JP2011189747A - プレス成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層成形品には不向きであった薄型成形品にも対応でき、等方的に力学特性に優れた、複雑形状のプレス成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】強化繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸されてなるプリプレグを2層以上積層したプリフォームを加圧力を0.1〜100MPaとしてプレス成形する。当該強化繊維基材は、繊維長10mmを越える強化繊維が0〜50重量%、繊維長2〜10mmの強化繊維が50〜100重量%、繊維長2mm未満の強化繊維が0〜50重量%から構成され、プリプレグは、そこに含まれる強化繊維単糸a1と該強化繊維単糸a1と交差する強化繊維単糸b2とで形成される二次元配向角8の平均値が10〜80度であり、かつ23℃での厚みh0が0.03〜1mm、引張強度σが50〜1000MPaである。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化基材に樹脂が含浸したプリプレグを積層して得られるプリフォームを用いたプレス成形品の製造方法に関し、さらに詳しくは、強化繊維が特定の二次元配向角を有し、特定の厚みを有するプリプレグを積層して得られるプリフォームを用いたプレス成形品の製造方法に関する。
繊維強化プラスチック(FRP)は、軽量で優れた力学特性を有しており、電気・電子機器用途、土木・建築用途、機械・機構部品用途、ロボット用途、二輪車・自動車用途、宇宙・航空用途等に広く用いられている。これらのFRPに用いられる強化繊維には、アルミニウム繊維やステンレス繊維などの金属繊維、アラミド繊維やPBO繊維などの有機繊維、およびシリコンカーバイド繊維などの無機繊維や炭素繊維などが使用されているが、比強度、比剛性にとりわけ優れ、抜群の軽量性が得られる観点から炭素繊維が好適に用いられる。
ここで、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などFRPの代表的な形態として、プリプレグを積層して得られるプリフォームをプレス成形(加圧力の下で脱泡し賦形する成形方法)した成形品が挙げられる。このプリプレグは、連続した強化繊維を一方向に配列させるか、織物加工させるかをした強化繊維基材に、樹脂を含浸して製造する方法が一般的である。
このプリプレグを用いた成形品は優れた力学特性が得られる反面、強化繊維が連続体のまま使用されるために、複雑な形状を成形するには不向きであり、かつプリプレグの積層角度による特性への影響が大きいため、積層工程の経済的負担から、使用用途が制限されている。
特許文献1には、強化繊維を特定の長さに切断することで、複雑な形状の成形に有効なプリプレグが提案されているが、同様の積層工程を必要とするために、経済的負担を解消するには至っていない。
一方で、不連続な強化繊維を用いたFRPも提案されている。シートモールディングコンパウンド(SMC)や、ガラスマット基材(GMT)は、プレス成形に適した材料であるが、比強度、比剛性などの力学特性が低いこと、プリプレグのような薄肉の成形品への対応が困難であること、また成形時に樹脂が大きく流動するため等方的な力学特性が得られず、かつ特性のバラツキが大きいことなどの課題から、使用用途が制限されている。
特許文献2、3には、強化繊維を束状に分散させることで、より等方的な特性が得られるシート材料が提案されている。また、特許文献4には、炭素繊維を均一分散させることで力学特性に優れたシート材料が提案されている。しかしながら、いずれもプリプレグにように薄肉に加工することができず、また成形時に樹脂が大きく流動するため等方的な特性を損ない、力学特性も低下する場合がある。
さらに、特許文献5には、炭素繊維を単糸状にランダム分散させて固定した成形品が提案されている。この方法でも、プリプレグとして薄肉に加工するには限界があり、プリフォームの積層の自由度が制限されるほか、プリフォームを大量に製造することができないため経済的負担を解消するには至っていない。
特開2007−146151号公報 特許第2507565号公報 特許第1761874号公報 特開平6−99431号公報 国際公開第2007/97436号パンフレット
本発明は、従来技術の背景に鑑み、積層成形品には不向きであった薄型成形品にも対応でき、等方的に力学特性に優れた、複雑形状のプレス成形品を得ることを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記課題を達成することができる、次のプレス成形品の製造方法を見出した。
すなわち、強化繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸されてなるプリプレグを2層以上積層したプリフォームを加圧力を0.1〜100MPaとしてプレス成形するプレス成形品の製造方法であって、前記強化繊維基材が繊維長10mmを越える強化繊維が0〜50重量%、繊維長2〜10mmの強化繊維が50〜100重量%、繊維長2mm未満の強化繊維が0〜50重量%から構成され、前記プリプレグは、そこに含まれる強化繊維単糸(a)と該強化繊維単糸(a)と交差する強化繊維単糸(b)とで形成される二次元配向角の平均値が10〜80度であり、かつ23℃での厚みh0(mm)が0.03〜1mm、引張強度σが50〜1000MPaである、プレス成形品の製造方法である。
また、前記プレス成形において、前記プリフォームのチャージ率を、金型のキャビティ投影面積に対し100%より大きくしてプレス成形することが好ましく、前記プレス成形において、加圧力を10〜100MPaとすることが好ましい。
本発明は、繊維強化基材に熱可塑性樹脂が含浸したプリプレグであって、強化繊維が特定の繊維長と特定の二次元配向角を有するプリプレグを2層以上積層したプリフォームを特定の加圧力でプレス成形するので、積層する際には積層角度に大きな制約を受けることなく、等方的に力学特性に優れたプレス成形品を得ることができる。本発明では、特定の厚みを有するプリプレグを用いるので、従来の積層成形品には不向きであった薄型成形品にも対応できるだけでなく、層内厚み方向の強化繊維の割合を抑えて面内の補強効果をより高めることができる。さらに本発明では、特定の引張強度を有するプリプレグを用いるので、積層する際の作業性に優れ、幅広い用途に適用する上で有効である。
また、本発明では、厚み方向の強化繊維の割合を抑え、層間の干渉を低減して、プレス成形における賦形性を高めることができる。これにより、従来の積層成形品には不向きであった、複雑形状の成形性と力学特性を満足する成形品を得ることができる。
本発明で用いるプリプレグにおける強化繊維の分散状態の一例を示す模式図。 プリプレグの二次元配向角測定用の焼き飛ばし治具の一例を示す模式図 抄紙基材の製造装置の一例を示す模式図 本発明で得られる箱型形状成形品の一例を示す模式図。 本発明で得られる箱型形状成形品の一例を示す模式図。 本発明においてプリプレグとGMTとを用いた積層の模式図。 切り込み入り炭素繊維プリプレグの模式図。 自動車ボンネット成形品の模式図。
本発明で用いるプリプレグは、強化繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸されてなるプリプレグであって、該強化繊維基材が繊維長10mmを越える強化繊維が0〜50重量%、繊維長2〜10mmの強化繊維が50〜100重量%、繊維長2mm未満の強化繊維が0〜50重量%から構成され、強化繊維単糸(a)と該強化繊維単糸(a)と交差する強化繊維単糸(b)とで形成される二次元配向角の平均値が10〜80度であり、かつ23℃での厚みh0(mm)が0.03〜1mm、引張強度σが50〜1000MPaである。まず、これらの構成要素について説明する。
本発明において、強化繊維基材とは、強化繊維をシート状、布帛状またはウェブ状などの形態に加工した前駆体を意味するものであり、強化繊維間に樹脂の含浸する空隙を有していれば、その形態や形状には特に制限はなく、例えば、強化繊維が有機繊維、有機化合物や無機化合物と混合されていたり、強化繊維同士が他の成分で目留めされていたり、強化繊維が樹脂成分と接着されていたりしてもよい。本発明では、強化繊維の二次元配向を容易に実現する観点から、乾式法や湿式法で得られる不織布形態で、強化繊維が十分に開繊され、かつ強化繊維同士が有機化合物で目留めされた基材が好ましい形状として例示できる。
また、本発明で用いられる強化繊維基材には、マトリックスとなる樹脂成分を含浸させるために十分な空隙を有することが好ましく、このため強化繊維基材には通気性を確保することが好ましい。通気性は、例えばJIS P8117に基づくガーレー式試験機法、あるいはASTM D737に基づくフラジール形法で測定することができる。このうち、より通気性に優れた材料を評価する目的で、ASTM D737に基づくフラジール形法で測定される空気量(cm/cm・s)を目安とすることが好ましく、好ましい空気量としては50以上であり、より好ましくは70以上であり、とりわけ好ましくは100以上である。また、空気量の上限には特に制限はないが、1000以下が一般的に例示できる。
本発明においてプリプレグに用いられる強化繊維としては特に制限はなく、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、金属繊維、天然繊維、鉱物繊維などが使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。中でも、比強度、比剛性が高く軽量化効果の観点から、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が好ましく用いられる。また、得られるプレス成形品の経済性を高める観点から、ガラス繊維が好ましく用いることができ、とりわけ力学特性と経済性のバランスから炭素繊維とガラス繊維を併用することが好ましい。さらに、得られるプレス成形品の衝撃吸収性や賦形性を高める観点から、アラミド繊維が好ましく用いることができ、とりわけ力学特性と衝撃吸収性のバランスから炭素繊維とアラミド繊維を併用することが好ましい。また、得られるプレス成形品の導電性を高める観点から、ニッケルや銅やイッテルビウムなどの金属を被覆した強化繊維を用いることもできる。
本発明で用いるプリプレグは、前記強化繊維基材の空隙に樹脂が含浸されることで、プリプレグとしての形状を保持して、強化繊維を固定した状態で安定して積層してプリフォームとすることができ、積層工程での経済的負担を低減することができる。とりわけ、積層する際に、プリプレグの取扱い性を高め、かつ人的労力を削減する観点から、強化繊維の配向を特定の範囲とすることが重要であり、これにより厚み方向の干渉を防ぎ、プリプレグを簡易に積層してもプレス成形品の等方性を確保することができる。さらには、強化繊維の長さを特定の範囲とすることで、得られるプレス成形品の力学特性が優れるだけでなく、プリプレグまたはこれを積層して得られるプリフォームの厚み膨張をおさえ、サイズや形状の制約なく移送し、成形工程に供することが可能となる。
ここで、本発明における強化繊維の繊維長としては、繊維長10mmを越える強化繊維が0〜50重量%、繊維長2〜10mmの強化繊維が50〜100重量%、繊維長2mm未満の強化繊維が0〜50重量%から構成されることが重要であり、10mmより長い強化繊維が50重量%を越えると、積層工程ないし成形工程での厚み膨張が大きくなり取扱い性を損なう場合がある。また、2mm未満の強化繊維が50重量%を越えると、得られるプレス成形品の力学特性が低下する場合があるばかりか、プリプレグまたはそれを積層して得られるプリフォームに十分な強度が確保できずに成形性を損なう場合がある。これらの観点から、好ましくは繊維長3〜8mmの強化繊維が80〜100重量%から構成され、より好ましくは、繊維長の分布が少なくとも2つのピークを有し、一方のピークが繊維長5〜10mmの範囲内にあり、もう一方のピークが2〜5mmの範囲内にある強化繊維から構成される。繊維長の分布をより好ましい範囲とすることで、力学特性を確保する強化繊維と、積層工程ないし成形工程でのプリフォームの取扱い性を確保する強化繊維とを併用でき、両方の特性を容易に両立することができる。なお、ここでの強化繊維の重量割合は、強化繊維を100%としたときの、数平均での繊維長の割合を表す。
