JP2011209136A - 組合せ秤 - Google Patents

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Abstract

【課題】1個のロードセルによって計量される複数の載置部に、同時に被計量物が載せられた場合でも、その同時載せを検出できるようにする。
【解決手段】同時載せによって、2個の載置部に被計量物がそれぞれ載っているにもかかわらず、被計量物の合計重量を有する被計量物が、一方の載置部だけに載せられたと演算手段が誤って認識する。一方の載置部から被計量物が降ろされると、演算手段は、合計重量の被計量物から実際に降ろされた被計量物の重量分を差し引くために、一方の載置部には、被計量物の重量が残存していると認識し(ステップS7)、このとき、重心位置を改めて求めると、一方の載置部からは被計量物を降ろしており、他方の載置部には、同時載せした被計量物が載っているので、重心位置は、他方の載置部にある(ステップS8)。これによって、同時載せのエラーが生じたことを検出する(ステップS9)。
【選択図】図7

Description

本発明は、被計量物の重量を計量する組合せ秤に関する。
従来、被計量物の供給及び取り出しを作業者の手作業により行う手動式の組合せ秤がある(例えば、特許文献1、2参照)。
このような手動式の組合せ秤の場合、ロードセル等の荷重検出器を取り付けた計量皿を複数備え、作業者が各計量皿に被計量物を載せると、各計量皿それぞれの被計量物の重量の計量が荷重検出器により行われると共に、各計量皿の計量値に基づいての組合せ演算が行われる。そして、被計量物の合計重量が所定重量範囲になる適量組合せになると、その組合せに対応する各計量皿ではそれぞれの計量皿近傍に設けてある組合せランプをそれぞれ点灯させることで、作業者が、組合せランプが点灯している計量皿から被計量物を取り出すように構成されている。
しかしながら、こうした組合せ秤では、各計量皿それぞれに高価なロードセルを取り付けているため、計量皿の個数と同数のロードセルが必要となり、製造コストが増大するという課題がある。
そこで、本件出願人は、1個のロードセルによって複数の各計量皿の被計量物の重量を計量できるようにして製造コストの低減を図った組合せ秤をすでに提案している(例えば、特許文献3参照)。
特開平3−251725号公報 特開平2−10227号公報 特開2009−276267号公報
上記特許文献3に開示する組合せ秤では、1個のロードセルによって計量する複数の計量皿の内、いずれか一つの計量皿に被計量物を載せると、モーメント検出機能が付加された前記ロードセルによって検出される荷重の変化とモーメントの変化とに基づき、被計量物の重心位置を算出し、当該重心位置に対応する計量皿に、前記荷重に相当する被計量物が載せられたと判定するようになっている。
このような組合せ秤の場合、1個のロードセルによって計量する複数の計量皿の内、複数、例えば、2個の計量皿に同時に被計量物を載せる、いわゆる、同時載せが生じてしまった場合には、被計量物の重心位置を正確に算出することができなくなり、2個の計量皿の重量の分布が不明となってしまう。
このため、上記特許文献3では、1個のロードセルによって計量する複数の計量皿には、同時に被計量物を載せないことが前提となっており、同時載せが生じた場合の処理についての技術は、開示されていない。
しかしながら、手動式の組合せ秤では、作業者が、複数の計量皿に同時に被計量物を載せる同時載せが生じる場合があり、かかる同時載せを検出できるようにする必要がある。
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたものであって、1個のロードセルによって計量される複数の計量皿に、同時に被計量物が載せられた場合でも、その同時載せを検出できるようにすることを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明では、次のように構成している。
(1)本発明の組合せ秤は、被計量物が載せられる2個の載置部をそれぞれ有する複数の計量台と、各計量台の荷重をそれぞれ検出する複数の荷重検出器と、前記荷重によって各計量台に作用するモーメントをそれぞれ検出する複数のモーメント検出手段と、前記荷重検出器の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、降ろされる前記被計量物の重量を求めると共に、前記荷重検出器および前記モーメント検出手段の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、前記載置部から降ろされた前記被計量物の重心位置を求め、求めた重心位置と前記載置部の重心位置とに基づいて、前記被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた前記載置部を求める演算手段と、前記演算手段によって求められた被計量物の重量および載置部に基づいて、組合せ演算を行う組合せ演算手段と、前記組合せ演算によって組合せが成立して選択されている載置部を報知する報知手段とを具備する組合せ秤であって、前記2個の載置部に被計量物を同時に載せる同時載せをエラーとして検出するエラー検出手段を具備し、前記演算手段は、求めた前記被計量物および前記載置部を更新記憶する記憶部を有し、前記2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が残っているときには、前記エラー検出手段は、前記演算手段によって改めて求めた被計量物の重心位置が、他方の載置部にあるか否かを判断し、他方の載置部にあるときには、前記同時載せと判定するものである。
ここで、同時載せとは、2個の載置部に被計量物を同時に載せる、あるいは、2個の載置部に跨って被計量物を載せる場合をいう。同時とは、一方の載置部に被計量物を載せてから他方の載置部に被計量物を載せるまでの期間内に荷重検出器よる検出荷重が安定しないことをいう。
更新記憶とは、載置部に被計量物を載せ、あるいは、降ろすことによって変化する各載置部の被計量物の重量を新たに記憶することをいう。すなわち、記憶部には、2個の載置部についての被計量物の重量が記憶されるのであるが、例えば、一方の載置部に被計量物が載せられると、一方の載置部について記憶されている重量に、載せられた前記被計量物の重量が加算された重量が新たに記憶され、また、例えば、一方の載置部から被計量物が降ろされると、一方の載置部について記憶されている重量から、降ろされた前記被計量物の重量が減算された重量が新たに記憶されることになる。
2個の載置部に、同時に被計量物が載せられると、演算手段では、各載置部の被計量物の重量およびその重心位置を求めることができず、同時に載せられた被計量物の合計重量による合力が作用する位置を重心位置とする前記合計重量を有する仮想の被計量物が載せられたと認識してしまう。特に、各載置部に同時に載せられる被計量物の重量の差が大きい場合には、重量が大きい被計量物側の載置部内に、前記仮想の被計量物の重心位置が求まるので、エラーとして検出するのが困難となる。
本発明では、2個の載置部に被計量物が、同時に載せられて、演算手段が、いずれか一方の載置部に、同時に載せられた被計量物の合計重量を有する仮想の被計量物が載せられたと認識し、更に、この仮想の被計量物が載置部から降ろされたと認識したときに、実際に降ろされた被計量物との相違に基づいて、同時載せを検出するものである。
すなわち、本発明では、同時載せによって、実際には、2個の載置部に被計量物がそれぞれ載っているにもかかわらず、被計量物の合計重量を有する仮想の被計量物が、一方の載置部だけに載せられたと演算手段が誤って認識し、この一方の載置部から実際に被計量物が降ろされたときに、同時載せを検出するものである。一方の載置部から被計量物が実際に降ろされても、演算手段は、合計重量の仮想の被計量物から実際に降ろされた被計量物の重量分を差し引くために、一方の載置部には、仮想の被計量物の重量が残存していると認識する。このとき、実際の重心位置を改めて求めると、一方の載置部からは被計量物を降ろしており、他方の載置部には、同時載せした被計量物が載っているので、改めて求めた重心位置は、他方の載置部にある。すなわち、一方の載置部にあるべき重心位置が、実際には、他方の載置部にある。これによって、同時載せのエラーが生じたことを検出するものである。
具体的には、本発明では、2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が残っているときには、前記エラー検出手段は、前記演算手段によって改めて求めた被計量物の重心位置が、他方の載置部にあるか否かを判断し、他方の載置部にあるときには、前記同時載せと判定するものである。
