JP2011229848A - 吸収性物品 - Google Patents
吸収性物品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011229848A JP2011229848A JP2010105628A JP2010105628A JP2011229848A JP 2011229848 A JP2011229848 A JP 2011229848A JP 2010105628 A JP2010105628 A JP 2010105628A JP 2010105628 A JP2010105628 A JP 2010105628A JP 2011229848 A JP2011229848 A JP 2011229848A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- sheet
- absorber
- layer absorber
- absorbent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
Abstract
【解決手段】表面シート、裏面シート、及び該両シート間に介在された吸収体を有する吸収性物品であって、前記吸収体は少なくとも上層吸収体と下層吸収体を有し、該両吸収体の間には幅方向に液を拡散させる液拡散機構が配置もしくは形成され、前記吸収性物品には幅方向外方に張り出す張出し部があり、該張出し部には***液を検知可能な標識材がある吸収性物品。
【選択図】図1
Description
一方、大人用の尿取りパッドなど、おむつの吸収体上や下着、専用のパッドホルダー等外側着用物品の内側に配置するものでも、インジケータを設けるものがある。これに対し、外側を覆うおむつ本体の吸収体に内部の尿とりパッドのインジケータを視認し易くするための穴を設けてインジケータの変色を視認可能とする技術が提案されている(特許文献4参照)。
図1は本発明の吸収性物品における一実施形態(実施形態1)としての尿とりパッドを展開して股下部に沿ってやや湾曲させた状態を模式的に示す一部切欠斜視図である。図2は図1のII−II線断面の拡大断面図である。
本実施形態1の尿とりパッド10は、肌当接面側に配置される液透過性の表面シート1、非肌当接面側に配置される防水性の裏面シート2、該両シート間に介在された吸収体3を具備する吸収本体部10aとウィング部5とを有する。本実施形態1では、ウィング部5が張出し部を構成している。前記吸収本体部10aはその平面視において長方形状であり、着用者の腹側に配される腹側部F、股間に沿うようにわたす股下部C、及び背側に配される背側部Rの各部位からなる。
本実施形態1において、図2に示す展開状態の尿とりパッド10を、ウィング基端位置5tあるいはその周辺位置に沿ってウィング部5を物品幅方向内側へ向けて、かつ裏面シート2の存在する方向へ折り曲げ、外側着用物品である着衣のクロッチ部分等を巻き込むようにして粘着剤53で固定して使用する(図示せず)。尿とりパッド10の装着状態では表側シート51が反転して着衣等よりも外側に位置に配される。これにより着衣の外側からでもウィング部5の表側シート51及びこれを介してインジケータ6の視覚的変化を認識することができる。
本実施形態1の尿とりパッド10において、表面シート1から透過された液は、パルプ繊維と高吸収性ポリマーとを有する上層吸収体31で吸収保持される。多量の排尿の場合や複数回の排尿の場合などに尿が上層吸収体31の非肌面側に到達すると、尿の一部は液拡散シート4によってウィング部5へ向かうよう幅方向へと拡散し、同時に残りの尿は下層吸収体32に吸収されて漏れが防御される。本実施形態1において、該液拡散シート4の幅方向端4a,4aは接合端k付近で表側シート51と裏面シート2との間に介在されており、液は該接合端kより幅方向外方へと導かれる。導かれた液はさらにウィング部5の表側シート51及び裏側シート部52との間を通過してインジケータ6を変色させる。インジケータ6は後述する親水性の材料を含む親水性組成物であると、ウィング部5へ液が導かれて変色を適時に観測することが可能となるので好ましい。
通常、装着者によって排尿量や排尿回数に個人差があるため尿とりパッドの取替えのタイミングにも個人差がある。例えば、1回の排尿量が多い場合などその1回の排尿で吸収体の底部まで液が到達することがある。従来のように裏面シートと吸収体の間にインジケータが設けられていると、***ポイント付近の吸収体の非肌面側に尿が達する時点ではその吸収体にまだ吸収余力があるにも関わらず、その時点でインジケータが変色してしまう場合があった。本実施形態1においては、インジケータ6がウィング部5に設けられているので、排尿部からインジケータまでの距離があり、尿の幅方向への拡散時間がかせげるために、このような事態を避けることが可能となると共に、上層、下層吸収体が共に限界に達する前にウィング部5のインジケータ6が変色するので、尿とりパッドからの漏れを防止できる。また他の例として、1回の排尿量は少ないが排尿回数の多い場合や排尿量がその都度異なる場合では何度か排尿を繰り返し漸くインジケータが変色する。この場合長時間の着用でインジケータの確認をつい忘れ取替えのタイミングがずれてしまうことがある。従来の尿とりパッドではインジケータの変色の時点で吸収保持容量の限界となる場合があり、取替えのタイミングがずれることで尿漏れとなってしまうことがある。これに対し本実施形態1の尿とりパッド10は、ウィング部5のインジケータ6の変色後も下層吸収体32が液を吸収保持し得るので取替えのタイミングがずれても尿漏れを防ぐことができる。
