JP2011245416A - 排ガス浄化用触媒およびその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】貴金属の粒成長による触媒活性低下を抑制し、優れた触媒活性を長期にわたって実現することのできる、排ガス浄化用触媒およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】排ガス浄化用触媒に、平均二次粒子径が0.2〜5μmの第1複合酸化物と、平均二次粒子径が0.005〜0.1μmの第2複合酸化物と、その第1複合酸化物および/または第2複合酸化物に含まれる貴金属とを含有させる。この排ガス浄化用触媒によれば、第1複合酸化物および第2複合酸化物の表面における、貴金属の移動および粒成長を抑制できる。そのため、この排ガス浄化用触媒によれば、長期にわたって、優れた触媒活性を実現することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒およびその製造方法に関する。
自動車などの内燃機関から排出される排気ガスには、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NO)、および一酸化炭素(CO)などが含まれており、これらを浄化するための排ガス浄化用触媒が知られている。
このような排気ガス浄化用触媒として、活性成分である貴金属元素が、セリウム系複合酸化物などの複合酸化物に、担持または固溶しているものが種々知られている。一方、このような排気ガス浄化触媒では、高温下または酸化還元変動下、さらには、長期使用時において、貴金属の粒子が複合酸化物の表面を移動して、合体することにより粒成長を生じ、貴金属の粒子の有効表面積が減少して、その結果、触媒活性が低下するという不具合がある。そのため、貴金属の粒子の粒成長による触媒活性低下を抑制できる排ガス浄化用触媒が、種々検討されている。
例えば、Pdが固溶され、セリウム、ジルコニウムおよび希土類元素(セリウムを除く。)を含む第1耐熱性酸化物と、Pdが担持され、セリウム、ジルコニウムおよび希土類元素(セリウムを除く。)を含む第2耐熱性酸化物とを含む排ガス浄化用触媒が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の排ガス浄化用触媒では、パラジウムの粒成長による触媒活性低下を防止することができ、高い触媒活性を保持することができる。
特開2009−160556号公報
しかしながら、特許文献1に記載される排ガス浄化用触媒では、第1耐熱性酸化物および第2耐熱性酸化物の粒子径(平均二次粒子径)が大きいため、複合酸化物の表面における、パラジウム粒子の移動および合体を、十分に抑制することができない場合がある。このような場合には、やはり、パラジウムが粒成長し、触媒活性が低下するという不具合がある。
本発明の目的は、貴金属の粒成長による触媒活性低下を抑制し、優れた触媒活性を長期にわたって実現することのできる、排ガス浄化用触媒およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の排ガス浄化用触媒は、平均二次粒子径が0.2〜5μmの第1複合酸化物と、平均二次粒子径が0.005〜0.1μmの第2複合酸化物と、前記第1複合酸化物および/または前記第2複合酸化物に含まれる貴金属とを含有することを特徴としている。
また、本発明の排ガス浄化用触媒では、前記第1複合酸化物が、下記式(1)で示され、前記第2複合酸化物が、下記式(2)で示されることが好適である。
MgO・w(Al1−xFe3−α (1)
(式中、1≦w≦6であり、0<x≦1であり、αは、酸素原子の不足割合を示す。)
(CeZr)Oxide (2)
(式中、Xは、La、Nd、YおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素を示す。また、0.1≦a≦0.8であり、0.1≦b≦0.9であり、0≦c≦0.2であり、a+b+c=1である。)
また、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、平均二次粒子径が5〜50μmの第1複合酸化物、および/または、平均二次粒子径が5〜50μmの第2複合酸化物に貴金属を含有させる工程と、前記第1複合酸化物および前記第2複合酸化物を、配合後、前記第1複合酸化物の平均二次粒子径が0.2〜5μmとなり、前記第2複合酸化物の平均二次粒子径が0.005〜0.1μmとなるまで粉砕および混合する工程とを備えることを特徴としている。
本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、平均二次粒子径が0.2〜5μmの第1複合酸化物と、平均二次粒子径が0.005〜0.1μmの第2複合酸化物と、第1複合酸化物および/または第2複合酸化物に含まれる貴金属とを含有する排ガス浄化用触媒を効率良く製造することができる。
そして、本発明の排ガス浄化用触媒では、第1複合酸化物の平均二次粒子径が0.2〜5μmであり、第2複合酸化物の平均二次粒子径が0.005〜0.1μmであり、さらに、それらが均一に混合されているため、第1複合酸化物および第2複合酸化物の表面における、貴金属の移動および粒成長を抑制できる。
そのため、本発明の排ガス浄化用触媒によれば、長期にわたって、優れた触媒活性を実現することができる。
実施例における走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。 比較例における走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。 実施例における、耐久試験後の電界放射型走査電子顕微鏡(Fe−SEM)像を示す。 比較例における、耐久試験後の電界放射型走査電子顕微鏡(Fe−SEM)像を示す。 実施例および比較例における、HC、NOおよびCOそれぞれの20%浄化温度を示すグラフである。 耐久試験前後の実施例および比較例の表面における第1複合酸化物および第2複合酸化物の原子割合を示すグラフである。
