JP2011208560A - アイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンの燃料供給制御装置 - Google Patents

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孝之 牧原
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Abstract

【課題】アイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンにおいて、低コスト化とアイドルストップ中の消費電力低減の要求を満たしつつ再始動性を向上させる。
【解決手段】ECU72は、アイドルストップ中に燃圧センサ71で検出した高圧側燃圧を監視し、該高圧側燃圧が再始動に適した燃圧範囲の下限値に相当する燃圧閾値以上の期間は、低圧ポンプ52の駆動を停止し、該高圧側燃圧が該燃圧閾値以下に低下した時に低圧ポンプ52の駆動を再開して低圧側燃圧をエンジン運転中と同じ所定圧力まで上昇させる。ここで、燃圧閾値は、アイドルストップ中に予測した再始動時の要求噴射量、エンジン温度(冷却水温、油温)等に基づいて設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料タンク内の燃料を汲み上げて高圧ポンプへ送る電動式の低圧ポンプの制御方法を改善したアイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンの燃料供給制御装置に関する発明である。
気筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射エンジンは、吸気ポートに燃料を噴射する吸気ポート噴射エンジンと比較して、噴射から燃焼までの時間が短く、噴射燃料を霧化させる時間を十分に稼ぐことができないため、噴射圧力を高圧にして噴射燃料を微粒化する必要がある。そのため、特許文献1(特開平10−331734号公報)に記載されているように、筒内噴射エンジンでは、燃料タンクから電動式の低圧ポンプで汲み上げた燃料を、エンジンのカム軸で駆動する高圧ポンプにより高圧にして燃料噴射弁へ圧送するようにしている。
一方、近年、燃費向上等の要求から需要が増大しているアイドルストップシステムでは、エンジンの停止と再始動を繰り返す回数が大幅に増加するため、アイドルストップ中(エンジン自動停止中)に再始動要求が発生した時に、素早く再始動することが要求される。筒内噴射エンジンでは、エンジン停止中は高圧ポンプの駆動が停止されても、高圧ポンプの吐出側の高圧燃料配管内の燃料圧力(以下「高圧側燃圧」という)が逆止弁により保持されるようになっているが、エンジン停止時間が長くなるに従って、高圧側の燃料が徐々に低圧側に漏れて高圧側燃圧が徐々に低下していくことは避けられない。
再始動時に高圧側燃圧が適正燃圧範囲内に収まっていれば、素早く高圧の燃料を噴射して再始動できるが、高圧側燃圧が適正燃圧範囲以下に低下している場合は、再始動時にスタータでエンジンをクランキングして高圧ポンプを駆動して速やかに高圧側燃圧を適正燃圧範囲まで上昇させる必要がある。
特開平10−331734号公報 特開2004−278365号公報
アイドルストップ中は、低圧ポンプも停止されて、高圧ポンプの吸入側の低圧燃料配管内の燃料圧力(低圧側燃圧)も低下する。このため、再始動時に、スタータでエンジンをクランキングして高圧ポンプを駆動しても、低圧ポンプを駆動して低圧側燃圧(高圧ポンプの吸入側の燃圧)が適正な燃圧に上昇するまでに時間遅れが生じるため、高圧ポンプの吐出側の燃圧上昇が遅れて高圧側燃圧が再始動に適した燃圧に上昇するのが遅れてしまい、その分、再始動性が悪くなる。
一方、吸気ポート噴射エンジンを用いたアイドルストップシステムでは、特許文献2(特開2004−278365号公報)に記載されているように、アイドルストップ中に電動式の燃料ポンプの吐出側の燃圧(燃料噴射弁への供給燃圧)を燃料センサで検出して、その検出燃圧が所定燃圧以下になる毎に燃料ポンプを駆動することで、アイドルストップ中に燃料噴射弁への供給燃圧を所定燃圧以上に維持するようにしたものがある。