強化繊維の繊維長の測定方法としては、例えば、強化繊維基材から直接強化繊維を摘出する方法や、またはプリプレグの樹脂のみを溶解する溶剤を用いて溶解させ、残った強化繊維を濾別して顕微鏡観察により測定する方法がある(溶解法)。樹脂を溶解する溶剤がない場合には、強化繊維が酸化減量しない温度範囲において樹脂のみを焼き飛ばし、強化繊維を分別して顕微鏡観察により測定する方法(焼き飛ばし法)などがある。測定は強化繊維を無作為に400本選び出し、その長さを1μm単位まで光学顕微鏡にて測定し、繊維長とその割合を測定することができる。なお、強化繊維基材から直接強化繊維を摘出する方法と、プリプレグから焼き飛ばし法や溶解法で強化繊維を摘出する方法とを比較した場合、条件を適切に選定することで、得られる結果に特別な差異を生じることはない。
さらに、本発明における強化繊維の配向としては、二次元配向角で整理することができる。一般的に強化繊維基材は強化繊維が束状になって構成されているケースが多く、このためプリプレグとして等方性を確保するのが難しく、かつ束内への樹脂含浸が十分でなく、成形品の強度低下の原因となる場合がある。強化繊維束が単糸に分散したとしても、強化繊維の単糸同士が平行して接触してしまうと同様の結果となる。さらには、厚み方向への繊維配向は、プリプレグまたはそれを積層して得られるプリフォームの厚み膨張の原因となり、取扱い性や成形性を著しく損なう場合がある。
ここで、二次元配向角としては、本発明における、強化繊維単糸(a)と該強化繊維単糸(a)と交差する強化繊維単糸(b)とで形成される二次元配向角について図面を用いて説明する。図1は本発明で用いるプリプレグの一例の強化繊維のみを面方向から観察した場合の、強化繊維の分散状態を表した模式図である。強化繊維単糸1に着目すると、強化繊維単糸1は強化繊維単糸2〜7と交差している。ここで交差とは、観察した二次元平面において着目した強化繊維単糸(a)が他の強化繊維単糸(b)と交わって観察される状態のことを意味する。ここで実際のプリプレグにおいて、強化繊維1と強化繊維2〜7が必ずしも接触している必要はない。二次元配向角は交差する2つの強化繊維単糸が形成する2つの角度のうち、0度以上90度以下の角度8と定義する。
具体的にプリプレグから二次元配向角の平均値を測定する方法には特に制限はないが、例えば、プリプレグの表面から強化繊維の配向を観察する方法が例示できる。この場合プリプレグ表面を研磨して繊維を露出させることで、より強化繊維を観察しやすくなるため好ましい。また、プリプレグに透過光を利用して強化繊維の配向を観察する方法が例示できる。この場合プリプレグを薄くスライスすることで、より強化繊維を観察しやすくなるため好ましい。さらに、プリプレグをX線CT透過観察して強化繊維の配向画像を撮影する方法も例示できる。X線透過性の高い強化繊維の場合には、強化繊維にトレーサ用の繊維を混合しておく、あるいは強化繊維にトレーサ用の薬剤を塗布しておくと、より強化繊維を観察しやすくなるため好ましい。
また、上記方法で測定が困難な場合には、強化繊維の構造を崩さないように樹脂を除去した後に強化繊維の配向を観察する方法が例示できる。例えば図2(a)に示すように、プリプレグを2枚のステンレス製メッシュに挟み、プリプレグが動かないようにネジなどで固定してから樹脂成分を焼き飛ばし、得られる強化繊維基材(図2(b))を光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察して測定することができる。
本発明でいう二次元配向角の平均値とは、以下の手順I、IIで測定する。
I.無作為に選択した強化繊維単糸(a)(図1における強化繊維単糸1)に対して交差している全ての強化繊維単糸(b)(図1における強化繊維単糸2〜7)との二次元配向角の平均値を測定する。強化繊維単糸(a)に交差する強化繊維単糸(b)が多数の場合には、交差する強化繊維単糸(b)を無作為に20本選び測定した平均値を代用してもよい。
II.上記Iの測定を別の強化繊維単糸に着目して合計5回繰り返し、その平均値を二次元配向角の平均値として算出する。
本発明での強化繊維の二次元配向角の平均値は10〜80度であり、好ましくは20〜70度であり、より好ましくは30〜60度であり、理想的な角度である45度に近づくほど好ましい。二次元配向角の平均値が10度未満または80度より大きいと、強化繊維が束状のまま多く存在していることを意味しており、力学特性が低下するだけでなく、二次元の等方性が損なう場合や、厚み方向の強化繊維が無視できず積層工程での経済的負担が大きくなる場合がある。
二次元配向角を理想的な角度に近づけるには、強化繊維基材を製造する際に、強化繊維を分散させ、かつ平面的に配置することで達成できる。強化繊維の分散を高めるために、乾式法では、開繊バーを設ける方法やさらに開繊バーを振動させる方法、さらにカードの目をファインにする方法や、カードの回転速度を調整する方法などが例示できる。湿式法でも、強化繊維を分散させる際の攪拌条件を調整する方法、濃度を希薄化する方法、溶液粘度を調整する方法、分散液を移送させる際に渦流を抑制する方法などが例示できる。また平面的に配置するために、乾式法では、強化繊維を集積する際に、静電気を用いる方法、整流化したエアを用いる方法、コンベアの引取速度を調整する方法などが例示できる。湿式法でも、超音波などで分散した強化繊維の再凝集を防止する方法、濾過速度を調整する方法、コンベアのメッシュ径を調整する方法、コンベアの引取速度を調整する方法などが例示できる。これらの方法は、特に限定されるものではなく、強化繊維基材の状態を確認しながら、その他の製造条件を制御することでも達成できる。特に湿式法で製造する場合には、例えば図3に例示するような抄紙基材の製造装置を用いる方法が例示できる。投入繊維の濃度を増やすことで、得られる強化繊維基材の目付を増やすことができる。さらに、分散液の流速(流量)とメッシュコンベアの速度を調整することでも目付を調整することができる。例えば、メッシュコンベアの速度を一定にして、分散液の流速を増やすことで得られる強化繊維基材の目付を増やすことができる。逆にメッシュコンベアの速度を一定にして、分散液の流速を減らすことで、得られる強化繊維基材の目付を減らすこともできる。さらには、分散液の流速に対して、メッシュコンベアの速度を調整することで、繊維の配向をコントロールすることも可能である。例えば、分散液の流速にたいして、メッシュコンベアの速度を速くすることで、得られる強化繊維基材中の繊維の配向がメッシュコンベアの引き取り方向に向きやすくなる。このように各種パラメータを調整し、強化繊維基材の製造が可能である。
本発明で用いるプリプレグにおける強化繊維基材の重量割合は、力学特性と成形性を両立する観点から、プリプレグ100重量%に対して5〜60重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%であり、さらに好ましくは15〜40重量%である。本発明で用いるプリプレグでは、強化繊維基材の空隙に樹脂を含浸させる必要があるが、その含浸率は好ましくは30〜100%であり、より好ましくは40〜100%であり、さらに好ましくは50〜100%である。含浸率が好ましい範囲であれば、本発明の効果である、プリプレグの取扱い性や、成形性を損なうことなく使用できる。また、本発明で得られるプレス成形品の軽量性を高める観点から、含浸率が100%の換算したときの、強化繊維の体積割合は50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下であり、さらに好ましくは10〜30%である。
含浸率の測定方法としては、特に制限はなく、例えば以下に示す簡便な方法で測定することができる。まず、プリプレグの断面観察を行い顕微鏡写真から空隙の総面積を計算して強化繊維基材の面積で除する方法、プリプレグの23℃での厚みh0とそれをプレス成形した後の23℃での厚みhc0との比(hc0/h0)から求める方法、また各材料の使用割合から求めた理論密度とプリプレグの嵩密度との比から求める方法などが例示できる。ここでは、プリプレグの厚み方向断面を観察して、断面における空隙部分の面積と断面全体の面積とを測定して算出する方法を具体的に説明する。すなわち、プリプレグをエポキシなどの熱硬化性樹脂で包埋し、プリプレグの断面端部にあたる面を研磨し、幅500〜1000μm程度の範囲を光学顕微鏡または電子顕微鏡で観察し、コントラスト比において、樹脂が含浸している部位と、樹脂が含浸していない部位の面積を求め、次式により樹脂含浸率を算出する方法である。
・樹脂含浸率(%)=100×(樹脂が含浸している部位の総面積)/(プリプレグの観察部位の断面積)。
また、プリプレグの嵩密度は、プリプレグの23℃での体積と、重量から求めることができる。本発明のプリプレグの好ましい嵩密度は0.8〜1.5であり、より好ましくは0.9〜1.4、さらに好ましくは1.0〜1.3である。嵩密度が好ましい範囲であれば、本発明により得られる成形品が十分な軽量性を確保することができる。同様に、プリプレグの目付としては好ましくは10〜500g/mであり、より好ましくは30〜400g/mであり、さらに好ましくは100〜300g/mである。
本発明で用いるプリプレグの厚みは、積層してプリフォーム化する工程での取扱い性の観点から、23℃での厚みh0で0.03〜1mmであり、好ましくは0.05〜0.8mmであり、より好ましくは0.1〜0.6mmである。h0が0.03mm未満ではプリプレグが破ける場合があり、1mmを越えると賦形性を損なう場合がある。
本発明で用いるプリプレグは、プリフォームにした場合の成形時の厚み膨張を抑えることで、金型への安定した移送を行うことができ好ましい。ここで、プリプレグの積層工程や、プリフォームの成型工程では、賦形性や接着性を制御する観点から予熱を行う場合があり、従って、前記プリプレグの(n×100)℃での厚みhn(mm)が、h0≦hn≦h0×(2n+1)(nは、1,2,3,4から選ばれる少なくとも一つの自然数。)であることが好ましく、より好ましくはh0≦hn≦h0×2nであり、とりわけ好ましくはh0≦hn≦h0×(2n―1)である。なお、(n×100)℃におけるプリプレグの厚みは、プリプレグを測定する温度雰囲気下に10分間放置したのちにノギスやレーザー変位計、厚みをカメラ撮影して計測するなどの既存の計測手段を用いて測定できる。
ここで、nが大きいほど使用される雰囲気温度が高いことを意味しており、プリプレグは雰囲気温度が高くなるほど厚み膨張が大きくなる傾向を示す。これは、単純な体積膨張に加え、強化繊維同士の厚み方向の干渉であり、この現象は樹脂が低粘度化するほど顕著になるため、より雰囲気温度依存性が高い。さらには、使用される樹脂の分解や発泡による厚み膨張も挙げられる。従って、nについては、使用される材料によって適切な数字を選択することができる。
n=1(雰囲気温度100℃)については、乾燥温度および積層工程時に用いる一般的な温度であり、ここでの厚み膨張はh0の3倍以下が、プリフォームの厚みを安定して小さくでき、積層工程の負荷を低減する観点から好ましい。また、n=2(雰囲気温度200℃)については、一般的な熱硬化性樹脂の硬化や、低融点の熱可塑性樹脂の加工温度であり、ここでの厚み膨張はh0の5倍以下が、成形工程における金型への移送などの取扱性や安定した賦形性を確保する観点から好ましい。さらに、n=3(雰囲気温度300℃)については、一般的な汎用エンジニアリングプラスチックの加工温度の上限にあたり、ここでの厚み膨張はh0の7倍以下が、樹脂分解が少なく、プリプレグまたはプリフォームを安全に安定して取扱える観点から好ましい。最後に、n=4(雰囲気温度400℃)については、一般的なスーパーエンジニアリングプラスチックの加工温度であり、それ以外の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂は分解が促進され、強化繊維基材の厚み膨張は最大点に近くなる。従って、厚み膨張はh0の9倍以下が、強化繊維の厚み方向の配置割合を抑え、プリプレグの安定した取扱い性の観点から好ましい。
強化繊維の厚み方向の配置割合を抑える方法としては、上述のとおり、強化繊維基材を製造する際に、強化繊維を分散させ、かつ平面的に配置することで達成できる。平面的に配置するために、乾式法では、強化繊維を集積する際に、静電気を用いる方法、整流化したエアを用いる方法、コンベアの引取速度を調整する方法などが例示できる。湿式法でも、超音波などで分散した強化繊維の再凝集を防止する方法、濾過速度を調整する方法、コンベアのメッシュ径を調整する方法、コンベアの引取速度を調整する方法などが例示できる。特に良好な分散状態を維持したままコンベアで強化繊維基材を吸引しながら連続的に引取る方法は、コンベアの流れに合わせてコンベア上にコンベア平面と平行な方向に強化繊維を強制的に倒して強化繊維基材を作製できることから、強化繊維の厚み方向の配置割合を抑える方法として好ましい。
