JP2011251209A - 溶媒抽出方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶媒抽出装置の半透膜の目詰まり等を抑制する。
【解決手段】第1処理モードでは、被処理溶液を被吸収室32に導入し、かつ溶解度が温度に依存する仲介溶液を第1反応室11、吸収室31、第2反応室21、被抽出室41の順に循環させ、第1反応室11内の仲介溶液を加熱手段6にて加熱し、第2反応室21内の仲介溶液を冷却する。第2処理モードでは、被処理溶液を被吸収室32に導入し、かつ仲介溶液を第2反応室21、吸収室31、第1反応室11、被抽出室41の順に循環させ、第2反応室21内の仲介溶液を加熱し、第1反応室11内の仲介溶液を冷却する。第1処理モードと第2処理モードを交互に実行する。
【選択図】図1

Description

この発明は、海水や汚水等の被処理溶液から淡水等の溶媒を抽出する方法及び装置に関する。
例えば、特許文献1には、反応容器内に半透膜及び蒸留膜を設け、海水とブラインとを半透膜を介して接触させ、かつ上記ブラインと淡水とを蒸留膜を介して接触させている。海水の水分が半透膜を透過してブラインに混ざる。ブラインの水分が蒸留膜を透過して淡水に混ざる。ブラインは、バッファタンクと反応容器との間を循環する。バッファタンクから出たブラインをヒーターによって加熱したうえで反応容器に導入することで、海水からブラインへの水分透過を促進している。反応容器内では、蒸留によってブラインの温度が低下する。
国際公開WO207/147013号公報
上掲特許文献1の装置において、ブラインの温度が低下すると、ブラインの溶質が析出する可能性がある。この析出体によって半透膜や蒸留膜が目詰まりしたり、ブラインの循環管路が詰まったりするおそれがある。
上記事情に鑑み、本発明に係る方法は、被処理溶液から溶媒を抽出する溶媒抽出方法であって、
第1処理モードと第2処理モードを交互に実行し、
前記第1処理モードでは、吸収室と第1半透膜にて仕切られた被吸収室に前記被処理溶液を導入し、かつ溶解度が温度に依存する仲介溶液を第1反応室、前記吸収室、第2反応室、被抽出室の順に循環させ、かつ前記第1反応室において前記仲介溶液を加熱し、前記第2反応室において前記仲介溶液を冷却し、前記被抽出室の少なくとも一部を画成する第2半透膜から前記溶媒を抽出し、
前記第2処理モードでは、前記被処理溶液を前記被吸収室に導入し、かつ前記仲介溶液を前記第2反応室、前記吸収室、前記第1反応室、前記被抽出室の順に循環させ、かつ前記第2反応室において前記仲介溶液を加熱し、前記第1反応室において前記仲介溶液を冷却し、前記第2半透膜から前記溶媒を抽出することを特徴とする。
本発明に係る装置は、被処理溶液から溶媒を抽出する装置であって、
前記被処理溶液を容れる被吸収室と、
環状に順次連なる第1反応室、吸収室、第2反応室、被抽出室と、
前記被吸収室と前記吸収室とを仕切る第1半透膜と、
前記被抽出室の少なくとも一部を画成する第2半透膜と、
溶解度が温度に依存する仲介溶液を、前記第1反応室、前記吸収室、前記第2反応室、前記被抽出室の順に循環させる第1処理モードと、前記仲介溶液を、前記第2反応室、前記吸収室、前記第1反応室、前記被抽出室の順に循環させる第2処理モードとを交互に実行する溶液流通手段と、
前記第1処理モードのときは前記第1反応室内の仲介溶液を加熱し、前記第2処理モードのときは前記第2反応室内の仲介溶液を加熱する加熱手段と、
前記第1処理モードのときは前記第2反応室内の仲介溶液を冷却し、前記第2処理モードのときは前記第1反応室内の仲介溶液を冷却する冷却手段と、
を備えたことを特徴とする。
第1処理モードでは、第1反応室内で仲介溶液の溶質(以下、「仲介溶質」と称す)を溶解させることができ、かつ第2反応室内で仲介溶質を析出させることができる。上記溶解によって仲介溶液の浸透圧が高まる。この高浸透圧の仲介溶液を第1反応室から吸収室に送ることで、被吸収室の被処理溶液の溶媒を第1半透膜を介して十分に吸収できる。溶媒吸収後の仲介溶液を第2反応室に送る。第2反応室では、上記析出によって仲介溶液の浸透圧が下がる。この低浸透圧の仲介溶液を被抽出室に送ることで、溶媒を第2半透膜を介して確実に抽出できる。
第2処理モードでは、第2反応室内で仲介溶質を溶解させることができ、かつ第1反応室内で仲介溶質を析出させることができる。上記溶解によって高浸透圧になった仲介溶液を第2反応室から吸収室に送ることで、被吸収室の被処理溶液の溶媒を第1半透膜を介して十分に吸収できる。溶媒吸収後の仲介溶液を第1反応室に送る。第1反応室では、上記析出によって仲介溶液の浸透圧が下がる。この低浸透圧の仲介溶液を被抽出室に送ることで、溶媒を第2半透膜を介して確実に抽出できる。
第1処理モードと第2処理モードを交互に反復することによって、溶媒を継続的に生産できる。仲介溶質の析出を第1又は第2反応室内で起こさせることで、仲介溶液の循環路の詰まりを抑制できる。析出場所を第1、第2の半透膜から離すことで、これら半透膜の目詰まりを抑制できる。更に、第1処理モードによって第2反応室内の仲介溶質の析出体の量がある程度増えたときは、第2処理モードに切り替えて、第2反応室内の上記析出体を溶解させることができる。第2処理モードによって第1反応室内の仲介溶質の析出体の量がある程度増えたときは、第1処理モードに切り替えて、第1反応室内の上記析出体を溶解させることができる。したがって、何れかの反応室内の析出体の量が増え過ぎるのを回避でき、析出体が反応室から漏れたり溢れたりするのを抑制できる。ひいては、仲介溶液の循環路の詰まり及び半透膜の目詰まりを確実に抑制できる。
前記溶媒抽出装置において、前記第1、第2反応室の一方又は両方に、前記析出体を定着させる定着体を設けることが好ましい。前記定着体が、網状であることがより好ましい。
これにより、仲介溶質の結晶の核を定着体に付着させることができる。定着体を網状にすることで、核を付着させ易くできる。この核を基にして結晶を成長させることができる。これにより、析出を促進することができる。加えて、析出体を定着体に定着させて反応室内に蓄えることができる。よって、仲介溶液の循環路の詰まり及び半透膜の目詰まりを一層確実に抑制できる。
前記溶媒抽出方法において、前記第1処理モードでは前記第2反応室に設けた定着体に前記仲介溶液の溶質の析出体を定着させ、前記第2処理モードでは前記第1反応室に設けた定着体に前記仲介溶液の溶質の析出体を定着させることが好ましい。
