JP2011222654A - 多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子の構造、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの構造、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造及びその製造方法、並びに多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換システムの構造 - Google Patents

多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子の構造、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの構造、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造及びその製造方法、並びに多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換システムの構造 Download PDF

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【課題】熱電変換効率の改善は熱電変換材により決まる上限があるという問題を解決し、多数連結熱電変換集合ユニット内の一部の素子が切断した場合に多数連結電変換集合ユニット全体の機能が停止するのを防止するとともに、より簡易に多数連結熱電変換集合ユニットを製造する方法を提供する。
【解決手段】正または負のゼーベック係数を有する3個以上の導電部材と、同じ符号のゼーベック係数を有する導電部材同士を導電性連結部材により、電気的に直列接続する。そして両端が前記導電部材となる接続形態を有し、この接続形態により導電部材単体のゼーベック係数の値を増幅すること実現する。更に、正のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子と負のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子との対を接合導電部材により接合し、接続導電部材の対向部に接合導電部材により1対の出力端を接続した多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱流パワーと電力の相互変換を高効率化するゼーベック係数増幅効果を利用して高機能化した多数連結ゼーベック係数増幅効果熱電変換ユニットの構造及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅効果熱電変換集合ユニット及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅効果熱電変換モジュール及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅効果熱電変換パネル及びその製造方法、多数連結ゼーベック係数増幅効果熱電変換シートの構造及びその製造方法、並びに多数連結ゼーベック係数増幅効果熱電変換システムの構造に関する。
現在、世界における総エネルギー消費の2/3は廃熱等で有効に利用されず、地球の温暖化や環境破壊を増大させる要因となっている。太陽電池、風力発電、波力発電等は太陽エネルギーを起源とする持続可能電力システムであるが、環境内で最も豊富な太陽及び地球由来の太陽光黒体吸収熱・太陽電池透過光黒体吸収熱・温泉熱・地熱等と河川水や気化熱利用による冷水等との持続可能な温度差未利用エネルギー資源を有効利用して、熱電変換効果を利用する再生可能熱電変換システムはまだ実用化と普及に至っていない。
再生可能熱電変換システムが実用化と普及に至らない原因は、熱パワーと電力の相互の熱電変換効率が低いことによる。この低熱電変換効率を飛躍的に高める物理的ゼーベック係数増幅効果が理論と実証実験により明らかになったことから、太陽電池に匹敵する再生可能熱電変換システムの実用化と普及が可能な段階にきている。
一般に、数ミリの厚さの半導体(熱電変換材)を使う半導体型熱電モジュールの製造プロセスまたは半導体型の熱電変換材の数十から数百分の一程度の厚さの熱電変換材を使う集積回路の製造プロセスまたは集積回路型の熱電変換材の数十から数百分の一程度の厚さの熱電変換材を使う薄膜の製造プロセスの3種類の製造プロセスで組込まれる熱電変換部のユニットは、全て同じ接続形態となっている。この共通した特徴により、以下では、この3種類の製造プロセスによる共通の接続形態を持つ熱電変換部のユニットを総称して熱電変換ユニットと記し、また、3種類の製造プロセスによる熱電変換ユニットを互いに区別する場合は、半導体型または集積回路型または薄膜型の熱電変換ユニットと記す。更に、前記の3種類の製造プロセスにより製造される熱電変換ユニットの集合ユニットである半導体型熱電変換モジュールまたは集積回路型熱電変換チップまたは熱電変換薄膜は、全て同じ接続形態となっている。
この3種類の製造プロセスに共通した特徴の集合接続形態を有する熱電変換用の集合ユニットを総称して熱電変換集合ユニットと記し、また、3種類の製造プロセスによる熱電変換集合ユニットを互いに区別する場合は、半導体型または集積回路型または薄膜型の熱電変換集合ユニットと記す。更に、前記の3種類の製造プロセスにより複数の熱電変換集合ユニットを接続して製造されるモジュールを熱電変換モジュールと記し、また、3種類の製造プロセスによる熱電変換モジュールを互いに区別する場合は、半導体型または集積回路型または薄膜型の熱電変換モジュールと記す。更に、前記の3種類の製造プロセスにより複数の熱電変換集合モジュールを接続して製造されるパネルを熱電変換パネルと記し、また、3種類の製造プロセスによる熱電変換パネルを互いに区別する場合は、半導体型または集積回路型または薄膜型の熱電変換パネルと記す。
更に、前記の3種類の製造プロセスにより複数の熱電変換集合パネルを接続して製造されるシートを熱電変換シートと記し、また、3種類の製造プロセスによる熱電変換シートを互いに区別する場合は、半導体型または集積回路型または薄膜型の熱電変換シートと記す。
集積回路プロセスは、例えばイオン注入法やフォトリソグラフィ、スパッタ、蒸着等を用いるプロセスであり、薄膜プロセスでは、PVDやVCD、真空蒸着、プラズマエッチング、スパッタ等を用いることでより厚さを薄く形成することができる。
本発明者(出願人)は、上記のゼーベック効果を利用した熱電変換装置及びそれを利用したエネルギー変換システムと集積並列ペルチェ・ゼーベック素子チップの製造方法を発明し、既に特許認可されている(特許文献1,2,3,4を参照。)
一般に熱電変換効果機器内で使われている熱電変換素子は、高温側と低温側の距離が5mm前後の狭さの従来型熱電変換素子である為に熱電変換効果に寄与しない高温側から低温側への熱流損失が大きく、機器全体の熱電変換効率が低く抑えられるという欠点がある。この従来型の欠点を低減するために、特許文献1、2、3、及び4に記載された発明においては、熱電変換素子の高温側と低温側の距離を必要に応じた長さに設定する構造にする事により、高温側から低温側への熱流損失を低減して熱電変換効率を従来型熱電変換素子より大きくする技術を提供するものであった。
特許第4253471号明細書 特許第4261890号明細書 中国特許No.ZL200380105263.9 特許第4141415号明細書
しかし、2つの熱電変換材の間を導電性の優れた金属等の導電材で連結することによって、熱電変換材単体のゼーベック係数の値を増幅するゼーベック係数増幅効果の理論と理論を実証する実験結果が存在しなかった為に、特許文献1、2、3、及び4に記載された発明においては、熱電変換効率の改善は熱電変換材により決まる上限があるという問題があった。
上述の特許文献1、2、3、及び4における熱電変換システムでは、ゼーベック係数の2乗に比例する熱電変換における出力は依然として小さく、改善の程度は限定されたものであった。このため、熱電変換によるエネルギー利用の実用化と普及を促進するには、ゼーベック係数を大きくして劇的に出力を増大させるような、新たな構成を開発することが求められている。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明者(出願人)は、上述の特許文献2を利用した実験結果を理論分析してゼーベック係数を増幅させる効果を見出し、ゼーベック係数増幅効果の理論を構築して、証明する為の実証実験により理論が正しい事を確認した。本発明の目的は、理論と実証実験結果に基づき、ゼーベック係数増幅効果により熱流パワーと電力の相互変換の効率を増大して熱電変換システムの機能を向上させるとともに、容易に製造可能な新たな構造の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シート、並びに多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換システムを提供することを目的とする。
また更に、この多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の発明による多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子の構造は、正または負のゼーベック係数を有する3個以上の導電部材と、同じ符号のゼーベック係数を有する前記導電部材同士を導電性連結部材で電気的に直列接続して両端が前記導電部材となる接続形態を有し、前記の接続形態により前記導電部材単体のゼーベック係数の値を増幅することを特徴とする。一般に、正のゼーベック係数を有する導電部材をp型導電部材と呼び、負のゼーベック係数を有する導電部材をn型導電部材と呼ぶことから、以下では、p型導電部材は正ゼーベック係数を有する導電部材であり、n型導電部材は負ゼーベック係数を有する導電部材である。
すなわち、本発明においては、3個以上の同じp型またはn型導電部材同士を、導電性連結部材によって連続して直列接続するものである。