本発明の組合せ秤によると、作業者が被計量物を各載置部に載せると、被計量物が載せられた載置部と、その被計量物の重量とを求めることができ、それらの重量に基づいて組合せ演算を行うことができる。2個の載置部の各被計量物の重量をそれぞれ計量するために用いられる高価な荷重検出器は、1個だけであるので、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明の組合せ秤によると、重量差が大きい被計量物を同時載せし、重心位置が重量の大きい被計量物側の載置部にあるような場合、すなわち、同時載せを当初は検出できないような場合であっても、被計量物が降ろされることによる重心位置の移動を改めて求めることによって、同時載せが生じたことを検出することが可能となり、エラーを報知するなどの適宜の措置をとることが可能となる。
(2)本発明の組合せ秤は、被計量物が載せられる2個の載置部をそれぞれ有する複数の計量台と、各計量台の荷重をそれぞれ検出する複数の荷重検出器と、前記荷重によって各計量台に作用するモーメントをそれぞれ検出する複数のモーメント検出手段と、前記荷重検出器の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、降ろされる前記被計量物の重量を求めると共に、前記荷重検出器および前記モーメント検出手段の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、前記載置部から降ろされた前記被計量物の重心位置を求め、求めた重心位置と前記載置部の重心位置とに基づいて、前記被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた前記載置部を求める演算手段と、前記演算手段によって求められた被計量物の重量および載置部に基づいて、組合せ演算を行う組合せ演算手段と、前記組合せ演算によって組合せが成立して選択されている載置部を報知する報知手段とを具備する組合せ秤であって、前記2個の載置部に被計量物を同時に載せる同時載せをエラーとして検出するエラー検出手段を具備し、前記演算手段は、求めた前記被計量物の重量および前記載置部を更新記憶する記憶部を有し、前記エラー検出手段は、前記2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が、マイナスになるときには、前記同時載せと判定するものである。
本発明では、2個の載置部に被計量物が同時に載せられ、更に、被計量物が載っている一方の載置部に、被計量物が載せられて積み増しされ、この積み増しされた一方の載置部の被計量物が降ろされたときに、同時載せを検出するものである。
すなわち、同時載せによって、実際には、2個の載置部に被計量物がそれぞれ載っているにもかかわらず、演算手段は、被計量物の合計重量を有する仮想の被計量物が、重量の大きな被計量物が載っている他方の載置部だけに載せられ、一方の載置部には、被計量物は載せられていないと誤って認識し、その後、一方の載置部に被計量物が積み増しされた。この場合、実際には、一方の載置部には、同時載せされた被計量物と積み増しされた被計量物とが載っているが、演算手段は、積み増しされた被計量物しか載っていないと誤って認識している。この積み増しされた一方の載置部の被計量物が、例えば、組合せが成立して降ろされると、実際には、同時載せされた被計量物と積み増しされた被計量物が降ろされるので、一方の載置部の重量から両被計量物の重量が減算されることになる。演算手段は、一方の載置部に同時載せされた被計量物の重量は、他方の載置部の仮想の被計量物の重量の一部として認識しており、一方の載置部には、積み増しされた被計量物しか載っていない誤って認識しているので、この積み増しされた被計量物の重量から、上記両被計量物の重量を減算すると、重量が負となり、同時載せが生じていたことを検出することができる。
具体的には、本発明では、エラー検出手段は、前記2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が、マイナスになるときには、前記同時載せと判定するものである。
本発明の組合せ秤によると、作業者が被計量物を各載置部に載せると、被計量物が載せられた載置部と、その被計量物の重量とを求めることができ、それらの重量に基づいて組合せ演算を行うことができる。2個の載置部の各被計量物の重量をそれぞれ計量するために用いられる高価な荷重検出器は、1個だけであるので、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明の組合せ秤によると、重量差が大きい被計量物を同時載せし、重心位置が重量の大きい被計量物側の載置部にあるような場合、すなわち、同時載せを当初は検出できないような場合であっても、一方の載置部に被計量物が積み増しされ、その一方の載置部の被計量物が降ろされることによる重量値の変化によって、同時載せが生じたことを検出することが可能となり、エラーを報知するなどの適宜の措置をとることが可能となる。
(3)本発明の組合せ秤は、被計量物が載せられる2個の載置部をそれぞれ有する複数の計量台と、各計量台の荷重をそれぞれ検出する複数の荷重検出器と、前記荷重によって各計量台に作用するモーメントをそれぞれ検出する複数のモーメント検出手段と、前記荷重検出器の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、降ろされる前記被計量物の重量を求めると共に、前記荷重検出器および前記モーメント検出手段の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、前記載置部から降ろされた前記被計量物の重心位置を求め、求めた重心位置と前記載置部の重心位置とに基づいて、前記被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた前記載置部を求める演算手段と、前記演算手段によって求められた被計量物の重量および載置部に基づいて、組合せ演算を行う組合せ演算手段と、前記組合せ演算によって組合せが成立して選択されている載置部を報知する報知手段とを具備する組合せ秤であって、前記2個の載置部に被計量物を同時に載せる同時載せをエラーとして検出するエラー検出手段を具備し、前記演算手段は、求めた前記被計量物の重量および前記載置部を更新記憶する記憶部を有し、前記2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が残っていると共に、他方の載置部にも被計量物の重量がある場合に、前記エラー検出手段は、前記演算手段によって被計量物の重心位置を改めて求め、求めた被計量物の重心位置を維持するためには、前記一方の載置部の前記残っている被計量物の重心位置が、該一方の載置部の予め定めた位置にあると仮定したときに、前記他方の載置部の被計量物のあるべき重心位置を求め、求めた重心位置が、前記他方の載置部に対応する領域にないときには、前記同時載せと判定するものである。
予め定めた位置は、一方の載置部の載置領域内であればよく、他方の載置部寄りの位置であるのが好ましい。
他方の載置部に対応する領域とは、他方の載置部に被計量物が載置される領域そのものとしてもよいし、エラーの検出精度等を考慮して前記載置される領域よりも大きな領域としてもよい。
本発明では、2個の載置部に被計量物が同時に載せられ、更に、被計量物が載っている載置部に、被計量物が載せられて積み増しされ、積み増しされていない一方の載置部の被計量物が降ろされたときに、同時載せを検出するものである。
すなわち、同時載せによって、実際には、2個の載置部に被計量物がそれぞれ載っているにもかかわらず、演算手段は、被計量物の合計重量を有する仮想の被計量物が、重量の大きな被計量物側の一方の載置部だけに載せられたと誤って認識し、その後、実際に、他方の載置部に被計量物が積み増しされ、更に、一方の載置部の被計量物が降ろされると、実際には、一方の載置部には、被計量物が載っていないにもかかわらず、演算手段は、前記合計重量を有する仮想の被計量物が載っていたと誤って認識していたので、一方の載置部から降ろされた被計量物の重量を差し引いても重量が残っており、被計量物が載っていると誤って認識している。このとき、実際の重心位置を改めて求めると、同時載せされた被計量物と積み増しされた被計量物が載っている他方の載置部にある。この実際の重心位置を保つには、一方の載置部に残っていると誤って認識している被計量物が、一方の載置部の予め定めた位置、例えば、一方の載置部の最も他方の載置部寄りの位置にあると仮定したときに、他方の載置部に積み増しされた被計量物の重心位置がどこにあるべきかを求めると、他方の載置部から外れた位置となる。これによって、同時載せが生じていたことを検出することができる。
