JP2011203103A - 圧電モジュールおよびこれを備えたグロープラグ - Google Patents
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Abstract
【課題】 高い応答性を有する圧電モジュールおよびこれを備えたグロープラグを提供する。
【解決手段】 閉空間に外部から通じる貫通孔7に取り付けられる圧電モジュール10であり、先端面に受けた圧力を後端面に伝達する柱状の圧力伝達部材1と、圧力伝達部材1の後端面に一方の端面が当接して、圧力伝達部材1から圧力を受ける柱状の感圧素子2と、貫通孔7に取り付けられ、先端面が感圧素子2の他方の端面に当接して支持する支持部材5と、圧力伝達部材1の後端部から支持部材5の先端部にかけて感圧素子2を取り囲んで配置された内筒4と、内筒4を内部に収めるように取り囲んで配置され、圧力伝達部材1の端部が支持部材5の先端部に固定された外筒3と、外筒3と圧力伝達部材1および前記内筒4との間における少なくとも前記外筒3の先端側に充填され、閉空間の内部の圧力を外筒3との間から内筒4が直接受けるのを抑制する充填材6とを含む。
【選択図】 図1
【解決手段】 閉空間に外部から通じる貫通孔7に取り付けられる圧電モジュール10であり、先端面に受けた圧力を後端面に伝達する柱状の圧力伝達部材1と、圧力伝達部材1の後端面に一方の端面が当接して、圧力伝達部材1から圧力を受ける柱状の感圧素子2と、貫通孔7に取り付けられ、先端面が感圧素子2の他方の端面に当接して支持する支持部材5と、圧力伝達部材1の後端部から支持部材5の先端部にかけて感圧素子2を取り囲んで配置された内筒4と、内筒4を内部に収めるように取り囲んで配置され、圧力伝達部材1の端部が支持部材5の先端部に固定された外筒3と、外筒3と圧力伝達部材1および前記内筒4との間における少なくとも前記外筒3の先端側に充填され、閉空間の内部の圧力を外筒3との間から内筒4が直接受けるのを抑制する充填材6とを含む。
【選択図】 図1
Description
本発明は、気体、液体等の圧力、特に自動車用エンジンの燃焼圧力を計測するための圧力センサ等の圧電モジュールおよびこれを備えたグロープラグに関する。
従来から圧電アクチュエータや圧電センサの用途で感圧素子が用いられることが知られていて、例えば特許文献1には、感圧素子を搭載した圧電モジュールが開示されている。
特許文献1に記載の圧電モジュールは、受圧面を有し、側壁の一部に他の部分より熱膨張率の大きい部分を有する筺体と、筺体の内部に設けられかつ一端が受圧面の裏側の面に接する圧力伝達部材と、筺体の内部に設けられかつ圧力伝達部材の他端に設けられた感圧素子を有し、筺体の加熱時に熱膨張率の大きい部分が他の部分よりも大きく延びることにより感圧素子と受圧面との位置関係の変化を規制するものである。
この構成により、他の部分より熱膨張率の大きい部分が熱膨張することで筺体の先端の受圧面を感圧素子側へ引き寄せることができる。その結果、熱膨張による予備圧力変動を防止でき、温度特性に優れた圧電モジュールを実現できる。
しかしながら、特許文献1に記載された圧電モジュールの場合は、熱膨張による影響を小さくすることを目的としており、数kHz〜数十kHz程度の高周波数の圧力振動が加わった際の応答性を向上させることについては考慮されていない。
例えば、自動車等の内燃機関に設けられる燃焼圧センサとして圧電モジュールを用いる場合には、圧力センサには数kHz〜数十kHz程度の高周波数および高圧力の圧力振動が加わるため、高い応答性が要求される。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い応答性を有する圧電モジュールおよびこれを備えたグロープラグを提供することを目的とする。
