JP2011194155A - 輸液ポンプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】輸液ポンプ10は、薬液を導入する輸液チューブ21を有するカセット20を着脱可能に装着した状態で、薬液を送出するための輸液送り部としてのロータユニット31と、このロータユニット31を駆動する電源として繰り返して充電可能な電池Bと、ロータユニット31を駆動するための電源として商用交流電源に接続して交流/直流変換し、電池Bに充電可能な電源アダプタ70と、制御部100と、カセット20を装着するとロータユニット31へ供給する電源をオンするためのオン信号を制御部100に送り、カセット20を外すとロータユニット31へ供給する電源をオフするためのオフ信号を制御部100に送る電源オンオフ操作部150を有する。
【選択図】図6
Description
このような輸液ポンプのうち、例えば、医療機関だけでなく、在宅でも使用できるようにコンパクトに形成したものが知られている(特許文献1参照)。
特許文献1の輸液ポンプは、外部から導入される薬液を通す可撓性チューブを着脱式のカセットに導く構成とされている。
そして、使用者の手間を省くため、すなわち、新しい電池を入れることにより、機器の電源を自動的にオンし、送液可能とする構成とされていた。
しかし、高齢者のような患者が、このような乾電池の交換作業を毎日行うことは、患者にとっては大きな負担になっている。
そして、電源アダプタを用いても、電源アダプタを通じては乾電池に対して充電することはできないので、輸液ポンプの輸液動作を停止しないようにして円滑に使用できるようにするために、上述したように毎日、前日に使用した乾電池を新しい乾電池に交換することが必要とされている。
したがって、このような電力の無駄を省こうとすると、ケースに電源スイッチを別途設ける等しなければならず、その分使用者に操作の負担がかかる。
しかも、電源オンオフは、新しく電池を装着することではなく、前記カセットを装着するタイミングで行うようにしたので、常時収納されている前記充電可能な電池の電源は、送液時にだけ使用されるようにすることができ、省電力を図ることができる。
上記構成によれば、突起部材を移動するだけでスイッチを操作でき、簡単な構成でありながら制御部に対して電源のオン信号とオフ信号を供給できる。
上記構成によれば、例えば輸液チューブがからんだり捩じったりしてカセットを一旦外して再度装着しようとする場合に、電源をオンしたまま維持できるので電源がオフしてしまうのを防ぎ、再度最初からシーケンスを繰り返す必要が無いので、輸液ポンプの使用勝手が向上する。
上記構成によれば、電源オンオフ操作部は、前記カセットがカセット収納部に対して正常に装着されているかを検出できる。
図1は、本発明の輸液ポンプのカセット収納部のカバー(透明)を閉じた概略斜視図であり、図2はそのカセット収納部のカバーを開いた状態を示す概略正面図、図3は輸液ポンプのカセット収納部のカバーを開き、カセットを収納した状態を示す概略斜視図である。
図1〜図3において、輸液ポンプ10は、例えば、略矩形の筐体としての本体11を有している。本体11は、前筐体49と後筐体44を有する。本体11は、輸液ポンプ10の構成物のケースであり、好ましくは、耐薬品性、耐衝撃性を有する熱可塑性合成樹脂、例えば、ハイインパクトスチロールやABS樹脂等で形成されている。
前筐体49には、例えば、発光ダイオードランプのような点灯手段による点灯表示部LPが、表示部18の付近に配置されている。この点灯表示部LPは、例えば点滅することにより警報内容を、例えば患者あるいは周囲の家族の人に目視で報知するようになっている。
また、前筐体49には、表示部18の付近にブザー88とスピーカ89が配置されている。ブザー88は警報内容を警報音で報知でき、スピーカ89は警報内容を音声で報知する機能を有する。
