JP2011192888A - リチウムイオンキャパシタおよびその製造方法、正極およびその製造方法、並びに、蓄電デバイス - Google Patents

リチウムイオンキャパシタおよびその製造方法、正極およびその製造方法、並びに、蓄電デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギー密度の大きいリチウムイオンキャパシタを提供する。
【解決手段】本発明に係るリチウムイオンキャパシタは、正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液と、を含み、正極活物質層は、リチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方を可逆的に担持可能な正極活物質を有し、負極活物質層は、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を有し、正極活物質は、フッ素アクリル樹脂によって結着されて正極活物質層をなし、正極活物質層の比表面積は、1530m/g以上2200m/g以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオンキャパシタおよびその製造方法、正極およびその製造方法、並びに、蓄電デイバスに関する。
近年、高エネルギー密度、高出力特性を必要とする用途に対応する蓄電装置として、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタとの蓄電原理を組み合わせたリチウムイオンキャパシタが注目されている。リチウムイオンキャパシタは、負極に、予め電気化学的方法などでリチウムイオンを吸蔵、担持(以下、「ドープ」ともいう)させて、負極電位を下げることにより、エネルギー密度を大幅に大きくすることができる。
このようなリチウムイオンキャパシタにおいて、例えば特許文献1には、正極活物質として、細孔半径1Å〜40Åの細孔容積が全細孔容積の80%以上であり、かつ、全細孔容積が0.4cc/g〜1.5cc/gを有する活性炭粒子を用いることにより、エネルギー密度の向上を図る技術が開示されている。
特開2006−286923号公報
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、エネルギー密度の大きいリチウムイオンキャパシタおよびその製造方法を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、エネルギー密度の大きいリチウムイオンキャパシタを得ることができる正極およびその製造方法を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、エネルギー密度の大きい蓄電デバイスを提供することにある。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明にかかるリチウムイオンキャパシタの一態様は、
正極活物質層を有する正極と、
負極活物質層を有する負極と、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液と、
を含み、
前記正極活物質層は、リチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方を可逆的に担持可能な正極活物質を有し、
前記負極活物質層は、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を有し、
前記正極活物質は、フッ素アクリル樹脂によって結着されて前記正極活物質層をなし、
前記正極活物質層の比表面積は、1530m/g以上2200m/g以下である。
[適用例2]
適用例1において、
前記正極活物質層の比表面積は、前記正極活物質の比表面積の70%以上95%以下であることができる。
[適用例3]
適用例1または2において、
さらに、リチウム極を含み、
前記正極および前記負極の少なくとも一方と、前記リチウム極と、の電気化学的接触によって、リチウムイオンが前記正極および前記負極の少なくとも一方に担持されることができる。
[適用例4]
本発明にかかるリチウムイオンキャパシタの製造方法の一態様は、
正極活物質層を有する正極を形成する工程と、
負極活物質層を有する負極を形成する工程と、
前記正極および前記負極を、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液に浸漬する工程と、
を含み、
前記正極活物質層は、リチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方を可逆的に担持可能な正極活物質を有し、
前記負極活物質層は、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を有し、
前記正極活物質層は、
前記正極活物質を溶媒に混合させて溶液を作製した後に、前記溶液に結着剤および増粘剤を添加して形成され、
前記結着剤の添加量は、前記正極活物質に対して、5質量%以上15質量%以下であり、
前記増粘剤の添加量は、前記正極活物質に対して、1質量%以上10質量%以下であり、
前記正極活物質層の比表面積は、1530m/g以上2200m/g以下である。
[適用例5]
適用例4において、
前記正極活物質層の比表面積は、前記正極活物質の比表面積の70%以上95%以下であることができる。
[適用例6]
適用例4または5において、
前記結着剤は、フッ素アクリル樹脂を含有することができる。
