JP2011188451A - 通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線LANでQoSを効率的に行う通信装置を提供する。
【解決手段】
送信するデータに含まれる優先度に関する情報に従い、上位層のスケジューリング手段にて下位層にデータを渡す順序のスケジューリングを行う。このスケジューリングにより計算された新たな優先度に関する情報を、改めてスケジューリング手段がデータに付与する。この上で、下位層では、スケジューリング手段から受け取った優先度の異なるデータを一つの送信キューに記憶する。そして、送信制御手段が、送信キューに記憶されたデータに付与されている新たな優先度に関する情報を基に、データに送信待ち時間を設定する。最終的に、送信制御手段は、設定された送信待ち時間に従って、データの送信制御を行う。
【選択図】図3
【解決手段】
送信するデータに含まれる優先度に関する情報に従い、上位層のスケジューリング手段にて下位層にデータを渡す順序のスケジューリングを行う。このスケジューリングにより計算された新たな優先度に関する情報を、改めてスケジューリング手段がデータに付与する。この上で、下位層では、スケジューリング手段から受け取った優先度の異なるデータを一つの送信キューに記憶する。そして、送信制御手段が、送信キューに記憶されたデータに付与されている新たな優先度に関する情報を基に、データに送信待ち時間を設定する。最終的に、送信制御手段は、設定された送信待ち時間に従って、データの送信制御を行う。
【選択図】図3
Description
本発明は、通信装置に係り、特に無線LANや無線PANにおいて、QoS制御を行う通信装置に関する。
近年、無線LAN(Wireless Local Area Network)技術が一般に普及し、家庭、オフィス、鉄道の駅、飲食店、ホテル等の様々な場所で用いられるようになってきた。
この無線LANには、IEEE(米国電気電子学会)のIEEE 802.11シリーズ、すなわちIEEE 802.11a、b、g、n等の無線LAN技術が存在する。
また、IEEE 802.15シリーズのように、より短距離で機器間を接続するための規格も存在し、これらは無線PAN(Personal Area Network)と呼ばれることもある。
このような無線LANにおいては、複数の端末が周波数帯域(チャネル)を共有するという特徴がある。
このため、IEEE 802.11シリーズ等では、基本的な通信手順(通信プロトコル)としてCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)を用いている。
CSMA/CAにおいては、所定時間、チャンネルがビジー状態(使用状態)からアイドル状態(未使用状態)に変化することを確認してデータを送信する。
この無線LANには、IEEE(米国電気電子学会)のIEEE 802.11シリーズ、すなわちIEEE 802.11a、b、g、n等の無線LAN技術が存在する。
また、IEEE 802.15シリーズのように、より短距離で機器間を接続するための規格も存在し、これらは無線PAN(Personal Area Network)と呼ばれることもある。
このような無線LANにおいては、複数の端末が周波数帯域(チャネル)を共有するという特徴がある。
このため、IEEE 802.11シリーズ等では、基本的な通信手順(通信プロトコル)としてCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)を用いている。
CSMA/CAにおいては、所定時間、チャンネルがビジー状態(使用状態)からアイドル状態(未使用状態)に変化することを確認してデータを送信する。
このように電波帯域を共有する無線LANにおいて、放送中継等でデータを途切れさせない無線通信を行う目的のためには、特定の種類のデータだけを優先的に送るQoS(Quality of Service、優先処理)の制御が必要になる。
無線LANにおいて、QoS制御を行う規格としては、IEEE802.11e規格が策定されて用いられている。
IEEE802.11eでは、QoSを実現するために、EDCA(enhanced distributed channel access、拡張自律分散チャネル・アクセス)とHCCA(hybrid coordination function controlled channel access)の2種類の方式を用いている。EDCAは、優先度の高いフレームを先に送るようにする方式である。また、HCCAは、優先度の高いフレームに専用の帯域を割り当てる方式である。
無線LANにおいて、QoS制御を行う規格としては、IEEE802.11e規格が策定されて用いられている。
IEEE802.11eでは、QoSを実現するために、EDCA(enhanced distributed channel access、拡張自律分散チャネル・アクセス)とHCCA(hybrid coordination function controlled channel access)の2種類の方式を用いている。EDCAは、優先度の高いフレームを先に送るようにする方式である。また、HCCAは、優先度の高いフレームに専用の帯域を割り当てる方式である。
これらEDCA、HCCAとも、具体的には、MACフレーム(Media Access Control frame)のヘッダー部分を拡張して設けたQoSコントロール・フィールドに優先度を指定することで、優先度を指定する。なお、MACフレームは、イーサネット(登録商標)技術の通信にて、送信先のアドレス等の制御情報が付加されたデータの塊であり、無線LANにも用いられる。
ここで、QoS制御を行わない通常のCSMA/CAでは、データ送信中の端末がほかにあれば計算された待ち時間だけ待機し、なければ送信を開始する。この際に、端末はDIFS(distributed coordination function inter frame space、分散制御用フレーム間隔)の時間だけ電波を検知しなければデータ送信中の端末がないと判断する。DIFSは、端末の送信や受信の処理時間を基にしたフレームと次に送出するフレームとの間の時間間隔であるIFS(Inter Frame Space)において、送出信号間の間隔が最も長く、最も優先度の低い間隔である。
CSMA/CAでは、この待ち時間の計算については、DIFSにランダムな長さの待ち時間である「バックオフ」を加えて計算する。バックオフは、発生された乱数の値に応じて端末が送信を待機し、複数の端末が一斉に送信する事態を避けるための送信待機待ち時間である。バックオフは、電波送信に係る所定の時間間隔であるスロットタイム(slot time)×乱数分の時間間隔を用いる。この乱数分については、CW(Contention Window)と呼ばれる範囲内の値を生成して用いる。
このように、通常のCSMA/CAでは、DIFSとバックオフを加えたランダムな待ち時間だけ待機してからデータを送信する。
DIFSの値やバックオフのランダムな時間の範囲はすべての端末で同じであるため、各端末は平等に通信機会を得るような制御になる。
CSMA/CAでは、この待ち時間の計算については、DIFSにランダムな長さの待ち時間である「バックオフ」を加えて計算する。バックオフは、発生された乱数の値に応じて端末が送信を待機し、複数の端末が一斉に送信する事態を避けるための送信待機待ち時間である。バックオフは、電波送信に係る所定の時間間隔であるスロットタイム(slot time)×乱数分の時間間隔を用いる。この乱数分については、CW(Contention Window)と呼ばれる範囲内の値を生成して用いる。
このように、通常のCSMA/CAでは、DIFSとバックオフを加えたランダムな待ち時間だけ待機してからデータを送信する。
DIFSの値やバックオフのランダムな時間の範囲はすべての端末で同じであるため、各端末は平等に通信機会を得るような制御になる。
これに対して、IEEE802.11eのQoSの方式の1つであるEDCAでは、QoSコントロール・フィールドにて、端末がフレームを送信するまでの待ち時間を調整することで、優先度の高いフレームを送りやすくする。
EDCAでは、フレームを優先度別に4種類のAC(Access Category、アクセス分類)に分け、優先度の高いフレームは、他の端末の送信が終わった後での送信を開始するまでの時間を短めにすることでQoS制御(優先処理)している。
具体的に、EDCAでは、優先度の高いデータほど待機するランダム時間を短くし、DIFSの代わりに「AIFS」(Arbitration IFS)と呼ぶ時間を利用する。AIFSは、ACの優先度に応じて、IFSのフレーム送信間隔の調整を行うものである。
EDCAでは、優先度に応じてAIFSの時間の差をつけ、優先度の高いデータほど短く設定することができる。これにより、音声や映像パケット等の優先度の高いパケットの待機時間を短くし、ほかの端末よりも先に送信できる確率を高くできる。逆に、優先度の低いフレームは、優先度の高いフレームの送信が完了するのを待って、改めて送信処理を行う。このように待ち時間の差を付けることで、優先処理を実現している。
EDCAでは、フレームを優先度別に4種類のAC(Access Category、アクセス分類)に分け、優先度の高いフレームは、他の端末の送信が終わった後での送信を開始するまでの時間を短めにすることでQoS制御(優先処理)している。