この特許文献2の技術を、筒内噴射エンジンを用いたアイドルストップシステムに適用して、アイドルストップ中に低圧側燃圧を燃料センサで検出して、検出した低圧側燃圧が所定燃圧以下になる毎に低圧ポンプを駆動することで、アイドルストップ中に低圧側燃圧を所定燃圧以上に維持するように構成することが考えられる。
しかし、この構成では、低圧側燃圧を検出する燃料センサを新たに設ける必要があり、コストアップする欠点がある。
また、筒内噴射エンジンでは、低圧ポンプから燃料噴射弁までの燃料経路の途中に高圧ポンプを備えているため、低圧側燃圧(高圧ポンプの吸入側の燃圧)が低下しても、高圧側燃圧(高圧ポンプの吐出側の燃圧)が保持されていれば、再始動時に燃料噴射弁から燃料を高圧で噴射することができ、再始動性を確保できる。従って、低圧側燃圧が所定燃圧以下になる毎に低圧ポンプを駆動すると、高圧側燃圧が再始動に適した燃圧範囲内に収まっているにも拘らず、低圧ポンプが駆動されることがあり、その分、アイドルストップ中の消費電力量が増加して、再始動後のバッテリの充電量(発電機の発電量)が増加して燃費にも悪影響を及ぼす結果となる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、アイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンにおいて、低コスト化とアイドルストップ中の消費電力低減の要求を満たしつつ再始動性を向上させることである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、燃料タンク内の燃料を電動式の低圧ポンプで汲み上げて高圧ポンプへ送り、該高圧ポンプで加圧した高圧の燃料を燃料噴射弁に供給し、該燃料噴射弁から燃料をエンジンの気筒内に直接噴射して該エンジンを運転すると共に、エンジン運転中に自動停止要求が発生した時に該エンジンを自動停止し、自動停止中に再始動要求が発生した時に該エンジンを再始動させるアイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンの燃料供給制御装置において、アイドルストップ中(エンジン自動停止中)に前記高圧ポンプの吐出側の高圧燃料配管内の燃料圧力(以下「高圧側燃圧」という)を検出又は推定する高圧側燃圧判定手段と、アイドルストップ中に前記高圧側燃圧判定手段で検出又は推定した高圧側燃圧が所定の燃圧閾値以上の期間は前記低圧ポンプの駆動を停止し、該高圧側燃圧が該燃圧閾値以下に低下した時に該低圧ポンプの駆動を再開する低圧ポンプ制御手段とを備えた構成としたものである。
従来より、筒内噴射エンジンでは、高圧ポンプの吐出側の高圧燃料配管には、高圧側燃圧を検出する燃圧センサが設けられているため、高圧側燃圧判定手段は、従来から高圧燃料配管に設けられた燃圧センサを利用すれば良い。このため、新たな燃圧センサを設ける必要がなく、コストアップを回避できる。しかも、アイドルストップ中に高圧側燃圧が所定の燃圧閾値以上の期間は低圧ポンプの駆動を停止するため、高圧側燃圧が再始動に適した燃圧範囲内に収まっていると判断できるような場合は、低圧ポンプを駆動しないという制御が可能となり、アイドルストップ中の消費電力量を低減することができる。更に、アイドルストップ中に高圧側燃圧が燃圧閾値以下に低下した時に低圧ポンプの駆動を再開するようにしたので、アイドルストップ中に高圧側燃圧が再始動に適した燃圧範囲以下に低下した場合は、再始動に備えて低圧ポンプの駆動を再開して低圧側燃圧(高圧ポンプの吸入側の燃圧)を上昇させておくという制御が可能となり、再始動時にスタータでエンジンをクランキングして高圧ポンプを駆動して速やかに高圧側燃圧を適正燃圧範囲まで上昇させることができ(再始動時の低圧側燃圧の上昇の遅れによる高圧側燃圧の上昇の遅れを少なくすることができ)、再始動性を向上させることができる。