測定する温度雰囲気が非常に高温の場合で、直接測定することが困難なときは、厚みが安定した状態を維持できるように処置してから、測定が可能な温度に調整してから測定してもよい。例えば熱可塑性樹脂のプリプレグであれば、融点または軟化点以上の高温雰囲気下では樹脂が流動しているが、室温まで冷却することで、プリプレグの樹脂が固化し厚みを固定した状態で測定できる。
厚みの測定部位については、プリプレグにおいて2点X、Yを、該プリプレグの面内において直線距離XYが最も長くなるように決定する。次に該直線XYを10等分以上した際の両端XYを除く各分割点を厚みの測定点とする。各測定点における厚みの平均値をプリプレグの厚みとする。
本発明において、プリプレグに使用される樹脂としては、強化繊維基材に含浸性を有し、積層工程での取扱い性を確保するための引張強度が達成できる樹脂として、以下に示す熱可塑性樹脂、または熱可塑性樹脂と未硬化状態の熱硬化性樹脂との混合物を使用する。
積層工程での取扱い性を確保するための引張強度σは、数値が高いほど、高速かつ経済性に優れた積層工程、成形工程に供することができるが、少なくとも50MPaが必要である。50MPa未満では積層時、または成形時の操作においてプリプレグが破けるなどの問題が発生する場合がある。また、プリプレグの等方性の指標として、引張強度σが、測定方向による最大引張強度σMaxと最小引張強度σMinとの関係において、σMax≦σMin×2であることが好ましく、より好ましくはσMax≦σMin×1.8であり、さらに好ましくはσMax≦σMin×1.5である。σの等方性が高いほど、積層工程での経済的負荷を削減することができる観点から好ましい。
プリプレグの引張強度は、プリプレグから試験片を切り出し、ISO527−3法(1995)に従い引張特性を測定して求める。試験片は、任意の方向を0度方向とし、+45度、−45度、90度方向の4方向について測定する。それぞれの方向について測定数はn=5以上とし、全測定結果の平均値を引張強度とする。各測定方向での引張強度のうち、最大値をσMaxとし、最小値をσMinとする。
本発明において、プリプレグに使用される熱可塑性樹脂としては、例えば、「ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などのポリアリーレンスルフィド、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、液晶ポリマー(LCP)」などの結晶性樹脂、「スチレン系樹脂の他、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート(PAR)」などの非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系樹脂、およびアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂が挙げられる。中でも、得られるプレス成形品の軽量性の観点からはポリオレフィンが好ましく、強度の観点からはポリアミドが好ましく、表面外観の観点からポリカーボネートやスチレン系樹脂のような非晶性樹脂が好ましく、耐熱性の観点からポリアリーレンスルフィドが好ましく、連続使用温度の観点からポリエーテルエーテルケトンが好ましく、さらに耐薬品性の観点からフッ素系樹脂が好ましく用いられる。
本発明において、プリプレグに熱可塑性樹脂を使用すると、高い引張強度σが得られるため、積層工程、成形工程の経済性に有利である。σは50MPa以上であり、1000MPa以下である。
本発明において、プリプレグに熱可塑性樹脂に混合して熱硬化性樹脂を使用する場合には、その熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール(レゾール型)、ユリア・メラミン、ポリイミド、これらの共重合体、変性体、および、これらの少なくとも2種類をブレンドした樹脂が挙げられる。中でも、得られる成形品の力学特性の観点からエポキシ樹脂が好ましく用いられる。また、プリプレグは成形工程で硬化させるため、用いる熱硬化性樹脂のガラス転移温度は80℃以下が好ましく、70℃以下がより好ましく、60℃以下がさらに好ましい。
本発明で使用される樹脂成分には、上記熱可塑性樹脂マトリックスに熱硬化性樹脂を混合したブレンド物、を使用してもよい。さらに樹脂成分には、その用途に応じて、更に、マイカ、タルク、カオリン、ハイドロタルサイト、セリサイト、ベントナイト、ゾノトライト、セピオライト、スメクタイト、モンモリロナイト、ワラステナイト、シリカ、炭酸カルシウム、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラスマイクロバルーン、クレー、二硫化モリブデン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、ポリリン酸カルシウム、グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜カルシウム、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカおよび高分子化合物などの充填材、金属系、金属酸化物系、カーボンブラックおよびグラファイト粉末などの導電性付与材、臭素化樹脂などのハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモンや五酸化アンチモンなどのアンチモン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、芳香族ホスフェートおよび赤燐などのリン系難燃剤、有ホウ酸金属塩、カルボン酸金属塩および芳香族スルホンイミド金属塩などの有機酸金属塩系難燃剤、硼酸亜鉛、亜鉛、酸化亜鉛およびジルコニウム化合物などの無機系難燃剤、シアヌル酸、イソシアヌル酸、メラミン、メラミンシアヌレート、メラミンホスフェートおよび窒素化グアニジンなどの窒素系難燃剤、PTFEなどのフッ素系難燃剤、ポリオルガノシロキサンなどのシリコーン系難燃剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物系難燃剤、またその他の難燃剤、酸化カドミウム、酸化亜鉛、酸化第一銅、酸化第二銅、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化スズおよび酸化チタンなどの難燃助剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、マイカ、タルクおよびカオリンなどの結晶核剤、リン酸エステルなどの可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、およびポリエーテルエステルアミドなどの帯電防止剤等を添加しても良い。とりわけ、用途が電気・電子機器、自動車、航空機などの場合には、難燃性が要求される場合があり、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、無機系難燃剤が好ましく添加される。
本発明で用いるプリプレグは、経済性の観点から長尺であることが好ましく、長尺方向の長さは好ましくは500mm以上、より好ましくは800mm以上、さらに好ましくは1000mm以上である。長尺方向の長さの上限については特に制限はないが、4000m以下が一般的に例示できる。
本発明では、強化繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸したプリプレグを2層以上積層してプリフォームを得る。前記したとおり、プリプレグは、そこに含まれる強化繊維単糸(a)と該強化繊維単糸(a)と交差する強化繊維単糸(b)とで形成される二次元配向角の平均値が10〜80度であり、かつ23℃での厚みh0(mm)が0.03〜1mm、引張強度σが50〜1000MPaである。これらの構成要素について説明する。
本発明において、プリフォームとは、少なくとも2つ以上の成形材料が積層されてなり、直接もしくは二次加工工程を経て、成形工程に供されるものであり、成形品に加工される前の状態を意味する。なお、二次加工工程には特に制限はないが、プリフォームを所定のサイズや形状にカットする切削工程、プリプレグ同士を接着してプリフォームの取扱性を向上させるボンディング工程、プリフォームからエアを抜く脱泡工程、プラズマ処理などによりプリフォームを活性化させる表面処理工程などが例示できる。
本発明では、プリフォームには、少なくとも強化繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸したプリプレグを用いることが、得られる成形品の軽量性と力学特性の観点から重要である。また、プリフォームの取扱性の観点から、プリプレグに含まれる強化繊維単糸(a)と該強化繊維単糸(a)と交差する強化繊維単糸(b)とで形成される二次元配向角の平均値が10〜80度であることが重要である。ここで、二次元配向角については、前記プリプレグでの説明で用いた定義が適用できる。二次元配向角の平均値が10度未満であると、一方向の強化繊維など、繊維長手方向に対して直交方向の応力に対して抵抗力がなくプリフォームを高速で移送したり成形する過程でプリフォームが破れる場合がある。二次元配向角の平均値が80度を越えると、二方向の強化繊維織物など、二方向で強化繊維が突っ張るため、成形工程において十分な伸縮性が得られず、成形不良となる場合や成形品の品質を損なう場合がある。また、これら一方向の強化繊維や、二方向の強化繊維織物は、強化繊維同士の間隙が狭く、成形工程において樹脂の含浸が不十分となり力学特性が低下する場合がある。さらに、プリプレグが等方性に近いほど積層工程での労力を抑えて高速でプリフォーム化でき、材料ロスも小さいことから、経済的負担を軽減でき好ましい。従って、本発明で用いられるプリプレグの、強化繊維の二次元配向角は、好ましくは20〜70度であり、より好ましくは30〜60度であり、理想的な角度である45度に近づくほど好ましい。
また、本発明では、プリフォームの取扱性の観点から、プリプレグの23℃での厚みh0(mm)が0.03〜1mmであることも重要である。h0が0.03mm未満であると、プリフォームを高速で移送したり成形する過程でプリフォームが破れる場合がある。h0が1mmを越えると、厚み方向への繊維配向が大きくなり、成形する工程でプリフォームが厚み膨張を起こし、型くずれにより成形品の品質を損なう場合や、金型への移送が阻害される場合がある。従って、本発明で用いられるプリプレグの23℃での厚みh0は、好ましくは0.05〜0.8mmであり、より好ましくは0.1〜0.6mmである。
さらに、本発明において、プリフォームの取扱性の観点から、プリプレグの引張強度σは50MPa以上である。σの上限については、1000MPa以下とする。引張強度σが50MPa未満であると、成形時の操作においてプリプレグが破けるなどの問題が発生する。
本発明において、プリフォームに用いられるプリプレグとして、複雑形状の成形性と力学特性を満足する成形品を得る観点から、上述のプリプレグ(プリプレグ(A)と称する)を用いる。
また、本発明では、プリフォームは、得られる成形品の仕様を満足する目的で、プリプレグ(A)は複数、すなわち2層以上の積層単位を構成することが必要であり、プリプレグの各要素が実質的に異なる少なくとも2種類のプリプレグ(A)を用いることが好ましい。ここで、前記プリプレグの各要素について説明する。
まず、強化繊維の割合について、強化繊維の体積割合が増加するほど、得られる成形品の弾性率、強度、寸法安定性は向上する反面、成形品の外観品位は低下する傾向がある。このため、強化繊維の割合が高いプリプレグと、低いプリプレグを組み合わせて積層することで、成形品の軽量性や外観品位を両立する観点で好ましい。例えば、成形品の剛性を高める目的で、より外側に強化繊維の割合が高いプリプレグを積層し、内側に強化繊維の低いプリプレグを積層する方法や、成形品の外観品位を高める目的で、さらに外側に強化繊維の割合が低いプリプレグを積層する方法などが挙げられる。
同様に、強化繊維の長さについても、強化繊維が長いほど、得られる成形品の弾性率、強度、寸法安定性は向上する反面、プリフォームの取扱性や成形品の外観品位は低下する傾向がある。このため、強化繊維の繊維長が長いプリプレグと、繊維長が短いプリプレグを組み合わせて積層することで、プリフォームの取扱性と成形品の力学特性や外観品位を両立する観点で好ましい。例えば、成形品の剛性を高める目的で、より外側に強化繊維の繊維長が長いプリプレグを積層し、内側に繊維長が短いプリプレグを積層する方法や、成形品の外観品位を高める目的で、さらに外側に繊維長が短いプリプレグを積層する方法などが挙げられる。