図2に示すように、このロータユニット31の外周には、例えば、4か所以上の図示例では5つのチューブ押圧部31Rが設けられており、ロータユニット31のチューブ押圧部31Rが図2の矢印方向に回転することにより、順次チューブ21を順次押圧して、チューブ21に対して蠕動様運動を付与することができる。このロータユニット31は、外部から薬液を導入するための輸液チューブに対して圧接し、該輸液チューブに対して蠕動様運動をさせて、薬液を送出するための輸液送り部の一例である。本実施形態では、蠕動様運動させて薬液を送出しているが、これに限らず、フィンガ方式を用いても良い。このとき、送液される設定流量の範囲は、5〜300mL/hであり、また輸液ポンプ10の総重量は、電池を入れた状態で約320gである。
図1〜図3に示すように、上記閉塞検出部83は、カセット20がカセット収納部15内に収納されたことを検出して、カセット20のチューブ21が閉塞されているか否かを検出する。この閉塞検出部83には、カセット検出用の突起部材99が設けられている。この突起部材99は、図1と図2に示す付勢部材133の力により、カセット収納部15内においてC方向に沿って突出している。しかし、図3に示すように、カセット20がカセット収納部15内に収納された状態では、突起部材99は、図1と図2に示す付勢部材133の力に抗してD方向に押されることで、図2に示すスイッチ134がオンとなり、このオン信号は図6の制御部100に通知されるようになっている。
図2において、第2のスライダ33の右方の下側には、カセット20をカセット収納部15に配置する際の目印となるマーク34と、該マーク34の下方にはカセット20を装着する際のストッパとして機能する突起部35が設けられている。
カセット20は、合成樹脂で形成された図示のような横長のケース体であり、該ケース体の外縁に沿って矢印F方向から導入され、カセット20の右端部でほぼU字状に曲折され、矢印E方向に導出されている可撓性チューブ(輸液チューブ)21を収容するものである。該チューブ21に対しては、薬液が外部から矢印F方向に導入され、矢印E方向に導出され、該矢印E方向の延長には、留置針などが接続されて患者に輸液されるものである。チューブ21内の輸液を目視できるように、カバー12とカセット20は好ましくは透明部材で作られている。なお、カバー12には切欠き部19が設けられており、該切欠き部19からチューブ21がカバー12の外部に導出されるようになっている。
また、カセット20の下部の一端寄りには露出部24が形成されており、該露出部24はケース体の一部を切欠き、チューブ21の一部を外部に露出させている。このチューブ21の露出部にロータユニット31のチューブ押圧部31Rが押圧されることで、上述したように蠕動様運動がチューブ21に付与されるようになっている。
スリット22,23には、図2で説明した第1のスライダ32と第2のスライダ33がそれぞれ入り込むようになっている。そして、図3に示すように、カバー12を矢印A方向に閉じた際には、ヒンジ13よりも該カバー12の内側に設けられた当接部14がカセット20を押すことにより、該カセット20がカセット収納部15において矢印B方向に移動される。
このカセット20の移動により、各係合用スリット22,23に入り込んだ第1のスライダ32と第2のスライダ33の付勢方向(図2の矢印C方向)に働く付勢力に抗して、第1のスライダ32と第2のスライダ33を矢印D方向に移動させることができる。これにより、カセット20はカバー12を閉止した状態においては、カバー12の押圧部14と第1のスライダ32と第2のスライダ33に挟まれて固定されるとともに、チューブ21はロータユニット31側に押圧されている。
図3のように、本体11のカセット収納部15内にカセット20を収納してカバー12を閉じると、カセット20の横スリット25bのスライダ29が、ストッパ26を付勢手段26aの力に抗して矢印D方向に押し込むことにより、ストッパ26の先端部はチューブ21から離れる。これにより、チューブ21は開放されて輸液の流れ止めは解除でき、チューブ21には輸液を導入でき、ロータユニット31のチューブ押圧部31Rの動きにより患者に対して送液できる。
