蒸発により達成し、生成物を得る。
その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする、米国特許第3,691,090号に示されたさらに別のプロセスにおいては、好ましくは、減圧下で、水性媒体中の微粒子の分散物から、有機溶媒を蒸発させる。
同様に、その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする、米国特許第3,891,570号の開示は、多価アルコール媒体中の微粒子の分散物に由来する溶媒を、熱の適用によるか、または微粒子を減圧にかけることにより、微粒子から蒸発させる。
溶媒除去プロセスの別の例は、その全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする、米国特許第3,960,757号に示されている。
米国特許第4,389,330号において、Ticeらは、(a)溶媒中に活性薬剤を溶解もしくは分散させ、その溶媒中に壁を形成する材料を溶解すること;(b)連続相プロセッシング媒体中に、活性薬剤および壁を形成する材料を含む溶媒を分散させること;(c)工程(b)の分散物から溶媒の一部を蒸発させることによって、懸濁液中に活性薬剤を含む微粒子を形成させること;ならびに(d)微粒子から残りの溶媒を抽出すること、を含む方法による活性薬剤を含む微粒子の調製を記載している。
調製のさらに好適な方法は、Lyonsらの米国特許第6,194,006号、Rickeyらの米国特許第6,110,503号、第5,916,598号および第5,792,477号、ならびにRamstackらの米国特許第5,650,173号(その全ての内容全体が参照により本明細書に組み入れられるものとする)に記載されている。
本発明をその好ましい実施形態を参照して具体的に示し、説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲により包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることを理解するであろう。
(実施例)
ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制に対する6β-ナルトレキソールの作用
以前の研究により、6β-ナルトレキソールがオピオイドの中枢作用に拮抗することが確認されている。例えば、Wang D, Raehal KM, Bilsky EJ, Sadee W. (2001 Jun) 「Inverse agonists and neutral antagonists at mu opioid receptor (MOR): possible role of basal receptor signaling in narcotic dependence」、J Neurochem.;77(6):1590-600による研究により、6β-ナルトレキソールが、腹腔内投与された場合、モルヒネに誘導される痛覚抑制を逆転させることが示された。他の実験により、6β-ナルトレキソールが非依存性および慢性依存性マウスにおいてモルヒネにより融合される型通りの循環を防止することがさらに示された(Wang D., Raehal K.M., Lin E.T., Lowery J.J., Kieffer B.L., Bilsky E.J., Sadee W. (2004 Feb Epub 2003 Nov 4) 「Basal signaling activity of mu opioid receptor in mouse brain: role in narcotic dependence」、J Pharmacol Exp Ther.; 308(2):512-20; Raehal K.M., Lowery J.J., Bhamidipati C.M., Paolino R.M., Blair J.R., Wang D., Sadee W., Bilsky E.J. (2005 Jun;. Epub 2005 Feb 16) 「In vivo characterization of 6β-naltrexol, an opioid ligand with less inverse agonist activity compared with naltrexone and naloxone in opioid-dependent mice」、J Pharmacol Exp Ther 313(3):1150-62)。
実験データは6β-ナルトレキソールがヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制を逆転させることを示す
実施例1
テイルフリックアッセイ:55℃の温水のテイルフリックアッセイを用いて、痛覚抑制を評価した(Bilsky E.J., Qian X., Hruby V.J., Porreca F. (2000 Apr) 「Antinociceptive activity of [beta-methyl-2', 6'-dimethyltyrosine(1)]-substituted cyclic [D-Pen(2), D-Pen(5)]Enkephalin and [D-Ala(2),Asp(4)]Deltorphin analogs」、J Pharmacol Exp Ther;293(1):151-8; Raehal K.M., Lowery J.J., Bhamidipati C.M., Paolino R.M., Blair J.R., Wang D., Sadee W., Bilsky E.J. (2005 Jun;. Epub 2005 Feb 16) 「In vivo characterization of 6beta-naltrexol, an opioid ligand with less inverse agonist activity compared with naltrexone and naloxone in opioid-dependent mice」、J Pharmacol Exp Ther 313(3):1150-62)。全ての手順において25〜40グラムの雄のICRマウス(UNE)またはCD-1マウス(Charles River)を用いた。マウスを計量し、8〜10匹のマウス/群のnサイズで、消えないインクで尾に印を付けた。急速なテイルフリックの最初の兆候までの待ち時間(latency)を、行動の終点として用いた(Jannsenら、1963)。簡単に述べると、それぞれのマウスの尾の末端1/3を水浴中に浸し、侵害刺激に対する活発なテイルフリック応答が起こるまでの時間を記録することにより、待ち時間基準値についてそれぞれのマウスを試験した。待ち時間は、典型的には、薬剤にナイーブな被験体においては平均で1.5〜2.5秒であり、5秒を超える待ち時間基準値を有するマウスをさらなる試験から排除した。基準値試験の完了時に、マウスに注射し、注射後の様々な時間(典型的には、10、20、30、45、60、90、120および180分間または試験待ち時間が待ち時間基準値に到達するまで、例えば、群について20%未満のMPE)でテイルフリック待ち時間のために再試験した。10秒以内に応答しないマウスに最大のスコアを割り当てて、組織損傷を回避した。痛覚抑制の割合を、(試験待ち時間-待ち時間基準値)/(10-待ち時間基準値)*100として算出した。
6β-ナルトレキソールのピーク作用時間を決定するための痛覚抑制試験
