JP2011207018A - ガスバリアフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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泰司 渕田
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Abstract

【課題】基材上に形成されたポリシラザン由来の1層のシリカ膜のガスバリア性能を向上させたガスバリアフィルムを提供すると共に、製造コストを低減し作業効率に優れたガスバリアフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】ガスバリアフィルム1は、樹脂基材2と、ポリシラザンに波長155nm〜274nmの紫外線光を照射して樹脂基材2上に形成された第一シリカ膜3と、第一シリカ膜3上に積層されたコロイダルシリカ由来の第二シリカ膜4とからなる積層体である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性を有するフィルム及びその製造方法に係り、更に詳しくは、水蒸気バリア性にも優れたガスバリアフィルム及びその製造方法に関する。
ディスプレイ用基板、太陽電池用基板、サーキットボード用基板等の電子デバイスに使用される基板は、ガスバリア性、耐熱性や層間密着性等、物性の優れたものが求められる。これまでは、基板用の基材としてSiウエハやガラスなど無機材料の硬い基材が使用されていたが、ディスプレイの軽量化、薄型化や有機ELへの用途拡大のため、従来のガラス等の無機基材からプラスチック等の樹脂基材へと移り変わりつつある。しかし、樹脂基材は、無機基材と比較した場合、一般にガスの透過度が高く、ガスバリア性が劣る。このため酸素が樹脂基材を透過して電子デバイス内に進入しやすく、酸素は拡散してデバイスを酸化して劣化させてしまうのでデバイスの寿命が問題となっている。したがって、樹脂基材を用いた基板は、電子デバイスの寿命を延ばすため、酸素や水蒸気等を遮断する高いガスバリア性が求められている。
また、ガスバリア性を有するフィルムは、太陽光発電モジュールのような屋外に露出する表示物の保護膜として用いられることがある。このような保護膜として使用される場合、ガスバリア性に加え、耐候性を備えかつ軽量で安価なフィルムが望まれている。
また、食品、医薬品、化粧品などの包装材料においてもガスバリア性の高いフィルムが求められている。
特許文献1及び特許文献2には、耐熱性のある樹脂フィルム、ステンレス、ガラスなどの基材の表面にポリシラザン層を設け、ポリシラザン層を焼成、あるいは水蒸気酸化処理と熱処理とを行うことで、基材にガスバリア性を備える膜を形成することが開示されている。
しかし、特許文献1の方法では、焼成工程を伴うため、通常150℃以上の高温でシリカに転化させる必要があり、耐熱性の基材が要求される。また、特許文献2の方法では、約95℃、80%RH(相対湿度)以上の条件下でもシリカに転化させるためには、長時間が必要となり、作業性に劣る。また、ポリシラザン層が露出していなければ、水蒸気酸化がうまくいかないという問題が指摘されている。
なお、ポリシラザン由来のシリカ膜は、酸素ガスなどに対してはガスバリア効果があるものの水蒸気に対するバリア性に劣る傾向にあることが知られている。特許文献3には、2層のポリシラザン層に光エネルギーを照射することで水蒸気に対するバリア性を改善したフレキシブルガスバリアフィルムが開示されている。
特開平9−199740号公報 特開2001−111076号公報 特開2009−255040号公報
特許文献3に開示された技術は、焼成や水蒸気酸化処理を必要としない点で特許文献1及び2に比べメリットがある。しかし、フィルムのガスバリア性を向上させるため、基材へのポリシラザンの塗布とポリシラザン層への波長155nm〜274nmの紫外線光照射を2回繰り返さなければならず、この処理スピードが律速となりガスバリアフィルム製造の生産性を高めることができない。また、原料価格が高価なポリシラザンを多く使用しなければならないこと及び波長155nm〜274nmの紫外線光照射を2回以上必要とすることから、コストの点からも問題が指摘されている。