本発明の排ガス浄化用触媒は、第1複合酸化物と、第2複合酸化物と、その第1複合酸化物および/または第2複合酸化物に含まれる貴金属(後述)とを含有している。
本発明の排ガス浄化用触媒を製造するには、まず、第1複合酸化物と第2複合酸化物とを調製する。
第1複合酸化物としては、その結晶構造などは特に制限されず、例えば、主な結晶相としてペロブスカイト型結晶相を有する複合酸化物、スピネル型結晶相を有する複合酸化物、マグネトプランバイト型結晶相を有する複合酸化物、アルミナ型結晶相を有する複合酸化物、蛍石型結晶相を有する複合酸化物、イルメナイト型結晶相を有する複合酸化物、および、それら結晶相の混合相を有する複合酸化物などが挙げられる。
このような第1複合酸化物としては、例えば、下記式(1)で示される複合酸化物が挙げられる。
MgO・w(Al1−xFe3−α (1)
(式中、1≦w≦6であり、0<x≦1であり、αは、酸素原子の不足割合を示す。)
上記式(1)で示される複合酸化物において、Feは、酸化雰囲気下において固溶し、還元雰囲気下において析出する遷移元素であって、その原子割合は、上記式(1)において、xで示される値の2倍である。
つまり、上記式(1)において、xは、Feの原子割合の1/2を示し、その範囲は、0<x≦1、好ましくは、0<x≦0.1である。従って、Feの原子割合(2x)は、0<2x≦2、好ましくは、0<2x≦0.2である。
そして、Alの原子割合は、(1−x)の2倍、つまり、2−2xであり、2からFeの原子割合(2x)を差し引いた残余の原子割合である。
また、上記式(1)において、αは、酸素原子の不足割合を示し、0または正の整数で表される。より具体的には、(Al1−xFe3−αで示される酸化物の理論構成比(Al+Fe):O=2:3に対して、(Al+Fe)サイトの構成原子が不足したことに起因する酸素原子の不足割合を示す。換言すると、αは、酸素欠陥量を示し、上記式(1)で示される複合酸化物の結晶構造に生じる空孔の割合を示す。
このような第1複合酸化物として、具体的には、例えば、主な結晶相としてスピネル型結晶相を有する複合酸化物(MgO・1〜3(Al1−xFe3−α)、主な結晶相としてスピネル型結晶相、マグネトプランバイト型結晶相およびアルミナ型結晶相の混合相を有する複合酸化物(MgO・4〜6(Al1−xFe3−α)、主な結晶相としてマグネトプランバイト型結晶相またはアルミナ型結晶相を有する複合酸化物(MgO・6(Al1−xFe3−α)などが挙げられる。
また、このような第1複合酸化物中、スピネル型結晶相を有する複合酸化物として、さらに具体的には、例えば、MgO・(Al0.98Fe0.02、MgO・(Al0.80Fe0.20、MgO・(Al0.50Fe0.50などが挙げられる。
そして、このような第1複合酸化物は、例えば、共沈法、クエン酸錯体法、アルコキシド法などによって、製造することができる。
共沈法では、例えば、上記した各元素の塩を所定の化学量論比で含む混合塩水溶液を調製し、この混合塩水溶液に中和剤を加えて共沈させた後、得られた共沈物を乾燥後、熱処理する。
各元素の塩としては、例えば、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、りん酸塩などの無機塩、例えば、酢酸塩、しゅう酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。また、混合塩水溶液は、例えば、各元素の塩を、所定の化学量論比となるような割合で水に加えて、攪拌混合することにより調製することができる。
その後、この混合塩水溶液に、中和剤を加えて共沈させる。中和剤としては、例えば、アンモニア、例えば、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン類などの有機塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムなどの無機塩基が挙げられる。なお、中和剤は、その中和剤を加えた後の溶液のpHが6〜10程度となるように加える。
そして、得られた共沈物を、必要により水洗し、例えば、真空乾燥や通風乾燥などにより乾燥させた後、例えば、500〜1400℃、好ましくは、600〜1200℃で熱処理することにより、第1複合酸化物を得る。
また、クエン酸錯体法では、例えば、クエン酸と上記した各元素の塩とを、上記した各元素に対し化学量論比よりやや過剰のクエン酸水溶液を加えてクエン酸混合塩水溶液を調製し、このクエン酸混合塩水溶液を乾固させて、上記した各元素のクエン酸錯体を形成させた後、得られたクエン酸錯体を仮焼成後、熱処理する。
各元素の塩としては、上記と同様の塩が挙げられ、また、クエン酸混合塩水溶液は、例えば、上記と同様に混合塩水溶液を調製して、その混合塩水溶液に、クエン酸の水溶液を加えることにより、調製することができる。
その後、このクエン酸混合塩水溶液を乾固させて、上記した各元素のクエン酸錯体を形成させる。乾固は、形成されるクエン酸錯体が分解しない温度、例えば、室温〜150℃程度で、水分を除去する。これによって、上記した各元素のクエン酸錯体を形成させることができる。その後、形成されたクエン酸錯体を仮焼成する。仮焼成は、例えば、真空または不活性雰囲気下において、250〜350℃で加熱する。
そして、例えば、500〜1400℃、好ましくは、600〜1200℃で熱処理することにより、第1複合酸化物を得る。
また、アルコキシド法では、例えば、上記した各元素のアルコキシドを、上記した化学量論比で含む混合アルコキシド溶液を調製し、この混合アルコキシド溶液に、水を加えて加水分解することにより、沈殿物を得る。
各元素のアルコキシドとしては、例えば、各元素と、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなどのアルコキシとから形成される(モノ、ジ、トリ)アルコラートや、下記一般式(3)で示される各元素の(モノ、ジ、トリ)アルコキシアルコラートなどが挙げられる。
E[OCH(R)−(CH−OR (3)
(式中、Eは、各元素を示し、R1は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示し、R2は、炭素数1〜4のアルキル基を示し、mは、1〜3の整数、nは、2〜4の整数を示す。)