この場合、低圧ポンプの駆動/停止の判定に用いる燃圧閾値は、演算処理の簡略化のために予め設定した一定値(固定値)としても良いが、再始動時の要求噴射量が多くなるほど、高圧側燃圧(燃料噴射弁の噴射圧力)を高める必要があり、また、エンジン温度(冷却水温、油温等)が低くなるほど、燃焼性が悪くなるため、再始動時の要求噴射量が多くなる。
これらの事情を考慮して、請求項2のように、アイドルストップ中に予測した再始動時の要求噴射量又はエンジン温度又はこれらに相関する情報に基づいて燃圧閾値を設定するようにしても良い。このようにすれば、再始動時の要求噴射量が多くなるほど、燃圧閾値を高くしたり、エンジン温度(冷却水温、油温等)が低くなるほど、燃圧閾値を高くするという制御が可能となり、再始動時の要求噴射量やエンジン温度に応じて燃圧閾値を適正に変化させることができる。
更に、請求項3のように、燃圧閾値を設定する際に用いる再始動時の要求噴射量を、エンジン温度、エンジン停止時間、外気温(吸気温)又はこれらに相関する情報のうちの少なくとも1つに基づいて予測するようにしても良い。ここで、エンジン停止時間が長くなるほどエンジン温度が低下するという関係があるため、エンジン停止時間とエンジン温度との間には相関関係があり、エンジン温度や外気温が低くなるほど、燃焼性が悪くなり、再始動の燃料噴射量を増量する必要がある。
図1は本発明の一実施例におけるエンジン制御システムの概略構成を示す図である。 図2は燃料供給装置の概略構成図である。 図3は高圧ポンプの構成図である。 図4は低圧ポンプ駆動制御の実行例を説明するタイムチャートである。 図5は低圧ポンプ駆動制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を具体化した一実施例を説明する。
まず、図1に基づいて基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。
筒内噴射式の内燃機関である筒内噴射式エンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14には、吸気温(外気温)を検出する温度センサ(図示せず)が内蔵されている。このエアフローメータ14の下流側には、モータ15によって開度調節されるスロットルバルブ16と、このスロットルバルブ16の開度(スロットル開度)を検出するスロットル開度センサ17とが設けられている。
更に、スロットルバルブ16の下流側には、サージタンク18が設けられ、このサージタンク18に、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ19が設けられている。また、サージタンク18には、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド20が設けられ、エンジン11の各気筒には、それぞれ筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁21が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ22が取り付けられ、各気筒の点火プラグ22の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
一方、エンジン11の排気管23には、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ24(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられ、この排出ガスセンサ24の下流側には、排出ガスを浄化する三元触媒等の触媒25が設けられている。
また、エンジン11のシリンダブロックには、冷却水温を検出する冷却水温センサ26や、ノッキングを検出するノックセンサ27が取り付けられている。また、クランク軸28の外周側には、クランク軸28が所定クランク角回転する毎にパルスを出力するクランク角センサ29が取り付けられ、このクランク角センサ29の出力信号等に基づいてクランク角やエンジン回転速度が検出される。
