JP2011190154A - 結晶の製造方法、結晶の製造装置および積層膜 - Google Patents

結晶の製造方法、結晶の製造装置および積層膜 Download PDF

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Abstract

【課題】昇華法による高品質のSiC結晶の製造方法、製造装置および積層膜を提供する。
【解決手段】昇華法によるSiC結晶の製造装置100において、種結晶11の裏面11b上に、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜12を形成し、前記種結晶11の表面11a上に結晶13を成長させることにより、膜12と、種結晶11と、結晶13とを備えた積層膜を形成する。前記積層膜は、膜形成時に隙間が発生しにくく、かつ熱が加えられても熱分解しにくい膜12を備えているため、種結晶11においてこの膜12と反対側に形成された結晶13は、種結晶11の昇華を抑制して製造されたものとなるので、高品質の結晶13を備えた積層膜を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は結晶の製造方法、結晶の製造装置および積層膜に関し、特に、種結晶を用いた、結晶の製造方法、結晶の製造装置および積層膜に関するものである。
近年、半導体装置の製造に用いられる半導体基板として炭化珪素(SiC)基板の採用が進められつつある。SiCは、半導体分野においてより一般的に用いられているシリコン(Si)に比べて、より大きなバンドギャップを有する。そのためSiCを用いた半導体装置は、耐圧が高く、オン抵抗が低く、また高温環境下での特性の低下が小さい、といった利点を有する。
SiC結晶は、種結晶の表面上に成長するという昇華法を用いて製造される。昇華法により結晶を成長する方法について、たとえば、以下の2つの方法が提案されている。
第1に特許第4258921号公報(特許文献1)によれば、単結晶成長時に種結晶と種結晶台座との界面において、黒鉛微粒子および難黒鉛化炭素を有する炭素の複合構造が形成される。この特許文献1には、これにより貼付面に均一に分散された耐熱性微粒子を核として貼付面全域に炭素(C)が均一に形成され、種結晶貼付面を覆うこととなるので、単結晶成長時において、種結晶の台座貼付面における再結晶の発生を防止でき、また、種結晶中央部で成長初期に発生するエッチングを防止することができる旨が記載されている。
第2に特許第4054197号公報(特許文献2)によれば、その裏面に厚さが0.5〜5μmの有機薄膜で被覆された種結晶が、黒鉛製坩堝蓋に機械的に装着される。この特許文献2には、この有機薄膜によって種結晶の裏面からのSi原子の昇華を防止できるので結晶中でのボイド生成が抑制される旨が記載されている。
特許第4258921号公報 特許第4054197号公報
上記特許文献1の技術では、種結晶の材料によっては、種結晶と台座との間の固定の強度が不十分となることがあった。特に、たとえばSiC結晶を成長する場合のように、種結晶と台座との間の温度が高温とされる場合、上記固定の強度が低下しやすかった。したがって、種結晶と台座との間に隙間が生じてしまうことがあり、このため種結晶の裏面(台座と接続されていた面)が昇華してしまうことがあった。よって、得られる結晶の品質が低下することがあった。
上記特許文献2の技術では、本発明者が検討したところによれば、種結晶の裏面に有機薄膜を被覆するする際に、有機薄膜に気泡が発生することがあった。つまり、種結晶と有機薄膜との間にも気泡が発生することがわかった。このため、種結晶と有機薄膜との間に隙間が生じてしまうことがあった。この隙間から種結晶の裏面が昇華してしまい、上記特許文献1と同様に、得られる結晶の品質が低下することがあった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高品質の結晶を成長することができる、結晶の製造方法、結晶の製造装置および積層膜を提供することである。
本発明者は種結晶の裏面の昇華を抑制するために膜を形成することに着目した。そして、種結晶の裏面の昇華を抑制するための膜の材料を鋭意研究した結果、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明の結晶の製造方法は、以下の工程を備える。表面と、表面と反対側の裏面とを有する種結晶を準備する。種結晶の裏面上に、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル(Ta)膜および炭化タンタル(TaC)膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜を形成する。種結晶の表面上に結晶を成長する。