これにより、導電性連結部材を介して隣の導電部材へ電子が移動でき、各々の導電部材内の熱拡散と濃度拡散によって移動する電子の数が導電部材単体の場合よりも多く移動することが可能になる。このため、低温側と高温側とで生じる電荷の偏りを従来よりも増大させてゼーベック係数の値を増幅することができる。
また、第2の発明によるゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの構造は、上述のp型多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子と負のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子との対を接合導電部材により接合し、前記接続導電部材の対向部に接合導電部材により1対の出力端を接続して成ることを特徴とする。
これにより、熱流パワーと電力の相互変換に関して、より大きい変換効率を得ることができる。
また、第3の発明による多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造は、上述の複数個のゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットが互いに電気的に絶縁された状態で接合して、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続する。
これにより、より大きい熱流パワーの転送量と熱電変換による電力出力を得ることができる。
また、第4の発明による多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造は、上述の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの出力端同士を電気的に直列または並列、または直列と並列を混成して接続することにより構成される。
また同様に、第5の発明による多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造は、この多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール同士を電気的に直列または並列、または直列と並列を混成して接続することにより構成することができ、第6の発明による多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造は、この複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル同士を電気的に直列または並列、または直列と並列を混成して更に接続することにより構成される。
このように、次々と多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートを接続して大規模化すればするほど、より大きく熱流パワーの転送量と熱電変換による電力出力を増大させることができる。
本発明によれば、高温側と低温側に加えた温度差による導電部材内の温度勾配に伴う電子の熱拡散と濃度拡散で生じる電荷の偏りを従来の導電部材単体で使う場合よりも大きくすることができる。このため、ゼーベック係数を増幅させる効果が起こり、同じ温度差に対して高温側と低温側の電位差が従来よりも大きくなるので、熱流パワーの転送量と熱電変換による電力出力を増大させることが可能となる。
多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニット及び従来の熱電変換ユニットの構成を示す概略構成図である。Aは本発明の第1の実施の形態に係る3連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットであり、Bは従来の熱電変換ユニットである。 従来の熱電変換素子のエネルギーバンド図である。Aは、p型半導体を用いた場合であり、Bはn型半導体の場合である。 本発明の第1の実施の形態に係るp型3連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子のエネルギーバンド図である。 本発明の第1の実施の形態に係るn型3連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子のエネルギーバンド図である。 実験に用いた熱電変換ユニットの構造を示す概略構成図である。Aは従来の熱電変換ユニット、Bは2連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットである。 従来の熱電変換ユニットのゼーベック係数、及び2連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの導電性連結部材の長さとゼーベック係数の関係を示す説明図である。 Aは4個のp型導電部材を直列接続した4連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子が生じる電流を示す説明図である。Bは4個のn型導電部材を直列接続した4連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子が生じる電流を示す説明図である。 導電部材を4個ずつ直列接続した4連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの生じる電圧、電流を示す説明図である 本発明の第1の実施形態例に係る3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの概略構成図である。Aは上面図、BはX1−X’1断面図、CはY−Y’断面図、DはX2−X’2断面図である。A’は第1の実施形態の変形例に係る3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの上面図の出力端子部分の概略構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの製造方法を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る3連結ゼーベック係数増幅電変換集合ユニットの概略構成図である。Aは上面図、BはX−X’断面図、CはY−Y’断面図である。A’は第2の実施形態の変形例に係る3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの上面図の出力端子部分の概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態に係る3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの概略構成図である。Aは上面図、BはX−X’断面図、CはY−Y’断面図である。A’は第3の実施形態の変形例に係る3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの上面図の出力端子部分の概略構成図である。 本発明の第4の実施形態例に係る多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構成を表す上面図である。 本発明の第5の実施形態例に係る多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構成を表す上面図である。 本発明の第6の実施形態例に係る多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構成を表す上面図である。
以下、本発明の基礎となるゼーベック係数増幅効果の理論と理論を実証する為の実証実験結果と、本発明の実施の形態に係る多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニット及びその製造方法について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、以下の第1〜第3の実施例とその変形例及び第4〜第6の実施例は本発明による高効率な熱電変換を使う電力供給に関する実施例であり、第7の実施の形態例は本発明による高効率熱電変換を使う高効率な熱エネルギー転送に関する実施例である。説明は以下の順序で行う。
1.ゼーベック係数増幅効果の理論と理論を実証する為の実証実験結果
2.第1の実施の形態例(3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの直列接続により構成する例)と第1の変形例(出力端の対を複数形成する例)
3.第1の実施形態例における3連結熱電変換集合ユニット100の製造方法
4.第2の実施の形態例(3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの並列接続により構成する例)と第2の変形例(出力端の対を複数形成する例)
5.第3の実施の形態例(3連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの直列接続及び並列接続を混成させる例)と第3の変形例(出力端の対を複数形成する例)
6.第4の実施の形態例(多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールを構成する例)
7.第5の実施の形態例(多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルを構成する例)
8.第6の実施の形態例(多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートを構成する例)
9.第7の実施の形態例(熱エネルギー転送システムとしての利用例)
1.ゼーベック係数増幅効果の理論と理論を実証する為の実証実験結果
物理的ゼーベック係数増幅効果の理論について説明する。半導体内では、熱励起により価電子帯の電子はアクセプター準位に励起されて価電子帯に正の電荷の正孔ができる。ドナー準位の電子は伝導帯準位に励起されて自由電子となる。温度勾配の無い場合には、正孔及び自由電子は一様な密度分布となり、電気的に中性状態である。一般に、金属などを使う接合導電部材の熱伝導率は半導体よりも小さいために、温度差に伴う温度勾配は主に半導体内に生じ、温度勾配に伴う熱拡散と濃度拡散により金属や半導体内で移動する粒子は電子である。
