JP2011222654A - 多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子の構造、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの構造、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造及びその製造方法、並びに多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換システムの構造 - Google Patents
多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子の構造、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの構造、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造及びその製造方法、並びに多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換システムの構造 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】正または負のゼーベック係数を有する3個以上の導電部材と、同じ符号のゼーベック係数を有する導電部材同士を導電性連結部材により、電気的に直列接続する。そして両端が前記導電部材となる接続形態を有し、この接続形態により導電部材単体のゼーベック係数の値を増幅すること実現する。更に、正のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子と負のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子との対を接合導電部材により接合し、接続導電部材の対向部に接合導電部材により1対の出力端を接続した多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットを構成する。
【選択図】図1
Description
集積回路プロセスは、例えばイオン注入法やフォトリソグラフィ、スパッタ、蒸着等を用いるプロセスであり、薄膜プロセスでは、PVDやVCD、真空蒸着、プラズマエッチング、スパッタ等を用いることでより厚さを薄く形成することができる。
また更に、この多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの製造方法を提供することを目的とする。
これにより、導電性連結部材を介して隣の導電部材へ電子が移動でき、各々の導電部材内の熱拡散と濃度拡散によって移動する電子の数が導電部材単体の場合よりも多く移動することが可能になる。このため、低温側と高温側とで生じる電荷の偏りを従来よりも増大させてゼーベック係数の値を増幅することができる。
これにより、熱流パワーと電力の相互変換に関して、より大きい変換効率を得ることができる。
これにより、より大きい熱流パワーの転送量と熱電変換による電力出力を得ることができる。
また同様に、第5の発明による多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造は、この多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール同士を電気的に直列または並列、または直列と並列を混成して接続することにより構成することができ、第6の発明による多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造は、この複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル同士を電気的に直列または並列、または直列と並列を混成して更に接続することにより構成される。
このように、次々と多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートを接続して大規模化すればするほど、より大きく熱流パワーの転送量と熱電変換による電力出力を増大させることができる。
1.ゼーベック係数増幅効果の理論と理論を実証する為の実証実験結果
2.第1の実施の形態例(3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの直列接続により構成する例)と第1の変形例(出力端の対を複数形成する例)
3.第1の実施形態例における3連結熱電変換集合ユニット100の製造方法
4.第2の実施の形態例(3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの並列接続により構成する例)と第2の変形例(出力端の対を複数形成する例)
5.第3の実施の形態例(3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの直列接続及び並列接続を混成させる例)と第3の変形例(出力端の対を複数形成する例)
6.第4の実施の形態例(多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールを構成する例)
7.第5の実施の形態例(多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルを構成する例)