6β-ナルトレキソールの作用期間を、様々な時点で6β-ナルトレキソールでマウスを予備処理した後、痛覚抑制A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、予め決定された静脈内用量;データは示さない)を注射することにより測定した。テイルフリックアッセイにおいてヒドロコドンのピーク作用時間の10分後にマウスを試験した。静脈内投与(図1A)については0.56 mg/kgおよび経口投与(図1B)については5.6 mg/kgの6β-ナルトレキソール用量を用いた。
これらの時間範囲の実験は、6β-ナルトレキソールが、静脈内投与については90分、経口投与の場合は120分でのピーク作用時間で、ヒドロコドンの中枢媒介性痛覚抑制作用(図1Aおよび1B)を逆転させることができることを示していた。
アンタゴニスト効力を決定するための痛覚抑制試験
A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、静脈内)の前の好適な時間で、ビヒクルまたは様々な用量の6β-ナルトレキソールを投与することにより、経口および静脈内での効力の両方を決定した。それぞれの静脈内および経口予備処理時間は、90分(図2A)および120分(図2B)であった。55℃でのテイルフリックアッセイにおいて、ヒドロコドン注射の10分後(ヒドロコドンピーク作用時間)に、マウスを試験した。少なくとも3回の用量を試験して、用量応答曲線を作製した。次いで、痛覚抑制率を各用量について算出し、ヒドロコドン対照と比較した。
これらの用量応答曲線を用いて、6β-ナルトレキソールのID50値を決定した。ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制の阻害または逆転の割合(%)を、(試験-ヒドロコドン対照)/(塩水対照-ヒドロコドン対照)*100として算出した。このデータから、ID50値(および95%信頼区間)を、線形回帰(FlashCalcソフトウェア;Dr. Michael Ossipov, University of Arizona, Tucson, AZ)を用いて、それぞれの経路について算出した。ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制の6β-ナルトレキソールによる阻害に関するID50値は、静脈内投与については0.222 mg/kg(95%CI=0.194〜0.253)および経口投与については2.35 mg/kg(95%CI=2.11〜2.63)であると決定され、げっ歯類におけるこの化合物の生物利用能は14%であることと一致していた(以前に決定され、データは示さない)。
経口同時投与に関する痛覚抑制試験
テイルフリックアッセイを用いて、ヒドロコドンと組合わせた6β-ナルトレキソールに関する全用量応答および時間応答の概要を構築した。ビヒクルまたは様々な用量の6β-ナルトレキソールを、t = 0分で以前に決定された(データは示さない)A90用量のヒドロコドン(32 mg/kg、経口)と共に経口的に同時投与した。テイルフリック待ち時間を、注射後t = 10、20、30、45、60、90、120および180分で(または20%MPEが達成されるまで)決定し、痛覚抑制率(%)をそれぞれのマウスについて算出した(図3)。
図3に示される痛覚抑制実験により、ヒドロコドンと同時投与された6β-ナルトレキソールについて、12.3 mg/kg(95%CI=10.4〜14.7)のID50値が得られた。
図1〜3に示される実験は、6β-ナルトレキソールが、投与経路に関係なくヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制を遮断することを示している。
ヒドロコドンにより誘導される胃腸管遅延に対する6β-ナルトレキソールの効果
実施例2
GI通過アッセイ
オピオイドにより誘導されるGIの阻害を、標準的なプロトコル(Current Protocols in Pharmacology, number 5.3)を用いて測定した。25〜40グラムの雄のCD-1マウス(Charles River)を、全ての手順において用いた。マウスを計量し、8〜10匹のマウス/群のnサイズで、消えないインクで尾に印を付けた。実験の開始前に約18時間、マウスに餌を与えなかった。6β-ナルトレキソールまたは塩水を1 mg/100 g体重(経路および予備処理時間は変化する)で注射した後、活性炭懸濁液(250μLの一定量)を経口送達した。t = 0分で、経***性炭を、1 ccのシリンジ上の18ゲージの曲線強制経口投与針(Popper & Sons)を用いて送達する。蒸留水中の2.5%アラビン酸を含む10%活性炭(100〜400メッシュ)で使用する日に懸濁液を作製し、完全かつ繰り返し混合して、針詰まりを最小化する。動物を、軽いエーテル麻酔、次いで頸椎脱臼により、活性炭の投与の30分後に犠牲にした。小腸(十二指腸から盲腸まで)を切り出し、注意深くまっすぐに伸ばした。それぞれの動物について、活性炭により覆われた距離を測定し、小腸の全長と比較した。次いで、平均通過率(%)を、(活性炭により覆われた距離)/(小腸の全長)*100として算出した。
6β-ナルトレキソール効力を決定するためのGI通過試験
ヒドロコドンにより誘導されるGI阻害を遮断する6β-ナルトレキソールの能力を評価した。静脈内(図4A)および経口(図4B)での効力の両方を、痛覚抑制的A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、静脈内)の前にビヒクルまたは様々な用量の6β-ナルトレキソールを投与することにより決定した。予備処理時間は痛覚抑制試験についてのピーク作用時間と一致していた。活性炭を含む食餌を、ヒドロコドンの注射の10分後に与えた。ビヒクル(塩水)対照も静脈内で評価した。GI通過率(%)をそれぞれのマウスについて算出し、用量応答曲線をアンタゴニストについて構築した。少なくとも3回の用量をそれぞれの経路について使用し、その結果を塩水およびヒドロコドン対照と比較した。
ID50値を6β-ナルトレキソールについて算出して、ヒドロコドン作用の阻害する効力を決定した。6β-ナルトレキソールおよびヒドロコドンを好適な時間に投与したところ、ピーク作用時間(テイルフリックアッセイにおいて決定されたもの)は活性炭投与の間に起こった。6β-ナルトレキソールは、ヒドロコドン(A90用量、静脈内)によるGI通過の阻害を用量依存的に逆転させ、静脈内および経口投与について(図4Aおよび4B)、それぞれ0.0443 mg/kg(95%CI=0.0275〜0.0713)および0.410 mg/kg(95%CI=0.310〜0.543)のID50値が得られた。
経口同時投与に関するGI通過試験
ビヒクル(塩水)または様々な用量の6β-ナルトレキソールを、活性炭投与の60分前に、痛覚抑制A90用量のヒドロコドン(32 mg/kg、経口)と経口的に同時投与した(図5)。アンタゴニストのピーク作用時間は活性炭を含む食餌の小腸通過の間に起こるため、この時間を選択した。ビヒクル(塩水)対照も経口的に評価して、オピオイドにナイーブなマウスに対する観察される作用を評価した。GI通過率(%)をそれぞれのマウスについて算出し、用量応答曲線を構築した。少なくとも3回の用量を使用し、その結果を塩水およびヒドロコドン対照と比較した。再度、6β-ナルトレキソールは、1.290 mg/kg(95%CI=0.990〜1.68)のID50で用量依存的にGI阻害を逆転させた(図5)。
統計学的分析