[適用例7]
適用例4ないし6のいずれか1項において、
さらに、リチウム極を形成する工程を含み、
前記浸漬する工程において、前記正極および前記負極の少なくとも一方と、前記リチウム極と、を電気化学的に接触させることができる。
[適用例8]
本発明にかかる正極の一態様は、
活物質が、フッ素アクリル樹脂によって結着され、かつ、比表面積が、1530m/g以上2200m/g以下である活物質層を有する。
[適用例9]
本発明にかかる蓄電デイバスの一態様は、
本発明に係る正極を用いることができる。
[適用例10]
本発明にかかる正極の製造方法の一態様は、
活物質を溶媒に混合させて溶液を作製した後に、前記溶液に結着剤および増粘剤を添加して活物質層を形成し、
前記結着剤の添加量は、前記正極活物質に対して、5質量%以上15質量%以下であり、
前記増粘剤の添加量は、前記正極活物質に対して、1質量%以上10質量%以下であり、
前記活物質層の比表面積は、1530m/g以上2200m/g以下である。
[適用例11]
適用例10において、
前記結着剤は、フッ素アクリル樹脂を含有することができる。
本発明に係るリチウムイオンキャパシタによれば、正極活物質層の比表面積は、1530m/g〜2200m/g以下である。これにより、本発明に係るリチウムイオンキャパシタは、大きなエネルギー密度を有することができる。
本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタを模式的に示す断面図。 本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタを模式的に示す平面図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、ニ次電池、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどのような蓄電デバイスに好適に適用できる。以下では、一例として、リチウムイオンキャパシタについて説明する。
1. リチウムイオンキャパシタ
まず、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタについて説明する。図1は、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタ100を模試的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタ100を模試的に示す平面図である。なお、図1は、図2のI−I線断面図である。
リチウムイオンキャパシタ100は、図1および図2に示すように、例えば、第1ラミネートフィルム1および第2ラミネートフィルム3を有するラミネート外装体5と、正極端子16と、負極端子26と、積層体50と、電解液と、を含む。積層体50は、正極10と、負極20と、リチウム極30と、セパレータ40と、を含む。
ラミネート外装体5の平面形状は、図2に示す例では矩形だが、特に限定されない。第1ラミネートフィルム1および第2ラミネートフィルム3の材質としては、ポリプロピレンやナイロンなどの合成樹脂の一部を、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔としたものなどが挙げられる。ラミネート外装体5内には、積層体50および電解液が収容されている。
正極端子16は、例えば、第1ラミネートフィルム1と第2ラミネートフィルム3との間に設けられている。正極端子16は、図2に示すように平面視において、ラミネート外装体5の外周より外側に延出している。正極端子16には、正極リード18が電気的に接続されている。正極リード18は、正極端子16と、正極10の正極集電体12と、を電気的に接続することができる。正極端子16および正極リード18の材質としては、アルミニウム、ステンレスなどが挙げられる。
負極端子26は、例えば、正極端子16と離間して、第1ラミネートフィルム1と第2ラミネートフィルム3との間に設けられている。負極端子26は、図2に示すように平面視において、ラミネート外装体5の外周より外側に延出している。負極端子26には、負極リード28が電気的に接続されている。負極リード28は、負極端子16と、負極20の負極集電体22と、を電気的に接続することができる。負極端子26および負極リード28の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。なお、図1に示す例では、正極端子16は、ラミネート外装体5の左側端部(一方側の端部)に設けられ、負極端子26は、ラミネート外装体5の右側端部(他方側の端部)に設けられているが、これら端子16,26の位置は、特に限定されない。
負極リード28は、さらに、リチウム極30のリチウム集電体32と、負極20の負極集電体22と、を電気的に接続(短絡)することができる。このような構成により、ラミネート外装体5内に、電解液を注入して封止し、所定時間(例えば10日間)放置しておくと、リチウム極30のリチウム箔34は、電解液に溶解してリチウムイオンとなることができる。そして、リチウムイオンは、電気化学的に電解液を介して負極20にドープ(「プレドープ」ともいえる)されることができる。その結果、負極20の電位を下げることができる。
なお、リチウム箔34は、プレドープによって、例えば完全に電解液に溶解するが、図1では、便宜上、電解液の図示を省略し、電解液に溶解する前のリチウム箔34を図示している。