次に、強化繊維の引張弾性率について、引張弾性率が高いほど、得られる成形品の弾性率は向上する反面、繊維の加工性が悪化することで、プリフォームの取扱性が低下したり経済性で不利となる場合がある。このため、強化繊維の引張弾性率が高いプリプレグと、引張弾性率が低いプリプレグを組み合わせて積層することで、プリフォームの取扱性と成形品の剛性を両立する観点で好ましい。例えば、成形品の剛性と経済性を両立する目的で、より外側に炭素繊維などの引張弾性率が高いプリプレグを積層し、内側にガラス繊維などの引張弾性率が低いプリプレグを積層する方法や、より外側に引張弾性率の高い炭素繊維を用いたプリプレグを積層し、内側に引張弾性率のより低い炭素繊維を用いたプリプレグを積層する方法などが挙げられる。
また、プリプレグの目付については、目付が大きいほどプリプレグの厚みが厚くなる傾向があるため積層する数量や積層する労力の低減が図れる反面、成形品の厚みや形状に対する追随性が低下する。このため、目付の大きいプリプレグと、目付の小さいプリプレグを組み合わせて積層することで、プリフォームの取扱性や形状追随性と、経済性を両立する観点で好ましい。プリプレグの厚みについても、同様に、23℃での厚みh0の大きなプリプレグと、h0の小さなプリプレグを組み合わせて積層することが好ましい。
本発明において、プリフォームは、成形性の観点から、プリプレグと、そのプリプレグに隣接する積層単位との層間剪断強度が0〜50MPaであることが好ましく、より好ましくは0〜40MPaである。層間剪断強度が好ましい範囲内であると、成形工程においてプリフォームが層間ズレを伴いながら伸縮することで、凹凸形状への賦形をより高めることができる。プリフォームの層間剪断強度は、プリフォームから試験片を切り出し、ASTM−D−2344に基づき3点曲げ試験を行い、測定することができる。プリフォームが部分的に接着されている場合や、目留めされている場合には、当該接着部分、目留め部分を含むよう試験片を調製して測定できる。
さらに、本発明において、プリフォームは、得られる成形品の仕様を満足する目的で、プリプレグ(A)以外に、他の積層単位(B)を併用することが好ましい。ここで、他の積層単位(B)について好ましい態様を説明する。
まず、前記積層単位(B)としては強化繊維を含む基材であると、得られる成形品の補強効果をさらに高める観点から好ましい。中でも、連続した強化繊維は、成形品の衝撃強度を高める観点から好ましく、例えば、一方向基材、織物基材、マット基材などの形態が挙げられる。また、不連続状の強化繊維は、成形品の形状追随性を高める観点から好ましく、例えば、一方向基材、すなわちカットされた強化繊維が一方向に配列された基材や、マット基材、シートモールディングコンパウンド(SMC)基材、押出シート基材などの形態が挙げられる。
この積層単位(B)を構成する強化繊維には特に制限はなく、前記プリプレグを構成する強化繊維と同様に選択することができ、とりわけ、比強度、比剛性が高く軽量化効果の観点から、PAN系、ピッチ系、レーヨン系などの炭素繊維が好ましく用いられる。さらに当該積層単位(B)には、プリフォームの取扱い性を高める観点から、強化繊維の形態を維持する目的で熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が含浸されていることが好ましい。ここで、使用される熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂としては特に制限はなく、前記プリプレグを構成する熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂と同様に選択することができる。また、樹脂の含浸率についても特に制限はなく、強化繊維の形態を維持する目的で前記プリプレグと同様に30〜100%が好ましい範囲として例示できる。
次に、前記積層単位(B)として、成形品に所定の厚みを確保する観点から、また成形品の厚みを均一に保持する観点から、シート状の基材を用いることが好ましい。また、プリフォームの伸縮性を高め、凹凸形状への追随性を高める観点から、不織布状の基材を用いることが好ましい。さらには、得られる成形品の軽量性を高める観点から、多孔質の基材を用いることが好ましい。これらの基材を構成する材料としては特に制限はないが、基材への加工性の観点から、前記プリプレグを構成する熱可塑性樹脂がより好ましく用いられる。また、これらの熱可塑性樹脂には、前記プリプレグを構成する熱可塑性樹脂と同様に、必要に応じてアロイ成分、ブレンド物、添加剤などを含んでも良い。さらに、得られる成形品の軽量性を一層高める観点から、前記シート状基材、不織布状基材、多孔質基材の嵩密度は0.01〜1.0が好ましく、0.05〜0.9がより好ましく、0.1〜0.8がとりわけ好ましい。
さらに、前記積層単位(B)として、得られる成形品の表面の改質および機能付与を容易に行う観点から、樹脂からなるフィルムを、該プリフォームの最外層に配置することが好ましい。樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いるとフィルムへの加工性やプリフォームとの接着性が簡便で好ましく、熱硬化性樹脂を用いるとプライマー、塗料やゲルコートなどの表面平滑性の改善できるため好ましい。得られる成形品を電子機器などに使用する場合、フィルムの難燃性がUL−94規格のVTM−1以上であることが好ましく、VTM−0以上であることがより好ましい。フィルムの難燃性を確保する方法については特に制限はなく、PPS、PEI、PEEK、フェノール樹脂などの難燃性に優れた樹脂をフィルム化する方法、熱可塑性樹脂に難燃性に優れた樹脂をブレンドしてフィルム化する方法、熱可塑性樹脂に難燃剤を混合してフィルム化する方法などが例示できる。
また、前記積層単位(B)として、得られる成形品の意匠性を改善する観点から、加飾フィルム、透明フィルム、色調フィルムから選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。ここで、加飾フィルムとは、当該フィルム表面に、意匠および/または幾何学的紋様を有していることが好ましい態様として例示できる。透明フィルムとは、当該フィルムの可視光線の透過率が80〜100%の樹脂を用いることが好ましい態様として例示できる。色調フィルムとは、有機系および/または無機系の顔料や着色剤を含有することが好ましい態様として例示できる。その他、必要に応じ、光沢フィルム、プリントフィルム、帯電防止フィルム、遮光フィルム、耐熱フィルムなどを積層単位(B)として用いることができる。
上記に例示した以外にも、他の積層単位(B)として、金属板、金属箔、金属メッシュ、グラファイトシート、放熱シート、ハニカム材料、耐薬品性フィルム、ガスバリヤーフィルム、耐寒フィルム、抗菌シートやフィルム、発泡シート、ゴムシートなどを用いてもよい。以上の他の積層単位(B)は、必要に応じ、一種または二種以上を併用してもよい。
また、前記プリプレグ(A)と、他の積層単位(B)からなるプリフォームの好ましい態様として、スキン層とコア層からなるサンドイッチ構造体が例示できる。
前記サンドイッチ構造体のうち、スキン層が前記プリプレグ(A)で構成されている場合、得られる成形品が等方的特性を発現し、かつ複雑形状への追随性も確保できるため好ましい。この場合、これらの効果を一層高める観点から、コア層としてプリプレグ(A)よりも嵩密度の低い、シート状基材、多孔質基材、ハニカム材料、強化繊維を含むマット基材などを用いることがより好ましい。
また、前記サンドイッチ構造体のうち、コア層が前記プリプレグ(A)で構成されている場合、得られる成形品の厚みがより均質化でき、かつ機能性付与が容易に確保できるため好ましい。この場合、剛性効果を高める観点から、コア層として連続した強化繊維を含む一方向基材、織物基材などを用いることがより好ましい。また、成形品表面への機能付与の観点から、難燃性を有するフィルム、加飾フィルムなどを用いることがより好ましい。
本発明において、プリフォームは、前述したプリプレグの取扱い性の説明と同様に、積層工程での安定した作業性を確保し、金型への安定した移送など成形工程でのプリフォームの取扱い性の観点から、厚み膨張を抑えることが好ましく、(n×100)℃での厚みhpn(mm)が、hp0≦hpn≦hp0×(2n+1)(hp0(mm)は23℃での該プリフォーム厚み、nは1,2,3,4から選択される少なくとも一つの自然数。)であることが好ましく、より好ましくはhp0≦hpn≦hp0×2nであり、とりわけ好ましくはhp0≦hpn≦hp0×(2n−1)である。ここでの、nの選択基準は前記プリプレグと同様であり、使用する材料から適切な自然数を選択することができる。
本発明において、プリフォームの厚みhp0(mm)には特に制限はないが、成形時の取扱い性の観点から、0.8〜100mmが好ましく、より好ましくは1.2〜10mmであり、とりわけ好ましくは1.5mm〜5mmである。また、本発明において、プリフォームに用いられるプリプレグおよび他の積層単位の積層数にも、プリプレグ(A)が2層以上積層されていれば、特に制限はないが、積層工程での生産性および経済性の観点から、2〜100層が好ましく、より好ましくは4〜50層であり、とりわけ好ましくは8〜30層である。積層数を多くすると、積層工程での負荷が大きくなるものの、好ましい範囲内であれば得られるプレス成形品の設計自由度をより高めることができる。
本発明で得られるプレス成形品は、各種部品、部材に使用することが可能であるが、その使用用途を広げるために、前記成形品は軽量でありかつ剛性、強度に優れることが好ましい。さらに寸法安定性の指標である線膨張係数にも優れることが好ましい。
具体的な指標としては、前記成形品の曲げ弾性率をEc、比重をρとしたときに、Ec1/3・ρ−1で表される、軽量性を示すひとつのパラメータである比剛性が1.5〜5であることが好ましい。一般的にスチールやアルミニウムの比剛性は1.5以下であり、これらの金属材料よりも優れた比剛性の領域となるため、1.5以上であることが好ましい。また、より好ましくはマグネシウムの一般的な比強度である2.0を超える2.0〜5、さらに好ましくは2.5〜5である。また、成形品の設計を容易にするために、比剛性は等方性を有していることが好ましく、前記比剛性の等方性の指標として、前記曲げ弾性率Ecが、測定方向による最大曲げ弾性率EcMaxと最小曲げ弾性率EcMinとの関係において、EcMax≦EcMin×2である。より好ましくはEcMax≦EcMin×1.8であり、さらに好ましくはEcMax≦EcMin×1.5である。
成形品の強度についての具体的な指標としては、前記成形体の引張強度σc 、比重ρとすると、σc/ρが100〜500であることが好ましい。より好ましくは200〜500、さらに好ましくは300〜500である。また前述の比剛性の記載と同様の理由より、前記引張強度の等方性の指標として、前記引張強度σcが、測定方向による最大引張強度σcMaxと最小引張強度σcMinとの関係において、σcMax≦σcMin×2である。より好ましくはσcMax≦σcMin×1.8であり、さらに好ましくはσcMax≦σcMin×1.5である。
成形品の寸法安定性を示す一つのパラメータである線膨張係数についての具体的な指標としては、前記成形体の線膨張係数Ccが1×10−6〜20×10−5/Kであることが好ましい。より好ましくは1×10−6〜15×10−5/K、さらに好ましくは1×10−6〜10×10−5/Kである。また前述の比剛性の記載と同様の理由より、前記線膨張係数の等方性の指標として、前記線膨張係数Ccが、測定方向による最大線膨張係数CcMaxと最小線膨張係数CcMinとの関係において、CcMax≦CcMin×2である。より好ましくはCcMax≦CcMin×1.8であり、さらに好ましくはCcMax≦CcMin×1.5である。
また、本発明で得られるプレス成形品は、薄肉性、軽量性を考慮した場合、その最大厚みが2mm以下であることが好ましい。より好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.2mm以下である。なお、ここで説明される最大厚みとは、成形品を構成する各平面部の厚みのうち最も大きな厚みのことを意味する。最大厚みは、成形品を構成する平面部において、最も厚みの大きな部分を測定して決定する。
またプレス成形品は、形状設計の自由度から、その厚みが変化していてもよい。この厚み変化は、連続的に変化したものであることがより好ましい。なお、ここでいう「連続的に」とは、厚みがテーパー状に変化していることを意味する。
