JP2011210539A - 非水電解液二次電池用電極板の製造方法 - Google Patents

非水電解液二次電池用電極板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集電体上において、樹脂製結着材の存在に依らずに電極活物質同士の少なくとも一部が接合するとともに、電極活物質が集電体に固着されてなる電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板の製造方法を提供する。
【解決手段】アルカリ金属含有化合物と、遷移金属含有化合物と、上記遷移金属含有化合物の熱分解開始温度における加熱重量減少率が100重量%未満である高分子物質と、を少なくとも含有される電極活物質層形成溶液を調製し、上記電極活物質層形成溶液を集電体表面の少なくとも一部上に塗布して塗膜を形成し、次いで上記塗膜が形成された集電体に対して熱源を該集電体の両側あるいは該集電体の塗膜を有しない面側に設置して、上記遷移金属含有化合物の熱分解開始温度以上の温度で加熱して該集電体表面上にアルカリ金属遷移金属複合物を生成することによって、該アルカリ金属遷移金属複合酸化物を電極活物質として含む電極活物質層を設けてなる非水電解液二次電池用電極板を製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの非水電解液二次電池に用いられる電極板の製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高エネルギー密度、高電圧を有し、また充放電時におけるメモリ効果(完全に放電させる前に電池の充電を行なうと次第に電池容量が減少していく現象)が無いことから、携帯機器、及び大型機器など様々な分野で用いられている。また近年、電気自動車、ハイブリッド自動車そしてパワーツールなどの高出入力特性が必要とされる分野における二次電池の使用が注目されている。
上記非水電解液二次電池は、正極板、負極板、セパレータ、及び有機電解液から構成される。上記正極板及び負極板は、金属箔などの集電体表面上に、電極活物質層形成用塗工組成物を塗布して電極活物質層を形成することによって製造されることが一般的である。
より詳しくは、上記電極活物質層形成用塗工組成物として、リチウムイオン挿入脱離可能な電極活物質、樹脂製結着材、及び導電材(但し活物質が導電効果も発揮する場合には、導電材は省略される場合がある)、あるいはさらに、必要に応じてその他の材料を用い、有機溶媒中で混練及び/又は分散させて、スラリー状の組成物を調製する。そして電極活物質層形成用塗工組成物を集電体表面に塗布して塗膜を形成し、次いで乾燥し、プレスすることにより電極活物質層を備える電極板を製造する方法が一般的である(例えば特許文献1段落[0019]から[0026]、特許文献2[請求項1]、段落[0051]から[0055])。
このとき、電極活物質層形成用塗工組成物に含有される電極活物質は、該溶液中に分散する粒子状の化合物であって、集電体表面に塗布されただけでは該集電体表面に固着され難い。したがって、樹脂製結着材を含まない電極活物質層形成用塗工組成物を集電体上に塗布して塗膜を形成し乾燥して膜を形成しても、該膜が集電体から容易に剥離してしまい、あるいは、電極活物質が集電体上より落下する。したがって、樹脂製結着材を介して電極活物質同士を結着させるとともに、集電体表面に電極活物質を固着させて、電極活物質層が形成しなければならなかった。
特開2006−310010号公報 特開2006−107750号公報
上述のとおり、近年、特に電気自動車、ハイブリッド自動車そしてパワーツールなどの高出入力特性が必要とされる分野に向けて大容量の二次電池の開発が進められている。また携帯電話の比較的小型の装置に用いられる二次電池であっても、装置が多機能化される傾向にあるために、出入力特性の向上が期待されている。これに対し、二次電池において出入力特性の向上を実現するためには、電池のインピーダンスを下げる必要がある。インピーダンスが高い電池では、高速充電時にその容量を充分に生かすことができないなどの問題があるからである。
しかしながら、従来の製造方法のごとく、樹脂製結着材を介して、電極活物質の粒子を集電体上に固着させてなる電極活物質層を備える電極板では、示される出入力特性に限界があった。
本発明は上記の実状に鑑み成し遂げられたものであり、集電体上において、樹脂製結着材の結着作用に依らずに電極活物質同士の少なくとも一部が接合するとともに、電極活物質が集電体に固着されてなる電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、電極板の製造方法として、従来のごとく予め製造された電極活物質の粒子を使用するのではなく、電極活物質を構成可能な材料としてアルカリ金属含有化合物および遷移金属含有化合物を溶媒に溶解して電極活物質層形成溶液を調製し、これを集電体上に塗布して加熱することによれば、該集電体上において、互いに接合するとともに集電体上に固着されてなる電極活物質を生成することができ、この結果、樹脂製結着材の接着作用に拠らず電極活物質層を形成することができることを見出した。しかも、上記電極活物質層形成溶液中に、上記遷移金属含有化合物の熱分解開始温度における加熱重量減少率が100重量%未満である高分子物質を含有させるとともに、集電体の加熱方向を適切に設定することによって、非常に出入力特性の高い電極板を製造することを可能とする本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)集電体の表面の少なくとも一部上に、電極活物質を含む電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板の製造方法であって、アルカリ金属含有化合物と、遷移金属含有化合物と、上記遷移金属含有化合物の熱分解開始温度における加熱重量減少率が100重量%未満である高分子物質と、が少なくとも含有される電極活物質層形成溶液を調製し、上記電極活物質層形成溶液を集電体表面の少なくとも一部上に塗布して塗膜を形成し、次いで上記塗膜が形成された集電体に対して熱源を該集電体の両側あるいは該集電体の塗膜を有しない面側に設置して、上記遷移金属含有化合物の熱分解開始温度以上の温度で加熱し、該集電体表面上にアルカリ金属挿入脱離反応を示すアルカリ金属遷移金属複合酸化物を生成することによって、該アルカリ金属遷移金属複合酸化物を電極活物質として含む電極活物質層を形成することを特徴とし、上記遷移金属化合物の熱分解開始温度とは、遷移金属化合物を10℃/分の昇温速度で加熱した時に、該遷移金属含有化合物の重量が、加熱開始時の重量から5重量%減少した時の温度であり、上記高分子物質の加熱重量減少率とは、高分子物質を10℃/分の速度で昇温加熱して遷移金属化合物の熱分解開始温度に達した時の重量の、元の重量に対する重量変化率であることを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法、