アルコキシアルコラートは、より具体的には、例えば、メトキシエチレート、メトキシプロピレート、メトキシブチレート、エトキシエチレート、エトキシプロピレート、プロポキシエチレート、ブトキシエチレートなどが挙げられる。
そして、混合アルコキシド溶液は、例えば、各元素のアルコキシドを、上記した化学量論比となるように有機溶媒に加えて、攪拌混合することにより調製することができる。
有機溶媒としては、各元素のアルコキシドを溶解できれば、特に制限されないが、例えば、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類などが挙げられる。好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類が挙げられる。
そして、得られた沈殿物を、蒸発乾固し、その後、例えば、真空乾燥や通風乾燥などにより乾燥させた後、例えば、500〜1400℃、好ましくは、600〜1200℃で熱処理することにより、第1複合酸化物を得る。
第2複合酸化物としては、特に制限されず、例えば、上記と同様の複合酸化物が挙げられる。
また、第2複合酸化物としては、貴金属との相互作用(後述)が上記第1複合酸化物よりも強い複合酸化物が挙げられる。
このような第2複合酸化物として、より具体的には、例えば、下記式(2)で示されるCe−Zr含有複合酸化物が挙げられる。
(CeZr)Oxide (2)
(式中、Xは、La、Nd、YおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素を示す。また、0.1≦a≦0.8であり、0.1≦b≦0.9であり、0≦c≦0.2であり、a+b+c=1である。)
上記式(2)で示されるCe−Zr含有複合酸化物は、Ce(セリウム)およびZr(ジルコニウム)を必須成分として含有し、Xで示される元素を任意成分として含有する複合酸化物である。
上記式(2)において、Xで示される元素は、La(ランタン)、Nd(ネオジム)、Y(イットリウム)およびBa(バリウム)からなる群から選択される少なくとも1種である。
Xで示される元素として、好ましくは、Yが挙げられる。
また、上記式(2)において、aは、Ceの原子割合を示し、その範囲は、0.1≦a≦0.8、好ましくは、0.2≦a≦0.7である。
また、上記式(2)において、bは、Zrの原子割合を示し、その範囲は、0.1≦b≦0.9、好ましくは、0.3≦b≦0.8である。
また、上記式(2)において、cは、Xで示される元素の原子割合(総量)を示し、その範囲は、0≦c≦0.2、好ましくは、0≦c≦0.1である。
そして、上記式(2)において、a、bおよびcは、それらの総和(a+b+c)が1となるように、必要に応じて、適宜調整される。
また、上記式(2)において、Oxideは、酸素原子を示し、より具体的には、Ce−Zr含有複合酸化物に含有される酸素原子を示す。なお、酸素原子の原子割合は、Ce、ZrおよびXの原子割合、および、その複合酸化物の結晶構造から、適宜決定される。
このようなCe−Zr含有複合酸化物として、より具体的には、例えば、セリア系複合酸化物(上記式(2)において、a≧bである複合酸化物)、ジルコニア系複合酸化物(上記式(2)において、a<bである複合酸化物)などが挙げられる。
これらCe−Zr含有複合酸化物は、単独使用または2種類以上併用することができる。
Ce−Zr含有複合酸化物として、好ましくは、セリア系複合酸化物が挙げられる。
このようなCe−Zr含有複合酸化物(セリア系複合酸化物、ジルコニア系複合酸化物)は、特に制限されず、例えば、上記と同様の酸化物を調製するための適宜の方法、例えば、共沈法、クエン酸錯体法、アルコキシド法などによって、製造することができる。
そして、この方法では、第1複合酸化物および/または第2複合酸化物には、貴金属が含まれている。貴金属を含ませるには、第1複合酸化物および第2複合酸化物の両方、または、いずれか一方に、貴金属を担持および/または組成として含有させる。
貴金属としては、例えば、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Ag(銀)、Os(オスミウム)、Ir(イリジウム)、Pt(白金)などが挙げられる。
これら貴金属は、単独使用または2種類以上併用することができる。
貴金属として、好ましくは、Rh、Pd、Ptが挙げられ、より好ましくは、Pdが挙げられる。
第1複合酸化物に、貴金属を担持させるには、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、貴金属を担持させるための処方および焼成条件において、貴金属を含む塩の溶液を調製し、この含塩溶液を耐熱性酸化物に含浸させた後、焼成する。
含塩溶液としては、上記した例示の塩の溶液を用いてもよく、また実用的には、硝酸塩水溶液、ジニトロジアンミン硝酸溶液、塩化物水溶液などが挙げられる。
より具体的には、例えば、貴金属として、パラジウムを用いる場合には、パラジウム塩溶液として、例えば、硝酸パラジウム水溶液、ジニトロジアンミンパラジウム硝酸溶液、4価パラジウムアンミン硝酸溶液などが挙げられる。
また、貴金属として、ロジウムを用いる場合には、ロジウム塩溶液として、例えば、硝酸ロジウム溶液、塩化ロジウム溶液などが挙げられる。
また、貴金属として、白金を用いる場合には、白金塩溶液として、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液、塩化白金酸溶液、4価白金アンミン溶液などが挙げられる。
そして、第1複合酸化物に貴金属を含浸させた後は、例えば、100〜300℃で1〜48時間乾燥し、さらに、350〜1000℃で1〜12時間焼成する。
また、第1複合酸化物に貴金属を担持させる他の方法として、例えば、上記した各元素(貴金属を除く)の塩の溶液や混合アルコキシド溶液を共沈あるいは加水分解するときに、貴金属塩の溶液を加えて、第1複合酸化物の各成分(貴金属を除く)とともに貴金属を共沈させて、その後、焼成する方法が例示される。