図1Bに示した導電部材を単体で使う従来型の熱電変換ユニット70bの左側のp型熱電変換素子及び右側のn型熱電変換素子のエネルギーバンドの模式図を図2A及び図2Bに示す。図中領域A2及びA5は導電部材であり、A1,A3,A4,A6に示す領域は接合導電部材を表す。また、図中右側が高温、左側が低温の場合である。p型熱電変換素子の低温側の温度をTPLで、高温側の温度をTPHで示すと、その温度差ΔTPC は、ΔTPC=TPH−TPLとして表される。n型熱電変換素子の低温側の温度をTnL、高温側の温度をTnHで示すと、その温度差ΔTnC は、ΔTnC=TnH−TnLとして表される。
また、図2Aと図2Bにおいて、線EFはフェルミ準位、線Ecは伝導帯準位、線Evは価電子帯準位、線Eはアクセプター準位、線Eはドナー準位を示しており、以降の図においても同様とする。
導電部材内に温度勾配のある図2Aと図2Bにおいて、熱拡散と濃度拡散によりp型導電部材のA3,A2及びA1領域では各々矢印e1,e2及びe3に示す方向へ電子は移動し、n型導電部材のA6,A5及びA4領域では各々矢印e4,e5及びe6に示す方向へ電子は移動する。この電子の移動に伴い、p型導電部材のA2領域では正孔が左側へ移動して正電荷が増大し、n型導電部材のA5領域では自由電子が左側へ移動して負電荷が増大する。この様に温度勾配の無い場合に電気的に中性状態である導電部材内で電荷の偏りが起こる結果として、p型導電部材では低温側がプラスで高温側がマイナスとなる電位勾配が生じ、その電位勾配による電界Eにより正孔に右方向へ加わる引き戻し力と熱拡散に伴う正孔の左側への駆動力が互いに釣り合うように正孔の偏り分布が決まる。同様に、n型導電部材では低温側がマイナスで高温側がプラスとなる電位勾配が生じ、その電位勾配による電界Eにより自由電子に右方向へ加わる引き戻し力と熱拡散に伴う自由電子の左側への駆動力が互いに釣り合うように自由電子の偏り分布が決まる。薄い厚く電気抵抗の小さい金属が用いられる接合導電部材のA1,A3,A4,A6領域の電界は、導電部材のA2及びA5領域の電界に比べて無視できる程度に小さいために、接合導電部材内の自由電子が移動し、ガウスの法則により定常状態では、図2Aに示すようにp型導電部材で高温側がマイナス、低温側がプラスの電位となり、図2Bに示すようにn型導電部材で高温側がプラス、低温側がマイナスの電位となる。
この様な正孔の電荷の偏り分布で生じる電位勾配が起こる結果として、p型導電部材では高温側の領域A3におけるフェルミ準位から低温側の領域A1のフェルミ準位に向かって領域A2におけるフェルミ準位の勾配が生じる。同様にして、n型導電部材では高温側の領域A6におけるフェルミ準位から低温側の領域A4のフェルミ準位に向かって領域A5におけるフェルミ準位の勾配が生じる。この電位勾配の長さ方向への積分量が、熱電変換効果に基づく温度差とゼーベック係数の積で定義された電圧出力の大きさとなる。ゼーベック係数の値は電圧出力を温度差で割った値となる。熱電変換材を単体で使う従来型の熱電変換素子では、熱拡散と濃度拡散による起こる電子の移動は主にA2及びA5領域内のみで起こり、接合導電部材A1及びA4領域では行き止まりとなる。
これに対して、図1Aに示した本実施の形態例による3連結熱電変換ユニット70aの左側のp型3連結熱電変換素子及び右側のn型3連結熱電変換素子の場合のエネルギーバンドの模式図は、図3及び図4に示すようになる。図3のA7,A13に示す領域は接合導電部材であり、A8,A10,A12に示す領域はp型導電部材、A9,A11に示す領域は、導電性連結部材である。また、A7領域が温度TPLの低温側で、A13領域が温度TPHの高温側の場合である。高温側と低温側の温度差ΔTPLnは、ΔTPLn=TPH−TPLで表される。
p型導電部材内に温度勾配のある図3において、A13,A12及びA11領域の各々の矢印e7、e8及びe9に示す方向への熱拡散と濃度拡散による電子の移動は、前記の導電部材を単体で使う従来型の図2Aで示した場合と同じである。しかし、導電性連結部材A11領域にはp型導電部材A10領域が接続されている為に、熱拡散と濃度拡散によりA11領域に流入した電子が、A11領域の自由電子を玉突き式に次々に移動させてe10に示す方向へ押し出してA10領域へ電子を流入させることにより、熱拡散と濃度拡散による電子の移動はA10領域、更に導電性連結部材A9領域を経てA8領域へ続くことになる。即ち、従来型の熱電変換素子では図3のA12領域に対応する図2Aの単一の導電部材A2領域のみで熱拡散と濃度拡散による電子の移動数と移動距離が限定されるのに対して、p型3連結熱電変換素子では図3の2つの導電性連結部材A11領域とA9領域を介してA12,A10,A8領域へ連続して熱拡散と濃度拡散による電子の移動数と移動距離が増加する。この電子の移動数と移動距離は、導電性連結部材で連結する導電部材の数を多くすれば更に大きくなる。
このように、図3のp型3連結熱電変換素子では電子の移動数と移動距離が増加する結果、電子の移動に伴う正孔の拡散も増加して電荷の偏りが増大し、導電部材A12,A10,A8領域の各々の電位勾配の長さ方向への積分量も増大して電圧出力の大きさも増大する。電圧出力を温度差で割ったゼーベック係数の値も増加する結果として、ゼーベック係数が増幅される。このゼーベック係数の増幅量は、導電性連結部材で連結する導電部材の数を多くすれば更に大きくなる。
同様にして、図4のn型3連結熱電変換素子においても、A19,A17及びA15領域の各々の矢印e16、e17及びe18に示す方向への熱拡散と濃度拡散による電子の移動は、前記の導電部材を単体で使う従来型の図2Bで示した場合と同じである。しかし、導電性連結部材A18領域にはn型導電部材A17領域が接続されている為に、熱拡散と濃度拡散によりA18領域に流入した電子が、A18領域の自由電子を玉突き式に次々に移動させて矢印e20に示す方向へ押し出してA17領域へ電子を流入させることにより、熱拡散と濃度拡散による電子の移動はA17領域、更に導電性連結部材A16領域を経てA15領域へ続くことになる。即ち、従来型の熱電変換素子では図4のA19領域に対応する図2Bの単一の導電部材A5領域のみで熱拡散と濃度拡散による電子の移動数と移動距離が限定されるのに対して、n型3連結熱電変換素子では図4の2つの導電性連結部材A18領域とA16領域を介してA19,A17,A15領域へ連続して熱拡散と濃度拡散による電子の移動数と移動距離が増加する。
このように、n型3連結熱電変換素子においても電子の移動数と移動距離が増加する結果、自由電子の拡散も増加して電荷の偏りが増大し、導電部材A19,A17,A15領域の各々の電位勾配の長さ方向への積分量も増大して電圧出力の大きさも増大する。電圧出力を温度差で割ったゼーベック係数の値も増加する結果として、ゼーベック係数が増幅される。このゼーベック係数の増幅量は、導電性連結部材で連結する導電部材の数を多くすれば更に大きくなる。以上が、新しい物理的ゼーベック係数増幅効果の理論の説明である。
次に、前記の物理的ゼーベック係数増幅効果の理論を実証する為の実証実験の結果について、図5と図6を元に説明する。
図5に、実験に用いた熱電変換素子の構成を示す。図5A及び図5Bは各々同じロッドから切り出した導電部材を単体で使う従来型の熱電変換ユニット及び本発明に関わる2連結熱電変換ユニットである。この図5A及び図5Bに示す従来型の熱電変換ユニット及び本発明に関わる2連結熱電変換ユニットの両方を各々127個直列接続して熱電変換集合ユニットを作成した。
図5Aの70dでは、直径1.8mm、厚さ1.5mmのp型及びn型のBiTe導電部材1d及び導電部材2dが銅の接合導電部材4によって接合され、接合導電部材4は、絶縁膜7を介してAl基板6に固定されている。図5Bの70eでは、図5Aの導電部材1dと1e及び2dと2eとが各々直径1.5mmの銅の導電性連結部材4e及び3eによって連結接続されており、その他の構成は図5Aと同じである。図5Bの70eでは、導電性連結部材4e及び3eの長さLが0.2cm,2.0cm,4.0cm,10cmの2連結熱電変換ユニットを実証実験で用いた。図5A及び図5Bの熱電変換集合ユニットの内部抵抗は、各々3.0Ω及び6.0Ωである。
図5A及び図5Bの実験では、共に自動温度調節器を用いて高温側を90度、低温側を30度に固定して、室温17度の環境下で図5A及び図5Bの各部位の温度及び、開放電圧Vを測定した。各部位の温度及び、開放電圧Vを正確に測定することより、より正確にゼーベック係数を算出することができる。
熱電変換ユニットを構成するp型及びn型の導電部材のゼーベック係数を平均した導電部材単体のゼーベック係数αの値は、開放電圧Vと導電部材の部分だけに加わる温度差ΔT及び熱電変換ユニット数m=127を使って、下記式1の定義式で算出することができる。

α=V/2mΔT ・・・(1)

なお、測定データと算出データは、桁数を3桁までの精度で求めている。p型及びn型導電部材同士を接続する銅の導電性連結部材が生じるゼーベック電圧が電流路内において互いに逆向きに発生して打消し合うことと、p型及びn型導電部材の熱伝導率がほぼ等しいことは一般に知られている。
図6に、各測定値と式1を用いて得られた実証実験結果を示す。図の縦軸はゼーベック係数値で横軸は導電性連結部材4e及び3eの長さLである。図5Aの従来型熱電変換集合ユニット及び図5Bの2連結熱電変換集合ユニットによる実験データを、各々図中の実験誤差範囲(エラーバー)を付けたシンボルfの白四角及びシンボルeの白丸で区別して示してある。なお、図5Aの従来型熱電変換集合ユニットはL=0cmの場合に相当し、この従来型熱電変換集合ユニットによる実験データは図中のL=0cmの位置のデータである。
図6の実験データから以下の2つの事実が分かる。1)図5Bの2連結熱電変換集合ユニットの導電部材のゼーベック係数の値は、実験誤差範囲内で導電性連結部材4e及び3eの長さLに依存しない。2)図5Bの2連結熱電変換集合ユニットの導電部材のゼーベック係数の値は、図5Aの従来型熱電変換集合ユニットの導電部材のゼーベック係数の値より約1.2倍大きく増幅されている。