(2)上記アルカリ金属含有化合物に含有されるアルカリ金属がリチウムおよび/またはナトリウムであることを特徴とする上記(1)に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法、
(3)上記遷移金属元素含有化合物に含有される遷移金属が、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、およびチタンの群から選択される1種または2種以上の金属であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法、
を要旨とするものである。
本発明の非水電解液二次電池用電極板の製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」ともいう)によれば、集電体上の少なくとも一部において電極活物質を生成することができる。本発明の製造方法において生成される電極活物質は、互いに接合し、且つ、集電体上に固着されており、これによって電極活物質層が形成される。したがって、従来の電極板の製造方法のように、樹脂製結着材を用いて、電極活物質を集電体に固着させる必要がない。
また、本発明の製造方法によれば、集電体上の少なくとも一部において形成される電極活物質層が、集電体側に位置する緻密層と、上記緻密層の上面に位置する空隙形成層とを有する層として形成される。上記緻密層は、上記電極活物質の少なくとも一部が上記集電体の表面に接合するとともに、上記電極活物質同士が接合して該電極活物質が連続的に存在する構造を有する層であり、且つ、実質的に空隙が無い状態で構成される層である。一方、上記空隙形成層は、上記活物質同士が部分的に接合して該活物質が連続的に存在する構造を有する層で、且つ、電解液が浸透可能な空隙を有する多孔質の層である。
以上のとおり、本発明の製造方法によれば、樹脂製結着材の結着作用を要さず、且つ、集電体に接する緻密層と、該緻密層に連続する空隙形成層とを備える電極活物質層を集電体上に形成することができる。そして本発明の製造方法により製造される電極板は、非常に高い出入力特性が示され、加えて、樹脂製結着材の接着作用を要さず、優れた膜密着性が示される。
緻密層と空隙形成層とから構成される電極活物質層を備える電極板の断面を撮影した電子顕微鏡写真である。
本発明の製造方法は、電極活物質層形成溶液を調製し、これを集電体上の少なくとも一部に塗布し、その後、上記集電体を加熱して、該集電体上に電極活物質層を形成するものである。しかも、本発明の製造方法により製造される電極板では、電極活物質層が集電体側に位置する緻密層と、該緻密層の上面に位置する空隙形成層とを備えて形成される。尚、以下、非水電解液二次電池用電極板を、単に「電極板」と呼ぶ場合がある。また本発明において製造される電極板は、特に断りがない限り、正極板および負極板のいずれも含む。また電極活物質を単に「活物質」と略する場合がある。
本発明の製造方法の1つの特徴は、電極活物質層形成溶液に樹脂製結着材が実質的に添加されず、製造工程において、集電体表面上で電極活物質が生成される点にある。そしてこの際、生成される電極活物質の粒子同士が接合するとともに集電体表面に密着することを利用して、集電体表面に活物質が固着されてなる電極活物質層を形成することを可能とする。ここで、従来の製造方法に用いられる電極活物質層形成用塗工組成物には、予め粒子状に形成された活物質粒子を用いていたため、使用する活物質粒子の粒径が小さくなると、電極活物質層形成用塗工組成物の粘度が増大し、塗布性が悪くなるという現象がみられ、電極活物質層の薄膜化の弊害となる場合があった。しかしながら、本発明の製造方法に用いられる電極活物質層形成溶液には、予め粒子状に生成された活物質を配合する必要がないため、電極活物質層形成溶液の粘度が増大し、塗布性が低下するという恐れがない。したがって、集電体への塗布量が設定し易く、電極活物質層を所望の厚みに形成することが可能である。したがって、電極活物質層の薄膜化が容易である。即ち、本発明において製造される電極板における電極活物質層の膜厚は、特に限定されないが、より薄い膜厚が望まれる場合には、300nm以上、10μm以下の膜厚に形成することが可能である。尚、本発明において製造される電極板の電極活物質層の厚みは、マイクロメーターを用いて、電極活物質層の厚みを、任意の箇所で10点測定し、平均値を算出することによって測定される。あるいは、電子顕微鏡写真を用いた実測によっても電極活物質層の膜厚を測定することができる。
また本発明の製造方法の別の特徴は、上述のとおり集電体表面上で生成される電極活物質の粒径を比較的大きな粒径から非常に小さい粒径まで生成することが可能である点にある。より具体的には、空隙形成層を構成する電極活物質の電極活物質層形成用塗膜を10nm以上1μm未満として生成することが可能である。特に、活物質の粒径を小さくすることは、電極板の高出入力特性を向上させるためのアプローチとして有効である。電極活物質の粒径が小さくなることにより、電極活物質層中に含有される活物質の表面積の総量が増大し、また電極活物質において挿入脱離するリチウムイオンの、当該活物質内の移動距離を小さくすることができる。このため、リチウムイオンの挙動がよりスムーズになり、結果として出入力特性の向上を実現することができるからである。一方、従来の電極板の製造では、上述のとおり、予め粒子状に形成された活物質粒子が配合された電極活物質層形成用塗工組成物を使用しており、用いる活物質粒子の粒径が小さくなるにつれて電極活物質層形成用塗工組成物の粘度が増大する傾向にあった。当該傾向は、特に平均粒径が11μm以下、あるいはさらに1μm以下の小さい粒径の活物質粒子を使用した場合に顕著に観察された。したがって、使用し得る活物質粒子の粒径の大きさが実質的に制限されていたため、上述する電極活物質層の薄膜化あるいはリチウムイオンの挙動の好適化に対し、不利に働いていた。