8.第6の実施の形態例(多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートを構成する例)
9.第7の実施の形態例(熱エネルギー転送システムとしての利用例)
物理的ゼーベック係数増幅効果の理論について説明する。半導体内では、熱励起により価電子帯の電子はアクセプター準位に励起されて価電子帯に正の電荷の正孔ができる。ドナー準位の電子は伝導帯準位に励起されて自由電子となる。温度勾配の無い場合には、正孔及び自由電子は一様な密度分布となり、電気的に中性状態である。一般に、金属などを使う接合導電部材の熱伝導率は半導体よりも小さいために、温度差に伴う温度勾配は主に半導体内に生じ、温度勾配に伴う熱拡散と濃度拡散により金属や半導体内で移動する粒子は電子である。
また、図2Aと図2Bにおいて、線EFはフェルミ準位、線Ecは伝導帯準位、線Evは価電子帯準位、線EAはアクセプター準位、線EDはドナー準位を示しており、以降の図においても同様とする。
図5に、実験に用いた熱電変換素子の構成を示す。図5A及び図5Bは各々同じロッドから切り出した導電部材を単体で使う従来型の熱電変換ユニット及び本発明に関わる2連結熱電変換ユニットである。この図5A及び図5Bに示す従来型の熱電変換ユニット及び本発明に関わる2連結熱電変換ユニットの両方を各々127個直列接続して熱電変換集合ユニットを作成した。
図5Aの70dでは、直径1.8mm、厚さ1.5mmのp型及びn型のBiTe導電部材1d及び導電部材2dが銅の接合導電部材4によって接合され、接合導電部材4は、絶縁膜7を介してAl基板6に固定されている。図5Bの70eでは、図5Aの導電部材1dと1e及び2dと2eとが各々直径1.5mmの銅の導電性連結部材4e及び3eによって連結接続されており、その他の構成は図5Aと同じである。図5Bの70eでは、導電性連結部材4e及び3eの長さLが0.2cm,2.0cm,4.0cm,10cmの2連結熱電変換ユニットを実証実験で用いた。図5A及び図5Bの熱電変換集合ユニットの内部抵抗は、各々3.0Ω及び6.0Ωである。
熱電変換ユニットを構成するp型及びn型の導電部材のゼーベック係数を平均した導電部材単体のゼーベック係数αの値は、開放電圧Vと導電部材の部分だけに加わる温度差ΔT及び熱電変換ユニット数m=127を使って、下記式1の定義式で算出することができる。
α=V/2mΔT ・・・(1)
なお、測定データと算出データは、桁数を3桁までの精度で求めている。p型及びn型導電部材同士を接続する銅の導電性連結部材が生じるゼーベック電圧が電流路内において互いに逆向きに発生して打消し合うことと、p型及びn型導電部材の熱伝導率がほぼ等しいことは一般に知られている。
実験事実の1)は、前記の物理的ゼーベック係数増幅効果の理論が導電性連結部材の長さLに依存しない理論であることと一致する。実験事実の2)は、前記の理論が導電性連結部材の導入により導電部材のゼーベック係数が増幅される効果を導く理論であることと一致する。
このように、実証実験による実験結果により、前記の物理的ゼーベック係数増幅効果の理論は正しいことが実証されていると言える。
しかし、本発明者は、上述の特許文献2を利用した実験結果を理論分析してゼーベック係数を増幅させる効果を見出し、ゼーベック係数増幅効果の理論を構築して、証明する為の実証実験により理論が正しい事を確認したものである。また、前記の物理的ゼーベック係数増幅効果の理論で言及したように、導電性連結部材で連結する導電部材の数を多くすれば、ゼーベック係数の増幅量を更に大きくすることができる。
図1Aと図1Bは、本発明の第1の実施形態例における3連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニット70aと、従来の熱電変換ユニット70bを示す概略構成図である。
本実施の形態においては、3つの同じ符号のゼーベック係数を持つ導電部材を導電性連結部材で接続して生じるゼーベック係数増幅効果を利用してゼーベック係数を増大させることができ、上下間の温度差とゼーベック係数に比例する出力電圧を、図1Bの従来の熱電変換ユニットより高くすることが可能である。
また、同じ符号のゼーベック係数を有する導電部材を連結接続する数を増やせば増やすほど、出力を大きくすることが可能である。
同様にして、4つのn型導電部材を各々3つの導電性連結部材で連結したn型4連結熱電変換素子を接合導電部材4を介して負荷回路に接続した図7Bでも、p型4連結熱電変換素子の場合と逆方向のゼーベック起電圧Vsにより回路電流が流れて、熱パワーの流入と流出の差と消費される電力に等しなりエネルギー保存則が成立する。
また、5個以上の導電部材を導電性連結部材により接続して5連結熱電変換ユニットを構成してもよく、これらを更に接続することで、熱電変換集合ユニット、連結熱熱電変換モジュールを構成してもよい。
なお、このように複数個の導電部材を導電性連結部材によって接続する場合、同じ熱電変換素子内の導電部材は同じ正負の符号のゼーベック係数を有していることが、より大きな熱電変換効率を実現する為に必要である。また、それぞれの導電部材を連結する導電性連結部材の電気伝導率が大きく自由電子の密度が高い導電性部材が好ましいが、ゼーベック係数の符号は同じでもよいし、異なっていてもよい。
次ぎに、本発明の第1の実施形態例及び第1の実施形態の変形例における図9の3連結熱電変換集合ユニット100の構成図について説明する。
