JP2011195390A - 水素吸着材、吸蔵材および水素吸蔵方法 - Google Patents

水素吸着材、吸蔵材および水素吸蔵方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた水素吸着特性を有し、従来よりも軽量で大量生産が可能で且つ成型加工が容易な水素吸着材、吸蔵材、および水素吸蔵方法の提供。
【解決手段】一般式(I)
Figure 2011195390

[式中、nは10〜100,000の整数である。Rは置換基を有していてもよい環形成炭素数6〜14のアリール基または環形成炭素数4〜7の複素環基を表す]
で表される置換アセチレン重合体からなる水素吸着材および同吸着材を用いる水素吸蔵方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水素吸着材、吸蔵材および水素吸蔵方法に関する。より詳しくは、多環芳香族炭化水素基を含むアリール基または複素環基を側鎖に有する置換アセチレン重合体からなる水素吸着材、吸蔵材および同吸蔵材に水素を吸着させる水素吸蔵方法に関する。
水素は、燃焼後の生成物が水であるため環境負荷が小さいクリーンなエネルギー源として注目されている。水素を燃料として利用するため、水素の吸蔵及び運搬方法の検討が数多く行われてきた。水素を吸蔵及び運搬する方法としては、高圧ガスボンベによるものが一般的であるが、ガスボンベは重く、またガスボンベの単位容積当たりの吸蔵効率も実用上の限界があり、大きな吸蔵効率の向上は期待できない。
ガスボンベに代わる水素吸蔵方法として、繊維状の炭素系材料が、軽量かつ水素を吸蔵できる材料として注目され、これらを水素吸蔵材料として利用することが検討されてきた(例えば、特許文献1)。特許文献1には、芳香環を有する化合物を酸化重合してフィブリル状ポリマーを生成させ、該フィブリル状ポリマーを焼成して生成させた炭素材料からなる水素貯蔵材料が開示されている。該水素吸蔵材料は、吸蔵と放出の可逆性に優れるものの、脆性が高く、使用目的に応じた成型加工が困難である。
また、パラジウム(Pd)や、ニッケル(Ni)と希土類元素の合金等、種々の水素吸蔵合金および有機ポリマーからなる水素吸蔵体が提案されている(例えば、特許文献2)。しかし、Pd等の白金族金属やNiと希土類元素との合金等は高価であるため、安価な水素吸蔵体を得ることが困難であった。一方で、水素吸蔵合金はそれ自身が重いという欠点があり、水素吸蔵合金よりも軽量かつ水素吸蔵能力の高い材料の開発が求められている。
一方、高分子材料からなる分子吸着材は、軽量かつ成形加工が容易であることから注目されている(特許文献3)。特許文献3には、主鎖がラセン状であり、かつ、側鎖が主鎖のラセンの外側に位置するシス−トランソイド構造を有し、置換基としてアルキルエステルを有するポリアセチレン誘導体が凝集した多孔質体を含んで構成される分子吸着材が報告されている。この多孔質体は、隣接するラセン鎖同士がそのラセン軸を平行にして凝集し、擬ヘキサゴナル又はオルソロンビック結晶構造を有する。
また、この多孔質体では、隣接するラセン鎖同士が互いの側鎖によって排斥し合うため、ラセン鎖の中空部のみならず、ラセン鎖同士の間にも空隙即ち細孔を有する。この分子吸着材のうち、ポリプロピオル酸メチル、同エチル、同プロピルからなるものが水素分子を吸着するに適していることが報告されているが、K水素ガス吸着量は8.22mL(0℃、101.3kPa換算値)であり、種々の用途に用いるためにはさらなる吸着容量の増大が求められている。
また、特許文献3においては、ポリフェニルアセチレンの多孔質体の平均孔径の検討がなされているが、置換基の種類や置換基の分子構造と水素ガス吸着量との関係については述べられていない。
その他、ポリアセチレンを用いた水素吸蔵や水素ガス分離に関連する技術として、ポリアセチレン等を結着材として用いた金属・水素化物二次電池用の水素吸蔵合金電極(特許文献4参照)やポリアセチレン誘導体を膜状にして気体分離膜(特許文献5、6参照)として使用することなどが報告されているが、置換基の種類や置換基の分子構造と水素ガス吸着量との関係については述べられていない。
特開2001−146408号公報 特開2004−027346号公報 特開2005−319389号公報 特開平6−187979号公報 特開2002−322293号公報 特開2008−222796号公報
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、優れた水素吸着特性を有し、従来よりも軽量で大量生産が可能で且つ成型加工が容易な水素吸着材、吸蔵材、および水素吸蔵方法を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討し、環形成炭素数6〜14のアリール基または環形成炭素数4〜7の複素環基を側鎖に有する置換アセチレン重合体を水素吸着材として用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記
(1)一般式(I)
Figure 2011195390
[式中、nは10〜100,000の整数である。Rは置換基を有していてもよい環形成炭素数6〜14のアリール基または環形成炭素数4〜7の複素環基を表す]
で表される置換アセチレン重合体からなる水素吸着材、
(2)前記置換アセチレン重合体の主鎖骨格がらせん構造を形成し、同らせん構造の外側に配向した側鎖アリール基または複素環基がπ−πスタックした構造を有するものである上記(1)に記載の水素吸着材、
(3)前記重合体において、らせん構造を形成した主鎖骨格の幾何構造がシス−シソイド型であるものを含有する上記(1)または(2)に記載の水素吸着材、
(4)前記の置換アセチレンがフェニルアセチレンである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水素吸着材、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の水素吸着材からなる吸蔵材、