本実施形態1において、前記基底部eを構成する表側シート51と裏面シート2とは、その部分において液の受け渡しが可能でさえあれば、接着されていてもされていなくてもよい。表側シート51と裏面シート2とを接着状態とする場合、液拡散シート4によって導かれた液をウィング部5内部まで連絡するような接着構造であればよい。例えば、スパイラル塗工やカーテンスプレー塗工のようにホットメルト接着剤をファイバー状に塗工する方法やウィング部の縦方向に複数本、ビード状に塗工する方法等を採用することができる。一方、非接着部分を設ける場合、液防漏性の観点からインジケータ6への液受け渡しに必要な部分のみ非接着とすることが好ましい。例えば、基底部eにおいて幅方向に延びる複数の接着部を縦方向に対して間欠的に配設することで、その接着部に挟まれた非接合部分を液受け渡し部分とする方法などを採用することができる。
図3は、本発明の別の実施形態(実施形態2)としての尿とりパッドにおける液拡散機構を有する液難透過性シート8について、上層吸収体31及び下層吸収体32とともに模式的に示す分解斜視図であり、各吸収体を被覆シートで吸収性コアを被覆した状態で示す(以下、実施形態3〜5において同じ。)。図3において、液難透過性シート8、上層吸収体31及び下層吸収体32の構造的関連性の理解のため少し離して示すが、実際の尿とりパッドにおいては、上層吸収体31、液難透過性シート8及び下層吸収体32が厚み方向に当接した状態で積層されている。本実施形態2において、尿とりパッドのその他の部材は実施形態1と同様の構成である。そのため図3において、上層吸収体31、液難透過性シート8及び下層吸収体32以外の部材は省略する。
図4は、本発明のさらに別の実施形態(実施形態3)としての尿とりパッドにおける液拡散機構を有する下層吸収体321を上層吸収体31とともに模式的に示す分解斜視図である。図4において、上層吸収体31及び下層吸収体321の構造的関連性の理解のため少し離して示すが、実際の尿とりパッドにおいては、両吸収体が厚み方向に当接した状態で積層されている。本実施形態3において、尿とりパッドのその他の部材は実施形態1と同様の構成である。そのため図4において、上層吸収体31及び下層吸収体321以外の部材は省略する。図5は、実施形態3の尿とりパッドにおける下層吸収体の変形例を模式的に示す図であり、(a)はその平面図であり、(b)はそのV−V断面図である。
本実施形態3の尿とりパッドにおいて、実施形態2の液難透過性シート8は配されず上層吸収体31と下層吸収体321とが直接厚み方向に積層されている。下層吸収体321の肌面側は、上層吸収体31からの液を吸収保持するべく、液拡散性であり液透過性である。下層吸収体321の肌面側の股下部Cには、液拡散機構としての導水溝f1が1条幅方向に形成されている。該導水溝f1は下層吸収体321の肌面側から圧着されて形成され、この部分において密度が高められている。該導水溝f1を圧着形成する方法は、この種の物品に用いられる方法を適宜用いることができ、ロールにより圧着する方法が挙げられる。吸収体に水を霧状に散布すると、吸水ポリマーが接着剤の働きをするので、ロール圧着した部分に、よりはっきりとした溝が形成される。親水化処理した合成繊維を用いる場合は、加熱したロールにより、圧着熱シールする方法を用いることができる。以上により、繊維密度が高くなることで毛管力が生じやすくなり、圧縮していない部分に比べ、液を幅方向に拡散しやすくなる。
本実施形態3において、前述の下層吸収体321は実施形態1及び2と同様にパルプ繊維等に吸収性ポリマーを担持してなるものであるが、これに代えて図5に示す厚みの薄いシート状の下層吸収体322(以下、吸収シート322ともいう。)であってもよい。該吸収シート322は、パルプ繊維等の繊維を含まない、いわゆるパルプレス構造である。前記吸収シート322は、多数の吸収性ポリマーを2枚の液透過性のシートの間に挟持してなる。吸収シート322の平面視において、その縦方向に直線状に延在する4条の吸収ポリマー存在領域m1〜m4と3条の非存在領域n2〜n4とが幅方向に交互に配され、存在領域m1及びm4の幅方向外方が非存在領域n1及びn5で封止されている。さらに吸収シート322の縦方向の中央の股下部Cにあたる位置に非存在領域n6が幅方向に延在するように形成されている。
図6は、本発明のさらに別の実施形態(実施形態4)としての尿とりパッドにおける液拡散機構を有する下層吸収体323を上層吸収体31とともに模式的に示す分解斜視図である。図6において、上層吸収体31及び下層吸収体323の構造的関連性の理解のため少し離して示すが、実際の尿とりパッドにおいては、両吸収体が厚み方向に当接した状態で積層されている。本実施形態4において、尿とりパッドのその他の部材は実施形態1と同様の構成である。そのため図6において、上層吸収体31及び下層吸収体323以外の部材は省略する。
本実施形態4の尿とりパッドにおいて、上層吸収体31と下層吸収体323とが直接厚み方向に積層されている。下層吸収体323の肌面側は、上層吸収体31からの液を吸収保持するべく、液拡散性であり液透過性である。下層吸収体323の肌面側の股下部Cには、液を幅方向へ拡散させる液拡散機構としての導水領域f2が配されている。該導水領域f2は、その縦方向側縁に沿って撥水処理された2条の撥水性領域g1,g1を配置することで形成される。
