JP2011195515A - アントラセン誘導体、樹脂、硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents

アントラセン誘導体、樹脂、硬化性組成物及び硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】アントラセン特有の特性と共に反応多様性を兼ね備えたアントラセン誘導体、及びこのアントラセン誘導体を用いて得られる高い機能性を有し多岐の技術分野での応用展開が可能な樹脂及びこれらを含む組成物等を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、下記式(1)にて表されるアントラセン誘導体、このアントラセン誘導体から得られる樹脂、これらを含む組成物及びこの組成物の硬化物である。

(式(1)中、X及びYは、それぞれ独立に、芳香環上の1又は2以上の水素原子がCHOZで置換されているヒドロキシアリール基である。複数のZは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なアントラセン誘導体、これを用いた樹脂及び硬化性組成物並びに硬化物に関する。
アントラセンは、ベンゼン環が3個縮環した多環芳香族化合物であり、従来、木材の殺虫剤や保存安定剤、塗料等のほか、エポキシ樹脂やカーボンブラックの製造原料、アントラキノン染料の合成原料等の種々の用途に利用されている。また、アントラセンは、上記構造を有するため、構造的な硬さ、炭素密度の高さ、高融点、高屈折率等の特徴に加え、紫外線照射によってπ電子が作用し蛍光を発する等の有用な特性を有している。かかる特性を付加価値として更なる活用を図るべく、アントラセンの様々な応用展開が試みられている。これまでも種々のアントラセン誘導体が、多岐にわたる技術分野で付加価値の高い材料として開発されている。
このようなアントラセン誘導体に係る技術としては、例えば、アントラセンの9,10位に(メタ)アクリレート基を導入し重合性モノマーとすることで、光ラジカル重合の増感剤として作用する光硬化ポリマー(特開2007−99637号公報等参照)や、紫外線吸収能や難燃性を有するポリマー(特開2008−1637号公報等参照)を得る技術が提案されている。また、フォトレジストの分野においても、アントラセン誘導体は、高感度、高解像性、高エッチング耐性、低昇華性などの利点を有する感放射線性樹脂組成物(特開2005−346024号公報等参照)や、レジスト樹脂とのインターミキシングを防止する反射防止膜(特開平7−82221号公報等参照)等としての活用が検討されている。さらには、電子輸送材料又は発光材料として、アントラセンを有機感光体(OPC)、有機エレクトロルミネッサンス素子、有機太陽電池、有機発光ダイオード等の用途へ応用することも検討されている(特開2009−40765号公報等参照)。また、アントラセンが高屈折率を有するという特徴を生かして、光学材料としての利用の他、高屈折率材料、低屈折率材料及び増感色素等を混合し、露光によって干渉縞を記録するホログラム記録材料としての利用も提案されている(特開平6−295151号公報等参照)。
一方、ノボラック型フェノール樹脂に着目すると、この樹脂は、一般的に成型品、積層品、シェルモールド、建材、接着材、摩擦材、砥石、電子材料、感熱紙、感圧紙、エポキシ樹脂用硬化剤など、幅広い用途に使用されている。このような中、特に近年のIT分野の急速な発展にも伴い、ノボラック型フェノール樹脂の高耐熱性、高屈折率、蛍光特性の向上等の高機能化、高付加価値化が渇望されている。
高機能化されたノボラックフェノール樹脂としては、例えば、フルオレン骨格などの剛直な骨格を導入することで耐熱性を向上させた難燃性樹脂原料(特開2003−226727号公報等参照)や、メチロール基を有するビスフェノールフルオレンを用いて効率良くフルオレン骨格を導入した耐熱性や耐エッチング性に優れた感光性樹脂原料(特開2008−273844号公報等参照)、ビフェニル骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格などを導入することで耐熱性や機械的強度を高めた熱硬化性樹脂成型材料(特開2009−286888号公報等参照)などが提案されている。
また、蛍光特性を有するフェノール−グリオキザールノボラック樹脂を、高密度多層プリント回路基板などに用いられる積層物の原料又は添加物として用い、その蛍光特性を積層品の品質検査である自動光学検査(AOI)に活用することも提案されている(特表2002−542389号公報等参照)。
上述のように、骨格に剛直な構造を導入することにより耐熱性等を改善したノボラック型フェノール樹脂が種々検討されているが、これらのノボラック型樹脂であっても、IT分野を始めとした多種の用途へ応用するに当たっての高屈折率、蛍光特性等の各種機能性においては未だ改善の余地がある。また、このような高付加価値を有する樹脂を合成できる反応性に優れたアントラセン誘導体の開発が待ち望まれている。
特開2007−99637号公報 特開2008−1637号公報 特開2005−346024号公報 特開平7−82221号公報 特開2009−40765号公報 特開平6−295151号公報 特開2003−226727号公報 特開2008−273844号公報 特開2009−286888号公報 特表2002−542389号公報
本発明は、かかる事情を背景になされたものであり、アントラセン特有の特性(高炭素密度、高融点、高屈折率及び紫外線に対する蛍光性能等)と共に高い反応性を兼ね備えたアントラセン誘導体、及びこのアントラセン誘導体を用いて高屈折率及び優れた蛍光特性等の高い機能性を有し、多岐の技術分野での応用展開が可能な樹脂及びこれらを含む組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、
下記式(1)にて表されるアントラセン誘導体である。
(式(1)中、X及びYは、それぞれ独立に、芳香環上の1又は2以上の水素原子が*−CHOZで置換されているヒドロキシアリール基である。*は、ヒドロキシアリール基の芳香環上の炭素原子と結合する結合手である。X及びYに含まれる複数のZは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)
当該アントラセン誘導体は、アントラセン骨格を有するため、アントラセン特有の諸特性、例えば、高炭素密度、高屈折率及び紫外線に対する蛍光性能等を備える。また、このアントラセン誘導体は、所定位置に2つ以上のCHOZ(メチロール基又はアルコキシメチル基)を有するため、従来のフェノール系化合物に比べて格段に優れた熱硬化性などの反応性を有する。従って、当該アントラセン誘導体は、例えば、高機能性を有する樹脂原料や硬化剤等として好適に用いることができる。
