JP2011204504A - 有機el表示装置の製造方法及び有機el表示装置 - Google Patents

有機el表示装置の製造方法及び有機el表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】膜異常が無く、安価、大画面、高効率、長寿命、高輝度な有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】基板108上に、第一電極102と、第二電極107と、第一電極を区画する隔壁と、有機発光層を含む有機機能層220とを有し、有機機能層220は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれかからなる第一有機材料を液相法で配されてなる第一有機層221と、第一有機材料と異なるモノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれかからなる第二有機材料が印刷法で配されてなる第二有機層222と、前記第一有機層と第二有機層との間に設けられ、前記第一有機材料と前記第二有機材料とが混合されてなる混合有機層223と、を有する有機EL表示装置およびその製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は有機EL表示装置の製造方法及び有機EL表示装置に関するものである。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機EL)は、導電性の有機発光層に電流を流すことにより、その有機発光層に注入する電子と正孔とを再結合させ、この再結合の際に有機発光層を構成する有機発光材料が発光する現象であり、有機EL表示装置はこの現象を利用したディスプレイである。有機発光層に電流を流すと共に光を外部へ取り出すために、前記有機発光層の両側に透明電極と対向電極を設けて構成される。
通常、透明なデバイス基板上に透明電極層を形成し、その上に有機発光層を含む有機機能層を形成し、その上に対向電極層を形成して構成され、透明電極は陽極、対向電極は陰極として利用される。
一般的に、ディスプレイ用の基板として、パターニングされた感光性ポリイミドがサブピクセルを区画するように隔壁状に形成されているものを用いる。その際、隔壁パターンは陽極として成膜されている透明電極のエッジ部を覆うように形成される。
有機機能層に用いられる材料は、モノマー材料、モノマーが多数重合したポリマー材料とその中間であるオリゴマー材料に大別される。本願では、オリゴマーは100個以下のモノマー繰り返し単位を持つ材料とする。
モノマー材料は、材料種が豊富で高性能な材料が多く主に真空蒸着法などのドライ成膜法を用いて成膜されるが、微細パターンのマスクを用いてパターニングする必要があり、大型基板や微細パターニングが非常に困難である。
そこで、最近ではポリマー材料を溶剤に溶かして塗工液にし、これをウェット成膜法のような液相法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。ポリマー材料の塗液を用いてウェット成膜法で有機機能層を形成する場合の層構成は、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層と積層する3層構成が一般的である。このとき、有機発光層はカラー表示装置化するために赤(R)、緑(G)、青(B)のそれぞれの発光色をもつ有機発光材料を溶剤中に溶解または安定して分散してなる有機発光インキを用いて塗り分けることができる(特許文献1〜5参照)。
この場合、有機発光層を形成する際に正孔輸送層が溶解しないよう材料は重合する官能基を有し、成膜後に外部から光や熱などのエネルギーを利用し反応させて架橋反応させ、不溶化するのが一般的である。
また、モノマー材料やオリゴマー材料の高性能な特徴を生かしつつ大画面化や微細パターニングを可能とするためモノマー材料やオリゴマー材料を溶剤に溶かして塗工液にし、これをウェット成膜法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。
しかしながら、特にモノマー材料をウェット成膜法で形成する場合、下層との界面の密着性が悪く、凝集、結晶化などの膜異常が発生することがある。
特に、下層が十分に重合し不溶化している状態ではこれら膜異常が著しく発生する。
これに対し、特許文献6では重合する官能基を有するモノマー材料、オリゴマー材料及びポリマー材料をウェット成膜法で積層する際に、重合度を調節し共重合体からなる中間有機層を形成することで良好な密着性を得るなどの工夫がなされている。
しかし、上記有機材料は必ず重合するための官能基を有する有機材料を用いる事が必須で、材料が限定されてしまう。また重合度を調節し未不溶化状態を形成する工程があることからも、反応が不十分で未反応な官能基を有すると寿命などを始めとする有機EL特性に悪影響を及ぼすことがあり、課題があった。
特開2001−93668号公報 特開2001−155858号公報 特許第2916098号公報 特許第2851185号公報 特開平9−63771号公報 特開2009−87601号公報
本発明は、ウェット成膜法で有機EL素子中の有機機能層を形成した場合でも、成膜特性が良く、任意の有機材料を積層することを可能とし、膜異常が無く、安価、大画面、高効率、長寿命、高輝度な有機EL表示装置を提供することを課題とした。
