JP2011219714A - 組成物 - Google Patents

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Masashi Nagano
将史 永野
Yohei Fujii
遥平 藤井
Takashi Soma
陵史 相馬
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Abstract

【課題】塩素化ポリオレフィン以外の材料でポリプロピレンとの接着性に優れた材料が求められている。
【解決手段】下記(A)と(B)とを含有してなる組成物。
(A):エチレン及び直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンに由来する構造単位を含有し、下記式(I)で表されるビニル化合物に由来する構造単位を含有せず、分子量分布(Mw/Mn)が1〜4である共重合体又はその変性物
(B):エチレン及び直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位と、式(I)
CH=CH−R (I)
(式中、Rは、シクロアルキル基等を表す。)
で表されるビニル化合物に由来する構造単位とを含むα−オレフィン系共重合体であって、式(I)で表される化合物に由来する構造単位の含有量が5〜40モル%である共重合体又はその変性物
【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン系樹脂組成物等に関する。
ポリプロピレンは、加工性、強度等に優れることから、例えば、バンパー等の自動車部品に用いられている。自動車部品には装飾等のために、通常、塗料が塗工される。
ポリプロピレンの表面には塗料等の他の材料が接着し難いことから、ポリプロピレンとの接着性に優れた塩素化ポリオレフィンをポリプロピレンに塗工した後に、塗料を塗工することが一般的に行われている(例えば、特許文献1)。
特開平5−7832号公報([特許請求の範囲])
塩素化ポリオレフィンは塩素原子を含むことから、塩素化ポリオレフィンが塗工されたポリプロピレンを燃焼させるときに塩酸ガス等が発生して該ポリプロピレンの処分が煩雑であるという問題があり、塩素化ポリオレフィン以外の材料でポリプロピレンとの接着性に優れた材料が求められている。
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、以下[1]〜[10]に示す発明に至った。
[1]下記(A)と(B)とを含有してなる組成物。
(A):エチレン及び炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンに由来する構造単位を含有し、下記式(I)で表されるビニル化合物に由来する構造単位を含有せず、分子量分布(Mw/Mn)が1〜4であるα−オレフィン系共重合体(A−1)(以下「重合体(A−1)」と記すことがある)、又は
該α−オレフィン系共重合体(A−1)にα,β−不飽和カルボン酸類をグラフト重合して得られるα−オレフィン系共重合体変性物(A−2)(以下「重合体(A−2)」と記すことがある)
(以下、重合体(A−1)と重合体(A−2)とを総称して「重合体(A)」と記すことがある。)
(B):エチレン及び炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位と、式(I)
CH=CH−R (I)
(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基又はシクロアルキル基を表す。)
で表されるビニル化合物(以下、ビニル化合物(I)と記すことがある)に由来する構造単位とを含むα−オレフィン系共重合体であって、該α−オレフィン系共重合体における式(I)で表される化合物に由来する構造単位の含有量が5〜40モル%であるα−オレフィン系共重合体(B−1)(以下「重合体(B−1)」と記すことがある)、又は
該α−オレフィン系共重合体(B−1)にα,β−不飽和カルボン酸類をグラフト重合して得られるα−オレフィン系共重合体変性物(B−2)(以下「重合体(B−2)」と記すことがある)
(以下、重合体(B−1)と重合体(B−2)とを総称して「重合体(B)」と記すことがある。)
[2]α−オレフィン系共重合体(A−1)が、下記の関係式を満たす[1]記載の組成物。
[y/(x+y)]≧0.5
(上記関係式において、xは(A−1)に含有されるエチレンに由来する構造単位の含有量(モル%)を表し、yは(A−1)に含有される炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンに由来する構造単位の含有量(モル%)を表す。ここで、(A−1)を構成する全てのモノマーに由来する構造単位の合計を100モル%とする。)
[3]式(I)で表される化合物がビニルシクロヘキサンである[1]又は[2]記載の組成物。
[4]さらに有機溶剤を含有する[1]〜[3]のいずれか一項記載の組成物。
[5]木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる被着体及び[1]〜[4]のいずれか一項記載の組成物に由来する接着層を有することを特徴とする積層体。
[6]被着体がプラスチック材料であることを特徴とする[5]記載の積層体。
[7]プラスチック材料がポリオレフィンであることを特徴とする[5]記載の積層体。
[8]木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含む被着体に、シート状の[1]〜[4]のいずれか一項記載の組成物及び被着体とを共押出し成形により積層することを特徴とする積層体の製造方法。
[9]木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含む被着体に、シート状の[1]〜[4]のいずれか一項記載の組成物と、被着体とを順次積層したのち熱プレスすることを特徴とする積層体の製造方法。
[10]木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含む被着体に、[1]〜[4]のいずれか一項記載の組成物を塗工し、該被着体と該組成物を含む層とを含む塗工品を得る第1工程と、
第1工程で得られた塗工品を乾燥して、前記被着体と該組成物に由来する塗膜とを含む積層体を得る第2工程
とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
本発明の組成物は、ポリプロピレンとの接着性に優れる。
重合体(A−1)は、エチレン及び炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンを共重合することによって得られるα−オレフィン系共重合体である。炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等が挙げられる。
該オレフィンの2種以上の具体的な組み合わせとしては、本発明の熱可塑性樹脂組成物の引張強度、耐受傷性及び柔軟性のバランスの観点から、好ましくは該オレフィンの炭素数の合計が5以上である組み合わせである。該オレフィンの2種以上の具体的な組み合わせとしては、例えば、エチレンとプロピレン、エチレンと1−ブテン、エチレンと1−ヘキセン、エチレンと1−オクテン、エチレンとプロピレンと1−ブテン、エチレンとプロピレンと1−ヘキセン、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセン、プロピレンと1−ブテン、プロピレンと1−ヘキセン、プロピレンと1−オクテン、プロピレンと1−ブテンと1−ヘキセン、1−ブテンと1−ヘキセン、1−ブテンと1−オクテン、1−ヘキセンと1−オクテン等の組み合わせが挙げられる。
重合体(A−1)は、本発明の目的を損なわない範囲で、エチレン及び炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィン以外の単量体を更に共重合して得られる共重合体でもよく、該単量体としては、例えば、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物、ポリエン化合物を挙げることができ、好ましくは環状オレフィンである。
環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
