JP2011241700A - カムシャフトの軸受構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムシャフトの軸受構造の位置ずれを防止する。
【解決手段】このシリンダヘッド10では、カムハウジング14のカムキャップ12に当接する上面14aに、位置決め用の孔34が形成されており、カムキャップ12のカムハウジング14に当接する下面12bに、位置決め用の孔44が形成されている。ノックピン30を用いてカムキャップ12とカムハウジング14を位置決めする際に、ノックピン30の下部32が孔34に圧入され、ノックピン30の上部34が孔44に圧入される。これによって、ノックピン30を介してカムキャップ12とカムハウジング14とを移動不能に位置決めすることができ、カムキャップ12とカムハウジング14の位置ずれを防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、カムシャフトの軸受構造に関し、特にノックピンを用いてカムシャフトの軸受構造を位置決めする技術に関する。
従来から、カムキャップ(カムブラケット)とカムハウジング(カムキャリア)を備えるシリンダヘッドが知られている(例えば、特許文献1)。シリンダヘッドは、シリンダブロック上に載置されており、カムシャフトを回転可能に軸支するジャーナル穴が形成されている。ジャーナル穴は、カムキャップとカムハウジングの境界部に亘って配置されることがある。このようなシリンダヘッドでは、ジャーナル穴を形成する際に、カムキャップとカムハウジングをボルト等で締結した状態でジャーナル穴を共加工することがある。こうすることによって、カムキャップとカムハウジングに別々にジャーナル穴を加工する場合に比べて、ジャーナル穴を精度よく形成することができるという。
特開平11−247710号公報
カムシャフトをシリンダヘッドに組み付ける際には、カムハウジングとカムキャップにジャーナル穴を共加工した場合であっても、カムキャップをカムハウジングから取り外し、カムハウジングにカムシャフトを載置した後、カムキャップを再びカムハウジングに取り付け、ボルト等で締結する必要がある。
しかしながら、図1に示すように、カムハウジング14とカムキャップ12を締結するボルト40等が挿通される貫通孔46は、ボルト40等に比べて一般に広く形成されており、ボルト40等とカムキャップ12の間には、「遊び」と呼ばれる隙間48が設けられる。そのため、カムハウジングとカムキャップにジャーナル穴を共加工した場合でも、カムキャップをカムハウジングに再取り付けする際に、カムハウジングとカムキャップがその「遊び」だけ位置ずれすることがあり、ジャーナル穴を精度よく位置決めすることができない。カムハウジングとカムキャップにノックピンを挿入する孔を設けておき、ノックピンを用いてカムハウジングとカムキャップの位置決めをすることで、ジャーナル穴の位置ずれを小さく抑制することができる。しかしながら、図7に示すように、従来の技術では、ノックピン50は一方側54(ここでは、カムハウジング側)に圧入されるのに対して、他方側52(ここでは、カムキャップ側)との間には隙間はめされる。つまり、ノックピン50と他方側52の間に隙間56が設けられており、この隙間56だけ位置ずれをすることを抑制することができなかった。
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであって、カムシャフトの軸受構造の位置ずれを防止することができる技術を提供することにある。
本発明は、第1軸受部材(一例:カムハウジング)と第2軸受部材(一例:カムキャップ)とをノックピンを用いて位置決めすることで構成されるカムシャフトの軸受構造に関する。
このカムシャフトの軸受構造では、第1軸受部材の第2軸受部材に当接する面に、第1孔が形成されている。また、第2軸受部材の第1軸受部材に当接する面に、第2孔が形成されている。ノックピンの一端側の第1部が、第1孔に圧入され、ノックピンの他端側の第2部が、第2孔に圧入される。
本発明では、ノックピンが第1軸受部材の第1孔と第2軸受部材の第2孔の両方に圧入される。そのため、ノックピンを介して第1軸受部材と第2軸受部材とを移動不能に位置決めすることができ、第1軸受部材と第2軸受部材の位置ずれを確実に防止することができる。