図7は、本発明のさらに別の実施形態(実施形態5)としての尿とりパッドにおける液拡散機構を有する下層吸収体324を上層吸収体31とともに模式的に示す分解斜視図である。図7において、上層吸収体31及び下層吸収体324の構造的関連性の理解のため少し離して示すが、実際の尿とりパッドにおいては、両吸収体が厚み方向に当接した状態で積層されている。本実施形態5において、尿とりパッドのその他の部材は実施形態1と同様の構成である。そのため図7において、上層吸収体31及び下層吸収体324以外の部材は省略する。図8は、実施形態5の尿とりパッドの装着時において、下層吸収体324の股下部が縒れる状態を模式的に示す部分拡大斜視図である。
図9〜図11は、本発明の実施形態6〜8としての尿とりパッドの展開し伸長した状態を模式的に示す平面図である。いずれの図においても、インジケータ6の形状及び配列が明確となるよう、実線で外形を示し斑点模様を付した。また、図9〜図11において表面シートの外形において破線(隠れ線)による図示は省略し、これに包まれた吸収体3のみを破線で示している。
図9〜図11に示すインジケータは、いずれも尿とりパッドの幅方向に複数個所存在するように配置した例であり、液漏れを段階的に認識しやすく好ましい。これらのインジケータは、実施形態1〜5の尿とりパッドに適宜適用可能である。
[吸収体]
(上層吸収体)
上層吸収体31の形成材料としては、通常吸収性物品に用いられるものを用いることができる。具体的には例えば、吸収性コアとしては、繊維集合体又はこれと吸収性ポリマーとを併用させたもの等を用いることができる。繊維集合体を構成する繊維としては、パルプ繊維等の親水性天然繊維や、合成繊維(好ましくは親水化処理を施したもの)等を用いることができる。坪量は特に限定されないが、150g/m2〜500g/m2が好ましい。吸収性ポリマーとしては、この種の物品に通常使用されている各種のポリマー材料を用いることができる。吸収性ポリマーは、自重の20倍以上の水又は生理食塩水を吸収し保持し得る性能を有するような超吸収性高分子化合物であることが好ましい。また吸収性コアを被覆する被覆シートとしては、親水性のティッシュペーパー等の薄手の紙(薄葉紙)、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布(SMS、SMMS、SSMS等の複合不織布)からなるものを用いることができる。
これらの下層吸収体としては、上層吸収体31と同様の材料を用いた吸収体であってもよい。あるいは下層吸収体としては、親水性繊維又は熱溶融性接着繊維または紙力補強剤並びに高吸収性ポリマーを含む薄い高吸収性シートであってもよい。この高吸収性シートは、高吸収性ポリマーを繊維ウエブ上に散布しその上に繊維集合体を重ね合わせて乾燥し一体化させたものである。その厚みは0.3〜1.5mmと薄いものであることが好ましい(特開平8−246395号公報参照)。この高吸収性シートは、極めて薄いシート内部の繊維に高吸収性ポリマーを三次元状に分散固定したものである。これにより高吸収性ポリマーの脱落することなく、繰り返し吸収する場合でもゲルブロッキングを生じにくいので液の吸収保持性能に優れている。なお、下層吸収体321及び下層吸収体324の厚さは、導水溝f1及び圧搾部g2を形成する観点から、2〜5mmが好ましく、2〜4mmがさらに好ましい。
(下層吸収体322)
各下層吸収体の変形例として示す下層吸収体322の形成素材は、特開2004−275225号公報に記載のものを用いることができる。
液拡散シート4の形成素材として、通常の親水性シート、具体的にはレーヨン、コットン、パルプなどの親水性繊維等を含むものが挙げられる。拡散性を制御する方法としては、シートを構成する親水性繊維に加えて、(1)親水性粒子を含ませること、(2)疎水性繊維を含ませること、が挙げられる。親水性粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等が挙げられ、特に酸化チタンが好ましい。疎水性繊維を加える場合には、親水性繊維を50質量%以上、特に60質量%以上、疎水性繊維を50質量%未満、特に40質量%未満の量で含むことができる。疎水性繊維としては例えば各種熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。本発明で使用される親水性繊維(不織布)の中には、疎水性の熱可塑性樹脂からなる繊維を各種親水処理した繊維や、疎水性繊維からなる不織布を各種親水化処理した不織布も含まれる。これらの繊維を含む繊維シートとしては、例えばスパンレース不織布、エアスルー不織布、紙などが挙げられる。具体的にはレーヨンとポリオレフィン系繊維とからなるスパンレース不織布が挙げられる。これらの繊維シートの坪量は15〜50g/m2、特に18〜35g/m2であることが、好ましい。
液拡散シート4の液拡散性を示すクレム吸水高さの測定は、JIS P8141の紙及び板紙−吸水度試験方法−クレム法に順じて行うことができる。即ち、液拡散シートを幅20mm、長さ200mmの短冊状に裁断した後、長手方向を鉛直方向にして下端から15mmの部分までを水に浸し、水に浸してから10分後に水が何mm吸い上げられたかを測定する。この測定値をクレム吸水高さとする。
液難透過性シート8の形成素材は、撥水性不織布、親水性不織布や紙などの表面にホットメルト接着剤を塗工し液の透過性を下げたシート、オレフィン系フィルム(PE、PP)等が挙げられる。