ポリエン化合物としては、共役ポリエン化合物及び非共役ポリエン化合物を挙げることができる。共役ポリエン化合物としては、例えば、直鎖状脂肪族共役ポリエン化合物や分岐状脂肪族共役ポリエン化合物等の脂肪族共役ポリエン化合物、脂環式共役ポリエン化合物等が挙げられ、非共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環式非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物等が挙げられる。これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等を有していてもよい。
脂肪族共役ポリエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエン等が挙げられる。
脂環式共役ポリエン化合物としては、例えば、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられる。
脂肪族非共役ポリエン化合物としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン等が挙げられる。
脂環式非共役ポリエン化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。
芳香族非共役ポリエン化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベンゼン等が挙げられる。
重合体(A−1)の分子量分布(Mw/Mn)は、本発明の熱可塑性樹脂組成物のべたつきを少なくする観点から1〜4であり、より好ましくは1〜3である。なお、分子量分布はゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)によって測定される。
重合体(A−1)としては、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが実質的に観測されない重合体と、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが観測される重合体とが挙げられる。重合体(A−1)としては、本発明の熱可塑性樹脂組成物の柔軟性を高める観点から、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが実質的に観測されないことが好ましく、本発明の熱可塑性樹脂組成物の加工性を高める観点から、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが観測されることが好ましく、要求される用途によって使い分けることができる。融解ピークが実質的に観測されないとは、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないことをいう。より好ましくは、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク及び結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークのいずれもが観測されないことである。
重合体(A−1)のうち、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが実質的に観測されない重合体の極限粘度は、本発明の熱可塑性樹脂組成物の引張強度及び耐受傷性を高める観点から、好ましくは0.1dl/g以上であり、より好ましくは0.3dl/g以上であり、更に好ましくは0.5dl/g以上であり、特に好ましくは0.7dl/g以上である。また、極限粘度は、本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形加工時における加工性を高める観点から、好ましくは10dl/g以下であり、より好ましくは7dl/g以下であり、更に好ましくは5dl/g以下であり、特に好ましくは4dl/g以下である。なお、極限粘度は、135℃テトラリン中でウベローデ粘度計を用いて測定される。
重合体(A−1)がエチレンに由来する構造単位を含有する場合、熱可塑性樹脂組成物の引張強度、耐受傷性及び柔軟性のバランスの観点から、下記の関係式を満たすことが好ましい。
[y/(x+y)]≧0.5
より好ましくは、
[y/(x+y)]≧0.6であり、
更に好ましくは、
[y/(x+y)]≧0.8である。
なお、上記関係式において、xは重合体(A−1)に含有されるエチレンに由来する構造単位の含有量(モル%)であり、yは重合体(A−1)に含有される炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンに由来する構造単位の含有量(モル%)である。ここで、重合体(A−1)を構成する全てのモノマーに由来する構造単位の合計を100モル%とする。
重合体(A−1)は、下記の(3)の条件を満たすことが好ましく、下記の(1)、(2)及び(3)の条件をいずれも満たすことが特に好ましい。なお、それぞれの条件の詳細は上述のとおりである。
(1)示差走査熱量測定によって融解ピークが実質的に観測されないこと。
(2)極限粘度が0.1〜10dl/gであること。
(3)下記の関係式を満たすこと。
[y/(x+y)]≧0.5
重合体(A−1)は、公知のチーグラー・ナッタ型触媒又は公知のシングルサイト触媒(メタロセン系等)を用いて製造することができるが、本発明の熱可塑性樹脂組成物の耐熱性を高める観点から、公知のシングルサイト触媒(メタロセン系等)が好ましく、かかるシングルサイト触媒としては、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載のメタロセン系触媒、特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報、特開平11−71420号公報等に記載の非メタロセン系の錯体触媒が挙げられる。これらの中でも、入手容易性の観点から、好ましくはメタロセン触媒であり、より好ましくはシクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有し、C1対掌構造を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体である。また、メタロセン触媒を用いた製造方法としては、例えば欧州特許公開第1211287号明細書の方法が挙げられる。
重合体(A−2)は、かくして得られた重合体(A−1)にα,β−不飽和カルボン酸類をグラフト重合して得られる重合体である。重合体(A−2)としては、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが実質的に観測されない重合体と、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが観測される重合体とが挙げられる。
α,β−不飽和カルボン酸類のグラフト重合量は、得られる重合体(A−2)100重量%に対して、通常、0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、より好ましくは0.2〜4重量%である。
α,β−不飽和カルボン酸類のグラフト重合量が0.1重量%以上であると、得られる重合体(A−2)の取り扱いが容易となり、また、10重量%以下であると、得られる組成物の接着力が向上する傾向にあり、好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸(マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等)、α,β−不飽和カルボン酸エステル(マレイン酸メチル、イタコン酸メチル、シトラコン酸メチル等)、α,β−不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等)が挙げられる。また、上記のα,β−不飽和カルボン酸類を組み合わせて使用してもよい。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、α,β−不飽和カルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
重合体(A−2)の製造方法としては、例えば、重合体(A−1)を溶融させたのち、α,β−不飽和カルボン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法、重合体(A−1)をトルエン、キシレンなどの溶媒に溶解したのち、α,β−不飽和カルボン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法などが挙げられる。