尚、本発明の製造方法により製造された電極板における電極活物質の粒径は、特に断りがない場合には、空隙形成層を構成する電極活物質の粒径を意味する。電極活物質の粒径は、電子顕微鏡観察により得られた電子顕微鏡写真により、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(株式会社マウンテック製、MAC VIEW)を用いて、任意に粒子20点を選択し、それらの粒子の最長径を測定し、算術平均を求めることによって示される。
また本発明の製造方法のさらなる別の特徴として、製造される電極板における電極活物質層が、集電体側に位置する緻密層と、上記緻密層の上面に位置する空隙形成層とを有する層として形成されることにある。上記緻密層は、上記電極活物質の少なくとも一部が上記集電体の表面に接合するとともに、上記電極活物質同士が接合して該電極活物質が連続的に存在する構造を有する層であり、且つ、実質的に空隙が無い状態で構成される層である。上記緻密層が存在することにより、集電体に対する電極活物質層の膜密着性を非常に良好なものにすることができるとともに、電極板内を移動する電子の導電性を向上させることができる。一方、上記空隙形成層は、上記電極活物質同士が部分的に接合して該活物質が連続的に存在する構造を有する層で、且つ、電解液が浸透可能な空隙を有する多孔質の層である。以上のとおり本発明の製造方法では、樹脂製結着材が電極活物質層中に実質的に存在しない電極活物質層を備える電極板を製造することができるため、電極活物質層における単位体積あたりの電極活物質の重量を増大させることができ、また薄膜化を実現することができる。
以下に、本発明の製造方法について、電極活物質層形成溶液の調製、該電極活物質層形成溶液を集電体へ塗布する塗布工程、および塗布工程後に実施される加熱工程にわけて、詳細に説明する。
(電極活物質層形成溶液の調製)
本発明の製造方法に用いられる電極活物質層形成溶液は、電極活物質であるアルカリ金属遷移金属複合酸化物の前駆体となるアルカリ金属含有化合物および遷移金属含有化合物を溶媒に溶解するともに、上記遷移金属含有化合物の熱分解開始温度における加熱重量減少率が100重量%未満である高分子物質を含有させて調製する。
アルカリ金属含有化合物:
電極活物質層形成溶液に溶解されるアルカリ金属含有化合物は、電極板内において、正極板と負極板とを移動可能なアルカリ金属を含有するものを選択することができる。上記アルカリ金属としては、例えば、リチウムまたはナトリウムが挙げられる。
上記アルカリ金属含有化合物としては、所望のアルカリ金属を含む、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、リン酸塩、臭素酸塩等を挙げることができる。中でも、本発明においては、塩化物、硝酸塩、酢酸塩は汎用品として入手が容易なので、使用することが好ましい。とりわけ、硝酸塩は広範囲の種類の集電体に対して製膜性がよいので、好ましく使用される。
リチウムを含有するアルカリ金属含有化合物であるリチウム含有化合物としては、例えば、クエン酸リチウム四水和物、過塩素酸リチウム三水和物、酢酸リチウム二水和物、硝酸リチウム、及びリン酸リチウム等が挙げられる。
ナトリウムを含有するアルカリ金属化合物であるナトリウム含有化合物としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等が挙げられる。
遷移金属含有化合物:
電極活物質層形成溶液に溶解される遷移金属含有化合物は、上記アルカリ金属とともに電極活物質を構成することが可能な遷移金属を含有する化合物である。上記遷移金属としては、例えば、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、チタンなどが挙げられる。これら遷移金属のいずれかを含有する遷移金属含有化合物は、電極活物質層形成溶液中に1種または2種以上溶解してよい。1種の遷移金属化合物を溶解させることによって、1種のアルカリ金属と1種の遷移金属を含む電極活物質を形成可能であり、また2種以上の遷移金属化合物を溶解させることによって、1種のアルカリ金属と2種以上の遷移金属を含む、所謂2元系以上の電極活物質を形成することが可能である。
上記遷移金属含有化合物としては、所望の遷移金属を含む、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、酢酸塩、リン酸塩、臭素酸塩等を挙げることができる。中でも、本発明においては、塩化物、硝酸塩、酢酸塩は汎用品として入手が容易なので、使用することが好ましい。とりわけ、硝酸塩は広範囲の種類の集電体に対して製膜性がよいので、好ましく使用される。
コバルトを含有する遷移金属含有化合物であるコバルト含有化合物としては、例えば、塩化コバルト(II)六水和物、蟻酸コバルト(II)二水和物、コバルト(III)アセチルアセトナート、コバルト(II)アセチルアセトナート二水和物、酢酸コバルト(II)四水和物、しゅう酸コバルト(II)二水和物、硝酸コバルト(II)六水和物、塩化コバルト(II)アンモニウム六水和物、亜硝酸コバルト(III)ナトリウム、及び硫酸コバルト(II)七水和物等が挙げられる。
ニッケルを含有する遷移金属含有化合物であるニッケル含有化合物としては、例えば、塩化ニッケル(II)六水和物、酢酸ニッケル(II)四水和物、過塩素酸ニッケル(II)六水和物、臭化ニッケル(II)三水和物、硝酸ニッケル(II)六水和物、ニッケル(II)アセチルアセトナート二水和物、次亜リン酸ニッケル(II)六水和物、及び硫酸ニッケル(II)六水和物等が挙げられる。
マンガンを含有する遷移金属含有化合物であるマンガン含有化合物としては、例えば、酢酸マンガン(III)二水和物、硝酸マンガン(II)六水和物、硫酸マンガン(II)五水和物、しゅう酸マンガン(II)二水和物、及びマンガン(III)アセチルアセトナート等が挙げられる。
鉄を含有する遷移金属含有化合物である鉄含有化合物としては、例えば、塩化鉄(II)四水和物、クエン酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、しゅう酸鉄(II)二水和物、硝酸鉄(III)九水和物、乳酸鉄(II)三水和物、リン酸鉄、及び硫酸鉄(II)七水和物等が挙げられる。