本発明の圧電モジュールは、閉空間に外部から通じる貫通孔に取り付けられて前記閉空間の内部の圧力を測定するための圧電モジュールであって、先端面に受けた前記圧力を後端面に伝達する柱状の圧力伝達部材と、前記圧力伝達部材の前記後端面に一方の端面が当接して、前記圧力伝達部材から前記圧力を受ける柱状の感圧素子と、前記貫通孔に取り付けられ、先端面が前記感圧素子の他方の端面に当接して、前記感圧素子を支持する支持部材と、前記圧力伝達部材の後端部から前記支持部材の先端部にかけて前記感圧素子を取り囲んで配置された内筒と、前記内筒を内部に収めるように取り囲んで配置され、前記支持部材側の端部が前記支持部材の前記先端部に固定された外筒と、該外筒と前記圧力伝達部材および前記内筒との間における少なくとも前記外筒の先端側に充填され、前記閉空間の内部の前記圧力を前記外筒との間から前記内筒が直接受けるのを抑制する充填材とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の圧電モジュールは、上記構成において、前記充填材が前記外筒と前記内筒との間において前記感圧素子を取り囲むように充填されていることを特徴とするものである。
また、本発明の圧電モジュールは、上記構成において、前記充填材が前記内筒と前記外筒との間の全ての領域に充填されていることを特徴とするものである。
ここで、前記充填材が絶縁材料の粉体からなるもの、または絶縁材料のシートからなるものであることが好ましい。
さらに、前記絶縁材料が窒化ホウ素または二硫化モリブデンを主成分とするものであることが好ましい。
さらに、本発明のグロープラグは、上記いずれかの圧電モジュールを備えたことを特徴とするものである。
本発明の圧電モジュールは、例えば圧力を発生する内燃機関等の装置の内部(燃焼室等の閉空間)の圧力を測定する際に、この装置の閉空間に外部から通じるように形成された貫通孔(内壁にねじ山の形成された貫通孔)に支持部材を螺合させて取り付けられるが、外筒が圧電モジュールの所望の取り付け位置から先への侵入を抑える位置決め部材として機能し、圧電モジュールを貫通孔に取り付けるための締付け力は感圧素子には直接加わらないようになっている。したがって、締付け力と測定すべき圧力とが感圧素子に対しては分離され、締付け力による圧力信号オフセットの発生がなくなる。また、本発明の圧電モジュールによれば、外筒と圧力伝達部材および内筒との間に間隙が設けられているため、感圧素子には装置の振動が伝わりにくくなっていて、圧力信号の変動を抑制することができる。したがって、高い応答性を有する圧電モジュールを実現することができる。
さらに、本発明の圧電モジュールによれば、外筒と圧力伝達部材および内筒との間における少なくとも外筒の先端側に充填され、閉空間の内部の圧力を外筒との間から内筒が直接受けるのを抑制する充填材を含んでいることから、感圧素子に対して内筒の側方あるいは感圧方向とは逆の方向(先端側)に圧力が加わるのが抑制され、高い検知感度を維持することができる。
以下、本発明の圧電モジュールの実施の形態の例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の圧電モジュールの実施の形態の一例を示す断面図である。図1に示す例の圧電モジュール10は、閉空間(図の上方に位置するが図示せず)に外部から通じる貫通孔7に取り付けられて閉空間の内部の圧力を測定するための圧電モジュール10である。具体的には、先端面に受けた圧力を後端面に伝達する柱状の圧力伝達部材1と、圧力伝達部材1の後端面に一方の端面が当接して、圧力伝達部材1から圧力を受ける柱状の感圧素子2と、貫通孔7に取り付けられ、先端面が感圧素子2の他方の端面に当接して、感圧素
子2を支持する支持部材5と、圧力伝達部材1の後端部から支持部材5の先端部にかけて感圧素子2を取り囲んで配置された内筒4と、内筒4を内部に収めるように取り囲んで配置され、支持部材5側の端部が支持部材5の先端部に固定された外筒3と、外筒3と圧力伝達部材1および内筒4との間における少なくとも外筒3の先端側に充填され、閉空間の内部の圧力を外筒3との間から内筒4が直接受けるのを抑制する充填材6とを含む圧電モジュール10である。