図2〜5に示される用量応答曲線を用いて、6β-ナルトレキソールの中枢(痛覚抑制)と末梢(GI通過)の効力を評価し、比較した。いずれかのアッセイにおけるヒドロコドン作用の阻害または逆転の割合(%)を、アンタゴニスト群においてそれぞれのマウスについて決定した。逆転率(%)を、(試験-ヒドロコドン対照)/(塩水対照-ヒドロコドン対照)*100として算出した。このデータから、ID50値(および95%信頼区間)を、線形回帰(FlashCalcソフトウェア; Dr. Michael Ossipov, University of Arizona, Tucson, AZ)を用いて、それぞれの経路/アンタゴニスト/アッセイについて算出した。
GI通過遅延および痛覚抑制の逆転に関する6β-ナルトレキソールの効力
ヒドロコドンにより誘導された、中枢作用、痛覚抑制、または末梢作用、GI通過遅延のいずれかを逆転させる6β-ナルトレキソールの算出された効力(ID50)の比較により、6β-ナルトレキソールが中枢よりも末梢において5〜10倍より効力が高いという驚くべき発見がもたらされた。図6A-Cは、上記の用量応答曲線から誘導されるデータを示すこの効力の差異を示している。
6β-ナルトレキソールは、全ての投与パラメーターについて2つのアッセイ間で効力の有意なシフトを有することが見出された(図6A-C)。6β-ナルトレキソールの静脈内(図6A)および経口(図6B)投与は、痛覚抑制作用よりも静脈内ヒドロコドンのGI作用の逆転において約5倍より強力であった(表1)。さらに、ヒドロコドンとの経口同時投与により、効力の9.53倍のシフトが得られた(図6C、表1)。これらのデータは、6β-ナルトレキソールが、オピオイドにより誘導される中枢作用よりも末梢作用の阻害においてより強力であることを示唆している。
これらのデータからのID50効力の算出は、6β-ナルトレキソールが、治療的使用に用いられるように、両薬剤を経口投与した場合、痛覚抑制の逆転よりもGI通過の遅延について、9.5倍より強力であることをさらに示唆している(表1)。
これらの結果は、オピオイド使用の末梢副作用を、鎮痛を阻害することなく低下させる場合、6β-ナルトレキソールに関する有効な治療域が存在することを示している。6β-ナルトレキソールとヒドロコドンとを経口的に同時投与する場合、その治療域は6β-ナルトレキソールを0.1〜3.0 mg/kgでマウスに投与する場合に生じる(図6C)。
Figure 2011500686
この治療域は、米国特許出願第2004/0024006 A1号でSimonにより主張された比率とは劇的に異なるため、それは驚くべきことである。本発明者らのデータはまた、Simon(米国特許出願第2004/0024006 A1号のパラグラフ[107]および[155]を参照)により主張された用量の使用が何の効果も有さない(パラグラフ[107]の場合)か、または痛覚抑制を逆転させる望ましくない作用を有する(パラグラフ[155]の場合)ことも示している。
マウスのデータを外挿して、ヒトのための有効な製剤を提供することができる。0.1〜3.0 mg/kgのマウスは、0.0081〜0.243 mg/kgのヒト等価用量(HED)を示す。この算出は、www.fda.gov/cber/gdlns/dose.htmで2007年8月16日に利用可能になった成人健常ボランティアにおける治療剤の臨床試験における安全な出発用量を評価するためのFDA指針で公開された体表面積計算に基づくものである。この用量を70キロのヒトに適用する場合、ヒト被験者は、鎮痛を阻害することなく、GI通過遅延を軽減する所望の効果を有するには、0.567〜17.0 mgが必要であろう。当業者であれば、臨床試験を予測し、行って、ヒトにおける同様の薬物動態を確認し、絶対的な正確な用量を決定することができる。
ヒドロコドンの痛覚抑制作用を逆転させるのに必要な濃度は、中枢作用の遮断を意図する場合、アルコールまたはオピオイド依存性の維持のための標準的なナルトレキソン治療後に得られる6β-ナルトレキソールのヒト血中レベルと一致することに留意すべきである。典型的には、50 mgのナルトレキソンの最大用量を、ヒト患者に毎日投与する。GI遅延または薬物動態もしくは吸収を変化させる薬剤相互作用に対する混合作用は存在しないため、ヒトは無オピオイドでなければならない。文献は、約43%のナルトレキソンが、6β-ナルトレキソールに変換されることを教示しており(例えば、Cone, EJ, Gorodetzky CW, およびYea SY (1974) 「The Urinary Excretion Profile of Naltrexone and Metabolites in Man」、Drug Metab and Disp 2(6): 506-512; ReVia(商標)Label; Wall M.E., Brine D.R, Perez-Reyes M. (1981) 「Metabolism and Disposition of Naltrexone in Man after Oral and Intravenous Administration, Drug Metabolism and Disposition」、Drug Metabolism and Disposition, 9(4):369-375; Verebey K. (1980) 「The Clinical Pharmacology of Naltrexone: Pharmacology and Pharmacodynamics」、Naltrexone: NIDA Research Monograph, 28, RE WilletteおよびG Barnett(編)、pp 147-158; Wall M.E., Brine D.R., Perez-Reyes M. (1980) 「The Metabolism of Naltrexone in Man」、Naltrexone: NIDA Research Monograph, 28, RE WilletteおよびG Barnett(編)、pp 105-131; Perez-Reyes M.およびWall M.E. (1980) 「A Comparative Study of the Oral, Intravenous, and Subcutaneous Administration f 3h-Nlatrexone to normal male volunteers」、Naltrexone: NIDA Research Monograph 28, RE WilletteおよびG Barnett(編)、pp 93-101を参照されたい)、ヒトをそのような投与後に20 mgの6β-ナルトレキソールに曝露することを意味する。ヒト用量は標準的な70 kgの人について決定されることを考慮して、人を0.3 mgを超える6β-ナルトレキソール/kg体重に毎日曝露し、しばしば非常により高い用量および血液レベルを用いる。そのようなものとして、この治療レベルはヒトにおいて安全である証拠が存在する(例えば、Dunbar J.L., Turncliff R.Z., Dong Q., Silverman B.L., Ehrich E.W., Lasseter K.C. (2006) 「Single- and Multiple-Dose Pharmacokinetics of Long-acting Injectable Naltrexone」、Alcohol: Clin and Exper Res. 30(3):480-490; Jayaram-Lindstrom N., Wennberg P., Beck O., Franck J. (2005) 「An open clinical trial of naltrexone for amphetamine dependence: Compliance and tolerability」、Nord J Pschy 59(3):167-171; Brewer C.およびWong V.S. (2004) 「Case Report. Naltrexone: report of lack of hepatotoxicity in acute viral hepatitis, with a review of the literature」、Addict Bio 9, 81-87を参照されたい)。