(6)水素吸着材が粉末または多孔質粒状体である上記(5)に記載の吸蔵材、
(7)一般式(I)
Figure 2011195390
[式中、nは10〜100,000の整数である。Rは置換基を有していてもよいい環形成炭素数6〜14のアリール基または環形成炭素数4〜7の複素環基を表す]
で表され、主鎖骨格がらせん構造を形成した置換アセチレン重合体の外側に配向した側鎖アリール基または複素環基がπ−πスタックした構造に水素を吸着させることを特徴とする水素吸蔵方法を提供する。
本発明に係る水素吸着材および吸蔵材は、有機重合体より構成されるため、水素吸蔵合金よりも軽く、炭素系材料よりも形態自由度に優れる。
また、本発明に係る水素吸着材および吸蔵材は、主鎖骨格がらせん構造を形成し、らせん構造の外側に配向した側鎖アリール基または複素環基の一部がπ−πスタックした構造を含有する置換アセチレン重合体からなるため、従来の多孔性高分子水素ガス吸着材を上回る水素分子吸着量を有する。
本発明に係る水素吸着材および吸蔵材は、上記の特徴を活かし、気体または液体水素を燃料とした自動車や燃料電池、水素を吸蔵するためのあらゆる形状のタンク、水素センサー等に好適に用いることができる。
また、本発明に係る水素吸蔵方法によれば、置換アセチレン重合体のらせん状高分子の外側に配向した、π−πスタックした一部の側鎖アリール基または複素環基の間隙に水素分子を吸着させることから、従来の多孔性水素吸着材または吸蔵材よりも、水素分子の吸着特性に優れる水素吸着材および吸蔵材を提供することができる。
実施例1〜3、比較例1により得られた水素ガス吸着材の77Kにおける水素ガス吸着等温線である。
本発明によれば、優れた水素吸着特性を有し、従来よりも軽量で大量生産が可能で且つ成型加工が容易な水素吸着材、吸蔵材、および水素吸蔵方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細について述べる。
上記一般式(I)で表わされる置換アセチレン重合体において、nは平均重合度であり、10〜100,000、好ましくは、100〜100,000の整数である。nを10以上とすることにより、得られる置換アセチレン重合体の成形性、得られた成形体の機械的強度がより優れるので好ましい。そして、置換アセチレン重合体の製造コストおよび成形コストを考慮すると、100,000以下であることが好ましい。
nが10〜100,000の置換アセチレン重合体の数平均分子量は1,000〜30,000,000程度となる。
後で述べる反応(重合)条件において、温度を低くするか、反応時間を短くするか、置換アセチレンの濃度を低くするか、重合触媒濃度を高くすると得られる置換アセチレン重合体の平均重合度(数平均分子量)は低くなる。
重合体の数平均分子量は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定を行い、ポリスチレン標準物質より求めた検量線を基に算出することができる。
上記一般式(I)において、Rは置換基を有していてもよい環形成炭素数6〜14のアリール基または環形成炭素数4〜7の複素環基を表す。アリール基は縮合多環芳香族炭化水素基を含む。
[環形成炭素数6〜14のアリール基または環形成炭素数4〜7の複素環基の説明]
上記一般式中、Rが表す環形成炭素数6〜14のアリール基としては、例えばフェニル基やビフェニル基ならびにナフチル基、アントラセニル基、フェナンスレニル基、ビフェニリル基などの縮合多環芳香族系炭化水素基が挙げられる。
中でも、原料入手の容易さの観点から、フェニル基であることが好ましい。これらの置換基は、主鎖の二重結合がシス型の重合体が形成するらせん構造の外側に配向し、一部の側鎖間でπ−πスタッキングを形成してらせん構造の安定化に寄与する。
得られた置換フェニルアセチレン重合体を後で述べる有機溶媒処理や加熱処理をすることによって、側鎖アリール基または複素環基がπ−πスタックした構造の含有量を増大させることができ、水素吸着量を増大させることができる。
環形成炭素数4〜7の複素環基としては、ピリジル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、ピラジル基、インドリル基、キノリル基などが挙げられる。
なお、側鎖アリール基または複素環基の一部がπ−πスタックした構造を有しているか否かは、後で述べる実施例で示されているように、X線回折装置を用いて、所定の回折角および走査速度で走査し、対称反射法によりWAXD分析を行なうことにより確認することができる。
これらのアリール基または複素環基は置換基を有していてもよい。
かかる置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などの直鎖状、分岐状または環状のアルキル基;ビニル基、アリル基、クロチル基、プレニル基、7−オクテニル基、シクロヘキセニル基などのアルケニル基;エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基、フェニルエチニル基などのアルキニル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシル基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、などのアルコキシ基;メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのアルキルチオ基;tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基などの三置換シリルオキシ基;アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシロキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;メチルスルフォキシド基、エチルスルフォキシド基、フェニルスルフォキシド基などのスルフォキシド基;メチルスルフォニルオキシ基、エチルスルフォニルオキシ基、フェニルスルフォニルオキシ基、メトキシスルフォニル基、エトキシスルフォニル基、フェニルオキシスルフォニル基などのスルフォン酸エステル基;ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、メチルフェニルアミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基などの1級または2級のアミノ基;アセチル基、ベンゾイル基、ベンゼンスルホニル基、tert−ブトキシカルボニル基などで置換された、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、フェニル基などのアルキル基またはアリール基などで置換されていてもよいアミノ基;水酸基;シアノ基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げられる。
[製造方法の説明]
本発明において、前記一般式(I)で示される置換アセチレン重合体は下記のような方法により合成される。以下に詳細を記す。
<置換アセチレンの重合(重合溶媒)>
本発明における置換アセチレンの重合は、通常、有機溶媒中で行う。かかる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、ネオペンチルアルコールなどのアルコール;(モノ、ジ、トリ)メチルアミン、(同)エチルアミン、(同)プロピルアミン、(同)ブチルアミンのようなアルキルアミン;エタノールアミンのようなアミノアルコール;ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ブチルメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル;アセトン、エチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、ジプロピルケトンなどのケトン;ヘプタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサンなどの炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。
これらの有機溶媒の中で、反応速度の観点からアルコール、アミン、アミノアルコールのような極性の高い有機溶媒を用いるのが好ましい。これらの有機溶媒は1つを単独で使用してもよいし、2つ以上を併用してもよい。
有機溶媒を使用する場合、有機溶媒の使用量に特に制限はないが、置換アセチレンおよび有機溶媒混合液全体中、通常、1〜95質量%であり、好ましくは70〜95質量%の範囲である。
有機溶媒の使用量を1質量%以上とすることにより、混合液の粘度が低下して効率的な攪拌ができるようになり、95質量%以下とすることにより、実用的な反応速度を維持することができる。
有機溶媒の使用量が多くなると得られる置換アセチレン重合体の平均重合度(数平均分子量)は低くなる。
<置換アセチレンの重合(重合触媒)>
本発明において、置換アセチレンを重合させる際、8−10族金属化合物を触媒として用いることが好ましい。
8−10族金属化合物としては、例えばロジウム錯体、パラジウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体などが挙げられる。ロジウム錯体としては、例えばクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、アセチルアセトナトビス(エチレン)ロジウム、アセチルアセトナトビス(シクロオクテン)ロジウム、アセチルアセトナト(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム、(1,5−シクロオクタジエン)ビス(トリフェニルホスフィン)ロジウムヘキサフルオロホスフェート、(ノルボルナジエン)トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ロジウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(ノルボルナジエン)ロジウムテトラフルオロボレート、クロロビス(エチレン)ロジウム ダイマー、クロロビス(シクロオクテン)ロジウム ダイマー、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム ダイマー、クロロ(ノルボルナジエン)ロジウム ダイマー、クロロ(ジシクロペンタジエニル)ロジウム ダイマー、クロロ(テトラフルオロベンゾバレレン)ロジウム ダイマーなどが挙げられる。
パラジウム錯体としては、例えばジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムが挙げられる。イリジウム錯体としては、アセチルアセトナト(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム、ビス(1,5−シクロオクタジエン)イリジウムテトラフルオロボレート、クロロビス(シクロオクテン)イリジウム ダイマー、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム ダイマーなどが挙げられる。
白金錯体としては、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)白金、ジクロロ(ジシクロペンタジエニル)白金などが挙げられる。
これらの中でも、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)ロジウム ダイマー、クロロ(ノルボルナジエン)ロジウム ダイマー、クロロ(テトラフルオロベンゾバレレン)ロジウム ダイマーが好ましく、重合活性ならびに工業的な入手性の観点からクロロ(ノルボルナジエン)ロジウム ダイマーがより好ましい。