さらに、プレス成形品は形状による剛性向上の効果を高めたり、形状による意匠効果を持たせるために、凹凸形状を有することが好ましい。具体的には成形品の基準面から凹凸形状を形成している凹凸面との高さの差が3mm以上であることが好ましい。基準面とは、成形品を形成する平面部のうち、面積が最も大きな平面部のことをいう。基準面と凹凸形状を形成している凹凸面とは、基準面に実質的に平行かつ、基準面から平面部1つ以上を隔てて形成される平面部のことである。ここで、実質的に平行とは、基準面と対象とする平面部とが形成する角度が20°以下のことをいう。基準面と凹凸面とが平行な場合には、基準面と凹凸面との高さの差はそのまま測定できるが、基準面と凹凸面とがある角度を形成する場合には、基準面と凹凸面上の点Pとの高さの差のうち、最も高さの差が大きくなるものを、基準面と凹凸面との高さの差とする。基準面から凹凸面との高さの差は5mm以上であることがより好ましい。
また、上記以外にも様々な使用を想定し、成形品には複雑形状を形成することが好ましい。例えば多数の平面部よりなる箱型形状を形成する場合には、平面部同士を屈曲部で繋ぐ形状となるが、その屈曲程度を表すための、屈曲部におけるR部の曲率半径が小さいことが好ましい。より複雑な形状を形成させるという観点からは、該R部の曲率半径は5mm以下であることが好ましい。
さらに、プレス成形品に複雑な形状を形成させる観点からは、前記屈曲部の個数が3個以上であることが好ましい。単純な成形品の折り曲げ形状では屈曲部が1個であり、コの字形状、単純なS字形状では屈曲部が2個となる。通常、部材などの複雑形状成形品はさらに屈曲部の個数が多くなる場合が大半であり、屈曲部の個数としては3個以上が好ましい目安となる。単純な四角形状の箱型成形品の場合には屈曲部が8個である。
また、プレス成形品は形状として各種ケース、筐体や部材への適用範囲を広げる観点から、成形品が屈曲部で区切られる平面部3面から構成される頂点を有することが好ましい。ここで、屈曲部で区切られる平面部3面から構成される頂点とは、平面部3面から構成されるコーナー部のことである。
さらにプレス成形品には、剛性を高める観点からリブが形成されていてもよい。リブの形状は特に限定されないが、線状リブ、T字リブ、十字リブなどが好ましく挙げられる。リブの高さは成形品の必要に応じて設定することになるが、成形品の薄肉性の観点からは10mm以下であることが好ましい。より好ましくは5mm以下である。
プレス成形品は軽量性を確保する観点からは、中空体であってもよい。この場合、成形品の形状に合わせていくつかの成形品を接合して、中空成形体を形成してもよい。
また、さらに高い力学特性を成形品に付与することを目的として、別の成形体と一体化させてもよい。別の成形品としては、力学特性を高めるためには、連続した強化繊維と樹脂とを有してなる繊維強化複合材料が接合されていることが好ましい。例えば、連続した強化繊維をエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂または、ポリプロピレンやポリアミドなどの熱可塑性樹脂と複合した繊維強化複合材料を成形品の表面に接合することで、極めて優れた力学特性や剛性を付与することが可能となる。
本発明において、プリフォームを成形して得られる成形品同士を接合一体化させてもよい。目的により、他方の繊維質量含有率を上げておき、高い強度として一体化させたものなどが例示できる。
成形品の適用用途を広げる観点からは、複雑形状の成形体を接合することが好ましい。ここで複雑形状の成形体とは、例えばエッジ、フレーム、ボス、リブ、ヒンジ、マウントなどの複雑形状の射出成形体が例示できる。成形品な優れた力学特性を活用できる用途を広げることができる。
一体化させるための手法としては特に限定されないが、接着剤や熱溶着、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着などの方法が例示できる。なかでもプロセスの容易さや、成形サイクルの短さから、熱溶着、振動溶着、超音波溶着、レーザー溶着が好ましい。
ここでプレス成形の種類は得られる成形品に応じ選択が可能である。ここで、プレス成形とは、加工機械および型、工具その他成形用の治具や副資材等を用いて、前記積層プリフォームに曲げ、剪断、圧縮等の変形を与えて成形体を得る方法であるが、その成形形態として絞り、深絞り、フランジ、コールゲート、エッジカーリング、型打ちなどが例示される。また、プレス成形の方法としては、各種存在するプレス成形の方法のなかでも、大型の航空機などの成形品部材を作製する際によく使用されるオートクレーブ法や、工程が比較的簡便である金型プレス法が好ましく挙げられるが、設備や成形工程でのエネルギー使用量、使用する成形用の治具や副資材等の簡略化、成形圧力、温度の自由度の観点から、金属製の型を用いて成形をおこなう金型プレス法を用いることがより好ましい。
金型プレス法には、前記プリフォームを型内に予め配置しておき、型締とともに加圧、加熱をおこない、次いで型締をおこなったまま、金型の冷却により該プリフォームの冷却をおこない成形品を得るホットプレス法や、予め該プリプレグまたはプリフォームを、熱可塑性樹脂の溶融温度以上に、遠赤外線ヒーター、加熱板、高温オーブン、誘電加熱などに例示される加熱装置で加熱し、熱可塑性樹脂を溶融、軟化させた状態で、前記成形型の下面となる型の上に配置し、次いで型を閉じて型締を行い、その後加圧冷却する方法であるスタンピング成形を採用することができる。プレス成形方法については、特に制限はないが、成形サイクルを早めて生産性を高める観点からは、スタンピング成形であることが好ましい。
さらに、樹脂が熱可塑性樹脂であるため、前記予熱によりプリプレグまたはプリフォームを賦形可能な状態ととできる。そして予熱の温度は、前記熱可塑性樹脂の融点または軟化点以上とすることが好ましい。
予熱したプリプレグまたはプリフォームをプレス成形に用いられる金型まで搬送するに際し、予熱状態を十分に保ったままでプレス成形するために、素早く搬送することが好ましい。具体的には、プリプレグまたはプリフォームを予熱後、金型まで搬送してプレス成形で加圧を開始するまでの所要時間が1分以内であることが好ましく、30秒以内であることがより好ましく、15秒以内であることがさらに好ましい。
プレス金型での加圧については、プリプレグまたはプリフォームを良好に賦形させる観点から、加圧力は0.1MPa以上である必要がある。好ましくは1MPa以上、より好ましくは10MPa以上である。加圧力の上限については、成形時の強化繊維の折損を抑え本発明の目的を達成する観点から、100MPa以下である必要がある。
プレス金型での冷却については特に制限されることはないが、プリプレグまたはプリフォームを構成する樹脂として熱可塑性樹脂を使用しているので、予熱したプリフォームを十分に冷却させる観点から、金型の表面温度を熱可塑性樹脂の融点または軟化点以下とすることが好ましい。また脱型を早めて成形サイクルを短くする観点からは、金型温度を熱可塑性樹脂の融点または軟化点よりも30℃以上低くすることが好ましい。より好ましくは50℃以上低くすることである。
次に本発明において、プリフォームを金型に配置してプレス成形する工程について説明する。本発明では、プリフォームを、次式で示されるチャージ率を100%より大きくして金型に配置することが好ましい。
・チャージ率(%)=100×(プリフォームの面積)/(金型キャビティ総面積)。
チャージ率が100%より大きい、すなわち金型キャビティ総面積を全てカバーする大きさよりも大きいプリフォームを金型に配置することで、成形時にプリフォームに過度な流動を起こすことなく、繊維配向を保ったままで成形が可能となる。このため、成形時に繊維配向を乱したり、成形時の流動によって繊維配向に異方性を生じさせたりすることを極力抑えて、プリプレグまたはプリフォームの繊維配向を活かした成形品を得ることができる。好ましくはチャージ率を105%以上、さらに好ましくは110%以上とすることである。チャージ率の上限については、特に制限はないが、材料を有効に使用し、無駄を省く観点からは150%以下であることが好ましい。
次に成形用の金型について説明する。金型は大きく2種類に分類され、1つは鋳造や射出成形などに使用される密閉金型であり、もう1つはプレス成形や鍛造などに使用される開放金型である。密閉金型は主に内部に材料を流し込んで成形する金型であり、開放金型は主に材料を流さずに変形させて成形する金型である。成形時に基材に過度な流動を起こすことなく、成形時にプリプレグまたはプリフォームの繊維配向を乱したり、成形時の流動によって繊維配向に異方性を生じさせたりすることを極力抑えて、プリプレグまたはプリフォームの繊維配向を活かした成形品を得るために、開放金型を用いることが好ましい。また、成形時の分解ガスや混入空気を型外に排除する観点からも開放金型が好ましい。
さらに、金型には打ち抜き機構、パンチング機構、タッピング機構から選択される少なくとも一種を有する金型が好ましい。プレス成形で得られた成形品は、プリフォームのチャージ率を、金型のキャビティ総面積に対し100%より大きくしてプレス成形する場合もあり、成形品として必要な部分と不必要な部分(端部)を有することがある。従って、成形後に成形品の形状を仕上げるために、この端部を除去する工程が必要となる場合がある。また、成形品は、その使用目的などによっては発生ガスや熱交換のための通気口や排気口、成形品の掴み部分、加工用のネジ孔やボルト接合用の孔、意匠性の付与を目的とした孔や打ち抜き模様などで利用する孔部を有する成形品に加工することが想定される。前記した3つの機構から選択される少なくとも一種を有することで、プレス成形後に端部を除去する工程や必要な孔部を形成する工程をプレス成形と同時に実施することができ、工程の簡略化を図ることができるために好ましい。
本発明で得られるプレス成形品の用途としては、例えば、「パソコン、ディスプレイ、OA機器、携帯電話、携帯情報端末、ファクシミリ、コンパクトディスク、ポータブルMD、携帯用ラジオカセット、PDA(電子手帳などの携帯情報端末)、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、光学機器、オーディオ、エアコン、照明機器、娯楽用品、玩具用品、その他家電製品などの筐体、トレイ、シャーシ、内装部材、またはそのケース」などの電気、電子機器部品、「支柱、パネル、補強材」などの土木、建材用部品、「各種メンバ、各種フレーム、各種ヒンジ、各種アーム、各種車軸、各種車輪用軸受、各種ビーム、プロペラシャフト、ホイール、ギアボックスなどの、サスペンション、アクセル、またはステアリング部品」、「フード、ルーフ、ドア、フェンダ、トランクリッド、サイドパネル、リアエンドパネル、アッパーバックパネル、フロントボディー、アンダーボディー、各種ピラー、各種メンバ、各種フレーム、各種ビーム、各種サポート、各種レール、各種ヒンジなどの、外板、またはボディー部品」、「バンパー、バンパービーム、モール、アンダーカバー、エンジンカバー、整流板、スポイラー、カウルルーバー、エアロパーツなど外装部品」、「インストルメントパネル、シートフレーム、ドアトリム、ピラートリム、ハンドル、各種モジュールなどの内装部品」、または「モーター部品、CNGタンク、ガソリンタンク、燃料ポンプ、エアーインテーク、インテークマニホールド、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、各種配管、各種バルブなどの燃料系、排気系、または吸気系部品」などの自動車、二輪車用構造部品、「その他、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンショメーターベース、エンジン冷却水ジョイント、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、ディストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、バッテリートレイ、ATブラケット、ヘッドランプサポート、ペダルハウジング、プロテクター、ホーンターミナル、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ノイズシールド、スペアタイヤカバー、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、スカッフプレート、フェイシャー」、などの自動車、二輪車用部品、「ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、エレベーター、フェイリング、リブ」などの航空機用部品が挙げられる。力学特性の観点より、電気、電子機器用の筐体、土木、建材用のパネル、自動車用の構造部品、航空機用の部品に好ましく用いられる。とりわけ、力学特性および等方性の観点より、自動車、二輪車用構造部品に好ましく用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(1)プリプレグに含まれる強化繊維長の評価