チタンを含有する遷移金属含有化合物であるチタン含有化合物としては、四塩化チタン、及びチタンアセチルアセトナート等が挙げられる。
高分子物質:
上記電極活物質層形成溶液に含まれる高分子物質とは、同溶液に含まれる遷移金属元素含有化合物の熱分解開始温度における加熱重量減少率が100重量%未満である高分子物質が選択される。
ここで、遷移金属化合物の熱分解開始温度とは、遷移金属化合物を10℃/分の昇温速度で加熱した時に、5重量%の重量減少が生じた時の温度とする。熱分解開始温度は、遷移金属化合物を熱天秤により昇温加熱して測定することができる。あるいはTG/DTA試験によって測定してもよい。また高分子物質の加熱重量変化率は、高分子物質を10℃/分の速度で昇温加熱して遷移金属化合物の熱分解開始温度に達した時の重量の、元の重量に対する重量変化率として求めることができる。高分子物質の加熱重量変化は、熱天秤により高分子物質を昇温加熱した際の重量変化を測定することで求めることができる。尚、電極活物質層形成溶液中に2以上の遷移金属含有化合物が溶解される場合には、2以上の遷移金属含有化合物それぞれの熱分解開始温度のうち、最も低い熱分解開始温度を高分子物質の選択の指標とする。
本発明に用いられる高分子物質は、上述のとおり用いられる遷移金属含有化合物の熱分解開始温度によって異なるが、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース系高分子、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン−プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテル等のうち、使用する遷移金属化合物の熱分解開始温度における加熱重量減少率が100重量%未満のものを選択して用いることが好ましく、これらのなかでも特にセルロース系高分子、ポリエチレングリコール等のポリアルキレングリコール、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂が、本発明の製造方法に好適に使用することが可能である。
本発明において上記高分子物質を用い、且つ、後述する加熱工程における集電体側の加熱方向を適切に設定することによって、上記緻密層を集電体に接して形成し、且つ、該緻密層上に空隙形成層を形成することができる。緻密層および空隙形成層の形成に対する、高分子物質の作用は明らかではない。ただし、上記高分子物質を含有しない電極活物質層形成溶液を集電体に塗布し、次いで該集電体を加熱した場合に、遷移金属含有化合物の熱分解開始温度を超えると、遷移金属含有化合物およびアルカリ金属含有化合物が一気に熱分解を開始し、アルカリ金属遷移金属複合酸化物の結晶体が微粒子として一気に形成され、さらなる加熱によっても上記結晶体の粒径はほとんど成長しない傾向にある。これに対し、上記電極活物質層中に遷移金属含有化合物の熱分解温度における加熱重量減少率が100重量%未満である高分子物質を含有させることによれば、遷移金属含有化合物の熱分解開始温度となり、遷移金属含有化合物およびアルカリ金属含有化合物の熱分解が開始した時点で、これら金属材料の周囲に該高分子物質あるいは該高分子物質の分解物を存在させることができる。このように周囲に高分子物質あるいは高分子物質の分解物が存在する環境においては、遷移金属含有化合物およびアルカリ金属含有化合物が熱分解を開始した場合、アルカリ金属遷移金属複合酸化物の結晶化は一気には生じず、まず微結晶である微粒子が形成され、さらなる加熱に伴い高分子物質あるいはその分解物が減少するにつれて、アルカリ金属遷移金属複合酸化物の結晶化がすすみ、粒径も大きく成長することを本発明者は見出した。しかも、通常、アルカリ金属遷移金属複合酸化物が完全に結晶化するために必要な温度を下回る温度において、結晶化したアルカリ金属遷移金属酸化物を得ることができるという特徴を示すことも本発明者は見出した。上述のような、金属結晶の成長過程において、集電体側面に接する、あるいは集電体面にごく近い付近に存在する遷移金属含有化合物およびアルカリ金属含有化合物では、集電体より伝わる熱により、熱履歴がやや異なるため、特に生成されるアルカリ金属遷移金属複合酸化物の粒子が非常に小さく、且つ、互いに接合しあい緻密な層を形成するのではないかと推測される。
溶媒:
上記電極活物質層形成溶液を調製するために用いられる溶媒は、用いられるアルカリ金属含有化合物および遷移金属含有化合物を溶解可能な溶媒であれば、いずれのものを用いてもよい。尚、上記高分子物質も、選択される溶媒に、溶解可能であれば好ましい。ただし上記高分子物質は、電極活物質層形成溶液中に、分散、混合されることを禁止するものではない。
上記溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等の総炭素数が5以下の低級アルコール、アセチルアセトン、ジアセチル、ベンゾイルアセトン等のジケトン類、アセト酢酸エチル、ピルビン酸エチル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル蟻酸エチル等のケトエステル類、トルエン、およびこれらの混合溶媒、あるいはこれらと水の混合溶媒等を挙げることができる。
上記電極活物質層形成溶液中に溶解されるアルカリ金属及び遷移金属の濃度の合計は、0.01〜5mol/L、特に0.1〜2mol/Lが好ましい。上記濃度を0.01mol/L以上とすることにより、集電体と該集電体表面で生成される活物質とを良好に密着性させることができ、活物質の固着が図られる。また、上記濃度を、5mol/L以下とすることにより、上記電極活物質層形成溶液を集電体表面へ良好に塗布できる程度の良好な粘度を維持することができ、均一な塗膜を形成することができる。
(その他の添加剤)