ナルトレキソンと比較した、マウスにおける腹腔内注射後の血漿および脳組織中での6β-ナルトレキソールおよび6β-ナルトレキサミドの実質的により長い保持
実施例3
この試験は、ナルトレキソンと比較した、マウス血漿および脳における6β-ナルトレキソールおよび6β-ナルトレキサミドの未処理の薬物動態を示す(ナルトレキソールのデータはWangら、2004に公開されたものである;ナルトレキサミドのデータは公開されていない)。マウスに1 mg/kgのナルトレキソン、1 mg/kgの6β-ナルトレキソール、1 mg/kgの6β-ナルトレキサミド、10 mg/kgの6β-ナルトレキソールまたは10 mg/kgの6β-ナルトレキサミドを腹腔内注射し、10または60分後に犠牲にした。血液サンプルおよび全脳を回収した。質量分析を用いて、アンタゴニストの存在についてサンプルを分析した。
ナルトレキソン、6β-ナルトレキソールおよび6β-ナルトレキサミドを、血漿または脳組織ホモジェネートから抽出し、APCI/正イオン化を用いて、液体クロマトグラフィー/質量分析/質量分析(LC/MS/MS)により測定した。ナルブフィンを内部標準として用いた。この方法の感度は約1 ng/mL(g)(3〜4 nM)であった。6β-ナルトレキソールは、ナルトレキソン投与(それぞれ、10および60分後、1.9 ng/mLおよび1.7 ng/mL)後に、血漿中では検出可能であったが、脳組織では検出不可能であった。対照的に、6β-ナルトレキソールの投与後に、ナルトレキソンは検出不可能であった。表のそれぞれの行における2種の化合物の濃度は、注射された親薬剤のみを表す。平均±SD、n=3。
示されるように、等効力用量のナルトレキソンおよび6β-ナルトレキソールまたは6β-ナルトレキサミド(それぞれ、1 mg/kgおよび10 mg/kg)について、同様の脳レベルが達成された。驚くべきことに、60分後、6β-ナルトレキソールおよび6β-ナルトレキサミドのレベルは10分で測定されたものから変化しなかったが、ナルトレキソンのレベルは60分までにほぼ90%低下した。これは、ナルトレキソンよりも6β-ナルトレキソールおよび6β-ナルトレキサミドについて、血漿および特に脳における実質的により長い保持を示唆している。これらのデータを外挿して、一般的に、ナルトレキソンなどのオピオイドアゴニストのものよりも6β-ナルトレキソールおよび6β-ナルトレキサミドに関する実質的により長い半減期を示唆することができる。ヒトにおいては、ナルトレキソンの半減期は4時間であるが、6β-ナルトレキソールは約15時間である。重要なことに、6β-ナルトレキソールと6β-ナルトレキサミドは両方とも、脳において非常により効率的に保持されるが、これはマウスにおいてはナルトレキソンと比較して作用の有効期間は非常により長いが、直接的なアクセスはかなり低いことを示唆している。ヒトにおけるオピオイドアゴニストの半減期は、典型的にはより短く、約2〜6時間である。
Figure 2011500686
同時製剤化製品としての6β-ナルトレキソール+オピオイド
表1および表2の結果は、限定されるものではないが、便秘などの限定された末梢副作用に伴う中程度から重篤な疼痛を効率的に治療し、おそらく吐き気および嘔吐も減少させるであろう、特定用量のヒドロコドンと6β-ナルトレキソールを含む同時製剤化製品を作製することができることを示している。疼痛の緩和は、ヒドロコドンのみを用いる治療と同様であるが、末梢副作用は非常に低下するであろう。
さらに、オピオイドの中枢作用は、錠剤を操作し、破壊し、注射するか、または吸引する場合などの、処方されたものを超える用量を任意の投与経路により摂取する場合に6β-ナルトレキソールにより中和されるため、この同時製剤は依存耐性を付与するであろう。処方されたものを超える用量を経口的に摂取する場合、オピオイドと比較して6β-ナルトレキソールの実質的により長い半減期は、CNSに十分に浸透して、疼痛緩和および幸福感などの中枢により媒介されるオピオイドの作用を中和する用量まで6β-ナルトレキソールを蓄積させるであろう。これは、偶発的および意図的な過剰投与の両方の場合に有益であろう。オピオイドアゴニストと比較して、6β-ナルトレキソールの実質的により長い半減期に起因して、用量が増加するにつれてその作用はより深くなり、かくして、オピオイドについて今や一般的であるように、この同時製剤化製品を経口または他の依存性から防止することができる。
換言すれば、オピオイドアゴニストのものよりも中性アンタゴニストの実質的により長い半減期は、中性アンタゴニストが蓄積することを意味する。従って、一定状態が達成された場合に、疼痛緩和に影響することなく、GI副作用(おそらく吐き気および嘔吐など)の緩和が存在するように、用量を決定することができる。患者または被験者がGI副作用を緩和するための中性アンタゴニストの好適なレベルを受容し、依然としてオピオイドアゴニストが疼痛を緩和するのを可能にするように、オピオイドの標準用量の算出を考慮に入れて、同時製剤を作製することができる。処方された用量より高い同時製剤の摂取は、より高い用量または複数回の用量で、中性アンタゴニストは蓄積し始めた後、オピオイドの作用と競合し、疼痛緩和、または製剤を楽しみのために摂取する場合、幸福感を低下させるため、依存性を防止し、乱用を抑止する。
同時製剤を乱用の形態として注射した場合、血流に直接投与されるアンタゴニストのより高い生体利用能は、より低い用量で中枢作用の拮抗作用を可能にするであろう。経口投与についてと同様、その作用は、アンタゴニストのレベルがオピオイドの限られた半減期に起因して反復投与を介して蓄積し続けるため、時間と共により深くなるであろう。さらに、6β-ナルトレキソールは中性アンタゴニストであるため、離脱症状を引き起こすことなく、または実質的にあまり引き起こすことなく、これらの作用が現れ、誤用を防止するための有効な手段を提供する。SadeeおよびSimonを参照されたい。
ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制に対する6β-ナルトレキサミドの効果
実施例4
テイルフリックアッセイ
テイルフリックアッセイを用いて、実施例1の下で上記された痛覚抑制を測定した。
6β-ナルトレキサミドのピーク作用時間を決定するための痛覚抑制試験
6β-ナルトレキサミドの作用期間を、痛覚抑制A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、以前に決定された静脈内用量;データは示さない)の注射前の様々な時点で、6β-ナルトレキサミドでマウスを予備処理することにより測定した。次いで、テイルフリックアッセイにおいて、ヒドロコドンのピーク作用時間の10分後に、マウスを試験した。10 mg/kg(図7A)および56 mg/kg(図7B)の6β-ナルトレキサミド用量を、それぞれ、静脈内および経口投与に用いた。