本発明者は鋭意研究の結果、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、Ta膜およびTaC膜は、形成時に隙間(ボイド)が発生しにくいことを見い出した。また、本発明者は、これらの膜は熱が加えられた場合に熱分解しにくいことも見い出した。このため、本発明の結晶の製造方法によれば、膜を形成する際に、種結晶と膜との間に隙間が生じることが抑制され、かつ結晶を成長する際に、膜が分解することも抑制できる。このため、結晶を成長する際に、膜により種結晶の裏面が被覆されているので、裏面が昇華することを抑制できる。したがって、種結晶上に成長する結晶の品質を高めることができる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、膜を形成する工程では、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を形成する。DLCは化学的に安定であるため、結晶を製造する雰囲気において、種結晶の裏面が昇華することをより抑制できる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、膜を形成する工程では、プラズマ重合処理によりカーボン硬質膜を形成する。これにより、カーボン硬質膜を容易に形成することができる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、膜を形成する工程では、多結晶のダイヤモンド膜を形成する。種結晶とダイヤモンド膜との材料が異なっていても、多結晶のダイヤモンド膜は種結晶の裏面に容易に形成することができる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、膜を形成する工程では、マイクロ波プラズマCVD法によりダイヤモンド膜を形成する。これにより、ダイヤモンド膜を容易に形成することができる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、膜を形成する工程に先立って、種結晶の裏面を研磨する工程をさらに備えている。
これにより、種結晶の裏面においてダメージを受けた領域を除去することができる。このため、種結晶の裏面と膜との間に隙間が発生することをより抑制できる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、接着剤により、膜と台座とを接続する工程をさらに備える。
本発明者は鋭意研究の結果、台座と接着剤との界面に生じる隙間、および、接着剤と膜との界面に生じる隙間よりも、膜と種結晶との界面に生じる隙間の方が、成長する結晶の品質に影響を及ぼすことを見い出した。本発明では、膜と種結晶との界面に隙間が生じることを抑制できるので、膜と台座とを接着剤を用いて接続することにより、膜が形成された種結晶を台座に取り付けることで、品質を高めた結晶を製造できる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、膜と台座とを接続する工程に先立って、台座において膜と接続される領域を研磨する工程をさらに備えている。これにより、台座と接着剤との間に隙間が発生することを抑制できる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、成長する工程では、SiC結晶を成長する。これにより、高品質のSiC結晶を製造することができる。
本発明の積層膜は、膜と、種結晶と、結晶とを備えている。膜は、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜である。種結晶は、膜上に形成されている。結晶は、種結晶上に形成されている。
本発明の積層膜によれば、膜形成時に隙間が発生しにくく、かつ熱が加えられても熱分解しにくい膜を備えている。このため、種結晶においてこの膜と反対側に形成された結晶は、種結晶の昇華を抑制して製造されたものとなる。したがって、高品質の結晶を備えた積層膜を実現できる。この高品質の結晶を用いて半導体装置を作製すると、半導体装置の品質も高めることができる。
本発明の結晶の製造装置は、原料を内部に配置するための原料保持部と、原料保持部の内部に配置された原料と対向する位置に種結晶を保持する台座とを備えている。台座は、種結晶における台座と接続される面に形成され、かつカーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜と接続される。
本発明の結晶の製造装置によれば、膜形成時に隙間が発生しにくく、かつ熱が加えられても熱分解しにくい膜を備えている。このため、結晶を製造する際に、種結晶の裏面の昇華を抑制して結晶を製造することができる。したがって、種結晶上に、品質を高めた結晶を製造することができる。
以上説明したように、本発明の結晶の製造方法、結晶の製造装置および積層膜によれば、高品質の結晶を成長することができる。
