JP2011236536A - 湿式短繊維不織布用ショートカット繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂からなる繊維長が2〜20mm、単糸繊度が0.8〜4.0dtex、機械捲縮が付与されていない短繊維であって、短繊維を構成する単繊維は、繊維の長手方向に対して垂直に切断した断面が扁平断面形状を呈しており、長辺と短辺の長さの比であるアスペクト比(長辺/短辺)が1.8〜6.0、強度が3.0〜8.0cN/dtex、伸度が25〜100%である湿式短繊維不織布用ショートカット繊維。
【選択図】図1
Description
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂からなる繊維長が2〜20mm、単糸繊度が0.8〜4.0dtex、機械捲縮が付与されていない短繊維であって、短繊維を構成する単繊維は、繊維の長手方向に対して垂直に切断した断面が扁平断面形状を呈しており、長辺と短辺の長さの比であるアスペクト比(長辺/短辺)が1.8〜6.0、強度が3.0〜8.0cN/dtex、伸度が25〜100%であることを特徴とする湿式短繊維不織布用ショートカット繊維を要旨とするものである。
本発明のショートカット繊維は、熱可塑性樹脂からなる繊維束を切断することにより得られたものであり、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等を用いることができる。
まず、通常の溶融紡糸装置を用い、PETを溶融して扁平断面形状の紡糸孔を有する紡糸口金より紡糸する。紡出した糸条を冷却固化させて未延伸糸を得る。そして、得られた未延伸糸を繊維束に集束した後、延伸倍率2〜4倍で延伸し、分散性油剤を付与した後に任意の繊維長に切断してショートカット繊維を得る。
〔アスペクト比〕
前記の方法で測定し、算出した。
〔単糸繊度〕
切断前の繊維束を用いて、JIS L 1015 正量繊度のA法により測定した。
〔繊維長〕
得られたショートカット繊維のサイドビュー写真を撮影し、任意の30本の長さを測定し後、その平均値を撮影倍率で割り返して算出した。
〔強度、伸度〕
切断前の繊維束を用いて、JIS L 1015 引張強さ及び伸び率により測定した。
〔不織布の厚み〕
得られた湿式短繊維不織布を、JIS L 1096 織物の厚さにより加圧時間10秒、加重23.5kPaの条件で測定した。
200μm未満を合格とした。
〔不織布の通気度〕
得られた湿式短繊維不織布を、JIS L 1096 通気性のA法により測定した。
100cc/cm2/sec未満を合格とした。
〔不織布の機械的特性〕
得られた湿式短繊維不織布を、JIS L 1096 引張強さ及び伸び率のA法によりMD方向(乾燥機のMD方向)の強力を測定した。
50N/5cm巾以上を合格とした。
融点が256℃、極限粘度(フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した)0.61のPETを、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度285℃、吐出量265g/分、紡糸速度750m/分の条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比10)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.3ktexの繊維束に集束した後、延伸倍率3.45倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度1.7dtex、繊維長5mm、アスペクト比3.5のショートカット繊維を得た。
〔バインダー繊維〕
ポリエステルAとして、融点が256℃、極限粘度0.61のPETを用い、ポリエステルBとして、流動開始温度が110℃、極限粘度0.60のイソフタル酸を40モル%共重合したPETを用いた。両ポリエステルを複合紡糸装置を用いてポリエステルAを芯成分、ポリエステルBを鞘成分とし、芯鞘質量比が1/1となるようにして、紡糸温度280℃、吐出量345g/min、紡糸速度1170m/minの条件で、紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、丸断面の吐出孔が560個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を12.4ktexの繊維束に集束した後、延伸温度60℃、延伸倍率3.10倍で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度1.7dtex、繊維長5mmの短繊維(バインダー繊維)を得た。
〔湿式短繊維不織布〕
得られたショートカット繊維とバインダー繊維とを用い、混率を質量比70/30(ショートカット繊維/バインダー繊維)として、パルプ離解機(熊谷理機工業製)に投入し、3000rpmにて1分間撹拌した。その後、得られた試料を抄紙機(熊谷理機工業製角型シ−トマシン)にて、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を添加した後、付帯の攪拌羽にて攪拌を行い抄紙し、湿式ウエブとした。そして、湿式ウエブを回転式乾燥機(熊谷理機工業製)にて140℃の温度で熱処理し、バインダー繊維の鞘成分を溶融させて、目付け50g/m2の湿式短繊維不織布を得た。
主体繊維の紡糸条件を表1に示すものに変更し、表1に示すアスペクト比の短繊維とした以外は、実施例1と同様にしてショートカット繊維を得た。
さらに、実施例1と同様のバインダー繊維を用い、実施例1と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
ショートカット繊維とバインダー繊維の混率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
融点が256℃、極限粘度0.61のPETを、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度290℃、吐出量200g/min、紡糸速度1000m/minの条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比8)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.6ktexの繊維束に集束した後、延伸倍率3.02倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度1.1dtex、繊維長5mm、アスペクト比2.0のショートカット繊維を得た。