上記X及びYは、それぞれ独立に、芳香環上の1又は2の水素原子が*−CHOZで置換されているヒドロキシフェニル基であるとよい。当該アントラセン誘導体は、構造が複雑ではなく効率よく製造することができる上に、熱硬化性等の優れた反応性を発揮することができる。
上記Zが、水素原子であるとよい。このように当該アントラセン誘導体が、2つ以上のメチロール基を有することで、より優れた熱硬化性等の反応性を発揮することができる。
本発明の樹脂は、上記アントラセン誘導体を用いて得られる樹脂である。当該樹脂は、熱硬化性等の優れた反応性を有すると共に、高屈折率、高ガラス転移点、蛍光特性等の優れた機能性を備えている。
本発明の組成物は、上記アントラセン誘導体又はこのアントラセン誘導体を用いて得られる樹脂を含む組成物であり、硬化性等に優れている。また、本発明の硬化物は、この組成物を硬化して得られる硬化物であり、高耐熱性、高屈折率、高炭素密度、蛍光性能等の高機能性を備えるため、多分野へ応用可能な樹脂等として使用することができる。
以上説明したように、本発明のアントラセン誘導体は、アントラセン特有の諸特性、例えば、高炭素密度、高屈折率及び紫外線に対する蛍光性能等を備えている。さらに、当該アントラセン誘導体は、アントラセン特有の諸性を備えた上で、メチロール基又はアルコキシメチル基に起因する高い反応性を示すため、各種樹脂原料や硬化剤として用いることができる。
従って、本発明のアントラセン誘導体、これより得られる樹脂、これらを含む組成物及び硬化物は、材料の高機能化や新たな特性の付与に極めて効果的であり、例えば、エポキシ樹脂原料、エポキシ樹脂硬化剤、ポリカーボネート原料、建材、シェルモールド、積層材、成型材料、塗料、記録材料、フォトレジスト材料、反射防止膜、半導体封止材等の電子材料、光学材料、分子磁気メモリー等の磁性材料等多岐の技術分野での応用展開を図ることができる。
実施例1のアントラセン誘導体のH−NMRチャートを示す図である。 実施例1のアントラセン誘導体の13C−NMRチャートを示す図である。 実施例1のアントラセン誘導体の吸収スペクトルを示す図である。 実施例1のアントラセン誘導体の蛍光スペクトルを示す図である。 実施例2の樹脂のGPCチャートを示す図である。 実施例2の樹脂の吸収スペクトルを示す図である。 実施例2の樹脂の蛍光スペクトルを示す図である。 比較例1の樹脂のGPCチャートを示す図である。 比較例2の化合物の吸収スペクトルを示す図である。 比較例3の化合物の吸収スペクトルを示す図である。 比較例3の化合物の蛍光スペクトルを示す図である。 比較例4の樹脂のGPCチャートを示す図である。 比較例4の樹脂の吸収スペクトルを示す図である。 比較例5の樹脂のGPCチャートを示す図である。 比較例5の樹脂の吸収スペクトルを示す図である。 比較例5の樹脂の蛍光スペクトルを示す図である。
以下、本発明の実施形態を、アントラセン誘導体、このアントラセン誘導体を用いて得られる樹脂、硬化性組成物及び硬化物についてこの順に詳説する。
<アントラセン誘導体>
本発明のアントラセン誘導体は、上記式(1)で示される。
本発明のアントラセン誘導体は、このようにアントラセン骨格を有することによりアントラセン特有の諸特性である高炭素密度、高屈折率及び紫外線に対する蛍光性能等を備えている。
本発明のアントラセン誘導体を構成するヒドロキシアリール基とは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有し、その他の置換基を有してもよい芳香族炭化水素の芳香環から1つの水素を除いた置換基である。上記ヒドロキシアリール基の具体例としては、ヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基等及びこれらの芳香環上の水素原子が、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アルケニル基、アミノ基、メルカプト基等の置換基へ置換されたものが挙げられる。なお、当該芳香環上の置換基は、複数であってもよいが、芳香環の反応性を維持するためには、芳香環上の水素原子が全ては置換されていないことが好ましい。
上記アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキル基等が挙げられる。これらのアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等が挙げられる。
上記アルコキシ基としては、直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルコキシ基等が挙げられる。これらのアルコキシ基の具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
上記アリール基としては、置換基を有していてもよい芳香環から1つの水素を除いた基が挙げられ、具体例としてはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等を挙げることができる。
上記アルケニル基としては、直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルケニル基等が挙げられ、これらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等が挙げられる。
上記ヒドロキシアリール基として、上述のような置換基を有するヒドロキアリール基を備えるアントラセン誘導体は、当該アントラセン誘導体の特徴を維持したまま、さらに機能を付加又は調整することができる。
例えば、置換基としてアルキル基を有するヒドロキシアリール基を備える当該アントラセン誘導体によれば、当該アントラセン誘導体の多様な反応性を低下させることなく、屈折率や融点等を調整することができる。なお、このような置換アルキル基としては、当該アントラセン誘導体の立体配置安定性の点から、低炭素数であることが好ましく、具体的には炭素数が5以下のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
また、2以上のヒドロキシル基を有するヒドロキアリール基を備える当該アントラセン誘導体によれば、1つの芳香族環上に複数のヒドロキシル基が存在するので、例えば架橋反応性が向上するなど、更なる応用展開が可能となる。