重合体(A−1)を溶融させたのち、α,β−不飽和カルボン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法は、押出機を用いて溶融混練することで、樹脂同士あるいは樹脂と固体もしくは液体の添加物を混合するための公知の各種方法が採用可能であることから好ましい。さらに好ましい例としては、各成分の全部もしくはいくつかを組み合わせて別々にヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等により混合して均一な混合物とした後、該混合物を溶融混練する等の方法を挙げることができる。溶融混練の手段としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸の押出機等の従来公知の混練手段が広く採用可能である。好ましいのは、連続生産が可能であり、生産性が向上するという観点から、一軸又は二軸押出機を用い、予め十分に予備混合した重合体(A−1)、α,β−不飽和カルボン酸類、ラジカル開始剤を押出機の供給口より供給して混練を行う方法である。
また、トルエン、キシレンなどの溶媒に溶解したのち、α,β−不飽和カルボン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法は、溶媒中に、重合体(A−1)、α,β−不飽和カルボン酸類、ラジカル開始剤を、適宜任意の順序で、もしくは一緒に仕込み、重合体(A−1)を溶媒に溶解もしくは懸濁させ、通常加熱下に、α,β−不飽和カルボン酸類とグラフト重合させることにより、重合体(A−2)を製造することができる。
溶媒の使用量は重合体(A−1)を溶解若しくは懸濁できる量であればよい。通常重合体(A−1)1部(質量部:以下特に断りのない限り同じ)に対して、溶媒0.5〜50部、好ましくは1〜30部程度、場合により1〜10部程度でもよい。
ラジカル開始剤の添加量は、重合体(A−1)100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。添加量が0.1重量部以下であると重合体(A−1)へのグラフト量が減少して高粘度により取り扱いが困難になり、添加量が10重量部以下であると得られる変性物中における未反応のラジカル開始剤が低減され、接着力が向上する傾向があることから好ましい。
ラジカル開始剤は、通常、有機過酸化物であり、好ましくは半減期が1時間となる分解温度が110〜160℃である有機過酸化物である。分解温度が110℃以上であるとグラフト量が向上する傾向があることから好ましく、分解温度が160℃以下であると重合体(A−1)の分解が低減される傾向があることから好ましい。また、これらの有機過酸化物は分解してラジカルを発生した後、重合体(A−1)からプロトンを引き抜く作用があることが好ましい。
半減期が1時間となる分解温度が110〜160℃である有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカボネート化合物等があげられる。具体的には、ジセチル パーオキシジカルボネート、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート,ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、t−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート、1,1,3,3−テトラメチル ブチル ネオデカノエート,α―クミル パーオキシ ネオデカノエート,t−ブチル パーオキシ ネオデカノエート、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン,t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート,t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート,t−ブチルパーオキシラウレート,2,5ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン,t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン,t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ベルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等があげられる。分解温度が110〜160℃であると、グラフト量が向上するため好ましい。
これらの有機過酸化物の中で好ましいのはジアルキルパーオキサイド化合物、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカボネート化合物、アルキルパーエステル化合物である。有機過酸化物の添加量は、重合体(A−1)100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。
かくして得られた重合体(A−2)に含まれるα,β−不飽和カルボン酸類に由来する構造単位は、酸無水物基が閉環したものであっても、開環したものであってもよく、閉環したものと開環したものがいずれも含有されていてもよい。
重合体(A−2)の重量平均分子量は、30,000〜200,000、好ましくは40,000〜150,000である。30,000未満であれば、接着力が低下する可能性があり、200,000を上回ると、高粘度のため取り扱いが困難になる。
重合体(A−2)のうち、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが実質的に観測されない重合体のメルトフローレート(MFR)の値を、JIS K 7210に準拠し、メルトインデクサ(L217−E14011、テクノ・セブン社製)を用いて、130℃、2.16kgfの条件下で測定すれば、通常0.1〜100、好ましくは0.5〜80、より好ましくは1〜50である。
重合体(B−1)は、エチレン及び炭素数3以上の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位と、式(I)
CH=CH−R (I)
(式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基又はシクロアルキル基を表す。)
で表されるビニル化合物に由来する構造単位とを含むα−オレフィン系共重合体である。
式(I)におけるRは、2級アルキル基、3級アルキル基又はシクロアルキル基である。2級アルキル基としては炭素数3〜20の2級アルキル基が好ましく、3級アルキル基としては炭素数4〜20の3級アルキル基が好ましく、シクロアルキル基としては、3〜16員環を有するシクロアルキル基が好ましい。置換基Rとしては、3〜10員環を有する炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数4〜20の3級アルキル基がより好ましい。
ビニル化合物(I)の具体例として、置換基Rが2級アルキル基であるビニル化合物(I)としては、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3−メチル−1−ヘプテン、3−メチル−1−オクテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−オクテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,5−ジメチル−1−ヘプテン、3,5−ジメチル−1−オクテン、3,6−ジメチル−1−ヘプテン、3,6−ジメチル−1−オクテン、3,7−ジメチル−1−オクテン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3,4,4−トリメチル−1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ヘプテン、3,4,4−トリメチル−1−オクテンなどがあげられ、
置換基Rが3級アルキル基であるビニル化合物(I)としては、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘプテン、3,3−ジメチル−1−オクテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−1−ヘキセン、3,3,4−トリメチル−1−ヘプテン、3,3,4−トリメチル−1−オクテンなどがあげられ、