また上記電極活物質層形成溶液には、上述する材料以外にも、導電材あるいは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その他の添加剤を添加してもよい。上記導電材としては、通常、非水電解液二次電池用電極板に用いられるものを使用することができ、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック等の炭素材料が例示される。導電材の平均粒径は20nm〜50nm程度であることが好ましい。上記電極活物質層形成用塗膜は、活物質の粒径を測定する方法と同様に、電子顕微鏡による実測から求められる算術平均により求められる。また異なる導電材としては炭素繊維(VGCF)が公知である。上記炭素繊維は、長さ方向に非常に良好に電気を導くことができ、電気の流動性を向上させることができるもので、繊維長さは、1μmから20μm程度である。したがって、上述するアセチレンブラックなどの粒子状の導電材に加えて、炭素繊維も併せて用いることにより、導電材添加効果を向上させることができる。導電材を使用する場合には、特に空隙形成層における空隙が、電解液が浸透可能な程度に維持されることに留意する必要がある。
尚、本発明の電極活物質層は、緻密層を備えることにより、従来の電極板に比べて、電子の導電性が向上している。したがって、本発明における電極活物質層では、従来よりも導電材の配合量を減らすことが可能であり、あるいは導電材を使用しない態様も可能である。このように導電材の配合量が少ないか、あるいは実施的に導電材が配合されない電極活物質層では、電極活物質層中における単位体積あたりの電極活物質の重量が増大させることができる。
導電材を電極活物質層形成溶液に添加する場合には、集電体表面上において生成される活物質100重量部に対して、導電材の添加量を5重量部〜20重量部にすることが望ましい。尚、上述は、20重量を超えて導電材を添加することを除外する趣旨ではないが、本発明における電極活物質層は、緻密層が存在することにより導電性が良好であるため、20重量部以下の導電材の使用で充分に優れた導電性を発揮させることができるという趣旨である。
(塗布工程)
次に、上述のとおり調製された電極活物質層形成溶液を集電体の表面の少なくとも一部上に塗布する塗布工程を実施する。塗布方法は、従来公知の塗布方法を適宜選択することができ、例えば、印刷法、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコート等によって、集電体表面上の任意の領域に塗布して塗膜を形成する。また、集電体表面が多孔質であったり、凹凸が多数設けられていたり、三次元立体構造を有したりする場合には、上記方法以外に手動で塗布することも可能である。尚、本発明において使用する集電体は、必要に応じて、予めコロナ処理や酸素プラズマ処理等を行うことで、電極活物質層の製膜性をさらに改善することができるため好ましい。
上記集電体としては、一般的に非水電解液二次電池用電極板の電極集電体として用いられるものであれば、特に限定されない。例えば、正極集電体としては、アルミニウム箔、ニッケル箔など、負極集電体としては、銅箔あるいは、アルミニウム箔、ニッケル箔などを好ましく用いることができる。上記集電体の厚みは、一般に非水電解液二次電池用電極板の集電体として使用可能な厚みであれば特に限定されないが、10〜100μmであることが好ましく、15〜50μmであることがより好ましい。
上記電極活物層形成溶液の集電体への塗布量は、製造される電極板の用途等に応じて任意に決めることができるが、本発明において形成される電極活物質層は、上述のとおり非常に薄く形成することが可能であるため、薄膜化を図りたい場合には、後述する加熱工程後の電極活物質層が300nm〜10μm程度となるように薄く塗布してよい。以上の通り、集電体に電極活物質層形成用溶液を塗布することにより、電極活物質の前駆体であるアルカリ金属含有化合物、遷移金属含有化合物、および上記高分子物質が含有される電極活物質層形成用塗膜(以下、単に「塗膜」ともいう)を形成する。
(加熱工程)
次いで、上記塗膜が表面に形成された集電体を加熱する加熱工程を実施する。加熱工程は、上記塗膜が形成された集電体に対して熱源を該集電体の両側あるいは該集電体の塗膜を有しない面側に設置して実施する。熱源を設置する態様は、特に限定されないが、例えば、集電体の両側に熱源装置を設置する態様、あるいは加熱炉などに塗膜が形成された集電体を設置して、集電体の両側を同様の環境で加熱する態様を含む。また上記塗膜が形成された集電体の該塗膜が形成されていない側に熱源を設置する態様についても、特に限定はされないが、例えば、塗膜が形成された集電体の該塗膜が形成されていない側に熱源装置を設置する態様、あるいは適切な温度に加温されたホットプレート上において、ホットプレート表面と、塗膜が形成された集電体の該塗膜が形成されていない側が接する位置に設置して加熱を行う態様を含む。
上記加熱工程における加熱温度は用いられる遷移金属含有化合物の熱分解開始温度以上であって、所望の電極活物質粒子を形成可能な温度であればよく、通常、200℃〜600℃の温度範囲において加熱することにより良好に電極活物質を集電体上において生成することができる。上記加熱方法としては、特に限定されるものではないが、熱源装置として、例えば、ホットプレート、オーブン、加熱炉、赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、熱風送風機等のいずれかを使用するか、あるいは2以上を組み合わせて使用する方法を挙げることができる。用いられる集電体が平面状である場合には、加熱炉やホットプレート等を使用することが好ましい。
上記加熱工程において、電極活物質層形成溶液中に溶解している遷移金属含有化合物の熱分解開始温度以上の温度で加熱することにより、集電体表面に電極活物質であるアルカリ金属遷移金属複合酸化物を生成することができる。しかも樹脂製結着材は実質的に使用しないにもかかわらず、上記電極活物質同士が接合し、且つ、集電体表面に固着されるため、集電体に対し密着性の良好な電極活物質層を形成することができる。また、本発明の製造方法では、加熱工程において、上記集電体側に位置する緻密層と、上記緻密層の上面に位置する空隙形成層とが形成される、上記緻密層と上記空隙形成層を一度の加熱工程で同時に形成することができる。上記電極活物質層形成用塗膜が加熱により空隙形成層と緻密層とに分けられる理由は明らかではないが、上述する高分子物質の存在と、熱源の設置位置により緻密層が形成されると推測される。即ち、集電体側から伝達される熱により、該集電体にごく近い領域では遷移金属含有化合物およびアルカリ金属含有化合物の熱分解がより促進される結果、粒径が非常に小さく、且つ互いに密接に接合する電極活物質が生成されるのではないかと推察される。尚、加熱工程において遷移金属含有化合物の熱分解開始温度以上の温度で加熱すると、アルカリ金属含有化合物の熱分解開始温度を超えていなくても、遷移金属含有化合物の熱分解に連度してアルカリ金属含有化合物の熱分解が開始されることが確認された。