上記8−10族金属化合物の使用量は、反応(重合)用混合液(置換アセチレンおよび後で述べる有機溶媒)1リットルあたり、金属原子換算で0.000001〜10モルの範囲であるのが好ましく、0.0001〜1モルの範囲であるのがより好ましい。8〜10族金属化合物の使用量が、金属原子換算で反応(重合)用混合液1リットルあたり0.000001モル未満であると、反応速度が極めて遅くなる傾向にあり、また10モルを超えてもそれに見合う効果が得られず、触媒コストが増大するのみである。
重合触媒濃度を高くすると得られる置換アセチレン重合体の平均重合度(数平均分子量)は低くなる。
<置換アセチレンの重合(重合助触媒)>
本発明における、置換アセチレンの重合には、反応の活性を高めるために、必要に応じて、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノエタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ピコリン、ルチジン、コリジン、キノリンなどのアミン類を重合助触媒として用いて実施してもよい。
該助触媒を使用する場合、その使用量は、8〜10族金属化合物の金属1モルに対して、通常、1モル以上添加するのが好ましく、反応のための有機溶媒として用いることもできる。
<置換アセチレンの重合(重合条件)>
本発明において、置換アセチレンを重合させる際の反応温度は、−60〜100℃の範囲であるのが好ましく、0〜40℃の範囲であるのがより好ましい。反応温度を−60℃以上とすることにより、反応が適度な時間内に進行し、100℃以下とすることにより、シス型からトランス型への異性化などの副反応を抑制することができる。
置換アセチレンの重合における反応時間は、通常、1分〜48時間の範囲であり、0.5〜10時間の範囲であるのが生産効率と得られる重合体の物性の観点から好ましい。通常、反応温度が低い場合は長時間で、温度が高い場合は短時間で反応を行うのが好ましい。
置換アセチレンの重合における反応圧力は、通常、常圧下に行われる。
置換アセチレンの重合は、通常、下記の手順で反応が行われる。
まず、有機溶媒に置換アセチレンを溶解させた混合液1を準備する。別途、同じ有機溶媒に触媒である8−10族金属化合物および重合助触媒等を溶解させた混合液2を準備する。次いで、混合液1と混合液2を混合(通常、混合液1を混合液2の中に滴下する)し、所定の反応温度に保ちながら撹拌して所定の時間反応させることによりシス型置換アセチレン重合体を含む反応液が得られる。
また、この重合に際して、置換アセチレン重合体の溶解度の低い貧溶媒、例えばアルコール、アミン、アセトニトリル、エーテル、酢酸エステル、アセトン、水又はn−ヘキサン等を用いることが好ましい。また、アミンを含むアルコール、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又は超臨界液体炭酸ガス等の混合溶媒を用いて、前記置換アセチレンを室温付近で数時間掛けて重合してもよい。このようにして重合された置換アセチレン重合体は溶媒中で析出して沈殿するため、粉末状または多孔質粒状の重合体として得られる。
<置換アセチレンの重合(置換アセチレン重合体の単離・精製法)>
本発明においては、置換アセチレンの重合工程で得られた反応液からシス型置換アセチレン重合体を一般的な手法によって単離、精製することができる。
即ち、得られた反応液をメタノール、水のような貧溶媒中に添加して重合体を沈殿させ、ろ過により分離後、乾燥することにより、シス型置換アセチレン重合体を取得することができる。該重合体は、必要に応じて、さらに、下記のような有機溶媒による再沈処理を施すか、貧溶媒とソックスレー抽出器等を用いて、残留する金属化合物や単量体成分を除去することができる。
<有機溶媒処理>
本発明で用いる置換アセチレン重合体は、必要に応じて有機溶媒処理することにより、主鎖骨格の幾何構造(らせん構造ピッチ)や結晶性を変化させて用いることができる。
有機溶媒処理としては、具体的には、以下の2つの方法が挙げられる。
(1)有機溶媒による再沈処理
有機溶媒による再沈処理を行う際に用いる有機溶媒としては、置換アセチレン重合体を溶解させるものであれば特に限定されないが、テトラヒドロフラン、クロロホルムやトルエンが特に好ましい。
重合反応で得られた置換アセチレン重合体を0.1〜30質量%程度の濃度になるように上記のような良溶媒に溶解し、次いで、メタノールのような貧溶媒中に滴下して置換アセチレン重合体を沈殿(再沈)させることにより、重合体中のπ−πスタックした構造を増大させ、結果として水素吸着量の増大を図ることができる。
(2)有機溶媒蒸気による暴露処理
有機溶媒蒸気による暴露処理を行う際に用いる有機溶媒としては、置換アセチレン重合体の主鎖骨格の幾何構造(らせん構造ピッチ)や結晶性を変化させるものであれば特に限定されないが、処理効率の観点から、テトラヒドロフラン、クロロホルムやトルエンが特に好ましい。これらの溶媒蒸気に置換アセチレン重合体を暴露させることにより、主鎖骨格の幾何構造の変化(らせん構造ピッチの減少)およびπ−πスタックした構造の増大を引き起こし、分子間隙のサイズおよび規則性を変化させ、所望の吸着性能を有する水素吸着材を得ることができる。
具体的な処理方法としては、不活性ガス雰囲気下または空気雰囲気下、シス型置換アセチレン重合体を有機溶媒蒸気に暴露させるか、密閉容器内にシス型置換アセチレン重合体を加え、系内を減圧状態とした後、有機溶媒蒸気により減圧を解除することにより行うのが好ましい。例えば、シス型置換アセチレン重合体が粉末状の場合、塔内で不活性ガス雰囲気下または空気雰囲気下、有機溶媒蒸気の雰囲気を形成させ、同重合体の粉末を上部から散布してもよいし、粉末または顆粒状のものを積層した中に有機溶媒蒸気を流通させても良い。フィルム状で処理する場合は、網状のスペーサーとともに巻回した状態で有機溶媒蒸気を流通させても良い。