置換基Rがシクロアルキル基であるビニル化合物(I)としては、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、5−ビニル−2−ノルボルネン、1−ビニルアダマンタン、4−ビニル−1−シクロヘキセンなどがあげられる。
好ましいビニル化合物(I)は、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,4,4−トリメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン、ビニルシクロオクタン、5−ビニル−2−ノルボルネンである。より好ましいビニル化合物(I)は、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、3,3,4−トリメチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、ビニルノルボルネンである。更に好ましいビニル化合物(I)は、3,3−ジメチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキサンである。最も好ましいビニル化合物(I)は、ビニルシクロヘキサンである。
重合体(B−1)におけるビニル化合物(I)に由来する構造単位の含有量は、重合体(B−1)を構成する全てのモノマーに由来する構造単位100モル%に対して5〜40モル%であり、好ましくは10〜30モル%、とりわけ好ましくは10〜20モル%である。
ビニル化合物(I)のモノマーに由来する構造単位の含有量が40モル%以下であると、得られる組成物の接着性が向上する傾向にあるので好ましい。
ビニル化合物(I)のモノマーに由来する構造単位の含有量は、1 H−NMRスペクトルや13C−NMRスペクトルを用いて求めることができる。
本発明で用いられる炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン類等が挙げられる。中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、プロピレンがより好ましい。
重合体(B−1)において、エチレンに由来する構造単位及び炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンに由来する構造単位の合計含有量は、重合体(B−1)を構成する全てのモノマーに由来する構造単位100モル%に対して、通常、95〜60モル%であり、好ましくは90〜70モル%、より好ましくは90〜80モル%である。
エチレン及び炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンとしては、エチレン、プロピレンが好適である。
重合体(B−1)は、さらに付加重合可能なモノマーを共重合せしめてもよい。
ここで、付加重合可能なモノマーとは、エチレン、炭素数3〜20直鎖状α−オレフィン及びビニル化合物(I)を除くモノマーであって、エチレン、炭素数3〜20直鎖状α−オレフィン及びビニル化合物(I)と付加重合可能なモノマーであり、該モノマーの炭素数は、通常、3〜20程度である。
付加重合可能な単量体の具体例としては、シクロオレフィン、下記一般式(II)
Figure 2011219714
(式中、R’、R”は、それぞれ独立に、炭素数1〜18の直鎖状、分枝状のアルキル基、シクロアルキル基又はハロゲン原子を表す。)
で表されるビニリデン化合物、ジエン化合物、ハロゲン化ビニル、アルキル酸ビニル、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類、後述するα,β−不飽和カルボン酸、後述するα,β−不飽和カルボン酸エステル、後述するα,β−不飽和カルボン酸無水物等が挙げられる。
シクロオレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、2−テトラシクロドデセン、2−トリシクロデセン、2−トリシクロウンデセン、2−ペンタシクロペンタデセン、2−ペンタシクロヘキサデセン、8−メチル−2−テトラシクロドデセン、8−エチル−2−テトラシクロドデセン、5−アセチル−2−ノルボルネン、5−アセチルオキシ−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−エトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、8−メトキシカルボニル−2−テトラシクロドデセン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−2−テトラシクロドデセン、8−シアノ−2−テトラシクロドデセン等が挙げられる。
好ましいシクロオレフィンは、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、2−テトラシクロドデセン、2−トリシクロデセン、2−トリシクロウンデセン、2−ペンタシクロペンタデセン、2−ペンタシクロヘキサデセン、5−アセチル−2−ノルボルネン、5−アセチルオキシ−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネンであり、より好ましくは2−ノルボルネン、2−テトラシクロドデセンである。
ビニリデン化合物としては、例えば、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、2−メチル−1−オクテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2,3−ジメチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ヘプテン、2,3−ジメチル−1−オクテン、2,4−ジメチル−1−ペンテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテン、塩化ビニリデン等が挙げられる。好ましいビニリデン化合物はイソブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2,4,4−トリメチル−1−ペンテンである。
ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,5−シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン等が挙げられる。好ましいジエン化合物は1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、4−ビニル−1−シクロヘキセン、5−エチリデン−2−ノルボルネンである。
アルキル酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどが挙げられ、ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテルなどが挙げられる。
ハロゲン化ビニルとしては、例えば、塩化ビニルなどが挙げられ、アクリロニトリル類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
重合体(B−1)に用いられる付加重合可能なモノマーに由来する構造単位の含有量は、通常、得られる組成物の接着性が損なわれない範囲であり、具体的な含有量は、重合体(B−1)を構成するすべてのモノマーに由来する構造単位100モル%に対して、通常、5モル%以下、好ましくは付加重合可能なモノマーに由来する構造単位を実質的に含有しない程度、具体的には、1モル%以下の含有量である。
重合体(B−1)の製造方法としては、例えば、インデニル形アニオン骨格、あるいは架橋されたシクロペンタジエン形アニオン骨格を有する基を有する遷移金属化合物を用いてなる触媒の存在下に製造する方法などが挙げられる。中でも特開2003−82028号公報、特開2003−160621号公報及び特開2000−128932号公報に記載の方法に準じて製造する方法が好適である。
重合体(B−1)の製造においては、用いる触媒の種類や重合条件によっては、本発明の共重合体以外にエチレンの単独重合体やビニル化合物(I)の単独重合体が副生することがある。そのような場合は、ソックスレー抽出器等を用いた溶媒抽出を行うことにより、容易に本発明の共重合体を分取することができる。かかる抽出に用いる溶媒としては、例えば、ビニルシクロヘキサンの単独重合体はトルエンを用いた抽出の不溶成分として、またポリエチレンなどのポリオレフィンはクロロホルムを用いた抽出の不溶成分として除去することができ、重合体(B−1)は両溶媒の可溶成分として分取することができる。もちろん、用途により問題なければ、そのような副生物の存在したまま重合体(B−1)を使用してもよい。