次に、図2及び図3を用いて燃料供給装置50の構成を説明する。
燃料を貯溜する燃料タンク51内には、燃料を汲み上げる低圧ポンプ52が配置されている。この低圧ポンプ52は、バッテリ(図示せず)を電源とする電源モータ(図示せず)によって駆動される。この低圧ポンプ52から吐出される燃料は、低圧燃料配管53を通して高圧ポンプ54に供給される。低圧燃料配管53には、プレッシャレギュレータ55が接続され、このプレッシャレギュレータ55によって低圧ポンプ52の吐出圧(高圧ポンプ54の吸入側の燃圧)が所定圧力(例えば0.3MPa程度)に調圧され、その圧力を越える燃料の余剰分は、燃料戻し管56により燃料タンク51内に戻される。
図3に示すように、高圧ポンプ54は、円筒状のポンプ室58内でプランジャ59を往復運動させて燃料を吸入/吐出するプランジャポンプであり、プランジャ59は、エンジン11のカム軸60に嵌着されたカム61の回転運動によって駆動される。
また、図3に示すように、ポンプ室58の吸入口63側には、燃圧制御弁62が設けられている。この燃圧制御弁62は、常開型の電磁弁であり、吸入口63を開閉する弁体66と、弁体66を開弁方向に付勢するスプリング67と、弁体66を閉弁方向に電磁駆動するソレノイド68とから構成されている。ソレノイド68に駆動電流が通電されていないときには、スプリング67の付勢力により弁体66が開弁されて吸入口63が開放される。一方、ソレノイド68に駆動電流が通電されると、ソレノイド68の電磁駆動力により弁体66がスプリング67の付勢力に抗して閉弁されて吸入口63が閉塞される。
高圧ポンプ54の吸入行程(プランジャ59が上死点から下死点に下降する行程)で、燃圧制御弁62が開弁されてポンプ室58内に燃料が吸入され、吐出行程(プランジャ59が下死点から上死点に上昇する行程)で、燃圧制御弁62の閉弁開始時期を制御することで、燃料吐出量を調節して燃料圧力(以下「燃圧」と略記する)を制御する。例えば、燃圧を上昇させるときには、燃圧制御弁62の閉弁開始時期を早めて、吐出行程終了までの閉弁期間を長くして燃料吐出量を増加させ、反対に、燃圧を低下させるときには、燃圧制御弁62の閉弁開始時期を遅らせて、吐出行程終了までの閉弁期間を短くして燃料吐出量を減少させる。
一方、ポンプ室58の吐出口64側には、吐出した燃料の逆流を防止する逆止弁65が設けられている。図2に示すように、高圧ポンプ54から吐出された燃料は、高圧燃料配管69を通してデリバリパイプ70に送られ、このデリバリパイプ70から各気筒の燃料噴射弁21に高圧の燃料が分配される。デリバリパイプ70には、該デリバリパイプ70内の燃料の圧力(以下「高圧側燃圧」という)を検出する燃圧センサ71(高圧側燃圧判定手段)が設けられている。
上述した燃圧センサ71、クランク角センサ29、冷却水温センサ26等の各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)72に入力される。このECU72は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶されたエンジン制御用の各プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて、点火時期、燃料噴射量、スロットル開度(吸入空気量)等を制御すると共に、燃圧センサ71で検出した高圧側燃圧を目標燃圧に一致させるように、高圧ポンプ54の燃圧制御弁62の閉弁開始時期(通電時期)を制御する。エンジン運転中は、低圧ポンプ52を駆動して低圧側燃圧(高圧ポンプ54の吸入側の燃圧)をプレッシャレギュレータ55で規制された所定圧力に維持する。