実験事実の1)は、前記の物理的ゼーベック係数増幅効果の理論が導電性連結部材の長さLに依存しない理論であることと一致する。実験事実の2)は、前記の理論が導電性連結部材の導入により導電部材のゼーベック係数が増幅される効果を導く理論であることと一致する。
このように、実証実験による実験結果により、前記の物理的ゼーベック係数増幅効果の理論は正しいことが実証されていると言える。
現在に至るまで、2つの導電部材の間を導電性の優れた金属等の導電材で連結することによって、ゼーベック係数増幅効果が得られるという具体的な理論も存在しない為に、上述の特許文献1、2、3、及び4における熱電変換システムによる出力電圧及び電力の改善の程度は小さく限定されていた。
しかし、本発明者は、上述の特許文献2を利用した実験結果を理論分析してゼーベック係数を増幅させる効果を見出し、ゼーベック係数増幅効果の理論を構築して、証明する為の実証実験により理論が正しい事を確認したものである。また、前記の物理的ゼーベック係数増幅効果の理論で言及したように、導電性連結部材で連結する導電部材の数を多くすれば、ゼーベック係数の増幅量を更に大きくすることができる。
以下、本発明の第1の実施形態における3連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの構成について説明する。以下では、熱電変換する最小要素を熱電変換素子、同符号のゼーベック係数の導電部材を導電性連結部材で連結した要素を連結熱電変換素子、正と負のゼーベック係数の熱電変換素子の対を接合導電部材で接合した要素を熱電変換ユニット、導電性連結部材で連結したユニットを連結熱電変換ユニットと略記する。
図1Aと図1Bは、本発明の第1の実施形態例における3連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニット70aと、従来の熱電変換ユニット70bを示す概略構成図である。
本実施の形態における連結熱電変換ユニット70aは、左側の3つの正のゼーベック係数を持つp型導電部材1aと1c同士及び1cと1b同士の各々を導電性連結部材3aと3cとで電気的に直列接続した3連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子と、右側の3つの負のゼーベック係数を持つn型導電部材2aと2c同士及び2cと2b同士の各々を導電性連結部材3bと3dとで電気的に直列接続した3連結熱電変換素子との対を上側の接合導電部材4によって接合し、対向部下側の接合導電部材4により1対の出力端を接続して構成される。
一方、熱電変換材を単体で使う図1Bの従来型の熱電変換ユニット70bでは、p型導電部材1aとn型導電部材2aとの対を上側の接合導電部材4によって接合し、対向部下側の接合導電部材4により1対の出力端を接続して構成される。
本実施の形態においては、3つの同じ符号のゼーベック係数を持つ導電部材を導電性連結部材で接続して生じるゼーベック係数増幅効果を利用してゼーベック係数を増大させることができ、上下間の温度差とゼーベック係数に比例する出力電圧を、図1Bの従来の熱電変換ユニットより高くすることが可能である。
また、同じ符号のゼーベック係数を有する導電部材を連結接続する数を増やせば増やすほど、出力を大きくすることが可能である。
図7Aに、4つのp型導電部材1a,1c,1e,1bを各々3つの導電性連結部材3a,3c,3eによって連結したp型4連結熱電変換素子を形成し、高温側と低温側に電極として設置した銅などの接合導電部材4を介して負荷回路に接続した例を示す。前記の図3で説明したように、p型導電部材の場合、低温側に正の電荷が偏るので高温側から低温側へゼーベック起電圧Vsが生じ、負荷回路18aを通って低温側から高温側へと電流が流れる。この電流により、高温側では接合導電部材とp型導電部材の境界面で吸熱のペルチエ効果により熱パワーが流入し、低温側では境界面での電流の方向が逆による発熱のペルチエ効果により熱パワーが流出する。この熱パワーの流入と流出の差は回路内で消費される電力に等しく、エネルギー保存則が成立する。
同様にして、4つのn型導電部材を各々3つの導電性連結部材で連結したn型4連結熱電変換素子を接合導電部材4を介して負荷回路に接続した図7Bでも、p型4連結熱電変換素子の場合と逆方向のゼーベック起電圧Vsにより回路電流が流れて、熱パワーの流入と流出の差と消費される電力に等しなりエネルギー保存則が成立する。
図8に、図7Aと図7Bの高温側を接合導電部材4で接続した4連結熱電変換ユニットに負荷回路に接続した例を示す。図8では図7Aと図7Bで生じるゼーベック起電圧が加算される接続になることにより、図8のゼーベック起電圧は2Vsとなって回路電流が流れる。熱パワーの流入と流出の差は2倍となり、回路内で消費できる電力も2倍となってエネルギー保存則が成立する。
また、5個以上の導電部材を導電性連結部材により接続して5連結熱電変換ユニットを構成してもよく、これらを更に接続することで、熱電変換集合ユニット、連結熱熱電変換モジュールを構成してもよい。
なお、このように複数個の導電部材を導電性連結部材によって接続する場合、同じ熱電変換素子内の導電部材は同じ正負の符号のゼーベック係数を有していることが、より大きな熱電変換効率を実現する為に必要である。また、それぞれの導電部材を連結する導電性連結部材の電気伝導率が大きく自由電子の密度が高い導電性部材が好ましいが、ゼーベック係数の符号は同じでもよいし、異なっていてもよい。
2.第1の実施の形態例と第1の変形例
次ぎに、本発明の第1の実施形態例及び第1の実施形態の変形例における図9の3連結熱電変換集合ユニット100の構成図について説明する。
なお、以下の第1の実施の形態例と第1の変形例、第2の実施の形態例と第2の変形例、第3の実施の形態例と第3の変形例の全てにおいて、多数連結熱電変換集合ユニット内の一部切断などの損傷が無い場合には、インピーダンス整合(電気回路理論により公知の負荷回路への供給電力最大の条件)する様に設定した負荷回路への供給電力を比べると、全ての実施形態による供給電力は互いに等しくなることがわかっている。また、全ての実施形態において、3個以上の同じp型またはn型の導電部材を導電性連結部材によって接続する多数連結熱電変換集合ユニットでは、連結する導電部材の数を多くすることにより、供給電力を更に大きくすることが可能である。
本発明の第1の実施の形態例の図9は、複数の図1Aの3連結熱電変換ユニット70aの出力端を接合導電部材4により接続する構成とするものである。図9Aは本実施の形態における3連結熱電変換集合ユニット100を上から見た上面図、図9Bは図9AのX1−X’1断面図、図9Cは図9AのY−Y’断面図、図9Dは図9AのX2―X’2断面図である。3連結熱電変換集合ユニット100は、p型導電部材1a(図9中A1の領域)と、n型導電部材2a(図9中B1の領域)とが複数個固定された第1の絶縁基板5aと、p型導電部材1b(図9中A2の領域)と、n型導電部材2b(図9中B2の領域)とが複数固定された第2の絶縁基板5bとを含む。
また、図9B、C、Dは共に、3つのp型導電部材1aと1c(図9中A3の領域)同士及び1cと1b同士の各々を導電性連結部材3a(図9中C1の領域)と3c(図9中C3の領域)とで電気的に直列接続したp型3連結熱電変換素子と、3つのn型導電部材2aと2c(図9中B3の領域)同士及び2cと2b同士の各々を導電性連結部材3b(図9中C2の領域)と3d(図9中C4の領域)とで電気的に連結接続したn型3連結熱電変換素子とが複数固定された絶縁基板5aと絶縁基板5bとを含む。
また、複数の3連結熱電変換ユニットの出力端同士を電気的に接合する接合導電部材4と、発生した電圧出力の出力端子61、62も含む。
第1の実施形態の変形例の図9A’は、重複を避ける為に図9Aの1対の出力端子61と62側の部分に相当する図で、図9Aの3連結熱電変換集合ユニットを左右に2つに分け、発生した電圧出力を2対の出力端子63、64と65、66から取り出すように変形した実施形態を示す。この出力端子は3対にしてもよく、出力端子対を複数にすることにより、複数連結熱電変換集合ユニット内の一部に応力等による接合部の断線故障が起きた場合にも、その断線故障が含まれていない領域の出力端子対から出力電圧を外部へ供給する事が可能となる。出力端子対を複数にすることにより、複数連結熱電変換集合ユニットの製品としての信頼性の向上が可能となる。
3.第1の実施形態例における3連結熱電変換集合ユニットの製造方法
次に、図10を用いて本発明の第1の実施形態例における3連結熱電変換集合ユニット100の製造方法の一例について説明する。ここでは、上述の集積回路プロセスや薄膜プロセスに分類できる方法によって製造する例を挙げる。
以下に示す第1の実施形態の製造方法と同様に、第1の実施形態の変形例、第2の実施の形態例と第2の変形例、第3の実施の形態例と第3の変形例を含む同様な実施形態例の全ては、シリコン・ウエハの形成から熱電変換集合ユニットの完成まで薄膜プロセスや集積回路プロセスによる製造や半導体型のプロセスによる製造が可能であり、一括して生産することができる。
まず、図10Aのように極薄い耐熱プラスチックの基板21上に、蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD法(Chemical Vapor Development:化学蒸着法)等を用いて、アモルファスシリコン・ウエハを作成する。このアモルファスシリコン・ウエハは、用途に応じて数ミクロンメートルから五ミリメートルあるいは十数ミリメートルの一様な厚さのアモルファスシリコン(非晶質シリコン)からなる第1のシリコン層20aとして形成される。
例えば、プラズマCVD法では、グロー放電により原料ガスのシラン(SiH4)、シランジシラン(SiH6)を分解し、アモルファスシリコン層を基板上に成長させて、上記のような一様の厚さのアモルファスシリコン・ウエハを作成する。
あるいは、アモルファスシリコン層にCW(Continuous Wave:連続波)エキシマレーザー(波長308nm)を照射してアニーリング(熱なまし)処理をするか、または、ウエハ全体を熱電気炉に入れてアニーリング処理し、アモルファスシリコンよりも電子や正孔などのキャリア移動度がはるかに大きいポリシリコン(多結晶シリコン) ・ウエハを作成する。あるいは、シリコンを円柱状に結晶成長させたインゴットをスライスして単結晶シリコン・ウエハを作成する。(以下、こうしたアモルファスシリコン基材、ポリシリコン基材、単結晶シリコン基材の何れも「ウエハ」と略記する。)
