JP2011226013A - 填料処理剤およびそれにより処理した填料を含有する紙 - Google Patents

填料処理剤およびそれにより処理した填料を含有する紙 Download PDF

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Abstract

【課題】マイクロゲルを填料の前処理に応用し、不透明度や白色度向上とともに紙力の低下を防止する填料処理剤及びそれにより処理した填料を含有する紙を提供する。
【解決手段】少なくともカチオン性水溶性単量体を含む単量体溶液を、油中水型エマルジョンを調製した後重合して得られる、水への膨潤後の粒径が0.005〜100μmの水不溶性微粒子ゲルを主成分とする填料処理剤を、予め填料と混合して填料水性分散液を調整し、これを製紙原料スラリーに添加し抄紙する。
【選択図】なし

Description

本発明は、填料処理剤に関し、詳しくは少なくともカチオン性水溶性単量体を重合した構成単位を含む水不溶性微粒子ゲルを填料あるいは無機物微粒子水性分散液に添加し、その填料あるいは無機物微粒子水性分散液をパルプスラリーに混合した後抄紙することにより、高白色度を維持しつつ、不透明度、紙力の向上した紙を製造することが可能な填料処理剤、及びこの填料処理剤により処理した填料を含む紙に関する。
近年製紙現場には、環境保全やコスト削減の観点から、軽坪量化、低パルプ量の紙の製造が求められている。しかし、坪量やパルプ量を減らすことで紙が薄くなると、不透明度が低減する問題が発生し、特に印刷時に印刷が反対面に透けて見える裏抜けが発生する。さらに製紙原料中の歩留率も低下し、白色度も低下する傾向にある。そのため、坪量やパルプ量を減らしても高不透明度、高白色度を維持する要求が高まっている。
不透明度や白色度向上のためには、填料の配合を高める方法が有効であるが、同時に紙力が低下してしまう問題がある。また、紙を嵩高にすることにより、不透明度を向上させ、裏抜けを防止させる方法も提案されているが、嵩高の紙は繊維間の距離が離れているため、やはり紙力が低下してしまうという問題があった。これらの問題を解決するため、填料に添加剤を加えた填料水性分散液を作成し、その填料水性分散液をパルプに添加し抄紙することで、填料のパルプ定着を改善し、強度低下を抑制する方法が検討されている。この添加剤として、カチオン化澱粉やカチオン化グアーガムのような半天然高分子が提案されている。(特許文献1)
しかしこれらの方法は、填料の歩留の向上には寄与するものの、特に紙の不透明度向上には寄与しないため、裏抜けに関して満足されるレベルではなく、更なる向上が求められている。
一方で、合成高分子が填料処理剤として用いられている技術もある。例えば、ジアリルアミン塩やアルキルジアリルアミンと非イオン性ビニル単量体を構成単位とする重合体、もしくは共重合体や、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドの共重合体で顔料を分散させてその分散液を使用する方法、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの重合体や、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドと(メタ)アクリルアミドの共重合体による填料前処理方法が記載されている。しかしながら、不透明度、裏抜けに関しては満足されるレベルには達していない。(特許文献2など)
填料処理剤として、アクリル系ラテックスを用いる技術も開発されており、不透明度、紙力改善に寄与している。しかしながら、カチオン性水溶性単量体を用いて油中水型エマルジョン製法により合成される水不溶性微粒子ゲルから成る本発明の技術とは異なるものである。(特許文献3)
カチオン性水溶性単量体を架橋剤存在下で反応させた重合体を製紙用薬剤として用いている例に、アニオン性廃棄物及びピッチ堆積物制御剤としての技術が挙げられるが、重合体の水に対する溶解性についての記述がなく、さらに用途が限定されているので、本発明の技術とは異なるものである。(特許文献4参照)
また、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドの重合体、もしくはジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとの共重合体から成るカチオン性水溶性重合体を填料前処理剤として用いる填料前処理方法が公開されているが、水不溶性ゲルを用いる本発明の技術とは異なるものである。(特許文献5参照)
特開平10−60794号公報 特公平6−104790号公報 特開2004−100119号公報 特表2001−515971号公報 特開2006−118092号公報