(液易透過性領域)
液難透過性シート8に形成される液易透過性領域81の液拡散性を示す指標として、クレム吸水高さが25mm以上であることが好ましく、25mm〜100mmであることがより好ましく、35mm〜80mmであることがさらに好ましい。
(液易透過性領域81における液拡散性と液透過性とのバランス)
この液拡散性と液透過性とをバランスよく併存させる観点から、液易拡散領域は縦方向中心線から前後各々に30mmの幅の範囲内に存在することが好ましく、10mmの幅の範囲内であることがさらに好ましい。また、液易拡散領域の幅は3〜50mm、特に5〜30mm以下、更には5〜10mm以下であることが好ましい。この幅を超えないようにすることで、液の幅方向への拡散量よりも液の厚み方向への透過量が多くなり過ぎることを防ぎ、液が液易透過領域端部81aに到達する前に下層吸収体の吸収量が限界に達してしまうことを防ぐことができる。液易拡散領域を複数条設ける場合には、各々の幅の合計が上記範囲内となることが同様の観点から好ましい。
インジケータをなす親水性組成物に含有される呈色指示薬としては、pHが3〜7で色が変化するものが好ましく、その例としてはブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、アリザリンS、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、ブロモクレゾールパープル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの呈色指示薬のうち特に好ましいものとしては、ブロモフェノールブルー、ブロモクレゾールグリーン及びブロモクレゾールパープル等が挙げられる。これらの呈色指示薬は、上記親水性組成物の全量(酸性化合物+呈色指示薬)に対して好ましくは0.01〜50質量%、更に好ましくは0.01〜40質量%、一層好ましくは0.01〜1質量%、最も好ましくは0.01〜0.5質量%含有される。呈色指示薬の量が0.01質量%に満たないと変色しても色が薄く、外部から視認しづらくなることがあり、50質量%を超えると親水性組成物の変色前の色が濃すぎて外観がよくなく、更にコスト高になることがあるので上記範囲内とすることが好ましい。
ウィング部5の表側シート51の素材として、インジケータの色目が視認できる程度に坪量、嵩密度、空隙量を制御したシート(不織布やフィルム、またはこれらの複合体)を使用する方法や、表面シート側に光透過性が高いシートを用いる(透明性が高い、部分的に孔を有する等)を用いることができる。
ウィング部5の表側シート51の形成素材としてフィルムを用いる場合、坪量10〜40g/m2の多孔性フィルムを使用すると、変化剤の視覚的変化がおむつ外部から認識し易くなると共に、柔軟な感触が得られるので好ましい。フィルム材としては、例えば、透明フィルムを用いることができる。該透明フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂からなる透明フィルム、あるいはこれらの透明フィルムを貼り合わせてなる複合フィルムで、且つ着色剤を含まないものを用いることができる。このフィルム材は透明性の高いフィルムのみで構成してもよいが、表面側シート部に不織布を配するラミネート構成とすると肌触りがよく好ましい。また撥水性の不織布(この場合、好ましくは耐水圧100mm以上)のものだけで構成してもよい。ウィング部5の表側シート51の形成素材として不織布を用いる場合、適度な光透過性が得られる坪量及び/又は厚さのものを用いることが好ましい。該不織布はその坪量が5〜45g/m2、特に10〜40g/m2であることが、視覚的変化の認識性と風合いや手触りなどの官能的な性能とを両立する点から好ましい。不織布としては、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルからなる熱可塑性樹脂単独の繊維や、これらの樹脂の2種以上を用いてなる芯鞘型やサイドバイサイド型の構造を有する複合繊維から構成される不織布等が挙げられる。また不織布としては、その地色の透明度が高く且つ白色度が高いものを用いることが、視覚的変化の認識性が高まるので好ましい。但し不織布シートは、ウィング部5の厚み方向に関して、インジケータを配した領域との重なり部分が白色であれば良く、当該重なり部分以外の領域に、インジケータ6の視覚的変化の認識性を妨げない範囲で印刷を施しても構わない。
ウィング部5の表側シート51の透明度を示す指標は、前述のとおり不透明度の数値で示すことができる。この不透明度は、例えば日本電色工業(株)製の分光色差計(SE−2000、6000等)を用いて前記JIS P8138のA法あるいはB法に準じて測定し、次式により算出することができる。
不透明度(%)C=(R0/R0.89)×100
R0:裏当て黒色板を用いたときの試料の反射率
R0.89:裏当て白色板を用いたときの試料の反射率