このようにして作成したウエハ表面にフォトレジストを不図示の塗布機で薄く塗布し、このフォトレジストを塗布したウエハ上方に設けた不図示の露光装置(ステッパー)に第1の導電部材22a及び第2の導電部材23aの領域を露光するマスクパターンをセットする。すなわち、図10Aにおいて、A1及びB1の領域のみ紫外光を透過するマスクを用いてレジストに露光を行う。1チップ分の露光後も露光ステージを上下方向及び左右方向に順次移動させて1チップ分ずつ露光を繰り返し、ウエハ全面を走査して露光する。この際、レジストの種類によっては焼きしめと呼ばれる軽い熱処理を行い、露光部分の反応を促進させる。なお、ここではレジストにネガレジストを用いた場合について示してある。
次に、ウエハ上のレジスト全面にマスクパターンを転写した後、未露光部分のみを現像液に溶解させ、ウエハを露出させる(現像)。この現像には、例えば強アルカリ性のTMAH(Tetramethyl ammonium hydroxide:テトラメチル アンモニウム ヒドロオキサイド)が用いられ、現像機(デベロッパー)でウエハを回転しながらこの現像液を滴下することにより、現像が行われる。
次に、レジストが残されたウエハ全体を高温の酸化炉にいれ、「熱酸化法」を用いてウエハを二酸化シリコン(SiO2)に変成させる。これにより、現像によってウエハが露出した部分、すなわち図10AにおいてA1、B1の領域以外の部分が二酸化シリコン(SiO2)に変化する。
二酸化シリコンの形成後はウエハ上に残っているレジストを溶剤によって除去する。そして再びウエハ上にレジストを塗布して露光、現像をおこない、今度は領域A1のみが露出し、それ以外の部分はレジストによって覆われた状態とする。
この領域A1をp型半導体とする場合には、例えばイオン注入法によってボロン(B:ホウ素)の高エネルギーイオンビームをウエハ上のA1の領域に照射する。そして、この打ち込んだイオンによる格子欠陥をアニーリング処理によって再結晶化し、P型半導体を形成する。これによって第1の導電部材22aが領域A上に形成される。このイオンを打ち込む際には、イオンがウエハ面に達する直前にエレクトロンシャワーを当ててイオンのプラス電荷を電子電荷で中和するようにする。
続いて、第1の導電部材22aの形成後はウエハ上に残ったレジストを除去し、再びレジストの塗布、露光、現像の工程を繰り返す。今度は図10Aに示す領域B1が露出され、それ以外の部分はレジストによって覆われた状態とする。
領域B1をn型半導体とする場合には、同様にイオン注入法を用いて例えばリン(P)の高エネルギービームを照射する。そして、打ち込んだイオンによる格子欠陥をアニーリング処理によって再結晶化して、N型半導体に変化させる。これにより、領域B1に第2の導電部材23aが形成される。
次に、図10Bに示すように、第1の導電性連結部材24a、第2の導電性連結部材24bを薄膜プロセスによって第1の導電部材22a及び第2の導電部材23a上に形成する。まず、ウエハ上にポジレジスト25を塗布して露光、現像を行い、第1の導電部材22aの領域のみを露出してそれ以外の部分はポジレジスト25によって覆われた状態とする。そしてスクリーン印刷法によって、上記露出された第1の導電部材22a上に金属ペースト(銅などの金属粉末、カラズフリット、樹脂、有機溶剤よりなる)を塗布して熱処理を行い、第1の導電部材22a上に第1の導電性連結部材24aを形成する。
次にポジレジスト25に対して再び露光、現像を行い、今度は第2の導電部材23aの領域のみが露出され、それ以外の領域はレジスト25及び第1の導電性連結部材24aによって覆われた状態とする。そしてスクリーン印刷法によって、上記露出された第2の導電部材23a上に金属ペーストを塗布して熱処理を行い、第2の導電部材23a上に第2の導電性連結部材24bを形成する。
なお、このレジストが高耐久性であり絶縁性が高い場合には、第1の導電性連結部材24a及び第2の導電性連結部材24bを電気的に保護する絶縁部材としてそのまま用いてもよい。もしくは、樹脂等を注入し、第1の接合導電部材24が互いに絶縁された状態になるように形成することもできる。
また、金属ペーストの焼成温度が高く、レジストが耐えられない場合にはレーザCVD法等を用いて、露出した第1の導電部材22a及び第2の導電部材23a上に第1の導電性連結部材24a及び第2の導電性連結部材24bを選択的に形成してもよい。また、蒸着やスパッタ等により形成してもよい。
次に、図10Cに示すように、第1の接合導電部材24aと第2の接合導電部材24bとレジスト25の上に、蒸着法、スパッタ法、プラズマCVD法等を用い、アモルファスシリコン、またはこのアモルファスシリコンを熱処理したポリシリコンからなる第2のシリコン層20bを形成する。
続いて、このシリコン層20b上にレジストを塗布して露光、現像を行い、第1の導電性連結部材24a、第2の導電性連結部材24b上の領域A2、B2のみレジストによって覆われ、それ以外の部分は露出された状態とする。そして、これを酸化炉に投入し、領域A2、B2以外の部分を二酸化シリコンへと変化させる。
次に、シリコン層20b上にレジストを塗布して露光、現像を行いシリコン層20b内の領域A2のみを露出させ、それ以外の部分はレジストによって覆われた状態とする。そして既述のイオン注入法によりボロン等を注入し、第2のシリコン層20bの領域A2に第3の導電部材22bを形成する。
また同様にしてシリコン層20b内の領域B2のみを露出させてそれ以外の部分をレジストによって覆い、領域Bにイオン注入法によりリン等を注入する。これにより、シリコン層20b内の領域B2には第4の導電部材23bが形成される。
第3の導電部材22b上に形成される第3の導電性連結部材24cと、第4の導電部材23b上に形成される第4の導電性連結部材24dは、同じ材料であってもよいし、異なるゼーベック係数を有するものであってもよい。
同様に図10Bと図10Cの工程を繰り返し、図10Dに示すように、隣り合う第5の導電部材22cと第6の導電部材23c、及び隣り合う第1の導電部材22aと第2の導電部材23aを接合導電部材27によって接続する。
まず、第3のシリコン層20c上にレジストを塗布して露光を行い、となり合う第5の導電部材22cと第6の導電部材23cの対、及びこの中心に位置する二酸化シリコンの領域を露出し、それ以外の部分はレジストによって覆われた状態とする。そしてこの露出された領域に、スクリーン印刷法によって、金属ペースト(銀や銅などの粉末、カラズフリット、樹脂、有機溶剤よりなる)を塗布(印刷)して熱処理することにより、第5の導電部材22cと第6の導電部材23cとを接続する。
例えば始めは銀ペーストを使いオーミックコンタクトにより接続し、その上に銅ペーストの印刷と熱処理を繰り返す。そして、この銅ペーストの印刷と熱処理を繰り返すことにより、隣り合う第5の導電部材22cと第6の導電部材23cとをオーミックコンタクトで接続する。これにより、p型とn型の熱電変換部が直列に接続された熱電変換ユニットが形成される。
また、第1のシリコン層20a側においては、まず基板21を研磨機等で磨いて、ウエハの下面に第1の導電部材22aと第2の導電部材23aとが露出するようにする。そしてこの面にレジストを塗布して露光、現像を行う。これにより、第2のシリコン層20b側において接合導電部材27によって覆われた二酸化シリコンの領域28の下部に位置する、第1のシリコン層20a側の二酸化シリコンの領域29がレジストによって覆われ、それ以外の部分は露出された状態とする。
この露出された領域に、上記と同様の方法にて金属ペーストを塗布して熱処理し、隣り合う第1の導電部材22aと第2の導電部材23aとを接続するための第2の接合導電部材27を形成する。これにより、隣り合う熱電変換ユニット同士が直列に接続される。そして最後に、発生する起電力を外部回路へ出力するための出力端子を形成することにより薄膜状の3連結熱電変換集合ユニット100を形成することができる。
また、4個以上の導電部材を導電性連結部材によって直列に接続する場合の複数連結熱電変換集合ユニットにも、上述の図10B,Cに示したプロセスを繰り返すことで同様に作製することができる。
このように、本発明の第1の実施の形態例においては、薄膜プロセス、集積回路プロセスを用い、一貫して形成される。このため、図9に示すような熱電変換集合ユニット100を一括して製造することが可能となる。また、このプロセスでは薄膜状の熱電変換集合ユニットを製造することが可能なため、電子機器等に搭載する場合の実装スペースを削減することができる。
また、4個以上の導電部材を接続した熱電変換ユニットによって熱電変換集合ユニットを構成する場合においても、同じ薄膜プロセス、集積回路プロセスを繰り返すだけでよいので、高出力な熱電変換集合ユニットを容易に作製することが可能である。
なお、上述の半導体型のプロセスによって製造することも、もちろん可能である。
なお、ここで挙げた例のみでなく、他にも蒸着、スパッタ、プラズマCVD法とエッチングを組み合わせる等、薄膜プロセス、集積回路プロセス、半導体型のプロセスを用いることにより種々の方法を採ることができる。
また、遠距離間の温度差により発電を行う目的で、導電性連結部材に金属リード線を用い、第1のシリコン層20aと第2のシリコン層20bの間の距離を長くしたい場合もある。このような場合には、第1のシリコン層20a側に金属リード線を接続した後、金属リード線を第1のシリコン層20aの面に対して垂直方向にのばした状態で、紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂等にて硬化する。そして樹脂からはみ出たリード線の部分を切断し、樹脂上に第2のシリコン層20bを堆積させてもよい。
また、3個以上の導電部材を直列に接続する場合においても、同様に接続してもよい。
4.第2の実施の形態例と第2の変形例
次ぎに、本発明の第2の実施形態例及び第2の実施形態の変形例における図11の3連結熱電変換集合ユニット300及び3連結熱電変換集合ユニット400の構成図について説明する。