電源アダプタ70は、アダプタプラグ71と、差し込みプラグ72と、ケーブル73,74と、交流/直流コンバータ75を有している。本体11の後筐体44には、カバー45を有しており、このカバー45を開けて、アダプタプラグ71の電気接続部77は、本体11の電気接続用のジャック78に対して着脱可能に差し込むことで、電気的に接続することができる。アダプタプラグ71と差し込みプラグ72は、ケーブル73,74と交流/直流コンバータ75を用いて電気的に接続されている。差し込みプラグ72は、例えば自宅の100Vの商用交流電源のコンセント46に対して着脱可能に差し込むことで、100Vの商用交流電源が交流/直流変換されて直流電源を得て、この直流電源が、例えば上述したモータMや制御部100に供給されるようになっている。
図6に示すブロック図では、本体11の前筐体49と後筐体44と、カバー12を示しており、カバー12側にはカセット20とこのカセット20のチューブ21が配置されている。
図6に示す後筐体44には、ジャック78と、電源回路80と、繰り返して充電可能な電池Bと、充電回路200と、電池残量回路201が配置されている。ジャック78は、電池Bと電源回路80と充電回路200に対して電気的に接続されている。充電回路200は電池Bの電気的に接続されている。電池残量回路201は、充電回路200と電源回路80と電池Bに対して電気的に接続されている。充電回路200は制御部100に電気的に接続されている。電池残量回路201は、電池Bの電池残量を測定して、制御部100に通知する。
この電池Bは、制御部100の指令により、ジャック78に接続された電源アダプタ70と電源回路80を通じて、充電回路200から充電できるようになっている。すなわち、輸液ポンプ10が電源アダプタ70を介して図4に示す商用交流電源のコンセント46に接続されていれば、100Vの商用交流電源を電源アダプタ70により直流電源に変換して、制御部100が電池残量回路201からの電池残量に基づいて指令することにより、電源回路80と充電回路200を通じて電池Bに対して充電できるようになっている。
図6には突起部材99とスイッチ134が配置されている。図2と図6に示すように突起部材99とスイッチ134は電源オンオフ操作部150を構成しており、すでに図2を参照して説明しているが、カセット20がカセット収納部15内に収納された状態では、突起部材99は、図2に示す付勢部材133の力に抗してZ1方向に押されることで、図6に示すスイッチ134がオンとなり、このオン信号は制御部100に供給されるようになっている。逆に、カセット20がカセット収納部15内から外されると、突起部材99は、図2に示す付勢部材133の力によりZ2方向に押されることで、図に示すスイッチ134がオフとなり、このオフ信号は制御部100に供給されるようになっている。
開始停止スイッチ17は、開始停止検出回路84に電気的に接続され、開始停止検出回路84は、開始停止スイッチ17が、図1に示す開始位置に位置されているか停止位置に位置されているかを検出して、その状態を制御部100に通知する。制御部100はCPU110を有しており、メモリ部111は、制御部100のCPU111により処理すべきプログラムが記憶されているROM(読み出し専用メモリ)である。
ブザー88は、ブザー回路90に電気的に接続され、スピーカ89は、音声回路91に電気的に接続されている。ブザー回路90と音声回路91は、制御部100に電気的に接続されている。その他に、外部通信回路101が制御部100に電気的に接続されている。
患者が輸液ポンプ10を最初に使用しようとする場合には、図7のステップS1から作業を開始する。図5に示すように、例えば患者が2本の充電可能な電池Bを電池収容部41内に収容して、ステップS2では、図2に示すようにカバー12を開けてカセット収納部15を開放し、図3に示すようにカセット20をこのカセット収納部15内に装着する。
ただし、患者が最初に輸液ポンプ10を使用する場合には、ステップS1から始めるが、2回目からの輸液ポンプ10の使用に際しては、電池Bは電池収容部41に入れたままで、ステップS2に示すカセット20の装着動作から始めればよい。