本発明の目的の一つは、基材上に形成されたポリシラザン由来のシリカ膜を1層とし、他の物質を併用してガスバリア性を補強したガスバリアフィルムを提供することにある。
第二の目的は、製造コストを低減し作業効率のよいガスバリアフィルムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは樹脂基材上に積層する膜を鋭意検討したところ、ポリシラザン由来のガスバリア性を有するシリカ膜の上にコロイダルシリカ由来の膜を重ねることで、得られるフィルムのガスバリア性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明のガスバリアフィルムは、樹脂基材と、ポリシラザン層に波長155nm〜274nmの紫外線光を照射して基材上に形成された第一シリカ膜と、第一シリカ膜上に積層されたコロイダルシリカ由来の第二シリカ膜とからなる積層体であり、実用上、十分に満足できるガスバリア性を有する。
本発明のガスバリアフィルムの製造方法は、樹脂基材上にポリシラザン溶液を塗布、乾燥してポリシラザン層を形成するステップと、ポリシラザン層に波長155nm〜274nmの紫外線光を照射して、ポリシラザン層を第一シリカ膜とするステップと、第一シリカ膜上にコロイダルシリカ溶液を塗布してコロイダルシリカ層を形成するステップと、コロイダルシリカ層を乾燥して第二シリカ膜を形成するステップとを含む。
本発明のガスバリアフィルムは、ポリシラザン由来のシリカ膜を有し、水蒸気透過率に優れたガスバリア性のフィルムである。
また、本発明のガスバリアフィルムの製造方法は、価格の安いコロイダルシリカを原材料として使用し、波長155nm〜274nmの紫外線光照射の回数も少ないので、製造コストの低減及び生産性向上を図ることが可能である。
本発明のガスバリアフィルムの断面図である。
以下、本発明を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明のガスバリアフィルムの断面を表す図である。ガスバリアフィルム1は、樹脂基材2と、ポリシラザンに波長155nm〜274nmの紫外線光を照射して樹脂基材2上に形成されたポリシラザン由来の第一シリカ膜3と、第一シリカ膜3上に積層されたコロイダルシリカ由来の第二シリカ膜4とからなる積層体である。
樹脂基材2の素材は用途に応じて選択すればよいが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリサルホン(PSF)、ポリエチレンナフタレート(PEN),ポリブチレンテレフタレート(PBT),ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI),ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、環状ポリオレフィン共重合体であるポリノルボルネン、ポリアクリロニトリル(PAN)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリプロピレン(PP)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(メタ)アリレート(PAR)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)等を挙げることができる。なお、映像表示装置の基板に使用する場合、全光線透過率80%以上でガラス転移温度が150〜300℃の樹脂が好ましい。
樹脂基材2上には、ポリシラザン層に波長155nm〜274nmの紫外線光を照射して上記基材上に形成された第一シリカ膜3が積層されている。
ポリシラザンは(Si−N)で表わされるシラザン骨格を基本単位とし、ペルヒドロポリシラザンとも呼ばれている。具体的には、AZエレクトロニックマテリアル社製ポリシラザンである。
樹脂基材2上に形成されたポリシラザンの層は波長155nm〜274nmの紫外線光の照射を受けてガスバリア性を若干有するシリカ膜に変化する(これを、本発明においては第一シリカ膜3という)。波長155nm〜274nmの紫外線光のより好ましい範囲は155nm以上200nm以下の範囲がシリカ層に転化するのに効率的である。波長が274nm以上になるとポリシラザンのSi−N結合が切断され難くなり、波長が155nmより短くなるとSi−O結合が切断されてしまう。このため上述した範囲を外れた光の照射では、第一シリカ膜3のガスバリア性に影響を及ぼすことになり、好ましくない。