前記溶媒抽出装置が、第1隔壁を介して前記第1反応室と熱交換可能に仕切られ、かつ前記被吸収室の一端部に連なる第1熱交換室と、第2隔壁を介して前記第2反応室と熱交換可能に仕切られ、かつ前記被吸収室の他端部に連なる第2熱交換室と、を更に備えることが好ましい。前記第1処理モードでは、前記被処理溶液が、前記第2熱交換室、前記被吸収室、前記第1熱交換室の順に流通され、前記第2熱交換室が前記冷却手段として提供され、かつ前記加熱手段が、前記被吸収室及び前記第1熱交換室を順次介して前記第1反応室に熱的に接続され、前記第2処理モードでは、前記被処理溶液が、前記第1熱交換室、前記被吸収室、前記第2熱交換室の順に流通され、前記第1熱交換室が前記冷却手段として提供され、かつ前記加熱手段が、前記被吸収室及び前記第2熱交換室を順次介して前記第2反応室に熱的に接続されることが好ましい。
前記溶媒抽出方法において、前記第1処理モードでは、前記被処理溶液を、前記第2反応室の前記仲介溶液と熱交換させて前記仲介溶液の冷却に供し、更に加熱手段にて加熱したうえで前記被吸収室に導入し、次に前記第1反応室の前記仲介溶液と熱交換させて前記仲介溶液の加熱に供し、前記第2処理モードでは、前記被処理溶液を、前記第1反応室の前記仲介溶液と熱交換させて前記仲介溶液の冷却に供し、更に前記加熱手段にて加熱したうえで前記被吸収室に導入し、次に前記第2反応室の前記仲介溶液と熱交換させて前記仲介溶液の加熱に供することが好ましい。
第1処理モードでは、被処理溶液を先ず第2熱交換室に導入する。この被処理溶液と第2反応室の仲介溶液とが第2隔壁を介して熱交換し、仲介溶液の熱が被処理溶液に移され、上記析出反応が起きる。被処理溶液によって第2反応室の仲介溶液を冷却できるから、専用の冷却手段を省略できる。その後、被処理溶液を加熱手段にて更に加温したうえで被吸収室を経て第1熱交換室に導入する。これにより、被処理溶液に移った上記熱を加熱手段の熱と共に第1隔壁を介して第1反応室の仲介溶液に与えることができ、上記溶解反応を起こさせることができる。したがって、熱効率を向上でき、加熱手段の負荷を軽減できる。加えて、被処理溶液を予め加温したうえで被吸収室に導入するため、吸収室の仲介溶液から熱が奪われるのを回避又は抑制できる。したがって、吸収室において仲介溶質が析出するのを防止又は抑制できる。よって、第1半透膜の目詰まりを一層確実に防止又は抑制できる。
第2処理モードでは、被処理溶液を先ず第1熱交換室に導入する。この被処理溶液と第1反応室の仲介溶液とが第1隔壁を介して熱交換し、仲介溶液の熱が被処理溶液に移され、上記析出反応が起きる。被処理溶液によって第1反応室の仲介溶液を冷却できるから、専用の冷却手段を省略できる。その後、被処理溶液を加熱手段にて更に加温したうえで被吸収室を経て第2熱交換室に導入する。これにより、被処理溶液に移った上記熱を加熱手段の熱と共に第2隔壁を介して第2反応室の仲介溶液に与えることができ、上記溶解反応を起こさせることができる。したがって、熱効率を向上でき、加熱手段の負荷を軽減できる。加えて、被処理溶液を予め加温したうえで被吸収室に導入するため、吸収室の仲介溶液から熱が奪われるのを回避又は抑制できる。したがって、吸収室において仲介溶質が析出するのを防止又は抑制できる。よって、第2半透膜の目詰まりを一層確実に防止又は抑制できる。
前記第1、第2反応室の出入り口には、液体の通過を許容し、固体の通過を阻止するフィルターを設けてもよい。これによって、仲介溶質の析出体が反応室から流出するのを阻止できる。析出体が定着体から剥離したとしても、反応室からの流出を確実に阻止できる。したがって、析出体が被抽出室又は吸収室へ流入するのを確実に防止できる。前記フィルターに付着した仲介溶質は、モード切り替えによって溶解する。したがって、フィルターが詰まるのを回避でき、仲介溶液の流通を確保できる。よって、フィルターの取り替え等のメンテナンスを省略ないしは簡略化できる。
前記第1、第2反応室を画成する部材は、樹脂などの熱容量が極力小さい材質で構成することが望ましい。これによって、モード切替時に反応室自体を加熱又は冷却するのに必要なエネルギーを小さくできる。
前記第1、第2の各処理モードにおいて、前記被抽出室内での前記仲介溶液の濃度が飽和濃度以下になるよう、前記仲介溶液を前記被抽出室への導入前又は前記被抽出室内において加熱してもよい。
或いは、前記第1、第2の各処理モードにおいて、前記被抽出室内での前記仲介溶液を過飽和状態にしてもよい。仲介溶液を静かに流すことによって過飽和状態にすることができる。仲介溶液が被抽出室から出た後、過飽和状態を解除するとよい。
これによって、被抽出室内で仲介溶液から水分を抽出する際、抽出に伴なう濃度上昇に拘わらず、仲介溶質が析出するのを防止できる。したがって、第2半透膜の目詰まりを一層確実に防止できる。
前記被処理溶液としては、海水、泥水、汚水等が挙げられる。溶媒抽出装置は、海水の淡水化装置、泥水や汚水の浄化装置等として用いることができる。前記被処理溶液の溶媒は、水であることが好ましい。
前記仲介溶液は、溶解度ひいては浸透圧の温度依存性が被処理溶液よりも大きい。前記仲介溶液の溶媒は、好ましくは前記被処理溶液の溶媒と同じ成分であり、好ましくは水である。前記仲介溶液は、水溶液であることが好ましい。
前記仲介溶質が、ミョウバンであることが好ましい。ここで、ミョウバンは、アルミニウムと金属(アンモニウム含む)の硫酸塩(AlM(SO;Mは1価の+イオンを作る原子又は分子)であり、例えばMは、カリウム又はナトリウムである。前記仲介溶質は、より好ましくはカリウムミョウバン(AlK(SO)またはナトリウムミョウバン(AlNa(SO)である。
ミョウバンは、対水溶解度ひいては浸透圧の温度依存性が海水よりも十分に大きい。図7は、カリウムミョウバン飽和水溶液の浸透圧の温度依存性を示したものである。図中、実線が発明者の実測値であり、破線はカリウムミョウバンが100%電離したと仮定したときの計算値である。二点鎖線は、カリウムミョウバンの電離率であり、すなわち計算値を実測値で除した値の百分率である。同図の実線に示すように、実測の浸透圧は、30℃近辺で10bar程度であり、60℃近辺で70bar程度である。したがって、常温付近で十分に溶媒抽出できる。よって、冷却手段は、仲介溶液を常温以下又は湿球温度程度まで冷却できれば十分であり、常温以下又は湿球温度以下まで冷却する能力を要求されない。加熱手段は、高い加熱能力を要求されない。したがって、冷却手段又は加熱手段として、ヒートポンプ等の大きな投入エネルギーを必要とする装置を用いなくても済む。例えば、冷却手段として被処理溶液を冷却源とする熱交換器を用いることができる。或いは、冷却手段として、湿球温度程度まで冷却可能なクーリングタワーを用いることもできる。また、加熱手段の熱源として、太陽熱集熱器や工場廃熱等を用いることができる。更に、ミョウバン溶液は2価イオンのSO 2−及び3価イオンのAl3+を含む。多価のイオンは1価のイオンより静電ポテンシャルが大きいことから、多くの水分子を引き連れたクラスターを形成しやすく、半透膜を透過しにくい。したがって、仲介溶液の循環閉回路内にミョウバンすなわち仲介溶質を閉じ込め易い。よって、半透膜として疎水膜ではなく親水膜を用いたとしても仲介溶質が系外へ漏れるのを十分に防止できる。ナノフィルトレーション膜(NF膜)等の親水膜は、蒸留膜等の疎水膜より耐圧性が高いから、仲介溶液の循環閉回路を高圧にできる。例えば、循環閉回路の内圧を仲介溶液の常温又は湿球温度での浸透圧より確実に高圧にすることができる。したがって、溶媒を確実に抽出できる。蒸留膜等の疎水膜ではなく親水膜を用いることによって、溶媒が相変化を伴なうことなく液相のままで膜を透過でき、熱効率を高くすることができる。