次に具体的な溶媒蒸気暴露処理条件について示す。有機溶媒蒸気の分圧は、処理条件における有機溶媒蒸気の飽和蒸気圧またはそれ以下であるが、処理速度の観点からは飽和蒸気圧に近いほど好ましい。処理温度は、−20〜100℃の範囲であるのが好ましく、0〜40℃の範囲であるのがより好ましい。処理時間は、1秒〜20時間の範囲であるのが好ましく、1分〜10時間の範囲であるのがより好ましい。
<加熱処理>
本発明で用いる置換アセチレン重合体は、必要に応じて加熱処理することにより、主鎖骨格の幾何構造の変化(らせん構造ピッチの減少)および結晶性の増大を引き起こし、分子間隙のサイズおよび規則性を変化させ、所望の吸着性能を有する水素吸着材を得ることができる。
具体的な処理方法としては、不活性ガス雰囲気下または空気雰囲気下、シス型置換アセチレン重合体を所定の温度に加熱して保持することが好ましい。
次に具体的な溶媒処理条件について示す。好ましい加熱処理温度は50〜100℃である。50℃以上とすることにより、らせん構造のピッチや結晶性を効率良く変化させることができ、100℃以下とすることにより、主鎖骨格がシス型からトランス型に異性化したり、らせん構造および結晶が崩壊するのを防止することができる。
置換アセチレン重合体は、加熱処理をすることによっても側鎖アリール基または複素環基がπ−πスタックした構造の含有量を増大させることができ、水素吸着量は増大する。
<水素吸着材の形状>
本発明の水素吸着材の形状は特に制限されず、シス型置換アセチレン重合体を用いて製造できる成形体であればいずれでもよく、例えば、フィルム、シート、プレート、パイプ、チューブ、棒状体、粉末状、多孔質粒状体、各種異形成形体、繊維、中空糸、織布、編布、不織布、紙などを挙げることができる。
特に効率的に水素を吸着するという観点では、表面積が大きいほど有利であり、粉末状または多孔質粒状体であることがより好ましい。また、本材料を分離膜として用いる場合には、気体分子の透過性、選択性、処理効率の観点よりフィルムであることが好ましく、中空糸であることがより好ましい。
<粉末または多孔質粒状体>
本発明により得られる水素吸着材を粉末状または多孔質粒状体で用いる場合には、水素を多量に吸着させることのできる吸着材として利用することができる。粉末または多孔質粒状体の成形方法としては、置換アセチレンを重合する際の重合溶媒に、置換アセチレンに対して良溶媒で、置換アセチレン重合体に対して貧溶媒であるものを用いることで、置換アセチレン重合体の生成と同時に析出が起こり、粉末状または多孔質粒状の置換アセチレン重合体を得ることができる。
また、製造した種々の置換アセチレン重合体を良溶媒に溶解し、貧溶媒中に滴下することで粉末状の置換アセチレン重合体を得ることもできる。この場合、置換アセチレン重合体溶液濃度および貧溶媒の攪拌速度などにより、析出する粉末状または多孔質粒状の置換アセチレン重合体の粒子径または多孔性を制御することが可能である。
<フィルム>
本発明の水素吸着材はフィルム形状で用いても良い。フィルムの成形方法としては、置換アセチレン重合体を適当な溶媒に分散または溶解させて液状の有機重合体組成物を調製し、当該液状の有機重合体組成物を、剥離性の基材または支持体上に塗工した後、乾燥して溶媒を除去する方法などを採用することによって製造することができる。置換アセチレン重合体を溶解させる溶媒には、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等が例示される。
離型性の基材または支持体への、上記液状の有機重合体組成物の塗工方法は特に制限されず、液状の塗工材料を用いる従来から知られている塗工方法のいずれもが採用でき、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング法、カーテンコーティング法、スリットダイコーター法、グラビアコーター法、スリットリバースコーター法、マイクログラビア法、コンマコーター法などの塗工方法を採用することができる。
<支持体>
本発明の水素吸着材は単独のままで吸蔵材として使用できるが、必要に応じて、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン誘導体または紙等の天然若しくは合成繊維、或いはガラス若しくはアルミナ等の無機繊維と組み合わせて複合化してもよい。また、この水素吸着材または吸蔵材用の支持体の形状としては、バルク体、織布、不織布又はフィルム等が例示される。
<添加剤>
本発明の水素吸着材は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて、酸化防止剤、凍結防止剤、pH調整剤、隠蔽剤、着色剤、油剤、難燃剤、他の近赤外線吸収性化合物、紫外線吸収剤、色調補正剤、染料、酸化防止剤、その他の特殊機能剤の添加剤の1種または2種以上を含有させることができる。
<水素吸蔵方法>
本発明の水素吸蔵方法は、前記置換アセチレン重合体からなる水素吸着材における主鎖骨格がらせん構造を形成し、らせん構造の外側に配置された側鎖アリール基または複素環基の一部がπ−πスタックした構造であることを利用したものである。
吸蔵させるための水素を含有する原料は特に制限されず、例えば、天然ガス、都市ガス、ナフサ、灯油などの各種炭化水素を原料とし、それらの炭化水素を必要により脱硫したのち、Ni系やRu系の触媒を用いた改質装置により分解又は水蒸気と反応させて製造される改質ガス、水性ガス、重質石油留分の水素化分解に用いた排ガス、各種水添反応に用いた排ガス、コークス炉オフガス、転炉オフガス等から発生する水素含有ガス等が挙げられる。
水素を吸蔵させる際の温度は、低ければ低いほど好ましいが、冷却設備の規模やエネルギー経済性等の観点から0℃〜−196℃程度が好ましい。
水素を吸蔵させる際の圧力は、高ければ高いほど好ましいが、加圧設備の規模やエネルギー経済性等の観点から0.1〜10MPa程度が好ましい。
水素の吸蔵は、例えば、粉末状または多孔質粒状体や繊維状の置換アセチレン重合体を容器に充填し、上記のような水素含有ガスを上記温度および圧力に保持しながら流通させることにより行なう。