また、2種類以上の貴金属を担持させる場合には、2種類以上の貴金属を、1度に担持させてもよく、また、複数回に分けて、順次担持させてもよい。
貴金属の担持量は、その目的および用途により適宜決定されるが、例えば、第1複合酸化物と貴金属との総量100質量部に対して、例えば、0.01〜5質量部である。
このような貴金属が担持された第1複合酸化物として、より具体的には、例えば、貴金属が担持された上記複合酸化物などが挙げられる。
貴金属が担持された上記複合酸化物は、下記式(4)で示される。
N/MgO・w(Al1−xFe3−α (4)
(式中、また、1≦w≦6であり、0<x≦1であり、αは、酸素原子の不足割合を示す。)
上記式(4)において、xおよびαは、上記式(1)と同意義である。
また、上記式(4)において、Nで示される貴金属としては、例えば、上記した貴金属が挙げられ、好ましくは、Rh、Pd、Ptが挙げられ、より好ましくは、Pdが挙げられる。
一方、第1複合酸化物に、貴金属を組成として含有させるには、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、貴金属を組成として含有させるための処方および焼成条件において、貴金属を含む塩の溶液を調製し、この含塩溶液を耐熱性酸化物に含浸させた後、焼成する。
貴金属を含む塩の溶液としては、上記と同様の溶液が挙げられる。
そして、第1複合酸化物に貴金属を含浸させた後は、例えば、100〜300℃で1〜48時間乾燥し、さらに、350〜1000℃で1〜12時間焼成する。
これにより、第1複合酸化物に、貴金属を組成として含有させることができる。
このような貴金属が組成として含有された第1複合酸化物として、より具体的には、例えば、貴金属が組成として含有された上記複合酸化物などが挙げられる。
貴金属が組成として含有された上記複合酸化物は、下記式(5)で示される。
MgO・w(Al1−y−zFe3−α (5)
(式中、Nは、貴金属を示す。また、1≦w≦6であり、0<y≦0.5であり、0<z≦0.1であり、αは、酸素原子の不足割合を示す。)
上記式(5)において、αは、上記式(1)と同意義である。
また、上記式(5)において、Nで示される貴金属としては、例えば、上記した貴金属が挙げられ、好ましくは、Rh、Pd、Ptが挙げられ、より好ましくは、Pdが挙げられる。
また、このようにして得られる貴金属を組成として含有する第1複合酸化物に、さらに、上記のように、貴金属を担持させることもできる。
このようにして得られる第1複合酸化物の貴金属の含有量(担持された貴金属と、組成として含有された貴金属との合計量)は、例えば、第1複合酸化物(貴金属を含む)の総量100質量部に対して、例えば、0.01〜5質量部、好ましくは、0.1〜3質量部である。
貴金属の含有量が、上記下限未満では、排気ガスを十分に浄化できない場合がある。
また、貴金属の含有量が、上記上限を超過すると、高温下、酸化還元変動下や長期使用時などにおいて、貴金属が合体することにより貴金属の粒子サイズが大きくなり、貴金属の有効表面積が減少することによって、触媒活性が低下する場合がある。さらに、貴金属の使用量が増えることから、コストパフォーマンスが低下する場合がある。
このようにして得られる第1複合酸化物(第1複合酸化物が貴金属を担持、および/または、組成として含有する場合には、その貴金属を含む。以下同様。)の平均二次粒子径(後述する粉砕の前の平均二次粒子径)は、例えば、5〜50μmである。
第1複合酸化物の平均二次粒子径(後述する粉砕の前の平均二次粒子径)は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分布測定装置)により、測定できる。
なお、第1複合酸化物の平均二次粒子径が、上記範囲を超過する場合には、公知の方法により粗粉砕し、その平均二次粒子径を上記範囲とすることもできる。
また、第2複合酸化物に、貴金属を担持させるには、特に制限されず、上記第1複合酸化物に貴金属を担持させる方法と同様の方法を用いることができる。
貴金属の担持量は、その目的および用途により適宜決定されるが、例えば、第2複合酸化物と貴金属との総量100質量部に対して、例えば、0.01〜5質量部、好ましくは、0.1〜3質量部である。
このような貴金属が担持された第2複合酸化物として、より具体的には、例えば、貴金属が担持されたCe−Zr含有複合酸化物などが挙げられる。
貴金属が担持されたCe−Zr含有複合酸化物は、下記式(6)で示される。
N/(CeZr)Oxide (6)
(式中、Nは、貴金属を示し、Xは、La、Nd、YおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素を示す。また、0.1≦a≦0.8であり、0.1≦b≦0.9であり、0≦c≦0.2であり、a+b+c=1である。)
上記式(6)において、X、a、b、cおよびOxideとは、上記式(2)と同意義である。
また、上記式(6)において、Nで示される貴金属としては、例えば、上記した貴金属が挙げられ、好ましくは、Rh、Pd、Ptが挙げられ、より好ましくは、Pdが挙げられる。
一方、第2複合酸化物に、貴金属を組成として含有させるには、特に制限されず、上記第1複合酸化物に貴金属を組成として含有させる方法と同様の方法を用いることができる。
このような貴金属が組成として含有された第2複合酸化物として、より具体的には、例えば、貴金属が組成として含有されたCe−Zr含有複合酸化物などが挙げられる。
貴金属が組成として含有されたCe−Zr含有複合酸化物は、下記式(7)で示される。
(CeZr)Oxide (7)
(式中、Nは、貴金属を示し、Xは、La、Nd、YおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素を示す。また、0.1≦d≦0.8であり、0.1≦e≦0.9であり、0≦f≦0.2であり、0.001≦g≦0.01であり、d+e+f+g=1である。)
上記式(7)において、Oxideとは、上記式(2)と同意義である。