重合体(B−1)の分子量分布(Mw/Mn=[重量平均分子量]/[数平均分子量])は、通常、1.5〜10.0程度であり、好ましくは1.5〜7.0程度、より好ましくは1.5〜5.0程度である。重合体(B−1)の分子量分布が1.5以上、10.0以下であると、得られる重合体(B)の機械的強度及び透明性が向上する傾向にあることから好ましい。
また、重合体(B−1)の重量平均分子量(Mw)は、通常5,000〜1,000,000程度であり、機械的強度の観点から、好ましくは10,000〜500,000程度であり、より好ましくは15,000〜400,000程度である。重合体(B−1)の重量平均分子量が5,000以上であると得られる重合体(B)の機械的強度が向上する傾向にあることから好ましく、1,000,000以下であると、得られる重合体(B)の流動性が向上する傾向にあることから好ましい。
重合体(B−1)の分子量分布は、後記実施例で具体的に記載する方法にしたがって、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(GPC)を用いて求めることができる。
重合体(B−1)の極限粘度[η]は、通常0.25〜10dl/g程度であり、機械的強度の観点から、好ましくは0.3〜3dl/g程度である。
重合体(B−1)のメルトフローレート(MFR)の値を、JIS K 7210に準拠し、メルトインデクサ(L217−E14011、テクノ・セブン社製)を用いて、190℃、2.16kgfの条件下で測定すれば、通常10〜300、好ましくは130〜300、より好ましくは130〜220である。
なお、重合体(B−1)のMFRは、エチレン及び/又は直鎖状α−オレフィンとビニル化合物(I)との共重合において、水素などの分子量調整剤の使用量、重合温度などを変更することにより、調整することができる。
重合体(B−2)は、かくして得られた重合体(B−1)にα,β−不飽和カルボン酸類をグラフト重合して得られる重合体である。
重合体(B−1)100重量部に対するα,β−不飽和カルボン酸類のグラフト重合量は、得られる重合体(B−1)100重量%に対して、通常、0.01〜20重量%程度、好ましくは0.05〜10重量%程度、より好ましくは0.1〜5重量%程度である。
α,β−不飽和カルボン酸類のグラフト重合量が0.01重量%以上であると、得られる組成物の接着力が向上する傾向にあり好ましく、また、20重量%以下であると、重合体(B−2)の熱安定性が向上する傾向にあり好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、例えば、α,β−不飽和カルボン酸(マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等)、α,β−不飽和カルボン酸エステル(マレイン酸メチル、イタコン酸メチル、シトラコン酸メチル等)、α,β−不飽和カルボン酸無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等)が挙げられる。また、上記のα,β−不飽和カルボン酸類を組み合わせて使用してもよい。
α,β−不飽和カルボン酸類としては、α,β−不飽和カルボン酸無水物が好ましく、無水マレイン酸がより好ましい。
重合体(B−2)の製造方法としては、例えば、重合体(B−2)を溶融させたのち、α,β−不飽和カルボン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法、重合体(B−2)をトルエン、キシレンなどの溶媒に溶解したのち、α,β−不飽和カルボン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法などが挙げられる。
重合体(B−2)を溶融させたのち、α,β−不飽和カルボン酸類を添加してグラフト重合せしめる方法は、押出機を用いて溶融混練することで、樹脂同士あるいは樹脂と固体もしくは液体の添加物を混合するための公知の各種方法が採用可能であることから好ましい。さらに好ましい例としては、各成分の全部もしくはいくつかを組み合わせて別々にヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、ブレンダー等により混合して均一な混合物とした後、該混合物を溶融混練する等の方法を挙げることができる。溶融混練の手段としては、バンバリーミキサー、プラストミル、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸の押出機等の従来公知の混練手段が広く採用可能である。好ましいのは、連続生産が可能であり、生産性が向上するという観点から、一軸又は二軸押出機を用い、予め十分に予備混合した重合体(B−2)、α,β−不飽和カルボン酸類、ラジカル開始剤を押出機の供給口より供給して混練を行う方法である。押出機の溶融混練を行う部分の温度は(例えば、押出機ならシリンダー温度)、通常、50〜300℃、好ましくは80〜270℃である。温度が50℃以上であるとグラフト量が向上する傾向があり、また、温度が300℃以下であると重合体(B−1)の分解が抑制される傾向があることから好ましい。押出機の溶融混練を行う部分の温度は、溶融混練を前半と後半の二段階に分け、前半より後半の温度を高めた設定にすることが好ましい。溶融混練時間は、通常、0.1〜30分間、好ましくは0.1〜5分間である。溶融混練時間が0.1分以上であるとグラフト量が向上する傾向があり、また、溶融混練時間が30分以下であると重合体(B−1)の分解が抑制される傾向があることから好ましい。
α,β−不飽和カルボン酸類を重合体(B−1)にグラフト重合させるためには、通常、ラジカル開始剤の存在下に重合を行う。
ラジカル開始剤の添加量は、重合体(B−1)100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。添加量が0.01重量部以上であると重合体(B−1)へのグラフト量が増加して接着強度が向上する傾向があることから好ましく、添加量が10重量部以下であると得られる変性物中における未反応のラジカル開始剤が低減され、接着強度が向上する傾向があることから好ましい。
ラジカル開始剤は、通常、有機過酸化物であり、好ましくは半減期が1分となる分解温度が50〜210℃である有機過酸化物である。分解温度が50℃以上であるとグラフト量が向上する傾向があることから好ましく、分解温度が210℃以下であると重合体(B−1)の分解が低減される傾向があることから好ましい。また、これらの有機過酸化物は分解してラジカルを発生した後、重合体(B−1)からプロトンを引き抜く作用があることが好ましい。
半減期が1分となる分解温度が50〜210℃である有機過酸化物としては、ジアシルパーオキサイド化合物、ジアルキルパーオキサイド化合物、パーオキシケタール化合物、アルキルパーエステル化合物、パーカボネート化合物等があげられる。具体的には、ジセチル パーオキシジカルボネート、ジ−3−メトキシブチル パーオキシジカルボネート,ジ−2−エチルヘキシル パーオキシジカルボネート、ビス(4−t−ブチル シクロヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジイソプロピル パーオキシジカルボネート、t−ブチル パーオキシイソプロピルカーボネート、ジミリスチル パーオキシカルボネート、1,1,3,3−テトラメチル ブチル ネオデカノエート,α―クミル パーオキシ ネオデカノエート,t−ブチル パーオキシ ネオデカノエート、1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン,t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート,t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート,t−ブチルパーオキシラウレート,2,5ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン,t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブテン,t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ベルオキシ)バレラート、ジ−t−ブチルベルオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等があげられる。分解温度が50〜210℃であると、グラフト量が向上するため好ましい。