次に、実施例1のバインダー繊維を用いて、実施例1と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
融点が256℃、極限粘度0.61のPETを、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度280℃、吐出量340g/min、紡糸速度750m/minの条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比10)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.2ktexの繊維束に集束した後、延伸倍率3.42倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度2.2dtex、繊維長5mm、アスペクト比3.5のショートカット繊維を得た。
次に、実施例1のバインダー繊維を用いて、実施例1と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
融点が256℃、極限粘度0.61のPETを、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度280℃、吐出量477g/min、紡糸速度650m/minの条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比12)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.9ktexの繊維束に集束した後、延伸倍率3.69倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度3.3dtex、繊維長5mm、アスペクト比5.5のショートカット繊維を得た。
次に、実施例1のバインダー繊維を用いて、実施例1と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
実施例1のショートカット繊維を得る際のカット長を変更し、表1に示す繊維長とした以外は実施例1と同様にしてショートカット繊維を得た。
そして、実施例1のバインダー繊維を用いて、実施例1と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
一方、比較例1のショートカット繊維は、アスペクト比が小さかったため、丸断面形状に近いものとなり、得られた湿式短繊維不織布は、厚みが大きく、通気度が大きいものであった。比較例2ではアスペクト比を大きくしたため、紡糸時に切れ糸が発生し操業性が悪化した。また、得られたショートカット繊維は強度の低いものとなり、このショートカット繊維より得られた湿式短繊維不織布は機械的特性に劣るものであった。比較例3のショートカット繊維は、繊維長が長かったため、得られた湿式短繊維不織布は地合が悪くなり、厚みが大きく、通気度が大きく、機械的特性にも劣るものであった。比較例4のショートカット繊維は、繊維長が短かったため、切断時に繊維同士の融着が発生し、不織布の地合が悪くなり、厚みの大きいものとなり、通気度が大きく、機械的特性にも劣るものであった。
ポリ乳酸系重合体として、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが98.8/1.2であり、融点168℃、相対粘度(フェノールと四塩化エタンとの等質量混合物を溶媒として、試料濃度0.5質量%、温度20℃の条件下で常法に基づき測定した)1.88であるL−乳酸を主体とするポリ乳酸樹脂を、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度220℃、吐出量242g/min、紡糸速度750m/minの条件で未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比10)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.3ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.15倍、延伸温度60℃で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、カットして単糸繊度1.7dtex、繊維長5mm、アスペクト比3.5の短繊維を得た。
〔バインダー繊維〕
ポリ乳酸Aとして、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが98.8/1.2であり、融点168℃、相対粘度1.88であるL−乳酸を主体とするポリ乳酸樹脂、ポリ乳酸Bとして、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが89.8/10.2であり、融点130℃、相対粘度1.91であるL−乳酸を主体とするポリ乳酸樹脂を用いた。複合紡糸装置を用い、ポリ乳酸Aを芯成分、ポリ乳酸Bを鞘成分とし、芯鞘質量比率が1/1となるようにして、紡糸温度220℃、吐出量335g/min、紡糸速度1170m/minの条件で、ホール数560の丸型断面のノズルで紡出し、未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を12.3ktexの繊維束に集束した後、延伸温度55℃、延伸倍率3.0
0倍で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度1.7dtex、繊維長5mmの芯鞘型複合短繊維(バインダー繊維)を得た。
〔湿式短繊維不織布〕
得られたショートカット繊維とバインダー繊維とを用い、混率を質量比70/30(ショートカット繊維/バインダー繊維)として、パルプ離解機(熊谷理機工業製)に投入し、3000rpmにて1分間撹拌した。その後、得られた試料を抄紙機(熊谷理機工業製角型シ−トマシン)にて、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を添加した後、付帯の攪拌羽にて攪拌を行い抄紙し、湿式ウエブとした。そして、湿式ウエブを回転式乾燥機(熊谷理機工業製)にて140℃の温度で熱処理し、バインダー繊維の鞘成分を溶融させて、目付け50g/m2の湿式短繊維不織布を得た。