これらの時間範囲実験は、6β-ナルトレキサミドがヒドロコドンの中枢により媒介される痛覚抑制作用(図7Aおよび7B)を逆転させることができ、静脈内投与については120分、経口投与の場合は120〜180分でのピーク作用時間であった。
アンタゴニスト効力を決定するための痛覚抑制試験
経口および静脈内効力の両方を、A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、静脈内)の前の好適な時間でビヒクルまたは様々な用量の6β-ナルトレキサミドを投与することにより決定した。それぞれの静脈内(図8A)および経口(図8B)予備処理時間は120分であった。マウスを、55℃でのテイルフリックアッセイにおいて、ヒドロコドン注射の10分後(ヒドロコドンピーク作用時間)に試験した。少なくとも3回の用量を試験して、用量応答曲線を作製した。次いで、痛覚抑制率(%)をそれぞれの用量について算出し、ヒドロコドン対照と比較した。
これらの用量応答曲線を用いて、6β-ナルトレキサミドに関するID50値を決定した。ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制の阻害、または逆転の割合(%)を、(試験-ヒドロコドン対照)/(塩水対照-ヒドロコドン対照)*100として算出した。このデータから、ID50値(および95%信頼区間)を、線形回帰(FlashCalcソフトウェア; Dr. Michael Ossipov, University of Arizona, Tucson, AZ)を用いて、それぞれの経路について算出した。ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制の6β-ナルトレキサミド阻害に関するID50値は、静脈内投与については4.06 mg/kg(95%CI=3.27〜5.04)、経口投与については27.4(22.6〜33.2) mg/kgであると決定された。
経口同時投与に関する痛覚抑制試験
テイルフリックアッセイを用いて、ヒドロコドンと組合わせた6β-ナルトレキサミドに関する全用量応答および時間応答の概要を構築した。ビヒクルまたは様々な用量のアンタゴニストを、以前に決定された(データは示さない)A90用量のヒドロコドン(32 mg/kg、経口)と共に経口的に同時投与した。テイルフリック待ち時間を、注射後t=10、20、30、45、60、90、120および180分で(または20%MPEが達成されるまで)決定し、痛覚抑制率(%)を各マウスについて算出した(図9)。
図7〜9に示される実験は、6β-ナルトレキサミドが、投与経路に関係なく、ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制を遮断し、その効力は6β-ナルトレキソールのものよりも約10倍低いことを示している。
ヒドロコドンにより誘導される胃腸管遅延に対する6β-ナルトレキサミドの効果
実施例5
GI通過アッセイ
オピオイドにより誘導されるGI通過阻害を、実施例2の下で上記された標準的なプロトコルを用いて測定した。
6β-ナルトレキサミドの効力を決定するためのGI通過試験
ヒドロコドンにより誘導されるGI阻害を遮断する6β-ナルトレキサミドの能力を評価した。静脈内(図10A)および経口(図10B)効力の両方を、痛覚抑制A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、静脈内)の前にビヒクルまたは様々な用量の6β-ナルトレキサミドを投与することにより決定した。予備処理時間は痛覚抑制試験のピーク作用時間と一致していた。活性炭を含む食餌を、ヒドロコドン注射の10分後に与えた。ビヒクル(塩水)対照も静脈内で評価した。GI通過の割合(%)を、それぞれのマウスについて算出し、用量応答曲線をアンタゴニストについて構築した。少なくとも3回の用量をそれぞれの経路について用いて、その結果を塩水およびヒドロコドン対照と比較した。
6β-ナルトレキサミドに関するID50値を算出して、ヒドロコドン作用を阻害する効力を決定した。6β-ナルトレキサミドおよびヒドロコドンを、ピーク作用時間(テイルフリックアッセイにおいて決定された)が活性炭投与の間に生じるような好適な時間に投与した。静脈内(図10A)および経口(図10B)で投与した場合、6β-ナルトレキサミドはヒドロコドン(A90用量、静脈内)によるGI通過の阻害を用量依存的に逆転させ、静脈内および経口投与について、それぞれ、0.173(95%CI=0.131〜0.230)および1.92(95%CI=1.03〜3.56)のID50値が得られた。
経口同時投与に関するGI通過試験
ビヒクル(塩水)または様々な用量の6β-ナルトレキサミドを、活性炭投与の60分前に、痛覚抑制A90用量のヒドロコドン(32 mg/kg、経口)と共に経口的に同時投与する。アンタゴニストのピーク作用時間が活性炭を含む食餌の小腸通過の間に生じるように、この時間を選択する。ビヒクル(塩水)対照も経口的に評価して、オピオイドにナイーブなマウスに対して観察される作用を比較する。GI通過率(%)をそれぞれのマウスについて算出し、用量応答曲線を構築する。少なくとも3回の用量をそれぞれのアンタゴニストについて用いて、その結果を塩水およびヒドロコドン対照と比較する。
静脈内および経口的に与えた場合、6β-ナルトレキサミドは、静脈内および経口投与について、それぞれ、0.1〜0.2 mg/kgおよび1〜2 mg/kgの範囲のID50で、ヒドロコドンおよび他の鎮痛剤によるGI通過の阻害を用量依存的に逆転させると期待される。
統計学的分析
図7〜10に示される用量応答曲線を用いて、6β-ナルトレキサミドの中枢(痛覚抑制)と末梢(GI通過)効力を評価および比較した。いずれかのアッセイにおけるヒドロコドン作用の阻害または逆転の割合を、6β-ナルトレキサミド群においてそれぞれのマウスについて決定した。逆転率(%)を(試験-ヒドロコドン対照)/(塩水対照-ヒドロコドン対照)*100として算出した。このデータから、ID50値(および95%信頼区間)を、線形回帰(FlashCalcソフトウェア; Dr. Michael Ossipov, University of Arizona, Tucson, AZ)を用いて、それぞれの経路/アンタゴニスト/アッセイについて算出した。
GI通過を遅延させ、痛覚抑制を逆転させる6β-ナルトレキサミドの効力
ヒドロコドンにより誘導された、中枢作用、痛覚抑制、または末梢作用、GI通過遅延のいずれかを逆転させる6β-ナルトレキサミドに関する算出された効力(ID50)の比較は、6β-ナルトレキサミドは中枢よりも末梢において14〜25倍より強力であるという驚くべき発見をもたらした。図11AおよびBは、上記の用量応答曲線から誘導されたデータを示すこの効力の差異を示している。
6β-ナルトレキサミドは、全ての注射パラメーターに関する2つのアッセイ間で効力の有意なシフトを有することがわかった。6β-ナルトレキサミドの静脈内(図11A、表3)投与は、痛覚抑制作用よりも静脈内ヒドロコドンのGI作用の逆転において約23倍より強力であったが、経口投与された6β-ナルトレキサミドは痛覚抑制作用と比較して、GI作用の逆転について14倍高い効力を示した(図11B、表3)。これらのデータは、6β-ナルトレキサミドが、オピオイドにより誘導される中枢作用よりも末梢作用の阻害において有意により強力でえあることを示唆している。さらに、ヒドロコドンとの経口同時投与は、10〜25倍の効力および同様に潜在的に50倍までの効力のシフトを示すと期待される。