不透明度や白色度向上のためには、填料の配合を高める方法が有効であるが、同時に紙力が低下してしまう問題がある。填料を前処理することにより紙力低下を解決する方法が提案されているが、まだ十分な効果が発現していない。本発明は、マイクロゲルを填料の前処理に応用し、不透明度や白色度向上とともに紙力の低下を防止する処方を提案することである。
少なくともカチオン性水溶性単量体を含む単量体溶液を、油中水型エマルジョンを調製した後重合して得られる、水への膨潤後の粒径が0.005〜100μmの水不溶性微粒子ゲルを主成分とする填料処理剤を、予め填料と混合して填料水性分散液を調整し、これを製紙原料スラリーに添加し抄紙することにより本発明の課題を解決することができる。
本発明で開発された填料処理剤は、様々な填料に対して効果を発現する。抄紙した紙は高白色度を維持しつつ、不透明度と紙力を向上させることが可能である。
以下、本発明をさらに記述する。
本発明に係る填料処理剤は、少なくともカチオン性水溶性単量体を成分として含む単量体溶液を、油中水型エマルジョンを調製した後、重合して得られる。
前記填料処理剤に用いるカチオン性水溶性単量体の量は、1〜100モル%の範囲であり、共重合単量体として、非イオン性単量体、及びアニオン性単量体を0〜99モル%含んでも良い。またそれぞれの単量体は、上記の範囲にて一種類、もしくは数種類を用いることができる。
カチオン性水溶性単量体の例として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびこれらの塩などの三級アミノ基含有カチオン性単量体、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの四級アンモニウム塩基含有カチオン性単量体、また、アリルアミン、ジアリルメチルアミンおよびこれらの塩、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、その他カチオン基を有する単量体などが挙げられる。重合体の安定性からジアリルジメチルアンモニウムクロリドがより好ましい。これらのカチオン性水溶性単量体を複数組み合わせて使用することも可能である。
非イオン性水溶性単量体の例としては(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニルピロリドン、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド等が挙げられる。重合反応の容易さからアクリルアミドがより好ましい。これらの非イオン性水溶性単量体を複数組み合わせて使用することも可能である。
アニオン性水溶性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。これらのアニオン性単量体のうち、一種、もしくは複数種用いてもよい。これらは、未中和、部分中和、全中和のいずれの中和状態を用いることもできる。
本発明の水不溶性微粒子ゲルは、油中水型エマルジョン重合により合成される。この製法により得られる油中水型エマルジョン重合品は、濃度を高められ、溶解時間も短いことが特徴である。
油中水型エマルジョン重合とは、少なくともカチオン性水溶性単量体を構成単位として含む単量体溶液を、水、少なくとも水と非混和性の炭化水素からなる油状物質、油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤を混合し、強攪拌し油中水型エマルジョンを形成させた後、重合することにより合成する方法である。
また分散媒として使用する炭化水素からなる油状物質の例としては、パラフィン類あるいは灯油、軽油、中油などの鉱油、あるいはこれらと実質的に同じ範囲の沸点や粘度などの特性を有する炭化水素系合成油、あるいはこれらの混合物があげられる。含有量としては、油中水型エマルジョン全量に対して20質量%〜50質量%の範囲であり、好ましくは20質量%〜35質量%の範囲である。
油中水型エマルジョンを形成するに有効な量とHLBを有する少なくとも一種類の界面活性剤の例としては、HLB3〜11の非イオン性界面活性剤であり、その具体例としては、ソルビタンモノオレ−ト、ソルビタンモノステアレ−ト、ソルビタンモノパルミテ−トなどがあげられる。これら界面活性剤の添加量としては、油中水型エマルジョン全量に対して0.5〜10質量%であり、好ましくは1〜5質量%の範囲である。
重合後は、転相剤と呼ばれる親水性界面活性剤を添加して油の膜で被われたエマルジョン粒子を水になじみ易くし、水で希釈しそれぞれの用途に用いる。親水性界面活性剤の例としては、カチオン性界面活性剤やHLB9〜15の非イオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル系、ポリオキシエチレンアルコールエ−テル系などである。