尚、上記加熱工程における雰囲気は、特に限定されないが、本発明の加熱工程を大気雰囲気中で実施することが好ましい。活物質としてアルカリ金属遷移金属複合酸化物を生成する場合に、水素雰囲気や窒素雰囲気など、酸素濃度の低い、あるいは酸素のない雰囲気下で加熱工程を実施することもありうるが、かかる雰囲気下においてアルカリ金属遷移金属複合酸化物を生成させる場合には、電極活物質層形成溶液中に配合される化合物中に、金属酸化物形成に利用可能な酸素元素の供給源が含まれていることが必要である。
(非水電解液二次電池用電極板)
本発明の製造方法により製造される非水電解液二次電池用電極板は、非水電解液二次電池の正極板、負極板のいずれか一方として用いることができ、あるいは正極板及び負極板の両方に本発明により製造される電極板を用いてもよい。以上のとおり説明する本発明の製造方法において集電体上に生成される電極活物質としては、一般的に非水電解液二次電池用電極板において用いられるアルカリイオン挿入脱離反応を示す物質ならいずれのものであってもよい。上記活物質の例として、例えばLiCoO、LiMn、LiNiO、LiFeO、LiTi12、LiNi0.33Co0.33Mn0.33などのリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。あるいは、NaCoO、NaMn、NaNiO、NaFeO、NaTiO、NaNi0.33Co0.33Mn0.33などのナトリウム遷移金属複合酸化物を挙げられる。
本発明の製造方法により製造される電極板は、上述のとおり、集電体と、電極活物質層とから構成され、上記電極活物質層が、集電体側に位置する緻密層と、上記緻密層の上面に位置する空隙形成層とを備えて構成される。
緻密層および空隙形成層の理解を深めるために、参考に、緻密層および空隙形成層から構成される電極活物質層を備える電極板の断面写真を図1に示す。図1に示される電極板1は、集電体2と、集電体2の上面において、活物質粒子同士が接合するとともに集電体上に固着して形成される電極活物質層5とから構成されている。また電極活物質層5は、緻密層3と空隙形成層4とから構成されている。緻密層3は、上記活物質の少なくとも一部が上記集電体の表面に接合するとともに、活物質が互いに直接に接合することにより、該活物質が連続的に存在する構造を有するごく薄い厚みの層で、且つ、実質的に空隙が無い状態で形成される層である。一方、空隙形成層4は、活物質同士が部分的且つ直接に接合することにより、該活物質が連続的に存在する構造を有する層で、且つ、電解液が浸透可能な空隙を有する多孔質の層として形成される層である。電極板を断面は、走査型電子顕微鏡(SEM)観察により、倍率1万倍から5万倍程度で観察することができる。
尚、本発明の製造方法により製造された電極板における緻密層に関し「実質的に空隙がない状態」とは、活物質同士が密接に接合することにより、電子顕微鏡において50,000倍の倍率で観察した際に、肉眼において空隙が観察されない状態を意味する。一方、空隙形成層における空隙は、従来公知の非水電解液二次電池用電極板における電極活物質層において示される空隙率を備えるものであればよい。
(電極の充放電レート特性評価方法)
本発明により製造された電極板の出入力特性は、放電容量維持率(%)を求めることにより評価することができる。即ち、上記放電容量維持率は、放電レート特性を評価するものであり、放電レート特性が向上した電極板においては、一般的に、充電レート特性も同様に向上していると理解される。したがって、望ましい放電容量維持率が示される場合には、充放電レート特性が向上したと評価され、この結果、出入力特性が向上とした評価するものである。より具体的には、活物質の有する放電容量(mAh/g)の理論値を1時間で放電終了となるよう放電レート1Cを設定し、設定された1Cの放電レートにおいて実際に測定された放電容量(mAh/g)を放電容量維持率100%とする。そしてさらに放電レートを高くしていった場合の放電容量(mAh/g)を測定し、以下の数1に示す計算式より放電容量維持率(%)を求めることができる。
尚、上記放電容量は、三極式コインセルにより電極自体の放電容量を測定することにより求められる。
(実施例1)
電極活物質を生成する原料(溶質)として、Li(CHCOO)・2HO[分子量:102.02]を10.2g、およびCo(NO・6HO[分子量:291.03]を29g用い、水30gとメタノール50gの混合溶媒に溶解させた溶液を得た。そして上記溶液に、上記硝酸コバルトと酢酸リチウムの混合物の熱分解開始温度である200℃において、加熱重量減少率が100重量%未満である高分子物質として、アクリル樹脂(オリコックスKC210、共栄社化学株式会社製)の10重量%エタノール溶液を、20g混合した混合溶液を得た。上記混合溶液をバイオシェーカーで温度70℃、回転数200rpmにて5時間かけて攪拌し、その後2時間室温で保持することによって電極活物質層形成溶液を調製した。尚、上記アクリル樹脂の加熱重量減少率は、200℃において4重量%であることを予め確認した。
そして、集電体として厚さ15μmのアルミ板を準備し、最終的に得られる電極活物質層の厚みが1μmとなる量で、当該集電体の一面側に上記にて調製した電極活物質層形成溶液をミヤバーで塗布して電極活物質層形成用塗膜を形成した。
次に、表面に電極活物質層形成用塗膜が形成された集電体を、大気雰囲気下で常温の状態の電気炉内に集電体の両側から加熱可能な姿勢で設置し、室温から1時間かけて200℃に昇温し、200℃で1時間保持し、続けて600℃まで1時間かけて昇温し、60℃になるまで冷却したのち、電気炉内から取り出し、集電体上に正極活物質層として適切な電極活物質層が積層された非水電解液二次電池用電極板を得た。そして上記電極板を所定の大きさ(直径15mmの円板)に繰り抜き、実施例1とした。
<膜形成性評価>
実施例1を作成するにあたり、上述で得られた非水電解液二次電池用電極板を所定の大きさに繰り抜く加工を行ったが、当該加工作業において、電極活物質層が剥離するなどの不具合なく、後述する充放電試験に用いる作用極を形成することができた。このことから、電極活物質層の膜形成性が良好であることを確認した。以下に示す実施例および比較例においても、膜形成性が良好であるとは、上述するように、不具合なく電極板を繰り抜く加工ができた場合を意味する。一方、上記繰り抜き加工において電極活物質層の一部が剥がれたり、あるいは電極活物質が集電体上から落下して三極式コインセルの作用極として使用に耐える円板が形成されなかった場合には、電極活物質層の膜形成性が不良であると評価するものとする。
