JP2011240215A - 水分散性を持つ脂質コーティング微粒子及び該微粒子の水分散液、並びに該分散液の製造方法 - Google Patents

水分散性を持つ脂質コーティング微粒子及び該微粒子の水分散液、並びに該分散液の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶性両親媒性物質により被覆された優れた水分散性を持つ微粒子、結晶性両親媒性物質により被覆された分散安定性が優れた微粒子の水分散液、及び分散液の製造方法において、安定性に優れ、長期間において安定に分散可能なものを提供する。
【解決手段】微粒子の水分散コーティング剤に用いる結晶性両親媒性物質として、下記の一般式(1)で表されるN−グリコシド型糖脂質、及び(2)又は(3)で表されるペプチド脂質を用いるものであって、該微粒子の水分散液は、微粒子に、前記2種類の結晶性両親媒性物質、及び水を混合した後、前記相転移温度以上で攪拌混合し、微粒子表面に安定な結晶性の両親媒性物質からなる皮膜を形成することにより製造される。G−NHCO−R(1)RCO(NH−CHR−CO)OH(2)H(NH−CHR−CO)NHR(3)
【選択図】図1

Description

本発明は、水分散可能な脂質のカプセルで被覆された微粒子、及び該微粒子からなる安定な分散液、並びにこれらの製造方法に関する。
微粒子の均一な分散方法は様々な産業で求まれている技術である。特に、炭素材料、金属、金属酸化物、金属硫化物などの微粒子は、その微細な内部構造に基づく、サイズ特異的な蛍光などの特殊な機能の発現が知られている。また、光の波長より小さな粒径を持つ粒子を分散したものは透明になる。さらに、有機物質(有機色素化合物、アミノ酸、造影剤など)についても、微粒子化による比表面積の増加により化学的活性の向上、電子状態の変化、分散安定性の向上等の特性が、結晶性物質によるカプセル化により周囲環境に対する安定性(酸、塩基、熱、空気など)や機能性物質の徐放性制御などが期待される。このような特徴を有する微粒子の水分散液は、インク、化粧品、食品、医療分野をはじめ幅広い分野での応用が期待されている。
微粒子の水分散液の調製法は、安定剤、分散剤共存下で原料物質溶液から化学反応により微粒子を発生させる方法が良く知られている。また、事前に調製した微粒子を何らかの手法で水分散させる方法もある。
特に、後者の手法で微粒子の水分散液を作製するためには、通常は高度に凝集して二次粒子となっている微粒子を、ビーズミル、超音波ホモジナイザー、アルティマイザーなどの機器を用いて解砕し、その後、微粒子表面を改質して水への親和性を向上させるという二つの技術要素が必要である。
この微粒子表面の改質については、粒子の化学組成によっていくつかの手法がある。
例えば、シリコン系、炭素材料などの疎水性微粒子については、化学反応により、その表面に親水性官能基であるカルボキシル基などを直接発現させる方法がある(特許文献1)。また、界面活性剤を粒子の表面に吸着させることにより表面が親水性になった粒子を水分散させることも可能である(特許文献2)。
一方、鉄、酸化チタンなどの金属、金属酸化物を組成に含む無機粒子の場合、金属と結合可能な官能基と親水性の両方を有する分散剤を用いる方法や(特許文献3)、はじめに粒子表面を疎水処理した後に、高分子の非イオン性界面活性剤でコーティングする方法がある(特許文献4)。
本特許と類似な先行技術として、代表的な例はリポソームがある。リポソームはリン脂質によって形成される二分子膜(リポソーム膜)の閉鎖小胞体であり、生体膜と類似の構造や機能を有するため、従来から様々な研究材料として用いられてきている。このリポソームは、内部に有する水相には水溶性の薬効成分を、二分子膜の内部には油溶性の薬効成分を保持するという、いわゆるカプセル構造を構築できることから、診断、治療、化粧などの様々な分野で用いられてきている。(特許文献5)
特開2003−95624号公報 特開2008−230935号公報 特開2007−25445号公報 特開平7−247119号公報 特開2008−285459号公報 特願2009−184487
化学反応により表面を改質する場合は官能機を生成するための前処理や反応後の精製などの多数かつ煩雑な工程を必要とする。そして、高分子の非イオン性界面活性剤を水分散コーティング剤として用いる場合も、前処理として微粒子表面に低分子を用いて有機溶媒中で疎水処理を行なうなどの工程を必要とする。また、リポソームの製造は回収率が低くて投入原料のせいぜい1%程度にしかならないので、製造コストの高額化が大きな問題になる。