具体的に、EDCAでは、優先度の高いデータほど待機するランダム時間を短くし、DIFSの代わりに「AIFS」(Arbitration IFS)と呼ぶ時間を利用する。AIFSは、ACの優先度に応じて、IFSのフレーム送信間隔の調整を行うものである。
EDCAでは、優先度に応じてAIFSの時間の差をつけ、優先度の高いデータほど短く設定することができる。これにより、音声や映像パケット等の優先度の高いパケットの待機時間を短くし、ほかの端末よりも先に送信できる確率を高くできる。逆に、優先度の低いフレームは、優先度の高いフレームの送信が完了するのを待って、改めて送信処理を行う。このように待ち時間の差を付けることで、優先処理を実現している。
ところが、EDCAは、優先度が高いフレームの送信が増えると、効果が小さくなり、多くの端末が高い優先度でフレームを送信しようとすると優先制御の効果がなくなってしまうという問題があった。
EDCA方式では優先度は、各機器で送信キューを4つ用意し、異なるACを割り当てるというものである。
各ACでは、優先度に応じて異なるキャリアセンス時間とバックオフの乱数範囲が当てられている。つまり、待ち時間の調整において、優先度の高いACは、優先度の低いACと競争した場合でも先に次のデータを送信できるようにしていた。
このため、優先度の高いACに多量のデータが送られると、QoSを適用しない状態と変わりなくなってしまうという問題があった。
つまり、EDCAは優先度に基づくQoSであるため、多数の無線LAN端末が存在する環境では効果が低下し、効率的ではなくなっていた。
加えて、従来、各無線機器メーカが実装しているQoSは、アクセス・ポイントの送信キューに優先度を独自に割り当て実現しているものが殆どであり、必ずしもEDCA方式を忠実に実装しているという訳ではなかった。
EDCA方式では優先度は、各機器で送信キューを4つ用意し、異なるACを割り当てるというものである。
各ACでは、優先度に応じて異なるキャリアセンス時間とバックオフの乱数範囲が当てられている。つまり、待ち時間の調整において、優先度の高いACは、優先度の低いACと競争した場合でも先に次のデータを送信できるようにしていた。
このため、優先度の高いACに多量のデータが送られると、QoSを適用しない状態と変わりなくなってしまうという問題があった。
つまり、EDCAは優先度に基づくQoSであるため、多数の無線LAN端末が存在する環境では効果が低下し、効率的ではなくなっていた。
加えて、従来、各無線機器メーカが実装しているQoSは、アクセス・ポイントの送信キューに優先度を独自に割り当て実現しているものが殆どであり、必ずしもEDCA方式を忠実に実装しているという訳ではなかった。
ここで、図9の概念図を参照して、従来のEDCAのように、複数の送信キューを割り当てた場合の実装例の問題について具体的に説明する。
図9の例では、無線MAC層部240に、複数の従来型送信キュー241−1〜241−4を備えている。そして、従来型送信キュー241−1〜241−4それぞれに対して、CSMA/CAブロックであるCSMA/CA部245−1〜245−4がセットになって備えられている。
このような構成の場合、各送信に対するCSMA/CAブロックが、それぞれ独立して、各優先度に応じた送信処理を行う。すなわち、従来型送信キュー241−1〜241−4それぞれに割当てられた優先度に応じて、固定された待ち時間で、CSMA/CA部245−1〜245−4がキャリアセンスを行う。
このため、衝突回避部260のような、いわゆる「衝突回避メカニズム」の回路が別途必要になるという問題があった。
図9の例では、無線MAC層部240に、複数の従来型送信キュー241−1〜241−4を備えている。そして、従来型送信キュー241−1〜241−4それぞれに対して、CSMA/CAブロックであるCSMA/CA部245−1〜245−4がセットになって備えられている。
このような構成の場合、各送信に対するCSMA/CAブロックが、それぞれ独立して、各優先度に応じた送信処理を行う。すなわち、従来型送信キュー241−1〜241−4それぞれに割当てられた優先度に応じて、固定された待ち時間で、CSMA/CA部245−1〜245−4がキャリアセンスを行う。
このため、衝突回避部260のような、いわゆる「衝突回避メカニズム」の回路が別途必要になるという問題があった。
ここで、従来の効率的な無線通信を実現する技術として特許文献1を参照すると、固定長のデータ伝送用スロットに複数の伝送データフレームを格納して無線送信することを可能ならしめるとともに、無線送信用キュー内の滞留及びそれに起因して発生する遅延を低減して、効率的なデータ伝送による無線伝送媒体の有効活用を実現する無線伝送装置が記載されている(以下、従来技術1とする。)。
従来技術1によると、伝送データを連結させて無線区間のデータ伝送用スロットに載せて無線送信する際、当該連結データを送信待ちの無線送信用キューへエンキューする処理を当該無線送信用キューからのデキューに応答して制御するようにしたため、無線送信用キュー内の滞留及びそれに起因して発生する遅延を低減して、効率的なデータ伝送による無線伝送媒体の有効活用を実現することができる。
従来技術1によると、伝送データを連結させて無線区間のデータ伝送用スロットに載せて無線送信する際、当該連結データを送信待ちの無線送信用キューへエンキューする処理を当該無線送信用キューからのデキューに応答して制御するようにしたため、無線送信用キュー内の滞留及びそれに起因して発生する遅延を低減して、効率的なデータ伝送による無線伝送媒体の有効活用を実現することができる。
従来のQoS制御においては、優先度に応じた送信キューを用意する必要があるため、優先度の種別が多くなればなるほど、キューとしてデータを保存するための領域が多く必要になるという問題があった。
また、従来のQoS制御においては、先の優先度に応じた送信キュー毎にCSMA/CAの機能ブロックを有する構成をとるため、優先度の種別が多くなると送信キューも増えるため、それに伴ってCSMA/CAの回路の規模が増えるという問題があった。
さらに、従来のQoS制御においては、優先度の種別毎に送信キュー+CSMA/CAの機能ブロックの構成とした場合、それぞれCSMA/CA制御を行うため、複数の送信キューの送信タイミングが重なった場合に制御する衝突回避メカニズムが必要となるという問題があった。そのため、優先度の種別が多くなれば衝突回避メカニズムもより複雑になってしまっていた。
また、従来のQoS制御においては、先の優先度に応じた送信キュー毎にCSMA/CAの機能ブロックを有する構成をとるため、優先度の種別が多くなると送信キューも増えるため、それに伴ってCSMA/CAの回路の規模が増えるという問題があった。
さらに、従来のQoS制御においては、優先度の種別毎に送信キュー+CSMA/CAの機能ブロックの構成とした場合、それぞれCSMA/CA制御を行うため、複数の送信キューの送信タイミングが重なった場合に制御する衝突回避メカニズムが必要となるという問題があった。そのため、優先度の種別が多くなれば衝突回避メカニズムもより複雑になってしまっていた。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の課題を解消することを課題とする。
本発明の通信装置は、データに含まれる優先度に関する情報に従い、下位層に該データを渡す順序をスケジューリングするスケジューリング手段と、前記スケジューリング手段から受け取った優先度の異なる前記データを一つの送信キューに記憶し、該送信キューに記憶された前記データに付与されている優先度に関する情報を基に前記データに送信待ち時間を設定し、設定した該送信待ち時間に従って前記データの送信制御を行う送信制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、優先度に関する情報に従い下位層に前記データを渡す順序をスケジューリングすることで、送信キューが少なく、CSMA/CAの回路規模が少なく、衝突回避回路が不要であり、無線LANのQoS(優先度)制御ができる通信装置を提供することができる。
<実施の形態>
〔通信システムXの制御構成〕
以下で、本発明の実施の形態に係る通信システムXについて、図面を参照して詳しく説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る通信システムXの構成例を説明する。通信システムXは、無線LANの送受信装置2を含む通信システムであり、この送受信装置2は、ベースバンド部10と、RF部20とを含み、電気/電波信号を送受信する、イーサネット(登録商標)4、同軸ケーブル5、RF同軸ケーブル6、空中線7等を備えて構成される。
本発明の実施の形態に係る通信システムXは、複数の無線端末間でランダムアクセスによりデータ通信を行う無線通信システムにおいて、予め優先度付けされた送信データを各優先度に関する情報に応じた送信待ち時間に制御することで、優先度の高いデータをより短い待ち時間で送信することでQoS制御を行う。
〔通信システムXの制御構成〕
以下で、本発明の実施の形態に係る通信システムXについて、図面を参照して詳しく説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る通信システムXの構成例を説明する。通信システムXは、無線LANの送受信装置2を含む通信システムであり、この送受信装置2は、ベースバンド部10と、RF部20とを含み、電気/電波信号を送受信する、イーサネット(登録商標)4、同軸ケーブル5、RF同軸ケーブル6、空中線7等を備えて構成される。