主体繊維の紡糸条件を表2に示すものに変更し、表2に示すアスペクト比の短繊維とした以外は、実施例12と同様にしてショートカット繊維を得た。
さらに、実施例12と同様のバインダー繊維を用い、実施例12と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
ショートカット繊維とバインダー繊維の混率を表2に示すように変更した以外は、実施例12と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
ポリ乳酸系重合体として、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが98.8/1.2であり、融点168℃、相対粘度1.88であるL−乳酸を主体とするポリ乳酸樹脂を、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度220℃、吐出量191g/min、紡糸速度1000m/minの条件で未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比8)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.6ktexのトウに集束した後、延伸倍率2.88倍、延伸温度60℃で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、カットして単糸繊度1.1dtex、繊維長5mm、アスペクト比2.0の短繊維を得た。
次に、実施例12のバインダー繊維を用いて、実施例12と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
ポリ乳酸系重合体として、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが98.8/1.2であり、融点168℃、相対粘度1.88であるL−乳酸を主体とするポリ乳酸樹脂を、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度220℃、吐出量322g/min、紡糸速度750m/minの条件で未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比10)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.2ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.24倍、延伸温度60℃で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、カットして単糸繊度2.2dtex、繊維長5mm、アスペクト比3.5の短繊維を得た。
次に、実施例12のバインダー繊維を用いて、実施例12と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
ポリ乳酸系重合体として、L−乳酸とD−乳酸の含有比であるL/Dが98.8/1.2であり、融点168℃、相対粘度1.88であるL−乳酸を主体とするポリ乳酸樹脂を、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度220℃、吐出量459g/min、紡糸速度650m/minの条件で未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比12)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.9ktexのトウに集束した後、延伸倍率3.55倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を0.2質量%の付着量となるように付与した後、カットして単糸繊度3.3dtex、繊維長5mm、アスペクト比5.5の短繊維を得た。
次に、実施例12のバインダー繊維を用いて、実施例12と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
実施例12のショートカット繊維を得る際のカット長を変更し、表2に示す繊維長とした以外は実施例12と同様にしてショートカット繊維を得た。
そして、実施例12のバインダー繊維を用いて、実施例12と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
一方、比較例5のショートカット繊維は、アスペクト比が小さかったため、丸断面形状に近いものとなり、得られた湿式短繊維不織布は、厚みが大きく、通気度が大きいものであった。比較例6ではアスペクト比を大きくしたため、紡糸時に切れ糸が発生し操業性が悪化した。また、得られたショートカット繊維は強度の低いものとなり、このショートカット繊維より得られた湿式短繊維不織布は機械的特性に劣るものであった。比較例7のショートカット繊維は、繊維長が長かったため、得られた湿式短繊維不織布は地合が悪くなり、厚みが大きく、通気度が大きく、機械的特性にも劣るものであった。比較例8のショートカット繊維は、繊維長が短かったため、切断時に繊維同士の融着が発生し、不織布の地合が悪くなり、厚みの大きいものとなり、通気度が大きく、機械的特性にも劣るものであった。
融点が215℃、相対粘度(96%硫酸を溶媒として、濃度1g/dl、温度25.0℃で測定した)が2.50のナイロン6を使用し、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度265℃、吐出量353g/min、紡糸速度1000m/minの条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比10)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.3ktexの繊維束に集束した後、延伸倍率3.45倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度1.7dtex、繊維長5mm、アスペクト比3.5のショートカット繊維を得た。
〔バインダー繊維〕