積層体50は、ラミネート外装体5内に収容され、電解液に浸漬されている。図1に示す例では、積層体50は、第1ラミネートフィルム1の内側の底面から、セパレータ40、リチウム極30、負極20、正極10、負極20、正極10、負極20、リチウム極30、セパレータ40の順で積層され、極と極との間にセパレータ40を介することによって構成されている。すなわち、図1に示す例では、積層体50は、2層の正極10と、3層の負極20と、を有しているが、その数は特に限定されず、例えば、積層体50は、正極10および負極20を、それぞれ10層程度有していてもよい。同様に、リチウム極30の数および設置場所も特に限定されない。正極10、負極20、リチウム極30、およびセパレータ40は、シート状の形状を有している。
なお、積層体50の形態は、図1に示す例に限定されず、例えば、正極、負極、リチウム極、およびセパレータを重ねて積層シートを形成し、該積層シートを捲回させてなる捲回構造体でもよい。
以下、積層体50を構成する各部材について、説明する。
1.1. 正極
正極10は、図1に示すように、正極集電体12と、正極活物質層14と、を含むことができる。
正極集電体12としては、多孔性の金属箔を用いることができる。より具体的には、正極集電体12としては、表裏面を貫通する孔を備えたエキスパンドメタルを用いることができる。これにより、リチウムイオンは、正極集電体12を透過して移動することができる。そのため、リチウムイオンは、正極集電体12を透過して負極20にプレドープされることができる。正極集電体12の材質としては、アルミニウム、ステンレスなどが挙げられる。正極集電体62の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm〜50μmである。
正極活物質層14は、正極集電体12に形成されている。図1に示す例では、正極活物質層14は、正極集電体12の両面に形成されているが、片面にのみ形成されていてもよい。正極活物質層14の厚みは、特に限定されないが、例えば、60μm〜90μmであり、好ましくは、70μm〜80μmである。
正極活物質層14は、例えば、粉末状の正極活物質、結着剤(バインダー)、および増粘剤を水系溶媒または有機溶媒中に分散してスラリーを調整し、該スラリーを正極集電体12の表面に塗布して乾燥させることにより、形成される。必要に応じて、導電剤を混入してもよい。
より具体的な正極活物質層14の形成方法としては、まず正極活物質と導電剤とイオン交換水とを混合させ、次に増粘剤を混合させ、次に結着剤を混合させることにより、スラリーを調整する。この順番で混合させることにより、正極活物質層14の比表面積を、1530m/g〜2200m/gにすることができる。その理由は、以下のように推察される。
例えば、正極活物質と増粘剤とイオン交換水とを同時に混合させた場合は、正極活物質の表面細孔内部に増粘剤が侵入する。そのため、正極活物質層の比表面積は、小さくなる。同様に、正極活物質と結着剤とイオン交換水とを同時に混合させた場合は、正極活物質の表面細孔内部に結着剤が侵入し、正極活物質層の比表面積は、小さくなる。これに対し、本実施形態では、まず、正極活物質とイオン交換水とを混合することにより、正極活物質の表面をイオン交換水で被覆することができる。そのため、正極活物質の表面細孔内部に、増粘剤、結着剤が侵入することを抑制することができ、比表面積の低下を抑制することができる。
上記のように、正極活物質層14の比表面積を、1530m/g〜2200m/gとすることにより、後述する実施例に示すように、エネルギー密度を大きくすることができる。なお、正極活物質層14の比表面積を、正極活物質の比表面積の70%〜95%とすることが好ましく、さらに、73%〜92%とすることがより好ましい。
以下、正極活物質層14を構成する材料について、説明する。
(1)正極活物質
正極活物質は、ヘキサフルオロホスフェート(PF )や、テトラフルオロボレート(BF )のようなアニオンを可逆的に担持できる物質である。正極活物質は、例えば、リチウムイオンを担持できてもよい。より具体的には、正極活物質としては、活性炭、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であるポリアセン系物質(PAS)などが挙げられる。以下では、正極活物質として活性炭を用いる場合について説明する。
活性炭の比表面積は、1900m/g〜2800m/gであることが好ましく、さらに、1950m/g〜2600m/gであることが好ましい。また、活性炭の平均粒子径D50(50%体積累積径)は、活性炭の充填密度の観点から、2μm〜8μmが好ましく、特に3μm〜8μmが好ましい。これにより、エネルギー密度をさらに向上させることができる。なお、本実施形態における平均粒子径D50の値は、例えば、X線マイクロトラック法により求められる。
活性炭の原材料としては、フェノール樹脂、石油コークス、石油ピッチ、ヤシガラ、石炭系コークスなどが挙げられる。その中でも、フェノール樹脂および石炭系コークスは、比表面積を大きくできるため好ましい。活性炭は、原材料を、焼成して炭化処理し、次に賦活処理し、次に粉砕して得られることができる。以下、各処理について説明する。
炭化処理は、原材料を加熱炉等に収容し、原材料が炭化する温度で所要時間加熱して行われる。加熱の温度は、原材料の種類、加熱時間等によって異なるが、例えば、加熱時間が1時間〜20時間とされる場合は、500℃〜1000℃に設定される。加熱雰囲気は、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどである。