以下に本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の実施例および比較例における分析および評価は次のようにして行った。
(1)重合の確認
フーリエ変換型赤外分光光度計(FT−IR)を用いて測定を行い、置換アセチレンの三重結合に帰属されるピークの消失およびポリマー鎖二重結合に帰属されるピークの発現から置換アセチレン重合体の生成を確認した。測定条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置 :フーリエ変換型赤外分光光度計 JIR−5500(日本電子製)
モード:減衰全反射(ATR)法
積算回数:128回
(2)重合体の分子量測定
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定を行い、ポリスチレン換算の数平均分子量として算出した。測定条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置 :高速液体クロマトグラフィー LC−10(株式会社島津製作所製)
カラム:K−806L(Shodex)を2本連結(カラム温度:40℃)
移動相:クロロホルム(高速液体クロマトグラフィー用、和光純薬製)
流速:1.0ミリリットル/分
検出器:RI
濾過 :0.45μmフィルター
濃度 :0.5mg/ミリリットル
注入量:55μリットル
標品:ポリスチレンスタンダードキット(VARIAN製)
(3)重合体の分子構造:
1Hおよび13C NMR(核磁気共鳴)測定を行い、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準物質とした場合の化学シフト値から構造を同定した。
<分析条件>
装置 :超伝導核磁気共鳴装置 GSX−270(日本電子株式会社製)
溶媒 :0.05v/v%TMS含有重クロロホルム(和光純薬製)
濃度 :30mg/ミリリットル
温度 :25℃
積算回数:128回(1H測定時)、12,800回(13C測定時)
(4)重合体の構造解析
X線回折装置を用いて、回折角(2θ)=2〜40°の範囲を走査速度0.6°/分で走査し、対称反射法で測定した(WAXD分析)。測定条件の詳細を以下に示す。
<分析条件>
装置:回転対陰極X線回折装置 RINT2400(株式会社リガク製)
X線発生装置:封入管式X線発生装置
X線源:Cu 40kV 40mA
ゴニオメーター:試料水平ゴニオメーター
検出器:シンチレーションカウンター
ステップ幅:0.04°
スリット:発散スリット=1°
受光スリット=0.15mm
散乱スリット=1°
コリメーター:なし
サンプル:ガラス試料板に充填
(5)水素吸着測定
[純水素ガス吸着測定]
高精度ガス吸着量測定装置を用いて定容量法により、置換アセチレン重合体への純水素ガス吸脱着量を測定した。以下に測定方法について具体的に示す。
<分析条件>
装置:高精度ガス吸着量測定装置 BELSORP−18(日本ベル株式会社製)
測定試料の前処理:室温下12時間ロータリーポンプにより減圧乾燥(到達真空度:5Pa)
吸着質:純水素ガスまたは純二酸化炭素ガス
吸着平衡時間:500秒
空気恒温槽温度:40℃
吸着温度:77K、273Kのうち、任意の温度
<分析手順>
測定試料の前処理
測定試料に吸着されている不要な分子を除去するため、所定量を秤量した置換アセチレン重合体を試料セル(J.YOUNGチューブ)に封入し、室温下で12時間ロータリーポンプにより減圧乾燥した(到達真空度:5Pa)。
死容積および混合ガス測定
以下、装置のプログラムについて記載する。前処理後の試料セルを装置にセットし、測定を開始すると、まず試料セルにヘリウムを充填して圧力が一定になるまで保持した後、試料セル内の死容積を測定する。死容積測定後、再び試料セル内を真空排気し、続いて試料セル内に任意の測定ガスを所定量注入して、その注入直後の圧力と500秒経過時(平衡時)の圧力とを測定し、それらの測定値の差に基づいて、試料に吸着された単位重量当たりの任意の測定ガス容量(273K、101.3kPa換算値)を求める。そして、この任意の測定ガスの注入及び吸着量の算出を、試料セル内の圧力が101.3kPa(最高圧)になるまで繰り返し行った。
〔実施例1〕
容器としてマグネットスターラー、窒素ラインと窒素バルーンを三方コックにて接続したジムロート冷却器、セプタムを備えた50ミリリットルの三つ口フラスコを用いた。
三つ口フラスコ中に窒素バブリングした蒸留トリエチルアミン20ミリリットルに溶解させたクロロ(ノルボルナジエン)ロジウム二量体230mg(0.5ミリモル)を供給し、窒素雰囲気下、40℃に保持した。
次いで、窒素バブリングした蒸留トリエチルアミン5ミリリットルに溶解させたフェニルアセチレン5.107g(50ミリモル)を0.5ミリリットル/分で供給した。供給完了後、窒素雰囲気下、40℃で5時間保持して反応させた。反応の進行と共に、黄色の析出物が確認された。
所定時間経過後、過剰のメタノールを添加して反応を停止し、黄色の析出物をろ別後、さらにメタノールで数回洗浄し、室温で12時間減圧乾燥した。
得られた黄色の析出物についてFT−IR測定を行い、単量体の三重結合由来の2110cm-1(νC≡C)、3291cm-1(νH−C≡)のピークの消失、および重合体主鎖の二重結合由来の1621cm-1(νC=C)、2958cm-1(νH−C=)の出現をもって重合体が生成していることを確認した。得られた重合体の数平均分子量は24,815〔一般式(I)におけるn≒243〕であった。
得られた重合体はクロロホルムに可溶であるため、重クロロホルムに溶解し、1H NMR測定を行った結果、σ(ppm)=5.84ppm(−C=C−:1H)、6.62−6.94pm(−C6 5 :5H)にそれぞれ帰属されるピークを有しており、フェニルアセチレン重合体であることを確認した。
続いて、WAXD分析を行った結果、面間隔d=10.8Å(2θ=8.2°)に出現した回折ピークが六方晶の(100)面に帰属されると仮定した場合、面間隔dと格子定数の関係式