本発明の第2の実施形態例は、複数の図1Aの3連結熱電変換ユニット70aの出力端を接合導電部材4によりを並列接続することによって連結熱電変換集合ユニットを形成するものである。図11Aは本実施の形態における3連結熱電変換集合ユニット300を上から見た上面図、図11Bは図11AのX1−X’1断面図、図11Cは図11AのY−Y’断面図である。図11B、Cは共に、3つのp型導電部材1aと1c(図11中A3の領域)同士及び1cと1b同士の各々を導電性連結部材3a(図11中C1の領域)と3c(図11中C3の領域)とで電気的に直列接続したp型3連結熱電変換素子と、3つのn型導電部材2aと2c(図11中B3の領域)同士及び2cと2b同士の各々を導電性連結部材3b(図11中C2の領域)と3d(図11中C4の領域)とで電気的に直列接続したn型3連結熱電変換素子とが複数固定された絶縁基板5aと絶縁基板5bとを含む。図11Aに示すように、D1方向には、p型3連結熱電変換素子の列とn型3連結熱電変換素子の列が交互に配置され、D2方向には同じp型またはn型の3連結熱電変換素子が配置されている。導電性連結部材3a,3b,3c,3dは同じ材料であってもよいし、異なっていてもよい。
また図11Cに示すように、絶縁部材5bにおいてD2方向に配列された列m1〜m8の同じp型またはn型の3連結熱電変換素子同士は、接合導電部材4bによって、その全てが接続される。また図11Bに示すように、D1方向においては絶縁部材5a側に配置された隣り合うp型導電部材1aとn型導電部材2aとが接合導電部材4aによって接続され、3連結熱電変換ユニットが形成される。また接合導電部材4aと接合導電部材4bは同じ材料であってもよい。
すなわち、列L1〜L4におけるそれぞれの3連結熱電変換ユニットは、接合導電部材4bにより、同じp型またはn型の導電部材同士が接合されて並列接続となる。したがって、図11Cの矢印に示すように、各3連結熱電変換ユニットからの電流が接合導電部材4bにおいて合流し、複数の電源をいわゆる並列接続した状態に相当する。
なお、図11Aに示す本発明の第2の実施形態例においては、例えば列L1〜列L4まで熱電変換ユニットを4列配置する例としてある。また出力端61、62は列m1、列m8において配置される接合導電部材4bを延長したものを用いてもよく、または新たに導電部材を形成してもよい。
このように、本発明の第2の実施形態例においては、3連結熱電変換集合ユニット300内の3連結熱電変換ユニット全てが並列に接続される。したがって、3連結熱電変換集合ユニット300内の接合導電部材が一部切断されたとしても、出力端子61、62からの出力が完全に停止するのを防ぐことができる。
このため第2の実施形態例によれば、折り曲げや衝撃等に強く、3連結熱電変換集合ユニット内の一部切断などの損傷に対して供給電力の低下を最小限に止め、耐久性の高い3連結熱電変換集合ユニットを提供することが可能となる。
第2の実施形態の変形例の図11A’は、重複を避ける為に図11Aの1対の出力端子61と62側の部分に相当する図で、図11Aの3連結熱電変換集合ユニットを左右に2つに分け、発生した電圧出力を2対の出力端子601、602と603、604から取り出すように変形した3連結熱電変換集合ユニット400を示す。この出力端子は3対にしてもよく、出力端子対を複数にすることにより、全ての3連結熱電変換ユニットが並列に接続しているため、導電部材や接合導電部材に断線故障が生じても、発電機能が完全に停止してしまうのを防ぐと共に、その断線故障が含まれていない領域の出力端子対から出力電圧を外部へ供給する事が可能となる。このように、並列接続された3連結熱電変換ユニットをD1に複数に分割し、各々の分割部分に出力端子対を取付けて、複数の出力端子対から出力電圧を外部へ供給することにより、電機能を持つ複数連結熱電変換集合ユニットの製品としての更なる信頼性の向上が可能となる。
5.第3の実施の形態例と第3の変形例
図12は、第3の実施の形態例及び第3の実施形態の変形例における3連結熱電変換集合ユニット500及び3連結熱電変換集合ユニット600の構成を示す概略構成図である。図12Aは3連結熱熱電変換集合ユニット500の絶縁部材5a側から見た上面図、図12Bは図12AのX−X’断面図、図12Cは図12AのY−Y’断面図である。図12B、Cは共に、3つのp型導電部材1aと1c(図12中A3の領域)同士及び1cと1b同士の各々を導電性連結部材3a(図12中C1の領域)と3c(図12中C3の領域)とで電気的に直列接続したp型3連結熱電変換素子と、3つのn型導電部材2aと2c(図12中B3の領域)同士及び2cと2b同士の各々を導電性連結部材3b(図12中C2の領域)と3d(図12中C4の領域)とで電気的に直列接続したn型3連結熱電変換素子とが複数固定された絶縁基板5aと絶縁基板5bとを含む。
図12Aに示すようにD1方向には、n型3連結熱電変換素子とp型3連結熱電変換素子とが接合導電部材41aで接合された3連結熱電変換ユニットが配列される。D2方向には、二つの3連結熱電変換ユニットを絶縁部材5b側の接合導電部材41bによって並列に接続した二並列の3連結熱電変換ユニット71aが左右反転されて、第L1列から第L4列まで複数接続されることになる。なお図12Aにおいて接合導電部材41aは、説明の都合上その領域を小さく表示してある。また、出力端子611、612は、列m1、m8における接合導電部材41bを延長して形成するか、もしくはこれに新たに導電部材を接続することによって形成される。
また、4個以上のp型またはn型の導電部材を導電性連結部材によって直列に接続することにより、更に高い出力を実現することができる。
このように、本発明の第3の実施形態例では、3連結熱電変換ユニットの直列接続と並列接続とが混成している。すなわち、3連結熱電変換集合ユニット500においても、並列接続を内部に含むため、3連結熱電変換集合ユニット内の一部に断線が生じても、出力端611、612から出力が完全に停止するのを防ぐことができる。このため、第3の実施形態における熱電変換集合ユニット500は、折り曲げや衝撃に強く、ユニット内の一部切断などの損傷に対して供給電力の低下を最小限に止め、長期間の使用を実現できる。
第3の実施形態の変形例の図12A’は、重複を避ける為に図12Aの1対の出力端子611と612側の部分に相当する図で、図12Aの3連結熱電変換集合ユニットを左右に2つに分け、発生した電圧出力を2対の出力端子613、614と615、616から取り出すように変形した3連結熱電変換集合ユニット600を示す。この出力端子は3対にしてもよく、出力端子対を複数にすることにより、全ての熱電変換ユニットが直列接続と並列接続とが混成しているため、導電部材や接合導電部材に断線故障が生じても、発電機能が完全に停止してしまうのを防ぐと共に、その断線故障が含まれていない領域の出力端子対から出力電圧を外部へ供給する事が可能となる。
第3の実施形態例のその変形例により、発電機能を持つ3連結または多数連結熱電変換集合ユニットの製品としての信頼性の更なる向上が可能となる。
6.第4の実施の形態例
以上、本発明の第1〜第3の実施形態例とそれらの変形例(第1〜第3の変形例)について説明したが、本発明の多数連結熱電変換集合ユニット同士を直列、並列もしくは直列と並列を混成して複数接続したモジュール化も可能である。特に、本発明においては、既述のように薄膜プロセス、集積回路プロセスにより一貫して熱電変換集合ユニットを製造することができる。したがって、初めから多数連結熱電変換集合ユニットが直列または並列に接続されたモジュールを同一ウエハ内に一括して製造することが可能である。
すなわち、同一ウエハ内に形成された複数の熱電変換集合ユニットにおいて、隣り合う熱電変換集合ユニットにおける出力端を接続する接合導電部材を形成するステップを追加すればよい。もちろんこのステップは蒸着やスパッタ等の薄膜プロセス、集積回路プロセスによって容易に達成することができる。これにより、本発明による熱電変換集合ユニットをモジュール化した場合においても同様に、一括して製造できる。また、一つのウエハ内に形成する熱電変換集合ユニットの数を増やせば、一つのウエハ、基材において複数のモジュールを同時に形成することも当然のことながら可能である。
また、半導体型のプロセスにおいても、それぞれの熱電変換集合ユニット同士を接続するステップを追加することにより製造することができる。
以下、本発明の第4の実施形態例における多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構成について説明する。本発明の第4の実施の形態例は、複数の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの出力端同士を接合導電部材により接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニット同士を直列と並列を混成して接続する構成とするものである。以下では、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換を多数連結熱電変換と略記する。
図13は、本発明の第4の実施形態例に係る多数連結熱電変換モジュール700を示す構成図である。本実施の形態例においてD1方向には、7個(任意の個数の多数連結熱電変換集合ユニットでも良い)の多数連結熱電変換集合ユニット701の接続端同士が接合導電部材702によって接続されている。そしてこの7個の多数連結熱電変換集合ユニット701が接続されたセットがD2方向に例えば7セット(任意のセット数でよい)並べた構成とされる。
またD2方向では、図13上の左端の多数連結熱電変換集合ユニットの各出力端が接合導電部材703によって並列に接続される。一方、右端の左端の多数連結熱電変換集合ユニットの各出力端も接合導電部材704によって並列に接続される。すなわち、D1方向にそれぞれ7個の左端の多数連結熱電変換換集合ユニットが直列接続された7個のセットが、D2方向に並列に接続された状態となっている。
出力端705、706は接合導電部材703、704を延伸したものでもよく、また新たに接合導電部材を接続してもよい。また、これらの熱電変換多数連結熱電変換ユニットには、第1〜第3の実施の形態例、第1〜第3の変形例において説明した左端の多数連結熱電変換集合ユニットを用いることができる。