賦活処理の種類は、特に限定されないが、例えば、アルカリ賦活処理によって行われる。アルカリ賦活処理に用いるアルカリ活性化剤は、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩類または水酸化物が好ましく、なかでも、水酸化カリウムが好適である。アルカリ賦活処理の方法は、例えば、炭化物と活性剤を混合した後、不活性ガス気流中で加熱することにより行う方法、活性炭の原材料に予め活性化剤を担持させた後加熱して、炭化および賦活の工程を行う方法、炭化物を水蒸気などのガス賦活法で賦活した後、アルカリ活性化剤で表面処理する方法が挙げられる。
アルカリ活性化剤として、水酸化カリウムなどの一価の塩基を用いる場合には、炭化物とアルカリ活性化剤との割合は、質量比で、1:1〜1:10が好ましく、さらに1:1〜1:5がより好ましく、特に1:2〜1:4が最も好ましい。アルカリ賦活の温度は、400℃〜900℃が好ましく、特に600℃〜800℃がより好ましい。賦活時間は、1時間〜10時間が好ましく、特に1時間〜5時間がより好ましい。上記の質量比、温度、および時間でアルカリ賦活処理を行うことにより、賦活を充分に進行させつつ、より大きな静電容量を得ることができる。
アルカリ活性化剤は、例えば、賦活処理後に洗浄することにより取り除かれる。洗浄の方法は、特に限定されないが、例えば、80℃、1規定〜3規定の塩酸などによる酸洗浄を数回繰り返すことにより行われる。さらに、アンモニア水などを用いて中和洗浄してもよい。
粉砕は、例えば、ボールミル等の既知の粉砕機を用いて行われる。
以上の工程により、正極活物質層14を構成する活性炭を得ることができる。
(2)結着剤
結着剤(バインダー)としては、フッ素アクリル樹脂を用いる。より具体的には、フッ化ビニリデン(VDF)および六フッ化プロピレン(HFP)を含有する単量体成分から得られる含フッ素重合体と、(メタ) アクリル酸アルキルエステル類および官能基含有不飽和単量体を含有する単量体成分から得られる官能基含有重合体と、の複合化重合体などが挙げられる。
フッ素アクリル樹脂は、例えばセルロース等に比べて、電解液を構成する非プロトン性有機溶媒に対して膨潤しにくい。これは、フッ素アクリル樹脂は、乾燥時に樹脂状に硬化し、結果として電解液の過度の浸透を抑制する効果があるためである。また、例えば、フッ素アクリル樹脂は、アクリル樹脂バインダー単体や、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素系バインダーに比べても、膨潤しにくい。これは、含フッ素系重合体とアクリル系重合体の複合化によりSP(Solubility Parameter)値が変化し、電解液との親和性が変化するためである。また、フッ素系樹脂との複合化により、耐電位性の向上効果も期待できる。本実施形態では、結着剤としてフッ素アクリル樹脂を用いていることにより、安定して正極活物質層14を正極集電体12に結着させることができる。
なお、フッ素アクリル樹脂に、SBR(styrene butadiene rubber) 等のゴム系バインダーや、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂などを混合させて、結着剤としてもよい。
結着剤の添加量は、後述する実施例に示すように、例えば、正極活物質に対して、5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、さらには、6.6質量%以上10.8質量%以下であることがより好ましい。これにより、後述するように、正極活物質層14の比表面積を、1530m/g以上2200m/g以下とすることができ、エネルギー密度を大きくすることができる。
(3)増粘剤
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。増粘剤の添加量は、例えば、正極活物質に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、さらには、4.4質量%以上8.6質量%以下であることがより好ましい。これにより、後述するように、正極活物質層14の比表面積を、1530m/g以上2200m/g以下とすることができ、エネルギー密度を大きくすることができる。
(4)導電剤
導電剤としては、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末などを用いることができる。導電剤の添加量は、例えば、正極活物質に対して、6.5質量%程度である。
1.2. 負極
負極20は、図1に示すように、負極集電体22と、負極活物質層24と、を含むことができる。
負極集電体22としては、多孔性の金属箔を用いることができる。より具体的には、負極集電体22としては、表裏面を貫通する孔を備えたエキスパンドメタルを用いることができる。負極集電体22の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。負極集電体22の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm〜50μmである。
負極活物質層24は、負極集電体22に形成されている。図1に示す例では、負活物質層24は、負極集電体22の両面に形成されているが、片面にのみ形成されていてもよい。負極活物質層24の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm〜30μmである。