このヒドロキシアリール基の中でも、高屈折性、高炭素密度、剛直性等の点から、置換基として*−CHOZ(*は、ヒドロキシアリール基の芳香環上の炭素原子と結合する結合手である。以下、この結合手を省略する。)のみを有するヒドロキシフェニル基及びヒドロキシナフチル基が好ましく、置換基としてCHOZのみを有するヒドロキシフェニル基が特に好ましく、アントラセン骨格側との結合手に対してパラ位にヒドロキシル基を有し、置換基としてCHOZのみを有するヒドロキシフェニル基が最も好ましい。
なお、XとYとは、異なっていてもよいが、高屈折性、製造の容易さ等の点から、同一であることが好ましい。
当該アントラセン誘導体は、アントラセン骨格の9位及び10位から直接又は連結基を介して結合するヒドロキシアリール基にCHOZ(メチロール基又はアルコキシメチル基)を有することにより熱硬化性を始めとした、優れた反応性を有する。
当該アントラセン誘導体のCHOZにおいて、Zが炭素数1〜4のアルキル基であるアルコキシメチル基とは、具体的には、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、イソブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、t−ブトキシメチル基である。
また、CHOZとしては、当該誘導体において反応性の高さを重視する場合はメチロール基(Zが水素原子である基)が好ましく、保存安定性を重視する場合は、メチロール基がアルキル基で保護されたアルコキシメチル基(Zが炭素数1〜4のアルキル基である基)が好ましい。分子中の複数のZは、互いに異なっていてもよいが、製造の容易さの点から同一であることが好ましい。
当該アントラセン誘導体におけるこのCHOZの基数としては、ヒドロキシアリール基がヒドロキシフェニル基である場合は、2以上4以下が好ましく、各ヒドロキシフェニル基において、1又は2であることがさらに好ましい。このような数のCHOZを有する当該アントラセン誘導体は、構造が複雑ではなく効率よく製造することができる上に、熱硬化性等の優れた反応性を発揮することができる。
また、当該アントラセン誘導体において、このCHOZは、ヒドロキシアリール基がヒドロキシフェニル基である場合は、ヒドロキシル基に対してオルソ位又はパラ位に位置していることが、効率的に製造できる点から好ましい。
なお、当該アントラセン誘導体におけるアントラセン骨格は、本発明の効果を妨げない範囲において、9位及び10位以外の位置に置換基を有していてもよい。このアントラセン骨格の水素原子に置換される置換基としては、上述のヒドロキシアリール基の置換基と同様のもの等を挙げることができるが、効率的な生産性や反応制御性の点からは無置換であるものが好ましい。
当該アントラセン誘導体としては、具体的には、以下の式(1−1)〜(1−4)を例示することができる。
これらの例示した式(1−1)〜(1−4)のアントラセン誘導体のように、式(1)におけるX及びYにおいて、各芳香環上の1又は2の水素原子がCHOZで置換されているアントラセン誘導体が好ましい。当該アントラセン誘導体は、熱硬化性等の反応性がより優れ、かつ、効率よく製造することができる。また、式(1−1)、式(1−2)等の式(1)におけるZが水素原子であるアントラセン誘導体も硬化性等の反応性が優れる点で好ましい。
また、当該アントラセン誘導体は、反応活性なヒドロキシル基(芳香環上のヒドロキシル基及びメチロール基におけるヒドロキシル基)及び芳香環を有することから、アントラセン特有の諸特性を備えた上でビスフェノール系化合物が備える多様な反応性を有する。例えば、当該アントラセン誘導体は、アリル化、グリシジル化、アクリル化されることができる。なお、このような更なる誘導体を得る場合、熱的に不安定なメチロール基を有するアントラセン誘導体より、熱に対し比較的安定なアルコキシメチル基を有するアントラセン誘導体を用いる方が、製造上、容易に上述の更なる誘導体を得ることができる。
このように当該アントラセン誘導体によれば、各種樹脂原料等に用いることができる等の高い汎用性を発揮することができる。特に、当該アントラセン誘導体は、フェノール骨格がアントラセン環の9位及び10位から配置されていることで、対称性が高く、また、熱のみで縮合を促進させる事が可能な為、樹脂原料として使用する場合のみならず、架橋剤としてベース樹脂の改質等の優れた応用展開が可能となる。特に、当該アントラセン誘導体は、アントラセン骨格の短軸となる9位及び10位にフェノール骨格が配置されているため、ポリマー骨格へ導入された際、当該ポリマーが極めて高い炭素密度を有する等の特有な機能が発揮されることが期待される。
また、当該アントラセン誘導体は、メチロール基又はアルコキシメチル基を有するビスフェノールフルオレン等のフルオレン化合物と比しても、アントラセン骨格を備えていることで同等以上の高屈折率を有している。具体的には、当該アントラセン誘導体の屈折率は1.6以上2.0以下とすることができる。当該アントラセン誘導体の屈折率や融点等の物性は、X、Y及びZを選択することで調整することができる。
本発明のアントラセン誘導体は、上記の構造を有するため、直接又は反応中間体として多用途に用いられ、例えば、ノボラック型等のフェノール樹脂原料、エポキシ樹脂原料、ポリカーボネート樹脂原料、硬化剤等の各種合成樹脂原料等として用いることができる。また、合成樹脂原料以外にも、例えば農薬中間体や、医薬中間体として用いることができる。
<アントラセン誘導体の製造方法>
本発明のアントラセン誘導体は、非反応性含酸素有機溶媒及び酸触媒の存在下にて、フェノール類とアントラセン−9−カルボアルデヒドとを反応させ、ビスフェノールアントラセン化合物を得る第一工程、及び、得られたビスフェノールアントラセン化合物を塩基性触媒の存在下でホルムアルデヒドと反応させる第二工程により製造される。また、第三工程として、酸触媒存在下にて、第二工程にて得られたアントラセン誘導体と、炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコールとを反応させ、メチロール基をアルコキシメチル基に変えることも出来る。
<第一工程>
この製造方法の第一工程におけるフェノール類とは芳香環上にヒドロキシル基を有する化合物をいい、フェノール系化合物、ナフトール系化合物等が挙げられる。上記フェノール系化合物とは、フェノール及び芳香環上の水素が他の置換基に置換されたフェノールをいう。上記置換基としては、アルキル基やヒドロキシル基等が挙げられる。この置換基の数としては、アントラセン−9−カルボアルデヒドとの反応性から、4以下が好ましく、2以下が更に好ましく、0が特に好ましい。また、アントラセン−9−カルボアルデヒドとの反応性から、ヒドロキシル基のパラ位に置換基が配置されていないことが好ましい。