プリプレグを空気中500℃で1時間加熱し、樹脂成分を焼き飛ばした。残った強化繊維を無作為に400本選び出し、その長さを1μm単位まで光学顕微鏡にて測定し、繊維長とその割合を測定した。
さらに0.25mm未満、0.25mm以上0.5mm未満、0.5mm以上0.75mm未満、というように0.25mm間隔で、強化繊維の度数をカウントし、繊維長分布を評価した。
(2)プリプレグ中の強化繊維の二次元配向角の測定
図2に示すように、プリプレグを2枚のステンレス製メッシュ(2.5cm当たり50個のメッシュを有する平織形状)に挟み、プリプレグが動かないようにネジを調整して固定した。これを空気中500℃で1時間加熱し、樹脂成分を焼き飛ばした。ステンレス製メッシュを外し、得られた強化繊維基材を顕微鏡で観察し、無作為に強化繊維単糸(a)を1本選定し、該強化繊維単糸に交差する別の強化繊維単糸との二次元配向角を画像観察より測定した。配向角は交差する2つの強化繊維単糸とのなす2つの角度のうち、0°以上90°以下の角度(鋭角側)を採用した。選定した強化繊維単糸(a)1本あたりの二次元配向角の測定数はn=20とした。同様の測定を合計5本の強化繊維単糸を選定しておこない、その平均値をもって二次元配向角とした。
(3)強化繊維基材の空気量(フラジール法)
上記(2)の焼き飛ばしと同様にして得た強化繊維基材をもちいて、ASTM D737に基づくフラジール形法で測定される空気量を測定した。
(4)プリプレグ中の強化繊維の繊維質量含有率Wf(%)
プリプレグの質量W1を測定したのち、該プリプレグを空気中500℃で1時間加熱し、樹脂成分を焼き飛ばし、残った強化繊維の質量W2を測定し、次式により算出した。
・Wf(%)=100×W2/W1。
(5)プリプレグの厚みhn、およびプリフォームの厚みhpn(hn、hpn(n=0,1、2、3、4))
空気中で、測定する温度にプリプレグまたはプリフォームを10分間放置したのち、室温まで冷却した。該プリプレグまたはプリフォームにおいて2点X、Yを直線距離XYが最も長くなるように決定し、該直線XYを10等分した際の両端XYを除く各分割点において厚みを測定し、その平均値をもってプリプレグまたはプリフォームの厚みhn、hpnとした。
(6)プリプレグの嵩密度
100mm角のプリプレグを切り出し、重量Wを測定し、次式より嵩密度を算出した。
・プリプレグの嵩密度=W/(10×10×h0)
h0:プリプレグの厚み。
(7)プリプレグの樹脂含浸率%
プリプレグの厚み方向断面を以下のように観察して測定した。プリプレグの端部を研磨し、プリプレグをエポキシ樹脂で包埋し、プリプレグの断面端部にあたる面を研磨し、プリプレグの厚み×幅500μmの範囲を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)((株)キーエンス製)を使用して拡大倍率400倍で撮影した。撮影画像において、樹脂が含浸している部位と、樹脂が含浸していない部位の面積を求め、次式により樹脂含浸率を算出した。
・樹脂含浸率(%)=100×(樹脂が含浸している部位の総面積)/(プリプレグの観察部位の断面積)。
(8)プリプレグの引張強度σ
プリプレグから試験片を切り出し、ISO527−3法(1995)に従い引張特性を測定した。試験片は、任意の方向を0°方向とした場合に+45°、−45°、90°方向の4方向について切り出した試験片を作製し、それぞれの方向について測定数はn=5とし、平均値を引張強度とした。測定装置としては“インストロン(登録商標)”5565型万能材料試験機(インストロン・ジャパン(株)製)を使用した。
(9)引張強度σMax、σMin
上記(8)で測定した引張強度σのうち、最大値をσMax、最小値をσMinとした。
(10)成形品の比強度
成形品から試験片を切り出し、ISO1183(1987)に準拠して成形品の比重ρを測定した。次いで成形品から試験片を切り出し、ISO527−3法(1995)に従い引張強度を測定した。試験片は、任意の方向を0°方向とした場合に+45°、−45°、90°方向の4方向について切り出した試験片を作製し、それぞれの方向について測定数はn=5とし、平均値を引張強度σcとした。測定装置としては“インストロン(登録商標)”5565型万能材料試験機(インストロン・ジャパン(株)製)を使用した。得られた結果より次式により、成形品の比強度を算出した。
・成形品の比強度=σc/ρ。
(11)成形品の引張強度のσcMax、σcMin
測定する成形品における0°、+45°、−45°、90°の4方向全てにおいて測定される引張強度のうち、最大値をσcMax、最小値をσcMinとした。
(12)成形品の比剛性
成形品から試験片を切り出し、ISO178法(1993)に従い曲げ弾性率を測定した。試験片は、任意の方向を0°方向とした場合に+45°、−45°、90°方向の4方向について切り出した試験片を作製し、それぞれの方向について測定数はn=5とし、平均値を曲げ弾性率Ecとした。測定装置としては“インストロン(登録商標)”5565型万能材料試験機(インストロン・ジャパン(株)製)を使用した。得られた結果より次式により、成形品の比剛性を算出した。
・成形品の比剛性 =Ec1/3/ρ。
(13)成形品の曲げ弾性率のEcMax、Ecmin
測定する成形品における0°、+45°、−45°、90°の4方向全てにおいて測定される曲げ弾性率のうち、最大値をEcMax、最小値をEcMinとした。
(14)積層プリフォームの層間剪断強度
積層プリフォームより試験片を切り出し、ASTM−D−2344に基づき幅6.4mm、長さ14mmの試験片を作製し、3点曲げ試験をn=10で行い、層間剪断強度を測定した。結果にはn=10の平均値を採用した。
(15)成形品の線膨張係数
成形品から試験片を切り出し、ISO11359−2に準拠して測定した。試験片は、任意の方向を0°方向とした場合に+45°、−45°、90°方向の4方向について切り出した試験片を作製し、それぞれの方向について測定数はn=5とし、平均値を線膨張係数Ccとした。
(16)成形品の線膨張係数のCcMax、CcMin
測定する成形品における0°、+45°、−45°、90°の4方向全てにおいて測定される線膨張係数のうち、最大値をCcMax、最小値をCcMinとした。
(17)成形品の比強度の判定
成形品の比強度をもとに以下の基準で判定した。
A:比強度300MPa以上
B:比強度200MPa以上300MPa未満
C:比強度150MPa以上200MPa未満
D:比強度150MPa未満。
(18)成形品の比剛性の判定
成形品の比剛性をもとに以下の基準で判定した。
AAA:比剛性3.00以上
AA:比剛性2.50以上3.00未満
A:比剛性2.20以上2.50未満
B:比剛性2.00以上2.20未満
C:比剛性1.50以上2.00未満
D:比剛性1.50未満。
(19)成形品の線膨張係数の判定
成形品の線膨張係数をもとに以下の基準で判定した。1×10−6〜20×10−5/K
A:線膨張係数7×10−6/K以下
B:線膨張係数7×10−6/Kより大きく10×10−6/K以下
C:線膨張係数10×10−6/Kより大きく20×10−6/K以下
D:線膨張係数20×10−6/Kより大きい。
(20)成形品の等方性の判定
成形品の引張強度、曲げ弾性率、線膨張係数の各特性の面内バラツキをもとに以下の基準で判定した。
AA:最大値が最小値の1.0倍以上1.1倍以下
A:最大値が最小値の1.1倍よりも大きく1.3倍以下
B:最大値が最小値の1.3倍よりも大きく2倍以下
C:最大値が最小値の2倍よりも大きい。
参考例1.炭素繊維1
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面酸化処理を行い、総単糸数12,000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:1.6g/m
比重:1.8
引張強度:4600MPa
引張弾性率:220GPa。
参考例2.炭素繊維2
ポリアクリロニトリルを主成分とする共重合体から紡糸、焼成処理、表面酸化処理を行い、総単糸数12,000本の連続炭素繊維を得た。この連続炭素繊維の特性は次に示す通りであった。
単繊維径:7μm
単位長さ当たりの質量:1.6g/m
比重:1.8
引張強度:4100MPa
引張弾性率:420GPa。
参考例3.炭素繊維3
東レ(株)製トレカT700S−12K−50C。
参考例4.ガラス繊維
日東紡製、商品名 PF−E001。
参考例5.ガラス繊維強化熱可塑性樹脂(GMT)
Quadrant社製、ユニシートP4038−BK31。厚み3.8mm。
参考例6.PP樹脂シート
未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”J105G)50重量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製“アドマー”QB510)50重量%とからなる厚み1mmの樹脂シートを作製した。
参考例7.発泡PP樹脂シート
古川電工製、商品名 エフセル(2倍発泡、厚み1mm)。
参考例8.透明性ナイロン樹脂フィルム
東京材料(株)製、クリスタミド MS1100からなる透明性ナイロン樹脂フィルム(透明Ny、厚み50μm)を作製した。
参考例9.ナイロン樹脂難燃性フィルム
東レ(株)製、CM1007(ナイロン6樹脂)100質量部に対して、燐化学工業製、ノーバレッド120(平均粒径25μm、リン含有率85%)10質量部を配合、混練しナイロン6樹脂難燃性フィルム(難燃Ny、厚み50μm)を得た。このフィルムの難燃性はUL94、VTM−0であった。
参考例10.連続炭素繊維プリプレグ
東レ(株)製、トレカプリプレグP3052S−12。
参考例11.炭素繊維シートモールディングコンパウンド(SMC)
参考例3のトレカT700S−12K−50Cを25mm長にカットし、該カット炭素繊維束をランダムな方向に炭素繊維束が分布するように散らばらせ、炭素繊維束ランダム配向基材を作製した。該炭素繊維束ランダム配向基材を60質量部に、以下の炭素繊維シートモールディングコンパウンド用ビニルエステル樹脂40質量部を含浸させ、炭素繊維シートモールディングコンパウンド基材(SMC)を作製した。厚み2mm。
ビニルエステル樹脂:昭和高分子社製リポキシH600をマトリックス樹脂とし、そのビニルエステル樹脂100質量部に対して、有機過酸化物硬化剤(日本油脂社製パーブチルZ)1.0質量部、重合禁止剤(精工化学社製TBH)0.6質量部、増粘剤(ダウ・ケミカル社製I・143L)13.0質量部、及び内部離型剤(アデカファイン社製ZNS・P)5.0質量部を配合したもの。
参考例12.切り込み入り炭素繊維プリプレグ
東レ(株)製、トレカプリプレグP3052S−17に、自動裁断機を用いて図7に示すような切り込みを連続的に挿入することにより、等間隔で規則的な切り込みを有する切り込み入り炭素繊維プリプレグを得た。切り込みの方向は繊維直交方向13で、切り込みの長さ17は5.1mmであり、間隔18(繊維長さ)は30mmである。隣り合う列の切り込みが互いに切り込んでいる19は0.1mmである。
参考例13.エポキシ樹脂1
エポキシ樹脂として、エポトートYD128(東都化成(株)製)を40質量部、エポトートYD128G(東都化成(株)製)を20質量部、エピコート1001(ジャパンエポキシレジン(株)製)を20質量部、エピコート1009(ジャパンエポキシレジン(株)製)を20質量部、硬化剤としてDICY7(ジャパンエポキシレジン(株)製、ジシアンジアミド)4質量部、DCMU99(保土ヶ谷化学(株)製、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア)3質量部、その他添加剤としてビニレックK(チッソ(株)製、ポリビニルホルマール)5質量部を配合したもの。未硬化樹脂のガラス転移温度が3℃。60℃における粘度が200Pa・s。
参考例14.エポキシ樹脂2
エポキシ樹脂として、エポトートYD128G(東都化成(株)製)を70質量部、エピコート1009(ジャパンエポキシレジン(株)製)を30質量部、硬化剤としてDICY7(ジャパンエポキシレジン(株)製、ジシアンジアミド)4質量部、DCMU99(保土ヶ谷化学(株)製、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア)3質量部、その他添加剤としてビニレックK(チッソ(株)製、ポリビニルホルマール)5質量部を配合したもの。未硬化樹脂のガラス転移温度が60℃における粘度600Pa・s。
参考例15.ナイロン6樹脂チョップド繊維
東レ(株)製、CM1007(ナイロン6樹脂)を紡糸して得たナイロン6樹脂の繊維(単繊維繊度3dtex)をカートリッジカッターで5.0mmにカットし、ナイロン6樹脂チョップド繊維を得た。
実施例1.