また、裏側シート部52の非肌側面に配設された粘着剤53は、この種の物品に用いられるものを採用することができるが、インジケータの視認性向上の観点から適切な素材を採用することができる。例えば、粘着剤53の色がインジケータの変色後の色よりも淡色か透明であることが好ましい。淡色の粘着剤53とするには、透明の被膜を形成するホットメルト粘着剤等を塗布することにより形成することができる。透明の粘着剤53となる粘着剤としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)系、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)系、オレフィン系ホットメルト等を用いることができる。粘着剤53における粘着剤の塗布量は、10〜70g/m2が好ましい。
裏面シート2の形成材料としては防水性があれば特に限定されない。また併せてムレ防止の観点から透湿性を有していることが好ましい。例えば疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる多孔性フィルムが挙げられる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィンが挙げられる。該ポリオレフィンとしては、高〜低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられ、これらを単独で又は混合して用いることができる。さらに裏面シート2あるいは少なくともその延出部分である裏側シート部52において、インジケータの視認性を向上させるよう適切な素材を採用することができる。例えば、シート材の坪量を、15〜70g/m2とすることが好ましく、25〜50g/m2とすることがさらに好ましい。シート材料の配色としては、透明なものであっても有色系であってもよいが、下着等の被装着物品の色(特に年配女性が下着の色として好むベージュ等の有色系)によってインジケータの色(特に、変色後の色)が視認しにくくなることを避ける観点から、淡色系、特に薄い灰色や白色であることが好ましい。裏側シート部52にこのような配色のシート材を採用する場合には、少なくともインジケータが重なる領域において配置されていればよい。なお本実施形態においては、ウィング部5の裏側シート部52は裏面シート2の延出した部分として形成されるが、これに代えて別のシート材からなってもよい。
裏面シート2及びウィング部5の裏側シート部52の防水性の程度は、液体の透過を十分に阻止する観点から、耐水圧で100mm以上が好ましく、500mm以上がさらに好ましい。また裏面シート2ないしその裏側シート部52が透湿性を有する場合、その程度は、インジケータの変色を発揮し、防水性を維持しつつ、おむつ内部のムレやそれに伴う着用者の肌のカブレを十分に防止する観点から、0.5〜4.0g/(100cm2・h)が好ましく、1.0〜2.5g/(100cm2・h)がさらに好ましい。なお、特に断らない限り、耐水圧はJIS L1092繊維製品の防水性試験方法に準じて行う方法により測定され、透湿性は温度条件を35℃としてJIS Z0208防湿包装材料の透湿試験方法に準じて行う方法により測定される。
表面シート1及びサイドシート7の形成材料としては、通常吸収性物品に使用されているものを用いることができる。
表面シート1としては、親水性不織布が好ましく、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、立体賦形不織布と呼ばれている不織布で、その繊維がポリプロピレンの単繊維や、ポリプロピレンとポリエチレンの複合繊維、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの複合繊維等で親水化処理が施された繊維が好ましく、その坪量15〜50g/m2のものが好適に使用できる。また、表面シート1の股下部分には、表面シート1の非肌面側に親水性穴開きフィルムや親水性不織布が部分的に重ねられていてもよい。
サイドシート7としては、撥水性不織布が好ましく、具体的には、スパンボンド不織布、スパンボンド−メルトブローン(SM)不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(SMS)不織布等が用いられる。サイドシート7の立体ギャザー用弾性部材71としては、この種の物品に用いられる通常の弾性部材を用いることができ、例えば素材としては、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができ、形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状ないし紐状(平ゴム等)のもの、或いはマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を用いることができる。
2 裏面シート
3 吸収体
31 上層吸収体
32,321,322,323,324 下層吸収体
4 液拡散シート
5 張出し部(ウィング部)
6 標識材(インジケータ)
7 サイドシート
8 液難透過性シート
81 液易透過性領域
82 液難透過性領域
10 尿とりパッド
f1 導水溝
f2 導水領域
f3 傾斜導水路
Claims (9)
- 肌当接面側に配置される液透過性の表面シート、非肌当接面側に配置される防水性の裏面シート、及び該両シート間に介在された吸収体を有する吸収本体部を備え、腹側部から股下部を介し背側部に亘る縦方向とこれに交差する幅方向を備える吸収性物品であって、
前記吸収体は少なくとも着用者肌面側に位置する上層吸収体と上層吸収体の非肌面側に位置する下層吸収体を有し、両吸収体の間には前記幅方向に液を拡散させる液拡散機構が配置もしくは形成され、前記吸収性物品には前記吸収本体部の幅方向外方に張り出す張出し部があり、該張出し部には***液を検知可能な標識材が配設された吸収性物品。 - 前記液拡散機構が液拡散シートからなる請求項1記載の吸収性物品。
