JP2011231057A - セラミド産生促進剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、セラミド産生促進剤に関する。
セラミドは、スフィンゴ脂質の構成成分であり、動植物の組織中に微量ではあるが広範囲に存在する。
近年では、セラミドに骨吸収抑制作用、骨強化作用、歯槽骨減少抑制作用があることが報告されており、骨粗鬆症、骨折、腰痛、リウマチなどの骨関節疾患の予防及び改善に有用であること(特許文献1参照)が報告されている。また、セラミドには、毛髪のハリ、コシの付与及び感触改善作用があることも報告されている(特許文献2参照)。
組織内でのセラミド量を正常に保つためにセラミドを外部から補給する方法が試みられているが、現在のところ必ずしもその効果は十分なものではない。
近年では、セラミドに骨吸収抑制作用、骨強化作用、歯槽骨減少抑制作用があることが報告されており、骨粗鬆症、骨折、腰痛、リウマチなどの骨関節疾患の予防及び改善に有用であること(特許文献1参照)が報告されている。また、セラミドには、毛髪のハリ、コシの付与及び感触改善作用があることも報告されている(特許文献2参照)。
組織内でのセラミド量を正常に保つためにセラミドを外部から補給する方法が試みられているが、現在のところ必ずしもその効果は十分なものではない。
本発明は、高いセラミド産生促進効果を有するセラミド産生促進剤を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑み、セラミド産生促進作用を有する新規な物質を探求すべく鋭意検討を行った。その結果、下記一般式(1)で表される化合物が高いセラミド産生促進作用を有することを見い出した。本発明はこの知見に基づいて成されたものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有するセラミド産生促進剤に関する。
一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、若しくはメトキシ基を表すか、又はR3とR4はそれらが結合している炭素原子とともに、−CH=CHC(CH3)2O−を含む6員環を形成する。
本発明によれば、セラミド産生促進剤を提供することができる。本発明のセラミド産生促進剤は、例えば皮膚外用剤の形態とすることにより外部からセラミドを供給し、組織内のセラミド量を正常な範囲に保ったり、減少したセラミド量を補うことができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のセラミド産生促進剤は、下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する。後述の実施例で実証されているように、この化合物は高いセラミド産生促進作用を有する。
本発明のセラミド産生促進剤は、下記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する。後述の実施例で実証されているように、この化合物は高いセラミド産生促進作用を有する。
一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。炭素数1〜4のアルキル基としては、具体的にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基が挙げられる。なかでも、R1は水素原子、メチル基であることが好ましい。R2は水素原子、メチル基であることが好ましい。
一般式(1)中、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、若しくはメトキシ基を表すか、又はR3とR4はそれらが結合している炭素原子とともに、−CH=CHC(CH3)2O−を含む6員環を形成する。なかでも、R3は水酸基、メトキシ基であることが好ましく、水酸基であることがより好ましい。R4は水素原子であることが好ましい。また、R3及びR4は、R3及びR4が結合している炭素原子とともに、−CH=CHC(CH3)2O−を含む6員環を形成することも好ましい。
一般式(1)中、R3及びR4は、それぞれ独立に水素原子、水酸基、若しくはメトキシ基を表すか、又はR3とR4はそれらが結合している炭素原子とともに、−CH=CHC(CH3)2O−を含む6員環を形成する。なかでも、R3は水酸基、メトキシ基であることが好ましく、水酸基であることがより好ましい。R4は水素原子であることが好ましい。また、R3及びR4は、R3及びR4が結合している炭素原子とともに、−CH=CHC(CH3)2O−を含む6員環を形成することも好ましい。