1/d2 = 4(h2+hk+k2)/3a2 + l2/c2
a,c:結晶軸の長さ [Å]
h,k,l:ミラー指数 [−]
から、a=12.5Åが得られる。同様に、面間隔d=5.0Å(2θ=17.7°)に出現した回折ピークが六方晶の(200)面に帰属されると仮定した場合、a/2=5.8Åが得られ、面間隔d=10.8Å(2θ=8.2°)に出現した回折ピークと等価の面であったので、得られた重合体に含有されている結晶構造は擬六方晶であると帰属した。一方、面間隔d=3.4Å(2θ=26.3)に、側鎖ベンゼン環がπ−πスタックした場合の距離に相当するピークが確認され、結晶中のらせん構造間に集積した一部のベンゼン環がπ−πスタックしていることが示唆された。
得られたフェニルアセチレン重合体について、77Kにおける水素ガス吸着測定を行った。得られた吸着等温線を図1に示す。
図1において、横軸は吸着圧を、縦軸は0℃(273K)、大気圧に換算したフェニルアセチレン重合体1gあたりの水素ガスの吸着量(ml)を表わす(以下の実施例および比較例においても同じ)。
大気圧(101.3kPa)におけるフェニルアセチレン重合体1gあたりの水素ガス吸着量(STP:273K、101.3kPa換算値)は、16.1ミリリットルであった。
〔実施例2〕―溶媒処理
実施例1において、得られた黄色のフェニルアセチレン重合体500mgにテトラヒドロフラン19.5gを加え、溶解した溶液をメタノール500ミリリットルに滴下することで、橙色の粉末432mgを得た。
得られた粉末についてFT−IR測定および1H NMR測定を行ったところ、実施例1で得られたフェニルアセチレン重合体と同様のスペクトルが得られ、フェニルアセチレン重合体の一次構造が変化していないことを確認した。得られた重合体の数平均分子量は12,448〔一般式(I)におけるn≒122〕であった。
続いて、WAXD分析を行った結果、面間隔d=11.1Å(2θ=8.0°)に出現した回折ピークが六方晶の(100)面に帰属されると仮定した場合、面間隔dと格子定数の関係式
1/d2 = 4(h2+hk+k2)/3a2 + l2/c2
a,c:結晶軸の長さ [Å]
h,k,l:ミラー指数 [−]
から、a=12.8Åが得られる。同様に、面間隔d=5.6Å(2θ=15.7°)に出現した回折ピークが六方晶の(200)面に帰属されると仮定した場合、a/2=6.5Åが得られ、面間隔d=11.1Å(2θ=8.0°)に出現した回折ピークと等価の面であったので、得られた重合体に含有されている結晶構造は擬六方晶であると帰属した。また、実施例1の結果と比較して、らせん直径が0.3Å増大していることから、主鎖の幾何構造がシス−トランソイド型からシス−シソイド型に転換されていることが示唆された。一方、面間隔d=3.4Å(2θ=26.3)に、フェニル基がπ−πスタックした場合の距離に相当する強いピークが確認され、シス−シソイド型らせん構造側鎖のフェニル基および結晶中のらせん構造間に集積した一部のフェニル基がπ−πスタックしていることが示唆された。
得られたフェニルアセチレン重合体について、77Kにおける水素ガス吸着測定を行った。得られた吸着等温線を図1に示す。大気圧(101.3kPa)におけるフェニルアセチレン重合体単位重量あたりの水素ガス吸着量(STP:273K,101.3kPa換算値)は、42.3ミリリットルであった。
以上の結果より、本発明の水素吸着材は溶媒処理によってπ−πスタック構造含有量が増大し、その結果水素吸着量も向上することは明らかである。
〔実施例3〕―加熱処理
実施例1において、得られた黄色のフェニルアセチレン重合体500mgを、減圧下、170℃で8時間保持した。
得られた粉末についてFT−IR測定および1H NMR測定を行ったところ、実施例1で得られたフェニルアセチレン重合体と同様のスペクトルが得られ、フェニルアセチレン重合体の一次構造が変化していないことを確認した。得られた重合体の数平均分子量は12,448〔一般式(I)におけるn≒122〕であった。
続いて、WAXD分析を行った結果、面間隔d=11.1Å(2θ=8.0°)に出現した回折ピークが六方晶の(100)面に帰属されると仮定した場合、面間隔dと格子定数の関係式
1/d2 = 4(h2+hk+k2)/3a2 + l2/c2
a,c:結晶軸の長さ [Å]
h,k,l:ミラー指数 [−]
から、a=12.8Åが得られる。同様に、面間隔d=5.6Å(2θ=15.7°)に出現した回折ピークが六方晶の(200)面に帰属されると仮定した場合、a/2=6.5Åが得られ、面間隔d=11.1Å(2θ=8.0°)に出現した回折ピークと等価の面であったので、得られた重合体に含有されている結晶構造は擬六方晶であると帰属した。また、実施例1の結果と比較して、らせん直径が0.3Å増大していることから、主鎖の幾何構造がシス−トランソイド型からシス−シソイド型に転換されていることが示唆された。一方、面間隔d=3.4Å(2θ=26.3)に、フェニル基がπ−πスタックした場合の距離に相当する強いピークが確認され、シス−シソイド型らせん構造側鎖のフェニル基および結晶中のらせん構造間に集積した一部のフェニル基がπ−πスタックしていることが示唆された。
得られたフェニルアセチレン重合体について、77Kにおける水素ガス吸着測定を行った。得られた吸着等温線を図1に示す。大気圧(101.3kPa)におけるフェニルアセチレン重合体単位重量あたりの水素ガス吸着量(STP:273K,101.3kPa換算値)は、25.5ミリリットルであった。
以上の結果より、本発明の水素吸着材は熱処理によってπ−πスタック構造含有量が増大し、その結果水素吸着量も向上することは明らかである。
〔比較例1〕
実施例1において、フェニルアセチレンに代えてエチルプロピオレート4.905g(50ミリモル)、トリエチルアミンに代えてメタノールを用いた以外は、実施例1と同様に反応を行った。