請求項1に記載の発明は、基板上に、第一電極と、第一電極に対向する第二電極と、第一電極を区画する隔壁と、第一電極及び第二電極の間に挟持され、少なくとも有機発光層を含む有機機能層とを有する有機EL表示装置の製造方法であって、
前記有機機能層を形成する工程が、
少なくとも1層をモノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれかからなる第一有機材料をウェット成膜法で配して第一材料膜を形成する工程と、
前記第一有機材料膜を形成する工程の後に、前記有機第一材料を重合することなく前記第一有機材料膜上に前記第一有機材料と異なるモノマー、オリゴマーのいずれかからなる第二有機材料と溶媒とを含む第二有機材料インキを塗布して第二有機材料膜を形成する工程を有し、
前記第一有機材料膜は、第二有機材料膜を形成する工程においては第二有機材料インキの前記溶媒に可溶であり、
第二有機材料膜を形成する工程は、転写基材上に第二有機材料インキ膜を形成し、
前記転写基材接触面から第二有機材料インキ膜表面に向けて第二有機材料の濃度が高くなるように第二有機材料インキ膜表面を乾燥させた後に、第二有機材料膜インキ膜表面を前記第一有機材料膜に接触させて第二有機材料膜を形成する、
ことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記第二有機材料がモノマーであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記第二有機材料が発光材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL表示装置の製造方法である。
請求項4に記載の発明は、前記第一有機材料が、架橋性を持たないポリマー材料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造方法である。
請求項5に記載の発明は、基板上に、第一電極と、第一電極に対向する第二電極と、第一電極を区画する隔壁と、第一電極及び第二電極の間に挟持され、少なくとも有機発光層を含む有機機能層とを有する有機EL表示装置であって、
前記有機機能層は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれかからなる第一有機材料を液相法で配されてなる第一有機層と、前記第一有機材料と異なるモノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれかからなる第二有機材料が印刷法で配されてなる第二有機層と、前記第一有機層と第二有機層との間に設けられ、前記第一有機材料と前記第二有機材料とが混合されてなる混合有機層と、
を少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置である。
請求項6に記載の発明は、前記混合有機層は、前記第一有機層側では前記第一有機材料濃度が高く、前記第二有機層側では前記第二有機材料濃度が高くなるように濃度勾配を持つことを特徴とする請求項5記載の有機EL表示装置である。
請求項7に記載の発明は、前記第一有機層がモノマーからなることを特徴とする有機EL表示装置である。
請求項8に記載の発明は、前記第二有機層が有機発光層であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の有機EL表示装置である。
請求項9に記載の発明は、前記第一有機材料が、架橋性を持たないポリマー材料であることを特徴とする請求項5,6または8に記載の有機EL表示装置である。
本発明によれば、第一有機層が第二有機層を形成するインキに可溶な状態で、塗工することが可能となり、第一有機層と第二有機層の界面密着性に優れる。また、第一有機層に架橋性の材料を用いる必要がないので、任意の有機材料を積層することを可能とし、膜異常が無く、安価、大画面、高効率、長寿命、高輝度な有機EL表示装置が得られた。
アクティブマトリクス型有機EL素子の説明断面図である。 本発明の有機EL素子の有機機能層部分の説明断面図である。 凸版印刷装置の概略図である。
以下、本発明の構成について図1〜3を参照して詳細に説明する。本発明の有機EL表示装置の説明をするための例として、第一電極102を陰極、第二電極107を陽極としたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置について述べる。この場合には、第一電極102は画素ごとに隔壁103で区画された画素電極として形成され、第二電極107は素子全面に形成した対向電極となる。また、第一有機層105及び第二有機層106及び混合有機層223は第一電極と第二電極間の任意の有機機能層として選択可能である。本発明はこれに限られず、例えば各電極がそれぞれ直交するストライプ状としたパッシプマトリクス駆動型であってもよい。また第一電極側を陽極とした逆構造の有機EL表示装置としてもよい。
<基板>
図1に本発明に用いることができる隔壁付きTFT基板の例を示した。本発明のアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置に用いる基板(バックプレーン)108は、薄膜トランジスタ(TFT)と有機EL表示装置の下部電極(画素電極)が設けられており、かつ、TFTと下部電極とが電気接続している。