本発明において、一般式(1)で表される化合物には、その塩が包含される。塩としては特に限定されないが、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン塩及び4級アンモニウム塩、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、又はリジン、ヒスチジン、アルギニン等のアミノ酸塩などが挙げられる。
以下に一般式(1)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、下記の例示化合物においてMeはメチル基を表す。
前記一般式(1)で表される化合物は化学合成により製造することができ、例えば、種々の芳香環を原料として、付加反応、環化反応、アルキル化反応などを経て合成することができる。具体的には、Phytochemistry, 19, 921, 1980、Australian Journal of Chemistry, 40, 1705, 1987、特開2005−132752などに記載された合成方法を参照して当該化合物を合成することができる。
より具体的な合成法としては、後述の実施例で示す方法を用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
より具体的な合成法としては、後述の実施例で示す方法を用いることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、前記一般式(1)で表される化合物は、試薬等として市販されているものから入手することもできる。例えば、和光純薬工業、関東化学社、フナコシ社、ALDRICH社などから入手可能である。
さらに、前記一般式(1)で表される化合物は、植物材料から抽出、単離することによって得ることもできる。前記一般式(1)で表される化合物を単離する方法としては、特に限定されないが、例えば、植物を適当な溶媒を用いて抽出し、得られた植物抽出物からクロマトグラフィー等の手法により一般式(1)で表される化合物を単離する方法が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物は、後述の実施例に示すように優れたセラミド産生促進作用を有し、この化合物を含有させることでセラミド産生促進剤を得ることができる。前述のように、セラミドには骨吸収抑制作用、骨強化作用、歯槽骨減少抑制作用があることが報告されており、本発明のセラミド産生促進剤は、骨粗鬆症、骨折、腰痛、リウマチなどの骨関節疾患の予防又は改善、歯周病の予防又は改善のための医薬品、医薬部外品等の素材として有用である。また、セラミドには毛髪のハリ・コシの付与及び感触改善作用があることも報告されており、本発明のセラミド産生促進剤は、毛髪にハリ・コシを付与したり毛髪の感触を改善するための医薬部外品、化粧品等の素材としても有用である。
前記一般式(1)で表される化合物がセラミド産生促進作用を有することは従来全く知られておらず、本発明者等により得られた新しい知見である。
前記一般式(1)で表される化合物がセラミド産生促進作用を有することは従来全く知られておらず、本発明者等により得られた新しい知見である。
本発明において、前記一般式(1)で表される化合物はそのままセラミド産生促進剤として用いてもよい。又は、その効果に影響を与えない範囲で、前記一般式(1)で表される化合物に各種添加剤等を加えてもよい。例えば酸化チタン、炭酸カルシウム、蒸留水、乳糖、デンプン等の適当な液体または固体の賦形剤または増量剤を加えてセラミド産生促進剤として用いてもよい。
組成物とする場合、セラミド産生促進剤中の前記一般式(1)で表される化合物の量は特に制限されないが、前記一般式(1)で表される化合物が0.00001〜20質量%含まれるのが好ましく、0.0001〜10質量%程度含まれるのが特に好ましい。
組成物とする場合、セラミド産生促進剤中の前記一般式(1)で表される化合物の量は特に制限されないが、前記一般式(1)で表される化合物が0.00001〜20質量%含まれるのが好ましく、0.0001〜10質量%程度含まれるのが特に好ましい。
本発明のセラミド産生促進剤は、化粧料、医薬部外品、医薬品に適用することができる。