子2を支持する支持部材5と、圧力伝達部材1の後端部から支持部材5の先端部にかけて感圧素子2を取り囲んで配置された内筒4と、内筒4を内部に収めるように取り囲んで配置され、支持部材5側の端部が支持部材5の先端部に固定された外筒3と、外筒3と圧力伝達部材1および内筒4との間における少なくとも外筒3の先端側に充填され、閉空間の内部の圧力を外筒3との間から内筒4が直接受けるのを抑制する充填材6とを含む圧電モジュール10である。
圧力伝達部材(受圧ピン)1は、先端面に受けた圧力を後端面に伝達するためのものであり、柱状の部材である。例えば、本発明の圧電モジュール10が自動車のエンジン等の閉空間(燃焼室)を形成する気筒(シリンダー)に設けられた貫通孔7に取り付けられるときには、この圧力伝達部材1の先端面を貫通孔7から燃焼室に突出させるようにして取り付けられる。このような高温(数百〜1000℃程度)となる燃焼室内の圧力を計測する場合には、圧力伝達部材1としては、耐熱性および耐食性の高いステンレススチール等の金属からなるのが好ましい。ただし、圧力伝達部材1の形成材料は、必ずしもステンレススチール等の金属に限定するものではなく、用途によっては樹脂あるいはセラミックス等であってもよい。なお、図1に示すように、圧力伝達部材1の後端部には直径を小さくした段差が形成されているのが好ましく、この形状によれば、後述する内筒4との溶接時の応力で圧力伝達部材1の中心軸と内筒4の中心軸とがずれてしまうのを抑制することができる。
感圧素子2は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT:Pb(Zrx,Ti1−x)O3)(xは0.525程度)等の圧電体と、それに設けられた一対の対向電極とを有する構
成のもの(図示せず)が採用できる。この感圧素子2は、例えば縦、横および高さ(感圧方向の長さ)がそれぞれ1〜5mm程度に形成されたものであり、圧力伝達部材1の後端面に一方の端面が当接し、後述する支持部材5の先端面に他方の端面が当接している。そして、感圧素子2は、圧力伝達部材1の後端面から圧力を受けて、この圧力を電気に変換するものである。
成のもの(図示せず)が採用できる。この感圧素子2は、例えば縦、横および高さ(感圧方向の長さ)がそれぞれ1〜5mm程度に形成されたものであり、圧力伝達部材1の後端面に一方の端面が当接し、後述する支持部材5の先端面に他方の端面が当接している。そして、感圧素子2は、圧力伝達部材1の後端面から圧力を受けて、この圧力を電気に変換するものである。
感圧素子2は、一対の対向電極から圧力を変換した電気信号を取り出すようになっていて、例えば、感圧素子2の先端側の端面に設けられた一方の対向電極から圧力伝達部材1、内筒4および支持部材5を介して電気信号が取り出されるとともに、感圧素子2の後端側の端面に設けられた他方の対向電極に支持部材5の内部を通って当該支持部材5とは絶縁されたリード部材8が接続され、他方の対向電極からリード部材8を介して電気信号が取り出される。
なお、感圧素子2としては、上記構成に限られず、例えばチタン酸ジルコン酸鉛等から成る圧電体層と銀等から成る内部電極層とを交互に積層した積層体の側面に一対の外部電極が形成され、それぞれの外部電極が内部電極層と一層おきに電気的に接続された構成のものであってもよい。この場合は、一対の外部電極から電気信号が取り出される。
支持部材5は、先端面が感圧素子2の他方の端面に当接して、感圧素子2を支持するものである。また、支持部材5は、本発明の圧電モジュール10が閉空間(燃焼室)を形成する気筒(シリンダー)に設けられた貫通孔7に取り付けられる際に、貫通孔7と係合して固定されるものである。なお、支持部材5を貫通孔7と係合させる方法としては、例えば支持部材5を雄ねじとし、貫通孔7を雌ねじとした螺合により係合させる方法が挙げられる。