負極活物質層24は、例えば、粉末状の負極活物質、結着剤(バインダー)、および増粘剤を水系媒体または有機溶媒中に分散してスラリーを調整し、該スラリーを負極集電体22の表面に塗布して乾燥させることにより、形成される。必要に応じて、導電剤を混入してもよい。負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な物質である。より具体的には、負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素、PASなどが挙げられる。負極活物質層24を形成するための結着剤、増粘剤、および導電剤は、例えば、正極活物質層14を形成するために例示した結着剤、増粘剤、および導電剤を用いることができる。
負極活物質の単位質量当たりの静電容量は、正極活物質の単位質量当たりの静電容量の3倍以上を有し、かつ正極活物質の質量は、負極活物質の質量よりも大きいことが好ましい。これにより、リチウムイオンキャパシタの容量をより大きくすることができる。
例えば、充電電流1mAにて負極活物質に対して400mAh/g分のリチウムイオンを充電し、その後1mAにて1.5Vまで充電し、放電開始後1分後の負極の電位から、0.2V電位変化する間の放電時間より求められる負極の単位質量当たりの静電容量は、660F/g程度である。
例えば、充電電流1mAにて3.5V〜2.5V間の放電時間より求められる正極の単位質量当たりの静電容量は、90F/g程度である。
なお、本発明において、正極または負極の静電容量とは、正極または負極の単位電圧当たりキャパシタセルに流れる電気量を示し、単位はFである。
1.3. リチウム極
リチウム極30は、図1に示すように、リチウム極集電体32と、リチウム箔34と、を含むことができる。
リチウム極集電体32としては、多孔性の金属箔を用いることができる。リチウム極集電体32の材質としては、リチウムイオンと反応しない材料が好ましく、具体的には、銅、ステンレスなどが挙げられる。リチウム極集電体32の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜200μmである。
リチウム箔34は、例えば、リチウム極集電体32の一方の面に圧着されている。リチウム箔34の材質は、リチウムである。リチウム箔34は、リチウムイオンの供給源として機能することができる。すなわち、リチウム極集電体32と負極集電体22とを電気的に接続させて短絡させた状態で電解液に浸漬させることにより、リチウム箔34は、電解液に溶解してリチウムイオンとなることができる。そして、リチウムイオンは、電気化学的に電解液を介して負極活物質層24にプレドープされることができる。リチウム箔34の厚みは、特に限定されないが、例えば、50μm〜300μmである。
なお、プレドープは、正極活物質層14および負極活物質層24の少なくとも一方に対して行われてもよいが、工程の煩雑性やリチウムイオンキャパシタの容量等を考慮すると、リチウムイオンのプレドープは、負極活物質層24に対してのみ行うことが好ましい。
1.4. セパレータ
セパレータ40は、電解液、正極活物質、および負極活物質に対して耐久性がある多孔性材料を用いることができる。より具体的には、セパレータ40としては、セルロース、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、アミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドなどからなる不織布や、多孔質のフィルムなどを用いることができる。セパレータ40の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm〜50μmである。セパレータ40は、正極10、負極20、およびリチウム極30を互いに隔離することができる。また、セパレータ40は、電解液を浸潤することができる。
1.5. 電解液
電解液としては、リチウム塩を電解質とする非プロトン性有機溶媒電解質溶液を用いる。非プロトン性有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CSONなどが挙げられる。電解液中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.5モル/l〜1.5モル/lである。
2. 実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
2.1. 正極の製造方法
(1) 実施例1
結着剤として使用するフッ素アクリル樹脂を、フッ素系重合体の重合工程、および(メタ)アクリル系重合工程により得た。
まず、フッ素系重合体の重合工程を、次のとおり行った。電磁式撹拌機を備えた内容積約6リットルのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、脱酸素した純水2.5リットル、および乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム25gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、フッ化ビニリデン(VDF)70%、および六フッ化プロピレン(HFP)30%からなる混合ガスを、内圧が20kg/cmGに達するまで仕込んだ。その後、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20%含有するフロン113溶液25gを、窒素ガスを使用して圧入し、重合を開始させた。重合中は、内圧が20kg/cmGに維持されるようVDF60.2%およびHFP39.8%からなる混合ガスを逐次圧入した。また、重合が進行するに従って重合速度が低下するため、3時間経過後に、先と同量の重合開始剤を、窒素ガスを使用して圧入し、さらに3時間反応を継続させた。その後、反応液を冷却すると共に撹拌を停止し、未反応の単量体を放出して反応を停止させ、フッ素系重合体よりなる微粒子を含有するラテックスを得た。