かくして、6β-ナルトレキサミドが、両薬剤を経口投与する場合、痛覚抑制の逆転よりもGI通過の遅延について、10〜25倍、および潜在的には50倍、より強力であると予想され、従って治療用途に用いることができる。6β-ナルトレキサミドは、その化学構造から予測されるものよりも非常に大きい効力シフトを示したが、これは6β-ナルトレキサミドが、6β-ナルトレキソールと比較して、CNSへの進入、またはCNSから輸送されるのを活発に防止することができ、かくして、6β-ナルトレキソールよりも大きい治療域を提供することができることを示唆している。
Figure 2011500686
ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制に対する、よく知られ、特性評価されたアンタゴニストであるナルトレキソンの効果
ナルトレキソンを用いる実験は、本出願により教示される化合物と、公知の特性評価されたアンタゴニストとの有意差を例示する。
実施例6
テイルフリックアッセイ
テイルフリックアッセイを用いて、実施例1の下で上記されたように痛覚抑制を測定した。
ナルトレキソンのピーク作用時間を決定するための痛覚抑制試験
ナルトレキソンの作用期間を、痛覚抑制A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、以前に決定された静脈内用量;データは示さない)の注射前の様々な時点でナルトレキソンでマウスを予備処理することにより測定した。マウスを、テイルフリックアッセイにおいて、ヒドロコドンのピーク作用時間の10分後に試験した。静脈内(図12A)については0.10 mg/kgおよび経口(図12B)については0.56 mg/kgのナルトレキソン用量を用いた。
これらの時間範囲実験は、ナルトレキソンがヒドロコドンの中枢により媒介される痛覚抑制作用を逆転させることができ(図13Aおよび13B)、静脈内投与については30分、経口投与については45分でのピーク作用時間であった。
アンタゴニスト効力を決定するための痛覚抑制試験
経口および静脈内効力の両方を、A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、静脈内)の前の好適な時間にビヒクルまたは様々な用量のナルトレキソンを投与することにより決定した。それぞれの静脈内(図13A)および経口(図13B)予備処理時間は、30分および45分であった。マウスを、55℃でのテイルフリックアッセイにおいて、ヒドロコドン注射の10分後(ヒドロコドンのピーク作用時間)に試験した。少なくとも3回の用量を試験して、用量応答曲線を作製した。次いで、痛覚抑制率(%)を、それぞれの用量について算出し、ヒドロコドン対照と比較した。
これらの用量応答曲線を用いて、比較目的でこれらの実験においてナルトレキソンに関するID50値を決定した。ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制の阻害または逆転の割合(%)を、(試験-ヒドロコドン対照)/(塩水対照-ヒドロコドン対照)*100として算出した。このデータから、ID50値(および95%信頼区間)を、線形回帰(FlashCalcソフトウェア; Dr. Michael Ossipov, University of Arizona, Tucson, AZ)を用いてそれぞれの経路について算出した。ヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制のナルトレキソン阻害に関するID50値は、静脈内投与については0.0411(0.0319〜0.0529)、経口投与については0.534(0.471〜0.605)であると決定された。これらの値は、ナルトレキソンの経口生体利用能に関する公開された値および投与経路に応じて、6β-ナルトレキソールがモルヒネにより誘導される痛覚抑制の逆転について、ナルトレキソンよりも約5〜10倍効力が低いという公開された観察(Wang D., Raehal K.M., Lin E.T., Lowery J.J., Kieffer B.L., Bilsky E.J., Sadee W. (2004 Feb Epub 2003 Nov 4) 「Basal signaling activity of mu opioid receptor in mouse brain: role in narcotic dependence」、J Pharmacol Exp Ther.; 308(2):512-20; Raehal K.M., Lowery J.J., Bhamidipati C.M., Paolino R.M., Blair J.R., Wang D., Sadee W., Bilsky E.J. (2005 Jun;. Epub 2005 Feb 16))と一致する。
経口同時投与に関する痛覚抑制試験
テイルフリックアッセイを用いて、ヒドロコドンと組合わせたナルトレキソンに関する全用量応答および時間応答の概要を構築した。ビヒクルまたは様々な用量のアンタゴニストを、以前に決定された(データは示さない)ヒドロコドン(32 mg/kg、経口)のA90用量と共に経口的に同時投与した。テイルフリック待ち時間を、注射後t=10、20、30、45、60、90、120および180分(20%MPEが達成されるまで)で決定し、痛覚抑制率(%)をそれぞれのマウスについて算出した(図15)。
図14に示される痛覚抑制実験により、ヒドロコドンと共に同時投与されたナルトレキソンについて、0.914 mg/kg(95%CI=3.27〜5.04)のID50値が得られた。
図12〜14に示される実験は、ナルトレキソンが投与経路に関係なくヒドロコドンにより誘導される痛覚抑制を遮断し、ナルトレキソンならびにアルコール中毒およびオピオイド依存症の治療のためのその臨床使用に関する多くの公開された報告と一致することを示している。
ヒドロコドンにより誘導される胃腸管遅延に対するナルトレキソンの効果
実施例7
GI通過アッセイ
オピオイドにより誘導されるGI通過阻害を、実施例2の下で上記されたように標準的なプロトコルを用いて測定した。
ナルトレキソン効力を決定するためのGI通過試験
ヒドロコドンにより誘導されるGI阻害を遮断するナルトレキソンの能力を評価した。静脈内(図15A)および経口(図15B)の両方の効力を、痛覚抑制A90用量のヒドロコドン(3.2 mg/kg、静脈内)の前にビヒクルまたは様々な用量のナルトレキソンを投与することにより決定した。予備処理時間は、痛覚抑制試験に関するピーク作用時間と一致していた。活性炭を含む食餌を、ヒドロコドンの注射の10分後に与えた。ビヒクル(塩水)対照も静脈内で評価した。GI通過の割合(%)を、それぞれのマウスについて算出し、用量応答曲線を構築した。少なくとも3回の用量をそれぞれの経路について使用し、その結果を塩水およびヒドロコドン対照と比較した。
ID50値をナルトレキソンについて算出して、ヒドロコドンの作用を阻害する効力を決定した。ナルトレキソンおよびヒドロコドンを、ピーク作用時間(テイルフリックアッセイで決定される)が活性炭投与の間に生じるような好適な時間に投与した。静脈内(図15a)および経口(図15b)により与えられた場合、ナルトレキソンはヒドロコドン(A90用量、静脈内)によるGI通過の阻害を用量依存的に逆転させ、それぞれ、静脈内投与については0.0456(95%CI=0.0275〜0.0757)、経口投与については0.194(95%CI=0.136〜0.277)のID50値が得られた。