化粧料や医薬部外品に用いる場合、例えば皮膚外用剤の形態とすることができる。皮膚外用剤の態様で用いる場合、前記一般式(1)で表される化合物に加えて、上述した各種添加剤やその他の薬効成分を適宜加えることができ、さらには取りうる剤型に応じて皮膚外用剤に通常用いられる各種成分を配合することができる。皮膚外用剤の剤型として、具体的には、クリーム、乳液、ローション、ゲル、軟膏、ペースト、パック、シート状製品等、外用適用可能な種々の剤型が挙げられ、これらの剤型とするにあたって、例えば、各種油剤、界面活性剤、ゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、アルコール、水、キレート剤、増粘剤、紫外線吸収剤、乳化安定剤、pH調整剤、色素、香料等を配合することができる。また、その他の薬効成分を配合することもできる。このような薬効成分としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム等の他の保湿成分、既知のセラミド産生促進剤、擬似セラミド、天然セラミド、糖セラミド、スフィンゴミエリン、皮膚老化防止剤、美白剤などが挙げられる。
化粧料や医薬部外品に用いる場合、例えば皮膚外用剤の形態とすることができる。皮膚外用剤の態様で用いる場合、前記一般式(1)で表される化合物に加えて、上述した各種添加剤やその他の薬効成分を適宜加えることができ、さらには取りうる剤型に応じて皮膚外用剤に通常用いられる各種成分を配合することができる。皮膚外用剤の剤型として、具体的には、クリーム、乳液、ローション、ゲル、軟膏、ペースト、パック、シート状製品等、外用適用可能な種々の剤型が挙げられ、これらの剤型とするにあたって、例えば、各種油剤、界面活性剤、ゲル化剤、防腐剤、酸化防止剤、溶剤、アルコール、水、キレート剤、増粘剤、紫外線吸収剤、乳化安定剤、pH調整剤、色素、香料等を配合することができる。また、その他の薬効成分を配合することもできる。このような薬効成分としては、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム等の他の保湿成分、既知のセラミド産生促進剤、擬似セラミド、天然セラミド、糖セラミド、スフィンゴミエリン、皮膚老化防止剤、美白剤などが挙げられる。
既知のセラミド産生促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アセチルヒドロキシプロリン、グリチルリチン酸カリウム、L-カルニチン、アスコルビン酸、アスコルビルグルコシド、アスコルビルリン酸マグネシウム、dl-α-トコフェリル-dl-アスコルビルリン酸、dl-α-トコフェリルリン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸トコフェロール、L-乳酸、ビタミンC、アスパラガス抽出物、ブッチャーブルーム、ゲンクワニン、ローズマリー、ラベンダー、セージ、ナツメ、黒(赤)霊芝、トウキ、クジン、ヨクイニン、ベニセアンヌ抽出物、ライスパワーエキスなどが挙げられる。
擬似セラミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、市販のセラミドR(ユニリーバ製)、セラミドPC-104(太平洋化学製)、セラミドHO3(sederma製)、エルデュウPS-203(味の素製)などが挙げられる。
糖セラミドとしては、特に限定されるものではないが、グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド等が挙げられるが、市販のものとしては、ニップンセラミド(日本製粉製)、オリザセラミド(オリザ油化製)、ニッサンセラミド、ネオリキッドセラミドN(日本油脂製)、セラミド(ユニチカ製)等が挙げられる。
化粧料等の皮膚外用剤中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、0.00001〜20質量%とすることが好ましく、特に0.0001〜10質量%とすることが好ましい。
擬似セラミドとしては、特に限定されるものではないが、例えば、市販のセラミドR(ユニリーバ製)、セラミドPC-104(太平洋化学製)、セラミドHO3(sederma製)、エルデュウPS-203(味の素製)などが挙げられる。
糖セラミドとしては、特に限定されるものではないが、グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド等が挙げられるが、市販のものとしては、ニップンセラミド(日本製粉製)、オリザセラミド(オリザ油化製)、ニッサンセラミド、ネオリキッドセラミドN(日本油脂製)、セラミド(ユニチカ製)等が挙げられる。