なお、本明細書において、ガスバリア性とは、水蒸気透過率(JIS K7129、単位:g/m/day)の値に基づくものであり、水蒸気透過率が3g/m/day以下の場合、ガスバリア性を若干有するが、実用上としては、0.2g/m/day以下であれば、どのような用途にも用いることができる。
また、酸素ガスなどについては、0.022fm/s/Pa(=0.2ml/m/day/atm)未満であれば、十分に酸素ガスバリア性があると言える。本発明では、ポリシラザン由来のシリカ膜として水蒸気バリア性について焦点を当てて説明しているが、当然、酸素ガスなどのガスバリア性も有している。
従来、紫外線光を照射せずに焼成法などによりポリシラザン由来のガスバリア性を有するシリカ膜を樹脂基材上に一層だけ形成する場合、実用的なガスバリア性を得るために、膜厚を1μm程度以上にする必要があった。しかし、膜を厚くすると、クラックが発生し易くなってしまい、ガスバリア性の低下が起こりやすくなることが知られている。
ところが、本発明の紫外線光を照射してポリシラザン由来のシリカ膜を形成したガスバリアフィルム1においては、第一シリカ膜3を0.01μmと薄くした場合においても、第一シリカ膜上にコロイダルシリカ由来の第二シリカ膜4を積層することにより、ガスバリア性の向上を図ることができる。したがって、第一シリカ膜3の膜厚は特に限定されるものではないが、0.01μm〜3μmの範囲でガスバリアフィルムの用途に応じて選択することが好ましい。
第一シリカ膜3上には、コロイダルシリカ由来の第二シリカ膜4が積層されている。コロイダルシリカは酸化ケイ素又はその水和物のコロイドであり、第一シリカ膜の隙間に液状のコロイダルシリカ粒子が浸透し、粒子が固定されることによりガスバリア性を向上させると想定できる。
樹脂基材2上にポリシラザン由来の第一シリカ膜3を形成せず、コロイダルシリカ由来の第二シリカ膜4のみを形成したフィルムはガスバリア性を有しない。一方、ポリシラザン由来のシリカ膜のみを形成した場合には、若干のガスバリア性を有するフィルムを得ることはできるが、どのような用途にも対応できる実用性のある十分な性能を得るまでには至らない。
しかし、樹脂基材2上に、ポリシラザン由来の第一シリカ膜3、コロイダルシリカ由来の第二シリカ膜4をこの順序で積層した本発明のガスバリアフィルムは、樹脂基材2上に第一シリカ膜のみを形成したフィルムよりガスバリア性が数段向上し、実用化にも十分満足するレベルにある。このことから、第二シリカ膜4は、第一シリカ膜3のガスバリア性を補強するものと考えられる。
第二シリカ膜4の厚さは、特に限定されるものではないが、5nm〜7500nmの範囲、塗布工程のコントロールのし易さから20〜3000nmで適宜選択することが好ましい。
樹脂基材2上に、第一シリカ膜3、第二シリカ膜4を順次積層した積層体はガスバリア性を有することは前述したところであるが、第一シリカ膜3、第二シリカ膜4の積層順序を変えるとガスバリア性がなくなる。すなわち、樹脂基材2上に第二シリカ膜4を形成し、第二シリカ膜4上に第一シリカ膜3を積層したものにはガスバリア性が殆どない。
本発明のガスバリアフィルムは、ディスプレイ用基板、太陽電池用基板、サーキットボード用基板等の電子デバイスの基板として用いることが可能であり、また太陽光発電モジュールやディスプレイ用モジュールなど屋外に露出する表示物の保護フィルムとして使用することができる。更に、食品、医薬品、化粧品などのガスバリア性の要求される包装にも用いることができる。
太陽光発電モジュールやディスプレイ用モジュールの保護フィルムとして使用する場合には、太陽電池素子や発光素子を被うカバーガラスやカバーフィルムに貼付してもよく、また太陽電池素子や発光素子を密封するフィルムとしてもよい。
以下に本発明のガスバリアフィルムの製造方法を説明する。
本発明では、下記のステップを経ることでガスバリアフィルムを製造することができる。すなわち、
樹脂基材上にポリシラザン溶液を塗布、乾燥させてポリシラザン層を形成するステップ、