得られた重合体についてFT−IR測定を行い、単量体の三重結合由来の2127cm-1(νC≡C)、3280cm-1(νH−C≡)のピークの消失、および重合体主鎖の二重結合由来の1625cm-1(νC=C)、2985cm-1(νH−C=)の出現をもって重合体が生成していることを確認した。得られた重合体の数平均分子量は22,000〔一般式(I)におけるn≒224〕であった。
得られた重合体はクロロホルムに可溶であるため、重クロロホルムに溶解し、1H NMR測定を行った結果、σ(ppm)=1.23ppm(−CH2−C 3 :3H)、3.97pm(−C 2 −CH3:2H)、6.86ppm(−C=C−:1H)にそれぞれ帰属されるピークを有しており、エチルプロピオレート重合体であることを確認した。
続いて、WAXD分析を行った結果、面間隔d=10.7Å(2θ=8.3°)に出現した回折ピークが六方晶の(100)面に帰属されると仮定した場合、面間隔dと格子定数の関係式
1/d2 = 4(h2+hk+k2)/3a2 + l2/c2
a,c:結晶軸の長さ [Å]
h,k,l:ミラー指数 [−]
から、a=12.4Åが得られる。同様に、面間隔d=5.6Å(2θ=15.8°)に出現した回折ピークが六方晶の(200)面に帰属されると仮定した場合、a/2=6.5Åが得られ、面間隔d=10.7Å(2θ=8.3°)に出現した回折ピークと等価の面であったので、得られた重合体の結晶構造は擬六方晶であると帰属した。
一方、面間隔d=3.4Å(2θ=26.3)にピークは確認されなかった。この結果は、側鎖にアリール基を持たないエチルプロピオレート重合体が、π−πスタックした規則構造を持たないことを示唆している。
得られたエチルプロピオレート重合体について、77Kにおける水素ガス吸着測定を行った。得られた吸着等温線を図1に示す。
大気圧(101.3kPa)におけるエチルプロピオレート重合体単位重量あたりの水素ガス吸着量(STP:273K,101.3kPa換算値)は、9.4ミリリットルであった。
図1に示す結果より、本発明の多環芳香族炭化水素基を含むアリール基を側鎖に有し、主鎖骨格がらせん構造を形成し、らせん構造の外側に配置された側鎖アリール基がπ−πスタックした構造を含有する水素吸着材が、高い水素ガス吸着量を有することは明らかである。また、溶媒処理や熱処理によってπ−πスタック構造含有量が向上し、結果として水素ガス吸着容量も向上することが示された。
〔比較例2〕―二酸化炭素ガス吸着
実施例1において得られたフェニルアセチレン重合体について、273Kにおける二酸化炭素吸着測定を行ったところ、大気圧(101.3kPa)におけるフェニルアセチレン重合体単位重量あたりの二酸化炭素吸着量(STP:273K,101.3kPa換算値)は、7.7ミリリットルであった。
〔比較例3〕―二酸化炭素ガス吸着
実施例2において得られたフェニルアセチレン重合体について、273Kにおける二酸化炭素吸着測定を行ったところ、大気圧(101.3kPa)におけるフェニルアセチレン重合体単位重量あたりの二酸化炭素吸着量(STP:273K,101.3kPa換算値)は、7.6ミリリットルであった。
〔比較例4〕―二酸化炭素ガス吸着
実施例3において得られたフェニルアセチレン重合体について、273Kにおける二酸化炭素吸着測定を行ったところ、大気圧(101.3kPa)におけるフェニルアセチレン重合体単位重量あたりの二酸化炭素吸着量(STP:273K,101.3kPa換算値)は、7.7ミリリットルであった。
実施例1〜3と比較例2〜4の結果を比較すると、本発明のアリール基を側鎖に有し、主鎖骨格がらせん構造を形成し、らせん構造の外側に配置された側鎖アリール基がπ−πスタックした構造を含有する水素吸着材において、水素ガス吸着容量はフェニルアセチレン重合体のπ−πスタック構造や幾何構造などの高次構造に依存して変化している。
一方、二酸化炭素吸着容量はフェニルアセチレン重合体の高次構造に依存して変化しないことは明らかである。これは、らせん構造の外側に配置されたアリール基がπ−πスタックした構造に水素が吸着されるのに対し、二酸化炭素はらせん構造を形成したフェニルアセチレン重合体の分子間隙に吸着されていることを示唆している
本発明の水素吸着材、吸蔵材および水素吸蔵方法は、気体および液体水素を燃料とした自動車や燃料電池、水素を吸蔵するあらゆる形状のタンク、水素センサー等に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 一般式(I)
    Figure 2011195390
    [式中、nは10〜100,000の整数である。Rは置換基を有していてもよい環形成炭素数6〜14のアリール基または環形成炭素数4〜7の複素環基を表す]
    で表される置換アセチレン重合体からなる水素吸着材。
  2. 前記置換アセチレン重合体の主鎖骨格がらせん構造を形成し、同らせん構造の外側に配向した側鎖アリール基または複素環基がπ−πスタックした構造を有するものである請求項1記載の水素吸着材。
  3. 前記重合体において、らせん構造を形成した主鎖骨格の幾何構造がシス−シソイド型であるものを含有する請求項1または2に記載の水素吸着材。
  4. 前記の置換アセチレンがフェニルアセチレンである請求項1〜3のいずれかに記載の水素吸着材。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の水素吸着材からなる吸蔵材。
  6. 水素吸着材が粉末または多孔質粒状体である請求項5に記載の吸蔵材。
  7. 一般式(I)
    Figure 2011195390
    [式中、nは10〜100,000の整数である。Rは置換基を有していてもよいい環形成炭素数6〜14のアリール基または環形成炭素数4〜7の複素環基を表す]
    で表され、主鎖骨格がらせん構造を形成した置換アセチレン重合体の外側に配向した側鎖アリール基または複素環基がπ−πスタックした構造に水素を吸着させることを特徴とする水素吸蔵方法。
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