化粧料等の皮膚外用剤中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、0.00001〜20質量%とすることが好ましく、特に0.0001〜10質量%とすることが好ましい。
本発明のセラミド産生促進剤を医薬品として用いる場合の投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、外用剤、坐剤、経皮吸収剤等による非経口投与が挙げられる。当該医薬製剤を調製するには、本発明のセラミド産生促進剤を単独で、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤等を適宜組み合わせて用いることができる。該製剤中の前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、0.00001〜20質量%が好ましく、特に0.0001〜10質量%含有することが好ましい。尚、本発明のセラミド産生促進剤を医薬品として使用する場合、成人1人当たりの1日の投与量は、前記一般式(1)で表される化合物が、例えば0.001〜1000mgが好ましく、特に0.01〜100mgとなるのが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
合成例
下記の手法により、前記例示化合物(b)及び(c)をそれぞれ合成した。
下記の手法により、前記例示化合物(b)及び(c)をそれぞれ合成した。
1.例示化合物(b):4'−O−メチルグラブリジンの合成
グラブリジン300mg(0.925mmol)を50mLナスフラスコに加え、クロロホルム13.5mLとメタノール1.5mLにて溶解した。氷冷下にて、トリメチルシリルジアゾメタン2.0Mへキサン溶液5.55mL(11.1mmol)をゆっくりと滴下し、1時間攪拌した後、室温にて47時間攪拌させた。氷冷下にて、酢酸69.9μL(13.3mmol)を加えて反応を停止した。減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー50gにて精製し、無色固体として4'−O−メチルグラブリジン(例示化合物(b))111mg(収率35.4%)、無色固体としてグラブリジン−ジメチル体118mg(収率36.6%)を得た。
グラブリジン300mg(0.925mmol)を50mLナスフラスコに加え、クロロホルム13.5mLとメタノール1.5mLにて溶解した。氷冷下にて、トリメチルシリルジアゾメタン2.0Mへキサン溶液5.55mL(11.1mmol)をゆっくりと滴下し、1時間攪拌した後、室温にて47時間攪拌させた。氷冷下にて、酢酸69.9μL(13.3mmol)を加えて反応を停止した。減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー50gにて精製し、無色固体として4'−O−メチルグラブリジン(例示化合物(b))111mg(収率35.4%)、無色固体としてグラブリジン−ジメチル体118mg(収率36.6%)を得た。
得られた化合物は1H-NMR、13C-NMRにより構造を確認した。
1H-NMR (CDCl3,,600MHz)δ1.34(3H,s),1.36(3H,s),2.79(1H,ddd,J=15.6Hz,5.2Hz,2.1Hz),2.92(1H,ddd,J=15.6Hz,10.9Hz,0.8Hz),3.42(1H,dddd,J=10.9Hz,10.3Hz,5.2Hz,3.4Hz),3.69(3H,s),3.95(1H,ddd,J=10.3Hz,10.3Hz,0.8Hz),4.31(1H,ddd,J=10.3Hz,3.4Hz,2.1Hz),4.90(1H,br),5.49(1H,d,J=9.9Hz),6.29(1H,d,J=2.5Hz),6.30(1H,d,J=8.5Hz),6.41(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),6.58(1H,dd,J=9.9Hz,0.6Hz),6.76(1H,br-d,J=8.3Hz),6.95(1H,d,J=8.5Hz)
13C-NMR (CDCl3,,125MHz)δ27.54,27.78,30.59,31.68,55.36,70.01,75.62,96.14,103.13,106.00,108.71,109.93,114.36,116.95,119.85,128.22,128.98,129.21,149.74,151.87,154.26,159.35