更に、ミョウバンは無害な物質であり、飲用の淡水化装置に適している。
本発明によれば、仲介溶液の循環路の詰まりや半透膜の目詰まりを抑制又は防止できる。
本発明の第1実施形態に係る淡水製造装置の回路構成図である。 本発明の第2実施形態に係る淡水製造装置の回路構成図である。 本発明の第3実施形態に係る淡水製造装置の回路構成図である。 本発明の第4実施形態に係る淡水製造装置の回路構成図である。 本発明の第5実施形態に係る淡水製造装置の回路構成図である。 本発明の第6実施形態に係る淡水製造装置の回路構成図である。 カリウムミョウバン飽和水溶液の浸透圧の温度依存性の実測値(実線)及び理想計算値(破線)並びに実測値の電離率(二点鎖線)を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る溶媒抽出装置1を示したものである。溶媒抽出装置1は、被処理溶液からその溶媒を抽出する装置である。例えば、被処理溶液は、海水である。抽出する溶媒は、水である。溶媒抽出装置1は、海水から水分を抽出する。抽出操作に仲介溶液を介在させる。海水の水分が仲介溶液を経て抽出される。仲介溶液は、溶解度が温度に依存する仲介溶質を含む。ここでは、仲介溶質としてミョウバンが用いられている。具体的には、仲介溶質として、カリウムミョウバン(AlK(SO)またはナトリウムミョウバン(AlNa(SO)が用いられている。仲介溶液として、カリウムミョウバン水溶液又はナトリウムミョウバン水溶液が用いられている。
溶媒抽出装置1は、第1反応部10と、第2反応部20と、吸収部30と、抽出部40を備えている。第1反応部10は、第1反応室11と、第1熱交換室12を有している。これら室11,12が第1隔壁13にて仕切られている。第1反応室11を画成する部材は、仲介溶液に対して耐蝕性を有し、好ましくは熱容量が小さい樹脂等の材質にて構成されている。第1隔壁13は、被処理溶液及び仲介溶液に対して耐蝕性を有し、かつ伝熱性の良好な樹脂等の材料にて構成されている。第1反応部10は、第1隔壁13を介して2つの室11,12間で熱交換する対向流型の熱交換器にて構成されている。第1反応部10は、長手方向(流通方向)を上下又は垂直に向けて配置されていてもよく、水平に向けて配置されていてもよい。
第1反応室11の内部に第1定着体15が収容されている。定着体15は、網にて構成されている。網15の材質は、仲介溶液に対する耐腐蝕性を有し、好ましくは熱容量が小さいものであれば、樹脂でもよく、金属でもよく、木綿のような天然物質でもよい。
第2反応部20は、第2反応室21と、第2熱交換室22を有している。これら室21,22が第2隔壁23にて仕切られている。第2反応室21を画成する部材は、仲介溶液に対して耐蝕性を有し、好ましくは熱容量が小さい樹脂等の材質にて構成されている。第2隔壁23は、被処理溶液及び仲介溶液に対して耐蝕性を有し、かつ伝熱性の良好な樹脂等の材料にて構成されている。第2反応部20は、第2隔壁23を介して2つの室21,22間で熱交換する対向流型の熱交換器にて構成されている。第2反応部20は、長手方向(流通方向)を上下又は垂直に向けて配置されていてもよく、水平に向けて配置されていてもよい。
第2反応室21の内部に第2定着体25が収容されている。定着体25は、網にて構成されている。網25の材質は、仲介溶液に対する耐腐蝕性を有し、好ましくは熱容量が小さいものであれば、樹脂でもよく、金属でもよく、木綿のような天然物質でもよい。
吸収部30は、吸収室31と、被吸収室32を有している。これら室31,32が第1半透膜33にて仕切られている。第1半透膜33は、例えばナノフィルトレーション膜(NF膜)やRO膜等の多孔質親水膜にて構成され、好ましくはフォワードオスモシス用の膜にて構成されている。第1半透膜33は、平面状でもよく、中空糸状でもよい。中空糸の内部が吸収室31と被吸収室32のうち何れか一方になり、中空糸の外部が吸収室31と被吸収室32のうち他方になっていてもよい。第1半透膜33が、平面膜を螺旋状に捻じった形状になっていてもよい。
抽出部40は、被抽出室41と、抽出室42を有している。これら室41,42が第2半透膜43にて仕切られている。第2半透膜43は、逆浸透膜にて構成されている。第2半透膜43は、平面状でもよく、中空糸状でもよい。中空糸の内部が被抽出室41と抽出室42のうち何れか一方になり、中空糸の外部が被抽出室41と抽出室42のうち他方になっていてもよい。第2半透膜43が、平面膜を螺旋状に捻じった形状になっていてもよい。
溶媒抽出装置1には、2つの流体の流通路2,3が設けられている。被処理溶液流通路2には、海水(被処理溶液)が通される。仲介溶液循環路3には、ミョウバン水溶液(仲介溶液)が通される。
被処理溶液流通路2の上流端に海水供給源が連なっている。海水供給源は、海自体でもよく、海水を溜めたタンクでもよい。
被処理溶液流通路2は、第1熱交換室12と、被吸収室32と、第2熱交換室22をこの順に接続している。被処理溶液流通路2の室12,22より端側の路部分に流通方向制御手段50が設けられている。流通方向制御手段50は、第1位置51と第2位置52を有する4ポートの方向制御弁にて構成されている。第1位置51のとき、方向制御弁50の海水供給側のポートが第2熱交換室22との接続ポートに連なり、かつ第1熱交換室12との接続ポートが海水排出側のポートに連なる。第2位置52のとき、方向制御弁50の海水供給側のポートが第1熱交換室12との接続ポートに連なり、かつ第2熱交換室22との接続ポートが海水排出側のポートに連なる。
方向制御弁50より上流側の被処理溶液流通路2に送液ポンプ2P(被処理溶液循環手段)が設けられている。送液ポンプ2Pは、方向制御弁50より下流側の被処理溶液流通路2に設けてもよい。送液ポンプ2Pを可逆ポンプにて構成し、方向制御弁50を省略してもよい。