本発明の実施の形態に係る通信システムXは、複数の無線端末間でランダムアクセスによりデータ通信を行う無線通信システムにおいて、予め優先度付けされた送信データを各優先度に関する情報に応じた送信待ち時間に制御することで、優先度の高いデータをより短い待ち時間で送信することでQoS制御を行う。
ここで、本発明の実施の形態に係る通信システムXの上述の基本的な構成を、送信データの流れを基に更に説明する。
まず、データ送信端末(図示せず)などから送信されたデータ(IPパケット)がイーサネット(登録商標)4を介して送受信装置2のベースバンド部10に入力データとして入力される。
ベースバンド部10は、イーサネット(登録商標)4から入力された有線MACフレームの無線MACフレームへの変換、アクセス方式の制御、PLCP(Physical Layer Convergence ProtocoI)フレームへの変換、誤り訂正、変調処理、同期信号の付加、D/A変換等の処理を行う。
ベースバンド部10で最終的にD/A変換されたベースバンド信号(アナログ信号)は、同軸ケーブル5を経由して、RF部20に入力される。
RF部20は、ベースバンド信号を無線信号に変換、フィルタリング、出力増幅する。
そして、RF部20で最終的に増幅された無線信号は、RF(Radio Frequency、高周波)用のRF同軸ケーブル6、アンテナ等である空中線7を経由して無線電波として空間へ出力される。
この際、本発明の実施の形態に係る通信システムXにおいては、送信データのQoS(優先度)制御は、ベースバンド部10のCSMA/CAの制御を行う無線MAC層部140(図2)にて行う。
まず、データ送信端末(図示せず)などから送信されたデータ(IPパケット)がイーサネット(登録商標)4を介して送受信装置2のベースバンド部10に入力データとして入力される。
ベースバンド部10は、イーサネット(登録商標)4から入力された有線MACフレームの無線MACフレームへの変換、アクセス方式の制御、PLCP(Physical Layer Convergence ProtocoI)フレームへの変換、誤り訂正、変調処理、同期信号の付加、D/A変換等の処理を行う。
ベースバンド部10で最終的にD/A変換されたベースバンド信号(アナログ信号)は、同軸ケーブル5を経由して、RF部20に入力される。
RF部20は、ベースバンド信号を無線信号に変換、フィルタリング、出力増幅する。
そして、RF部20で最終的に増幅された無線信号は、RF(Radio Frequency、高周波)用のRF同軸ケーブル6、アンテナ等である空中線7を経由して無線電波として空間へ出力される。
この際、本発明の実施の形態に係る通信システムXにおいては、送信データのQoS(優先度)制御は、ベースバンド部10のCSMA/CAの制御を行う無線MAC層部140(図2)にて行う。
〔ベースバンド部10の制御構成〕
次に、図2を参照して、本発明の実施の形態に係るベースバンド部10の制御構成について説明する。
ベースバンド部10は、有線PHY層部110(有線物理層)と、有線MAC層部120(有線MAC層)と、上位層部130(スケジューリング手段)と、無線MAC層部140(送信制御手段)と、無線PHY層部150とを主に備えて構成される。これらの部位は、各制御部や記憶部を含む回路、例えばDSP(Digital Signal Processor)とこのプログラム等や信号変換回路等を含んで構成することができる。
図2に示すように、このベースバンド部10の制御構成としては、有線側の処理部と無線側の処理部に分類できる。
有線側の処理部は、有線PHY層部110と有線MAC層部120を含み、上位層部130に接続している。有線側の処理部は、イーサネット(登録商標)のパケットから、優先順位を付けるためのIPパケットを生成する。
無線側の処理部としては、無線MAC層部140、無線PHY層部150を含んで構成する。無線側の処理部は、フレーム生成及び無線LANの制御を行い、ベースバンド信号を生成する。
以下で、データの流れを基に、ベースバンド部10の送信データの流れ及び、各ブロックでの処理内容について説明する。
次に、図2を参照して、本発明の実施の形態に係るベースバンド部10の制御構成について説明する。
ベースバンド部10は、有線PHY層部110(有線物理層)と、有線MAC層部120(有線MAC層)と、上位層部130(スケジューリング手段)と、無線MAC層部140(送信制御手段)と、無線PHY層部150とを主に備えて構成される。これらの部位は、各制御部や記憶部を含む回路、例えばDSP(Digital Signal Processor)とこのプログラム等や信号変換回路等を含んで構成することができる。
図2に示すように、このベースバンド部10の制御構成としては、有線側の処理部と無線側の処理部に分類できる。
有線側の処理部は、有線PHY層部110と有線MAC層部120を含み、上位層部130に接続している。有線側の処理部は、イーサネット(登録商標)のパケットから、優先順位を付けるためのIPパケットを生成する。
無線側の処理部としては、無線MAC層部140、無線PHY層部150を含んで構成する。無線側の処理部は、フレーム生成及び無線LANの制御を行い、ベースバンド信号を生成する。
以下で、データの流れを基に、ベースバンド部10の送信データの流れ及び、各ブロックでの処理内容について説明する。
まず、イーサネット(登録商標)4から、IPパケットとヘッダ情報を含むビットデータ40がベースバンド部10の有線PHY層部110に入力される。
有線PHY層部110は、インタフェースとしてイーサネット(登録商標)4が接続され、通信回線にデータを送るための電気的な変換を行う物理層の部位である。ここで、物理層とは、国際標準化機構(ISO)のネットワーク構造の設計方針OSI(Open Systems Interconnection)モデルのように通信機器の機能を階層構造に分割したモデルにおいて、データを通信回線に送出するための電気的な変換等を行う部位である。有線PHY層部110は、ビットデータ40を通信データの単位である「フレーム」への変換を行う。
有線PHY層部110にて、ビットデータ40内のデータから変換された有線用MACフレーム41は、有線MAC層部120に送られる。
有線MAC層部120は、フレームの生成や受信、他の機器へのアクセスを行う部位である。ここで、MAC層は、OSIモデルのデータリンク層のようにネットワーク上で直結されている機器同士での通信を行う階層の下部に位置する層で、信号の誤り訂正や再送要求等を行う。有線MAC層部120は、有線のMACフレームのMACヘッダのデータを取り外し、IPパケットに変換する。
有線MAC層部120にて有線用MACフレーム41は解析され、MACヘッダが取り外され、IPパケット42に変換されて上位層部130へ送られる。
上位層部130は、有線MAC層部120より受信したIPパケット42のアクセスカテゴリ、例えば、IPヘッダに含まれる優先度に関する情報(ToS、DSCP方式)を解析し、優先度に応じたキューに振分け、無線MAC層部140に渡すためのデータをスケジューリングする部位である。上位層部130は、スケジューリングに応じてIPフレームを選定し、改めてIPパケットのデータに優先度情報(優先度に関する情報)を付与する。
上位層部130によりスケジュールリングされたIPパケット42は、無線用IPパケット+優先度情報43となり、無線MAC層部140に送られる。
無線MAC層部140は、無線用IPパケット+優先度情報43の優先度情報を解析し、現在の状態に応じた送信待ち時間の制御をし、無線用MACフレーム44を生成する部位である。
無線MAC層部140にて、優先度に応じた送信待ち時間が経過した後、無線用MACフレーム44は、無線PHY層部150へ送られる。
無線PHY層部150は、無線用MACフレーム44に対して、変調方式(伝送速度)、データ長などの情報があるヘッダであるPLCP(Physical Layer Convergence Protocol)ヘッダを付与し、PLCPフレームを生成し、誤り訂正、変調処理、同期信号の付加、D/A変換などの処理を行い、ベースバンド信号45を生成する部位である。
無線PHY層部150にて生成されたベースバンド信号45は、同軸ケーブル5に出力される。
有線PHY層部110は、インタフェースとしてイーサネット(登録商標)4が接続され、通信回線にデータを送るための電気的な変換を行う物理層の部位である。ここで、物理層とは、国際標準化機構(ISO)のネットワーク構造の設計方針OSI(Open Systems Interconnection)モデルのように通信機器の機能を階層構造に分割したモデルにおいて、データを通信回線に送出するための電気的な変換等を行う部位である。有線PHY層部110は、ビットデータ40を通信データの単位である「フレーム」への変換を行う。
有線PHY層部110にて、ビットデータ40内のデータから変換された有線用MACフレーム41は、有線MAC層部120に送られる。
有線MAC層部120は、フレームの生成や受信、他の機器へのアクセスを行う部位である。ここで、MAC層は、OSIモデルのデータリンク層のようにネットワーク上で直結されている機器同士での通信を行う階層の下部に位置する層で、信号の誤り訂正や再送要求等を行う。有線MAC層部120は、有線のMACフレームのMACヘッダのデータを取り外し、IPパケットに変換する。