重合条件は通常、使用する単量体や共重合モル%によって適宜決めていき、温度としては0〜100℃の範囲で行う。特に油中水型エマルジョン重合法を適用する場合は、20〜80℃、好ましくは20〜60℃の範囲で行う。重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は油溶性あるいは水溶性のどちらでも良く、アゾ系、過酸化物系、レドックス系いずれでも重合することが可能である。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、1、1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオネ
−ト)、4、4−アゾビス(4−メトキシ−2、4ジメチル)バレロニトリルなどがあげられる。
水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられる。またレドックス系の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、ペルオクソ二硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素、ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペルオキサイド、t-ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエ−トなどをあげることができる。
単量体の重合濃度は20〜50質量%の範囲であり、好ましくは25〜40質量%の範囲であり、単量体の組成、重合法、開始剤の選択によって適宜重合の濃度と温度を設定する。
少なくともカチオン性水溶性単量体を構成単位として含む水不溶性微粒子ゲルの水への膨潤後の粒径は、0.005〜100μmが望ましい。これ以上大きくなると、填料処理能力が低下する。最も好ましい大きさは、0.05〜20μmである。
本発明の填料処理剤を合成するに辺り、架橋剤を使用する。用いる架橋剤の例として、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタアクリルアミド、ジビニルベンゼン、N、N−ジアリルアミン、N、N−ジアリルアミンヒドロクロリド、N、N、N−トリアリルアミン、N、N、N−トリアリルアミンヒドロハライド、N−メチル−N、N、N−トリアンモニウムハライド、N−メチル−N、N、N−トリアリルアンモニウムハライド、N、N、N、N−テトラアリルアンモニウムハライド、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等の複数のビニル基を有する多官能性単量体、N−ジメチルアクリルアミド等の熱性架橋単量体、ホルムアルデヒド等の後架橋促進剤等が挙げられる。これらの架橋剤うち、最も好ましい架橋剤はメチレンビスアクリルアミドであり、重合時使用する単量体に対し質量換算で50〜20000ppmの範囲で使用可能である。特に好ましい量は、200〜5000ppmである。
本発明における填料処理剤と填料の接触は、製紙原料スラリー内では行わず、製紙原料スラリーに添加する前に填料水性分散液の調製を行う。
前記填料水性分散液の調製は、最初に水中に粉末状の填料を投入し、攪拌機等を用いて均一に分散させることにより、水性スラリーを調整する。分散させる方法は、公知のいずれの方法を用いても良い。その後填料処理剤を填料分散液に添加し、一定時間攪拌することで填料水性分散液が調整できる。
前記填料としては、一般的に使用されているものであれば良い。例えば、粉砕した天然の石灰石、沈降性炭酸カルシウム(PCC)、ホワイトカーボン、クレー、焼成クレー、カオリン、タルク、シリカ、沈降性シリカ、アルミノ珪酸塩、二酸化チタン等が挙げられるが、特に制限はない。
本発明に係る填料水性分散液に於ける填料処理剤の填料に対する混合比率は、特に制限は無いが、好ましくは填料に対して、填料処理剤を固形分換算で0.01〜5質量%であり、更に好ましくは0.02〜3質量%である。填料処理剤の量が0.01質量%未満の場合、効果が充分に発揮されない可能性がある。また、5質量%以上の場合には、使用する填料によっては過度の凝集を引き起こし、紙の地合いが悪化することがあり、填料処理剤を増量したことに見合う不透明度向上効果を期待することができない場合がある。このように処理して得られた填料水性分散液の製紙原料に対する添加量は、填料水性分散液の濃度により異なるが、製紙原料100質量%に対して5〜60質量%であり、好ましくは5〜30質量%である。