なお、以下の第1の実施の形態例と第1の変形例、第2の実施の形態例と第2の変形例、第3の実施の形態例と第3の変形例の全てにおいて、多数連結熱電変換集合ユニット内の一部切断などの損傷が無い場合には、インピーダンス整合(電気回路理論により公知の負荷回路への供給電力最大の条件)する様に設定した負荷回路への供給電力を比べると、全ての実施形態による供給電力は互いに等しくなることがわかっている。また、全ての実施形態において、3個以上の同じp型またはn型の導電部材を導電性連結部材によって接続する多数連結熱電変換集合ユニットでは、連結する導電部材の数を多くすることにより、供給電力を更に大きくすることが可能である。
また、複数の3連結熱電変換ユニットの出力端同士を電気的に接合する接合導電部材4と、発生した電圧出力の出力端子61、62も含む。
次に、図10を用いて本発明の第1の実施形態例における3連結熱電変換集合ユニット100の製造方法の一例について説明する。ここでは、上述の集積回路プロセスや薄膜プロセスに分類できる方法によって製造する例を挙げる。
以下に示す第1の実施形態の製造方法と同様に、第1の実施形態の変形例、第2の実施の形態例と第2の変形例、第3の実施の形態例と第3の変形例を含む同様な実施形態例の全ては、シリコン・ウエハの形成から熱電変換集合ユニットの完成まで薄膜プロセスや集積回路プロセスによる製造や半導体型のプロセスによる製造が可能であり、一括して生産することができる。
例えば、プラズマCVD法では、グロー放電により原料ガスのシラン(SiH4)、シランジシラン(SiH6)を分解し、アモルファスシリコン層を基板上に成長させて、上記のような一様の厚さのアモルファスシリコン・ウエハを作成する。
この領域A1をp型半導体とする場合には、例えばイオン注入法によってボロン(B:ホウ素)の高エネルギーイオンビームをウエハ上のA1の領域に照射する。そして、この打ち込んだイオンによる格子欠陥をアニーリング処理によって再結晶化し、P型半導体を形成する。これによって第1の導電部材22aが領域A上に形成される。このイオンを打ち込む際には、イオンがウエハ面に達する直前にエレクトロンシャワーを当ててイオンのプラス電荷を電子電荷で中和するようにする。
領域B1をn型半導体とする場合には、同様にイオン注入法を用いて例えばリン(P)の高エネルギービームを照射する。そして、打ち込んだイオンによる格子欠陥をアニーリング処理によって再結晶化して、N型半導体に変化させる。これにより、領域B1に第2の導電部材23aが形成される。
なお、このレジストが高耐久性であり絶縁性が高い場合には、第1の導電性連結部材24a及び第2の導電性連結部材24bを電気的に保護する絶縁部材としてそのまま用いてもよい。もしくは、樹脂等を注入し、第1の接合導電部材24が互いに絶縁された状態になるように形成することもできる。
続いて、このシリコン層20b上にレジストを塗布して露光、現像を行い、第1の導電性連結部材24a、第2の導電性連結部材24b上の領域A2、B2のみレジストによって覆われ、それ以外の部分は露出された状態とする。そして、これを酸化炉に投入し、領域A2、B2以外の部分を二酸化シリコンへと変化させる。
また同様にしてシリコン層20b内の領域B2のみを露出させてそれ以外の部分をレジストによって覆い、領域Bにイオン注入法によりリン等を注入する。これにより、シリコン層20b内の領域B2には第4の導電部材23bが形成される。
まず、第3のシリコン層20c上にレジストを塗布して露光を行い、となり合う第5の導電部材22cと第6の導電部材23cの対、及びこの中心に位置する二酸化シリコンの領域を露出し、それ以外の部分はレジストによって覆われた状態とする。そしてこの露出された領域に、スクリーン印刷法によって、金属ペースト(銀や銅などの粉末、カラズフリット、樹脂、有機溶剤よりなる)を塗布(印刷)して熱処理することにより、第5の導電部材22cと第6の導電部材23cとを接続する。
例えば始めは銀ペーストを使いオーミックコンタクトにより接続し、その上に銅ペーストの印刷と熱処理を繰り返す。そして、この銅ペーストの印刷と熱処理を繰り返すことにより、隣り合う第5の導電部材22cと第6の導電部材23cとをオーミックコンタクトで接続する。これにより、p型とn型の熱電変換部が直列に接続された熱電変換ユニットが形成される。
また、4個以上の導電部材を導電性連結部材によって直列に接続する場合の複数連結熱電変換集合ユニットにも、上述の図10B,Cに示したプロセスを繰り返すことで同様に作製することができる。
なお、上述の半導体型のプロセスによって製造することも、もちろん可能である。
また、遠距離間の温度差により発電を行う目的で、導電性連結部材に金属リード線を用い、第1のシリコン層20aと第2のシリコン層20bの間の距離を長くしたい場合もある。このような場合には、第1のシリコン層20a側に金属リード線を接続した後、金属リード線を第1のシリコン層20aの面に対して垂直方向にのばした状態で、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂等にて硬化する。そして樹脂からはみ出たリード線の部分を切断し、樹脂上に第2のシリコン層20bを堆積させてもよい。
また、3個以上の導電部材を直列に接続する場合においても、同様に接続してもよい。