1H-NMR (CDCl3,,600MHz)δ1.34(3H,s),1.36(3H,s),2.79(1H,ddd,J=15.6Hz,5.2Hz,2.1Hz),2.92(1H,ddd,J=15.6Hz,10.9Hz,0.8Hz),3.42(1H,dddd,J=10.9Hz,10.3Hz,5.2Hz,3.4Hz),3.69(3H,s),3.95(1H,ddd,J=10.3Hz,10.3Hz,0.8Hz),4.31(1H,ddd,J=10.3Hz,3.4Hz,2.1Hz),4.90(1H,br),5.49(1H,d,J=9.9Hz),6.29(1H,d,J=2.5Hz),6.30(1H,d,J=8.5Hz),6.41(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),6.58(1H,dd,J=9.9Hz,0.6Hz),6.76(1H,br-d,J=8.3Hz),6.95(1H,d,J=8.5Hz)
13C-NMR (CDCl3,,125MHz)δ27.54,27.78,30.59,31.68,55.36,70.01,75.62,96.14,103.13,106.00,108.71,109.93,114.36,116.95,119.85,128.22,128.98,129.21,149.74,151.87,154.26,159.35
2.例示化合物(c):サティバンの合成
中間体1 (1-(4-(benzyloxy)-2-hydroxyphenyl)ethanone)の合成
2、4−ジヒドロキシアセトフェノン10g(65.7mmol)を窒素雰囲気下、1mLナスフラスコに加え、アセトニトリル400mLにて溶解した。塩化ベンジル9.51mL(85.4mmol)、ヨウ化ナトリウム685mg(6.57mmol)、炭酸水素ナトリウム12.1g(144.5mmol)を加え、50℃で4日間、攪拌した。反応溶液をセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去した。酢酸エチル200mL、水200mLを加え、分液操作を行ない、有機層を抽出、減圧下溶媒を留去した。ヘキサン150mL、酢酸エチル15mLを加え、60℃にて溶解させ、攪拌しながら空冷した。析出した結晶をろ過し(φ=9.0cm、ろ紙5B)、中間体1を得た。(収量12.7g、収率78.5%)
中間体1 (1-(4-(benzyloxy)-2-hydroxyphenyl)ethanone)の合成
2、4−ジヒドロキシアセトフェノン10g(65.7mmol)を窒素雰囲気下、1mLナスフラスコに加え、アセトニトリル400mLにて溶解した。塩化ベンジル9.51mL(85.4mmol)、ヨウ化ナトリウム685mg(6.57mmol)、炭酸水素ナトリウム12.1g(144.5mmol)を加え、50℃で4日間、攪拌した。反応溶液をセライト濾過した後、減圧下溶媒を留去した。酢酸エチル200mL、水200mLを加え、分液操作を行ない、有機層を抽出、減圧下溶媒を留去した。ヘキサン150mL、酢酸エチル15mLを加え、60℃にて溶解させ、攪拌しながら空冷した。析出した結晶をろ過し(φ=9.0cm、ろ紙5B)、中間体1を得た。(収量12.7g、収率78.5%)
中間体2 (3-(2,4-bis(methoxy)phenyl)-7-(benzyloxy)-4H-chromen-4-one)の合成
中間体1 1.50g(6.19mmol)、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド1.03g(6.19mmol)、エタノール50mLを100mLナスフラスコに加え、80℃に加熱、攪拌した。50%水酸化ナトリウム水溶液8.3mlを徐々に滴下し、30分間還流した。1M塩酸をpH酸性になるまで加えて反応を停止した。沈殿物を濾過し(φ=9.0cm、ろ紙5A)、水洗後、減圧乾燥した。ヘキサン20mL、酢酸エチル20mlを加え、60℃にて溶解させ、攪拌しながら空冷した。析出した結晶をろ過し(φ=6.0cm、ろ紙5A)、減圧乾燥した。乾燥固形物980mgを500mLナスフラスコに加え、エタノール300mLに溶解し、50℃に加熱した。硝酸タリウム(III)・3水和物1.34g(3.01mmol)を加え、3時間攪拌した後、3N塩酸9mlを加え、さらに12時間攪拌した。沈殿物を濾過し(φ=6.0cm、ろ紙5B)、ろ液を減圧下溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー45g(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=49:1)にて精製し、中間体2を得た。(収量487mg、収率41.2%)