また、上記式(7)において、Nで示される貴金属としては、例えば、上記した貴金属が挙げられ、好ましくは、Rh、Pd、Ptが挙げられる。
そして、上記式(7)において、d、e、fおよびgは、それらの総和(d+e+f+g)が1となるように、必要に応じて、適宜調整される。
また、このようにして得られる貴金属を組成として含有する第2複合酸化物に、さらに、上記のように、貴金属を担持させることもできる。
このようにして得られる第2複合酸化物の貴金属の含有量(担持された貴金属と、組成として含有された貴金属との合計量)は、例えば、第2複合酸化物(貴金属を含む)の総量100質量部に対して、例えば、0.01〜5質量部、好ましくは、0.1〜3質量部である。
貴金属の含有量が、上記下限未満では、排気ガスを十分に浄化できない場合がある。
また、貴金属の含有量が、上記上限を超過すると、高温下、酸化還元変動下や長期使用時などにおいて、貴金属が合体することにより貴金属の粒子サイズが大きくなり、貴金属の有効表面積が減少することによって、触媒活性が低下する場合がある。さらに、貴金属の使用量が増えることから、コストパフォーマンスが低下する場合がある。
また、このような第2複合酸化物(貴金属が担持、および/または、組成とした含有された第2複合酸化物を含む)には、さらに、アルカリ土類金属を担持させることができる。
アルカリ土類金属としては、例えば、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Ra(ラジウム)などが挙げられる。アルカリ土類金属として、好ましくは、Mg、Ca、Sr、Baが挙げられ、さらに好ましくは、Baが挙げられる。
これらアルカリ土類金属は、単独使用または2種類以上併用することができる。
第2複合酸化物において、アルカリ土類金属の担持量は、必要に応じて、適宜設定される。また、アルカリ土類金属は、例えば、Ce、Zr、および、必要により組成として含有される上記X(La、Nd、YおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素)の原子割合の総和100に対して、アルカリ土類金属の原子割合が、1〜30となる量、好ましくは、2〜15となる量で担持される。アルカリ土類金属が上記した範囲で担持されていれば、貴金属の粒成長を効果的に抑制することができる。
このようにして得られる第2複合酸化物(第2複合酸化物が貴金属を担持、および/または、組成として含有する場合には、その貴金属を含み、また、第2複合酸化物がアルカリ土類金属を担持する場合には、そのアルカリ土類金属を含む。以下同様。)の平均二次粒子径(後述する粉砕前の平均二次粒子径)は、例えば、5〜50μmである。
第2複合酸化物の平均二次粒子径(後述する粉砕の前の平均二次粒子径)は、上記第1複合酸化物の平均二次粒子径(後述する粉砕の前の平均二次粒子径)と同様にして、測定できる。
なお、第2複合酸化物の平均二次粒子径が、上記範囲を超過する場合には、公知の方法により粗粉砕し、その平均二次粒子径を上記範囲とすることができる。
なお、この方法では、好ましくは、第1複合酸化物および/または第2複合酸化物に、上記の方法により、貴金属を担持させる。さらに好ましくは、第1複合酸化物および第2複合酸化物の両方に貴金属を担持させる。
次いで、この方法では、第1複合酸化物および第2複合酸化物を、配合後、第1複合酸化物の平均二次粒子径が0.2〜5μmとなり、第2複合酸化物の平均二次粒子径が0.005〜0.1μmとなるまで粉砕および混合する。
第1複合酸化物および第2複合酸化物の配合量は、第1複合酸化物100質量部に対して、第2複合酸化物が、例えば、10〜300質量部、好ましくは、50〜200質量部である。
また、粉砕は、湿式粉砕または乾式粉砕のいずれでもよく、好ましくは、湿式粉砕が採用される。
湿式粉砕では、第1複合酸化物および/または第2複合酸化物に水を配合し、スラリーとした後、それらを配合し、湿式ビーズミルなどを用いて、粉砕する。
このような粉砕において、湿式ビーズミルのビーズ径(ボール径)は、例えば、30〜500μm、好ましくは、30〜70μmであり、また、粉砕時間は、例えば、5〜300分間、好ましくは、5〜25分間である。
また、乾式粉砕では、例えば、乾式ビーズミルなどを用いて、粉砕する。このような場合において、粉砕条件は、目的および用途に応じて、適宜選択される。
これにより、本発明の排ガス浄化用触媒を得る。
また、本発明の排ガス浄化用触媒では、例えば、上記のように第1複合酸化物および第2複合酸化物を粉砕した後、さらに、公知の方法により、上記の貴金属を担持させることもできる。
このような場合において、貴金属の担持量は、その目的および用途に応じて、適宜設定することができる。
そして、このようにして得られる排ガス浄化用触媒において、第1複合酸化物の平均二次粒子径は、上記したように、0.2〜5μmである。また、第2複合酸化物の平均二次粒子径は、上記したように、0.005〜0.1μmである。
第1複合酸化物および第2複合酸化物の平均二次粒子径(上記粉砕後における平均二次粒子径)は、走査型電子顕微鏡(SEM)像を測定し、その画像を解析することにより、求めることができる。
平均二次粒子径が上記範囲である第1複合酸化物と、平均二次粒子径が上記範囲である第2複合酸化物とが混合されていれば、貴金属の触媒活性と劣化原因である粒成長を抑制でき、初期から耐久後まで優れた触媒活性を得ることができる。
排ガス浄化用触媒の平均二次粒子径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック粒度分布測定装置)により、測定できる。
なお、このような排ガス浄化用触媒は、第1複合化合物および第2複合化合物を粉砕せずに、例えば、共沈法などの公知の方法により製造することもできる。
また、このような排ガス浄化用触媒は、例えば、さらに、造粒して用いることもできる。
造粒では、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。より具体的には、例えば、上記により得られた排ガス浄化用触媒(粉末)を、例えば、ボールミルなどの公知の粉砕機により、粗粉砕する。