図7のステップS4では、患者が図3に示す開始停止スイッチ17をスライドして「停止位置」から「開始位置」にした後に、図7のステップS5では、図6の電源回路80がモータ駆動回路81に指令を与えてモータMを駆動することで、図3に示すロータユニット31が矢印方向に沿って連続回転する。これにより、図2の矢印方向に沿ってロータユニット31の複数のチューブ押圧部31Rが回転することにより順次チューブ21を順次押圧して、チューブ21に対して蠕動様運動を付与する
また、送液動作が終了して、例えば患者がカバー12を開けてカセット20をカセット収納部15から取り外して、予め定めた待機時間を経過した時点で、自動的に電源オフすることができる。これにより、電池を輸液ポンプ内に入れたままで出さないで電池に自動的に充電することができ、電池の交換作業を不要にできる。
これにより、繰り返して充電可能な電池を輸液ポンプに装填したままで、この電池に対して自動的に充電することができるので、例えば患者や周囲の家族の人が電池の交換作業をする必要がなくなり、輸液ポンプの使用勝手が向上する。
これにより、突起部材99を移動するだけでスイッチ134を操作でき、簡単な構成でありながら制御部199に対して電源のオン信号とオフ信号を供給できる。
これにより、例えば輸液チューブ21がからんだり捩じったりしてカセット20を一旦外して再度装着しようとする場合に、電源をオンしたまま維持できるので電源がオフしてしまうのを防ぎ、再度最初からシーケンスを繰り返す必要が無いので、輸液ポンプ10の使用勝手が向上する。
これにより、電源オンオフ操作部150は、カセット20がカセット収納部15に対して正常に装着されているかを検出できる。
点灯表示部LPは、発光ダイオードランプを用いているが、ほかの種類のランプでもよい。電池収容部41は、本体11の裏面に露出せず本体11の側面に露出してもよく、その場合、蓋体の形状は本実施形態とは異なる形態とすることができるが、本実施形態と同様に係合構造を採用することができる。輸液ポンプのカバーの構成やカセットの着脱構造は、上記実施形態の構成に限定されず、種々の形態が採用され得る。例えば、カセット20に設けたストッパ26は、これを本体11側に設けて、外部に露出させ、カセットを装着した際に、カセット内に入り込んで、チューブを押圧する構成にする等種々の改変が可能である。
また、スライド(摺動)部材側に係合段部や傾斜面を設け、本体側に係合片や解除付勢部を設けて、上述の実施形態と同等の作用を発揮させるようにしてもよい。
Claims (4)
- 輸液チューブを有するカセットを着脱可能に装着した状態で使用する、薬液を送出するための輸液送り部と、
該輸液送り部を駆動するための電源として繰り返して充電可能な電池と、
前記輸液送り部を駆動するための電源として商用交流電源に接続して交流/直流変換し、前記電池に充電可能な電源アダプタと、
前記輸液送り部を駆動するとともに、前記電源と接続された制御部と、
前記カセットを装着すると前記輸液送り部へ供給する前記電源をオンするためのオン信号を前記制御部に送り、前記カセットを外すと前記輸液送り部へ供給する前記電源をオフするためのオフ信号を前記制御部に送る電源オンオフ操作部と
を有することを特徴とする輸液ポンプ。 - 前記電源オンオフ操作部は、前記カセットを装着することで移動し前記カセットを外すと逆に移動する突起部材と、前記カセットを装着して前記突起部材を移動することにより前記オン信号を前記制御部に送り、前記カセットを外して前記突起部材を逆に移動することにより前記オフ信号を前記制御部に送るスイッチと、を有することを特徴とする請求項1に記載の輸液ポンプ。
- 前記制御部は、前記カセットを外して前記オフ信号が送られてから予め定めた待機時間を経過すると、前記電源を自動的にオフにすることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の輸液ポンプ。
- 前記カセットを着脱可能に収納するカセット収納部を有し、前記電源オンオフ操作部は、前記カセットが前記カセット収納部に対して正常に装着されているかを検出する検出センサを兼ねていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の輸液ポンプ。
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