ポリシラザン層に波長155nm〜274nmの紫外線光を照射して、ポリシラザン層を第一シリカ膜とするステップ、
第一シリカ膜上にコロイダルシリカ溶液を塗布してコロイダルシリカ層を形成するステップ、
そして、コロイダルシリカ層を乾燥させて第二シリカ膜を形成するステップ、を含む。
樹脂基材2及びポリシラザンは前述した通りの材料を用いることができる。
ポリシラザンはキシレン、ジブチルエーテル、ソルベッソ、ミネラルターペンの溶液として樹脂基材2に塗布、乾燥されて、樹脂基材2上にポリシラザン層を形成する。ポリシラザンを樹脂基材2に塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法、ダイコート法のような各種塗工法が挙げられる。
樹脂基材2上に塗布するポリシラザンの厚さは、後述するエネルギー照射によって形成される第一シリカ膜の厚さとして0.01μm〜3μm、製造工程のコントロールのし易さを考慮すると、0.08μm〜1μmの範囲とすることが好ましいが、特にこれに限定されるものではない。
樹脂基材2上に塗布されたポリシラザンの乾燥は、特に限定されるものではなく、自然乾燥又は加熱乾燥を行えばよい。
ポリシラザン塗膜に波長155nm〜274nmの紫外線光を照射すると、ポリシラザンがガスバリア性を若干有する第一シリカ膜3に変化する。波長155nm〜274nmの紫外線光は、前述したように、波長が155nm以上200nm以下の範囲の紫外線光であればより好ましい。これらの波長155nm〜274nmの紫外線光を窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中又は真空雰囲気中で照射する。紫外線光照射装置として例えば、キセノンエキシマランプ照射装置、低圧水銀ランプ装置を挙げることができる。
次いで、第一シリカ膜3上にコロイダルシリカ層を形成する。コロイダルシリカの粒子径は一般的には粒子径が5nm〜2000nmのものが市販されており、これらの範囲の粒子径のコロイダルシリカであれば問題なく使用することができる。例えば、日本化学工業社製シリカドールシリーズ(15S−4,20G,40G−8),AGCエスアイテック社製サンラブリーLFS、ADEKA社製アデライトシリーズ(AT30,SDX3206,SDX3207),扶桑化学工業社製クォートロンPL−1TOL等を挙げることができる。
コロイダルシリカ層の形成方法は、特に限定されるものではなく、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法、ダイコート法のような各種塗工法が挙げられる。コロイダルシリカは、水又はプロピルアルコール、シクロヘキサノン、トルエン、ジエチルエーテル等の有機溶媒の溶液として、第一シリカ膜3上に塗布される。膜厚は、使用するコロイダルシリカの粒子径、塗布厚みによる違いは見られず、特に限定されるものではない。なお、膜厚を厚くしてもガスバリア性能は向上するものではない。
最後に、コロイダルシリカ層を乾燥して、第二シリカ層3とする。乾燥は、加熱乾燥、熱風乾燥又は自然乾燥から適宜選択すればよい。
以下、具体的実施例を挙げて本発明をさらに説明する。
100μm厚みの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製ルミラーU426)を樹脂基材上に、AZエレクトロニックマテリアルズ社製ポリシラザンキシレン溶液(ポリシラザン量20wt.%)を乾燥膜厚200nmとなるようにワイヤーバーで塗布し、80℃で1分乾燥した。
窒素ガス雰囲気中、ポリシラザン塗布層を上に向けて、樹脂基材を75mm/minのスピードで移動させながら、ポリシラザン膜側から紫外線光としてキセノンエキシマランプ(エム・ディ・エキシマ社製、波長172nm、光量20mW/cm)を照射した。
クォートロンPL−1TOL(扶桑化学工業社製)のトルエン溶液を用い、ワイヤーバーで乾燥膜厚を12nm〜7180nmに変化させたコロイダルシリカ層を第一シリカ膜上に塗布した後、80℃で1分間乾燥し、第二シリカ膜を形成した。
光学式膜厚測定器(フィルメトリクス社製FILMETRICS F20)を用いて試料の3か所の厚みを測定し、その平均値を膜厚とした。
JIS K7129に準じ、40℃、90%RHの条件でPETフィルム側からガスバリア層へ透過する水蒸気透過率を測定した。測定機器はMOCON社製PERMATRAN W3/33を用いた。