次ぎに、本発明の第2の実施形態例及び第2の実施形態の変形例における図11の3連結熱電変換集合ユニット300及び3連結熱電変換集合ユニット400の構成図について説明する。
本発明の第2の実施形態例は、複数の図1Aの3連結熱電変換ユニット70aの出力端を接合導電部材4によりを並列接続することによって連結熱電変換集合ユニットを形成するものである。図11Aは本実施の形態における3連結熱電変換集合ユニット300を上から見た上面図、図11Bは図11AのX1−X’1断面図、図11Cは図11AのY−Y’断面図である。図11B、Cは共に、3つのp型導電部材1aと1c(図11中A3の領域)同士及び1cと1b同士の各々を導電性連結部材3a(図11中C1の領域)と3c(図11中C3の領域)とで電気的に直列接続したp型3連結熱電変換素子と、3つのn型導電部材2aと2c(図11中B3の領域)同士及び2cと2b同士の各々を導電性連結部材3b(図11中C2の領域)と3d(図11中C4の領域)とで電気的に直列接続したn型3連結熱電変換素子とが複数固定された絶縁基板5aと絶縁基板5bとを含む。図11Aに示すように、D1方向には、p型3連結熱電変換素子の列とn型3連結熱電変換素子の列が交互に配置され、D2方向には同じp型またはn型の3連結熱電変換素子が配置されている。導電性連結部材3a,3b,3c,3dは同じ材料であってもよいし、異なっていてもよい。
なお、図11Aに示す本発明の第2の実施形態例においては、例えば列L1〜列L4まで熱電変換ユニットを4列配置する例としてある。また出力端61、62は列m1、列m8において配置される接合導電部材4bを延長したものを用いてもよく、または新たに導電部材を形成してもよい。
このため第2の実施形態例によれば、折り曲げや衝撃等に強く、3連結熱電変換集合ユニット内の一部切断などの損傷に対して供給電力の低下を最小限に止め、耐久性の高い3連結熱電変換集合ユニットを提供することが可能となる。
図12は、第3の実施の形態例及び第3の実施形態の変形例における3連結熱電変換集合ユニット500及び3連結熱電変換集合ユニット600の構成を示す概略構成図である。図12Aは3連結熱熱電変換集合ユニット500の絶縁部材5a側から見た上面図、図12Bは図12AのX−X’断面図、図12Cは図12AのY−Y’断面図である。図12B、Cは共に、3つのp型導電部材1aと1c(図12中A3の領域)同士及び1cと1b同士の各々を導電性連結部材3a(図12中C1の領域)と3c(図12中C3の領域)とで電気的に直列接続したp型3連結熱電変換素子と、3つのn型導電部材2aと2c(図12中B3の領域)同士及び2cと2b同士の各々を導電性連結部材3b(図12中C2の領域)と3d(図12中C4の領域)とで電気的に直列接続したn型3連結熱電変換素子とが複数固定された絶縁基板5aと絶縁基板5bとを含む。
また、4個以上のp型またはn型の導電部材を導電性連結部材によって直列に接続することにより、更に高い出力を実現することができる。
第3の実施形態例のその変形例により、発電機能を持つ3連結または多数連結熱電変換集合ユニットの製品としての信頼性の更なる向上が可能となる。
以上、本発明の第1〜第3の実施形態例とそれらの変形例(第1〜第3の変形例)について説明したが、本発明の多数連結熱電変換集合ユニット同士を直列、並列もしくは直列と並列を混成して複数接続したモジュール化も可能である。特に、本発明においては、既述のように薄膜プロセス、集積回路プロセスにより一貫して熱電変換集合ユニットを製造することができる。したがって、初めから多数連結熱電変換集合ユニットが直列または並列に接続されたモジュールを同一ウエハ内に一括して製造することが可能である。
また、半導体型のプロセスにおいても、それぞれの熱電変換集合ユニット同士を接続するステップを追加することにより製造することができる。
出力端705、706は接合導電部材703、704を延伸したものでもよく、また新たに接合導電部材を接続してもよい。また、これらの熱電変換多数連結熱電変換ユニットには、第1〜第3の実施の形態例、第1〜第3の変形例において説明した左端の多数連結熱電変換集合ユニットを用いることができる。
また、多数連結熱電変換モジュールを構成する多数連結熱電変換集合ユニットに本発明の第2または第3の実施形態例のものを用いる場合には、直列接続及び並列接続を混成接続された多数連結熱電変換ユニット、多数連結熱電変換集合ユニットが混成しているため、一部の導電部材や接合導電部材が切断されたとしても、多数連結熱電変換モジュール全体の発電機能が停止してしまうのを防ぐことができる。また本実施の形態例においては、これら多数連結熱電変換集合ユニット同士を直列接続して更に並列接続してもいるので、多数連結熱電変換集合ユニット同士を接続する接合導電部材の一部が断線しても発電機能が完全に停止することはない。
次に、本発明の第5の実施形態例における多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構成について説明する。本発明の第4の実施の形態例はり規模の大きい熱電変換システムを製造する例で、複数の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの出力端同士を接合導電部材により接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール同士を直列と並列を混成して接続する構成とするものである。以下では前述と同様に、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換を多数連結熱電変換と略記する。