有線MAC層部120にて有線用MACフレーム41は解析され、MACヘッダが取り外され、IPパケット42に変換されて上位層部130へ送られる。
上位層部130は、有線MAC層部120より受信したIPパケット42のアクセスカテゴリ、例えば、IPヘッダに含まれる優先度に関する情報(ToS、DSCP方式)を解析し、優先度に応じたキューに振分け、無線MAC層部140に渡すためのデータをスケジューリングする部位である。上位層部130は、スケジューリングに応じてIPフレームを選定し、改めてIPパケットのデータに優先度情報(優先度に関する情報)を付与する。
上位層部130によりスケジュールリングされたIPパケット42は、無線用IPパケット+優先度情報43となり、無線MAC層部140に送られる。
無線MAC層部140は、無線用IPパケット+優先度情報43の優先度情報を解析し、現在の状態に応じた送信待ち時間の制御をし、無線用MACフレーム44を生成する部位である。
無線MAC層部140にて、優先度に応じた送信待ち時間が経過した後、無線用MACフレーム44は、無線PHY層部150へ送られる。
無線PHY層部150は、無線用MACフレーム44に対して、変調方式(伝送速度)、データ長などの情報があるヘッダであるPLCP(Physical Layer Convergence Protocol)ヘッダを付与し、PLCPフレームを生成し、誤り訂正、変調処理、同期信号の付加、D/A変換などの処理を行い、ベースバンド信号45を生成する部位である。
無線PHY層部150にて生成されたベースバンド信号45は、同軸ケーブル5に出力される。
〔無線MAC層部140の構成〕
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態に係る無線MAC層部140の構成を説明する。無線MAC層部140は、無線通信の送信の制御を行う送信ブロックである。
無線MAC層部140は、主に送信キュー部141(送信キュー)と、優先度解析処理部142と、CSMA/CA制御部145とを含んで構成される。
また、CSMA/CA制御部145は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451と、バックオフ待ち時間制御部1452と、総待ち時間比較部1453とを含んで構成される。
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態に係る無線MAC層部140の構成を説明する。無線MAC層部140は、無線通信の送信の制御を行う送信ブロックである。
無線MAC層部140は、主に送信キュー部141(送信キュー)と、優先度解析処理部142と、CSMA/CA制御部145とを含んで構成される。
また、CSMA/CA制御部145は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451と、バックオフ待ち時間制御部1452と、総待ち時間比較部1453とを含んで構成される。
無線MAC層部140の送信ブロックとしての動作をより詳細に説明する。
まず、送信キュー部141は、上位層部130(図2参照)より優先度スケジューリングされた無線用IPパケット+優先度情報43(図2参照)を送信用のバッファであるキューに記憶する。キュー(Queue)とは、先に入力したデータが先に出力される(FIFO、First In First Out)データ構造である。
まず、送信キュー部141は、上位層部130(図2参照)より優先度スケジューリングされた無線用IPパケット+優先度情報43(図2参照)を送信用のバッファであるキューに記憶する。キュー(Queue)とは、先に入力したデータが先に出力される(FIFO、First In First Out)データ構造である。
優先度解析処理部142は、送信キュー部141に保持された無線用IPパケット+優先度情報43の優先度情報を解析する部位である。
優先度解析処理部142は、送信データに対する優先度に応じたIFS(AIFS)待ち時間、バックオフ待ち時間、総待ち時間を算出する。ここで、本実施形態において、総待ち時間は、AIFS待ち時間と、バックオフを足した待ち時間の合計のような値を示す。
優先度解析処理部142は、算出したそれぞれの待ち時間を、CSMA/CA制御部145のIFS(AIFS)待ち時間制御部1451、バックオフ待ち時間制御部1452、総待ち時間比較部1453に通知する。
優先度解析処理部142は、送信データに対する優先度に応じたIFS(AIFS)待ち時間、バックオフ待ち時間、総待ち時間を算出する。ここで、本実施形態において、総待ち時間は、AIFS待ち時間と、バックオフを足した待ち時間の合計のような値を示す。
優先度解析処理部142は、算出したそれぞれの待ち時間を、CSMA/CA制御部145のIFS(AIFS)待ち時間制御部1451、バックオフ待ち時間制御部1452、総待ち時間比較部1453に通知する。
CSMA/CA制御部145は、状態に応じて通知された待ち時間(送信待ち時間)の処理を行う。このため、CSMA/CA制御部145は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451、バックオフ待ち時間制御部1452、総待ち時間比較部1453を含んで構成される。
IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、データ送信完了後、IFS待ち時間やAIFS待ち時間の変更があった場合に、変更後のIFS待ち時間やAIFS待ち時間を使用する処理を行う部位である。
バックオフ待ち時間制御部1452は、総待ち時間比較部1453にて総待ち時間との比較により処理を行う部位である。バックオフ待ち時間制御部1452は、既に総待ち時間を経過していた場合は、すぐに送信状態に移行し、まだ総待ち時間に達していなかった場合は、変更後のバックオフ待ち時間に変更してバックオフ状態を継続し、変更後のバックオフ時間経過後に送信状態に移行する処理を行う。
総待ち時間比較部1453は、その時点の総待ち時間と優先度に応じた総待ち時間とを比較する部位である。
バックオフ待ち時間制御部1452は、総待ち時間比較部1453にて総待ち時間との比較により処理を行う部位である。バックオフ待ち時間制御部1452は、既に総待ち時間を経過していた場合は、すぐに送信状態に移行し、まだ総待ち時間に達していなかった場合は、変更後のバックオフ待ち時間に変更してバックオフ状態を継続し、変更後のバックオフ時間経過後に送信状態に移行する処理を行う。
総待ち時間比較部1453は、その時点の総待ち時間と優先度に応じた総待ち時間とを比較する部位である。
〔無線用IPパケット+優先度情報のフォーマットの構成〕
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態に係る通信システムXで使用する無線用IPパケット+優先度情報43のフォーマットの一例について説明する。ここでは、上位層部130(図2参照)から無線MAC層部140に送信データを渡す際のデータフォーマットの構成例について説明する。
このデータフォーマットとしては、種別D101、サブ種別D102、LENGTHD103、RESERVED104、QoSアクセスカテゴリD105、ランダムバックオフ範囲D106、ぺイロード長D107、ペイロードD108の各フィールドから構成することができる。
ここで種別D101のフィールドは、メッセージの種別(デー夕、制御等)を示す。
サブ種別D102のフィールドは、各メッセージ種別内における詳細な種別(データA、データB、制御A、制御B等)を示す。
LENGTHD103のフィールドは、このLENGTHD103のフィールド以降のメッセージ長を示す。
RESERVED104のフィールドは、拡張用であり、又パディング用に使用する。
QoSアクセスカテゴリD105のフィールドは、ペイロードD108のフィールドに含まれる送信データの優先度を示す値が含まれる。これは、本実地形態に係る値であり、IEEE802.11eのAC(アクセスカテゴリ)のように用いることができる。無線MAC層部140(図2)は、当該フィールドに含まれる優先度情報から、AIFS待ち時間を算出する。
ランダムバックオフ範囲D106のフィールドは、電波の周波数帯(チャネル)が未使用状態であるアイドル状態となってからランダムな時間だけ送信を待機する、送信待機時間の最小値、最大値を示す。これは、IEEE802.11のCW(コンテンション・ウインドウ、衝突回避制御期間)の最小値CWmin、最大値CWmaxのように用いられる値である。ランダムバックオフ範囲D106は、バックオフ待ち時間制御部1452(図3)にて、送信待機時間のランダム値を算出する際に、当該フィールドに含まれる情報を使用する。
ぺイロード長D107のフィールドは、ぺイロードD108フィールドのデータ長を示す。
ぺイロードD108のフィールドには、ユーザデータである送信データが格納される。
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態に係る通信システムXで使用する無線用IPパケット+優先度情報43のフォーマットの一例について説明する。ここでは、上位層部130(図2参照)から無線MAC層部140に送信データを渡す際のデータフォーマットの構成例について説明する。
このデータフォーマットとしては、種別D101、サブ種別D102、LENGTHD103、RESERVED104、QoSアクセスカテゴリD105、ランダムバックオフ範囲D106、ぺイロード長D107、ペイロードD108の各フィールドから構成することができる。