仲介溶液循環路3は、第1反応室11と、吸収室31と、第2反応室21と、被抽出室41をこの順で環状に接続している。仲介溶液循環路3は、閉回路を構成している。仲介溶液循環路3は、大気圧より高圧になっている。仲介溶液循環路3の内圧は、定常状態で例えば約30barであるが、これより高くてもよく低くてもよい。仲介溶液循環路3に仲介溶液循環ポンプ3Pが設けられている。仲介溶液ポンプ3Pは、両方向に送液可能な可逆ポンプにて構成されている。仲介溶液ポンプ3Pは、仲介溶液循環路3の第1反応室11と吸収室31の間の部分に配置されているが、これに限定されず、仲介溶液循環路3上の何れかの部分に配置されていればよい。片方向の送液ポンプと方向制御弁を組み合わせて、両方向に送液可能にしてもよい(第4実施形態(図4)参照)。
仲介溶液循環路3及び仲介溶液ポンプ3Pは、「溶液流通手段」を構成する。
更に溶媒抽出装置1は、加熱手段6を備えている。加熱手段6は、第1加熱器61と、第2加熱器62を含む。第1加熱器61は、第2熱交換室22と被吸収室32の間の被処理溶液流通路2に設けられている。第2加熱器62は、第1熱交換室12と被吸収室32の間の被処理溶液流通路2に設けられている。
加熱器61,62は、熱交換器でもよく電熱ヒータでもよい。加熱器61,62の熱源は、太陽熱集熱器でもよく、工場廃熱でもよい。
上記構成の溶媒抽出装置1によって海水から淡水を抽出する方法を説明する。
溶媒抽出装置1は、第1処理モードと、第2処理モードを交互に反復して実行する。今、第2処理モードから第1処理モードに切り替えたものとする。このとき、第1反応室11には、前工程の第2処理モードによってミョウバン(仲介溶質)の析出体が溜まっている。特に網15に析出体が付着している。第2反応室21には析出体が殆ど存在していない。
[第1処理モード]
第1処理モードでは、方向制御弁50を第1位置51にして、送液ポンプ2Pを駆動する。仲介溶液ポンプ3Pは、第1反応室11側のポートが入力側になり、吸収室31側のポートが出力側になる向きに駆動する。また、第1加熱器61を作動する。第2加熱器62は停止する。
したがって、第1処理モードでは、海水(被処理溶液)が、第2熱交換室22、被吸収室32、第1熱交換室12の順に流れる。かつ、ミョウバン水溶液(仲介溶液)が、第1反応室11、吸収室31、第2反応室21、被抽出室41の順に循環する。海水の流れ方向とミョウバン水溶液の流れ方向が互いに逆向きになる。
海水は、常温で第2熱交換室22に入り、第2反応室21のミョウバン水溶液から熱を受け取り、加温される。第2熱交換室22から出た海水を第1加熱器61により更に加熱する。高温化した海水を、被吸収室32を経て第1熱交換室12に通す。第1反応部10において、第1熱交換室12の海水と第1反応室11のミョウバン水溶液とが互いに対向流をなすように流れる。これら海水及びミョウバン水溶液が第1隔壁13を介して熱交換する。したがって、第1反応室11が、第1熱交換器12、被吸収室32を介して第1加熱器61に熱的に接続される。
これによって、第1反応部10において、ミョウバン水溶液が高温の海水から熱を受け取り、例えば50℃以上、好ましくは60℃程度に加温される。加温によりミョウバン水溶液の溶解度が常温時より高くなる。特にミョウバン水溶液が50℃以上になるとその溶解度が急激に大きくなる(図7参照)。そのため、網15に付着したミョウバン結晶が第1反応室11内のミョウバン水溶液中に溶解する(第1溶解工程)。溶解によって、第1反応室11内のミョウバン水溶液のミョウバン濃度及び浸透圧が高まる。例えば、ミョウバン水溶液を60℃程度に加温すると、その浸透圧を70bar程度にすることができる(図7参照)。
上記高浸透圧(例えば約70bar)のミョウバン水溶液を第1反応部10から吸収部30の吸収室31へ送る。上述したように、吸収部30の被吸収室32には海水が導入される。吸収部30において、吸収室31のミョウバン水溶液と被吸収室32の海水とが互いに対向流をなすように流れる。海水の塩分濃度は、一般に3.5%(重量百分率、以下同様)程度であり、浸透圧は30bar程度である。また、仲介溶液循環路3ひいては吸収室31の内圧は、上述したように30bar程度である。被吸収室32の内圧は略大気圧である。これら室31,32の浸透圧差及び内圧差の相互関係によって、被吸収室32の海水中の水分(溶媒)が第1半透膜33を透過して吸収室31のミョウバン水溶液に吸収される(第1吸収工程)。
なお、溶媒抽出装置1の運転開始時には、仲介溶液循環路3の内圧が定常圧(30bar)より低くなっている。吸収部30におけるミョウバン水溶液の水分吸収によって、仲介溶液循環路3の内圧が上昇し、定常圧に落ち着く。
海水を第1加熱器61によって加温したうえで被吸収室32に導入することにより、吸収室31内のミョウバン水溶液の温度が低下するのを回避できる。これにより、吸収室31内でミョウバンが析出するのを防止できる。
水分吸収後のミョウバン水溶液を第2反応部20の第2反応室21へ送る。第2反応部20においては、第2反応室21のミョウバン水溶液と第2熱交換室22の海水が互いに対向流をなすように流れる。これらミョウバン水溶液と海水が第2隔壁23を介して熱交換する。これにより、ミョウバン水溶液が海水に熱を奪われ、冷却される。第2熱交換室22が、冷却手段として提供される。冷却によって、ミョウバン水溶液中の溶質(ミョウバン)が析出する(第1析出工程)。このとき、網25にミョウバン結晶の核を付着させることができる。この核を基にしてミョウバン結晶を成長させることができる。これにより、ミョウバンの析出を促進することができる。加えて、ミョウバンの析出体を網25に定着させて蓄えることができる。
第2反応部20において、ミョウバン水溶液は例えば30℃程度まで冷却され、浸透圧は例えば11bar程度になる(図7参照)。この低温かつ低浸透圧のミョウバン水溶液を、抽出部40の被抽出室41に送る。被抽出室41の内圧は30bar程度である。したがって、被抽出室41のミョウバン水溶液の液圧がその浸透圧を上回る。なお、抽出室42の内圧は略大気圧である。抽出室42内の淡水の浸透圧は略0barである。これにより、ミョウバン水溶液の水分が、第2半透膜43を透過し、抽出室42に搾り出される(第1抽出工程)。これにより、抽出室42から淡水を取り出すことができる。
ミョウバンの析出体を網25に定着させることで、析出体が被抽出室41に流入するのを抑制又は防止できる。したがって、第2半透膜43が析出体によって目詰まりするのを抑制又は防止できる。更には、仲介溶液循環路3の詰まりを抑制又は防止できる。