上記フェノール系化合物としては例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、2−フェニルフェノール、4−フェニルフェノール、チモール、2−tert−ブチル−5−メチルフェノール、2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール、レゾルシン、2−メチルレゾルシン、カテコール、4−メチルカテコール、ハイドロキノン、ピロガロール等が挙げられる。
上記ナフトール系化合物とは、ナフトール及び芳香環上の水素が他の置換基に置換されたナフトールをいう。上記置換基としてはアルキル基やヒドロキシル基等が挙げられる。この置換基の数としては、アントラセン−9−カルボアルデヒドとの反応性の点から、6以下が好ましく、2以下が更に好ましく、0が特に好ましい。
上記ナフトール系化合物としては、1−ナフトール、2−ナフトール、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
なお、上記フェノール類は、特にこれらに限定されるものではなく、所望する本発明のアントラセン誘導体の構造に応じて適宜選択される。例えば、上記フェノール類としてフェノールを選択することで、上記式(1)におけるX及びYがヒドロキシフェニル基であるアントラセン誘導体を製造することができる。なお、これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、このフェノール類の配合量の下限としては、アントラセン−9−カルボアルデヒド1モルに対し2モルが好ましく、4モルがさらに好ましい。このフェノール類の配合量の上限としては、アントラセン−9−カルボアルデヒド1モルに対し100モルが好ましく、50モルがさらに好ましく、20モルが特に好ましい。フェノール類の配合量が上記下限未満では、原料の高次縮合物が生成する等の所望でない副反応が生じることがあり、精製に多大なエネルギーを要し、逆に上記上限を超えると未反応のフェノール類を除去するのに多大なエネルギーを要する為、共に非経済的である。
本製造方法の第一工程においては、反応溶媒として、分子中に1以上の酸素原子を備える非反応性含酸素有機溶媒を用いる。なお「非反応性」とは、この反応系におけるフェノール類、アントラセン−9−カルボアルデヒド及び合成されるアントラセン誘導体とは反応しないことをいう。この非反応含酸素有機溶媒としては、例えばアルコール類、多価アルコール系エーテル、環状エーテル類、多価アルコール系エステル、ケトン類、エステル類、スルホキシド類、カルボン酸類等を用いることができる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の一価アルコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の二価アルコール、グリセリン等の三価アルコールが挙げられる。
多価アルコール系エーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等のグリコールエーテル類が挙げられる。
環状エーテル類としては、例えば、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。多価アルコール系エステルとしては、例えば、エチレングリコールアセテート等のグリコールエステル類が挙げられる。ケトン類としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。スルホキシド類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等が挙げられる。カルボン酸類としては、例えば、酢酸等が挙げられる。
これらの中でもアルコール類及び多価アルコール系エーテルが好ましく、メタノール、エチレングリコール及びエチレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
非反応性含酸素有機溶媒は、上記の例示に限定されず、また、それぞれを単独又は2種以上を混合して用いても良い。非反応性含酸素有機溶媒の配合量の下限としては、フェノール類100質量部に対して、1質量部が好ましく、5質量部が更に好ましく、10質量部が特に好ましい。また、非反応性含酸素有機溶媒の配合量の上限としては、フェノール類100質量部に対して、1000質量部が好ましく、500質量部が更に好ましく、10質量部が特に好ましい。非反応性含酸素有機溶媒の配合量が上記下限未満であると、反応副生物の生成が顕著となり、生産性が低下するおそれがある。逆に、非反応性含酸素有機溶媒の配合量が上記上限を超えると、反応速度が低下し、生産性が低下するおそれがある。
本製造方法の第一工程における酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸、過塩素酸などの無機酸、蓚酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、フェノールスルホン酸などの有機酸、強酸性イオン交換樹脂等を挙げることが出来る。これらの触媒は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、メルカプト酢酸等の反応助触媒を併用しても良い。酸触媒の使用量としては、反応が適当に進む範囲で適宜設定すればよいが、一般的には、フェノール類100質量部に対して、0.1〜20質量部である。
この製造方法第一工程の反応工程は、上記のフェノール類、アントラセン−9−カルボアルデヒド、非反応性含酸素有機溶媒及び酸触媒を反応容器に投入して、所定時間撹拌して行われる。なお、上記反応容器への投入物の投入順序は問わない。
この製造方法第一工程の反応工程における反応温度は、通常0〜100℃、好ましくは25〜60℃の範囲で行われる。反応温度が低すぎると、反応時間が長くなる可能性があり、一方、反応温度が高すぎると、高次縮合物及び異性体等の反応副生物の生成が助長され、当該アントラセン誘導体の純度が低下する可能性がある。
この製造方法第一工程の反応工程における反応容器内の圧力は、通常は常圧であるが、加圧又は減圧で行っても良く、具体的には内部圧力(ゲージ圧)が−0.02〜0.2MPaの範囲であることが好ましい。
この製造方法第一工程の反応工程における反応時間は、用いるフェノール類、非反応性含酸素有機溶媒の種類と量、原料モル比、反応温度、圧力等に左右され、一概に定めることは出来ないが一般的には、1〜48時間の範囲であることが好ましい。