次に、(メタ)アクリル系重合工程を、次のとおり行った。容量7リットルのセパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した後、得られた上記のラテックス10部(固形分換算)、重合性乳化剤「アデカリアソープSR1025」(旭電化社製)0.1部、メタクリル酸メチル(MMA)9部、アクリル酸(AA)0.4部および水170部を仕込み、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部および亜硫酸ナトリウム0.1部を投入し、50℃で2時間反応させた。
一方、別の容器に水80部、「アデカリアソープSR1025」(旭電化社製)0.5部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)54部、メタクリル酸メチル17部、スチレン(ST)9部およびアクリル酸0.6部を投入して混合し、均一に乳化させて乳化液を得た。この乳化液を先のセパラブルフラスコに投入し、50℃で3時間、さらに80℃で1時間反応させた。その後、冷却して反応を停止させ、水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調節し、消泡剤として「ノプコNXZ」(サンノプコ社製)0.05部を投入することにより、重合体粒子が含有された水系分散体を得た。
以上の工程により、結着剤として使用するフッ素アクリル樹脂を得た。
次に、正極活物質として比表面積2100m/gの市販の活性炭粉体92質量部、導電剤としてアセチレンブラック粉体6質量部、結着剤としてフッ素アクリル樹脂6質量部、増粘剤としてCMC4質量部、イオン交換水200質量部を、混合攪拌機にて充分混合することにより正極スラリーを得た。すなわち、アセチレンブラック粉体の添加量は、活性炭粉体に対して6.5質量%程度であり、フッ素アクリル樹脂の添加量は、活性炭粉体に対して6.6質量%程度であり、CMCの添加量は、活性炭粉体に対して4.4質量%程度である。正極スラリーの調整に際しては、以下の順序で原料を加えた。
まず、活性炭粉体92質量部、アセチレンブラック粉体6質量部、およびイオン交換水120質量部を2軸遊星攪拌機でよく混合した。次に、上記の活性炭粉体とアセチレンブラック粉体との混合溶液に、イオン交換水36質量部に溶解させたCMC4質量部を加え、2軸遊星攪拌機でよく混合した。次に、イオン交換水44質量部およびバインダー6質量部を加え、2軸遊星攪拌機でよく混合し、正極スラリーを調整した。
正極集電体として厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の両面に、非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)をスプレー方式にてコーティングし、乾燥した。正極集電体の貫通孔は、ほぼ導電塗料により閉塞された。正極集電体と導電塗料との合計の厚みは、52μmであった。
上記の正極スラリーをロールコーターにて正極集電体の両面側に成型してプレスして、正極活物質層を得た。以上の工程により、正極を作製した。正極の厚みは、317μmであった。
(2) 実施例2
正極スラリーの調整にあたり、フッ素アクリル樹脂の添加量を8質量部、およびCMCの添加量を6質量部とする以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。すなわち、フッ素アクリル樹脂の添加量は、活性炭粉体に対して8.7質量%程度であり、CMCの添加量は、活性炭粉体に対して6.5質量%程度である。
(3) 実施例3
正極スラリーの調整にあたり、フッ素アクリル樹脂の添加量を10質量部、およびCMCの添加量を8質量部とする以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。すなわち、フッ素アクリル樹脂の添加量は、活性炭粉体に対して10.8質量%程度であり、CMCの添加量は、活性炭粉体に対して8.6質量%程度である。
(4) 実施例4
正極活物質として、比表面積1950m/gの活性炭を用いる以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
(5) 実施例5
正極活物質として、比表面積2600m/gの活性炭を用いる以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
(6) 比較例1
正極スラリーの調製にあたり、原料の添加順序以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。正極スラリーの調整に際しては、以下の順序で原料を加えた。
まず、イオン交換水196質量部に対しCMC4質量部を添加し、2%CMC水溶液を調製した。次に、CMC水溶液に、アセチレンブラック粉体6質量部を添加してよく混合し、導電剤スラリーを得た。次に、導電剤スラリーに活性炭粉体92質量部を添加し、2軸遊星攪拌機でよく混合した。次に、イオン交換水4質量部およびバインダー6質量部を加え、2軸遊星攪拌機でよく混合し、正極スラリーを得た。
(7) 比較例2