被抽出室41内ではミョウバン水溶液を静流体に近い状態にして水分抽出を行なうことが好ましい。これにより、ミョウバン水溶液を過飽和状態にすることができ、水分抽出に伴う濃度上昇に拘わらずミョウバン結晶が析出しないようにすることができる。第1析出工程後のミョウバン水溶液を加熱して飽和濃度を高くした状態で第1抽出工程を行なってもよい(第6実施形態(図6)参照)。これにより、第2半透膜43の目詰まりを一層確実に回避できる。
抽出後のミョウバン水溶液を第1反応部10の第1反応室11へ送る。第2反応室21において、ミョウバン水溶液の過飽和状態が解除される。こうして、ミョウバン水溶液を仲介溶液循環路3に沿って循環させる。第1反応部10の第1熱交換室12を通過した海水は、海に戻され、又は廃棄される。
第1処理モードの継続運転に伴って、第1反応部10内の析出体の量が減少し、第2反応部20内の析出体の量が増大する。第1反応部10内の析出体の量が所定以下になったとき、又は第2反応部20内の析出体の量が所定以上になったとき、第1処理モードから第2処理モードに切り替える。モードの切り替えタイミングは、第1処理モードの継続運転時間で管理してもよく、抽出部40からの淡水の累積抽出流量で管理してもよい。
[第2処理モード]
第2処理モードでは、方向制御弁50のスプール位置を切り替える。かつ、仲介溶液ポンプ3Pの駆動方向を反転させる。すなわち、方向制御弁50を第2位置52にする。仲介溶液ポンプ3Pは、吸収室31側のポートが入力側になり、第1反応室11側のポートが出力側になる向きに駆動する。また、第2加熱器62を作動する。第1加熱器61は停止する。
したがって、第2処理モードでは、海水が、第1熱交換室12、被吸収室32、第2熱交換室22の順に流れる。かつ、ミョウバン水溶液が、第2反応室21、吸収室31、第1反応室11、被抽出室41の順に循環する。海水の流れ方向とミョウバン水溶液の流れ方向が互いに逆向きになる点では、第1処理モードと同じである。
海水は、常温で第1熱交換室12に入り、第1反応室11のミョウバン水溶液から熱を受け取り、加温される。第1熱交換室12から出た海水を第2加熱器62により更に加熱する。高温化した海水を、被吸収室32を経て第2熱交換室22に通す。第2反応部20において、第2熱交換室22の海水と第2反応室21のミョウバン水溶液とが互いに対向流をなすように流れる。これら海水及びミョウバン水溶液が第2隔壁23を介して熱交換する。したがって、第2反応室21が、第2熱交換器22、被吸収室32を介して第2加熱器62に熱的に接続される。
これによって、第2反応部20において、ミョウバン水溶液が高温の海水から熱を受け取り、例えば50℃以上、好ましくは60℃程度に加温される。加温によりミョウバン水溶液の溶解度が高まる。これによって、網25に定着していたミョウバン結晶が第2反応室21内のミョウバン水溶液中に溶解する(第2溶解工程)。溶解によって、第2反応室21内のミョウバン水溶液の浸透圧が上昇する。
上記高浸透圧(例えば約70bar)のミョウバン水溶液を第2反応部20から吸収部30の吸収室31へ送る。吸収室31の内圧は例えば約30barである。上述したように、吸収部30の被吸収室32には海水が導入されている。吸収部30において、吸収室31のミョウバン水溶液と被吸収室32の海水とは互いに対向流をなすように流れる。被吸収室32における海水の浸透圧は30bar程度であり、被吸収室32の内圧は略大気圧である。これら室31,32の浸透圧差及び内圧差の相互関係によって、被吸収室32の海水中の水分(溶媒)が第1半透膜33を透過して吸収室31のミョウバン水溶液に吸収される(第2吸収工程)。
海水を第2加熱器62によって加温したうえで被吸収室32に導入することにより、吸収室31内のミョウバン水溶液の温度が低下するのを回避できる。これにより、吸収室31内でミョウバンが析出するのを防止できる。
水分吸収後のミョウバン水溶液を第1反応部10の第1反応室11へ送る。第1反応部10においては、第1反応室11のミョウバン水溶液と第1熱交換室12の海水が互いに対向流をなすように流れる。これらミョウバン水溶液と海水が第1隔壁13を介して熱交換する。これにより、ミョウバン水溶液が海水に熱を奪われ、冷却される。第2熱交換室22が、冷却手段として提供される。冷却によって、ミョウバン水溶液中の溶質(ミョウバン)が析出する(第2析出工程)。このとき、網15にミョウバン結晶の核を付着させることができる。この核を基にしてミョウバン結晶を成長させることができる。これにより、第1反応室11内でのミョウバンの析出を促進することができる。加えて、ミョウバンの析出体を網15に定着させて蓄えることができる。
第1反応部10において、ミョウバン水溶液は例えば30℃程度まで冷却され、浸透圧は例えば11bar程度になる(図7参照)。この低温かつ低浸透圧のミョウバン水溶液を、抽出部40の被抽出室41に送る。被抽出室41の内圧は30bar程度である。したがって、被抽出室41のミョウバン水溶液の液圧がその浸透圧を上回る。これにより、ミョウバン水溶液の水分が、第2半透膜43を透過し、抽出室42に搾り出される(第2抽出工程)。これにより、抽出室42から淡水を取り出すことができる。
第2処理モードにおいては、ミョウバンの析出体を網15に定着させることで、析出体が被抽出室41に流入するのを抑制又は防止できる。したがって、第1処理モードと同様に、第2半透膜43が析出体によって目詰まりするのを抑制又は防止できる。更には、仲介溶液循環路3の詰まりを抑制又は防止できる。
第2処理モードにおいても第1処理モードと同様に、被抽出室41内ではミョウバン水溶液をほぼ静流体の状態にすることが好ましい。これにより、ミョウバン水溶液を過飽和にでき、水分抽出に伴う濃度上昇に拘わらずミョウバン結晶が析出するのを防止できる。第2析出工程後のミョウバン水溶液を加熱して飽和濃度を高くした状態で第2抽出工程を行なってもよい(第6実施形態(図6)参照)。これにより、第2半透膜43の目詰まりを一層確実に回避できる。
抽出後のミョウバン水溶液を第2反応部20の第2反応室21へ送る。第2反応室21において、ミョウバン水溶液の過飽和状態が解除される。こうして、ミョウバン水溶液を仲介溶液循環路3に沿って循環させる。第2反応部20の第2熱交換室22を通過した海水は、海に戻され、又は廃棄される。
第2処理モードの継続運転に伴って、第2反応部20内の析出体の量が減少し、第1反応部10内の析出体の量が増大する。第2反応部20内の析出体量が所定以下になったとき、又は第1反応部10内の析出体の量が所定以上になったとき、第2処理モードから第1処理モードに切り替える。切り替えのタイミングは、第2処理モードの継続運転時間で管理してもよく、抽出部40からの淡水の累積抽出流量で管理してもよい。