具体的には、本発明では、前記2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が残っていると共に、他方の載置部にも被計量物の重量がある場合に、前記エラー検出手段は、前記演算手段によって被計量物の重心位置を改めて求め、求めた被計量物の重心位置を維持するためには、前記一方の載置部の前記残っている被計量物の重心位置が、該一方の載置部の予め定めた位置にあると仮定したときに、前記他方の載置部の被計量物のあるべき重心位置を求め、求めた重心位置が、前記他方の載置部に対応する領域にないときには、前記同時載せと判定するものである。
本発明の組合せ秤によると、作業者が被計量物を各載置部に載せると、被計量物が載せられた載置部と、その被計量物の重量とを求めることができ、それらの重量に基づいて組合せ演算を行うことができる。2個の載置部の各被計量物の重量をそれぞれ計量するために用いられる高価な荷重検出器は、1個だけであるので、製造コストの低減を図ることができる。
また、本発明の組合せ秤によると、重量差が大きい被計量物を同時載せし、重心位置が重量の大きい被計量物が載せられた載置部にあるような場合、すなわち、同時載せを当初は検出できないような場合であっても、一方の載置部に被計量物が積み増しされ、他方の載置部の被計量物が降ろされることによる重量値及びモーメントの変化に基づいて、同時載せが生じたことを検出することが可能となり、エラーを報知するなどの適宜の措置をとることが可能となる。
(4)本発明の組合せ秤の好ましい実施態様では、被計量物が降ろされた前記一方の載置部は、前記組合せ演算によって組合せが成立して選択されている載置部であることが前記報知手段によって報知されたものである。
この実施態様によると、作業者が、組合せが成立している載置部の被計量物を降ろすことによって、同時載せのエラーを検出できるので、同時載せのエラーが生じたことを作業者に報知することによって、作業者は、計量をし直すことができ、正確な組合せ重量を確保することができる。
本発明の他の実施形態として、エラー検出手段によって同時載せのエラーが検出されたときに、その旨を報知するエラー報知手段を設けてもよい。このエラー報知手段としては、例えば、ランプ、ブザー、音声、画面表示などのいずれか、あるいは、それらを組み合わせて報知するのが好ましい。
(5)本発明の組合せ秤の別の実施態様では、各計量台の2個の載置部の前記重心位置が、直線状に並んで配置され、前記エラー検出手段は、前記演算手段によって求められる前記被計量物の重心位置が、前記2個の載置部の間の中間領域にあるときに、前記同時載せと判定するようにしてもよい。
この実施態様によると、同時載せされる被計量物に重量の差があまりない場合には、同時載せ後の重心位置が、2個の載置部の間の、被計量物を載せてはならない中間領域となるので、同時載せを、該同時載せの当初から検出することができる。
このように本発明によれば、同時載せを当初は検出できないような場合であっても、その後の被計量物の載せ降ろしによって、同時載せが生じたことを検出することが可能となり、エラーを報知するなどの適宜の措置をとることが可能となる。これによって、計量誤差を低減できると共に、正確な組合せ重量を確保することができる。
図1は本発明の実施形態にかかる組合せ秤の斜視図である。 図2は図1の計量台2付近の概略構成を示す側面図である。 図3は図1の組合せ秤1の構成を示すブロック図である。 図4は同時載せ検出のフローチャートである。 図5は同時載せを説明するための図である。 図6は同時載せの検出手順を説明するための図である。 図7は図6の同時載せ検出のフローチャートである。 図8は同時載せ及び積み増しを説明するための図である。 図9は同時載せの他の検出手順を説明するための図である。 図10は図9の同時載せ検出のフローチャートである。 図11は同時載せの他の検出手順を説明するための図である。 図12は図11の同時載せの検出原理を説明するための図である。 図13は図12の同時載せ検出のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態にかかる組合せ秤の斜視図である。
この実施形態に係る組合せ秤1は、手動式の組合せ秤であって、複数の計量台2と、フレーム部3と、制御ユニット4とを備えている。
各計量台2は、左右方向に延びる矩形状であって、その左右方向中間部が一段高い仕切部材6によって仕切られていると共に仕切部材6を挟む左右両側に載置部としての2個の皿部7a,7bが形成されている。各計量台2の各皿部7a,7bにそれぞれ被計量物が載せられて計量される。
この実施形態では、計量台2が前後方向に沿って6個、したがって、被計量物が載せられる皿部7a,7bが、計12個配置されている。
この組合せ秤1は、手動式であるため、作業者が直接各皿部7a,7bに対して、被計量物の載せ降ろしを行う。各計量台2では、後述のようにして、各皿部7a,7bに載せられた被計量物の重量をそれぞれ独立して計量することができる。
フレーム部3は、計量台2等を支持する部分であって、その左右両側それぞれには、LED等からなる複数の組合せランプ8が、計量台2の各皿部7a,7bに個別に対応するように前後方向に沿って設置されている。この組合せランプ8の緑色の点灯によって、作業者は組合せが成立して選択された(排出すべき)被計量物を認識したり、赤色の点滅によってエラー等を認識することができる。なお、この組合せランプ8において、左右のランプを明示する場合には、組合せランプ8a,8bとして説明する。
フレーム部3の後方側の中央には、組合せの再計算を行わせるためのリセットボタン9が設けられている。また、この組合せ秤1には、図示しないブザーも設けられている。
制御ユニット4は、フレーム部3の前方に位置しており、その前面には表示部10が設けられている。表示部10には組合せ条件を設定するための画面や組合せ結果についての画面などが表示される。この実施形態ではタッチパネルを採用しているため、表示部10の表面部分が入力部11となっている。この入力部11によって、組合せ条件などの設定を行うことができる。組合せ条件には、許容重量範囲、許容エリア、及び目標重量が含まれる。なお、この実施形態では、表示部10と入力部11が一体となっているが、表示部10と入力部11とを別々に配置してもよい。
図2は、図1の計量台2付近の概略構成を示す側面図であり、6個の計量台2の内の1個の計量台2を代表的に示している。この図2において、図1に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
なお、説明の都合上、図1及び図2に示すように、鉛直方向をz方向とし、z方向と垂直な互いに直交する2つの水平方向をx方向、y方向とする。
6個の各計量台2は、それぞれ対応する荷重及びモーメント検出器(以下、「荷重等検出器」という)12を備えている。すなわち、12個の皿部7a,7bに対して6個の荷重等検出器12を備えている。
被計量物が載せられる2個の皿部7a,7bが設けられた計量台2は、脚部2aを介して荷重等検出器12を構成する起歪体13の可動部13dと連結されている。
荷重等検出器12は、ロバーバル型ロードセルに、y方向水平軸回りのモーメントを検出するための構成を付加したものである。起歪体13の4箇所の起歪部14〜17に単軸ゲージからなる荷重検出用歪みゲージA〜Dが貼付されている。
起歪体13は、上下に対向する一対のビーム13a,13bにより連結された固定部13cと可動部13dとを有し、かつ、一対のビーム13a,13bの上下に対称となる4箇所を切り欠いて形成された薄肉部分からなる起歪部14〜17を有する。
そして、起歪体13は、可動部13dに鉛直荷重(下向きの力)が印加されると、起歪部14,17に引張り力が加わり、起歪部15,16に圧縮力が加わるという、ロバーバル型ロードセルの特徴を有する。
なお、上記のy方向水平軸回りのモーメントとは、被計量物の荷重によって計量台2に作用するモーメントであって、歪みゲージB、Dの所定の貼付位置(貼付場所の所定の中央位置)を通る鉛直軸と直交し、かつy方向(起歪体13の幅方向:図2の紙面に垂直方向)へ延びる水平軸H1の軸回りのモーメントである。
起歪体13は、その長手方向がx方向となるように、固定部13cの端部がフレーム部3内の取付け部3aに固定されている。また、2個の各皿部7a,7bは、その重心位置Pa,Pbがx方向に直線状に並んで配設されている。