本発明では、ノックピンが第1軸受部材と第2軸受部材の両方に圧入される。そのため、カムシャフトの軸受構造にカムシャフトを組み付ける際等に第1軸受部材を第2軸受部材から取り外すと、ノックピンが第1軸受部材と第2軸受部材のいずれに圧入された状態となるかが不明となる。例えばカムシャフトが載置され、下側に固定された第1軸受部材に第2軸受部材を上側から取り付ける場合、ノックピンが第2軸受部材に圧入されていると、第1軸受部材に設けられた孔を基準として第2軸受部材の位置決めをすることとなり、ノックピンを基準として位置決めする場合に比べて第1軸受部材と第2軸受部材を取り付ける際の作業効率が低下してしまう。
本発明では、第1部を第1孔から引き抜くのに必要な第1引抜力が、第2部を第2孔から引き抜くのに必要な第2引抜力よりも大きく設定されている。そのため、第2軸受部材を第1軸受部材から取り外した場合には、ノックピンが第2軸受部材から離反し、第1軸受部材に圧入された状態とすることができる。これによって、第1軸受部材と第2軸受部材の位置ずれを防止することができ、再組性を向上させるとともに、第1軸受部材と第2軸受部材を取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
第1部と第1孔の間の圧入代は、第2部と第2孔の間の圧入代よりも大きいことが好ましい。ここで、「圧入代」とは、軸受部材とノックピンが干渉する部分をいう。ノックピンと孔の間に圧入代があると、孔にノックピンを圧入した際に、孔又はノックピンが弾性変形し、これに起因して孔とノックピンの間に摩擦力が作用する。そのため、圧入代が大きいほど、孔とノックピンの間に作用する摩擦力が強まり、孔からノックピンを引き抜くのに必要な引抜力が増大する。本発明では、第1部と第1孔の間の圧入代を第2部と第2孔の間の圧入代よりも大きくすることで、第1引抜力が第2引抜力よりも大きいカムシャフトの軸受構造を実現することができる。
第1部の軸方向と第1孔の側面の面方向との第1劣角は、第2部の軸方向と第2孔の側面の面方向との第2劣角より大きいことが好ましい。ここで「劣角」とは、2つの方向によって指定される平面内において、その2つの方向のなす角のうち、小さい角を意味している。
通常、ノックピンは軸方向に押圧されて孔に挿入される。つまり、ノックピンの軸方向は、対応する孔へノックピンを圧入する方向に等しく、また、孔からノックピンを引き抜く方向に等しい。また、孔とノックピンの間に作用する摩擦力は、孔の側面の面方向と直行した方向に作用し、孔からノックピンを引き抜く方向と摩擦力が作用する方向が一致しない場合、孔からノックピンを引き抜く方向には、摩擦力の分力が作用する。孔からノックピンを引き抜く方向(つまり、ノックピンの軸方向)に作用する摩擦力の分力は、孔からノックピンを引き抜く方向と孔の側面の面方向との間の角が大きいほど増大する。すなわち、ノックピンの軸方向と孔の側面の面方向との劣角が大きいほど増大する。
上記の構成によれば、第1部と第1孔の間に作用する摩擦力と第2部と第2孔の間に作用する摩擦力が等しい場合でも、第1向きに作用する摩擦力を第2向きに作用する摩擦力よりも大きくすることができる。これによって、第1引抜力が第2引抜力よりも大きいカムシャフトの軸受構造を実現することができる。
第1孔は第1向きに円柱状をしており、第2孔は第2向きにテーパ状をしていることが好ましい。第2孔が第2向きに対してテーパ形状をしていると、第2孔に第2部を挿入することで第1軸受部材と第2軸受部材を位置決めすることができ、第1軸受部材と第2軸受部材を取り付ける際の作業効率を向上させることができる。また、第1孔が第1向きに対して円柱形状をしており、第2孔が第2向きに対してテーパ形状をしていると、第1劣角を第2劣角よりも大きくすることができ、第1引抜力が第2引抜力よりも大きいカムシャフトの軸受構造を実現することができる。
第1軸受部材が第1部材で構成されており、第2軸受部材が第2部材で構成されており、ノックピンが第3部材で構成されている場合、第1部材と前記第2部材は異なっており、第1部材と第3部材の間の摩擦係数が、第2部材と第3部材の間の摩擦係数よりも大きいことが好ましい。これにより、第1部と第1孔の間に作用する摩擦力を第2部と第2孔の間に作用する摩擦力よりも大きくすることができ、第1引抜力が第2引抜力よりも大きいカムシャフトの軸受構造を実現することができる。