この支持部材5の形成材料としては、圧力伝達部材1と同様に、高温(数百〜1000℃程度)となる燃焼室内の圧力を計測する場合には、耐熱性および耐食性の高いステンレススチール等の金属からなるのが好ましく、用途によっては樹脂あるいはセラミックス等であ
ってもよい。
ってもよい。
なお、図1に示すように、支持部材5の先端部は多段に形成されている形状であるのが好ましく、このような形状であることで、支持部材5の先端部に内筒4と外筒3とを2重に配置させることができる。
内筒4は、圧力伝達部材1の後端部から支持部材5の先端部にかけて感圧素子2を取り囲んで配置されている。この内筒4は、例えば圧力伝達部材1の後端部に溶接されるとともに支持部材5の先端部に溶接されて密閉空間を形成し、内部に配置された感圧素子2を保護して感圧素子2の耐久性を向上させるためのものである。内筒4の形成材料としては、圧力伝達部材1および支持部材5と同様に、高温(数百〜1000℃程度)となる燃焼室内の圧力を計測する場合には、耐熱性および耐食性の高いステンレススチール等の金属からなるのが好ましく、用途によっては樹脂あるいはセラミックス等であってもよい。
また、内筒4の厚みは0.2〜1mmであるのが好ましく、この厚みであれば、強度が低
下して破壊してしまうことなく適度な薄さで弾性変形に適したものとなる。また、内筒4の長さは3〜20mmであるのが好ましく、この長さであれば、それほど大型化せずに弾性変形に適したものとなる。
下して破壊してしまうことなく適度な薄さで弾性変形に適したものとなる。また、内筒4の長さは3〜20mmであるのが好ましく、この長さであれば、それほど大型化せずに弾性変形に適したものとなる。
なお、感圧素子2に設けられた一対の対向電極がショートしないような形状になっていれば、感圧素子2と内筒4との間の間隙の有無は問われないが、感圧素子2と内筒4とが擦れあって耐久性が低下するのを防ぐという点では、それらの間に0.05〜1mm程度の間隙が設けられるのが好ましい。
外筒3は、内筒4を内部に収めるように取り囲んで配置されている。そして、外筒3の支持部材5側の端部は支持部材5の先端部に固定されている。ここで、貫通孔7には、雌ねじが形成された領域の先端側(燃焼室側)に段差(径が細くなる部分)が設けられている。そして、外筒3の支持部材5側とは反対側(先端側)の端面がこの段差に当たって係止されるようになっていて、外筒3は、支持部材5(雄ねじ)と貫通孔7(雌ねじ)とを締め付けた際の圧電モジュール10の所望の取付け位置から先への侵入を抑える位置決め部材として機能している。これによって、感圧素子2には締付け力が直接加わらないようになっていて、感圧素子2に対して締付け力と測定すべき圧力とが分離され、締付け力による圧力信号オフセットの発生がなくなる。また、繊細な扱いが要求される感圧素子2に破損等を与えることが無くなり、耐久性が向上する。このような構成は、例えば圧電モジュール10の組み付けの際に、メンテナンスのために取外しおよび取付けを行なう際などにも有効である。
また、外筒3と圧力伝達部材1および内筒4との間には間隙が形成されている。これにより、内筒4が測定すべき圧力によって弾性変形し易くなっている。また、感圧素子2には圧電モジュール10が取り付けられる装置(燃焼室を形成する気筒)の振動が伝わりにくくなっていて、圧力信号の変動を抑制することができる。したがって、高い応答性を有する圧電モジュールを実現することができる。この間隙としては、内筒4の弾性変形の点からは0.01〜1mmであるのが好ましい。
なお、外筒3の形成材料としては、圧力伝達部材1、支持部材5および内筒4と同様に、高温(数百〜1000℃程度)となる燃焼室内の圧力を計測する場合には、耐熱性および耐食性の高いステンレススチール等の金属からなるのが好ましく、用途によっては樹脂あるいはセラミックス等であってもよい。
そして、外筒3と圧力伝達部材1および内筒4との間における少なくとも外筒3の先端