- 前記上層吸収体の非肌面側が液難透過性のシートで覆われ、該液難透過性のシートの肌面側の一部には前記液拡散機構となる液易透過性領域が配されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記液拡散機構が前記下層吸収体の肌面側の部材に形成されている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記液拡散機構が吸収体の股下部に対応する位置に配されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記張出し部には前記標識材を覆うおける肌面側の部材があり、該部材の不透明度が50%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記標識材は、前記張出し部の平面視について幅方向に複数箇所存在するように配置されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収性物品が外側着用物品の内側に配置されて使用され得るものであって、前記張出し部を着用者大腿部側へ折り返して外部視認容易に着用する請求項1〜7いずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記張出し部の標識材が該張出し部を構成するシート部材間に介在されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010105628A JP5607417B2 (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | 吸収性物品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010105628A JP5607417B2 (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | 吸収性物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011229848A true JP2011229848A (ja) | 2011-11-17 |
JP5607417B2 JP5607417B2 (ja) | 2014-10-15 |
Family
ID=45319792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010105628A Active JP5607417B2 (ja) | 2010-04-30 | 2010-04-30 | 吸収性物品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5607417B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013192849A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Daio Paper Corp | アウター固定タイプ使い捨ておむつ |
JP2014108264A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-06-12 | Kao Corp | 吸収性物品 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013066517A (ja) * | 2011-09-20 | 2013-04-18 | Kao Corp | 吸収性物品 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004236826A (ja) * | 2003-02-05 | 2004-08-26 | Daio Paper Corp | 使い捨ておむつ |
JP2006014884A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-01-19 | Daio Paper Corp | 体液吸収構造 |
JP2007190170A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Kao Corp | 吸収性物品 |
JP2007260411A (ja) * | 2002-07-16 | 2007-10-11 | Procter & Gamble Co | 吸収性物品 |
JP2009273868A (ja) * | 2008-04-15 | 2009-11-26 | Kao Corp | 吸収性物品 |
-
2010
- 2010-04-30 JP JP2010105628A patent/JP5607417B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007260411A (ja) * | 2002-07-16 | 2007-10-11 | Procter & Gamble Co | 吸収性物品 |
JP2004236826A (ja) * | 2003-02-05 | 2004-08-26 | Daio Paper Corp | 使い捨ておむつ |