本発明の実施の形態の積層膜を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態の結晶の製造装置を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態の結晶の製造方法の各工程を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態の結晶の製造方法の各工程を概略的に示す断面図である。 比較例1において、種結晶と台座を取り付けた状態を概略的に示す断面図である。 比較例2において、種結晶と台座を取り付けた状態を概略的に示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。また、本明細書中においては、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また、負の指数については、結晶学上、”−”(バー)を数字の上に付けることになっているが、本明細書中では、数字の前に負の符号を付けている。
図1は、本発明の実施の形態の積層膜10を概略的に示す断面図である。まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態における積層膜10について説明する。積層膜10は、種結晶11と、膜12と、結晶13とを備えている。種結晶11は、膜12上に形成されている。結晶13は、種結晶11上に形成されている。
膜12は、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、Ta膜およびTaC膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜である。膜12は、2層以上であってもよい。
膜12の厚み(図中、縦方向の寸法)は特に限定されないが、たとえば1μm以上100μm以下であることが好ましい。
カーボン硬質膜とは、俗称iカーボンと呼ばれる超硬質炭素膜のことであり、物性上ダイヤモンドと類似点が多く、黒色を呈する。カーボン硬質膜の硬度は、たとえば3000HV以上である。カーボン硬質膜は、たとえばDLCなどが挙げられる。
膜12がカーボン硬質膜を含む場合、カーボン硬質膜はダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)膜であることが好ましい。DLC膜は、主に炭素(C)と水素(H)とで構成される非晶質のカーボン硬質膜である。DLC膜は、化学的に安定で、熱伝導率が高く、耐摩耗性に優れ、摩擦係数が低い。
膜12がダイヤモンド膜を含む場合、ダイヤモンド膜は多結晶ダイヤモンド膜であってもよい。
種結晶11は、表面11aと、表面11aと反対側の裏面11bとを有する。裏面11bは、膜12と接している。表面11aは、結晶13と接している。表面11aのオフ角度、すなわち種結晶11の面方位の{0001}面からの傾きは、15°以下が好ましく、5°以下がより好ましい。
種結晶11の平面形状は、たとえば円形であり、その直径は、25mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましい。また、種結晶11の厚さ(図中、縦方向の寸法)は0.5mm以上10mm以下であることが好ましい。
種結晶11は、結晶13と同じ組成であることが好ましい。本実施の形態では、種結晶11は、SiC結晶である。種結晶11がSiC結晶である場合、SiC結晶のポリタイプ(結晶多形)は特に限定されないが、4H−SiCであることが好ましい。
結晶13は、高品質である。高品質とは、たとえばマイクロパイプ密度が1cm-2以下である。なお、マイクロパイプ密度は、たとえば500℃の水酸化カリウム(KOH)融液中に結晶13を1〜10分浸し、エッチングされた表面についてノマルスキー微分干渉顕微鏡を用いて測定される値である。
結晶13は、SiC結晶であることが好ましい。この場合、SiC結晶のポリタイプは特に限定されないが、4H−SiCであることが好ましい。また、結晶13は単結晶であることが好ましい。
種結晶11の表面11aと結晶13との界面は、隙間が低減されており、たとえばボイド密度が10cm-2未満である。ボイド密度は、たとえば種結晶11の表面11aと結晶13との界面の断面を顕微鏡で観察することにより測定される値である。
図2は、本発明の実施の形態の結晶13の製造装置100を概略的に示す断面図である。続いて、本発明の一実施の形態における結晶の製造装置100について説明する。この製造装置100は、昇華法により結晶を成長する。
製造装置100は、台座41と、原料保持部42とを備えている。本実施の形態では、台座41が原料保持部42の蓋として機能している。台座41と原料保持部42とで坩堝を構成している。