そして、このようにして得られる本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体上にコート層として形成される。
触媒担体としては、特に限定されず、例えば、コージェライトなどからなるハニカム状のモノリス担体など、公知の触媒担体が挙げられる。
触媒担体上にコート層として形成するには、例えば、まず、第1複合酸化物(必要により貴金属を含む)、および、第2複合酸化物(必要により貴金属を含む)のそれぞれ、または、一方に、水、アルミナ、アルミナゾルなどを加えてスラリーとした後、これらを混合して、触媒担体上にコーティングし、約50〜250℃で約1〜48時間乾燥し、さらに、約350〜1000℃で約1〜12時間焼成すればよい。
また、第1複合酸化物(必要により貴金属を含む)、および、第2複合酸化物(必要により貴金属を含む)を、上記のように混合(さらに、必要により造粒)した後に、これに水、アルミナ、アルミナゾルなどを加えてスラリーとし、このスラリーを触媒担体上にコーティングし、約50〜300℃で約1〜48時間乾燥し、さらに、約350〜1000℃で約1〜12時間焼成してもよい。
このようにして得られる本発明の排ガス浄化用触媒では、触媒担体1Lあたり、第1複合酸化物(場合により、貴金属を含む)の担持量が、例えば、10〜200g、第2複合酸化物(場合により、貴金属を含む)の担持量が、例えば、10〜200gである。
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、触媒担体上に、1層のコート層として形成してもよいが、2層以上の多層(複数層)のコート層として形成してもよい。
触媒担体上に多層のコート層を形成する場合には、各層の成分を含むスラリーを触媒担体上に順次コーティングして、各層ごとに、乾燥および焼成すればよい。
そして、このような排ガス浄化用触媒において、貴金属と、第1複合酸化物および第2複合酸化物との間には、それぞれ、相互作用(互いに引き合う力)が発現される。
このとき、貴金属の各粒子は、より強く相互作用を発現する複合酸化物(第2複合酸化物)に誘引されるように、排ガス浄化用触媒の表面を移動する。
このような場合において、第1複合酸化物および/または第2複合酸化物の平均二次粒子径が、上記範囲にない場合には、貴金属の各粒子の移動方向および移動先が重複し、各粒子の合体および粒成長を生じやすくなる。このような場合には、貴金属の粒子の有効表面積が減少して、その結果、触媒活性が低下しやすくなるという不具合がある。
一方、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、平均二次粒子径が0.2〜5μmの第1複合酸化物と、平均二次粒子径が0.005〜0.1μmの第2複合酸化物と、第1複合酸化物および/または第2複合酸化物に含まれる貴金属とを含有する排ガス浄化用触媒を効率良く製造することができる。
そして、本発明の排ガス浄化用触媒では、第1複合酸化物の平均二次粒子径が0.2〜5μmであり、第2複合酸化物の平均二次粒子径が0.005〜0.1μmであり、さらに、それらが均一に混合されているため、第1複合酸化物および第2複合酸化物の表面における、貴金属の移動および粒成長を抑制できる。
そのため、本発明の排ガス浄化用触媒によれば、長期にわたって、優れた触媒活性を実現することができる。
次に、本発明を製造例、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
製造例1
硝酸マグネシウム Mg換算で0.100モル
硝酸アルミニウム Al換算で0.196モル
硝酸鉄 Fe換算で0.004モル
上記の成分を、500mL容量の丸底フラスコに加え、脱イオン水100mLを加えて攪拌溶解させることにより、混合塩水溶液を調製した。次いで、炭酸ナトリウム25.0gを脱イオン水200gに溶解して調製したアルカリ性水溶液(中和剤)に、上記した混合水溶液を、徐々に滴下して共沈物を得た。この共沈物を水洗して、濾過した後、80℃で真空乾燥させた。次いで、800℃で、1時間熱処理して、MgO(Al0.98Fe0.02からなる複合酸化物の粒子を得た。なお、この粒子は、X線回折の結果、スピネル構造を有していることが確認された。
次に、得られた粒子50gを、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて10分間攪拌することにより、脱イオン水中に分散させてスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、上記粒子に対するパラジウムの担持量が0.5質量%となる量で添加して分散させた。
次いで、この分散液を吸引濾過した後、250℃で1時間大気乾燥させた。続いて、大気雰囲気、500℃で1時間焼成することにより、Pdが担持された、MgO(Al0.98Fe0.02からなる複合酸化物の粉末(Pd/MgO(Al0.98Fe0.02)を得た(Pd含有量:0.5質量%)。
得られたPd/MgO(Al0.98Fe0.02の平均二次粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置(型番:LS13、ベックマン・コールター社製)により測定したところ、5μmであった。
製造例2
硝酸セリウム Ce換算で0.050モル
オキシ硝酸ジルコニウム Zr換算で0.045モル
硝酸イットリウム Y換算で0.005モル
上記の成分を、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて攪拌溶解させることにより、混合塩水溶液を調製した。次いで、この混合塩水溶液に、10質量%の水酸化アンモニウム水溶液を室温で徐々に滴下して、混合塩水溶液中に共沈物を生じさせた。次いで、共沈物が生じた混合塩水溶液を60分間攪拌し、その後、この水溶液を濾過することにより共沈物を得た。
続いて、この共沈物を脱イオン水で十分洗浄し、110℃で真空乾燥させ、共沈物を粉砕して粒子とし、この粒子を、大気雰囲気、600℃で1時間焼成(1次焼成)することにより、セリウム、ジルコニウムおよびイットリウムからなる複合酸化物(Ce−Zr含有複合酸化物)の粒子を得た。