TFTや、その上方に構成されるアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置は支持体で支持される。支持体としては機械的強度、絶縁性を有し寸法安定性に優れた支持体であれば如何なる材料も使用することができる。例えば、ガラスや石英、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のプラスチックフィルムやシート、または、これらプラスチックフィルムやシートに酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物や、弗化アルミニウム、弗化マグネシウム等の金属弗化物、窒化珪素、窒化アルミニウムなどの金属窒化物、酸窒化珪素などの金属酸窒化物、アクリル樹脂やエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの高分子樹脂膜を単層もしくは積層させた透光性基材や、アルミニウムやステンレスなどの金属箔、シート、板や、前記プラスチックフィルムやシートにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属膜を積層させた非透光性基材などを用いることができる。光取出しをどちらの面から行うかに応じて支持体の透光性を選択すればよい。これらの材料からなる支持体は、有機EL表示装置内への水分の侵入を避けるために、無機膜を形成したり、フッ素樹脂を塗布したりして、防湿処理や疎水性処理を施してあることが好ましい。特に、有機機能層への水分の侵入を避けるために、支持体における含水率およびガス透過係数を小さくすることが好ましい。
支持体上に設ける薄膜トランジスタは、公知の薄膜トランジスタを用いることができる。具体的には、主として、ソース/ドレイン領域及びチャネル領域が形成される活性層、ゲート絶縁膜及びゲート電極から構成される薄膜トランジスタが挙げられる。薄膜トランジスタの構造としては、特に限定されるものではなく、例えば、スタガ型、逆スタガ型、トップゲート型、コプレーナ型等が挙げられる。
活性層111は、特に限定されるものではなく、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコン、微結晶シリコン、セレン化カドミウム等の無機半導体材料又はチオフエンオリゴマー、ポリ(p−フェリレンビニレン)等の有機半導体材料により形成することができる。これらの活性層は、例えば、アモルファスシリコンをプラズマCVD法により積層し、イオンドーピングする方法;SiHガスを用いてLPCVD法によりアモルファスシリコンを形成し、固相成長法によりアモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法;Siガスを用いてLPCVD法により、また、SiHガスを用いてPECVD法によりアモルファスシリコンを形成し、エキシマレーザー等のレーザーによりアニールし、アモルファスシリコンを結晶化してポリシリコンを得た後、イオンドーピング法によりイオンドーピングする方法(低温プロセス);減圧CVD法又はLPCVD法によりポリシリコンを積層し、1000℃以上で熱酸化してゲート絶縁膜を形成し、その上にn+ポリシリコンのゲート電極8を形成し、その後、イオン打ち込み法によりイオンドーピングする方法(高温プロセス)等が挙げられる。
ゲート絶縁膜109としては、通常、ゲート絶縁膜として使用されているものを用いることができ、例えば、PECVD法、LPCVD法等により形成されたSiOや、ポリシリコン膜を熱酸化して得られるSiO等を用いることができる。
ゲート電極114としては、通常、ゲート電極として使用されているものを用いることができ、例えば、アルミ、銅等の金属;チタン、タンタル、タングステン等の高融点金属;ポリシリコン;高融点金属のシリサイド;ポリサイド;等が挙げられる。
薄膜トランジスタは、シングルゲート構造、ダブルゲート構造、ゲート電極が3つ以上のマルチゲート構造であってもよい。また、LDD構造、オフセット構造を有していてもよい。さらに、1つの画素中に2つ以上の薄膜トランジスタが配置されていてもよい。
本発明の表示装置は薄膜トランジスタが有機EL表示装置のスイッチング素子として機能するように接続されている必要があり、トランジスタのドレイン電極311と有機EL表示装置の画素電極が電気的に接続されている。
<画素電極>
基板の上に画素電極102を成膜し、必要に応じてパターニングをおこなう。本発明で、画素電極は隔壁によって区画され、各画素に対応した画素電極となる。画素電極の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができる。画素電極を陽極とする場合にはITOなど仕事関数の高い材料を選択することが好ましい。下方から光を取り出す、いわゆるボトムエミッション構造の場合は透光性のある材料を選択する必要がある。必要に応じて、画素電極の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。画素電極の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。画素電極のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。基板としてTFTを形成した物を用いる場合は下層の画素に対応して導通を図ることができるように形成する。
<隔壁>