正極スラリーの調製にあたり、原料の添加順序以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。正極スラリーの調整に際しては、以下の順序で原料を加えた。
まず、イオン交換水196質量部に対しCMC4質量部を添加し、2%CMC水溶液を調製した。次に、CMC水溶液に、活性炭粉体92質量部を添加してよく混合し、活性炭スラリーを得た。次に、活性炭スラリーにアセチレンブラック粉体6質量部を添加し、2軸遊星攪拌機でよく混合した。次に、イオン交換水4質量部およびバインダー6質量部を加え、2軸遊星攪拌機でよく混合し、正極スラリーを得た。
(8) 比較例3
正極スラリーの調整にあたり、フッ素アクリル樹脂の添加量を18質量部、およびCMCの添加量を12質量部とする以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
(9) 比較例4
正極活物質として、比表面積1400m/gの活性炭粉体を用いる以外は、実施例1と同様にして正極を作製した。
2.2. 正極活物質層の比表面積測定
上記の製造方法で得られた正極活物質層を、正極集電体から削り取った。次に、正極活物質層0.2gを試料管に採取し、減圧条件下、200℃で2時間乾燥させた。乾燥後の正極活物質層のBET比表面積を、比表面積測定装置(日本ベル株式会社製:BELSORP−miniII)を用いて測定した。この結果を後述の表1に示す。なお、表1には、正極活物質の比表面積S1と、正極活物質層の比表面積S2と、の比(S2/S1)も示している。
2.3. リチウムイオンキャパシタの製造方法
上記の製造方法で得られた正極を用いて、以下のとおりリチウムイオンキャパシタを作製した。
厚さ0.5mmの熱硬化性フェノール樹脂成形板を電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で1100℃まで10℃/時間の速度で昇温し、1100℃で2時間保持することで熱処理し、ハードカーボンを合成した。このようにして得られたハードカーボンをディスクミルで平均粒子径3μmまで粉砕することにより、負極活物質としてハードカーボン粉体を得た。
次に、上記ハードカーボン粉体92質量部に対し、アセチレンブラック粉体6質量部、フッ素アクリル樹脂5質量部、CMC4質量部、イオン交換水200質量部を加えて混合攪拌機にて充分混合することにより負極スラリーを得た。
負極集電体として厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)両面に、上記の負極スラリーをダイコーターにて成形して、負極活物質層を得た。以上の工程により、負極を作製した。負極の厚みは、149μmであった。
次に、負極を6.0×7.5cmの大きさに11枚カットし、正極を5.8×7.3cmの大きさに10枚カットした。そして、積層した電極の最外部が負極となるように、セパレータを介して、負極および正極を交互に積層して第1積層シートを得た。セパレータとしては、厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用いた。次に、セパレータを、第1積層シートの最外部(最上部と最下部)に各1枚配置してテープ留めし第2積層シートを得た。次に、正極リードを介して、正極集電体とアルミニウム製正極端子とを電気的に接続させ、負極リードを介して、負極集電体と銅製正極端子とを電気的に接続させた。正極リードの接続、および負極リードの接続は、超音波溶接によって行った。正極端子および負極端子の大きさは、幅50mm、長さ50mm、厚さ0.2mmとした。
リチウム極としては、リチウム箔(厚さ80μm、サイズ6.0×7.5cm)を、厚さ80μmのステンレス網(リチウム極集電体)に圧着したものを用いた。該リチウム極を、第2積層シートの最外部の負極と対向するように、第2積層シートの最外部(最上部と最下部)に各1枚配置して積層体を得た。次に、負極リードによって、リチウム極集電体と負極集電体とを電気的に接続した。負極リードの接続は、抵抗溶接によって行った。
積層体を、6.5mm深絞りした外装容器(第1ラミネートフィルム)の内部へ設置し、封口板として矩形のラミネートフィルム(第2ラミネートフィルム)で外装容器の開口を覆い、ラミネートフィルムの3辺と外装容器とを融着した。次に、電解液(エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、およびプロピレンカーボネートを重量比で3:4:1とした混合溶媒に、1モル/lの濃度にLiPFを溶解した溶液)を真空含浸させた。その後に、ラミネートフィルムの残りの1辺と、外装容器と、を融着させた。以上の工程により、リチウムイオンキャパシタを作製した。なお、リチウムイオンキャパシタに配置されたリチウム箔は、負極活物質質量当たり400mAh/g相当である。
2.4. リチウムイオンキャパシタのエネルギー密度、容量、および内部抵抗の測定
上記の製造方法で得られたリチウムイオンキャパシタを、1.5Aの低電流でセル電圧(正極と負極との電位差)が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った。次に、150mAの定電流放電でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるリチウムイオンキャパシタの容量、エネルギー密度、および内部抵抗を測定した。この結果を表1に示す。
2.5. 評価結果
Figure 2011192888