このようにして、第1処理モードと第2処理モードを交互に反復することによって、淡水を継続的に生産できる。併せて、ミョウバン析出体を反応室11,21内に確実に留めることができる。何れかの反応室11,21内の析出体の量が増え過ぎるのを回避でき、析出体が反応室11,21から漏れたり溢れたりするのを抑制できる。ひいては、仲介溶液循環路3の詰まり及び半透膜33,43の目詰まりを確実に抑制できる。
第1処理モードの析出工程では、第2熱交換室22の海水によって第2反応室21のミョウバン水溶液を冷却でき、第2処理モードの析出工程では、第1熱交換室12の海水によって第1反応室11のミョウバン水溶液を冷却できる。したがって、専用の冷却手段を省略できる。
更に、第1処理モードでは、第1析出工程で海水に移った熱を第1溶解工程のミョウバン水溶液に与えることができる。第2処理モードでは、第2析出工程で海水に移った熱を第2溶解工程のミョウバン水溶液に与えることができる。したがって、熱効率を向上でき、加熱手段6の負荷を軽減できる。
仲介溶質としてミョウバンを用いることで、例えば60℃程度まで加温すれば浸透圧を十分高くでき、溶媒を十分に吸収できる。かつ、常温付近にすれば浸透圧を十分低くでき、溶媒を十分に抽出できる。したがって、加熱手段6は、高い加熱能力を要求されない。冷却手段は、常温以下又は湿球温度以下まで冷却する能力を要求されない。したがって、冷却手段又は加熱手段6として、ヒートポンプ等の大きな投入エネルギーを必要とする装置を用いなくても済む。例えば、加熱手段6の熱源として、太陽熱集熱器や工場廃熱等を用いることができる。冷却手段として被処理溶液を冷却源とする熱交換器10,20を用いることができる。
更に、ミョウバン水溶液は2価イオンのSO 2−及び3価イオンのAl3+を含む。これら多価イオンは、水分子を引き連れた大きなクラスターを形成しやすい。そのため、半透膜33,43を透過しにくい。したがって、半透膜33,43として疎水膜ではなく親水膜を用いたとしてもミョウバン(仲介溶質)が循環閉回路3の外へ漏れるのを十分に防止できる。ナノフィルトレーション膜(NF膜)等の親水膜は、蒸留膜等の疎水膜より耐圧性が高いから、循環閉回路3の内圧を仲介溶液の常温又は湿球温度での浸透圧より確実に高圧になるよう設定できる。したがって、確実に溶媒抽出できる。蒸留膜等の疎水膜ではなく親水膜を用いることによって、水(溶媒)が水蒸気になることなく液相のままで膜33,34を透過でき、熱効率を高くすることができる。
更に、ミョウバンは無害な物質である。したがって、溶媒抽出装置1を飲用の淡水化装置として適用できる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を省略する。
図2は、本発明の第2実施形態に係る溶媒抽出装置1Bを示したものである。第2実施形態は、加熱手段の変形例に係る。第2実施形態では、加熱手段が2つの加熱器61,62に代えて、単一の加熱器60にて構成されている。加熱器60は、熱交換器でもよく電熱ヒータでもよい。加熱器60の熱源は、太陽熱集熱器でもよく、工場廃熱でもよい。
加熱器60と被処理溶液流通路2が流通方向制御手段55を介して接続されている。流通方向制御手段55は、第1位置56と第2位置57を有する6ポートの方向制御弁にて構成されている。方向制御弁55は、第1位置56のとき、第2熱交換室22を加熱器60を介して被吸収室32に連ね、かつ、第1熱交換室12と被吸収室32とを連ねる。方向制御弁55は、第2位置57のとき、第1熱交換室12を加熱器60を介して被吸収室32に連ね、かつ、第2熱交換室22と被吸収室32とを連ねる。
第1処理モードでは、方向制御弁52を第1位置51に位置させるのに加えて、方向制御弁55を第1位置56に位置させる。これにより、海水が第2熱交換室22、加熱器60、被吸収室32、第1熱交換室12の順に流れる。したがって、第2熱交換室22からの海水を加熱器60にて加温した後、被吸収室32に送り、更に第1熱交換室12へ送ることができる。ミョウバン水溶液が、第1反応室11、吸収室31、第2反応室21、被抽出室41の順に循環される点は、第1実施形態の第1処理モードと同様である。被吸収室32内の海水は、吸収室31内のミョウバン水溶液に対し対向流になる。
第2処理モードでは、方向制御弁52を第2位置52に位置させるのに加えて、方向制御弁56を第2位置57に位置させる。これにより、海水が第1熱交換室12、加熱器60、被吸収室32、第2熱交換室22の順に流れる。したがって、第1熱交換室12からの海水を加熱器60にて加温した後、被吸収室32に送り、更に第2熱交換室22へ送ることができる。ミョウバン水溶液が、第2反応室21、吸収室31、第1反応室11、被抽出室41の順に循環される点は、第1実施形態の第2処理モードと同様である。被吸収室32内の海水は、吸収室31内のミョウバン水溶液に対し対向流になる。
図3は、本発明の第3実施形態に係る溶媒抽出装置1Cを示したものである。第3実施形態は、加熱手段及び冷却手段の変形例に係る。第3実施形態では、加熱手段が、第1加熱器63及び第2加熱器64を含む。冷却手段が、第1冷却器71及び第2冷却器72を含む。
第1反応部10Aには、第1熱交換室12に代えて、第1加熱器63及び第1冷却器71が設けられている。加熱器63として、太陽熱集熱器、工場廃熱利用部、電熱ヒータ、熱交換器、ヒートポンプ等を適用できる。冷却器71として、クーラントタワー、熱交換器、ヒートポンプ等を適用できる。加熱器63によって第1反応室11内のミョウバン水溶液を加熱できる。冷却器71によって第1反応室11内のミョウバン水溶液を冷却できる。
第2反応部20Aには、第2熱交換室22に代えて、第2加熱器64及び第2冷却器72が設けられている。加熱器64として、太陽熱集熱器、工場廃熱利用部、電熱ヒータ、熱交換器、ヒートポンプ等を適用できる。加熱器63,64が共通の加熱手段にて構成されていてもよい。冷却器72として、クーラントタワー、熱交換器、ヒートポンプ等を適用できる。冷却器63,64が共通の冷却手段にて構成されていてもよい。加熱器64によって第2反応室21内のミョウバン水溶液を加熱できる。冷却器72によって第2反応室21内のミョウバン水溶液を冷却できる。
第1処理モードでは、第1反応部10Aの第1冷却器71を停止し、第1加熱器63を作動する。かつ、第2反応部20Aの第2冷却器72を作動し、第2加熱器64を停止する。
ミョウバン水溶液が、第1反応室11、吸収室31、第2反応室21、被抽出室41の順に循環される点は、第1実施形態の第1処理モードと同様である。これにより、第1反応室11ではミョウバン結晶を溶解できる(第1溶解工程)。第2反応室21ではミョウバンを析出させることができる(第1析出工程)。