したがって、第4の実施の形態例における多数連結熱電変換モジュールは、同じ正負の符号を有する3個の導電部材が電気的に直列に接続された多数連結熱電変換ユニットにより構成されている。このため、従来よりも大幅に出力を増大させることが可能である。
また、接合導電部材702、703、704は蒸着やスパッタ、CVD等にて形成することがきる。これらの接合導電部材は多数連結熱電変換集合ユニット701の出力端と同じ材料でもよく、この場合には多数連結熱電変換集合ユニットの出力端を形成するステップにおいて同時に接合導電部材702、703、704を形成することもできる。
したがって、本実施の形態例における多数連結熱電変換モジュールにおいても、薄膜プロセスや集積回路プロセスによって形成することが可能であり、ウエハサイズの許す限り一括して複数の熱電変換モジュールを製造することができる。
また、多数連結熱電変換モジュールを構成する多数連結熱電変換集合ユニットに本発明の第2または第3の実施形態例のものを用いる場合には、直列接続及び並列接続を混成接続された多数連結熱電変換ユニット、多数連結熱電変換集合ユニットが混成しているため、一部の導電部材や接合導電部材が切断されたとしても、多数連結熱電変換モジュール全体の発電機能が停止してしまうのを防ぐことができる。また本実施の形態例においては、これら多数連結熱電変換集合ユニット同士を直列接続して更に並列接続してもいるので、多数連結熱電変換集合ユニット同士を接続する接合導電部材の一部が断線しても発電機能が完全に停止することはない。
更に、直列接続及び並列接続の混成接続を利用した多数連結熱電変換モジュールを構成することにより、発電機能の停止が万全に防げ、電機能を持つ多数連結熱電変換モジュールの製品としての信頼性の更なる向上が可能となる。なお、直列接続または並列接続または直列接続及び並列接続の混成接続による構成形態の多数連結熱電変換モジュールの全てにおいて、多数連結熱電変換モジュール内の一部切断などの損傷が無い場合には、インピーダンス整合する様に設定した負荷回路への供給電力を比べると、全ての構成形態による供給電力は互いに等しくなることがわかっている。
7.第5の実施の形態例
次に、本発明の第5の実施形態例における多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構成について説明する。本発明の第4の実施の形態例はり規模の大きい熱電変換システムを製造する例で、複数の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの出力端同士を接合導電部材により接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール同士を直列と並列を混成して接続する構成とするものである。以下では前述と同様に、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換を多数連結熱電変換と略記する。
図14は多数連結熱電変換パネル710の構成を示す上面図である。図14においては、多数連結熱電変換モジュールをD1方向に3個(数を制限するものではなく任意でよい)、D2方向に3個(任意でよい)並べた例を示してある。また、多数連結熱電変換モジュールには、図13に示した多数連結熱電変換モジュール700または直列接続及び並列接続の混成接続を利用した多数連結熱電変換モジュールを用いることができる。
D1方向には、隣り合う多数連結熱電変換モジュールの出力端同士が接合導電部材712によって接続され、例えば3つの熱電変換モジュールが直列接続される。この3つの熱電変換モジュールを直列接続したセットを、更にD2方向へ接合導電部材713によって3セット並列に接続することにより、多数連結熱電変換パネルが構成される。出力端714、715は、多数連結熱電変換モジュール700の出力端を延伸したものでもよいし、あらたに接続してもよい。また接合導電部材712、713は同じ材料であってもよい。
また、多数連結熱電変換パネル710においては多数連結熱電変換モジュール同士が並列に接続されてもいるので、接合導電部材712や713の一部が断線しても発電機能が完全に停止することはない。更に、直列接続及び並列接続の混成接続を利用した多数連結熱電変換パネルを構成ることにより、発電機能の停止が万全に防げ、電機能を持つ多数連結熱電変換パネルの製品としての信頼性の更なる向上が可能となる。
なお、直列接続または並列接続または直列接続及び並列接続の混成接続による構成形態の多数連結熱電変換パネルの全てにおいて、多数連結熱電変換パネル内の一部切断などの損傷が無い場合には、インピーダンス整合する様に設定した負荷回路への供給電力を比べると、全ての構成形態による供給電力は互いに等しくなることがわかっている。
8.第6の実施の形態例
次に、本発明の第6の実施形態例における多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構成について説明する。本発明の第5の実施の形態例より規模の大きい熱電変換システムを製造する例で、複数の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの出力端同士を接合導電部材により接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル同士を直列と並列を混成して接続する構成とするものである。以下では前述と同様に、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換を多数連結熱電変換と略記する。
図15は多数連結熱電変換シート720の構成を示す上面図である。図15においては、多数連結熱電変換パネル710をD1方向に3個(数を制限するものではなく任意でよい)、D2方向に3個(任意でよい)並べた例を示してある。また、多数連結熱電変換パネルには、図14に示した多数連結熱電変換パネル710または直列接続及び並列接続の混成接続を利用した多数連結熱電変換パネルを用いることができる。
D1方向には、隣り合う多数連結熱電変換パネルの出力端同士が接合導電部材722によって接続され、例えば3つの多数連結熱電変換パネルが直列接続される。この3つの多数連結熱電変換パネルを直列接続したセットを、更にD2方向へ接合導電部材723によって3セット並列に接続することにより、多数連結熱電変換シートが構成される。出力端724、725は、多数連結熱電変換パネル710の出力端を延伸したものでもよいし、あらたに接続してもよい。また接合導電部材712、713は同じ材料であってもよい。
また、多数連結熱電変換シート720においては多数連結熱電変換パネル同士が並列に接続されてもいるので、接合導電部材722や723の一部が断線しても発電機能が完全に停止することはない。更に、直列接続及び並列接続の混成接続を利用した多数連結熱電変換シートを構成することにより、発電機能の停止が確実に防げ、電機能を持つ多数連結熱電変換シートの製品としての信頼性の更なる向上が可能となる。
なお、直列接続または並列接続または直列接続及び並列接続の混成接続による構成形態の多数連結熱電変換シートの全てにおいて、多数連結熱電変換シート内の一部切断などの損傷が無い場合には、インピーダンス整合する様に設定した負荷回路への供給電力を比べると、全ての構成形態による供給電力は互いに等しくなることがわかっている。
9.第7の実施の形態例
以上、本発明の第1〜第6の実施例で外部の温度差から高効率な熱電変換を行って負荷回路へより大きい電力供給をする実施例について説明したが、本発明による高効率な多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換回路技術は、逆に本発明による回路に電流を流してペルチエ効果により高効率な熱エネルギー転送を可能にする。即ち、一方から熱を吸収し、他方から熱を放出するエアコンの機能を、従来の熱電材料を単一で使う場合よりも高効率で実現することが可能である。
次に、この高効率な熱エネルギー転送に関する第7の実施の形態例について3つの方式を説明する。
第1の方式は、外部電源の電力を使用する方式である。第2の方式は、別の独立な一つ以上の本発明による高効率な多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換回路による出力電力を外部電源の電力として使用する方式である。第3の方式は、本発明による同じ2つの高効率な多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換回路を互いに負荷回路として使い、自分自身の出力電力で電流を流す方式である。
第1の方式では、例えば本発明の多数連結熱電変換パネルまたは多数連結熱電変換シートを家屋やビルの屋根や外壁に設置して、このパネルまたはシートの外側面を太陽光の黒体吸収熱で高温にし、内側面を水または空気で冷却して低温にすることにより、太陽光を利用した熱電発電を利用して対象とする負荷回路に電力を供給できる。この時に、このパネルまたはシートの回路に流れる電流によるペルチエ効果により、高温の外側面では吸熱が起こり、低温の内側面では発熱が起こって水または空気は暖まる。この吸熱量から発熱量を引いた熱エネルギーが回路全体で消費される電気エネルギーに等しく、エネルギー保存族が成り立つ。パネルまたはシートの内側面を室内の空気を循環させて冷却させれば、徐々に室内は暖房されてエアコンの温風の役割もする。
しかし、このクーラーの役割が不十分である場合には、補助的に外部電源の電力を使って前記の電流に加算して電流を流すことにより、吸熱量と発熱量が増大して循環させる空気は更に暖められる結果、室内の暖房効果も更に高くなる。この時の太陽光とパネルまたはシートと対象とする負荷回路と外部電源と室内を含む全体の系では、太陽光からの吸収熱量が増大し、この増大した分の吸収熱量が室内の熱エネルギーとして転送され、外部電源による加算電流により負荷回路への電力供給が増える。この結果、太陽光の自然エネルギー利用の電力生成及び外部電力省エネルギー化に相当する室内の暖房と負荷回路への電力供給増加が同時に進行する。