本発明の隔壁103は画素に対応した発光領域を区画するように形成する。画素電極102の端部を覆うように形成するのが好ましい(図1参照)。一般的にアクティブマトリクス駆動型の表示装置は各画素(サブピクセル)に対して画素電極102が形成され、それぞれの画素ができるだけ広い面積を占有しようとするため、画素電極の端部を覆うように形成される隔壁の最も好ましい形状は各画素電極を最短距離で区切る格子状を基本とする。
隔壁の形成方法としては、従来と同様、基体上に無機膜を一様に形成し、レジストでマスキングした後、ドライエッチングを行う方法や、基体上に感光性樹脂を積層し、フォトリソ法により所定のパターンとする方法が挙げられる。必要に応じて撥水剤を添加したり、プラズマやUVを照射して形成後にインクに対する撥液性を付与することもできる。隔壁の好ましい高さは0.1μm〜10μmであり、より好ましくは0.5μm〜2μm程度である。高すぎると対向電極の形成及び封止を妨げ、低すぎると画素電極の端部を覆い切れない、あるいは有機機能層形成時に隣接する画素と混色してしまうからである。
<有機機能層>
次に画素電極102上に有機機能層110を形成する。本発明の有機EL素子では有機機能層は、ウェット成膜法で形成される、第一有機層及び第二有機層を含み、少なくとも発光層を備えている。第一有機層は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれかからなる第一有機材料をウェット成膜法で配し、第一材料膜を形成することにより設けることができる。第一有機層は2層以上であってもよい。また、架橋性を持たないポリマー材料であることが好ましい。第二有機層は、有機第一材料を重合することなく第一有機材料膜上に第一有機材料と異なるモノマー、オリゴマーのいずれかからなる第二有機材料と溶媒とを含む第二有機材料インキを塗布して第二有機材料膜を形成することにより設けることができる。ここで、第一有機材料膜は、第二有機材料膜を形成する工程においては第二有機材料インキの前記溶媒に可溶である。図1に示す例では、有機機能層には正孔を注入するキャリア注入層として、正孔注入層104と、第一有機層及び第二有機層としてそれぞれ正孔キャリアを発光層に輸送する正孔輸送層105と、発光に寄与する有機発光層106と、を備えている。しかし本発明の構成はこれに限られない。また、電子注入層、電子輸送層、その他インターレイヤー(中間層)を備えていても良い。
<正孔注入層>
正孔注入層104は電極を覆うようにパターンあるいは全面に成膜される。正孔注入層104を形成する正孔輸送材料として、モノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれかからなる有機材料を適宜選択可能である。また、これら材料は重合するための官能基を有する必要はない。
モノマー材料としては、アミン骨格誘導体、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、フェニル誘導体等がある。
一方ポリマー材料ではポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが挙げられる。
正孔注入層形成後、正孔輸送層を形成することができる。インターレイヤーに用いる材料として、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリアリーレン誘導体、アリールアミン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体などの、芳香族アミンを含むポリマーなどが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコーター等を用いた各種塗布方法や凸版印刷方法を用いて形成される。
また正孔注入材料として無機材料を用いる場合、無機材料としては、CuO,Cr,Mn,FeOx(x〜0.1),NiO,CoO,Pr,AgO,MoO,Bi、ZnO,TiO,SnO,ThO,V,Nb,Ta,MoO,WO,MnO等の遷移金属酸化物およびこれらの窒化物、硫化物を一種以上含んだ無機化合物を用いることができる。無機材料は耐熱性および電気化学的安定性に優れている材料が多いという利点がある。これらは単層もしくは複数の層の積層構造、又は混合層として形成することができる。無機材料正孔注入層の形成法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などのドライ成膜法や、スピンコート法、ゾルゲル法、などのウェット成膜法など既存の成膜法を用いることができる。
<正孔輸送層>
正孔輸送材料としてはポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、アミン骨格誘導体、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、フェニル誘導体などが挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解または分散させ、スピンコーター等を用いた各種塗布方法や凸版印刷方法を用いて形成される。正孔輸送層として正孔注入層を覆うようにパターンあるいは全面に成膜されることが好ましい。
<有機発光層>
正孔輸送層形成後、有機発光層106を形成する。有機発光層は電流を通すことにより発光する層であり、有機発光層106から放出される表示光が単色の場合、第二有機層105を被覆するように形成するが、多色の表示光を得るには必要に応じてパターニングを行うことにより好適に用いることができる。