図3は、図1の組合せ秤1の構成を示すブロック図であり、図1及び図2に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
荷重等検出器12の4つの歪みゲージA〜Dは、図3に示すように、ホイートストンブリッジ回路18が構成されるように接続されている。歪みゲージA〜Dの各々の初期抵抗値は、例えば350Ωで等しい。そして、歪みゲージA、Bの接続点N1と歪みゲージC、Dの接続点N3との間に直流電圧Vが印加され、歪みゲージA、Cの接続点N2と歪みゲージB、Dの接続点N4との間に発生する電位差信号が取り出され、A/D変換回路19に入力され、デジタル信号(Sw)に変換されて制御ユニット4の演算制御部20と減算回路21とに出力される。上記電位差信号は、ビーム13a、13bに生じた歪みの大きさ(歪み量)に比例した信号であり、計量台2に載せられた被計量物の総重量によって生じるz方向(鉛直方向)の力(鉛直荷重)を示すアナログ荷重信号である。この信号がA/D変換回路19にてデジタルの荷重信号Swに変換される。
また、接続点N1と接続点N3との間に、抵抗R1と抵抗R2とが直列接続され、歪みゲージB、Dと抵抗(ダミー抵抗)R1、R2とでホイートストンブリッジ回路を構成している。抵抗R1、R2の各抵抗値は、歪みゲージB、Dの初期抵抗値と等しく、例えば350Ωである。抵抗R1、R2の抵抗値は変動しないように構成されている。この場合、歪みゲージB、Dの接続点N4と抵抗R1、R2の接続点N5との間に発生する電位差信号が取り出され、A/D変換回路22に入力され、デジタル信号に変換されて減算回路21へ出力される。減算回路21では、A/D変換回路22の出力信号からA/D変換回路19の出力信号を減算し、その減算結果(Sy)が制御ユニット4の演算制御部20へ出力される。
A/D変換回路22の出力信号は、荷重信号成分とy方向水平軸回りのモーメント成分とが合成された信号であり、この信号から減算回路21によって荷重信号成分が取り除かれ、y方向水平軸回りのモーメント成分を示すモーメント信号Syが減算回路21から出力される。
上記の抵抗R1、R2とA/D変換回路19,22及び減算回路21は、図示しない回路基板によって構成され、例えば、起歪体13の一方のビーム13aと他方のビーム13bとの間に配設されている。また、直流電圧Vは例えば制御ユニット4から供給される。
制御ユニット4は、上述の演算制御部20及びメモリ23を備えると共に、上述の表示部10及び入力部11を備え、演算制御部20及びメモリ23は、例えばマイクロコンピュータ等によって構成されている。
制御ユニット4の演算制御部20では、各計量台2に対応する各荷重等検出器12からの荷重信号Swとモーメント信号Syとを所定時間間隔で常時入力し、全ての計量台2について、2個の各皿部7a,7b上の被計量物の重量を算出し、メモリ23に記憶する。
さらに、算出した被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行い、載せられている被計量物の重量の合計が目標重量に対する許容範囲(所定重量範囲)内になる皿部の組合せを1組求め、その組合せを適量組合せとする。
目標重量に対する許容範囲となる組合せが複数存在する場合には、目標重量と同じか目標重量に最も近い皿部の組合せを1組選択し、その組合せを適量組合せとする。
そして、適量組合せが成立して選択されている皿部に対応する組合せランプ8を点灯し、適量組合せの被計量物の重量の合計(組合せ重量)を表示部10に表示する。
制御ユニット4の演算制御部20では、各計量台2に対応する各荷重等検出器12からの荷重信号Swによって示される検出荷重Wと、モーメント信号Syによって示されるy方向水平軸回りのモーメントMyとから、次のようにして、各計量台2の2個の皿部7a,7bにどれだけの重量の被計量物が載せられたかを求める。
なお、予め各計量台2の2個の皿部7a,7bに被計量物が載せられていないときの荷重(初期荷重)をそれぞれ検出して記憶しておき、被計量物が載せられたときに検出される荷重から初期荷重を減算した被計量物により生じる荷重を検出荷重Wとする。
この実施形態において検出されるy方向水平軸回りのモーメントMyは、上述の図2に示される水平軸H1の軸回りのモーメントであり、制御ユニット4内のメモリ23に、モーメント検出位置(歪みゲージB、Dの所定の貼付位置)に対する各皿部7a,7bの重心位置を、座標として予め記憶している。
図2には、説明上、座標(x座標)も示している。x座標xa,xbは、モーメント検出位置(歪みゲージB、Dの所定の貼付位置)のx座標を原点(0)としたときの、モーメント検出位置から各皿部7a,7bの重心位置Pa,Pbまでのx方向水平距離に基づく値である。ここで、原点(0)より左側のx座標xaは、マイナスの値(上記x方向水平距離にマイナス符号を付した値)であり、原点(0)より右側のx座標xbは、プラスの値(上記x方向水平距離の値)である。
また、図2には、2個の皿部7a,7bを有する計量台2の長さをL、その中央の仕切部材6によって仕切られる中間領域の長さをLcとして示している。
この実施形態では、作業者は、被計量物を各計量台2の各皿部7a,7bに載せる。被計量物を載せる各計量台2及び各皿部7a,7bの順序は決められていない。また、作業者は、組合せが成立して組合せランプ8が緑色に点灯している全ての皿部7a,7bの被計量物を取り出し、例えば1つの袋へまとめてパックする。このパックされた被計量物の合計重量は目標重量に対する許容範囲内の重量になっている。
まず、例えば、計量台2の2個の皿部7a,7bのいずれにも被計量物が載っていない状態から、いずれか一方の皿部に被計量物が載せられたとする。このときに検出される検出荷重をW1とし、また、このときに検出されるy方向水平軸回りのモーメントをMy1とする。
ここで、被計量物の重量wp1により増加する鉛直荷重をWP1とすれば、次の(1)式が成り立つ。
WP1=W1 ・・・(1)
また、被計量物の鉛直荷重WP1によって生じるy方向水平軸回りのモーメントをM11とし、被計量物の重心位置のx座標をX1とすれば、次の(2)、(3)式が成り立つ。
M11=My1 ・・・(2)
M11=X1・WP1=X1・W1 ・・・(3)
上記の(2)、(3)式に基づいてX1を求めれば、次のようになる。
X1=My1/W1 ・・・(4)
すなわち、制御ユニット4の演算制御部20では、検出値W1を用いて(1)式に基づいて、この被計量物による荷重WP1を算出し、それを重量wp1に換算する。
例えば、wp1〔kg〕=WP1〔N〕/9.8として換算すればよい。
さらに、検出値My1、W1を用いて(4)式に基づいて演算することにより載せられた被計量物の重心位置のx座標であるX1を求める。
そして求めた被計量物の重心位置のx座標との距離が最も短い重心位置(Pa,Pb)のx座標を有する皿部を求め、その皿部に被計量物が載せられたと判定する。
以上により、最初に載せられた被計量物の重量と皿部が求まる。
次に、計量台2の他方の皿部に被計量物が載せられたとする。このときに検出される検出荷重をW2とし、また、このときに検出されるy方向水平軸回りのモーメントをMy2とする。
ここで、今回の被計量物の重量wp2により増加する鉛直荷重をWP2とすれば、次の(5)式が成り立つ。
WP2=W2−W1 ・・・(5)
また、今回の被計量物の鉛直荷重WP2によって生じるy方向水平軸回りのモーメントをM12とし、今回の被計量物の重心位置のx座標をX2とすれば、次の(6)、(7)式が成り立つ。
M12=My2−My1 ・・・(6)
M12=X2・WP2=X2・(W2−W1) ・・・(7)
上記の(6)、(7)式に基づいてX2を求めれば、次のようになる。
X2=(My2−My1)/(W2−W1) ・・・(8)
すなわち、制御ユニット4の演算制御部20では、検出値W1、W2を用いて(5)式に基づいて、この被計量物による荷重WP2を算出し、それを重量wp2に換算する。さらに、検出値My1、My2、W1、W2を用いて(8)式に基づいて演算することにより今回載せられた被計量物の重心位置のx座標であるX2を求める。そして求めた被計量物の重心位置のx座標との距離が最も短い重心位置(Pa,Pb)のx座標を有する皿部を求め、その皿部に今回被計量物が載せられたと判定する。以上により、今回載せられた被計量物の重量と皿部が求まる。
また、皿部に載せられている被計量物が降ろされる場合も同様にして降ろされる被計量物の重量と被計量物が降ろされる皿部とを求めることができる。すなわち、(5)式により求められる鉛直荷重WP2がプラスの場合(検出荷重が増加した場合)に被計量物が載せられたと判定し、マイナスの場合(検出荷重が減少した場合)に被計量物が降ろされたと判定すればよい。また、被計量物が降ろされたと判定した場合に、被計量物が降ろされた皿部がどの皿部であるかについては、載せられた場合と同様にして判定すればよい。
6個の各計量台2について、同様にして、載せられる被計量物の重量と皿部を求めればよい。
なお、この実施形態では、各計量台2は、2個の皿部7a,7bを有しているので、各計量台2について、2回で被計量物を各皿部7a,7bに載せることができるが、積み増しなどによる荷重変化があるために、2回の荷重変化で2個の皿部7a,7bへの被計量物の載置が終了するとは限らない。
したがって、3回目以降の荷重変化についても、同様にして、順々に載せられる被計量物の重量と皿部を求めればよい。例えば、k回目の被計量物が載せられたときに検出される検出荷重をWkとし、このときに検出されるy方向水平軸回りのモーメントをMykとする。また、1回前の(k−1)回目の被計量物が当計量台2に載せられたときに検出された荷重をW(k−1)とし、このときに検出されたy方向水平軸回りのモーメントをMy(k−1)とする。
ここで、k回目の被計量物の重量wpkにより増加する鉛直荷重をWPkとすれば、次の(9)式によりWPkが求められる。
WPk=Wk−W(k−1) ・・・(9)
また、(8)式の場合と同様、k回目の被計量物の重心位置のx座標をXkとすれば、次の(10)式によりXkが求められる。
Xk=(Myk−My(k−1))/(Wk−W(k−1)) ・・・(10)
また、皿部に載せられている被計量物が降ろされる場合も同様にして降ろされる被計量物の重量と被計量物が降ろされる皿部とを求めることができる。すなわち、(9)式により求められる鉛直荷重WPkがプラスの場合(検出荷重が増加した場合)に被計量物が載せられたと判定し、マイナスの場合(検出荷重が減少した場合)に被計量物が降ろされたと判定すればよい。また、被計量物が降ろされたと判定した場合に、被計量物が降ろされた皿部がどの皿部であるかについては、載せられた場合と同様にして判定すればよい。
以上のようにして、制御ユニット4の演算制御部20では、検出荷重が増加あるいは減少した場合、すなわち、検出荷重が変化した場合には、上述のように、検出荷重の変化量と検出されるモーメントの変化量とに基づいて、被計量物の重心位置を求めて被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた皿部7a,7bを求めると共に、載せられた被計量物の重量を求める。
このように被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた皿部7a,7bを求めて被計量物の重量を求めた後の処理は、従来の組合せ秤の処理と基本的に同様である。例えば、被計量物が載せられた皿部及び被計量物の重量を求めた後には、組合せ演算を行い、また、被計量物が降ろされた皿部及び被計量物の重量を求めた後には、例えば、被計量物の降ろされた皿部に対応する組合せランプが点灯しているか否かを判定し、点灯しているときには、組合せが成立した皿部から被計量物が降ろされたとして組合せランプを消灯するといった処理を行ない、所定時間間隔で入力される荷重信号Swとモーメント信号Syとに基づいて、被計量物の重量及び被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた皿部を求めるという処理を繰り返す。
この実施形態では、1個の荷重等検出器12によって2個の皿部7a,7bの各被計量物の重量を計測することができる。この荷重等検出器12は、1個のロバーバル型ロードセルに、y方向水平軸回りのモーメントを検出するための構成を付加しているだけであるため、複数のロードセルを用いることなく、製造コストの低減を図ることができる。
この実施形態のような手動式の組合せ秤では、作業者が、計量台2の2個の各皿部7a,7bに、同時に被計量物を載せる、同時載せが生じる場合がある。
ここで、同時載せとは、2個の皿部7a,7bのいずれか一方の皿部7a(または7b)のみに被計量物を載せてから他方の皿部7b(または7a)に被計量物を載せるまでの期間内に秤の安定がとれず、前記一方の皿部7a(または7b)のみに被計量物が載せられている状態での荷重の変化を検出できなかった場合をいう。また、この同時載せには、被計量物を2個の皿部7a,7bに跨って載せる、いわゆる、跨りも含まれる。
かかる同時載せが生じた場合には、各皿部7a,7bに同時に載せられた被計量物の合計重量による合力が作用するものとして被計量物の重心位置である上述のx座標が算出されるので、正しいx座標が算出できないことになる。
そこで、この実施形態では、かかる同時載せを検出できるように、次のようにしている。
すなわち、計量台2の2個の皿部7a,7bの間の中間領域には、被計量物を載せてはいけない載置禁止エリアを、図2に示すように、x座標の原点0を中心に長さLcに亘って設定する。この載置禁止エリアは、上述の仕切部材6によって、一段高く形成されており、この仕切部材6によって、2個の皿部7a,7bが左右に仕切られている。
そして、制御ユニット4は、検出荷重が増加したときには、上述のようにして検出荷重及び検出モーメントに基づいて、x座標を算出し、このx座標が、前記載置禁止エリア内となったときには、同時載せと判定するものである。
図4は、この同時載せ検出のフローチャートである。
先ず、各計量台2の各荷重等検出器12の出力信号Sw,Syを受信して重量値及びモーメント値をそれぞれ取込み(ステップS1)、全ての計量台2について重量値が増加あるいは減少、すなわち、重量値に変化があるか否かを判断し(ステップS2)、重量値が変化した場合には、その計量台2の重量変化及びモーメントの変化に基づいて、上述のようにして重量変化分の重心位置であるX座標を算出し(ステップS3)、算出したx座標が、載置禁止エリア内にあるか否かを判断する(ステップS4)。
算出したx座標が載置禁止エリア内にあるときには、同時載せが生じていると判定してエラー処理に移行する(ステップS5)。
算出したx座標が、載置禁止エリア内にないときには、算出したx座標が一方の皿部7a(または7b)内にあるか否かを判断し(ステップS6)、一方の皿部7a(または7b)内にあるときには、被計量物が一方の皿部7a(または7b)に載せられたとして変化した重量分を、一方の皿部7a(または7b)の重量として加算してステップS11に移行する(ステップS7)。ステップS11では、通常の処理、例えば、被計量物が載せられた皿部及び被計量物の重量を求めた後には、組合せ演算を行い、また、被計量物が降ろされた皿部及び被計量物の重量を求めた後には、例えば、被計量物の降ろされた皿部に対応する組合せランプが点灯しているか否かを判定し、点灯しているときには、組合せが成立した皿部から被計量物が降ろされたとして組合せランプを消灯するといった処理を行なって、再びステップS1に戻る。
また、ステップS6において、算出したx座標が一方の皿部7a(または7b)内にないときには、他方の皿部7b(または7a)内にあるか否かを判断し(ステップS8)、他方の皿部7b(または7a)内にあるときには、被計量物が他方の皿部7b(または7a)に載せられたとして変化した重量分を、他方の皿部7b(7a)の重量として加算してステップS11に移行する(ステップs9)。また、算出したx座標が他方の皿部7b(または7a)内にないときには、エラー処理に移行する(ステップS10)。なお、エラー処理については、後述する。
このように重量が変化したときには、その重量変化の重心位置であるX座標が、載置禁止エリア内にあるか否かによって、計量台2の2個の皿部7a,7bへの被計量物の同時載せを検出して、エラー処理に移行することができる。
次に、エラー処理について説明する。
上記同時載せなどのエラー状態では、2個の皿部7a,7bの正しい重量値が分らなくなっている。
したがって、かかるエラー状態では、エラーを作業者に報知するために、例えば、エラーが生じている計量台2の2個の皿部7a,7bに対応する組合せランプ8a,8bを赤色で点滅すると共に、ブザーでエラーの発生を報知する。エラーの発生を認識した作業者は、2個の各皿部7a,7bの被計量物を一旦降ろして、両皿部7a,7bの重量を、「0」gにして被計量物を載せ直す。これによって、各皿部7a,7bの被計量物の重量が明確となってエラーが解除される。
しかしながら、エラーの度に、作業者が、2個の各皿部7a,7bの被計量物を降ろして、載せ直すのは、非効率的である。