参考例1で得られた炭素繊維1をカートリッジカッターで6mmにカットし、チョップド炭素繊維を得た。水と界面活性剤(ナカライテクス(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名))からなる濃度0.1質量%の分散液を作成し、この分散液と上記チョップド炭素繊維とを用いて図3の抄紙基材の製造装置を用いて、抄紙基材を製造した。製造装置は、分散槽としての容器下部に開口コックを有する直径1000mmの円筒形状の容器、分散槽と抄紙槽とを接続する直線状の輸送部(傾斜角30°)を備えている。分散槽の上面の開口部には撹拌機が付属し、開口部からチョップド炭素繊維および分散液(分散媒体)を投入可能である。抄紙槽が、底部に幅500mmの抄紙面を有するメッシュコンベアを備える槽である点、及び炭素繊維基材(抄紙基材)を運搬可能なコンベアをメッシュコンベアに接続している。抄紙は分散液中の炭素繊維濃度を0.05質量%としておこなった。抄紙した炭素繊維基材は200℃の乾燥炉で30分間乾燥した。得られた炭素繊維基材の幅は500mm、長さは500mm、目付は50g/mであった。
上記炭素繊維基材を1枚と、東レ(株)製、CM1007(ナイロン6樹脂)の同じ厚みのフィルム2枚とを、フィルム/炭素繊維基材/フィルムとなるように積層し、250℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にナイロン6樹脂が含浸した幅500mm、長さプリプレグ(1)を作製した。プリプレグの特性を表1に示す。
プリプレグ(1)を8枚積層したプリフォーム(A)を作製し、遠赤外線加熱炉で、窒素雰囲気下、280℃に予熱した。キャビティ表面温度が120℃であり、厚み1.1mmの図4に示すB5サイズのL字箱型形状のキャビティを有するスタンピング成形金型にプリフォーム(A)を配置し(チャージ率110%)、金型を閉じ、成形圧力30MPaで加圧し、2分間保持した後、金型を開き、脱型し、L字箱型形状の成形品を得た。プリフォーム(A)は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表1、表4に示す。
実施例2.
炭素繊維基材に含浸させるナイロン6樹脂フィルムを、繊維質量含有率が52%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(2)を作製した。プリプレグの特性を表1に示す。
プリプレグ(2)を17枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表1に示す。
実施例3.
抄紙時の分散液の流速とメッシュコンベアの速度を調整して、炭素繊維基材の目付を70g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維基材を作製した。この炭素繊維基材に含浸させるナイロン6樹脂フィルムを、繊維質量含有率が65%となるように調整し、270℃の温度で5MPaの圧力を3分間かけて炭素繊維基材にナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(3)を作製した。繊維質量含有率が高いため、樹脂の含浸がやや難しくなった。プリプレグの特性を表1に示す。
プリプレグ(3)を17枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表1に示す。
実施例4.
炭素繊維基材に含浸させるナイロン6樹脂フィルムを、繊維質量含有率が15%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(4)を作製した。プリプレグの特性を表1に示す。
プリプレグ(4)を4枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表1に示す。
実施例5.
炭素繊維基材に含浸させるナイロン6樹脂フィルムを、繊維質量含有率が8%となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(5)を作製した。プリプレグの特性を表1に示す。
プリプレグ(5)を2枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表1に示す。
実施例6.
抄紙時のメッシュコンベアの速度を、分散液の流速の4倍の速度に調整したこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維基材を作製した。得られた炭素繊維基材を用いて、実施例1と同様にしてナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(6)を作製した。プリプレグの特性を表1に示す。
プリプレグ(6)を用いた以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表1に示す。
実施例7.
抄紙時の分散液の流速とメッシュコンベアの速度を調整して、炭素繊維基材の目付を20g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維基材を作製した。この炭素繊維基材に含浸させるナイロン6樹脂フィルムを、繊維質量含有率が20%となるように調整し、250℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(7)を作製した。プリプレグの特性を表1に示す。
プリプレグ(7)を8枚積層したプリフォームを作製し、図4に示すのと同様の形状(B5サイズのL字箱型形状)で厚みが0.4mmのキャビティを有するスタンピング成形金型を用いた以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表1に示す。
実施例8
抄紙時の分散液の流速とメッシュコンベアの速度を調整して、炭素繊維基材の目付を10g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維基材を作製した。この炭素繊維基材に含浸させるナイロン6樹脂フィルムを、繊維質量含有率が20%となるように調整し、250℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(8)を作製した。プリプレグの特性を表1に示す。
プリプレグ(8)を16枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例7と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリプレグ(8)が極めて薄いため、積層枚数が多くなり積層に時間がかかったが、プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表1に示す。
実施例9.
抄紙時の分散液の流速とメッシュコンベアの速度を調整して、炭素繊維基材の目付を200g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維基材を作製した。この炭素繊維基材に含浸させるナイロン6樹脂フィルムを、繊維質量含有率が20%となるように調整し、250℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(9)を作製した。プリプレグの特性を表2に示す。
プリプレグ(9)を2枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表2に示す。
実施例10.
抄紙時に6mm長のチョップド炭素繊維と3mm長のチョップド炭素繊維を質量比で1:1に混合したチョップド炭素繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維基材を作製した。得られた炭素繊維基材を用いて、実施例1と同様にしてナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(10)を作製した。プリプレグの特性を表2に示す。
プリプレグ(10)を用いた以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表2に示す。
実施例11
抄紙時に6mm長のチョップド炭素繊維2と3mm長のチョップド炭素繊維1を質量比で3:1に混合したチョップド炭素繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維基材を作製した。得られた炭素繊維基材を用いて、実施例1と同様にしてナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(11)を作製した。プリプレグの特性を表2に示す。
プリプレグ(11)を用いた以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表2に示す。
実施例12.
炭素繊維基材にナイロン6樹脂フィルムを含浸させる際に、樹脂含浸率が20%となるように圧力と時間を調整したこと以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(12)を作製した。プリプレグの特性を表2に示す。
プリプレグ(12)を用い、金型のキャビティ表面温度を270℃にし、成形圧力を35MPaで加圧し、10分間保持したこと以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームの樹脂含浸率が低いため、成形温度を高く、圧力を高め、時間を長くすることが必要であったが、成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表2に示す。
実施例13.
実施例1の炭素繊維基材と、フィルムに東レ(株)製、A900(PPS樹脂)の同じ厚みのフィルム2枚を用いて、フィルム/炭素繊維基材/フィルムとなるように積層し、300℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にPPS樹脂が含浸したプリプレグ(13)を作製した。プリプレグの特性を表2に示す。
プリプレグ(13)を用い、金型のキャビティ表面温度を300℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表2に示す。
実施例14.
実施例1の炭素繊維基材と、フィルムに未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製“プライムポリプロ”J105G)50重量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製“アドマー”QB510)50重量%とを混練した樹脂から作製した同じ厚みのフィルム2枚とを用いて、フィルム/炭素繊維基材/フィルムとなるように積層し、230℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にPP樹脂が含浸したプリプレグ(14)を作製した。プリプレグの特性を表2に示す。
プリプレグ(14)を用い、金型のキャビティ表面温度を230℃にしたこと以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表2に示す。
参考実施例1.
実施例1の炭素繊維基材と、フィルムに参考例13のエポキシ樹脂から作製した同じ厚みのフィルム2枚とを用いて、フィルム/炭素繊維基材/フィルムとなるように積層し、60℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にエポキシ樹脂1が含浸したプリプレグ(15)を作製した。プリプレグの特性を表2に示す。
プリプレグ(15)を用い、金型のキャビティ表面温度を150℃にし、成形圧力を10MPa、成形時間を30分として成形し、脱型してL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表2に示す。
参考実施例2.
実施例1の炭素繊維基材と、フィルムに参考例14のエポキシ樹脂から作製した同じ厚みのフィルム2枚とを用いて、フィルム/炭素繊維基材/フィルムとなるように積層し、60℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にエポキシ樹脂1が含浸したプリプレグ(16)を作製した。プリプレグの特性を表2に示す。
プリプレグ(16)を用いたこと以外は、実施例14と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表2に示す。
実施例15.
実施例1の炭素繊維基材と、フィルムに東レ(株)製、CM1007(ナイロン6樹脂)100質量部に対して、燐化学工業製、ノーバレッド120(平均粒径25μm、リン含有率85%)10質量部を配合、混練したナイロン6樹脂を用いた同じ厚みのフィルム2枚とを用いて、フィルム/炭素繊維基材/フィルムとなるように積層したこと以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(17)を作製した。プリプレグの特性を表3に示す。
プリプレグ(17)を用いた以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。赤リンを配合して難燃性が付与された成形品となった。難燃性はUL94V−0であった。成形品の特性を表3に示す。
実施例16.
プリプレグの大きさを1000mm×500mmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ(18)を作製した。プリプレグの特性を表3に示す。
プリプレグ(18)を24枚積層したプリフォームを作製し、図8に示す自動車ボンネット成形品用の金型を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、自動車用ボンネットの成形品を作製した。サイズの大きなプリフォームであるが、積層、運搬等は問題なく取り扱え、金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表3に示す。
実施例17.
チョップド炭素繊維のかわりに、参考例4で得られたガラス繊維をカートリッジカッターで6mmにカットした、チョップドガラス繊維を用いた以外は、実施例1と同様にしてガラス繊維基材を得た。ガラス繊維基材の目付は100g/mであった。
上記ガラス繊維基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ガラス繊維基材にナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(19)を作製した。プリプレグの特性を表3に示す。
プリプレグ(19)を6枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表3に示す。
実施例18.