この製造方法第一工程の反応終了後、生成物を抽出し、酸触媒の除去を行う。この触媒除去の方法としては、一般的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の非水溶性有機溶媒に生成物を溶解し、水洗により除去を行うが、その他中和処理を行った後析出した中和塩を濾別する方法や、アニオン性充填剤の詰まったカラムに反応液を通過させる方法等、特に制限はない。
この製造方法第一工程においては触媒除去後、精製によりビスフェノールアントラセン化合物を取り出す。一般的には、目的物に対して貧溶媒として作用し、その他の副生成物や未反応原料には良溶媒として作用する溶媒(キシレン等)を添加し、析出させた後、濾別、乾燥する方法や、カラムクロマトグラフィーによる方法等によって第一工程の目的物であるビスフェノールアントラセン化合物を精製することができる。
<第二工程>
本製造方法の第二工程においては、塩基性触媒及び水等の溶媒の存在下にて、第一工程で得られたビスフェノールアントラセン化合物とホルムアルデヒドと反応させることにより行われる。
本製造方法の第二工程における塩基性触媒は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;リン酸ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムブトキシド等のアルカリ金属アルコラート;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、アルカリ金属水酸化物が好ましく、更にこの中でも水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。これらの塩基性触媒は、通常、水で希釈して使用するが、第一工程で得られたビスフェノールアントラセン化合物の水溶解性を損なわない範囲において、メタノール等の有機溶媒を併用しても良い。塩基性触媒の使用量としては、ビスフェノールアントラセン化合物1質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、より好ましくは、1〜10質量部である。
本製造方法の第二工程におけるビスフェノールアントラセン化合物と、塩基性触媒との反応モル比としては、第一工程のビスフェノールアントラセン化合物1モルに対して、塩基性触媒0.5〜20モルが好ましく、さらに好ましくは、1〜10モルである。
本製造方法の第二工程におけるホルムアルデヒドの使用量としては、ビスフェノールアントラセン化合物1モルに対して2〜20モルが好ましい。なお、この第二工程におけるホルムアルデヒドとしては、パラホルムアルデヒドであってもよい。
本製造方法の第二工程における反応温度は、−10〜100℃であり、好ましくは、0〜50℃である。反応時間は、触媒量、反応モル比、反応温度、圧力等に依存するため一概に定める事は出来ないが、通常48時間以内である事が好ましい。
本製造方法の第二工程における反応圧力は、通常は常圧であるが、加圧又は減圧下で反応を行っても良く、具体的には内部圧力(ゲージ圧)が−0.02〜0.2MPaが好ましい。
本製造方法第二工程の反応終了後、生成物を抽出し、塩基性触媒の除去を行う。この触媒除去の方法としては、一般的には中和処理を行った後、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の非水溶性有機溶媒に生成物を溶解し、水洗により中和塩除去を行うことができる。中和剤としては、特に制限はないが、通常希硫酸を用いる。
本製造方法第二工程においては塩基性触媒除去後、精製により目的物を取り出す。一般的には、目的物に対して貧溶媒として作用し、その他の副生成物や未反応原料には良溶媒として作用する溶媒(トルエン等)を添加し、析出させた後濾別、乾燥する方法や、カラムガスクロマトグラフィーによる方法等によって第二工程の目的物であるアントラセン誘導体(メチロール体)を精製し、得ることができる。
<第三工程>
本製造方法の第三工程は、必ずしも必要ではないが、第二工程で得られたアントラセン誘導体の安定性を高めたい場合や、硬化剤として用いる場合に硬化開始温度を高めたい場合に行う工程である。本製造方法の第三工程では、酸触媒下にて、第二工程で得られたアントラセン誘導体と炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコールとを反応させることによって製造される。
本製造方法の第三工程における炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコールは、反応溶剤を兼ねた反応原料であり、メチロール基に対して目的とする保護基を与えるように適宜選択すればよく、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプルピルアルコール、n−ブタノール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等が挙げられる。これらの中でも、メタノール及びエタノールが好ましい。炭素数1〜4の低級アルコールの使用量は、第二工程で得られたアントラセン誘導体100質量部に対し、50〜5000質量部であり、好ましくは10〜1000質量部である。
本製造方法の第三工程における酸触媒としては、濃硫酸、塩酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、蓚酸、強酸性イオン交換樹脂などが用いられるが、その中でも、濃硫酸が好ましい。また、この酸触媒の使用量は第二工程で得られたアントラセン誘導体100質量部に対して、通常0.1〜100質量部、好ましくは、0.5〜20質量部である。
本製造方法の第三工程における反応温度は、通常0〜100℃であり、好ましくは40〜70℃である。また、反応時の圧力は、前述の第二工程と同様であり、反応時間は、通常48時間以内である。
本製造方法第三工程の反応終了後、酸触媒の除去を行う。この触媒除去の方法としては一般的には反応溶媒兼反応原料である炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコールを減圧蒸留で除去した後、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の非水溶性有機溶媒に生成物を溶解し、水洗により除去を行う。炭素数1〜4の飽和脂肪族アルコールを減圧除去する前に、水酸化ナトリウム等の中和剤を用いて中和してもよい。
本製造方法第三工程においては酸触媒除去後、精製により目的物を取り出す。一般的には、目的物に対して貧溶媒として作用し、その他の副生成物や未反応原料には良溶媒として作用する有機溶媒を添加し、析出させた後濾別、乾燥する方法によって第三工程の目的物であるアントラセン誘導体(アルコキシメチル体)を得ることができる。