一方、低分子量の界面活性剤を用いて作製した微粒子の分散液は、分散される粒子の濃度に限界があって粒子の濃度が約5wt%を超えると分散安定度が低くなる。そして、分散液を用いる産業では、分散液に分散された粒子の濃度が薄いため、実際の製品で必要な粒子の濃度に満たすと余分の分散媒(例えば、水)が問題になる(例:製品の水の量が100mlなのに、分散液を添加することにより水の量が130mlになる問題)場合が多い。分散液にする利点は作業者がパウダーを触らないため作業者の健康を守れることや、きれいな作業環境を維持することや作業の容易性などがあるが、高い濃度が必要な製品では適用が困難であった。さらに、分散工程の費用が含まれているので分散液の価格が高くなる。そのため、分散液は高コストでも粒径が揃っている必要がある場合、或は少量の添加量で大きく品質を高めることが出来る場合に限られてきた。このような欠点を防ぐ方法として、シランカップリング又は高分子で表面が改質された粒子を作業者が分散して使用することがある。しかし、ほとんどの場合、他の分散剤が要るし、均一な粒度分布を持つ分散液を得ることが難しい。
分散剤を含む分散液を乾燥して得られた粒子は分散剤が粒子の表面に吸着したまま乾燥するため前述した分散方法よりしやすく分散すると推測出来る。しかし、分散液を乾燥すると、微粒子が凝集、溶着を起こす。凝集、溶着した微粒子は水への再分散が困難であるか、あるいは当初の分散状態と異なった状態になることがほとんどである。微粒子の輸送、保管を考えると、乾燥固体の方が重量、容量の点で有利であるが、以上の背景から、水分散コーティング剤を用いて作製した微粒子は乾燥させず、分散液の状態で取り扱う必要があった。
また、現存の水分散コーティング剤は、粒子表面に対して個別に設計され、さらにその
コーティング法もコアとなる粒子ごとに異なり、汎用性が高くないという問題もある。
こうした事情を鑑みて、本発明者らは、水分散性の良好な微粒子であって、その分散液から乾燥しても、凝集、溶着を起こさず、水に再分散が可能な微粒子を得るべく、鋭意検討を行い、特定の分散剤を用いることを先に提案した(特許文献6)。
すなわち、微粒子の分散液を乾燥すると粒子同士の凝集、溶着を起こすのは、この低分子量の水分散コーティング剤が、室温付近で液晶もしくは溶解状態であるものが多く、例えば、ドデシル硫酸ナトリウムやポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートは室温では水に溶解状態であり、そのために、乾燥の際に容易に分散剤同士の融合が起きるためであると考えられる。
水分散コーティング剤として用いる低分子両親媒性物質は、親水基A、疎水基Bの両方を分子内に持ち、一般式A−Bで表される化合物である。
本発明者等が、乾燥による凝集などの問題を解決する方法について検討した結果、乾燥による凝集、溶着を抑制するためには、該両親媒性物質として、コーティング状態で溶解せず、ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、水の沸点より低い結晶性両親媒性物質を用い、凝集した微粒子に、該両親媒性化合物及び水を加えた後、その相転移温度以上に加熱しながら解砕・混合することにより、微粒子表面に安定な結晶性の両親媒性化合物からなる皮膜を形成することができることを見いだした。
しかしながら、この先の提案では、結晶性両親媒性物質だけを用いて微粒子をコーティングするものであるため、水分散性微粒子の粒径が一次粒径より大きくて、その分散液は長時間(1ヶ月以上)安定ではなかった。
本発明は、先の提案に係る発明の上記欠点を改良して、1ヶ月以上の長時間において、水分散安定性が良好で、その分散液から乾燥しても凝集、溶着を起こさず、しかも、水に再分散が可な、易分酸粒子、及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
特許文献6で用いる結晶性両親媒性物質は、その親水部がグルコース又はグリシルグリシンのため単独では水分散を長く維持する効果が足りない。そのため、該結晶性分子のみでコーティングした微粒子の分散安定度が商品化するまでには優れてないし、粒子のサイズも一次粒径までは分散が難しい。
この問題を解決するために検討した結果、親水基として−OHを有する結晶性両親媒性物質と、親水基として−COOH又は−NHを有する結晶性両親媒性物質とを用いてコーティングを行うことにより、コーティングされた微粒子は、微粒子表面に安定な結晶性の両親媒性物質からなる皮膜以外にも分散安定度を高める官能基(−OH、−COOH、−COO−、−NH、又は−NH 等)を形成するため、微粒子は一次粒径まで分散が可能になり、その分散液の分散安定度も著しく改善できることを見いだした。