チョップド炭素繊維に、参考例2で得られた炭素繊維2をカートリッジカッターで6mmにカットしたチョップド炭素繊維を用いた以外は、実施例2と同様にしてプリプレグ(20)を作製した。プリプレグの特性を表3に示す。
プリプレグ(20)を17枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表3示す。
実施例19.
炭素繊維基材に含浸させるPP樹脂フィルムを、繊維質量含有率が40%となるように調整したこと以外は、実施例14と同様にしてプリプレグ(21)を作製した。プリプレグの特性を表3に示す。
プリプレグ(21)を17枚積層したプリフォームを作製した以外は、実施例14と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表3に示す。
実施例20.
プリプレグ(1)を8枚積層して積層プリフォーム(A)を作製したのち、該プリフォーム(A)を250℃の温度で1分間、5MPaの圧力で加圧して、プリプレグ(1)同士が接着したプリフォーム(B)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。
このプリフォーム(B)を用いて、実施例1の成形と同様にして、B5サイズのL字箱型形状の成形品を作製した。プリプレグ(1)同士が接着されているため、L字箱型形状の成形品の立ち壁部分の厚みが若干薄くなり、表面が少しかすれてしまうなど、形状賦形性がやや困難であったが、成形品は使用できるものであった。成形品の特性を表4に示す。
実施例21.
プリプレグ(1)とプリプレグ(2)とを[(2)/(1)×6枚/(2)]のように合計8枚積層して積層プリフォーム(C)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表4に示す。
実施例22.
プリプレグ(1)とプリプレグ(20)とを[(20)/(1)×6枚/(20)]のように合計8枚積層して積層プリフォーム(D)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表4に示す。
実施例23.
プリプレグ(1)とプリプレグ(19)とを[(1)/(19)×4枚/(1)]のように合計6枚積層して積層プリフォーム(E)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表4に示す。
実施例24.
プリプレグ(1)と参考例10のトレカプリプレグとを[トレカプリプレグ/(1)×7枚]のように合計8枚積層して積層プリフォーム(F)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。ここで、トレカプリプレグは図5の成形品の天面部分を補強するように配置する。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表4に示す。
実施例25.
プリプレグ(1)と参考例5のGMTとを[(1)/GMT/(1)]のように合計3枚積層して積層プリフォーム(G)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。ここで、図6のように基材のチャージ率をプリプレグ(1)については110%、GMTについては50%となるように配置した。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表4に示す。
実施例26.
プリプレグ(21)と参考例6のPP樹脂シートとを[(21)/PP樹脂シート/(21)]のように合計3枚積層して積層プリフォーム(H)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表4に示す。
実施例27.
プリプレグ(21)と参考例7の発泡PP樹脂シートとを[(21)/発泡PP樹脂シート/(21)]のように合計3枚積層して積層プリフォーム(I)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表4に示す。
実施例28.
プリプレグ(1)と参考例8の透明ナイロン樹脂フィルムとを[透明ナイロン樹脂シート/(1)×8]のように合計9枚積層して積層プリフォーム(J)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。また表面が透明ナイロン樹脂シートのため光沢があり高級感を醸し出していた。成形品の特性を表4に示す。
実施例29.
プリプレグ(1)と参考例9のナイロン樹脂難燃性フィルムとを[ナイロン樹脂難燃性シート/(1)×8]のように合計9枚積層して積層プリフォーム(K)を作製した。プリフォームの特性を表4に示す。
このプリフォームを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られた。成形品の特性を表4に示す。また、バーナの炎の高さを19mmに調整し、成形品のナイロン樹脂難燃性シートが配置された表面を炎にさらし、5秒後に炎から離す難燃性の測定を行ったところ、炎から離した後、消炎した。
実施例30.
B5サイズのL字箱型形状のキャビティを有するスタンピング成形金型を、成形品端部の余り部分を打ち抜くための打ち抜き機構を有する金型とした以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形と打ち抜きを同時におこなうことで、工程を短縮できた。
比較例1.
抄紙時の分散液の流速とメッシュコンベアの速度を調整して、炭素繊維基材の目付を410g/mとしたこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維基材を作製した。この炭素繊維基材に含浸させるナイロン6樹脂フィルムを、繊維質量含有率が20%となるように調整し、250℃の温度で5MPaの圧力を2分間かけて炭素繊維基材にナイロン6樹脂が含浸したプリプレグ(22)を作製した。プリプレグの特性を表6に示す。
プリフォームとしてプリプレグ(22)を1枚用いたこと以外は、実施例1と同様にして、L字箱型形状の成形品を作製した。プリフォームは金型の形状に添って賦形することが困難であり、立ち壁部分が均一な肉厚にならず、一部裂けてしまった。成形品の特性を表6に示す。
比較例2.
抄紙時に、分散液中に実施例1で用いたチョップド炭素繊維と、参考例15のナイロン6樹脂チョップド繊維とを繊維質量含有率が20%となるような配合で投入したこと以外は、実施例1と同様にして抄紙をおこない、炭素繊維とナイロン6繊維が混抄されたプリプレグ(23)を得た。炭素繊維のみの目付は50g/mであった。
プリプレグ(23)を用いたこと以外は、参考実施例2と同様にして自動車用ボンネットの成形をおこなおうとしたが、プリプレグ(23)の引張強度が低いため、プリプレグ(23)を24枚積層したプリフォームを作製する際の、運搬、積層、移動でプリプレグ(23)が破れてしまい、成形することができなかった。
比較例3.
参考例5のGMT(プリプレグ(24))を1枚用いて、チャージ率50%で配置したこと以外は、実施例1と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。GMTの厚みが大きいため、1.1mmの成形品の厚みに成形できず、目標厚みの良好な成形品が得られなかった。成形品の特性を表6に示す。
比較例4.
参考例11のCF−SMC(プリプレグ(25))を1枚用いて、チャージ率50%で配置したこと以外は、実施例13と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られたが、炭素繊維が束状で分散されているため、比強度は低く、等方性にも劣る結果であった。成形品の特性を表6に示す。
比較例5.
参考例12の切り込み入り炭素繊維プリプレグ(プリプレグ(26))を8枚用いて[0/45/90/−45]sの疑似等方積層のプリフォームを作製し、実施例13と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製した。成形品は金型の形状に添って良好に賦形されており、形状品位の良い成形品が得られたが、炭素繊維が束状で分散されているため、等方性に劣る結果であった。成形品の特性を表6に示す。
比較例6.
参考例10のトレカプリプレグ(プリプレグ(27))を8枚用いて[0/45/90/−45]sの疑似等方積層のプリフォームを作製し、実施例13と同様にしてL字箱型形状の成形品を作製したが、炭素繊維が連続であるため、形状の賦形が困難で、立ち壁、角部分などの形状が成形不可能であった。
Figure 2011189747
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実施例1〜19で示されるように、プリプレグの強化繊維の繊維長の分布、厚み、引張強度が良好で、かつ繊維の二次元配向角が10〜80°の等方性なプリプレグは、成形品を作製した場合に良好な特性を示している。また、これらのプリプレグを用いて作製した実施例1、ならびに実施例20〜30の積層プリフォームも良好な特性を示している。
一方厚みの大きいプリプレグである比較例1では、形状賦形が困難で、成形品に一部不具合を生じさせた。さらに、引張強度が低いプリプレグを使用した比較例2では、プリフォーム作製時に破れが生じてしまった。また、GMTを用いた比較例3においては、厚みが大きく、薄肉成形が非常に困難であった。また流動して力学特性の等方性にも劣る結果となった。CF−SMCを用いた比較例4では、繊維の二次元配向角が小さく、力学特性およびその等方性に劣る結果となった。切り込み入りの炭素繊維プリプレグを用いた比較例5では、力学特性は改善されているが、繊維が束状のためやはり等方性に劣る結果となった。連続繊維プリプレグを用いた比較例6は形状を作り上げることが困難であった。
本発明によるプレス成形品の製造方法は、薄肉のプリプレグを構成する強化繊維が二次元的に等方に配向されているプリプレグを用いてプリフォームを形成し、特定の加圧力でプレス成形するので、面方向の補強効果に優れ、層内厚み方向の強化繊維の干渉を抑え、かつ層間相互作用も小さいことから成形時の形状賦形に優れている。本発明は、電気・電子機器、ロボット、二輪車、自動車、航空機の部材、部品および筐体など幅広い産業分野に適用できる。
1.強化繊維単糸(a)
2.強化繊維単糸(b)
3.強化繊維単糸(b)
4.強化繊維単糸(b)
5.強化繊維単糸(b)
6.強化繊維単糸(b)
7.強化繊維単糸(b)
8.二次元配向角
9.ステンレス製メッシュ
10.プリプレグ
11.強化繊維基材
12.繊維方向
13.繊維直交方向
14.切り込み入り炭素繊維プリプレグ
15.炭素繊維
16.切り込み
17.切り込み長さ
18.繊維長さ
19.隣り合う列の切り込みが互いに切り込んでいる長さ

Claims (15)

  1. 強化繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸されてなるプリプレグを2層以上積層したプリフォームを加圧力を0.1〜100MPaとしてプレス成形するプレス成形品の製造方法であって、前記強化繊維基材が繊維長10mmを越える強化繊維が0〜50重量%、繊維長2〜10mmの強化繊維が50〜100重量%、繊維長2mm未満の強化繊維が0〜50重量%から構成され、前記プリプレグは、そこに含まれる強化繊維単糸(a)と該強化繊維単糸(a)と交差する強化繊維単糸(b)とで形成される二次元配向角の平均値が10〜80度であり、かつ23℃での厚みh0(mm)が0.03〜1mm、引張強度σが50〜1000MPaである、プレス成形品の製造方法。
  2. 前記プレス成形において、前記プリフォームのチャージ率を、金型のキャビティ総面積に対し100%より大きくしてプレス成形する、請求項1に記載のプレス成形品の製造方法。
  3. 前記プレス成形において、加圧力が10〜100MPaである、請求項1または2に記載のプレス成形品の製造方法。
  4. 前記成形品が屈曲部で区切られる平面部3面から構成される頂点を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  5. 前記成形品の厚みが連続的に変化したものである、請求項1〜4のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  6. 前記成形品の最大厚みが2mm以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  7. 前記プレス成形において、開放金型を用いてプレス成形する、請求項1〜6のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  8. 前記プレス成形において、打ち抜き機構、パンチング機構、タッピング機構から選択される少なくとも一種を有する金型を用いてプレス成形する、請求項1〜7のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  9. 前記プレス成形を、冷却用金型をもちいてスタンピング成形する、請求項1〜8のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  10. 前記プレス成形品の曲げ弾性率Ec、比重ρとすると、Ec1/3・ρ−1が1.5〜5である、請求項1〜9のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  11. 前記曲げ弾性率Ecが、測定方向による最大曲げ弾性率EcMaxと最小曲げ弾性率EcMinとの関係において、EcMax≦EcMin×2である、請求項10に記載のプレス成形品の製造方法。
  12. 前記プレス成形品の引張強度σc 、比重ρとすると、σc/ρが100〜500である、請求項1〜11のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  13. 前記引張強度σc が、測定方向による最大引張強度σcMaxと最小引張強度σcMinとの関係において、σcMax≦σcMin×2である、請求項12に記載のプレス成形品の製造方法。
  14. 前記プレス成形品の線膨張係数Ccが1×10−6〜20×10−5/Kである、請求項1〜13のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
  15. 前記プレス成形品の面内方向の線膨張係数Ccが、測定方向による最大線膨張係数CcMaxと最小線膨張係数CcMinとの関係において、CcMax≦CcMin×2である、請求項1〜14のいずれかに記載のプレス成形品の製造方法。
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