側には、閉空間の内部の圧力を外筒3との間から内筒4が直接受けるのを抑制する充填材6が充填されている。
側には、閉空間の内部の圧力を外筒3との間から内筒4が直接受けるのを抑制する充填材6が充填されている。
燃焼室等の閉空間内の圧力を測定する際に、外筒3と圧力伝達部材1および内筒4との間に間隙が設けられていると、感圧素子2に対して内筒4の側方あるいは感圧方向とは逆の方向(先端側)に圧力が加わって感圧素子2の検知感度を低下させてしまうおそれがあるが、このように充填材6が充填されていることによって、内筒4の側方あるいは感圧方向とは逆の方向(先端側)に圧力が加わるのが抑制されるので、感圧素子2の検知感度が低下することを防ぐことができる。
ここで、充填材6としては、絶縁材料の粉体または絶縁材料のシートからなるのが好ましい。充填材6として絶縁材料を用いることにより、万が一、充填材6が内筒4内に侵入しても、感圧素子2が充填材6を介して内筒4の壁を通じてショートする危険がなくなる。この絶縁材料の成分としては、窒化ホウ素または二硫化モリブデンを主成分とするのが好ましい。これらは絶縁性が高く、高温安定性および熱伝導性に優れた材料であるので、感圧素子2の検知感度の低下を防止するのに優れた効果を期待できるとともに、後述する冷却効果も期待できる。充填材6が絶縁材料の粉体からなる場合は、無機酸化物の粉末のみであってもよく、これにエポキシあるいはシリコーン等の樹脂を混合したものでもよい。充填材6が絶縁材料のシートからなる場合は、例えば窒化ホウ素または二硫化モリブデンの粉末にシリコーン等のゴム材を混合して、直圧注入成形あるいは射出成形等の方法によってシート状に形成したものが好ましい。
なお、本例の圧電モジュール10は、全体の形状が円柱状あるいは角柱状等の柱状である。従って、圧力伝達部材1、支持部材5および感圧素子2は、全体的な形状が円柱状、角柱状等の柱状である。また、外筒3および内筒4は、全体的な形状が円筒状あるいは角筒状等の筒状である。
本発明の圧電モジュールは、図1に示す形態に限定されるものではなく、図2に示す例のように、充填材6が外筒3と内筒4との間において感圧素子2を取り囲むように充填されていてもよい。図2は、本発明の圧電モジュールの実施の形態の他の例を示す、図1と同様の断面図である。なお、図2において、図1と同様の部位には同じ符号を付している。
この例の構成によれば、感圧素子2の検知感度の低下を防止する効果に加えて、冷却効果も期待できる。外筒3と内筒4との間に間隙(空気層)があることで熱伝達が悪くなり、エンジンブロックを冷却しても感圧素子2を冷却できず、燃焼中に温度が上昇して検知感度が低下するおそれがあるが、このように外筒3と内筒4との間の間隙に充填材6が充填されていれば、熱伝達性が向上し、エンジンブロックを冷却した際に感圧素子2が冷却されるので、検知感度の低下を防ぐことができる。特に、充填材6が例えば窒化ホウ素または二硫化モリブデンを主成分とする絶縁材料の粉体またはシートからなる場合は、熱伝導性に優れているため、冷却効果が期待でき、優れた温度特性を有する圧電モジュールを実現することができる。
また、本発明の圧電モジュールは、図3に示す例のように、充填材6が内筒4と外筒3との間の全ての領域に充填されていることが好ましい。この場合には、充填材6が内筒4と外筒3との間の全ての領域に充填されて両者の間の隙間が完全に埋められることにより、エンジン燃焼時の圧力が直接内筒4に加わるのを防ぐことができ、また冷却の点においても効果的であり、検知感度の低下をさらに防ぐことができる。さらに、充填材6が内筒4と外筒3との間の全ての領域に充填されていることで、充填材6がより安定して充填され、長期使用によっても充填材6が間隙からこぼれ出てしまうようなことはなくなるので
、信頼性および耐久性の高い圧電モジュール10となる。
、信頼性および耐久性の高い圧電モジュール10となる。