第2処理モードでは、第1反応部10Aの第1冷却器71を作動し、第1加熱器63を停止する。かつ、第2反応部20Aの第2冷却器72を停止し、第2加熱器64を作動する。ミョウバン水溶液が、第2反応室21、吸収室31、第1反応室11、被抽出室41の順に循環される点は、第1実施形態の第2処理モードと同様である。これにより、第2反応室21ではミョウバン結晶を溶解できる(第2溶解工程)。第1反応室11ではミョウバンを析出させることができる(第2析出工程)。
図4は、本発明の第4実施形態に係る溶媒抽出装置1Dを示したものである。第4実施形態は、溶液流通手段の変形例に係る。第4実施形態では、溶液循環路3に、可逆式の送液ポンプ3Pに代えて、単方向の送液ポンプ81と方向制御弁82とが設けられている。方向制御弁82は、第1反応室11と吸収室31との間に設けられているが、これに限られず、吸収路31と第2反応室21との間に設けられていてもよく、第2反応室21と被抽出室41との間に設けられていてもよく、被抽出室41と第1反応室11との間に設けられていてもよい。方向制御弁82は、第1位置83と第2位置84を有している。方向制御弁82が第1位置83のとき、第1反応室11が方向制御弁82を介してポンプ81の吸込ポートに連なり、かつポンプ81の吐出ポートが方向制御弁82を介して吸収室31に連なる。方向制御弁82が第2位置84のとき、吸収室31が方向制御弁82を介してポンプ81の吸込ポートに連なり、かつポンプ81の吐出ポートが方向制御弁82を介して第1反応室11に連なる。
第1流通モードでは、方向制御弁82を第1位置83にする。これにより、ミョウバン水溶液(仲介溶液)を、第1反応室11、吸収室31、第2反応室21、被抽出室41の順に循環させることができる。
第2流通モードでは、方向制御弁82を第2位置84にする。これにより、ミョウバン水溶液(仲介溶液)を、第2反応室21、吸収室31、第1反応室11、被抽出室41の順に循環させることができる。
図5は、本発明の第5実施形態に係る溶媒抽出装置1Eを示したものである。第5実施形態では、第1反応室11の抽出部40側のポートにフィルター16が設けられ、かつ、第1反応室11の吸収部30側のポートにフィルター17が設けられている。また、第2反応室21の吸収部30側のポートにフィルター26が設けられ、かつ、第2反応室21の抽出部40側のポートにフィルター27が設けられている。これらフィルター16,17,26,27は、液体の通過を許容し、固体の通過を阻止する。
装置1Eによれば、定着体15,25からミョウバン(仲介溶質)の析出体が剥がれたり、反応室11,21内の定着体15,25から離れた場所で析出が起きたりして、析出体がミョウバン水溶液と一緒に流動したとしても、ミョウバン水溶液だけがフィルター16,17,26,27を通過でき、析出体はフィルター16,17,26,27に捕捉されて流出を阻止される。具体的には、第1流通モードでは、第2反応室21内で析出した析出体が、フィルター26によって捕捉され、被抽出室41へ流出するのを阻止される。また、第1反応室11内の未溶解の析出体が、フィルター16によって捕捉され、吸収室31へ流出するのを阻止される。第2流通モードでは、第1反応室11内で析出した析出体が、フィルター17によって捕捉され、被抽出室41へ流出するのを阻止される。また、第2反応室21内の未溶解の析出体が、フィルター27によって捕捉され、吸収室31へ流出するのを阻止される。これにより、半透膜31,41の目詰まりや循環路3の詰まりを確実に防止できる。
第1処理モードでは、第1反応室11が加熱されることによって、フィルター16,17に付着した析出体を溶解させることができる。第2処理モードでは、第2反応室21が加熱されることによって、フィルター26,27に付着した析出体を溶解させることができる。したがって、モード切り替えを反復することによってフィルター16,17,26,27の詰まりを回避でき、ミョウバン水溶液の流通を確保できる。よって、フィルター16,17,26,27の取り替え等のメンテナンスを省略ないしは簡略化できる。
図6は、本発明の第6実施形態に係る溶媒抽出装置1Fを示したものである。第6実施形態では、仲介溶液循環路3の第2反応室21と被抽出室41との間に加熱器65(第1の不飽和化手段)が設けられている。かつ、仲介溶液循環路3の第1反応室11と被抽出室41との間に加熱器66(第2の不飽和化手段)が設けられている。加熱器65,66は、特に限定が無く、太陽熱集熱器でもよく、工場廃熱利用部でもよく、電熱ヒータでもよく、ヒートポンプでもよい。
第1処理モードでは、加熱器65を作動し、加熱器66を停止する。これにより、第2反応室21での析出工程後のミョウバン水溶液を加熱器65にて加熱して不飽和状態にしたうえで被抽出室41に導入できる。被抽出室41内においては、水分抽出に伴なって、ミョウバン水溶液の濃度が下流側(第1反応部10側)に向かうにしたがって上昇する。被抽出室41の出口(第1反応部10側の端部)におけるミョウバン水溶液のミョウバン濃度が飽和濃度以下になるよう、加熱器65による加熱温度を調節する。これにより、被抽出室41内で水分抽出に伴なうミョウバン(仲介溶質)の析出が起きるのを回避できる。したがって、第2半透膜43の目詰まりを一層確実に防止できる。
第2処理モードでは、加熱器65を停止し、加熱器66を作動する。これにより、第1反応室11での析出工程後のミョウバン水溶液を加熱器66にて加熱して不飽和状態にしたうえで被抽出室41に導入できる。被抽出室41内においては、水分抽出に伴なって、ミョウバン水溶液の濃度が下流側(第2反応部20側)に向かうにしたがって上昇する。被抽出室41の出口(第2反応部20側の端部)におけるミョウバン水溶液のミョウバン濃度が飽和濃度以下になるよう、加熱器66による加熱温度を調節する。これにより、第2処理モードでも被抽出室41内でミョウバン(仲介溶質)の析出が起きるのを回避できる。したがって、第2半透膜43の目詰まりを一層確実に防止できる。
加熱器65,66は、反応室21,11と被抽出室41との間の循環路3に設けるのに代えて、被抽出室41に設けてもよく、第1、第2抽出工程と併行してミョウバン水溶液を加熱してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨に反しない限りにおいて種々の改変をなすことができる。 仲介溶質がアンモニウムミョウバン(Al・NH(SO)であってもよい。仲介溶質として、ミョウバンに代えて、ショ糖、NaHPO等を用いてもよい。
冷却手段として、ヒートポンプを用いてもよい。
2以上の実施形態を互いに組み合わせてもよい。例えば、第2実施形態(図2)の被処理溶液加熱手段や第3実施形態(図3)の仲介溶液冷却・加熱手段を、第4、第5、第6実施形態(図4、図5、図6)に適用してもよい。