原料保持部42は、原料51を内部に配置する。台座41は、原料保持部42の内部に配置された原料51と対向する位置に種結晶11を保持する。台座41および原料保持部42は、たとえばグラファイトからなる。
台座41は、種結晶11の裏面11b上に形成された、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜と接続される。
なお、製造装置100は、上記以外の様々な要素を含んでいてもよいが、説明の便宜上、これらの要素の図示および説明は省略する。
図3および図4は、本発明の実施の形態の結晶13の製造方法の各工程を概略的に示す断面図である。続いて、図1〜図4を参照して、本実施の形態における結晶の製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、種結晶11を準備する。種結晶11は、その上に結晶が成長することになる面である表面11aと、台座に取り付けられることになる面である裏面11bとを有する。たとえば、種結晶11はSiC基板である。種結晶11の厚さは、たとえば0.5mm以上10mm以下である。また種結晶11の平面形状は、たとえば円形であり、その直径は、25mm以上が好ましく、100mm以上がより好ましい。また種結晶の面方位の{0001}面からの傾き、すなわちオフ角度は、15°以下が好ましく、5°以下がより好ましい。
次に、裏面11bの平坦性を向上させるために、裏面11bを研磨する。この研磨にはたとえばダイヤモンドスラリーを用いることができる。このスラリーはダイヤモンド粒子を含有し、その粒径は、たとえば5μm以上100μm以下であり、より好ましくは10μm以上20μm以下である。
次に、図3に示すように、種結晶11の裏面11b上に、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、Ta膜およびTaC膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜12を形成する。2以上の膜を積層した膜12を形成してもよい。なお、種結晶11の裏面11bと膜12とが接するように形成することが好ましい。
この工程において、膜12としてカーボン硬質膜を形成する場合には、化学的に安定であり、熱伝導率が高い膜となる。特に、カーボン硬質膜としてはDLC膜を形成することが好ましい。また、炭化水素を含有するガス雰囲気中におけるプラズマ重合処理によりカーボン硬質膜を形成することが好ましい。プラズマ重合処理は、たとえば以下のように行なわれる。
プラズマ重合処理に用いられるプラズマ重合装置は、高周波印加電極、すなわちカソード電極とアノード電極とを平行に配置した平行平板型の装置である。カソード電極は、たとえばステンレン板などの金属部材を設置する。アノード電極は、たとえばステンレン板などの金属部材を設置する。また、種結晶11を装置内に設置する。その後、ガス導入口より、炭化水素ガス、あるいは炭化水素ガスと水素またはアルゴンとの混合ガスなどを導入する。ここで、アルゴンの代わりにヘリウムなど他の希ガスを用いることもできる。装置内の圧力をたとえば13Pa以下に保持し、たとえば13.56MHzの高周波電力を印加し、プラズマを発生させる。この時、高周波電力はたとえば数十ワットから数百ワットである。これにより、たとえば厚さ1μm程度のDLC膜などのカーボン硬質膜を形成することができる。
またこの工程において、膜12としてダイヤモンド膜を形成する場合、高強度で、緻密で、さらに熱伝導度の高い膜となる。この場合、マイクロ波プラズマCVD法によりダイヤモンド膜を形成することが好ましい。マイクロ波プラズマCVD法は、たとえば以下のように行なわれる。
まず、種結晶11をマイクロ波プラズマCVD装置に設置する。その後、たとえば、2sccmのメタンと、90sccmの水素と、水素中に1000ppmに希釈した10sccmの窒素とを装置内に導入する。基材温度はたとえば950℃とし、圧力は13.3kPaとし、ダイヤモンド膜を形成する。成膜時間はたとえば10時間である。これにより、たとえば厚さ0.1mm程度のダイヤモンド膜を形成することができる。本実施の形態では、異種結晶上にダイヤモンド膜を形成しているため、形成するダイヤモンド膜は多結晶である。
この工程において、膜12としてTa膜およびTaC膜の少なくとも一方を含む場合には、融点が高く、高強度の膜となる。この場合、たとえばスパッタリング法などにより種結晶11の裏面11bに膜12を形成する。
次に、図4に示すように、種結晶11が取り付けられることになる取付面を有する台座41が準備される。この取付面は、好ましくは炭素からなる面を含む。たとえば台座41はグラファイトによって形成されている。好ましくは取付面の平坦性を向上するために取付面(台座41において膜12と接続される領域)を研磨する。
次に、図4に示すように、接着剤31により、膜12と台座41とを接続する。この接続は、たとえば以下のように行なわれる。