ここで種別D101のフィールドは、メッセージの種別(デー夕、制御等)を示す。
サブ種別D102のフィールドは、各メッセージ種別内における詳細な種別(データA、データB、制御A、制御B等)を示す。
LENGTHD103のフィールドは、このLENGTHD103のフィールド以降のメッセージ長を示す。
RESERVED104のフィールドは、拡張用であり、又パディング用に使用する。
QoSアクセスカテゴリD105のフィールドは、ペイロードD108のフィールドに含まれる送信データの優先度を示す値が含まれる。これは、本実地形態に係る値であり、IEEE802.11eのAC(アクセスカテゴリ)のように用いることができる。無線MAC層部140(図2)は、当該フィールドに含まれる優先度情報から、AIFS待ち時間を算出する。
ランダムバックオフ範囲D106のフィールドは、電波の周波数帯(チャネル)が未使用状態であるアイドル状態となってからランダムな時間だけ送信を待機する、送信待機時間の最小値、最大値を示す。これは、IEEE802.11のCW(コンテンション・ウインドウ、衝突回避制御期間)の最小値CWmin、最大値CWmaxのように用いられる値である。ランダムバックオフ範囲D106は、バックオフ待ち時間制御部1452(図3)にて、送信待機時間のランダム値を算出する際に、当該フィールドに含まれる情報を使用する。
ぺイロード長D107のフィールドは、ぺイロードD108フィールドのデータ長を示す。
ぺイロードD108のフィールドには、ユーザデータである送信データが格納される。
〔本発明の実施の形態に係る待ち時間制御方法の処理〕
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態に係る待ち時間制御方法の具体的な処理について説明する。
本発明の実施の形態に係る通信システムXは、待ち時間制御方法の処理として、予めデータに付与された優先度に関連する情報を解析し、その優先度情報に応じて、IEEE802.11標準規格で決められた「IFS」(interframe space)と呼ばれる定時間のパラメータ値を可変させることで待ち時間を制御する。また、バックオフ時間を含めた総待ち時間と、優先度毎に算出した総待ち時間とを比較することで、その優先度に応じた最適な待ち時間でデータを送信する。
以下で、この待ち時間制御方法について、具体的な処理について説明する。
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態に係る待ち時間制御方法の具体的な処理について説明する。
本発明の実施の形態に係る通信システムXは、待ち時間制御方法の処理として、予めデータに付与された優先度に関連する情報を解析し、その優先度情報に応じて、IEEE802.11標準規格で決められた「IFS」(interframe space)と呼ばれる定時間のパラメータ値を可変させることで待ち時間を制御する。また、バックオフ時間を含めた総待ち時間と、優先度毎に算出した総待ち時間とを比較することで、その優先度に応じた最適な待ち時間でデータを送信する。
以下で、この待ち時間制御方法について、具体的な処理について説明する。
まず、ステップS100において、上位層部130は、送信データの優先度分け処理を行う。
この処理において、上位層部130は、送信キュー部141に対して、送信データと当該データの優先度を示す情報を格納する。
この優先度を示す情報としては、送信データのIPヘッダ内「ToS」フィールドの3ビットの情報(IP Precedence)を使用し、8段階のプライオリティ付けが可能なToS(Type of Service)方式を用いることができる。
また、優先度に関連する情報として、IPヘッダ内の「ToS」フィールドを「DS(DiffServ)」フィールドとして再定義し、6ビットの情報を使用し、64段階のプライオリティ付けが可能なDSCP(DiffServ Code Point)方式を用いることもできる。
このような優先度に関連する情報を使用する場合、送信データがIPSec等セキュリティのかかったデータあった場合、IPヘッダも含めて上位層で暗号化されてしまうため、下位層での解析が不能になってしまう。
このため、本発明の実施の形態に係る待ち時間制御方法においては、上位層部130は、送信データとは別に、新たな優先度に関連する情報を付与する。
なお、暗号化を行わない場合は、ToS方式やDSCP方式をそのまま使用してもよい。
この処理において、上位層部130は、送信キュー部141に対して、送信データと当該データの優先度を示す情報を格納する。
この優先度を示す情報としては、送信データのIPヘッダ内「ToS」フィールドの3ビットの情報(IP Precedence)を使用し、8段階のプライオリティ付けが可能なToS(Type of Service)方式を用いることができる。
また、優先度に関連する情報として、IPヘッダ内の「ToS」フィールドを「DS(DiffServ)」フィールドとして再定義し、6ビットの情報を使用し、64段階のプライオリティ付けが可能なDSCP(DiffServ Code Point)方式を用いることもできる。
このような優先度に関連する情報を使用する場合、送信データがIPSec等セキュリティのかかったデータあった場合、IPヘッダも含めて上位層で暗号化されてしまうため、下位層での解析が不能になってしまう。
このため、本発明の実施の形態に係る待ち時間制御方法においては、上位層部130は、送信データとは別に、新たな優先度に関連する情報を付与する。
なお、暗号化を行わない場合は、ToS方式やDSCP方式をそのまま使用してもよい。
ここで、従来技術においては、上述したように、優先度に応じた送信キューを用意する必要があるため、優先度の種別が多くなればなるほど、キューとしてデータを保存するための領域が多く必要になるという問題があった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る待ち時間制御方法では、上位層部130にて予め送信データの優先度付けスケジューリングを済ませるため、無線MAC層部140のような下位層では各優先度の種別毎に送信キューを用意する必要性がない。
このため、一組の送信キューとCSMA/CAのみを用いることができる。
これに対して、本発明の実施の形態に係る待ち時間制御方法では、上位層部130にて予め送信データの優先度付けスケジューリングを済ませるため、無線MAC層部140のような下位層では各優先度の種別毎に送信キューを用意する必要性がない。
このため、一組の送信キューとCSMA/CAのみを用いることができる。
次に、ステップS101において、無線MAC層部140のIFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、IFS(AIFS)待ち時間制御処理を行う。
この処理において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、上位層部130からの優先度に関連する情報を解析する。
また、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、ビジー状態からの待ち時間(IFS)を優先度に応じたAIFSの時間に設定し、チャネルが利用されているか否かを確認するキャリアセンスを行う。
この処理において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、上位層部130からの優先度に関連する情報を解析する。
また、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、ビジー状態からの待ち時間(IFS)を優先度に応じたAIFSの時間に設定し、チャネルが利用されているか否かを確認するキャリアセンスを行う。
次に、ステップS102において、バックオフ待ち時間制御部1452は、バックオフ待ち時間制御処理を行う。
この処理では、バックオフ待ち時間制御部1452は、AIFS時間を消化し、バックオフ状態中に送信キュー部141にデータが入ってきた場合は、優先度を示す情報を解析し、優先度に応じたAIFS時間+バックオフ時間である総待ち時間を算出する。この総待ち時間は、IEEE802.11eにおけるIFSの値にCW×slot timeを加えた値と同様の値を用いることができる。
バックオフ待ち時間制御部1452は、算出した総待ち時間と経過時間と比較し、既に総待ち時間を経過していた場合は、直ちに送信状態にする。
これに対して、まだ総待ち時間を経過していない場合、バックオフ待ち時間制御部1452は、優先度に応じたバックオフ時間に変更し、バックオフ状態を継続する。
以上により、待ち時間制御方法の処理を終了する。
この処理では、バックオフ待ち時間制御部1452は、AIFS時間を消化し、バックオフ状態中に送信キュー部141にデータが入ってきた場合は、優先度を示す情報を解析し、優先度に応じたAIFS時間+バックオフ時間である総待ち時間を算出する。この総待ち時間は、IEEE802.11eにおけるIFSの値にCW×slot timeを加えた値と同様の値を用いることができる。
バックオフ待ち時間制御部1452は、算出した総待ち時間と経過時間と比較し、既に総待ち時間を経過していた場合は、直ちに送信状態にする。
これに対して、まだ総待ち時間を経過していない場合、バックオフ待ち時間制御部1452は、優先度に応じたバックオフ時間に変更し、バックオフ状態を継続する。