<樹脂>
本発明の樹脂は、当該アントラセン誘導体を用いて得られる樹脂であり、例えば、当該アントラセン誘導体とフェノール類又はビスフェノール類とを含む混合物を加熱し、縮合させたノボラック型フェノール樹脂等である。当該アントラセン誘導体は、CHOZ(メチロール基又はアルコキシメチル基)を有するため、一般的なアントラセン誘導体とフェノール類又はビスフェノール類とをホルムアルデヒド等の縮合剤を利用して縮合する場合と比べ、反応性が高い。従って、本発明のアントラセン誘導体をモノマーとして用いることで、未反応及び低分子量のアントラセン骨格が残りがたく、容易に高分子量の樹脂を得ることができる。
上記フェノール類としては、具体的には、フェノール、クレゾール、キシレノール、ナフトール、レゾルシノール等が挙げられる。また、上記ビスフェノール類としては、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、ビスフェノール−S、ビスフェノールフルオレン等が挙げられる。
重合の際のフェノール類又はビスフェノール類の芳香環1つに対する当該アントラセン誘導体のCHOZ(メチロール基又はアルコキシメチル基)の数の割合としては、1.0〜2.0が好ましい。なお、未反応のフェノール類又はビスフェノール類は、減圧蒸留や、再結晶などの方法で除去しておくことが好ましい。
本発明の樹脂は、当該アントラセン誘導体から得られることで、高い屈折率、ガラス転移点、炭素密度を備え、また、蛍光特性を有する。例えば、当該樹脂の屈折率としては、1.60以上2.00以下程度である。また、当該樹脂のガラス転移温度としては、135度以上150℃以下程度である。また、当該樹脂は、高炭素密度を有し、当該樹脂の残炭率としては、35%以上50%以下程度である。
<硬化性組成物>
当該硬化性組成物は、本発明のアントラセン誘導体又はこのアントラセン誘導体から得られる重合体を含むものである。
この硬化性組成物としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂及び硬化剤を含み、さらにその他の任意成分を含んでいる組成物が挙げられる。但し、上記組成物においては硬化剤として当該アントラセン誘導体が用いられているか、ノボラック型フェノール樹脂として当該アントラセン誘導体から得られた樹脂が用いられている。この硬化性組成物の調製の方法としては、特に限定されず、例えばノボラック型フェノール樹脂と硬化剤を溶融混合や粉砕混合をしてもよいし、有機溶剤の存在下に溶解混合してもよい。
上記ノボラック型フェノール樹脂としては、当該アントラセン誘導体から得られた樹脂のほか、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、キシレノールノボラック等を挙げることができ、これらの樹脂の構造としては、ランダムノボラック型でもハイオルソノボラック型でも用いることができる。なお、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基の一部がグリシジルエーテル化されていても構わない。
上記硬化剤としては、当該アントラセン誘導体のほか、メチロール化合物、アルコキシメチル化合物、ヘキサミン等を挙げることができる。上記メチロール化合物としては、2,6−ジメチロール−p−クレゾール等のモノマーのジメチロール化合物、ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン等のダイマーのジメチロール化合物、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン等のテトラメチロール化合物等が挙げられる。上記アルコキシメチル化合物としては、2,6−ジメトキシメチル−p−クレゾール等のモノマーのジアルコキシメチル化合物、ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシメチル−5−メチルフェニル)メタン等のダイマーのジアルコキシメチル化合物、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシメチルフェニル)プロパン等のテトラアルコキシメチル化合物等が挙げられる。
当該硬化性組成物における他の成分としては、各樹脂を製造する際に使用される公知のものが挙げられる。この他の成分としては、溶媒、無機充填剤、顔料、揺変性付与剤、流動性向上剤、他のモノマー等を挙げることができる。
上記溶媒としては、組成物構成によって異なるが、例えば、エーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類等を挙げることができる。
また、上記無機充填剤としては、球状あるいは破砕状の溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ粉末、アルミナ粉末、ガラス粉末、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、アルミナ、水和アルミナ等を挙げることができる。上記顔料としては、有機系又は無機系の体質顔料、鱗片状顔料等を挙げることができる。揺変性付与剤としては、シリコン系、ヒマシ油系、脂肪族アマイドワックス、酸化ポリエチレンワックス、有機ベントナイト系等を挙げることができ、上記流動性向上剤としては、フェニルグリシジルエーテル、ナフチルグリシジルエーテル等を挙げることができる。
この硬化性組成物は、塗料、接着剤などの用途に用いられる他、以下に詳述する高機能性を有する硬化物を得るための材料等として用いることができる。
<硬化物>
本発明の硬化物は、上記硬化性組成物を加熱することで硬化して得られるものである。当該硬化物は各種樹脂として使用することができる。当該硬化物は、アントラセン骨格に由来する高屈折率、高炭素密度、蛍光性能といった広範の用途に有用な各特性を付与する他、耐エッチング性のような電子材料用途特有の特性も付与する事ができ、高汎用性の材料として様々な用途に用いることができる。
本発明の硬化物は、例えば、建材、摩擦材、砥石、記録材料、フォトレジスト材料、反射防止膜、半導体封止材等の電子材料、光学材料、有機EL材料、分子磁気メモリー等の磁性材料等に用いることができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、本実施例によってなんら限定されるものではない。なお、得られたアントラセン誘導体及び樹脂等の測定は、下記測定機器及び測定方法により行った。