従来から第1軸受部材と第2軸受部材を締結具(ボルト等)によって締結することが行われている。この場合、第2部を第2孔に圧入するのに必要な圧入力は、締結具の締結力よりも小さいことが好ましい。これによって、第2軸受部材にノックピンを圧入する場合でも、締結具を締結する際に第1軸受部材と第2軸受部材に作用する力を用いて第2部を第2孔に圧入することができ、作業効率が悪化することが防止される。
本発明によれば、カムシャフトの軸受構造の位置ずれを防止することができる。
シリンダヘッド10の断面図 ノックピン30の下部32と孔34の関係及びノックピン30の上部42と孔44の関係を示す図 シリンダヘッド110の断面図 ノックピン130の断面図 ノックピン130の拡大断面図 シリンダヘッド210の断面図 従来のノックピンを用いた位置決めを説明する図
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、車両に搭載されるエンジンには、シリンダが配されているシリンダブロック(図示しない)の上面側にヘッドガスケット(図示しない)を介してシリンダヘッド10(カムシャフトの軸受構造の一例)が固定される。シリンダヘッド10は、カムキャップ12(第2軸受部材の一例)とカムハウジング14(第1軸受部材の一例)とを備えている。カムキャップ12とカムハウジング14は、アルミ合金等の同一部材で構成されている。カムハウジング14の内部には、燃料と酸素との混合ガスをシリンダに吸気するための吸気バルブや、混合ガスが燃焼した燃焼ガスをシリンダから排気するための排気バルブ等のバルブ20が収容されており、カムキャップ12とカムハウジング14の境界部16には、バルブ20の開閉タイミングを決定するカムシャフト24を回転可能に軸支するジャーナル穴28が形成されている。
カムキャップ12には、上面12aからカムハウジング14に当接する下面12bへと貫通する貫通孔46が形成されている。また、カムハウジング14のカムキャップ12に当接する上面14aの貫通孔46に対応する位置には、ボルト40と螺合する締結孔36が形成されている。貫通孔46の直径は、ボルト40の直径よりも大きく、締結孔36の直径は、ボルト40の直径と等しい。カムキャップ12とカムハウジング14を締結する際には、貫通孔46にボルト40を貫通させ、ボルト40と締結孔36を螺合する。ボルト40とカムキャップ12の間には、隙間48が設けられている。そのため、ボルト40を用いてカムキャップ12とカムハウジング14を位置決めした場合には、カムハウジング14とカムキャップ12は、ボルト40と貫通孔46の間の隙間48だけ移動可能に位置決めされる。
カムキャップ12の下面12bには、円柱形状のノックピン30の上部42(第2部に相当)を挿入するための円柱形状の孔44(第2孔に相当)が形成されている。孔44の深さは、上部42の高さ以上となるように設定されている。図2に示すように、孔44の直径φ1は、上部42の直径φ2より小さく設定されている。つまり、孔44と上部42との間に圧入代S1(=φ2−φ1)が形成されている。なお図2では、説明のために圧入代S1が厚く記載されている。そのため、上部42を孔44に挿入すると、上部42が孔44に圧入され、カムキャップ12にノックピン30が移動不能に固定される。なお、圧入代S1の厚さは10μm程度であり、以下に示す実施形態の圧入代も同程度である。
カムハウジング14の上面14aの孔44に対応する位置には、円柱形状のノックピン30の下部32(第1部に相当)を挿入するための円柱形状の孔34(第1孔に相当)が形成されている。孔34の深さは、下部32の高さに等しく、上部42の高さに等しい。図2に示すように、孔34の直径φ3は、下部32の直径φ4より小さく設定されている。つまり、孔34と下部32との間に圧入代S2(=φ4−φ3)が形成されている。そのため、下部32を孔34に挿入すると、下部32が孔34に圧入され、カムハウジング14にノックピン30が移動不能に固定される。
本実施例では、カムキャップ12にノックピン30が移動不能に固定され、カムハウジング14にノックピン30が移動不能に固定される。そのため、ノックピン30を介してカムキャップ12とカムハウジング14が移動不能に位置決めされる。これによって、カムキャップ12とカムハウジング14の間に位置ずれが生じることを確実に防止することができる。例えば、カムキャップ12とカムハウジング14にジャーナル穴28が共加工された後、カムキャップ12をカムハウジング14から取り外し、再びカムキャップ12をカムハウジング14に取り付けた場合でも、精度よくジャーナル穴を再現することができる。