以上の例では、閉空間として自動車のエンジン等の燃焼室を例示し、貫通孔7はこの燃焼室を形成する気筒(シリンダー)に設けられた例を示したが、これらの例は、いわゆる内燃機関に本発明の圧電モジュール10を燃焼圧センサとして用いた例である。
内燃機関は、例えば、気筒(シリンダー)、ピストン、点火プラグ、グロープラグ、燃料噴射装置およびシリンダーに供給する燃料の弁(バルブ)開閉装置等の種々の装置を有するものである。具体的には、自動車等の乗物あるいは貨物運搬車両等に用いられるガソリンエンジン、アルコール混合ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、アルコールエンジンまたは水素ガスエンジン等である。
本発明の圧電モジュールは、圧力室としての内燃機関の燃焼室(シリンダー)に設置されることにより、燃料の燃焼爆発による圧力を受圧して圧力を測定する燃焼圧センサとして機能し、高い応答性と優れた耐久性を有するものであるので、内燃機関の燃焼特性の制御性を高めることができ、また耐久性に優れたものである。
以下、本発明の圧電モジュールの製造方法の例を説明する。
まず始めに、圧力伝達部材1と内筒4とを予め接合して固定する。接合する方法としては、ガス溶接、レーザ溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接等の溶接法が挙げられる。摩擦圧接、ロー付け、拡散接合等の接合方法を用いてもよい。
次に、内筒4の内側に感圧素子2を配置する。このとき、圧力伝達部材1と感圧素子2とは接合しなくてよい。
次に、圧力伝達部材1の後端面と支持部材5の先端部とで感圧素子2が隙間無く挟まれるようにする。その後、内筒4の支持部材5側の端部と、支持部材5の先端部の当接箇所を接合し固定する。接合する方法としては、ガス溶接、レーザ溶接、抵抗溶接あるいは電子ビーム溶接等の溶接法が挙げられる。また、摩擦圧接、ロー付けあるいは拡散接合等の接合方法を用いてもよい。このとき、内筒4と支持部材5とが当接して接合される位置は、感圧素子2よりも圧力室から離れる側に位置するように、内筒4の長さと支持部材5の先端部の長さとを設定する。
次に、外筒3が、支持部材5の先端部に一端が固定されるとともに他端が貫通孔7の壁面の段差に係止されて感圧素子2および圧力伝達部材1の後端部を覆うように設置される。このとき、外筒3と支持部材5とが当接して固定される位置は、内筒4と支持部材5とが当接して固定される位置よりも圧力伝達部材1から離れる側に位置するように調整することが好ましい。この場合には、感圧素子2に対して貫通孔7への螺子込みによる締結力を測定すべき圧力から分離する効率がより高まるという効果がある。
外筒3の一端と支持部材5の先端部とを固定する方法は、ガス溶接、レーザ溶接、抵抗溶接あるいは電子ビーム溶接等の溶接法が挙げられる。また、摩擦圧接、ロー付けあるいは拡散接合等の接合方法を用いてもよい。さらに、外筒3の一端と支持部材5の先端部とを当接させるだけとし、外筒3の他端を係止することによって固定してもよい。
そして、充填材6は、絶縁材料が粉体状の場合であれば、内筒4と外筒3との間の隙間から充填する。絶縁材料の粉体を予めエポキシあるいはシリコーン等の樹脂に混入しておいて、シリンジで内筒4と外筒3の間の隙間に注入してもよい。また、絶縁材料がシート状の場合は、予めシートを内筒4に巻き付けておき、このシートによって外筒3を固定し
てもよい。
てもよい。
このようにして得られた圧電モジュール10は、圧力伝達部材1が燃焼室に暴露されることによって圧力を受け、内筒4が弾性変形し、圧力伝達部材1と支持部材5の間に挟まれた感圧素子2が圧力を感知して電気信号を発生させることによって、圧力を測定するようになっていて、高い応答性を有するものである。
また、本発明のグロープラグは、上述の圧電モジュールを備えたグロープラグである。本発明のグロープラグは、例えばディーゼルエンジンの気筒内の温度を制御する装置であり、気筒内の温度が低いとエンジンの始動が不調になるため、エンジンの始動前に気筒内に設けられたグロープラグを予熱して燃料着火を確実にし、始動性を高めるように作動する。従って、本発明のグローブラグは、ディーゼルエンジンの燃焼室内に発熱部となる先端が突出して設けられる。