また、ECU72は、エンジン運転中に自動停止要求(アイドルストップ要求)が発生したか否かを監視して、自動停止要求が発生したときに燃料噴射を停止(燃料カット)して、エンジン11の燃焼を自動的に停止させるアイドルストップ制御を実行する。アイドルストップ制御を実行する運転領域は、車両停止中のみとしても良いし、車両走行中に車両停止に至る可能性のある低速での減速領域まで拡大するようにしても良い。
アイドルストップ制御によるエンジン停止中(アイドルストップ中)に、運転者が車両を再加速又は発進させようとする操作(例えば、ブレーキ解除操作、アクセル踏込み操作、シフトレバーのドライブレンジへの操作等)を行ったときに、再始動要求が発生してエンジン11を再始動させる。その他、バッテリ充電制御システムやエアコン等の車載機器の制御システムから再始動要求が発生してエンジン11を再始動させる場合もある。
アイドルストップ中は、高圧ポンプ54の駆動が停止されても、高圧ポンプ54の吐出側の高圧燃料配管69内の燃料圧力(高圧側燃圧)が逆止弁65により保持されるようになっているが、図4に示すように、アイドルストップ時間(エンジン停止時間)が長くなるに従って、高圧側の燃料が徐々に低圧側に漏れて高圧側燃圧が徐々に低下していくことは避けられない。再始動時に高圧側燃圧が適正燃圧範囲内に収まっていれば、素早く高圧の燃料を噴射して再始動できるが、高圧側燃圧が適正燃圧範囲以下に低下している場合は、再始動時にスタータ(図示せず)でエンジン11をクランキングして高圧ポンプ54を駆動して速やかに高圧側燃圧を適正燃圧範囲まで上昇させる必要がある。
アイドルストップ中は、低圧ポンプ52も停止されて、高圧ポンプ54の吸入側の低圧燃料配管53内の燃料圧力(低圧側燃圧)も低下する。このため、再始動時に、スタータでエンジン11をクランキングして高圧ポンプ54を駆動しても、低圧ポンプ52を駆動して低圧側燃圧(高圧ポンプ54の吸入側の燃圧)が適正な燃圧に上昇するまでに時間遅れが生じる。このため、再始動時に高圧ポンプ54の吐出側の燃圧上昇が遅れて高圧側燃圧が再始動に適した燃圧に上昇するのが遅れてしまい、その分、再始動性が悪くなる。
そこで、本実施例では、図4に示すように、アイドルストップ中に燃圧センサ71で検出した高圧側燃圧を監視し、高圧側燃圧が所定の燃圧閾値以上の期間は、低圧ポンプ52の駆動を停止し、高圧側燃圧が該燃圧閾値以下に低下した時に低圧ポンプ52の駆動を再開して低圧側燃圧をプレッシャレギュレータ55で規制された所定圧力(通常のエンジン運転中と同じ燃圧)まで上昇させる。ここで、燃圧閾値は、再始動に適した燃圧範囲の下限値に相当する燃圧に設定される。
この燃圧閾値は、演算処理の簡略化のために予め設定した一定値(固定値)としても良いが、再始動時の要求噴射量が多くなるほど、高圧側燃圧(燃料噴射弁21の噴射圧力)を高める必要があり、また、エンジン温度(冷却水温、油温等)が低くなるほど、燃焼性が悪くなるため、再始動時の要求噴射量が多くなる。
これらの事情を考慮して、本実施例では、アイドルストップ中に予測した再始動時の要求噴射量又はエンジン温度(冷却水温、油温等)又はこれらに相関する情報に基づいて燃圧閾値を設定するようにしている。このようにすれば、再始動時の要求噴射量が多くなるほど、燃圧閾値を高くしたり、エンジン温度(冷却水温、油温等)が低くなるほど、燃圧閾値を高くするという制御が可能となり、再始動時の要求噴射量やエンジン温度に応じて燃圧閾値を適正に変化させることができる。
また、燃圧閾値を設定する際に用いる再始動時の要求噴射量は、エンジン温度(冷却水温、油温等)、エンジン停止時間、外気温(吸気温)又はこれらに相関する情報のうちの少なくとも1つに基づいて予測するようにしても良い。ここで、エンジン停止時間が長くなるほどエンジン温度が低下するという関係があるため、エンジン停止時間とエンジン温度との間には相関関係があり、エンジン温度や外気温が低くなるほど、燃焼性が悪くなり、再始動の燃料噴射量を増量する必要がある。
以上説明した本実施例の低圧ポンプ52の駆動制御は、ECU72によって図5の低圧ポンプ駆動制御プログラムに従って次のように実行される。図5の低圧ポンプ駆動制御プログラムは、ECU72の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう低圧ポンプ制御手段としての役割を果たす。