まず、接着剤31を挟んで膜12と台座41とを互いに接触させる。好ましくはこの接触は、50℃以上120℃以下の温度で、また0.01Pa以上1MPa以下の圧力で両者が互いを押し付け合うように行われる。また接着剤31が種結晶11および台座41に挟まれた領域からはみ出さないにようにすることで、後述する、種結晶11を用いた結晶の成長工程において、接着剤31による悪影響を抑制することができる。
接着剤31は、好ましくは、加熱されることによって炭化されることで難黒鉛化炭素となる樹脂と、耐熱性微粒子と、溶剤とを含み、より好ましくは、さらに炭水化物を含む。
なお難黒鉛化炭素となる樹脂は、たとえば、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、またはフルフリルアルコール樹脂である。
耐熱微粒子は、接着剤31が高温加熱されることで形成される固定層中において、上記の難黒鉛化炭素を均一に分布させることでこの固定層の充填率を高める機能を有する。耐熱性微粒子の材料としては、グラファイトなどの炭素、SiC、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)などの耐熱材料を用いることができ、黒鉛微粒子であることが好ましい。またこれ以外の材料として、高融点金属、またはその炭化物もしくは窒化物などの化合物を用いることもできる。高融点金属としては、たとえば、タングステン(W)、Ta、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、またはハフニウム(Hf)を用いることができる。耐熱性微粒子の粒径は、たとえば0.1〜10μmである。
炭水化物としては、糖類またはその誘導体を用いることができる。この糖類は、グルコースのような単糖類であっても、セルロースのような多糖類であってもよい。
溶剤としては、上記の樹脂および炭水化物を溶解・分散させることができるものが適宜選択される。またこの溶剤は、単一の種類の液体からなるものに限られず、複数の種類の液体の混合液であってもよい。たとえば、炭水化物を溶解させるアルコールと、樹脂を溶解させるセロソルブアセテートとを含む溶剤が用いられてもよい。
接着剤31中における、樹脂、炭水化物、耐熱性微粒子、および溶剤の間の比率は、種結晶11の適切な接着と固定強度とが得られるように適宜選択される。また接着剤31の成分は、上述した成分以外の成分を含んでもよく、たとえば、界面活性剤および安定剤などの添加材を含んでもよい。また接着剤31の塗布量は、好ましくは、10mg/cm2以上100mg/cm2以下である。また接着剤31の厚さは、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。
その後、好ましくは接着剤31のプリベークが行われる。プリベークの温度は、たとえば80℃以上であり、好ましくは150℃以上である。
さらに、接着剤31が加熱される。この加熱によって、膜12および台座41の間において接着剤31が硬化されることで固定層となる。これにより、種結晶11が台座41に固定される。
好ましくは上記の加熱は、800℃以上1800℃以下の温度で、1時間以上10時間以下の時間で、0.13kPa以上大気圧以下の圧力で、また不活性ガス雰囲気中で行なわる。不活性ガスとしては、たとえば、ヘリウム、アルゴン、または窒素ガスが用いられる。
次に、図2に示すように、原料保持部42内に原料51を配置する。成長する結晶がSiCである場合、たとえば、SiC粉末が原料保持部42に収められる。次いで、原料保持部42の内部へ種結晶11が面するように、原料保持部42に台座41が取り付けられる。なお、図2に示すように、台座41が原料保持部42の蓋として機能してもよい。
次に、種結晶11上に結晶13を成長する。種結晶11としてSiC基板を用いて結晶13としてSiC結晶を製造する場合、この形成方法として昇華法(昇華再結晶法)を用いることができる。すなわち、図中矢印で示すように原料51を昇華させて種結晶11上に昇華物を堆積させることで、結晶13を成長させることができる。この昇華法における温度は、たとえば、2100℃以上2500℃以下とされる。またこの昇華法における圧力は、好ましくは1.3kPa以上大気圧以下とされ、より好ましくは、成長速度を高めるために13kPa以下とされる。
以上の工程を実施することによって、図1に示すように、膜12と、その上に形成された種結晶11と、その上に形成された結晶13とを備えた積層膜10を製造することができる。
なお、製造した積層膜10から種結晶11および膜12を除去することで、結晶を製造してもよい。また、積層膜10の結晶13からSiC基板などの基板を製造してもよい。このような基板は、たとえば、結晶13をスライスすることによって得られる。