本発明のグロープラグは、抵抗変化率の大きい鉄(Fe)あるいはニッケル(Ni)等の金属からなる通電用抵抗体と、通電用抵抗体の先端に接続され、固有抵抗が大きくかつ抵抗変化率の小さい鉄−クロム(Fe−Cr)あるいはニクロム(Ni−Cr)等の合金からなる発熱用抵抗体と、これら抵抗体を覆うシース管とを有する構成であり、上述の圧電モジュールにおける圧力伝達部材1にシース管で覆われた発熱用抵抗体を埋設した構成とすることで、本発明の圧電モジュールを備えたグロープラグを実現することができる。
本発明のグロープラグは、高い応答性と優れた耐久性を有する本発明の圧電モジュールを備えることから、内燃機関の気筒(シリンダー)内の温度の制御性を高めることができ、また耐久性に優れたものである。
1:圧力伝達部材
2:感圧素子
3:外筒
4:内筒
5:支持部材
6:充填材
7:貫通孔
8:リード部材
10:圧電モジュール
2:感圧素子
3:外筒
4:内筒
5:支持部材
6:充填材
7:貫通孔
8:リード部材
10:圧電モジュール
Claims (7)
- 閉空間に外部から通じる貫通孔に取り付けられて前記閉空間の内部の圧力を測定するための圧電モジュールであって、先端面に受けた前記圧力を後端面に伝達する柱状の圧力伝達部材と、前記圧力伝達部材の前記後端面に一方の端面が当接して、前記圧力伝達部材から前記圧力を受ける柱状の感圧素子と、前記貫通孔に取り付けられ、先端面が前記感圧素子の他方の端面に当接して、前記感圧素子を支持する支持部材と、前記圧力伝達部材の後端部から前記支持部材の先端部にかけて前記感圧素子を取り囲んで配置された内筒と、前記内筒を内部に収めるように取り囲んで配置され、前記支持部材側の端部が前記支持部材の前記先端部に固定された外筒と、該外筒と前記圧力伝達部材および前記内筒との間における少なくとも前記外筒の先端側に充填され、前記閉空間の内部の前記圧力を前記外筒との間から前記内筒が直接受けるのを抑制する充填材とを含むことを特徴とする圧電モジュール。
- 前記充填材が前記外筒と前記内筒との間において前記感圧素子を取り囲むように充填されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電モジュール。
- 前記充填材が前記内筒と前記外筒との間の全ての領域に充填されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電モジュール。
- 前記充填材が絶縁材料の粉体からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の圧電モジュール。
- 前記充填材が絶縁材料のシートからなるものであることを特徴とする請求項1に記載の圧電モジュール。
- 前記絶縁材料が窒化ホウ素または二硫化モリブデンを主成分とするものであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の圧電モジュール。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の圧電モジュールを備えたことを特徴とするグロープラグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010070393A JP2011203103A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | 圧電モジュールおよびこれを備えたグロープラグ |
Applications Claiming Priority (1)
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