<電子顕微鏡観察、電極活物質層の膜厚、粒径測定、X線回折>
実施例1を用いて、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて50,000倍の倍率で集電体面に対し垂直方向に切断した断面を観察し、且つ、電極活物質層を構成する物質をX線回折装置(XRD)たところ、集電体表面上に、電極活物質層と(膜厚1μm)として粒子状のLiCoOからなる層が製膜されていることを確認した。該電極活物質層は、該電極活物質層の集電体側に、LiCoOからなる空隙を有しないごく薄い厚みの緻密層が存在し、且つ、該緻密層に接して、LiCoOからなる粒子が互いに部分的且つ直接的に接合するとともにその周囲に空隙が形成されて構成される空隙形成層が存在することを確認した。また上記電子顕微鏡観察により得られた電子顕微鏡写真により、電極活物質層を構成する粒子の粒径を、画像解析式粒度分布測定ソフトウェア(株式会社マウンテック製、MAC VIEW)を用いて粒子20点の最長粒径を測定し、その算術平均を求めたところ、平均粒径は263nmであった。尚、電極活物質層の膜厚は、その都度、電体面に対し垂直方向に切断した断面を任意の倍率の電子顕微鏡観察することによって測定するが、本実施例では、電極活物質層は10000倍の倍率で観察して膜厚を測定した。
三極式コインセルの作製:
エチレンカーボネート(EC)/ジメチルカーボネート(DMC)混合溶媒(体積比=1:1)に、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を加えて、当該溶質であるLiPFの濃度が、1mol/Lとなるように濃度調整して、非水電解液を調製した。そして、正極板として上述のとおり作製した実施例1(直径15mmの円板、含有される正極活物質の重量:1mg/1.77cm)を作用極として用い、対極板及び参照極板として金属リチウム板、電解液として上記にて作製した非水電解液を用い、セパレータとして多孔質性ポリエチレンシートを用いて、三極式コインセルを組み立て、これを実施例試験セル1とした。そして実施例試験セル1を下記充放電試験に供した。
<充放電試験>
上述のとおり作成した三極式コインセルである実施例試験セル1において、作用極の充放電レート特性を評価するために、まず実施例試験セル1を下記充電試験のとおり満充電させた。
充電試験:
実施例試験セル1を、25℃の環境下で、電圧が4.3Vに達するまで定電流(1.2mA)で定電流充電し、当該電圧が4.3Vに達した後は、電圧が4.3Vを上回らないように、当該電流(放電レート:1C)が5%以下となるまで減らしていき、定電圧で充電を行ない、満充電させた後、10分間休止させた。尚、ここで、上記「1C」とは、上記三極式コインセルを用いて定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値(放電終止電圧に達する電流値)のことを意味する。また上記定電流は、実施例試験セル1における作用極において、電極活物質であるLiCoOの理論放電量130mAh/gが1時間で放電されるよう設定された。
放電試験:
その後、満充電された実施例試験セル1を、25℃の環境下で、電圧が4.3V(満充電電圧)から3.0V(放電終止電圧)になるまで、定電流(0.12mA)(放電レート:1C)で定電流放電し、縦軸にセル電圧(V)、横軸に放電時間(h)をとり、放電曲線を作成し、作用極(実施例1)の放電容量(mAh)を求め、当該作用極の単位重量当たりの放電容量(mAh/g)に換算した。
続いて、上述のとおり実施した定電流(0.12mA)(放電レート:1C、放電終了時間:1時間)での定電流放電試験を基準として、10倍の定電流(1.2mA)(放電レート:10C、放電終了時間:6分)においても、同様にして定電流放電試験を行ない、放電レート10Cにおける作用極の放電容量(mAh)を求め、これより単位重量当たりの放電容量(mAh/g)を換算した。
<放電容量維持率(%)の算出>
作用極の出力特性(放電レート特性)を評価するため、上述のとおり得られた各放電レートにおける単位重量当たりの各放電容量(mAh/g)を用い、上述で示した数1により放電容量維持率(%)を求めた。尚、上記放電試験により得られた単位重量当たりの放電容量(mAh/g)及び放電容量維持率(%)は、いずれも表2にまとめて示す。
(実施例2)
用いる高分子物質として、ウレタン樹脂(荒川化学工業社製、KL593)5重量%のエタノール溶液20gを用いたこと以外は実施例1と同様に非水電解液二次電池用正極板を製造し、これを実施例2とした。尚、実施例2に用いたウレタン樹脂の加熱重量減少率は、200℃において0重量%であることを予め確認した。
(実施例3)
用いる高分子物質として、ポリエチレンオキサイド(日新化成)5重量%水溶液を30g用いたこと以外は実施例1と同様に非水電解液二次電池用正極板を製造し、これを実施例3とした。尚、実施例3に用いたポリエチレンオキサイドの加熱重量減少率は、200℃において3重量%であることを予め確認した。
(実施例4)
用いる高分子物質として、ポリエチレングリコール1000(関東化学社製)5重量%メタノール溶液を30g用いたこと以外は実施例1と同様に非水電解液二次電池用正極板を製造し、これを実施例3とした。尚、実施例3に用いたポリエチレングリコール1000の加熱重量減少率は、200℃において58重量%であることを予め確認した。
(実施例5)
用いる高分子物質として、エチルセルロース(ダウケミカル社製 STD−200)エタノール重量%水溶液30gを用いたこと以外は実施例1と同様に非水電解液二次電池用正極板を製造し、これを実施例3とした。尚、実施例3に用いたエチルセルロースの加熱重量減少率は、200℃において6重量%であることを予め確認した。
実施例2から5について、実施例1と同様に、膜形成性評価、電子顕微鏡観察、電極活物質層の膜厚測定、粒径測定、X線回折を行った。電子顕微鏡観察において、実施例1と同様に空隙形成層および緻密層が集電体上に形成されていることを確認した。また、X線回折により、電極活物質層を構成している化合物の組成を確認した。上記結果は、表1に示す。