これらの有機過酸化物の中で好ましいのはジアルキルパーオキサイド化合物、ジアシルパーオキサイド化合物、パーカボネート化合物、アルキルパーエステル化合物である。有機化酸化物の添加量は、重合体(B−1)100重量部に対して、通常、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部である。
かくして得られた重合体(B−2)に含まれるα,β−不飽和カルボン酸類に由来する構造単位は、酸無水物基が閉環したものであっても、開環したものであってもよく、閉環したものと開環したものがいずれも含有されていてもよい。
重合体(B−2)の分子量分布(Mw/Mn)は、通常1.5〜10であり、好ましくは1.5〜7、より好ましくは1.5〜5である。分子量分布が10以下であると、重合体(A)の接着性が向上する傾向にあるため好ましい。
重合体(B−2)の分子量分布は、前記の重合体(B−1)の分子量分布と同様に測定することができる。
重合体(B−2)の極限粘度[η]は、通常0.25〜10dl/gであり、機械的強度の観点から、好ましくは0.3〜3dl/gである。
重合体(B−2)のメルトフローレート(MFR)の値を、JIS K 7210に準拠し、メルトインデクサ(L217−E14011、テクノ・セブン社製)を用いて、190℃、2.16kgfの条件下で測定すれば、通常10〜300、好ましくは130〜300、より好ましくは130〜220である。
なお、重合体(B−2)のMFRの制御は、ラジカル開始剤存在下での架橋や分解、若しくは、α,β−不飽和カルボン酸類とラジカル開始剤とともにグラフト重合する際の、反応温度、ラジカル開始剤の種類や量等の条件により行うことができる。一般に、重合体(B−2)がエチレン系の重合体である場合、ラジカル開始剤量が多いとMFRが小さくなり、重合体(B−2)がプロピレン系の重合体である場合、ラジカル開始剤量が多いとMFRが大きくなる傾向であるが、ラジカル開始剤の種類、温度条件を制御することでも、MFRを制御できる。
重合体(A)と重合体(B)は、任意の割合で混合される。得られる組成物100重量部に対して、重合体(A)1〜99重量部と重合体(B)1〜99重量部とを混合することが好ましく、重合体(A)5〜95重量部と重合体(B)5〜95重量部とを混合することがより好ましく、重合体(A)10〜90重量部と重合体(B)10〜90重量部とを混合することがさらに好ましい。
本発明の組成物は、例えば、接着剤、粘着剤、接着剤の改質剤、ヒートシール剤、塗料、塗料用プライマー、フィルム、シート、構造材料、建築材料、自動車部品、電気・電子製品、包装材料などに使用し得る。中でも、その優れた接着性から、接着剤、粘着剤、接着剤の改質剤、ヒートシール剤、塗料、塗料用プライマーなどに好適に用いられる。
本発明の組成物は、接着性を損なわない範囲でフェノール系安定剤、フォスファイト系安定剤、アミン系安定剤、アミド系安定剤、老化防止剤、耐候安定剤、沈降防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤などの安定剤;揺変剤、増粘剤、消泡剤、表面調整剤、耐候剤、顔料、顔料分散剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、油剤、染料などの添加剤;酸化チタン(ルチル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物、カーボンブラック等の顔料;ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、ウオラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、ガラスフレーク、硫酸バリウム、クレー、カオリン、微粉末シリカ、マイカ、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、セライトなどの無機、有機の充填剤等を本発明の組成物に含有していてもよい。
さらに本発明の組成物は、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン;メタノ−ル、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール;等の有機溶剤や、水等の溶剤を含有していてもよい。本発明の組成物における溶剤の含有量は、重合体(A)と重合体(B)との合計を1重量部として、通常、1.5〜30重量部、好ましくは2〜20重量部である。本発明の組成物が溶媒を含有する場合には、重合体(A)、重合体(B)並びに、安定剤、添加剤、顔料及び充填剤等が、溶媒に溶解していても分散していてもよい。
被着体としては、例えば、木材、合板、中密度繊維板(MDF)、パーティクルボード、ファイバーボード等の木質系材料;綿布、麻布、レーヨン等のセルロース系材料;ポリエチレン(エチレンに由来する構造単位を主成分とするポリオレフィン、以下同じ)、ポリプロピレン(プロピレンに由来する構造単位を主成分とするポリオレフィン、以下同じ)、ポリスチレン(スチレンに由来する構造単位を主成分とするポリオレフィン、以下同じ)等のポリオレフィン、ポリカーボネート、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、(メタ)アクリル樹脂ポリエステル、ポリエーテル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、発泡ウレタン等のプラスチック材料;ガラス、陶磁器等のセラミック材料;鉄、ステンレス、銅、アルミニウム等の金属材料;が挙げられる。
かかる被着層は、複数の材料からなる複合材料であってもよい。また、タルク、シリカ、活性炭などの無機充填剤、炭素繊維等とプラスチック材料との混練成形品であってもよい。
ここで、ポリウレタンとは、ウレタン結合によって架橋された高分子であり、通常、アルコール(−OH)とイソシアネート(−NCO)の反応によって得られる。また発泡ウレタンとは、イソシアネートと、架橋剤として用いられる水との反応によって生じる二酸化炭素かフレオンのように揮発性溶剤によって発泡されるポリウレタンである。自動車の内装用には、半硬質のポリウレタンが用いられ、塗料には硬質のポリウレタンが用いられる。
被着体としては、木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料が好ましく、中でも、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、(メタ)アクリル樹脂、ガラス、アルミニウム、ポリウレタンが好ましく、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ガラス、アルミニウム、ポリウレタンがより好ましい。
本発明の積層体は、上記の被着層と本発明の組成物に由来する層を有する。かかる積層体の製造方法としては、例えば、被着体、シート状の当該組成物及び被着体とを共押出し成形により積層する方法;被着体、シート状の当該組成物、被着体とを順次積層したのち熱プレスする方法;被着体に当該組成物を塗工し、該被着層と該組成物含む層とを有する塗工品を得る第1工程と、第1工程で得られた塗工品を乾燥させて、前記被着体と該組成物に由来する層とを有する積層体を得る第2工程とを含む製造方法が挙げられる。
以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中の部及び%は、特に断らないかぎり重量基準を意味する。
以下の実施例において、物性測定は以下の方法で行った。
(1)共重合体の構造単位含有量
(1−1)α−オレフィン系共重合体の構造単位含有量
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、13C−NMRスペクトルにおいて、プロピレンに由来する構造単位のメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテンに由来する構造単位のメチル炭素のスペクトル強度との比からプロピレンに由来する構造単位と1−ブテンに由来する構造単位の組成比を算出し、次に、1H−NMRスペクトルにおいて、メチン単位とメチレン単位由来の水素のスペクトル強度とメチル単位由来の水素のスペクトル強度との比から、エチレンに由来する構造単位とプロピレンに由来する構造単位と1−ブテンに由来する構造単位との組成比を算出した。