以上により、待ち時間制御方法の処理を終了する。
以上のように、本実施形態の通信システムXは、優先度の種別に応じて送信キュー及びCSMA/CAの機能ブロックを用意するのではなく、上位層部130からの優先度に関連する情報に応じて、CSMA/CAの機能ブロックでの待ち時間を制御することで、送信データのQoS(優先度)制御を行う。
これに伴って衝突回避メカニズムも不要となる。
これに伴って衝突回避メカニズムも不要となる。
〔IFS(AIFS)待ち時間制御処理〕
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態に係るIFS(AIFS)待ち時間制御処理の詳細を説明する。
このIFS(AIFS)待ち時間制御処理は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451がハードウェア資源を用いて実行する。
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態に係るIFS(AIFS)待ち時間制御処理の詳細を説明する。
このIFS(AIFS)待ち時間制御処理は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451がハードウェア資源を用いて実行する。
まず、ステップS110において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、ステータス設定処理を行う。具体的には、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、待ち時間制御部1451に記憶している無線通信のステータス情報を初期化し、ビジー状態にする。
次に、ステップ111において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、無線PHY層部150より取得したキャリア情報の解析を行い、取得したキャリア情報がビジー状態であるか否か判定することにより、キャリアセンスを行う。
Yes、すなわち、ビジー状態の場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、ステップS111において、再びキャリア情報を取得してアイドル状態になるまで待つ。
No、すなわちビジー状態ではなくアイドル状態であった場合は、処理を次のステップS112に進める。
Yes、すなわち、ビジー状態の場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、ステップS111において、再びキャリア情報を取得してアイドル状態になるまで待つ。
No、すなわちビジー状態ではなくアイドル状態であった場合は、処理を次のステップS112に進める。
ステップS112において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、優先度解析結果チェック処理を行う。
具体的には、上位層部130から送信キュー部141に格納された無線用IPパケット+優先度情報43(図4参照)の優先度をチェックする。
IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、この優先度については、優先度解析処理部142で解析された値を用いてチェックを行い、優先度情報(優先度に関する情報)として記憶する。
具体的には、上位層部130から送信キュー部141に格納された無線用IPパケット+優先度情報43(図4参照)の優先度をチェックする。
IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、この優先度については、優先度解析処理部142で解析された値を用いてチェックを行い、優先度情報(優先度に関する情報)として記憶する。
次に、ステップS113において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、AIFS時間設定処理を行う。
具体的には、先のステップS112でチェックした優先度情報を基に、優先度に応じた待ち時間としてAIFS待ち時間を算出する。
具体的には、先のステップS112でチェックした優先度情報を基に、優先度に応じた待ち時間としてAIFS待ち時間を算出する。
次に、ステップS114において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、AIFS待ち時間設定処理を行う。
具体的には、ステップS113で算出した待ち時間であるAIFS待ち時間を図示しないタイマにタイマ時間として設定する。
具体的には、ステップS113で算出した待ち時間であるAIFS待ち時間を図示しないタイマにタイマ時間として設定する。
次に、ステップS115において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、タイマを読み出し、タイマに設定したタイマ時間を経過したか否かを判定する。
Yes、すなわちタイマ時間であるAIFS待ち時間を経過した場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、処理をステップS116に進める。
No、タイマ時間を経過していない場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、タイマ時聞が経過、すなわちタイムアウトするまで待機する。
Yes、すなわちタイマ時間であるAIFS待ち時間を経過した場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、処理をステップS116に進める。
No、タイマ時間を経過していない場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、タイマ時聞が経過、すなわちタイムアウトするまで待機する。
ステップS116において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、アイドル状態設定処理を行う。
具体的には、ステップS110でビジー状態にしたステータス情報をアイドル状態に設定するとともに、バックオフ待ち時間制御部1452に対して、アイドル状態であることを通知する。
具体的には、ステップS110でビジー状態にしたステータス情報をアイドル状態に設定するとともに、バックオフ待ち時間制御部1452に対して、アイドル状態であることを通知する。
次に、ステップS117において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、再び無線PHY層部150からキャリア情報を取得して解析し、キャリアセンスを行い、ビジー状態であるか判定する。
Yes、すなわちビジー状態であった場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、処理を次のステップS118に進める。
No、すなわちビジー状態ではなくアイドル状態であった場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、再びキャリア情報を取得してビジー状態になるまで待つ。
Yes、すなわちビジー状態であった場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、処理を次のステップS118に進める。
No、すなわちビジー状態ではなくアイドル状態であった場合は、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、再びキャリア情報を取得してビジー状態になるまで待つ。
ステップS118において、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、ステータス設定処理を行う。
具体的には、取得したキャリア情報がビジーであった場合、ステータス情報をビジーに設定する処理を行う。
その後、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、処理をステップS111に戻して処理を続ける。
以上により、IFS(AIFS)待ち時間制御処理を終了する。
具体的には、取得したキャリア情報がビジーであった場合、ステータス情報をビジーに設定する処理を行う。
その後、IFS(AIFS)待ち時間制御部1451は、処理をステップS111に戻して処理を続ける。
以上により、IFS(AIFS)待ち時間制御処理を終了する。
〔バックオフ待ち時間制御処理〕
次に、図7を参照して、バックオフ待ち時間制御処理の詳細を説明する。
このバックオフ待ち時間制御処理は、バックオフ待ち時間制御部1452がハードウェア資源を用いて実行する。
次に、図7を参照して、バックオフ待ち時間制御処理の詳細を説明する。
このバックオフ待ち時間制御処理は、バックオフ待ち時間制御部1452がハードウェア資源を用いて実行する。
まず、ステップS200において、バックオフ待ち時間制御部1452は、ステータス設定処理を行う。
この処理では、ステータス情報をビジー状態に初期化する。このステータス情報は、バックオフ待ち時間制御部1452の記憶部に記憶する。
この処理では、ステータス情報をビジー状態に初期化する。このステータス情報は、バックオフ待ち時間制御部1452の記憶部に記憶する。