経口同時投与に関するGI通過試験
ビヒクル(塩水)または様々な用量のナルトレキソンを、活性炭投与の15分前に、痛覚抑制A90用量のヒドロコドン(32 mg/kg、経口)と共に経口的に同時投与した。アンタゴニストのピーク作用時間が活性炭を含む食餌のGI通過の間に起こるように、この時間を選択した。ビヒクル(塩水)対照も経口的に評価して、オピオイドにナイーブなマウスに対して観察される作用を比較した。GI通過率(%)をそれぞれのマウスについて算出し、用量応答曲線を構築した。少なくとも3回の用量をそれぞれのアンタゴニストのために使用し、その結果を塩水およびヒドロコドン対照と比較した。
ヒドロコドン(A90用量、経口)と共に経口的に同時投与されたナルトレキソンは再度、1.40 mg/kg(95%CI=1.07〜1.84)のID50で、用量依存的にGI阻害を逆転させた(図16)。
統計学的分析
図13〜16に示される用量応答曲線を用いて、ナルトレキソンの中枢(痛覚抑制)と末梢(GI通過)効力を評価および比較した。いずれかのアッセイにおけるヒドロコドン作用の阻害または逆転の割合(%)を、ナルトレキソン群においてそれぞれのマウスについて決定した。逆転率(%)を、(試験-ヒドロコドン対照)/(塩水対照-ヒドロコドン対照)*100として算出した。このデータから、ID50値(および95%信頼区間)を、線形回帰(FlashCalcソフトウェア;Dr. Michael Ossipov, University of Arizona, Tucson, AZ)を用いて、それぞれの経路/アンタゴニスト/アッセイについて算出した。
GI通過を遅延させ、痛覚抑制を逆転させるナルトレキソンの効力
中枢作用、痛覚抑制、または末梢作用、GI通過遅延を逆転させるナルトレキソンの算出された効力(ID50)の比較により、ナルトレキソンが末梢的および中枢的にほぼ同等であることが示された。図17A-Bは、上記の用量応答曲線から誘導されるデータを示す効力差異を示す。
ナルトレキソンは、全ての注射パラメーターについて、2つのアッセイ間で小さいか、または無視できる効力のシフトを有することがわかった。ナルトレキソンの静脈内(図17A、表4)投与は、痛覚抑制作用よりも静脈内ヒドロコドンのGI作用の逆転においてほぼ同等であったが、経口投与されたナルトレキソンは痛覚抑制作用と比較して、GI作用の逆転についてわずかに3倍の効力の差異を示した(図17B、表4)。さらに、ヒドロコドンとの経口同時投与は、0.6倍の効力シフトをもたらし、末梢効力よりも中枢効力が高いことを実際に示している(図17C、表4)。これらのデータは、ナルトレキソンが、オピオイドにより誘導される末梢作用および中枢作用の阻害についてほぼ同等の効力を有し、アルコール中毒およびオピオイド依存の治療としてのその医学的使用と一致することを示唆している。
Figure 2011500686
これらのデータは、公知の臨床的に用いられるアンタゴニストと、本出願で教示される中性アンタゴニストとの活性の差異を示す。
さらに、ナルトレキソンの投与の場合、下痢の強い誘導が存在したが、ナルトレキソールとナルトレキサミドの場合、存在しなかった。

Claims (24)

  1. 哺乳動物被験体において鎮痛を提供するのに十分な量のオピオイドアゴニスト;ならびに該被験体におけるオピオイドアゴニストの末梢作用を阻害するには十分であり、実質的な中枢作用を遮断するには不十分な量の中性オピオイドアンタゴニストを含む、鎮痛組成物の単位用量。
  2. オピオイドアゴニストが、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファプロジン、アニレリジン、ベンジルモルフィン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、デゾモルフィン、デキストロモラミド、デゾシン、ジアムプロミド、ジアモルフォン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアンブテン、酪酸ジオキサフェチル、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアンブテン、エチルモルフィン、エトニタゼン、フェンタニル、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、レボフェナシルモルファン、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、ミロフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノロキシコドン、ナロルフィン、ナルブフェン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェノモルファン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロフェプタジン、プロメドール、プロペリジン、プロポキシフェン、スフェンタニル、チリジンおよびトラマドールからなる群より選択される、請求項1に記載の鎮痛組成物の単位用量。
  3. 被験体がヒトである、請求項2に記載の鎮痛組成物の単位用量。
  4. 前記組成物が、経口、胃内、舌下、坐剤、または静脈内投与にとって好適である、請求項3に記載の鎮痛組成物の単位用量。
  5. 前記組成物が、複数回の連続投与にとって好適であり、中性オピオイドアンタゴニストが、6β-ナルトレキソール、その製薬上許容し得る同形体、およびその製薬上許容し得る塩からなる群より選択され、それぞれの連続投与のための単位用量を、被験体の体重1 kgあたり、約0.0008〜0.24 mgの持続的および/または累積的用量を送達するように計算する、請求項4に記載の鎮痛組成物の単位用量。
  6. 前記組成物が、複数回の連続投与にとって好適であり、中性オピオイドアンタゴニストが、6β-ナルトレキサミド、その製薬上許容し得る同形体、およびその製薬上許容し得る塩からなる群より選択され、それぞれの連続投与のための単位用量を、被験体の体重1 kgあたり、約0.002〜0.8 mgの持続的および/または累積的用量を送達するように計算する、請求項4に記載の鎮痛組成物の単位用量。
  7. オピオイドアゴニストがヒドロコドンである、請求項5または6に記載の鎮痛組成物の単位用量。
  8. 中性オピオイドアンタゴニストが、オピオイドアゴニストの血中半減期よりも実質的に長い血中半減期を有し、用量の反復投与または処方された用量を超える投与が、該アゴニストのものよりも該アンタゴニストの血中濃度のより大きい増加を引き起こして、該投与の結果生じる、該アゴニストの娯楽性を抑止し、乱用を阻止し、および/または嗜癖傾向を低下させる、請求項4に記載の単位用量。
  9. 被験体におけるオピオイドアゴニストの実質的な中枢作用を依然として許容しながら、オピオイドアゴニストの末梢作用を阻害する方法であって、オピオイドアゴニストと、請求項4に従って製剤化された中性オピオイドアンタゴニストの単位用量の有効量とを、それを必要とする被験体に同時投与することを含む、前記方法。
  10. オピオイドアゴニストがヒドロコドンである、請求項9に記載の方法。