JP2006014884A (ja) * | 2004-06-30 | 2006-01-19 | Daio Paper Corp | 体液吸収構造 |
JP2007190170A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Kao Corp | 吸収性物品 |
JP2009273868A (ja) * | 2008-04-15 | 2009-11-26 | Kao Corp | 吸収性物品 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013192849A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Daio Paper Corp | アウター固定タイプ使い捨ておむつ |
JP2014108264A (ja) * | 2012-12-03 | 2014-06-12 | Kao Corp | 吸収性物品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5607417B2 (ja) | 2014-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5624801B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP3971150B2 (ja) | 吸収性物品および吸収性物品の収納体 | |
JP5407413B2 (ja) | 使い捨ておむつ | |
AU2013308146B2 (en) | Absorbent article with highlighted active barrier | |
JP2009232987A (ja) | 吸収性物品 | |
TWI552734B (zh) | Absorbent items | |
JP5225818B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP6345998B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2013066517A (ja) | 吸収性物品 | |
JP6146763B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP6305691B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5607417B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5711491B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5529619B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP6132624B2 (ja) | 使い捨て着用物品 | |
JP5624800B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2008289640A (ja) | 吸収性物品 | |
JP5816036B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2008055004A (ja) | 吸収性物品 | |
JP2008055004A5 (ja) | ||
JP6080295B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2023080446A (ja) | 吸収性物品 | |
RU2765708C2 (ru) | Одноразовое гигиеническое изделие с боковыми барьерами для жидкости | |
JP7245624B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP2021020009A (ja) | 吸収性物品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130315 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131122 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20140127 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140127 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20140127 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140805 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140828 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5607417 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |