JP2011208985A - 生体分子検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体から得られる試料に含まれる生体分子を迅速に検出する方法を提供すること。
【解決手段】生体分子検出装置を用いた生体分子検出方法であって、前記生体分子検出装置は、基板と、検出部と、スペーサと、フィルタと、カバーと、第1温度制御部と、第2温度制御部を備え、前記生体分子検出方法は、充填工程と、試料注入工程と、温度制御工程と、ろ過工程と、検出工程を包含する生体分子検出方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体から採取した試料、例えば血液、尿、呼気に含まれる生体分子を迅速に検出する方法に関するものである。
従来、初期段階の疾病を診断するために、血液や尿に含まれるタンパク質、DNAなど比較的高分子の生体分子が、診断マーカ分子として用いられてきた。近年、従来の診断マーカに加えて、低分子量(分子量300以下)の生体分子を検出することにより、疾病を診断しようとする新たな手法が開発されつつある。
例えば、血中に含まれる3−methylbutanal(分子量86.1)の量から肝硬変をスクリーニングする方法がある(非特許文献1)。肝硬変の重症化に伴い、血中の3−methylbutanalの量が上昇する。血中の3−methylbutanalの検出は、肝硬変の検査を容易にする。
血中に含まれるオフタルミン酸(分子量289)の濃度から、酸化ストレスは簡便かつ迅速に感知され得る(特許文献1)。
血液の以外にも、生体から採取する試料として、尿、呼気、皮膚表面から放散されるガス、汗、唾液などが用いられ得る(非特許文献2)。
特に、呼気は低分子量の生体分子を多く含むため、疾病を診断する上で重要な試料の一つである。呼気は肺胞において毛細血管とのガス交換により排出される。したがって、呼気中には水、窒素、酸素、二酸化炭素の他、揮発性有機化合物、揮発性硫黄化合物など微量の代謝成分が含まれる。代謝成分とは、アルコール、ケトン、アルデヒド、アミン、芳香族炭化水素、脂肪酸、イソプレン、メルカプタン等やそれらの誘導体などである。
この呼気中の成分と疾病との間の関連性を指摘する研究成果が公表されている(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。
以上の例示した低分子量の生体分子は、試料中に極めて微量しか存在しない。その濃度は、尿中でng/ml、呼気中でppm〜ppt程度である(特許文献2、非特許文献4)。
したがって試料中に含まれる大量のタンパク質(血中濃度7g/dl)および電解質(血中ナトリウム濃度140mmol/l)などは、低分子量の生体分子の検出に対して妨害物質として影響を及ぼす。
従来の生体分子検出方法は、この妨害物質からの影響を除去するため、ガス透過膜を用いていた。
例えばクラーク型電極を備えたセンサにおいて、ガス透過膜としてダイヤモンド様炭素をコーティングしたポリカーボネートフィルタが用いられる(特許文献3)。クラーク型電極を備えたセンサによりタンパク質または電解質の影響を抑制できるので、酸素、過酸化水素、二酸化炭素などの無機ガスが検出される。
一方、半導体ガスセンサを備えたアルコール濃度測定装置においても、ガス透過膜が用いられる(特許文献4)。図22は特許文献4に開示されているアルコール濃度測定装置を表す。測定液を加熱器4により加熱することにより、ガス透過膜を介して測定液から測定セル7の内部へアルコールが速やかに移行する。その結果として、アルコール濃度が短時間に測定される。
国際公開第2007/083632号(1/4頁、図4) 特表2000−504114号公報(第11頁〜第12頁) 特開2005−315593号公報(0004、0005) 特開平1−96547号公報(4頁、図1) 特開昭60−147201号公報(特に第7図、第8図、およびそれらの説明)
J. Chromatogr 226巻 pp.291-299 (1981) J. Gastrointestin Liver Dis 18巻 3号 pp.337-343 (2009) THE LANCET 353巻 pp.1930-1933 (1999) ANALYTICAL BIOCHEMISTRY 247巻 pp.272-278 (1997) The American Journal of Cardiology pp.1593-1594 (2004) Respiratory Physiology & Neurobiology 145巻 pp. 295-300 (2005)
従来のアルコール濃度測定装置によって分子量300以下の生体分子を検出しようとすると、ガス透過膜を通過する生体分子の速度が遅い場合があった。その結果、生体分子の検出に長い時間を要するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決し、生体から得られる試料に含まれる生体分子を迅速かつ簡便に検出する方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決する本発明は、生体分子検出装置を用いた生体分子検出方法であって、前記生体分子検出装置は、基板と、前記基板の一端に設けられた検出部と、前記基板の他端に設けられたスペーサと、前記スペーサを介して前記基板に設けられたフィルタと、前記フィルタの一端に設けられたカバーと、前記カバーの一端に設けられた第1温度制御部と、前記基板の一端に設けられた第2温度制御部を備え、前記基板と前記フィルタの間には第1チャンバを備え、前記カバーの一端には第2チャンバを備え、前記第1チャンバは第1生体分子の吸収剤を保持する構造を備え、前記第2チャンバは前記第1生体分子を含む試料を保持する構造を備え、前記第1生体分子は32以上308以下の分子量を有する有機化合物であって、前記フィルタは熱伝導を制限する疎水性多孔質膜であって、前記生体分子検出方法は、前記第1チャンバに前記吸収剤を満たす充填工程と、前記第2チャンバに前記試料を配置する試料注入工程と、前記第1温度制御部および前記第2温度制御部により前記吸収剤の温度を前記試料の温度よりも低くする温度制御工程と、前記フィルタを介して前記試料から前記吸収剤へ前記第1生体分子を選択的に移動させるろ過工程と、前記吸収剤に含まれる前記第1生体分子を前記検出部により検出する検出工程を包含する。
本発明において、前記フィルタは、熱伝導率1W/m・K以下の材料から構成されることが好ましい。
本発明において、前記フィルタは、両面を貫通する細孔を有することが好ましい。
本発明において、前記フィルタは、前記第1チャンバに対して10nm2以上4mm2以下の接触面積を有することが好ましい。
本発明において、前記フィルタと前記第2チャンバに対して10nm2以上4mm2以下の接触面積を有することが好ましい
本発明において、前記吸収剤は、前記試料と異なる熱伝導率を有することが好ましい。
本発明において、前記吸収剤は、前記試料と異なる比熱を有することが好ましい。
本発明において、前記第1温度制御部および/または前記第2温度制御部により、前記吸収剤の温度は前記試料の温度よりも3℃以上20℃以下低くすることが好ましい。
本発明において、前記吸収剤は、1.3mPa・s以上200mPa・s以下の粘度を有することが好ましい。
本発明において、診断マーカ検査チップは請求項1に記載の生体分子検出方法を用いることが好ましい。
本発明の生体分子検出方法によれば、吸収剤の温度を試料の温度よりも低くすることにより、検出対象とする低分子量の生体分子を選択的かつ速やかにろ過できる。その結果として、生体から得られた試料に含まれる生体分子の検出が迅速に達成される。
本発明の実施形態1における検出装置の断面図 本発明の実施形態1における検出装置の分解斜投影図 本発明の実施形態1におけるスペーサの正面図 本発明の実施形態1におけるスペーサの正面図および断面図 本発明の実施形態1におけるカバーの正面図 本発明の実施形態1におけるカバーの正面図および断面図 本発明の実施形態1における生体分子検出装置の動作を示す説明図 本発明の実施形態1における生体分子検出装置の動作を示す説明図 本発明の実施形態1における生体分子検出装置の動作を示す説明図 本発明の実施形態2における生体分子検出装置の断面図 本発明の実施形態2におけるカバーの斜投影図 本発明の実施形態2における生体分子検出装置の動作を示す説明図 本発明の実施形態2における生体分子検出装置の動作を示す説明図 本発明の実施例1における生体分子の検出結果を示す図 本発明の実施例1における電解質の検出結果を示す図 本発明の実施例1における生体分子の検出結果を示す図 本発明の実施例2における生体分子の検出結果を示す図 本発明の実施例2における電解質の検出結果を示す図 本発明の比較例1における電解質の検出結果を示す図 本発明の比較例2における生体分子の検出結果を示す図 本発明の比較例3における生体分子の検出結果を示す図 従来の生体分子検出装置の模式図
以下本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
図1、図2は、本発明の実施形態1における生体分子検出装置100の断面図、分解斜投影図である。
基板101は、ガラスから構成されることが最も好ましい。基板101は、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラスから構成され得る。基板101は、無機材料から構成されることが好ましい。基板101は、シリコン(Silicon)、ゲルマニウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、インジウムリン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化アルミ、アルミナ、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化マグネシウム、マイカ、セラミクス、酸化チタン、グラファイト、グラフェン、ニッケル、銅、アルミ、金、白金から構成され得る。
基板101は、有機材料から構成され得る。基板101は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から構成されることが好ましい。基板101は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンから構成され得る。基板101は、有機半導体から構成されることが好ましい。基板101は、多環芳香族炭化水素、低分子化合物、ポリマーから構成され得る。基板101は、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリパラフェレンビニレンから構成され得る。基板101は、1種類の材料から構成されることが好ましい。なお基板101は、複数の材料から構成され得る。基板101の表面は、基板101の材料と異なる材料により被覆され得る。
基板101の外周面の少なくとも一部は、親水性表面を有することが最も好ましい。基板101の外周面の少なくとも一部を親水的にするため、基板101の外周面は、酸素プラズマにより処理されるか、または親水性材料により被覆され得る。なお基板101の外周面の少なくとも一部は、疎水性表面を有することが好ましい。基板101の外周面は、炭化水素プラズマにより処理されるか、または撥水性材料により被覆され得る。基板101は、光学計測の観点から透明材料から構成されることが好ましい。なお基板101は、不透明材料から構成され得る。
基板101は、絶縁体から構成されることが最も好ましい。なお基板101は、半導体、導体から構成され得る。基板101の材料は、1010Ω・m以上1022Ω・m以下の電気抵抗率を有することが最も好ましい。基板101の材料は、1Ω・m以上1010Ω・m以下または10-8Ω・m以上1Ω・m以下の電気抵抗率を有し得る。
操作性の観点から、基板101は、1mm2以上100cm2以下の面積を有することが好ましく、10mm2以上10cm2以下の面積を有することがより好ましい。基板101は、10nm以上1cm以下の厚みを有することが好ましく、10μm以上1mm以下の厚みを有することが最も好ましい。基板101は、四角形であることが最も好ましい。基板101は板状であることが好ましい。なお基板101は、円形、台形、平行四辺形、楕円、多角形の形状を有し得る。
基板101は、堅固な材料から構成されることが最も好ましい。基板101の材料は、2300MPa以上70000MPa以下の曲げ弾性率を有することが最も好ましい。なお基板101の材料は、70000MPa以上の曲げ弾性率を有し得る。基板101は、柔軟な材料から構成され得る。基板101の材料は、2300MPa以下の曲げ弾性率を有し得る。
検出部102は基板101の一端に設けられる。検出部102は、基板101の外周面に設けられることが最も好ましい。なお検出部102は、シリンジ、パイプ、キャピラリ、チューブ、流路などの接続部を介して、基板101の一端に設けられても良い。
検出部102は、装置の小型化という観点から、物理センサ、電気化学センサ、光学センサ、分光学センサ、化学センサ、生物センサであることが好ましい。コンタミネーションを抑制し、かつ洗浄を必要としないので、検出部102は使い捨てされ得る。検出部102は、電気検出型センサであることが好ましい。電気検出型センサは電流検出型センサ、電位変化検出型センサ、容量検出型センサであることが好ましい。電気検出型センサは、MOSFET(金属―酸化物―半導体電界効果トランジスタ)、ISFET(イオン感応型電界効果トランジスタ)、HEMT(高電子移動度トランジスタ)、カーボンナノチューブ、グラフェン、シリコンナノチューブ、酸化亜鉛、バイポーラトランジスタ、有機薄膜トランジスタ、金属酸化物半導体であることが好ましい。検出部102は、光検出型センサであることが好ましい。検出部102は、オプトード、表面波プラズモン共鳴(SPR)、局所表面プラズモン共鳴(LSPR)、表面波プラズモン共鳴(SPR)、表面増強ラマン(SERS)であることが好ましい。化学物質検出部102は、水晶マイクロバランス(QCM)、表面弾性波(SAW)素子、固体電解質、原子間力顕微鏡(AFM)、表面プローブ顕微鏡(SPM)、熱レンズ顕微鏡、電気化学電池であることが好ましい。
なお検出部102は、ガスクロマトグラフ、液体クロマトグラフ、イオンクロマトグラフ、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析器、GC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析)、LCMS(液体クロマトグラフ質量分析)、蛍光X線分析器、原子吸光分析器、キャピラリ電気泳動装置、FT−IR(フーリエ変換型赤外分光分析器)、X線マイクロアナライザ、有機微量元素分析器であることが好ましい。
検出部102は、電気化学電極材料から構成されることが好ましい。検出部102は、白金、金、グラッシーカーボン、カーボンペースト、パラジウムペースト、銀・塩化銀ペースト、ニッケル、チタン、クロム、銀、塩化銀、銀/塩化銀、飽和カロメル電極、ゲル(Gel)電極から構成されることが好ましい。
検出部102は、シリコンフォトダイオード、シリコンPINフォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、CCD(電荷結合素子)、CMOSイメージセンサ、フォトレジスタ、太陽電池、光電子増倍管、光導管、フォトトランジスタ、焦電検出器であることが好ましい。
生体分子検出装置100は、1個の検出部102を備えることが好ましい。なお生体分子検出装置100は、2個以上の検出部102を備え得る。生体分子検出装置100は、1種類の検出部102を備えることが好ましい。なお、生体分子検出装置100は、2種類以上の検出部102を備え得る。複数の検出部102は、正方格子、長方格子、斜方格子、三角格子、面心格子のように周期的に配置されることが好ましい。複数の検出部102は、ランダムに配置され得る。複数の検出部102は均一に配置され得る。なお複数の検出部102は、段階的に密度の傾斜をつけて配置され得る。
スペーサ103は、検出部102の側部にあって基板101の他端に設けられる。スペーサ103は、有機材料から構成されることが最も好ましい。スペーサ103は、ポリジメチルシロキサンから構成されることが最も好ましい。スペーサ103は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から構成され得る。スペーサ103は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンから構成され得る。スペーサ103は、有機半導体から構成されることが好ましい。スペーサ103は、多環芳香族炭化水素、低分子化合物から構成され得る。スペーサ103は、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリパラフェレンビニレンから構成され得る。スペーサ103は、1種類の材料から構成されることが好ましい。なおスペーサ103は、複数の材料から構成され得る。スペーサ103の外周面の少なくとも一部は、スペーサ103の材料と異なる材料により被覆されることが好ましい。スペーサ103は、無機材料から構成され得る。なおスペーサ103は、ガラスから構成されることが好ましい。スペーサ103は、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラスから構成され得る。スペーサ103は、半導体、絶縁体、導体から構成され得る。スペーサ103は、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、インジウムリン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化アルミ、アルミナ、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化マグネシウム、マイカ、セラミクス、酸化チタン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、ニッケル、銅、アルミ、金、白金から構成され得る。
スペーサ103の外周面の少なくとも一部は、親水性表面を有することが最も好ましい。基板101の外周面の少なくとも一部を親水的にするため、スペーサ103の外周面は、酸素プラズマにより処理されるか、または親水性材料により被覆され得る。なおスペーサ103の外周面の少なくとも一部は、疎水性表面を有することが好ましい。スペーサ103の外周面は、炭化水素プラズマにより処理されるか、または撥水性材料により被覆され得る。スペーサ103は、光学計測の観点から透明材料から構成されることが好ましい。なおスペーサ103は、不透明材料から構成され得る。
スペーサ103は、絶縁体から構成されることが最も好ましい。なおスペーサ103は、半導体、導体から構成され得る。スペーサ103の材料は、1010Ω・m以上1022Ω・m以下の電気抵抗率を有することが最も好ましい。スペーサ103の材料は、1Ω・m以上1010Ω・m以下または10-8Ω・m以上1Ω・m以下の電気抵抗率を有し得る。
スペーサ103は、基板101と同じ材料から構成されることが好ましい。なおスペーサ103は、基板101と異なる材料から構成され得る。
操作性の観点から、スペーサ103は、1mm2以上100cm2以下の面積を有することが好ましく、10mm2以上10cm2以下の面積を有することがより好ましい。スペーサ103は、10nm以上1cm以下の厚みを有することが好ましく、10μm以上1mm以下の厚みを有することが最も好ましい。スペーサ103は、四角形であることが最も好ましい。スペーサ103は、板状であることが好ましい。なおスペーサ103は、円形、台形、平行四辺形、楕円、多角形の形状を有し得る。スペーサ103は、基板101と同じ面積を有することが最も好ましい。なおスペーサ103は、基板101と異なる面積を有し得る。スペーサ103は、基板101と同じ厚みを有することが好ましい。スペーサ103は、基板101と異なる厚みを有し得る。スペーサ103は、基板101と同じ形状を有することが好ましい。なおスペーサ103は、基板101と異なる形状を有し得る。
スペーサ103は、堅固な材料から構成されることが好ましい。スペーサ103の材料は、2300MPa以上70000MPa以下の曲げ弾性率を有することが最も好ましい。なおスペーサ103の材料は、70000MPa以上の曲げ弾性率を有し得る。スペーサ103は、柔軟な材料から構成され得る。スペーサ103の材料は、2300MPa以下の曲げ弾性率を有し得る。
スペーサ103は基板101に接着されることが好ましい。スペーサ103は、化学的接着および/または物理的接着および/または機械的接着により、基板101に接着され得る。スペーサ103は、接着剤により基板101に接着されることが好ましい。接着剤は、エポキシ、エマルジョン、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマーから構成されることが好ましい。スペーサ103と基板101の接触面積を増大させるために、スペーサ103と基板101の界面には、凹凸が設けられることが好ましい。スペーサ103は、基板101にはめ合わせられ得る。スペーサ103は、ファンデルワールス力により基板101に接着され得る。
フィルタ104は、スペーサ103を介して基板101に設けられる。フィルタ104は熱伝導を制限する疎水性多孔質膜である。
フィルタ104は、両面を貫通する細孔105を有することが好ましい。細孔105は、1nm以上1mm以下の内径を有することが好ましく、1nm以上1μm以下の内径を有することがより好ましい。細孔105は、フィルタ104の表面部とフィルタ104の内部において、同じ内径を有することが好ましい。細孔105は、フィルタ104の表面部とフィルタ104の内部において、異なる内径を有し得る。フィルタ104の表面部における細孔105の内径は、フィルタ104の内部における細孔105の内径よりも大きいことが好ましい。細孔105には分岐が設けられることが好ましい。細孔105は、円形、四角形、多角形、台形、楕円形の断面を有することが好ましい。なお細孔105は、織布または不織布における繊維の空隙から形成されることが好ましい。細孔105は、複数の高分子鎖の間に形成される空隙から形成されることが好ましい。細孔105は、2個以上であることが最も好ましい。なお細孔105は、1個であり得る。複数の細孔105は、同じ内径を有することが最も好ましい。なお複数の細孔105は、異なる内径を有し得る。複数の細孔105は、1nm以上1mm以下の平均内径を有することが好ましく、1nm以上1μm以下の平均内径を有することがより好ましい。細孔105は、正方格子、長方格子、斜方格子、三角格子、面心格子のように周期的に配置されることが好ましい。細孔105は、ランダムに配置され得る。複数の細孔105は、フィルタ104の全面に均一に配置され得る。なお複数の細孔105は、段階的に密度の傾斜をつけて配置され得る。細孔105は、細孔105の長手方向を鉛直とするように、配置されることが最も好ましい。細孔105は、細孔105の長手方向を水平とするように、配置され得る。細孔105は、細孔105の長手方向を傾斜するように、配置され得る。細孔105の長軸は、直線であることが好ましい。細孔105の長軸は、曲線であることが好ましい。細孔105の長軸は、直線と曲線から構成され得る。
フィルタ104は、熱伝導を制限することが好ましい。熱伝導を抑制する観点から、フィルタ104は40%以上98%以下の空隙率を有することが好ましく、60%以上80%以下の空隙率を有することがより好ましい。なおここで言う「空隙率」とは、熱伝導制限部の総体積に対する空隙部分の比を表す。
フィルタ104は、疎水性高分子から構成されることが好ましい。フィルタ104の材料は、90°以上の接触角(水滴での測定値)を有することが好ましく、120°以上の接触角(水滴での測定値)を有することが好ましい。フィルタ104を介した熱伝導を抑制する観点から、フィルタ104の材料は、1W/m・K以下の熱伝導率を有することが好ましく、0.2W/m・K以下の熱伝導率を有することがより好ましい。フィルタ104は、シリコーン(Silicone)(熱伝導率:0.16W/m・K)、ポリテトラフルオロエチレン(熱伝導率:0.25W/m・K)、パーフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(熱伝導率:0.25W/m・K)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(熱伝導率:0.25W/m・K)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(熱伝導率:0.24W/m・K)、ポリビニリデンフルオライド(熱伝導率:0.1W/m・K)から構成されることが好ましい。空気の熱伝導率は0.02W/m・Kと非常に小さいので、フィルタ104は高い空隙率を有することが好ましい。細孔105の内部には、空気が充填されていることが好ましい。熱伝導を抑制する観点から、フィルタ104は、有機材料から構成されることが最も好ましい。フィルタ104は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から構成され得る。フィルタ104は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンから構成され得る。フィルタ104は、有機半導体から構成されることが好ましい。フィルタ104は、多環芳香族炭化水素、低分子化合物から構成され得る。フィルタ104は、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリパラフェレンビニレンから構成され得る。フィルタ104は、1種類の材料から構成されることが好ましい。なおフィルタ104は、複数の材料を組み合わせられ得る。フィルタ104の外周面の少なくとも一部は、フィルタ104の材料と異なる材料により被覆されることが好ましい。フィルタ104は、無機材料から構成され得る。フィルタ104は、ガラスから構成されることが好ましい。フィルタ104は、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラスから構成され得る。フィルタ104は、半導体、絶縁体、導体から構成され得る。フィルタ104は、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、インジウムリン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化アルミ、アルミナ、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化マグネシウム、マイカ、セラミクス、酸化チタン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、ニッケル、銅、アルミ、金、白金から構成され得る。
生体分子検出装置100は、1層のフィルタ104を有することが最も好ましい。なお生体分子検出装置100は、2層以上のフィルタ104を有し得る。複数のフィルタ104は積層され得る。複数のフィルタ104は、同じ材料から構成されることが好ましい。なお複数のフィルタ104は、異なる材料から構成され得る。複数のフィルタ104は、同じ細孔105の内径を有することが好ましい。なお複数のフィルタ104は、異なる細孔105の内径を有し得る。複数のフィルタ104は、異なる厚みを有し得る。
フィルタ104が高分子から構成される場合、高分子の自由体積の逆数は、1nm-3以上25nm-3以下であることが好ましく、5nm-3以上10nm-3以下であることがより好ましい。なおここで言う自由体積とは、フィルタ104を形成する高分子の間隙の意味である。
フィルタ104は、1mg/cm2以上7mg/cm2以下の面密度を有することが好ましい。
フィルタ104の外周面の少なくとも一部は、撥水性表面を有することが好ましい。フィルタ104の外周面の少なくとも一部を撥水的にするため、フィルタ104の外周面の少なくとも一部は、撥水性材料により被覆されることが好ましい。フィルタ104の外周面の少なくとも一部を撥水的にするため、フィルタ104の外周面の少なくとも一部には、凹凸が設けられることが好ましい。フィルタ104の外周面の少なくとも一部に設けられる凹凸は、正方格子、長方格子、斜方格子、三角格子、面心格子のように周期的に配置されることが好ましい。フィルタ104の外周面の少なくとも一部に設けられる凹凸は、ランダムに配置され得る。フィルタ104の外周面の少なくとも一部に設けられる凹凸は、1nm以上1mm以下の中心線平均粗さ(Ra)を有することが好ましく、1nm以上100μm以下の中心線平均粗さを有することがより好ましい。なおここで言う中心線平均粗さとは、粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積を長さLで割った値の意味である。なおフィルタ104の外周面の少なくとも一部は、親水性表面を有し得る。フィルタ104の外周面の少なくとも一部を親水的にするため、フィルタ104の外周面の少なくとも一部は、酸素プラズマにより処理されるか、または親水性材料により被覆されることが好ましい。光学計測の観点から、フィルタ104は透明材料から構成されることが好ましい。なおフィルタ104は、不透明材料から構成され得る。
フィルタ104は、絶縁体から構成されることが最も好ましい。なおフィルタ104は、半導体、導体から構成され得る。フィルタ104の材料は、1010Ω・m以上1022Ω・m以下の電気抵抗率を有することが最も好ましい。フィルタ104の材料は、1Ω・m以上1010Ω・m以下または10-8Ω・m以上1Ω・m以下の電気抵抗率を有し得る。
フィルタ104は、基板101と同じ材料から構成されることが好ましい。なおフィルタ104は、基板101と異なる材料から構成され得る。フィルタ104は、スペーサ103と同じ材料から構成されることが好ましい。なおフィルタ104は、スペーサ103と異なる材料から構成され得る。
操作性の観点から、フィルタ104は、1mm2以上100cm2以下の面積を有することが好ましく、10mm2以上10cm2以下の面積を有することがより好ましい。ろ過工程を迅速に行う観点から、フィルタ104は、10nm以上1cm以下の厚みを有することが好ましく、1μm以上50μm以下の厚みを有することが最も好ましい。フィルタ104は、四角形であることが最も好ましい。フィルタ104は、板状であることが好ましい。なおフィルタ104は、円形、台形、平行四辺形、楕円、多角形の形状を有し得る。フィルタ104は、基板101と同じ面積を有することが最も好ましい。なおフィルタ104は、基板101異なる面積を有し得る。フィルタ104は、基板101と同じ厚みを有することが好ましい。なおフィルタ104は、基板101と異なる厚みを有し得る。フィルタ104は、基板101と同じ形状を有することが好ましい。なおフィルタ104は、基板101と異なる形状を有し得る。フィルタ104は、スペーサ103と同じ面積を有することが最も好ましい。なおフィルタ104は、スペーサ103と異なる面積を有し得る。フィルタ104は、スペーサ103と同じ厚みを有することが好ましい。フィルタ104は、スペーサ103と異なる厚みを有し得る。フィルタ104は、スペーサ103と同じ形状を有することが好ましい。なおフィルタ104は、スペーサ103と異なる形状を有し得る。
フィルタ104は堅固な材料から構成されることが最も好ましい。フィルタ104の材料は、2300MPa以上70000MPa以下の曲げ弾性率を有することが最も好ましい。なおフィルタ104の材料は、70000MPa以上の曲げ弾性率を有し得る。フィルタ104は、柔軟な材料から構成され得る。フィルタ104の材料は、2300MPa以下の曲げ弾性率を有し得る。
フィルタ104はスペーサ103に接着されることが好ましい。フィルタ104は、化学的接着および/または物理的接着および/または機械的接着により、スペーサ103に接着され得る。フィルタ104は、接着剤によりスペーサ103に接着されることが好ましい。接着剤は、エポキシ、エマルジョン、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマーから構成されることが好ましい。フィルタ104とスペーサ103の接触面積を増大させるために、フィルタ104とスペーサ103の界面には、凹凸が設けられることが好ましい。フィルタ104とスペーサ103をはめ合わせ得る。フィルタ104は、ファンデルワールス力によりスペーサ103に接着され得る。
フィルタ104は、生体分子を選択的に透過することが好ましい。フィルタ104は、分子量32以上308以下の有機化合物を選択的に透過することが好ましい。有機化合物とは、炭素原子を構造の基本骨格に持つ化合物のことである。フィルタ104は、液体の水を透過しないことが好ましい。フィルタ104は水蒸気を透過しないことが好ましい。フィルタ104は電解質を透過しないことが好ましい。
カバー106はフィルタ104の一端に設けられる。カバー106は、有機材料から構成されることが最も好ましい。カバー106は、ポリジメチルシロキサンから構成されることが最も好ましい。カバー106は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から構成され得る。カバー106は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンから構成され得る。カバー106は、有機半導体から構成されることが好ましい。カバー106は、多環芳香族炭化水素、低分子化合物から構成されることが好ましい。カバー106は、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリパラフェレンビニレンから構成され得る。カバー106は、1種類の材料から構成されることが好ましい。なおカバー106は、複数の材料を組み合わせ得る。カバー106の外周面の少なくとも一部は、カバー106の材料と異なる材料により被覆されることが好ましい。カバー106は、無機材料から構成され得る。カバー106は、ガラスから構成されることが好ましい。カバー106は、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラスから構成され得る。カバー106は、半導体、絶縁体、導体から構成され得る。カバー106は、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、インジウムリン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化アルミ、アルミナ、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化マグネシウム、マイカ、セラミクス、酸化チタン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、ニッケル、銅、アルミ、金、白金から構成され得る。
カバー106の外周面の少なくとも一部は、親水性表面を有することが好ましい。カバー106の外周面の少なくとも一部を親水的にするために、カバー106の外周面の少なくとも一部は、酸素プラズマにより処理されるか、または親水性材料により被覆されることが好ましい。なおカバー106の外周面の少なくとも一部は、疎水性表面を有し得る。カバー106の外周面の少なくとも一部を撥水的にするため、カバー106の外周面の少なくとも一部は、撥水性材料により被覆されることが好ましい。カバー106は、光学計測の観点から透明材料から構成されることが好ましい。なおカバー106は、不透明材料から構成され得る。
カバー106は、絶縁体から構成されることが最も好ましい。なおカバー106は、半導体、導体から構成され得る。カバー106の材料は、1010Ω・m以上1022Ω・m以下の電気抵抗率であることが最も好ましい。カバー106の材料は、1Ω・m以上1010Ω・m以下または10-8Ω・m以上1Ω・m以下の電気抵抗率を有し得る。
カバー106は、基板101と同じ材料から構成されることが好ましい。なおカバー106は、基板101と異なる材料から構成され得る。カバー106は、スペーサ103と同じ材料から構成されることが好ましい。なおカバー106は、スペーサ103と異なる材料から構成され得る。カバー106は、フィルタ104と同じ材料から構成されることが好ましい。なおカバー106は、フィルタ104と異なる材料から構成され得る。
操作性の観点から、カバー106は、1mm2以上100cm2以下の面積を有することが好ましく、10mm2以上10cm2以下の面積を有することがより好ましい。カバー106は、10μm以上1cm以下の厚みを有することが好ましく、100μm以上1mm以下の厚みを有することが最も好ましい。カバー106は、四角形であることが好ましい。カバー106は、板状であることが好ましい。なおカバー106は、円形、台形、平行四辺形、楕円、多角形の形状を有し得る。カバー106は、基板101と同じ面積を有することが好ましい。なおカバー106は、基板101と異なる面積を有し得る。カバー106は、基板101と同じ厚みを有することが好ましい。なおカバー106は、基板101と異なる厚みを有し得る。カバー106は、基板101と同じ形状を有することが好ましい。なおカバー106は、基板101と異なる形状を有し得る。カバー106は、スペーサ103と同じ面積を有することが好ましい。なおカバー106は、スペーサ103と異なる面積を有し得る。カバー106は、スペーサ103と同じ厚みを有することが好ましい。なおカバー106は、スペーサ103と異なる厚みを有し得る。カバー106は、スペーサ103と同じ形状を有することが好ましい。なおカバー106は、スペーサ103と異なる形状を有し得る。カバー106は、フィルタ104と同じ面積を有することが好ましい。なおカバー106は、フィルタ104と異なる面積を有し得る。カバー106は、フィルタ104と同じ厚みを有することが好ましい。なおカバー106は、フィルタ104と異なる厚みを有し得る。カバー106は、フィルタ104と同じ形状を有することが好ましい。なおカバー106は、フィルタ104と異なる形状を有し得る。
カバー106は堅固な材料から構成されることが好ましい。カバー106の材料は、2300MPa以上70000MPa以下の曲げ弾性率を有することが最も好ましい。なおカバー106の材料は、70000MPa以上の曲げ弾性率を有し得る。カバー106は、柔軟な材料から構成され得る。カバー106の材料は、2300MPa以下の曲げ弾性率を有し得る。
カバー106はフィルタ104に接着されることが好ましい。カバー106は、化学的接着および/または物理的接着および/または機械的接着により、フィルタ104に接着され得る。カバー106は、接着剤によりフィルタ104に接着されることが好ましい。接着剤は、エポキシ、エマルジョン、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂、エラストマーから構成されることが好ましい。カバー106とフィルタ104の接触面積を増大させるために、カバー106とフィルタ104の界面には、凹凸が設けられることが好ましい。カバー106は、フィルタ104にはめ合わせられ得る。カバー106は、ファンデルワールス力によりフィルタ104に接着され得る。
第1チャンバ107は、基板101とフィルタ104の間に設けられる。第1チャンバ107はスペーサ103に設けられることが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107として、スペーサ103の両面を貫通する孔を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107として、スペーサ103の外周面に凹構造を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107として、図2に示すように、円形の貫通孔を備えることが最も好ましい。図3は第1チャンバ107の形状を表す。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107として、図3(a)〜(d)に示すように、四角形、台形、多角形、楕円形の貫通孔を備え得る。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107として、任意の閉曲線から形成される形状の貫通孔を備え得る。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107として、流路、スリットを備え得る。
溶液を保持しやすくするために、第1チャンバ107の内壁の少なくとも一部は、親水性表面を有することが好ましい。第1チャンバ107の内壁の少なくとも一部を親水的にするために、第1チャンバ107の内壁の少なくとも一部は、酸素プラズマにより処理されるか、または親水性材料により被覆されることが好ましい。第1チャンバ107の内壁に、凹凸構造、溝構造、多孔質構造を設けても良い。第1チャンバ107の内壁の少なくとも一部は、疎水性表面を有し得る。第1チャンバ107の内壁の少なくとも一部を疎水的にするために、第1チャンバ107の内壁の少なくとも一部は、疎水性材料により被覆されることが好ましい。第1チャンバ107は、光学計測の観点から透明材料から構成されることが好ましい。なお第1チャンバ107は、不透明材料から構成され得る。第1チャンバ107の内部には、ナノボール、スフェア、ビーズが充填され得る。
操作性の観点から、第1チャンバ107は、1pL以上100mL以下の容量を有することが好ましく、1nL以上100μL以下の容量を有することがより好ましい。第1チャンバ107は1nm2以上100cm2以下の断面積を有することが好ましい。ここで言う断面積とは、スペーサ103の面に垂直方向から第1チャンバ107を見た時の面積の意味である。図4(a)には、スペーサ103の面に垂直方向から見た第1チャンバ107を示す。第1チャンバ107の断面積とは、図4(a)のドットで示した領域の面積のことである。第1チャンバ107は、10nm以上1cm以下の深さを有することが好ましく、10μm以上1mm以下の深さを有することが最も好ましい。図4(b)には、第1チャンバ107を含むスペーサ103の断面を示す。第1チャンバ107の深さとは、長さ130の意味である。図4(b)において、第1チャンバ107は長方形の断面を有することが好ましい。図4(b)において、第1チャンバ107は、台形の断面を有し得る。熱伝導を制限する観点から、フィルタ104は、第1チャンバ107に対して10nm2以上4mm2以下の接触面積を有することが好ましい。
生体分子検出装置100の操作性の観点から、第1チャンバ107に液体の吸収剤108が保持されることが最も好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として水を保持することが最も好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として、電解液、純水、生理食塩水、透析液、緩衝液を保持することが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として、生体分子検出装置100は、KClを含む液を保持することが好ましく、等張のKCl液を保持することがより好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として細胞の生理的条件を満たす液を保持することが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108としてpH=7付近の液を保持することが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として、10nM以上100nM以下のCa2+濃度を有する液を保持することが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として、Ca2+キレータにより調整された液を保持することが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)により調整された液を保持することが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として、HEPES、リン酸緩衝液(PBS)、リン酸緩衝生理食塩水を保持することが好ましい。
生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108としてTYRODEを保持することが好ましい。吸収剤108は、NaCl 137mM、KCl 2.68mM、CaCl2 1.8mM、NaH2PO40.32mM、Glucose 5.56mM、NaHCO3 1.16mMを含むことが好ましい。吸収剤108は、NaCl 140mM、KCl 5.4mM、CaCl2 1.8mM、MgCl2 1mM、NaHPO4 0.3mM、Glucose 5mM、HEPES 5mM(pH7.4)を含み得る。吸収剤108は、KCl 140mM、MgCl2 1mM、CaCl2 1mM、EGTA 10mM、Mg−ATP 2mM、NaOH−HEPES 10mM(pH7.3)を含み得る。
吸収剤108中のCl-は、膜非透過性の陰イオン、すなわちSO4 2-、Methanesulfonate、gluconate、glutamate、aspartateにより置換されることが好ましい。吸収剤108は、微生物が繁殖しないように、−20℃以下に冷凍保存されることが好ましい。吸収剤108中の陽イオンは、膜非透過性の有機塩基により置換されることが好ましい。吸収剤108中の陽イオンは、tetraechylammonium、N−methyl−D−glucamineにより置換されることが好ましい。第1電解液201に含まれるEGTAをビス2アミノフェニルエチレングリコール四酢酸(BAPTA)に置換することが好ましい。吸収剤108は、ATPにより調整されることが好ましい。吸収剤108は、0.1mM以上0.3mM以下のGTPを加えていても良い。
生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として有機溶媒、イオン液体を保持し得る。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107に吸収剤108として固体、ゲル、エアロゾルを保持し得る。生体分子が吸収剤108へ溶解されることが最も好ましい。なお生体分子が、吸収剤108へ吸着、捕捉、含浸され得る。熱伝導を抑制する観点から、吸収剤108は、試料200と異なる熱伝導率を有することが好ましい。吸収剤108は、試料200よりも大きい熱伝導率を有することがより好ましい。吸収剤108は、試料200と異なる比熱を有することが好ましい。吸収剤108は、試料200よりも大きい比熱を有することがより好ましい。
第2チャンバ109は、カバー106の一端に設けられる。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、カバー106の両面を貫通する孔を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、カバー106の外周面に凹構造を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、図2に示すように、円形の貫通孔を備えることが最も好ましい。なお生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、図5(a)〜(d)に示すように、四角形、台形、多角形、楕円形の貫通孔を備え得る。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、任意の閉曲線から形成される形状の貫通孔などでも良い。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、流路、スリットを備え得る。
生体分子検出装置100は、第1チャンバ107チャンバの上方に第2チャンバ109を備えることが最も好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107チャンバの側方または下方に第2チャンバ109を備え得る。
溶液を保持しやすくするために、第2チャンバ109の内壁の少なくとも一部は、親水性表面を有することが好ましい。第2チャンバ109の内壁の少なくとも一部を親水的にするために、第2チャンバ109の内壁の少なくとも一部は、酸素プラズマにより処理されるか、または親水性材料により被覆されることが好ましい。第2チャンバ109の内壁に、凹凸構造、溝構造、多孔質構造が設けられることが好ましい。第2チャンバ109の内壁の少なくとも一部は、疎水性表面を有し得る。第2チャンバ109の内壁の少なくとも一部を疎水的にするために、第2チャンバ109の内壁の少なくとも一部は、疎水性材料により被覆されることが好ましい。第2チャンバ109は、光学計測の観点から透明材料から構成されることが好ましい。なお第2チャンバ109は、不透明材料から構成され得る。第2チャンバ107の内部には、ナノボール、スフェア、ビーズが充填され得る。
操作性の観点から、第2チャンバ109は、1pL以上100mL以下の容量を有することが好ましく、1nL以上100μL以下の容量を有することがより好ましい。第2チャンバ109は1nm2以上100cm2以下の断面積を有することが好ましい。ここで言う断面積とは、カバー106の面に垂直方向から第2チャンバ109を見た時の面積の意味である。図6(a)には、カバー106の面に垂直方向から見た第2チャンバ109を示す。第2チャンバ109の断面積とは、図6(a)のドットで示した領域の面積のことである。第2チャンバ109は、10nm以上1cm以下の深さを有することが好ましく、10μm以上1mm以下の深さを有することが最も好ましい。図6(b)には、第2チャンバ109を含むカバー106の断面を示す。第2チャンバ109の深さとは、長さ131の意味である。図6(b)において、第2チャンバ109は長方形の断面を有することが好ましい。図6(b)において、第2チャンバ109は、台形の断面を有し得る。熱伝導を制限する観点から、フィルタ104は、第1チャンバ109に対して10nm2以上4mm2以下の接触面積を有することが好ましい。
第2チャンバ109は、第1チャンバ107と同じ容量を有することが好ましい。なお第2チャンバ109は、第1チャンバ107と異なる容量を有し得る。なお第2チャンバ109は、第1チャンバ107よりも大きい容量を有することが好ましい。第2チャンバ109は、第1チャンバ107の100倍以上の容量を有することが好ましく、104倍以上がより好ましい。
生体分子検出装置100は、カバー106の一端に第1温度制御部110を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109の近傍に第1温度制御部110を備えることがより好ましい。第1温度制御部110と第2チャンバ109の距離は、10nm以上20mm以下であることが好ましく、10μm以上1mm以下であることがより好ましい。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109の直上に第1温度制御部110を備え得る。
生体分子検出装置100は、第1温度制御部110として加熱器を備えることが最も好ましい。生体分子検出装置100は、第1温度制御部110として、ニクロムヒータ、モリブデンヒータ、タングステンヒータ、カンタルヒータ、グラファイトヒータ、シーズヒータ、SiCヒータ、二ケイ化モリブデン(MoSi2)ヒータを備えることが好ましい。なお生体分子検出装置100は、第1温度制御部110として、ホットプレート、ペルチェ素子、誘導加熱器、赤外線加熱器、電磁波加熱器、抵抗加熱器、マイクロ波加熱器を備え得る。生体分子検出装置100は、第1温度制御部110として冷却機能を備え得る。
第1温度制御部110は、板状であることが好ましい。なお第1温度制御部110は、円形、台形、平行四辺形、楕円、多角形の形状を有し得る。第1温度制御部110は、基板101と同じ面積を有することが最も好ましい。なお第1温度制御部110は、基板101異なる面積を有し得る。第1温度制御部110は、基板101と同じ厚みを有することが好ましい。なお第1温度制御部110は、基板101と異なる厚みを有し得る。第1温度制御部110は、基板101と同じ形状を有することが好ましい。なお第1温度制御部110は、基板101と異なる形状を有し得る。第1温度制御部110は、スペーサ103と同じ面積を有することが最も好ましい。なお第1温度制御部110は、スペーサ103と異なる面積を有し得る。第1温度制御部110は、スペーサ103と同じ厚みを有することが好ましい。第1温度制御部110は、スペーサ103と異なる厚みを有し得る。第1温度制御部110は、スペーサ103と同じ形状を有することが好ましい。なお第1温度制御部110は、スペーサ103と異なる形状を有し得る。第1温度制御部110は、フィルタ104と同じ面積を有することが最も好ましい。なお第1温度制御部110は、フィルタ104と異なる面積を有し得る。第1温度制御部110は、フィルタ104と同じ厚みを有することが好ましい。第1温度制御部110は、フィルタ104と異なる厚みを有し得る。第1温度制御部110は、フィルタ104と同じ形状を有することが好ましい。なお第1温度制御部110は、フィルタ104と異なる形状を有し得る。第1温度制御部110は、カバー106と同じ面積を有することが最も好ましい。なお第1温度制御部110は、カバー106と異なる面積を有し得る。第1温度制御部110は、カバー106と同じ厚みを有することが好ましい。第1温度制御部110は、カバー106と異なる厚みを有し得る。第1温度制御部110は、カバー106と同じ形状を有することが好ましい。なお第1温度制御部110は、カバー106と異なる形状を有し得る。
第1温度制御部110とカバー106は、10nm2以上100mm2以下の接触面積を有することが好ましく、10μm2以上10mm2以下の接触面積を有することがより好ましい。第1温度制御部110とカバー106の接触面積を増大させるために、第1温度制御部110とカバー106の界面には、凹凸が設けられることが好ましい。第1温度制御部110とカバー106をはめ合わせても良い。生体分子検出装置100は、第1温度制御部110とカバー106の間に、良熱伝導性の材料を備え得る。
第1温度制御部110はカバー106へ接触させることが最も好ましい。第1温度制御部110はカバー106へ非接触に設けられ得る。
生体分子検出装置100は、基板101の一端に第2温度制御部111を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107の近傍に第2温度制御部111を備えることがより好ましい。第2温度制御部111と第1チャンバ107の距離は、10nm以上20mm以下であることが好ましく、10μm以上1mm以下であることがより好ましい。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107の直下に第2温度制御部111を備え得る。
生体分子検出装置100は、第2温度制御部111として冷却器を備えることがもっとも好ましい。生体分子検出装置100は、第2温度制御部111として、ペルチェ素子、放熱フィン、空冷ファン、水冷管を備え得る。生体分子検出装置100は、第2温度制御部111として加熱機能を備え得る。
第2温度制御部111は、板状であることが好ましい。なお第2温度制御部111は、円形、台形、平行四辺形、楕円、多角形の形状を有し得る。第2温度制御部111は、基板101と同じ面積を有することが最も好ましい。なお第2温度制御部111は、基板101異なる面積を有し得る。第2温度制御部111は、基板101と同じ厚みを有することが好ましい。なお第2温度制御部111は、基板101と異なる厚みを有し得る。第2温度制御部111は、基板101と同じ形状を有することが好ましい。なお第2温度制御部111は、基板101と異なる形状を有し得る。第2温度制御部111は、スペーサ103と同じ面積を有することが最も好ましい。なお第2温度制御部111は、スペーサ103と異なる面積を有し得る。第2温度制御部111は、スペーサ103と同じ厚みを有することが好ましい。第2温度制御部111は、スペーサ103と異なる厚みを有し得る。第2温度制御部111は、スペーサ103と同じ形状を有することが好ましい。なお第2温度制御部111は、スペーサ103と異なる形状を有し得る。第2温度制御部111は、フィルタ104と同じ面積を有することが最も好ましい。なお第2温度制御部111は、フィルタ104と異なる面積を有し得る。第2温度制御部111は、フィルタ104と同じ厚みを有することが好ましい。第2温度制御部111は、フィルタ104と異なる厚みを有し得る。第2温度制御部111は、フィルタ104と同じ形状を有することが好ましい。なお第2温度制御部111は、フィルタ104と異なる形状を有し得る。第2温度制御部111は、カバー106と同じ面積を有することが最も好ましい。なお第2温度制御部111は、カバー106と異なる面積を有し得る。第2温度制御部111は、カバー106と同じ厚みを有することが好ましい。第2温度制御部111は、カバー106と異なる厚みを有し得る。第2温度制御部111は、カバー106と同じ形状を有することが好ましい。なお第2温度制御部111は、カバー106と異なる形状を有し得る。
第2温度制御部111と基板101は、10nm2以上100mm2以下の接触面積を有することが好ましく、10μm2以上10mm2以下の接触面積を有することがより好ましい。第2温度制御部111と基板101の接触面積を増大させるために、第2温度制御部111と基板101の界面には、凹凸が設けられることが好ましい。第2温度制御部111と基板101をはめ合わせても良い。生体分子検出装置100は、第2温度制御部111と基板101の間に、良熱伝導性の材料を備え得る。
第2温度制御部111は基板101へ接触させることが最も好ましい。第2温度制御部111は基板101へ非接触に設けられ得る。
次に、本発明の実施形態1における、生体分子検出方法について説明する。図7〜図9は、本発明の実施形態1における生体分子検出装置の動作を示す説明図である。図7〜図9において、図1、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
(充填工程)
充填工程では、第1チャンバ107は吸収剤108により満たされる。図7には充填工程を示す。第1チャンバ107へ充填される吸収剤108は、1pL以上100mL以下の液量を有することが好ましく、1nL以上100μL以下の液量を有することがより好ましい。
吸収剤108は、マイクロピペット、シリンジ、スポイド、流路、インクジェット、チューブ、オートサンプラーにより第1チャンバ107へ充填されることが好ましい。吸収剤108は、自動で充填されることが好ましい。なお吸収剤108は、半自動、手動で充填され得る。吸収剤108は、全量を1回で充填されることが好ましい。なお吸収剤108は、全量を2回以上に分けて充填され得る。吸収剤108は、一定の速度で第1チャンバ107へ充填されることが好ましい。なお吸収剤108は、速度を変えて第1チャンバ107へ充填され得る。
吸収剤108は、0℃以上60℃以下の温度を有することが好ましく、4℃以上45℃以下の温度を有することがより好ましい。
吸収剤108の充填を検出するために、生体分子検出装置100は、吸収剤108を検出する機構を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、吸収剤108を検出する機構として、検出部102を用いることが好ましい。生体分子検出装置100は、吸収剤108を検出する機構として、光学式検出器、電子式検出器、電気化学式検出器を備えることが好ましい。
吸収剤108は、フィルタ104をスペーサ103に接着する前に、第1チャンバ107へ充填されることが好ましい。なお吸収剤108は、フィルタ104をスペーサ103に接着した後に、第1チャンバ107へ充填され得る。なお吸収剤108は、基板101および/またはスペーサ103および/またはフィルタ104に設けられた流路を介して、第1チャンバ107へ充填され得る。吸収剤108は、細孔105を介して、第1チャンバ107へ充填され得る。
充填工程は、1ミリ秒以上1時間以下を要することが好ましく、1秒以上10分以下を要することがより好ましい。
(試料注入工程)
試料注入工程では、第2チャンバ109に試料200を配置する。図8(a)は試料注入工程を示す。試料200は、第1生体分子201を含んでいる。試料200は、第2生体分子202と電解質203を含み得る。試料200として、生体から採取した体液が注入されることが好ましい。試料200として、尿、血液、汗、呼気凝縮液、組織液、組織間液、細胞間液、間質液、体腔液、漿膜腔液、胸水、腹水、心嚢液、髄液、関節液、眼房水、消化液、胃液、胆汁、膵液、腸液、鼻水、涙液、唾液、リンパ液、細胞培養液、組織培養液が注入され得る。試料200として、希釈液、濃縮液、反応生成液が注入され得る。
試料200は、マイクロビーズを含むことが好ましい。試料200は、ガラスビーズ、磁気ビーズ、ポリスチレンビーズを含み得る。
試料200は、1種類の第1生体分子201を含むことが好ましい。試料200は、2種類以上の第1生体分子201を含むことがより好ましい。
試料200は、第1生体分子201として、有機化合物を含むことが最も好ましい。試料200は、第1生体分子201として、分子量32以上308以下の有機化合物を含むことが好ましい。試料200は、第1生体分子201として、低分子有機化合物を含むことが好ましい。試料200は、第1生体分子201として、核酸、ペプチド、ヌクレオチド、ヌクレオシド、アミノ酸、糖、脂質、代謝生成物、代謝中間体、代謝拮抗物質を含むことが好ましい。試料200は、第1生体分子201として、一次代謝物、二次代謝物を含むことが好ましい。試料200は、第1生体分子201として、ヒトの代謝生成物、ヒトの代謝中間体、ヒトの代謝拮抗物質であることが好ましい。試料200は、第1生体分子201として、アルコール、アルデヒド、アルカン、アルケン、アルキン、アミド、アミン、アゾ化合物、ベンゼン、カルボン酸、シアネート、ジスルフィド、エステル、エーテル、ハロゲン化アルキル、イミン、イソニトリル、ケトン、ニトリル、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、ペルオキシド、リン酸、ピリジン、スルホン、スルホン酸、スルホキシド、チオエステル、スルフィド、チオール、基質、インヒビター、神経伝達物質、オータコイド、セカンドメッセンジャー物質、抗生物質、有機酸、酢酸、乳酸、アミノ酸、エタノール、ブタノール、酪酸、イソプロパノール、プロピオン酸、ギ酸、アセトン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、メチオニン、多糖、リン脂質、糖脂質、を含むことが好ましい。試料200は、第1生体分子201として、薬物代謝により生成される物質を含むことが好ましい。
試料200において、第1生体分子201は、1zg/mL以上1mg/mL以下の濃度を有することが好ましい。第1生体分子201は、水溶性であることが最も好ましい。なお第1生体分子201は、脂溶性であっても良い。第1生体分子201は、ヒドロキシ基、ポリオール、ポリフェノール、ペルオキシ、ケトン、アシル基、アセチル基、エノール、エナミン、アルデヒド基、アセタール、ヘミアセタール、カルボキシル基、オキシム、チオール、スルホン酸、ウレア、カルボニル基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、水酸基、アルキル基、ビニル基、Allyl基、シクロアルキル基、Aryl基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基を有することが好ましい。第1生体分子201は、揮発性有機化合物であることが好ましい。第1生体分子201は、高揮発性有機化合物(VVOC)、準揮発性有機化合物(SVOC)、粒子状有機化合物(PVOC)であることが好ましい。第1生体分子201の沸点は、0℃以上500℃以下であることが好ましく、0℃以上100℃以下であることがより好ましい。20℃において、第1生体分子201は、1mmHg以上1000mmHg以下の蒸気圧を有することが好ましく、10mmHg以上1000mmHg以下の蒸気圧を有することがより好ましい。
試料200は、1種類の第2生体分子202を含むことが好ましい。なお試料200は、2種類以上の第2生体分子202を含み得る。図8(a)では、試料200が、第2生体分子202として、第2生体分子202aおよび第2生体分子202bの2種類を含んでいることを示している。第2生体分子202は、検出対象としない生体分子、すなわち妨害物質を意味する。
試料200は、第2生体分子202として、有機化合物を含むことが最も好ましい。試料200は、第2生体分子202として、分子量400以上の有機化合物を含むことが好ましい。試料200は、第2生体分子202として、低分子有機化合物、高分子有機化合物を含み得る。試料200は、第2生体分子202として、DNA、RNA、核酸、タンパク質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、アミノ酸、糖、脂質、ビタミン、ホルモン、代謝生成物、代謝中間体、代謝拮抗物質を含み得る。試料200は、第2生体分子202として、一次代謝物、二次代謝物を含み得る。試料200は、第2生体分子202として、ヒトの代謝生成物、ヒトの代謝中間体、ヒトの代謝拮抗物質を含むことが好ましい。試料200は、第2生体分子202として、アルコール、アルデヒド、アルカン、アルケン、アルキン、アミド、アミン、アゾ化合物、ベンゼン、カルボン酸、シアネート、ジスルフィド、エステル、エーテル、ハロゲン化アルキル、イミン、イソニトリル、ケトン、ニトリル、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、ペルオキシド、リン酸、ピリジン、スルホン、スルホン酸、スルホキシド、チオエステル、スルフィド、チオール、酵素、基質、インヒビター、受容体、アゴニスト、アンタゴニスト、ステロイドホルモン、ペプチドホルモン、神経伝達物質、オータコイド、セカンドメッセンジャー物質、抗生物質、有機酸、酢酸、乳酸、アミノ酸、エタノール、ブタノール、酪酸、イソプロパノール、プロピオン酸、ギ酸、アセトン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、メチオニンを含み得る。試料200は、第2生体分子202として、多糖、リン脂質、糖タンパク質、糖脂質、ステロールを含み得る。試料200は、第2生体分子202として、薬物代謝により生成される物質を含み得る。
試料200において、第2生体分子202は、1zg/mL以上1mg/mL以下の濃度であることが好ましい。第2生体分子202は、水溶性分子であることが最も好ましい。なお第2生体分子202は脂溶性分子であっても良い。第2生体分子202は、ヒドロキシ基、ポリオール、ポリフェノール、ペルオキシ、ケトン、アシル基、アセチル基、エノール、エナミン、アルデヒド基、アセタール、ヘミアセタール、カルボキシル基、オキシム、チオール、スルホン酸、ウレア、カルボニル基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、アゾ基、チオール基、スルホ基、ニトロ基、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、水酸基、アルキル基、ビニル基、Allyl基、シクロアルキル基、Aryl基、フェニル基、ナフチル基、アラアルキル基、ベンジル基を有することが好ましい。第2生体分子202は、揮発性有機化合物であることが好ましい。第2生体分子202は、高揮発性有機化合物(VVOC)、準揮発性有機化合物(SVOC)、粒子状有機化合物(PVOC)であることが好ましい。第2生体分子202の沸点は、0℃以上500℃以下であることが好ましく、0℃以上100℃以下であることがより好ましい。20℃において、第2生体分子202は、1mmHg以上1000mmHg以下の蒸気圧を有することが好ましく、10mmHg以上1000mmHg以下の蒸気圧を有することがより好ましい。なお第2生体分子202は不揮発性有機化合物であっても良い。
試料200は、電解質203として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、リン酸水素、塩酸、グリシン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、トリスアミノメタン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムを含むことが好ましい。試料200は、水素イオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リン酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオンを含み得る。試料200は緩衝液を含むことが好ましい。試料200は、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水を含むことが好ましい。なお試料200は、塩酸−塩化カリウム緩衝液、グリシン−塩酸緩衝液、クエン酸−リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、炭酸−重炭酸緩衝液を含み得る。試料200は、pH=2.2以上pH=10.6以下であることが好ましく、pH=5.8以上pH=8.0以下であることが好ましい。試料200は、細胞内液または細胞外液を含むことが好ましい。試料200において、電解質203は、1μM以上3M以下の濃度であることが好ましく、1μM以上1M以下の濃度であることがより好ましい。
試料200は、1種類の電解質203を含むことが好ましい。なお試料200は、2種類以上の電解質203を含み得る。
試料200において、生体第1分子201は生体第2分子202のよりも低い濃度を有することが最も好ましい。なお試料200において、生体第1分子201は生体第2分子202よりも高い濃度を有し得る。20℃において、生体第1分子201は生体第2分子202よりも高い蒸気圧を有することが最も好ましい。なお20℃において、生体第1分子201は生体第2分子202よりも低い蒸気圧を有し得る。
第2チャンバ109へ注入される試料200は、1pL以上100mL以下の液量を有することが好ましく、1nL以上100μL以上の液量を有することがより好ましい。第2チャンバ109は、試料200により充満されても良いし、充満されなくても良い。
試料200は、マイクロピペット、シリンジ、スポイド、流路、インクジェット、チューブ、オートサンプラーにより第2チャンバ109へ注入されることが好ましい。試料200は、自動で注入されることが好ましい。なお試料200は、半自動、手動で注入され得る。試料200は、全量を1回で注入され得る。試料200は、全量を複数回に分けて注入され得る。試料200は、一定の速度で第2チャンバ109へ注入されることが好ましい。なお試料200は、速度を変えて第2チャンバ109へ注入され得る。
試料200は、0℃以上60℃以下の温度を有することが好ましく、4℃以上45℃以下の温度を有することがより好ましい。
試料200の注入を検出するために、生体分子検出装置100は、試料200を検出する機構を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、試料200を検出する機構として、光学式検出器、電子式検出器、電気化学式検出器を備えることが好ましい。
試料200における第1生体分子201は、吸収剤108における第1生体分子201の10倍以上の濃度を有することが好ましく、1000倍以上の濃度を有することが最も好ましい。
(温度制御工程)
温度制御工程では、試料200は第1温度制御部110により温度制御される。図8(b)は温度制御工程を表す。試料200は第1温度制御部110により加熱されることが最も好ましい。試料200は、カバー106を介して、第1温度制御部110により温度制御されることが好ましい。試料200は、熱伝導により温度制御されることが好ましい。試料200は、輻射、対流により温度制御され得る。
試料200は、0℃以上200℃以下に温度制御されることが好ましく、4℃以上50℃以下に温度制御されることが最も好ましい。なお、試料200は、室温に保持され得る。
試料200は、1℃/秒以上の昇温速度で加熱することが好ましく、5℃/秒以上の昇温速度で加熱することが最も好ましい。試料200は、時間に対して連続的に昇温されることが好ましい。なお試料200は、時間に対してパルス的に昇温され得る。試料200は、±1℃の精度で温度制御されることが好ましい。
試料200の温度が測定されることが好ましい。試料200の温度は、熱電対、抵抗温度計、サーミスタ、放射温度計、バイメタル式温度計により測定されることが好ましい。試料200は、時間に対して一定の温度を有することが好ましい。なお試料200は、時間とともに変化する温度を有し得る。第2チャンバ109内において、試料200は均一の温度を有することが好ましい。なお第2チャンバ109内において、試料200は空間的に変化する温度を有し得る。試料200の湿度が測定されることが好ましい。
試料200は、自動で温度制御されることが好ましい。なお試料200は、半自動、手動で温度制御され得る。
試料200は、静置されることが好ましい。試料200は流され得る。
温度制御工程では、吸収剤108は第2温度制御部111により温度制御される。吸収剤108は第2温度制御部111により冷却されることが最も好ましい。吸収剤108は、基板101を介して、第2温度制御部111により温度制御されることが好ましい。吸収剤108は、熱伝導により温度制御されることが好ましい。吸収剤108は、輻射、対流により温度制御され得る。
吸収剤108は、0℃以上200℃以下に温度制御されることが好ましく、4℃以上50℃以下に温度制御されることが最も好ましい。なお、吸収剤108は、室温に保持され得る。
吸収剤108は、1℃/秒以上の降温速度で加熱することが好ましく、5℃/秒以上の降温速度で冷却することが最も好ましい。試料200は、時間に対して連続的に降温されることが好ましい。なお試料200は、時間に対してパルス的に降温され得る。吸収剤108は、±1℃の精度で温度制御されることが好ましい。
吸収剤108の温度が測定されることが好ましい。吸収剤108の温度は、熱電対、抵抗温度計、サーミスタ、放射温度計、バイメタル式温度計により測定されることが好ましい。吸収剤108は、時間に対して一定の温度を有することが好ましい。なお吸収剤108は、時間とともに変化する温度を有し得る。第1チャンバ107内において、吸収剤108は均一の温度を有することが好ましい。なお第1チャンバ107内において、吸収剤108は空間的に変化する温度を有し得る。吸収剤108の湿度が測定されることが好ましい。
吸収剤108は、自動で温度制御されることが好ましい。なお吸収剤108は、半自動、手動で温度制御され得る。
試料吸収剤108は、静置されることが好ましい。吸収剤108は流され得る。
吸収剤108は、試料200よりも低い温度を有することが最も好ましい。吸収剤108は、試料200と1℃以上50℃以下の温度差を有することが好ましく、3℃以上20℃以下の温度差を有することがより好ましい。吸収剤108の温度は、試料200の温度よりも1℃以上50℃以下低くすることが好ましく、3℃以上20℃以下低くすることが好ましい。吸収剤108は、試料200と異なる温度を有し得る。吸収剤108と試料200は、時間に対して一定の温度差を有することが最も好ましい。吸収剤108と試料200は、時間とともに変化する温度差を有し得る。
温度制御工程は、試料注入工程の終了した後に開始されることが最も好ましい。なお温度制御工程は、試料注入工程と並行して行なわれ得る。
(ろ過工程)
ろ過工程では、フィルタ104により試料200に第2生体分子202および電解質203は留められ、かつフィルタ104を通過して試料200から吸収剤108へ第1生体分子201は選択的に移動される。図8(c)はろ過工程を表す。
第1生体分子201は、拡散により移動されることが最も好ましい。なお第1生体分子201は、試料200と吸収剤108における濃度差により移動され得る。試料200における第1生体分子201は、吸収剤108における第1生体分子201の10倍以上の濃度を有することが好ましい。第1チャンバ107と第2チャンバ109における圧力差により移動され得る。第1チャンバ107は、第2チャンバ109すなわち、外気圧よりも低い内部圧力を有することが好ましいが、高い内部圧力を有し得る。第1生体分子201は、試料200と吸収剤108における蒸気圧差により移動され得る。試料200の温度を上昇させることにより、試料200における第1生体分子201の蒸気圧を上昇させることが好ましい。吸収剤108の温度を降下させることにより、吸収剤108における第1生体分子201の蒸気圧を降下させることが好ましい。試料200における第1生体分子201は、吸収剤108における第1生体分子201よりも10mmHg以上の高い蒸気圧を有することが好ましく、100mmHg以上の高い蒸気圧を有することがより好ましい。第1生体分子201は、第1チャンバ107と第2チャンバ109における電位差により移動され得る。
熱伝導を抑制する観点から、細孔105の内部は気体により占有されることが最も好ましい。細孔105の内部の少なくとも一部は、気体により占有されることが好ましい。細孔105の内壁は、イオン交換樹脂により被覆されることが好ましい。ろ過効率の観点から、第1生体分子201は細孔105の内壁への吸着を抑制されることが好ましい。細孔105の内壁は、吸着防止材により被覆されることが好ましい。細孔105の内壁は、ポリマーにより被覆されることが好ましい。細孔105の内壁は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンにより被覆されることが好ましい。
フィルタ104への第2生体分子202の進入を抑制するため、試料200は、0℃以上200℃以下に加熱されることが好ましく、4℃以上45℃以下に加熱されることが最も好ましい。
第1生体分子201の移動を促進するため、試料200は、0℃以上200℃以下に加熱されることが好ましく、4℃以上45℃以下に加熱されることが最も好ましい。
第1生体分子201の細孔105内壁への付着を抑制するために、フィルタ104は加熱されることが好ましい。フィルタ104は、0℃以上200℃以下の温度を有することが好ましく、4℃以上45℃以下の温度を有することがより好ましい。フィルタ104は、第1温度制御部110により加熱されることが好ましい。フィルタ104は、試料200と同じ温度を有することが好ましい。なおフィルタ104は、試料200と異なる温度を有し得る。
移動された第1生体分子201は、吸収剤108へ溶解されることが最も好ましい。なお移動された第1生体分子201は、吸収剤108へ水和、固定、捕捉、吸着され得る。
吸収剤108は、1pL以上100mL以下の量を有することが好ましく、1nL以上100μL以上の量を有することがより好ましい。第1チャンバ107は、吸収剤108により充満されることが好ましい。吸収剤108は、試料200の量よりも少ないことが好ましい。吸収剤108は、試料200の量の1/100以下であることが好ましく、1/1000以下であることがより好ましい。
吸収剤108は冷却されることが好ましい。吸収剤108は、−20℃以上45℃以下の温度を有することが好ましく、0℃以上25℃以下の温度を有することがより好ましい。吸収剤108は、試料200と異なる温度を有することが最も好ましい。吸収剤108は、試料200よりも低い温度を有することが好ましい。なお吸収剤108は、試料200と同じ温度を有し得る。
ろ過工程は、1ミリ秒以上1時間以下を要することが好ましく、1秒以上10分以下を要することがより好ましい。吸収剤108における第1生体分子201の濃度を平衡状態にした後、ろ過工程が停止されることが好ましい。なお、吸収剤108における第1生体分子201の濃度を平衡状態にする前に、ろ過工程は停止され得る。
吸収剤108における第1生体分子201は、試料200における第1生体分子201と同じ濃度を有することが好ましい。なお吸収剤108における第1生体分子201は、試料200における第1生体分子201と異なる濃度を有し得る。吸収剤108における第1生体分子201は、試料200における第1生体分子201よりも低い濃度を有し得る。
吸収剤108における電解質203は、試料200における電解質203よりも高い濃度を有することが最も好ましい。なお吸収剤108における電解質203は、試料200における電解質203よりも低い濃度を有し得る。吸収剤108における電解質203は、試料200における電解質203と同じ濃度を有し得る。吸収剤108における電解質203の濃度は、時間に対して一定であることが最も好ましい。試料200における電解質203の濃度は、時間に対して一定であることが最も好ましい。
吸収剤108における第2生体分子202は、試料200における第2生体分子202よりも低い濃度を有することが好ましい。なお吸収剤108における第2生体分子202は、試料200における第2生体分子202よりも高い濃度を有し得る。吸収剤108における第2生体分子202は、試料200における第2生体分子202と同じ濃度を有し得る。吸収剤108における第2生体分子202の濃度は、時間に対して一定であることが最も好ましい。試料200における第2生体分子202の濃度は、時間に対して一定であることが最も好ましい。
吸収剤108における複数の第1生体分子201は、試料200における複数の第1生体分子201と同じ濃度の比率を有することが最も好ましい。例えば、吸収剤108には、複数の第1生体分子201として、分子A、分子Bを含むとする。試料200における分子Aの濃度をCA、試料200における分子Bの濃度をCB、吸収剤108における分子Aの濃度をC1A、吸収剤108における分子Bの濃度をC1Bとする。複数の第1生体分子201は、CA:CB=C1A:C1Bの比率を有することが最も好ましい。なお吸収剤108における複数の第1生体分子201は、試料200における複数の第1生体分子201の濃度の比率と異なっても良い。すなわち、CA:CB≠C1A:C1Bの比率を有し得る。
注入工程を開始する前に、予め第1チャンバ107へ吸収剤108を注入しておくことが好ましい。温度制御工程を開始する前に、予め第1チャンバ107へ吸収剤108を注入しておくことが好ましい。ろ過工程を開始する前に、第1チャンバ107へ吸収剤108を注入することが好ましく、
ろ過工程は、試料注入工程と並行して行なわれ得る。ろ過工程は、温度制御工程と並行して行なわれることが最も好ましい。なおろ過工程は、温度制御工程を終了した後に開始され得る。
(検出工程)
検出工程では、吸収剤108に含まれる第1生体分子201が検出部102により検出される。図9は、検出工程を表す。第1生体分子201の存在が、検出部102により検出されることが最も好ましい。第1生体分子201の濃度が、検出部102により測定されることが好ましい。第1生体分子201の濃度変化が、検出部102により測定されることがより好ましい。
第2生体分子202の存在が、検出部102により検出され得る。第2生体分子202の濃度が、検出部102により測定され得る。第2生体分子202の濃度変化が、検出部102により測定され得る。
電解質203の存在が、検出部102により検出され得る。電解質203の濃度が、検出部102により測定され得る。電解質203の濃度変化が、検出部102により測定され得る。
検出工程は、1ミリ秒以上1時間以下を要することが好ましく、1秒以上10分以下を要することがより好ましい。吸収剤108における第1生体分子201の濃度を平衡状態にした後で、検出工程が開始されることが最も好ましい。なお吸収剤108における第1生体分子201の濃度を平衡状態にする前に、検出工程が開始され得る。
検出工程は、ろ過工程を停止した後に開始されることが最も好ましい。なお検出工程は、ろ過工程と並行して行なわれ得る。検出工程は、充填工程と並行して行なわれ得る。検出工程は、試料注入工程と並行して行なわれ得る。検出工程は、温度制御工程と並行して行なわれ得る。
吸収剤108は、攪拌されることが好ましい。吸収剤108は、マグネティックスターラ、超音波振動子、遠心器、ボルテックスミキサにより、攪拌されることが好ましい。
検出部102は、0℃以上800℃以下の温度を有することが好ましい。検出部102として生物センサを用いる場合、検出部102は、0℃以上40℃以下の温度を有することが好ましい。検出部102としてガスクロマトグラフを用いる場合、検出部102は、100℃以上300℃以下の温度を有することが好ましい。検出部102として酸化物半導体センサを用いる場合、検出部102は、500℃以上800℃以下の温度を有することが好ましい。検出部102を高温にする場合、検出部102は吸収剤108に対して熱絶縁することが好ましい。検出部102は、時間に対して一定の温度を有することが最も好ましい。なお検出部102は、時間に対して変化する温度を有し得る。検出部102は、吸収剤108と同じ温度を有することが好ましい。なお検出部102は、吸収剤108と異なる温度を有し得る。
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2における生体分子検出装置100の説明図である。図10において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
本実施形態と実施形態1との最も異なる点は、第2チャンバ109を流路形状にすることである。第2チャンバ109を流路にすることで、試料200の蒸発が抑制されるので、微量な試料200に含まれる第1生体分子201を検出できる。
本実施形態において、分析装置100は以下の構成からなる。
基板101の材料は、1W/m・K以下の熱伝導率を有することが好ましく、0.2W/m・K以下の熱伝導率を有することがより好ましい。基板101は、ガラスから構成されることが最も好ましい。基板101は、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラスから構成され得る。基板101は、無機材料から構成されることが好ましい。基板101は、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、インジウムリン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化アルミ、アルミナ、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化マグネシウム、マイカ、セラミクス、酸化チタン、グラファイト、グラフェン、ニッケル、銅、アルミ、金、白金から構成され得る。基板101は、有機材料から構成されることが好ましい。基板101は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から構成されることが好ましい。基板101は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンから構成され得る。基板101は、有機半導体から構成されることが好ましい。基板101は、多環芳香族炭化水素、低分子化合物、ポリマーから構成され得る。基板101は、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリパラフェレンビニレンから構成され得る。基板101は、1種類の材料から構成されることが好ましい。なお基板101は、複数の材料を組み合わせから構成され得る。基板101の表面は、基板101の材料と異なる材料により被覆され得る。
基板101は、熱伝導を小さくするために、エアギャップ構造を有することが好ましい。なお基板101は、熱伝導を小さくするために、発泡体を有していても良い。
基板101は、第2温度制御部111を備えることが好ましい。第2温度制御部111により吸収剤108を冷却することが好ましい。第2温度制御部111は、ペルチェ素子、放熱フィン、空冷ファン、水冷管であることが好ましい。第2温度制御部111は第1チャンバ107の近傍に設けることが好ましい。第2温度制御部111は、図10に示すように、第1チャンバ107の直下に設けることが好ましい。
基板101は、機械加工、切削加工、研削加工、研磨加工により加工されることが最も好ましい。なお基板101は、マイクロマシン技術、微小電気機械素子(MEMS)技術、半導体微細加工技術、光造形、レーザ加工により加工され得る。基板101は、射出成形、圧縮成形、押し出し成形、注型成形、ナノインプリント、3次元成形により加工され得る。
検出部102は基板101の一端に設けられる。検出部102は基板101の外周面に設けられることが最も好ましい。なお検出部102は、シリンジ、パイプ、キャピラリ、チューブ、流路などの接続部を介して基板101の一端に設けられても良い。
検出部102は、温度制御されることが好ましい。検出部102の感度が最も高くなる温度において、検出部102が動作されることが好ましい。検出部102の温度は、第2温度制御部111により制御されることが好ましい。なお検出部102の温度は、第2温度制御部111以外の温度制御部により制御されても良い。
検出部102は第1チャンバ107の底部に設けられることが好ましい。検出部102は、第1チャンバ107の側部に設けられ得る。なお検出部102は、第1チャンバ107の天井部に設けられ得る。
第1生体分子201との接触面積を増大させるため、検出部102は、凹凸構造、溝構造、ポーラス構造を備えていても良い。検出部102と吸収剤108との接触面積は、10nm2以上100mm2以下であることが好ましい。
基板101の一端に設けられた検出部102により第1生体分子201を検出することが好ましい。基板101と検出部102の間に接続部を設けても良い。接続部は、シリンジ、パイプ、キャピラリ、チューブ、流路でも良い。接続部を介して検出部102へ第1生体分子201を移動させた後、検出部102により第1生体分子201を検出しても良い。
検出部102は、半導体微細加工技術により形成されることが好ましい。検出部102は、リソグラフィ、ドライエッチング、成膜、化学的機械的研磨(CMP)により形成されることが好ましい。検出部102は、印刷技術により形成されることが好ましい。検出部102は、インクジェット印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、スプレー印刷により形成され得る。
スペーサ103は、検出部102の側部にあって基板101の他端に設けられる。スペーサ103の材料は、1W/m・K以下の熱伝導率を有することが好ましく、0.2W/m・K以下の熱伝導率を有することがより好ましい。スペーサ103は、有機材料から構成されることが最も好ましい。スペーサ103は、ポリジメチルシロキサンから構成されることが最も好ましい。スペーサ103は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から構成され得る。スペーサ103は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンから構成され得る。スペーサ103は、有機半導体から構成されることが好ましい。スペーサ103は、多環芳香族炭化水素、低分子化合物から構成され得る。スペーサ103は、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリパラフェレンビニレンから構成され得る。スペーサ103は、1種類の材料から構成されることが好ましい。なおスペーサ103は、複数の材料から構成され得る。スペーサ103の外周面の少なくとも一部は、スペーサ103の材料と異なる材料により被覆されることが好ましい。スペーサ103は、無機材料から構成され得る。なおスペーサ103は、ガラスから構成されることが好ましい。スペーサ103は、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラスから構成され得る。スペーサ103は、半導体、絶縁体、導体から構成され得る。スペーサ103は、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、インジウムリン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化アルミ、アルミナ、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化マグネシウム、マイカ、セラミクス、酸化チタン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、ニッケル、銅、アルミ、金、白金から構成され得る。
スペーサ103は、熱伝導を小さくするために、エアギャップ構造を有することが好ましい。なおスペーサ103は、熱伝導を小さくするために、発泡体を有していても良い。
スペーサ103は、冷却部を備えていても良い。
スペーサ103は、熱伝導率の小さい接着剤により、基板101に接着されることが好ましい。接着剤は、1W/m・K以下の熱伝導率を有することが好ましく、0.2W/m・K以下の熱伝導率を有することがより好ましい。スペーサ103と基板101との接触面積を小さくするために、スペーサ103は、基板101との界面に凹凸構造を備えることが好ましい。
スペーサ103は、機械加工、切削加工、研削加工、研磨加工により加工されることが最も好ましい。なおスペーサ103は、マイクロマシン技術、微小電気機械素子(MEMS)技術、半導体微細加工技術、光造形、レーザ加工により加工され得る。スペーサ103は、射出成形、圧縮成形、押し出し成形、注型成形、ナノインプリント、3次元成形により加工され得る。
フィルタ104は、疎水性高分子から構成されることが好ましい。フィルタ104は、疎水性高分子から構成されることが好ましく、シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリテトラフルオロエチレンであることが最も好ましい。なお、フィルタ104は、有機材料から構成されることが好ましい。フィルタ104は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から構成され得る。フィルタ104は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンから構成され得る。フィルタ104は、有機半導体から構成されることが好ましい。フィルタ104は、多環芳香族炭化水素、低分子化合物から構成され得る。フィルタ104は、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリパラフェレンビニレンから構成され得る。フィルタ104は、1種類の材料から構成されることが好ましい。なおフィルタ104は、複数の材料を組み合わせられ得る。フィルタ104の外周面の少なくとも一部は、フィルタ104の材料と異なる材料により被覆されることが好ましい。フィルタ104は、無機材料から構成され得る。フィルタ104は、ガラスから構成されることが好ましい。フィルタ104は、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラスから構成され得る。フィルタ104は、半導体、絶縁体、導体から構成され得る。フィルタ104は、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、インジウムリン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化アルミ、アルミナ、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化マグネシウム、マイカ、セラミクス、酸化チタン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン、ニッケル、銅、アルミ、金、白金から構成され得る。
フィルタ104は、熱伝導率の小さい接着剤により、スペーサ103に接着されることが好ましい。接着剤は、1W/m・K以下の熱伝導率を有することが好ましく、0.2W/m・K以下の熱伝導率を有することがより好ましい。フィルタ104とスペーサ103との接触面積を小さくするために、フィルタ104は、スペーサ103との界面に凹凸構造を備えることが好ましい。
試料200および吸収剤108との接触面積を増大させるため、フィルタ104は曲面を備えることが好ましい。フィルタ104は、ドーム、半球、凹凸構造を備えることが好ましい。
フィルタ104は、不織布の製造方法により形成されることが最も好ましい。フィルタ104は、フリース形成法により形成され得る。フィルタ104は、乾式法、湿式法、スパンボンド(span bond)法、メルトブロー(melt blow)法により形成され得る。フィルタ104は、フリース結合法により形成され得る。フィルタ104は、ケミカルボンド(chemical bond)法、サーマルボンド(thermal bond)法、スパンレース(span lace)法、ニードルパンチ(needle punch)法、ステッチボンド(stitch bond)法、フラッシュ(flash)法、スチームジェット(steam jet)法により形成され得る。フィルタ104は、織布の製造方法により形成され得る。フィルタ104はメンブレンフィルタの製造方法により形成され得る。フィルタ104は、機械加工、切削加工、研削加工、研磨加工により加工されることが好ましい。なおスペーサ103は、マイクロマシン技術、微小電気機械素子(MEMS)技術、半導体微細加工技術、光造形、レーザ加工、プラズマエッチングにより加工され得る。スペーサ103は、射出成形、圧縮成形、押し出し成形、注型成形、ナノインプリント、3次元成形により加工され得る。
カバー106はフィルタ104の一端に設けられる。カバー106の材料は、1W/m・K以上5500W/m・K以下の熱伝導率を有することが好ましい。なおカバー106の材料は、1W/m・K以下の熱伝導率を有し得る。カバー106は、有機材料から構成されることが最も好ましい。カバー106は、ポリジメチルシロキサンから構成されることが最も好ましい。カバー106は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂から構成され得る。カバー106は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリルブタジエンスチレンフェノール、エポキシ、メラミン、アルキド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン、ポリエチルエーテルケトンから構成され得る。カバー106は、有機半導体から構成されることが好ましい。カバー106は、多環芳香族炭化水素、低分子化合物から構成されることが好ましい。カバー106は、ペンタセン、アントラセン、ルブレン、テトラシアノキノジメタン、ポリアセチレン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリパラフェレンビニレンから構成され得る。カバー106は、1種類の材料から構成されることが好ましい。なおカバー106は、複数の材料を組み合わせ得る。カバー106の外周面の少なくとも一部は、カバー106の材料と異なる材料により被覆されることが好ましい。カバー106は、無機材料から構成され得る。カバー106は、ガラスから構成されることが好ましい。カバー106は、ソーダガラス、石英、ホウケイ酸ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、低融点ガラス、感光性ガラスから構成され得る。カバー106は、半導体、絶縁体、導体から構成され得る。カバー106は、シリコン、ゲルマニウム、酸化亜鉛、硫化カドミウム、インジウムリン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化アルミ、アルミナ、サファイア、ガリウム砒素、窒化ガリウム、酸化マグネシウム、マイカ、セラミクス、酸化チタン、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、ニッケル、銅、アルミ、金、白金から構成され得る。
カバー106は、熱伝導率の小さい接着剤により、フィルタ104に接着されることが好ましい。接着剤は、1W/m・K以下の熱伝導率を有することが好ましく、0.2W/m・K以下の熱伝導率を有することがより好ましい。カバー106とフィルタ104との接触面積を小さくするために、カバー106は、フィルタ104との界面に凹凸構造を備えることが好ましい。
カバー106は、機械加工、切削加工、研削加工、研磨加工により加工されることが最も好ましい。なおカバー106は、マイクロマシン技術、微小電気機械素子(MEMS)技術、半導体微細加工技術、光造形、レーザ加工により加工され得る。カバー106は、射出成形、圧縮成形、押し出し成形、注型成形、ナノインプリント、3次元成形により加工され得る。
第1チャンバ107は、基板101とフィルタ104の間に設けられる。第1チャンバ107はスペーサ103に設けられることが好ましい。第1チャンバ107はスペーサ103の両面を貫通する孔であることが好ましい。第1チャンバ107はスペーサ103に設けられた凹構造であることが好ましい。第1チャンバ107は、流路であることが好ましい。第1チャンバ107は、スリットであることが好ましい。第1チャンバ107は、スペーサ103を貫通するスリットであることが好ましい。
第1チャンバ107は、機械加工、切削加工、研削加工、研磨加工により形成されることが最も好ましい。なお第1チャンバ107は、マイクロマシン技術、微小電気機械素子(MEMS)技術、半導体微細加工技術、光造形、レーザ加工により形成され得る。第1チャンバ107は、射出成形、圧縮成形、押し出し成形、注型成形、ナノインプリント、3次元成形により形成され得る。
第1チャンバ107には吸収剤108が予め保持される。生体分子検出装置の操作性の観点から、吸収剤108は液体であることが最も好ましい。生体分子の吸収効率の観点から、吸収剤108は、−20℃以上の凝固点を有することが好ましい。吸収剤108は、純水よりも低い凝固点(0℃)以下を有することが好ましい。吸収剤108の凝固点は、不揮発性の物質を溶解することにより、降下されることが好ましい。
第2チャンバ109は、カバー106の一端に設けられる。第2チャンバ109はカバー106の両面を貫通する孔であることが好ましい。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、流路を備えることが最も好ましい。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、マイクロ流路、ナノ流路を備え得る。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、スリットを備え得る。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、カバー106を貫通するスリットを備え得る。
操作性の観点から、第2チャンバ109は、1pL以上100mL以下の容量を有することが好ましく、1nL以上100μL以下の容量を有することがより好ましい。第2チャンバ109は1nm2以上100cm2以下の断面積を有することが好ましい。ここで言う断面とは、第2チャンバ109としての流路を長手方向から見たときの断面の意味である。図11には、カバー106の斜投影図を示す。第2チャンバ109の断面積とは、図11のドットで示した領域の面積220のことである。第2チャンバ109の断面は、長方形であることが好ましい。第2チャンバ109の断面は、四角形、台形、楕円形、円形、多角形、任意の閉曲線で形成される形状であり得る。第2チャンバ109は、10nm以上1cm以下の深さを有することが好ましく、10μm以上1mm以下の深さを有することがより好ましい。第2チャンバ109の深さとは、図11に示す、深さ221のことである。第2チャンバ109は、10nm以上1cm以下の幅を有することが好ましく、10μm以上1mm以下の幅を有することがより好ましい。第2チャンバ109の幅とは、図11に示す、幅222のことである。第2チャンバ109は、10nm以上30cm以下の長さを有することが好ましく、10μm以上1cm以下の長さを有することがより好ましい。第2チャンバ109の長さとは、図11に示す、長さ223のことである。
第1チャンバ107は、第2チャンバ109と同じ形状を有することが好ましい。なお第1チャンバ107は、第2チャンバ109と異なる形状を有し得る。
第2チャンバ109は、第1チャンバ107と同じ容量を有することが好ましい。なお第2チャンバ109は、第1チャンバ107と異なる容量を有し得る。なお第2チャンバ109は、第1チャンバ107よりも大きい容量を有することが好ましい。第2チャンバ109は、第1チャンバ107の100倍以上の容量を有することが好ましく、104倍以上がより好ましい。
試料200の蒸発を抑制するため、第2チャンバ109の開口部208の面積は、10nm2以上10mm2以下であることが好ましい。第2チャンバ109の開口部208はテーパー構造を備えることが好ましい。図10に示すように、第2チャンバ109の開口部208は、第2チャンバ109から遠ざかるにつれて狭くなるテーパー構造を備えることが好ましい。なお第2チャンバ109の開口部208は、第2チャンバ109から遠ざかるにつれて広くなるテーパー構造を備えていても良い。第2チャンバ109の開口部208は開閉可能な蓋を備え得る。
第2チャンバ109は、機械加工、切削加工、研削加工、研磨加工により形成されることが最も好ましい。なお第2チャンバ109は、マイクロマシン技術、微小電気機械素子(MEMS)技術、半導体微細加工技術、光造形、レーザ加工により形成され得る。第2チャンバ109は、射出成形、圧縮成形、押し出し成形、注型成形、ナノインプリント、3次元成形により形成され得る。
信号処理部205は、検出部102からの信号を受信することが好ましい。なお信号処理部205は、検出部102へ信号を送信し得る。信号処理部205は、検出部102の近傍に設けられることが好ましい。信号処理部205は、基板101の一端に設けられることが最も好ましい。なお信号処理部205は、基板101の外部に設けられ得る。信号処理部205は、基板101に集積化されることが好ましい。なお信号処理部205は、スペーサ103、フィルタ104、カバー106に集積化され得る。信号処理部205は中央演算装置(CPU)を含むことが好ましい。信号処理部205は、検出部102からの信号を増幅する増幅部を備えることが好ましい。検出部102は、トランジスタ、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、接合型トランジスタ、オペアンプ、抵抗、キャパシタンス、ADコンバータ、IC、LSI、システムLSIを含むことが好ましい。信号処理部205は、検出部102の出力パターンから、第1生体分子201を同定することが好ましい。信号処理部205は、検出部102の出力パターンから、第1生体分子201の濃度を決定することが好ましい。
記憶部209は、信号処理部205の一端に設けられることが好ましい。記憶部209は、メモリであることが好ましい。記憶部209は、ハードディスク、フラッシュメモリ、DRAM、SRAMであることが好ましい。検出部102からの信号が、記憶部209により蓄積され得る。信号処理部205からのデータが、記憶部209により蓄積され得る。記憶部209の内部に蓄積されたデータは、信号処理部205へ送信されることが好ましい。第1生体分子201の種類に応じた信号パターンが、記憶部209により蓄積され得る。第1生体分子201の濃度に応じた信号パターンが、記憶部209により蓄積され得る。
データベースが記憶部209により蓄積されることが好ましい。疾病の有無に応じた信号パターンが、記憶部209により蓄積され得る。疾病の種類に応じた信号パターンが、記憶部209により蓄積され得る。疾病の進行度に応じた信号パターンが、記憶部209により蓄積され得る。
表示部210は、信号処理部205または記憶部209の一端に設けられることが好ましい。第1生体分子201の種類が、表示部210により表示され得る。第1生体分子201の濃度が、表示部210により表示され得る。信号処理部205からのデータが、表示部210により表示され得る。検出部102からの信号が、表示部210により表示されることが好ましい。生体分子検出装置100の状態が、表示部210により表示され得る。表示部210は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、発光ダイオード、無機ELディスプレイ、圧電セラミックスディスプレイ、電界放電ディスプレイ、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ、プラズマディスプレイから構成されることが好ましい。
通信部211は、信号処理部205の一端に設けられることが好ましい。信号処理部205からのデータが、通信部211から外部受信機へ送信されることが好ましい。生体分子検出装置100の外部からのデータが、外部送信機から通信部211へ送信され得る。生体分子検出装置100の外部からのデータが、無線により外部送信機から通信部211へ送信されることが好ましい。なお生体分子検出装置100の外部からのデータが、有線により外部送信機から通信部211へ送信され得る。
液検出部212は、第2チャンバ109の一端に設けられることが好ましい。検出部の小型化を達成するため、生体分子検出装置100は、液検出部212として、電子式検出部を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、液検出部212として、1個の電極を備えることが好ましい。生体分子検出装置100は、液検出部212として、2個以上の電極を備えることが好ましい。2個以上の電極間を流れる電流を計測することにより、試料200の存在および/または液量が検出され得る。生体分子検出装置100は、液検出部212として、電流検出型検出器、電位検出型検出器、電気容量検出型検出器、コンダクタンス検出型検出器を備え得る。直流電流、交流電流、パルス電流を計測することにより、試料200の存在および/または液量が検出され得る。
液検出部212は、電気化学電極材料から構成されることが好ましい。液検出部212は、金属から構成されることが好ましい。液検出部212は、金、銀、白金、銅、アルミ、単体金属から構成され得る。液検出部212は、Mo−Al、銅タングステン、合金金属から構成され得る。液検出部212は、銀/塩化銀から構成されることが好ましい。液検出部212は、カーボン、半導体、無機材料であることが好ましい。液検出部212は、MOSトランジスタから構成され得る。生体分子検出装置100には、複数の液検出部212が設けられ得る。複数の液検出部212は、同じ材料から構成されることが好ましい。複数の液検出部212は、異なる材料から構成され得る。液検出部212は、1種類の材料から構成されることが好ましい。液検出部212は、2種類以上の材料から構成され得る。
液検出部212は、ワイヤ状であることが最も好ましい。なお液検出部212は、平板状、薄膜状であり得る。液検出部212の外周面は、平滑面を有することが好ましい。なお液検出部212の外周面は、凹凸構造を有し得る。複数の液検出部212は、同じ形状を有することが好ましい。なお複数の液検出部212は、異なる形状を有し得る。液検出部212の外周面の少なくとも一部は、親水性であることが好ましい。なお液検出部212の外周面の少なくとも一部は、疎水性であり得る。
液検出部212は、第2チャンバ109の上部に設けられることが最も好ましい。なお液検出部212は、第2チャンバ109の側部、底部に設けられ得る。液検出部212は、フィルタ104および/またはカバー106の外周面に設けられ得る。
次に、本発明の実施形態2における、生体分子検出方法について説明する。図12、図13は、本発明の実施形態2における生体分子検出装置100の動作を示す説明図である。図12、図13において、図1、図2と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
(充填工程)
充填工程では、第1チャンバ107は吸収剤108により満たされる。吸収剤108は、1.3mPa・s以上200mPa・s以下の粘度を有することが好ましい。電圧降下を小さくする観点から、吸収剤108は流動性を有することが好ましい。イオン電導度を高める観点から、吸収剤108は流動性を有することが好ましい。吸収剤108は、液状または半液状であることが好ましい。吸収剤108の粘度は、水溶性物質により調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、増粘剤により調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、水酸基を有する有機化合物により調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、カルボキシル基、アミノ基、スルホン基といった親水性を示す官能基を有する有機化合物により、調整され得る。吸収剤108の粘度は、炭素数1以上10以下の有機化合物により、調整されることが好ましく、炭素数1以上5以下の有機化合物により調整されることがより好ましい。吸収剤108の粘度は、アルコールにより調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、1価アルコールにより調整され得る。吸収剤108の粘度は、多価アルコールにより調整され得る。吸収剤108の粘度は、低級アルコールにより調整され得る。吸収剤108の粘度は、グリセリン(グリセロール)により調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、糖、糖アルコールにより調整され得る。吸収剤108の粘度は、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ソルビトール、キシリトール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、マルチトール、マンニトール、グルコースにより調整され得る。吸収剤108の粘度は、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、多糖類により調整され得る。
20℃において、吸収剤108は、純水よりも高い粘度(1.0mPa・s)を有することが好ましい。
吸収剤108の粘度は、高分子により調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、水酸基を有する高分子により調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、カルボキシル基、アミノ基、スルホン基などの親水性を示す官能基を有する高分子により調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、ポリビニルアルコール(PVA)により調整されることが好ましい。なお吸収剤108の粘度は、ポリアクリルアミド、メタクリル酸2―ヒドロキシエチル(HEMA)により調整され得る。吸収剤108の粘度は、ホモポリマーまたはコポリマーにより調整され得る。
吸収剤108の粘度は、アラビアゴム、カルボキシビニルポリマ、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、キタンサンガム、合成ケイ酸ナトリウム、合成ケイ酸マグネシウム、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、シクロデキストリン、ポリアクリル酸ナトリウムにより調整されることが好ましい。
吸収剤108の粘度は、合成高分子により調整されることが好ましい。なお吸収剤108の粘度は、半合成高分子、天然高分子により調整され得る。吸収剤108の粘度は、ゼラチン、カゼイン、コラーゲン、ヒアルロン酸、アルブミン、ペクチン、タマリンドガム、グアーガム、カラギーナン、カロブビーンガムにより調整され得る。
吸収剤108の粘度は、人工脂質膜を安定化する物質により調整されることが好ましい。吸収剤108の粘度は、膜タンパク質を安定化する物質により調整され得る。
吸収剤108において、粘度を調整するために混合する物質は、注入の容易性の観点から、1%以上99%以下の濃度を有することが好ましく、1%以上50%以下の濃度を有することがより好ましい。吸収剤108において、粘度を調整するために混合する物質は、注入の容易性の観点から、0.087w/w%以上20w/w%以下の濃度を有し、0.087w/w%以上12w/w%以下の濃度を有することがより好ましい。吸収剤108中のグリセリンは、1%以上99%以下の濃度を有することが好ましく、1%以上50%以下の濃度を有することがより好ましい。吸収剤108中のPVAは、0.087w/w%以上12w/w%以下の濃度を有することが好ましい。なお本明細書において、単に%と標記する場合は、体積濃度を表す。w/w%と標記する場合は、重量濃度を表す。
電圧降下を小さくする観点から、吸収剤108は1μΩm以上100kΩm以下の電気抵抗率を有することが好ましく、1mΩm以上10Ωm以下の電気抵抗率を有することがより好ましい。検出部102を観察する観点から、吸収剤108は透明な材料から構成されることが好ましい。なお吸収剤108は不透明な材料から構成され得る。
(試料注入工程)
試料注入工程では、第2チャンバ109へ試料200が注入される。開口部208から試料200が注入されることが好ましい。図12(b)は試料注入工程を表す。試料200は、第2生体分子202および電解質203を含んでいる。試料200は液体であることが最も好ましい。なお試料200は、気体、固体、ゲルであり得る。試料200は、生体から採取した体液であることが最も好ましい。カバー106には通気口が設けられ得る。
生体から採取した試料200は、速やかに第2チャンバ109へ注入されることが好ましい。生体から試料200を採取してから1ミリ秒以上10分以内に、第2チャンバ109へ試料200は注入されることが好ましい。長期保存された試料200が、第2チャンバ109へ注入され得る。長期冷凍保存された試料200が、第2チャンバ109へ注入され得る。生体から採取した試料200は密閉容器に保存されることが好ましい。
試料200は、1種類の第2生体分子202を含むことが好ましい。なお試料200は、2種類以上の第2生体分子202を含み得る。図12(b)では第2生体分子202として、第2生体分子202aおよび第2生体分子202bの2種類を示している。
試料200は、細胞を含み得る。試料200は、原核細胞、真核細胞、動物細胞、植物細胞、ヒト細胞、マウス細胞、ラット細胞、カエル細胞、ウシ細胞、ヒツジ細胞、ブタ細胞を含み得る。試料200は、血球細胞、体細胞、幹細胞、白血球、赤血球、血小板、単球、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、Tリンパ球、Bリンパ球を含み得る。試料200は、腎臓細胞、皮膚細胞、胸腺細胞、血管内皮細胞、隔膜細胞、肝臓細胞、神経細胞、心筋細胞、間葉系幹細胞、筋細胞、口腔細胞を含み得る。試料200は、ガン細胞、メラノーマ、神経芽細胞腫、正常線維芽細胞、動物由来の幹細胞、胚性幹細胞(ES細胞)、ヒトES細胞、マウスES細胞、ラットES細胞、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、マウスiPS細胞、ヒトiPS細胞を含み得る。
試料200は、生体から採取される液体を加熱することにより、生成されることが好ましい。試料200は、尿を加熱することにより、生成されることが最も好ましい。試料200は、血液、汗、細胞間質液、涙液、唾液、消化管液を加熱することにより、生成され得る。
試料200は、水素イオン、水酸化物イオン、マイナスイオン、帯電微粒子水、ラジカルを含んでいることが好ましい。
試料200は、赤外光を照射することにより、加熱され得る。赤外光の波長は、水の吸収ピークを含むことが好ましい。赤外光の波長は、第1生体分子201の吸収ピークを含むことが好ましい。赤外光は、0.7μm以上1000μm以下の波長を含むことが好ましく、0.7μm以上2.5μm以下の波長を含むことがより好ましい。試料200は、近赤外光を照射することにより加熱されることが好ましい。赤外光は、第2チャンバ109以外の部分への照射を制限されることが好ましい。赤外光は、第2チャンバ109に集光されることが好ましい。赤外光は遮光されることが好ましい。赤外光は、カバー106の中を光導波されることが好ましい。赤外光は、フィルタ104および/またはスペーサ103および/または基板101の中を光導波されることが好ましい。生体分子検出装置100には、光導波路が設けられることが好ましい。生体分子検出装置100には、赤外フィルタが設けられ得る。生体分子検出装置100には、赤外光の窓が設けられ得る。
生体分子検出装置100の外部は、−20℃以上40℃以下の温度を有することが好ましい。
試料200は、静置されることが好ましい。試料200は流され得る。試料200は、回転、直進、揺動、対流され得る。試料200は攪拌されることが好ましい。試料200は、循環されることが好ましい。試料200は、第2チャンバ109としての閉ループの中を、循環されることが好ましい。試料200は、1pL/分以上100mL/分以下の流速を有することが好ましい。試料200は、ペリスタティックポンプ、ダイアフラムポンプ、シリンジポンプ、電気浸透流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ギアポンプ、ねじポンプ、ベーンポンプ、ディフーザポンプ、渦巻きポンプ、カスケードポンプ、スターラーにより、流されることが好ましい。
第2チャンバ109へ試料200を注入する前に、第2チャンバ109は清浄な空気により満たされることが好ましい。第2チャンバ109は乾燥窒素、不活性ガス、標準ガス、較正用ガスで満たされ得る。第2チャンバ109へ試料200を注入する前に、第2チャンバ109は純水により満たされることが好ましい。第2チャンバ109は、標準液、較正液により満たされ得る。
第2チャンバ109の余剰な試料200は、排出口から排出されることが好ましい。第2チャンバ109の余剰な気体および/または液体は、排出口から排出され得る。
第2チャンバ109の内部は、大気圧に調整されることが好ましい。第2チャンバ109の内部は、1.0x105Pa付近であることが最も好ましい。なお第2チャンバ109の内部は加圧され得る。第2チャンバ109の内部は、1.0x105Pa以上5.0x105Pa以下の圧力を有することが好ましい。
試料注入工程は、液検出部212により監視されることが好ましい。試料注入工程は、液検出部212からの信号により、開始されることが好ましい。試料注入工程は、液検出部212からの信号により、停止されることが好ましい。
(温度制御工程)
温度制御工程では、試料200は第1温度制御部110により温度制御される。図12(c)は温度制御工程を表す。試料200の種類に応じて、試料200の温度は決定されることが好ましい。試料200に含まれる第1生体分子201の種類に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第2生体分子202の種類に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第1生体分子201の濃度に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第2生体分子202の濃度に応じて、試料200の温度は決定され得る。
試料200は、静置されることが好ましい。試料200は流され得る。試料200は、回転、直進、揺動、対流され得る。試料200は攪拌されることが好ましい。試料200は、循環されることが好ましい。試料200は、第2チャンバ109としての閉ループの中を、循環されることが好ましい。試料200は、1pL/分以上100mL/分以下の流速を有することが好ましい。試料200は、ペリスタティックポンプ、ダイアフラムポンプ、シリンジポンプ、電気浸透流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ギアポンプ、ねじポンプ、ベーンポンプ、ディフーザポンプ、渦巻きポンプ、カスケードポンプ、スターラーにより、流されることが好ましい。
試料200は、第2温度制御部111から熱的に絶縁されることが好ましい。
温度制御工程では、吸収剤108は第2温度制御部111により温度制御される。吸収剤108の種類に応じて、吸収剤108の温度は決定されることが好ましい。吸収剤108に含まれる第1生体分子201の種類に応じて、吸収剤108の温度は決定され得る。吸収剤108に含まれる第1生体分子201の濃度に応じて、吸収剤108の温度は決定され得る。
吸収剤108は、静置されることが好ましい。吸収剤108は流され得る。吸収剤108は、回転、直進、揺動、対流され得る。吸収剤108は攪拌されることが好ましい。吸収剤108は、循環されることが好ましい。吸収剤108は、第1チャンバ107としての閉ループの中を、循環されることが好ましい。吸収剤108は、1pL/分以上100mL/分以下の流速を有することが好ましい。吸収剤108は、ペリスタティックポンプ、ダイアフラムポンプ、シリンジポンプ、電気浸透流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ギアポンプ、ねじポンプ、ベーンポンプ、ディフーザポンプ、渦巻きポンプ、カスケードポンプ、スターラーにより、流されることが好ましい。
吸収剤108は、第1温度制御部110から熱的に絶縁されることが好ましい。
試料200は、第2温度制御部111により温度制御され得る。吸収剤108は、第1温度制御部110により温度制御され得る。
(ろ過工程)
ろ過工程では、フィルタ104により試料200に第2生体分子202および電解質203は留められ、かつフィルタ104を通過して試料200から吸収剤108へ第1生体分子201は選択的に移動される。図13(a)はろ過工程を表す。
第1生体分子201は、32以上308以下の分子量を有する有機化合物である。第1生体分子201は、揮発性有機化合物であることが好ましい。
図13(a)では、第1生体分子201は1種類のみを示している。試料200は、1種類の第1生体分子201を含むことが好ましいが、2種類以上の第1生体分子201を含むことがより好ましい。2種類以上の第1生体分子201は、試料200においてそれぞれ異なる濃度を有することが好ましい。
複数の第1生体分子201をろ過する場合、試料200において、複数の第1生体分子201の中で最も高い濃度を有する第1生体分子201に対して、最大のろ過効率を示すフィルタ104が用いられることが好ましい。なおここで言うろ過効率とは、試料200から吸収剤108へ、単位時間当たりに移動する第1生体分子201の物質量を表す。複数の第1生体分子201をろ過する場合、試料200において、複数の第1生体分子201の中で最も小さい分子量を有する第1生体分子201に対して、最大のろ過効率を示すフィルタ104が用いられることが好ましい。複数の第1生体分子201をろ過する場合、試料200において、複数の第1生体分子201の中で最も大きい蒸気圧を有する第1生体分子201に対して、最大のろ過効率を示すフィルタ104が用いられることが好ましい。複数の第1生体分子201をろ過する場合、試料200において、複数の第1生体分子201の中で最も低い沸点を有する第1生体分子201に対して、最大のろ過効率を示すフィルタ104が用いられることが好ましい。フィルタ104は、複数の第1生体分子201に対して同じろ過効率を有することが好ましい。なおフィルタ104は、複数の第1生体分子201に対して異なるろ過効率を有し得る。
フィルタ104は、第1温度制御部110により温度制御されることが好ましい。フィルタ104は、第1温度制御部110により加熱されることが好ましい。フィルタ104は、カバー106を介して第1温度制御部110により加熱することが好ましい。フィルタ104には、第1温度制御部110とは別の温度制御部が設けられ得る。
フィルタ104の温度が測定されることが好ましい。フィルタ104の温度が、熱電対、抵抗温度計、サーミスタ、放射温度計、バイメタル式温度計により測定されることが好ましい。フィルタ104の温度は、時間に対して一定であることが好ましい。なおフィルタ104の温度を時間とともに変化させても良い。フィルタ104の温度は均一であることが好ましい。なおフィルタ内において、フィルタ104の温度を変化させても良い。フィルタ104の温度は、第2チャンバ109から遠ざかるほど低くすることが好ましい。なおフィルタ104の温度は、第2チャンバ109から遠ざかるほど高くしても良い。細孔105内の湿度が測定されることが好ましい。
ろ過工程の後、フィルタ104は洗浄されることが好ましい。なおフィルタ104は使い捨てされ得る。ろ過工程の後、細孔105の中の第1生体分子201および/または第2生体分子202は除去され得る。細孔105の中の第1生体分子201および/または第2生体分子202を除去するために、フィルタ104は加熱されることが好ましい。細孔105の中の第1生体分子201および/または第2生体分子202を除去するために、フィルタ104は、40℃以上300℃以下の温度を有することが好ましい。細孔105の中の第1生体分子201および/または第2生体分子202を除去するために、細孔105の中へ清浄なガスを充満させることが好ましい。フィルタ104は、超音波洗浄され得る。フィルタ104は、着脱されることが好ましい。
吸収剤108は冷却されることが好ましい。吸収剤108は、−20℃以上45℃以下の温度を有することが好ましく、0℃以上25℃以下の温度を有することがより好ましい。吸収剤108は、試料200と異なる温度を有することが好ましい。吸収剤108は、試料200よりも低い温度を有することが好ましい。なお吸収剤108は、試料200と同じ温度を有し得る。吸収剤108は、時間に対して一定の温度を有することが好ましい。なお吸収剤108は、時間とともに変化する温度を有し得る。第1チャンバ107内において、吸収剤108は均一の温度を有することが好ましい。なお第1チャンバ107内において、吸収剤108は空間的に変化する温度を有し得る。吸収剤108は、フィルタ104から遠ざかるほど低い温度を有することが好ましい。なお吸収剤108は、フィルタ104から遠ざかるほど高い温度を有し得る。第1チャンバ107の内部の湿度が測定されることが好ましい。
吸収剤108は、冷却部207により冷却されることが好ましい。
吸収剤108は、静置されることが好ましい。吸収剤108は流され得る。吸収剤108は、回転、直進、揺動、対流され得る。吸収剤108は攪拌されることが好ましい。吸収剤108は、循環されることが好ましい。吸収剤108は、第1チャンバ107としての閉ループの中を、循環されることが好ましい。吸収剤108は、1pL/分以上100mL/分以下の流速を有することが好ましい。吸収剤108は、ペリスタティックポンプ、ダイアフラムポンプ、シリンジポンプ、電気浸透流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ギアポンプ、ねじポンプ、ベーンポンプ、ディフーザポンプ、渦巻きポンプ、カスケードポンプ、スターラーにより、流されることが好ましい。
試料200は、静置されることが好ましい。試料200は流され得る。試料200は、回転、直進、揺動、対流され得る。試料200は攪拌されることが好ましい。試料200は、循環されることが好ましい。試料200は、第2チャンバ109としての閉ループの中を、循環されることが好ましい。試料200は、1pL/分以上100mL/分以下の流速を有することが好ましい。試料200は、ペリスタティックポンプ、ダイアフラムポンプ、シリンジポンプ、電気浸透流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャーポンプ、ギアポンプ、ねじポンプ、ベーンポンプ、ディフーザポンプ、渦巻きポンプ、カスケードポンプ、スターラーにより、流されることが好ましい。
試料200の種類に応じて、試料200の温度は決定されることが好ましい。試料200に含まれる第1生体分子201の種類に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第2生体分子202の種類に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第1生体分子201の濃度に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第2生体分子202の濃度に応じて、試料200の温度は決定され得る。
吸収剤108の種類に応じて、吸収剤108の温度は決定されることが好ましい。吸収剤108に含まれる第1生体分子201の種類に応じて、吸収剤108の温度は決定され得る。吸収剤108に含まれる第1生体分子201の濃度に応じて、吸収剤108の温度は決定され得る。
(検出工程)
検出工程では、吸収剤108に含まれる第1生体分子201を検出部102により検出する。図13(c)は、検出工程を表す。
吸収剤108は、第2温度制御部111により冷却されることが好ましい。吸収剤108の温度が測定されることが好ましい。吸収剤108の温度は、熱電対、抵抗温度計、サーミスタ、放射温度計、バイメタル式温度計により測定されることが好ましい。吸収剤108は、時間に対して一定の温度を有することが好ましい。なお吸収剤108は、時間とともに変化する温度を有し得る。
検出部102は、第2温度制御部111により冷却されることが好ましい。検出部102の温度が測定されることが好ましい。検出部102の温度は、熱電対、抵抗温度計、サーミスタ、放射温度計、バイメタル式温度計により測定されることが好ましい。検出部102は、時間に対して一定の温度を有することが好ましい。なお検出部102は、時間とともに変化する温度を有し得る。検出部102は、吸収剤108と同じ温度を有することが好ましい。なお検出部102は、吸収剤108と異なる温度を有し得る。
試料200の種類に応じて、試料200の温度は決定されることが好ましい。試料200に含まれる第1生体分子201の種類に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第2生体分子202の種類に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第1生体分子201の濃度に応じて、試料200の温度は決定され得る。試料200に含まれる第2生体分子202の濃度に応じて、試料200の温度は決定され得る。
吸収剤108の種類に応じて、吸収剤108の温度は決定されることが好ましい。吸収剤108に含まれる第1生体分子201の種類に応じて、吸収剤108の温度は決定され得る。吸収剤108に含まれる第1生体分子201の濃度に応じて、吸収剤108の温度は決定され得る。
吸収剤108に含まれる第1生体分子201の種類に応じて、検出部102の温度は決定されることが好ましい。吸収剤108に含まれる第1生体分子201の濃度に応じて、検出部102の温度が決定されることが好ましい。検出部102は、時間的に一定の温度を有することが好ましい。なお検出部102は、時間的に変化する温度を有し得る。検出部102は、空間的に均一の温度を有することが好ましい。なお検出部102は、空間的に変化する温度を有し得る。
検出部102は、−20℃以上45℃以下の温度を有することが好ましく、0℃以上25℃以下の温度を有することがより好ましい。検出部102は、吸収剤108と同じ温度を有することが最も好ましい。なお検出部102は、吸収剤108と異なる温度を有し得る。検出部102は、吸収剤108よりも高い温度を有することが好ましい。なお検出部102は、吸収剤108よりも低い温度を有し得る。
吸収剤108は接地されることが好ましい。吸収剤108を接地するために、接地電極が第1チャンバ107の一端に設けられることが好ましい。第1生体分子201は、接地電極および検出部102により検出されることが好ましい。試料200は、吸収剤108に対して電気的に絶縁されることが好ましい。
検出工程の後、検出部102は洗浄されることが好ましい。検出工程の後、検出部102上の第1生体分子201は除去されることが好ましい。検出部102上の第1生体分子201を除去するために、検出部102は加熱されることが好ましい。検出部102上の第1生体分子201を除去するために、検出部102は、40℃以上300℃以下の温度を有することが好ましい。検出部102上の第1生体分子201を除去するために、検出部102上に清浄なガスを充満させることが好ましい。検出部102は、超音波洗浄され得る。検出部102は使い捨てされ得る。検出部102は着脱されることが好ましい。
生体分子検出装置100は、外部ノイズを低減する機構を有することが好ましい。ここで言う外部ノイズとは、生体分子検出装置100の動作を妨げる、余計な電気信号、電磁ノイズ、光ノイズ、振動、騒音、温度変動、湿度変動の意味である。生体分子検出装置100には、ノイズキャンセラ、ノイズフィルタが設けられることが好ましい。
外部ノイズを低減するため、基板101および/またはスペーサ103および/またはフィルタ104および/またはカバー106は、光を反射する材料から構成されることが好ましい。基板101および/またはスペーサ103および/またはフィルタ104および/またはカバー106は、可視光を反射する材料から構成されることが好ましい。基板101および/またはスペーサ103および/またはフィルタ104および/またはカバー106は、赤外光を反射する材料から構成されることが好ましい。なお、基板101および/またはスペーサ103および/またはフィルタ104および/またはカバー106は、光を透過する材料から構成され得る。基板101および/またはスペーサ103および/またはフィルタ104および/またはカバー106は、可視光を透過する材料から構成され得る。基板101および/またはスペーサ103および/またはフィルタ104および/またはカバー106は、赤外光を透過する材料から構成され得る。生体分子検出装置100は、遮光されることが好ましい。
外部ノイズを低減するため、生体分子検出装置100には、電磁シールドが設けられることが好ましい。電磁シールドは、板金、金属メッシュ、金属インク、発泡金属から構成されることが好ましい。
検出部102からの信号は、信号処理部205により増幅されることが好ましい。検出部102からの信号は、トランジスタ、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、接合型トランジスタ、オペアンプ、抵抗、キャパシタンス、ADコンバータ、IC、LSI、システムLSIにより増幅されることが好ましい。
使用者名および/または使用者IDが表示部210により表示されることが好ましい。使用履歴が表示部210により表示されることが好ましい。使用日時、使用場所、医療機関名が表示部210により表示されることが好ましい。過去の検出データが表示部210により表示されることが好ましい。
使用者名および/または使用者IDが記憶部209により記憶されることが好ましい。使用履歴が記憶部209により記憶されることが好ましい。使用日時、使用場所、医療機関名が記憶部209に記憶されることが好ましい。過去の検出データが記憶部209により記憶されることが好ましい。
使用者名および/または使用者IDが通信部211により送受信されることが好ましい。使用履歴が通信部211により送受信されることが好ましい。使用日時、使用場所、医療機関名が通信部211により送受信されることが好ましい。過去の検出データが通信部211により送受信されることが好ましい。
検出工程は、ろ過工程と並行して行われることが好ましい。検出工程は、ろ過工程および/または注入工程と並行して行われ得る。ろ過工程を停止した後、検出工程が行われることが好ましい。
第1生体分子201として、診断マーカが検出されることが最も好ましい。第1生体分子201として、糖尿病、ガン、アレルギー、感染症、生活習慣病、喘息、肝臓病、腎臓病、頭痛、ストレス、遺伝子疾患、血液病、甲状腺疾患、呼吸器疾患、心臓病、関節炎、風邪、インフルエンザ、骨粗鬆症、歯周病、歯肉炎、アルコール依存症、自己免疫疾患、皮膚病、肥満の診断マーカが検出され得る。1種類の疾病につき1種類の第1生体分子201が検出されることが好ましい。なお1種類の疾病につき2種類以上の第1生体分子201が検出され得る。
本発明にかかる生体分子検出方法が検査チップにおいて採用されることが好ましい。検査チップは、疾病を診断するために用いられることが好ましい。検査チップは、糖尿病、ガン、アレルギー、感染症、生活習慣病、喘息、肝臓病、腎臓病、頭痛、ストレス、遺伝子疾患、血液病、甲状腺疾患、呼吸器疾患、心臓病、関節炎、風邪、インフルエンザ、骨粗鬆症、歯周病、歯肉炎、アルコール依存症、自己免疫疾患、皮膚病、肥満を診断するために用いられることが好ましい。検査チップは、疾病の進行度を把握するために用いられることが好ましい。検査チップは、糖尿病、ガン、アレルギー、感染症、生活習慣病、喘息、肝臓病、腎臓病、頭痛、ストレス、遺伝子疾患、血液病、甲状腺疾患、呼吸器疾患、心臓病、関節炎、風邪、インフルエンザ、骨粗鬆症、歯周病、歯肉炎、アルコール依存症、自己免疫疾患、皮膚病、肥満の進行度を把握するために用いられることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、以下の実施例は例示の目的のみに用いられ、本発明を限定するために用いられてはならない。
(実施例1)
生体分子検出装置100は、図1に示す装置を用いた。生体分子検出装置100は、基板101としてホウケイ酸ガラス板(松浪ガラス工業)を用いた。基板101の大きさは、22mm x 22mmであった。基板101の厚みは、0.12mmであった。基板101は無色透明であった。基板101の屈折率は1.5であった。基板101のアッベ数は56であった。基板101の平面度は、0.01mmであった。
超音波洗浄器を用いて純水50mLの中で基板101を10分間洗浄した。次に超音波洗浄器を用いてエタノール50mLの中で基板101を10分間洗浄した。乾燥窒素の気流により、洗浄した基板101を乾燥した。乾燥後の基板101は親水性の表面を有した。
生体分子検出装置100は、検出部102としてガスクロマトグラフ(GC−4000、GL Sciences Inc.)を用いた。検出部102は、第1生体分子201の分離用カラムとして、キャピラリカラム(INERTCAP PURE WAX、df=0.25μm、内径0.25mm、長さ30m)を用いた。検出部102は、キャリアガスとしてHeを用いた。検出部102は、FID(水素炎イオン化検出器)により第1生体分子201を検出した。
生体分子検出装置100は、スペーサ103としてポリジメチルシロキサンのフィルム(スターライト工業)を用いた。スペーサ103の大きさは、22mm x 22mmであった。スペーサ103の厚みは、0.5mmであった。生体分子検出装置100は、基板101の上面にスペーサ103を配置した。スペーサ103は、疎水性の表面を有した。スペーサ103は無色透明であった。スペーサ103は、基板101と同じ大きさを有した。
基板101の上面へスペーサ103を重ねることにより、スペーサ103を基板101へ接着した。
生体分子検出装置100は、フィルタ104として、ポリジメチルシロキサンのフィルム(スターライト工業)を用いた。フィルタ104の大きさは、22mm x 22mmであった。フィルタ104の厚みは50μmであった。生体分子検出装置100は、スペーサ103の上面にフィルタ104を配置した。フィルタ104は、疎水性の表面を有した。フィルタ104は無色透明であった。フィルタ104は、スペーサ103と同じ大きさを有した。フィルタ104は基板101と同じ大きさを有した。フィルタ104は、スペーサ103よりも薄かった。
スペーサ103の上面へフィルタ104を重ねることにより、フィルタ104をスペーサ103へ接着した。
生体分子検出装置100は、カバー106として、ポリジメチルシロキサンのフィルム(スターライト工業)を用いた。カバー106の大きさは、22mm x 22mmであった。カバー106の厚みは0.5mmであった。生体分子検出装置100は、フィルタ104の上面にカバー106を配置した。カバー106は、疎水性の表面を有した。カバー106は無色透明であった。カバー106は、スペーサ103と同じ大きさを有した。カバー106は、フィルタ104と同じ大きさを有した。
フィルタ104の上面へカバー106を重ねることにより、カバー106をフィルタ104へ接着した。
生体分子検出装置100は、基板101とフィルタ104の間に第1チャンバ107を配置した。生体分子検出装置100は、スペーサ103の一端に第1チャンバ107を形成した。生体分子検出装置100は、第1チャンバ107として、スペーサ103の両面を貫通する円形の孔を用いた。生体分子検出装置100は、パンチング(punching)により形成された第1チャンバ107を用いた。第1チャンバ107の直径は2mmであった。第1チャンバ107の容量は、1.5μLであった。
生体分子検出装置100は、吸収剤108として純水(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。第1チャンバ107へ1.5μLの吸収剤108を充填した。
生体分子検出装置100は、カバー106の一端に第2チャンバ109に設けた。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109として、カバー106の両面を貫通する円形の孔を用いた。生体分子検出装置100は、パンチングにより形成された第2チャンバ109を用いた。第2チャンバ109の直径は5mmであった。生体分子検出装置100は、第2チャンバ109を第1チャンバ107の直上に配置した。
生体分子検出装置100は、カバー106の一端に第1温度制御部110を設けた。生体分子検出装置100は、第1温度制御部110へカバー106を直接接触させた。生体分子検出装置100は、第1温度制御部110として、ホットプレート(DP−1S)を用いた。生体分子検出装置100は、第2温度制御部111として、空冷ファンを用いた。
(充填工程)
生体分子検出装置100は、吸収剤108として純水(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。第1チャンバ107へ1.5μLの吸収剤108をマイクロピペット(Pipetman、Gilson)により充填した。充填工程における、吸収剤108の温度は、22℃であった。吸収剤108の蒸発を抑制するために、生体分子検出装置100は、相対湿度50%の中に設置した。
(試料注入工程)
第2チャンバ109へ試料200を注入した。試料200は、溶媒として純水(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。試料200は、第1生体分子201として、メタノール(特級、和光純薬工業、分子量32)、2−hydoxy−3−methyl−butilic acid(分子量118)、アラキドン酸(>99%、シグマアルドリッチ、分子量304)、スクラレオール(特級、アルドリッチ、分子量308)を用いた。なお、第1生体分子201としてアラキドン酸を用いた場合、溶媒はメタノールであった。第1生体分子201の濃度は500mMであった。試料200は、第2生体分子202として、スクアレン(特級、和光純薬工業、分子量410)、リン脂質(Fluorescein DHPE、インビトロジェン、分子量1182)を用いた。第2生体分子202としてスクアレンを用いた場合、溶媒はメタノールであった。第2生体分子202としてリン脂質を用いた場合、溶媒はクロロホルムとデカンの混合溶液であった。第2チャンバ109へ1mLの試料200を注入した。試料200の温度は22℃あった。マイクロピペット(Pipetman、Gilson)により試料200を注入した。試料注入工程の確認は、マイクロスコープ(VH−6300、キーエンス)により行なった。
(温度制御工程)
生体分子検出装置100は、第1温度制御部110により試料200を加熱した。第2チャンバ109の温度は30℃または40℃または60℃であった。試料200の温度は第2チャンバ109の温度とほぼ同じであった。第2温度制御部111により吸収剤108を冷却した。第2チャンバ109の温度が30℃の時、第1チャンバ107の温度は29℃であった。第2チャンバ109の温度が40℃の時、第1チャンバ107の温度は37℃であった。第2チャンバ109の温度が60℃の時、第1チャンバ107の温度は55℃であった。吸収剤108の温度は、第1チャンバ107の温度とほぼ同じであった。
(ろ過工程)
生体分子検出装置110は、フィルタ104により、試料200に含まれる第1生体分子201をろ過した。ろ過工程の所要時間は10分であった。第2チャンバ109を60℃以上にした場合、試料200の急速な蒸発により、ろ過工程の継続は困難であった。第2チャンバ109の温度を60℃以上にした場合、試料200の気化により、ろ過工程の継続は困難であった。第2チャンバ109を100℃付近にした場合、試料200の沸騰により、ろ過工程の継続は困難であった。
(検出工程)
吸収剤108に含まれる第1生体分子201を検出部102により検出した。シリンジ(84854、HAMILTON)により第1チャンバ107から1.0μLの吸収剤108を採取した。検出部102であるガスクロマトグラフへ1.0μLの吸収剤108を注入した。測定条件は以下のとおりである。FIDの温度は、250℃であった。オーブンの温度条件は(表1)のとおりである。
Figure 2011208985
図14には、第1生体分子201として2−hydroxy−3−methyl−butilic acidを用いた場合の検出結果を示す。なお図14中に示す「DW 20℃」のデータは、試料200として純水を用いた場合の参照データである。約3.2分に極大値を示すピークは、吸収剤108中の2−hydroxy−3−methyl−butilic acidの存在を表す。ピーク面積が大きいほど、吸収剤108中に2−hydroxy−3−methyl−butilic acidが多く含まれることを意味する。
図14に示す「HM 22℃」のデータは、第1温度制御部110により試料200の温度制御を行わない場合を示す。図14に示すように、試料200の温度を高くするほど、吸収剤108中に2−hydroxy−3−methyl−butilic acidが多く含まれた。試料200の温度を40℃にした場合、吸収剤108中に含まれる2−hydroxy−3−methyl−butilic acidの濃度は1mMであった。なお、第1生体分子201としてメタノールまたはアラキドン酸またはスクラレオールを用いた場合も同様に、試料200の温度を高くするほど、吸収剤108中に第1生体分子201が多く含まれた。吸収剤108における第1生体分子201の濃度は、試料200における第1生体分子201の濃度よりも低かった。第2生体分子202としてスクアレンを用いた場合、吸収剤108の中の第2生体分子202は検出されなかった。図15は第2生体分子202としてスクアレンを用いた場合を示す。第1温度制御部110により第2チャンバ109の温度を40℃にした。吸収剤108の中にスクアレンが存在するならば、43.5分付近にピークが観測される。図15に示すように、43.5分付近にピークは無く、スクアレンの存在は確認できなかった。第2生体分子202としてリン脂質を用いた場合、蛍光測光により、吸収剤108の中にリン脂質が存在するならば、蛍光が観測される。しかし蛍光は観測されず、リン脂質の存在は確認できなかった。吸収剤108の中の第1生体分子201の検出結果は(表2)の通りであった。なお表2において、「○」は吸収剤108中の生体分子を検出できたことを意味する。表2において、「−」は、吸収剤108中の生体分子を検出できなかったことを意味する。
Figure 2011208985
生体分子検出装置100は、検出部102として導電率計を用いることにより、吸収剤108中の電解質203を測定した。生体分子検出装置100は、試料200として、100mM KCl(特級、和光純薬工業)水溶液を用いた。生体分子検出装置100は、吸収剤108として純水を用いた。生体分子検出装置100は、検出部102として、導電率計(B−173、堀場製作所)を用いた。試料200の温度は、22℃であった。図16は、吸収剤108の導電率の時間変化を示す。導電率の時間変化はほとんどなかった。30分間のろ過工程の後、導電率は0.02mS/cmであった。導電率の上昇は、試料200から吸収剤108へのろ過を意味する。したがって、生体分子検出装置100は、試料200中の電解質203をろ過しなかった。なお、第2チャンバ109の温度が30℃または40℃の場合も同様に、生体分子検出装置100は、試料200中の電解質203をろ過しなかった。
(実施例2)
本実施例と実施例1と最も異なる点は、フィルタ104としてポリテトラフルオロエチレンのフィルムを用いることである。ポリテトラフルオロエチレンのフィルムを用いることにより、空隙率の高いフィルタ104を得ることができるので、迅速かつ効率的に第1生体分子201の検出が可能になる。またポリテトラフルオロエチレンのフィルムを用いることにより、薄いフィルタ104を得ることができるので、迅速かつ効率的に第1生体分子201の検出が可能になる。なお実施例1と同じ構成要素および工程については、詳細な説明を省略する。
生体分子検出装置100は、フィルタ104として、ポリテトラフルオロエチレンフィルム(T100A025A、ADVANTEC)を用いた。フィルタ104の大きさは、10mm x 10mmであった。フィルタ104の厚みは10μmであった。生体分子検出装置100は、スペーサ103の上面にフィルタ104を配置した。フィルタ104は、疎水性の表面を有した。フィルタ104は白色であった。フィルタ104は、スペーサ103よりも小さかった。フィルタ104は基板101よりも小さかった。フィルタ104は、スペーサ103よりも薄かった。
図17には、第1生体分子201として2−hydroxy−3−methyl−butilic acidを用いた場合の検出結果を示す。なお図17中に示す「DW 20℃」は、純水を試料200とした場合の検出結果である。約3.2分に極大値を示すピークは、吸収剤108中の2−hydroxy−3−methyl−butilic acidの存在を表す。ピーク面積が大きいほど、吸収剤108中に2−hydroxy−3−methyl−butilic acidが多く含まれることを意味する。
図17に示す「HM 22℃」のデータは、第1温度制御部110により試料200の温度制御を行わない場合を示す。図17に示すように、試料200の温度を高くするほど、吸収剤108中に2−hydroxy−3−methyl−butilic acidが多く含まれた。試料200の温度を40℃にした場合、吸収剤108中に含まれる2−hydroxy−3−methyl−butilic acidの濃度は1mMであった。なお、第1生体分子201としてメタノールまたはアラキドン酸またはスクラレオールを用いた場合も同様に、試料200の温度を高くするほど、吸収剤108中に第1生体分子201が多く含まれた。第2生体分子202としてスクアレンを用いた場合、吸収剤108の中に第2生体分子202は検出されなかった。第2生体分子202としてリン脂質を用いた場合、吸収剤108の中にリン脂質は検出されなかった。吸収剤108の中の第1生体分子201の検出結果は(表3)の通りであった。なお表3において、「○」は吸収剤108中の生体分子を検出できたことを意味する。表3において、「−」は、吸収剤108中の生体分子を検出できなかったことを意味する。
Figure 2011208985
生体分子検出装置100は、検出部102として導電率計を用いることにより、吸収剤108中の電解質203を測定した。生体分子検出装置100は、試料200として、100mM KCl(特級、和光純薬工業)水溶液を用いた。生体分子検出装置100は、吸収剤108として純水を用いた。生体分子検出装置100は、検出部102として、導電率計(B−173、堀場製作所)を用いた。第2チャンバ109の温度は、22℃であった。図18は、吸収剤108の導電率の時間変化を示す。導電率の時間変化はほとんどなかった。30分間のろ過工程の後、導電率は0.02mS/cmであった。導電率の上昇は、試料200から吸収剤108へのろ過を意味する。したがって、生体分子検出装置100は、試料200中の電解質203をろ過しなかった。なお、第2チャンバ109の温度が30℃または40℃の場合も同様に、生体分子検出装置100は、試料200中の電解質203をろ過しなかった。
(比較例1)
実施例1または実施例2と本比較例の最も異なる点は、フィルタ104として、親水性薄膜を用いることである。なお実施例1および実施例2と同じ構成要素については、詳細な説明を省略する。
フィルタ104をスペーサ103の上面に設けた。フィルタ104として、ポリカーボネートフィルム(Nuclepore 800309、Whatman)を用いた。フィルタ104の大きさは、10mm x 10mm x 1μmであった。フィルタ104の形状は正方形であった。フィルタ104の外周面は親水性を示した。
フィルタ104とスペーサ103と基板101を重ねて静置することにより接着した。
(充填工程)
第1チャンバ107には吸収剤108として(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。第1チャンバ107へ1.5μLの吸収剤108を充填した。
(試料注入工程)
第2チャンバ109へ試料200を注入した。試料200は、溶媒として純水(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。試料200は、第1生体分子201として、2−hydoxy−3−methyl−butilic acid(分子量118)を用いた。第1生体分子201の濃度は500mMであった。第2チャンバ109へ1mLの試料200を注入した。第2チャンバ109の温度は22℃あった。マイクロピペット(Pipetman、Gilson)により試料200を注入した。試料注入工程の確認は、マイクロスコープ(VH−6300、キーエンス)により行なった。
(ろ過工程)
生体分子検出装置110は、フィルタ104により、試料200に含まれる第1生体分子201をろ過した。ろ過工程の所要時間は10分であった。第2チャンバ109の温度を60℃以上にした場合、試料200の急速な蒸発により、ろ過工程の継続は困難であった。第2チャンバ109の温度を60℃以上にした場合、試料200の気化により、ろ過工程の継続は困難であった。第2チャンバ109の温度を100℃付近にした場合、試料200の沸騰により、ろ過工程の継続は困難であった。
(検出工程)
生体分子検出装置100は、検出部102としてガスクロマトグラフを用いることにより、吸収剤108中の第1生体分子201を測定した。その結果、吸収剤108中に第1生体分子201が検出された。生体分子検出装置100は、検出部102として導電率計を用いることにより、吸収剤108中の電解質203を測定した。生体分子検出装置100は、試料200として、100mM KCl(特級、和光純薬工業)水溶液を用いた。生体分子検出装置100は、吸収剤108として純水を用いた。第2チャンバ109の温度は、22℃であった。図19は、吸収剤108の導電率の時間変化を示す。導電率は時間とともに増加した。30分間のろ過工程の後、導電率は3mS/cmに上昇した。導電率の上昇は、試料200から吸収剤108へのろ過を意味する。したがって、生体分子検出装置100は、試料200中の電解質203を吸収剤108へ透過した。
(比較例2)
実施例1または実施例2と本比較例の最も異なる点は、試料200を吸収剤108と同じ温度にすることである。試料200および吸収剤108の温度は22℃であった。なお実施例1および実施例2と同じ構成要素については、詳細な説明を省略する。
フィルタ104をスペーサ103の上面に設けた。生体分子検出装置100は、フィルタ104として、ポリジメチルシロキサンのフィルム(スターライト工業)を用いた。フィルタ104の大きさは、22mm x 22mmであった。フィルタ104の厚みは50μmであった。フィルタ104の形状は正方形であった。フィルタ104の外周面は親水性を示した。
フィルタ104とスペーサ103と基板101を重ねて静置することにより接着した。
(充填工程)
第1チャンバ107には吸収剤108として(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。第1チャンバ107へ1.5μLの吸収剤108を充填した。
(試料注入工程)
第2チャンバ109へ試料200を注入した。試料200は、溶媒として純水(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。試料200は、第1生体分子201として、2−hydoxy−3−methyl−butilic acid(分子量118)を用いた。第1生体分子201の濃度は500mMであった。第2チャンバ109へ1mLの試料200を注入した。試料200の温度は22℃あった。マイクロピペット(Pipetman、Gilson)により試料200を注入した。試料注入工程の確認は、マイクロスコープ(VH−6300、キーエンス)により行なった。
(温度制御工程)
試料200は吸収剤108と同じ温度にした。試料200および吸収剤108の温度は22℃であった。
(ろ過工程)
生体分子検出装置110は、フィルタ104により、試料200に含まれる第1生体分子201をろ過した。ろ過工程の所要時間は2分、5分、10分であった。試料200の温度は、30℃または40℃であった。試料200の温度を60℃以上にした場合、試料200の急速な蒸発により、ろ過工程の継続は困難であった。試料200の温度を60℃以上にした場合、試料200の気化により、ろ過工程の継続は困難であった。試料200の温度を100℃付近にした場合、試料200の沸騰により、ろ過工程の継続は困難であった。
(検出工程)
吸収剤108に含まれる第1生体分子201を検出部102により検出した。シリンジ(84854、HAMILTON)により第1チャンバ107から1.0μLの吸収剤108を採取した。検出部102であるガスクロマトグラフへ1.0μLの吸収剤108を注入した。測定条件は以下のとおりである。FIDの温度は、250℃であった。オーブンの温度条件は(表1)のとおりである。
図20には、第1生体分子201として2−hydroxy−3−methyl−butilic acidを用いた場合の検出結果を示す。約3.2分に極大値を示すピークは、吸収剤108中の2−hydroxy−3−methyl−butilic acidの存在を表す。約3.2分に極大値を示すピークは小さいことから、吸収剤108中の2−hydroxy−3−methyl−butilic acidの存在が少なかった。したがって、本比較例では第1生体分子201の検出は長時間を要することを示している。
(比較例3)
実施例1または実施例2と本比較例の最も異なる点は、試料200を吸収剤108と同じ温度にすることである。さらに比較例2と本比較例の最も異なる点は、フィルタ104の材料が異なることである。なお実施例1および実施例2と同じ構成要素については、詳細な説明を省略する。
フィルタ104をスペーサ103の上面に設けた。生体分子検出装置100は、フィルタ104として、ポリテトラフルオロエチレンフィルム(T100A025A、ADVANTEC)を用いた。フィルタ104の大きさは、10mm x 10mmであった。フィルタ104の厚みは10μmであった。フィルタ104の形状は正方形であった。フィルタ104の外周面は親水性を示した。
フィルタ104とスペーサ103と基板101を重ねて静置することにより接着した。
(充填工程)
第1チャンバ107には吸収剤108として(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。第1チャンバ107へ1.5μLの吸収剤108を充填した。
(試料注入工程)
第2チャンバ109へ試料200を注入した。試料200は、溶媒として純水(Millipore、抵抗率18.2MΩ・cm以上)を用いた。試料200は、第1生体分子201として、2−hydoxy−3−methyl−butilic acid(分子量118)を用いた。第1生体分子201の濃度は500mMであった。第2チャンバ109へ1mLの試料200を注入した。試料200の温度は22℃あった。マイクロピペット(Pipetman、Gilson)により試料200を注入した。試料注入工程の確認は、マイクロスコープ(VH−6300、キーエンス)により行なった。
(温度制御工程)
試料200は吸収剤108と同じ温度にした。試料200および吸収剤108の温度は22℃であった。
(ろ過工程)
生体分子検出装置110は、フィルタ104により、試料200に含まれる第1生体分子201をろ過した。ろ過工程の所要時間は2分、5分、10分であった。試料200の温度は、30℃または40℃であった。試料200の温度を60℃以上にした場合、試料200の急速な蒸発により、ろ過工程の継続は困難であった。試料200の温度を60℃以上にした場合、試料200の気化により、ろ過工程の継続は困難であった。試料200の温度を100℃付近にした場合、試料200の沸騰により、ろ過工程の継続は困難であった。
(検出工程)
吸収剤108に含まれる第1生体分子201を検出部102により検出した。シリンジ(84854、HAMILTON)により第1チャンバ107から1.0μLの吸収剤108を採取した。検出部102であるガスクロマトグラフへ1.0μLの吸収剤108を注入した。測定条件は以下のとおりである。FIDの温度は、250℃であった。オーブンの温度条件は(表1)のとおりである。
図21には、第1生体分子201として2−hydroxy−3−methyl−butilic acidを用いた場合の検出結果を示す。約3.2分に極大値を示すピークは、吸収剤108中の2−hydroxy−3−methyl−butilic acidの存在を表す。約3.2分に極大値を示すピークは小さいことから、吸収剤108中の2−hydroxy−3−methyl−butilic acidの存在が少なかった。したがって、本比較例では第1生体分子201の検出は長時間を要することを示している。
本発明にかかる生体分子検出方法は、生体分子分析装置、診断マーカ検出装置、診断マーカ検査チップ、生活習慣病診断装置、血液診断装置、尿診断装置、呼気診断装置、ストレス計測器、細胞スクリーニング装置、薬剤スクリーニング装置などの製薬分野、医療分野、ヘルスケア分野などに有用である。さらに、環境分野、食品分野、住宅分野、自動車分野、警備分野、労働安全分野、衛生分野などへ利用することができる。
4 加熱器
7 測定セル
100 生体分子検出装置
101 基板
102 検出部
103 スペーサ
104 フィルタ
105 細孔
106 カバー
107 第1チャンバ
108 吸収剤
109 第2チャンバ
110 第1温度制御部
111 第2温度制御部
200 試料
201 第1生体分子
202、202a、202b 第2生体分子
203 電解質
205 信号処理部
209 記憶部
210 表示部
211 通信部
212 液検出部


Claims (10)

  1. 生体分子検出装置を用いた生体分子検出方法であって、
    前記生体分子検出装置は、
    基板と、
    前記基板の一端に設けられた検出部と、
    前記基板の他端に設けられたスペーサと、
    前記スペーサを介して前記基板に設けられたフィルタと、
    前記フィルタの一端に設けられたカバーと、
    前記カバーの一端に設けられた第1温度制御部と、
    前記基板の一端に設けられた第2温度制御部を備え、
    前記基板と前記フィルタの間には第1チャンバを備え、
    前記カバーの一端には第2チャンバを備え、
    前記第1チャンバは第1生体分子の吸収剤を保持する構造を備え、
    前記第2チャンバは前記第1生体分子を含む試料を保持する構造を備え、
    前記第1生体分子は32以上308以下の分子量を有する有機化合物であって、
    前記フィルタは熱伝導を制限する疎水性多孔質膜であって、
    前記生体分子検出方法は、
    前記第1チャンバに前記吸収剤を満たす充填工程と、
    前記第2チャンバに前記試料を配置する試料注入工程と、
    前記第1温度制御部および前記第2温度制御部により前記吸収剤の温度を前記試料の温度よりも低くする温度制御工程と、
    前記フィルタを介して前記試料から前記吸収剤へ前記第1生体分子を選択的に移動させるろ過工程と、
    前記吸収剤に含まれる前記第1生体分子を前記検出部により検出する検出工程
    を包含する生体分子検出方法。
  2. 前記フィルタは、熱伝導率1W/m・K以下の材料から構成されることを特徴とする請求項1に記載の生体分子検出方法。
  3. 前記フィルタは、両面を貫通する細孔を有することを特徴とする請求項1に記載の生体分子検出方法。
  4. 前記フィルタは、前記第1チャンバに対して10nm2以上4mm2以下の接触面積を有することを特徴とする請求項1に記載の生体分子検出方法。
  5. 前記フィルタと前記第2チャンバに対して10nm2以上4mm2以下の接触面積を有することを特徴とする請求項1に記載の生体分子検出方法。
  6. 前記吸収剤は、前記試料と異なる熱伝導率を有することを特徴とする請求項1に記載の生体分子検出方法。
  7. 前記吸収剤は、前記試料と異なる比熱を有することを特徴とする請求項1に記載の生体分子検出方法。
  8. 前記第1温度制御部および/または前記第2温度制御部により、前記吸収剤の温度は前記試料の温度よりも3℃以上20℃以下低くすることを特徴とする請求項1に記載の生体分子検出方法。
  9. 前記吸収剤は、1.3mPa・s以上200mPa・s以下の粘度を有することを特徴とする請求項1に記載の生体分子検出方法。
  10. 請求項1に記載の生体分子検出方法を用いた診断マーカ検査チップ。
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