<GPC純度>
GPC純度は、東ソー製HLC−8220型GPC、RI検出器、TSK−Gel SuperHZ2000+HZ1000+HZ1000(4.6mmφ×150mm)カラムを用い、展開溶媒としてテトラヒドロフランを0.35ml/分で送液し、目的物ピークの面積比によって求めた。
<HPLC純度>
HPLC純度及び反応の終点確認は、島津製作所製HPLC Promineceシリーズ、UV検出器SPD−20A(246nm)、GLサイエンス製ODS−3(4.6mmφ×250mm)カラムを用い、展開溶媒として水/アセトニトリル=40/60を1.0ml/分で送液し、目的物ピークの面積比によって求めた。
<分子量>
分子量は、東ソー製HLC−8220型GPC、検出器(UV254nm)、TSK−Gel G4000HXL+G2000HXL(7.8mmφ×300mm)カラムを用い、展開溶媒としてテトラヒドロフランを1.00ml/分で送液して測定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
<融点及びガラス転移温度(Tg)>
融点は、リガク製DSC8230型示差走査熱量計にて、窒素雰囲気下5℃/分の昇温速度によるピークトップ法にて求めた。また、ガラス転移温度は同様の条件で測定し、中点ガラス転移温度を求めた。
<残炭率>
残炭率は、リガク製TG8230型示差熱天秤にて、窒素雰囲気下10℃/分の昇温速度で830℃までの測定を行い、重量減少率を100%から除した数値で求めた。
H−NMR及び13C−NMR>
H−NMR及び13C−NMRは、バリアン社製UNITY−INOVA 400MHzを用い、TMSを基準物質としてDMSO−d6溶媒で測定した。
<屈折率>
屈折率は、京都電子工業製RA−520N型屈折率計を用い、25℃にて1、5及び10質量%の各濃度でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して測定し、検量線を作成して100質量%時の換算屈折率を求めた。
<吸収スペクトル及び蛍光スペクトル>
吸収スペクトルは、日本分光製分光光度計V−570を用いて1×10−5mol/L濃度でDMSOに溶解して測定を行い、蛍光スペクトルは、日立ハイテクノロジーズ社製蛍光分光光度計F−4010を用い、1×10−5mol/L濃度でDMSOに溶解して極大波長で励起させて測定を行った。また、アズワン製ハンディーUVランプSLUV−4を用いて、365nmの紫外線を照射し、発光の有無を観察した。
[合成例1]
300mlの還流管付き反応容器にフェノール(112.8g,1.20mol)、アントラセン−9−カルボアルデヒド(49.4g,0.24mol)及びメタノール(11.3g)を入れ、40℃にて溶解した。濃硫酸(5.6g)を投入し、40℃で24時間反応を行った。次いで、反応液をメチルイソブチルケトン(169.2g)に溶解し、蒸留水(56.4g)にて水洗を数回行って触媒を除去した。減圧下にて、メチルイソブチルケトン及びフェノールを留去した後、キシレン(169.2g)及び蒸留水(11.3g)投入して10℃で攪拌した。析出した結晶を濾別後、減圧乾燥を行って、淡黄色の9−(4−ヒドロキシベンジル)−10−(4−ヒドロキシフェニル)アントラセン48.3g(収率53.3%)を得た。
[実施例1]
300mlの還流管付き反応容器に合成例1で得られた結晶(26.3g,0.07mol)、純水263.2g、48%苛性ソーダ(23.4g,0.28mol)を入れ、40℃で溶解した。37%ホルムアルデヒド水溶液(45.4g,0.56mol)を投入し、40℃で24時間反応を行った。次いで、反応液をメチルエチルケトン(263.2g)に溶解した後、20%硫酸で中和した。撹拌を止めて静置し、水層を除去した。減圧下にてメチルエチルケトンを留去した後、メチルイソブチルケトン(263.5g)及びトルエン(525.0g)を加え、10℃で撹拌した。析出した結晶を濾別し、粗結晶43.6gを得た。得られた粗結晶を、メタノール(43.6g)、トルエン(43.6g)に溶解した後10℃で撹拌し、析出した結晶を濾別し、減圧乾燥を行って、実施例1のアントラセン誘導体である淡黄色結晶25.4g(収率73.0%)を得た。
得られた結晶(実施例1のアントラセン誘導体)は、GPC純度98.6%、HPLC純度98.5%、融点161℃、換算屈折率1.655(25℃)であり、H−NMR(400MHz,DMSO−d6,δ,ppm/4.4,4.7,8H,−C OH/5.0,2H,−C −/5.0〜6.0,4H,−CH/7.0,7.2,4H,Phenyl−/7.4,7.5,7.7,8.4,8H,Anthryl−/7.8〜9.2,2H,Phenyl−O)及び13C−NMR(400MHz,DMSO−d6,δ,ppm/32.8,−−/52.5,52.5−OH/125.5,128.4,128.5,128.7,129.2,131.7,150.1,151.3,−Phenyl/125.2,125.4,125.9,127.7,129.9,130.2,132.7,137.0,−Anthryl)にて9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルベンジル)−10−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)アントラセンであることを確認した。図1にH−NMRチャート、図2に13C−NMRチャートを示す。またUVランプ(365nm)照射時の青色の発光を目視にて確認した。図3に吸収スペクトル、図4に蛍光スペクトル(励起波長:381nm)を示す。
[実施例2]
300mlの還流管付き反応容器にm−クレゾール(27.0g,0.25mol)及び実施例1で得られた結晶(24.8g,0.05mol)を入れ、撹拌しながら昇温した。80℃で蓚酸(0.08g)を投入し、内温約105℃で還流反応を3時間行った。次いで、還流管を外して170℃まで常圧脱水を行った後、減圧下に未反応のm−クレゾールを除去し、実施例2のノボラック樹脂(35.5g)を得た。
実施例2の樹脂は、分子量(Mw)4086、ガラス転移温度141.3℃、残炭率43.6%、換算屈折率1.663(25℃)であった。また、UVランプ(365nm)照射時の青色の発光を目視にて確認した。図5にGPCチャート、図6に吸収スペクトル図7に蛍光スペクトル(励起波長:383nm)を示す。
[比較例1]
実施例2において、実施例1で得られた結晶(24.8g,0.05mol)の代わりに合成例1で得られた結晶(18.8g,0.05mol)及びパラホルムアルデヒド(6.9g,0.21mol)を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、比較例1のノボラック樹脂(44.0g)を得た。