そこで、作業効率を高めるために、次のようにしてもよい。
すなわち、制御ユニット4は、同時載せを検出したエラー時には、そのエラーを検出した計量台2全体、すなわち、その計量台2の2個の皿部7a、7bをまとめて2個の皿部7a,7b全体を1個の皿部とみなして組合せ演算に参加させるようにする。制御ユニット4は、2個の皿部7a,7bをまとめたときには、まとめたことを示す統合フラグをオンすると共に、その統合した2個の皿部7a,7bにそれぞれ対応する各組合せランプ8a,8bに対して同一の指令を出力するようにする。例えば、組合せが成立したので、被計量物を取り除くための緑色の点灯表示を行う場合には、2個の皿部7a,7bにそれぞれ対応する2個の組合せランプ8a,8bに対して、組合せ成立を示す緑色の点灯表示の指令を出力する。
制御ユニット4は、統合した2個の皿部7a,7bの重量が全体として「0」gになったとき、例えば、統合した2個の皿部7a,7b全体を1個の皿部とみなして行った組合せ演算によって組合せが成立し、2個の皿部7a,7bの被計量物が全て降ろされたときに、統合を解除して統合フラグをオフすると共に1個ずつの各皿部7a,7bとして処理し、組合せ演算に参加させる、すなわち、エラーを解除して復帰させる。
以上のようにして同時載せを検出してエラー処理を行うのであるが、計量台2の2個の皿部7a,7bに同時に載せられる被計量物の重量の差が大きくなると、算出されるx座標の絶対値が大きくなって載置禁止エリアから外れてしまうので、同時載せが検出できないことになる。
すなわち、図5に示すように、重量差が大きい重量WAの被計量物24Aと重量WBの被計量物24Bとが、各皿部7b,7aに同時に載せられたと想定する。両被計量物24A,24Bの合計重量は、W(=WA+WB)となり、その重心位置であるx座標は、載置禁止エリアLcの外側の重量の重い被計量物24Aが載っている一方の皿部7b側となる。したがって、制御ユニット4の演算制御部20は、W(=WA+WB)の重量の被計量物が、合計重量Wが作用している位置、つまり、一方の皿部7bに載っていると誤って認識してしまう。
また、制御ユニット4の演算制御部20は、他方の皿部7aには、被計量物が全く載っていないと認識しているため、実際の被計量物の状態との間に誤差が生じてしまう。
この状態で、組合せ演算によって組合せが成立し、この計量台2が組合せに選ばれたと想定する。そのとき、制御ユニット4の演算制御部20は、一方の皿部7bにしか被計量物は載っていないと認識しているので、図6(a)に示すように一方の皿部7bに対応する組合せランプ8bにのみ、組合せ成立を示す点灯指令を出力する。現実には、合計重量(WA+WB)で組合せに選ばれているため、両方の被計量物24A,24Bを皿部7a,7bから降ろして取り除かないといけないが、一方の皿部7bに対応する組合せランプ8bしか組合せの成立を示す緑色の点灯が行われていないので、作業者は、一方の皿部7bの被計量物24Aしか取り除かず、組合せ重量に誤差が出てしまう。
そこで、この実施形態では、同時載せを当初は検出できない場合であっても、次のようにして同時載せを検出するようにしている。
すなわち、図6(a)の状態で、WA+WBが組合せに選ばれ、一方の皿部7bの組合せランプ8bのみ点灯させるまでは、上述と同様である。
その後、作業者が、組み合わせランプ8bの点灯に基づいて、一方の皿部7bの重量WAの被計量物24Aを降ろした場合を想定する。降ろしたときの重量変化は、一方の皿部7bで発生するので、被計量物24Aの重量WA分を、制御ユニット4のメモリ23に記憶されている一方の皿部7bの重量(以下「メモリ重量」という)から差し引くことになる。しかし、重量WAを差し引いたとしても、制御ユニット4のメモリ23には、元々W=WA+WBの被計量物が載っていたと認識していたため、メモリ重量は「0」gとならないために、一方の皿部7bの組合せランプ8bの組合せ成立を示す点灯を消すことができない。
ところが、このとき、左側の組合せランプ8aは点灯していないが、図6(b)に示すように、被計量物24Bが、他方の皿部7aに残っている。このときの絶対的な重心位置を計算すると、明らかに他方の皿部7a側に重心位置があるということが分る。つまり、制御ユニット4の演算制御部20は、初めは一方の皿部7bにしか被計量物が載っていなかったと認識していたが、ここで、実は、初めから他方の皿部7aにも被計量物が載っていたということが分る。
制御ユニット4の演算制御部20は、この結果から他方の皿部7aの被計量物24Bも取り除くように、他方の皿部7aに対応する組合せランプ8aも図6(b)に示すように点灯させる。作業者は、後で点灯した組合せランプ8aに対応する他方の皿部7aの被計量物24Bも取り除き商品としてパックすることで、ようやく正しい組合せ重量とすることができる。
図7は、この実施形態の動作説明に供するフローチャートである。この図7では、上述の図6(a)に示すように、同時載せが発生し、組合せが成立して一方の組合せランプ8が点灯した後に対応する処理を示している。
ここでは、例えば、図6(a)に示す状態となって組合せランプ8bが点灯したと想定して説明を行う。
先ず、各計量台2の各荷重等検出器12の出力信号Sw,Syを受信して重量値及びモーメント値をそれぞれ取込み(ステップS1)、全ての計量台2について重量値が変化したか否かをそれぞれ判断し(ステップS2)、上述のように、一方の組合せランプ8bが点灯しているので、作業者が一方の皿部7bの被計量物24Aを降ろして取り除くことによって、重量値に変化が生じる。そこで、その重量値の変化分の重心位置であるx座標を算出し(ステップS3)、算出したx座標が、載置禁止エリア内にあるか否かを判断する(ステップS4)。
算出したx座標が載置禁止エリア内にあるときには、上述の図4と同様に同時載せが生じていると判定してエラー処理に移行する(ステップS5)。
算出したx座標が、載置禁止エリア内にないときには、算出したx座標がある皿部である一方の皿部7bのメモリ重量に、重量変化分である負の重量値を加算、すなわち、重量減少分である被計量物24Aの重量WAを、メモリ重量(WA+WB)から減算してステップS7に移行する(ステップS6)。
ステップS7では、一方の皿部7bだけにメモリ重量があるか否かを判断する。同時載せが生じている場合には、上述のようにメモリ重量と実際の重量とに相違が生じ、一方の皿部7bだけにメモリ重量WB{=(WA+WB)−WA}があることになり、ステップS8に移行する。
ステップS8では、現在の重心位置であるx座標、すなわち、被計量物24Aが一方の皿部7bから降ろされた図6(b)に示す状態(但し、他方の組合せランプ8aは点灯していない)の重心位置であるx座標を算出し、重心位置であるx座標が他方の皿部7aにあるか否かを判断する。
同時載せが生じている場合には、x座標が他方の皿部7aにあるので、ステップS9に移行し、上述のエラー処理で説明したように、同時載せのエラーを検出した計量台2全体、すなわち、その計量台2の2個の皿部7a、7bをまとめると共に、他方の皿部7aの被計量物24Bも取り除くように、他方の皿部7aに対応する組合せランプ8aも図6(b)に示すように点灯させる。
同時載せが生じていない場合には、x座標が他方の皿部にないので、ステップS10に移行し、x座標に基づいて通常の処理を行なってステップS1に戻る。
また、同時載せの際に、重量の大きい被計量物24Aが、一方の皿部7bではなく、他方の皿部7aに載せられる場合もあるので、ステップS11〜S14において、上記と同様の処理を行なう。
(実施形態2)
上述の実施形態では、重量差が大きい被計量物を同時載せしたために、当初は同時載せを検出できなかったけれども、その後、同時載せした被計量物の一方の被計量物を降ろしたときに同時載せを検出できるようにしている。
この実施形態では、同時載せした後に、更に、被計量物が載せられて積み増しされた場合に、同時載せを検出するものである。
2個の皿部に同時に載せられる被計量物の重量の差が大きく、合計重量の重心位置が載置禁止エリアから外れてしまって、当初には同時載せが検出できない場合について説明する。
この実施形態では、例えば、図8(a)に示すように、重量差が大きい重量WAの被計量物24Aと重量WB1の被計量物24B1とが、両皿部7a,7bに同時に載せられたと想定する。両被計量物24A,24B1の合計重量は、W(=WA+WB1)となり、その重心位置は、載置禁止エリアLcを越えて重量の重い被計量物24Aが載っている一方の皿部7b側となる。したがって、制御ユニット4の演算制御部20は、合計重量Wの被計量物が、Wが作用する位置を重心位置として一方の皿部7bに載っていると誤って認識してしまう。