実施例1〜5では、比較例1〜4に比べて、大きな容量および大きなエネルギー密度を得ることができた。これは、実施例1〜5の正極活物質層の比表面積(S2)が、比較例1〜4のS2より大きいことに起因する。実施例1〜5では、正極活物質を溶媒に混合させて溶液を作製し、その後に、溶液に結着剤および増粘剤を添加することで、多孔質活物質表面に溶媒で膜が形成されるため、孔部への増粘剤の侵入を防止でき、正極活物質の比表面積を大きくすることができた。
以上より、S2を、1530m/g以上2200m/g以下とすることにより、大きなエネルギー密度および容量を有するリチウムイオンキャパシタを得ることができた。すなわち、正極活物質の比表面積(S1)を、1900m/g以上2800m/g以下、より好ましくは、1950m/g以上2600m/g以下とし、S2/S1値を、70%以上95%以下、より好ましくは、73%以上92%以下、とすることにより、大きなエネルギー密度および容量を有するリチウムイオンキャパシタを得ることができたともいえる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1 第1ラミネートフィルム、3 第2ラミネートフィルム、5 ラミネート外装体、
10 正極、12 正極集電体、14 正極活物質層、16 正極端子、
18 正極リード、20 負極、22 負極集電体、24 負極活物質層、
26 負極端子、28 負極リード、30 リチウム極、32 リチウム極集電体、
34 リチウム箔、40 セパレータ、50 積層体、
100 リチウムイオンキャパシタ

Claims (11)

  1. 正極活物質層を有する正極と、
    負極活物質層を有する負極と、
    リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液と、
    を含み、
    前記正極活物質層は、リチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方を可逆的に担持可能な正極活物質を有し、
    前記負極活物質層は、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を有し、
    前記正極活物質は、フッ素アクリル樹脂によって結着されて前記正極活物質層をなし、
    前記正極活物質層の比表面積は、1530m/g以上2200m/g以下である、リチウムイオンキャパシタ。
  2. 請求項1において、
    前記正極活物質層の比表面積は、前記正極活物質の比表面積の70%以上95%以下である、リチウムイオンキャパシタ。
  3. 請求項1または2において、
    さらに、リチウム極を含み、
    前記正極および前記負極の少なくとも一方と、前記リチウム極と、の電気化学的接触によって、リチウムイオンが前記正極および前記負極の少なくとも一方に担持される、リチウムイオンキャパシタ。
  4. 正極活物質層を有する正極を形成する工程と、
    負極活物質層を有する負極を形成する工程と、
    前記正極および前記負極を、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液に浸漬する工程と、
    を含み、
    前記正極活物質層は、リチウムイオンおよびアニオンの少なくとも一方を可逆的に担持可能な正極活物質を有し、
    前記負極活物質層は、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を有し、
    前記正極活物質層は、
    前記正極活物質を溶媒に混合させて溶液を作製した後に、前記溶液に結着剤および増粘剤を添加して形成され、
    前記結着剤の添加量は、前記正極活物質に対して、5質量%以上15質量%以下であり、
    前記増粘剤の添加量は、前記正極活物質に対して、1質量%以上10質量%以下であり、
    前記正極活物質層の比表面積は、1530m/g以上2200m/g以下である、リチウムイオンキャパシタの製造方法。
  5. 請求項4において、
    前記正極活物質層の比表面積は、前記正極活物質の比表面積の70%以上95%以下である、リチウムイオンキャパシタの製造方法。
  6. 請求項4または5において、
    前記結着剤は、フッ素アクリル樹脂を含有する、リチウムイオンキャパシタの製造方法。
  7. 請求項4ないし6のいずれか1項において、
    さらに、リチウム極を形成する工程を含み、
    前記浸漬する工程において、前記正極および前記負極の少なくとも一方と、前記リチウム極と、を電気化学的に接触させる、リチウムイオンキャパシタの製造方法。
  8. 活物質が、フッ素アクリル樹脂によって結着され、かつ、比表面積が、1530m/g以上2200m/g以下である活物質層を有する、正極。
  9. 請求項8において、
    前記正極を用いた、蓄電デバイス。
  10. 活物質を溶媒に混合させて溶液を作製した後に、前記溶液に結着剤および増粘剤を添加して活物質層を形成し、
    前記結着剤の添加量は、前記正極活物質に対して、5質量%以上15質量%以下であり、
    前記増粘剤の添加量は、前記正極活物質に対して、1質量%以上10質量%以下であり、
    前記活物質層の比表面積は、1530m/g以上2200m/g以下である、正極の製造方法。
  11. 請求項10において、
    前記結着剤は、フッ素アクリル樹脂を含有する、正極の製造方法。
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