本発明の填料処理剤によって処理された填料を含有する紙は、填料水性分散液が混合されて成る製紙原料スラリーを抄紙することによって製造できる。填料水性分散液の添加場所は、ミキシングチェスト、種箱、マシンチェスト、ヘッドボックス、白水タンクなどのタンク、またこれらの設備と接続した配管中(ファンポンプ前後)等である。
本発明では、必要に応じて紙力剤、濾水剤、歩留り剤、サイズ剤等、一般的に用いられるパルプ以外の製紙用薬剤と併用しても良い。
また、本発明の紙の製造方法は、新聞用紙、書籍用紙、印刷・情報用紙等の紙の製造に適応できる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明する。但し本発明は、以下の実施例に制約されない。
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン132gにソルビタンモノオレート5.0gを仕込み溶解させた。別にジアリルジメチルアンモニウムクロリド(以下DADMACと略記)65%水溶液299.7g、メチレンビスアクリルアミド1.00g(対単量体5100ppm)、イオン交換水59.3gを各々採取し、混合し完全に溶解させた。その後油と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて1000rpmで15分間攪拌乳化した。
得られたエマルジョンを単量体溶液の温度を40〜43℃に保ち、窒素置換を30分行った後、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製
V−601)2.0g(対単量体0.5質量%)を加え、重合反応を開始させた。反応温度を42±2℃で12時間重合させ反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル10.0g(対液2.0質量%)を添加混合した。その後、B型粘度計により製品粘度を測定すると、400mPa・sであった。得られたエマルジョン溶液に、1000質量%のアセトンを添加して油相を除去する操作を行った後、沈殿物をろ過により回収することで水不溶性微粒子ゲルを固形分として単離した。その固形分を水により1質量%に希釈し、2時間攪拌することで分散液を作成した。1質量%分散液中の膨潤後の水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)により測定し、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径1.5μmを示した。この水不溶性微粒子ゲルを化合物1とする。
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン79.2gにソルビタンモノオレート3.0gを仕込み溶解させた。別にジアリルジメチルアンモニウムクロリド(以下DADMACと略記)65%水溶液125.0g、アクリルアミド(AAMと略
記)50%水溶液71.4g、メチレンビスアクリルアミド0.59g(対単量体3600ppm)、イオン交換水19.1gを各々採取し、混合し完全に溶解させた。その後油と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて1000rpmで15分間攪拌乳化した。この時の単量体組成は、DADMAC/AAM=50/50(モル%)である。
得られたエマルジョンを単量体溶液の温度を40〜43℃に保ち、窒素置換を30分行った後、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製
V−601)0.23g(対単量体0.2質量%)を加え、重合反応を開始させた。反応温度を42±2℃で12時間重合させ反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル3.0g(対液1質量%)を添加混合した。その後、B型粘度計により製品粘度を測定すると、150mPa・sであった。得られたエマルジョン溶液に、1000質量%のアセトンを添加して油相を除去する操作を行った後、沈殿物をろ過により回収することで水不溶性微粒子ゲルを固形分として単離した。その固形分を水により1質量%に希釈し、2時間攪拌することで分散液を作成した。1質量%分散液中の膨潤後の水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)による測定を行い、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径2.0μmを示した。この水不溶性微粒子ゲルを化合物2とする。