比較例1の樹脂は、分子量(Mw)547の透明感のない樹脂であり、GPCチャートより、原料の9−(4−ヒドロキシベンジル)−10−(4−ヒドロキシフェニル)アントラセンが樹脂構造内に取り込まれず残っていることを確認した。図8にGPCチャートを示す。
[比較例2]
実施例1において、合成例1で得られた結晶(26.3g,0.07mol)の代わりにビスフェノール−A(16.0g,0.07mol)を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、12.9g(収率53.0%)の2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)プロパン(比較例2の化合物)を得た。
得られた結晶(比較例2の化合物)は、GPC純度97.0%、HPLC純度90.8%、融点126℃、換算屈折率1.599(25℃)であり、UVランプ(365nm)照射を行ったが、目視では発光は確認できなかった。図9に吸収スペクトルを示す。
[比較例3]
実施例1において、合成例1で得られた結晶(26.3g,0.07mol)の代わりにビスフェノールフルオレンの市販品であるBPAF[商品名:JFEケミカル製/9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン](24.5g,0.07mol)を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い21.8g(収率66.3%)の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)フルオレン(比較例3の化合物)を得た。
得られた結晶(比較例3の化合物)は、GPC純度96.2%、HPLC純度92.8%、融点185℃、換算屈折率1.645(25℃)であり、UVランプ(365nm)照射を行ったが、目視では発光は確認できず、蛍光分光光度計による蛍光強度も非常に弱いものであった。図10に吸収スペクトル、図11に蛍光スペクトル(励起波長:313nm)を示す。
[比較例4]
実施例2において、実施例1で得られた結晶(24.8g,0.05mol)の代わりに比較例2で得られた結晶(17.4g,0.05mol)を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、比較例4のノボラック樹脂(29.7g)を得た。
比較例4の樹脂は、分子量(Mw)4234、ガラス転移温度113.9℃、残炭率25.0%、換算屈折率1.623(25℃)であった。また、UVランプ(365nm)照射を行ったが、目視では発光は確認できなかった。図12にGPCチャート、図13に吸収スペクトルを示す。
[比較例5]
実施例2において、実施例1で得られた結晶(24.8g,0.05mol)の代わりに比較例3で得られた結晶(14.1g,0.05mol)を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、比較例5のノボラック樹脂(20.7g)を得た。
比較例5の樹脂は、分子量(Mw)4729、ガラス転移温度128.3℃、残炭率39.9%、換算屈折率1.638(25℃)であった。また、UVランプ(365nm)照射を行ったが、目視では発光は確認できず、蛍光分光光度計による蛍光強度も非常に弱いものであった。図14にGPCチャート、図15に吸収スペクトル、図16に蛍光スペクトル(励起波長:313nm)を示す。
上述の評価結果として、実施例1のアントラセン誘導体及びこの比較例の比較例2並びに比較例3の化合物の評価結果を表1に、実施例2の樹脂及びこの比較例の比較例1、比較例4並びに比較例5の樹脂の評価結果を表2にあらためて示す。
本実施例で示されるように、実施例1のアントラセン誘導体は、他の熱硬化性ビスフェノール誘導体(比較例2、比較例3の化合物)より高い屈折率及び紫外線に対する蛍光特性を有することが示された。
また、実施例1のアントラセン誘導体を原料として得られた実施例2の樹脂は、メチロール基を有さないアントラセン誘導体とホルムアルデヒドを原料として製造した樹脂(比較例1の樹脂)よりも効率的に樹脂構造内にアントラセン骨格が組み込まれる為、高分子量にすることができ、高いガラス転移温度及び残炭率を有することが示された。
また、実施例2で示された樹脂は、同様にメチロール基を持つビスフェノール−A誘導体及びビスフェノールフルオレン誘導体より製造された樹脂(比較例4、比較例5の樹脂)と比較すると、屈折率、ガラス転移温度、残炭率、蛍光特性のいずれにおいても優れた特性を有することが示された。
本発明のアントラセン誘導体は、例えば樹脂原料や架橋剤として用いることができる。また、このアントラセン誘導体から得られる樹脂は、例えば成型品、積層品、シェルモールド、建材、接着材、摩擦材、塗料、砥石、電子材料、感熱紙、感圧紙、エポキシ樹脂用硬化剤、フォトレジスト材料、反射防止膜、半導体封止材、記録材料などに用いることができる。

Claims (6)

  1. 下記式(1)にて表されるアントラセン誘導体。
    (式(1)中、X及びYは、それぞれ独立に、芳香環上の1又は2以上の水素原子が*−CHOZで置換されているヒドロキシアリール基である。*は、ヒドロキシアリール基の芳香環上の炭素原子と結合する結合手である。X及びYに含まれる複数のZは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。)
  2. 上記X及びYは、それぞれ独立に、芳香環上の1又は2の水素原子が*−CHOZで置換されているヒドロキシフェニル基である請求項1に記載のアントラセン誘導体。
  3. 上記Zが、水素原子である請求項1又は請求項2に記載のアントラセン誘導体。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載のアントラセン誘導体を用いて得られる樹脂。
  5. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載のアントラセン誘導体及び請求項4に記載の樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む硬化性組成物。
  6. 請求項5に記載の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物。
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