次に、得られた粒子50gを、丸底フラスコに加え、脱イオン水500mLを加えて10分間攪拌することにより、脱イオン水中に分散させてスラリーを調製した。
次いで、このスラリーを、硝酸パラジウム水溶液に、後述するPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物に対するパラジウムの担持量が、0.5質量%となる量で添加して分散させた。
その後、スラリー(Ce−Zr含有複合酸化物)を添加した溶液を、蒸発乾固し、大気雰囲気、500℃で1時間焼成することにより(2次焼成)、硝酸パラジウム水溶液に含有されるPdの全量が担持されたCe−Zr含有複合酸化物の粒子(Pd/Ce−Zr含有複合酸化物)を得た。
次いで、酢酸バリウムを、丸底フラスコに加え、脱イオン水100mLを加えて溶解させた。次いで、Pd/Ce−Zr含有複合酸化物の粒子50gを、酢酸バリウム水溶液中に添加してスラリーを調製した。なお、酢酸バリウム水溶液の濃度は、後述するPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物において、Ce、ZrおよびYの原子割合の総和100に対して、Baの原子割合が、5となるように調整した。
次いで、このスラリーを、真空乾燥させて、水分を除去することにより、Pd/Ce−Zr含有複合酸化物に、さらにBaを担持させた。
そして、大気雰囲気中、1000℃で3時間焼成(最終焼成)することにより、PdおよびBaが担持された、Ce、ZrおよびYを含む複合酸化物(Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物)を得た(Pd含有量:0.5質量%)。
なお、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物を、X線回折解析に供したところ、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物は、一般式:(Ce,Zr,Y,Pd)Oで表わされる複合酸化物を主成分として含み、副成分として、一般式:Ba(Ce,Pd)Oで表わされる複合酸化物を含んでいることが確認された。
その結果、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物では、(Ce,Zr,Y,Pd)Oで示される複合酸化物に、Ba(Ce,Pd)Oで示される複合酸化物が担持されていることが確認された。
また、得られたPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物の平均二次粒子径を、マイクロトラック粒度分布測定装置(型番:LS13、ベックマン・コールター社製)により測定したところ、9μmであった。
実施例
製造例1において得られたPd/MgO(Al0.98Fe0.02と、製造例2で得られたPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物とを、1:1の質量比で配合し、水を加えることにより、スラリー(固形分濃度23質量%)を調製した。
次いで、得られたスラリーに含まれるPd/MgO(Al0.98Fe0.02およびPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物を、ウルトラアペックスミル(型番:UAM−015、ビーズ径50μm、寿工業社製)により、16分間、混合および粉砕し、混合粉末(スラリー)を得た。
得られた混合粉末(スラリー)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を測定し、その画像を解析したところ、Pd/MgO(Al0.98Fe0.02の平均二次粒子径が、0.2μm(200nm)であり、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物の平均二次粒子径が、0.01〜0.02μm(10〜20nm)であった。得られたSEM像を、図1に示す。
また、混合粉末全体としての粒度分布の50%累積径(D50)を、マイクロトラック粒度分布測定装置(型番:LS13、ベックマン・コールター社製)により測定したところ、0.9μmであった。
次いで、得られた混合粉末(スラリー)を、200℃において、10時間乾燥させた後、乳鉢により粗粉砕した。得られた粉末の粒度分布の50%累積径(D50)を、マイクロトラック粒度分布測定装置(型番:LS13、ベックマン・コールター社製)により測定したところ、5μmであった。
次いで、得られた粉末20gに、水20g、アルミナゾル1.3gおよびアルミナ6gを加えることにより、スラリーを調製した。
このスラリーを、6ミル/400セル、φ30mm×50mmのコージェライト質のハニカム担体1リットルに対して、Pd/MgO(Al0.98Fe0.02が50g、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物が50gとなるように注入し、均一にコーティングし、250℃で乾燥後、500℃で焼成することにより、排ガス浄化用触媒を得た。
得られた排ガス浄化用触媒のハニカム担体1リットルに対するPdの含有量は、0.5gであった。
比較例
Pd/MgO(Al0.98Fe0.02のスラリーと、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物とを、湿式ボールミル(型番:MA−01SC、三井三池社製社製)により、混合および粉砕した以外は、実施例と同様にして、混合粉末(スラリー)を得た。
得られた混合粉末(スラリー)の走査型電子顕微鏡(SEM)像を測定し、その画像を解析したところ、Pd/MgO(Al0.98Fe0.02の二次粒子径が、4〜10μmであり、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物の二次粒子径が、2〜6μmであった。得られたSEM像を、図2に示す。
また、混合粉末全体としての粒度分布の50%累積径(D50)を、マイクロトラック粒度分布測定装置(型番:LS13、ベックマン・コールター社製)により測定したところ、5μmであった。