有機発光層106を形成する有機発光材料は、とくに制限されないが、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクリドン系、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系、ナフタルイミド系、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系などの発光性色素をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等のポリマー中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリフルオレン系のポリマー材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は溶媒に溶解または安定に分散させ有機発光インキとなる。有機発光材料を溶解または分散する溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの単独またはこれらの混合溶媒が上げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。また、有機発光インキには必要に応じて、界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
上述した高分子材料に加え、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス[8−(パラ−トシル)アミノキノリン]亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレンなどのモノマー発光材料が使用できる。
有機発光層106の形成法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などのドライ成膜法や、インクジェット印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などのウェット成膜法など既存の成膜法を用いることができるが本発明ではこれらに限定されるわけではない。
次に、図2を参照して第一有機層221、第二有機層222、混合層223の構成について説明する。
<第一有機層>
本発明の第一有機層221は任意の有機機能層として用いる事ができるが、これに限られない。第一有機材料は溶媒に溶解または分散させ、後述するウェット成膜法を用いて形成される。本発明では、第一有機層221上に界面を接して第二有機層222を形成する際に、第二有機材料インキの溶媒に重合等によって不溶化されていない、すなわち可溶である。例えば、第二有機層222が有機発光層である場合、前述のように溶媒として芳香族有機溶媒を用いることが好適であるため、第一有機層である正孔輸送層も芳香族有機溶媒に溶解する材料を用いることが好ましい。このようにすることで、第一有機層と第二有機層との界面が溶媒によって一部混合し、混合層223が形成される。これにより、第二有機層との界面の密着性が向上し、膜のはじきやムラが低減する。第二有機層としてモノマーを用いた場合は、一般的に粘度が低いためにウェット成膜が困難であったが、本発明を適用することによって、大幅に改善することができる。
<第二有機層>
本発明の第二有機層222は任意の有機機能層として用いる事ができるが、有機発光層として用いる事が好ましい。特に、発光効率、寿命などの性能が優れている点でモノマーであることが好ましい。第二有機材料を溶媒に分散あるいは溶解させてインキとして印刷法により第一有機層上に塗布する。印刷法としては、後述する凸版印刷法の他、グラビア印刷法、オフセット印刷法、反転オフセット印刷等、転写基材である版あるいはブランケットからインキ膜を転写して形成する方法であれば適用することができる。
上述のように、第一有機層221は、第二有機材料インキの溶媒に可溶であるので、そのまま塗布すると、第一有機層221が第二有機材料インキと完全に混合して、有機EL素子としての特性を低減させてしまう。そこで、本発明では第二有機材料インキ膜を転写基材から第一有機層221上に転写する際に、第二有機材料インキ膜表面の溶媒を一部揮発させ(乾燥工程)、転写基材接触面よりも、第二有機材料インキ膜表面の第二有機材料の濃度が高くなるようにする。言い換えると、第二有機材料インキ膜の表面から前記転写基材に向けて第二有機材料の濃度が低くなっている。このようにすることで、半乾燥状態である第二有機層222界面から第一有機層221へと浸透する溶媒及び第二有機材料の程度がコントロールすることができ、完全に混合させずに混合有機層223を形成することができる。なお第二有機材料インキ膜表面の乾燥は、第一有機層に接触するまでに時間を調節して自然乾燥させても良いし、赤外線照射、あるいは加熱によって溶媒を揮発させても良い。膜表面のインキの濃度としては、溶媒が元の濃度の50%程度以下に揮発させることが好ましい。ただし、前記転写基材との接触面での溶媒の濃度は極力下げずないことが転写特性のために好ましく、具体的には元の濃度の70%以上が好ましい。
<混合有機層>