(1−2)ビニルシクロヘキサン単位含有量
α−オレフィン系共重合体(B−1)中のビニルシクロヘキサンに由来する構造単位の含有量は、下記13C−NMR装置により求めた。
13C−NMR装置:BRUKER社製 DRX600
測定溶媒:オルトジクロロベンゼンとオルトジクロロベンゼン−d4
4:1(容積比)混合液
測定温度:135℃
(2)極限粘度[η]
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりのα−オレフィン系重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlであるα−オレフィン系重合体のテトラリン溶液を調整し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
(3)分子量分布
<重合体(A)>
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって、下記の条件で測定を行った。
装置:東ソー社製 HLC−8121GPC/HT
カラム:東ソー社製 TSKgel GMHHR−H(S)HT 4本
温度:145℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:300μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
<重合体(B)>
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって、下記の条件で測定を行った。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M 2本
温度:140℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(4)結晶融解ピーク及び結晶化ピーク
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を用い以下の条件で測定した。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。この(ii)で観察されるピークが結晶化ピークであり、ピーク面積が1J/g以上の結晶化ピークの有無を確認した。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。この(iii)で観察されるピークが結晶の融解ピークであり、ピーク面積が1J/g以上の融解ピークの有無を確認した。
(5)メルトフローレート(MFR)
JIS−K−7210に従い、重合体(A−2)については、荷重2.16kgf、温度130℃の条件で、重合体(B)については、荷重2.16kgf、温度190℃の条件で測定を行った。
(6)グラフト量
無水マレイン酸のグラフト量は、サンプル1.0gをキシレン20mlに溶解させ、サンプルの溶液をメタノール300mlに攪拌しながら滴下してサンプルを再沈殿させて回収したのち、回収したサンプルを真空乾燥した後(80℃、8時間)、熱プレスにより厚さ100μmのフィルムを作製し、得られたフィルムの赤外吸収スペクトルを測定し、1780cm−1付近の吸収より無水マレイン酸グラフト量を定量した。
<製造例1>
容量2lのセパラブルフラスコ反応器に、攪袢器、温度計、滴下ロート、還流冷却管をつけて減圧にしたのち、窒素で置換する。このフラスコに乾燥したトルエン1lを重合溶媒として導入した。ここにプロピレン8NL/min、1−ブテン0.5NL/minを常圧にて連続フィードし、溶媒温度を30℃とした。トリイソブチルアルミニウム(以後TIBAと略記)1.25mmolを重合槽に添加した後、重合触媒としてジメチルシリル(2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド0.005mmolを重合槽に添加した。その15秒後にトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.025mmolを重合槽に添加し、重合を開始した。30分間の重合の結果、プロピレン−1−ブテン共重合体(A−1)155.8gが得られた。得られた重合体(A−1)の極限粘度[η]は2.1dl/gで、分子量分布(Mw/Mn)は2.5であった。また−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピーク及び結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークのいずれもが観測されなかった。
<製造例2>
容量1lのセパラブルフラスコ反応器に、攪袢器、温度計、滴下ロート、還流冷却管をつけて窒素で置換する。ここに溶媒としてキシレン600部、製造例1で得られた重合体(A−1)100部、無水マレイン酸18.8部を入れ140℃に加熱、撹拌し、重合体(A−1)を溶解させた後、60部のキシレンにジクミルパーオキサイド6.8部を溶解させたキシレン溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に6時間、140℃を保持し、反応を行った。なお、加熱はオイルバスを用いた。反応終了後、内容物を室温まで下げ、アセトン1000部に投じ、沈殿した白色固体を濾取した。該固体をアセトンで洗浄後、減圧乾燥した結果、プロピレン−1−ブテン共重合体(A−1)に無水マレイン酸をグラフト重合してなる重合体(A−2)を得た。得られた重合体(A−2)のMwは107,300、Mnは61,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.8、マレイン酸グラフト量は0.6%、MFRは7g/10分(130℃、荷重:2.16kgf)であった。
<製造例3>
容量1lのセパラブルフラスコ反応器に、攪袢器、温度計、滴下ロート、還流冷却管をつけて窒素で置換した。ここに溶媒としてキシレン600部、LICOCENE PP 2602(登録商標、クラリアントジャパン株式会社製)100部、及び無水マレイン酸15部を入れ140℃に加熱、撹拌した後、さらにジ−tertブチルパーオキサイド2部を添加し、5時間同温度で攪拌を続けて反応を行った。なお、加熱はオイルバスを用いた。
反応終了後、内容物を室温まで下げ、アセトン1000部中に投じ、沈殿した白色固体を濾取した。該固体をアセトンで洗浄後、減圧乾燥した結果、LICOCENE PP 2602に無水マレイン酸をグラフト重合してなる重合体(A−3)を得た。得られた重合体(A−3)のMwは55115、Mnは25386、分子量分布(Mw/Mn)は2.2、マレイン酸グラフト量は0.84%であった。
<製造例4>
アルゴンで置換したSUS製リアクター中にビニルシクロへキサン(以下、VCHと記載する場合がある)386部とトルエン3640部を投入した。50℃に昇温後、エチレンを0.6MPaで加圧しながら仕込んだ。トリイソブチルアルミニウム(TIBA)のトルエン溶液[東ソー・アクゾ(株)製TIBA濃度20重量%]10部を仕込み、続いて、ジエチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド0.001部を脱水トルエン87部に溶解したものと、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.03部を脱水トルエン122部に溶解したものを投入し2時間攪拌した。得られた反応液をアセトン約10000部中に投じ、沈殿した白色固体を濾取した。該固体をアセトンで洗浄後、減圧乾燥した結果、エチレン・VCH共重合体である重合体(B−1)300部を得た。得られた重合体(B−1)の極限粘度[η]は0.48dl/gで、Mnは15,600、分子量分布(Mw/Mn)は2.0、融点(Tm)は57℃、ガラス転移点(Tg)は−28℃、重合体(B−1)におけるVCHに由来する構造単位の含有率は13モル%であった。
<製造例5>
製造例4で得られた重合体(B−1)100部に、無水マレイン酸0.4部、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.04部を添加して十分に予備混合後に二軸押出機の供給口より供給して溶融混練を行い、エチレン・VCH共重合体(B−1)に無水マレイン酸をグラフト重合してなる重合体(B−2)を得た。なお、押出機の溶融混練を行う部分の温度は、溶融混練を前半と後半の二段階に分け、前半は180℃、後半は260℃と温度設定にして溶融混練を行った。重合体(B−2)のマレイン酸グラフト量は0.2%であった。また、重合体(B−2)のMFRは180g/10分(190℃、荷重:2.16kgf)であった。