次に、ステップS201において、バックオフ待ち時間制御部1452は、送信準備が完了しているか判定する。具体的には、送信キュー部141に送信可能なデータが格納されているか否かをチェックする。
Yes、すなわち、送信準備が完了している場合は、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理をステップS202に進める。
No、すなわち、まだ送信キュー部141の送信可能なデータの量が所定値以下の場合は、送信準備が完了したか再びチェックする。
Yes、すなわち、送信準備が完了している場合は、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理をステップS202に進める。
No、すなわち、まだ送信キュー部141の送信可能なデータの量が所定値以下の場合は、送信準備が完了したか再びチェックする。
次に、ステップS202において、バックオフ待ち時間制御部1452は、バックオフ値の再計算が必要であるか否かを判定する。ここでは、送信待機時間である「バックオフ数」を再計算する必要があるのか確認する。
Yes、すなわち再計算の必要がある場合には、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理をステップS203に進める。
No、すなわち再計算の必要がない場合には、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理をステップS204に進める。
Yes、すなわち再計算の必要がある場合には、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理をステップS203に進める。
No、すなわち再計算の必要がない場合には、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理をステップS204に進める。
ステップS203において、バックオフ待ち時間制御部1452は、バックオフ時間算出処理を行う。
具体的には、上位層部130より送信キュー部141に格納された無線用IPパケット+優先度情報43(図4)を優先度解析処理部142で解析した値である優先度に応じた送信待機時間(バックオフ数)をバックオフ待ち時間(バックオフ時間)として算出する。
その後、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理をステップS204に進める。
具体的には、上位層部130より送信キュー部141に格納された無線用IPパケット+優先度情報43(図4)を優先度解析処理部142で解析した値である優先度に応じた送信待機時間(バックオフ数)をバックオフ待ち時間(バックオフ時間)として算出する。
その後、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理をステップS204に進める。
ステップS204において、バックオフ待ち時間制御部1452は、ステータス情報をチェックして、ビジー状態か否か判定する。
Yes、すなわちビジー状態の場合は、処理をステップS205に進める。
No、すなわちビジー状態でないアイドルの場合は、処理をステップS206に進める。
Yes、すなわちビジー状態の場合は、処理をステップS205に進める。
No、すなわちビジー状態でないアイドルの場合は、処理をステップS206に進める。
ステップS205において、バックオフ待ち時間制御部1452は、AIFS待ち時間が経過したか否かを判定する。
Yes、すなわちAIFS待ち時間が経過している場合、処理をステップS206に進める。
No、すなわちまだ経過していない場合は、AIFS待ち時間を経過するまで待機する。
Yes、すなわちAIFS待ち時間が経過している場合、処理をステップS206に進める。
No、すなわちまだ経過していない場合は、AIFS待ち時間を経過するまで待機する。
ステップS206において、バックオフ待ち時間制御部1452は、総待ち時間算出処理を行う。
具体的には、上位層部130から送信キュー部141に格納された無線用IPパケット+優先度情報43(図4)において、優先度解析処理部142で解析された優先度の値に応じた総待ち時間を算出する。
この優先度の値に応じた総待ち時間は、AIFS待ち時間とバックオフ待ち時間の合計の値を用いることができる。
具体的には、上位層部130から送信キュー部141に格納された無線用IPパケット+優先度情報43(図4)において、優先度解析処理部142で解析された優先度の値に応じた総待ち時間を算出する。
この優先度の値に応じた総待ち時間は、AIFS待ち時間とバックオフ待ち時間の合計の値を用いることができる。
ステップS207において、バックオフ待ち時間制御部1452は、その時点までの待ち時間と、後述するステップS209で算出する優先度の値に応じた総待ち時間とを比較して、総待ち時間が経過したか判定する。
Yes、すなわち、既に優先度の値に応じた総待ち時間を経過していた場合は、処理をステップS211に進める。
No、すなわち、まだ優先度の値に応じた総待ち時間以下であった場合は、処理をステップS208に進める。
Yes、すなわち、既に優先度の値に応じた総待ち時間を経過していた場合は、処理をステップS211に進める。
No、すなわち、まだ優先度の値に応じた総待ち時間以下であった場合は、処理をステップS208に進める。
ステップS208において、バックオフ待ち時間制御部1452は、バックオフ時間設定処理を行う。
この処理においては、総待ち時聞からその時点までの待ち時間を引いた時間をバックオフ待ち時間としてタイマに設定する。
この処理においては、総待ち時聞からその時点までの待ち時間を引いた時間をバックオフ待ち時間としてタイマに設定する。
ステップS209において、バックオフ待ち時間制御部1452は、ステータスアイドル状態設定処理を行う。具体的には、ステップS200で設定したステータス情報をアイドル状態に設定する。
ステップS210において、バックオフ待ち時間制御部1452は、ステップS208でセットしたタイマのバックオフ待ち時間が経過したか判定する。
Yes、すなわち、タイマの時聞が経過してタイムアウトした後、処理をステップS211に進める。
No、すなわち、まだバックオフ待ち時間の場合は、経過するまで待機する。
Yes、すなわち、タイマの時聞が経過してタイムアウトした後、処理をステップS211に進める。
No、すなわち、まだバックオフ待ち時間の場合は、経過するまで待機する。
ステップS211において、バックオフ待ち時間制御部1452は、送信許可処理を行う。
具体的には、送信許可状態に移行するとともに送信許可状態となり、データ送信を開始する。
その後、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理を再びステップS201に戻し、送信準備が整っているかどうかをチェックする。
以上により、バックオフ待ち時間制御処理を終了する。
具体的には、送信許可状態に移行するとともに送信許可状態となり、データ送信を開始する。
その後、バックオフ待ち時間制御部1452は、処理を再びステップS201に戻し、送信準備が整っているかどうかをチェックする。
以上により、バックオフ待ち時間制御処理を終了する。
以上のように構成することで、以下のような効果を得ることができる。
従来方式によるQoSでは、優先度に応じた送信キューを用意する必要があった。このため、優先度の種別が多くなればなるほど、キューとしてデータを保存するための領域がより多く必要になっていた。また、先の優先度に応じた送信キュー毎にCSMA/CAの機能ブロックを有する構成の場合、優先度の種別が多くなると送信キューも増えるため、それに伴ってCSMA/CAの回路も増えるという問題があった。
そして、優先度の種別毎に送信キュー+CSMA/CAの機能ブロックの構成とした場合、それぞれがCSMA/CA制御を行うため、複数の送信キューの送信タイミングが重なった場合に制御する衝突回避メカニズムが必要となっていた。このため、優先度の種別が多くなれば衝突回避メカニズムもより複雑になってしまうという問題があった。
従来方式によるQoSでは、優先度に応じた送信キューを用意する必要があった。このため、優先度の種別が多くなればなるほど、キューとしてデータを保存するための領域がより多く必要になっていた。また、先の優先度に応じた送信キュー毎にCSMA/CAの機能ブロックを有する構成の場合、優先度の種別が多くなると送信キューも増えるため、それに伴ってCSMA/CAの回路も増えるという問題があった。
そして、優先度の種別毎に送信キュー+CSMA/CAの機能ブロックの構成とした場合、それぞれがCSMA/CA制御を行うため、複数の送信キューの送信タイミングが重なった場合に制御する衝突回避メカニズムが必要となっていた。このため、優先度の種別が多くなれば衝突回避メカニズムもより複雑になってしまうという問題があった。
これに対して、本発明の実施の形態に係る通信システムXにおいては、予め上位層部130によりデータに付与された優先度に関連する情報を解析し、その優先度情報に応じて、IFSのパラメータ値を可変させることで待ち時間を制御し、また、バックオフ時間を含めた総待ち時間(IFS+CW×slot time)と優先度毎に算出した総待ち時間を比較することで、その優先度に応じた最適な待ち時間でデータを送信することができる。
この結果、以下のような効果を得ることができる:
(1)MAC層の送信キュー、CSMA/CA機能ブロックに必要な回路規模等のリソースを少なくし、コストを低下させることができる。
(2)パラメータ値(上位層で設定する優先度)に応じて、1つのCSMA/CA機能ブロックをプログラマブルに動作させることができ、パラメータ値の設定、変更が容易である。
(3)衝突回避メカニズムが不要となる。
(4)さらに、パラメータ値に応じたQoS(優先度)制御が可能であり、柔軟な運用が可能となる。
この結果、以下のような効果を得ることができる:
(1)MAC層の送信キュー、CSMA/CA機能ブロックに必要な回路規模等のリソースを少なくし、コストを低下させることができる。
(2)パラメータ値(上位層で設定する優先度)に応じて、1つのCSMA/CA機能ブロックをプログラマブルに動作させることができ、パラメータ値の設定、変更が容易である。
(3)衝突回避メカニズムが不要となる。
(4)さらに、パラメータ値に応じたQoS(優先度)制御が可能であり、柔軟な運用が可能となる。
より具体的に説明すると、従来のEDCAの場合、上述した図9の構成のように、一般的に、無線MAC層で複数のキューに優先度を付与をもち、なおかつ各キューに対してCSMA/CAブロックをセットにした構成を用いていた。
この場合は、各キュー+CSMA/CAが、それぞれ独立して、それぞれの優先度に応じた送信処理をしていた。
すなわち、各キューに割当てられた優先度に応じた固定の待ち時間でキャリアセンスするため、衝突回避メカニズムが必要になっていた。
この場合は、各キュー+CSMA/CAが、それぞれ独立して、それぞれの優先度に応じた送信処理をしていた。
すなわち、各キューに割当てられた優先度に応じた固定の待ち時間でキャリアセンスするため、衝突回避メカニズムが必要になっていた。
これに対して、図8の概念図を参照して説明すると、本発明の実施の形態に係る通信システムXにおいては、例えば、上位層部130にて複数の優先度を付与したキューである優先度付き送信キュー421−1、421−2、421−3、421−4を用いる。
すなわち、本実施形態の通信システムXの実装の場合、上位層部130から優先度情報付のキューを介したデータが、無線MAC層部140の送信キュー部141に入力される。この際に、上述したように、優先度解析処理部142(図3)により、優先度を基に、送信キュー部141にデータを記憶する。
そして、上記のデータに付与されている優先度に応じて、1つのCSMA/CA制御部145にて、優先度に応じた待ち時間を計算し、該待ち時間にてキャリアセンスを行うことができる。つまり、このキャリアセンスの動作は「プログラマブル」で可変である。
このように、本実施形態の通信システムXでは、従来のように、CSMA/CA部245−1〜245−4のCSMA/CAブロック自体を4つ備える必要がなくなり、さらに衝突回避部260(図9)を備える必要もなくなる。つまり、キャリアセンスをするCSMA/CAのブロックがひとつであるため、衝突回避メカニズムが不要となる。
これにより、回路の規模を削減し、信頼性を向上させ、コストを押さえ、より効率的にQoSを行うことができる。
すなわち、本実施形態の通信システムXの実装の場合、上位層部130から優先度情報付のキューを介したデータが、無線MAC層部140の送信キュー部141に入力される。この際に、上述したように、優先度解析処理部142(図3)により、優先度を基に、送信キュー部141にデータを記憶する。
そして、上記のデータに付与されている優先度に応じて、1つのCSMA/CA制御部145にて、優先度に応じた待ち時間を計算し、該待ち時間にてキャリアセンスを行うことができる。つまり、このキャリアセンスの動作は「プログラマブル」で可変である。
このように、本実施形態の通信システムXでは、従来のように、CSMA/CA部245−1〜245−4のCSMA/CAブロック自体を4つ備える必要がなくなり、さらに衝突回避部260(図9)を備える必要もなくなる。つまり、キャリアセンスをするCSMA/CAのブロックがひとつであるため、衝突回避メカニズムが不要となる。
これにより、回路の規模を削減し、信頼性を向上させ、コストを押さえ、より効率的にQoSを行うことができる。
さらに、本発明の実施の形態に係る通信システムXは、予めデータに付与された優先度に関する情報を解析する処理部と、優先度情報に応じて時間パラメータIFSを制御する制御部と、バックオフ時間を制御する制御部と、バックオフ時間を含めた総待ち時間と優先度毎に算出した総待ち時間を比較する処理部を有する無線通信システムであることを特徴とする。
また、本発明の実施の形態に係る通信システムXは、予めデータに付与されている優先度に関する情報を解析し、ビジー状態からのIFS待ち時間を、優先度が高いほど待ち時間が短くなるように算出したAIFS待ち時間に設定することで、優先度の制御をすることを特徴とする。
また、本発明の実施の形態に係る通信システムXは、予めデータに付与されている優先度に関する情報を解析し、バックオフ状態の場合、先の優先度からAIFS+CW×slot timeである総待ち時間を算出し、現在の待ち時間と比較した結果、既に総待ち時間を経過していた場合は、直ちに送信処理を行うことを特徴とする。
また、本発明の実施の形態に係る通信システムXは、予めデータに付与されている優先度に関する情報をIPヘッダ及び、MACヘッダとは別に独自に指定することを特徴とする。
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
2 送受信装置
4 イーサネット(登録商標)
5 同軸ケーブル
6 RF同軸ケーブル
7 空中線
10 ベースバンド部
20 RF部
40 ビットデータ
41 有線用MACフレーム
42 有線用IPパケット
43 無線用IPパケット+優先度情報
44 無線用MACフレーム
45 ベースバンド信号
110 有線PHY層部
120 有線MAC層部
130 上位層部
140、240 無線MAC層部
141 送信キュー部
142 優先度解析処理部
145 CSMA/CA制御部
150 無線PHY層部
241−1、241−2、241−3、241−4 従来型送信キュー
245−1、245−2、245−3、245−4 CSMA/CA部
260 衝突回避部
421−1、421−2、421−3、421−4 優先度付き送信キュー
1451 IFS(AIFS)待ち時間制御部
1452 バックオフ待ち時間制御部
1453 総待ち時間比較部
X 通信システム
4 イーサネット(登録商標)
5 同軸ケーブル
6 RF同軸ケーブル
7 空中線
10 ベースバンド部
20 RF部
40 ビットデータ
41 有線用MACフレーム
42 有線用IPパケット
43 無線用IPパケット+優先度情報
44 無線用MACフレーム
45 ベースバンド信号
110 有線PHY層部
120 有線MAC層部
130 上位層部
140、240 無線MAC層部
141 送信キュー部
142 優先度解析処理部
145 CSMA/CA制御部
150 無線PHY層部
241−1、241−2、241−3、241−4 従来型送信キュー
245−1、245−2、245−3、245−4 CSMA/CA部
260 衝突回避部
421−1、421−2、421−3、421−4 優先度付き送信キュー
1451 IFS(AIFS)待ち時間制御部
1452 バックオフ待ち時間制御部
1453 総待ち時間比較部
X 通信システム
Claims (1)
- データに含まれる優先度に関する情報に従い、下位層に該データを渡す順序をスケジューリングするスケジューリング手段と、
前記スケジューリング手段から受け取った優先度の異なる前記データを一つの送信キューに記憶し、該送信キューに記憶された前記データに付与されている優先度に関する情報を基に前記データに送信待ち時間を設定し、設定した該送信待ち時間に従って前記データの送信制御を行う送信制御手段と
を備えることを特徴とする通信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010054691A JP2011188451A (ja) | 2010-03-11 | 2010-03-11 | 通信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010054691A JP2011188451A (ja) | 2010-03-11 | 2010-03-11 | 通信装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011188451A true JP2011188451A (ja) | 2011-09-22 |
Family
ID=44794154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010054691A Pending JP2011188451A (ja) | 2010-03-11 | 2010-03-11 | 通信装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011188451A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2010
- 2010-03-11 JP JP2010054691A patent/JP2011188451A/ja active Pending
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