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン79.2gにソルビタンモノオレート3.0gを仕込み溶解させた。別にメタクリロイロオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(以下DMCと略記)80%水溶液156.8g、メチレンビスアクリルアミド0.93g(対単量体7400ppm)、イオン交換水59.1gを各々採取し、混合し完全に溶解させた。その後油と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて1000rpmで15分間攪拌乳化した。
得られたエマルジョンを単量体溶液の温度を40〜43℃に保ち、窒素置換を30分行った後、ペルオクソ二硫酸アンモニウム(和光純薬製)0.18g(対単量体0.15質量%)を加え、重合反応を開始させた。反応温度を42±2℃で8時間重合させ反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル4.5g(対液1.5質量%)を添加混合した。その後、B型粘度計により製品粘度を測定すると、300mPa・sであった。得られたエマルジョン溶液に、1000質量%のアセトンを添加して油相を除去する操作を行った後、沈殿物をろ過により回収することで水不溶性微粒子ゲルを固形分として単離した。その固形分を水により1質量%に希釈し、2時間攪拌することで分散液を作成した。1質量%分散液中の膨潤後の水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)による測定を行い、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径0.5μmを示した。この水不溶性微粒子ゲルを化合物3とする。
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン132gにソルビタンモノオレート3.0gを仕込み溶解させた。別にアクリロイロオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(以下DMQと略記)80%水溶液146.3g、メチレンビスアクリルアミド0.12g(対単量体1000ppm)、イオン交換水69.6gを各々採取し、混合し完全に溶解させた。その後油と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて1000rpmで15分間攪拌乳化した。
得られたエマルジョンを単量体溶液の温度を40〜43℃に保ち、窒素置換を30分行った後、ペルオクソ二硫酸アンモニウム(和光純薬製)0.1g(対単量体0.08質量%)を加え、重合反応を開始させた。反応温度を42±2℃で12時間重合させ反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル3.0g(対液1.0質量%)を添加混合した。その後、B型粘度計により製品粘度を測定すると、500mPa・sであった。得られたエマルジョン溶液に、1000質量%のアセトンを添加して油相を除去する操作を行った後、沈殿物をろ過により回収することで水不溶性微粒子ゲルを固形分として単離した。その固形分を水により1質量%に希釈し、2時間攪拌することで分散液を作成した。1質量%分散液中の膨潤後の水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)による測定を行い、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径3.3μmを示した。この水不溶性微粒子ゲルを化合物4とする。
攪拌機および温度制御装置を備えた反応槽に沸点190°Cないし230°Cのイソパラフィン79.2gにソルビタンモノオレート3.0gを仕込み溶解させた。別にジアリルジメチルアンモニウムクロリド(以下DADMACと略記)65%水溶液171.4g、アクリル酸ナトリウム(以下AAMNaと略記)80%水溶液9.0g、メチレンビスアクリルアミド0.29g(対単量体2400ppm)、イオン交換水35.4gを各々採取し、混合し完全に溶解させた。その後油と水溶液を混合し、ホモジナイザーにて1000rpmで15分間攪拌乳化した。この時の単量体組成は、DADMAC/AAMNa=90/10(モル%)である。
得られたエマルジョンを単量体溶液の温度を40〜43℃に保ち、窒素置換を30分行った後、ジメチル−2,2−アゾビスイソブチレート(和光純薬製