ポリアミドAとして、融点が250℃、相対粘度が2.57のナイロン66を用い、ポリアミドBとして、融点が141℃、相対粘度が2.55のナイロン6/ナイロン12共重合ポリアミドを用いた。両ポリアミドを複合紡糸装置を用いて、ポリアミドAを芯成分、ポリアミドBを鞘成分とし、芯鞘質量比が1/1となるようにして、紡糸温度280℃、吐出量345g/min、紡糸速度1170m/minの条件で、紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、丸断面の吐出孔が560個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を12.4ktexの繊維束に集束した後、延伸温度55℃、延伸倍率3.10倍で延伸を行った。その後、分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度1.7dtex、繊維長5mmの短繊維(バインダー繊維)を得た。
〔湿式短繊維不織布〕
得られたショートカット繊維とバインダー繊維とを用い、混率を質量比70/30(ショートカット繊維/バインダー繊維)として、パルプ離解機(熊谷理機工業製)に投入し、3000rpmにて1分間撹拌した。その後、得られた試料を抄紙機(熊谷理機工業製角型シ−トマシン)にて、ポリエーテルとポリエーテルエステルアミドを主成分とする分散油剤を添加した後、付帯の攪拌羽にて攪拌を行い抄紙し、湿式ウエブとした。そして、湿式ウエブを回転式乾燥機(熊谷理機工業製)にて150℃の温度で熱処理し、バインダー繊維の鞘成分を溶融させて、目付け50g/m2の湿式短繊維不織布を得た。
主体繊維の紡糸条件を表3に示すものに変更し、表3に示すアスペクト比の短繊維とした以外は、実施例23と同様にしてショートカット繊維を得た。
さらに、実施例23と同様のバインダー繊維を用い、実施例23と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
ショートカット繊維とバインダー繊維の混率を表3に示すように変更した以外は、実施例23と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
融点が215℃、相対粘度が2.50のナイロン6を、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度265℃、吐出量200g/min、紡糸速度1000m/minの条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比8)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.6ktexの繊維束に集束した後、延伸倍率3.02倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度1.1dtex、繊維長5mm、アスペクト比2.0のショートカット繊維を得た。
次に、実施例23のバインダー繊維を用いて、実施例23と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
融点が215℃、相対粘度が2.50のナイロン6を、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度260℃、吐出量340g/min、紡糸速度750m/minの条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比10)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.2ktexの繊維束に集束した後、延伸倍率3.42倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度2.2dtex、繊維長5mm、アスペクト比3.5のショートカット繊維を得た。
次に、実施例23のバインダー繊維を用いて、実施例23と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
融点が215℃、相対粘度が2.50のナイロン6を、通常の紡糸装置を用い、紡糸温度260℃、吐出量476g/min、紡糸速度650m/minの条件で紡糸し、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金として、扁平断面(アスペクト比12)の吐出孔が602個穿孔されたものを用いた。得られた未延伸糸を13.9ktexの繊維束に集束した後、延伸倍率3.69倍、延伸温度65℃で延伸を行った。その後、分散油剤を付着量が0.2質量%となるように付与した後、カットして単糸繊度3.3dtex、繊維長5mm、アスペクト比5.5のショートカット繊維を得た。
次に、実施例23のバインダー繊維を用いて、実施例23と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
実施例23のショートカット繊維を得る際のカット長を変更し、表3に示す繊維長とした以外は実施例23と同様にしてショートカット繊維を得た。
そして、実施例23のバインダー繊維を用いて、実施例23と同様にして湿式短繊維不織布を得た。
一方、比較例9のショートカット繊維は、アスペクト比が小さかったため、丸断面形状に近いものとなり、得られた湿式短繊維不織布は、厚みが大きく、通気度が高いものとなった。比較例10ではアスペクト比を大きくしたため、紡糸時に切れ糸が発生し操業性が悪化した。また、得られたショートカット繊維は強度の低いものとなり、このショートカット繊維より得られた湿式短繊維不織布は機械的特性に劣るものであった。比較例11のショートカット繊維は、繊維長が長かったため、得られた湿式短繊維不織布は地合が悪くなり、厚さが厚く、通気度が大きく、機械的特性にも劣るものであった。比較例12のショートカット繊維は、繊維長が短かったため、切断時に繊維同士の融着が発生し、不織布の地合が悪くなり、厚さの大きいものとなり、通気度が大きく、機械的特性にも劣るものであった。
Claims (1)
- 熱可塑性樹脂からなる繊維長が2〜20mm、単糸繊度が0.8〜4.0dtex、機械捲縮が付与されていない短繊維であって、短繊維を構成する単繊維は、繊維の長手方向に対して垂直に切断した断面が扁平断面形状を呈しており、長辺と短辺の長さの比であるアスペクト比(長辺/短辺)が1.8〜6.0、強度が3.0〜8.0cN/dtex、伸度が25〜100%であることを特徴とする湿式短繊維不織布用ショートカット繊維。
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