また、制御ユニット4の演算制御部20は、他方の皿部7aには、被計量物が全く載っていないと認識しているため、実際の被計量物の状態との間に誤差が生じてしまう。
この状態から、図8(b)に示すように、重量WB2の被計量物24B2を他方の皿部7aに積み増ししたとする。この重量WB2の被計量物24B2に関しては、重量変化から算出される重心位置であるx座標により、他方の皿部7aに被計量物24B2が載せられたということは、問題なく検出できる。ところが、実際には、一方の皿部7aに重量WAの被計量物24Aが載り、他方の皿部に重量WB1,WB2の被計量物24B1,24B2が載っているが、制御ユニット4の演算制御部20は、一方の皿部7bに重量W(=WA+WB1)の被計量物、他方の皿部7aに重量WB2の被計量物24B2が載っていると誤って認識している。
この状態で、計量台2のいずれかの皿部について、組合せが成立して組合せに選ばれたとすると、計量誤差の原因となってしまう。そのため、同時載せのエラーを検出し、作業者にそのことを知らせる必要がある。
この場合、他方の皿部7aが組合せに選ばれた場合を本実施形態で説明し、一方の皿部7bが組合せに選ばれた場合を後述の実施形態3として分けて説明する。
本実施形態では、他方の皿部7aについて組合せが成立し、組合せに選ばれた場合について説明する。
図9(a)に示すように、他方の皿部7aに対応する報知手段としての組合せランプ8aが緑色で点灯する。制御ユニット4の演算制御部20は、上述のように、積み増しされた重量WB2の被計量物24B2のみ他方の皿部7aに載っていると認識しているために、被計量物24B2のみを皿部7aから降ろして取り除かないと正しい組合せ重量と認識しない。
しかし、作業者は、他方の皿部7aの組合せランプ8aが緑色で点灯しているので、重量WB1の被計量物24B1と重量WB2の被計量物24B2とを皿部7aから降ろして取り除いてしまう。このとき、−(WB1+WB2)の重量変化が発生する。これは、重心位置であるx座標の検出によって、他方の皿部7aで発生したことが分る。そこで、制御ユニット4の演算制御部20は、直前の他方の皿部7aのメモリ重量WB2から、重量変化分(WB1+WB2)を差し引き、他方の皿部7aのメモリ重量を更新する。ところが、そのとき他方の皿部7aのメモリ重量は、−WB1と負になってしまう。しかし、計量台2全体としては、重量WAがあり、正である。
したがって、計量台2全体では被計量物があるのに、他方の皿部7aのみ大きく負になっているというのは常識的に考えてあり得ず、制御ユニット4の演算制御部20は、いつかのタイミングで同時載せなどの事象が発生したと判断し、作業者に対し、エラーを報知して、計量のやり直しを行うように促すことができる。
この場合のフローチャートを図10に示す。この図10は、上述の図8に示すように、同時載せが発生し、その後、被計量物の積み増しが行われ、組合せが成立して一方の組合せランプ8が点灯した後に対応する処理を示している。
ここでは、例えば、図9(a)に示す状態となって組合せランプ8aが点灯したと想定して説明を行う。
先ず、各計量台2の各荷重等検出器12の出力信号Sw,Syを受信して重量値及びモーメント値をそれぞれ取込み(ステップS1)、全ての計量台2について重量値が変化したか否かをそれぞれ判断し(ステップS2)、上述のように、他方の組合せランプ8aが点灯しているので、作業者が他方の皿部8aの被計量物24B1,24B2を降ろして取り除くことによって、重量値に変化が生じる。そこで、その重量値の変化分の重心位置であるx座標を算出し(ステップS3)、算出したx座標が、載置禁止エリア内にあるか否かを判断する(ステップS4)。
算出したx座標が載置禁止エリア内にあるときには、上述の図4と同様に同時載せが生じていると判定してエラー処理に移行する(ステップS5)。
算出したx座標が、載置禁止エリア内にないときには、算出したx座標がある皿部である他方の皿部7aのメモリ重量に、重量変化分である負の重量値を加算、すなわち、重量減少分である被計量物24B1,24B2の重量WB1,WB2を、他方の皿部7aのメモリ重量WB2から減算してステップS7に移行する(ステップS6)。
ステップS7では、皿部7aの重量がマイナスになるか否かを判断する。同時載せが生じていた場合には、皿部7aの重量は、上述のように−WB1となってマイナスになるので、同時載せが生じていたとして上述のエラー処理に移行する(ステップS8)。皿部の重量がマイナスでないときには、同時載せが生じていないので、x座標に基づいて通常の処理を行なってステップS1に戻る。なお、ステップS7では、重量の大きい被計量物24Aが、他方の皿部7aに載せられる場合もあるので、両方の皿部7a,7bについて、マイナスであるか否かを判断するようにしている。
その他の構成は、上述の実施形態1と同様である。
(実施形態3)
この実施形態も、上述の実施形態2と同様に、例えば、図8(a)に示すように、重量差が大きい重量WAの被計量物24Aと重量WB1の被計量物24B1とが、両皿部7a,7bに同時に載せられ、更に、図8(b)に示すように、重量WB2の被計量物24B2を他方の皿部7aに積み増しされたとする。
この実施形態では、図8(b)の状態で、一方の皿部7bについて組合せが成立し、組合せに選ばれた場合の処理について説明する。
図11(a)に示すように、一方の皿部7bが組合せに選ばれ、組合せランプ8bが緑色に点灯する。制御ユニット4の演算制御部20は、一方の皿部7bのメモリ重量を、WA+WB1と誤って認識しているので、被計量物24A及び被計量物24B1の両方を取り除かないと、正しい組合せ重量と認識しない。
しかし、作業者は、一方の皿部7bの組合せランプ8bが緑色で点灯しているので、図11(b)に示すように重量WAの被計量物24Aのみしか取り除かない。このとき、−WAの重量変化が、一方の皿部7bで発生する。そこで、制御ユニット4の演算制御部20は、一方の皿部7bのメモリ重量(WA+WB1)から重量変化分WAを引き、一方の皿部7bのメモリ重量を更新する。一方の皿部7bのメモリ重量には、WB1が残っているため、組合せランプ8bを消灯させることもできないし、相対重量変化だけでは、問題が発生していないために、エラーを報知することもできない。
そこで、図12(a)に示すように、この時の絶対的な重心Wの位置を求めると、他方の皿部7aに重心位置があることが分る。今、一方の皿部7bのメモリ重量には、WB1が残っている。つまり、この認識が正しいと仮定すれば、重量WB1の被計量物24B1の重心位置は、一方の皿部7bにあるはずである。そこで、図12(b)に示すように、重量WB1を、被計量物が載せられない範囲Lcのすぐ外側(一方の皿部7bの一番内側)に重量WB1の被計量物があると仮定して、WB1とWB2との合成重量Wが今の位置を維持するためには、重量WB2の被計量物24B2の重心位置がどこに来るかを求める。すると、重量WB2の被計量物24B2は皿部の設定長を超えて、他方の皿部7aの外側に出てしまう。皿部の外側に被計量物を載せることは、現実的にあり得ない。そこで、制御ユニット4の演算制御部20は、いつかのタイミングで同時載せなどの事象が発生したと判定して、作業者に対してエラーを報知し、計量のやり直しを行うように促すことができる。
この場合のフローチャートを、図13に示す。この図13は、上述の図8に示すように、同時載せが発生し、その後、被計量物の積み増しが行われ、組合せが成立して一方の組合せランプ8が点灯した後に対応する処理を示している。
ここでは、例えば、図11(a)に示す状態となって組合せランプ8bが点灯したと想定して説明を行う。なお、図13は、一方の皿部7bの被計量物を取り除いた場合のフローチャートであり、他方の皿部7aの被計量物を取り除いた場合には、フローチャート中の「一方の皿部」と「他方の皿部」とを入れ替えればよい。
先ず、各計量台2の各荷重等検出器12の出力信号Sw,Syを受信して重量値及びモーメント値をそれぞれ取込み(ステップS1)、全ての計量台2について重量値が変化したか否かをそれぞれ判断し(ステップS2)、上述のように、一方の組合せランプ8bが点灯しているので、作業者が一方の皿部7bの被計量物24Aを降ろして取り除くことによって、重量値に変化が生じる。そこで、その重量値の変化分の重心位置であるx座標を算出し(ステップS3)、算出したx座標が、載置禁止エリア内にあるか否かを判断する(ステップS4)。
算出したx座標が載置禁止エリア内にあるときには、上述の図4と同様に同時載せが生じていると判定してエラー処理に移行する(ステップS5)。