また本実施例では、孔34とノックピン30の下部32との間の圧入代S2が、孔44とノックピン30の上部42との間の圧入代S1よりも大きくなるように設定されている。そのため、孔34と下部32の間に作用する摩擦力は、孔44と上部42との間に作用する摩擦力より大きくすることができる。すなわち、ノックピン30の下部32を孔34から引き抜くのに必要な力F1(第1引抜力に相当)を、ノックピン30の上部42を孔44から引き抜くのに必要な力F2(第2引抜力に相当)よりも大きくすることができる。これによって、一度取り付けたカムキャップ12とカムハウジング14を取り外す場合でも、ノックピン30がカムキャップ12から離脱し、カムハウジング14に圧入された状態とすることができる。カムシャフト24を収容後、再びカムキャップ12をカムハウジング14に取り付ける際に、カムハウジング14の上面14aから突出したノックピン30を基準としてカムキャップ12を位置決めすることができ、カムキャップ12をカムハウジング14に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
本実施形態では、孔34とノックピン30の下部32との間の圧入代S2が、孔44とノックピン30の上部42との間の圧入代S1よりも大きくなるように設定されており、ノックピン30の下部32を孔34に圧入するのに必要な力が、ノックピン30の上部42を孔44に圧入するのに必要な力より大きく設定されている。本実施形態では、さらに、ノックピン30の上部42を孔44に圧入するのに必要な力が、締結孔36にボルト40を螺合するのに必要な結合力よりも小さくなるように設定されている。そのため、ノックピン30の直上に孔44が配置されるようにカムキャップ12を載置し、貫通孔46を通して締結孔36にボルト40を螺合すると、カムキャップ12がカムハウジング14に結合されると同時に、ボルト40を螺合する締結力によりノックピン30の上部42が孔44に圧入され、カムキャップ12とカムハウジング14が位置決めされる。これによって、ノックピン30の上部42が孔44に圧入される場合でも、従来から行われているカムキャップ12とカムハウジング14の締結工程と同時にノックピン30の上部42を孔44に圧入することができ、作業工程の増加により作業効率が悪化するのを防止することができる。
<実施形態2>
図3に本発明の第2実施形態の構造を示す。本実施形態のシリンダヘッド110では、実施形態1のシリンダヘッド10と比べて、ノックピン130の上部142と孔144の形状を変更したものであり、その他の構造については重複する説明を省略する。
図4に拡大して示すように、ノックピン130の上部142は円錐状(テーパ状)をしており、ノックピン130の下部32は円柱状をしている。上部142と下部32は、その軸Zが一致している。上部142の最下部における直径は、下部32の直径と等しく設定されており、上部142と下部32は、その接続部において直径が連続している。円錐状の上部142の側面は、軸Zとθ1(0<θ1<π)の角度をなしている。その一方、円柱状の上部142の側面は、軸Zと平行に伸びている。
カムキャップ112の下面112bには、円錐状の上部142を挿入するための円錐状の孔144(第2孔に相当)が形成されている。孔144の深さは、上部142の高さに等しく、下部32及びカムハウジング14に設けられた孔34の高さに等しい。また、孔144の任意の深さにおける断面の直径は、上部142の対応する高さにおける断面の直径より小さく設定されている。つまり、孔144と上部142との間に圧入代が形成されている。そのため、上部142を孔144に挿入すると、上部142が孔144に圧入され、カムキャップ112にノックピン30が移動不能に固定される。
ノックピン130では、上部142を軸Zの方向に押圧することで、孔144に圧入され、下部32を軸Zの方向に押圧することで、孔34に圧入される。図4に示すように、孔144に上部142を圧入し、孔34に下部32を圧入した状態で、軸Zは鉛直方向となる。すなわち、上部142の軸方向及び下部32の軸Zの方向は共に鉛直方向である。そのため、上部142を孔144から引き抜く際には、上部142を鉛直下向きに引っ張り、下部32を孔34から引き抜く際には、下部32を鉛直上向きに引っ張る。
なお、本実施形態では、カムキャップ112とカムハウジング14は、同一部材で構成されている。また、孔34とノックピン130の下部32との間の圧入代が、孔144とノックピン130の上部142との間の圧入代以上となるように設定されている。
本実施形態では、上部142及び孔144が円錐状をしている。そのため、孔144に上部142を挿入した場合、孔144と上部142をお互いの円錐状の側面に沿って相対移動させることで位置決めすることができる。これによって、カムキャップ112をカムハウジング14に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
また本実施例では、下部32及び孔34が円柱状をしている。そのため、図5に図4の点線部Vを拡大して示すように、孔34から下部32を引き抜く方向D1(鉛直方向であり第1部の軸方向に相当)が、孔34の側面に沿った方向となり、孔34の側面の面方向H1に直行する(すなわち、第1劣角=90度)。これによって、下部32と孔34の間の摩擦力M1が向きD1と同一直線状に作用し、その向きが逆向きとなる。つまり、ノックピン130の下部32を孔34から引き抜くのに必要な力F1は、摩擦力M1よりも大きいことが必要となる。
その一方、上部142及び孔144が円錐状をしている。そのため、図5に示すように、孔144から上部142を引き抜く方向D2(鉛直方向であり第2部の軸方向に相当)が、孔144の側面に沿った方向と一致せず、孔144の側面の面方向H2との間に所定の鋭角θ2(第2劣角に相当:θ2=π−θ1)をなす。これによって、上部142と孔144の間の摩擦力M2が向きD2と同一直線状に作用せず、向きD2の逆向きには摩擦力M2の分力Mb2が作用する。つまり、ノックピン130の上部142を孔144から引き抜くのに必要な力F2は、摩擦力M1の分力Mb1よりも大きければよい。
本実施例では、摩擦力M1と摩擦力M2が等しい場合であっても、ノックピン30の下部32を孔34から引き抜くのに必要な力F1を、ノックピン30の上部142を孔144から引き抜くのに必要な力F2よりも大きくすることができる。これによって、実施形態1と同様に、カムキャップ112をカムハウジング14に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態にも応用することができる。
(1)上記実施形態では、カムキャップ12とカムハウジング14の材質を同一として説明を行ったが、カムキャップ12とカムハウジング14が異なる部材から構成されていてもよい。この場合、これらの部材は、ノックピン30の上部42と下部32を構成する単一の部材との間に、カムキャップ12に用いられる部材とノックピン30に用いられる部材の間の摩擦係数が、カムハウジング14に用いられる部材とノックピン30に用いられる部材の間の摩擦係数よりも大きくなるように選択されることが好ましい。これにより、孔34と下部32の間に作用する摩擦力を、孔44と上部42との間に作用する摩擦力より大きくすることができ、ノックピン30の下部32を孔34から引き抜くのに必要な力F1を、ノックピン30の上部42を孔44から引き抜くのに必要な力F2よりも大きくすることができる。実施形態1及び実施形態2と同様に、カムキャップ12をカムハウジング14に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
(2)また、上記実施形態では、カムキャップ12に形成される孔44の深さとカムハウジング14に形成される孔34の深さを同一として説明を行ったが、孔44の深さと孔34の深さが異なっていてもよい。この場合、孔34の深さが孔44の深さよりも深く設定されることが好ましい。孔とノックピン30の間に作用する摩擦力は、その表面積に比例する。上記のように設定されることで、孔34と下部32の間に作用する摩擦力を、孔44と上部42との間に作用する摩擦力より大きくすることができ、ノックピン30の下部32を孔34から引き抜くのに必要な力F1を、ノックピン30の上部42を孔44から引き抜くのに必要な力F2よりも大きくすることができる。実施形態1及び実施形態2と同様に、カムキャップ12をカムハウジング14に取り付ける際の作業効率を向上させることができる。
(3)上記実施形態では、円柱状又は円錐状のノックピン30、130を用いた例を示したが、ノックピン30、130の形状はそれだけに限られない。図6に示すシリンダヘッド210のように、ノックピン230が筒状をしており、ボルト40がノックピン230に形成された貫通孔260を貫通するように配置されていてもよい。ボルト40とノックピン230の間には隙間262が形成されている。その一方、ノックピン230はカムハウジング214に圧入されているとともにカムキャップ212に圧入されている。これによって、図6に示す形状のノックピン230の場合にも、カムキャップ212とカムハウジング214の間に位置ずれが生じることを確実に防止することができる。
(4)上記実施形態では、圧入代Sを孔の直径φ5とノックピンの直径φ6の差(S=φ6−φ5)として説明を行ったが、商(S=φ5/φ6)としてもよい。これによって、ノックピンの直径φ6に応じた圧入代Sの値を設定することができる。
(5)上記実施形態では、第1軸受部材をカムハウジング、第2軸受部材をカムキャップとして説明を行ったが、第1軸受部材と第2軸受部材はそれだけに限られない。例えば、カムシャフトがシリンダヘッドとカムキャップで軸支されている場合には、第1軸受部材はシリンダヘッドとなる。また、カムシャフトがシリンダヘッドとカムキャップと異なる軸受部材で軸支されている場合には、第2軸受部材はその軸受部材となる。
10:シリンダヘッド
12:カムキャップ
14:カムハウジング
24:カムシャフト
28:ジャーナル穴
30:ノックピン
32:下部(第1部)
34:孔(第1孔)
40:ボルト
42:上部(第2部)
44:孔(第2孔)

Claims (7)

  1. 第1軸受部材と第2軸受部材とをノックピンを用いて位置決めすることで構成されるカムシャフトの軸受構造であって、
    前記第1軸受部材の前記第2軸受部材に当接する面には、第1孔が形成されており、
    前記第2軸受部材の前記第1軸受部材に当接する面には、第2孔が形成されており、
    前記ノックピンの一端側の第1部は、前記第1孔に圧入され、
    前記ノックピンの他端側の第2部は、前記第2孔に圧入されるカムシャフトの軸受構造。
  2. 請求項1に記載のカムシャフトの軸受構造であって、
    前記第1部を前記第1孔から引き抜くのに必要な第1引抜力は、前記第2部を前記第2孔から引き抜くのに必要な第2引抜力より大きいカムシャフトの軸受構造。
  3. 請求項2に記載のカムシャフトの軸受構造であって、
    前記第1部と前記第1孔との圧入代は、前記第2部と前記第2孔との圧入代よりも大きいカムシャフトの軸受構造。
  4. 請求項2または請求項3に記載のカムシャフトの軸受構造であって、
    前記第1部の軸方向と前記第1孔の側面の面方向との第1劣角は、前記第2部の軸方向と前記第2孔の側面の面方向との第2劣角より大きいカムシャフトの軸受構造。
  5. 請求項4に記載のカムシャフトの軸受構造であって、
    前記第1孔は前記第1向きに円柱状をしており、
    前記第2孔は前記第2向きにテーパ状をしているカムシャフトの軸受構造。
  6. 請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載のカムシャフトの軸受構造であって、
    前記第1軸受部材は第1部材で構成されており、
    前記第2軸受部材は第2部材で構成されており、
    前記ノックピンは第3部材で構成されており、
    前記第1部材と前記第2部材は異なっており、
    前記第1部材と前記第3部材の間の摩擦係数は、前記第2部材と前記第3部材の間の摩擦係数よりも大きいカムシャフトの軸受構造。
  7. 請求項2ないし請求項6のいずれか一項に記載のカムシャフトの軸受構造であって、
    前記第1軸受部材と前記第2軸受部材は締結具によって締結されており、
    前記第2部を前記第2孔に圧入するのに必要な圧入力は、前記締結具の締結力よりも小さいカムシャフトの軸受構造。
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