第2の方式では、前記の第1の方式と同様に複数の本発明の多数連結熱電変換パネルまたは多数連結熱電変換シートを家屋やビルの屋根や外壁に設置して太陽光を直接利用した発電するか、または、太陽光や地熱を蓄熱流体に吸収させて複数の前記のパネルまたはシートで昼夜発電する自然エネルギー利用の発電システムを構成する。この発電システムの電力の一部を前記の第1の方式の補助的に外部電源の電力として使い、エアコン用のパネルまたはシートへの電流供給に利用する。この第2の方式でも、自然エネルギー利用の規模の大きい電力生成及び外部電力省エネルギー化としてのエアコン駆動が同時に進行する。
第3の方式では、本発明による同じ2つの多数連結熱電変換パネルまたは多数連結熱電変換シートを互いにインピーダンス整合する負荷回路として接続し、この2つのパネルまたはシートの回路の電流を流す。例えば第1のパネルまたはシートを家屋やビルの屋根や外壁に設置して太陽光利用発電回路にし、第2のパネルまたはシートをエアコンまたは2つの対象物の一方を加熱し他方を冷却する加熱冷却システムとして使用する。回路に電源スイッチが入った瞬間に電磁は速度で周回電流が流れる物理現象が起こることから、ペルチエ効果による熱エネルギー転送の特徴は、熱電回路に電流が流れ始めると瞬時に2つの対象物の一方で吸熱、他方で発熱が始まる事である。
第1と第2のパネルまたはシートを接続した回路では、第1のパネルまたはシートの内側面を水または空気で冷却して低温に保ちながら外側面が太陽光の黒体吸収熱で過熱されて温度差が出ると同時に、電流が流れてペルチエ効果により外側面で吸熱、内側面で発熱が起こり、かつ、第2のパネルまたはシートの片面で吸熱、反対面で発熱が起こる。第2のパネルまたはシートの吸熱面と発熱面に沿って空気を流せば、冷房用の冷風と暖房用の温風として両方同時に使え、空気の代わりに水を循環させれば物の冷却と加熱の両方が同時にできる。また、ゼーベック係数の温度依存性が小さい温度領域では、全ての面での吸熱パワーと発熱パワーはほぼ等しい。この第3の方式のシステムを第1領域の高温部の熱を離れた第2領域の領域へ熱伝導させる媒体に対応させると、第1領域からの吸熱量は電磁波速度で瞬時に第2領域の発熱量として転送され(伝わり)、自己駆動型熱転送システムが実現されると同時に、熱伝導が無限大の理想的な熱伝導媒体でとなる。
以上、本発明による多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニット、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シート、並びにその製造方法について説明したが、本発明は上記実施の形態にとらわれることなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、なお考えられる種々の形態を含むものであることは言うまでもない。
1a,1b,1c,1d,1e,2a,2b,2c,2d,2e,22a,22b,22c,23a,23b,23c・・・導電部材、3a,3b,3c,3d,3e,3f,4e,24a,24b,24c,24d・・・導電性連結部材、4,4a,4b,41a,41b,702,703,704,712,713,722,723,・・・接合導電部材、5a,5b,20a,20b,20c・・・絶縁部材、6・・・Al基板、7・・・絶縁膜、70a,70b,70d,70e,70f,70g,70h,70k・・・熱電変換素子、18a,18b,18c・・・負荷回路、21・・・基板、25・・・レジスト、28,29・・・二酸化シリコンの領域、61,62,63,64,65,66,601,602,603,604,611,612,613,614,615,616,705,706,714,715,724,725・・・出力端、71a,71b・・・二並列3連結熱電変換ユニット、100,300,500,701・・・多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子集合ユニット、700,711・・・多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュール、710,721・・・多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネル、720・・・多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シート

Claims (11)

  1. 正または負のゼーベック係数を有する3個以上の導電部材と、同じ符号のゼーベック係数を有する前記導電部材同士を導電性連結部材で電気的に直列接続して両端が前記導電部材となる接続形態を有し、
    前記の接続形態により前記導電部材単体のゼーベック係数の値を増幅することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子の構造。
  2. 請求項1に記載の正のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子と負のゼーベック係数を有する多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換素子との対を接合導電部材により接合し、前記接続導電部材の対向部に接合導電部材により1対の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの構造。
  3. 請求項2に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットが、複数個の熱伝導性に優れた電気的絶縁材上に接合され、
    複数個の前記多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの出力端同士が、接合導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続され、
    前記多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換ユニットの複数個が互いに電気的に絶縁された状態で接合されることにより、前記接合導電部材により1対以上の出力端が形成される、
    ことを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造。
  4. 請求項3に記載の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットが互いに電気的に絶縁された状態で接合することにより、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造。
  5. 請求項4に記載の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールが互いに電気的に絶縁された状態で接合することにより、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造。
  6. 請求項5に記載の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルが互いに電気的に絶縁された状態で接合することにより、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造。
  7. 請求項3に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの構造を形成する各工程を複数回繰り返して順次実施するステップと、
    を含み、多数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットを同時に作成することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換集合ユニットの製造方法。
  8. 請求項4に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの構造を形成する各工程を複数回繰り返して順次実施するステップと、
    を含み、多数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールを同時に作成することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換モジュールの製造方法。
  9. 請求項5に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの構造を形成する各工程を複数回繰り返して順次実施するステップと
    を含み、多数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネを同時に作成することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換パネルの製造方法。
  10. 請求項7に記載の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの構造を形成する各工程を複数回繰り返して順次実施するステップと
    を含み、多数枚の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートを同時に作成することを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの製造方法。
  11. 請求項6に記載の複数個の多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートの出力端同士を、接続導電部材により直列接続、または並列接続、または直列接続及び並列接続を混成して接続し、多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換シートが互いに電気的に絶縁された状態で接合することにより、前記接続導電部材により1対以上の出力端を接続して成ることを特徴とする多数連結ゼーベック係数増幅熱電変換システムの構造。
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