本発明は、海水から淡水を製造する淡水化装置や、汚水を浄化する浄水装置に適用可能である。
1 溶媒抽出装置
2 被処理溶液流通路
2P 送液ポンプ
3 仲介溶液循環路(溶液流通手段)
3P 仲介溶液循環ポンプ(溶液流通手段)
10 第1反応部
11 第1反応室
12 第1熱交換室
13 第1隔壁
15 網(定着体)
16,17 フィルター
20 第2反応部
21 第2反応室
22 第2熱交換室
23 第2隔壁
25 網(第2定着体)
26,27 フィルター
30 吸収部
31 吸収室
32 被吸収室
33 第1半透膜
40 抽出部
41 被抽出室
42 抽出室
43 第2半透膜
50 方向制御弁(被処理溶液流通方向制御手段)
51 第1位置
52 第2位置
55 方向制御弁(被処理溶液流通方向制御手段)
56 第1位置
57 第2位置
6 加熱手段
61 第1加熱器
62 第2加熱器
60 加熱器(加熱手段)
63 第1加熱器(加熱手段)
64 第2加熱器(加熱手段)
65,66 加熱器(不飽和化手段)
71 第1冷却器(冷却手段)
72 第2冷却器(冷却手段)
81 単方向送液ポンプ(仲介溶液流通手段)
82 方向制御弁(被処理溶液流通方向制御手段)
83 第1位置
84 第2位置

Claims (10)

  1. 被処理溶液から溶媒を抽出する溶媒抽出方法であって、 第1処理モードと第2処理モードを交互に実行し、
    前記第1処理モードでは、吸収室と第1半透膜にて仕切られた被吸収室に前記被処理溶液を導入し、かつ溶解度が温度に依存する仲介溶液を第1反応室、前記吸収室、第2反応室、被抽出室の順に循環させ、かつ前記第1反応室において前記仲介溶液を加熱し、前記第2反応室において前記仲介溶液を冷却し、前記被抽出室の少なくとも一部を画成する第2半透膜から前記溶媒を抽出し、
    前記第2処理モードでは、前記被処理溶液を前記被吸収室に導入し、かつ前記仲介溶液を前記第2反応室、前記吸収室、前記第1反応室、前記被抽出室の順に循環させ、かつ前記第2反応室において前記仲介溶液を加熱し、前記第1反応室において前記仲介溶液を冷却し、前記第2半透膜から前記溶媒を抽出することを特徴とする溶媒抽出方法。
  2. 前記第1処理モードにおいて、前記第2反応室に設けた定着体に前記仲介溶液の溶質の析出体を定着させ、前記第2処理モードにおいて、前記第1反応室に設けた定着体に前記仲介溶液の溶質の析出体を定着させることを特徴とする請求項1に記載の溶媒抽出方法。
  3. 前記第1処理モードにおいて、前記被処理溶液を、前記第2反応室の前記仲介溶液と熱交換させて前記仲介溶液の冷却に供し、更に加熱手段にて加熱したうえで前記被吸収室に導入し、次に前記第1反応室の前記仲介溶液と熱交換させて前記仲介溶液の加熱に供し、
    前記第2処理モードにおいて、前記被処理溶液を、前記第1反応室の前記仲介溶液と熱交換させて前記仲介溶液の冷却に供し、更に前記加熱手段にて加熱したうえで前記被吸収室に導入し、次に前記第2反応室の前記仲介溶液と熱交換させて前記仲介溶液の加熱に供することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶媒抽出方法。
  4. 前記第1、第2の各処理モードにおいて、前記被抽出室内での前記仲介溶液の濃度が飽和濃度以下になるよう、前記仲介溶液を前記被抽出室への導入前又は前記被抽出室内において加熱することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の溶媒抽出方法。
  5. 前記第1、第2の各処理モードにおいて、前記被抽出室内での前記仲介溶液を過飽和状態にすることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の溶媒抽出方法。
  6. 被処理溶液から溶媒を抽出する溶媒抽出装置であって、
    前記被処理溶液を容れる被吸収室と、
    環状に順次連なる第1反応室、吸収室、第2反応室、被抽出室と、
    前記被吸収室と前記吸収室とを仕切る第1半透膜と、
    前記被抽出室の少なくとも一部を画成する第2半透膜と、
    溶解度が温度に依存する仲介溶液を、前記第1反応室、前記吸収室、前記第2反応室、前記被抽出室の順に循環させる第1処理モードと、前記仲介溶液を、前記第2反応室、前記吸収室、前記第1反応室、前記被抽出室の順に循環させる第2処理モードとを交互に実行する溶液流通手段と、
    前記第1処理モードのときは前記第1反応室内の仲介溶液を加熱し、前記第2処理モードのときは前記第2反応室内の仲介溶液を加熱する加熱手段と、
    前記第1処理モードのときは前記第2反応室内の仲介溶液を冷却し、前記第2処理モードのときは前記第1反応室内の仲介溶液を冷却する冷却手段と、
    を備えたことを特徴とする溶媒抽出装置。
  7. 前記第1、第2反応室の一方又は両方に、前記仲介溶液の溶質の析出体を定着させる定着体を設けたことを特徴とする請求項6に記載の溶媒抽出装置。
  8. 前記定着体が、網状であることを特徴とする請求項7に記載の溶媒抽出装置。
  9. 第1隔壁を介して前記第1反応室と熱交換可能に仕切られ、かつ前記被吸収室の一端部に連なる第1熱交換室と、第2隔壁を介して前記第2反応室と熱交換可能に仕切られ、かつ前記被吸収室の他端部に連なる第2熱交換室と、を更に備え、
    前記第1処理モードでは、前記被処理溶液が、前記第2熱交換室、前記被吸収室、前記第1熱交換室の順に流通され、前記第2熱交換室が前記冷却手段として提供され、かつ前記加熱手段が、前記被吸収室及び前記第1熱交換室を順次介して前記第1反応室に熱的に接続され、
    前記第2処理モードでは、前記被処理溶液が、前記第1熱交換室、前記被吸収室、前記第2熱交換室の順に流通され、前記第1熱交換室が前記冷却手段として提供され、かつ前記加熱手段が、前記被吸収室及び前記第2熱交換室を順次介して前記第2反応室に熱的に接続されることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の溶媒抽出装置。
  10. 前記仲介溶液の溶質が、ミョウバンであることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の溶媒抽出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112370969A (zh) * 2020-12-08 2021-02-19 郑州大学 一种低能耗膜分离方法及配套装置

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