<製造例6>
重合体(A−1)の濃度が20重量%となるように、製造例1で得られた重合体(A−1)とメチルシクロヘキサンとを混合し、得られた混合物に、該メチルシクロヘキサン100重量部に対して25重量部の酢酸エチルを混合し、重合体(A−1)を含む溶液を得た。
<製造例7>
製造例6において、重合体(A−1)に替えて製造例2で得られた重合体(A−2)を用いる以外は製造例6と同様にして、重合体(A−2)を含む溶液を得た。
<製造例8>
製造例6において、重合体(A−1)に替えて製造例3で得られた重合体(A−3)を用いる以外は製造例5と同様にして、重合体(A−3)を含む溶液を得た。
<製造例9>
製造例6において、重合体(A−1)に替えて製造例4で得られた重合体(B−1)を用いる以外は製造例6と同様にして、重合体(B−1)を含む溶液を得た。
<製造例10>
製造例6において、重合体(A−1)に替えて製造例5で得られた重合体(B−2)を用いる以外は製造例6と同様にして、重合体(B−2)を含む溶液を得た。
<実施例1>
製造例7で得られた重合体(A−2)を含む溶液と、製造例10で得られた重合体(B−2)を含む溶液を、重合体(A−2)と重合体(B−2)との重量比が2:1となるよう混合し、得られた混合物をスリーワンモーターにて5分攪拌し、重合体(A−2)と重合体(B−2)とを含有してなる組成物を得た。該組成物は目視で相分離を起こしておらず均一な溶液であった。
<実施例2>
実施例1において、重合体(A−2)と重合体(B−2)との重量比を1:2にした以外は実施例1と同様にして、重合体(A−2)と重合体(B−2)とを含有してなる組成物を得た。該組成物は目視で相分離しておらず均一な溶液であった。
<実施例3>
製造例2で得られた重合体(A−2)20gと製造例5で得られた重合体(B−2)20gとを東洋精機製作所社製ラボプラストミル4C150にて、150℃、50rpm、10分の条件で溶融混練し、重合体(A−2)と重合体(B−2)とを含有してなる組成物を28g得た。該組成物は目視で相分離を起こしておらず均一に混練されていた。
<実施例4>
実施例3で得られた組成物の濃度が20重量%となるように、該組成物とメチルシクロヘキサンとを混合し、得られた混合物に、該メチルシクロヘキサン100重量部に対して25重量部の酢酸エチルを混合し、重合体(A−2)と重合体(B−2)とを含有してなる組成物を得た。該組成物は目視で相分離しておらず均一な溶液であった。
<実施例5>の追加
実施例1において、重合体(A−2)を重合体(A−3)とし、重合体(A−3)と重合体(B−2)との重量比を1:1にした以外は実施例1と同様にして、重合体(A−3)と重合体(B−2)とを含有してなる組成物を得た。該組成物は目視で相分離しておらず均一な溶液であった。
<試験例1>
実施例1及び2でそれぞれ得られた組成物を、PP板(肉厚3mm)に乾燥後の膜厚が10μmになるようにアプリケーターにて塗工した。熱風乾燥機で80℃、5分間乾燥させた後、2液ウレタン塗料を膜厚が100μmになるようスプレーにて塗布した。塗布後、室温にて10分以上養生し、80℃で5分間熱処理を行い、サンプルを得た。熱処理後3日以上養生した後に、1cm間隔で塗膜を切り出し、引張り試験機(島津製作所社製 オートグラフ)を用い、剥離速度50mm/分、剥離角度180度で塗膜の剥離強度を測定した。同様に、製造例6及び8でそれぞれ得られた溶液を用いて得られた塗膜の剥離強度を測定した。結果を表1に示す。
<試験例2>
実施例5で得られた組成物を、PP板(肉厚3mm)に乾燥後の膜厚が10μmになるようにアプリケーターにて塗工した。熱風乾燥機で80℃、5分間乾燥させた後、2液ウレタン塗料を膜厚が100μmになるようスプレーにて塗布した。塗布後、室温にて10分以上養生し、表2に記載の所定温度で30分間熱処理を行い、サンプルを得た。熱処理後3日以上養生した後に、1cm間隔で塗膜を切り出し、引張り試験機(島津製作所社製 オートグラフ)を用い、剥離速度50mm/分、剥離角度180度で塗膜の剥離強度を測定した。同様に、製造例8と製造例10とでそれぞれ得られた溶液を用いて得られた塗膜の剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2011219714
Figure 2011219714
本発明の組成物は、従来から難接着性とされていたポリプロピレンとの接着性に優れる。

Claims (10)

  1. 下記(A)と(B)とを含有してなる組成物。
    (A):エチレン及び炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも2種のオレフィンに由来する構造単位を含有し、下記式(I)で表されるビニル化合物に由来する構造単位を含有せず、分子量分布(Mw/Mn)が1〜4であるα−オレフィン系共重合体(A−1)、又は
    該α−オレフィン系共重合体(A−1)にα,β−不飽和カルボン酸類をグラフト重合して得られるα−オレフィン系共重合体変性物(A−2)
    (B):エチレン及び炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位と、式(I)
    CH=CH−R (I)
    (式中、Rは、2級アルキル基、3級アルキル基又はシクロアルキル基を表す。)
    で表されるビニル化合物に由来する構造単位とを含むα−オレフィン系共重合体であって、該α−オレフィン系共重合体における式(I)で表される化合物に由来する構造単位の含有量が5〜40モル%であるα−オレフィン系共重合体(B−1)、又は
    該α−オレフィン系共重合体(B−1)にα,β−不飽和カルボン酸類をグラフト重合して得られるα−オレフィン系共重合体変性物(B−2)
  2. α−オレフィン系共重合体(A−1)が、下記の関係式を満たす請求項1記載の組成物。
    (1)[y/(x+y)]≧0.5
    (上記関係式において、xは(A−1)に含有されるエチレンに由来する構造単位の含有量(モル%)を表し、yは(A−1)に含有される炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンに由来する構造単位の含有量(モル%)を表す。ここで、(A−1)を構成する全てのモノマーに由来する構造単位の合計を100モル%とする。)
  3. 式(I)で表される化合物がビニルシクロヘキサンである請求項1又は2記載の組成物。
  4. さらに有機溶剤を含有する請求項1〜3のいずれか一項記載の組成物。
  5. 木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料からなる被着体及び請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物に由来する接着層を有することを特徴とする積層体。
  6. 被着体がプラスチック材料であることを特徴とする請求項5記載の積層体。
  7. プラスチック材料がポリオレフィンであることを特徴とする請求項5記載の積層体。
  8. 木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含む被着体に、シート状の請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物及び被着体とを共押出し成形により積層することを特徴とする積層体の製造方法。
  9. 木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含む被着体に、シート状の請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物と、被着体とを順次積層したのち熱プレスすることを特徴とする積層体の製造方法。
  10. 木質系材料、セルロース系材料、プラスチック材料、セラミック材料及び金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料を含む被着体に、請求項1〜4のいずれか一項記載の組成物を塗工し、該被着体と該組成物を含む層とを含む塗工品を得る第1工程と、
    第1工程で得られた塗工品を乾燥して、前記被着体と該組成物に由来する塗膜とを含む積層体を得る第2工程
    とを含むことを特徴とする積層体の製造方法。
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