V−601)0.18g(対単量体0.15質量%)を加え、重合反応を開始させた。反応温度を42±2℃で12時間重合させ反応を完結させた。重合後、生成した油中水型エマルジョンに転相剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ−テル3.0g(対液1質量%)を添加混合した。その後、B型粘度計により製品粘度を測定すると、100mPa・sであった。得られたエマルジョン溶液に、1000質量%のアセトンを添加して油相を除去する操作を行った後、沈殿物をろ過により回収することで水不溶性微粒子ゲルを固形分として単離した。その固形分を水により1質量%に希釈し、2時間攪拌することで分散液を作成した。1質量%分散液中の膨潤後の水不溶性微粒子ゲルの粒径を、動的光散乱法(大塚電子株式会社、ELSZ−2)による測定を行い、Cumulant法にて解析したところ、平均粒径1.8μmを示した。この水不溶性微粒子ゲルを化合物5とする。
(ホワイトカーボンスラリーの調整)填料として10質量%ホワイトカーボンを水に加え、ホワイトカーボンが分散するまで充分に攪拌し、水性スラリーを調整した。これに表1に記載する化合物1〜5を0.15%添加し、マグネティックスターラーにより400回転/分で10分間攪拌し、填料スラリーを調整した。それぞれのスラリーを処方1〜5とする。
(表1)
(比較例1)10質量%のホワイトカーボンを水に加え、ホワイトカーボンが分散するまで充分に攪拌し、水性スラリーを調整した。これに、表1に記載する比較試料(市販のポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド重合体)を0.15%添加し、マグネティックスターラーにより400回転/分で10分間攪拌し、填料スラリーを調整した。このスラリーを比較処方とする。
(比較例2)10質量%のホワイトカーボンを水に加え、ホワイトカーボンが分散するまで充分に攪拌し、水性スラリーを調整した。その後、マグネティックスターラーにより400回転/分で10分間攪拌し、填料スラリーを調整した。このスラリーを無添加処方とする。
(パルプスラリーの調整)0.5質量%のLBKPパルプスラリー(CSF400ml)を、抄紙後のシート坪量が64g/mになるように量りとり、実施例6の方法で処理した填料スラリー(処方1〜5、比較処方、無添加処方)をパルプに対して純分25質量%添加した。
これらを1/16mタッピースタンダードシートマシーンにて抄紙し、湿紙を得た。湿紙を3.0kg/mで5分間プレスした後、鏡面ドライヤーを用いて105℃で3分間乾燥した。乾燥した紙を、23℃、50%RHの条件で1日間調湿した後、その坪量(g/m)と厚み(mm)を測定し(熊谷理機工業製JIS紙厚計TM−600)、坪量/厚みにより紙の密度を求めた。紙中灰分は、525℃で灰化することにより測定した。また同じ紙の別の部分を使用し、分光光度計型測色計(テクニダイン社製、カラータッチPC)によりISO白色度(JIS、P8148;2001)、不透明度(JIS、P8149;2000)、内部結合強度(JAPAN−TAPPI−No.18−1:2000)は、オリエンテック社製テンシロン−RTC−1210A、移送速度20mm/min.により測定した。それぞれの結果を表2に示す。
表2
表2の結果から、処方1〜5の結果は、比較処方や無添加処方に比べて不透明度が向上している。また、不透明度が向上した紙では白色度の低下が見られることが多いが、処方1〜5では無添加処方と比較し白色度の低下は見られなかった。灰分歩留値を比較すると、処方1〜5は比較処方、無添加処方と比較し高い値を示しており、さらに紙力も増大させている。一般的には、灰分歩留が高い場合紙力が低下する傾向にあるが、化合物1〜5で処理した填料を添加した場合には、灰分歩留と紙力両方の向上が可能であることが分かった。









Claims (7)

  1. 少なくともカチオン性水溶性単量体を重合した構成単位を含む水不溶性微粒子ゲルを主成分とする填料水性分散液に添加する填料処理剤。
  2. 前記請求項1に記載の水不溶性微粒子ゲルが、油中水型エマルジョン重合法により得られたものであることを特徴とする填料処理剤。
  3. 前記水不溶性微粒子ゲルが、油中水型エマルジョン重合時に単量体総量に対し
    質量換算で100〜20000ppmの架橋剤を共存させることにより得られたものであることを特徴とする請求項2に記載の填料処理剤。
  4. 前記請求項1に記載の水不溶性微粒子ゲルの水への膨潤後の粒径が、0.005〜100μmであることを特徴とする填料処理剤。
  5. 前記請求項1に記載のカチオン性水溶性単量体が、ジアリルジメチルアンモニウム塩であることを特徴とする填料処理剤。
  6. 前記請求項1〜5に記載の填料処理剤を含有する填料水性分散液。
  7. 前記請求項1〜5に記載の填料処理剤によって処理した填料を含有する紙。
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