さらに、本発明者らが検討したところ、このような特徴を持つ水分散コーティング剤の分子構造として、OH基を有する親水部Aは、単糖や複糖で、好ましくは単糖で、より好ましくはグルコースであり、その疎水部Bについては、飽和、不飽和のアルキルまたは芳香族やその他の元素を含んでも良いが、好ましくは炭素鎖が10から24の不飽和の脂肪族であり、また、−COOH基を有する親水部C及び−NH基を有するDは、オリゴペプチドで、好ましくはアミノ酸3個以下のペプチドで、より好ましくはアミノ酸のグリシンであり、その疎水部B´については、飽和、不飽和のアルキルまたは芳香族やその他の元素を含んでも良いが、好ましくは炭素鎖が10から24の飽和の脂肪族であることが判明した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成に至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、かつ水の沸点より低い結晶性両親媒性物質で被覆された易分散性微粒子であって、該結晶性両親媒性物質が、下記一般式(1)
G−NHCO−R (1)
(式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、Rは炭素数が10〜24の不飽和炭化水素基を表す。)
で表わされるN−グリコシド型糖脂質、及び、
下記一般式(2)
CO(NH−CHR−CO)OH (2)
又は、下記一般式(3)
H(NH−CHR−CO)NHR (3)
(式中、Rは炭素数10〜24の炭化水素基、Rはアミノ酸側鎖、mは1〜3の整数を表す。)
で表わされるペプチド脂質であることを特徴とする易分散性微粒子。
[2]上記[1]の易分散性微粒子が、水中に分散されてなることを特徴とする微粒子水分散液。
[3]微粒子を水中に分散させるための分散剤であって、ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、かつ水の沸点より低い結晶性両親媒性物質を有効成分とし、該結晶性両親媒性物質が、下記一般式(1)
G−NHCO−R (1)
(式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、Rは炭素数が10〜24の不飽和炭化水素基を表す。)
で表わされるN−グリコシド型糖脂質、及び、
下記一般式(2)
CO(NH−CHR−CO)OH (2)
又は、下記一般式(3)
H(NH−CHR−CO)NHR (3)
(式中、Rは炭素数10〜24の炭化水素基、Rはアミノ酸側鎖、mは1〜3の整数を表す。)
で表わされるペプチド脂質であることを特徴とする微粒子用分散剤。
[4]微粒子に、ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、かつ水の沸点より低い結晶性両親媒性物質、及び水を加えた後、前記相転移温度以上に加熱しながら解砕・混合する、微粒子分散液の製造方法であって、該結晶性両親媒性物質として、下記一般式(1)
G−NHCO−R (1)
(式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、Rは炭素数が10〜24の不飽和炭化水素基を表す。)
で表わされるN−グリコシド型糖脂質、及び、
下記一般式(2)
CO(NH−CHR−CO)OH (2)
又は、下記一般式(3)
H(NH−CHR−CO)NHR (3)
(式中、Rは炭素数10〜24の炭化水素基、Rはアミノ酸側鎖、mは1〜3の整数を表す。)
で表わされるペプチド脂質を用いることを特徴とする微粒子分散液の製造方法。
本発明の易分散性微粒子は、金属として金(Au)、銀(Ag)、鉄(Fe)、金属酸化物組成に含む材料として酸化亜鉛(ZnO)、マグネタイト(Fe)、二酸化チタン、有機物質としては水への溶解度が低くて-OHあるいは-COOH官能基を持つ炭素材料、アミノ酸、酵素、有機色素、有機顔料と広範で汎用性が高い。また、マグネタイトについては100g/Lと極めて高濃度でマグネタイトを分散することができる。さらに、分散質に対して5wt%程度分散剤を添加することで安定な分散液が得られる。動的光散乱測定では、いずれの微粒子の場合も、本発明の操作前と操作後では粒径が減少しており、二次粒子の解砕と、コーティングによる水分散性の向上一つの工程で、かつ短時間で達成される。これまでのコーティングによる微粒子水分散液の作製は途中に有機溶媒の使用を含む多段階の操作が必要なものも多かったのに対して、本発明によれば、1工程で、かつ使用する媒体が水のみであるためコスト的にも有利である。また、本発明により作製された易分散性微粒子は、乾燥して、再分散できるため、保存、輸送時には省スペース、軽量化が可能となり、大きなアドバンテージが期待できる。
本発明の概念図 実施例2で得られたマグネタイトナノ粒子の水分散液を凍結乾燥した資料の電子顕微鏡像であり、(a)は透過型電子顕微鏡像、(b)は走査型電子顕微鏡像。 実施例5で得られたロイシンナノ粒子の水分散液を凍結乾燥した試料の電子顕微鏡像であり、(a)は透過型電子顕微鏡像、(b)は走査型電子顕微鏡像。
図1は、本発明を説明するための概念図である。
図に示すように、本発明の微粒子は、二種類の結晶性両親媒性物質で被覆されて、水分散可能とされていることを特徴とする。そして、本発明の分散液での微粒子は、結晶性両親媒性物質により形成されたコーティング膜により外部環境から微粒子が守られることを特徴とする。
本発明において、水分散コーティング剤として用いる結晶性両親媒性物質には、−OH基を持つ親水基Aと疎水基Bの両方を分子内に持ち、一般式A−Bで表される化合物と、−COOH基を持つ親水基Cと疎水基B´の両方を分子内に持ち、一般式C−B´で表される化合物又は−NH基を持つ親水基Dと疎水基B´の両方を分子内に持ち、一般式D−B´で表される化合物との二種類を用いる。分散液から乾燥した微粒子が凝集、溶着を起こすのは、分散のために用いられた両親媒性物質が、分散媒中、室温で液晶もしくは溶解状態だからである。本発明においては、結晶性両親媒性物質を用いることにより、乾燥による凝集、溶着が抑制される。結晶性両親媒性物質として、コーティング状態で溶解せず、ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、かつ水の沸点より低いものを用いる。そして、本発明で用いた結晶性両親媒性物質は、微粒子表面に安定な結晶性の両親媒性物質からなる皮膜以外にも分散安定度を高める官能基(−OH、−COOH、−COO−、−NH、又は−NH 等)を形成して、微粒子は一次粒径まで分散が可能となり、その分散液の分散安定度も著しく高くなることを特徴とする。
このような該両親媒性物質の親水部Aは、単糖や複糖で、好ましくは単糖で、より好ましくはグルコースであり、そして、親水部C及びDは、オリゴペプチドで、好ましくはアミノ酸3個以下のペプチドで、より好ましくはアミノ酸のグリシンである。
また、疎水部Bは、飽和、不飽和のアルキルまたは芳香族やその他の元素を含んでも良いが、好ましくは炭素鎖が10から24の飽和もしくは不飽和の脂肪族である。また直鎖型だけでなく分岐していても良いが、一般的にはアルキル鎖は炭素数が多く、かつ直鎖型で相転移点が高くなる傾向がある。さらに、疎水部B´は、さらに、疎水部B´は、飽和、不飽和のアルキルまたは芳香族やその他の元素を含んでも良いが、好ましくは炭素鎖が10〜24の飽和の脂肪族であることが判明した。
特に、分子構造内にアミドなど分子間相互作用を引き起こす官能基を有し、これが隣接する両親媒性物質と水素結合などを介して安定な結晶性の分子膜を形成するものがよく、具体的には、前記A−Bで表される化合物としては、特開2008−30185号公報等において、有機ナノチューブの原料として用いられるところの、下記一般式(1)
G−NHCO−R (1)
(式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、Rは炭素数が10〜24の不飽和炭化水素基を表す。)
で表わされるN−グリコシド型糖脂質が用いられる。
一般式(1)中のGは、糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基であり、この糖としては、例えば、グルコース、ガラクトース、マルトース、ラクトース、セロビオース、及びキトビオースが挙げられ、好ましくはグルコピラノースである。この糖は単糖又はオリゴ糖、好ましくは単糖である。この糖残基はD、L型、ラセミ体のいずれであってもよいが、天然由来のものは通常D型である。さらに、アルドピラノシル基においては、アノマー炭素原子は不斉炭素原子であるので、α−アノマー及びβ−アノマーが存在するが、α−アノマー及びβ−アノマー及びそれらの混合物のいずれであってもよい。とくにGがD−グルコピラノシル基、D−ガラクトピラノシル基、特にD−グルコピラノシル基であるものが、原料の入手の点で容易で製造しやすいので好適である。
また、上記一般式(1)中のRは、不飽和炭化水素基であり、好ましくは直鎖であり、更に好ましくは不飽和結合として3個以下の二重結合を含む。またRの炭素数は10〜24であり、好ましくは11〜19、より好ましくは17である。このような炭化水素基としては、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘネイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、及びテトラコシル基などに不飽和結合としてモノエン、ジエン又はトリエン部分などを含むものが挙げられる。
また、前記C−B´又はD−B´で表される化合物としては、特開2008−31152号公報等において、有機ナノチューブの原料として用いられるところの、
CO(NH−CHR−CO)OH (2)、又は
H(NH−CHR−CO)NHR (3)
で表わされるペプチド脂質が用いられる。
一般式(2)、(3)式中、Rは飽和炭化水素基であり、その炭素数は、10〜24、好ましくは11〜19、より好ましくは17である。このような炭化水素基としては、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘネイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、及びテトラコシル基などが挙げられる。
また、一般式(2)、(3)式中、Rはアミノ酸側鎖を表し、このアミノ酸としては、例えば、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、グルタミン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、及びセリンが挙げられ、好ましくはグリシンである。このアミノ酸側鎖はD、L型、ラセミ体のいずれであってもよいが、天然由来のものは通常L型である。
また、上記一般式(1)及び一般式(2)中、mは1〜3の整数であり、好ましくは2である。
本発明者らは、上記の特許公開公報に記載されているように、上記のN−グリコシド型糖脂質又はペプチド脂質を、有機溶媒中で自己集合させることによって、無水有機ナノチューブを簡便かつ大量に製造できることを見いだしたが、その後の検討の結果、これらのN−グリコシド型糖脂質及びペプチド脂質は、両親媒性物質であって、かつ、ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、かつ水の沸点より低いものであるため、ナノ微粒子の水分散剤として有用であることが判明したものである。
一方、本発明において、コアとなる粒子は、水へ溶解度が低くて、コーティングする両親媒性化合物の相転移温度の条件で溶融、分解しないものであれば良い。好ましくは炭素材料、マグネタイト、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、シリカなどの金属酸化物、硫化カドミウムなど金属カルコゲン化物、硫酸バリウムなどの塩、アミノ酸などの有機物などである。
図1に示すとおり、コアとなる微粒子は凝集して二次粒子を作っていることが多いが、本発明の微粒子の製造方法は、凝集している二次粒子の解砕と、結晶性両親媒性物質の相点移転以上での加熱を同時に行なうことを特徴とするものである。
具体的には、微粒子に、前記の二種の結晶性両親媒性物質、及び水を加えた後、結晶性両親媒性物質の相転移温度以上に加熱しながら解砕・混合することにより得られる。
すなわち、加熱により、その相転移温度より高温となり、界面活性を持つ分子状態となった結晶性両親媒性物質が、解砕された微粒子をコアとして、−OH、−COOH、又は−NH等が吸着して、その後、熱力学的に安定になるため、異種類の結晶性両親媒性物質のアルキル基が粒子に吸着する。その後、冷却により、グリシルグリシンの−COOH又はグルコースの−OH又はアミンの−NHが外表面側に配向した安定な結晶性の皮膜を形成し、水分散性微粒子ができる。
分散およびコーティングの手段としてはアルティマイザー、超音波ホモジナイザー、ボールミルなどが挙げられるが、より好ましくはアルティマイザー、超音波ホモジナイザーである。
アルティマイザーの場合、オリフィスを通過することにより発生する熱により処理液温度が水分散コーティング剤の相転移温度より高温となり、液晶状態となった水分散コーティング剤が解砕された微粒子をコアとしてコーティングする。
そして、超音波ホモジナイザーの場合も、超音波照射による発熱により水分散コーティング剤の相転移点より高くなり、液晶状態となった水分散コーティング剤が超音波により解砕された微粒子をコアとしてコーティングする。
本発明において、コアとなる粒子と結晶性両親媒性物質の重量比は1:0.001〜1:10であり、前記一般式(1)で表される結晶性両親媒性物質と、前記一般式(2)又は一般式(3)で表される結晶性両親媒性物質との重量比は1:0.001〜1:10である。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
〈使用した分散剤〉
本実施例では、結晶性両親媒性物質として、1−アミノグルコピラノシドとオレイン酸がアミド結合により連結した次式で表される化合物(両親媒性化合物1とする。)
及び、グリシルグリシンとミリスチン酸がアミド結合により連結した次式で表される化
合物(両親媒性化合物2とする。)
を用いた。
なお、両親媒性化合物1及び両親媒性化合物2は、水中でのゲル−液晶相転移温度が、それぞれ68℃及び54℃で、いずれも室温で安定な結晶状態である。
また、比較例として、市販のポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween80、非イオン性界面活性剤)及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS、アニオン性界面活性剤)を用いた。
(実施例1:アルティマイザーを用いた、マグネタイトをコアとするナノ粒子の作製)
マグネタイト(Aldrich製、一次粒子として粒径約20nm)を10g、上記両親媒性化合物1を1000mg、両親媒性化合物2を1000mgはかり取り、蒸留水1000mLを加えた。この混合物を70℃を維持しながらホモジナイザーで30分撹拌した後、アルティマイザー(スギノマシンHJP25005)に投入し、圧力245MPaで20パスし、両親媒性化合物でコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱ではパス数の増大ともに粒径の減少が観察され、20パスでマグネタイトの一次粒径の二倍の粒子サイズとなった(40〜90nm)。このナノ粒子水分散液はその後1カ月以上沈殿を生じず、安定な分散状態を保った。
(実施例2:超音波ホモジナイザーを用いた、マグネタイトをコアとするナノ粒子の作製)
マグネタイトを100mg、上記両親媒性化合物1を10mg、両親媒性化合物2を10mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、3分)、結晶性両親媒性物質でコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、一次粒径の粒子サイズの二倍程度(40〜90nm)となり、その後の粒径変化は認められなかった。そして、この粒子を透過型電子顕微鏡の観察より粒子一個一個が本発明の両親媒性化合物により被覆されていることが確認した(図2)。したがって、粒子のサイズがマグネタイトの一次粒径より大きくなる理由はマグネタイトをコーティングする両親媒性化合物によることを確かめた。このナノ粒子水分散液はその後1カ月以上沈殿を生じず、安定な分散状態を保った。
さらに、このナノ粒子を凍結乾燥後、水に再分散したところ、若干粒径が大きかったが(70〜130nm)、ナノ粒子の良好な分散液が得られた。
(比較例1:両親媒性化合物1のみでコーティングされたマグネタイトをコアとするナノ粒子の作製)
マグネタイトを10mg、両親媒性化合物1を10mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、3分)、両親媒性化合物1のみでコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、大きな凝集体(350〜450nm)となった。このナノ粒子水分散液は、1ヶ月経過後には沈殿が生じていた。
(比較例2:両親媒性化合物2のみでコーティングされたマグネタイトをコアとするナノ粒子の作製)
マグネタイトを10mg、両親媒性化合物2を15mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、3分)、両親媒性化合物2でコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、大きな凝集体(250〜400nm)となった。このナノ粒子水分散液は、1ヶ月経過後には沈殿が生じていた。
(比較例3:SDSによってコーティングされたマグネタイトをコアとするナノ粒子の作製)
マグネタイトを100mg、両親媒性化合物としてSDSを15mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、3分)、SDSでコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、大きな凝集体(1400〜1800nm)となった。このナノ粒子水分散液はすぐ沈殿した。
(比較例4:Tween80によってコーティングされたマグネタイトをコアとするナノ粒子の作製)
マグネタイトを100mg、両親媒性化合物としてTween80を67mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、30分)、SDSでコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、大きな凝集体(>10000nm)となった。このナノ粒子水分散液はすぐ沈殿した。
上記の比較例の粒径の結果から明らかなように、本発明の両親媒性化合物1と両親媒性化合物2を用いた場合、ナノ粒子は、乾燥しても再分散により元の粒径近くに分散することに対して、Tween80やSDSの乾燥サンプルは大きな凝集体となることが分かる。
(実施例3:超音波ホモジナイザーを用いた、酸化チタンをコアとするナノ粒子の作製)
酸化チタン(石原産業製、ST−21、一次粒径約20nm)を20mg、上記両親媒性化合物1を10mg、両親媒性化合物2を10mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、3分)、両親媒性化合物でコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、一次粒径の粒子サイズ(30〜70nm)となり、その後の粒径変化は認められなかった。このナノ粒子水分散液はその後1ヶ月以上沈殿を生じず、安定な分散状態を保った。
さらに、このナノ粒子を凍結乾燥後、水に再分散したところ、若干粒径が大きくなったが(70〜200nm)、ナノ粒子の良好な分散液が得られた。
(比較例5:SDSによってコーティングされた酸化チタンをコアとするナノ粒子の作製)
酸化チタン(石原産業製、ST−21、一次粒径約20nm)を20mg、両親媒性化合物としてSDSを15mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、3分)、SDSでコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、大きな凝集体(1000〜1500nm)となった。このナノ粒子水分散液は数時間後沈殿した。
さらに、この分散液を乾燥後、水に再分散したところ、凝集体の粒径がもっと大きくなり(1600〜2400nm)、分散安定性は変わらなかった。
(比較例6:Tween80によってコーティングされた酸化チタンをコアとするナノ粒子の作製)
酸化チタン(石原産業製、ST−21、一次粒径約20nm)を20mg、両親媒性化合物としてTween80を67mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、30分)、SDSでコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、大きな凝集体(1000〜1500nm)となった。このナノ粒子水分散液はすぐ沈殿した。
さらに、この分散液を乾燥後、水に再分散したところ、凝集体の粒径はほぼ変更なく(1100〜1600nm)、分散安定性も変わらなかった。
(実施例4:超音波ホモジナイザーを用いた、酸化亜鉛をコアとするナノ粒子の作製)
酸化亜鉛(一次粒径約50nm)を50mg、上記両親媒性化合物1を10mg、両親媒性化合物2を10mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、10分)、両親媒性化合物でコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、一次粒径の粒子サイズ(60〜80nm)となり、その後の粒径変化は認められなかった。このナノ粒子水分散液はその後6ヶ月以上沈殿を生じず、安定な分散状態を保った。
さらに、このナノ粒子を乾燥後、水に再分散したところ、濃縮による溶着は見られず、若干粒径が上がるもの(100〜200nm)、ナノ粒子の良好な分散液が得られた。
(比較例7:SDSによってコーティングされた酸化亜鉛をコアとするナノ粒子の作製)
酸化亜鉛(一次粒径約50nm)を50mg、両親媒性化合物としてSDSを15mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、3分)、SDSでコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、大きな凝集体(>10000nm)となった。このナノ粒子水分散液はすぐ沈殿した。
(比較例8:Tween80によってコーティングされた酸化亜鉛をコアとするナノ粒子の作製)