図14は多数連結熱電変換パネル710の構成を示す上面図である。図14においては、多数連結熱電変換モジュールをD1方向に3個(数を制限するものではなく任意でよい)、D2方向に3個(任意でよい)並べた例を示してある。また、多数連結熱電変換モジュールには、図13に示した多数連結熱電変換モジュール700または直列接続及び並列接続の混成接続を利用した多数連結熱電変換モジュールを用いることができる。
なお、直列接続または並列接続または直列接続及び並列接続の混成接続による構成形態の多数連結熱電変換パネルの全てにおいて、多数連結熱電変換パネル内の一部切断などの損傷が無い場合には、インピーダンス整合する様に設定した負荷回路への供給電力を比べると、全ての構成形態による供給電力は互いに等しくなることがわかっている。
次に、本発明の第6の実施形態例における多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構成について説明する。本発明の第5の実施の形態例より規模の大きい熱電変換システムを製造する例で、複数の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの出力端同士を接合導電部材により接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル同士を直列と並列を混成して接続する構成とするものである。以下では前述と同様に、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換を多数連結熱電変換と略記する。
図15は多数連結熱電変換シート720の構成を示す上面図である。図15においては、多数連結熱電変換パネル710をD1方向に3個(数を制限するものではなく任意でよい)、D2方向に3個(任意でよい)並べた例を示してある。また、多数連結熱電変換パネルには、図14に示した多数連結熱電変換パネル710または直列接続及び並列接続の混成接続を利用した多数連結熱電変換パネルを用いることができる。
なお、直列接続または並列接続または直列接続及び並列接続の混成接続による構成形態の多数連結熱電変換シートの全てにおいて、多数連結熱電変換シート内の一部切断などの損傷が無い場合には、インピーダンス整合する様に設定した負荷回路への供給電力を比べると、全ての構成形態による供給電力は互いに等しくなることがわかっている。
以上、本発明の第1〜第6の実施例で外部の温度差から高効率な熱電変換を行って負荷回路へより大きい電力供給をする実施例について説明したが、本発明による高効率な多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換回路技術は、逆に本発明による回路に電流を流してペルチエ効果により高効率な熱エネルギー転送を可能にする。即ち、一方から熱を吸収し、他方から熱を放出するエアコンの機能を、従来の熱電材料を単一で使う場合よりも高効率で実現することが可能である。
次に、この高効率な熱エネルギー転送に関する第7の実施の形態例について3つの方式を説明する。
第1の方式は、外部電源の電力を使用する方式である。第2の方式は、別の独立な一つ以上の本発明による高効率な多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換回路による出力電力を外部電源の電力として使用する方式である。第3の方式は、本発明による同じ2つの高効率な多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換回路を互いに負荷回路として使い、自分自身の出力電力で電流を流す方式である。
しかし、このクーラーの役割が不十分である場合には、補助的に外部電源の電力を使って前記の電流に加算して電流を流すことにより、吸熱量と発熱量が増大して循環させる空気は更に暖められる結果、室内の暖房効果も更に高くなる。この時の太陽光とパネルまたはシートと対象とする負荷回路と外部電源と室内を含む全体の系では、太陽光からの吸収熱量が増大し、この増大した分の吸収熱量が室内の熱エネルギーとして転送され、外部電源による加算電流により負荷回路への電力供給が増える。この結果、太陽光の自然エネルギー利用の電力生成及び外部電力省エネルギー化に相当する室内の暖房と負荷回路への電力供給増加が同時に進行する。
第1と第2のパネルまたはシートを接続した回路では、第1のパネルまたはシートの内側面を水または空気で冷却して低温に保ちながら外側面が太陽光の黒体吸収熱で過熱されて温度差が出ると同時に、電流が流れてペルチエ効果により外側面で吸熱、内側面で発熱が起こり、かつ、第2のパネルまたはシートの片面で吸熱、反対面で発熱が起こる。第2のパネルまたはシートの吸熱面と発熱面に沿って空気を流せば、冷房用の冷風と暖房用の温風として両方同時に使え、空気の代わりに水を循環させれば物の冷却と加熱の両方が同時にできる。また、ゼーベック係数の温度依存性が小さい温度領域では、全ての面での吸熱パワーと発熱パワーはほぼ等しい。この第3の方式のシステムを第1領域の高温部の熱を離れた第2領域の領域へ熱伝導させる媒体に対応させると、第1領域からの吸熱量は電磁波速度で瞬時に第2領域の発熱量として転送され(伝わり)、自己駆動型熱転送システムが実現されると同時に、熱伝導が無限大の理想的な熱伝導媒体でとなる。