また、本実施の形態では、種結晶11としてSiCから形成されたもの(SiC結晶)を例示したが、他の材料から形成されたものが用いられてもよい。この材料としては、たとえば、窒化ガリウム(GaN)、セレン化亜鉛(ZnSe)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化カドミウム(CdS)、テルル化カドミウム(CdTe)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)などを用いることができる。
続いて、本実施の形態における結晶の製造方法、製造装置100、および積層膜10の効果について、図5に示す比較例1および図6に示す比較例2と比較して説明する。なお、図5および図6は、比較例1および2において、種結晶11と台座41を取り付けた状態を概略的に示す断面図である。
図5に示すように、比較例1においては、図4に示す膜12を介することなく、種結晶11と台座41とを接着剤31によって接着する。比較例1では、種結晶11の材料によっては、種結晶11と台座41との間の固定の強度が不十分となることがある。特に、たとえばSiC単結晶が昇華法によって成長される場合のように種結晶11と台座41との間の温度が高温とされる場合、上記固定の強度が低下しやすい。たとえば炭素系接着剤の硬化によって形成される接着剤31による接着強度は、SiCの成長に通例用いられる2000℃程度の温度下において低下しやすい。またこの場合、種結晶11がSiCから形成され、台座41がグラファイトから形成されることがしばしばであるが、両者を接着剤31によって強固に固定することは、両者の材質上、困難である。たとえば、炭素系接着剤の硬化によって形成される固定層は、炭素材料(グラファイト)同士を高強度で接着することは可能であるものの、炭素材料とSiCとを同程度の強度で接着することはできない。その結果、種結晶11と台座41との間に隙間が生じてしまう。つまり、種結晶11の裏面11bの少なくとも一部は雰囲気に露出する。
図6に示す比較例2においては、0.5〜5μm厚の有機薄膜22が設けられた種結晶11が台座41に、機械的な固定治具33によって固定される。比較例2では、種結晶11の裏面11bに有機薄膜22を被覆するする際に、有機薄膜22中に気泡が発生することがあった。つまり、種結晶11と有機薄膜22との間にも気泡が発生することになる。このため、種結晶11と有機薄膜22との間に隙間が生じてしまう。つまり、種結晶11の裏面11bの少なくとも一部は雰囲気に露出する。
また、比較例2においては、固定治具33で種結晶11と台座41とを接続している。このため、種結晶11の材料と台座41の材料との間の熱膨張係数の差異に起因して、種結晶11と台座41との間に、具体的には有機薄膜22と台座41との界面に、隙間が生じ得る。つまり、種結晶11の裏面11bの少なくとも一部は雰囲気に露出する。
また、比較例2において、種結晶11と台座41とを接続する手段を固定治具33でなく接着剤31(図5参照)にした場合、接着するために接着剤31を熱処理する必要がある。この熱処理により、有機薄膜22および接着剤31は熱分解されて、有機薄膜22中および接着剤31中に気泡が発生する。このため、種結晶11と有機薄膜22との界面にも気泡が存在する。この気泡により、有機薄膜22と台座41との界面に、隙間が生じる。つまり、種結晶11の裏面11bの少なくとも一部は雰囲気に露出する。
このように、比較例1および2においては、種結晶11の裏面11bに隙間が生じる(つまり、種結晶11の裏面11bの少なくとも一部が雰囲気に露出する)と、この隙間から裏面11bを構成する元素が昇華する。種結晶11の裏面11bが昇華すると、種結晶11の熱伝導のばらつきが大きくなり、その表面11a上に成長させる結晶13の品質が低下する。
これに対して本実施の形態によれば、種結晶11上に膜12が形成されており、この膜12は、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、Ta膜およびTaC膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜である。これらの膜は、形成時および加熱時に隙間が発生しにくく、かつ熱が加えられた場合に熱分解しにくいことを本発明者は見い出した。このため、この膜12を種結晶11の裏面11b側に形成することで、種結晶11と膜12との間に隙間が生じることが抑制される。さらに、結晶13を成長する際や、接着剤31を硬化する際(台座41に種結晶11を取り付ける際)に熱が加えられても、膜12の融点が高いため、膜12が分解することも抑制できるので、膜12中に隙間が発生することも抑制される。これにより、種結晶11の裏面11bと膜12との隙間を低減することができる。このため、結晶13を成長する際に、種結晶11の裏面11bは膜12に覆われているので、種結晶11の裏面11bの少なくとも一部が雰囲気に露出することを抑制できる。したがって、種結晶11の裏面11bが昇華することを抑制できる。さらに、成長する結晶13の結晶性には、接着剤31と台座41との界面の隙間よりも、種結晶11と膜12との界面の隙間による影響が大きいことを本発明者は見い出した。よって、種結晶11の熱伝導のばらつきを抑制できるので、種結晶11内の温度を均一にすることができる。以上より、種結晶11上に成長する結晶13の品質を高めることができる。