結果を表1に示す。
Figure 2011207018
この結果から、ポリシラザンに波長155nm〜274nmの紫外線光を照射し、樹脂基材上に形成された第一シリカ膜上にコロイダルシリカ由来の第二シリカ膜が形成されたフィルムは、水蒸気透過率が低下、すなわち、水蒸気のバリア性が向上することがわかる。また、第二シリカ膜厚に影響を受けることなく、水蒸気透過率が低下していることがわかる。したがって、実施例1のポリシラザン由来の第一シリカ膜上にコロイダルシリカ由来の第二シリカ膜を積層したフィルムは水蒸気に対するガスバリア性を有する。
さらに、コロイダルシリカの粒子径、分散媒の影響を調べるため、日本化学工業社製シリカドールシリーズ(15S−4,20G,40G−8)、AGCエスアイテック社製サンラブリーLFS、ADEKA社製アデライトシリーズ(AT30,SDX3206,SDX3207)、扶桑化学工業社製クォートロンPL−1TOLを用い、実施例1と同じ製造条件で、第二シリカ膜厚を変化させた積層体を製造した。得られた積層体の水蒸気透過率を表2に示す。
Figure 2011207018
表2から、水蒸気透過率はコロイダルシリカの粒子径、分散媒又は膜厚により影響を受けないことがわかる。すなわち、実施例2のフィルムは水蒸気に対するガスバリア性を有する。
[比較例]
上述の実施例1の製造条件に準じ、樹脂基材上に第一シリカ膜のみ(乾燥膜厚200nm)を形成したフィルムと、樹脂基材上にコロイダルシリカの種類と膜厚を変えて(シリカドール15S−4,膜厚618nm;アデライトSDX3206,膜厚1919nm;クォートロンPL−1TOL,膜厚1226nm)、第二シリカ膜のみ形成したフィルムを製造した。
また、実施例1の製造条件に準じ、第二シリカ膜(クォートロンPL−1TOL、膜厚1000nm;又はサンラブリーLFS、膜厚1000nm)、第一シリカ膜(膜厚200nm)の順に樹脂基材上に膜を形成したフィルムを製造した。
さらに、ポリシラザンとクォートロンPL−1TOLの混合液を用い、樹脂基材上にポリシラザン由来の第一シリカ膜とコロイダルシリカ由来の第二シリカ膜を形成し、乾燥してフィルムを以下のようにして製造した。ポリシラザンとクォートロンPL−1TOLを1:1の割合とした混合物をトルエンで固形分20質量%となるように混合して塗料を作製した。この塗料を実施例1の第一シリカ膜の製造条件に準じて、樹脂基材上に乾燥膜厚200nmとなるように、ワイヤーバーで塗布、乾燥し、紫外線光を照射してフィルムを作製した。
得られた各フィルムの水蒸気透過率を表3に示す。
Figure 2011207018
表3から、樹脂基材上に第一シリカ膜のみ又は第二シリカ膜のみを形成したフィルムの水蒸気透過率は、本発明のガスバリアフィルムに比べ、かなり高くなっている、すなわち、水蒸気バリア性が低下していることがわかる。
また、第一シリカ膜、第二シリカ膜の積層順を変えると、本発明のガスバリアフィルムに比べ、水蒸気透過率がかなり高くなっていることがわかる
さらに、ポリシラザンとコロイダルシリカを混合して樹脂基材上に1層のシリカ膜を形成したフィルムの水蒸気透過率も本発明のガスバリアフィルムに比べかなり高くなっていることわかる。
1 ガスバリアフィルム
2 樹脂基材
3 第一シリカ膜
4 第二シリカ膜

Claims (2)

  1. 樹脂基材と、該樹脂基材上に塗布され波長155nm〜274nmの紫外線光を照射されて形成されたポリシラザン由来の第一シリカ膜と、該第一シリカ膜上に積層されたコロイダルシリカ由来の第二シリカ膜とを有する、ガスバリアフィルム。
  2. 樹脂基材上にポリシラザン溶液を塗布、乾燥してポリシラザン層を形成するステップと、
    該ポリシラザン層に波長155nm〜274nmの紫外線光を照射して、ポリシラザン由来の第一シリカ膜とするステップと、
    該第一シリカ膜上にコロイダルシリカ溶液を塗布してコロイダルシリカ層を形成するステップと、
    該コロイダルシリカ層を乾燥して第二シリカ膜を形成するステップと、を含む、ガスバリアフィルムの製造方法。
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