混合有機層223は、第一有機層221と第二有機層222の界面であって、第一有機材料と第二有機材料層が混合した層である。混合層223の膜厚は、第二有機材料インキ膜表面の第二有機材料濃度(乾燥程度)及び第一有機層の乾燥状態によって、調整することができる。第一有機層膜厚の1〜20%程度が好ましい。20%を超えると混合層によってEL素子の発光特性の低下を招くおそれがあり、1%未満だと第二有機層の第一有機層との界面が乾燥させすぎて密着性の低下を生じるおそれがある。なお混合層を含む各有機層の膜厚は、FIB(Focused Ion Beam)加工等で傾斜切削し、SEM(scanning electron microscope)やEDX(energy dispersive X-ray spectroscopy)で観察することができる。
また本発明によれば、半乾燥状態で第一有機層に第二有機層を接触させることで、混合層を完全な混合ではなく、濃度勾配を持たせることが可能である。すなわち、第一有機層側では前記第一有機材料濃度が高く、第二有機層側では前記第二有機材料濃度が高くなるように濃度勾配を持った混合有機層を形成することができる。これにより、第一有機層と第二有機層とのエネルギー障壁を低減させることができ、素子特性が向上する。
<有機機能層の形成方法>
塗布法で有機機能層を形成する場合、下記凸版印刷法を用いることができる。特に有機発光材料を溶媒に溶解または安定に分散させた有機発光インキを用いて発光層を各発光色に塗り分ける場合には、隔壁間にインキを転写してパターニングできる凸版印刷法が好適である。
また、凸版印刷法は版の上でインキ中の溶媒が少量乾燥するため、他のプロセスのように転写時に溶媒が基板上の有機機能層膜を完全に溶かしてしまうことは無い。
第二有機層は凸版印刷法を用いることによって、第一有機層を完全に溶かさず、第一材料からなる第一有機層、第一材料と第二材料からなる混合有機層、第二有機材料からなる第二有機層を一度に形成する事が出来る。
また、本発明によれば第二有機材料に可溶な材料であっても第二有機材料を混合させてしまうことなく積層できるので、第一有機材料は重合反応を有する官能機が必要なく、高機能であるにもかかわらず積層することができなかった材料も用いる事ができる。
更に、第一有機層と第二有機層の界面に混合有機層があることによって、十分な界面密着性が得られ、特にモノマー材料が引き起こす凝集、結晶などの膜異常は十分に抑制される。
図3に第二有機層として有機発光材料からなる有機発光インキを、画素電極、正孔注入層、正孔輸送層が形成された被印刷基板602上にパターン印刷する際の凸版印刷装置600の概略図を示した。本製造装置はインクタンク603とインキチャンバー604とアニロックスロール605と凸版が設けられた版607がマウントされた版銅608を有している。インクタンク603には、溶剤で希釈された有機発光インキが収容されており、インキチャンバー604にはインクタンクより有機発光インキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール605はインキチャンバー604のインキ供給部に接して回転可能に指示されている。
アニロックスロール605の回転に伴い、アニロックスロール表面に供給された有機発光インキのインキ層609は均一な膜厚に形成される。このインキ層のインキはアニロックスロールに近接して回転駆動される版胴608にマウントされた版607の凸部に転移する。ステージ601には、被印刷基板602が設置され、版607の凸部にあるインキが被印刷基板602に対して印刷され、必要に応じて乾燥工程を経て被印刷基板上に有機発光層が形成される。
他の有機機能層をインキ化して塗工する場合についても同様に上記形成法を用いて形成することができる。
<電子注入層>
有機発光層106を形成した後、正孔ブロック層や電子注入層等を形成することができる。これらの機能層は、有機EL表示装置の大きさ等から任意に選択することができる。正孔ブロック層および電子注入層に用いる材料としては、一般に電子輸送材料として用いられているものであれば良く、トリアゾール系、オキサゾール系、オキサジアゾール系、シロール系、ボロン系等の低分子系材料、フッ化リチウムや酸化リチウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩や酸化物等を用いて真空蒸着法による成膜が可能である。また、これらの電子輸送性材料およびこれら電子輸送材料をポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に溶解させトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、水等の単独または混合溶媒に溶解または分散させて電子注入塗布液とし、印刷法により成膜できる。
<対向電極>
次に、対向電極107を形成する。対向電極を陰極とする場合には、発光層106への電子注入効率の高い、仕事関数の低い物質を用いる。具体的にはMg,Al,Yb等の金属単体を用いたり、有機機能層と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。
対向電極107の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。
<封止体>
有機EL表示装置としては電極間に発光材料を挟み、電流を流すことで発光させることが可能であるが、有機発光材料は大気中の水分や酸素によって容易に劣化してしまうため通常は外部と遮断するための封止体を設ける。封止体は例えば封止材上に樹脂層を設けて作製することができる。