図5の低圧ポンプ駆動制御プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、アイドルストップ要求が発生したか否かを判定し、アイドルストップ要求が発生していなければ、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了する。
その後、アイドルストップ要求が発生した時点で、ステップ101からステップ102に進み、燃料噴射を停止(燃料カット)してエンジン11を停止させる。この後、ステップ103に進み、燃圧閾値を次のいずれかの方法で算出する。
[燃圧閾値算出方法(その1)]
エンジン温度(冷却水温、油温等)と外気温(吸気温)等に基づいて2次元マップ等により再始動時の要求噴射量を予測し、予測した再始動時の要求噴射量に基づいて燃圧閾値を1次元マップ等により算出する。この際、エンジン温度や外気温が低くなるほど、燃焼性が悪くなることを考慮して、再始動の燃料噴射量を増量し、また、再始動時の要求噴射量が多くなるほど、高圧側燃圧を高める必要があることを考慮して、燃圧閾値を高くする。
[燃圧閾値算出方法(その2)]
予め、エンジン温度(冷却水温、油温等)と外気温(吸気温)等をパラメータとして燃圧閾値を算出するマップ又は数式を、実験、シミュレーション等により設定しておき、このマップ又は数式を用いてエンジン温度と外気温等に基づいて燃圧閾値を算出する。
[燃圧閾値算出方法(その3)]
予め設定された一定のベース燃圧閾値に、予測した再始動時の要求噴射量、エンジン温度(冷却水温、油温等)、外気温(吸気温)等の少なくとも1つに応じた補正値(マージン)を加算して燃圧閾値を求める。
燃圧閾値=ベース燃圧閾値+補正値
要するに、燃圧閾値算出方法(その1)と(その2)では、予測した再始動時の要求噴射量、エンジン温度、外気温等の少なくとも1つに基づいて燃圧閾値を算出したが、燃圧閾値算出方法(その3)では、予測した再始動時の要求噴射量、エンジン温度、外気温等の少なくとも1つに基づいて補正値を算出して、この補正値をベース燃圧閾値に加算して燃圧閾値を求める。
いずれかの燃圧閾値算出方法で燃圧閾値を算出した後、ステップ104に進み、燃圧センサ71で検出した高圧側燃圧が燃圧閾値以上であるか否かを判定し、高圧側燃圧が燃圧閾値以上と判定されれば、ステップ105に進み、低圧ポンプ52を停止させる(低圧ポンプ52の停止状態を維持する)。
そして、次のステップ106で、再始動要求が発生したか否かを判定し、再始動要求が発生していないと判定されれば、上記ステップ103の処理に戻って、上述した処理を繰り返す。これにより、高圧側燃圧が燃圧閾値以上の期間は、低圧ポンプ52の駆動を停止した状態が維持され、この期間中に、ステップ106で、再始動要求が発生したと判定されれば、ステップ107に進み、低圧ポンプ52を駆動して、次のステップ110で、スタータでエンジン11をクランキングして高圧ポンプ54を駆動しながら燃料噴射を再開してエンジン11を再始動する。
これに対し、エンジン停止中(アイドルストップ中)に、上記ステップ104で、燃圧センサ71で検出した高圧側燃圧が燃圧閾値未満になったと判定されれば、ステップ108に進み、低圧ポンプ52を駆動して低圧側燃圧(高圧ポンプ54の吸入側の燃圧)を上昇させる。
この後、ステップ109に進み、再始動要求が発生したか否かを判定し、再始動要求が発生していないと判定されれば、上記ステップ103の処理に戻って、上述した処理を繰り返す。これにより、高圧側燃圧が燃圧閾値未満の期間は、低圧ポンプ52の駆動を継続して、低圧側燃圧をプレッシャレギュレータ55で規制された所定圧力(エンジン運転中と同じ燃圧)まで上昇させる。この期間中に、ステップ109で、再始動要求が発生したと判定されれば、ステップ110に進み、スタータでエンジン11をクランキングして高圧ポンプ54を駆動しながら燃料噴射を再開してエンジン11を再始動する。