特に、本実施の形態において、成長する結晶13がSiC結晶であり、膜12の最外層(台座41に取り付けられる層)は、カーボン硬質膜またはダイヤモンド膜であり、台座がグラファイトであり、Cを含む接着剤31で種結晶11と台座41とを接続することが好ましい。この場合、接着剤31は、種結晶11ではなくCを含む膜12に接合される。これにより、種結晶11の材料に直接的には依存せずに、Cを含む膜12、台座41および接着剤31で接着が行われるので、種結晶11と台座41とをより強固に固定し得る。
また、DLC膜およびダイヤモンド膜は熱伝導率が高いため、種結晶11内の温度をより均一にすることができる。このため、種結晶11上に成長する結晶13の品質を非常に高めることができる。
本実施例では、種結晶の裏面上に、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜を形成することの効果について調べた。
(本発明例1)
本発明例1の結晶の製造方法は、基本的には上述した実施の形態にしたがった。まず、図3に示すように、種結晶11として、厚さ約3mm、直径60mm、ポリタイプ4H、および面方位(000−1)を有するSiC基板を準備した。
次に、この種結晶11の裏面側を、粒径約15μmを有するダイヤモンドスラリーを用いて機械的に研磨した。
次に、種結晶11の裏面11bに、膜12としてDLC膜を形成した。具体的には、種結晶をプラズマ重合装置に設置した。プラズマ重合装置は、高周波印加電極、すなわちカソード電極とアノード電極とを平行に配置した平行平板型の装置であった。その後、ガス導入口より炭化水素ガスを導入した。また、装置内の圧力を13Paに保持し、13.56MHzの高周波電力を印加し、プラズマを発生させた。この時、高周波電力は1キロワットであった。これにより、厚さ1μmのDLC膜を膜12として形成した。
次に、図4に示すように、接着剤31により、膜12と台座41とを接続した。具体的には、まず、種結晶11が取り付けられることになる取付面を有するグラファイト製の台座41を準備した。その後、この取付面をダイヤモンドスラリーを用いて研磨した。また、フェノール樹脂、フェノール、エチルアルコール、ホルムアルデヒド、水分、および固形カーボン成分を含む接着剤31を準備した。この接着剤31を挟んで膜12と台座41とを互いに接触させた。接着剤31の塗布量は約25mg/cm2、厚さは約40μmとした。この接触は、100℃および0.1MPaの条件で行なった。その後、接着剤31をプリベークした。その条件としては、80℃で4時間、120℃で4時間、200℃で1時間の熱処理を順次行なった。次いで、接着剤31を焼成した。この加熱は、1150℃で、1時間に渡って、80kPaのヘリウムガス雰囲気中で行なった。
次に、図2に示すように、グラファイト製の原料保持部42内に、原料51としてSiC粉体が収められた。次に原料保持部42の内部へ種結晶11が面するように、かつ台座41が原料保持部42の蓋として機能するように、台座41が取り付けられた。
次に、昇華法によって、種結晶11上に結晶13としてSiC結晶を成長した。成長条件は、温度2400℃、圧力1.7kPa、時間300時間とした。これにより、膜12と、膜12上に形成された種結晶11と、種結晶11上に形成された結晶13とを備えた積層膜10(図1参照)を製造した。
次に、得られたSiC結晶をスライスすることで、SiC基板を得た。このSiC基板を評価したところ、ボイド密度は0/cm2、マイクロパイプ密度は1/cm2であった。
なお、ボイド密度は、断面観察することにより測定した。マイクロパイプ密度は、500℃のKOH融液中にSiC基板を1〜10分浸し、エッチングされた表面についてノマルスキー微分干渉顕微鏡を用いて測定した。
(本発明例2)
本発明例2は、基本的には本発明例1と同様にSiC結晶を製造したが、膜12としてダイヤモンド膜を用いた点において異なっていた。具体的には、ダイヤモンド膜を、以下のように形成した。
まず、種結晶11をマイクロ波プラズマCVD装置に設置した。その後、2sccmのメタンと、90sccmの水素と、水素中に1000ppmに希釈した10sccmの窒素とを装置内に導入した。基材温度は950℃であり、圧力は13.3kPaで、10時間に渡って成膜した。これにより、厚さ0.1mmの多結晶のダイヤモンド膜を形成した。
本発明例2の場合、本発明例1と同様に、得られたSiC基板を評価したところ、ボイド密度は0/cm2、マイクロパイプ密度は1/cm2であった。