中間体1 1.50g(6.19mmol)、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド1.03g(6.19mmol)、エタノール50mLを100mLナスフラスコに加え、80℃に加熱、攪拌した。50%水酸化ナトリウム水溶液8.3mlを徐々に滴下し、30分間還流した。1M塩酸をpH酸性になるまで加えて反応を停止した。沈殿物を濾過し(φ=9.0cm、ろ紙5A)、水洗後、減圧乾燥した。ヘキサン20mL、酢酸エチル20mlを加え、60℃にて溶解させ、攪拌しながら空冷した。析出した結晶をろ過し(φ=6.0cm、ろ紙5A)、減圧乾燥した。乾燥固形物980mgを500mLナスフラスコに加え、エタノール300mLに溶解し、50℃に加熱した。硝酸タリウム(III)・3水和物1.34g(3.01mmol)を加え、3時間攪拌した後、3N塩酸9mlを加え、さらに12時間攪拌した。沈殿物を濾過し(φ=6.0cm、ろ紙5B)、ろ液を減圧下溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー45g(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=49:1)にて精製し、中間体2を得た。(収量487mg、収率41.2%)
サティバン(3,4-dihydro-3-(2,4-dimethoxyphenyl)-2H-chromen-7-ol)の合成
中間体2 300mg(0.772mmol)を200mLナスフラスコに加え、アセトン30mL、水1.5mLに溶解した。10%パラジウム−炭素300mgを加え、水素雰囲気下、40℃で6時間攪拌した。反応溶液をセライトろ過し、ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー45g(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=49:1)にて精製し、無色固体としてサティバン(例示化合物(c))を得た。(収量172mg、収率81.12%)
中間体2 300mg(0.772mmol)を200mLナスフラスコに加え、アセトン30mL、水1.5mLに溶解した。10%パラジウム−炭素300mgを加え、水素雰囲気下、40℃で6時間攪拌した。反応溶液をセライトろ過し、ろ液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー45g(クロロホルム→クロロホルム:メタノール=49:1)にて精製し、無色固体としてサティバン(例示化合物(c))を得た。(収量172mg、収率81.12%)
得られた化合物は1H-NMR、13C-NMRにより構造を確認した。
1H-NMR (CDCl3,,600MHz)δ2.86(1H,ddd,J=15.7Hz,5.5Hz,2.0Hz),2.97(1H,ddd,J=15.7Hz,10.7Hz,0.5Hz),3.56(1H,dddd,J=10.7Hz,10.3Hz,5.5Hz,3.6Hz),3.80(3H,s),3.81(3H,s),3.99(1H,dd,J=10.3Hz,10.3Hz),4.29(1H,ddd,J=10.3Hz,3.6Hz,2.0Hz),4.83(1H,br),6.35(1H,d,J=2.5Hz),6.38(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),6.46(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),6.49(1H,d,J=2.5Hz),6.94(1H,d,J=8.3Hz),7.02(1H,d,J=8.3Hz)
13C-NMR (CDCl3,,125MHz)δ30.33,31.48,55.34,55.37,70.11,98.67,103.16,104.04,107.81,114.86,121.79,127.53,130.41,154.78,155.17,158.26,159.63