以上説明した本実施例によれば、アイドルストップ中に燃圧センサ71で検出した高圧側燃圧を監視し、該高圧側燃圧が燃圧閾値以上の期間は、低圧ポンプ52の駆動を停止するため、高圧側燃圧が再始動に適した燃圧範囲内に収まっていると判断できるような場合は、低圧ポンプ52を駆動しないという制御が可能となり、アイドルストップ中の消費電力量を低減することができる。更に、アイドルストップ中に高圧側燃圧が燃圧閾値未満に低下した時に低圧ポンプ52の駆動を再開するようにしたので、アイドルストップ中に高圧側燃圧が再始動に適した燃圧範囲以下に低下した場合は、再始動に備えて低圧ポンプ52の駆動を再開して低圧側燃圧(高圧ポンプ54の吸入側の燃圧)を上昇させておくという制御が可能となり、再始動時にスタータでエンジン11をクランキングして高圧ポンプ54を駆動して速やかに高圧側燃圧を適正燃圧範囲まで上昇させることができ(再始動時の低圧側燃圧の上昇の遅れによる高圧側燃圧の上昇の遅れを少なくすることができ)、再始動性を向上させることができる。しかも、高圧側燃圧を検出する燃圧センサ71は、従来から燃圧制御用に設けられた燃圧センサを利用すれば良いため、新たな燃圧センサを設ける必要がなく、コストアップを回避できる。
尚、本発明は、図1〜図3に示す構成に限定されず、例えば、燃料配管構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、16…スロットルバルブ、21…燃料噴射弁、22…点火プラグ、23…排気管、24…排出ガスセンサ、50…燃料供給装置、51…燃料タンク、52…低圧ポンプ、53…低圧燃料配管、54…高圧ポンプ、55…プレッシャレギュレータ、58…ポンプ室、59…プランジャ、60…カム軸、61…カム、62…燃圧制御弁、63…吸入口、64…吐出口、65…逆止弁、66…弁体、67…スプリング、68…ノレノイド、69…高圧燃料配管、70…デリバリパイプ、71…燃圧センサ(高圧側燃圧判定手段)、72…ECU(低圧ポンプ制御手段)

Claims (3)

  1. 燃料タンク内の燃料を電動式の低圧ポンプで汲み上げて高圧ポンプへ送り、該高圧ポンプで加圧した高圧の燃料を燃料噴射弁に供給し、該燃料噴射弁から燃料をエンジンの気筒内に直接噴射して該エンジンを運転すると共に、エンジン運転中に自動停止要求が発生した時に該エンジンを自動停止し、自動停止中に再始動要求が発生した時に該エンジンを再始動させるアイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンの燃料供給制御装置において、
    エンジン自動停止中に前記高圧ポンプの吐出側の高圧燃料配管内の燃料圧力(以下「高圧側燃圧」という)を検出又は推定する高圧側燃圧判定手段と、
    エンジン自動停止中に前記高圧側燃圧判定手段で検出又は推定した高圧側燃圧が所定の燃圧閾値以上の期間は前記低圧ポンプの駆動を停止し、該高圧側燃圧が該燃圧閾値以下に低下した時に該低圧ポンプの駆動を再開する低圧ポンプ制御手段と
    を備えていることを特徴とするアイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンの燃料供給制御装置。
  2. 前記低圧ポンプ制御手段は、エンジン自動停止中に予測した再始動時の要求噴射量又はエンジン温度又はこれらに相関する情報に基づいて前記燃圧閾値を設定することを特徴とする請求項1に記載のアイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンの燃料供給制御装置。
  3. 前記低圧ポンプ制御手段は、前記再始動時の要求噴射量を、エンジン温度、エンジン停止時間、外気温又はこれらに相関する情報のうちの少なくとも1つに基づいて予測することを特徴とする請求項2に記載のアイドルストップ機能付き筒内噴射エンジンの燃料供給制御装置。
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