Claims (11)
- 正または負のゼーベック係数を有する3個以上の導電部材と、同じ符号のゼーベック係数を有する前記導電部材同士を導電性連結部材で電気的に直列接続して両端が前記導電部材となる接続形態を有し、
前記の接続形態により前記導電部材単体のゼーベック係数の値を増幅することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子の構造。 - 請求項1に記載の正のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子と負のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子との対を接合導電部材により接合し、前記接続導電部材の対向部に接合導電部材により1対の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの構造。
- 請求項2に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットが、複数個の熱伝導性に優れた電気的絶縁材上に接合され、
複数個の前記多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの出力端同士が、接合導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続され、
前記多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの複数個が互いに電気的に絶縁された状態で接合されることにより、前記接合導電部材により1対以上の出力端が形成される、
ことを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造。 - 請求項3に記載の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットが互いに電気的に絶縁された状態で接合することにより、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造。
- 請求項4に記載の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールが互いに電気的に絶縁された状態で接合することにより、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造。
- 請求項5に記載の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルが互いに電気的に絶縁された状態で接合することにより、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造。
- 請求項3に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造を形成する各工程を複数回繰り返して順次実施するステップと、
を含み、多数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットを同時に作成することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの製造方法。 - 請求項4に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造を形成する各工程を複数回繰り返して順次実施するステップと、
を含み、多数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールを同時に作成することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの製造方法。 - 請求項5に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造を形成する各工程を複数回繰り返して順次実施するステップと
を含み、多数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネを同時に作成することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの製造方法。 - 請求項7に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造を形成する各工程を複数回繰り返して順次実施するステップと
を含み、多数枚の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートを同時に作成することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの製造方法。 - 請求項6に記載の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートが互いに電気的に絶縁された状態で接合することにより、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換システムの構造。
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