次いで、得られた混合粉末(スラリー)20gに、水20g、アルミナゾル1.3gおよびアルミナ6gを加えることにより、スラリーを調製した。
このスラリーを、6ミル/400セル、φ30mm×50mmのコージェライト質のハニカム担体1リットルに対して、Pd/MgO(Al0.98Fe0.02が50g、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物が50gとなるように注入し、均一にコーティングし、250℃で乾燥後、500℃で焼成することにより、排ガス浄化用触媒を得た。
得られた排ガス浄化用触媒のハニカム担体1リットルに対するPdの含有量は、0.5gであった。
評価
試験例1
1)高温耐久処理(R/L 1000℃)
上記により得られた実施例および比較例の排ガス浄化用触媒を、次の条件で高温耐久処理した。
この高温耐久処理では、雰囲気温度を1000℃に設定し、不活性雰囲気4分、酸化雰囲気4分、不活性雰囲気4分および還元雰囲気4分の計16分を1サイクルとし、このサイクルを150サイクル、合計40時間繰り返して、各実施例および各比較例で得られた粒子を、酸化雰囲気と還元雰囲気とに交互に暴露した後、還元雰囲気のまま室温まで冷却した。
なお、各雰囲気は、高温水蒸気を含む下記の組成のガスを、300×10−3/hrの流量で供給することによって調製した。また、雰囲気温度は、約1000℃に維持した。
不活性雰囲気ガス組成:15%CO、10%HO、BalanceN
酸化雰囲気ガス組成:20%O、15%CO、10%HO、BalanceN
還元雰囲気ガス組成:8%CO、15%CO、10%HO、BalanceN
2)Pdの粒子サイズの測定
耐久試験後の実施例および比較例の粒子(粉末)におけるPdの粒子サイズ(粒径)を、電界放射型走査電子顕微鏡(Fe−SEM)撮影により評価した。実施例の粒子のFe−SEM像を図3に、比較例の粒子のFe−SEM像を図4に示す。
3)20%浄化温度
耐久試験後の実施例および比較例の粒子(粉末)を、0.5mm〜1.0mmのサイズのペレットに成型して試験片を調製した。
表1に示すモデルガス組成を用いて、このモデルガスの燃焼によって排出される排気ガスの温度を、室温から450℃まで、20℃/分の割合で上昇させつつ、モデルガスを各試験片に供給し、排ガス中のHC、NOおよびCOが、20%浄化されるときの温度(20%浄化温度:℃)を測定した。
結果を表2および図5に示す。
4)表面状態解析
耐久試験前後の実施例および比較例の粒子(粉末)の表面におけるPd/スピネル型複合酸化物およびPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物の原子割合(%)を、X線光電子分光法(XPS)により測定した。その結果を、図6に示す。
5)考察
図1に示すように、実施例の粉末は、Pd/MgO(Al0.98Fe0.02の上に、微細なPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物が分散していることが確認された。
一方、図2に示すように、比較例の粉末では、Pd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物が偏在し、その分散が確認されなかった。
また、図3に示すように、実施例の粉末では、耐久試験後においてもPdの合体凝集および粒成長が確認されなかった。
一方、図4に示すように、比較例の粉末では、耐久試験後において、Pdの合体凝集および粒成長が確認された。
また、図5に示すように、実施例の粉末は、比較例の粉末に比べ、長期にわたって、優れた触媒活性を実現することが確認された。
また、図6に示すように、実施例の粉末は、その表面のPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物の原子割合が、耐久試験の前後いずれにおいても、比較例の粉末に比べて高いことが確認された。
以上のことから、平均二次粒子径が0.2〜5μmのPd/MgO(Al0.98Fe0.02と、平均二次粒子径が0.005〜0.1μmのPd/Ba/Ce−Zr含有複合酸化物とを含有する排ガス浄化用触媒によれば、その表面における、貴金属の移動および粒成長を抑制でき、長期にわたって、優れた触媒活性を実現することができることが確認された。

Claims (3)

  1. 平均二次粒子径が0.2〜5μmの第1複合酸化物と、
    平均二次粒子径が0.005〜0.1μmの第2複合酸化物と、
    前記第1複合酸化物および/または前記第2複合酸化物に含まれる貴金属と
    を含有することを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
  2. 前記第1複合酸化物が、下記式(1)で示され、
    前記第2複合酸化物が、下記式(2)で示されることを特徴とする、請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
    MgO・w(Al1−xFe3−α (1)
    (式中、1≦w≦6であり、0<x≦1であり、αは、酸素原子の不足割合を示す。)
    (CeZr)Oxide (2)
    (式中、Xは、La、Nd、YおよびBaからなる群から選択される少なくとも1種の元素を示す。また、0.1≦a≦0.8であり、0.1≦b≦0.9であり、0≦c≦0.2であり、a+b+c=1である。)
  3. 平均二次粒子径が5〜50μmの第1複合酸化物、および/または、平均二次粒子径が5〜50μmの第2複合酸化物に貴金属を含有させる工程と、
    前記第1複合酸化物および前記第2複合酸化物を、配合後、前記第1複合酸化物の平均二次粒子径が0.2〜5μmとなり、前記第2複合酸化物の平均二次粒子径が0.005〜0.1μmとなるまで粉砕および混合する工程と
    を備えることを特徴とする、排ガス浄化用触媒の製造方法。
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