封止材としては、水分や酸素の透過性が低い基材である必要がある。また、材料の一例として、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素等のセラミックス、無アルカリガラス、アルカリガラス等のガラス、石英、耐湿性フィルムなどを挙げることができる。耐湿性フィルムの例として、プラスチック基材の両面にSiOxをCVD法で形成したフィルムや、透過性の小さいフィルムと吸水性のあるフィルムまたは吸水剤を塗布した重合体フィルムなどがあり、耐湿性フィルムの水蒸気透過率は、10−6g/m/day以下であることが好ましい。
樹脂層の材料の一例として、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、エチレンエチルアクリレート(EEA)ポリマー等のアクリル系樹脂、エチレンビニルアセテート(EVA)等のビニル系樹脂、ポリアミド、合成ゴム等の熱可塑性樹脂や、ポリエチレンやポリプロピレンの酸変性物などの熱可塑性接着性樹脂を挙げることができる。樹脂層を封止材の上に形成する方法の一例として、溶剤溶液法、押出ラミ法、溶融・ホットメルト法、カレンダー法、ノズル塗布法、スクリーン印刷法、真空ラミネート法、熱ロールラミネート法などを挙げることができる。必要に応じて吸湿性や吸酸素性を有する材料を含有させることもできる。封止材上に形成する樹脂層の厚みは、封止する有機EL表示装置の大きさや形状により任意に決定されるが、5〜500μm程度が望ましい。なお、ここでは封止材上に樹脂層として形成したが直接有機EL表示装置側に形成することもできる。
最後に、有機EL表示装置と封止体との貼り合わせを封止室で行う。封止体を、封止材と樹脂層の2層構造とし、樹脂層に熱可塑性樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着のみ行うことが好ましい。熱硬化型接着樹脂を使用した場合は、加熱したロールで圧着した後、さらに硬化温度で加熱硬化を行うことが好ましい。光硬化性接着樹脂を使用した場合は、ロールで圧着した後、さらに光を照射することで硬化を行うことができる。
[実施例1]
以下、本発明の実施例について説明する。
基板として、支持体上に設けられたスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタと、その上方に形成された画素電極とを備えたアクティブマトリクス基板を用いた。基板のサイズは200mm×200mmでその中に対角5インチ、画素数は320×240のディスプレイが中央に配置されている。基板端に取出し電極とコンタクト部が形成されている。
この基板上に設けられている画素電極の端部を被覆し画素を区画するような形状で隔壁を形成した。隔壁の形成は、日本ゼオン社製ポジレジストZWD6216−6をスピンコーターにて基板全面に厚み2μmで形成した後、フォトリソグラフィーによって幅40μmの隔壁を形成した。これによりサブピクセル数960×240ドット、0.12mm×0.36mmピッチ画素領域が区画された。
前記画素電極上に、正孔注入材料であるPEDOT・PSSを80重量部、超純水20重量部となるように混合させたインキを用い、この基板を印刷機にセッティングし、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンに合わせて凸版印刷法で印刷を行った。このとき400線/インチのアニロックスロールおよび感光性樹脂版を使用した。
印刷後、200℃、10分大気中で焼成し、正孔注入層を形成した。このときの正孔注入層の膜厚は60nmとなった。
その後、第一有機層として正孔輸送材料であるポリフルオレン誘導体を濃度0.5%になるようにトルエンに溶解させたインキを用い、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンに合わせて凸版印刷法で印刷を行った。このとき300線/インチのアニロックスロールおよび感光性樹脂版を使用した。印刷、後の膜厚は25nmとなった。
次に、第二有機層として有機発光材料のドーパント材料としてイリジウム錯体とホスト材料としてカルバゾール誘導体をドーパント濃度6wt%になるように配合し、それら固形分がトルエンに1wt%になるよう溶解させた有機発光インキを用い、基板を印刷機にセッティングし、凸版上で有機発光インキ膜の表面を自然乾燥させながら絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンに合わせて有機発光層を凸版印刷法で印刷を行った。このとき150線/インチのアニロックスロールおよびピクセルのピッチに対応する感光性樹脂版を使用した。印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。この工程を計3回繰り返し、R(赤)、G(緑)、B(青)の発光色に対応する有機発光層を各画素に形成した。上記形成された各有機機能層を断面観察することにより、正孔輸送層と発光層の界面で約5nmの混合層が確認された。
第二有機層形成後、基板をグローブボックス内の窒素雰囲気中に設置したホットプレート上で130℃、10分、第一有機層と第二有機層を併せて乾燥させた。
その後、電子注入層として真空蒸着法でバリウムを厚み4nm成膜し、その後対向電極としてアルミニウム膜150nm成膜した。