算出したx座標が、載置禁止エリア内にないときには、算出したx座標がある皿部である一方の皿部7bのメモリ重量に、重量変化分である負の重量値を加算、すなわち、重量減少分である被計量物24Aの重量WAを、一方の皿部7bのメモリ重量(WA+WB1)から減算してステップS7に移行する(ステップS6)。
ステップS7では、一方の皿部7bの重量が減少したか否かを判断し、減少したときには、一方の皿部7bにメモリ重量があるか否かを判断する(ステップS8)。一方の皿部7bは、上述のステップS6によって更新したメモリ重量WB1{=(WA+WB1)−WA}があるので、他方の皿部7aにも重量があるか否かを判断する(ステップS9)。他方の皿部7aには、積み増しされた被計量物24B2の重量WB2があるので、ステップS10に移行し、計量台2全体の重心位置が他方の皿部7aにあるか否かを判断し、他方の皿部7aにあるときには、一方の皿部7aの重量WB2が一方の皿部7b側にあると仮定し、他方の皿部7aの重心位置を推定し(ステップS11)、他方の皿部7aの重心位置が皿部7aの外であるか否かを判断し(ステップ12)、皿部7aの外であるときには、同時載せのエラーであるとして、両皿部7a,7bの重量をまとめると共に、その旨を報知する(ステップS13)。
ステップS7において、一方の皿部7bの重量が減少していないとき、ステップS8において、一方の皿部7bに重量がないとき、ステップS9において、他方の皿部7aに重量がないとき、ステップS10において、計量台2全体の重心位置が他方の皿部7aにないとき、および、ステップS12において、他方の皿部7aの重心位置が皿部7aの外にないときには、重心位置に基づいて、通常通り処理を行なってステップS1に戻る(ステップS14)。その他の構成は、上述の実施形態2と同様である。
なお、本発明の他の実施形態として、上述の各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
なお、上述の実施形態と異なり、計量台2の皿部が2個以上ある場合についても、重心位置のX座標がどの皿部にあるかを判定することで、荷重位置の検出が可能となる。
本発明は、組合せ秤として有用である。
1 組合せ秤
2 計量台
4 制御ユニット
7a,7b 皿部
8,8a,8b 組合せランプ
12 荷重等検出器

Claims (5)

  1. 被計量物が載せられる2個の載置部をそれぞれ有する複数の計量台と、
    各計量台の荷重をそれぞれ検出する複数の荷重検出器と、
    前記荷重によって各計量台に作用するモーメントをそれぞれ検出する複数のモーメント検出手段と、
    前記荷重検出器の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、降ろされる前記被計量物の重量を求めると共に、前記荷重検出器および前記モーメント検出手段の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、前記載置部から降ろされた前記被計量物の重心位置を求め、求めた重心位置と前記載置部の重心位置とに基づいて、前記被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた前記載置部を求める演算手段と、
    前記演算手段によって求められた被計量物の重量および載置部に基づいて、組合せ演算を行う組合せ演算手段と、
    前記組合せ演算によって組合せが成立して選択されている載置部を報知する報知手段とを具備する組合せ秤であって、
    前記2個の載置部に被計量物を同時に載せる同時載せをエラーとして検出するエラー検出手段を具備し、
    前記演算手段は、求めた前記被計量物および前記載置部を更新記憶する記憶部を有し、
    前記2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が残っているときには、前記エラー検出手段は、前記演算手段によって改めて求めた被計量物の重心位置が、他方の載置部にあるか否かを判断し、他方の載置部にあるときには、前記同時載せと判定する、
    ことを特徴とする組合せ秤。
  2. 被計量物が載せられる2個の載置部をそれぞれ有する複数の計量台と、
    各計量台の荷重をそれぞれ検出する複数の荷重検出器と、
    前記荷重によって各計量台に作用するモーメントをそれぞれ検出する複数のモーメント検出手段と、
    前記荷重検出器の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、降ろされる前記被計量物の重量を求めると共に、前記荷重検出器および前記モーメント検出手段の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、前記載置部から降ろされた前記被計量物の重心位置を求め、求めた重心位置と前記載置部の重心位置とに基づいて、前記被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた前記載置部を求める演算手段と、
    前記演算手段によって求められた被計量物の重量および載置部に基づいて、組合せ演算を行う組合せ演算手段と、
    前記組合せ演算によって組合せが成立して選択されている載置部を報知する報知手段とを具備する組合せ秤であって、
    前記2個の載置部に被計量物を同時に載せる同時載せをエラーとして検出するエラー検出手段を具備し、
    前記演算手段は、求めた前記被計量物の重量および前記載置部を更新記憶する記憶部を有し、
    前記エラー検出手段は、前記2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が、マイナスになるときには、前記同時載せと判定する、
    ことを特徴とする組合せ秤。
  3. 被計量物が載せられる2個の載置部をそれぞれ有する複数の計量台と、
    各計量台の荷重をそれぞれ検出する複数の荷重検出器と、
    前記荷重によって各計量台に作用するモーメントをそれぞれ検出する複数のモーメント検出手段と、
    前記荷重検出器の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、降ろされる前記被計量物の重量を求めると共に、前記荷重検出器および前記モーメント検出手段の検出出力に基づいて、前記載置部に載せ、あるいは、前記載置部から降ろされた前記被計量物の重心位置を求め、求めた重心位置と前記載置部の重心位置とに基づいて、前記被計量物が載せられ、あるいは、降ろされた前記載置部を求める演算手段と、
    前記演算手段によって求められた被計量物の重量および載置部に基づいて、組合せ演算を行う組合せ演算手段と、
    前記組合せ演算によって組合せが成立して選択されている載置部を報知する報知手段とを具備する組合せ秤であって、
    前記2個の載置部に被計量物を同時に載せる同時載せをエラーとして検出するエラー検出手段を具備し、
    前記演算手段は、求めた前記被計量物の重量および前記載置部を更新記憶する記憶部を有し、
    前記2個の載置部の一方の載置部から被計量物が降ろされたことによって、前記演算手段の前記記憶部に更新記憶された前記一方の載置部の被計量物の重量が残っていると共に、他方の載置部にも被計量物の重量がある場合に、前記エラー検出手段は、前記演算手段によって被計量物の重心位置を改めて求め、求めた被計量物の重心位置を維持するためには、前記一方の載置部の前記残っている被計量物の重心位置が、該一方の載置部の予め定めた位置にあると仮定したときに、前記他方の載置部の被計量物のあるべき重心位置を求め、求めた重心位置が、前記他方の載置部に対応する領域にないときには、前記同時載せと判定する、
    ことを特徴とする組合せ秤。
  4. 被計量物が降ろされた前記一方の載置部は、前記組合せ演算によって組合せが成立して選択されている載置部であることが前記報知手段によって報知されたものである、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の組合せ秤。
  5. 各計量台の2個の載置部の前記重心位置が、直線状に並んで配置され、
    前記エラー検出手段は、前記演算手段によって求められる前記被計量物の重心位置が、前記2個の載置部の間の中間領域にあるときに、前記同時載せと判定する、
    請求項1ないし4のいずれかに記載の組合せ秤。
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