(本発明例3)
本発明例3は、基本的には本発明例1と同様にSiC結晶を製造したが、膜12としてTa膜を用いた点において異なっていた。Ta膜はスパッタリング法により形成した。
本発明例3の場合、本発明例1と同様に、得られたSiC基板を評価したところ、ボイド密度は0/cm2、マイクロパイプ密度は1/cm2であった。
(本発明例4)
本発明例4は、基本的には本発明例1と同様にSiC結晶を製造したが、膜12としてTaC膜を用いた点において異なっていた。TaC膜はスパッタリング法により形成した。
本発明例4の場合、本発明例1と同様に、得られたSiC基板を評価したところ、ボイド密度は0/cm2、マイクロパイプ密度は1/cm2であった。
(比較例1)
比較例1は、基本的には本発明例1と同様にSiC結晶を製造したが、図5に示すように、膜12を形成せず、種結晶11と台座41とを接着剤31によって接着した点において異なっていた。
比較例1の場合、昇華法を行なうための昇温中、または結晶の成長中に、3分の1の確率で種結晶11が台座41から落下した。この落下が生じなかった場合において得られたSiC基板を本発明例1と同様に評価したところ、ボイド密度は10/cm2、マイクロパイプ密度は50/cm2であった。これは、種結晶11の裏面11bの昇華に起因していると考えられる。
(比較例2)
比較例2は、基本的には本発明例1と同様にSiC結晶を製造したが、図6に示すように、膜12の代わりに10μm厚の有機薄膜22が設けられた種結晶11が台座41に、機械的な固定治具33によって固定された点において異なっていた。
比較例2の場合、本発明例1と同様に、得られたSiC基板を評価したところ、ボイド密度は120/cm2、マイクロパイプ密度は300/cm2であった。これは、種結晶11の裏面11bの昇華に起因していると考えられる。
以上より、本実施例によれば、種結晶の裏面上に、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜を形成することにより、種結晶11と膜12との界面の隙間を低減できることが確認できたとともに、結晶の品質を高めることが確認できた。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 積層膜、11 種結晶、11a 表面、11b 裏面、12 膜、13 結晶、31 接着剤、41 台座、42 原料保持部、51 原料、100 製造装置。

Claims (10)

  1. 表面と、前記表面と反対側の裏面とを有する種結晶を準備する工程と、
    前記種結晶の前記裏面上に、カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜を形成する工程と、
    前記種結晶の前記表面上に結晶を成長する工程とを備えた、結晶の製造方法。
  2. 前記膜を形成する工程では、ダイヤモンドライクカーボン膜を形成する、請求項1に記載の結晶の製造方法。
  3. 前記膜を形成する工程では、プラズマ重合処理により前記カーボン硬質膜を形成する、請求項1または2に記載の結晶の製造方法。
  4. 前記膜を形成する工程では、多結晶の前記ダイヤモンド膜を形成する、請求項1に記載の結晶の製造方法。
  5. 前記膜を形成する工程に先立って、前記種結晶の前記裏面を研磨する工程をさらに備えた、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶の製造方法。
  6. 接着剤により、前記膜と台座とを接続する工程をさらに備えた、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶の製造方法。
  7. 前記膜と台座とを接続する工程に先立って、前記台座において前記膜と接続される領域を研磨する工程をさらに備えた、請求項6に記載の結晶の製造方法。
  8. 前記成長する工程では、炭化珪素結晶を成長する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の結晶の製造方法。
  9. カーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜と、
    前記膜上に形成された種結晶と、
    前記種結晶上に形成された結晶とを備えた、積層膜。
  10. 原料を内部に配置するための原料保持部と、
    前記原料保持部の内部に配置された前記原料と対向する位置に種結晶を保持する台座とを備え、
    前記台座は、前記種結晶における前記台座と接続される面に形成され、かつカーボン硬質膜、ダイヤモンド膜、タンタル膜および炭化タンタル膜からなる群より選ばれた少なくとも一種の膜と接続される、結晶の製造装置。
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