その後、封止材としてガラス板を発光領域全てをカバーするように載せ、約90℃で1時間接着剤を熱硬化して封止を行った。
こうして得られたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置は膜異常がなく、良好に駆動を行うことができた。
[比較例]
実施例1と同じ基板を用いて、第二有機層として有機発光材料のドーパント材料としてイリジウム錯体とホスト材料としてカルバゾール誘導体をドーパント濃度6wt%になるように配合し、それら固形分がジメチルナフタレンに1wt%になるよう溶解させた有機発光インキを用い、絶縁層に挟まれた画素電極の真上にそのラインパターンに合わせてインクジェット法で成膜を行った。このとき、60nmの膜を形成した。その後は実施例とすべて同様の方法で成膜を行った。
こうして得られたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置は凹凸の著しい凝集による膜異常が発生しており、表示装置を駆動したところ、ショート起因の滅点が発生しており、発光効率、寿命に関しては著しく低下していた。
300:有機EL表示装置
108:基板
111:活性層
109:ゲート絶縁膜
114:ゲート電極
300:有機EL素子
310:層間絶縁膜
311:ドレイン電極
312:走査線
313:ソース電極
102:画素電極
103:隔壁
104:正孔注入層
105:正孔輸送層(第一有機層)
106:発光層(第二有機層)
220:有機機能層
221:第一有機層
222:第二有機層
223:混合有機層
107:対向電極
321:絶縁保護層
600:凸版印刷装置
601:ステージ
602:被印刷基板
603:インキタンク
604:インキチャンバ
605:アニロックスロール
606:ドクタ
607:凸版(転写基材)
608:版胴
609:インキ層

Claims (9)

  1. 基板上に、第一電極と、第一電極に対向する第二電極と、第一電極を区画する隔壁と、第一電極及び第二電極の間に挟持され、少なくとも有機発光層を含む有機機能層とを有する有機EL表示装置の製造方法であって、
    前記有機機能層を形成する工程が、
    少なくとも1層をモノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれかからなる第一有機材料をウェット成膜法で配して第一材料膜を形成する工程と、
    前記第一有機材料膜を形成する工程の後に、前記有機第一材料を重合することなく前記第一有機材料膜上に前記第一有機材料と異なるモノマー、オリゴマーのいずれかからなる第二有機材料と溶媒とを含む第二有機材料インキを塗布して第二有機材料膜を形成する工程を有し、
    前記第一有機材料膜は、第二有機材料膜を形成する工程においては第二有機材料インキの前記溶媒に可溶であり、
    第二有機材料膜を形成する工程は、転写基材上に第二有機材料インキ膜を形成し、
    前記転写基材接触面から第二有機材料インキ膜表面に向けて第二有機材料の濃度が高くなるように第二有機材料インキ膜表面を乾燥させた後に、第二有機材料膜インキ膜表面を前記第一有機材料膜に接触させて第二有機材料膜を形成する、
    ことを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
  2. 前記第二有機材料がモノマーであることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  3. 前記第二有機材料が発光材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL表示装置の製造方法。
  4. 前記第一有機材料が、架橋性を持たないポリマー材料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機EL表示装置の製造方法。
  5. 基板上に、第一電極と、第一電極に対向する第二電極と、第一電極を区画する隔壁と、第一電極及び第二電極の間に挟持され、少なくとも有機発光層を含む有機機能層とを有する有機EL表示装置であって、
    前記有機機能層は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれかからなる第一有機材料を液相法で配されてなる第一有機層と、前記第一有機材料と異なるモノマー、オリゴマー及びポリマーのいずれかからなる第二有機材料が印刷法で配されてなる第二有機層と、前記第一有機層と第二有機層との間に設けられ、前記第一有機材料と前記第二有機材料とが混合されてなる混合有機層と、
    を少なくとも有することを特徴とする有機EL表示装置。
  6. 前記混合有機層は、前記第一有機層側では前記第一有機材料濃度が高く、前記第二有機層側では前記第二有機材料濃度が高くなるように濃度勾配を持つことを特徴とする請求項5記載の有機EL表示装置。
  7. 前記第一有機層がモノマーからなることを特徴とする有機EL表示装置。
  8. 前記第二有機層が有機発光層であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の有機EL表示装置。
  9. 前記第一有機材料が、架橋性を持たないポリマー材料であることを特徴とする請求項5,6または8に記載の有機EL表示装置。
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