  11. オピオイドアゴニストを投与される被験体において嗜癖傾向を低下させる方法であって、オピオイドアゴニストと、請求項8に従って製剤化された中性オピオイドアンタゴニストの単位用量の有効量とを、それを必要とする被験体に同時投与することを含む、前記方法。
  12. オピオイドアゴニストと単位用量を、経口的、胃内的、舌下的、坐剤により、または静脈内的に投与する、請求項9または11に記載の方法。
  13. オピオイドアゴニストがヒドロコドンである、請求項11に記載の方法。
  14. オピオイドアゴニストの娯楽性を抑止する医薬製剤であって、
    摂取もしくは投与の際に幸福状態を誘導するのに十分であるか、または疼痛を緩和するのに十分な量のオピオイドアゴニストであって、血中半減期を有する前記オピオイドアゴニスト;および
    連続投与に際して、被験体の体重1 kgあたりのmgで測定されるように、オピオイドアゴニストに対する中性オピオイドアンタゴニストの血中濃度比が、定常状態に到達するまでそれぞれの連続投与と共に増加し、治療的に推奨される限界を超える製剤の反復投与が、治療上推奨される限界を超える連続投与の際に被験体における幸福感の低下および疼痛緩和の低下をもたらし、娯楽性を抑止するような、オピオイドアゴニストのものに対して固定された比率を有する有効量の中性オピオイドアンタゴニストであって、該オピオイドアゴニストの血中半減期よりも実質的に長い血中半減期を有する前記中性アンタゴニスト、
    を含む、前記製剤。
  15. それを必要とする被験体におけるオピオイドアゴニストの実質的な中枢作用を依然として許容しながら、オピオイドアゴニストの末梢作用を阻害する方法であって、オピオイドアゴニストと、被験体における末梢作用を阻害するのに十分であり、実質的な中枢作用を遮断するのに不十分である有効量の中性オピオイドアンタゴニストの単位用量とを、それを必要とする被験体に同時投与することを含む、前記方法。
  16. オピオイドアゴニストを投与される被験体における依存性を抑止する方法であって、オピオイドアゴニストと、推奨される治療限界を超える連続投与の際に幸福感を低下させ、疼痛緩和を低下させるのに十分な有効量の中性オピオイドアンタゴニストの単位用量とを、被験体に同時投与することにより、娯楽性を抑止することを含む、前記方法。
  17. オピオイドアゴニストがヒドロコドンである、請求項15または16に記載の方法。
  18. オピオイドアンタゴニストが、式IαまたはIβ:
    Figure 2011500686
    [式中、
    R1はC3-C6(シクロアルキル)(アルキル)もしくはC5-C7(シクロアルケニル)アルキルであり;
    R2はH、OHもしくはそのエステルであり;
    R3はH、アルキル、もしくはC1-C6アルキル-C=Oであり;
    R4およびR5は独立にH、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C4アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、カルボキシルもしくは環上で1個以上の水素について置換されていてもよいアシルであり;
    X1およびX2は同じか、もしくは異なり、H、アルキル、-OR6、-NR7R8R9、-NCOR10、-NO2、もしくは-SR11であり、
    式中、
    R6およびR11は独立にH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アシル、アロイル、ポリエチレングリシル(PEGyl)、もしくはポリエーテル基であり;
    R7、R8およびR10は独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、もしくは置換アリールであり;
    R9およびR2は存在しても、もしくは存在しなくてもよく、独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、もしくは置換アリールである]
    により表されるナルトレキソン類似体またはその製薬上許容し得る塩である、請求項17に記載の方法。
  19. オピオイドアンタゴニストが、式IαまたはIβ:
    Figure 2011500686
    [式中、
    R1はC3-C6アルケニルであり;
    R2はH、OHもしくはそのエステルであり;
    R3はH、アルキル、もしくはC1-C6アルキル-C=Oであり;
    R4およびR5は独立にH、ハロゲン、C1-C6アルキル、C1-C4アルコキシ、ニトロ、アミノ、シアノ、カルボキシルもしくは環上で1個以上の水素について置換されていてもよいアシルであり;
    X1およびX2は同じか、もしくは異なり、H、アルキル、-OR6、-NR7R8R9、-NCOR10、-NO2、もしくは-SR11であり、
    式中、
    R6およびR11は独立にH、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、置換アリール、アシル、アロイル、ポリエチレングリシル(PEGyl)、もしくはポリエーテル基であり;
    R7、R8およびR10は独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、もしくは置換アリールであり;
    R9およびR2は存在しても、もしくは存在しなくてもよく、独立に水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、もしくは置換アリールである]
    により表されるナロキソン類似体またはその製薬上許容し得る塩である、請求項17に記載の方法。
  20. オピオイドアンタゴニストが、6β-ナルトレキソール、6β-ナルトレキサミド、6β-ナロキソール、6α-ナルトレキソール、6α-ナロキソール、6α-ナルトレキサミン、6β-ナルトレキサミン、6-デオキシナルトレキソン、および6α-ナルトレキサミド、その製薬上許容し得る物理的同形体、およびその製薬上許容し得る塩からなる群より選択される、請求項18または19に記載の方法。
  21. オピオイドアゴニストおよび単位用量を、経口、胃内、舌下、坐剤、静脈内およびその組合せからなる群より選択される様式で投与し、投与がアゴニストとアンタゴニストを含む単回同時製剤のものであるか、または別々のアゴニストおよびアンタゴニスト製剤の同時的もしくは連続的投与であってよいように同時投与が重複する、請求項20に記載の方法。
  22. 中性オピオイドアンタゴニストおよび/もしくはアゴニストが、遅延放出製剤、遅延放出同時製剤中での製剤化にとって好適であるか、または遅延放出製剤もしくは同時製剤中に、別々に、もしくは一緒に製剤化される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の単位用量。
  23. 中性オピオイドアンタゴニストおよび/もしくはアゴニストが、遅延放出製剤、遅延放出同時製剤中での製剤化にとって好適であるか、または遅延放出製剤もしくは同時製剤中に、別々に、もしくは一緒に製剤化される、請求項14に記載の医薬組成物。
  24. 中性オピオイドアンタゴニストおよび/もしくはアゴニストが、遅延放出製剤、遅延放出同時製剤中での製剤化にとって好適であるか、または遅延放出製剤もしくは同時製剤中に、別々に、もしくは一緒に製剤化される、請求項9〜13および15〜21のいずれか1項に記載の方法。
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