実施例試験セル1と同様に、実施例2から4を用いて、それぞれ実施例試験セル2から4を作成した。そして上記実施例試験セル2〜4を用い、各放電レートにおける定電流を、表2に示す値に変更した以外は、実施例試験セル1と同様に充電試験および放電試験を実施し、各放電レートにおける作用極の放電容量(mAh)を求め、これより単位重量当たりの放電容量(mAh/g)を換算した。また実施例試験セル2および実施例試験セル3について、実施例試験セル1と同様に、計算式(数1)を用いて、放電容量維持率(%)を求めた。結果については、表2にまとめて示す。
(比較例1)
正極活物質の原料として平均粒径5μmのLiNi0.33Co0.33Mn0.33粉末80重量部、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)10重量部、及び樹脂製結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(クレハ社製、KF#1100)10重量部に、有機溶媒であるN−メチルピロリドン(NMP)(三菱化学社製)を加えて、分散させ、固形分濃度が55重量%となるようにエクセルオートホモジナイザー(株式会社日本精機製作所)で5000rpmの回転数で15分間攪拌して、スラリー状の正極活物質層形成用塗工組成物を調製した。そして上記にて調製した正極活物質層形成用塗工組成物を、正極集電体として用いる厚さ15μmのアルミ箔上に、乾燥後の正極活物質層形成用塗工組成物の塗布量が68g/mとなるように塗布し、オーブンを用いて、120℃の大気雰囲気下で20分乾燥させて、集電体表面上に正極用の電極活物質層を形成した。さらに、形成された電極活物質層の塗布密度が2.0g/cm(正極活物質層の厚さ:24μm)となるように、ロールプレス機を用いてプレスした後、所定の大きさ(直径15mmの円板)に裁断し、120℃にて12時間、真空乾燥させて、非水電解液二次電池正極用の電極板を作製し、これを比較例1とした。比較例1について、実施例1と同様に膜形成性を評価した。結果は表1に示す。
<三極式コインセルの作製>
上述のとおり作製された比較例1を作用極に用いた以外は、実施例試験セル1と同様に三極式コインセルを組み立て、これを比較例試験セル1とした。
<充電試験及び放電試験>
比較例試験セル1について、各放電レートにおける定電流を、表2に示す値に変更した以外は、実施例試験セル1と同様に充電試験及び放電試験を実施し、各放電レートにおける作用極の放電容量(mAh)を求め、これより単位重量当たりの放電容量(mAh/g)を換算した。また実施例試験セル1と同様に、計算式(数1)を用いて、放電容量維持率(%)を求めた。結果については、表2にまとめて示す。
(比較例2)
樹脂製結着材を用いなかったこと以外は比較例1と同様に非水電解液二次電池用正極を製造し、これを比較例2とした。比較例2は、所定の大きさ(直径15mmの円板)に裁断する際に、粒子状の電極活物質が集電体から剥がれ落ち、充放電試験を実施することができなかった。
以上より、本発明の製造方法の実施により製造された実施例1〜5は、いずれも、集電体上においてコバルト酸リチウムが生成されており、この粒子状のコバルト酸リチウムが互いに接合することによって電極活物質層が形成されていることが確認された。また該電極活物質層は、いずれも集電体に接して緻密層が形成されており、且つ、緻密層に接して空隙形成層が形成
実施例1〜5は、いずれも膜形成性が良好であり、樹脂製結着材を用いずとも、電極活物質同士が互いに接合するとともに集電体上に固着することによって、膜密着性の優れた非水電解液二次電池用電極板を製造することができることが確認された。
また、実施例1を用いて実施例試験セル1を作成し充放電試験に供したところ、充放電反応が確認されたことから、生成されたコバルト酸リチウムが、リチウム挿入脱離反応を示すことを確認した。しかも、実施例試験セル1において示された充放電容量維持率は、同様に充放電試験を実施した比較例試験セル1における充放電維持率よりも、著しく高く、本発明の製造方法によって製造された電極板が、出入力特性の向上を示すことが示された。

1 電極板
2 集電体
3 緻密層
4 空隙形成層
5 電極活物質層

Claims (3)

  1. 集電体の表面の少なくとも一部上に、電極活物質を含む電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板の製造方法であって、
    アルカリ金属含有化合物と、遷移金属含有化合物と、上記遷移金属含有化合物の熱分解開始温度における加熱重量減少率が100重量%未満である高分子物質と、が少なくとも含有される電極活物質層形成溶液を調製し、
    上記電極活物質層形成溶液を集電体表面の少なくとも一部上に塗布して塗膜を形成し、
    次いで上記塗膜が形成された集電体に対して熱源を該集電体の両側あるいは該集電体の塗膜を有しない面側に設置して、上記遷移金属含有化合物の熱分解開始温度以上の温度で加熱し、
    該集電体表面上にアルカリ金属挿入脱離反応を示すアルカリ金属遷移金属複合酸化物を生成することによって、該アルカリ金属遷移金属複合酸化物を電極活物質として含む電極活物質層を形成することを特徴とし、
    上記遷移金属化合物の熱分解開始温度とは、遷移金属化合物を10℃/分の昇温速度で加熱した時に、該遷移金属含有化合物の重量が、加熱開始時の重量から5重量%減少した時の温度であり、上記高分子物質の加熱重量減少率とは、高分子物質を10℃/分の速度で昇温加熱して遷移金属化合物の熱分解開始温度に達した時の重量の、元の重量に対する重量変化率であることを特徴とする非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  2. 上記アルカリ金属含有化合物に含有されるアルカリ金属がリチウムおよび/またはナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
  3. 上記遷移金属元素含有化合物に含有される遷移金属が、コバルト、ニッケル、マンガン、鉄、およびチタンの群から選択される1種または2種以上の金属であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
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