1H-NMR (CDCl3,,600MHz)δ2.86(1H,ddd,J=15.7Hz,5.5Hz,2.0Hz),2.97(1H,ddd,J=15.7Hz,10.7Hz,0.5Hz),3.56(1H,dddd,J=10.7Hz,10.3Hz,5.5Hz,3.6Hz),3.80(3H,s),3.81(3H,s),3.99(1H,dd,J=10.3Hz,10.3Hz),4.29(1H,ddd,J=10.3Hz,3.6Hz,2.0Hz),4.83(1H,br),6.35(1H,d,J=2.5Hz),6.38(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),6.46(1H,dd,J=8.3Hz,2.5Hz),6.49(1H,d,J=2.5Hz),6.94(1H,d,J=8.3Hz),7.02(1H,d,J=8.3Hz)
13C-NMR (CDCl3,,125MHz)δ30.33,31.48,55.34,55.37,70.11,98.67,103.16,104.04,107.81,114.86,121.79,127.53,130.41,154.78,155.17,158.26,159.63
(試験例)セラミド産生促進効果の検証
例示化合物(a)〜(c)を用いて、下記の手順によりセラミド産生促進作用を評価した。なお、例示化合物(b)の4’−O−メチルグラブリジン及び(c)のサティバンは上記で合成したものを、例示化合物(a)のグラブリジンは、和光純薬から試薬として市販されているものを使用した。
例示化合物(a)〜(c)を用いて、下記の手順によりセラミド産生促進作用を評価した。なお、例示化合物(b)の4’−O−メチルグラブリジン及び(c)のサティバンは上記で合成したものを、例示化合物(a)のグラブリジンは、和光純薬から試薬として市販されているものを使用した。
培養プレートを用い、培養液(商品名:EpiLife-KG2、KURABO社製)中にて、正常ヒト表皮角化細胞(商品名:NHEK(F)、KURABO社製)を37℃、5%CO2で培養した。
その後、培養液を上皮成長因子などの増殖因子を除いたEpiLife-KG2に換え、評価サンプル(例示化合物(a)〜(c)、比較用化合物)の濃度を10mM、5mM、2mM、1mMとなるようにそれぞれ調製したもの、又はコントロール溶液(50%エタノール)を、0.1%量添加した。
3日間培養した後、各々の細胞を1wellごと回収した。
その後、培養液を上皮成長因子などの増殖因子を除いたEpiLife-KG2に換え、評価サンプル(例示化合物(a)〜(c)、比較用化合物)の濃度を10mM、5mM、2mM、1mMとなるようにそれぞれ調製したもの、又はコントロール溶液(50%エタノール)を、0.1%量添加した。
3日間培養した後、各々の細胞を1wellごと回収した。
回収した細胞からBligh and Dyer法により脂質を抽出した有機相をガラス管に移し、窒素乾固した後、クロロホルム、メタノールで再溶解し、脂質サンプルとした。
また、脂質を抽出した後の細胞に0.1N NaOH、1%SDS水溶液を加え、60℃で2時間加熱することにより、タンパク質を可溶化し、室温まで冷却した後2N HClを加えて中和し、タンパク量をBCA法により定量した。
また、脂質を抽出した後の細胞に0.1N NaOH、1%SDS水溶液を加え、60℃で2時間加熱することにより、タンパク質を可溶化し、室温まで冷却した後2N HClを加えて中和し、タンパク量をBCA法により定量した。
調製した脂質サンプルを薄膜クロマトグラフィー(TLC)でクロロホルム:メタノール:酢酸=190:9:1で2回水平展開した。硫酸銅液をスプレーで噴霧し、ホットプレートで焼き付けセラミドを検出し、セラミド量とした。
結果を表1に示す。なお、表1に示すセラミド量は、コントロール溶液添加群を1とした場合の相対値を示している。
結果を表1に示す。なお、表1に示すセラミド量は、コントロール溶液添加群を1とした場合の相対値を示している。
比較用化合物として、下記構造のイソリキリチゲニン(フナコシ社製)を用いて、上記と同様の評価を行った。
表1から明らかなように、例示化合物(a)〜(c)を添加した系においては、コントロールの系に比べてセラミド産出量が上昇していることが認められた。したがって、前記一般式(1)で表される化合物を有効成分として含有する本発明のセラミド産生促進剤は、セラミド産生を促進することができることがわかる。
(処方例1)
下記表2の組成を有するヘアローション(No.1〜3)をそれぞれ常法により製造した。
下記表2の組成を有するヘアローション(No.1〜3)をそれぞれ常法により製造した。
(処方例2)
下記表3の組成を有するヘアトリートメント(No.11〜13)をそれぞれ常法により製造した。
下記表3の組成を有するヘアトリートメント(No.11〜13)をそれぞれ常法により製造した。
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