酸化亜鉛(一次粒径約50nm)を50mg、両親媒性化合物としてTween80を67mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、30分)、SDSでコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、少し大きい凝集体(500〜700nm)となった。このナノ粒子水分散液は数時間後沈殿した。
(実施例5:アミノ酸ロイシンをコアとするナノ粒子の作製)
ロイシン(Aldrich製、結晶の粒径約500nm)を100mg、上記両親媒性化合物1を10mg、両親媒性化合物2を10mgはかり取り、蒸留水10mLを加えた。この混合物をプローブ式超音波発生装置による超音波照射を行い(50W、3分)、両親媒性化合物でコーティングされたナノ粒子の水分散液を得た。
動的光散乱では、元の結晶より小さいサイズの粒子(20〜30nm)となり、走査型電子顕微鏡観察を行ったところ、球状の粒子が、透過型電子顕微鏡観察ではカプセル構造が観測され、ロイシンがコーティングされたことが確認された(図3)。
金属酸化物や金属硫化物のナノ粒子は、量子ドット、DDS、磁気医療やバイオセンサ材料として有望であり、容易に水分散を可能にすることで材料光学、医療分野で大きくこれらの粒子の適用範囲を広げると期待できる。アミノ酸などの有機物質は植物添加材やDDS材料としての応用が期待されている一方、単体では極めて水分散性が悪い。本発明により、水に良く分散し、かつ乾燥、再分散可能、DDS材料としての応用の可能性があることで、機能性食品や医薬品や化粧品などでの応用研究が大いに進む可能性がある。

Claims (4)

  1. ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、かつ水の沸点より低い結晶性両親媒性物質で被覆された易分散性微粒子であって、該結晶性両親媒性物質が、下記一般式(1)
    G−NHCO−R (1)
    (式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、Rは炭素数が10〜24の不飽和炭化水素基を表す。)
    で表わされるN−グリコシド型糖脂質、及び、
    下記一般式(2)
    CO(NH−CHR−CO)OH (2)
    又は、下記一般式(3)
    H(NH−CHR−CO)NHR (3)
    (式中、Rは炭素数10〜24の炭化水素基、Rはアミノ酸側鎖、mは1〜3の整数を表す。)
    で表わされるペプチド脂質であることを特徴とする易分散性微粒子。
  2. 請求項1に記載の易分散性微粒子が、水中に分散されてなることを特徴とする微粒子水分散液。
  3. 微粒子を水中に分散させるための分散剤であって、ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、かつ水の沸点より低い結晶性両親媒性物質を有効成分とし、該結晶性両親媒性物質が、下記一般式(1)
    G−NHCO−R (1)
    (式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、Rは炭素数が10〜24の不飽和炭化水素基を表す。)
    で表わされるN−グリコシド型糖脂質、及び、
    下記一般式(2)
    CO(NH−CHR−CO)OH (2)
    又は、下記一般式(3)
    H(NH−CHR−CO)NHR (3)
    (式中、Rは炭素数10〜24の炭化水素基、Rはアミノ酸側鎖、mは1〜3の整数を表す。)
    で表わされるペプチド脂質であることを特徴とする微粒子用分散剤。
  4. 微粒子に、ゲル−液晶相転移温度が室温より高く、かつ水の沸点より低い結晶性両親媒性物質、及び水を加えた後、前記相転移温度以上に加熱しながら解砕・混合する、微粒子分散液の製造方法であって、該結晶性両親媒性物質として、下記一般式(1)
    G−NHCO−R (1)
    (式中、Gは糖のアノマー炭素原子に結合するヘミアセタール水酸基を除いた糖残基を表し、Rは炭素数が10〜24の不飽和炭化水素基を表す。)
    で表わされるN−グリコシド型糖脂質、及び、
    下記一般式(2)
    CO(NH−CHR−CO)OH (2)
    又は、下記一般式(3)
    H(NH−CHR−CO)NHR (3)
    (式中、Rは炭素数10〜24の炭化水素基、Rはアミノ酸側鎖、mは1〜3の整数を表す。)
    で表わされるペプチド脂質を用いることを特徴とする微粒子分散液の製造方法。
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